説明

疾患の治療のための二重機構阻害剤

病状または病気を改善するように作用するローキナーゼおよびモノアミン輸送体(MAT)の両方の阻害剤である化合物が提供される。さらに、本化合物を含む組成物が提供される。さらに、本発明に係る化合物を投与することを含む、疾患または病気の治療方法が提供される。そのような疾患の1つは、他の有益な効果の中でも眼内圧(IOP)の顕著な低下を達成することができる緑内障であってもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2009年5月1日に出願された米国仮出願第61/174,672号の優先権を主張するものであり、その開示内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、細胞中のキナーゼの機能および輸送体の機能に影響を与え、かつ治療薬としてあるいは治療薬との併用において有用な置換イソキノリンアミド化合物および置換ベンズアミド化合物に関する。特に、これらの化合物は、緑内障などの眼の疾患および障害、呼吸器系および心血管系の疾患および障害、癌などの異常増殖を特徴とする疾患の治療に有用である。
【背景技術】
【0003】
様々なホルモン、神経伝達物質および生物活性物質が、特異的細胞受容体との相互作用を介して、体の機能を制御、調整または調節する。これらの受容体の多くは、受容体が結合するグアニンヌクレオチド結合タンパク質(Gタンパク質)を活性化させることによって細胞内シグナルの伝達を媒介する。そのような受容体は一般にGタンパク質共役受容体(GPCR)と呼ばれ、特に、アドレナリン作動性受容体、オピオイド受容体、カンナビノイド受容体およびプロスタグランジン受容体が挙げられる。これらの受容体を活性化させる生物学的作用は直接的なものではなく、細胞内タンパク質のホストによって媒介される。これらの二次タンパク質の重要性は最近になってから認識され、病状における介入点として研究されている。下流エフェクターの中で最も重要なクラスのうちの1つは「キナーゼ」クラスである。
【0004】
キナーゼは、多くの生理機能の調整に重要な役割を担っている。例えば、キナーゼは、これらに限定されるものではないが、狭心症、本態性高血圧症、心筋梗塞、上室性および心室性不整脈、鬱血性心不全、アテローム性動脈硬化症などの心疾患、喘息、慢性気管支炎、気管支痙攣、気腫、気道閉塞、鼻炎および季節性アレルギーなどの呼吸器疾患、炎症、関節リウマチ、腎不全および糖尿病などの多くの病状に関わっている。他の病気としては、慢性炎症性腸疾患、緑内障、高ガストリン血症、胃腸疾患(例えば、酸性/消化性疾患)、びらん性食道炎、胃腸液の分泌過多(gastrointestinal hypersecretion)、肥満細胞症、胃腸逆流、消化性潰瘍、疼痛、肥満症、神経性過食症、鬱病、強迫性障害、内臓奇形(例えば、心奇形)、神経変性疾患(例えば、パーキンソン病およびアルツハイマー病)、多発性硬化症、エプスタイン・バーウイルス感染症および癌が挙げられる(Nature Reviews Drug Discovery 2002, 1: 493-502)。他の病状におけるキナーゼの役割は、今やっと明らかになりつつある。
【0005】
慢性骨髄性白血病の治療におけるチロシンキナーゼ阻害剤STI571(グリベック(Gleevec))の成功によって(Nature Reviews Drug Discovery 2003, 2: 296-313)、他の広範囲な癌治療用の他のキナーゼ阻害剤を開発する大きな取り組みに拍車がかかった(Nature Reviews Cancer 2003, 3: 650-665)。それ以来、7種類のさらなるキナーゼ阻害剤が市場に出回っており、キナーゼ阻害剤が重要な新薬クラスであることが証明されている。現在、100を超えるタンパク質キナーゼ阻害剤が臨床的に開発されている(Kinase Inhibitor Drugs 2009, Wiley Press)。
【0006】
多くの病状におけるキナーゼの役割を考慮すると、キナーゼの活性を阻害または調節する低分子リガンドが緊急かつ継続的に必要とされている。理論に縛られたくはないが、本発明の化合物によるローキナーゼ(ROCK)などのキナーゼの活性の調節がそれらの有益な効果に部分的に関与していると思われる。
【0007】
医薬における有益な調査のさらなる領域は、モノアミン輸送体およびその阻害の利点の研究である。モノアミン輸送体(MAT)は、細胞へあるいは細胞からモノアミンを含む神経伝達物質を輸送する細胞膜中の構造体である。いくつかの異なるモノアミン輸送体すなわちMATが存在し、それらは、ドーパミン輸送体(DAT)、ノルエピネフリン輸送体(NET)およびセロトニン輸送体(SERT)である。DAT、NETおよびSERTは構造的に類似しており、それぞれが12個の膜貫通ヘリックス構造を含んでいる。現代の抗鬱薬は、それらの各輸送体に結合し、それにより神経伝達物質再取り込みを阻害し、シナプスにおける神経伝達物質の濃度を有効に上昇させて、セロトニン作動性、ノルアドレナリン作動性もしくはドーパミン作動性神経伝達を高めることによって作用すると考えられている。この機構で作用すると考えられている薬物の例としては、フルオキセチン、選択的SERT阻害剤、レボキセチン、ノルエピネフリン(NET)阻害剤およびブプロピオン(NETおよびDATの両方を阻害する)が挙げられる(He, R. et al. J. Med. Chem. 2005, 48: 7970-9; Blough, B. E. et al. J. Med. Chem. 2002, 45: 4029-37; Blough, B. E., et al. J. Med. Chem. 1996, 39: 4027-35; Torres, G. E., et al. Nat. Rev. Neurosci. 2003, 4: 13-25)。
【0008】
緑内障は、眼の神経節細胞から脳まで画像を運ぶ眼の視神経(神経束)の変形を引き起こす。眼内圧の上昇は緑内障の最も一般的な形態のうちの一特徴であり、この眼内圧の上昇によって、複数の機構を介して視神経および神経節細胞が損傷される可能性がある。現在の緑内障の治療薬は、眼の中への眼房水の流れを遅くするか、あるいは、この流体の眼からの排出を改善することで眼内圧を低下させることによって作用する。ローキナーゼ阻害剤は、小柱網からの眼房水の排出を増加させることでウサギおよびサルにおける眼内圧を低下させることが分かっている(Tian and Kaufman, Arch Ophthalmol 2004, 122: 1171-1178; Tokushige et al., IOVS 2007, 48(7): 3216-3222)。いくつかの系統の実験的証拠によって、眼房水の流出経路内のローキナーゼ活性を調節することが緑内障患者の治療にとって有益となり得ることが示されている(Honjo et al., IOVS 2001; 42: 137-144; Waki et al., Curr Eye Res 2001; 22: 470-474; Rao et al., IOVS 2001; 42: 1029-1037)。多くの証拠によって、交感神経系が眼内圧の調整に重要であるが複雑な役割を担っていることが示唆されている(Nathanson, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1980; 77(12):7420-7424)。交感神経線維は、毛様体突起および小柱網の神経を支配し(Ehinger, Acta Univ. Lund Sect 2 1964; 20:3-23; Sears, 1975, Handbook of Physiology, Endocrinology VI. Eds Astwood E & Greep R: 553-590)、交感神経刺激および局所投与されるエピネフリンなどのβ−アドレナリン作動薬によって眼内圧が低下する(Sears, 1975, ibid; Davson et al.,J. Physiol. (London) 1951; 113:389-397)。
【発明の概要】
【0009】
一側面では、本発明は、以下に記載する式I、II、III、IV、VまたはVIに係る化合物を提供する。
【0010】
他の側面では、本発明は、以下に記載する式I、II、III、IV、VまたはVIに係る化合物および担体を含む医薬組成物を提供する。
【0011】
さらなる側面では、本発明は、以下に記載する式I、II、III、IV、VまたはVIに係る化合物の有効量を対象に投与することを含む、対象における疾患の治療方法を提供する。該疾患は、緑内障および網膜疾患(例えば、滲出型加齢黄斑変性症(Wet AMD)、萎縮型加齢黄斑変性症(Dry AMD)(炎症)および糖尿病性網膜症(DME))などの眼疾患、骨粗鬆症などの骨障害、脳血管痙攣、冠状動脈血管痙攣、高血圧症、肺高血圧症、突然死症候群、狭心症、心筋梗塞、再狭窄、発作、高血圧性血管疾患、心不全、移植心冠動脈病変、静脈移植片疾患などの血管疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)および喘息などの肺疾患、脊髄損傷、アルツハイマー病、多発性硬化症、鬱病、注意欠陥多動性障害および神経因性疼痛などの神経障害、血管新生疾患および癌、肥満症および勃起障害からなる群から選択されるものであってもよい。
【0012】
さらなる側面では、本発明は、キナーゼ活性を調節するのに有効な量の以下に記載する式I、II、III、IV、VまたはVIに係る化合物に細胞を接触させることを含む、キナーゼ活性を調節する方法を提供する。
【0013】
さらなる側面では、本発明は、眼内圧を低下させるのに有効な量の以下に記載するの式I、II、III、IV、VまたはVIに係る化合物に細胞を接触させることを含む、眼内圧を低下させる方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、E1〜E8を含む化合物の合成スキームである。
【図2】図2は、E457〜E466を含む化合物の合成スキームである。
【図3】図3は、ベンズアミジンE467〜E476の合成スキームである。
【図4】図4は、図3の合成スキームのためのパラアミノベンズアミド前駆体E477〜E478の合成スキームである。
【図5】図5は、図3の合成スキームのためのパラアミノベンズアミド前駆体E479〜E481の合成スキームである。
【図6】図6は、E8〜E12を含む化合物の合成スキームである。
【図7】図7は、E132〜E139を含む化合物の合成スキームである。
【図8】図8は、E140〜E143を含む化合物の合成スキームである。
【図9】図9は、E145〜E148を含む化合物の合成スキームである。
【図10】図10は、E197−SおよびE197−Rを含む化合物の合成スキームである。
【図11】図11は、E199〜E203を含む化合物の合成スキームである。
【図12】図12は、E204〜E206を含む化合物の合成スキームである。
【図13】図13は、E231〜E241を含む化合物の合成スキームである。
【図14】図14は、E249〜253を含む化合物の合成スキームである。
【図15】図15は、E275〜E278を含む化合物の合成スキームである。
【図16】図16は、E289〜E290を含む化合物の合成スキームである。
【図17】図17は、E300〜E308を含む化合物の合成スキームである。
【図18】図18は、E319〜E325を含む化合物の合成スキームである。
【図19】図19は、E371〜E377を含む化合物の合成スキームである。
【図20】図20は、E398〜E404を含む化合物の合成スキームである。
【図21】図21は、化合物E429〜E433を含む化合物の合成の一般的なスキームである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示の全体にわたって刊行物および特許が参照されている。本明細書で引用されている全ての米国特許は参照により本明細書に組み込まれる。本明細書で使用されているすべてのパーセント、比および割合は、特に明記しない限り重量%である。
【0016】
アミノイソキノリルアミドおよびアミノベンズアミジルアミドが提供される。いくつかの側面では、ローキナーゼおよびモノアミン輸送体(MAT)の両方の阻害剤になり得る化合物が病状または病気を改善するように作用する、疾患および病気を治療するための組成物および方法が提供される。そのような疾患の1つは、とりわけ有益な効果すなわち眼内圧(IOP)の顕著な低下を達成することができる緑内障であってもよい。
【0017】
定義
「アルキル」とは、直鎖および分岐鎖基を含む飽和脂肪族炭化水素部分を指す。「アルキル」は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチルなどの基によって例示することができる。アルキル基は置換されていても置換されていなくてもよい。置換基自体も置換されていてもよい。
【0018】
置換されている場合、置換基は、好ましくは、C〜Cアルキル、アリール、カルボシクリル、ヘテロカルボシクリル、ヘテロアリール、アミノ、シアノ、ハロゲン、アルコキシまたはヒドロキシルであるが、これらに限定されない。「C〜Cアルキル」とは、1個〜4個の炭素原子を含むアルキル基を指す。
【0019】
「アルケニル」とは、直鎖および分岐鎖基を含む不飽和脂肪族炭化水素部分を指す。アルケニル部分は、少なくとも1つのアルケンを含んでいなければならない。「アルケニル」は、エテニル、n−プロペニル、イソプロペニル、n−ブテニルなどの基によって例示することができる。アルケニル基は置換されていても置換されていなくてもよい。置換基自体も置換されていてもよい。置換されている場合、置換基は、好ましくは、アルキル、アリール、カルボシクリル、ヘテロカルボシクリル、ヘテロアリール、ハロゲンまたはアルコキシである。置換基自体も置換されていてもよい。置換基は、アルケン自体およびさらにアルキニル部分の隣接する構成原子に配置されていてもよい。「C〜Cアルケニル」とは、2〜4個の炭素原子を含むアルケニル基を指す。
【0020】
「アルキニル」とは、直鎖および分岐鎖基を含む不飽和脂肪族炭化水素部分を指す。アルキニル部分は少なくとも1つのアルキンを含んでいなければならない。「アルキニル」は、エチニル、プロピニル、n−ブチニルなどの基によって例示することができる。アルキニル基は置換されていても置換されていなくてもよい。置換されている場合、置換基は、好ましくは、アルキル、アリール、カルボシクリル、ヘテロカルボシクリル、ヘテロアリール、アミノ、シアノ、ハロゲン、アルコキシルまたはヒドロキシルである。置換基自体も置換されていてもよい。置換されている場合、置換基は、アルキン自体ではなく、アルキニル部分の隣接する構成原子に位置する。「C〜Cアルキニル」とは、2〜4個の炭素原子を含むアルキニル基を指す。
【0021】
「アシル」または「カルボニル」とは、−C(O)R部分(式中、Rは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、炭素環、複素炭素環、C〜CアルキルアリールまたはC〜Cアルキルヘテロアリールである)を指す。C〜Cアルキルカルボニルとは、炭素原子数1〜4のアルキル鎖がカルボニル部分の前に付いた基を指す。
【0022】
「アルコキシ」とは、−O−R部分(式中、Rは、アシル、アルキルアルケニル、アルキルアルキニル、アリール、炭素環、複素炭素環、ヘテロアリール、C〜CアルキルアリールまたはC〜Cアルキルヘテロアリールである)を指す。
【0023】
「アミノ」とは、−NR’R’部分(式中、各R’は独立に、水素、アミノ、ヒドロキシル、アルコキシル、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、C〜CアルキルアリールまたはC〜Cアルキルヘテロアリールである)を指す。2つのR’基は互いに結合して環を形成していてもよい。R’基自体がさらに置換されていてもよく、その場合、グアニジニルとしても知られている基は、「アミノ」という言葉により具体的に想定される。
【0024】
「アリール」または「芳香族環」とは、芳香族炭素環部分を指す。「アリール」はフェニルによって例示することができる。アリール基は置換されていても置換されていなくてもよい。置換基自体も置換されていてもよい。置換されている場合、置換基は、好ましくは、アルコキシル、ヘテロアリール、アシル、カルボキシル、カルボニルアミノ、ニトロ、アミノ、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシルであるが、これらに限定されない。
【0025】
「カルボキシル」とは、−C(=O)O−R基(式中、Rは、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、C〜CアルキルアリールまたはC〜Cアルキルヘテロアリールから選択される)を指す。
【0026】
「カルボニル」とは、−C(O)R基(式中、各Rは独立に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、C〜CアルキルアリールまたはC〜Cアルキルヘテロアリールである)を指す。
【0027】
「カルボニルアミノ」とは、−C(O)NR’R’基(式中、各R’は独立に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、C〜Cアルキルアリール、C〜Cアルキルヘテロアリールである)を指す。2つのR’基は互いに結合して環を形成していてもよい。カルボニルアミノは、アミド結合としても知られている。
【0028】
「C〜Cアルキルアリール」とは、アルキル基を介して結合されるアリール置換基などのアリール置換基を有するC〜Cアルキル基を指す。「C〜Cアルキルアリール」はベンジルおよびフェネチルによって例示することができる。
【0029】
「C〜Cアルキルヘテロアリール」とは、アルキル基を介して結合されるヘテロアリール置換基などのヘテロアリール置換基を有するC〜Cアルキル基を指す。
【0030】
「炭素環基」または「シクロアルキル」とは、一価の飽和もしくは不飽和炭化水素環を意味する。炭素環基は単環であるか、二環式の縮合、スピロもしくは架橋環系である。単環式炭素環基は、その環に3〜10個の炭素原子、好ましくは4〜7個の炭素原子、より好ましくは5〜6個の炭素原子を含む。二環式の炭素環基は、環に8〜12個の炭素原子、好ましくは9〜10個の炭素原子を含む。炭素環基は置換されていても置換されていなくてもよい。置換基自体も置換されていてもよい。好ましい炭素環基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニルおよびシクロヘプチルが挙げられる。より好ましい炭素環基としては、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが挙げられる。最も好ましい炭素環基はシクロヘキシルである。炭素環基は芳香族ではない。
【0031】
「ハロゲン」とは、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード部分を指す。好ましくは、ハロゲンは、フルオロ、クロロまたはブロモである。
【0032】
「ヘテロアリール」または「複素芳香族環」とは、炭素環に1つ以上のヘテロ原子を有する単環式もしくは二環式の芳香族炭素環基を指す。ヘテロアリールは置換されていても置換されていなくてもよい。置換されている場合、置換基自体も置換されていてもよい。置換基の非限定的な例としては、アリール、C〜Cアルキルアリール、アミノ、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、カルボキシル、カルボニルアミノまたはC〜Cアルキルが挙げられる。好ましい複素芳香族基としては、テトラゾイル、トリアゾリル、チエニル、チアゾリル、プリニル、ピリミジル、ピリジルおよびフラニルが挙げられる。より好ましい複素芳香族基としては、ベンゾチオフラニル、チエニル、フラニル、テトラゾイル、トリアゾリルおよびピリジルが挙げられる。
【0033】
「ヘテロ原子」とは、複素環基または複素芳香族基の環あるいはヘテロ原子含有基の鎖の中の炭素以外の原子を意味する。好ましくは、ヘテロ原子は、窒素、硫黄および酸素原子からなる群から選択される。2個以上のヘテロ原子を含む基は、異なるヘテロ原子を含んでいてもよい。
【0034】
「複素炭素環基」または「ヘテロシクロアルキル」または「複素環」とは、少なくとも1個のヘテロ原子を含む一価の飽和もしくは不飽和炭化水素環を意味する。複素炭素環基は単環であるか、あるいは二環式の縮合、スピロもしくは架橋系である。単環式複素炭素環基は、その環に3〜10個の炭素原子、好ましくは4〜7個の炭素原子、より好ましくは5〜6個の炭素原子を含む。二環式複素炭素環基は、その環に8〜12個の炭素原子、好ましくは9〜10個の炭素原子を含む。複素炭素環基は置換されていても置換されていなくてもよい。置換基自体も置換されていてもよい。好ましい複素炭素環基としては、エポキシ、テトラヒドロフラニル、アザシクロペンチル、アザシクロヘキシル、ピペリジルおよびホモピペリジルが挙げられる。より好ましい複素炭素環基としては、ピペリジルおよびホモピペリジルが挙げられる。最も好ましい複素炭素環基はピペリジルである。複素炭素環基は芳香族ではない。
【0035】
「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」とは、−OHからなる化学的構成要素を意味する。アルコールはヒドロキシ基を含む。ヒドロキシ基は、遊離の状態であっても保護されていてもよい。ヒドロキシルの別名はアルコールである。
【0036】
「リンカー」とは、n個(nは約1〜約4個の構成原子の整数である)の構成原子からなる直鎖を意味する。
【0037】
「構成原子」とは、炭素、窒素、酸素または硫黄原子を意味する。構成原子は、それらの通常の原子価まで置換されていてもよい。置換が特定されていない場合、原子価に必要とされる置換基は水素である。
【0038】
「環」とは、構成原子の環状集合体を意味する。環は、炭素環、芳香族環、複素環または複素芳香族環であってもよく、置換されていても置換されていなくてもよく、飽和または不飽和であってもよい。主鎖との環接合部は、縮合環またはスピロ環であってもよい。環は単環または二環であってもよい。環は、少なくとも3個の構成原子、最大で10個の構成原子を含む。単環式の環は3〜7個の構成原子を含んでいてもよく、二環式の環は8〜12個の構成原子を含んでいてもよい。二環式の環自体が縮合環またはスピロ環であってもよい。
【0039】
「チオアルキル」とは、−S−アルキル基を指す。
【0040】
「スルホニル」とは、−S(O)R’基(式中、R’は、アルコキシ、アルキル、アリール、炭素環、複素炭素環、ヘテロアリール、C〜CアルキルアリールまたはC〜Cアルキルヘテロアリールである)を指す。
【0041】
「スルホニルアミノ」とは、−S(O)NR’R’基(式中、各R’は独立に、アルキル、アリール、ヘテロアリール、C〜CアルキルアリールまたはC〜Cアルキルヘテロアリールである)を指す。
【0042】
「医薬的に許容される担体」とは、医薬組成物の調製に有用な担体、すなわち、一般に組成物の他の成分と混合可能であり、被投与者に害がなく、かつ生物学的にまたはそれ以外においても望ましくないものではない担体を意味する。「医薬的に許容される担体」には、1種および2種以上の担体の両方が含まれる。いくつかの態様としては、局所投与、眼投与、非経口投与、静脈内投与、腹腔内投与、筋肉内投与、舌下投与、経鼻投与および経口投与用の担体が挙げられる。「医薬的に許容される担体」としては、注射または分散のための水性分散液および滅菌粉末の調製剤も挙げられる。
【0043】
本明細書で使用される「賦形剤」としては、医薬組成物の調製に有用な生理学的に適合する添加剤が挙げられる。医薬的に許容される担体および賦形剤の例は、例えばRemington Pharmaceutical Science(レミントン薬学), 16th Edに記載されている。
【0044】
本明細書で使用される「有効量」とは、キナーゼまたは輸送体タンパク質の活性に影響を与える、それらの活性を減少または阻害する、あるいはそれらの活性化を防止するのに有効な化合物または組成物の投与量を指す。また、本明細書で使用されるこの用語は、動物(好ましくはヒト)における所望の生体内効果、例えば眼内圧の低下をもたらすのに有効な量を指す場合もある。
【0045】
本明細書で使用される「投与すること」とは、所望の効果を達成するために必要とされる化合物の投与を指す。
【0046】
本明細書で使用される「眼疾患」としては、緑内障、アレルギー、眼癌、眼の神経変性疾患およびドライアイが挙げられるが、これらに限定されない。
【0047】
「キナーゼ活性に関連する疾患または病気」という用語は、1種以上のキナーゼの阻害によって全体または部分的に治療が可能な疾患または病気を意味するように使用される。当該疾患または病気としては、緑内障および網膜疾患(例えば、Wet AMD、Dry AMD(炎症)およびDME)などの眼疾患、高眼圧症、骨粗鬆症などの骨障害、脳血管痙攣、心血管疾患、冠状動脈血管痙攣、高血圧症、肺高血圧症、突然死症候群、狭心症、心筋梗塞、再狭窄、発作、高血圧性血管疾患、心不全、移植心冠動脈病変、静脈移植片疾患などの血管疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)および喘息などの肺疾患、脊髄損傷、アルツハイマー病、多発性硬化症、鬱病、注意欠陥多動性障害および神経因性疼痛などの神経障害、血管新生疾患および癌、肥満症および勃起障害が挙げられるが、これらに限定されない。
【0048】
「疾患または病気を制御する」という用語は、1種以上のキナーゼの活性を変化させて疾患または病気に影響を与えることを意味するように使用される。
【0049】
「細胞を接触させること」という用語は、生体外または生体内(すなわち、ヒト、ネコおよびイヌを含む哺乳類などの対象の体内)で細胞を接触させることを意味するように使用される。
【0050】
化合物
本発明の第1の側面では、イソキノリンアミド化合物が提供される。本発明に係る化合物としては、式Iに係る化合物が挙げられる:
【0051】
【化1】

