説明

疼痛の医学的状態のための治療組合せ

治療組合せは、本明細書に定義されたとおりの化合物、具体的には、ラコサミド、または医薬的に許容されるその塩を含む第1の薬剤、および、第1の薬剤と組み合わせて、第1の薬剤単独と比べて医学的状態に伴うまたは引き起こされる疼痛の向上した治療を与えるために有効な第2の薬剤を含む。この組合せは、単一剤形または別個の剤形で与えることができ、関節炎状態および/またはそれに関連している疼痛の治療に具体的に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、治療組合せおよび、より具体的には、疼痛が存在する関節炎状態を含む状態などの医学的状態の治療におけるこのような組合せの使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
2020年までに6000万人の米国人が関節炎を患うと推定されている。関節炎は、700万人を超える米国人の身体障害(広義には歩いたり階段を上ったりする際に助けを必要とすることと定義される)および制限された日常活動の主要な原因であり、この数は2020年までに1160万人を超えるまで増えると予想される。http://www.arthritis.org/resources/ActionPlanInterior.pdf.を参照されたい。
【0003】
関節炎およびその合併症を治療するには費用が非常にかかる。1997年に、米国の関節炎および他のリウマチ疾患の総費用は860億ドルであった。1997年の関節炎および他のリウマチ疾患の直接医療費は511億ドルであった。1997年の関節炎および他のリウマチ疾患の間接費(逸失賃金による)は351億ドルであった。http://www.cdc.qov/mmwr/preview/mmwrhtml/mm5318a3.htmを参照されたい。
【0004】
関節リウマチは、関節の内膜、すなわち滑膜の炎症を主として特徴とする慢性疾患である。これは長期の関節損傷の原因となり、結果として慢性痛、機能喪失および障害をもたらしうる。関節リウマチは、米国人口の約1%、すなわち210万人の米国人に影響を及ぼす。
【0005】
関節リウマチは3期で進行する。第1期には、滑膜内膜の腫脹、痛みを生じること、温覚、硬直、発赤および関節周辺の腫脹が含まれる。第2期には、滑膜を厚くさせる原因となる細胞の迅速な分裂および増殖、すなわちパンヌスが含まれる。第3期には、炎症細胞が、骨および軟骨を消化しうる酵素を放出し、しばしば、病変関節のその形状およびアラインメント喪失、より多くの疼痛、および運動喪失を引き起こす。
【0006】
関節リウマチは全身疾患であるので、身体の他の器官に影響しうる。関節リウマチの早期診断および治療が生産的な生活様式を送りつづけるために重要である。これまでの研究には、関節リウマチの早期の積極的な治療が関節損傷を限定することができ、さらに運動の喪失、労働能力低下、より高い医療費用および手術可能性を限定することが示されている。http://www.arthritis.orq/conditions/DiseaseCenter/RA/ra overview.aspを参照されたい。
【0007】
骨関節炎は、元来非炎症性であると考えられる後天性筋骨格系障害であり、軟骨分解の速度が再生の速度を超えると発生し、軟骨侵食、軟骨下骨肥厚、および関節損傷をもたらす。軟骨が細くなると、その表面統合性が失われ、裂が形成されることがあり、軟骨は関節動作とともにより容易に侵食される傾向がある。新しい軟骨が形成されると、より線維性になりやすく、機械的応力耐性能が低下する傾向がある。時間とともに、機械的応力耐性能が低下している下層の骨が露出され、微小骨折を生じる。限局性骨壊死が骨表面下に生じることがあり、軟骨の骨の支持をさらに弱化させうる嚢胞を引き起こす。
【0008】
骨関節炎が進行すると、その関節の周囲の構造に最終的に影響を与えうる。例えば、軟骨分解過程の間に放出される炎症性メディエータに応答して、滑膜炎などの局所炎症が起こりうる。関節包は肥厚しやすく、関節の中への栄養の移動および外への代謝廃棄産物の移動は制限されうる。結果的に、骨関節炎が進行するにつれて、関節周囲筋の消耗が明らかとなることがあり、関節は、それほど頻繁ではないかまたは不適切に使用される。骨関節炎の疼痛は、軟骨が無神経系なので、軟骨分解それ自体によるのではなく、骨を含む周囲構造への作用によると考えられる。
【0009】
疾病予防管理センター(CDC)によれば、骨関節炎は関節炎疾患の最もよく見られる形態であり、2100万人のアメリカ人に影響を与えている。http://www.cdc.gov/arthritis/data_statistics/arthritis_related_statistics.htm#2を参照されたい。
【0010】
骨関節炎の有病率は年齢とともに増加し、年齢は最大のリスク要因である。Brandtによって報告された調査(2001)Principles of Internal Medicine、第15版(Braunwaldら編)、New York:McGraw-Hill、1987〜1994頁では、45歳未満の女性の2%だけが骨関節炎の証拠となるX線像を示すことが見出された。しかし、45から64歳の女性では、有病率は30%であり、65歳以上の女性では68%であった。他のリスク要因には、過剰体重、遺伝的特徴、エストロゲン欠乏、反復性関節使用、および外傷が含まれる。
【0011】
骨関節炎を有する典型的な患者は、中年または高年であり、膝、股関節部、手または脊椎の疼痛を訴える。手の遠位および近位指節間関節は、骨関節炎が最もよく見られる部位であるが、また症状を最も示しにくい。股関節部および膝は、第2および第3のよく見られる、罹患したことがX線で見られる関節であり、膝痛は症状をより示しやすい。
【0012】
疼痛は骨関節炎の最重要の症状である。骨関節炎痛は、炎症性および非炎症性要素の一方または両方を有しうる。抗炎症薬、例えば、NSAID(複数)(非ステロイド系抗炎症薬)およびシクロオキシゲナーゼ-2阻害剤は炎症性要素の治療または取り扱いに有用であることができ、一方オピオイドおよび他の鎮痛薬は非炎症性要素の治療または取り扱いに有用であることができる。しかし、このような薬物療法は、常に有効ではなく、全ての患者においてよく耐えることができない副作用を示す。
【0013】
非炎症性疼痛は、腫脹または温覚の欠如、炎症性または全身性特徴の欠如、および最小または無の朝のこわばりをしばしば特徴とする。
【0014】
非炎症性骨関節炎痛は、特に高年における座りがちな生活様式、意気消沈および睡眠問題の一因となりうる。疼痛は動きとともに強まる深い、うずくような痛みとしてしばしば特徴付けられる。通常は間欠的であり、しばしば軽いが、持続性かつ重度になりうる。羅患関節には通常捻髪音が認められる。
【0015】
特定のペプチドは、中枢神経系(CNS)活性を示すことが知られており、てんかんおよび他のCNS障害の治療に有用である。このようなペプチドは、例えば、米国特許第5378729号に記載されている。
【0016】
関連ペプチドは、CNS障害を治療するのに有用であるとして米国特許第5773475号に開示されている。
【0017】
参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、国際公開第02/074784号は、急性および慢性疼痛の異なる種類および症状の治療、特に非神経障害性炎症痛覚、例えば、関節リウマチ痛または二次炎症性骨関節炎痛の治療のための、抗侵害受容特性を有するペプチド化合物などの使用に関する。
【0018】
国際公開第02/074297号は、式
【0019】
【化1】

【0020】
(式中、Arは、非置換であるかまたは少なくとも1つのハロ置換基で置換されるフェニル基であり;R3はC1〜3アルコキシであり;R1はメチルである)
の化合物を用いる、末梢神経障害痛に関連する異痛の治療に関する。
【0021】
ラコサミド(SPM927またはハルコセリドとも呼ばれる)は上記式の化合物であり、十分に理解されていない作用様式を有する(Bialerら、(2002年)Epilepsy Res.、51:31〜71頁)。上記に参照される特許および刊行物に開示されるラコサミドおよび他のペプチド化合物の作用様式は、普通の抗てんかん薬のものと異なる。イオンチャネルは、他の知られている抗てんかん薬に相当する仕方でこれらの化合物から影響されない。例えば、ガンマ-アミノ酪酸(GABA)誘導電流は増強されるが、いずれの知られているGABA受容体亜型との直接相互作用も観察されていない。グルタメート誘導電流は減衰するが、この化合物はいずれの知られているグルタメート受容体亜型とも直接相互作用しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献1】米国特許第5378729号
【特許文献2】米国特許第5773475号
【特許文献3】国際公開第02/074784号
【特許文献4】国際公開第02/074297号
【非特許文献】
【0023】
【非特許文献1】Brandtによって報告された調査(2001)Principles of Internal Medicine、第15版(Braunwaldら編)、New York:McGraw-Hill、1987〜1994頁
【非特許文献2】Bialerら、(2002年)Epilepsy Res.、51:31〜71頁
【非特許文献3】Stohrら、(2006年)Eur. J. Pain 10(3):241〜249頁
【非特許文献4】3月(1985年)、Advanced Organic Chemistry、New York:John Wiley & Sons、16〜18頁
【非特許文献5】Physicians' Desk Reference(PDR)、第60版、Montvale、NJ:Thomson(2006年)
【非特許文献6】Guzmanら、(2003年)、Toxicol. Pathol.、31(6):619〜624頁
【非特許文献7】Kalbhen、(1987年)、J. Rheumatol.、14(Spec.NO.):130〜131頁
【非特許文献8】Wheeler-Aceto & Cowan(1991年)Psychopharmacology 104:35〜44頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
医学的状態、例えば、疼痛を有する関節炎状態、特にその症状としての非炎症性疼痛を治療しうる改善された治療が依然として求められている。
【課題を解決するための手段】
【0025】
今や、式(I)
【0026】
【化2】

【0027】
(式中、
Rは、水素、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、アリール、アリール低級アルキル、複素環、複素環低級アルキル、低級アルキル複素環、低級シクロアルキルまたは低級シクロアルキル低級アルキルであり、かつRは、非置換であるか、あるいは少なくとも1つの電子求引性基および/または少なくとも1つの電子供与性基で置換されており;
R1は、水素、または低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、アリール低級アルキル、アリール、複素環低級アルキル、低級アルキル複素環、複素環、低級シクロアルキル、もしくは低級シクロアルキル低級アルキルであり、かつ非置換であってもよいか、あるいは少なくとも1つの電子求引性基および/または少なくとも1つの電子供与性基で置換されていてもよく;
R2およびR3は、独立に、水素、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、アリール低級アルキル、アリール、ハロ、複素環、複素環低級アルキル、低級アルキル複素環、低級シクロアルキル、低級シクロアルキル低級アルキル、またはZ-Yであり、ここで、R2およびR3は、それぞれ独立に、非置換であるか、あるいは少なくとも1つの電子求引性基および/または少なくとも1つの電子供与性基で置換されており;
Zは、O、S、S(O)a、NR4、NR'6、PR4または化学結合であり;
Yは、水素、低級アルキル、アリール、アリール低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、ハロ、複素環、複素環低級アルキル、または低級アルキル複素環であり、かつ非置換であってもよいか、あるいは少なくとも1つの電子求引性基および/または少なくとも1つの電子供与性基で置換されていてもよく、ただし、Yがハロである場合、Zは化学結合であるか、または
Z-Yは一緒になって、NR4NR5R7、NR4OR5、ONR4R7、OPR4R5、PR4OR5、SNR4R7、NR4SR7、SPR4R5、PR4SR7、NR4PR5R6、PR4NR5R7、N+R5R6R7
【0028】
【化3】

