説明

疼痛を処置または防止するために有用なトリアザスピロ化合物

トリアザスピロ化合物、トリアザスピロ化合物を含む組成物、動物における疼痛を処置および防止するための方法であって、その必要がある動物にトリアザスピロ化合物の有効量を投与することを含む方法、および、細胞内のオピオイドレセプター機能を刺激するための方法であって、オピオイドレセプターを発現することができる細胞にトリアザスピロ化合物の有効量を接触させることを含む方法が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.本発明の技術分野
本発明は、トリアザスピロ化合物、トリアザスピロ化合物を含む組成物、および動物の疼痛を防止または処置するための方法であってそれらを必要とする動物にトリアザスピロ化合物の有効量を投与することを含む方法に関する。
【背景技術】
【0002】
2.本発明の背景技術
疼痛は、患者が医療的助言または処置を求める最も一般的な徴候である。疼痛は、急性または慢性でありうる。急性疼痛は通常、自己限定性であるのに対して、慢性疼痛は3ヶ月以上持続し、患者の人格、ライフスタイル、機能的能力または全体的な生活の質に著しい変化を引き起こす可能性がある(K.M.Foley,Pain,in Cecil Textbook of Medicine 100-107(J.C.Bennett and F.Plum eds.,20th ed.1996)。
【0003】
疼痛は従来、非オピオイド鎮痛薬、たとえばアセチルサリチル酸、コリンマグネシウムトリサリチラート、アセトアミノフェン、イブプロフェン、フェノプロフェン、ジフルシナール(diflusinal)およびナプロキセン;またはモルヒネ、ヒドロモルフォン、メタドン、レボルファノール、フェンタニル、オキシコドンおよびオキシモルフォンを含むオピオイド鎮痛薬を投与することによって管理されてきた。同上。
【0004】
Janssenらへの米国特許第3,238,216号は、神経遮断性であり鎮痛性も含む薬剤として有用であるとされる、特定のスピロ化合物を開示している。
【0005】
Janssen Pharmaceutica N.V.による国際公開公報第99/45011号は、疼痛の処置に有用であるとされる、特定のスピロ化合物を開示している。
【0006】
Hohlwegへの米国特許第6,277,991号は、片頭痛の処置に有用であるとされる、特定のスピロ化合物を開示している。
【0007】
従来の非オピオイド鎮痛薬は、それらがいったん血液脳関門を通過すると、薬理学的活性を発揮する。しかしこの血液脳関門の通過は、多くの望ましくない中枢神経系仲介副作用、たとえば呼吸抑制、薬物乱用の可能性の上昇、薬物耐性上昇、薬物依存性上昇、便秘および望ましくない多幸症を引き起こす可能性がある。
【0008】
Mogiらへの米国特許第6,362,203号は、末梢性鎮痛剤として有用であるとされる、特定の4−ヒドロキシ−4−フェニルピリジン化合物を開示している。
【0009】
疼痛を処置および防止するために有用であり、そして疼痛を処置するための従来の治療に関連する1つ以上の副作用を削減または回避する新たな薬剤のための、当技術分野における明らかな要求が残っている。
【0010】
本出願の2節でのいずれの参考文献の引用も、そのような参考文献が本出願の先行技術であるという承認として解釈されるためのものではない。
【発明の開示】
【0011】
本出願は、2002年5月31日に提出された米国仮出願第60/384,807号、および2002年4月3日に提出された米国仮出願第第60/460,219号の利益を請求しており、それぞれの開示内容が、全体として参照により組み込まれている。
3.本発明の概要
本発明は、式(Ia):
【0012】
【化50】

【0013】
を有する化合物およびその薬学的に許容される塩を含み、式中:
1は、水素、−COOH、−COOR3、−C(O)NH2、−C(O)NH(C1−C4アルキル)、−C(O)N(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキル)、−CN、−N(H)S(O)2(C1−C4アルキル)、または
【0014】
【化51】

であり;
【0015】
2は、−COOH、−COOR3または
【0016】
【化52】

であり;
【0017】
3は、−(C1−C6アルキル)、ベンジル、フェニル、または−(C3−C6シクロアルキル)であり;
nは、R1が水素である場合は0であり、nは、R1が水素以外である場合は1〜4の範囲の整数であり;
mは、0〜4の範囲の整数である。
【0018】
本発明はまた、式(Ib):
【0019】
【化53】

【0020】
を有する化合物およびその薬学的に許容される塩を含み、式中:
1は、−COOH、−COOR3、−C(O)NH2、−C(O)NH(C1−C4アルキル)、−C(O)N(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキル)、−CN、−N(H)S(O)2(C1−C4アルキル)、または
【0021】
【化54】

であり;
【0022】
2は、−COOH、−COOR3、−C(O)N(CH32または
【0023】
【化55】

であり;
【0024】
3は、−(C1−C6アルキル)、ベンジル、フェニル、または−(C3−C6シクロアルキル)であり;
nは、1〜4の範囲の整数であり;
mは、0〜4の範囲の整数である。
【0025】
本発明はまた、式(Ic):
【0026】
【化56】

【0027】
を有する化合物およびその薬学的に許容される塩を含み、式中:
1は、−COOH、−C(O)NH2、−C(O)NH(C1−C4アルキル)、−C(O)N(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキル)、−N(H)S(O)2(C1−C4アルキル)、または
【0028】
【化57】

であり;
【0029】
nは、1〜4の範囲の整数である。
【0030】
トリアザスピロ化合物は、動物の疼痛を処置または防止するために有用である。
【0031】
本発明はまた、トリアザスピロ化合物の有効量および薬学的に許容される担体または賦形剤を含む組成物に関する。本組成物は、動物の疼痛を処置または防止するために有用である。
【0032】
本発明はまた、トリアザスピロ化合物を含有する容器、およびその使用のための説明を含むキットに関する。
【0033】
本発明はさらに、動物の疼痛を防止するための方法であって、その必要のある動物にトリアザスピロ化合物の有効量を投与することを含む方法に関する。
【0034】
本発明はさらに、動物の疼痛を処置するための方法であって、その必要のある動物にトリアザスピロ化合物の有効量を投与することを含む方法に関する。
【0035】
本発明はなおさらに、オピオイドレセプターを発現することができる細胞をトリアザスピロ化合物の有効量に接触させることを含む、細胞中のオピオイドレセプター機能を刺激するための方法に関する。
【0036】
なおさらなる実施形態においては、本発明は、トリアザスピロ化合物と薬学的に許容される担体または賦形剤とを混合するステップを含む、組成物を調製する方法に関する。
【0037】
本発明は、本発明の非制限的な例を例示するために言及された、以下の詳細な説明および例示的実施例を参照することによってさらに十分に理解できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
4.本発明の詳細な説明
4.1 定義
本明細書で使用されるときは、上述で使用された用語は以下の意味を有する:
「トリアザスピロ化合物」は、式(Ia)、式(Ib)または式(Ic)の化合物、本出願の4.3節で述べた化合物、または上記のいずれかの薬学的に許容される塩である。
【0039】
「−C1−C4アルキル」は、1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分岐非環式炭化水素鎖を意味する。代表的な直鎖−C1−C4アルキルは、−メチル、−エチル、−n−プロピル、および−n−ブチルを含む。代表的な分岐鎖−C1−C4アルキルは、−イソプロピル、−sec−ブチル、−イソブチル、および−tert−ブチルを含む。
【0040】
「−C1−C6アルキル」は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐非環式炭化水素鎖を意味する。代表的な直鎖−C1−C6アルキルは、−メチル、−エチル、−n−プロピル、−n−ブチル、−n−ペンチルおよび−n−ヘキシルを含む。代表的な分岐鎖−C1−C6アルキルは、−イソプロピル、−sec−ブチル、−イソブチル、−tert−ブチル、−イソペンチル、−ネオペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、3−エチルブチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチルおよび3,3−ジメチルブチルを含む。
【0041】
「−C3−C6シクロアルキル」は、3〜6個の炭素原子を有する飽和環式炭化水素を意味する。代表的な−C3−C6シクロアルキルは、−シクロプロピル、−シクロブチル、−シクロペンチルおよびシクロヘキシルである。
【0042】
「動物」という用語は、これに限定されるわけではないが、ウシ、サル、ウマ、ヒツジ、ブタ、ニワトリ、シチメンチョウ、ウズラ、ネコ、イヌ、マウス、ラット、ウサギ、モルモットおよびヒトを含む。
【0043】
「その薬学的に許容される塩」という句は、本明細書で使用されるときは、酸およびトリアザスピロ化合物の塩基性窒素基から形成される塩である。そのような塩は、これに限定されるわけではないが、硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、イソニコチン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、酸性酒石酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチジン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、糖酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、およびパモアート(すなわち1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトアート))塩を含む。「その薬学的に許容される塩」という用語はまた、酸性官能基、たとえばカルボン酸官能基を有するトリアザスピロ化合物の塩、およびその薬学的に許容される無機または有機塩基も指す。適切な塩基は、これに限定されるわけではないが、アルカリ金属、たとえばナトリウム、カリウムおよびリチウムの水酸化物;アルカリ土類金属、たとえばカルシウムおよびマグネシウムの水酸化物;他の金属、たとえばアルミニウムおよび亜鉛の水酸化物;アンモニア;および有機アミン、たとえば非置換または水素置換モノ−、ジ−、またはトリアルキルアミン;ジクロロヘキシルアミン;トリブチルアミン;ピリジン;N−メチル−N−エチルアミン;ジエチルアミン;トリエチルアミン;モノ−、ビス−、またはトリス−(2−ヒドロキシ低級アルキルアミン)、たとえばモノ−、ビス−、またはトリス−(2−ヒドロキシエチル)アミン、2−ヒドロキシ−tert−ブチルアミン、またはトリス−(ヒドロキシメチル)メチルアミン、N,N,−ジ−低級アルキル−N−(ヒドロキシ低級アルキル)−アミン、たとえばN,N,−ジメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アミン、またはトリ−(2−ヒドロキシエチル)アミン;N−メチル−D−グルカミン;およびアミノ酸、たとえばアルギニン、リジンなど、を含む。
【0044】
疼痛の「処置」または「処置する」という句は、疼痛の改善または停止を含む。

【0045】
疼痛の「防止」または「防止する」という句は、疼痛の開始の回避を含む。
【0046】
「オピオイドレセプター」という句は、δ−オピオイドレセプター、κ−オピオイドレセプター、μ−オピオイドレセプターまたはORL−1レセプターを意味する。
【0047】
「有効量」という句は、トリアザスピロ化合物と共に使用される場合、(a)疼痛を処置または予防するために、または(b)細胞中のオピオイドレセプター機能を刺激するために有効な量を意味する。
【0048】
「有効量」という句は、別の治療剤と共に使用される場合、治療剤の治療効果を提供するための量を意味する。
【0049】
第一の基が「1個以上の」第二の基によって「置換」される場合、第一の基の1個以上の水素原子が、対応する数の第二の基によって置換される。第二の基の数が2以上である場合、第二の基は同一または異なっていてもよい。1つの実施形態において、第二の基の数は1または2である。別の実施形態において、第二の基の数は1である。

4.2 式(Ia)−(Ic)のトリアザスピロ化合物
4.2.1 式(Ia)のトリアザスピロ化合物
上述したように、本発明は、式(Ia):
【0050】
【化58】

【0051】
を有するトリアザスピロ化合物およびその薬学的に許容される塩を含み、式中:
1は、水素、−COOH、−COOR3、−C(O)NH2、−C(O)NH(C1−C4アルキル)、−C(O)N(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキル)、−CN、−N(H)S(O)2(C1−C4アルキル)、または
【0052】
【化59】

【0053】
であり;
2は、−COOH、−COOR3または
【0054】
【化60】

【0055】
であり;
3は、−(C1−C6アルキル)、ベンジル、フェニル、または−(C3−C6シクロアルキル)であり;
nは、R1が水素である場合は0であり、nは、R1が水素以外である場合は1〜4の範囲の整数であり;
mは、0〜4の範囲の整数である。
【0056】
1つの実施形態において、式(Ia)のトリアザスピロ化合物は、R1が水素であり、nが0であるトリアザスピロ化合物である。
【0057】
別の実施形態において、式(Ia)のトリアザスピロ化合物は、R1が水素以外であり、nが1〜4の範囲の整数であるトリアザスピロ化合物である。
【0058】
別の実施形態において、式(Ia)のトリアザスピロ化合物は、R1が−COOHまたは−COOR3であり、R3が−(C1−C6アルキル)、ベンジル、フェニル、または−(C3−C6シクロアルキル)であるトリアザスピロ化合物である。別の実施形態において、R3は−CH3である。
【0059】
別の実施形態において、式(Ia)のトリアザスピロ化合物は、R1が−C(O)NH2、−C(O)NH(C1−C4アルキル)または−C(O)N(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキル)であるトリアザスピロ化合物である。別の実施形態において、R1は−C(O) NH(CH3)または−C(O)N(CH32である。
【0060】
別の実施形態において、式(Ia)のトリアザスピロ化合物は、R1が−CNであるトリアザスピロ化合物である。
【0061】
別の実施形態において、式(Ia)のトリアザスピロ化合物は、R1が−N(H)S(O)2(C1−C4アルキル)であるトリアザスピロ化合物である。別の実施形態において、R1は−N(H)S(O)2(CH3)である。
【0062】
別の実施形態において、式(Ia)のトリアザスピロ化合物は、R1
【0063】
【化61】

【0064】
であるトリアザスピロ化合物である。
【0065】
別の実施形態において、式(Ia)のトリアザスピロ化合物は、R2が−COOHまたは−COOR3であり、R3が−(C1−C6アルキル)、ベンジル、フェニル、または−(C3−C6シクロアルキル)であるトリアザスピロ化合物である。別の実施形態において、R3は−CH3である。
【0066】
別の実施形態において、式(Ia)のトリアザスピロ化合物は、R2
【0067】
【化62】

【0068】
であるトリアザスピロ化合物である。
【0069】
別の実施形態において、mは0または1である。別の実施形態において、mは0である。
【0070】
別の実施形態において、式(Ia)のトリアザスピロ化合物は、R1がHであり、nが0であり、R2が−COOR3であり、R3が−(C1−C6アルキル)、ベンジル、フェニル、または−(C3−C6シクロアルキル)であるトリアザスピロ化合物である。別の実施形態において、R3は−CH3である。
【0071】
別の実施形態において、式(Ia)のトリアザスピロ化合物は、R1がHであり、R2
【0072】
【化63】

【0073】
であり、mが0であるトリアザスピロ化合物である。
【0074】
例示的な式(Ia)のトリアザスピロ化合物は:
【0075】
【化64】

【0076】
4−(4−オキソ−1−フェニル−1,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]デカ−8−イル)−2,2−ジフェニル−酪酸メチルエステル;
【0077】
【化65】

【0078】
4−(4−オキソ−1−フェニル−1,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]デカ−8−イル)−2,2−ジフェニル−酪酸;
【0079】
【化66】

【0080】
8−[3,3−ジフェニル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−プロピル]−1−フェニル−1,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]デカン−4−オン;およびその薬学的に許容される塩である。

4.2.2 式(Ib)のトリアザスピロ化合物
本発明はまた、式(Ib):
【0081】
【化67】

【0082】
を有するトリアザスピロ化合物およびその薬学的に許容される塩も含み、式中:
1は、−COOH、−COOR3、−C(O)NH2、−C(O)NH(C1−C4アルキル)、−C(O)N(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキル)、−CN、−N(H)S(O)2(C1−C4アルキル)、または
【0083】
【化68】