【0052】
(式中、R、RおよびRは独立に、水素、C〜Cアルキル、アリール、C〜Cアルキルアリール、C〜Cアルキルヘテロアリール、C〜Cアルキルヘテロシクリル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cカルボニル、C〜Cカルボニルアミノ、C〜Cアルコキシ、C〜Cスルホニル、C〜Cスルホニルアミノ、C〜CチオアルキルまたはC〜Cカルボキシルであるか、または、互いに環を形成するか、または、Aと共に環を形成し、
Aは、C〜Cアルキル、C〜CアルキルアリールまたはC〜Cアルキルヘテロアリールであるか、あるいはR、RまたはRと共に環構造を形成し、
Bは、水素、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、C〜C22アルキル、C〜C22アルキルアリール、C〜C22アルキルヘテロアリール、C〜C22アルケニル、C〜C22アルキニル、C〜C22カルボニル、C〜C22カルボニルアミノ、C〜C22アルコキシ、C〜C22スルホニル、C〜C22スルホニルアミノ、C〜C22チオアルキルまたはC〜C22カルボキシルであり、存在する場合、その立体中心は独立に「R」または「S」配置のいずれかであり、
、XおよびXは独立に、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、アミノ、アミノカルボニル、ニトロ、シアノ、C〜Cカルボニル、C〜Cカルボニルアミノ、C〜Cアルコキシ、C〜Cスルホニル、C〜Cスルホニルアミノ、C〜CチオアルキルまたはC〜Cカルボキシルであり、
二重丸
【0053】
【化2】

【0054】
は、芳香族環もしくは複素芳香族環を表し、
各Zは独立に、結合、C〜Cアルキル、ヘテロアルキルまたはO原子である)。
【0055】
式Iでは、あらゆるすべての立体中心は独立に、「R」または「S」配置のいずれかである。
【0056】
式Iの特定の態様としては,式IIIの化合物が挙げられる:
【0057】
【化3】

【0058】
(式中、RおよびRは独立に、水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルキルアリール、C〜Cアルキルヘテロアリール、C〜Cアルキルヘテロシクリルであるか、あるいはRおよびRは一緒になって、環すなわちシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルを形成し、
は、水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルキルアリール、C〜Cアルキルヘテロアリール、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cカルボニル、C〜Cカルボニルアミノ、C〜Cアルコキシ、C〜Cスルホニル、C〜Cスルホニルアミノ、C〜CチオアルキルまたはC〜Cカルボキシルであるか、あるいはRはそれ自体またはRもしくはRと共に環を形成していてもよく、存在する場合、その立体中心は独立に「R」または「S」配置のいずれかであり、
、XおよびXは独立に、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、アミノ、アミノカルボニル、ニトロ、シアノ、C〜Cカルボニル、C〜Cカルボニルアミノ、C〜Cアルコキシ、C〜Cスルホニル、C〜Cスルホニルアミノ、C〜CチオアルキルまたはC〜Cカルボキシルであり、
Bは、水素、C〜C18アルキル、C〜C18アルキルアリール、C〜C18アルキルヘテロアリール、C〜C18カルボニル、C〜C18カルボニルアミノ、C〜C18スルホニル、C〜C18スルホニルアミノまたはC〜C18カルボキシルであり、存在する場合、その立体中心は独立に「R」または「S」配置のいずれかである)。
【0059】
式IIIの特定の態様としては、R、RおよびRが独立にメチルまたは水素であり、かつX、XおよびXが水素である化合物が挙げられる。式IIIの別の好ましい態様では、Bは脂肪族カルボニル基である。式IIIの別の好ましい態様では、Bはベンゾイックカルボニル基である。
【0060】
式IIIの他の態様では、Bは脂肪族カルボニル基である。式IIIの別の好ましい態様では、Bはベンゾイックカルボニル基である。
【0061】
式Iの特定の態様は式IVの化合物である:
【0062】
【化4】

【0063】
(式中、RおよびRは独立に、水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルキルアリール、C〜Cアルキルヘテロアリール、C〜Cアルキルヘテロシクリルであるか、あるいはRおよびRは一緒になって、環すなわちシクロアルキルまたはヘテロシクリルを形成し、
は、水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルキルアリール、C〜Cアルキルヘテロアリール、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cカルボニル、C〜Cカルボニルアミノ、C〜Cアルコキシ、C〜Cスルホニル、C〜Cスルホニルアミノ、C〜CチオアルキルまたはC〜Cカルボキシルであり、存在する場合、その立体中心は独立に「R」または「S」配置のいずれかであり、
、XおよびXは独立に、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、アミノ、アミノカルボニル、ニトロ、シアノ、C〜Cカルボニル、C〜Cカルボニルアミノ、C〜Cアルコキシ、C〜Cスルホニル、C〜Cスルホニルアミノ、C〜CチオアルキルまたはC〜Cカルボキシルであり、
Bは、水素、C〜C18アルキル、C〜C18アルキルアリール、C〜C18アルキルヘテロアリール、C〜C18カルボニル、C〜C18カルボニルアミノ、C〜C18スルホニル、C〜C18スルホニルアミノまたはC〜C18カルボキシルであり、存在する場合、その立体中心は独立に「R」または「S」配置のいずれかであり、
Zは、結合、C〜Cアルキル、ヘテロアルキルまたはO原子である)。
【0064】
式IVの特定の態様は、R、RおよびRが独立にメチルまたは水素であり、かつX、XおよびXが水素である化合物である。
【0065】
式IVの他の態様では、Bは脂肪族カルボニル基である。式IVの他の態様では、Bは、ベンゾイック、ピリジル、ナフチル、ベンゾチオフェンまたはチアゾールカルボニル基である。式IVの他の態様では、BはC〜Cアルキルアリール、Cカルボニル、Cカルボニルアミノ、CカルボキシルまたはCヒドロキシルアリールである。
【0066】
本発明に係るベンズアミド化合物としては、式IIで表される化合物が挙げられる:
【0067】
【化5】

【0068】
(式中、R、RおよびRは独立に、水素、C〜Cアルキル、アリール、C〜Cアルキルアリール、C〜Cアルキルヘテロアリール、C〜Cアルキルヘテロシクリル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cカルボニル、C〜Cカルボニルアミノ、C〜Cアルコキシ、C〜Cスルホニル、C〜Cスルホニルアミノ、C〜CチオアルキルまたはC〜Cカルボキシルであるか、または、互いに環を形成するか、または、Aと共に環を形成し、
Aは、C〜Cアルキルであるか、R、RまたはRと共に環構造を形成し、
Bは、水素、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、C〜C22アルキル、C〜C22アルキルアリール、C〜C22アルキルヘテロアリール、C〜C22アルケニル、C〜C22アルキニル、C〜C22カルボニル、C〜C22カルボニルアミノ、C〜C22アルコキシ、C〜C22スルホニル、C〜C22スルホニルアミノ、C〜C22チオアルキルまたはC〜C22カルボキシルであり、存在する場合、その立体中心は独立に「R」または「S」配置のいずれかであり、
、XおよびXは独立に、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、アミノ、アミノカルボニル、ニトロ、シアノ、C〜Cカルボニル、C〜Cカルボニルアミノ、C〜Cアルコキシ、C〜Cスルホニル、C〜Cスルホニルアミノ、C〜CチオアルキルまたはC〜Cカルボキシルであり、
二重丸
【0069】
【化6】

【0070】
は、芳香族環もしくは複素芳香族環を表し、
各Zは独立に、結合、C〜Cアルキル、ヘテロアルキルまたはO原子である)。
【0071】
式IIでは、あらゆるすべての立体中心は独立に、「R」または「S」配置のいずれかである。
【0072】
式IIの特定の態様では、Rは水素またはC〜Cアルキルであり、BはC〜C22カルボニルであり、存在する場合、その立体中心は独立に「R」または「S」配置のいずれかであり、X、XおよびXは独立に水素またはハロゲンであり、二重丸
【0073】
【化7】

【0074】
は、芳香族環もしくは複素芳香族環を表し、Zは、結合、C〜Cアルキル、ヘテロアルキルまたはO原子である。
【0075】
本発明に係る化合物としては、式Vに係る化合物が挙げられる:
【0076】
【化8】

【0077】
(式中、Zは結合または−CH−であり、
Bはアリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、C〜C22アルキル、C〜C22アルキルアリール、C〜C22アルキルヘテロアリール、C〜C22アルケニル、C〜C22アルキニル、C〜C22カルボニル、C〜C22カルボニルアミノ、C〜C22アルコキシ、C〜C22スルホニル、C〜C22スルホニルアミノ、C〜C22チオアルキルまたはC〜C22カルボキシルである)。
【0078】
本発明に係る化合物としては、式(VI)に係る化合物が挙げられる:
【0079】
【化9】