【0029】
であることを条件とし;
R'6は、水素、低級アルキル、低級アルケニル、または低級アルキニルであり、かつ非置換であってもよいか、あるいは少なくとも1つの電子求引性基および/または少なくとも1つの電子供与性基で置換されていてもよく;
R4、R5およびR6は、独立に、水素、低級アルキル、アリール、アリール低級アルキル、低級アルケニル、または低級アルキニルであり、かつそれぞれ独立に、非置換であるか、あるいは少なくとも1つの電子求引性基および/または少なくとも1つの電子供与性基で置換されており;
R7は、R6、COOR8、またはCOR8であり、かつ非置換であってもよいか、あるいは少なくとも1つの電子求引性基および/または少なくとも1つの電子供与性基で置換されていてもよく;
R8は、水素、低級アルキル、またはアリール低級アルキルであり、かつ非置換であってもよいか、あるいは少なくとも1つの電子求引性基および/または少なくとも1つの電子供与性基で置換されていてもよく;
nは、1〜4であり;
aは、1〜3である)
の化合物、または医薬的に許容されるその塩を含む第1の薬剤;ならびにそれと組み合わせて、(a)第1の薬剤単独と比べて、医学的状態に伴うまたは引き起こされる疼痛の向上した治療を与えるため、および/または(b)該医学的状態の別の医学的症状もしくは根本にある原因を治療するために有効な第2の薬剤であって、式(I)の化合物以外の1種以上の薬物を含む第2の薬剤、を含む治療組合せが提供される。
【0030】
1つの実施形態における該医学的状態は、非炎症性疼痛が存在する状態である。例えば、該医学的状態は、関節炎状態でありうる。
【0031】
第1の薬剤および第2の薬剤は別個に、または単一剤形で提供されうる。したがって、1つの実施形態において、上記に定義したとおりの第1の薬剤および第2の薬剤を含む医薬製剤が提供される。
【0032】
対象における有痛性医学的状態および/またはそれに関連している疼痛を治療する方法であって、該対象に上記に定義したとおりの治療組合せを投与する段階を含む方法がさらに提供される。
【0033】
対象における関節炎状態および/またはそれに関連している疼痛を治療する方法であって、該対象に上記に定義したとおりの治療組合せを投与する段階を含み、該第2の薬剤が1種以上の抗関節炎薬を含む方法がなおさらに提供される。
【0034】
任意の上記実施形態によれば、式(I)の具体的な化合物は、(R)-2-アセトアミド-N-ベンジル-3-メトキシプロピオンアミドであるラコサミドである。
【0035】
上記に要約された実施形態の特定の態様を含む他の実施形態は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1〜図4において、「SPM927」は、ラコサミドをいう。
【図1】TNFによって誘発される筋圧痛覚過敏に対する3、10および30mg/kgでのラコサミドの効果を示す実施例1の試験結果のグラフ表示の図である。
【図2】プレガバリン、ガバペンチンおよびメタミゾール(ジピロン)と比べて、TNFによって誘発される筋圧痛覚過敏に対する3、10および30mg/kgでのラコサミドの最大可能効果(MPE)を示す実施例1の試験結果のグラフ表示の図である。
【図3】TNF誘発筋痛後の二頭筋握力に対する3、10および30mg/kgでのラコサミドの効果を示す実施例1の試験結果のグラフ表示の図である。
【図4】プレガバリン、ガバペンチンおよびメタミゾール(ジピロン)と比べて、TNF誘発筋痛後の二頭筋握力に対する3、10および30mg/kgでのラコサミドの最大可能効果(MPE)を示す実施例1の試験結果のグラフ表示の図である。
【図5A】試験の3日目のヨード酢酸一ナトリウム誘発触覚異痛に対するラコサミドおよびモルホリンの効果を示す実施例2の試験結果のグラフ表示の図である。
【図5B】試験の7日目のヨード酢酸一ナトリウム誘発触覚異痛に対するラコサミドおよびモルホリンの効果を示す実施例2の試験結果のグラフ表示の図である。
【図5C】試験の14日目のヨード酢酸一ナトリウム誘発触覚異痛に対するラコサミドおよびモルホリンの効果を示す実施例2の試験結果のグラフ表示の図である。
【図6A】試験の3日目のヨード酢酸一ナトリウム誘発触覚異痛に対するジクロフェナックの効果を示す実施例2の試験結果のグラフ表示の図である。
【図6B】試験の7日目のヨード酢酸一ナトリウム誘発触覚異痛に対するジクロフェナックの効果を示す実施例2の試験結果のグラフ表示の図である。
【図6C】試験の14日目のヨード酢酸一ナトリウム誘発触覚異痛に対するジクロフェナックの効果を示す実施例2の試験結果のグラフ表示の図である。
【図7A】試験の3日目のヨード酢酸一ナトリウム誘発機械的痛覚過敏に対するラコサミドおよびホルホリンの効果を示す実施例2の試験結果のグラフ表示の図である。
【図7B】試験の7日目のヨード酢酸一ナトリウム誘発機械的痛覚過敏に対するラコサミドおよびホルホリンの効果を示す実施例2の試験結果のグラフ表示の図である。
【図7C】試験の14日目のヨード酢酸一ナトリウム誘発機械的痛覚過敏に対するラコサミドおよびホルホリンの効果を示す実施例2の試験結果のグラフ表示の図である。
【図8A】試験の3日目でのヨード酢酸一ナトリウム誘発機械的痛覚過敏に対するジクロフェナックの効果を示す実施例2の試験結果のグラフ表示の図である。
【図8B】試験の7日目でのヨード酢酸一ナトリウム誘発機械的痛覚過敏に対するジクロフェナックの効果を示す実施例2の試験結果のグラフ表示の図である。
【図8C】試験の14日目でのヨード酢酸一ナトリウム誘発機械的痛覚過敏に対するジクロフェナックの効果を示す実施例2の試験結果のグラフ表示の図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
関節炎状態および/またはそれに関連している疼痛を治療するための治療組合せ、医薬剤形ならびにこのような組合せおよび剤形の使用方法が提供される。
【0038】
用語「治療組合せ」は、対象に一緒にまたは別個に投与される場合、該対象に治療利益をもたらすことに共活性である複数の薬剤をいう。このような投与は、「併用療法」、「共療法」、「補助療法」または「付加療法」といわれる。例えば、1つの薬剤はもう1つの薬剤の治療効果を増強もしくは向上させる、またはもう1つ薬剤の有害な副作用を減少させることができ、あるいは1種以上の薬剤は、単独で用いられる場合よりもより低い用量で有効に投与する、または単独で用いられる場合よりもより大きな治療利益を与えることができ、または疾患もしくは状態の異なる面、症状もしくは病因的要因に補完的に対処することができる。
【0039】
本明細書における「医学的状態」は、典型的には臨床的に診断された疾患、障害または症候群でありうる。本発明によって対処される医学的状態は、疼痛を伴うか、またはその症状として疼痛を有し、本明細書において「有痛性医学的状態」といわれる。疼痛は、事実上炎症性もしくは非炎症性であってもよく、または炎症性および非炎症性要素の両方を有しうる。例えば、多くの関節炎状態は、非炎症性および炎症性疼痛要素を有する。
【0040】
本治療組合せおよび方法が有用でありうる医学的状態および/または疼痛の種類の非限定的な例には、直下に列挙されるものが含まれ、列挙される状態および疼痛の種類の多くが重複していることが認められる:
・急性炎症性疼痛;
・急性疼痛;
・アルコール中毒関連またはアルコール中毒誘発神経障害性疼痛;
・異痛(独立にまたは別の状態の症状として生じる);
・関節炎状態;
・背部痛;
・癌関連神経障害性疼痛、例えば、隣接神経、脳または脊髄の腫瘍増殖による有痛性圧迫;
・中枢神経障害性疼痛;
・慢性頭痛;
・慢性炎症性疼痛;
・慢性疼痛;
・末梢神経損傷による慢性疼痛;
・糖尿病関連または糖尿病誘発神経障害性疼痛;
・糖尿病性疼痛;
・糖尿病性遠位感覚神経障害;
・糖尿病性遠位感覚多発性神経障害;
・線維筋痛;
・頭痛;
・痛覚過敏(独立にまたは別の状態の症状として生じる);
・知覚過敏;
・痛覚異常鋭敏症;
・片頭痛(古典的片頭痛および普通型片頭痛を含む);
・筋肉痛;
・筋膜疼痛症候群;
・神経痛;
・神経腫;
・非炎症性筋骨格痛;
・非炎症性骨関節炎痛;
・非神経障害性炎症性疼痛;
・神経障害性疼痛;
・化学療法または放射線療法関連または誘発疼痛;
・外傷性神経損傷もしくは圧迫または脳もしくは脊髄外傷性損傷関連あるいは誘発疼痛;
・有痛性糖尿病性神経障害;
・末梢神経障害性疼痛;
・持続性臨床疼痛;
・幻痛;
・関節リウマチ痛;
・続発性炎症性骨関節炎痛;
・三叉神経痛;および
・血管性頭痛。
【0041】
本明細書における「関節炎状態」は、対象の1つ以上の関節の、通常、疼痛を伴う筋骨格障害であり、必ずしも原発性的に関節炎ではない状態に関連するまたは続発性である関節炎が含まれる。なかでも最も重要な関節炎状態は特発性もしくは元来原発性でありうるか、または他の状態に対して続発性でありうる骨関節炎;および若年性関節リウマチを含む関節リウマチである。「関節炎状態」として本明細書において包含される他の障害には、限定されないが、乾癬性関節炎、感染性関節炎、強直性脊椎炎、神経原性関節症および多発性関節痛が含まれる。関節炎が続発性でありうる状態には、限定されないが、シェーグレン症候群、ベーチェット症候群、ライター症候群、全身性エリテマトーデス、リウマチ熱、痛風、偽痛風、ライム病、サルコイドーシスおよび潰瘍性大腸炎が含まれる。
【0042】
例えば、骨関節炎における関節炎に関連している疼痛は、炎症性もしくは非炎症性または両方でありうる。非炎症性骨関節炎痛は、非炎症性筋骨格痛の特別の種類であり、骨関節炎関連形態学的変質、例えば、軟骨分解、感覚ニューロン上の骨変化、骨再造形の血管新生の作用から通常生じる。これは、古典的免疫系応答に関連している組織損傷およびマクロファージ侵襲(浮腫をもたらす)を含む軟骨および骨における病理学的過程に続く滑膜炎症から通常生じる炎症性骨関節炎痛とは本明細書において区別される。
【0043】
その全体が参照により本明細書に組み込まれるが、本発明の従来技術には入らないStohrら、(2006年)Eur. J. Pain 10(3):241〜249頁には、炎症性疼痛を治療することに対するラコサミドの有効性を示す結果が記載されている。
【0044】
本文脈において別に要求されない限り、本明細書における用語「治療する」、「治療している」または「治療」には、組合せ、例えば、その症状、例えば、骨関節炎などの関節炎状態として非炎症性疼痛を有する医学的状態のリスクにあるまたは医学的状態を含む予後を有する対象における、本明細書に定義したとおりの第1の薬剤および第2の薬剤の組合せの予防的(preventive or prophylactic)使用、ならびにこのような状態を既に経験している対象における、該状態もしくはそれに伴う疼痛またはその根本的原因を軽減、緩和、強度減少、または除去させる療法としてのこのような組合せの使用が含まれる。
【0045】
用語「対象」は、温血動物、一般には哺乳動物、例えば、ネコ、イヌ、ウマ、ウシ、ブタ、マウス、ラットまたはヒトを含む霊長類をいう。1つの実施形態において、該対象はヒト、例えば、臨床的に診断された関節炎状態を有する患者である。
【0046】
用語「相乗作用」、「相乗効果」、「向上した予防」、「向上した軽減」または「向上した治療」は、化合物単独の相加効果と比べて、2種以上の化合物の組合せのより強い治療効果をいう。例えば、本明細書に記載されるような治療組合せは、本明細書に記載されるような医学的状態に伴う、もしくは引き起こされる疼痛の予防、軽減または/および治療における相乗効果を有しうる。
【0047】
本明細書に記載されるような治療組合せはまた、本明細書に記載されるような医学的状態または本明細書に記載されるような医学的状態に伴うもしくは引き起こされる疼痛の予防、軽減または/および治療に投与される場合、副作用または/および毒性の減少に相乗効果を有しうる。
【0048】
本発明の治療組合せは、上記されたとおりの式(I)の化合物、または医薬的に許容されるその塩を含む第1の薬剤を含む。2種以上のこのような化合物またはその塩が、第1の薬剤に場合によって存在しうる。特段の記載がない限り、式(I)の説明においておよび本明細書の他において用いられる用語は、以下のとおり定義される。
【0049】
用語「アルキル」は、単独でまたは別の用語(複数)と組み合わせて、典型的には1から約20個の炭素原子、より典型的には1から約8個の炭素原子、さらにより典型的には1から約6個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖の飽和ヒドロカルビル置換基を意味する。
【0050】
用語「低級アルキル」は、直鎖または分岐であってもよい1から6個の炭素原子、特に1から3個の炭素原子を含むアルキル置換基をいう。例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシルなど、およびそれらの異性体が含まれる。
【0051】
用語「アルケニル」は、単独でまたは別の用語(複数)と組み合わせて、1つ以上の二重結合および典型的には2から約20個の炭素原子、より典型的には2から約8個の炭素原子、さらにより典型的には2から約6個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖のヒドロカルビル置換基を意味する。不斉である場合、アルケニル基はシスまたはトランス配置を有しうる。
【0052】
用語「低級アルケニル」は、直鎖または分岐、およびZ型またはE型であってもよい2から6個の炭素原子を含むアルケニル置換基をいう。例には、ビニル、プロペニル、1-ブテニル、イソブテニル、2-ブテニル、1-ペンテニル、(Z)-2-ペンテニル、(E)-2-ペンテニル、(Z)-4-メチル-2-ペンテニル、(E)-4-メチル-2-ペンテニル、ペンタジエニル、例えば、1,3-または2,4-ペンタジエニルなどが含まれる。
【0053】
用語「アルキニル」は、単独でまたは別の用語(複数)と組み合わせて、1つ以上の三重結合および典型的には2から約20個の炭素原子、より典型的には2から約8個の炭素原子、さらにより典型的には2から約6個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖のヒドロカルビル置換基を意味する。
【0054】
用語「低級アルキニル」は、直鎖または分岐であってもよい2から6個の炭素原子を含むアルキニル置換基をいう。これには、エチニル、プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、1-ペンチニル、2-ペンチニル、3-メチル-1-ペンチニル、3-ペンチニル、1-ヘキシニル、2-ヘキシニル、3-ヘキシニルなどのような基が含まれる。
【0055】
用語「シクロアルキル」は、単独でまたは別の用語(複数)と組み合わせて、3から約18個の環炭素原子を含む完全または部分的飽和脂環式ヒドロカルビル基を意味する。シクロアルキル基は、単環式または多環式であってもよい。例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロデシル、シクロヘキセニル、シクロペンテニル、シクロオクテニル、シクロヘプテニル、デカリニル、ヒドロインダニル、インダニル、フェンキル、ピネニル、アダマンチルなどが含まれる。シクロアルキルには、そのシスまたはトランス型が含まれる。シクロアルキル基は、非置換であってもよいか、あるいは下記されるような電子求引性基または/および電子供与性基で一置換または多置換されていてもよい。さらに、該置換基は、架橋二環式系におけるエンド-またはエキソ-位置のいずれかであってもよい。「低級シクロアルキル」基は3から6個の炭素原子を有する。
【0056】
用語「アルコキシ」は、単独でまたは別の用語(複数)と組み合わせて、アルキルエーテル、すなわち、-O-アルキル、置換基を意味する。
【0057】
用語「低級アルコキシ」は、直鎖または分岐であってもよい1から6個の炭素原子、特に1から3個の炭素原子を含むアルコキシ置換基をいう。例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブチキシ、イソブトキシ、tert-ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシなどが含まれる。
【0058】
用語「アリール」は、単独でまたは別の用語(複数)と組み合わせて、約6から約18個の環炭素原子を含む芳香族基を意味し、多核芳香族を含む。アリール基は、単環式または多環式であっても、場合によって縮合していてもよい。本明細書において用いられるような多核芳香族基は、約10から約18個の環炭素原子を含む二環式および三環式縮合芳香族環系を包含する。アリール基には、フェニル、多核芳香族基(例えば、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、アズレニルなど)、およびフェロセニルなどの基が含まれる。アリール基は、非置換であってもよく、あるいは下記されるような電子求引性基および/または電子供与性基で一置換または多置換されていてもよい。
【0059】
「アリール低級アルキル」基には、例えば、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル、フェニルイソプロピル、フェニルブチル、ジフェニルメチル、1,1-ジフェニルエチル、1,2-ジフェニルエチルなどが含まれる。
【0060】
用語「一置換アミノ」は、単独でまたは別の用語(複数)と組み合わせて、水素遊離基の1つが、非水素置換基によって置換されているアミノ置換基を意味する。用語「二置換アミノ」は、単独でまたは別の用語(複数)と組み合わせて、水素原子の両方が、同一であっても、異なっていてもよい非水素置換基によって置換されているアミノ置換基を意味する。
【0061】
用語「ハロ」または「ハロゲン」には、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードが含まれる。
【0062】
用語「カルバルコキシ」は、アルキルが上記に定義されたとおりの低級アルキルであってもよい-CO-O-アルキルをいう。
【0063】
接頭辞「ハロ」は、接頭辞がついている置換基が1つ以上の独立に選択されたハロゲン遊離基で置換されていることを示す。例えば、ハロアルキルは、少なくとも1つの水素遊離基がハロゲン遊離基で置換されているアルキル置換基を意味する。ハロアルキル置換基の例には、クロロメチル、1-ブロモエチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1,1,1-トリフルオロエチルなどが含まれる。さらに説明すると、「ハロアルコキシ」は少なくとも1つの水素遊離基がハロゲン遊離基で置換されているアルコキシ置換基を意味する。ハロアルコキシ置換基の例には、クロロメトキシ、1-ブロモエトキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ(「ペルフルオロメトキシ」としても知られている)、1,1,1-トリフルオロエトキシなどが含まれる。特段の記載がない限り、置換基が2つ以上のハロゲン遊離基で置換されている場合、これらのハロゲン遊離基は同一であっても、異なっていてもよいことが認められるべきである。
【0064】
用語「アシル」には、1から約20個の炭素原子、好ましくは1から6個の炭素原子を含むアルカノイルが含まれ、直鎖または分岐であってもよい。アシル基には、例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、tert-ブチリル、ペンタノイルおよびそれらの異性体、ならびにヘキサノイルおよびその異性体が含まれる。
【0065】
用語「電子求引性の」および「電子供与性の」は、水素原子が分子内の同じ位置を占めた場合の水素原子の能力に比べて、それぞれ、置換基が電子を求引する、または電子を供与する能力をいう。これらの用語は当業者によってよく理解されており、例えば、その開示が参照により本明細書に組み込まれる3月(1985年)、Advanced Organic Chemistry、New York:John Wiley & Sons、16〜18頁において検討されている。電子求引性基には、ハロ(フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードを含む)、ニトロ、カルボキシ、低級アルケニル、低級アルキニル、ホルミル、カルボキシアミド、アリール、四級アンモニウム、ハロアルキル(トリフルオロメチルなど)、アリール低級アルカノイル、カルバルコキシなどが含まれる。電子供与性基には、ヒドロキシ、低級アルコキシ(メトキシ、エトキシなどを含む)、低級アルキル(メチル、エチルなどを含む)、アミノ、低級アルキルアミノ、ジ(低級アルキル)アミノ、アリールオキシ(フェノキシなど)、メルカプト、低級アルキルチオ、低級アルキルメルカプト、ジスルフィド(低級アルキルジチオ)などが含まれる。当業者であれば、上記置換基の一部は、異なる化学条件下で電子供与性または電子求引性であることが考えられうることを理解するであろう。さらに、本発明は、上記に特定した基から選択される置換基の任意の組合せを企図する。
【0066】
用語「複素環式」は、1個以上の硫黄、窒素および/または酸素環原子を含む環置換基を意味する。複素環式基には、複素環式芳香族基ならびに飽和および部分的飽和複素環式基が含まれる。複素環式基は、単環式、二環式、三環式または多環式であってもよく、縮合環であることもできる。これらは、17個までの環炭素原子を含む18個までの環原子を通常含み、全部で約25個の炭素原子まで含みうるが、好ましくは5員から6員環である。複素環式基には、いわゆるベンゾ複素環も含まれる。代表的な複素環式基には、フリル、チエニル、ピラゾリル、ピロリル、メチルピロリル、イミダゾリル、インドリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、ピペリジル、ピロリニル、ピペラジニル、キノリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソキノリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、モルホリニル、ベンゾキサゾリル、テトラヒドロフリル、ピラニル、インダゾリル、プリニル、インドリニル、ピラゾリンジニル、イミダゾリニル、イマダゾリンジニル、ピロリジニル、フラザニル、N-メチルインドリル、メチルフリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリジル、エポキシ、アジリジノ、オキセタニル、およびアゼチジニル基、ならびに窒素含有複素環のN-オキシド、例えば、ピリジル、ピラジニル、およびピリミジニル基のN-オキシドなどが含まれる。複素環式基は、非置換であっても、電子求引性および/または電子供与性基で一置換もしくは多置換されていてもよい。
【0067】
1つの実施形態において、複素環式基は、チエニル、フリル、ピロリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、インドリル、メチルピロリル、モルホリニル、ピリジル、ピラジニル、イミダゾリル、ピリミジニル、およびピリダジニル、特に、フリル、ピリジル、ピラジニル、イミダゾリル、ピリミジニル、およびピリダジニル、より特に、フリルおよびピリジルから選択される。
【0068】
もう1つの実施形態において、複素環式基は、少なくとも1つの低級アルキル基(好ましくは、1〜3個の炭素原子を有するもの、例えば、メチル)、ピロリル、イミダゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、オキサゾリルおよびチアゾリル、特に、フリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、オキサゾリルおよびチアゾリル、より特に、フリル、ピリジル、ピリミジニルおよびオキサゾリルから選択される。
【0069】
具体的に、式(I)の化合物において、nは1であるが、ジ-(n=2)、トリ-(n=3)およびテトラペプチド(n=4)も本明細書において有用であると企図される。
【0070】
式(I)の化合物におけるRは、具体的には、アリール低級アルキル、特に、そのフェニル環が非置換であるか、あるいは1つ以上の電子求引性基および/または電子供与性基、例えば、ハロ(例えば、フルオロ)で置換されているベンジルである。
【0071】
式(I)の化合物におけるR1は、好ましくは水素または低級アルキル、特にメチルである。
【0072】
特に好適な電子求引性および/または電子供与性置換基は、ハロ、ニトロ、アルカノイル、ホルミル、アリールアルカノイル、アリロイル、カルボキシル、カルバルコキシ、カルボキサミド、シアノ、スルホニル、スルホキシド、複素環、グアニジン、四級アンモニウム、低級アルケニル、低級アルキニル、スルホニウム塩、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルキル、アミノ、低級アルキルアミノ、ジ(低級アルキル)アミノ、アミノ低級アルキル、メルカプト、メルカプトアルキル、アルキルチオ、およびアルキルジチオである。用語「スルフィド」は、メルカプト、メルカプトアルキルおよびアルキルチオを包含し、一方用語「ジスルフィド」はアルキルチオを包含する。好ましい電子求引性および/または電子供与性基は、ハロおよび低級アルコキシ、特にフルオロおよびメトキシである。これらの好ましい置換基は、本明細書に定義されたとおりの基R、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R'6、R7またはR8の任意の1つ以上に存在しうる。
【0073】
R2および/またはR3を表すZ-Y基には、ヒドロキシ、アルコキシ(例えば、メトキシおよびエトキシ)、アリールオキシ(例えば、フェノキシ)、チオアルコキシ(例えば、チオメトキシおよびチオエトキシ)、チオアリールオキシ(例えば、チオフェノキシ)、アミノ、アルキルアミノ(例えば、メチルアミノおよびエチルアミノ)、アリールアミノ(例えば、アニリノ)、低級ジアルキルアミノ(例えば、ジメチルアミノ)、トリアルキルアンモニウム塩、ヒドラジノ、アルキルヒドラジノおよびアリールヒドラジノ(例えば、N-メチルヒドラジノおよびN-フェニルヒドラジノ)、カルバルコキシヒドラジノ、アラルコキシカルボニルヒドラジノ、アリールオキシカルボニルヒドラジノ、ヒドロキシルアミノ(例えば、N-ヒドロキシルアミノ(-NHOH))、低級アルコキシアミノ(R18が低級アルキル、例えば、メチルであるNHOR18)、N-低級アルキルヒドロキシルアミノ(R18が低級アルキルであるN(R18)OH)、N-低級アルキル-O-低級アルキルヒドロキシルアミノ(R18およびR19が独立に低級アルキルであるN(R18)OR19)、およびo-ヒドロキシルアミノ(-O-NH2)、アルキルアミド(例えば、アセトアミド)、トリフルオロアセトアミド、ならびにヘテロシクリルアミノ(例えば、ピラゾイルアミノ)が含まれる。
【0074】
R2および/またはR3を表す好ましい複素環式基は、式
【0075】
【化4】

【0076】
の単環5員または6員複素環式部分であり、その不飽和、部分的および完全飽和型を含む(式中、nは0または1であり;R50は水素または電子求引性もしくは電子供与性基であり;A、E、L、JおよびGは、独立に、CH、またはN、OおよびSからなる群から選択されるヘテロ原子であるが;nが0である場合、GはCH、またはN、OおよびSからなる群から選択されるヘテロ原子であり;ただし、A、E、L、JおよびGの最大2個がヘテロ原子であることを条件とする)。
【0077】
nが0である場合、上記単環複素環式環は5員であり、nが1である場合、該環は6員である。
【0078】
上記に示される環が窒素環原子を含む場合、該N-オキシド型も本発明の範囲内にあることが企図される。
【0079】
R2またはR3が上記式の複素環式基を含む場合、それは環炭素原子によって主鎖に結合されていてもよい。nが0である場合、R2またはR3は、窒素環原子によって主鎖にさらに結合されていてもよい。
【0080】
R2およびR3の他の好ましい部分は、水素、アリール(例えば、フェニル)、アリールアルキル(例えば、ベンジル)、およびアルキルである。このような部分は、非置換でありうるか、あるいは電子求引性基および/または電子供与性基で一置換または多置換されうる。様々な実施形態において、R2およびR3は、独立に、水素であり;非置換であるか、あるいは1つ以上の電子求引性基および/または電子供与性基、例えば、低級アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシなど)で置換されているかのいずれかである低級アルキル;N-ヒドロキシルアミノ;N-低級アルキルヒドロキシアミノ;N-低級アルキル-O-低級アルキル;またはアルキルヒドロキシルアミノである。
【0081】
一部の実施形態において、R2およびR3の一方は水素である。
【0082】
1つの実施形態において、式(I)におけるnは1であり、R2およびR3の一方は水素である。この実施形態において具体的には、R2は水素であり、R3は低級アルキルまたはZ-Yであり、ここで、ZはO、NR4またはPR4であり、Yは水素または低級アルキルであり;あるいはZ-Yは、NR4NR5R7、NR4OR5、ONR4R7
【0083】
【化5】