であり;
【0084】
2は、−COOH、−C(O)N(CH32、または
【0085】
【化69】

であり;
【0086】
3は、−(C1−C6アルキル)、ベンジル、フェニル、または−(C3−C6シクロアルキル)であり;
nは、1〜4の範囲の整数であり;
mは、0〜4の範囲の整数である。
【0087】
1つの実施形態において、式(Ib)のトリアザスピロ化合物は、R1が−COOHまたは−COOR3であり、R3が−(C1−C6アルキル)、ベンジル、フェニル、または−(C3−C6シクロアルキル)であるトリアザスピロ化合物である。1つの実施形態において、R3は−CH3である。
【0088】
別の実施形態において、式(Ib)のトリアザスピロ化合物は、R1が−C(O)NH2、−C(O)NH(C1−C4アルキル)、または−C(O)N(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキル)であるトリアザスピロ化合物である。別の実施形態において、R1は、−C(O)NH(CH3)またはC(O)N(CH32である。
【0089】
別の実施形態において、式(Ib)のトリアザスピロ化合物は、R1が−CNであるトリアザスピロ化合物である。
【0090】
別の実施形態において、式(Ib)のトリアザスピロ化合物は、R1が−N(H)S(O)2(C1−C4アルキル)であるトリアザスピロ化合物である。別の実施形態において、R1はN(H)S(O)2(CH3)である。
【0091】
別の実施形態において、式(Ib)のトリアザスピロ化合物は、R1
【0092】
【化70】

【0093】
であるトリアザスピロ化合物である。
【0094】
別の実施形態において、式(Ib)のトリアザスピロ化合物は、R2が−COOHまたは−COOR3であり、R3が−(C1−C6アルキル)、ベンジル、フェニル、または−(C3−C6シクロアルキル)であるトリアザスピロ化合物である。別の実施形態において、R3は−CH3である。
【0095】
別の実施形態において、式(Ib)のトリアザスピロ化合物は、R2が−C(O)N(CH32であるトリアザスピロ化合物である。
【0096】
別の実施形態において、式(Ib)のトリアザスピロ化合物は、R2
【0097】
【化71】

【0098】
であり、mが0〜4の範囲の整数である。別の実施形態において、mは0または1である。別の実施形態において、mは0である。
【0099】
別の実施形態において、式(Ib)のトリアザスピロ化合物は、R1が−COOHであり、R2が−C(O)N(CH32であるトリアザスピロ化合物である。
【0100】
別の実施形態において、式(Ib)のトリアザスピロ化合物は、R1が−COOR3であり、R2が−C(O)N(CH32であり、R3が−(C1−C6アルキル)、ベンジル、フェニル、または−(C3−C6シクロアルキル)であるトリアザスピロ化合物である。別の実施形態において、R3は−CH3である。
【0101】
例示的な式(Ib)のトリアザスピロ化合物は:
【0102】
【化72】

【0103】
5−[8−(3−ジメチルカルバモイル−3,3−ジフェニル−プロピル)−4−オキソ−1−フェニル−1,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]デカ−3−イル]−ペンタン酸;
【0104】
【化73】

【0105】
[8−(3−ジメチルカルバモイル−3,3−ジフェニル−プロピル)−4−オキソ−1−フェニル−1,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]デカ−3−イル]−酢酸メチルエステル;
【0106】
【化74】

【0107】
[8−(3−ジメチルカルバモイル−3,3−ジフェニル−プロピル)−4−オキソ−1−フェニル−1,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]デカ−3−イル]−プロピオン酸エチルエステル;
【0108】
【化75】

【0109】
3−[8−(3−ジメチルカルバモイル−3,3−ジフェニル−プロピル)−4−オキソ−1−フェニル−1,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]デカ−3−イル]−プロピオン酸;およびその薬学的に許容される塩である。

4.2.3 式(Ic)のトリアザスピロ化合物
本発明はまた、式(Ic):
【0110】
【化76】

【0111】
を有するトリアザスピロ化合物およびその薬学的に許容される塩も含み、式中:
1は、−COOH、−C(O)NH2、−C(O)NH(C1−C4アルキル)、−C(O)N(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキル)、−N(H)S(O)2(C1−C4アルキル)、または
【0112】
【化77】

【0113】
であり;
nは、1〜4の範囲の整数である。
【0114】
1つの実施形態において、式(Ic)のトリアザスピロ化合物は、R1が−COOHであるトリアザスピロ化合物である。
【0115】
別の実施形態において、式(Ic)のトリアザスピロ化合物は、R1が−C(O)NH2、−C(O)NH(C1−C4アルキル)、または−C(O)N(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキル)であるトリアザスピロ化合物である。別の実施形態において、R1は、−C(O)NH(CH3)または−C(O)N(CH32である。
【0116】
別の実施形態において、式(Ic)のトリアザスピロ化合物は、R1が−N(H)S(O)2(C1−C4アルキル)であるトリアザスピロ化合物である。別の実施形態において、R1は−NHS(O)2(CH3)である。
【0117】
別の実施形態において、式(Ic)のトリアザスピロ化合物は、R1
【0118】
【化78】

【0119】
であるトリアザスピロ化合物である。
【0120】
別の実施形態において、nは0、1、または2である。別の実施形態において、nは0または1である。別の実施形態において、nは2である。
【0121】
例示的な式(Ic)のトリアザスピロ化合物は:
【0122】
【化79】

【0123】
[8−(3,3−ジフェニル−プロピル)−4−オキソ−1−フェニル−1,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]デカ−3−イル]−酢酸;
【0124】
【化80】

【0125】
N−{2−[8−(3,3−ジフェニル−プロピル)−4−オキソ−1−フェニル−1,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]デカ−3−イル]−エチル}−メタンスルホンアミド;
【0126】
【化81】

【0127】
2−[8−(3,3−ジフェニル−プロピル)−4−オキソ−1−フェニル−1,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]デカ−3−イル]−アセトアミド;
【0128】
【化82】

【0129】
3−[8−(3,3−ジフェニル−プロピル)−4−オキソ−1−フェニル−1,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]デカ−3−イル]−プロピオン酸;
【0130】
【化83】

【0131】
5−[8−(3,3−ジフェニル−プロピル)−4−オキソ−1−フェニル−1,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]デカ−3−イル]−ペンタン酸;
【0132】
【化84】

【0133】
8−(3,3−ジフェニル−プロピル)−1−フェニル−3−(1H−テトラゾール−5−イルメチル)−1,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]デカン−4−オン;
【0134】
【化85】

【0135】
8−(3,3−ジフェニル−プロピル)−1−フェニル−3−[2−(1H−テトラゾール−5)−エチル]−1,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]デカン−4−オン;およびその薬学的に許容される塩である。

4.3 他のトリアザスピロ化合物
他のトリアザスピロ化合物は、
【0136】
【化86】

【0137】
4−(4−オキソ−1−フェニル−1,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]デカ−8−イル)−2,2−ジフェニル−ブチロニトリル;
【0138】
【化87】

【0139】
N,N−ジメチル−4−(4−オキソ−l−フェニル−1,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]デカ−8−イル)−2,2−ジフェニル−ブチルアミド;
【0140】
【化88】

【0141】
[8−(3−シアノ−3,3−ジフェニル−プロピル)−4−オキソ−1−フェニル−1,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]デカ−3−イル]−酢酸;
【0142】
【化89】

【0143】
[8−(3,3−ジフェニル−プロピル)−4−オキソ−1−フェニル−1,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]デカ−3−イル]−酢酸エチルエステル;
【0144】
【化90】

【0145】
[8−(3−シアノ−3,3−ジフェニル−プロピル)−4−オキソ−1−フェニル−1,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]デカ−3−イル]−酢酸エチルエステル;
【0146】
【化91】

【0147】
3−[8−(3,3−ジフェニル−プロピル)−4−オキソ−1−フェニル−1,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]デカ−3−イル]−プロピオニトリル;
【0148】
【化92】

【0149】
4−[8−(3,3−ジフェニル−プロピル)−4−オキソ−1−フェニル−1,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]デカ−3−イル]−ブチロニトリル;
【0150】
【化93】

【0151】
5−[8−(3−シアノ−3,3−ジフェニル−プロピル)−4−オキソ−l−フェニル−1,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]デカ−3−イル]−ペンタン酸エチルエステル;
【0152】
【化94】

【0153】
5−[8−(3−シアノ−3,3−ジフェニル−プロピル)−4−オキソ−l−フェニル−1,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]デカ−3−イル]−ペンタン酸;
【0154】
【化95】

【0155】
3−[8−(3−シアノ−3,3−ジフェニル−プロピル)−4−オキソ−1−フェニル−1,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]デカ−3−イル]−プロピオン酸;
【0156】
【化96】

【0157】
3−[8−(3−シアノ−3,3−ジフェニル−プロピル)−4−オキソ−l−フェニル−1,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]デカ−3−イル]−プロピオン酸エチルエステル;およびその薬学的に許容される塩である。

4.4 トリアザスピロ化合物を調製するための方法
トリアザスピロ化合物は、従来の有機合成を用いて、および/または以下の例示的方法によって調製することができる:
【0158】
【化97】

【0159】
1がHであり、nが0であり、R2が−COOR3(式中、R3は上述で定義した通りである)であるトリアザスピロ化合物は、化合物C(式中、R2は−COOR3(式中、R3は上述で定義した通りである)である)を提供するために、化合物Aを化合物B(式中、R2は−COOR3(式中、R3は上述で定義した通りである)であり、Xは脱離基、たとえばベンゼンスルホン酸塩、4−メチルベンゼンスルホン酸塩、4−ブロモベンゼンスルホン酸塩、4−ニトロベンゼンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、またはハロゲンである)と、有機塩基、たとえばピリジン、4−ジメチルピリジン、トリエチルアミン、またはジイソプロピルエチルアミン(DIEA)の存在下で、非プロトン性溶媒中で反応させることによって調製できる。1つの実施形態において、XはIまたはBrである。適切な非プロトン性溶媒は、これに限定されるわけではないが、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジクロロメタン(DCM)、1,2−ジクロロエタン、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、リグロイン、ペンタン、ヘキサン、およびジオキサンである。1つの実施形態において、非プロトン性溶媒はアセトニトリルである。
【0160】
1がHであり、nが0であり、R2が−COOHであるトリアザスピロ化合物は、化合物C(式中、R2は−COOR3(式中、R3は上述で定義した通りである)である)を加水分解することによって調製できる。加水分解は、過剰の水性塩基、たとえば約0.01〜約1Nアルカリ金属水酸化物を用い、次いで加水分解生成物を酸性化して、実施できる。酸性化は、約0.01〜3Nの酸を用いて実施できる。1つの実施形態において、酸はHClである。1つの実施形態において、アルカリ金属水酸化物はカリウム水酸化物である。
【0161】
1がHであり、nが0であり、R2
【0162】
【化98】

【0163】
(式中、mは上述で定義したとおりである)であるトリアザスピロ化合物は、化合物Aおよび化合物B(式中、R2は−(CH2mCNである)を反応させることによって調製することができ、化合物C(式中、R2は−(CH2mCNである)が得られる。化合物C(式中、R2は−(CH2mCNである)は、その後、酸化スズの存在下で、S.J.Wittenberg et al.,J.Org.Chem.58;4139-4141(1993)に記載の手順に従って、トリメチルシリルアジド(「TMSN3」)と反応させる。
【0164】
1がHであり、nが0であり、R2が−C(O)N(CH32であるトリアザスピロ化合物(化合物AB)は、以下で述べるように調製できる:
【0165】
【化99】

【0166】
化合物B(1)(化合物B(式中、R2は−(CH2mCNである)を加水分解することによって得られる)は、チオニルクロライドまたはオキサロイルクロライドを用いて酸塩化物に変換して、化合物Dが提供される。酸塩化物を得るための方法は、当業者において周知である。次に化合物Dは、約1〜約10モル当量のジメチルアミンおよびアルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属重炭酸塩、またはアルカリ土類炭酸塩と反応させ、化合物Eが提供される。次に化合物E1当量は、化合物A約1当量と、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属重炭酸塩、またはアルカリ土類炭酸塩の存在下で、上述で定義した非プロトン性溶媒中で反応させ、化合物ABが提供される。1つの実施形態において、アルカリ金属炭酸塩はNa2CO3である。別の実施形態において、非プロトン性溶媒はDMFである。通例、化合物Aと化合物Eとの反応は、ほぼ室温〜約100℃温度にて実施される。
【0167】
2がHである化合物Cは、化合物Aを化合物B(式中、R2がHであり、Xが離脱基、たとえばベンゼンスルホン酸塩、4−メチルベンゼンスルホン酸塩、4−ブロモベンゼンスルホン酸塩、4−ニトロベンゼンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、またはハロゲンである)と、有機塩基、たとえばピリジン、4−ジメチルピリジン、トリエチルアミン、またはジイソプロピルエチルアミン(DIEA)の存在下で、非プロトン性溶媒中で反応させることによって調製できる。1つの実施形態においてXは、IまたはBrである。適切な非プロトン性溶媒は、これに限定されるわけではないが、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジクロロメタン(DCM)、1,2−ジクロロエタン、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、リグロイン、ペンタン、ヘキサン、およびジオキサンを含む。1つの実施形態において、非プロトン性溶媒はアセトニトリルである。
【0168】
1がH以外であり、nが1〜4の範囲の整数であるトリアザスピロ化合物は、化合物C(式中、R2はH、−COOR3、−C(O)N(CH32、または
【0169】
【化100】

【0170】
(式中、R3およびmは上述で定義したとおりである)である)を、一般式R1(CH2n−X(式中、R1はH以外で、上述で定義したとおりであり、nは1〜4の範囲の整数であり、Xは脱離基、たとえばベンゼンスルホン酸塩、4−メチルベンゼンスルホン酸塩、4−ブロモベンゼンスルホン酸塩、4−ニトロベンゼンスルホネート、メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、またはハロゲン)の化合物と、強塩基、たとえばリチウムジイソプロピルアミドまたはナトリウムヒドリドおよび非プロトン性溶媒、たとえばTHF、ジオキサン、またはDMFの存在下で反応させることによって調製できる。1つの実施形態において、Xはハロゲンである。別の実施形態において、XはIまたはBrである。別の実施形態において、塩基はNaHである。別の実施形態において、溶媒はDMFである。
【0171】
1がH以外であり、R2が−COOHであるトリアザスピロ化合物は、トリアザスピロ化合物(式中、R1はH以外であり、R2は−COOR3(式中、R3は上述で定義した通りである)である)を加水分解することによって調製できる。加水分解は、過剰の水性塩基、たとえば約0.01〜約1Nアルカリ金属水酸化物を用い、次いで加水分解生成物を酸性化して、実施することができる。酸性化は、約0.01〜3Nの酸を用いて実施できる。1つの実施形態において、酸はHClである。1つの実施形態において、アルカリ金属水酸化物はカリウム水酸化物である。
【0172】
化合物Aは、ミズーリ州セントルイスのSigma−Aldrich(www.sigma−aldrich.com)から市販されている。
【0173】
2が−COOHであり、XがBrである化合物Bは、ミズーリ州セントルイスのSigma−Aldrich(www.sigma−aldrich.com)から市販されている。
【0174】
2が−COOR3である化合物Bは、化合物B(式中、R2は−COOH(またはその誘導体)であり、XはBrである)をエステル化することによって得られる。カルボン酸およびその誘導体をエステル化する方法は、当業界当業者において周知である(たとえばJ.March,Advanced Organic Chemistry,Reaction Mechanisms and Structure 392-396および400(4th ed.1992)を参照)。
【0175】
2が−CNであり、XがBrである化合物Bは、ミズーリ州セントルイスのSigma−Aldrich(www.sigma−aldrich.com)から市販されている。
【0176】
2が−(CH2)mCNであり、mが1〜4の整数であり、XがBrである化合物Bは、ミズーリ州セントルイスのSigma−Aldrich(www.sigma−aldrich.com)から市販されている。
【0177】
1が−COOHであり、Xがハロゲンであり、nが1〜4の範囲の整数である一般式R1(CH2n−Xの化合物は、ミズーリ州セントルイスのSigma−Aldrich(www.sigma−aldrich.com)から市販されている。
【0178】
1が−COOR3(式中、R3は上述で定義した通りである)であり、Xがハロゲンであり、nが1〜4の範囲の整数である一般式R1(CH2n−Xの化合物は、R1が−COOH(またはその誘導体)である一般式R1(CH2n−Xの化合物をエステル化することによって得られる。カルボン酸およびその誘導体をエステル化する方法は、当業者において周知である(たとえばJ.March,Advanced Organic Chemistry,Reaction Mechanisms and Structure 392-396および400(4th ed.1992)を参照)。
【0179】
1が−C(O)NH2、−C(O)NH(C1−C4アルキル)または−C(O)N(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキル)であり;Xがハロゲンであり;nが1〜4の範囲の整数である一般式R1(CH2n−Xの化合物は、R1が−COOH(またはその誘導体)である一般式R1(CH2n−Xの化合物をアミノ化することによって得られる。カルボン酸およびその誘導体をエステル化する方法は、当業者において周知である(たとえばJ.March,Advanced Organic Chemistry,Reaction Mechanisms and Structure 417-424(4th ed.1992)を参照)。
【0180】
1が−N(H)S(O)2(C1−C4アルキル)、Xがハロゲンであり、nが1〜4の範囲の整数である一般式R1(CH2n−Xの化合物は、Xがハロゲンであり、nが1〜4の範囲の整数である式NH2−(CH2n−Xのアミン(ミズーリ州セントルイスのSigma−Aldrich(www.sigma−aldrich.com)から市販)を式Cl−S(O)2(C1−C4アルキル)のスルホニル塩化物と反応させることによって得られる。スルホニルハライドは、市販されているか、当業者において周知の方法によって作成できる(たとえば、J.March,Advanced Organic Chemistry,Reaction Mechanisms and Structure,499(4th ed.1992)を参照)。
【0181】
1が−CNであり、Xがハロゲンであり、nが1〜4の範囲の整数である一般式R1(CH2n−Xの化合物は、ミズーリ州セントルイスのSigma−Aldrich(www.sigma−aldrich.com)から市販されている。
【0182】
1
【0183】
【化101】