【0080】
(式中、RはC〜Cアルキルであり、nは0〜3である)。
【0081】
いくつかの態様では、Rはメチルであり、nは2である。
【0082】
本発明に係る化合物としては、式I、II、III、IV、VまたはVIに係る化合物の塩および溶媒和物が挙げられる。ラセミ化合物が存在する場合、各鏡像異性体またはジアステレオマーは別々に使用してもよく、あるいは任意の割合で一緒にしてもよい。互変異性体が存在する場合、すべての可能な互変異性体が具体的に想定される。
【0083】
本発明に係る化合物としては、以下に示す化合物E482〜E496が挙げられる:
【0084】
【化10】

【0085】
【化11】

【0086】
【化12】

【0087】
【化13】

【0088】
【化14】

【0089】
【化15】

【0090】
【化16】

【0091】
および
【0092】
【化17】

【0093】
化合物の合成
アミノイソキノリンアミドまたは置換ベンズアミド化合物は、図1〜図5に示す一般的なスキームに従って合成することができる。
【0094】
図1の合成スキームに従って、エステル(1)をTIPS基で保護し、ブロモメチルフタルイミドでアルキル化して化合物(3)を得ることができる。次いで、このエステルをLiOH・HOで加水分解して二酸(4)を得て、カップリング剤としてEDCを用いて6−アミノイソキノリンと結合させてもよい。ヒドラジンを用いてアミン(6)を得た後、BocOで保護して(7)を得ることができる。ヒドロキシル基の脱保護はTBAFを用いて行ってもよく、適当な酸との結合は、EDCまたは酸塩化物を用いて達成してもよい。HClを用いてアミンの脱保護を達成して最終的なアミノイソキノリンアミドを得ることができる。
【0095】
図1と同様に、図2の合成スキームを、メチルエステルおよびTIPSアルコールとして2−(4−(ヒドロキシメチル)フェニル)酢酸を保護することで開始してE457を得ることができる。次いで、このメチルエステルをブロモメチルフタルイミドでアルキル化して化合物E459を得てもよい。このエステルをLiOH・HOで加水分解して二酸E460を得て、カップリング剤としてEDCを用いて6−アミノイソキノリンに結合させて化合物E461を得てもよい。アミンE462の形成はヒドラジンを用いて達成し、次いでBocOで保護してE463を得ることができる。ヒドロキシル基の脱保護はTBAFを用いて行ってもよく、適当な酸との結合はEDCまたは酸塩化物を用いて達成してもよい。アミンの脱保護はHClを用いて達成して最終的なアミノイソキノリンアミドを得ることができる。
【0096】
ベンズアミドは、図3の合成スキームに示すように、図2に概説されている手順を用いるが、最適なパラアミノベンズアミドをアミノイソキノリンの代わりに用いて合成することができる。
【0097】
図3の合成スキームのパラアミノベンズアミド前駆体は、市販されているものであっても、図4〜図5の一般的な合成スキームによって合成したものであってもよい。
【0098】
図4によれば、塩化オキサリルを用いて適当な酸をその酸塩化物に変換し、次いでアンモニアガスまたは別のアミンと反応させてアミドを得てもよい。ニトロ基を水素または別の還元剤を用いてアニリンに還元してもよい。次いで、図3に示すように、EDCおよびDMAPのピリジン溶液などの標準的なカップリング手順を用いてアニリンを適当な酸と結合させてもよい。
【0099】
他の合成経路は、図5の合成スキームに概説されている。図5によれば、EDCおよびDMAPのピリジン溶液などの標準的なカップリング手順を用いてアニリンを適当な酸と結合させてもよい。次いで、このエステルを、ホルムアミドおよびNaOMeのDMF溶液を用いて対応する第一級アミドに、あるいはMeOHなどの溶媒に溶解した適当なアミンと共に加熱して置換アミドに変換してもよい。
【0100】
図に示す合成スキームに使用されている略語は以下の意味を有する:BocOは二炭酸ジ−tert−ブチルであり、DMAPはジメチルアミノピリジンであり、DMSOはジメチルスルホキシドであり、HATUは2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファートであり、LDAはリチウムジイソプロピルアミドであり、DMFはジメチルホルムアミドであり、THFはテトラヒドロフランであり、EDCはN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩である。
【0101】
組成物
式I〜VIの化合物を組成物として提供または製剤化してもよい。本化合物を、医薬的に許容される担体に入れるかそれと一緒にした医薬的に許容される製剤として投与してもよい。
【0102】
本発明に係る化合物を1種以上のさらなる治療薬と併用投与してもよい。好適なさらなる治療薬としては、β遮断薬、α作用薬、炭酸脱水酵素阻害薬、プロスタグランジン様化合物、縮瞳薬すなわちコリン作用薬、またはエピネフリン化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0103】
β遮断薬によって眼房水の生成を減少させる。例としては、レボブノロール(BETAGAN(登録商標))、チモロール(BETIMOL(登録商標)、TIMOPTIC(登録商標))、ベタキソロール(BETOPTIC(登録商標))およびメチプラノロール(OPTIPRANOLOL(登録商標))が挙げられる。
【0104】
α作用薬によって眼房水の生成を減少させ、かつ排水を増加させる。例としては、アプラクロニジン(IOPIDINE(登録商標))およびブリモニジン(ALPHAGAN(登録商標))が挙げられる。
【0105】
炭酸脱水酵素阻害剤によって眼房水の生成を減少させる。例としては、ドルゾラミド(TRUSOPT(登録商標))およびブリンゾラミド(AZOPT(登録商標))が挙げられる。
【0106】
プロスタグランジンおよびプロスタグランジン様化合物によって眼房水の流出を増加させる。例としては、ラタノプロスト(XALATAN(登録商標))、ビマトプロスト(LUMIGAN(登録商標))およびトラボプロスト(TRAVATAN(商標))が挙げられる。
【0107】
縮瞳薬すなわちコリン作用薬によって眼房水の流出を増加させる。例としては、ピロカルピン(ISOPTO CARPINE(登録商標)、PILOPINE(登録商標))およびカルバコール(ISOPTO CARBACHOL(登録商標))が挙げられる。
【0108】
また、エピネフリン化合物(例えばジピベフリン)(PROPINE(登録商標))によって眼房水の流出を増加させる。
【0109】
さらなる治療薬または薬剤は、本発明の本化合物と同時または順次に投与してもよい。順次投与としては本発明の化合物の前後の投与が挙げられる。いくつかの態様では、さらなる治療薬または薬剤を本発明の化合物と同じ組成物に入れて投与してもよい。他の態様では、さらなる治療薬の投与時間と本発明の化合物の投与時間とを空けてもよい。
【0110】
いくつかの態様では、本発明の化合物と併用するさらなる治療薬の投与によって、他の治療薬の用量を減少させ、かつ/またはより少ない頻度で投与してもよい。
【0111】
本発明に従って使用される医薬組成物を、1種以上の生理学的に許容される担体または賦形剤を用いる従来の方法で製剤化してもよい。従って、本化合物およびそれらの生理学的に許容される塩および溶媒和物を、例えば、固形投与、局所油性製剤(topical oil-based formulation)での点眼、注射、(経口または経鼻)吸入、埋め込み、経口、口内、非経口または直腸投与のために製剤化してもよい。技術および製剤については、一般に「Reminington's Pharmaceutical Sciences(レミントン薬学)」(Meade Publishing Co., Easton, Pa.)を参照することができる。治療用組成物は典型的に、製造および保存条件下で無菌かつ安定でなければならない。
【0112】
本発明の組成物は、安全かつ有効な量の対象化合物と、医薬的に許容される担体とを含む。本明細書で使用される「安全かつ有効な量」とは、正しい医学的判断の範囲内で、治療対象の病気の好ましい変化(positive modification)を顕著に誘発するのに十分であるが、重大な副作用を回避する程に低量の(適切な便益/リスク比の)化合物量を意味する。化合物の安全かつ有効な量は、治療中の特定の病気、治療中の患者の年齢および健康状態、病気の重症度、治療期間、併用療法の性質、使用される特定の医薬的に許容される担体、および主治医の知識および専門技術内での同様の因子によって異なる。
【0113】
本発明の化合物(構成成分A)の投与経路および組成物の形態によって、使用される担体(構成成分B)の種類が決まる。本組成物は、例えば、全身投与(例えば、経口、直腸内、経鼻、舌下、口内、埋め込みまたは非経口投与)あるいは局所投与(例えば、経皮、経肺、経鼻、耳内(aural)もしくは眼投与、リポソーム送達系またはイオン導入)に適した様々な形態であってもよい。
【0114】
全身投与用の担体は典型的に、a)希釈剤、b)滑沢剤、c)結合剤、d)崩壊剤、e)着色剤、f)着香剤、g)甘味料、h)抗酸化剤、j)防腐剤、k)流動促進剤、m)溶剤、n)懸濁化剤、o)湿潤剤、p)界面活性剤、それらの組み合わせおよびその他のうちの少なくとも1種を含む。全ての担体は、全身用組成物においては任意成分である。
【0115】
成分a)は希釈剤である。固体剤形に適した希釈剤としては、グルコース、ラクトース、デキストロースおよびスクロースなどの糖類、プロピレングリコールなどのジオール類、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、グリセリンなどの糖アルコール類、マンニトールおよびソルビトールが挙げられる。全身もしくは局所組成物中の成分a)の量は、典型的には約50〜約90%である。
【0116】
成分b)は滑沢剤である。固体剤形に適した滑沢剤は、シリカ、タルク、ステアリン酸およびそのマグネシウム塩およびカルシウム塩、硫酸カルシウムなどの固体滑沢剤ならびにポリエチレングリコールおよび植物油(例えば、落花生油、綿実油、胡麻油、オリーブ油、トウモロコシ油およびカカオ脂)などの液体滑沢剤によって例示される。全身もしくは局所組成物中の成分b)の量は、典型的には約5〜約10%である。
【0117】
成分c)は結合剤である。固体剤形に適した結合剤としては、ポリビニルピロリドン、ケイ酸アルミニウム・マグネシウム、コーンスターチおよびじゃがいも澱粉などの澱粉類、ゼラチン、トラガントならびにセルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、メチルセルロース、微結晶性セルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウムなどのその誘導体が挙げられる。全身組成物中の成分c)の量は、典型的には約5〜約50%であり、眼用固体剤形では99%以下である。
【0118】
成分d)は崩壊剤である。固体剤形に適した崩壊剤としては、寒天、アルギン酸およびそのナトリウム塩、発泡性混合物、クロスカルメロース、クロスポビドン、カルボキシメチル澱粉ナトリウム、澱粉グリコール酸ナトリウム、粘土類およびイオン交換樹脂類が挙げられる。全身もしくは局所組成物中の成分d)の量は、典型的には約0.1〜約10%である。
【0119】
固体剤形のための成分e)は、FD&C色素などの着色剤である。成分e)が使用される場合、全身もしくは局所組成物中の成分e)の量は、典型的には約0.005〜約0.1%である。
【0120】
固体剤形のための成分f)は、メントール、ペパーミントおよび果物フレーバーなどの着香剤である。成分f)が使用される場合、全身もしくは局所組成物中の成分f)の量は、典型的には約0.1〜約1.0%である。
【0121】
固体剤形のための成分g)は、アスパルテームおよびサッカリンなどの甘味料である。全身もしくは局所組成物中の成分g)の量は、典型的には約0.001〜約1%である。
【0122】
成分h)は、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)およびビタミンEなどの抗酸化剤である。全身もしくは局所組成物中の成分h)の量は、典型的には約0.1〜約5%である。
【0123】
成分j)は、塩化ベンザルコニウム、メチルパラベンおよび安息香酸ナトリウムなどの防腐剤である。全身もしくは局所組成物中の成分j)の量は、典型的には約0.01〜約5%である。
【0124】
固体剤形のための成分k)は、二酸化ケイ素などの流動促進剤である。全身もしくは局所組成物中の成分k)の量は、典型的には約1〜約5%である。
【0125】
成分m)は、水、等張食塩水、オレイン酸エチル、グリセリン、水添ヒマシ油、アルコール類(例えば、エタノール)およびリン酸緩衝液などの溶剤である。全身もしくは局所組成物中の成分m)の量は、典型的には約0〜約100%である。
【0126】
成分n)は懸濁化剤である。好適な懸濁化剤としては、AVICEL(登録商標)RC−591(ペンシルベニア州フィラデルフィアのFMC社製)およびアルギン酸ナトリウムが挙げられる。全身もしくは局所組成物中の成分n)の量は、典型的には約1〜約8%である。
【0127】
成分o)は、レシチン、ポリソルベート80、ラウリル硫酸ナトリウムおよびデラウエア州ウィルミントンのAtlas Powder社製TWEENS(登録商標)などの界面活性剤である。好適な界面活性剤としては、C.T.F.A. Cosmetic Ingredient Handbook(CTFA化粧品成分ハンドブック), 1992, pp.587-592、Remington's Pharmaceutical Sciences(レミントン薬学), 15th Ed. 1975, pp. 335-337およびMcCutcheon's Volume 1, Emulsifiers & Detergents(マカッチョンの第1巻:乳化剤および洗剤), 1994, North American Edition, pp. 236-239に開示されているものが挙げられる。全身もしくは局所組成物中の成分o)の量は、典型的には約0.1%〜約5%である。
【0128】
全身組成物中の構成成分AおよびBの量は、調製される全身組成物の種類、構成成分Aのために選択される特定の誘導体および構成成分Bの成分に応じて異なり得るが、一般に、全身組成物は、0.01%〜50%の構成成分Aと、50%〜99.99%の構成成分Bとを含む。
【0129】
非経口投与用の組成物は典型的に、0.1%〜10%のA)本発明の化合物と、a)希釈剤およびm)溶剤を含む90%〜99.9%のB)担体とを含む。一態様では、成分a)はプロピレングリコールを含み、成分m)はエタノールまたはオレイン酸エチルを含む。
【0130】
経口投与用の組成物は、様々な剤形を有することができる。例えば、固形としては、錠剤、カプセル、顆粒および原末が挙げられる。これらの経口剤形は、安全かつ有効な量の、通常は少なくとも約5%、特に約25%〜約50%の構成成分Aを含む。経口投与組成物は、約50〜約95%、特に約50〜約75%の構成成分Bをさらに含む。
【0131】
錠剤は、圧縮錠、粉薬錠剤、腸溶性錠剤、糖衣錠、フィルムコート錠または多重圧縮錠(multiple-compressed)であってもよい。錠剤は典型的に、構成成分Aと、a)希釈剤、b)滑沢剤、c)結合剤、d)崩壊剤、e)着色剤、f)着香剤、g)甘味料、k)流動促進剤およびそれらの組み合わせからなる群から選択される成分を含む構成成分B(担体)とを含む。具体的な希釈剤としては、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、マンニトール、ラクトースおよびセルロースが挙げられる。具体的な結合剤としては、澱粉、ゼラチンおよびスクロースが挙げられる。具体的な崩壊剤としては、アルギン酸およびクロスカルメロースが挙げられる。具体的な滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸およびタルクが挙げられる。具体的な着色剤は、見栄えのために添加することができるFD&C色素である。咀嚼錠は、好ましくは、アスパルテームおよびサッカリンなどのg)甘味料、メントール、ペパーミント、果物フレーバーなどのf)着香剤、またはそれらの組み合わせを含む。
【0132】
カプセル(埋め込み製剤、持続放出性および徐放性製剤を含む)は典型的に、ゼラチンを含むカプセル内に、構成成分Aと、1種以上の上に開示したa)希釈剤を含む担体とを含む。顆粒は、典型的には構成成分Aを含み、好ましくは流動特性を向上させるための二酸化ケイ素などの)流動促進剤をさらに含む。埋め込み製剤は、生分解性または非生分解性であってもよい。埋め込み製剤は、任意の公知の生体適合性製剤を用いて調製してもよい。
【0133】
経口組成物用の担体中の成分の選択は、本発明の目的にとって重要ではない味、費用および貯蔵性のような二次的検討事項によって決まる。当業者であれば過度な実験をせずに適当な成分を選択する方法が分かっている。
【0134】
また、構成成分Aが所望の投与箇所(application)近くの消化管で、あるいは所望の作用を広げるために様々な箇所および時間で放出されるように、固体組成物を、典型的にはpHまたは時間依存性コーティングを用いる従来の方法でコーティングしてもよい。コーティングは典型的に、酢酸フタル酸セルロース、ポリ酢酸フタル酸ビニル、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、EUDRAGIT(登録商標)コーティング(ドイツ、ダルムシュタットのRohm & Haas社製)、ワックス類およびシェラックからなる群から選択される1種以上の構成成分を含む。
【0135】
経口投与用の組成物は、液体の形態を有することもできる。例えば、好適な液体の形態としては、水溶液、乳濁液、懸濁液、非発泡性顆粒から再構成される溶液、非発泡性顆粒から再構成される懸濁液、発泡性顆粒から再構成される発泡性製剤、エリキシル、チンキおよびシロップなどが挙げられる。液体の経口投与組成物は典型的に、構成成分Aと、a)希釈剤、e)着色剤、f)着香剤、g)甘味料、j)防腐剤、m)溶剤、n)懸濁化剤およびo)界面活性剤からなる群から選択される成分を含む構成成分Bすなわち担体とを含む。経口液体組成物は、好ましくはe)着色剤、f)着香剤およびg)甘味料からなる群から選択される1種以上の成分を含む。
【0136】
対象化合物の全身送達を達成するのに有用な他の組成物としては、舌下、口内および経鼻剤形が挙げられる。そのような組成物は典型的に、a)希釈剤(例えば、スクロース、ソルビトールおよびマンニトール)およびc)結合剤(例えば、アカシア、微結晶性セルロース、カルボキシメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース)などの1種以上の可溶性充填剤物質を含む。そのような組成物は、b)滑沢剤、e)着色剤、f)着香剤、g)甘味料、h)抗酸化剤およびk)流動促進剤をさらに含んでいてもよい。