【0084】
である。
【0085】
もう1つの実施形態において、nは1であり、R2は水素であり、R3は、非置換であるか、または電子求引性基もしくは電子供与性基で置換されている低級アルキル、NR4OR5、あるいはONR4R7である。
【0086】
さらにもう1つの実施形態において、
nは1であり;
Rはアリール低級アルキルであり、このアリール基は非置換であるか、または電子求引性基で置換されており、例えば、アリールは、非置換であるか、またはハロで置換されているフェニルであることができ;
R1は低級アルキルであり;
R2は水素であり;
R3は低級アルキルであり、これは非置換であるか、あるいはヒドロキシ、低級アルコキシ、NR4OR5またはONR4R7で置換されており、ここで、R4、R5およびR7は、独立に、水素または低級アルキルである。
【0087】
さらにもう1つの実施形態において、R2は水素であり、R3は水素、非置換であるかまたは少なくとも1つの電子求引性基もしくは電子供与性基で置換されているアルキル基あるいはZ-Yである。この実施形態において、R3は、具体的には、水素、メチルなどのアルキル基であり、これは非置換であるか、あるいは電子供与性基、例えば、低級アルコキシ、より特には、メトキシもしくはエトキシ、またはNR4OR5もしくはONR4R7で置換されており、ここで、R4、R5およびR7は、独立に、水素または低級アルキルである。
【0088】
さらにもう1つの実施形態において、R2およびR3は、独立に、水素、低級アルキル、またはZ-Yであり;Zは、O、NR4またはPR4であり;Yは水素または低級アルキルであり;あるいはZ-Yは、NR4NR5R7、NR4OR5、ONR4R7
【0089】
【化6】

【0090】
である。
【0091】
Rはアリール低級アルキルであることが好ましい。Rについて最も好ましいアリールはフェニルである。最も好ましいR基はベンジルである。アリール基は、非置換であるか、または電子求引性基もしくは電子供与性基で置換されている。Rにおけるアリール環が置換されている場合、電子求引性基で置換されていることが最も好ましい。Rについて最も好ましい電子求引性基はハロ、特にフルオロである。
【0092】
好ましいR1は低級アルキル、特にメチルである。
【0093】
1つの実施形態において、Rはアリール低級アルキル、例えば、ベンジルであり、R1は低級アルキル、例えば、メチルである。
【0094】
さらなる好ましい化合物は、式(I)の化合物であり、式中、
nは1であり;
Rはアリールまたはアリール低級アルキル、例えば、ベンジルであり、ここでアリール基は非置換であるか、または電子求引性基もしくは電子供与性基で置換されており;
R1は低級アルキルであり;
R2は水素であり;
R3は水素、低級アルキル基、特に、電子求引性基もしくは電子供与性基で置換されているメチル、またはZ-Yである。
【0095】
この実施形態において、R3は、水素、特にメチルである低級アルキル基 [これは電子供与性基、例えば、低級アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシなど)で置換されていてもよい]、NR4OR5またはONR4R7であることがより好ましく、ここでこれらの基は上記に定義されたとおりである。
【0096】
1つの態様において、該化合物は式(II)
【0097】
【化7】

【0098】
によって表されるか、または医薬的に許容されるその塩であり、式中、
Arはアリール、特にフェニルであり、これは非置換であるか、または少なくとも1つのハロで置換されており;
R1は低級アルキル、特にC1〜3アルキル、例えば、メチルであり;
R3は水素あるいは低級アルキル(これは非置換であるか、または少なくとも1つの電子求引性基もしくは電子供与性基で置換されている)、またはZ-Yであり;例えば、R3は-CH2-Qであり、ここで、Qは低級アルコキシ、特にC1〜3アルコキシ、例えば、メトキシである。
【0099】
もう1つの態様において、該化合物は式(I)を有し、式中、
nは1であり;
Rは非置換または置換ベンジル、特にハロ置換ベンジルであり;
R1は低級アルキル、特にC1〜3アルキル、例えば、メチルであり;
R2は水素であり;
R3は本明細書において広義に定義されたとおりである。
【0100】
さらにもう1つの態様において、該化合物は式(III)
【0101】
【化8】

【0102】
によって表されるか、または医薬的に許容されるその塩であり、式中、
R4は、水素、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ニトロ、カルボキシ、ホルミル、カルボキシアミド、アリール、四級アンモニウム、ハロアルキル、アリールアルカノイル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ、アルキルメルカプト、およびジスルフィドからなる群から独立に選択される1つ以上の置換基であり;
R3は、水素、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アリール、N-アルコキシ-N-アルキルアミノ、およびN-アルコキシアミノからなる群から選択され;
R1は、アルキルである。
【0103】
式(III)の化合物におけるアルキル、アルコキシ、アルケニルおよびアルキニル基は、わずか6個以下、より典型的にわずか3個以下の炭素原子を有する低級アルキル、アルコキシ、アルケニルおよびアルキニル基である。
【0104】
特定の態様において、式(III)の化合物におけるR4置換基は、水素置換基およびハロ、より特に、フルオロ置換基から独立に選択される。
【0105】
特定の態様において、式(III)の化合物におけるR3は、アルコキシアルキル、フェニル、N-アルコキシ-N-アルキルアミノまたはN-アルコキシアミノである。
【0106】
特定の態様において、式(III)の化合物におけるR1は、C1〜3アルキルである。
【0107】
より特定の態様において、わずか1つのR4置換基はフルオロであり、他の全ては水素であり;R3は、メトキシメチル、フェニル、N-メトキシ-N-メチルアミノおよびN-メトキシアミノからなる群から選択され;R1はメチルである。
【0108】
R1、R2、R3およびR基ならびにnの値の組合せおよび順列は、このような組合せおよび順列が本明細書において明示的に記載されていなくても、本発明の範囲内にあると企図されることが理解されるべきである。さらに、本発明はまた、R1、R2、R3およびRならびに様々なそれらの組合せについて記載されるマーカッシュ群のそれぞれの1つ以上の要素を有する化合物を含む治療組合せを包含する。したがって、例えば、本発明では、R1およびRは、独立に、式(I)の化合物のn個の
【0109】
【化9】