【0184】
である一般式R1(CH2n−Xの化合物は、R1が−CNであり、Xがハロゲンであり、nが1〜4の範囲の整数である一般式R1(CH2n−Xの化合物を、酸化スズの存在下でS.J.Wittenberg et al., JOrg.Chem. 58:4139-4141(1993)に述べられているようにして、TMSN3と反応させることによって得られる。
【0185】
あるトリアザスピロ化合物は、不斉中心を持つことが可能であり、したがって各種のエナンチオマーおよびジアステレオマー形で存在する。トリアザスピロ化合物は、光学異性体またはジアステレオマーの形でありうる。したがって、本発明は、ラセミ混合物を含む、光学異性体、ジアステレオマーおよびそれらの混合物の形で本明細書に記載されている、トリアザスピロ化合物、およびその用途を含む。
【0186】
加えてトリアザスピロ化合物の1つ以上の水素、炭素または他の原子は、水素、炭素または他の原子のアイソトープによって置換することができる。本発明によって含まれるそのような化合物は、代謝薬物動態研究および結合アッセイにおける研究および診断ツールとして有用である。

4.5 トリアザスピロ化合物の治療用途
本発明により、トリアザスピロ化合物は、ある実施形態において動物、たとえば哺乳動物またはヒトに、疼痛の処置または防止のために投与される。トリアザスピロ化合物は、急性または慢性疼痛を処置または防止するために使用することができる。たとえばトリアザスピロ化合物は、これに限定されるわけではないが、癌性疼痛、中枢神経系の疼痛、陣痛、心筋梗塞痛、膵臓痛、疝痛、術後痛、頭痛、筋肉痛、および集中治療に関連する疼痛を処置または防止するために使用できる。
【0187】
トリアザスピロ化合物はまた、動物の炎症または炎症性疾患に関連する疼痛を抑制、防止または処置するためにも使用できる。抑制、処置または防止される疼痛は、炎症性疾患に関連する炎症に関連し、その炎症性疾患は体組織の炎症がある場合に発生する可能性があり、局所炎症反応および/または全身性炎症でありうる。たとえばトリアザスピロ化合物は、これに限定されるわけではないが:臓器移植拒絶反応;これに限定されるわけではないが、心臓、肺、肝臓、腎臓の移植を含む、臓器移植から生じる再酸素化損傷(Grupp et al, J.Mol.Cell Cardiol. 31:297-303(1999)を参照);関節炎、関節リウマチ、骨関節炎および骨吸収に関連する骨疾患を含む、関節の慢性炎症性疾患;炎症性大腸炎、たとえば回腸炎、潰瘍性大腸炎、バレット症候群、およびクローン病;炎症性肺疾患、たとえば喘息、成人呼吸窮迫症候群、および慢性閉塞性気道疾患;角膜ジストロフィー、トラコーマ、回旋糸状虫症、ブドウ膜炎、交感性眼炎および眼内炎を含む、眼の炎症性疾患;歯肉炎および歯周炎の歯肉の慢性炎症性疾患;結核;ハンセン病;尿毒症性脳炎、糸球体腎炎およびネフローゼを含む、腎臓の炎症性疾患;硬化性皮膚炎、乾癬および湿疹を含む、皮膚の炎症性疾患;神経系の慢性脱髄疾患、多発性硬化症、AIDS関連神経変性およびアルツハイマー病、感染性髄膜炎、脳脊髄炎、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症およびウィルス性または自己免疫性脳炎を含む、中枢神経系の炎症性疾患;IおよびII型糖尿病を含む自己免疫性疾患;これに限定されるわけではないが、糖尿病性白内障、緑内障、網膜症、ネフロパシー(たとえばミクロアルブミン尿症および進行性糖尿病性ネフロパシー)、多発ニューロパシー、単ニューロパシー、自律性ニューロパシー、足壊疽、アテローム冠状動脈疾患、末梢動脈疾患、非ケトン性高血糖性高浸透圧性昏睡、足潰瘍、関節障害、および皮膚または粘膜合併症(たとえば感染、脛斑点、カンジダ感染または糖尿病性リポイド類壊死症)を含む、糖尿病性合併症;免疫複合体脈管炎、および全身性エリテマトーデス(SLE);心臓の炎症性疾患、たとえば心筋ミオパシー、虚血性心疾患高コレステロール血症、およびアテローム性動脈硬化;ならびに、子癇前症、慢性肝障害、脳および脊髄外傷、および癌を含む、重大な炎症性構成要素を有し得る各種のその他の疾患、を含む炎症性疾患に関連する疼痛を抑制、処置および防止するために使用することができる。トリアザスピロ化合物はまた、たとえばグラム陽性またはグラム陰性ショック、出血性またはアナフィラキシーショック、または炎症誘発性サイトカインに反応して癌化学療法によって誘発されたショック、たとえば炎症誘発性サイトカインに関連したショックによって例示される、体の全身性炎症でありうる炎症性疾患に関連する疼痛を抑制、処置、または防止するためにも使用できる。そのようなショックは、たとえば癌の処置として投与される化学療法剤によって、誘発されることがある。
【0188】
理論に縛られることなく、トリアザスピロ化合物はオピオイドレセプターのアゴニストであると考えられる。
【0189】
本発明はまた、オピオイドレセプターを発現することができる細胞にトリアザスピロ化合物の有効量を接触させることを含む、細胞中のオピオイドレセプター機能を刺激するための方法にも関する。前記方法はまた、動物において、オピオイドレセプターを発現することができる細胞にトリアザスピロ化合物の有効量を接触させることによって、動物、たとえばヒトにおける生体内の細胞中のオピオイドレセプター機能を刺激するためにも有用である。1つの実施形態において、前記方法は、動物の疼痛を処置または防止するために有用である。脳組織、脊髄組織、免疫細胞、胃腸管の細胞、および一次求心性神経細胞は、オピオイドレセプターを発現できる組織および/または細胞の例である。この方法は、たとえばオピオイドレセプターを発現する細胞を選択するアッセイとして、生体外で使用できる。