【0137】
本発明の一態様では、本発明の化合物を局所投与する。眼に局所塗布可能な局所組成物は当該技術分野で知られている任意の形態であってもよく、非限定的な例としては、固形、液体点眼薬、ゲル化点眼薬、スプレー、軟膏または眼の結膜円蓋または別の適当な位置に配置される徐放性もしくは非徐放性単位剤形(unit)が挙げられる。
【0138】
皮膚に局所塗布可能な局所組成物は、固体、溶液、油、クリーム、軟膏、ゲル、ローション、シャンプー、流さない/流すタイプのヘアコンディショナー、ミルク、洗浄剤、保湿剤、スプレーおよび皮膚パッチなどを含む任意の形態であってもよい。局所組成物は、構成成分A(上記化合物)と、構成成分B(担体)とを含む。局所組成物の担体は、好ましくは本化合物の皮膚への浸透を助ける。構成成分Bは、任意成分として1種以上の成分をさらに含んでいてもよい。
【0139】
構成成分Aと共に用いられる担体の量は、薬の単位投与量当たりの投与組成物の実用的な量を与えるのに十分な量である。本発明の方法において有用な剤形を製造する技術および組成は以下の参考文献に記載されている:Modern Pharmaceutics(現代の薬剤学), Chapters 9 and 10, Banker & Rhodes, eds. (1979)、Lieberman et al., Pharmaceutical Dosage Forms: Tablets(医薬剤形:錠剤) (1981)およびAnsel, Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms(医薬剤形の入門書), 2nd Ed., (1976)。
【0140】
構成成分Bは、1種の成分あるいは2種以上の成分の組み合わせを含んでいてもよい。局所組成物では、構成成分Bは局所用担体を含む。好適な局所用担体は、リン酸緩衝液、等張水、脱イオン水、単官能アルコール類、対称性アルコール類、アロエベラゲル、アラントイン、グリセリン、ビタミンAおよびE油、鉱油、プロピレングリコール、PPG−2プロピオン酸ミリスチル、ジメチルイソソルビド、ヒマシ油およびそれらの組み合わせなどからなる群から選択される1種以上の成分を含む。より詳細には、皮膚塗布用の担体としては、プロピレングリコール、ジメチルイソソルビドおよび水が挙げられ、さらにより詳細には、リン酸緩衝液、等張水、脱イオン水、単官能アルコール類および対称性アルコール類が挙げられる。
【0141】
局所組成物の担体は、q)皮膚軟化剤、r)噴射剤、s)溶剤、t)保湿剤、u)増粘剤、v)粉末、w)芳香剤、x)顔料およびy)防腐剤からなる群から選択される1種以上の成分をさらに含んでいてもよい。
【0142】
成分q)は皮膚軟化剤である。皮膚用の局所組成物中の成分q)の量は、典型的には約5〜約95%である。好適な皮膚軟化剤としては、ステアリルアルコール、モノリシノール酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、プロパン−1,2−ジオール、ブタン−1,3−ジオール、ミンクオイル、セチルアルコール、イソステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸、パルミチン酸イソブチル、ステアリン酸イソセチル、オレイルアルコール、ラウリル酸イソプロピル、ラウリル酸ヘキシル、オレイン酸デシル、オクタデカン−2−オール、イソセチルアルコール、パルミチン酸セチル、セバシン酸ジ−n−ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ポリエチレングリコール、トリエチレングリコール、ラノリン、胡麻油、ココナッツ油、落花生油、ヒマシ油、アセチル化ラノリンアルコール類、石油、鉱油、ミリスチン酸ブチル、イソステアリン酸、パルミチン酸、リノール酸イソプロピル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸ミリスチルおよびそれらの組み合わせが挙げられる。具体的な皮膚軟化剤としては、ステアリルアルコールおよびポリジメチルシロキサンが挙げられる。
【0143】
成分r)は噴射剤である。局所組成物中の成分r)の量は、典型的には約0%〜約95%である。好適な噴射剤としては、プロパン、ブタン、イソブタン、ジメチルエーテル、二酸化炭素、亜酸化窒素およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0144】
成分(s)は溶剤である。局所組成物中の成分s)の量は、典型的には約0%〜約95%である。好適な溶剤としては、水、エチルアルコール、塩化メチレン、2−プロパノール、ヒマシ油、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフランおよびそれらの組み合わせが挙げられる。具体的な溶剤としては、エチルアルコールおよびホモトピック(homotopic)アルコール類が挙げられる。
【0145】
成分t)は保湿剤である。局所組成物中の成分t)の量は、典型的には0%〜95%である。好適な保湿剤としては、グリセリン、ソルビトール、2−ピロリドン−5−カルボン酸ナトリウム、可溶性コラーゲン、フタル酸ジブチル、ゼラチンおよびそれらの組み合わせが挙げられる。具体的な保湿剤としてはグリセリンが挙げられる。
【0146】
成分u)は増粘剤である。局所組成物中の成分u)の量は、典型的には約0%〜約95%である。
【0147】
成分v)は粉末である。局所組成物中の成分v)の量は、典型的には0%〜95%である。好適な粉末としては、β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、チョーク、タルク、フラー土、カオリン、澱粉、ゴム、コロイド状二酸化ケイ素、ポリアクリル酸ナトリウム、テトラアルキルアンモニウムスメクタイト、トリアルキルアリールアンモニウムスメクタイト、化学修飾ケイ酸アルミニウム・マグネシウム、有機修飾モンモリロナイト粘土、含水珪酸アルミニウム、ヒュームドシリカ、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、モノステアリン酸エチレングリコールおよびそれらの組み合わせが挙げられる。眼投与用の具体的な粉末としては、β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルシクロデキストリンおよびポリアクリル酸ナトリウムが挙げられる。ゲル状(gel dosing)眼用製剤のために、ポリアクリル酸ナトリウムを使用してもよい。
【0148】
成分w)は芳香剤である。局所組成物中の成分w)の量は、典型的には約0%〜約0.5%、特に約0.001%〜約0.1%である。眼投与用では、芳香剤は通常使用されない。
【0149】
成分x)は顔料である。皮膚塗布に適した顔料としては、無機顔料、有機レーキ顔料、真珠光沢顔料およびそれらの混合物が挙げられる。本発明に有用な無機顔料としては、カラーインデックスに参照番号CI77,891としてコード化されているルチル型またはアナターゼ型二酸化チタン、参照番号CI77,499、77,492および77,491としてコード化されている黒色、黄色、赤色および褐色酸化鉄、マンガンバイオレット(CI77,742)、群青(CI77,007)、酸化クロム(CI77,288)、水酸化クロム(CI77,289)およびフェリックブルー(CI77,510)およびそれらの混合物からなる群から選択されるものが挙げられる。
【0150】
本発明に有用な有機顔料およびレーキとしては、D&CレッドNo.19(CI45,170)、D&CレッドNo.9(CI15,585)、D&CレッドNo.21(CI45,380)、D&CオレンジNo.4(CI15,510)、D&CオレンジNo.5(CI45,370)、D&CレッドNo.27(CI45,410)、D&CレッドNo.13(CI15,630)、D&CレッドNo.7(CI15,850)、D&CレッドNo.6(CI15,850)、D&CイエローNo.5(CI19,140)、D&CレッドNo.36(CI12,085)、D&CオレンジNo.10(CI45,425)、D&CイエローNo.6(CI15,985)、D&CレッドNo.30(CI73,360)、D&CレッドNo.3(CI45,430)、コチニールカルミン(CI75,570)をベースとする色素またはレーキおよびそれらの混合物からなる群から選択されるものが挙げられる。
【0151】
本発明に有用な真珠光沢顔料としては、酸化チタンまたはオキシ塩化ビスマスでコーティングされた雲母などの白色真珠光沢顔料、酸化鉄でコーティングされたチタン雲母、フェリックブルーおよび酸化クロムなどでコーティングされたチタン雲母、上記種類の有機顔料でコーティングされたチタン雲母などの有色真珠光沢顔料ならびにオキシ塩化ビスマスをベースとするもの、およびそれらの混合物からなる群から選択されるものが挙げられる。局所組成物中の顔料の量は、典型的には約0%〜約10%である。眼投与用では、顔料は一般に使用されない。
【0152】
本発明の他の特定の態様では、典型的に構成成分Aと、精製水などの構成成分B(担体)と、デキストラン、特にマンニトールおよびデキストラン70などのy)糖類または糖アルコール類、z)セルロースまたはその誘導体、aa)塩、bb)EDTA二ナトリウム(エデト酸二ナトリウム)、およびcc)pH調節剤からなる群から選択される1種以上の成分とを含む、眼投与用の局所医薬組成物を調製する。
【0153】
眼投与用の局所医薬組成物での使用に適したz)セルロース誘導体の例としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース、特にヒドロキシプロピル−メチルセルロースが挙げられる。
【0154】
眼投与用の局所医薬組成物での使用に適したaa)塩の例としては、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩酸塩、塩化ナトリウム、塩化カリウムおよびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0155】
cc)pH調節剤の例としては、眼投与用の局所医薬組成物のpHを5.0〜7.5に調節するのに十分な量のHClまたはNaOHが挙げられる。
【0156】
構成成分Aは、構成成分A(上記全身もしくは局所組成物またはその両方)と、情報もしくは説明書またはその両方とを含むキット内に含まれていてもよく、そのキットの使用によって、哺乳類(特にヒト)における美容および病気の治療が提供される。情報および説明書は、言葉もしくは絵またはその両方などの形態であってもよい。追加として、あるいは代わりとして、当該キットは、薬もしくは組成物またはその両方と、好ましくは哺乳類(例えばヒト)における美容および病気の治療または予防に有益な、薬または組成物の投与方法に関する情報もしくは説明書またはその両方とを含んでいてもよい。
【0157】
使用方法
式I〜VIに係る化合物およびそれらを含む組成物はキナーゼ阻害活性を有していてもよく、従って、キナーゼによって影響を受ける疾患または病気の治療および/または予防において、キナーゼの作用に影響を与えるかキナーゼの作用を阻害するのに有用となり得る。少なくとも本化合物はNET活性を有していてもよく、これはNETの作用に影響を与えるのに有用となり得る。いくつかの態様では、キナーゼすなわち具体的には少なくともローキナーゼと強く相互作用し、かつモノアミン輸送体タンパク質(MAT)すなわち具体的には少なくともNETタンパク質とも相互作用する特異的なリガンドを含む組成物を投与することを含んでいてもよい方法が提供される。
【0158】
特定の態様によれば、細胞または培地においてキナーゼの作用に影響を与えかつ/またはキナーゼの作用を阻害する方法が提供される。特定の態様では、細胞または培地においてNETに影響を与えかつ/またはNETを阻害する方法が提供される。細胞は生体外にあっても、体内にあっても、生体内にあってもよい。培地としてはアッセイ培地が挙げられる。本方法は、式I、II、III、IV、VまたはVIに係る化合物の有効量を培地に添加することまたはそれらに細胞を接触させることを含んでいてもよい。本方法は、式I、II、III、IV、VまたはVIに係る化合物の有効量および医薬的に許容される担体を含む組成物を培地に添加することまたはそれらに細胞を接触させることを含んでいてもよい。いくつかの態様では、阻害されるキナーゼはローキナーゼであってもよい。
【0159】
特定の態様によれば、疾患、障害または病気の治療方法が提供される。本方法は、式I、II、III、IV、VまたはVIに係る化合物を対象に投与することを含んでいてもよい。本方法は、式I、II、III、IV、VまたはVIに係る化合物および医薬的に許容される担体を含む組成物を対象に投与することを含んでいてもよい。疾患、障害または病気としては、キナーゼ活性に関連する疾患または病気あるいはキナーゼによって影響を受ける疾患または病気のいずれかが挙げられる。例えば、当該疾患は、緑内障および網膜疾患(例えば、Wet AMD、Dry AMD(炎症)およびDME)などの眼疾患、骨粗鬆症などの骨障害、脳血管痙攣、冠状動脈血管痙攣、高血圧症、肺高血圧症、突然死症候群、狭心症、心筋梗塞、再狭窄、発作、高血圧性血管疾患、心不全、移植心冠動脈病変、静脈移植片疾患などの血管疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)および喘息などの肺疾患、脊髄損傷、アルツハイマー病、多発性硬化症、鬱病、注意欠陥多動性障害および神経因性疼痛などの神経障害、血管新生疾患および癌、肥満症および勃起障害からなる群から選択されるものであってもよい。本発明の化合物は、眼内圧の低下においても有用となり得る。従って、これらの化合物は緑内障の治療において有用となり得る。緑内障を治療するための好ましい投与経路は局所的なものである。
【0160】
さらなる側面では、本発明は、キナーゼ活性を調節するのに有効な量の上記式I、II、III、IV、VまたはVIに係る化合物に細胞を接触させることを含む、キナーゼ活性を調節する方法を提供する。
【0161】
さらなる側面では、本発明は、眼内圧を低下させるのに有効な量の上記式I、II、III、IV、VまたはVIに係る化合物に細胞を接触させることを含む、眼内圧を低下させる方法を提供する。
【0162】
全身投与のための本化合物の投与量範囲は、1日約0.001〜約100mg/kg体重、好ましくは約0.01〜約10mg/kg体重、最も好ましくは約0.05〜約5mg/kg体重である。経皮投与量は、薬物動態および経皮製剤の当業者に知られている技術に基づいて同様の血清または血漿中濃度を達成するように設計されているであろう。全身投与のための血漿中濃度は、0.1〜1000ng/mL、より好ましくは0.5〜500ng/mL、最も好ましくは1〜100ng/mLの範囲であると予測される。これらの投与量は1日ごとの投与に基づいているが、臨床的必要量の計算のために週または月ごとの累積投与量を使用してもよい。
【0163】
投与量は、所望の効果を達成するために、治療中の患者、治療中の病気、治療中の病気の重症度、投与経路などに基づいて変更してもよい。
【0164】
以下の例示的な実施例によって本発明をさらに説明するが、本発明はそれらによって限定されるものではない。
【実施例】
【0165】
参考例1
すべての温度は摂氏温度であった。試薬および出発物質は、商業的供給源から購入したか公開文献の手順に従って調製した。
【0166】
特に断りのない限り、必要に応じて化合物を少量のDMSOに再溶解し、0.45ミクロンの(ナイロン製ディスク)注射器フィルターで濾過してHPLC精製を行った。次いで、この溶液を、例えば、50mm Varian Dynamax HPLC 21.4 mm Microsorb Guard-8 C8カラムを用いて精製した。目的化合物に適したものとして、40〜80%MeOH:HOからなる典型的な初期溶出混合液を選択した。この初期勾配を0.5分間維持した後、5分間かけて100%MeOH:0%HOに増加させた。100%MeOHをさらに2分間維持した後、初期開始勾配に戻して再平衡化させた。典型的な全操作時間は8分間だった。得られた画分を分析し、必要に応じて一緒にした後、蒸発させて精製材料を得た。
【0167】
プロトン磁気共鳴(H−NMR)スペクトルを、Varian INOVA 600 MHz (1H) NMR分光計、Varian INOVA 500 MHz (1H) NMR分光計、Varian Mercury 300 MHz (1H) NMR分光計またはVarian Mercury 200 MHz (1H) NMR分光計のいずれかを用いて測定した。全スペクトルを指定の溶媒で測定した。化学シフトはテトラメチルシランの低磁場側のppmで表わすが、H−NMRの各溶媒ピークの残りのプロトンピークを基準とする。プロトン間の結合定数はヘルツ(Hz)で表わす。
【0168】
Alliance 2695 HPLCおよび2487二波長UV検出器を備えたWaters ZQ MS ESI装置を用いて、分析LCMSスペクトルを得た。スペクトルを254nmおよび230nmで分析した。試料を、ガードカラム(3.9×20mm、5μ)を備えたまたは備えていないWaters Symmetry C18 4.6×75 mm 3.5μカラム内に通した。勾配は0.8mL/分の流速で、移動相A:0.1%ギ酸水溶液および移動相B:ACN(アセトニトリル)を用いて行なった。2種類の勾配を以下に示す:
勾配A 勾配B
時間 A% B% 時間 A% B%
0.00 80.0 20.0 0.00 95.0 20.0
1.00 80.0 20.0 1.00 9.0 25.0
6.00 25.0 75.0 6.00 40.0 75.0
7.00 5.0 95.0 7.00 5.0 95.0
8.00 5.0 95.0 8.00 5.0 95.0
9.00 80.0 20.0 9.00 95.0 20.0
12.00 80.0 20.0 12.00 95.0 20.0
MSプローブの設定は、コーン電圧が38mV、脱溶媒和温度が250℃であった。これらの方法の任意の変形例を以下に記載する。
【0169】
以下の調製は、中間体の調製手順およびアミノイソキノリンアミド誘導体または置換されたベンズアミド誘導体の調製方法を説明するものである。
【0170】
実施例1〜12
化合物E1〜E12を、図1および図6に示すスキームに従って合成することができる。例えば、2−(4−(トリイソプロピルシリルオキシ)フェニル)酢酸メチル(E2)を以下に従ってE1から合成した:
【0171】
【化18】