【0110】
サブユニットのそれぞれに関して独立に、R2およびR3置換基の任意と組み合わせた上記に列挙される1つ以上の置換基であってもよいことが企図される。
【0111】
本明細書において有用な化合物は、1個以上の不斉炭素を含んでもよいし、光学的に活性な形態で存在してもよい。それぞれの不斉炭素の周りの配置は、DまたはL配置のいずれかでありうる。キラル炭素原子の周りの配置も、カーン-プレローグ-インゴールド系におけるRまたはSとして記載されうる。様々なエナンチオマーおよびジアステレオマーならびに、限定されないが、ラセミ混合物を含む、エナンチオマー、ジアステレオマーまたは両方の混合物を含むそれぞれの不斉炭素の周りの様々な配置は全て、本発明によって企図される。
【0112】
より特に、R2およびR3が同一でない式(I)の化合物において、基R2およびR3が結合している炭素原子に不斉が存在する。本明細書において用いられるように、用語「配置」は、他のキラル中心が分子内に存在することがあっても、R2およびR3に結合している炭素原子の周りの配置を一般にいう。したがって、文脈上で他の意味に解すべき場合を除き、特定の配置、例えば、DまたはLをいう場合、R2およびR3が結合している炭素原子でのD-またはL-立体異性体を意味すると理解されるべきである。しかし、該化合物中に存在する他のキラル中心での可能なエナンチオマーおよびジアステレオマー全てが、もしあれば、本明細書に包含される。
【0113】
本明細書において有用な化合物は、上記に定義されたとおりのL-またはD-立体異性体、あるいは、限定されないが、ラセミ混合物を含む、その任意の混合物を含みうる。D-立体異性体が一般に好ましい。ラコサミドにおいて、R,S用語に従って、D-立体異性体はR-エナンチオマーに相当する。
【0114】
1つの実施形態において、該化合物、例えば、ラコサミドは、実質的にエナンチオピュアである。本明細書において用いられるように、用語「実質的にエナンチオピュア」は、少なくとも88%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、96%、97%、98%または99%のエナンチオマー純度を有することを意味する。
【0115】
本組合せにおいて用いることができる具体的な化合物には、
(R)-2-アセトアミド-N-ベンジル-3-メトキシプロピオンアミド(ラコサミド);
(R)-2-アセトアミド-N-ベンジル-3-エトキシプロピオンアミド;
O-メチル-N-アセチル-D-セリン-m-フルオロベンジルアミド;
O-メチル-N-アセチル-D-セリン-p-フルオロベンジルアミド;
N-アセチル-D-フェニルグリシンベンジルアミド;
D-1,2-(N,O-ジメチルヒドロキシルアミノ)-2-アセトアミド酢酸ベンジルアミド;
および
D-1,2-(O-メチルヒドロキシルアミノ)-2-アセトアミド酢酸ベンジルアミド
が含まれる。
【0116】
置換基に依存して、本化合物のあるものは塩を形成しうる。例えば、式(I)、(II)および(III)の化合物は、医薬的に許容される酸を含む、無機および有機の、広範な種々の酸と塩を形成しうる。このような塩は、高められた水溶解度を有することができ、高められた水溶解度が有利である場合の状況での使用のための医薬組成物を調製するのに特に有用でありうる。
【0117】
医薬的に許容される塩は、許容できない毒性を有さずに治療効果を有するものである。無機酸、例えば、塩酸、ヨウ化水素酸、臭化水素酸、リン酸、メタリン酸、硝酸および硫酸の塩、ならびに有機酸、例えば、酒石酸、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、安息香酸、過塩素酸、グリコール酸、グルコン酸、コハク酸、アリールスルホン酸(例えば、p-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸)、リン酸およびマロン酸などの塩を用いることができる。
【0118】
本明細書において有用な化合物は、例えば、そのそれぞれが参照により本明細書に組み込まれる、上記に参照された米国特許第5378729号および同第5773475号に記載されるような任意の既知の合成手順によって調製することができる。
【0119】
本明細書において記載されるような化合物は、治療有効量で用いられる。医師は、選択された特定の化合物、投与の経路および方法、ならびに個々の患者の年齢および他の特性によって変りうる、化合物の好適な投与量を決定することができる。医師は、小用量、例えば、該化合物の実質的に最適用量未満で治療を開始し、状況下で最適効果が得られるまで少しずつ用量を増加させることができる。該組成物が経口投与される場合、非経口投与される、より少ない量と同じ治療利益を生じるために、より多くの量の該化合物が必要とされうる。
【0120】
1つの特定の態様において、該化合物、例えば、ラコサミドは、1日当たり体重1キログラム当たり約1mgから約10mgの範囲の量で投与される。通常、少なくとも約50mg/日、例えば、少なくとも約100mg/日、少なくとも約200mg/日、少なくとも約300mg/日または少なくとも約400mg/日の用量で、該化合物、例えば、ラコサミドを用いて患者を治療することができる。一般に、好適な用量は、約6g/日以下、例えば、約1g/日以下または約600mg/日以下である。しかし、一部の場合に、より高いまたはより低い用量が必要とされうる。
【0121】
もう1つの態様において、さらなる治療の間に維持される所定の1日量に到達するまで1日量は増加される。
【0122】
さらにもう1つの態様において、いくつかの分割された用量が1日に投与される。例えば、1日当たりわずか3回用量以下、または1日当たりわずか2回用量以下が投与されうる。しかし、1日当たりわずか1回用量を投与することがしばしば最も都合がよい。
【0123】
本明細書において、1日基準、例えば、mg/日で表される用量は、1日1回の頻度の投与を必要とすると解釈されるべきではない。例えば、300mg/日の用量は、1日100mg 3回として、または隔日に600mgとして投与することができる。
【0124】
さらにもう1つの態様において、複数の治療対象に対する平均として計算して、約0.1から約15μg/ml(最小値)および約5から約18.5μg/ml(最大値)の該化合物の血漿濃度を生じる該化合物、例えば、ラコサミドの量が投与される。
【0125】
式(I)、(II)または(III)の化合物、例えば、ラコサミドは、任意の都合がよく、有効な方法、例えば、経口、静脈内、腹腔内、筋内、髄腔内、皮下または経粘膜(例えば、口腔)経路で投与されうる。経口または静脈内投与が一般に好ましい。
【0126】
経口投与について、該化合物は、不活性希釈剤もしくは吸収でき食べられる担体をさらに含む経口的に送達可能な医薬組成物の成分として通常投与されるか、または対象の食物中に取り込ませることができる。経口的に送達可能な医薬組成物において、該化合物は、1種以上の賦形剤と一緒に取り込ませ、錠剤、トローチ、丸薬、カプセル、エリキシル剤、懸濁液、シロップ、ウエハースなどの形態で投与することができる。このような組成物は、重量基準で少なくとも約1%、より典型的には約5%から約80%の該化合物、例えば、ラコサミドを通常含む。組成物中の該化合物の量は、該組成物の投与後、上記したとおりの好適な投与量を都合よく与えることができるような量である。具体的には、式(I)、(II)または(III)の化合物、例えば、ラコサミドの経口送達に有用な医薬組成物は、約10mgから約6g、例えば、約50から約1000mg、または約100から約600mgの該化合物を含む。
【0127】
特定の実施形態において、該組成物は、硬いかまたは軟らかい殻(例えば、ゼラチン)カプセルに入れられるか、または圧縮もしくは成形錠剤の形態である。該組成物は具体的に、賦形剤として、1種以上の希釈剤、例えば、ラクトースまたはリン酸二カルシウム(カプセルの場合に液体担体が存在しうる);結合剤、例えば、ガムトラガカント、アカシア、トウモロコシデンプンまたはゼラチン;崩壊剤、例えば、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、アルギン酸など;潤滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム;ならびに甘味剤、例えば、スクロースもしくはサッカリンおよび/または香味剤、例えば、ペパーミント、ウィンターグリーンの油(または必要に応じてチェリー香味剤を加えうる)を含む。
【0128】
様々な他の賦形剤がコーティングまたは別に該組成物の物理的形態を変更するものとして存在しうる。例えば、錠剤、丸薬、またはカプセルは、シェラック、糖または両方でコーティングしてもよい。シロップまたはエリキシル剤は、該活性化合物、甘味剤としてスクロース、保存剤としてメチル-およびプロピルパラベン、染料、および香味剤、例えば、チェリーまたはオレンジ風味を含みうる。該活性化合物は、持続放出配合物中に取り込ませることができる。例えば、樹脂の放出特性を変更する拡散バリアコーティングで場合によってコーティングすることができるイオン交換樹脂に該化合物が結合している持続放出剤形が企図される。
【0129】
注射使用に好適な医薬組成物には、滅菌水溶液(該化合物が水溶性である場合)、滅菌分散液、滅菌注射溶液または分散液の即時調製用の滅菌粉末が含まれる。このような場合に、該注射可能な組成物は滅菌でなければならず、かつ容易な注入性を可能にするのに十分流動性でなければならない。該組成物は、製造および保存条件下で安定でなければならず、かつ、通常、細菌および真菌などの微生物の汚染作用に対して保存されなければならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコールなど)、それらの好適な混合物、および植物油を含む溶媒または分散媒体でありうる。例えば、レクチンなどのコーティングの使用によって、分散液の場合は必要とされる粒度の維持によって、および表面活性剤の使用によって、適切な流動性を維持することができる。微生物作用は、様々な抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどによって抑制することができる。多くの場合に、注射用に実質的に等張液を与えるために等張化剤、例えば、糖または塩化ナトリウムを含むことが好ましい。注射可能な組成物の長期にわたる吸収は、吸収を遅らせる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウムまたはゼラチンの、該組成物における使用によってもたらしうる。
【0130】
滅菌注射溶液は、必要に応じて、上記した様々な他の成分と一緒に適当な溶媒中で必要とされる量で該活性化合物を取り込ませ、続けてろ過滅菌によって調製しうる。一般に、分散液は、分散媒体および上記されたものなどの他の賦形剤成分を含む滅菌ビヒクルに滅菌された活性化合物を取り込むことによって調製される。滅菌注射溶液の調製用の滅菌粉末は、前に滅菌ろ過した溶液または分散液を真空乾燥または凍結乾燥することによって調製しうる。
【0131】
本発明の治療組合せは、上記されるような第1の薬剤に加えて、それと組み合わせて、(a)第1の薬剤単独と比べて、医学的状態に伴うまたは引き起こされる疼痛の向上した治療を与えるために;および/または(b)該医学的状態の別の症状または根本的原因を治療するために有効な第2の薬剤であって、式(I)の化合物以外の1種以上の薬物を含む第2の薬剤を含む。
【0132】
1つの実施形態において、第2の薬剤は、式(I)の化合物以外の抗関節炎薬を含み、該組合せは、関節炎状態および/またはそれに関連している疼痛を治療するのに有用である。2種以上の抗関節炎薬が第2の薬剤中に場合によって存在しうる。
【0133】
「抗関節炎薬」は、本明細書に定義されたとおりの関節炎状態の任意の態様、症状(例えば、疼痛または炎症)および/または根本的原因の治療(予防を含む)に有効性を有する薬物である。
【0134】
例えば、第2の薬剤中にまたは第2の薬剤として含まれる抗関節炎薬は、疼痛の治療、すなわち、鎮痛に有効でありうる。好適な鎮痛薬には、オピオイドおよび非ピオイド鎮痛薬、ならびに特定の抗炎症薬(直ぐ下を参照)が含まれる。式(I)、(II)または(III)の化合物、例えば、ラコサミド、およびオピオイドまたは非オピオイド鎮痛薬を含む組合せは、疼痛を伴う任意の関節炎状態、特にこのような疼痛が骨関節炎におけるように非炎症性要素を有する場合に有用でありうる。
【0135】
他にまたはさらに、第2の薬剤中にまたは第2の薬剤として含まれる抗関節炎薬は、炎症および/またはそれに関連している疼痛の治療に有効でありうる。好適な抗炎症薬には、ステロイド系および非ステロイド系抗炎症薬が含まれる。非ステロイド系抗炎症薬(NSAID(複数))には、伝統的なNSAID(複数)およびシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)選択的阻害剤が含まれる。式(I)、(II)または(III)の化合物、例えば、ラコサミド、および抗炎症薬を含む組合せは、炎症性疼痛を伴うかまたは炎症性および非炎症性の両型の疼痛が存在する任意の関節炎状態に有用でありうる。
【0136】
第2の薬剤に有用でありうるオピオイドおよび非オピオイド鎮痛薬の非限定的な例には、アセトアミノフェン、アルフェンタニル、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベンジルモルホリン、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、コデイン、シクラゾシン、デソモルフィン、デクストロモラミド、デクストロプロポキシフェン、デゾシン、ジアンプロミド、ジアモルホン、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルフィン、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアンブテン、ジオキサフェチルブチレート、ジピパノン、ジピロン(メタミゾール)、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアンブテン、エチルモルフェン、エトニタゼン、フェンタニル、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ケトベミドン、レバロルファン、レボルファノール、レボフェナシル-モルファン、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メタドン、メトポン、モルフィン、ミロフィン、ナルブフィン、ナロルフィン、ナルセイン、ニコモルフィン、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ノルモルフィン、ノルピパノン、オピウム、オキシコドン、オキシモルホン、パパベレツム、ペンタゾジン、フェナドキソン、フェナゾシン、フェノモルファン、フェノペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロヘプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロピラム、プロポキシフェン、スフェンタニル、チリジン、トラマドール、NO-ナプロキセン、NCX-701、ALGRX-4975、医薬的に許容されるそれらの塩、およびそれらの組合せが含まれる。
【0137】
第2の薬剤に有用でありうるステロイド系抗炎症薬の非限定的な例には、アルクロメタゾン、アムシノニド、ベタメタゾン、17-吉草酸ベタメタゾン、クロベタゾル、プロピオン酸クロベタゾル、クロコルトロン、コルチゾン、デヒドロテストステロン、デオキシコルチコステロン、デソニド、デソキシメタゾン、デキサメタゾン、21-イソニコチン酸デキサメタゾン、ジフロラゾン、フルオシノニド、フルオシノロン、フルオロメトロン、フルランドレノリド、フルチカゾン、ハルシノニド、ハロベタゾル、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、シピオン酸ヒドロコルチゾン、ヘミコハク酸ヒドロコルチゾン、21-リシン酸ヒドロコルチゾン、コハク酸ナトリウムヒドロコルチゾン、イソフルプレドン、酢酸イソフルプレドン、メチルプレドニゾロン、酢酸メチルプレドニゾロン、コハク酸ナトリウムメチルプレドニゾロン、スレプタン酸メチルプレドニゾロン、モメタゾン、プレドニカルベート、プレドニゾロン、酢酸プレドニゾロン、ヘミコハク酸プレドニゾロン、リン酸ナトリウムプレドニゾロン、コハク酸ナトリウムプレドニゾロン、吉草酸-酢酸プレドニゾロン、プレドニゾン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、それらの医薬的に許容される塩、およびそれらの組合せが含まれる。
【0138】
第2の薬剤において有用でありうるNSAID(複数)の非限定的な例には、サリチル酸誘導体(例えば、サリチル酸、アセチルサリチル酸、サリチル酸メチル、ジフルニサル、オルサラジン、サルサレートおよびスルファサラジン)、インドールおよびインデン酢酸(例えば、インドメタシン、エトドラックおよびスリンダック)、フェナメート(例えば、エトフェナム酸、メクロフェナム酸、メフェナミム酸、フルフェナム酸、ニフルム酸およびトルフェナミム酸)、ヘテロアリール酢酸(例えば、アセメタシン、アルクロフェナック、クリダナック、ジクロフェナック、フェンクロフェナック、フェンチアザック、フロフェナック、イブフェナック、イソキセパック、ケトロラック、オキシピナック、チオピナック、トルメチン、ジドメタシンおよびゾメピラック)、アリール酢酸およびプロピオン酸誘導体(例えば、アルミノプロフェン、ベノキサプロフェン、ブクロキシック酸、カルプロフェン、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドプロフェン、ケトプロフェン、ミロプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、ピルプロフェン、プラノプロフェン、スプロフェン、チアプロフェン酸およびチオキサプロフェン)、エノール酸(例えば、オキシカム誘導体アンピロキシカム、シノキシカム、ドロキシカム、ロルノキシカム、メロキシカム、ピロキシカム、スドキシカムおよびテノキシカム、ならびにピラゾロン誘導体アミノピリン、アンチピリン、アパゾン、ジピロン、オキシフェンブタゾンおよびフェニルブタゾン)、アルカノン(例えば、ナブメトン)、ニメスリド、プロクアゾン、MX-1094、リコフェロン、および医薬的に許容されるそれらの塩、ならびにそれらの組合せが含まれる。
【0139】
第2の薬剤に有用でありうるCOX-2選択的阻害剤の非限定的な例には、セレコキシブ、デラコキシブ、バルデコキシブ、パレコキシブ、ロフェコキシブ、エトリコキシブ、ルミラコキシブ、PAC-10549、シミコキシブ、GW-406381、LAS-34475、CS-502、医薬的に許容されるそれらの塩、およびそれらの組合せが含まれる。
【0140】
他にまたはさらに、第2の薬剤は疾患修飾性骨関節炎薬(DMOAD)を具体的に含みうる。第2の薬剤に有用でありうるDMOAD(複数)の非限定的な例には、メトトレキサート、ジアセレイン、グルコサミン、コンドロイチン硫酸、アナキンラ、MMP阻害剤、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、ミソプロストール、プロトンポンプ阻害剤、非アセチル化サリチレート、タモキシフェン、プレドニソン、メチルプレドニゾロン、ポリ硫酸化グリコサミノグリカン、カルシトニン、アレンドロネート、リセドロネート、ゾレドロン酸、テリパラチド、VX-765、プラルナカサン、SB-462795、CPA-926、ONO-4817、S-3536、PG-530742、CP-544439、医薬的に許容されるそれらの塩、およびそれらの組合せが含まれる。
【0141】
他にまたはさらに、第2の薬剤は疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)を具体的に含みうる。第2の薬剤に有用でありうるDMARDsの非限定的な例には、エタネルセプト、アダリムマブ、インフリキシマブ、IL-1受容体アンタゴニスト、プレドニゾンおよびメチルプレドニゾロンなどのグルココルチコイド、ペニシラミン、硫酸ヒドロキシクロロキン、クロラムブシル、シクロスホスファミド、レフルノイド、シクロスポリン、オーラノフィン、アウロチオグルコース、アザチオピリン、金チオリンゴ酸ナトリウム、メトトレキサート、シクロホスファミド、ミノサイクリン、スルファサラジン、アバタセプト、リツキシマブ、ブシルアミン、クロロキン、ヒドロキシクロロキン、ロベンザリット、ミソプロストール、医薬的に許容されるそれらの塩、およびそれらの組合せが含まれる。
【0142】
他にまたはさらに、第2の薬剤は、上記に記載されない症状修飾性抗リウマチ薬を具体的に含みうる。第2の薬剤に有用でありうるこのような薬物の非限定的な例には、ADL-100116、AD-827、HOE-140、DA-5018、医薬的に許容されるそれらの塩、およびそれらの組合せが含まれる。
【0143】
式(I)、(II)または(III)の化合物、例えば、ラコサミドとの併用療法または補助療法で2種以上の抗関節炎薬を投与しうる。1つの実施形態において、2種以上のこのような薬剤が、以下のクラス:
(i)オピオイドおよび非オピオイド鎮痛薬;
(ii)ステロイド系抗炎症薬;
(iii)NSAID(複数)およびCOX-2選択的阻害剤;
(iv)DMOADS;および
(v)DMARD(複数)
の2種以上から選択される、併用療法または補助療法に含まれる。
【0144】
特定の実施形態において、式(I)、(II)または(III)の化合物、例えば、ラコサミドと併用または補助療法で投与される2種以上の薬剤は、該薬剤の少なくとも1つがDMOADまたはDMARDである上記に列挙した薬剤から選択される。
【0145】
1つの実施形態において、治療組合せの投与は、関節炎状態およびそれに関連している疼痛の両方を治療するのに有用である。具体的に、式(I)、(II)または(III)の化合物、例えば、ラコサミドは、関節炎状態に伴う疼痛、より特に非炎症性疼痛を治療するのに用いてもよく、上記に列挙されたもののような少なくとも1種の抗関節炎薬は、関節炎状態を引き起こすまたはそれの原因となる根本的過程を治療するために、あるいは関節炎状態の別の症状、例えば、炎症性疼痛を治療するために式(I)、(II)または(III)の化合物と併用して用いてもよい。
【0146】
もう1つの実施形態において、第1の薬剤単独と比べて、疼痛、より特に非炎症性疼痛の向上した治療を与えるために、第1の薬剤と組み合わせて、有効な量で存在する。第1の薬剤と組み合わせて、このような向上した治療を与える任意の薬物は、第2の薬剤、例えば、オピオイドもしくは非オピオイド鎮痛薬、抗けいれん薬、抗うつ薬および/またはNMDA受容体アンタゴニストとして用いることができるか、またはそれらに含ませることができる。
【0147】
本文脈における「疼痛の向上した治療」は、以下の点:
(a)疼痛の強さおよび/または持続期間のより大きな減少;
(b)単一療法で用いられる場合の通常の有効用量と比べて、第1の薬剤もしくは第2の薬剤のいずれかまたは両方の用量減少を可能にすること;
(c)有害な副作用の減少;および/または
(d)改善された治療可能比
の少なくとも1つにおいて該組合せが第1の薬剤単独よりも優れていることを意味する。
【0148】
第1および第2の薬剤は加算的を超えて相互作用することは必要とされないが、一部の場合に、該組合せによって与えられる疼痛の強さおよび/または持続時間の減少は、同じ用量でいずれかの薬剤単独の有効性に基づいて予想されるより大きいことがありうる。
【0149】
本実施形態によれば、第2の薬剤は、例えば、上記に列挙されたものから選択される1種以上の鎮痛薬を含みうる。具体的な実施例において、第2の薬剤はモルヒネまたは医薬的に許容されるその塩を含む。
【0150】
他にまたはさらに、第2の薬剤は、例えば、アセチルフェネツリド、アルブトイン、アミノグルテチミド、4-アミノ-3-ヒドロキシ酪酸、アトロラクトアミド、ベクラミド、ブラメート、カルバマゼピン、シンロミド、クロメチアゾール、クロナゼパム、デシメミド、ジエタジオン、ジメタジオン、ドキセニトイン、エテロバルブ、エタジオン、エトスキシミド、エトトイン、フェルバメート、フルオレソン、フォスフェニトイン、ガバペンチン、ガナクソロン、ラモトリジン、レベチラセタム、ロラゼパム、メフェニトイン、メフォバルビタール、メタルビタール、メテトイン、メトスクシミド、ミダゾラム、ナルコバルビタール、ニトラゼパム、オキシカルバゼピン、パラメタジオン、フェナセミド、フェネタルビタール、フェネツリド、フェノバルビタール、フェンスクシミド、フェニルメチルバルビツール酸、フェニトイン、フェネチレート、プレガバリン、プリミドン、プロガビド、レマセミド、ルフィナミド、スクロフェニド、スルチアム、タランパネル、テトラトイン、チアガビン、トピラメート、トリメタジオン、バルプロ酸、バルプロミド、ビガバトリン、ゾニサミド、医薬的に許容されるそれらの塩、およびそれらの組合せから選択される、1種以上の抗けいれん薬を含みうる。
【0151】
より特定の実施形態において、第2の薬剤は、カルバマゼピン、フェニトイン、ガバペンチン、プレガバリン、ラモトリジン、レベチラセタムおよび医薬的に許容されるそれらの塩から選択される1種以上の抗けいれん薬を含む。具体的な例において、第2の薬剤はガバペンチンを含む。
【0152】
他にまたはさらに、第2の薬剤は、限定されないが、二環式、三環式および四環式抗うつ薬、ヒドラジド、ヒドラジン、フェニルオキサゾリジノンおよびピロリドオンを含む、1種以上の抗うつ薬を含みうる。抗うつ薬は、例えば、アジナゾラム、アドラフィニル、アミネプチン、アミトリプチリン、アミトリプチリンオキシド、アモキサピン、ベフロキサトン、ブプロピオン、ブタセチン、ブトリプチリン、カロキサゾン、シタロプラム、クロミプラミン、コチニン、デメキシプチリン、デシプラミン、ジベンゼピン、ジメタクリン、ジメタザン、ジオキサドロール、ドチエピン、ドキセピン、デュロキセチン、エトペリドン、フェモキセチン、フェンカミン、フェンペンタジオール、フルアシジン、フルオキセチン、フルボキサミン、ヘマトポルフィリン、ヒペリシン、イミプラミン、イミプラミンN-オキシド、インダルピン、インデロキサジン、イプリンドール、イプロクロジド、イプロニアジド、イソカルボキサジド、レボファセトペラン、ロフェプラミン、マプロチリン、メジフォキサミン、メリトラセン、メタプラミン、メトラリンドール、ミアンセリン、ミルナシプラン、ミナプリン、ミルタザピン、モクロベミド、ネファゾドン、ネフォパム、ニアラミド、ノミフェンシン、ノルトリプチリン、ノキシプチリン、オクタモキシン、オピプラモール、オキサフロザン、オキシトリプタン、オキシペルチン、パロキセチン、フェネルジン、ピベラリン、ピゾチリン、プロリンタン、プロピゼピン、プロトリプチリン、プリスクシドアノール、キヌプラミン、レボキセチン、リタンセリン、ロクスインドール、塩化ルビジウム、セルトラリン、スルピリド、タンドスピロン、チアゼシム、トザリノン、チアネプチン、トフェナシン、トロキサトン、トラニルシプロミン、トラゾドン、トリミプラミン、トリプトファン、ベンラファキシン、ビロキサジン、ジメルジン、医薬的に許容されるそれらの塩、およびそれらの組合せから選択されうる。具体的な実施例において、第2の薬剤はデュロキセチンを含む。
【0153】
他にまたはさらに、第2の薬剤は、例えば、アマンタジン、D-AP5、アプチガネル、CPP、デキサナビノール、デキストロメトルファン、デキストロプロポキシフェン、5,7-ジクロロキヌレン酸、ガベスチネル、イフェンドプリル、ケタミン、ケトベミドン、リコスチネル、LY-235959、メマンチン、メタドン、MK-801、フェンシクリジン、レマデミド、セルフォテル、チレタミン、医薬的に許容されるそれらの塩、およびそれらの組合せから選択される、1種以上のNMDA受容体アンタゴニストを含みうる。具体的な実施例において、第2の薬剤は、メマンチンを含む。
【0154】
もう1つの実施形態において、第2の薬剤は、GABAアナログ、チオフェンプロパン誘導体、モルヒネアナログおよびオピオイド、NSAID(複数)の2-アリールプロピオン酸(プロフェン)ファミリー、ならびにアマンタジン(1-アミノアダマンタン)誘導体からなる群から独立に選択される1種以上の薬物を含む。
【0155】
GABAアナログの一例は、ガバペンチンである。チオフェンプロパン誘導体の一例は、デュロキセチンである。オピオイドの一例は、モルヒネである。NSAID(複数)の2-アリールプロピオン酸ファミリーの一員は、ナプロキセンである。アマンタジンの誘導体は、メマンチンである。
【0156】
もう1つの実施形態において、第2の薬剤は、ガバペンチン、デュロキセチン、モルヒネ、ナクスプロキセン、およびメマンチンからなる群から独立に選択される1種以上の薬物を含む。
【0157】
さらにもう1つの実施形態において、第2の薬剤は、デュロキセチン、モルヒネ、ナクスプロキセン、およびメマンチンからなる群から独立に選択される1種以上の薬物を含む。
【0158】
もう1つの実施形態では、本発明の組合せにおいて、第1の薬剤はラコサミドを含む。
【0159】
さらにもう1つの実施形態では、本発明の組合せにおいて、第1の薬剤はラコサミドを含み、第2の薬剤はガバペンチンを含む。
【0160】
さらにもう1つの実施形態では、本発明の組合せにおいて、第1の薬剤はラコサミドを含み、第2の薬剤はデュロキセチンを含む。
【0161】
さらにもう1つの実施形態では、本発明の組合せにおいて、第1の薬剤はラコサミドを含み、第2の薬剤はモルヒネを含む。
【0162】
さらにもう1つの実施形態では、本発明の組合せにおいて、第1の薬剤はラコサミドを含み、第2の薬剤はナクスプロキセンを含む。
【0163】
さらにもう1つの実施形態では、本発明の組合せにおいて、第1の薬剤はラコサミドを含み、第2の薬剤はメマンチンを含む。
【0164】
本発明の1つの実施形態において、本発明の組合せは、医学的状態がその症状として、非炎症性疼痛を伴うまたは有する、医学的状態に伴うまたはそれによって引き起こされる疼痛の向上した治療を提供する。
【0165】
本発明の1つの実施形態において、本発明の組合せは、医学的状態に関連している疼痛が非炎症性疼痛を含む疼痛の向上した治療を提供する。
【0166】
本発明の1つの実施形態において、本発明の組合せは、医学的状態が関節炎状態および/またはそれに関連している疼痛である、医学的状態に伴うまたは引き起こされる疼痛の向上した治療を提供する。関節炎状態は、骨関節炎を含みうる。この実施形態では、該組合せにおいて、第1および第2の薬剤は、関節炎状態および/またはそれに関連している疼痛を治療するのに有効な絶対量および相対量で存在しうる。該組合せにおいて、第1および第2の薬剤は、関節炎状態に伴うまたは引き起こされる疼痛の非炎症性および炎症性の両要素を治療するのに有効な絶対量および相対量で存在しうる。
【0167】
該組合せにおいて、第1および第2の薬剤は、関節炎状態に関連している非炎症性疼痛を治療するのに有効な絶対量および相対量で存在しうる。第1および第2の薬剤は、非炎症性骨関節炎痛を治療するのに有効な絶対量および相対量で存在しうる。
【0168】
該組合せにおいて、第1および第2の薬剤は、関節炎状態に関連している炎症性疼痛を治療するのに有効な絶対量および相対量で存在しうる。第1および第2の薬剤は、炎症性骨関節炎痛を治療するのに有効な絶対量および相対量で存在しうる。
【0169】
骨関節痛は、軟骨分解、構造骨変化、および/または骨関節炎再造形の領域の血管新生を伴いうる。
【0170】
関節炎状態は、突発性骨関節炎、続発性骨関節炎、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、乾癬性関節炎、感染性関節炎、強直性脊椎炎、神経原性関節症、多発性関節痛、ならびにシェーグレン症候群、ベーチェット症候群、ライター症候群、全身性エリテマトーデス、リウマチ熱、痛風、偽性痛風、ライム病、サルコイドーシスおよび潰瘍性大腸炎に伴う関節炎からなる群から選択される1種以上の障害を含みうる。
【0171】
関節炎状態は、関節リウマチまたは若年性関節リウマチを含みうる。
【0172】
本発明のもう1つの実施形態において、本発明の組合せは、医学的状態が有痛性糖尿病性神経障害における疼痛である、医学的状態に伴うまたは引き起こされる疼痛の向上した治療を提供する。該有痛性糖尿病性神経障害は、糖尿病性遠位感覚多発性神経障害であってもよい。該組合せにおいて、第1および第2の薬剤は、平均1日疼痛、全疼痛、現疼痛強さ、疼痛睡眠妨害、疼痛一般活動妨害の患者知覚、疼痛変化の患者全般印象、疼痛変化の臨床全般印象、異なる神経障害性疼痛の質の患者知覚、生活の質および疼痛のない日の比率からなる群から選択される疼痛の態様の治療に有効でありうる。
【0173】
本発明において、有痛性糖尿病性神経障害は、1型糖尿病またはII型糖尿病に伴いうる。有痛性糖尿病性神経障害は、II型糖尿病にも伴いうる。
【0174】
本発明のもう1つの実施形態において、本発明の組合せは、医学的状態に伴うまたは引き起こされる疼痛の向上した治療を提供し、ここで、該医学的状態またはそれに関連している疼痛は、急性炎症性疼痛;急性疼痛;アルコール中毒関連またはアルコール中毒誘発神経障害性疼痛;異痛;関節炎状態;背部痛;癌関連神経障害性疼痛;中枢神経障害性疼痛;慢性頭痛;慢性炎症性疼痛;慢性疼痛;末梢神経損傷による慢性疼痛;糖尿病関連または糖尿病誘発神経障害性疼痛;糖尿病性遠位感覚神経障害;糖尿病性遠位感覚多発性神経障害;糖尿病性疼痛;線維筋痛;頭痛;痛覚過敏;感覚過敏;痛覚異常鋭敏;片頭痛;筋肉痛;筋膜疼痛症候群;神経痛;神経腫;非炎症性骨関節炎痛;非神経障害性炎症性疼痛;神経障害性疼痛;化学療法または放射線療法に伴うまたは誘発される疼痛;外傷性神経損傷もしくは圧迫または脳もしくは脊髄への外傷性損傷に伴うあるいは誘発される疼痛;有痛性糖尿病性神経障害;末梢神経障害性疼痛;持続性臨床疼痛;幻痛;関節リウマチ痛;続発性炎症性骨関節炎痛;三叉神経痛;血管性頭痛;およびそれらの組合せからなる群から選択される。
【0175】
第2の薬剤は、第1の薬剤と比べて、疼痛の向上した治療を提供するために、第1の薬剤単独と組み合わせて、有効な量で存在しうる。
【0176】
本発明のさらにもう1つの態様は、対象における有痛性医学的状態および/またはそれに関連している疼痛を治療する方法であって、該方法は、対象に本発明の治療組合せを投与する段階を含む方法である。本発明の方法において、有痛性医学的状態または/およびそれに関連している疼痛は、本明細書に記載されるような状態から選択される。
【0177】
本方法のもう1つの実施形態において、該医学的状態またはそれに関連している疼痛は、急性炎症性疼痛;急性疼痛;アルコール中毒関連またはアルコール中毒誘発神経障害性疼痛;異痛;関節炎状態;背部痛;癌関連神経障害性疼痛;中枢神経障害性疼痛;慢性頭痛;慢性炎症性疼痛;慢性疼痛;末梢神経損傷による慢性疼痛;糖尿病関連または糖尿病誘発神経障害性疼痛;糖尿病性遠位感覚神経障害;糖尿病性遠位感覚多発性神経障害;糖尿病性疼痛;線維筋痛;頭痛;痛覚過敏;感覚過敏;痛覚異常鋭敏;片頭痛;筋肉痛;筋膜疼痛症候群;神経痛;神経腫;非炎症性骨関節炎痛;非神経障害性炎症性疼痛;神経障害性疼痛;化学療法または放射線療法に伴うまたは誘発される疼痛;外傷性神経損傷もしくは圧迫または脳もしくは脊髄への外傷性損傷に伴うあるいは誘発される疼痛;有痛性糖尿病性神経障害;末梢神経障害性疼痛;持続性臨床疼痛;幻痛;関節リウマチ痛;続発性炎症性骨関節炎痛;三叉神経痛;血管性頭痛;およびそれらの組合せからなる群から選択される。
【0178】
さらにもう1つの実施形態において、本発明の方法は、該組合せにおいてラコサミドを含む第1の薬剤を用いる。
【0179】
本発明のさらにもう1つの態様は、式(I)の化合物単独と比べて、医学的状態に伴うまたは引き起こされる疼痛の向上した予防、軽減または/および治療のための医薬の調製のための本明細書に定義されたとおりの組合せの使用であり;該第2の薬剤は、式(I)の化合物以外の1種以上の薬物を含む。
【0180】
本発明の使用の1つの実施形態において、有痛性医学的状態または/およびそれに関連している疼痛は、本明細書において記載されるとおりの状態から選択される。
【0181】
本発明の使用のもう1つの実施形態では、該組合せにおいて、第1の薬剤はラコサミドを含む。
【0182】
第2の薬剤にまたは第2の薬剤として有用な特定の薬物のための投与の用量および経路を含む好適な投薬計画は、これらの薬物に関する容易に入手可能な参照源、例えば、Physicians' Desk Reference(PDR)、第60版、Montvale、NJ:Thomson(2006年)および当業者に知られている様々なインターネット源から決定することができる。式(I)、(II)または(III)の化合物、例えば、ラコサミドの化合物と併用または補助療法で投与される場合、第2の薬剤に、または第2の薬剤として、有用な薬物は、総量で用いることができるが、医師は、少なくとも最初に、このような薬物の総量未満を投与することを選びうる。
【0183】
第1の薬剤および第2の薬剤は、同時に対象に投与するために1つの医薬調製物(単一剤形)で、または同じかもしくは異なる回数で、例えば、順次的に、および/または同じかもしくは異なる頻度で対象に投与するために2つ以上の個別の調製物(別個の剤形)で与えることができる。2つの個別の調製物は、同じ経路または異なる経路による投与のために適合した形態で与えることができる。
【0184】
別個の剤形は、場合によって、例えば、単一の容器もしくは単一の外装内の複数の容器に共包装することができるか、または別個の包装に共存(「共同提示」)させることができる。共包装または共同提示の例として、第1の容器に式(I)、(II)または(III)の化合物、例えば、ラコサミド、および第2の容器に本明細書において記載されるような第2の薬剤を含むキットが企図される。もう1つの例では、式(I)、(II)または(III)の化合物、例えば、ラコサミド、および第2の薬剤は、別個に包装され、互いに独立に販売に利用できるが、本発明による使用のためにともに市販されるか、またはともに宣伝される。本発明による使用のために、別個の剤形は、対象に別個にかつ独立に提供してもよい。
【0185】
同一であっても、異なっていてもよい剤形、例えば、急速放出剤形、制御放出剤形またはデポ剤形に依存して、式(I)、(II)または(III)の化合物、例えば、ラコサミド、および第2の薬剤は、同じまたは異なる計画で、例えば、日、週または月基準で投与されうる。
【0186】
1つの実施形態において、治療組合せの投与は非炎症性骨関節炎痛を治療するのに有用である。特に、非炎症性骨関節炎痛が軟骨分解、構造骨変化、および/または骨再造形の領域の血管新生に伴う場合、このような投与は有用である。骨は継続的に再造形される。再造形は、ピーク骨密度を維持するために古い骨が新しい骨で置き換えられるプロセスである。血管新生は、再造形プロセスの間に毛細血管の増殖によって生じ、骨関節炎などの状態において増加しうる。
【0187】
1つの実施形態において、治療組合せの投与は、疼痛伝達を抑制する。式(I)、(II)または(III)の化合物、例えば、ラコサミドの通常寄与する効果である疼痛伝達の抑制は、脊髄ニューロンが侵害受容器によって放出される神経伝達物質、例えば、グルタメートに反応することを妨げることによって達成されうる。
【0188】
(実施例)
(実施例1)
この実施例は、ラットにおけるTNFによって誘発される筋骨格痛に生じる、筋圧に対する足引っ込め閾値によって測定して、機械的痛覚過敏を抑制すること、および二頭筋握力によって測定して、機械的異痛を抑制することにおけるラコサミドの抗侵害受容有効性を示す試験について記載する。この実施例に用いるモデルは、線維筋痛、筋膜疼痛性症候群、背部痛または骨関節炎に生じる筋骨格痛に適用できる。比較の目的で、非オピオイド鎮痛薬ジピロン(メタミゾール)ならびに抗けいれん薬プレガバリンおよびガバペンチンをこの試験に含めた。
【0189】
動物、筋痛の誘発
成体雄Sprague Dawleyラット(体重250gから300g)を用いた(供給者:Charles River、Sulzfeld、Germany)。動物を群飼いし(ケージ当たり3匹の動物)、自由に利用できる食物および水とともに、管理温度(21〜22℃)および反転明-暗周期(12時間/12時間)を有する室内で維持した。実験は全て、Bavarian State動物実験委員会によって認可され、その規則に従って実施した。
【0190】
組換えラット腫瘍壊死因子アルファ(本明細書においてTNFと称される)をR&D Systems、Minneapolis、MN、U.S.A.から得た。TNFを0.9%NaClに希釈し、50μl中1μgの濃度で用いた。注射を、腓腹筋または上腕二頭筋中への双方に30g針で短いハロタン麻酔をかけて行った。ラットを全て行動試験に対して用い、その後注射値および基線値を3試験日にわたって記録した。
【0191】
行動読み出し:筋圧(Randall-Selitto)
筋圧に対する機械的引っ込め閾値を無痛覚計(analgesimeter)(Ugo Basile、Comerio、Italy)で測定した。ラットをリラックスさせるのに役立つソックス中にラットをはい込ませた。増加する圧が腓腹筋上にかかることができるようにその後肢を置いた(最大250g)。引っ込めを引き起こすのに必要とされる圧力を記録した。それぞれの後肢について3回の試験の平均を計算した(30秒を超える刺激間の間隔)。有意なTNF効果を有する動物のみをさらなる分析に含めた。
【0192】
午後2時に、ラットにTNFを腓腹筋中に注射した。18時間後、ラットを試験薬物の投与前および後の圧痛覚過敏について試験した。ラットを薬物投与後30分から60分の圧痛覚過敏について試験した。
【0193】
行動読み出し:握力
前肢の握力をデジタル握力計(DFISシリーズ、Chatillon、Greensboro、NC、U.S.A.)で試験した。前肢でグリッドを握るようにラットを置き、その握力が記録できるように静かに引いた。3回の試験の平均を計算した。TNF処置の効果はそれぞれの動物について個別に計算し、有意なTNF効果を有する動物のみさらなる分析に含めた。
【0194】
午前8時に、ラットにTNFを上腕二頭筋中に注射した。6時間後、前肢の握力をデジタル握力計で試験した。試験薬物を投与し、30分から60分後に握力を再度試験した。
【0195】
投与プロトコル
i.p.(腹腔内)に、3、10もしくは30mg/kgのラコサミド、2mg/kgのメタミゾール、30もしくは100mg/kgのプレガバリン、100mg/kgのガバペンチン、またはNaClビヒクルのいずれかで、当初に群当たり10匹のラットを処置した。i.p.注射の容量は0.5mlであった。予備実験を行い、腓腹筋中への1μgのTNFのi.m.(筋内)注射が圧痛覚過敏を誘発するのに十分であることを確認した。
【0196】
表1および表2に、TNFの腓腹筋および上腕二頭筋注射について、それぞれ、群および処置を要約した。
【0197】
【表1】