4.5.1 本発明の治療/予防投与および組成物
トリアザスピロ化合物は、その活性のため、動物およびヒトの薬剤において好ましく有用である。上述のように、トリアザスピロ化合物は、その必要のある動物の疼痛を処置または防止するために有用である。
【0190】
動物に投与する場合、トリアザスピロ化合物は、薬学的に許容される担体または賦形剤を含む組成物の構成要素として投与することができる。トリアザスピロ化合物を含む本組成物は、ある実施形態において経口投与される。本発明の組成物はまた、他のいずれかの便利な経路によって、たとえば輸液またはボーラス注入によって、上皮または粘膜裏層(たとえば口腔粘膜、直腸、および腸粘膜)を通じた吸収によって、投与することもでき、また、別の治療剤とともに投与することができる。投与は全身的または局所的でもよい。各種の送達システム、たとえばリポソーム、微粒子、マイクロカプセル、カプセルなどへのカプセル化はよく知られており、トリアザスピロ化合物を投与するために使用できる。
【0191】
投与方法は、これに限定されるわけではないが、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、経鼻、硬膜外、経口、舌下、大脳内、膣内、経皮、直腸、吸入、または特に耳、鼻、眼または皮膚への局所を含む。投与方式は、医師の裁量にゆだねられている。大半の例において、投与はトリアザスピロ化合物の血流中への放出を引き起こすであろう。
【0192】
特定の実施形態において、トリアザスピロ化合物は局所的に投与できる。これは、たとえば、また限定はするわけではないが、手術中の局所輸液により、たとえば手術後の創傷被覆材と併せた局所使用により、注射により、カテーテルの手段により、座薬の手段により、またはインプラントであって、膜、たとえばシラスティック膜、あるいは繊維を含む多孔質、非多孔質、またはゼラチン状の材料であるインプラントにより、実施される。
【0193】
たとえば吸入器または噴霧器、およびエアゾール剤を用いた調合物の使用によって、またはフルオロカーボンまたは合成肺表面活性剤での還流を介して、経肺投与も使用できる。ある実施形態において、トリアザスピロ化合物は、トリグリセリド等のバインダおよび賦形剤を用いて座薬として調合できる。
【0194】
別の実施形態において、トリアザスピロ化合物は、小胞、特にリポソームで送達することができる(Langer,Science 249:1527-1533(1990)およびTreat et al.,Liposomes in the Therapy of Infectious Disease and Cancer 317-327および353-365(1989)を参照)。
【0195】
なお別の実施形態において、トリアザスピロ化合物は、制御放出系で送達することができる(たとえばGoodson,in Medical Applications of Controlled Release,上掲,2巻,115-138頁(1984)を参照)。Langer,Science 249:1527-1533(1990)の総説によって述べられた他の制御放出系が使用できる。1つの実施形態において、ポンプが使用できる(Langer,Science 249:1527-1533(1990); Sefton,CRC Crit.Ref.Biomed.Eng.14:201(1987);Buchwald et al.,Surgery 88:507(1980);およびSaudek et al.,N.Engl.J.Med.321:574(1989))。別の実施形態において、ポリマー材料が使用できる(Medical Applications of Controlled Release(Langer and Wise eds.,1974);Controlled Drug Bioavailability,Drug Product Design and Performance (Smolen and Ball eds.,1984);Ranger and Peppas,J.Macromol.Sci.Rev.Macromol.Chem.23: 61(1983);Levy et al.,Science 228:190(1985);During et al.,Ann.Neurol.25:351(1989);およびHoward et al.,J.Neurosurg. 71:105(1989)を参照)。なお別の実施形態において、制御放出系は、トリアザスピロ化合物の標的付近に配置可能であるため、全身用用量の何分の一かだけ必要とする。
【0196】
本組成物は、動物への適正な投与のための形を提供するために、場合により薬学的に許容される賦形剤の適切な量を含むことができる。
【0197】
そのような薬学的賦形剤は、液体、たとえば水、およびラッカセイ油、ダイズ油、鉱物油、ゴマ油などのような石油、動物、植物、または合成物由来の油を含む油であってもよい。薬学的賦形剤は、食塩水、アラビアゴム、ゼラチン、デンプンペースト、タルク、ケラチン、コロイド状シリカ、尿素などでであってもよい。加えて助剤、安定化剤、増粘剤、潤滑剤および着色剤が使用できる。動物に投与する場合、薬学的に許容される賦形剤は、ある実施形態において無菌である。トリアザスピロ化合物が静脈投与される場合、水は特に有用な賦形剤である。食塩溶液ならびにデキストロースおよびグリセロール水溶液も、特に注射用溶液のための液体賦形剤として使用できる。適切な薬学的賦形剤はまた、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、コメ、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ナトリウムステアレート、グリセロールモノステアレート、タルク、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルク、グリセロール、プロピレングリコール、水、エタノールなども含む。本組成物はまた、必要であれば、少量の湿潤剤または乳化剤、あるいはpH緩衝剤を含有することもできる。
【0198】
トリアザスピロ化合物の静脈内投与のための適切な薬学的に許容される担体または賦形剤は、これに限定されるわけではないが、生理的食塩水(約0.9%)、食塩水または水で希釈した約25〜約30%ポリエチレングリコール(「PEG」)、および水で希釈した約2〜約30%ヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリンを含む。
【0199】
トリアザスピロ化合物の腹腔内投与のための適切な薬学的に許容される担体または賦形剤は、これに限定されるわけではないが、生理的食塩水(約0.9%)、食塩水または水で希釈した約25〜約30%ポリエチレングリコール(「PEG」)、食塩水または水で希釈した約25〜約30%プロピレングリコール(PG)、および水で希釈した約2〜約30%ヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリンを含む。
【0200】
トリアザスピロ化合物の皮下および筋肉内投与のための適切な薬学的に許容される担体または賦形剤は、これに限定されるわけではないが、生理的食塩水(約0.9%)、食塩水または水で希釈した約25〜約30%ポリエチレングリコール(「PEG」)、食塩水または水で希釈した約25〜約30%プロピレングリコール(PG)、および水を含む。
【0201】
トリアザスピロ化合物の経口投与のための適切な薬学的に許容される担体または賦形剤は、これに限定されるわけではないが、生理的食塩水(約0.9%)、食塩水または水で希釈した約25〜約30%ポリエチレングリコール(「PEG」)、および水で希釈した約2〜約30%ヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリン、食塩水または水で希釈した約25〜約30%プロピレングリコール(PG)、または水で希釈した約1〜約5%メチルセルロース、および水を含む。
【0202】
トリアザスピロ化合物の脳室内およびくも膜下投与のための適切な薬学的に許容される担体または賦形剤は、これに限定されるわけではないが、生理的食塩水(約0.9%)を含む。
【0203】
本組成物は、溶液、懸濁物、エマルジョン、錠剤、丸薬、ペレット、カプセル、液体を含有するカプセル、粉末、持続放出調合物、座薬、エアゾール、スプレー、懸濁物の形態、または使用に適切な他のいずれの形態も採ることができる。1つの実施形態において、組成物はカプセルの形態である(たとえば米国特許第5,698,155号を参照)。適切な薬学的賦形剤の他の例は、参照により本明細書に組み込まれている、Remington's Pharmaceutical Sciences 1447-1676(Alfonso R.Gennaro ed.,19th ed.1995)に記載されている。
【0204】
1つの実施形態において、トリアザスピロ化合物は、動物、特にヒトへの経口投与に適した組成物として、通常の手順に従って調合される。経口送達のための組成物は、たとえば錠剤、菱形錠、水性または油性懸濁物、顆粒、粉末、エマルジョン、カプセル、シロップ、またはエリキシルの形態であり得る。経口投与組成物は、薬学的に嗜好性の調製物を提供するために、1つ以上の薬剤、たとえば甘味剤、たとえばフルクトース、アスパルテームまたはサッカリン;香味剤、たとえばハッカ、冬緑油またはサクランボ;着色剤;および保存剤を含有することができる。その上、錠剤または丸薬形の場合、組成物は、胃腸管での崩壊および吸収を遅延させるためにコーティングすることができ、それによって長期間に渡って持続作用が提供され得る。浸透圧的に活性な駆動化合物を包囲する選択的透過膜も、経口投与組成物に適切である。これらの後者のプラットフォームにおいて、カプセルを包囲する環境からの体液は、駆動化合物によって吸収され、それが膨潤して、開口部を通じて薬剤または薬剤組成物を移動させる。これらの送達プラットフォームは、即時放出調合物の急上昇特性に対して、本質的にゼロ次送達特性を提供することができる。時間遅延材料、たとえばグリセロールモノステアレートまたはグリセロールステアレートも使用することができる。経口組成物は、標準賦形剤、たとえばマンニトール、ラクトース、デンプン、マグネシウムステアレート、ナトリウムサッカリン、セルロースおよびマグネシウム炭酸塩を含むことができる。そのような賦形剤は、ある実施形態において、薬学グレードの賦形剤である。
【0205】
別の実施形態において、トリアザスピロ化合物は、静脈内投与のために調合することができる。通常、静脈内投与用の組成物は、無菌等張緩衝水溶液を含む。必要な場合、組成物はまた可溶化剤も含むことができる。静脈内投与用の組成物は、場合により、注射部位の疼痛を軽減するために、局所麻酔薬、たとえばリグノカインを含むことができる。一般に、成分は、たとえば密封容器、たとえば活性剤の品質を示すアンプルまたは小袋中の凍結乾燥粉末または無水濃縮物として、別個に、あるいは投薬形内で共に混合して供給される。トリアザスピロ化合物が輸液によって投与される場合、たとえば、無菌薬学グレードの水または食塩水を含有する輸液ボトルから投薬することができる。トリアザスピロ化合物が注射によって投与される場合、投与前に成分が混合できるように、注射用無菌水または食塩水のアンプルを供給することができる。
【0206】
トリアザスピロ化合物は、当業界当業者において周知である制御放出手段によって、または送達手段によって投与することができる。例は、これに限定されるわけではないが、参照により本明細書にそれぞれ組み込まれている、米国特許第3,845,770号;第3,916,899号;第3,536,809号;第3,598,123号;第4,008,719号;第5,674,533号;第5,059,595号;第5,591,767号;第5,120,548号;第5,073,543号;第5,639,476号;第5,354,556号;および第5,733,566号を含む。そのような投薬形は、所望の放出特性を可変割合で提供するために、たとえばヒドロプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリクス、ゲル、透過性膜、浸透系、多層コーティング、微粒子、リポソーム、ミクロスフェア、またはそれらの組合せを使用して1つ以上の活性成分の徐放または制御放出を提供するために使用することができる。当業者に既知の適切な制御放出調合物は、本明細書で述べる制御放出調合物を含め、本発明の活性成分との使用のためにただちに選択することができる。本発明はそれゆえ、経口投与に適切な単一ユニット投薬形、たとえばこれに限定されるわけではないが、制御放出に適した錠剤、カプセル、ゲルキャップ、およびキャプレッツを含む。
【0207】
制御放出薬学的組成物は、薬物治療の改善について、非制御放出薬学的組成物により達成される目標を超える共通の目標を有することができる。1つの実施形態において、制御放出組成物は、最短時間で症状を治癒または制御するためのトリアザスピロ化合物の最少限の量を含む。制御放出組成物の利点は、薬物の活性の拡張、投薬頻度の減少、および患者遵守の向上を含む。加えて、制御放出組成物は、作用開始時間または他の特徴、たとえばトリアザスピロ化合物の血中レベルに好適に影響を及ぼすことが可能であり、それゆえ副(たとえば悪性)作用の発生を低減させることができる。
【0208】
制御放出組成物は、所望の治療効果を迅速に生じる量のトリアザスピロ化合物を最初に放出し、長期間に渡ってこのレベルの治療または予防効果を維持するために、徐々におよび持続的に残りの量のトリアザスピロ化合物を放出することができる。体内でトリアザスピロ化合物のこの一定のレベルを維持するために、トリアザスピロ化合物は、体から代謝および分泌されている量のトリアザスピロ化合物を置換する速度にて、投薬形から放出させることができる。活性成分の制御放出は、これに限定されるわけではないが、pHの変化、温度の変化、酵素の濃度または可用性、水の濃度または可用性、または他の物理的条件または化合物を含む各種の条件によって刺激することができる。
【0209】
疼痛の処置または防止に有効であるトリアザスピロ化合物の量は、疼痛を引き起こす障害または症状の性質に依存し、標準臨床技法によって決定することができる。加えて、場合により、生体外または生体内アッセイが、最適投薬範囲の識別に役立てるために使用できる。使用される正確な用量はまた、投与経路、および疼痛の重症度にも依存し得るものであり、公表された臨床研究を考慮して、医師の判断および各患者の状況に従って決定すべきである。しかしながら、適切な有効量は、一般には約100mg以下の範囲であるが、ある実施形態においては、約4時間ごとに約10マイクログラム〜約2500ミリグラムの範囲である。ある実施形態において、有効量は、約4時間ごとにトリアザスピロ化合物約0.01ミリグラム〜約100ミリグラム、約4時間ごとに約0.020ミリグラム〜約50ミリグラム、約4時間ごとに約0.025ミリグラム〜約20ミリグラムの範囲である。本明細書で述べる有効量は、投与された総量を指す;すなわち1種を超えるトリアザスピロ化合物が投与される場合、投薬量は投与された総量に一致する。
【0210】
オピオイドレセプターを発現することができる細胞をトリアザスピロ化合物に生体外で接触させる場合、有効量は、ある実施形態において、一般に、薬学的に許容される担体または賦形剤の溶液または懸濁物の約0.01mg〜約100mg/L、約0.1mg〜約50mg/L、および約1mg〜約20mg/Lの範囲である。
【0211】
オピオイドレセプターを発現することができる細胞をトリアザスピロ化合物に生体内で接触させる場合、有効量は、ある実施形態において、一般に、約0.01mg〜約100mg/体重1kg/1日、約0.1mg〜約50mg/体重1kg/1日、そして約1mg〜約20mg/体重1kg/1日の範囲である。
【0212】
トリアザスピロ化合物は、ある実施形態において、所望の治療または予防活性に関して、ヒトでの使用の前に、生体外または生体内でアッセイされる。動物モデル系は、安全性および有効性を証明するために使用することができる。
【0213】
動物における疼痛を処置または防止するための本方法はさらに、トリアザスピロ化合物を投与される動物に別の治療剤の有効量を投与することを含むことができる。。
【0214】
細胞中のオピオイド−レセプター機能を刺激する本方法はさらに、細胞に別の治療剤の有効量を接触させることを含むことができる。
【0215】
他の治療剤の例は、これに限定されるわけではないが、オピオイドアゴニスト、非オピオイド鎮痛薬、非ステロイド抗炎症剤、片頭痛薬、Cox−II阻害剤、制吐剤、β−アドレナリン作動性ブロッカー、抗けいれん薬、抗うつ薬、Ca2+−チャネルブロッカー、抗癌剤、抗不安剤、嗜癖障害を処置または防止するための薬剤およびそれらの混合物を含む。
【0216】
他の治療剤の有効量は、当業界当業者において周知である。しかしながら、他の治療剤の最適有効量範囲を決定することは、十分に当業者の範囲内のものである。別の治療剤が動物に投与される本発明の1つの実施形態において、トリアザスピロ化合物の有効量は、他の治療剤が投与されない場合のその有効量よりも少ない。この場合、理論に縛られることなく、トリアザスピロ化合物および他の治療剤は相乗的に作用して、疼痛を処置または防止すると考えられる。
【0217】
有用なオピオイドアゴニストの例は、これに限定されるわけではないが、アルフェンタニル、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベンジルモルヒネ、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、コデイン、デソモルヒネ、デキストロモラミド、デゾシン、ジアムプロミド、ジアモルフォン、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルヒネ、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアムブテン、ジオキサフェチルブチラート、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアムブテン、エチルモルヒネ、エトニタゼンフェンタニル、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ケトベミドン、レボルファノール、レボフェンアシルモルファン(levophenacylmorphan)、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メタドン、メトポン、モルヒネ、ミロフィン、ナルブフィン、ナルセイン、ニコモルヒネ、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ナロルフィン、ノルモルヒネ、ノルピパノン、アヘン、オキシコドン、オキシモルフォン、パパベレタム、ペンタゾシン、フェナドキソン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロヘプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロピラム、プロポキシフェン、スフェンタニル、チリジン、トラマドールそれらの薬学的に許容される、およびそれらの混合物を含む。
【0218】
ある実施形態において、オピオイドアゴニストは、コデイン、ヒドロモルフォン、ヒドロコドン、オキシコドン、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルヒネ、モルヒネ、トラマドール、オキシモルフォン、それらの薬学的に許容される塩、およびそれらの混合物から選択される。
【0219】
有用な非オピオイド鎮痛薬の例は、非ステロイド抗炎症剤、たとえばアスピリン、イブプロフェン、ジクロフェナク、ナプロキセン、ベノキサプロフェン、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、フルブフェン、ケトプロフェン、インドプロフェン、ピロプロフェン、カルプロフェン、オキサプロジン、プラモプロフェン、ムロプロフェン、トリオキサプロフェン、スプロフェン、アミノプロフェン、チアプロフェン酸、フルプロフェン、ブクロキス酸(bucloxic acid)、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、ゾメピラク、チオピナク、ジドメタシン、アセメタシン、フェンチアザク、クリダナク、オキスピナク(oxpinac)、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、ニフルム酸、トルフェナム酸、ジフルリサール(diflurisal)、フルフェニサール(flufenisal)、ピロキシカム、スドキシカム(sudoxicam)、イソキシカム、およびそれらの薬学的に許容される塩、およびそれらの混合物を含む。他の適切な非オピオイド鎮痛薬の例は、以下の非制限的な鎮痛薬の化学クラス、解熱剤、非ステロイド性抗炎症薬:アスピリン、ナトリウムサリチラート、コリンマグネシウムトリサリチラート、サルサラート、ジフルニサル、サリチルサリチル酸、スルファサラジン、およびオルサラジンを含む、サリチル酸誘導体;アセトアミノフェンおよびフェナセチンを含む、パラ−アミノフェノール誘導体;インドメタシン、スリンダク、エトドラク(etodolac)を含むインドールおよびインデン酢酸;トルメチン、ジクロフェナク、およびケトロラクを含む、ヘテロアリール酢酸;メフェナム酸、およびメクロフェナム酸を含む、アントラニル酸(フェナメート(fenamates));オキシカム(ピロキシカム、テノキシカム)、およびピラゾリジンジオン(フェニルブタゾン、オキシフェンタルタゾン(oxyphenthartazone))を含む、エノール酸;およびナブメトンを含む、アルカノン;を含む。NSAIDのさらに詳細な説明については、参照により全体として本明細書に組み込まれている、Paul A.Insel,Analgesic-Antipyretic and Antiinflammatory Agents and Drugs Employed in the Treatment of Gout,in Goodman & Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics 617-57(Perry B.Molinhoff and Raymond W.Ruddon eds.,9th ed 1996)およびGlen R.Hanson, Analgesic,Antipyreticand Anti-Inflammatory Drugs in Remington:The Science and Practice of Pharmacy Vol II 1196-1221(A.R.Gennaro ed.19th ed.1995)が参照される。適切なCox−II阻害剤および5−リポキシゲナーゼ阻害剤は、それらの組合せはもちろん、参照により全体として本明細書に組み込まれている、米国特許第6,136,839号に述べられている。Cox−II阻害剤は、これに限定されるわけではないが、ロフェコキシブおよびセレコキシブを含む。
【0220】
有用な片頭痛薬の例は、これに限定されるわけではないが、アルピロプリド(alpiropride)、ジヒドロエルゴタミン、ドラセトロン、エルゴコルニン、エルゴコルニニン、エルゴクリプチン、麦角、エルゴタミン、フルメドロキソン(flumedroxone)アセテート、フォナジン、リスリド、ロメリジン、メチセルギドオキセトロン、ピゾチリン(pizotyline)、およびそれらの混合物を含む。
【0221】
他の治療剤はまた、トリアザスピロ化合物のいずれかの潜在的な副作用を低減するために有用な薬剤でもありうる。たとえば他の治療剤は、制吐剤でもありうる。有用な制吐剤は、これに限定されるわけではないが、メトクロプロミド、ドンペリドン、プロクロルペラジン、プロメタジン、クロルプロマジン、トリメトベンズアミド、オンダンセトロン、グラニセトロン、ヒドロキシジン、アセチルロイシンモノエタノールアミン、アリザプリド、アザセトロン、ベンズキナミド、ビエタナウチン(bietanautine)、ブロモプリド、ブクリジン、クレボプリド、シクリジン、ジメンヒドリナート、ジフェニドール、ドラセトロン、メクリジン、メタラタール(methallatal)、メトピマジン、ナビロン、オキシペルンジル(oxyperndyl)、ピパマジン、スコポラミン、スルピリド、テトラヒドロカンナビノール、チエチルペラジン、チオプロペラジン、トロピセトロン、およびそれらの混合物を含む。
【0222】
有用なβ−アドレナリン作動性ブロッカーの例は、これに限定されるわけではないが、アセブトロール、アルプレノロール、アモスラボール(amosulabol)、アロチノロール、アテノロール、ベフノロール、ベタキソロール、ベバントロール、ビソプロロール、ボピンドロール、ブクモロール、ブフェトロール、ブフラロール、ブニトロロール、ブプラノロール、ブチドリンヒドロクロライド、ブトフィロロール、カラゾロール、カルテオロール、カルベジロール、セリプロロール、セタモロール、クロラノロール、ジレバロール、エパノロール、エスモロール、インデノロール、ラベタロール、レボブノロール、メピンドロール、メチプラノロール、メトプロロール、モプロロール(moprolol)、ナドロール、ナドキソロール(nadoxolol)、ネビバロール、ニフェナロール、ニプラジロール、オクスプレノロール、ペンブトロール、ピンドロール、プラクトロール、プロネタロール、プロプラノロール、ソタロール、スルフィナロール、タリノロール、テルタトロール(tertatolol)、チリソロール、チモロール、トリプロロール(toliprolol)、およびキシベノロール(xibenolol)を含む。
【0223】
有用な抗けいれん薬の例は、これに限定されるわけではないが、アセチルフェネツリド、アルブトイン、アロキシドン、アミノグルテチミド、4−アミノ−3−ヒドロキシ酪酸、アトロラクトアミド(atrolactamide)、ベクラミド(beclamide)、ブラメート(buramate)、カルシウムブロミド、カルバマゼピン、シンロミド、クロメチアゾール、クロナゼパム、デシメミド(decimemide)、ジエタジオン、ジメタジオン、ドキセニトロイン(doxenitroin)、エテロバルブ(eterobarb)、エタジオン、エトスクシミド、エトトイン、フェルバメート、フレオレソン、ガバペンチン、5−ヒドロキシトリプトファン、ラモトリジン、マグネシウムブロミド、マグネシウムサルフェート、メフェニトイン、メフォバルビタール、メテトイン(methetoin)、メトスクシミド、5−メチル−5−(3−フェナントリル)−ヒダントイン、3−メチル−5−フェニルヒダントイン、ナルコバルビタール、ニメタゼパム、ニトラゼパム、オクスカルバゼピン、パラメタジオン、フェナセミド、フェネタルビタール(phenetharbital)、フェネツリド、フェノバルビタール、フェンスクシミド、フェニルメチルバルビツール酸、フェニトイン、フェセニレートナトリウム、カリウムブロミド、プレガバリン、プリミドン、プロガビド、ナトリウムブロミド、ソラナム、ストロンチウムブロミド、スクロフェニド(suclofenide)、スルチアム、テトラントイン(tetrantoin)、チアガビン、トピラメート、トリメタジオン、バルプロ酸、バルプロミド、ビバガトリン、およびゾニサミドを含む。
【0224】
有用な抗うつ薬の例は、これに限定されるわけではないが、ビネダリン、カロキサゾン(caroxazone)、シタロプラム、ジメタザン、フェンカミン、インダルピン、インデロキサジンヒドロクロライド、ネフォパム、ノミフェンシン、オキシトリプタン、オキシペルチン、パロキセチン、セルトラリン、チアゼシム(thiazesim)、トラゾドン、ベンモキシン(benmoxine)、イプロクロジド、イプロニアジド、イソカルボキサジド、ニアラミド、オクタモキシン、フェネルジン、コチニン、ロリシプリン、ロリプラム、マプロチリン、メトラルインドール(metralindole)、ミアンセリン、ミルタゼピン、アジナゾラム、アミトリプチリン、アミトリプチリンオキシド、アモキサピン、ブトリプチリン、クロミプラミン、デメキシプチリン、デシプラミン、ジベンゼピン、ジメタクリン、ドチエピン、ドキセピン、フルアシジン(fluacizine)、イミプラミン、イミプラミンN−オキシド、イプリンドール、ロフェプラミン、メリトラセン、メタプラミン、ノルトリプチリン、ノキシプチリン、オピプラモール、ピゾチリン(pizotyline)、プロピゼピン、プロトリプチリン、キヌプラミン、チアネプチン、トリミプラミン、アドラフィニル、ベナクチジン、ブプロピオン、ブタセチン(butacetin)、ジオキサドロール、デュロキセチン、エトペリドン、フェバルバマート、フェモキセチン、フェンペンタジオール、フルオキセチン、フルボキサミン、ヘマトポルフィリン、ヒペリシン、レボファセトペラン、メジホキサミン(medifoxamine)、ミルナシプラン、ミナプリン、モクロベミド、ネファゾドン、オキサフロザン、ピベラリン(piberaline)、プロリンタン、ピリスクシデアノール(pyrisuccideanol)、リタンセリン、ロキシンドール(roxindole)、ルビジウムクロライド、スルピリド、タンドスピロン、トザリノン(thozalinone)、トフェナシン、トロキサトン、トラニルシプロミン、L−トリプトファン、ベンラファクシン、ビロキサジン、およびジメルジンを含む。
【0225】
有用なCa2+−チャネルブロッカーの例は、これに限定されるわけではないが、ベプリジル、クレンチアゼム、ジルチアゼム、フェンジリン(fendiline)、ガロパミル、ミベフラジル、プレニラミン、セモチアジル、テロジリン、ベラパミル、アムロジピン、アラニジピン、バルニピジン、ベニジピン、クリニジピン(cilnidipine)、エホニジピン、エルゴジピン、フェロジピン、イスラジピン、ラシジピン、レルカニジピン、マニジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニルバジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、シンナリジン、フルナリジン、リドフラジン、ロメリジン、ベンシクラン、エタフェノン、ファントファロン、およびペルヘキシリンを含む。
【0226】
有用な抗癌剤の例は、これに限定されるわけではないが、アシビシン、アクラルビシン、アコダゾールヒドロクロライド、アクロニン、アドゼレシン、アルデスロイキン、アルトレタミン、アンボマイシン、アメタントロンアセテート、アミノグルテチミド、アムサクリン、アナストロゾール、アントラマイシン、アスパラギナーゼ、アスペルリン(asperlin)、アザシチジン、アゼテパ(azetepa)、アゾトマイシン、バチマスタト(batimastat)、ベンゾデパ(benzodepa)、ビカルタミド、ビサントレンヒドロクロライド、ビスナフィド(bisnafide)ジメシラート、ビゼレシン、ブレオマイシンサルフェート、ブレキナル(brequinar)ナトリウム、ブロピリミン、ブスルファン、カクチノマイシン、カルステロン、カラセミド(caracemide)、カルベチマー、カルボプラチン、カルムスチン、カルビシンヒドロクロライド、カルゼレシン(carzelesin)、セデフィンゴール(cedefingol)、クロラムブシル、シロレマイシン、シスプラチン、クラドリビン、クリスナトールメシラート、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシンヒドロクロライド、デシタビン、デキソルマプラチン(dexormaplatin)、デザグアニン、デザグアニンメシラート、ジアジコン、ドセタキセル、ドキソルビシン、ドキソルビシンヒドロクロライド、ドロロキシフェン、ドロロキシフェンシトレート、ドロモスタノロンプロピオナート、ズアゾマイシン(duazomycin)、エダトレキセート、エフロルニチンヒドロクロライド、エルサミトルシン(elsamitrucin)、エンロプラチン、エンプロメート、エピプロピジン(epipropidine)、エピルビシンヒドロクロライド、エルブロゾール(erbulozole)、エソルビシンヒドロクロライド、エストラムスチン、エストラムスチンホスフェートナトリウム、エタニダゾール、エトポシド、エトポシドホスフェート、エトプリン、ファドロゾールヒドロクロライド、ファザラビン、フェンレチニド、フロクスウリジン、フルダラビンホスフェート、フルオロウラシル、フルロシタビン(flurocitabine)、フォスキドン、フォストリエシンナトリウム、ゲムシタビン、ゲムシタビンヒドロクロライド、ヒドロキシ尿素、イダルビシンヒドロクロライド、イホスファミド、イルモフォシン(ilmofosine)、インターロイキンII(組換えインターロイキンIIまたはrIL2を含む)、インターフェロンアルファ−2a、インターフェロンアルファ−2b、インターフェロンアルファ−n1、インターフェロンアルファ−n3、インターフェロンベータ−Ia、インターフェロンガンマ−Ib、イプロプラチン、イリノテカンヒドロクロライド、ランレオチドアセテート、レトロゾール、ロイプロリドアセテート、リアロゾールヒドロクロライド、ロメトレキソールナトリウム、ロムスチン、ロソキサントロンヒドロクロライド、マソプロコル(masoprocol)、マイタンシン、メクロレタミンヒドロクロライド、メゲストロールアセテート、メレンゲストロールアセテート、メルファラン、メノガリル、メルカプトプリン、メトトレキサート、メトトレキサートナトリウム、メトプリン、メツレデパ(meturedepa)、ミチンドミド(mitindomide)、ミトカルシン(mitocarcin)、ミトクロミン(mitocromin)、ミトギリン(mitogillin)、ミトマルシン(mitomalcin)、ミトマイシン、ミトスペル(mitosper)、ミトタン、ミトキサントロンヒドロクロライド、マイコフェノール酸、ノコダゾール、ノガラマイシン、オルマプラチン、オキシスラン、パクリタキセル、ペガスパルガーゼ(pegaspargase)、ペリオマイシン、ペンタムスチン、ペプロマイシンサルフェート、ペルフォスファミド(perfosfamide)、ピポブロマン、ピポスルファン、ピロキサントロンヒドロクロライド、プリカマイシン、プロメスタン(plomestane)、ポリフィマーナトリウム、ポルフィロマイシン、プレドニムスチン、プロカルバジンヒドロクロライド、ピューロマイシン、ピューロマイシンヒドロクロライド、ピラゾフリン、リボプリン、ログレトイミド(rogletimide)、サフィンゴール(safingol)、サフィンゴール(safingol)ヒドロクロライド、セムスチン、シムトラゼン、スパルフォサート(sparfosate)ナトリウム、スパルソマイシン、スピロゲルマニウムヒドロクロライド、スピロムスチン、スピロプラチン、ストレプトニグリン、ストレプトゾトシン、スロフェヌル(sulofenur)、タリソマイシン、テコガランナトリウム、テガフル、テロキサントロンヒドロクロライド、テモポルフィン、テニポシド、テルオキシロン(teroxirone)、テストラクトン、チアミプリン、チオグアニン、チオテパ、チアゾフリン、チラパザミン、トレミフェンシトレート、トレストロン(trestolone)アセテート、トリシリビン(triciribine)ホスフェート、トリメトレキサート、トリメトレキサートグルクロナート、トリプトレリン、ツブロゾール(tubulozole)ヒドロクロライド、ウラシルマスタード、ウレデパ(uredepa)、バプレオチド(vapreotide)、ベルテポルフィン、ビンブラスチンサルフェート、ビンクリスチンサルフェート、ビンデシン、ビンデシンサルフェート、ビネピジンサルフェート、ビングリシナートサルフェート、ビンロイロシンサルフェート、ビノレルビンタルトレート、ビンロシジンサルフェート、ビンゾリジンサルフェート、ボロゾール、ゼニプラチン、ジノスタチン、ゾルビシンヒドロクロライドを含む。
【0227】
他の有用な抗癌剤の例は、これに限定されるわけではないが、20−エピ−1,25ジヒドロキシビタミンD3;5−エチニルウラシル;アビラテロン(abiraterone);アクラルビシン;アシルフルベン;アデシぺノール(adecypenol);アドゼレシン;アルデスロイキン;ALL−TKアンタゴニスト;アルトレタミン;アンバムスチン;アミドクス;アミフォスチン;アミノレブリン酸;アムルビシン;アムサクリン;アナグレリド;アナストロゾール;アンドログラフォリド;血管形成阻害剤;アンタゴニストD;アンタゴニストG;アンタレリクス;抗背側化形態発生タンパク質−1;抗アンドロゲン、前立腺癌;抗エストロゲン;抗新生物薬;アンチセンスオリゴヌクレオチド;アフィジコリングリシナート;アポトーシス遺伝子モジュレータ;アポトーシスレギュレータ;アプリン酸;ara−CDP−DL−PTBA;アルギニンデアミナーゼ;アスラクリン(asulacrine);アタメスタン;アトリムスチン;アキシナスタチン1;アキシナスタチン2;アキシナスタチン3;アゼセトロン;アザトキシン;アザチロシン;バッカチンIII誘導体;バラノール;バチマスタト;BCR/ABLアンタゴニスト;ベンゾクロリン;ベンゾイルスタウロスポリン;ベータラクタム誘導体;ベータ−アレチン;ベータクラマイシンB;ベツリン酸;bFGF阻害剤;ビカルタミド;ビサントレン;ビスアジリジニルスペルミン;ビスナフィド(bisnafide);ビストラテンA;ビゼレシン;ブレフラート(breflate);ブロピリミン;ブドチタン;ブチオニンスルホキシイミン;カルシポトリオール;カルホスチンC;カンプトセシン誘導体;カナリア痘IL−2;カペシタビン;カルボキサミド−アミノ−トリアゾール;カルボキシアミドトリアゾール;CaRest M3;CARN 700;軟骨由来阻害剤;カルゼレシン(carzelesin);カゼインキナーゼ阻害剤(ICOS);カスタノスペルミン;セクロピンB;セトロレリクス;クロルルンス(chlorlns);クロロキノキサリンスルホンアミド;シカプロスト;シス−ポルフィリン;クラドリビン;クロミフェン類似物質;クロトリマゾール;コリスマイシンA;コリスマイシンB;コンブレタスタチンA4;コンブレタスタチン類似物質;コナゲニン;クランベスシジン816;クリスナトール(crisnatol);クリプトフィシン(cryptophycin)8;クリプトフィシン(cryptophycin)A誘導体;キュラシンA;シクロペンタアントラキノン;シクロプラタム;シペマイシン;シタラビンオクホスファート;細胞溶解因子;シトスタチン;ダクリキシマブ;デシタビン;デヒドロジデムニンB;デスロレリン;デキサメタソン;デキシホスファミド;デクスラゾキサン(dexrazoxane);デクベラパミル(dexverapamil);ジアジコン;ジデムニンB;ジドクス(didox);ジエチルノルスペルミン;ジヒドロ−5−アザシチジン;9−ジヒドロタキソール;ジオキサマイシン;ジフェニルスピロムスチン;ドセタキセル;ドコサノール;ドラセトロン;ドキシフルリジン;ドロロキシフェン;ドロナビノール;デュオカルマイシンSA;エブセレン;エコムスチン;エデルフォシン(edelfosine);エドレコロマブ;エフロルニチン;エレメン;エミテフール;エピルビシン;エプリステリド;エストラムスチン類似物質;エストロゲンアゴニスト;エストロゲンアンタゴニスト;エタニダゾール;エトポシドホスフェート;エキセメスタン;ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド(fenretinide);フィルグラスチム;フィナステリド;フラボピリドール;フレゼラスチン(flezelastine);フルアステロン;フルダラビン;フルオロダウノルニシンヒドロクロライド;ホルフェニメクス(forfenimex);フォルメスタン;フォストリエシン;フォテムスチン;ガドリニウムテキサフィリン;ガリウムニトレート;ガロシタビン;ガニレリクス(ganirelix);ゼラチナーゼ阻害剤;ゲムシタビン;グルタチオン阻害剤;ヘプスルファム(hepsulfam);ヘレグリン;ヘキサメチレンビスアセトアミド;ヒペリシン;イバンドロン酸;イダルビシン;イドキシフェン;イドラマントン(idramantone);イルモフォシン;イロマスタト(ilomastat);イミダゾアクリドン;イミキモド;免疫賦活ペプチド;インシュリン様成長因子−1レセプター阻害剤;インターフェロンアゴニスト;インターフェロン;インターロイキン;イオベングアン(iobenguane);ヨードドキソルビシン;4−イポメアノール(ipomeanol);イロプラクト(iroplact);イルソグラジン;イソベンガゾール(isobengazole);イソホモハリコンドリンB;イタセトロン;ジャスプラキノリド;カラハリドF;ラメラリン−Nトリアセテート;ランレオチド;レイナマイシン;レノグラスチム;レンチナンサルフェート;レプトルスタチン;レトロゾール;白血病抑制因子;白血球アルファインターフェロン;ロイプロリド+エストロゲン+プロゲステロン;ロイプロレリン;レバミゾール;リアロゾール;直鎖ポリアミン類似物質;親油性ジサッカライドペプチド;親油性プラチナ化合物;リッソクリンアミド(lissoclinamide)7;ロバプラチン;ロンブリシン;ロメトレキソール;ロニダミン;ロソキサントロン;ロバスタチン;ロキソリビン(loxoribine);ルルトテカン(lurtotecan);ルテチウムテキサフィリン;リソフィリン;溶解ペプチド;マイタンシン;マンノスタチンA;マリマスタト;マソプロコル(masoprocol);マスピン;マトリリシン阻害剤;マトリクス−メタロプロテイナーゼ阻害剤;メノガリル;メルバロン;メテレリン(meterelin);メチオニナーゼ;メトクロプラミド;MIF阻害剤;ミフェプリストン;ミルテフォシン;ミリモスチム;非相補性二重鎖RNA;ミトグアゾン;ミトラクトール;ミトマイシン類似物質;ミトナフィド(mitonafide);ミトトキシン線維芽細胞成長因子−サポリン;ミトキサントロン;モファロテン;モルグラモスチム;モノクローナル抗体、ヒト絨毛膜刺激ホルモン;モノホスホリルリピッドA+ミオバクテリウム細胞壁sk;モピダモール(mopidamol);多剤耐性遺伝子阻害剤;多腫瘍サプレッサ1−ベース治療(multiple tumor suppressor 1−based therapy);マスタード抗癌剤;ミカペルオキシド(mycaperoxide)B;マイコバクテリア細胞壁抽出物;ミリアポロン(myriaporone);N−アセチルジナリン;N−置換ベンズアミド;ナファレリン;ナグレスチプ(nagrestip);ナロキソン+ペネンタゾシン;ナパビン;ナフテルピン;ナルトグラスチム;ナダプラチン;ネモルビシン;ネリドロン酸;中性エンドペプチダーゼ;ニルタミド;ニザマイシン;一酸化窒素モジュレータ;ニトロキシド抗酸化剤;ニトルリン(nitrullyn);O6−ベンジルグアニン;オクトレオチド;オキセノン(okicenone);オリゴヌクレオチド;オナプリストン;オンダンセトロン;オンダンセトロン;オラシン;経口サイトカイン誘導因子;オルマプラチン(ormaplatin);オサテロン;オキサリプラチン;オキサウノマイシン;パクリタキセル;パクリタキセル類似物質;パクリタキセル誘導体;パラウアミン(palauamine);パルミトイルリゾキシン;パミドロン酸;パナキシトリオール;パノミフェン;パラバクチン;パゼリプチン(pazelliptine);ペガスパルガーゼ(pegaspargase);ペルデシン;ペントサンポリサルフェートナトリウム;ペントスタチン;ペントロゾール(pentrozole);ペルフルブロン;ペルフォスファミド(perfosfamide);ペリリルアルコール;フェナジノマイシン;フェニルアセテート;ホスファターゼ阻害剤;ピシバニル;ピロカルピンヒドロクロライド;ピラルビシン;ピリトレキシム;プラセチンA;プラセチンB;プラスミノゲン活性化因子阻害剤;プラチナ錯体;プラチナ化合物;プラチナトリアミン錯体;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニゾン;プロピルビス−アクリドン;プロスタグランジンJ2;プロテアソーム阻害剤;プロテインAベース免疫モジュレータ;プロテインキナーゼC阻害剤;プロテインキナーゼC阻害剤、微小藻類;タンパク質チロシンホスファターゼ阻害剤;プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤;プルプリン;ピラゾロアクリジン;ピリドキシル化ヘモグロビンポリオキシエチレン共役体;rafアンタゴニスト;ラルチトレキセド;ラモセトロン;rasファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤;ras阻害剤;ras−GAP阻害剤;脱メチル化レテリプチン(retelliptine);レニウムRe 186エチドロナート;リゾキシン;リボザイム;RIIレチンアミド;ログレトイミド(rogletimide);ロヒツキン(rohitukine);ロムルチド;ロキニメクス(roquinimex);ルビギノン(rubiginone)B1;ルボキシル;サフィンゴール(safingol);サイントピン(saintopin);SarCNU;サルコフィトールA;サルグラモスチム;Sdi1ミメティクス;セムスチン;老化由来阻害剤1;センスオリゴヌクレオチド;シグナル伝達阻害剤;シグナル伝達モジュレータ;単鎖抗原結合タンパク質;シゾフィラン;ソブゾキサン;ナトリウムボロカプタート;ナトリウムフェニルアセテート;ソルベロール;ソマトメジン結合タンパク質;ソネルミン;スパルホス酸(sparfosic acid);スピカマイシンD;スピロムスチン;スプレノペンチン;スポンジスタチン1;スクアラミン;幹細胞阻害剤;幹細胞分割阻害剤;スチピアミド(stipiamide);ストロメリシン阻害剤;スルフィノシン;超活性血管作動性小腸ペプチドアンタゴニスト;スラジスタ(suradista);スラミン;スワインソニン;合成グルコサミノグリカン;タリムスチン;タモキシフェンメチオジド;タウロムスチン;タザロテン;テコガランナトリウム;テガフル;テルラピリリウム;テロメラスク(telomerasc)阻害剤;テモポルフィン;テモゾロミド;テニポシド;テトラクロロデカオキシド;テトラゾミン;タリブラスチン;チオコラリン;トロンボポイエチン;トロンボポイエチンミメティック;チマルファシン(thymalfasin);チモポイエチンレセプターアゴニスト;チモトリナン;甲状腺刺激ホルモン;スズエチルエチオプルプリン;チラパザミン;チタノセンビクロライド;トプセンチン;トレミフェン;全能性幹細胞因子;翻訳阻害剤;トレチノイン;トリアセチルウリジン;トリシリビン;トリメトレキサート;トリプトレリン;トロピセトロン;ツロステリド(turosteride);チロシンキナーゼ阻害剤;チルホスチン;UBC阻害剤;ウベニメクス;尿生殖洞由来成長抑制因子;ウロキナーゼレセプターアンタゴニスト;バプレオチド(vapreotide);バリオリン(variolin)B;ベクター系、赤血球遺伝子治療;ベラレソール(velaresol);ベラミン;ベルジン(verdins);ベルテポルフィン;ビノレルビン;ビンキサルチン;バイタクシン;ボロゾール;ザノテロン(zanoterone);ゼニプラチン;ジラスコルブ(zilascorb);およびジノスタチンスチマラマーを含む。
【0228】
嗜癖障害を処置または防止するために有用な治療剤は、これに限定されるわけではないが、メタドン、デシプラミン、アマンタジン、フルオキセチン、ブプレノルフィン、オピエートアゴニスト、3−フェノキシピリジン、またはセロトニンアンタゴニストを含む。
【0229】
有用な抗不安剤の例は、これに限定されるわけではないが、ベンゾジアゼピン、たとえばアルプラゾラム、クロルジアゼポキシド、クロナゼパム、クロラゼペート、ジアゼパム、ハラゼパム、ロラゼパム、オキサゼパム、およびプラゼパム;非ベンゾジアゼピン剤、たとえばブスピロン;および精神安定剤、たとえばバルビツール酸塩を含む。
【0230】
トリアザスピロ化合物および他の治療剤は、付加的に、または1つの実施形態においては、相乗的に作用することができる。1つの実施形態において、トリアザスピロ化合物は別の治療剤と同時に投与される。1つの実施形態において、トリアザスピロ化合物の有効量および別の治療剤の有効量を含む組成物が投与できる。あるいは、トリアザスピロ化合物の有効量を含む組成物および別の治療剤の有効量を含む異なる組成物が同時に投与できる。別の実施形態において、トリアザスピロ化合物の有効量は、別の治療剤の有効量の投与の前に、または投与に続いて投与される。この実施形態においては、他の治療剤が治療効果を発揮する間に、トリアザスピロ化合物が投与されるか、またはトリアザスピロ化合物が疼痛を処置または防止するためのその防止または治療効果を発揮する間に、他の治療剤が投与される。
【0231】
別の実施形態において、本発明の組成物は、トリアザスピロ化合物またはその薬学的に許容される塩と薬学的に許容される担体または賦形剤とを混合することを含む方法によって調製される。混合は、化合物(または塩)と薬学的に許容される担体または賦形剤とを混合するための、周知の方法を使用して実施できる。1つの実施形態において、トリアザスピロ化合物またはその薬学的に許容される塩は、組成物中に有効量で存在する。