【0172】
0℃の2−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル(E1)のCHCl溶液に、2,6−ルチジンおよびTIPS−OTfを添加した。氷浴を外し、この溶液を室温まで温め、撹拌した。4時間後、この溶液をNHCl(飽和)およびCHClに入れ、有機層をNHCl(飽和)でさらに抽出した。有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(0〜15%EtOAc/ヘキサン)によって、純粋な2−(4−(トリイソプロピルシリルオキシ)フェニル)酢酸メチル(E2)を得た。
【0173】
3−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)−2−(4−(トリイソプロピルシリルオキシ)フェニル)プロパン酸メチル(E3)を以下に従ってE2から調製した:
【0174】
【化19】

【0175】
−78℃に冷却したLiHMDSのTHF溶液に、冷却した2−(4−(トリイソプロピルシリルオキシ)フェニル)酢酸メチル(E2)のTHF溶液(約−78℃)を注射器で添加した。この溶液を−78℃で30分間撹拌した。ブロモメチルフタルイミドを直接アニオンに添加し、この溶液を−78℃の浴からすぐに取り出し、氷浴に入れ、2時間撹拌した。次いで、反応系をNHCl(飽和)に入れ、EtOAcで抽出した。有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(0〜20%EtOAc/ヘキサン)によって、純粋な3−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)−2−(4−(トリイソプロピルシリルオキシ)フェニル)プロパン酸メチル(E3)を得た。
【0176】
2−(2−カルボキシ−2−(4−(トリイソプロピルシリルオキシ)フェニル)エチルカルバモイル)安息香酸(E4)を以下に従ってE3から調製した:
【0177】
【化20】

【0178】
3−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)−2−(4−(トリイソプロピルシリルオキシ)フェニル)プロパン酸メチル(E3)のTHF/HO溶液に、LiOH・HOを添加し、この溶液を1.5時間すなわち生成物への変換がLC−MSで確認できるまで撹拌した。次いで、この溶液をEtOAc/NHCl(飽和)/1規定HCl(3:1)に入れ、水層をEtOAcでさらに抽出した。有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、蒸発させ、乾燥して、粗製の2−(2−カルボキシ−2−(4−(トリイソプロピルシリルオキシ)フェニル)エチルカルバモイル)安息香酸(E4)を得た。
【0179】
3−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)−N−(イソキノリン−6−イル)−2−(4−(トリイソプロピルシリルオキシフェニル)プロパンアミド(E5)を以下に従ってE4から調製した:
【0180】
【化21】

【0181】
2−(2−カルボキシ−2−(4−(トリイソプロピルシリルオキシ)フェニル)エチルカルバモイル)安息香酸(E4)のピリジン溶液に、EDC、DMAPおよび6−アミノイソキノリンを添加し、この溶液を窒素で置換し、蓋をし、一晩撹拌した。混合物をEtOAc/NaHCO(飽和)に入れ、水層をEtOAcでさらに抽出した。有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(5%MeOH/CHCl)によって、純粋な3−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)−N−(イソキノリン−6−イル)−2−(4−(トリイソプロピルシリルオキシフェニル)プロパンアミド(E5)を得た。
【0182】
3−アミノ−N−(イソキノリン−6−イル)−2−(4−(トリイソプロピルシリルオキシ)フェニル)プロパンアミド(E6)を以下に従ってE5から調製した:
【0183】
【化22】

【0184】
3−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)−N−(イソキノリン−6−イル)−2−(4−(トリイソプロピルシリルオキシフェニル)プロパンアミド(E5)のEtOH溶液にNH−NHを添加し、この溶液を1.2時間〜2時間還流した。固体を濾過し、溶媒を蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(5%2規定NH−MeOH/CHCl)によって、純粋な3−アミノ−N−(イソキノリン−6−イル)−2−(4−(トリイソプロピルシリルオキシ)フェニル)プロパンアミド(E6)を得た。
【0185】
3−(イソキノリン−6−イルアミノ)−3−オキソ−2−(4−(トリイソプロピルシリルオキシ)フェニル)プロピルカルバミン酸tert−ブチル(E7)を以下に従ってE6から調製した:
【0186】
【化23】

【0187】
0℃の3−アミノ−N−(イソキノリン−6−イル)−2−(4−(トリイソプロピルシリルオキシ)フェニル)プロパンアミド(E6)のCHCl(7.3mL)溶液に、添加前に同様に0℃に冷却したBocOのCHCl溶液を添加した。この溶液を0℃で30分間撹拌し、さらなるBocOを添加し、この溶液をさらに30分間撹拌した後、CHCl/NaHCO(飽和)に入れた。水層をCHClでさらに抽出し、乾燥し(NaSO)、濾過し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(3%MeOH/CHCl)によって、純粋な3−(イソキノリン−6−イルアミノ)−3−オキソ−2−(4−(トリイソプロピルシリルオキシ)フェニル)プロピルカルバミン酸tert−ブチル(E7)を得た。
【0188】
2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−(イソキノリン−6−イルアミノ)−3−オキソプロピルカルバミン酸tert−ブチル(E8)を以下に従ってE7から調製した:
【0189】
【化24】

【0190】
0℃の3−(イソキノリン−6−イルアミノ)−3−オキソ−2−(4−(トリイソプロピルシリルオキシ)フェニル)プロピルカルバミン酸tert−ブチル(E7)のTHF溶液にTBAFを添加し、この溶液を0℃で45分間撹拌した。この化合物をEtOAcに入れ、NHCl(飽和)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(6%MeOH/CHCl)によって、純粋な2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−(イソキノリン−6−イルアミノ)−3−オキソプロピルカルバミン酸tert−ブチル(E8)を得た。
【0191】
ピバリン酸4−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)フェニル(E9)を以下に従ってE8から調製した:
【0192】
【化25】

【0193】
2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−(イソキノリン−6−イルアミノ)−3−オキソプロピルカルバミン酸tert−ブチル(E8)のピリジン溶液に塩化ピバロイルを添加し、この溶液を室温で2時間撹拌した。混合物をNaHCOに入れ、EtOAcで抽出した。有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(5%MeOH/CHCl)によって、純粋なピバリン酸4−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)フェニル(E9)を得た。
【0194】
ピバリン酸4−(3−アミノ−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)フェニル(E10)を以下に従ってE9から調製した:
【0195】
【化26】

【0196】
ピバリン酸4−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)フェニル(E9)のCHCl溶液に、HCl(4規定、ジオキサン溶液)を添加し、この溶液を8〜10時間撹拌した。溶媒を蒸発させて、純粋なピバリン酸4−(3−アミノ−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)フェニル(E10)を得た。
【0197】
1−メチルシクロプロパンカルボン酸4−(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)フェニル(E11)を以下に従ってE8から調製した:
【0198】
【化27】

【0199】
2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−(イソキノリン−6−イルアミノ)−3−オキソプロピルカルバミン酸tert−ブチル(E8)のピリジン溶液に、EDC、DMAPおよび1−メチルシクロプロパンカルボン酸を添加し、この溶液を窒素で置換し、蓋をし、一晩撹拌した。混合物をEtOAc/NaHCO(飽和)に入れ、水層をEtOAcでさらに抽出した。有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(5%MeOH/CHCl)によって、純粋な1−メチルシクロプロパンカルボン酸4−(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)フェニル(E11)を得た。
【0200】
1−メチルシクロプロパンカルボン酸4−(3−アミノ−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)フェニルの二塩酸塩(E12)を以下に従ってE11から調製した:
【0201】
【化28】

【0202】
1−メチルシクロプロパンカルボン酸4−(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)フェニル(E11)のCHCl溶液に、HCl(4規定、ジオキサン溶液)を添加し、この溶液を8〜10時間撹拌した。溶媒を蒸発させて、純粋な1−メチルシクロプロパンカルボン酸4−(3−アミノ−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)フェニルの二塩酸塩(E12)を得た。
【0203】
実施例13〜122
市販の化合物および基本的に実施例2〜12に示した手順を使用し、適当な出発物質に置き換え、表1に示す化合物E13〜E91を調製し、表2に示す化合物E92〜E122を合成することができるであろう。
【0204】
【表1−1】

【0205】
【表1−2】

【0206】
【表1−3】

【0207】
【表1−4】

【0208】
【表2−1】

【0209】
【表2−2】

【0210】
実施例123〜131
市販の化合物および基本的に実施例2〜12に示した手順を使用し、適当な出発物質に置き換え、表3に示す化合物E123〜E131を調製した。
【0211】
【表3】

【0212】
実施例132〜139
化合物E132〜E139を図7のスキームに従って調製した。
【0213】
2−(4−(ヒドロキシメチル)フェニル)酢酸メチル(E132)を以下に従って調製した:
【0214】
【化29】

【0215】
0℃の2−(4−(ヒドロキシメチル)フェニル)酢酸のMeOH溶液にTMS−CHNを添加した。この溶液を3時間撹拌した後、数滴のAcOHでクエンチした。溶媒を蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(SiO、3〜15%EtOAc/Hex)によって、純粋な2−(4−(ヒドロキシメチル)フェニル)酢酸メチル(E132)を得た。
【0216】
2−(4−((トリイソプロピルシリルオキシ)メチル)フェニル)酢酸メチル(E133)を以下に従ってE132から調製した:
【0217】
【化30】

【0218】
0℃の2−(4−(ヒドロキシメチル)フェニル)酢酸メチル(E132)のCHCl溶液に、2,6−ルチジンおよびTIPS−OTfを添加した。氷浴を外し、この溶液を室温まで温め、撹拌した。4時間後、この溶液をNHCl(飽和)およびCHClに入れ、有機層をNHCl(飽和)でさらに抽出した。有機層を乾燥し(MgSO)、濾過し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(SiO、0〜15%EtOAc/ヘキサン)によって、純粋な2−(4−((トリイソプロピルシリルオキシ)メチル)フェニル)酢酸メチル(E133)を得た。
【0219】
3−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)−2−(4−((トリイソプロピルシリルオキシ)メチル)フェニル)プロパン酸メチル(E134)を以下に従ってE133から調製した:
【0220】
【化31】

【0221】
−78℃に冷却したLiHMDSのTHF溶液に、冷却した2−(4−((トリイソプロピルシリルオキシ)メチル)フェニル)酢酸メチル(E133)のTHF溶液(−78℃)を注射器で添加した。この溶液を−78℃で30分間撹拌した。ブロモメチルフタルイミドを直接アニオンに添加し、この溶液を−78℃で2時間撹拌した。次いで、反応系をNHCl(飽和)に入れ、EtOAcで抽出した。有機層を乾燥し(MgSO)、濾過し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(SiO、0〜20%EtOAc/ヘキサン)によって、純粋な3−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)−2−(4−((トリイソプロピルシリルオキシ)メチル)フェニル)プロパン酸メチル(E134)を得た。
【0222】
2−(2−カルボキシ−2−(4−((トリイソプロピルシリルオキシ)メチル)フェニル)エチルカルバモイル)安息香酸(E135)を以下に従ってE134から調製した:
【0223】
【化32】

【0224】
3−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)−2−(4−((トリイソプロピルシリルオキシ)メチル)フェニル)プロパン酸メチル(E134)のTHF/HO溶液に、LiOH・HOを添加し、この溶液を1.5時間すなわち生成物への変換がLC−MSで確認できるまで撹拌した。次いで、この溶液をEtOAc/NHCl(飽和)/1規定HCl(3:1)に入れ、水層をEtOAcでさらに抽出した。有機層を乾燥し(MgSO)、濾過し、蒸発させて、粗製の2−(2−カルボキシ−2−(4−((トリイソプロピルシリルオキシ)メチル)フェニル)エチルカルバモイル)安息香酸(E135)を得た。
【0225】
3−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)−N−(イソキノリン−6−イル)−2−(4−((トリイソプロピルシリルオキシ)メチル)フェニル)プロパンアミド(E136)を以下に従ってE135から調製した:
【0226】
【化33】

【0227】
2−(2−カルボキシ−2−(4−((トリイソプロピルシリルオキシ)メチル)フェニル)エチルカルバモイル)安息香酸(E135)のピリジン溶液に、EDC、DMAPおよび6−アミノイソキノリンを添加し、この溶液を窒素で置換し、蓋をし、一晩撹拌した。混合物をEtOAc/NaHCO(飽和)に入れ、水層をEtOAcでさらに抽出した。有機層を乾燥し(MgSO)、濾過し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(SiO、5%MeOH/CHCl)によって、純粋な3−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)−N−(イソキノリン−6−イル)−2−(4−((トリイソプロピルシリルオキシ)メチル)フェニル)プロパンアミド(E136)を得た。
【0228】
3−アミノ−N−(イソキノリン−6−イル)−2−(4−((トリイソプロピルシリルオキシ)メチル)フェニル)プロパンアミド(E137)を以下に従ってE136から調製した:
【0229】
【化34】

【0230】
3−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)−N−(イソキノリン−6−イル)−2−(4−((トリイソプロピルシリルオキシ)メチル)フェニル)プロパンアミド(E136)のEtOH溶液にNH−NHを添加し、この溶液を1.2〜2時間還流した。固体を濾過し、溶媒を蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(SiO、5%2規定NH−MeOH/CHCl)によって、純粋な3−アミノ−N−(イソキノリン−6−イル)−2−(4−((トリイソプロピルシリルオキシ)メチル)フェニル)プロパンアミド(E137)を得た。
【0231】
3−(イソキノリン−6−イルアミノ)−3−オキソ−2−(4−((トリイソプロピルシリルオキシ)メチル)フェニル)プロピルカルバミン酸tert−ブチル(E138)を以下に従ってE137から調製した:
【0232】
【化35】

【0233】
0℃の3−アミノ−N−(イソキノリン−6−イル)−2−(4−((トリイソプロピルシリルオキシ)メチル)フェニル)プロパンアミド(E137)のCHCl溶液に、添加前に同様に0℃に冷却したBocOのCHCl溶液を添加した。この溶液を0℃で30分間撹拌し、さらなるBocOを添加し、この溶液をさらに30分間撹拌した後、CHCl/NaHCO(飽和)に入れた。水層をCHClでさらに抽出し、乾燥し(MgSO)、濾過し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(SiO、3%MeOH/CHCl)によって、3−(イソキノリン−6−イルアミノ)−3−オキソ−2−(4−((トリイソプロピルシリルオキシ)メチル)フェニル)プロピルカルバミン酸tert−ブチル(E138)を得た。
【0234】
2−(4−(ヒドロキシメチル)フェニル)−3−(イソキノリン−6−イルアミノ)−3−オキソプロピルカルバミン酸tert−ブチル(E139)。
【0235】
【化36】