【0198】
【表2】

【0199】
データ提示および統計
平均および平均の標準誤差(SEM)を表示するグラフにデータを示す。ANOVA(分散分析)およびチューキーポストホック検定(Tukey post hoc test)を用いて、処置前および処置後のデータを比較した。一元配置ANOVAおよびダンネットポストホック検定(Dunnett's post hoc test)を用いて、処置群の平均を比較した。全ての種類の処置について最大可能効果(MPE)を計算した。
【0200】
結果:筋圧痛覚過敏
TNF注射後に引っ込め閾値が有意に減少したラットのみ含めた。ラットの約13%において、TNF効果は存在しなかった。図1は、圧に対する引っ込め閾値の絶対値を示す。
【0201】
筋の機械的痛覚過敏の完全な逆転が、ラコサミド30mg/kgおよびメタミゾール2mg/kgで見られた。
【0202】
筋の機械的痛覚過敏の有意な逆転は、プレガバリン30および100mg/kg、ならびにガバペチン100mg/kgについても見られた。
【0203】
MPE(図2)は、ラコサミド10および30mg/kg、プレガバリン30および100mg/kg、ガバペンチン100mg/kg、ならびにメタミゾール2mg/kgについて、ビヒクルと有意に異なった。ビヒクルは効果を示さなかった。
【0204】
結果:二頭筋握力
TNF注射後に握力が有意に減少したラットのみ含めた。ラットの約13%において、TNF効果は存在しなかった。図3は、握力の絶対値を示す。
【0205】
握力のTNF誘発減少の有意な逆転がラコサミド10および30mg/kgで見られた。有意な逆転は、プレガバリン100mg/kg、ガバペンチン100mg/kgおよびメタミゾール2mg/kgについても見られた。
【0206】
MPE(図4)は、ラコサミド10および30mg/kg、プレガバリン100mg/kg、ガバペンチン100mg/kg、ならびにメタミゾール2mg/kgについて、ビヒクルと有意に異なった。ビヒクルは効果を示さなかった。
【0207】
考察
足圧力試験におけるTNF注射によって誘発されるラコサミド用量依存的に改善された筋痛覚過敏は、30mg/kgで完全な逆転に達した。抗けいれん薬プレガバリンおよびガバペンチンと比べて、ラコサミドは筋痛に対してより強い効果を示した。プレガバリンもガバペンチンも筋痛覚過敏の完全な逆転に至らなかった。機械的異痛を示す握力試験において、ラコサミドは、10mg/kgで筋に対するTNFの効果を逆転させた。ここでも、ラコサミドは、100mg/kgで握力を改善したプレガバリンおよびガバペンチンより効力があった。
【0208】
結論的に、ラコサミドは、筋中へ注射されたTNFによって誘発される筋痛覚過敏および機械的異痛を減少させるのに有効であった。したがって、具体的には式(I)、(II)および(III)の化合物であるラコサミドは、例えば、線維筋痛、筋膜痛症候群、背部痛または骨関節炎で生じる非炎症性筋骨格痛、例えば、筋痛覚過敏および異痛の特異的発現の治療、特に全身治療において治療効果を有することが結論される。
【0209】
(実施例2)
この実施例は、ヨードアセテートラットモデルにおけるラコサミドの抗侵害受容有効性を示す試験について記載する。この実施例に用いるモデルは、非炎症性骨関節炎痛に適用できる。比較の目的のために、オピオイド鎮痛薬モルヒネおよびNSAIDジクロフェナックをこの試験に含めた。
【0210】
骨関節炎にとっての最良に特徴付けされたラットモデルの1つは、関節、例えば、膝関節中への代謝阻害剤ヨード酢酸一ナトリウムの注射であり、これは軟骨細胞におけるグリセルアルデヒド-3-ホスフェートデヒドロゲナーゼの活性を阻害し、解糖の破壊、および結果として細胞死をもたらす(Guzmanら、(2003年)、Toxicol. Pathol.、31(6):619〜624頁;Kalbhen、(1987年)、J. Rheumatol.、14(Spec.NO.):130〜131頁)。軟骨細胞の進行性消失は、ヒト骨関節炎患者に見られるものによく似ている、関節軟骨の組織学的および形態学的変化をもたらす。
【0211】
動物
試験の開始で雄Wistarラット(Janview、France)(体重170〜200g)を用いた。管理温度(21〜22℃)および逆転明-暗周期(12時間/12時間)を有する室内に動物を群飼いし(ケージ当たり3匹の動物)、食物および水に自由に近づけさせた。
【0212】
骨関節炎の誘発
右膝の膝蓋内靭帯を通して3mgのヨード酢酸一ナトリウム(MIA)(Sigma)50μlでの関節内注射によって骨関節炎を誘発した。
【0213】
対照ラットに同等容量の生理食塩水を注射した。ヨードアセテート注射後5日目までに、このモデルにおいて滑膜連結の実質的な炎症が観察された。動物の一般健康をモニターした。窮迫の徴候は全く見られなかった。
【0214】
組織学
ヨードアセテート処置後3日目、7日目および14日目のそれぞれに、4匹の動物を組織学的試験のために犠牲にした。膝を採取し、10%ホルマリンに一晩固定し、続けて10%ギ酸で72時間脱灰し、その後にパラフィン中に埋め込んだ。切片10μm厚を250μmごとに調製した。ヘマトキシリン/エオシン染色を行い、関節および周囲組織の炎症性浸潤物の程度を評価し、サフラニン-O迅速緑染色を行って、軟骨の退化を測定した。
【0215】
侵害受容に対する化合物の効果の評価
実験の第1ラウンドにおいて、ヨードアセテート処置したラットを無作為化して6つの実験群(群当たり12匹の動物)とし、疼痛評価の日(ヨードアセテート処置後3日目、7日目および14日目)に以下の処置(p.o.=経口;s.c.=皮下)を受けさせた:
生理食塩水(ビヒクル)のp.o.注射;
ラコサミド3mg/kgのp.o.注射;
ラコサミド10mg/kgのp.o.注射;
ラコサミド30mg/kgのp.o.注射;
モルヒネ3mg/kgのs.c.注射。
【0216】
略同一時間に同一条件下で同一科学者による別個の実験でジクロフェナック(30mg/kg、s.c.)を試験した。非ヨードアセテート処置対照群(対照)は、疼痛評価前45分に生理食塩水のp.o.注射を受けさせた。行動試験の実施前60分に、ラコサミド、ジクロフェナックおよびモルヒネを注射した。それぞれの群を盲検で調査した。
【0217】
触覚異痛および機械的痛覚過敏の評価
触覚異痛を試験するために、ラットを金属製格子床に置いた。格子床を通してvon Freyフィラメント(von Frey filament)(Bioseb、France)を挿入し、後足の足底面にそれを適用することによって侵害受容試験を行った。試験は、異なるvon Frey フィラメントの幾つかの適用から構成された(約1Hzの周波数で)。von Freyフィラメントはフィラメント10gから100gで適用した。動物がその後足を除くと直ちに、試験を止め、フィラメント数を記録して足引っ込め閾値を表した。
【0218】
機械的痛覚過敏を試験するために、ラットの後足の背面に線形的に増加する機械的力をかけるRandall-Selitto足圧力装置(Bioseb、France)を用いて、侵害受容屈曲反射を定量化した。足引っ込め閾値は、ラットがその足を引っ込める力として定義した。カットオフ圧力は250gに設定した。
【0219】
薬物および試薬
ラコサミド(Schwarz BioScience GmbH)および硫酸モルヒネ(Francopia、France)は生理食塩水に溶解した。ヨード酢酸一ナトリウムおよびジクロフェナックはSigma(France)から購入した。薬物投与は1ml/kgの容量で行った。
【0220】
データ分析および統計
ANOVAを用いてそれぞれ別個の時間点での行動データの群の比較を行い、その後にpost-hoc分析(Dunnett's test)をした。
【0221】
結果
ヨードアセテートの関節内注射後の3日目、7日目および14日目に関節病変を評価した。3日目に、実質的な最初の炎症反応があった。この炎症は、タンパク性浮腫液および浸潤性マクロファージ、好中球、プラズマ細胞および白血球を有する繊維素によって最も引き起こされる可能性がある滑膜の膨張を特徴とした。軟骨は未変化のままであった。7日目までに、滑膜および周囲組織内の炎症は大部分消散した。14日目に、軟骨の深部にわたってプロテオグリカン消失が見られた。滑膜は正常に見え、炎症性細胞を全く含まなかった。
【0222】
対照ラットと比較したヨードアセテート処置ラットにおいて、3日目、7日目および14日目に、von Freyフィラメントで試験して、触覚異痛を評価した。ラコサミド(30mg/kg)およびモルヒネ(3mg/kg)での処置は、ヨードアセテート処置ラットの触覚異痛を3日目(図5A)および7日目(図5B)に改善したが、14日目(図5C)には改善せず、ラコサミドのより低い用量は、このような改善の傾向を示した。ジクロフェナック(30mg/kg)は、触覚異痛に対して3日目(図6A)、7日目(図6B)または14日目(図6C)に効果を全く示さなかった。
【0223】
対照/ビヒクル処置動物と比べてヨードアセテート/ビヒクル処置動物における足圧力引っ込め閾値の減少によって立証されたような顕著な機械的痛覚過敏が存在した。ヨードアセテート処置ラットのラコサミド3mg/kg、モルヒネ3mg/kgおよびジクロフェナック30mg/kgでの処置は、それぞれの場合に、3日目(図7A、8A)にヨードアセテート/ビヒクル処置動物と比べて足圧力引っ込め閾値の増加を誘発した。7日目に、試験した全ての用量(3、10および30mg/kg)でのラコサミド、モルヒネおよびジクロフェナックはそれぞれ、機械的痛覚過敏を減少させた(図7B、8B)。ラコサミド10mg/kgで処置した群は統計的に有意な効果を示さなかった(図7C、8C)ことを除いて、同様の結果がヨードアセテート処置後14日目に見られた。興味深いことに、関節炎進行の早期の間により強かった触角異痛と比べて、ヨードアセテート処置動物において、機械的痛覚過敏は3日目から進行し、少なくとも14日間継続し、これはヨードアセテート処置後14日の間の異なる分子機序に基づく疼痛感作の継続する進行を反映した。
【0224】
結果は、炎症後の期間の間にラコサミドが機械的痛覚を阻害したことを示し、非炎症性骨関節炎痛を治療することに対してラコサミドの有効性を示す。
【0225】
(実施例3)
この実施例は、Wheeler-Aceto & Cowan(1991年)Psychopharmacology 104:35〜44頁に記載されるような、鎮痛作用を検出するラットホルマリン足試験(後期)において、ラコサミド単独およびガバペンチンとの併用の有効性を示す試験について記載する。
【0226】
材料および方法
ラットに、後左足中への5%ホルマリン(50μl)の足底内注射を施した。この処置は、対照動物における罹患足の認識できる、ひるんでいるおよび舐めている反応を誘発する。ホルマリン注射後20分に始めて、ひるみの数を15分間カウントした。罹患足を舐めている時間も記録した。
【0227】
雄Rj:Wistar(Han)ラット、群当たり10匹、実験開始時体重100〜130gを群ごとに試験した。試験は盲検で行った。
【0228】
ホルマリン注射の前10分に、ラコサミド(20mg/kg)、ガバペンチン(50および100mg/kg)、ラコサミド(20mg/kg)とガバペンチン(50および100mg/kg)の組合せ、およびビヒクルをi.p.投与した。
【0229】
結果
試験の結果を表3(ひるみの数)および表4(舐めている時間)に示す。
【0230】
【表3】