4.5.2 キット
本発明は、トリアザスピロ化合物の動物への投与を簡単にすることができるキットを含む。
【0232】
本発明の典型的なキットは、トリアザスピロ化合物の単位投薬形を含む。1つの実施形態において、単位投薬形は容器であり、ある実施形態において、トリアザスピロ化合物の有効量および薬学的に許容される担体または賦形剤を含有する無菌容器である。キットはさらに、疼痛を処置または防止するためのトリアザスピロ化合物の使用を指示するラベルまたは印刷された使用説明書を含むことができる。キットはまたさらに、別の治療剤の単位投薬形、たとえば、他の治療剤の有効量を含有する容器を含むことができる。1つの実施形態において、キットは、トリアザスピロ化合物の有効量および別の治療剤の有効量を含有する容器を含む。他の治療剤の例は、これに限定されるわけではないが、上に列挙した治療剤を含む。
【0233】
本発明のキットはさらに、単位投薬形を投与するために有用であるデバイスを含むことができる。そのようなデバイスの例は、これに限定されるわけではないが、注射器、ドリップバッグ、パッチ、および吸引器を含む。
【0234】
以下の実施例は、本発明の理解を助けるために述べられており、もちろん本明細書で記述および請求された本発明を特に限定するとして解釈されるべきではない。現在既知である、または後に開発されたすべての同等物の置換を含む、本発明のそのような変形は、当業界当業者において範囲内のものであり、処方または実験計画の些少な変更を変化させるが、本明細書に組み込まれた本発明の範囲内に含まれると見なされるものである。
【実施例】
【0235】
5.実施例
実施例1〜21は、例示的なトリアザスピロ化合物の合成に関する。