【0236】
0℃の3−(イソキノリン−6−イルアミノ)−3−オキソ−2−(4−((トリイソプロピルシリルオキシ)メチル)フェニル)プロピルカルバミン酸tert−ブチル(E138)のTHF溶液にTBAFを添加し、この溶液を0℃で45分間撹拌した。この化合物をEtOAcに入れ、NHCl(飽和)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(SiO、6%MeOH/CHCl)によって、純粋な2−(4−(ヒドロキシメチル)フェニル)−3−(イソキノリン−6−イルアミノ)−3−オキソプロピルカルバミン酸tert−ブチル(E139)を得た。
【0237】
実施例140〜143
化合物E140〜E143を図8のスキームに従って調製した。
【0238】
2−メチル安息香酸4−(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)ベンジル(E140)を以下に従ってE139から調製した:
【0239】
【化37】

【0240】
2−(4−(ヒドロキシメチル)フェニル)−3−(イソキノリン−6−イルアミノ)−3−オキソプロピルカルバミン酸tert−ブチル(E139)のピリジン溶液に、塩化2−メチルベンゾイルを添加し、この溶液を室温で2時間撹拌した。混合物をNaHCOに入れ、EtOAcで抽出した。有機層を乾燥し(MgSO)、濾過し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(SiO、5%MeOH/CHCl)によって、純粋な2−メチル安息香酸4−(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)ベンジル(E140)を得た。
【0241】
2−メチル安息香酸4−(3−アミノ−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)ベンジルの二塩酸塩(E141)を以下に従ってE140から調製した:
【0242】
【化38】

【0243】
2−メチル安息香酸4−(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)ベンジル(E140)のCHCl溶液に、HCl(4規定、ジオキサン溶液)を添加し、この溶液を8〜10時間撹拌した。溶媒を蒸発させて、純粋な2−メチル安息香酸4−(3−アミノ−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)ベンジルの二塩酸塩(E141)を得た。
【0244】
シクロヘキサンカルボン酸4−(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)ベンジル(E142)を以下に従ってE139から調製した:
【0245】
【化39】

【0246】
2−(4−(ヒドロキシメチル)フェニル)−3−(イソキノリン−6−イルアミノ)−3−オキソプロピルカルバミン酸tert−ブチル(E139)のピリジン溶液に、EDC、DMAPおよびシクロヘキサンカルボン酸を添加し、この溶液を窒素で置換し、蓋をし、一晩撹拌した。混合物をEtOAc/NaHCO(飽和)に入れ、水層をEtOAcでさらに抽出した。有機層を乾燥し(MgSO)、濾過し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(SiO、5%MeOH/CHCl)によって、純粋なシクロヘキサンカルボン酸4−(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)ベンジル(E142)を得た。
【0247】
シクロヘキサンカルボン酸4−(3−アミノ−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)ベンジルの二塩酸塩(E143)を以下に従ってE142から調製した:
【0248】
【化40】

【0249】
シクロヘキサンカルボン酸4−(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)ベンジル(E142)のCHCl溶液に、HCl(4規定、ジオキサン溶液)を添加し、この溶液を8〜10時間撹拌した。溶媒を蒸発させて、純粋なシクロヘキサンカルボン酸4−(3−アミノ−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)ベンジルの二塩酸塩(E143)を得た。
【0250】
実施例144
3−アミノ−2−(4−(ヒドロキシメチル)フェニル)−N−(イソキノリン−6−イル)プロパンアミドの二塩酸塩(E144)を以下に従ってE139から調製した:
【0251】
【化41】

【0252】
0℃に冷却した2−(4−(ヒドロキシメチル)フェニル)−3−(イソキノリン−6−イルアミノ)−3−オキソプロピルカルバミン酸tert−ブチル(E139)のTHF水溶液に、HCl(1規定、EtO溶液)を添加した。30分後、混合物を室温まで温め、この溶液を48時間撹拌した。2MのNHのMeOH溶液を添加した。溶媒を蒸発させ、混合物をカラムクロマトグラフィー(SiO、0〜5〜10%(2MのNHのMeOH溶液)/CHCl)で精製した。この化合物をDCM/MeOHに溶解し、1規定HClのEtO溶液を添加した。溶媒を蒸発させて、純粋な3−アミノ−2−(4−(ヒドロキシメチル)フェニル)−N−(イソキノリン−6−イル)プロパンアミドの二塩酸塩(E144)を得た。
【0253】
実施例145〜148
化合物E145〜E148を図9のスキームに従って調製した。
【0254】
2,4−ジメチル安息香酸4−(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)ベンジル(E145)を以下に従ってE139から調製した:
【0255】
【化42】

【0256】
2,4−ジメチル安息香酸のピリジン溶液に、EDC、DMAPおよび2−(4−(ヒドロキシメチル)フェニル)−3−(イソキノリン−6−イルアミノ)−3−オキソプロピルカルバミン酸tert−ブチル(E139)を添加し、この溶液に蓋をし、一晩撹拌した。混合物をEtOAc/NaHCO(飽和)に入れ、水層をEtOAcでさらに抽出した。有機層を乾燥し(MgSO)、濾過し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(SiO、0〜5%MeOH/CHClの勾配)によって、純粋な2,4−ジメチル安息香酸4−(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)ベンジル(E145)を得た。
【0257】
2,4−ジメチル安息香酸4−(3−アミノ−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)ベンジルの二塩酸塩(E146)を以下に従ってE145から調製した:
【0258】
【化43】

【0259】
2,4−ジメチル安息香酸4−(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)ベンジル(E145)のCHCl溶液に、HCl(4規定、ジオキサン溶液)を添加し、この溶液を8〜10時間撹拌した。溶媒を蒸発させて、純粋な2,4−ジメチル安息香酸4−(3−アミノ−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)ベンジルの二塩酸塩(E146)を得た。
【0260】
酪酸4−(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)ベンジル(E148)を以下に従ってE139から調製した:
【0261】
【化44】

【0262】
酪酸のピリジン溶液に、EDC、DMAPおよび2−(4−(ヒドロキシメチル)フェニル)−3−(イソキノリン−6−イルアミノ)−3−オキソプロピルカルバミン酸tert−ブチル(E139)を添加し、この溶液に蓋をし、一晩撹拌した。混合物をEtOAc/NaHCO(飽和)に入れ、水層をEtOAcでさらに抽出した。有機層を乾燥し(MgSO)、濾過し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(SiO、0〜5%MeOH/CHClの勾配)によって、純粋な酪酸4−(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)ベンジル(E148)を得た。
【0263】
酪酸4−(3−アミノ−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)ベンジルの二塩酸塩(E148)を以下に従ってE147から調製した:
【0264】
【化45】

【0265】
酪酸4−(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)ベンジル(E147)のCHCl溶液に、HCl(4規定、ジオキサン溶液)を添加し、この溶液を8〜10時間撹拌した。溶媒を蒸発させて、純粋な酪酸4−(3−アミノ−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)ベンジルの二塩酸塩(E148)を得た。
【0266】
実施例149〜175
市販の化合物および基本的に実施例140〜143に示した手順を使用し、適当な出発物質に置き換え、表4に示す化合物E149〜E175を調製した。
【0267】
【表4−1】

【0268】
【表4−2】

【0269】
実施例176〜196
市販の化合物および基本的に実施例140〜143に示した手順を使用し、適当な出発物質に置き換え、表5に示す化合物E176〜E196を調製することができるであろう。
【0270】
【表5】

【0271】
実施例197
2,4−ジメチル安息香酸(S)−4−(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)ベンジル(E145−S)および2,4−ジメチル安息香酸(R)−4−(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)ベンジル(E145−R)を図10のスキームに従ってE145から調製した。2,4−ジメチル安息香酸4−(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)ベンジルをメタノールに溶解し、RおよびS鏡像異性体を超臨界流体クロマトグラフィー(Chiralpak AS-Hカラム、溶出液:18.8%MeOH、0.2%ジメチルエチルアミン、80%CO)で分離した。次いで、鏡像異性体をカラムクロマトグラフィー(SiO、0〜5%MeOH/CHClの勾配)でそれぞれ精製した。各鏡像異性体の鏡像体過剰率は98%超であった。
【0272】
2,4−ジメチル安息香酸(S)−4−(3−アミノ−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)ベンジルの二塩酸塩(E197−S)を図6のスキームに従ってE145−Sから調製した。2,4−ジメチル安息香酸(S)−4−(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)ベンジル(E145−S)のCHCl溶液に、HCl(4規定、ジオキサン溶液)を添加し、この溶液を8〜10時間撹拌した。溶媒を蒸発させて、純粋な2,4−ジメチル安息香酸(S)−4−(3−アミノ−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)ベンジルの二塩酸塩(E197−S)を得た。キラルHPLC(Chiralpak AS-H、溶出液:90:10:0.1=EtOH:HO:ジエチルアミン)による分析から、鏡像体過剰率は98%超であることが分かった。
【0273】
2,4−ジメチル安息香酸(R)−4−(3−アミノ−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)ベンジルの二塩酸塩(E197−R)を図6のスキームに従ってE145−Rから調製した。2,4−ジメチル安息香酸(S)−4−(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)ベンジル(E145−R)のCHCl溶液に、HCl(4規定、ジオキサン溶液)を添加し、この溶液を8〜10時間撹拌した。溶媒を蒸発させて、純粋な2,4−ジメチル安息香酸(R)−4−(3−アミノ−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)ベンジルの二塩酸塩(E197−R)を得た。キラルHPLC(Chiralpak AS-H、溶出液:90:10:0.1=EtOH:HO:ジエチルアミン)による分析から、鏡像体過剰率は98%超であることが分かった。
【0274】
実施例198〜203
化合物E199〜E203を図11のスキームに従って調製した。
【0275】
(4−ヨードベンジルオキシ)トリイソプロピルシラン(E199)を以下に従ってE198から調製した:
【0276】
【化46】

【0277】
0℃の(4−ヨードフェニル)メタノール(E198)およびイミダゾールのCHCl溶液に、TIPSClを滴下した。反応混合物を一晩撹拌した。この溶液をHOでクエンチし、CHCl層を分離した。有機層を0.5規定HClおよびNaHCO(飽和)でさらに洗浄した。一緒にした有機層を乾燥し(MgSO)、濾過し、蒸発させた。粗製の黄色油(4−ヨードベンジルオキシ)トリイソプロピルシラン(E199)を、次の工程で直接使用した。
【0278】
2−シアノ−2−(4−((トリイソプロピルシリルオキシ)メチル)フェニル)酢酸エチル(E200)を以下に従ってE199から調製した:
【0279】
【化47】

【0280】
2−シアノ酢酸エチルおよび(4−ヨードベンジルオキシ)トリイソプロピルシラン(E199)のジオキサン溶液に、CsCO、CuIおよびピコリン酸を添加した。混合物を90℃で一晩撹拌した。固体を濾過によって除去し、ジオキサンを減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO、ヘキサン:酢酸エチル=25:1)によって、純粋な2−シアノ−2−(4−((トリイソプロピルシリルオキシ)メチル)フェニル)酢酸エチル(E200)を黄色油として得た。
【0281】
3−アミノ−2−(4−((トリイソプロピルシリルオキシ)メチル)フェニル)プロパン酸エチル(E201)を以下に従ってE200から調製した:
【0282】
【化48】

【0283】
CoCl・6HOのTHF懸濁液に、2−シアノ−2−(4−((トリイソプロピルシリルオキシ)メチル)フェニル)酢酸エチル(E200)を添加した。混合物を0℃に冷却し、NaBHを30分かけて数回に分けて混合物に添加した。混合物を室温で4時間撹拌した。反応系を水でクエンチした。混合物を濾過し、濾液をエーテルで2回抽出した。有機層を乾燥し(MgSO)、濾過し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(SiO、DCM:EtOH=50:1)によって、純粋な3−アミノ−2−(4−((トリイソプロピルシリルオキシ)メチル)フェニル)プロパン酸エチル(E201)を黄色油として得た。
【0284】
3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−(4−((トリイソプロピルシリルオキシ)メチル)フェニル)プロパン酸エチル(E202)を以下に従ってE201から調製した:
【0285】
【化49】

【0286】
3−アミノ−2−(4−((トリイソプロピルシリルオキシ)メチル)フェニル)プロパン酸エチル(E201)のDCM溶液に、(Boc)Oおよびトリエチルアミンを添加した。混合物を2時間撹拌した後、0.5規定HClおよびNaHCO(飽和)で洗浄した。有機層を乾燥し(MgSO)、濃縮して、3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−(4−((トリイソプロピルシリルオキシ)メチル)フェニル)プロパン酸エチル(E202)を得た。
【0287】
3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−(4−((トリイソプロピルシリルオキシ)メチル)フェニル)プロパン酸(E203)を以下に従ってE202から調製した:
【0288】
【化50】

【0289】
3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−(4−((トリイソプロピルシリルオキシ)メチル)フェニル)プロパン酸エチル(E202)のメタノール溶液に、4規定NaOHを滴下した。混合物を2時間撹拌し、2規定HClでpHを7に調節し、酢酸エチルで抽出した。一緒にした有機層を0.5規定HClおよび塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、真空濃縮して、3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−(4−((トリイソプロピルシリルオキシ)メチル)フェニル)プロパン酸(E203)を白色固体として得た。
【0290】
実施例204〜206
化合物E204〜E206を、Cheung, S.T. et al. Can. J. Chem. 1977, 55, 906-910による手順に修正を加えた図12のスキームに従って調製した。
【0291】
3−(tert−ブトキシカルボニル(メチル)アミノ)−2−(4−((トリイソプロピルシリルオキシ)メチル)フェニル)プロパン酸(E204)を以下に従ってE203から調製した:
【0292】
【化51】

【0293】
窒素中で0℃に冷却した3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−(4−((トリイソプロピルシリルオキシ)メチル)フェニル)プロパン酸(E203)のTHF溶液に、CHI、次いでNaHを添加し、この溶液を温め、18時間撹拌させた。混合物をEtOAcに溶解し、NHCl(飽和)で抽出し、乾燥し(MgSO)、濾過し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(SiO、0〜10%MeOH/CHClの勾配)によって、純粋な3−(tert−ブトキシカルボニル(メチル)アミノ)−2−(4−((トリイソプロピルシリルオキシ)メチル)フェニル)プロパン酸(E204)を得た。
【0294】
3−(イソキノリン−6−イルアミノ)−3−オキソ−2−(4−((トリイソプロピルシリルオキシ)メチル)フェニル)プロピル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(E205)を以下に従ってE204から調製した:
【0295】
【化52】

【0296】
3−(tert−ブトキシカルボニル(メチル)アミノ)−2−(4−((トリイソプロピルシリルオキシ)メチル)フェニル)プロパン酸(E204)のピリジン溶液に、EDC、DMAPおよび6−アミノイソキノリンを添加し、この溶液を室温で一晩撹拌した。混合物をNaHCO(飽和)に入れ、EtOAcで抽出した。有機層を乾燥し(MgSO)、濾過し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(SiO、0〜6%MeOH/CHClの勾配)によって、純粋な3−(イソキノリン−6−イルアミノ)−3−オキソ−2−(4−((トリイソプロピルシリルオキシ)メチル)フェニル)プロピル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(E205)を得た。
【0297】
2−(4−(ヒドロキシメチル)フェニル)−3−(イソキノリン−6−イルアミノ)−3−オキソプロピル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(E205−1)を以下に従ってE205から調製した:
【0298】
【化53】

【0299】
窒素置換した0℃の3−(イソキノリン−6−イルアミノ)−3−オキソ−2−(4−((トリイソプロピルシリルオキシ)メチル)フェニル)プロピル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(E205)のTHF溶液にTBAFを添加し、この溶液を0℃で30分間撹拌した。反応系を室温まで温め、さらに4.5時間撹拌した。この化合物をEtOAcに入れ、NHCl(飽和)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(SiO、0〜20%MeOH/CHClの勾配)によって、純粋な2−(4−(ヒドロキシメチル)フェニル)−3−(イソキノリン−6−イルアミノ)−3−オキソプロピル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(E205−1)を得た。
【0300】
2,4−ジメチル安息香酸4−(3−(tert−ブトキシカルボニル(メチル)アミノ)−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)ベンジル(E205−2)を以下に従ってE205−1から調製した:
【0301】
【化54】