【0231】
【表4】

【0232】
ビヒクル対照に比べて、20mg/kgでのラコサミド単独は、ひるみの数を33%減少させる傾向があった。これはまた、ビヒクル対照と比べて、舐めている時間を34%減少させる傾向があった(p=0.0962)。
【0233】
ビヒクル対照と比べて、50および100mg/kgでのガバペンチン単独は、それぞれ、ひるみの数を全体的に、しかし有意ではなく24%および31%減少させた。ガバペンチンは、用量依存的に舐めている時間を28%(50mg/kg)および60%(100mg/kg)減少させ、100mg/kgで有意にそうであった(p<0.05)。
【0234】
ビヒクル対照と比べて、ガバペンチン50および100mg/kgと組み合わせたラコサミド20mg/kgは、それぞれ、ひるみの数を64%および76%、明らかにかつ用量に依存して減少させた(p<0.01)。組合せは、それぞれ、舐めている時間を74%(p<0.01)および82%(p<0.001)減少させた。ひるみの数および舐めている時間に対するガバペンチンと組み合わせたラコサミドの効果は、ラコサミド単独の効果より有意により顕著であった(p<0.05またはp<0.01)。
【0235】
(実施例4)
この実施例は、上記Wheeler-Aceto & Cowan(1991年)に記載されたような、ラットホルマリン足試験(後期)におけるラコサミド単独およびモルヒネとの組合せの有効性を示す試験について記載する。
【0236】
材料および方法
試験方法は実施例3のものと同様であった。ラコサミド(10および20mg/kg)、モルヒネ(2および4mg/kg)、ラコサミド(10および20mg/kg)とモルヒネ(2および4mg/kg)との組合せ、およびビヒクルを、ホルマリンの注射前10分にi.p.投与した。
【0237】
結果
試験の結果を表5(ひるみの数)および表6(舐めている時間)に示す。
【0238】
【表5】

【0239】
【表6】

【0240】
ビヒクル対照と比べて、10および20mg/kgでのラコサミド単独は、ひるみの数に強く影響しなかった(それぞれ、22%増加および35%減少)が、20mg/kgでの減少への傾向は統計的有意に近づいた(p=0.0961)。ラコサミドは、舐めている時間を10mg/kgで28%(p<0.05)、および20mg/kgで56%(p<0.001)、用量依存的に減少させた。
【0241】
ビヒクル対照と比べて、2および4mg/kgでのモルヒネ単独は、ひるみの数および舐めている時間を用量依存的に減少させた。それにもかかわらず、これらの効果は統計的有意に達しなかった。
【0242】
ビヒクル対照と比べて、モルヒネ4mg/kgと組み合わせたラコサミド10mg/kgは、ひるみの数を86%(p<0.001)および舐めている時間を48%(p<0.01)、明らかに減少させたが、モルヒネ2mg/kgとではそうでなかった。ひるみの数に対するモルヒネ4mg/kgと組み合わせたラコサミド10mg/kgの効果は、同じ用量のラコサミド単独の効果に比べてより顕著であったp<0.001)が、舐めている時間に対してはそうでなかった。
【0243】
モルヒネ2および4mg/kgと組み合わせたラコサミド20mg/kgは、ビヒクル対照と比べて、ひるみの数を、それぞれ、70%(p<0.01)および87%(p<0.001)、明らかにかつ用量依存的に減少させた。この組合せは、それぞれ、舐めている時間を69%および94%、明らかにかつ用量依存的に減少させた(p<0.001)。ひるみの数および舐めている時間に対するモルヒネと組み合わせたラコサミド20mg/kgの効果は、同じ用量でのラコサミド単独の効果に比べて有意により顕著であった(p<0.05またはp<0.01)。ただし、モルヒネの2mg/kg用量での舐めている時間は除く。
【0244】
(実施例5)
この実施例は、上記Wheeler-Aceto & Cowan(1991年)によって記載されたようなラットホルマリン足試験(後期)におけるラコサミド単独および抗うつ薬デュロキセチンとの組合せの有効性を示す試験について記載する。
【0245】
材料および方法
試験方法は、実施例3のものと同様であった。ラコサミド(10mg/kg)、デュロキセチン(8mg/kg)、ラコサミド(10mg/kg)とデュロキセチン(8mg/kg)との組合せを、ホルマリン注射前10分にi.p.投与した。
【0246】
結果
試験の結果を表7(ひるみの数)および表8(舐めている時間)に示す。
【0247】
【表7】

【0248】
【表8】

【0249】
ラコサミド10mg/kg単独は、有意な効果を示さなかったが、舐めている時間を減少させる傾向があった(30%減少、p=0.0538)。
【0250】
デュロキセチン8mg/kg単独は、明らかな効果を示さなかった。
【0251】
ビヒクル対照と比べて、デュロキセチン8mg/kgと組み合わせたラコサミド10mg/kgは、ひるみの数を31%(p<0.05)、有意に減少させた。この組合せは、舐めている時間を63%(p<0.001)減少させた。ゆるみの数および舐めている時間に対するデュロキセチンと組み合わせたラコサミドの効果は、ラコサミド単独の効果に比べてより顕著であった(p<0.05からp<0.01)。
【0252】
(実施例6)
この実施例は、上記Wheeler-Aceto & Cowan(1991年)に記載されたようなラットホルマリン足試験(後期)におけるラコサミド単独およびNMDA受容体アンタゴニストメマンチンとの組合せの有効性を示す試験について記載する。
【0253】
材料および方法
試験方法は、実施例3のものと同様であった。ラコサミド(10および20mg/kg)、メマンチン(4および8mg/kg)、ラコサミド(10および20mg/kg)とメマンチン(4および8mg/kg)との組合せ、およびビヒクルを、ホルマリンの注射前10分にi.p.投与した。
【0254】
結果
試験の結果を表9(ひるみの数)および表10(舐めている時間)に示す。
【0255】
【表9】

【0256】
【表10】

【0257】
ビヒクル対照に比べて、10および20mg/kgでのラコサミド単独は、それぞれ、ひるみの数を31%および48%、用量依存的に減少させ、20mg/kgでは有意にそうであった(p<0.05)。ラコサミドは、20mg/kgで舐めている時間を明らかに減少させた(52%減少、p<0.01)が、10mg/kgでは明らかな効果は示さなかった。
【0258】
ビヒクル対照と比べて、4および8mg/kgでのメマンチン単独は、ひるみの数に明らかに影響しなかった。メマンチンは、舐めている時間を用量依存的に増加させた(25%増加、p=0.0537および35%増加、p<0.05)。
【0259】
ビヒクル対照と比べて、4および8mg/kgでのメマンチンと組み合わせた10mg/kgでのラコサミドは、それぞれ、ひるみの数を36%および50%、用量依存的に減少させた(p<0.05)。この組合せは、メマンチン8mg/kgで舐めている時間を有意に減少させた(35%減少、p<0.05)が、メマンチン4mg/kgではそうでなかった。ひるみの数および舐めている時間に対するメマンチンと組み合わせたラコサミドの効果は、ラコサミド単独の効果と異なっていなかった。
【0260】
4および8mg/kgでのメマンチンと組み合わせた20mg/kgでのラコサミドは、ビヒクル対照と比べて、それぞれ、ひるみの数を74%および64%明らかに減少させた(p<0.001)。この組合せは、舐めている時間を明らかに減少させたが、メマンチンの用量に関して逆の仕方であった(それぞれ、69%減少、p<0.001および49%減少、p<0.05)。ひるみの数に対する4mg/kgでのメマンチンと組み合わせたラコサミドの効果は、ラコサミド単独の効果に比べて有意により顕著であった(p<0.05)が、舐めている時間に対してはそうでなかった。
【0261】
(実施例7)
この実施例は、上記Wheeler-Aceto & Cowan(1991年)に記載されたような、ラットホルマリン足試験(後期)におけるラコサミド単独およびナプロキセンとの組合せの有効性を示す試験について記載する。
【0262】
材料および方法
試験方法は、実施例3のものと同様であった。ラコサミド(10および20mg/kg)、ナプロキセン(8および16mg/kg)、ラコサミド(10および20mg/kg)とメマンチン(8および16mg/kg)との組合せ、およびビヒクルを、ホルマリンの注射前10分にi.p.投与した。モルヒネ(8mg/kg)を比較の処置として含めた。
【0263】
結果
試験の結果を表11(ひるみの数)および表12(舐めている時間)に示す。
【0264】
【表11】

【0265】
【表12】

【0266】
ビヒクル対照と比べて、10mg/kgおよび20mg/kgでのラコサミド単独は、ひるみの数に明らかに影響しなかった。20mg/kgでの舐めている時間は59%(p<0.001)明らかに減少させたが、10mg/kgで明らかな効果を示さなかった。
【0267】
ビヒクル対照と比べて、8mg/kgおよび16mg/kgでのナプロキセン単独は、ひるみの数または舐めている時間に明らかに影響しなかった。
【0268】
ビヒクル対照と比べて、ナプロキセン8および16mg/kgと組み合わせたラコサミド10mg/kgは、ひるみの数に明らかに影響しなかった。16mg/kgでのナプロキセンと組み合わせたラコサミド10mg/kgは、舐めている時間を38%(p<0.05)有意に減少させたが、8mg/kgではそうでなかった。ひるみの数および舐めている時間に対するナプロキンと組み合わせたラコサミド10mg/kgの効果は、ラコサミド単独の効果と異ならなかった。
【0269】
ビヒクル対照と比べて、ナプロキセン8および16mg/kgと組み合わせたラコサミド20mg/kgは、ひるみの数に明らかに影響しなかった。16mg/kgでのナプロキセンと組み合わせたラコサミド20mg/kgは、舐めている時間を53%(p<0.01)有意に減少させたが、8mg/kgではそうでなかった。ひるみの数および舐めている時間に対するナプロキセンと組み合わせたラコサミド20mg/kgの効果は、ラコサミド単独の効果と異ならなかった。
【0270】
ビヒクル対照と比べて、同じ実験条件下で投与された8mg/kgでのモルヒネ単独は、ひるむことおよび舐めることに使われる時間をなくした(p<0.001)。
【0271】
要約すると、実施例3から実施例7は、ラコサミドと、ガバペンチン、デュロキセチン、モルヒネ、ナプロキセンおよびメマンチンから選択される化合物との間の相乗効果を示す。
【0272】
本明細書に引用される特許および刊行物は全て、その全体が参照により本出願中に組み込まれる。
【0273】
語「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、および「含んでいる」は、排他的というよりむしろ包含的に解釈されるべきである。
【0274】
本発明の主題は以下の実施形態である:
【0275】
項目1 式(I)
【0276】
【化10】

【0277】
(式中:
Rは、水素、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、アリール、アリール低級アルキル、複素環、複素環低級アルキル、低級アルキル複素環、低級シクロアルキルまたは低級シクロアルキル低級アルキルであり、かつRは、非置換であるか、あるいは少なくとも1つの電子求引性基および/または少なくとも1つの電子供与性基で置換されており;
R1は、水素、あるいは低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、アリール低級アルキル、アリール、複素環低級アルキル、低級アルキル複素環、複素環、低級シクロアルキル、もしくは低級シクロアルキル低級アルキルであり、かつ非置換であるかあるいは少なくとも1つの電子求引性基および/または少なくとも1つの電子供与性基で置換されており;
R2およびR3は、独立に、水素、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、アリール低級アルキル、アリール、ハロ、複素環、複素環低級アルキル、低級アルキル複素環、低級シクロアルキル、低級シクロアルキル低級アルキル、またはZ-Yであり、ここで、R2およびR3は、それぞれ独立に、非置換であるか、あるいは少なくとも1つの電子求引性基および/または少なくとも1つの電子供与性基で置換されており;
Zは、O、S、S(O)a、NR4、NR'6、PR4または化学結合であり;
Yは、水素、低級アルキル、アリール、アリール低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、ハロ、複素環、複素環低級アルキル、または低級アルキル複素環であり、かつ非置換であるか、あるいは少なくとも1つの電子求引性基および/または少なくとも1つの電子供与性基で置換されており、ただし、Yがハロである場合、Zは化学結合であり、または
Z-Yは一緒になって、NR4NR5R7、NR4OR5、ONR4R7、OPR4R5、PR4OR5、SNR4R7、NR4SR7、SPR4R5、PR4SR7、NR4PR5R6、PR4NR5R7、N+R5R6R7
【0278】
【化11】

【0279】
であることを条件とし;
R'6は、水素、低級アルキル、低級アルケニル、または低級アルキニルであり、かつ非置換であるか、あるいは少なくとも1つの電子求引性基および/または少なくとも1つの電子供与性基で置換されており;
R4、R5およびR6は、独立に、水素、低級アルキル、アリール、アリール低級アルキル、低級アルケニル、または低級アルキニルであり、かつそれぞれ独立に、非置換であるか、あるいは少なくとも1つの電子求引性基および/または少なくとも1つの電子供与性基で置換されており;
R7は、R6、COOR8、またはCOR8であり、かつ非置換であるか、あるいは少なくとも1つの電子求引性基および/または少なくとも1つの電子供与性基で置換されており;
R8は、水素、低級アルキル、またはアリール低級アルキルであり、かつ非置換であるか、あるいは少なくとも1つの電子求引性基および/または少なくとも1つの電子供与性基で置換されており;
nは、1〜4であり;
aは、1〜3である)
の化合物、または医薬的に許容されるその塩を含む第1の薬剤;ならびにそれと組み合わせて、(a)式(I)の化合物単独と比べて、医学的状態に伴うまたは引き起こされる疼痛の向上した治療を与えるため、および/または(b)該医学的状態の別の症状もしくは根本にある原因を治療するために有効な第2の薬剤であって、式(I)の化合物以外の1種以上の薬物を含む第2の薬剤、を含む治療組合せ。
【0280】
項目2 第1の薬剤に存在する式(I)の化合物において、R2およびR3の一方または両方が、フリル、チエニル、ピラゾリル、ピロリル、メチルピロリル、イミダゾリル、インドリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、ピペリジル、ピロリニル、ピペラジニル、キノリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソキノリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、モルホリニル、ベンゾキサゾリル、テトラヒドロフリル、ピラニル、インダゾリル、プリニル、インドリニル、ピラゾリンジニル、イミダゾリニル、イミダゾリンジニル、ピロリジニル、フラザニル、N-メチルインドリル、メチルフリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリジル、エポキシ、アジリジノ、オキセタニル、アゼチジニル、およびNが複素環に存在する場合、そのN-オキシドからなる群から独立に選択される複素環であり;該複素環は、独立に、非置換であるか、あるいは少なくとも1つの電子求引性基および/または少なくとも1つの電子供与性基で置換されている、項目1に記載の組合せ。
【0281】
項目3 第1の薬剤が、式(III)
【0282】
【化12】