5.1 実施例1:化合物ACの合成
【0236】
【化102】

【0237】
アセトニトリル6mL中の化合物A(2mmol)および化合物B(2mmol)混合物に、ジイソプロピルエチルアミン1.5当量を添加し、得られた混合物を60℃まで加熱し、約12時間攪拌した。薄層クロマトグラフィーは、化合物Aの完全な消失を示した。溶媒を減圧下で除去した。得られた残留物をエチルアセテート10mLに溶解させ、水で洗浄し(10mL、2回)、有機層を乾燥させ(K2CO3)、溶媒を減圧下で除去した。得られた残留物は、5%トリエチルアミン、25%エチルアセテート、および70%ヘキサンによって溶出されるシリカカラムを使用するカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物AC 120mg(収率10.6%)を提供した。化合物ACは、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)分析によって純度97%を超えることが示された。
【0238】
化合物ACの同一性は、1H NMRおよび質量スペクトル(MS)分析を使用して確認した。
【0239】
1H NMR(CDC13):δ1.6(m,2H),2.2(m,2H),2.55−2. 8(m,8H),3.7(s,3H),4.75(s,2H),6.5(bs,1H),6.9(m,3H),7.2−7.4(m,11H)
MS:m/z 484.2

5.2 実施例2:化合物AFの合成
【0240】
【化103】

【0241】
化合物AFは、化合物AC(0.5mmol)をメタノール3mLおよび40%水性カリウム水酸化物40mLに溶解させ、得られた混合物を2時間攪拌しながら80℃に加熱することによって調製した。LC/MSは、化合物ACの消失を示した。次に水2mLおよび3N HCl 2mLを混合物に添加して、pHを約1の値に調整した。得られた沈殿を収集し、真空下で乾燥させて、化合物AF 110mgを提供した。化合物AFは、HPLC分析によって純度97%を超えることが示された。
【0242】
化合物AFの同一性は、1H NMRおよびMS分析を使用して確認した。
【0243】
1H NMR(CD3OD):δ2.0(d,2H),2.65−2.75(m,2H),2.8−3.0(m,4H),3.5(m,2H),2.7(m,2H),4.7(s,2H),6.9−7.05(m,2H),7.2−7.4(m,13H)
MS:m/z 470.2

5.3 実施例3:化合物AAの合成
【0244】
【化104】

【0245】
アセトニトリル50mL中の化合物A(3.6mmol)(ミズーリ州セントルイスのSigma−Aldrichより市販、www.sigma−aldrich.com)および化合物B(3)(3.6mmole)(ミズーリ州セントルイスのSigma−Aldrichより市販、www.sigma−aldrich.com)の混合物に、ジイソプロピルエチルアミン(DEA)1.2モル当量を1回で添加し、そしてジメチルホルムアミド(DMF)3滴を添加した。得られた混合物を60℃に加熱し、約12時間攪拌した。薄層クロマトグラフィー(TLC)は、化合物Aの消失を示した。溶媒を減圧下で除去し、1N NaOH 50mLおよびエチルアセテート50mLを得られた残留物に添加した。有機層を分離し、水層をエチルアセテートで洗浄した(50mL、2回)。有機層を合わせ、乾燥させ(K2CO3)、溶媒を減圧下で除去して、黄色油分を提供し、5%トリエチルアミン、25%エチルアセテート、および70%ヘキサンによって溶出されるシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製した。関連画分を合わせ、濃縮して、化合物AAを提供した。化合物AAは、HPLC分析によって純度97%を超えることが示された。
【0246】
化合物AAの同一性は、1H NMRおよびMS分析を使用して確認した。
【0247】
1H NMR(CDCl3):δ1.7(d,2H),2.55(dm,2H),2.65(m,4H),2.7−2.9(m,4H),3.7(s,2H),6.25(bs,1H),6.8−6.95(m,3H),7.3−7.5(m,12H)
MS: m/z 451.2

5.4 実施例4:化合物AKの合成
【0248】
【化105】

【0249】
トルエン3mL中の化合物AA(0.5mmol)およびトリメチルシリルアジド(1mmol、2当量)に、ジブチル酸化スズ(0.1当量)を添加し、得られた混合物を110℃にて約24時間加熱した。LC/MSは、化合物AAの完全な消失を示した。溶媒を減圧下で除去した。得られた残留物はCHCl3に溶解させ、2%NH4OH、15%メタノール、および85%メチレンクロライドによって溶出されるフロリジルカラムのカラムクロマトグラフィーを用いて精製し、化合物AK6mgを薄黄色固体として提供した。化合物AKは、HPLC分析によって純度97%を超えることが示された。
【0250】
化合物AKの同一性は、1H NMRおよびMS分析を使用して確認した。
【0251】
1H NMR(CD3OD):δ2.0(d,2H),2.9−3.0(m,4H),3.1(m,2H),3.4−3.5(m,2H),3.6−3.7(m,2H),4.75(s,2H),6.9(t,1H),7.0−7.1(m,5H),7.2−7.3(m,5H),7.35(t,2H),7.8(s,2H)
MS: m/z 494

5.5 化合物ABの合成
【0252】
【化106】

【0253】
4−ブロモ−2,2−ジフェニル酪酸(化合物B(1)、23g、72mmol)をクロロホルム150mLに懸濁させ、チオニルクロライド20mL(270mmol)を滴下して添加した。チオニルクロライドの添加後、ジメチルホルムアミド0.2mLを添加し、得られた溶液を還流下で約4時間加熱した。次に反応混合物を減圧下で濃縮して、4−ブロモ−2,2−ジフェニル酢酸クロライド(化合物D(1))を薄黄色油分として提供し、さらに精製せずに以下のステップで使用した。
【0254】
Na2CO3飽和水溶液100mLに、2Mジメチルアミンのテトラヒドロフラン溶液50mLを添加した。得られた溶液を0℃に冷却し、上述のように調製し、トルエン100mLに溶解させた、化合物D(1)の溶液を滴下して添加した。得られた混合物は、約12時間攪拌した。反応混合物の有機層および水層を分離し、水層をトルエン30mLで抽出して、次にクロロホルム100mLで3回で抽出し、有機抽出物を合わせた。合わせた有機抽出物を水(30mL)で洗浄し、乾燥させ(K2CO3)、溶媒を減圧下で除去して、残留物を提供し、メチルイソブチルケトンから結晶化させて、ジメチル(テトラヒドロ−3,3−ジフェニル−2−フリリデン)アンモニウムブロミド(化合物E(1))12g(収率53%)を提供した。
【0255】
ジメチルホルムアミド4mL中の化合物A(1mmol)および化合物E(1)(1mmol)の混合物に、Na2CO33当量を添加した。得られた混合物を、攪拌しながら約1.5時間、80℃で加熱した。薄層クロマトグラフィーは、化合物Aの消失を示した。溶媒を減圧下で除去し、1N NaOH 5mLおよびエチルアセテート10mLを残留物に添加した。有機層を分離し、水層をエチルアセテートで洗浄した(5mL、2回)。有機層を合わせ、乾燥させ(K2CO3)、溶媒を減圧下で除去して、黄色油分を提供し、5%トリエチルアミン、25%エチルアセテート、および70%ヘキサンで溶出されるシリカカラムを用いたカラムクロマトグラフィーによって精製し、化合物AB 284mgを固体として提供した(収率58%)。化合物ABは、HPLC分析によって純度97%を超えることが示された。
【0256】
化合物ABの同一性は、1H NMRおよびMS分析を使用して確認した。
【0257】
1H NMR(CDCl3):δ1.6(d,2H),2.2(m,2H),2.35(m,2H),2.45−2.6(m,5H),2.7(m,4H),3.0(m,3H),4.7(s,2H),6.2(bs,1H),6.8−6.9(m,3H),7.3(m,4H),7.35−7.5(m,8H)
MS:m/z 497.2

5.6 実施例6:化合物ARの合成
【0258】
【化107】

【0259】
ジメチルホルムアミド5mL中の化合物AB 480mg(1mmol)に、テトラヒドロフランで2回洗浄したNaH約1.2当量を添加した。ガス発生が生じ、2分後に、エチルブロモプロピオナート1.1当量(ミズーリ州セントルイスのSigma−Aldrichより市販、www.sigma−aldrich.com)を添加した。得られた反応混合物を約12時間攪拌した。LC/MSは、化合物AAの消失を示した。次に水(10mL)およびエチルアセテート(10mL)を反応混合物に添加した。有機層を分離し、乾燥させ(K2CO3)、溶媒を減圧下で除去した。得られた生成物は、5%トリエチルアミン、25%エチルアセテート、および70%ヘキサンによって溶出されるシリカゲルカラムを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物AR 400mgを油分として提供した(収率71%)。化合物ARは、HPLC分析によって純度97%を超えることが示された。
【0260】
化合物ARの同一性は、1H NMRおよびMS分析を使用して確認した。
【0261】
1H NMR(CDCl3):δ1.3(t,3H),1.5(d,2H),2.2(m,2H),2.3(bs,3H),2.4−2.6(m,4H),2.7(m,2H),2.7−2.8(m,4H),3.0(bs,3H),3.7(m,2H),4.2(q,2H),4.7(s,2H),6.9(m,3H),7.3(m,4H),7.4(m,4H),7.45(m,4H)
MS:m/z 597

5.7 実施例7:化合物ATの合成
【0262】
【化108】

【0263】
化合物ATは、化合物AR(0.5mmol)をメタノール3mLおよび40%カリウム水酸化物水溶液40mLを溶解させること、および得られた混合物を攪拌しながら80℃で約2時間加熱することによって調製した。LC/MSは、化合物ATの消失を示した。反応の完了後、水2mLおよび3N HCl 2mLを混合物に添加して、pHを約1の値に調整した。得られた沈殿を収集し、真空下で乾燥させて、化合物AT 110mgを提供した。化合物ATは、、HPLC分析によって純度97%を超えることが示された。
【0264】
化合物ATの同一性は、1H NMRおよびMS分析を使用して確認した。
【0265】
1H NMR(CDCl3):δ1.6(d,2H),2.3(s,3H),2.6(m,2H),2.7(m,4H),3.0(s,3H),3.3(m,4H),3.7(m,4H),4.7(s,2H),6.8(m,1H),7.0(m,2H),7.2(m,2H),7.3(m,10H),11.5(bs,1H)
MS:m/z 569