【0302】
2−(4−(ヒドロキシメチル)フェニル)−3−(イソキノリン−6−イルアミノ)−3−オキソプロピル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(E205−1)のピリジン溶液に、EDC、DMAPおよび2,4−ジメチル安息香酸を添加し、この溶液を室温で一晩撹拌した。混合物をNaHCO(飽和)に入れ、EtOAcで抽出した。有機層を乾燥し(MgSO)、濾過し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(SiO、0〜5%MeOH/CHClの勾配)によって、純粋な2,4−ジメチル安息香酸4−(3−(tert−ブトキシカルボニル(メチル)アミノ)−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)ベンジル(E205−2)を得た。
【0303】
2,4−ジメチル安息香酸4−(1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−3−(メチルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)ベンジル(E206)を以下に従ってE205−2から調製した:
【0304】
【化55】

【0305】
2,4−ジメチル安息香酸4−(3−(tert−ブトキシカルボニル(メチル)アミノ)−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)ベンジル(E205−2)のCHCl溶液に、HCl(4規定、ジオキサン溶液)を添加し、この溶液を8〜10時間撹拌した。溶媒を蒸発させて、純粋な2,4−ジメチル安息香酸4−(1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−3−(メチルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)ベンジル(E206)を得た。
【0306】
実施例207〜211
市販の化合物および基本的に実施例204〜206に示した手順を使用し、適当な出発物質に置き換え、表6に示す化合物E206〜E211を調製した。
【0307】
【表6】

【0308】
実施例212
3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−(3−((トリイソプロピルシリルオキシ)メチル)フェニル)プロパン酸(E212)を調製した。
【0309】
【化56】

【0310】
市販の化合物および基本的に実施例198〜203に示した手順を使用し、適当な出発物質に置き換え、3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−(3−((トリイソプロピルシリルオキシ)メチル)フェニル)プロパン酸(E212)を調製した。
【0311】
実施例213〜216
市販の化合物および基本的に実施例204〜206に示した手順を使用し、適当な出発物質に置き換え、表7に示す化合物E213〜E216を調製した。
【0312】
【表7】

【0313】
実施例217〜225
市販の化合物および基本的に実施例198〜203および実施例204〜206に示した手順を使用し、適当な出発物質に置き換え、表8に示す化合物E217〜E225を調製することができるであろう。
【0314】
【表8】

【0315】
実施例226
3−(イソプロピルアミノ)−N−(イソキノリン−6−イル)−2−フェニルプロパンアミドの二塩酸塩(E226)を以下に示すように調製した:
【0316】
【化57】

【0317】
3−アミノ−N−(イソキノリン−6−イル)−2−フェニルプロパンアミドのMeOH/AcOH溶液に、アセトンおよびNaCNBHを添加した。次いで15分後、混合物をNaHCO(飽和)に入れ、CHClで抽出した。有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(SiO、5%2規定NH−MeOH/CHCl)によって、純粋な3−(イソプロピルアミノ)−N−(イソキノリン−6−イル)−2−フェニルプロパンアミドを得た。この化合物をCHClに溶解し、HCl(1モル、EtO溶液)を添加した。この溶液を蒸発させて、3−(イソプロピルアミノ)−N−(イソキノリン−6−イル)−2−フェニルプロパンアミドの二塩酸塩(E226)を得た。
【0318】
実施例227〜230
市販の化合物および基本的に実施例226に示した手順を使用し、適当な出発物質に置き換え、表9に示す化合物E227〜E230を調製することができるであろう。
【0319】
【表9】

【0320】
実施例231〜241
化合物E231〜E241を図13のスキームに従って調製した。
【0321】
2−(5−((tert−ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)チオフェン−2−イル)酢酸メチル(E232)を以下に従ってE231から調製した:
【0322】
【化58】

【0323】
0℃の2−(5−((tert−ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)チオフェン−2−イル)酢酸(E231)のMeOH溶液に、この溶液が黄色を持続し、かつTLCが反応の完了を示すまでTMS−CHを添加した。この溶液を30分間撹拌した後、数滴のAcOHでクエンチした。溶媒を蒸発させ、カラムクロマトグラフィー(SiO、0〜15%EtOAc/ヘキサン)によって、純粋な2−(5−((tert−ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)チオフェン−2−イル)酢酸メチル(E232)を得た。
【0324】
2−(5−((tert−ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)チオフェン−2−イル)−3−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)プロパン酸メチル(E233)を以下に従ってE232から調製した:
【0325】
【化59】

【0326】
−78℃に冷却したLiHMDSのTHF溶液に、冷却した2−(5−((tert−ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)チオフェン−2−イル)酢酸メチル(E232)のTHF溶液(約−78℃)を注射器で添加した。この溶液を−78℃で30分間撹拌した。ブロモメチルフタルイミドを直接アニオンに添加し、この溶液を−78℃の浴からすぐに取り出し、氷浴に入れ、2時間撹拌した。次いで、反応系をNHCl(飽和)に入れ、EtOAcで抽出した。有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(SiO、15〜20%EtOAc/ヘキサン)によって、純粋な2−(5−((tert−ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)チオフェン−2−イル)−3−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)プロパン酸メチル(E233)を得た。
【0327】
2−(2−(5−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)チオフェン−2−イル)−2−カルボキシエチルカルバモイル)安息香酸(E234)を以下に従ってE233から調製した:
【0328】
【化60】

【0329】
2−(5−((tert−ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)チオフェン−2−イル)−3−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)プロパン酸メチル(E233)のTHF/HO溶液にLiOH・HOを添加し、この溶液を1.5時間すなわち生成物への完全な変換がLC−MSで確認できるまで撹拌した。次いで、この溶液をEtOAc/NHCl(飽和)/1規定HCl(3:1)に入れ、水層をEtOAcでさらに抽出した。有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、蒸発させ、乾燥して、粗製の2−(2−(5−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)チオフェン−2−イル)−2−カルボキシエチルカルバモイル)安息香酸(E234)を得た。
【0330】
2−(2−(5−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)チオフェン−2−イル)−3−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)−N−(イソキノリン−6−イル)プロパンアミド(E235)を以下に従ってE234から調製した:
【0331】
【化61】

【0332】
2−(2−(5−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)チオフェン−2−イル)−2−カルボキシエチルカルバモイル)安息香酸(E234)のピリジン溶液に、EDC、DMAPおよび6−アミノイソキノリンを添加し、この溶液を窒素で置換し、蓋をし、一晩撹拌した。混合物をEtOAc/NaHCO(飽和)に入れ、水層をEtOAcでさらに抽出した。有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(SiO、4%MeOH/CHCl)によって、純粋な2−(2−(5−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)チオフェン−2−イル)−3−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)−N−(イソキノリン−6−イル)プロパンアミド(E235)を得た。
【0333】
3−アミノ−2−(5−((tert−ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)チオフェン−2−イル)−N−(イソキノリン−6−イル)プロパンアミド(E236)を以下に従ってE235から調製した:
【0334】
【化62】

【0335】
2−(2−(5−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)チオフェン−2−イル)−3−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)−N−(イソキノリン−6−イル)プロパンアミド(E235)のEtOH溶液に、NH−NHを添加し、この溶液を室温で7時間撹拌した後、50℃まで1時間加熱した。この溶液を冷却し、固体を濾過し、溶媒を蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(SiO、5〜8%2規定NH−MeOH/CHCl)によって、純粋な3−アミノ−2−(5−((tert−ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)チオフェン−2−イル)−N−(イソキノリン−6−イル)プロパンアミド(E236)を得た。
【0336】
2−(5−((tert−ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)チオフェン−2−イル)−3−(イソキノリン−6−イルアミノ)−3−オキソプロピルカルバミン酸tert−ブチル(E237)を以下に従ってE236から調製した:
【0337】
【化63】

【0338】
0℃の3−アミノ−2−(5−((tert−ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)チオフェン−2−イル)−N−(イソキノリン−6−イル)プロパンアミド(E236)のCHCl溶液に、(添加前に同様に0℃に冷却した)BocOのCHCl溶液を添加した。この溶液を0℃で2時間撹拌した後、CHClおよびNaHCO(飽和)に入れた。この溶液をCHClでさらに抽出し、一緒にした有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(SiO、3%MeOH/CHCl)によって、純粋な2−(5−((tert−ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)チオフェン−2−イル)−3−(イソキノリン−6−イルアミノ)−3−オキソプロピルカルバミン酸tert−ブチル(E237)を得た。
【0339】
2−(5−(ヒドロキシメチル)チオフェン−2−イル)−3−(イソキノリン−6−イルアミノ)−3−オキソプロピルカルバミン酸tert−ブチル(E238)を以下に従ってE237から調製した:
【0340】
【化64】

【0341】
0℃の2−(5−((tert−ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)チオフェン−2−イル)−3−(イソキノリン−6−イルアミノ)−3−オキソプロピルカルバミン酸tert−ブチル(E237)のTHF溶液に、TBAFを添加し、この溶液を0℃で30分間撹拌した後、室温まで2時間温めた。この化合物をEtOAcに入れ、NHCl(飽和)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(SiO、6%MeOH/CHCl)によって、純粋な2−(5−(ヒドロキシメチル)チオフェン−2−イル)−3−(イソキノリン−6−イルアミノ)−3−オキソプロピルカルバミン酸tert−ブチル(E238)を得た。
【0342】
3−アミノ−2−(5−(ヒドロキシメチル)チオフェン−2−イル)−N−(イソキノリン−6−イル)プロパンアミドの二塩酸塩(E239)を以下に従ってE238から調製した:
【0343】
【化65】

【0344】
2−(5−(ヒドロキシメチル)チオフェン−2−イル)−3−(イソキノリン−6−イルアミノ)−3−オキソプロピルカルバミン酸tert−ブチル(E238)のCHCl溶液に、4規定HCl−ジオキサンを添加し、この溶液を4時間撹拌した。溶媒を蒸発させて、3−アミノ−2−(5−(ヒドロキシメチル)チオフェン−2−イル)−N−(イソキノリン−6−イル)プロパンアミドの二塩酸塩(E239)を得た。
【0345】
2,4−ジメチル安息香酸(5−(3−tert−ブトキシルカルボニルアミノ)−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)メチル(E240)を以下に従ってE239から調製した:
【0346】
【化66】

【0347】
2−(5−(ヒドロキシメチル)チオフェン−2−イル)−3−(イソキノリン−6−イルアミノ)−3−オキソプロピルカルバミン酸tert−ブチル(E238)のピリジン溶液に、EDC、DMAPおよび2,4−ジメチル安息香酸を添加し、この溶液を窒素で置換し、蓋をし、一晩撹拌した。混合物をEtOAc/NaHCO(飽和)に入れ、水層をEtOAcでさらに抽出した。有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(SiO、4%MeOH/CHCl)によって、純粋な2,4−ジメチル安息香酸(5−(3−tert−ブトキシルカルボニルアミノ)−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)メチル(E240)を得た。
【0348】
2,4−ジメチル安息香酸(5−(3−アミノ−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)チオフェン−2−イル)メチルの二塩酸塩(E241)を以下に従ってE240から調製した:
【0349】
【化67】

【0350】
2,4−ジメチル安息香酸(5−(3−tert−ブトキシルカルボニルアミノ)−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)メチル(E240)のCHCl溶液に、HCl(4規定、ジオキサン溶液)を添加し、この溶液を一晩撹拌した。溶媒を蒸発させて、純粋な2,4−ジメチル安息香酸(5−(3−アミノ−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)チオフェン−2−イル)メチルの二塩酸塩(E241)を得た。
【0351】
実施例242〜248
市販の化合物および基本的に実施例231〜241に示した手順を使用し、適当な出発物質に置き換え、表10に示す化合物E242〜E248を合成することができるであろう。
【0352】
【表10】

【0353】
実施例249〜253
2−(4−(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)フェノキシ)酢酸メチル(E250)を図14のスキームに従ってE249から調製した。−35℃に冷却した2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−(イソキノリン−6−イルアミノ)−3−オキソプロピルカルバミン酸tert−ブチル(E249)のDMF溶液にNaHを添加し、この溶液を−35℃で30分間撹拌した。次いで、ブロモ酢酸メチルを添加し、この溶液を温め、0℃で1時間撹拌した。この溶液をNaHCO(飽和)/EtOAcに入れ、EtOAcでさらに抽出した。一緒にした有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(SiO、3〜4%MeOH/CHCl)によって、純粋な2−(4−(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)フェノキシ)酢酸メチル(E250)を得た。
【0354】
2−(4−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)フェノキシ)酢酸(E251)を以下に従ってE250から調製した:
【0355】
【化68】

【0356】
0℃の2−(4−(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)フェノキシ)酢酸メチル(E250)のTHF/HO/MeOH溶液にLiOH・HOを添加し、この溶液を0℃で2時間撹拌した。次いで、混合物をHCl(1規定、EtO溶液)でクエンチし、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(SiO、20%MeOH/CHCl)によって、純粋な2−(4−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)フェノキシ)酢酸(E251)を得た。
【0357】
2−(4−(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)フェノキシ)酢酸2,4−ジメチルフェニル(E252)を以下に従ってE251から調製した:
【0358】
【化69】

【0359】
2−(4−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)フェノキシ)酢酸(E251)のピリジン溶液に、EDC、DMAPおよび2,4−ジメチルフェノールを添加し、この溶液を5時間撹拌した。次いで、混合物をEtOAc/NaHCO(飽和)に入れ、EtOAcで抽出した。一緒にした有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(SiO、2〜3%MeOH/CHCl)によって、2−(4−(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)フェノキシ)酢酸2,4−ジメチルフェニル(E252)を得た。
【0360】
2−(4−(3−アミノ−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)フェノキシ)酢酸2,4−ジメチルフェニルの二塩酸塩(E253)を以下に従ってE252から調製した:
【0361】
【化70】

【0362】
2−(4−(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)フェノキシ)酢酸2,4−ジメチルフェニル(E252)のCHCl溶液に、HCl(4規定、ジオキサン溶液)を添加し、この溶液を一晩撹拌した。溶媒を蒸発させて、2−(4−(3−アミノ−1−(イソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)フェノキシ)酢酸2,4−ジメチルフェニルの二塩酸塩(E253)を得た。
【0363】
実施例254〜273
市販の化合物および基本的に実施例249〜253に示した手順を使用し、適当な出発物質に置き換え、E254〜E261(表11に示す)を調製し、E262〜E273(表12に示す)を合成することができるであろう。
【0364】
【表11】

【0365】
【表12】

【0366】
実施例274
市販の化合物および基本的に実施例249〜253に示した手順を使用し、適当な出発物質に置き換え、E274を調製した。
【0367】
【化71】

【0368】
実施例275〜278
化合物E275〜E278を図15に示すスキームに従って調製した。3−(イソキノリン−6−イルアミノ)−3−オキソ−2−(4−(2−オキソ−2−フェニルエトキシ)フェニル)プロピルカルバミン酸tert−ブチル(E275)を以下に従ってE249から調製した:
【0369】
【化72】

【0370】
−35℃に冷却した2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−(イソキノリン−6−イルアミノ)−3−オキソプロピルカルバミン酸tert−ブチル(E249)のDMF溶液にNaHを添加し、この溶液を−35℃で30分間撹拌した。次いで、2−ブロモアセトフェノンを添加し、この溶液を温め、0℃で2時間撹拌した。この溶液をNaHCO(飽和)/EtOAcに入れ、EtOAcでさらに抽出した。一緒にした有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(SiO、3%MeOH/CHCl)によって、3−(イソキノリン−6−イルアミノ)−3−オキソ−2−(4−(2−オキソ−2−フェニルエトキシ)フェニル)プロピルカルバミン酸tert−ブチル(E275)を得た。
【0371】
3−アミノ−N−(イソキノリン−6−イル)−2−(4−(2−オキソ−2−フェニルエトキシ)フェニル)プロパンアミドの二塩酸塩(E277)を以下に従ってE275から調製した:
【0372】
【化73】

【0373】
3−(イソキノリン−6−イルアミノ)−3−オキソ−2−(4−(2−オキソ−2−フェニルエトキシ)フェニル)プロピルカルバミン酸tert−ブチル(E275)のCHCl溶液に、HCl(4規定、ジオキサン)を添加し、この溶液を一晩撹拌した。溶媒を蒸発させて、純粋な3−アミノ−N−(イソキノリン−6−イル)−2−(4−(2−オキソ−2−フェニルエトキシ)フェニル)プロパンアミドの二塩酸塩(E277)を得た。
【0374】
2−(4−(2−ヒドロキシ−2−フェニルエトキシ)フェニル)−3−(イソキノリン−6−イルアミノ)−3−オキソプロピルカルバミン酸tert−ブチル(E276)を以下に従ってE275から調製した:
【0375】
【化74】