【0283】
(式中:
R4は、水素、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ニトロ、カルボキシ、ホルミル、カルボキシアミド、アリール、四級アンモニウム、ハロアルキル、アリールアルカノイル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ、アルキルメルカプト、およびジスルフィドからなる群から独立に選択される1つ以上の置換基であり;
R3は、水素、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アリール、N-アルコキシ-N-アルキルアミノ、およびN-アルコキシアミノからなる群から選択され;
R1は、アルキルである)
の化合物または医薬的に許容されるその塩を含む、項目1に記載の組合せ。
【0284】
項目4 式(III)の化合物またはその塩において;
R4は、水素およびハロからなる群から独立に選択される1つ以上の置換基であり;
R3は、低級アルコキシ-低級アルキル、アリール、N-低級アルコキシ-N-低級アルキルアミノ、およびN-低級アルコキシアミノからなる群から選択され;
R1は、低級アルキルである、項目3に記載の組合せ。
【0285】
項目5 式(III)の化合物またはその塩において、R3が、低級アルコキシ-低級アルキルである、項目4に記載の組合せ。
【0286】
項目6 式(III)の化合物またはその塩において:
R4が水素であり;
R3がメトキシメチルであり;
R1がメチルである、項目3に記載の組合せ。
【0287】
項目7 第1の薬剤が、
(R)-2-アセトアミド-N-ベンジル-3-メトキシプロピオンアミド;
(R)-2-アセトアミド-N-ベンジル-3-エトキシプロピオンアミド;
O-メチル-N-アセチル-D-セリン-m-フルオロベンジルアミド;
O-メチル-N-アセチル-D-セリン-p-フルオロベンジルアミド;
N-アセチル-D-フェニルグリシンベンジルアミド;
D-1,2-(N,O-ジメチルヒドロキシルアミノ)-2-アセトアミド酢酸ベンジルアミド;
および
D-1,2-(O-メチルヒドロキシルアミノ)-2-アセトアミド酢酸ベンジルアミド
からなる群から選択される化合物を含む、項目3に記載の組合せ。
【0288】
項目8 式(III)の化合物が、実質的にエナンチオピュアである、項目3に記載の組合せ。
【0289】
項目9 第1の薬剤がラコサミドを含む、項目3に記載の組合せ。
【0290】
項目10 約100から約6000mg/日の用量を与える量のラコサミドを含む、項目9に記載の組合せ。
【0291】
項目11 約200から約1000mg/日の用量を与える量のラコサミドを含む、項目9に記載の組合せ。
【0292】
項目12 約300から約600mg/日の用量を与える量のラコサミドを含む、項目9に記載の組合せ。
【0293】
項目13 医学的状態が、その症状として、非炎症性疼痛を伴うか、または有する、項目1に記載の組合せ。
【0294】
項目14 医学的状態が、関節炎状態である、項目1に記載の組合せ。
【0295】
項目15 第2の薬剤が、1種以上の抗関節炎薬を含む、項目14に記載の組合せ。
【0296】
項目16 1種以上の抗関節炎薬が、オピオイドおよび非オピオイド鎮痛薬、ステロイド系および非ステロイド系抗炎症薬、DMOAD(複数)およびDMARD(複数)からなる群から独立に選択される、項目15に記載の組合せ。
【0297】
項目17 第2の薬剤が、アセトアミノフェン、アルフェンタニル、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベンジルモルホリン、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、コデイン、シクラゾシン、デソモルフィン、デキストロモラミド、デキストロプロポキシフェン、デゾシン、ジアンプロミド、ジアモルホン、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルフィン、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアンブテン、ジオキサフェチルブチレート、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアンブテン、エチルモルフィン、エトニタゼン、フェンタニル、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ケトベミドン、レバロルファン、レボルファノール、レボフェナシル-モルファン、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メタドン、メトポン、モルフィン、ミロフィン、ナルブフィン、ナロルフィン、ナルセイン、ニコモルフィン、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ノルモルフィン、ノルピパノン、オピウム、オキシコドン、オキシモルホン、パパベレツム、ペンタゾジン、フェナドキソン、フェナゾシン、フェノモルファン、フェノペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロヘプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロピラム、プロポキシフェン、スフェンタニル、チリジン、トラマドール、NO-ナプロキセン、NCX-701、ALGRX-4975、および医薬的に許容されるそれらの塩からなる群から選択される1種以上の鎮痛薬を含む、項目15に記載の組合せ。
【0298】
項目18 第2の薬剤が、アルクロメタゾン、アムシノニド、ベタメタゾン、17-吉草酸ベタメタゾン、クロベタゾル、プロピオン酸クロベタゾル、クロコルトロン、コルチゾン、デヒドロテストステロン、デオキシコルチコステロン、デソニド、デソキシメタゾン、デキサメタゾン、21-イソニコチン酸デキサメタゾン、ジフロラゾン、フルシノニド、フルオシノロン、フルオロメトロン、フルランドレノリド、フルチカゾン、ハルシノニド、ハロベタゾル、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、シピオン酸ヒドロコルチゾン、ヘミコハク酸ヒドロコルチゾン、21-リシン酸ヒドロコルチゾン、コハク酸ナトリウムヒドロコルチゾン、イソフルプレドン、酢酸イソフルプレドン、メチルプレドニゾロン、酢酸メチルプレドニゾロン、コハク酸ナトリウムメチルプレドニゾロン、スレプタン酸メチルプレドニゾロン、モメタゾン、プレドニカルベート、プレドニゾロン、酢酸プレドニゾロン、ヘミコハク酸プレドニゾロン、リン酸ナトリウムプレドニゾロン、コハク酸ナトリウムプレドニゾロン、吉草酸-酢酸プレドニゾロン、プレドニゾン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、および医薬的に許容されるそれらの塩からなる群から選択される1種以上のステロイド系抗炎症薬を含む、項目15に記載の組合せ。
【0299】
項目19 第2の薬剤が、サリチル酸、アセチルサリチル酸、サリチル酸メチル、ジフルニサル、オルサラジン、サルサレート、スルファサラジン、インドメタシン、エトドラック、スリンダック、エトフェナム酸、メクロフェナム酸、メフェナミム酸、フルフェナム酸、ニフルム酸、トルフェナミム酸、アセメタシン、アルクロフェナック、クリダナック、ジクロフェナック、フェンクロフェナック、フェンチアザック、フロフェナック、イブフェナック、イソキセパック、ケトロラック、オキシピナック、チオピナック、トルメチン、ジドメタシン、ゾメピラック、アルミノプロフェン、ベノキサプロフェン、ブクロキシック酸、カルプロフェン、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドプロフェン、ケトプロフェン、ミロプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、ピルプロフェン、プラノプロフェン、スプロフェン、チアプロフェン酸、チオキサプロフェン、アンピロキシカム、シノキシカム、ドロキシカム、ロルノキシカム、メロキシカム、ピロキシカム、スドキシカム、テノキシカム、アミノピリン、アンチピリン、アパゾン、ジピロン、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾン、ナブメトン、ニメスリド、プロクアゾン、MX-1094、リコフェロン、および医薬的に許容されるそれらの塩からなる群から選択される1種以上の非ステロイド系抗炎症薬を含む、項目15に記載の組合せ。
【0300】
項目20 第2の薬剤が、セレコキシブ、デラコキシブ、バルデコキシブ、パレコキシブ、ロフェコキシブ、エトリコキシブ、ルミラコキシブ、PAC-10549、シミコキシブ、GW-406381、LAS-34475、CS-502、および医薬的に許容されるそれらの塩からなる群から選択される1種以上のCOX-2選択的阻害剤を含む、項目15に記載の組合せ。
【0301】
項目21 第2の薬剤が、メトトレキサート、ジアセレイン、グルコサミン、コンドロイチン硫酸、アナキンラ、MMP阻害剤、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、ミソプロストール、プロトンポンプ阻害剤、非アセチル化サリチレート、タモキシフェン、プレドニソン、メチルプレドニゾロン、ポリ硫酸化グリコサミノグリカン、カルシトニン、アレンドロネート、リセドロネート、ゾレドロン酸、テリパラチド、VX-765、プラルナカサン、SB-462795、CPA-926、ONO-4817、S-3536、PG-530742、CP-544439、および医薬的に許容されるそれらの塩からなる群から選択される1種以上のDMOAD(複数)を含む、項目15に記載の組合せ。
【0302】
項目22 第2の薬剤が、エタネルセプト、アダリムマブ、インフリキシマブ、IL-1受容体アンタゴニスト、プレドニゾン、メチルプレドニゾロン、ペニシラミン、硫酸ヒドロキシクロロキン、クロラムブシル、シクロスホスファミド、レフルノミド、シクロスポリン、オーラノフィン、アウロチオグルコース、アザチオプリン、金チオリンゴ酸ナトリウム、メトトレキサート、シクロホスファミド、ミノサイクリン、スルファサラジン、アバタセプト、リツキシマブ、ブシラミン、クロロキン、ヒドロキシクロロキン、ロベンザリット、ミソプロストール、および医薬的に許容されるそれらの塩からなる群から選択される1種以上のDMARD(複数)を含む、項目15に記載の組合せ。
【0303】
項目23 第1の薬剤および第2の薬剤が、関節炎状態および/またはそれに関連している疼痛を治療するのに有効な絶対量および相対量で存在する、項目14に記載の組合せ。
【0304】
項目24 第2の薬剤が、関節炎状態において生じる炎症を治療するのに有効な量で抗炎症薬を含む、項目14に記載の組合せ。
【0305】
項目25 第1の薬剤および第2の薬剤が、関節炎状態に伴うまたはそれによって引き起こされる疼痛の非炎症性および炎症性の両要素を治療するのに有効な絶対量および相対量で存在する、項目14に記載の組合せ。
【0306】
項目26 第2の薬剤が、第1の薬剤と組み合わせて、第1の薬剤単独と比較して疼痛の向上した治療を与えるのに有効な量で存在する、項目1に記載の組合せ。
【0307】
項目27 該向上した治療が、非炎症性疼痛のものである、項目26に記載の組合せ。
【0308】
項目28 第2の薬剤が、鎮痛薬、抗けいれん薬、抗うつ薬およびNMDA受容体アンタゴニストからなる群から独立に選択される1種以上の薬物を含む、項目26に記載の組合せ。
【0309】
項目29 第2の薬剤が、アセトアミノフェン、アルフェンタニル、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベンジルモルフィン、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、コデイン、シクラゾシン、デソモルフィン、デキストロモラミド、デキストロプロポキシフェン、デゾシン、ジアンプロミド、ジアモルホン、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルフィン、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアンブテン、ジオキサフェチルブチレート、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアンブテン、エチルモルフィン、エトニタゼン、フェンタニル、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ケトベミドン、レバロルファン、レボルファノール、レボフェナシル-モルファン、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メタドン、メトポン、モルフィン、ミロフィン、ナルブフィン、ナロルフィン、ナルセイン、ニコモルフィン、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ノルモルフィン、ノルピパノン、オピウム、オキシコドン、オキシモルホン、パパベレツム、ペンタゾジン、フェナドキソン、フェナゾシン、フェノモルファン、フェノペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロヘプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロピラム、プロポキシフェン、スフェンタニル、チリジン、トラマドール、NO-ナプロキセン、NCX-701、ALGRX-4975、および医薬的に許容されるそれらの塩からなる群から選択される1種以上の鎮痛薬を含む、項目26に記載の組合せ。
【0310】
項目30 第2の薬剤が、アセチルフェネツリド、アルブトイン、アミノグルテチミド、4-アミノ-3-ヒドロキシ酪酸、アトロラクタミド、ベクラミド、ブラメート、カルバマゼピン、シンロミド、クロメチアゾール、クロナゼパム、デシメミド、ジエタジオン、ジメタジオン、ドキセニトイン、エテロバルブ、エタジオン、エトスキシミド、エトトイン、フェルバメート、フルオレソン、フォスフェニトイン、ガバペンチン、ガナクソロン、ラモトリジン、レベチラセタム、ロラゼパム、メフェニトイン、メフォバルビタール、メタルビタール、メテトイン、メトスクシミド、ミダゾラム、ナルコバルビタール、ニトラゼパム、オキシカルバゼピン、パラメタジオン、フェナセミド、フェネタルビタール、フェネツリド、フェノバルビタール、フェンスクシミド、フェニルメチルバルビツール酸、フェニトイン、フェネチレート、プレガバリン、プリミドン、プロガビド、レマセミド、ルフィナミド、スクロフェニド、スルチアム、タランパネル、テトラントイン、チアガビン、トピラメート、トリメタジオン、バルプロ酸、バルプロミド、ビガバトリン、ゾニサミド、および医薬的に許容されるそれらの塩からなる群から選択される1種以上の抗けいれん薬を含む、項目26に記載の組合せ。
【0311】
項目31 第2の薬剤が、アジナゾラム、アドラフィニル、アミネプチン、アミトリプチリン、アミトリプチリノキシド、アモキサピン、ベフロキサトン、ブプロピオン、ブタセチン、ブトリプチリン、カロキサゾン、シタロプラム、クロミプラミン、コチニン、デメキシプチリン、デシプラミン、ジベンゼピン、ジメタクリン、ジメタザン、ジオキサドロール、ドチエピン、ドキセピン、デュロキセチン、エトペリドン、フェモキセチン、フェンカミン、フェンペンタジオール、フルアシジン、フルオキセチン、フルボキサミン、ヘマトポルフィリン、ヒペリシン、イミプラミン、イミプラミンN-オキシド、インダルピン、インデロキサジン、イプリンドール、イプロクロジド、イプロニアジド、イソカルボキサジド、レボファセトペラン、ロフェプラミン、マプロチリン、メジフォキサミン、メリトラセン、メタプラミン、メトラリンドール、ミアンセリン、ミルナシプラン、ミナプリン、ミルタザピン、モクロベミド、ネファゾドン、ネフォパム、ニアラミド、ノミフェンシン、ノルトリプチリン、ノキシプチリン、オクタモキシン、オピプラモール、オキサフロザン、オキシトリプタン、オキシペルチン、パロキセチン、フェネルジン、ピベラリン、ピゾチリン、プロリンタン、プロピゼピン、プロトリプチリン、ピリスクシデアノール、キヌプラミン、レボキセチン、リタンセリン、ロキシンドール、塩化ルビジウム、セルトラリン、スルピリド、タンドスピロン、チアゼシム、トザリノン、チアネプチン、トフェナシン、トロキサトン、トラニルシプロミン、トラゾドン、トリミプラミン、トリプトファン、ベンラファキシン、ビロキサジン、ジメルジン、および医薬的に許容されるそれらの塩からなる群から選択される1種以上の抗うつ薬を含む、項目26に記載の組合せ。
【0312】
項目32 第2の薬剤が、アマンタジン、D-AP5、アプチガネル、CPP、デキサナビノール、デキストロメトルファン、デキストロプロポキシフェン、5,7-ジクロロキヌレン酸、ガベスチネル、イフェンドプリル、ケタミン、ケトベミドン、リコスチネル、LY-235959、メマンチン、メタドン、MK-801、フェンシクリジン、レマデミド、セルフォテル、チレタミン、および医薬的に許容されるそれらの塩からなる群から選択される1種以上のNMDA受容体アンタゴニストを含む、項目26に記載の組合せ。
【0313】
項目33 第1の薬剤および第2の薬剤が、同じまたは異なる回数で、同じまたは異なる経路による投与のために別個の剤形で与えられる、項目1に記載の組合せ。
【0314】
項目34 少なくとも第1の薬剤が、経口または非経口投与に適合した剤形で与えられる、項目1に記載の組合せ。
【0315】
項目35 第1の薬剤が、経口投与に適合した剤形で1日当たり1から3回用量与えられる、項目34に記載の組合せ。
【0316】
項目36 第2の薬剤が、経口的に生物学的利用可能であり、かつ経口投与に適合した剤形で与えられる、項目34に記載の組合せ。
【0317】
項目37 項目1に記載の組合せおよび少なくとも1種の医薬的に許容される賦形剤を含む医薬剤形。
【0318】
項目38 第1の薬剤がラコサミドを含む、項目37に記載の剤形。
【0319】
項目39 経口または非経口投与に適合している項目37に記載の剤形。
【0320】
項目40 対象における有痛性医学的状態および/またはそれに関連している疼痛を治療する方法であって、該対象に項目1に記載の治療組合せを投与する段階を含む方法。
【0321】
項目41 医学的状態またはそれに関連している疼痛が、急性炎症性疼痛;急性疼痛;アルコール中毒関連またはアルコール中毒誘発神経障害性疼痛;異痛;関節炎状態;背部痛;癌関連神経障害性疼痛;中枢神経障害性疼痛;慢性頭痛;慢性炎症性疼痛;慢性疼痛;末梢神経損傷による慢性疼痛;糖尿病関連または糖尿病誘発神経障害性疼痛;糖尿病性遠位感覚神経障害;糖尿病性遠位感覚多発性神経障害;糖尿病性疼痛;線維筋痛;頭痛;痛覚過敏;感覚過敏;痛覚異常鋭敏;片頭痛;筋肉痛;筋膜疼痛症候群;神経痛;神経腫;非炎症性筋骨格痛;非炎症性骨関節炎痛;非神経障害性炎症性疼痛;神経障害性疼痛;化学療法または放射線療法に伴うまたはそれに誘発される疼痛;外傷性神経損傷もしくは圧迫または脳もしくは脊髄への外傷性損傷に伴うあるいは誘発される疼痛;有痛性糖尿病性神経障害;末梢神経障害性疼痛;持続性臨床疼痛;幻痛;関節リウマチ痛;続発性炎症性骨関節炎痛;三叉神経痛;血管性頭痛;およびそれらの組合せからなる群から選択される、項目40に記載の方法。
【0322】
項目42 医学的状態に関連している疼痛が、非炎症性疼痛を含む、項目40に記載の方法。
【0323】
項目43 対象における関節炎状態および/またはそれに関連している疼痛を治療する方法であって、該対象に項目15に記載の治療組合せを投与する段階を含む方法。
【0324】
項目44 関節炎状態およびそれに関連している疼痛の両方が治療される、項目43に記載の方法。
【0325】
項目45 該組合せにおいて、第1の薬剤がラコサミドを含む、項目43に記載の方法。
【0326】
項目46 ラコサミドが、さらなる治療の間に維持される所定の一日量に到達するまで、一日量が増加される投薬計画に従って投与される、項目45に記載の方法。
【0327】
項目47 ラコサミドが経口投与される、項目45に記載の方法。
【0328】
項目48 ラコサミドが、複数の治療対象にわたる平均として計算して、約0.1から約15μg/ml(最小値)および約5から約18.5μg/ml(最大値)のラコサミドの血漿濃度を与えるのに有効な一日量を与える量で投与される、項目47に記載の方法。
【0329】
項目49 該関節炎状態が、突発性骨関節炎、続発性骨関節炎、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、乾癬性関節炎、感染性関節炎、強直性脊椎炎、神経原性関節症、多発性関節痛、ならびにシェーグレン症候群、ベーチェット症候群、ライター症候群、全身性エリテマトーデス、リウマチ熱、痛風、偽性痛風、ライム病、サルコイドーシスおよび潰瘍性大腸炎に伴う関節炎からなる群から選択される1種以上の障害を含む、項目43に記載の組合せ。
【0330】
項目50 関節炎状態が骨関節炎痛を含む、項目43に記載の方法。
【0331】
項目51 関節炎状態が、関節リウマチまたは若年性関節リウマチを含む、項目43に記載の方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

(式中、
Rは、水素、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、アリール、アリール低級アルキル、複素環、複素環低級アルキル、低級アルキル複素環、低級シクロアルキルまたは低級シクロアルキル低級アルキルであり、かつRは、非置換であるか、あるいは少なくとも1つの電子求引性基および/または少なくとも1つの電子供与性基で置換されており;
R1は、水素、または低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、アリール低級アルキル、アリール、複素環低級アルキル、低級アルキル複素環、複素環、低級シクロアルキル、もしくは低級シクロアルキル低級アルキルであり、かつ非置換であるか、あるいは少なくとも1つの電子求引性基および/または少なくとも1つの電子供与性基で置換されており;
R2およびR3は、独立に、水素、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、アリール低級アルキル、アリール、ハロ、複素環、複素環低級アルキル、低級アルキル複素環、低級シクロアルキル、低級シクロアルキル低級アルキル、またはZ-Yであり、ここで、R2およびR3は、それぞれ独立に、非置換であるか、あるいは少なくとも1つの電子求引性基および/または少なくとも1つの電子供与性基で置換されており;
Zは、O、S、S(O)a、NR4、NR'6、PR4または化学結合であり;
Yは、水素、低級アルキル、アリール、アリール低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、ハロ、複素環、複素環低級アルキル、または低級アルキル複素環であり、かつ非置換であるか、あるいは少なくとも1つの電子求引性基および/または少なくとも1つの電子供与性基で置換されており、ただし、Yがハロである場合、Zは化学結合であり、または
Z-Yは一緒になって、NR4NR5R7、NR4OR5、ONR4R7、OPR4R5、PR4OR5、SNR4R7、NR4SR7、SPR4R5、PR4SR7、NR4PR5R6、PR4NR5R7、N+R5R6R7
【化2】