5.8 実施例8:化合物AHの合成
【0266】
【化109】

【0267】
化合物AA 450mg(1mmol)を、DMF 10mL中のNaH(THFで2回洗浄した)約1.2mmolに添加した。ガス発生が生じ、2分後に、エチルヨード酢酸(1.1mmol)1.1当量(ミズーリ州セントルイスのSigma−Aldrichより市販、www.sigma−aldrich.com)を添加した。得られた反応混合物を約12時間攪拌した。LC/MSは、化合物AAの消失を示した。水(10mL)およびエチルアセテート(10mL)を反応混合物に添加した。有機層を分離し、乾燥させ(K2CO3)、溶媒を減圧下で除去した。得られた生成物は、5%トリエチルアミン、25%エチルアセテート、および70%ヘキサンによって溶出されるシリカゲルカラムを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物AH 390mgを油分として提供した(収率72.7%)。化合物AHは、HPLC分析によって純度94%を超えることが示された。
【0268】
化合物AHの同一性は、1H NMRおよびMS分析を使用して確認した。
【0269】
1H NMR(CDCl3):δ1.3(t,3H),1.7(d,2H),2.5−2.65(m,6H),2.75(m,2H),2.85(m,2H),4.1(s,2H),4.2(m,2H),4.75(s,2H),6.85−6.95(m,3H),7.2−7.4(m,12H)
MS:m/z 537

5.9 実施例9:化合物ADの合成
【0270】
【化110】

【0271】
メタノール3mLおよび40%KOH水溶液1mL中の化合物AH(0.5mmol)を攪拌して、80℃にて約2時間加熱した。LC/MSは、化合物AHの消失を示した。2時間後、水2mLおよび3N HC1 2mLを混合物に添加し、pHを約1の値に調整した。得られた沈殿を濾過によって分離し、高真空下で乾燥させて、化合物AD 130mgを提供した(収率51.2%)。化合物ADは、HPLC分析によって純度97%を超えることが示された。
【0272】
化合物ADの同一性は、1H NMRおよびMS分析を使用して確認した。
【0273】
1H NMR(CD3OD):δ2.2(d,2H),2.7(m,2H),3.0(m,2H),3.2(m,2H),3.6(m,2H),3.8(m,2H),4.2(s,2H),7.0(m,1H),7.1(m,2H),7.3−7.5(m,12H)
MS:m/z 509

5.10 実施例10:化合物AGの合成
【0274】
【化111】

【0275】
化合物F 450mg(1mmol)を、DMF 10mL中のNaH(THFで2回洗浄)約1.2mmolに添加した。ガス発生が生じ、2分後に、エチルヨードアセテート1.1当量(1.1mmol)(ミズーリ州セントルイスのSigma−Aldrichより市販、www.sigma−aldrich.com)を添加した。得られた反応混合物を約12時間攪拌した。LC/MSは、化合物Fの消失を示した。水(10mL)およびエチルアセテート(10mL)を反応混合物に添加した。有機層を分離し、乾燥させ(K2CO3)、溶媒を減圧下で除去した。得られた生成物は、5%トリエチルアミン、25%エチルアセテート、および70%ヘキサンによって溶出されるシリカゲルカラムを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物AG 381mgを油分として提供した(収率74.7%)。化合物AGは、HPLC分析によって純度97%を超えることが示された。
【0276】
化合物AGの同一性は、1H NMRおよびMS分析を使用して確認した。
【0277】
1H NMR(CD3OD):δ1.3(t,3H),1.7(d,2H),2.45−2.65(m,6H),2.77(m,2H),2.85(m,2H),4.15(s,2H),4.2(m,2H),4.75(s,2H),6.80−6.95(m,3H),7.2−7.4(m,12H)
MS:m/z 512

5.11 実施例11:化合物AEの合成
【0278】
【化112】

【0279】
メタノール3mLおよび40%KOH水溶液1mL中の化合物AG(0.5mmol)を攪拌して、80℃にて約2時間加熱した。LC/MSは、化合物AGの消失を示した。2時間後、水2mLおよび3N HC1 2mLを混合物を添加し、pHを約1の値に調整した。得られた沈殿物を濾過によって分離し、高真空下で乾燥させて、化合物AE 127mgを提供した(収率52.5%)。化合物AEは、HPLC分析によって純度97%を超えることが示された。
【0280】
化合物AEの同一性は、1H NMRおよびMS分析を使用して確認した。
【0281】
1H NMR(CD3OD):δ2.1(d,2H),5.5−5.7(m,4H),3.1(m,2H),3.5(m,2H),3.75(m,2H),4.0(m,3H),6.9(m,1H),7.0(m,2H),7.2(m,2H),7.3(m,10H)
MS: m/z 484

5.12 実施例12:化合物AMの合成
【0282】
【化113】

【0283】
DMF 5mL中の化合物F(0.9mmol)を、アルゴンで洗浄したNaH 1.5当量を含有するフラスコに添加した。2−ブロモアセトアミド(1.2当量)(ミズーリ州セントルイスのSigma−Aldrichより市販、www.sigma−aldrich.com)をフラスコに添加して、得られた混合物を室温にて30分間攪拌した。次に混合物を60℃に加熱し、約12時間攪拌した。次に反応混合物を室温に冷却し、エチルアセテート30mLで希釈し、水で洗浄した(10mL、2回)。有機層を分離し、乾燥させ(MgSO4)、溶媒を減圧下で除去して、残留物を提供し、2%NH4OH飽和水溶液、28%メタノールおよび70%メチレンクロライドによって溶出されるフロリジルカラムを用いて精製し、化合物AM 15mgを薄黄色固体として提供した。化合物AMは、HPLC分析によって純度97%を超えることが示された。
【0284】
化合物AMの同一性は、1H NMRおよびMS分析を使用して確認した。
【0285】
1H NMR(CDCl3):δ1.7(d,2H),2.25(m,2H),2.4(m,2H),2.5(m,2H),2.8(m,4H),4.0(t,1H),4.05(s,2H),4.8(s,2H),5.4(bs,1H),6.0(bs,1H),6.95(m,3H),7.2(m,2H),7.3(m,10H)
MS: m/z 483.3

5.13 実施例13:化合物ALの合成
化合物ALは、エチルヨードアセテートの代わりにBrCH2CH2NHSO2CH3を使用した以外は、実施例10の方法に従って合成した。BrCH2CH2NHSO2CH3は、2−ブロモエチルアミン(ミズーリ州セントルイスのSigma−Aldrichより市販、www.sigma−aldrich.com)を、トリエチルアミンの存在下、0℃にて、メチレンクロライド中で、メタンスルホニルクロライドと以下のスキームに示すように反応させることによって調製できる。
【0286】
【化114】

【0287】
化合物ALの純度は、HPLC分析によって97%を超えることが決定された。
【0288】
化合物ALの同一性は、1H NMRおよびMS分析を使用して確認した。
【0289】
1H NMR(CD3OD):δ1.7(m,2H),2.3(m,2H),2.4(m,2H)2.5−2.6(m,2H),2.7−2.8(m,4H),3.0(s,3H),3.4(m,2H),3.6(m,2H),4.0(t,1H),4.8(s,2H),5.1(bs,1H),6.9(m,3H),7.2(m,2H),7.3(m,10H)
MS:m/z 547

5.14 実施例14:化合物ANおよびAOの合成
化合物ANおよび化合物AOは、エチルヨードアセテートの代わりにエチル3−ヨードプロピオナートおよびエチル5−ブロモバレレート(それぞれミズーリ州セントルイスのSigma−Aldrichより市販、www.sigma−aldrich.com)をそれぞれ使用した以外は、実施例10および実施例11の方法に従って合成した。化合物ANおよび化合物AOの純度はそれぞれ、HPLC分析によって97%を超えることが決定された。
【0290】
化合物ANの同一性は、1H NMRおよびMS分析を使用して確認した。
【0291】
1H NMR(CDCl3):δ1.3(m,3H),2.4(m,2H),2.7−2.9(m,5H),3.1(m,4H),3.3(m,2H),3.65(m,2H),3.9(t,1H),4.7(s,2H),6.6(m,3H),7.0(m,2H),7.2(m,5H),7.3(m,3H)
MS:m/z 498
化合物AOの同一性は、1H NMRおよびMS分析を使用して確認した。
【0292】
1H NMR(CDCl3):δ1.5−1.7(m,6H),2.3(m,4H),2.4−3.1(m,8H),3.4(m,2H),3.9(t,1H),4.6(s,2H),6.6−6.8(m,2H),7.1−7.3(m,13H)
MS:m/z 526

5.15 実施例15:化合物APの合成
化合物APは、エチル3−ブロモプロピオナートの代わりにエチル5−ブロモバレレート(ミズーリ州セントルイスのSigma−Aldrichより市販、www.sigma−aldrich.com)を使用した以外は、実施例6の方法に従って合成した。化合物APの純度は、HPLC分析によって97%を超えることが決定された。
【0293】
化合物APの同一性は、1H NMRおよびMS分析を使用して確認した。
【0294】
1H NMR(CD3OD):δ1.7(m,7H),2.3(s,3H),2.4(m,2H),2.7−2.9(m,4H),3.0(s,3H),3.4−3.5(m,5H),3.8(m,2H),4.7(s,3H),6.9(t,1H),7.15(m,2H),7.3−7.4(m,12H)
MS:m/z 597

5.16 実施例16:化合物AQの合成
化合物AQは、エチル3−ブロモプロピオナートの代わりにメチルブロモアセテート(ミズーリ州セントルイスのSigma−Aldrichより市販、www.sigma−aldrich.com)を使用した以外は、実施例6の方法に従って合成した。化合物AQの純度は、HPLC分析によって97%を超えることが決定された。
【0295】
化合物AQの同一性は、1H NMRおよびMS分析を使用して確認した。
【0296】
1H NMR(CDCl3):δ1.9(bs,2H),2.2(m,2H),2.3(bs,3H),2.4−2.6(m,4H),2.7(m,4H),3.0(bs,3H),3.7(s,3H),4.1(s,2H),4.7(s,2H),6.9(m,3H),7.3(m,4H),7.3−7.5(m,8H)
MS:m/z 569

5.17 実施例17:化合物ASの合成
化合物ASは、エチルヨードアセテートの代わりにエチル5−ブロモバレレート(ミズーリ州セントルイスのSigma−Aldrichより市販、www.sigma−aldrich.com)を使用した以外は、実施例8の方法に従って合成した。化合物ASの純度は、HPLC分析によって97%を超えることが決定された。
【0297】
化合物ASの同一性は、1H NMRおよびMS分析を使用して確認した。
【0298】
1H NMR(CDCl3):δ1.3(t,3H),1.7(m,8H),2.3(m,2H),2.5−2.9(m,7H),3.4(m,3H),4.2(q,2H),4.7(s,2H),6.9(m,3H),7.2−7.5(m,12H)
MS:m/z 579

5.18 実施例18:化合物AUの合成
化合物AUは、化合物AHの代わりに化合物AS(実施例17の方法に従って調製されたもの)を使用した以外は、実施例9の方法に従って合成した。化合物AUの純度は、HPLC分析によって97%を超えることが決定された。
【0299】
化合物AUの同一性は、1H NMRおよびMS分析を使用して確認した。
【0300】
1H NMR(CDCl3):δ1.6−1.8(m,6H),2.4(m,2H),3.1−3.3(m,4H),3.5(m,6H),3.7(2H),4.7(s,2H),6.9(m,1H),7.1(m,2H),7.2−7.6(m,12H)
MS:m/z 551

5.19 実施例19:化合物AVの合成
化合物AVは、化合物AHの代わりに以下に示す化合物G:
【0301】
【化115】

【0302】
を使用した以外は、実施例9の方法に従って合成した。
【0303】
化合物Gは、エチルヨードアセテートの代わりに3−ヨードプロピオナート(ミズーリ州セントルイスのSigma−Aldrichより市販、www.sigma−aldrich.com)を使用した以外は、実施例8の方法に従って合成した。化合物AVの純度は、HPLC分析によって97%を超えることが決定された。
【0304】
化合物AVの同一性は、1H NMRおよびMS分析を使用して確認した。
【0305】
1H NMR(CD3OD):δ2.0(d,2H),2.7(m,4H),3.0(m,2H),3.2(m,2H),3.6(m,2H),3.7(m,2H),3.8(m,2H),4.8(s,2H),6.9(m,1H),7.0(m,2H),7.3−7.5(m,12H)
MS:m/z 523

5.20 実施例20:化合物AIの合成
【0306】
【化116】

【0307】
DMF 10mL中の化合物F(0.9mmol)の溶液を、アルゴンで洗浄したNaH 1.5当量(1.4mmol)を含有するフラスコに添加して、得られた混合物を室温にて15分間攪拌した。3−ブロモプロピオニトリル(1.2当量)(ミズーリ州セントルイスのSigma−Aldrichより市販、www.sigma−aldrich.com)をフラスコに添加して、得られた混合物を室温にて30分間攪拌した。次に混合物を80℃に加熱し、約12時間攪拌した。次に反応混合物を室温にて冷却し、エチルアセテート10mLで希釈し、水で洗浄した(10mL、2回)。有機層を分離し、乾燥させ(MgSO4)、溶媒を減圧下で除去して、残留物を提供し、10%トリエチルアミン、40%エチルアセテート、50%ヘキサンによって溶出されるシリカゲルカラムを用いて精製し、化合物AIを提供した。

5.21 実施例21:化合物AJの合成
化合物AJは、3−ブロモプロピオニトリルの代わりに4−ブロモブチロニトリル(ミズーリ州セントルイスのSigma−Aldrichより市販、www.sigma−aldrich.com)を使用した以外は、実施例20の方法に従って合成した。

5.22 実施例22:μ−およびORL−1−レセプター結合親和性アッセイ
5.22.1 材料および方法
ORL−1レセプター膜の調製
すべての試薬は、別途記載しない限り、Sigma(ミズーリ州セントルイス)より入手した。ヒトオピオイドレセプター様(ORL−1)レセプターを発現する組換えHEK−293細胞(マサチューセッツ州ボストンのPerkin Elmer)からの膜は、氷冷低張緩衝液(2.5mM MgCl2、50mM HEPES、pH7.4)(10mL/10cm皿)中に細胞を溶解させ、それに続いて、組織グラインダー/テフロン乳棒を用いて均質化することによって調製した。膜は、4℃、30,000xgで15分間の遠心分離によって回収し、ペレットを、最終濃度1〜3mg/mLで低張緩衝液に再度懸濁させた。タンパク質濃度は、ウシ血清アルブミンを標準として、BioRad(カリフォルニア州ハーキュリーズ)タンパク質アッセイ試薬を使用して決定した。等分したORL−1レセプター膜は、−80℃で保管した。
【0308】
μ−およびORL−1−レセプター結合アッセイ手順
ORL−1およびμレセプターの放射性リガンド線量変位結合アッセイは、結合緩衝液(10mM MgCl2、1mM EDTA、5%DMSO、50mM HEPES、pH7.4)500mlの最終体積中に、膜タンパク質/ウェル5〜20mgで、0.1nM[3H]−ノイセプチンまたは0.2nM[3H]−ジプレノルフィン(マサチューセッツ州ボストンのNEN)をそれぞれ使用した。反応は、ORL−1およびμそれぞれに対して、上昇する濃度の非標識ノイセプチン(カリフォルニア州サニーベールのAmerican Peptide Company)またはナロキソンの非存在下または存在下で実施した。すべての反応は、96深型ウェルポリプロピレンプレートにおいて、室温にて1〜2時間実施した。結合反応は、96ウェル組織ハーベスタ(メリーランド州ゲティスバーグのBrandel)を使用して、0.5%ポリエチレンイミン中に予備浸漬させた96ウェルUnifilter GF/Cフィルタプレート(コネチカット州メリデンのPackard)上への高速濾過によって終了させ、続いて氷冷結合緩衝液500mLによる3回の濾過洗浄を実施した。フィルタプレートは、続いて、50℃にて2〜3時間乾燥させた。BetaScintシンチレーションカクテル(フィンランド、トゥルクのWallac)を添加し(50ml/ウェル)、Packard Top−Countを用いてプレートを1分/ウェルでカウントした。データは、GraphPad PRISM v.3.0(カリフォルニア州サンディエゴ)で1部位競合曲線適合関数を用いて解析した。