であることを条件とし;
R'6は、水素、低級アルキル、低級アルケニル、または低級アルキニルであり、かつ非置換であるか、あるいは少なくとも1つの電子求引性基および/または少なくとも1つの電子供与性基で置換されており;
R4、R5およびR6は、独立に、水素、低級アルキル、アリール、アリール低級アルキル、低級アルケニル、または低級アルキニルであり、かつそれぞれ独立に、非置換であるか、あるいは少なくとも1つの電子求引性基および/または少なくとも1つの電子供与性基で置換されており;
R7は、R6、COOR8、またはCOR8であり、かつ非置換であるか、あるいは少なくとも1つの電子求引性基および/または少なくとも1つの電子供与性基で置換されており;
R8は、水素、低級アルキル、またはアリール低級アルキルであり、かつ非置換であるか、あるいは少なくとも1つの電子求引性基および/または少なくとも1つの電子供与性基で置換されており;
nは、1〜4であり;
aは、1〜3である)
の化合物、または医薬的に許容されるその塩を含む第1の薬剤;およびそれと組み合わせて、式(I)の化合物単独と比べて、医学的状態に伴うまたは引き起こされる疼痛の向上した治療を与えるために有効な第2の薬剤であって、式(I)の化合物以外の1種以上の薬物を含む第2の薬剤、を含む治療組合せ。
【請求項2】
第1の薬剤に存在する式(I)の化合物において、R2およびR3の一方または両方が、フリル、チエニル、ピラゾリル、ピロリル、メチルピロリル、イミダゾリル、インドリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、ピペリジル、ピロリニル、ピペラジニル、キノリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソキノリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、モルホリニル、ベンゾキサゾリル、テトラヒドロフリル、ピラニル、インダゾリル、プリニル、インドリニル、ピラゾリンジニル、イミダゾリニル、イミダゾリンジニル、ピロリジニル、フラザニル、N-メチルインドリル、メチルフリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリジル、エポキシ、アジリジノ、オキセタニル、アゼチジニル、およびNが複素環に存在する場合、そのN-オキシドからなる群から独立に選択される複素環であり;前記複素環は、独立に、非置換であるか、あるいは少なくとも1つの電子求引性基および/または少なくとも1つの電子供与性基で置換されている、請求項1に記載の組合せ。
【請求項3】
第1の薬剤が、式(III)
【化3】

(式中:
R4は、水素、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ニトロ、カルボキシ、ホルミル、カルボキシアミド、アリール、四級アンモニウム、ハロアルキル、アリールアルカノイル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ、アルキルメルカプト、およびジスルフィドからなる群から独立に選択される1つ以上の置換基であり;
R3は、水素、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アリール、N-アルコキシ-N-アルキルアミノ、およびN-アルコキシアミノからなる群から選択され;
R1は、アルキルである)
の化合物または医薬的に許容されるその塩を含む、請求項1に記載の組合せ。
【請求項4】
式(III)の化合物またはその塩において;
R4が、水素およびハロからなる群から独立に選択される1つ以上の置換基であり;
R3が、低級アルコキシ-低級アルキル、アリール、N-低級アルコキシ-N-低級アルキルアミノ、およびN-低級アルコキシアミノからなる群から選択され;
R1が、低級アルキルである、請求項3に記載の組合せ。
【請求項5】
式(III)の化合物またはその塩において、R3が、低級アルコキシ-低級アルキルである、請求項4に記載の組合せ。
【請求項6】
式(III)の化合物またはその塩において:
R4が水素であり;
R3がメトキシメチルであり;
R1がメチルである、請求項3に記載の組合せ。
【請求項7】
第1の薬剤が、
(R)-2-アセトアミド-N-ベンジル-3-メトキシプロピオンアミド;
(R)-2-アセトアミド-N-ベンジル-3-エトキシプロピオンアミド;
O-メチル-N-アセチル-D-セリン-m-フルオロベンジルアミド;
O-メチル-N-アセチル-D-セリン-p-フルオロベンジルアミド;
N-アセチル-D-フェニルグリシンベンジルアミド;
D-1,2-(N,O-ジメチルヒドロキシルアミノ)-2-アセトアミド酢酸ベンジルアミド;
および
D-1,2-(O-メチルヒドロキシルアミノ)-2-アセトアミド酢酸ベンジルアミド
からなる群から選択される化合物を含む、請求項3に記載の組合せ。
【請求項8】
式(III)の化合物が、実質的にエナンチオピュアである、請求項3から7のいずれかに記載の組合せ。
【請求項9】
第1の薬剤がラコサミドを含む、請求項3に記載の組合せ。
【請求項10】
約100から約6000mg/日の用量を与える量のラコサミドを含む、請求項9に記載の組合せ。
【請求項11】
約200から約1000mg/日の用量を与える量のラコサミドを含む、請求項9に記載の組合せ。
【請求項12】
約300から約600mg/日の用量を与える量のラコサミドを含む、請求項9に記載の組合せ。
【請求項13】
第2の薬剤が、鎮痛薬、抗けいれん薬、抗うつ薬およびNMDA受容体アンタゴニストからなる群から独立に選択される1種以上の薬物を含む、請求項1から12のいずれかに記載の組合せ。
【請求項14】
第2の薬剤が、アセトアミノフェン、アルフェンタニル、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベンジルモルフィン、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、コデイン、シクラゾシン、デソモルフィン、デキストロモラミド、デキストロプロポキシフェン、デゾシン、ジアンプロミド、ジアモルホン、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルフィン、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアンブテン、ジオキサフェチルブチレート、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアンブテン、エチルモルフィン、エトニタゼン、フェンタニル、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ケトベミドン、レバロルファン、レボルファノール、レボフェナシル-モルファン、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メタドン、メトポン、モルフィン、ミロフィン、ナルブフィン、ナロルフィン、ナルセイン、ニコモルフィン、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ノルモルフィン、ノルピパノン、オピウム、オキシコドン、オキシモルホン、パパベレツム、ペンタゾジン、フェナドキソン、フェナゾシン、フェノモルファン、フェノペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロヘプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロピラム、プロポキシフェン、スフェンタニル、チリジン、トラマドール、ナプロキセン、NO-ナプロキセン、NCX-701、ALGRX-4975、および医薬的に許容されるそれらの塩からなる群から選択される1種以上の鎮痛薬を含む、請求項13に記載の組合せ。
【請求項15】
第2の薬剤が、アセチルフェネツリド、アルブトイン、アミノグルテチミド、4-アミノ-3-ヒドロキシ酪酸、アトロラクタミド、ベクラミド、ブラメート、カルバマゼピン、シンロミド、クロメチアゾール、クロナゼパム、デシメミド、ジエタジオン、ジメタジオン、ドキセニトイン、エテロバルブ、エタジオン、エトスキシミド、エトトイン、フェルバメート、フルオレソン、フォスフェニトイン、ガバペンチン、ガナクソロン、ラモトリジン、レベチラセタム、ロラゼパム、メフェニトイン、メフォバルビタール、メタルビタール、メテトイン、メトスクシミド、ミダゾラム、ナルコバルビタール、ニトラゼパム、オキシカルバゼピン、パラメタジオン、フェナセミド、フェネタルビタール、フェネツリド、フェノバルビタール、フェンスクシミド、フェニルメチルバルビツール酸、フェニトイン、フェネチレート、プレガバリン、プリミドン、プロガビド、レマセミド、ルフィナミド、スクロフェニド、スルチアム、タランパネル、テトラントイン、チアガビン、トピラメート、トリメタジオン、バルプロ酸、バルプロミド、ビガバトリン、ゾニサミド、および医薬的に許容されるそれらの塩からなる群から選択される1種以上の抗けいれん薬を含む、請求項13または14に記載の組合せ。
【請求項16】
第2の薬剤が、アジナゾラム、アドラフィニル、アミネプチン、アミトリプチリン、アミトリプチリノキシド、アモキサピン、ベフロキサトン、ブプロピオン、ブタセチン、ブトリプチリン、カロキサゾン、シタロプラム、クロミプラミン、コチニン、デメキシプチリン、デシプラミン、ジベンゼピン、ジメタクリン、ジメタザン、ジオキサドロール、ドチエピン、ドキセピン、デュロキセチン、エトペリドン、フェモキセチン、フェンカミン、フェンペンタジオール、フルアシジン、フルオキセチン、フルボキサミン、ヘマトポルフィリン、ヒペリシン、イミプラミン、イミプラミンN-オキシド、インダルピン、インデロキサジン、イプリンドール、イプロクロジド、イプロニアジド、イソカルボキサジド、レボファセトペラン、ロフェプラミン、マプロチリン、メジフォキサミン、メリトラセン、メタプラミン、メトラリンドール、ミアンセリン、ミルナシプラン、ミナプリン、ミルタザピン、モクロベミド、ネファゾドン、ネフォパム、ニアラミド、ノミフェンシン、ノルトリプチリン、ノキシプチリン、オクタモキシン、オピプラモール、オキサフロザン、オキシトリプタン、オキシペルチン、パロキセチン、フェネルジン、ピベラリン、ピゾチリン、プロリンタン、プロピゼピン、プロトリプチリン、ピリスクシデアノール、キヌプラミン、レボキセチン、リタンセリン、ロキシンドール、塩化ルビジウム、セルトラリン、スルピリド、タンドスピロン、チアゼシム、トザリノン、チアネプチン、トフェナシン、トロキサトン、トラニルシプロミン、トラゾドン、トリミプラミン、トリプトファン、ベンラファキシン、ビロキサジン、ジメルジン、および医薬的に許容されるそれらの塩からなる群から選択される1種以上の抗うつ薬を含む、請求項13から15のいずれかに記載の組合せ。
【請求項17】
第2の薬剤が、アマンタジン、D-AP5、アプチガネル、CPP、デキサナビノール、デキストロメトルファン、デキストロプロポキシフェン、5,7-ジクロロキヌレン酸、ガベスチネル、イフェンドプリル、ケタミン、ケトベミドン、リコスチネル、LY-235959、メマンチン、メタドン、MK-801、フェンシクリジン、レマセミド、セルフォテル、チレタミン、および医薬的に許容されるそれらの塩からなる群から選択される1種以上のNMDA受容体アンタゴニストを含む、請求項13から16のいずれかに記載の組合せ。
【請求項18】
第2の薬剤が、ガバペンチン、デュロキセチン、モルヒネ、ナクスプロキセン、およびメマンチンからなる群から独立に選択される1種以上の薬物を含む、請求項1から17のいずれかに記載の組合せ。
【請求項19】
第2の薬剤が、デュロキセチン、モルヒネ、ナクスプロキセン、およびメマンチンからなる群から独立に選択される1種以上の薬物を含む、請求項18に記載の組合せ。
【請求項20】
医学的状態が、その症状として、非炎症性疼痛を伴うまたは有する、請求項1から19のいずれかに記載の組合せ。
【請求項21】
医学的状態に関連する疼痛が、非炎症を含む、請求項1から20のいずれかに記載の組合せ。
【請求項22】
医学的状態が、関節炎状態および/または関連している疼痛である、請求項1から21のいずれかに記載の組合せ。
【請求項23】
関節炎状態が、骨関節炎を含む、請求項22に記載の組合せ。
【請求項24】
第1の薬剤および第2の薬剤が、関節炎状態および/またはそれに関連している疼痛を治療するのに有効な絶対量および相対量で存在する、請求項22または23に記載の組合せ。
【請求項25】
第1の薬剤および第2の薬剤が、関節炎状態に伴うまたは引き起こされる疼痛の非炎症性および炎症性の両要素を治療するのに有効な絶対量および相対量で存在する、請求項22から24のいずれかに記載の組合せ。
【請求項26】
第1の薬剤および第2の薬剤が、関節炎状態に関連している非炎症性疼痛を治療するのに有効な絶対量および相対量で存在する、請求項22から25のいずれかに記載の組合せ。
【請求項27】
第1の薬剤および第2の薬剤が、非炎症性骨関節炎痛を治療するのに有効な絶対量および相対量で存在する、請求項22から26のいずれかに記載の組合せ。
【請求項28】
第1の薬剤および第2の薬剤が、関節炎状態に関連している炎症性疼痛を治療するのに有効な絶対量および相対量で存在する、請求項22から25のいずれかに記載の組合せ。
【請求項29】
第1の薬剤および第2の薬剤が、炎症性骨関節炎痛を治療するのに有効な絶対量および相対量で存在する、請求項22から25および28のいずれかに記載の組合せ。
【請求項30】
骨関節炎痛が、軟骨分解、構造骨変化、および/または骨関節炎再造形の領域の血管新生に伴う、請求項27または29に記載の組合せ。
【請求項31】
関節炎状態が、突発性骨関節炎、続発性骨関節炎、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、乾癬性関節炎、感染性関節炎、強直性脊椎炎、神経原性関節症、多発性関節痛、ならびにシェーグレン症候群、ベーチェット症候群、ライター症候群、全身性エリテマトーデス、リウマチ熱、痛風、偽性痛風、ライム病、サルコイドーシスおよび潰瘍性大腸炎に伴う関節炎からなる群から選択される1種以上の障害を含む、請求項22から30のいずれかに記載の組合せ。
【請求項32】
関節炎状態が、関節リウマチまたは若年性関節リウマチを含む、請求項22から31のいずれかに記載の組合せ。
【請求項33】
医学的状態が、有痛性糖尿病性神経障害における疼痛である、請求項1から19のいずれかに記載の組合せ。
【請求項34】
有痛性糖尿病性神経障害が糖尿病性遠位感覚多発神経障害である、請求項33に記載の組合せ。
【請求項35】
第1の薬剤および第2の薬剤が、組み合わせて、平均1日疼痛、全疼痛、現疼痛強さ、疼痛睡眠妨害、疼痛一般活動妨害の患者知覚、疼痛変化の患者全般印象、疼痛変化の臨床全般印象、異なる神経障害性疼痛の質の患者知覚、生活の質および疼痛のない日の比率からなる群から選択される疼痛の態様の治療に有効である、請求項33または34に記載の組合せ。
【請求項36】
有痛性糖尿病性神経障害が、1型糖尿病またはII型糖尿病に伴う、請求項33から35のいずれかに記載の組合せ。
【請求項37】
第2の薬剤が、第1の薬剤と組み合わせて、第1の薬剤単独と比較して、疼痛の向上した治療を与えるのに有効な量で存在する、請求項1から36のいずれかに記載の組合せ。
【請求項38】
医学的状態またはそれに関連している疼痛が、急性炎症性疼痛;急性疼痛;アルコール中毒関連またはアルコール中毒誘発神経障害性疼痛;異痛;関節炎状態;背部痛;癌関連神経障害性疼痛;中枢神経障害性疼痛;慢性頭痛;慢性炎症性疼痛;慢性疼痛;末梢神経損傷による慢性疼痛;糖尿病関連または糖尿病誘発神経障害性疼痛;糖尿病性遠位感覚神経障害;糖尿病性遠位感覚多発性神経障害;糖尿病性疼痛;線維筋痛;頭痛;痛覚過敏;感覚過敏;痛覚異常鋭敏;片頭痛;筋肉痛;筋膜疼痛症候群;神経痛;神経腫;非炎症性骨関節炎痛;非神経障害性炎症性疼痛;神経因性疼痛;化学療法または放射線療法に伴うまたはそれに誘発される疼痛;外傷性神経損傷もしくは圧迫または脳もしくは脊髄への外傷性損傷に伴うあるいは誘発される疼痛;有痛性糖尿病性神経障害;末梢神経障害性疼痛;持続性臨床疼痛;幻痛;関節リウマチ痛;続発性炎症性骨関節炎痛;三叉神経痛;血管性頭痛;およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1から19のいずれかに記載の組合せ。
【請求項39】
第1の薬剤および第2の薬剤が、同じまたは異なる回数で、同じまたは異なる経路による投与のために別個の剤形で与えられる、請求項1から38のいずれかに記載の組合せ。
【請求項40】
少なくとも第1の薬剤が、経口または非経口投与に適合した剤形で与えられる、請求項1から39のいずれかに記載の組合せ。
【請求項41】
第1の薬剤が、経口投与に適合した剤形で1日当たり1から3回用量与えられる、請求項1から40のいずれかに記載の組合せ。
【請求項42】
第2の薬剤が、経口的に生物学的利用可能であり、かつ経口投与に適合した剤形で与えられる、請求項1から41のいずれかに記載の組合せ。
【請求項43】
請求項1から19に記載の組合せおよび少なくとも1種の医薬的に許容される賦形剤を含む医薬剤形。
【請求項44】
第1の薬剤が、ラコサミドを含む、請求項43に記載の剤形。
【請求項45】
経口または非経口投与に適合している、請求項43または44に記載の剤形。
【請求項46】
対象における有痛性医学的状態および/またはそれに関連している疼痛を治療する方法であって、対象に請求項1から19のいずれかに記載の治療組合せを投与することを含む方法。
【請求項47】
有痛性医学的状態または/およびそれに関連している疼痛が、請求項20から38のいずれかに記載の状態から選択される、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
医学的状態またはそれに関連している疼痛が、急性炎症性疼痛;急性疼痛;アルコール中毒関連またはアルコール中毒誘発神経障害性疼痛;異痛;関節炎状態;背部痛;癌関連神経障害性疼痛;中枢神経障害性疼痛;慢性頭痛;慢性炎症性疼痛;慢性疼痛;末梢神経損傷による慢性疼痛;糖尿病関連または糖尿病誘発神経障害性疼痛;糖尿病性遠位感覚神経障害;糖尿病性遠位感覚多発性神経障害;糖尿病性疼痛;線維筋痛;頭痛;痛覚過敏;感覚過敏;痛覚異常鋭敏;片頭痛;筋肉痛;筋膜疼痛症候群;神経痛;神経腫;非炎症性骨関節炎痛;非神経障害性炎症性疼痛;神経障害性疼痛;化学療法または放射線療法に伴うまたは誘発される疼痛;外傷性神経損傷もしくは圧迫または脳もしくは脊髄への外傷性損傷に伴うあるいは誘発される疼痛;有痛性糖尿病性神経障害;末梢神経障害性疼痛;持続性臨床疼痛;幻痛;関節リウマチ痛;続発性炎症性骨関節炎痛;三叉神経痛;血管性頭痛;およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項46に記載の方法。
【請求項49】
前記組合せにおいて、第1の薬剤がラコサミドを含む、請求項46から48のいずれかに記載の方法。
【請求項50】
ラコサミドが、さらなる治療の間に維持される所定の一日量に到達するまで、一日量が増加される投薬計画に従って投与される、請求項46から49のいずれかに記載の方法。
【請求項51】
ラコサミドが、経口投与される、請求項46から50のいずれかに記載の方法。
【請求項52】
ラコサミドが、複数の治療対象にわたる平均として計算して、約0.1から約15μg/ml(最小値)および約5から約18.5μg/ml(最大値)のラコサミドの血漿濃度を与えるのに有効な一日量を与える量で投与される、請求項46から51のいずれかに記載の方法。
【請求項53】
式(I)の化合物単独と比べて、医学的状態に伴うまたは引き起こされる疼痛の向上した予防、軽減または/および治療のための医薬品の調製のための請求項1から19のいずれかに記載の組合せの使用。
【請求項54】
医学的状態が、請求項20から38のいずれかに記載の状態から選択される、請求項53に記載の使用。
【請求項55】
前記組合せにおいて、前記第1の薬剤がラコサミドを含む、請求項54または55に記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【公表番号】特表2009−539792(P2009−539792A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−513597(P2009−513597)
【出願日】平成19年6月6日(2007.6.6)
【国際出願番号】PCT/EP2007/005036
【国際公開番号】WO2007/141018
【国際公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【出願人】(507038467)シュヴァルツ・ファーマ・アーゲー (8)
【Fターム(参考)】