5.22.2 結果:μ−レセプター結合アッセイ
一般に、Ki値が低くなればなるほど、トリアザスピロ化合物は、疼痛の処置または防止において有効なものとなる。通例、トリアザスピロ化合物は、μ−オピオイドレセプターへの結合では、約300以下のKi(nM)を有する。1つの実施形態において、トリアザスピロ化合物は、約100以下のKi(nM)を有する。別の実施形態において、化合物は、約10以下のKi(nM)を有する。なお別の実施形態において、トリアザスピロ化合物は、約1以下のKi(nM)を有する。なお別の実施形態において、トリアザスピロ化合物は、約0.1以下のKi(nM)を有する。
【0309】
たとえば、例示的なトリアザスピロ化合物である化合物AGは、μ−オピオイドレセプターに2.9nMの結合定数Kiで結合する。したがって、上述で開示したアッセイは、トリアザスピロ化合物が、動物における疼痛を処置または防止するために有用であることを示している。

5.22.3 結果:ORL−1−レセプター結合アッセイ
一般に、Ki値が低くなればなるほど、トリアザスピロ化合物は、疼痛の処置または防止において有効なものとなる。通例、トリアザスピロ化合物は、ORL−1レセプターに対して約10,000以下のKi(nM)を有する。1つの実施形態において、トリアザスピロ化合物は、約2000以下のKi(nM)を有する。別の実施形態において、トリアザスピロ化合物は、約1000以下のKi(nM)を有する。なお別の別の実施形態において、トリアザスピロ化合物は、約100以下のKi(nM)を有する。なお別の実施形態において、トリアザスピロ化合物は、約10以下のKi(nM)を有する。
【0310】
たとえば、例示的なトリアザスピロ化合物である化合物AGは、ORL−1レセプターに18nMの結合定数Kiで結合する。したがって、上述で開示したアッセイは、トリアザスピロ化合物が、動物における疼痛を処置または防止するために有用であることを示している。

5.23 実施例23:μ−およびORL−1−オピオイドレセプター−γS機能活性
5.23.1 材料および方法
35S]GTPgS機能アッセイは、適宜、新たに解凍したORL−1またはμ−レセプター膜を使用して実施した。アッセイ反応は、以下の試薬を順に結合緩衝液(100mM NaCl、10mM MgCl2、20mM HEPES、pH7.4)に氷上で添加することによって調製した(最終濃度を表示):膜タンパク質(ORL−1レセプターでは0.066mg/mLおよびμ−レセプターでは0.026mg/mL)、サポニン(10mg/ml)、GDP(3mM)および[35S]GTPgS(0.20nM;NEN)。調製した膜溶液(190mL/ウェル)は、ジメチルスルホキシド(「DMSO」)中で調製したアゴニストノイセプチンの20×濃縮ストック溶液10mLを含有する、96浅型ウェルポリプロピレンプレートに移した。プレートは、室温にて振とうしながら30分間インキュベートした。反応は、96ウェル組織ハーベスタ(メリーランド州ゲティスバーグのBrandel)を使用して、96ウェルUnifilter GF/Cフィルタプレート(コネチカット州メリデンのPackard)上への高速濾過によって終了させ、続いて氷冷結合緩衝液(10mM NaH2PO4、10mM Na2HPO4、pH7.4)200mLによる3回の濾過洗浄を実施した。フィルタプレートは、続いて、50℃にて2〜3時間乾燥させた。BetaScintシンチレーションカクテル(フィンランド、トゥルクのWallac)を添加し(50ml/ウェル)、Packard Top−Countを用いてプレートを1分/ウェルでカウントした。データは、GraphPad PRISM,v.3.0でS字状用量反応曲線適合関数を用いて解析した。

5.23.2 結果:μ−レセプター機能
μGTP EC50は、μレセプターにおいて化合物に対し最大反応の50%を与える化合物の濃度である。通例、約5000以下のμGTP EC50(nM)を有するトリアザスピロ化合物は、μオピオイドレセプター機能を刺激する。1つの実施形態において、トリアザスピロ化合物は、約1000以下のμGTP EC50(nM)を有する。なお別の実施形態において、トリアザスピロ化合物は、約100以下のμGTP EC50(nM)を有する。なお別の実施形態において、トリアザスピロ化合物は、約10以下のμGTP EC50(nM)を有する。なお別の実施形態において、トリアザスピロ化合物は、約1以下のμGTP EC50(nM)を有する。なお別の実施形態において、トリアザスピロ化合物は、約0.1以下のμGTP EC50(nM)を有する。
【0311】
μGTP Emax%は、標準μアゴニストである[D−Ala2,N−メチル−Phe4,Gly−ol5]−エンケファリン(「DAMGO」)によって誘発される効果に関連する化合物によって誘発される最大効果である。一般に、μGTP Emax(%)値は、疼痛を処置または予防するための化合物の効力を評価する。通例、トリアザスピロ化合物は、50%より高いμGTP Emax(%)を有する。1つの実施形態において、トリアザスピロ化合物は、75%より高いμGTP Emax(%)を有する。なお別の実施形態において、トリアザスピロ化合物は、88%より高いμGTP Emax(%)を有する。なお別の実施形態において、トリアザスピロ化合物は、100%より高いμGTP Emax(%)を有する。
【0312】
たとえば、例示的なトリアザスピロ化合物である化合物AGは、μ−オピオイドレセプター機能を刺激して、44nMのμGTP EC50および88%のμGTP Emaxを示す。したがって、このアッセイは、トリアザスピロ化合物が、動物における疼痛の処置または防止に有用であることを示している。

5.23.3 結果:ORL−1−レセプター機能
ORL−1 GTP EC50は、ORL−1レセプターにおいて化合物に対し最大反応の50%を与える化合物の濃度である。約10,000以下のORL−1 GTP EC50(nM)を有するトリアザスピロ化合物は、ORL−1オピオイドレセプター機能を刺激する。1つの実施形態において、トリアザスピロ化合物は、約1000以下のORL−1 GTP EC50(nM)を有する。なお別の実施形態において、トリアザスピロ化合物は、約100以下のORL−1 GTP EC50(nM)を有する。なお別の実施形態において、トリアザスピロ化合物は、約50以下のORL−1 GTP EC50(nM)を有する。なお別の実施形態において、トリアザスピロ化合物は、約10以下のORL−1 GTP EC50(nM)を有する。
【0313】
ORL−1 GTP Emax%は、標準ORL−1アゴニストであるノイセプチンによって誘発される効果に関連する化合物によって誘発される最大効果である。一般に、ORL−1 GTP Emax(%)値は、疼痛を処置または予防する化合物の効力を評価する。通例、トリアザスピロ化合物は、50%より高いORL−1 GTP Emax(%)を有する。1つの実施形態において、トリアザスピロ化合物は、75%より高いORL−1 GTP Emax(%)を有する。なお別の実施形態において、トリアザスピロ化合物は、88%より高いORL−1 GTP Emax(%)を有する。なお別の実施形態において、トリアザスピロ化合物は100%より高いORL−1 GTP Emax(%)を有する。
【0314】
たとえば、例示的なトリアザスピロ化合物である化合物AGは、ORL−1オピオイドレセプター機能を刺激して、71nMのORL−1 GTP EC50および95%のORL−1 GTP Emaxを示す。したがって、これらのアッセイは、トリアザスピロ化合物が、動物の疼痛の処置または防止に有用であることを示している。
【0315】
本発明は、本発明の2、3の側面の例示を目的とする実施例に開示された特定の実施形態によって範囲を制限されるものではなく、機能的に同等であるどの実施形態も、本発明の範囲内のものである。実際のところ、本明細書で提示および説明されたもののほかに、本発明の各種の変更は、当業者において明らかなものであろうし、添付された請求の範囲の範囲内に入るものと考えられる。
【0316】
多くの参考文献が引用されており、その全体の開示は、参照により本明細書に組み込まれている。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(Ia):
【化1】

の化合物またはその薬学的に許容される塩(式中:
1は、水素、−COOH、−COOR3、−C(O)NH2、−C(O)NH(C1−C4アルキル)、−C(O)N(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキル)、−CN、−N(H)S(O)2(C1−C4アルキル)、または
【化2】

であり;
2は、−COOH、−COOR3または
【化3】

であり;
3は、−(C1−C6アルキル)、ベンジル、フェニル、または−(C3−C6シクロアルキル)であり;
nは、R1が水素である場合は0であり、nは、R1が水素以外である場合は1〜4の範囲の整数であり;
mは、0〜4の範囲の整数である)。
【請求項2】
1が水素であり、nが0である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
1が−COOHまたは−COOR3である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
1が−C(O)NH2、−C(O)NH(C1−C4アルキル)または−C(O)N(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキル)である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
1が−CNである、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
1が−N(H)S(O)2(C1−C4アルキル)である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
1
【化4】

である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
2が−COOHまたは−COOR3である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
2
【化5】

である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
mが0または1である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
mが0である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
構造:
【化6】


【化7】


【化8】

を有する請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩の有効量と薬学的に許容される担体または賦形剤とを含む組成物。
【請求項14】
オピオイド鎮痛薬をさらに含む、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
非オピオイド鎮痛薬をさらに含む、請求項13に記載の組成物。
【請求項16】
制吐剤をさらに含む、請求項13に記載の組成物。
【請求項17】
動物の疼痛を処置するための方法であって、その必要のある動物に請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩の有効量を投与することを含む、方法。
【請求項18】
オピオイド鎮痛薬の有効量を投与することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
非オピオイド鎮痛薬の有効量を投与することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
制吐剤の有効量を投与することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
細胞中のオピオイドレセプター機能を刺激するための方法であって、オピオイドレセプターを発現することができる細胞を請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩の有効量に接触させることを含む、方法。
【請求項22】
請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩と薬学的に許容される担体または賦形剤とを混合するステップを含む、組成物を調製するための方法。
【請求項23】
式(Ib):
【化9】

の化合物またはその薬学的に許容される塩(式中:
1は、−COOH、−COOR3、−C(O)NH2、−C(O)NH(C1−C4アルキル)、−C(O)N(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキル)、−CN、−N(H)S(O)2(C1−C4アルキル)、または
【化10】

であり;
2は、−COOH、−COOR3、−C(O)N(CH32、または
【化11】

であり;
3は、−(C1−C6アルキル)、ベンジル、フェニル、または−(C3−C6シクロアルキル)であり;
nは、1〜4の範囲の整数であり;
mは、0〜4の範囲の整数である)。
【請求項24】
1が−COOHまたは−COOR3である、請求項23に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項25】
1が−C(O)NH2、−C(O)NH(C1−C4アルキル)または−C(O)N(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキル)である、請求項23に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項26】
1が−CNである、請求項23に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項27】
1が−N(H)S(O)2(C1−C4アルキル)である、請求項23に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項28】
1
【化12】

である、請求項23に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項29】
2が−COOHまたは−COOR3である、請求項23に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項30】
mが0または1である、請求項23に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項31】
mが0である、請求項23に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項32】
2が−C(O)N(CH32である、請求項23に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項33】
2
【化13】

である、請求項23に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項34】
構造:
【化14】


【化15】


【化16】


【化17】

を有する請求項23に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項35】
請求項23に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩の有効量と薬学的に許容される担体または賦形剤とを含む組成物。
【請求項36】
オピオイド鎮痛薬をさらに含む、請求項35に記載の組成物。
【請求項37】
非オピオイド鎮痛薬をさらに含む、請求項35に記載の組成物。
【請求項38】
制吐剤をさらに含む、請求項35に記載の組成物。
【請求項39】
動物の疼痛を処置するための方法であって、その必要のある動物に請求項23に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩の有効量を投与することを含む、方法。
【請求項40】
オピオイド鎮痛薬の有効量を投与することをさらに含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
非オピオイド鎮痛薬の有効量を投与することをさらに含む、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
制吐剤の有効量を投与することをさらに含む、請求項39に記載の方法。
【請求項43】
細胞中のオピオイドレセプター機能を刺激するための方法であって、オピオイドレセプターを発現することができる細胞を請求項23に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩の有効量に接触させることを含む、方法。
【請求項44】
請求項23に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩と薬学的に許容される担体または賦形剤とを混合するステップを含む、組成物を調製するための方法。
【請求項45】
式(Ic):
【化18】

の化合物またはその薬学的に許容される塩(式中:
1は、−COOH、−C(O)NH2、−C(O)NH(C1−C4アルキル)、−C(O)N(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキル)、−N(H)S(O)2(C1−C4アルキル)、または
【化19】

であり;
nは、1〜4の範囲の整数である)。
【請求項46】
nが2である、請求項45に記載の化合物。
【請求項47】
nが1である、請求項45に記載の化合物。
【請求項48】
1が−COOHである、請求項45に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項49】
1が−C(O)NH2、−C(O)NH(C1−C4アルキル)または−C(O)N(C1−C4アルキル)(C1−C4アルキル)である、請求項45に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項50】
1が−N(H)S(O)2(C1−C4アルキル)である、請求項45に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項51】
1
【化20】

である、請求項45に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項52】
【化21】


【化22】


【化23】


【化24】


【化25】


【化26】


【化27】

から成る群より選択される請求項45に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項53】
請求項45に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩の有効量と薬学的に許容される担体または賦形剤とを含む組成物。
【請求項54】
オピオイド鎮痛薬をさらに含む、請求項53に記載の組成物。
【請求項55】
非オピオイド鎮痛薬をさらに含む、請求項53に記載の組成物。
【請求項56】
制吐剤をさらに含む、請求項53に記載の組成物。
【請求項57】
動物の疼痛を処置するための方法であって、その必要のある動物に請求項45に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩の有効量を投与することを含む、方法。
【請求項58】
オピオイド鎮痛薬の有効量を投与することをさらに含む、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
非オピオイド鎮痛薬の有効量を投与することをさらに含む、請求項57に記載の方法。
【請求項60】
制吐剤の有効量を投与することをさらに含む、請求項57に記載の方法。
【請求項61】
細胞中のオピオイドレセプター機能を刺激するための方法であって、オピオイドレセプターを発現することができる細胞を請求項45に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩の有効量に接触させることを含む、方法。
【請求項62】
請求項45に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩と薬学的に許容される担体または賦形剤とを混合するステップを含む、組成物を調製するための方法。
【請求項63】
動物の疼痛を処置するための方法であって、その必要のある動物に
【化28】


【化29】


【化30】


【化31】


【化32】


【化33】


【化34】


【化35】


【化36】


【化37】

、及び
【化38】

から成る群より選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩の有効量を投与することを含む、方法。
【請求項64】
オピオイド鎮痛薬の有効量を投与することをさらに含む、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
非オピオイド鎮痛薬の有効量を投与することをさらに含む、請求項63に記載の方法。
【請求項66】
制吐剤の有効量を投与することをさらに含む、請求項63に記載の方法。
【請求項67】
細胞中のオピオイドレセプター機能を刺激するための方法であって、オピオイドレセプターを発現することができる細胞を
【化39】


【化40】


【化41】


【化42】


【化43】


【化44】


【化45】


【化46】


【化47】


【化48】

、及び
【化49】

から成る群より選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩の有効量に接触させることを含む、方法。

【公表番号】特表2006−516239(P2006−516239A)
【公表日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−509647(P2004−509647)
【出願日】平成15年6月2日(2003.6.2)
【国際出願番号】PCT/US2003/017419
【国際公開番号】WO2003/101953
【国際公開日】平成15年12月11日(2003.12.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
テフロン
【出願人】(599108792)ユーロ−セルティーク エス.エイ. (134)
【Fターム(参考)】