【0376】
3−(イソキノリン−6−イルアミノ)−3−オキソ−2−(4−(2−オキソ−2−フェニルエトキシ)フェニル)プロピルカルバミン酸tert−ブチル(E275)のEtOH溶液にNaBHを添加し、この溶液を室温で20分間撹拌した。次いで、混合物をNaHCO(飽和)に入れ、CHClで抽出した。一緒にした有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(SiO、5%MeOH/CHCl)によって、純粋な2−(4−(2−ヒドロキシ−2−フェニルエトキシ)フェニル)−3−(イソキノリン−6−イルアミノ)−3−オキソプロピルカルバミン酸tert−ブチル(E276)を得た。
【0377】
3−アミノ−2−(4−(2−ヒドロキシ−2−フェニルエトキシ)フェニル)−N−(イソキノリン−6−イル)プロパンアミドの二塩酸塩(E278)を以下に従ってE276から調製した:
【0378】
【化75】

【0379】
2−(4−(2−ヒドロキシ−2−フェニルエトキシ)フェニル)−3−(イソキノリン−6−イルアミノ)−3−オキソプロピルカルバミン酸tert−ブチル(E276)のCHCl溶液に、HCl(4規定、ジオキサン)を添加し、この溶液を一晩撹拌した。溶媒を蒸発させて、3−アミノ−2−(4−(2−ヒドロキシ−2−フェニルエトキシ)フェニル)−N−(イソキノリン−6−イル)プロパンアミドの二塩酸塩(E278)を得た。
【0380】
実施例279〜288
市販の化合物および基本的に実施例275〜278に示した手順を使用し、適当な出発物質に置き換え、E279〜E282(表13に示す)を調製し、E283〜E288(表14に示す)を合成することができるであろう。
【0381】
【表13】

【0382】
【表14】

【0383】
実施例289〜290
化合物E289およびE290を図16に示すスキームに従って調製した。
【0384】
3−(イソキノリン−6−イルアミノ)−3−オキソ−2−(フェネトキシフェニル)プロピルカルバミン酸tert−ブチル(E289)を以下に従ってE249から調製した:
【0385】
【化76】

【0386】
−35℃に冷却した2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−(イソキノリン−6−イルアミノ)−3−オキソプロピルカルバミン酸tert−ブチル(E249)のDMF溶液にNaHを添加し、この溶液を−40℃で30分間撹拌した。次いで、2−ブロモエチルベンゼンを添加し、この溶液を温め、室温で2時間撹拌した。この溶液をNaHCO(飽和)/EtOAcに入れ、EtOAcでさらに抽出した。一緒にした有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(SiO、3〜4%MeOH/CHCl)によって、純粋な3−(イソキノリン−6−イルアミノ)−3−オキソ−2−(フェネトキシフェニル)プロピルカルバミン酸tert−ブチル(E289)を得た。
【0387】
3−アミノ−N−(イソキノリン−6−イル)−2−(4−フェネトキシフェニル)プロパンアミドの二塩酸塩(E290)を以下に従ってE289から調製した:
【0388】
【化77】

【0389】
3−(イソキノリン−6−イルアミノ)−3−オキソ−2−(フェネトキシフェニル)プロピルカルバミン酸tert−ブチル(E289)のCHCl溶液に、HCl(4規定、ジオキサン)を添加し、この溶液を一晩撹拌した。溶媒を蒸発させて、3−アミノ−N−(イソキノリン−6−イル)−2−(4−フェネトキシフェニル)プロパンアミドの二塩酸塩(E290)を得た。
【0390】
実施例291〜299
市販の化合物および基本的に実施例289〜290に示した手順を使用し、適当な出発物質に置き換え、E291〜E292(表15)を調製し、E294〜E299(表16)を合成することができるであろう。
【0391】
【表15】

【0392】
**E292は上記スキームから合成したが、保護基はTIPSに代えてベンジルとした。
【0393】
市販の化合物および基本的に実施例289〜290に示した手順を使用し、適当な出発物質に置き換え、E293を調製した。
【0394】
【化78】

【0395】
【表16】

【0396】
実施例300〜308
化合物E300〜E308を図17のスキームに従って調製した。
【0397】
2−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジル(E301)を以下に従ってE300から合成した:
【0398】
【化79】

【0399】
0℃に冷却した2−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸のDMF溶液にKCOを添加し、この溶液を30分間撹拌した。次いで、臭化ベンジルを添加し、この溶液を0℃で撹拌し、15〜20℃まで徐々に温めた。すべての氷が溶けた後、この溶液をNHCl(飽和)に入れ、EtOAcで抽出した。一緒にした有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(SiO、0〜35%EtOAc/Hex)によって、純粋な2−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジル(E301)を得た。
【0400】
2−(4−(トリイソプロピルシロキシ)フェニル)酢酸ベンジル(E302)を以下に従ってE301から調製した:
【0401】
【化80】

【0402】
0℃の2−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジル(E301)のCHCl溶液に、2,6−ルチジンおよびTIPS−OTfを添加し、この溶液を0℃で2.5時間撹拌した。混合物をNHCl(飽和)に入れ、CHClで抽出した。一緒にした有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(SiO、0〜15%EtOAc/Hex)によって、純粋な2−(4−(トリイソプロピルシロキシ)フェニル)酢酸ベンジル(E302)を得た。
【0403】
3−シアノ−2−(トリイソプロピルシリルオキシ)フェニル)プロパン酸ベンジル(E303)を以下に従ってE302から調製した:
【0404】
【化81】

【0405】
−78℃のLiHMDSのTHF溶液に、同様に約−78℃に冷却した2−(4−(トリイソプロピルシロキシ)フェニル)酢酸ベンジル(E302)のTHF溶液を添加し、この混合物を−78℃で30分間撹拌させた。次いで、ヨードアセトニトリルを添加し、混合物を0℃まで温め、2時間撹拌した。混合物をNHCl(飽和)に入れ、EtOAcで抽出した。一緒にした有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(SiO、0〜25%EtOAc/Hex)によって、純粋な3−シアノ−2−(トリイソプロピルシリルオキシ)フェニル)プロパン酸ベンジル(E303)を得た。
【0406】
4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−(4−(トリイソプロピルシリルオキシ)フェニル)酪酸ベンジル(E304)を以下に従ってE303から調製した:
【0407】
【化82】

【0408】
0℃に冷却した3−シアノ−2−(トリイソプロピルシリルオキシ)フェニル)プロパン酸ベンジル(E303)のMeOH溶液に、CoCl・6HOおよびNaBHを添加し、この溶液を20分間撹拌させた。次いで、HCl(1.25規定、MeOH溶液)を添加し、この溶液を0℃でさらに20分間撹拌した。溶媒を蒸発させ、混合物をCHClに溶解し、0℃に冷却した。BocOおよびNEtを添加し、この溶液を0℃で1.5時間撹拌した。混合物をNHCl(飽和)に入れ、CHClで抽出した。一緒にした有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(SiO、10〜20%EtOAc/ヘキサン)によって、純粋な4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−(4−(トリイソプロピルシリルオキシ)フェニル)酪酸ベンジル(E304)を得た。
【0409】
4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−(4−(トリイソプロピルシリルオキシ)フェニル)ブタン酸(E305)を以下に従ってE304から調製した:
【0410】
【化83】

【0411】
4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−(4−(トリイソプロピルシリルオキシ)フェニル)酪酸ベンジル(E304)のEtOAc溶液に、Pd/C(10%)を添加し、この溶液を2時間水素雰囲気下に維持した。混合物をセライトで濾過し、溶媒を蒸発させて、4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−(4−(トリイソプロピルシリルオキシ)フェニル)ブタン酸(E305)を得た。
【0412】
4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−4−オキソ−3−(4−(トリイソプロピルシリルオキシ)フェニル)ブチルカルバミン酸tert−ブチル(E306)を以下に従ってE305から調製した:
【0413】
【化84】

【0414】
4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−(4−(トリイソプロピルシリルオキシ)フェニル)ブタン酸(E305)のピリジン溶液に、EDC、DMAPおよび6−AIQを添加し、この溶液を室温で一晩撹拌した。混合物をNaHCO(飽和)に入れ、EtOAcで抽出した。一緒にした有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(SiO、4%MeOH/CHCl)によって、純粋な4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−4−オキソ−3−(4−(トリイソプロピルシリルオキシ)フェニル)ブチルカルバミン酸tert−ブチル(E306)を得た。
【0415】
3−(4−ヒドロキシフェニル)−4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−4−オキソブチルカルバミン酸tert−ブチル(E307)を以下に従ってE306から調製した:
【0416】
【化85】

【0417】
0℃の4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−4−オキソ−3−(4−(トリイソプロピルシリルオキシ)フェニル)ブチルカルバミン酸tert−ブチル(E306)のTHF溶液にTBAFを添加し、この溶液を0℃で30分間撹拌した。この溶液をNHCl(飽和)に入れ、EtOAcで抽出した。一緒にした有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(SiO、5〜8%MeOH/CHCl)によって、純粋な3−(4−ヒドロキシフェニル)−4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−4−オキソブチルカルバミン酸tert−ブチル(E307)を得た。
【0418】
4−アミノ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−N−(イソキノリン−6−イル)ブタンアミドの二塩酸塩(E308)を以下に従ってE307から調製した:
【0419】
【化86】

【0420】
3−(4−ヒドロキシフェニル)−4−(イソキノリン−6−イルアミノ)−4−オキソブチルカルバミン酸tert−ブチル(E307)のCHCl溶液に、HCl(4規定、ジオキサン溶液)および2滴のHOを添加し、この溶液を室温で一晩撹拌した。溶媒を蒸発させて、4−アミノ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−N−(イソキノリン−6−イル)ブタンアミドの二塩酸塩(E308)を得た。
【0421】
実施例309〜318
市販の化合物および基本的に本願に示した手順を使用し、適当な出発物質に置き換え、E309〜E318を合成することができるであろう。
【0422】
【表17】

【0423】
実施例319〜325
化合物E319〜E325を図18のスキームに従って調製した。
【0424】
3−(ジフェニルメチレンアミノ)−2−フェニルプロパン酸メチル(E320)を以下に従ってE319から調製した:
【0425】
【化87】

【0426】
3−アミノ−2−フェニルプロパン酸メチルの塩酸塩のCHCl溶液にベンゾフェノンイミンを添加し、この溶液を室温で一晩撹拌した。次いで、混合物をHOで洗浄し、有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(SiO、5〜20%EtOAc/ヘキサン)によって、純粋な3−(ジフェニルメチレンアミノ)−2−フェニルプロパン酸メチル(E320)を得た。
【0427】
3−(ジフェニルメチレンアミノ)−2−メチル−2−フェニルプロパン酸メチル(E321)を以下に従ってE320から調製した:
【0428】
【化88】

【0429】
−78℃に冷却したLiHMDSのTHF溶液に、同様に約−78℃に冷却した3−(ジフェニルメチレンアミノ)−2−フェニルプロパン酸メチル(E320)のTHF溶液を添加した。この溶液を−78℃で30分間撹拌した後、ヨウ化メチルを直接添加し、この溶液を0℃まで温めた。3時間後、この溶液をNHCl(飽和)に入れ、EtOAcで抽出した。一緒にした有機層を乾燥し(NaSO)濾過し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(SiO、0〜15%EtOAc/ヘキサン)によって、純粋な3−(ジフェニルメチレンアミノ)−2−メチル−2−フェニルプロパン酸メチル(E321)を得た。
【0430】
3−アミノ−2−メチル−2−フェニルプロパン酸の塩酸塩(E322)を以下に従ってE321から調製した:
【0431】
【化89】

【0432】
3−(ジフェニルメチレンアミノ)−2−メチル−2−フェニルプロパン酸メチル(E321)および6規定HClの混合物を一晩還流した。この溶液を冷却し、蒸発させて、3−アミノ−2−メチル−2−フェニルプロパン酸の塩酸塩(E322)を得た。
【0433】
3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−メチル−2−フェニルプロパン酸(E323)を以下に従ってE322から調製した:
【0434】
【化90】

【0435】
0℃に冷却したBocOのジオキサン溶液に、3−アミノ−2−メチル−2−フェニルプロパン酸の塩酸塩(E322)の1規定NaOH溶液を添加し、この溶液を3時間撹拌した後、この溶液をNaHCO(飽和)/CHClで洗浄した。水層をHCl(1規定)で酸性にし、CHClで抽出した。一緒にしたこれらの有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、蒸発させて、3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−メチル−2−フェニルプロパン酸(E323)を得た。
【0436】
3−(イソキノリン−6−イル)−2−メチル−3−オキソ−2−フェニルプロピルカルバミン酸tert−ブチル(E324)を以下に従ってE323から調製した:
【0437】
【化91】

【0438】
3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−メチル−2−フェニルプロパン酸(E323)のピリジン溶液に、EDC、DMAPおよび6−AIQを添加し、この溶液を室温で48時間撹拌した。混合物をNaHCO(飽和)に入れ、EtOAcで抽出した。一緒にした有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(SiO、3%MeOH/CHCl)によって、純粋な3−(イソキノリン−6−イル)−2−メチル−3−オキソ−2−フェニルプロピルカルバミン酸tert−ブチル(E324)を得た。
【0439】
3−アミノ−N−(イソキノリン−6−イル)−2−メチル−2−フェニルプロパンアミドの二塩酸塩(E325)を以下に従ってE324から調製した:
【0440】
【化92】

【0441】
3−(イソキノリン−6−イル)−2−メチル−3−オキソ−2−フェニルプロピルカルバミン酸tert−ブチル(E324)のCHCl溶液に、HCl(4規定、ジオキサン溶液)を添加し、この溶液を室温で一晩撹拌した。溶媒を蒸発させて、3−アミノ−N−(イソキノリン−6−イル)−2−メチル−2−フェニルプロパンアミドの二塩酸塩(E325)を得た。
実施例326〜334
市販の化合物および基本的に上記実施例に示した手順を使用し、適当な出発物質に置き換え、表18に示すE326〜E334を合成することができるであろう。
【0442】
【表18】

【0443】
実施例335〜338
2−フルオロ−4−ニトロベンズアミド(E335)を以下に従って調製した:
【0444】
【化93】

【0445】
アルゴン中でCHClに懸濁させた2−フルオロ−4−ニトロ安息香酸に、DMF、次いで、塩化オキサリルを添加した。反応系を室温で1.5時間撹拌した後、溶媒を蒸発させた。残留物をTHFに溶解し、アンモニアガスを反応系に15分間通気させた。溶媒を蒸発させ、残留物をEtOAcと水との間で分配した。水層をEtOAcで抽出した。抽出物を乾燥し(MgSO)、濾過し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(SiO、0〜100%EtOAc/Hex)によって、純粋な2−フルオロ−4−ニトロベンズアミド(E335)を得た。
【0446】
4−アミノ−2−フルオロベンズアミド(E336)を以下に従ってE335から調製した:
【0447】
【化94】

【0448】
2−フルオロ−4−ニトロベンズアミド(E335)をEtOHにアルゴン中で溶解し、10%Pd/Cを添加した。反応系を水素でポンプパージし、室温で一晩撹拌し続けた。触媒を濾過によって除去し、反応系を濃縮して、純粋な4−アミノ−2−フルオロベンズアミド(E336)を得た。
【0449】
3−(4−カルバモイル−3−フルオロフェニルアミノ)−3−オキソ−2−(4−((トリイソプロピルシリルオキシ)メチル)フェニル)プロピルカルバミン酸tert−ブチル(E337)を以下に従ってE336から調製した:
【0450】
【化95】

【0451】
3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−(4−((トリイソプロピルシリルオキシ)メチル)フェニル)プロパン酸のピリジン溶液に、EDC、DMAPおよび4−アミノ−2−フルオロベンズアミド(E336)を添加し、この溶液を室温で一晩撹拌した。混合物をNaHCO(飽和)に入れ、EtOAcで抽出した。抽出物を乾燥し(MgSO)、濾過し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(SiO、0〜6%MeOH/CHClの勾配)によって、純粋な3−(4−カルバモイル−3−フルオロフェニルアミノ)−3−オキソ−2−(4−((トリイソプロピルシリルオキシ)メチル)フェニル)プロピルカルバミン酸tert−ブチル(E337)を得た。
【0452】
3−(4−カルバモイル−3−フルオロフェニルアミノ)−2−(4−(ヒドロキシメチル)フェニル)−3−オキソプロピルカルバミン酸tert−ブチル(E337−1)を以下に従ってE337から調製した:
【0453】
【化96】

【0454】
窒素置換した0℃の3−(4−カルバモイル−3−フルオロフェニルアミノ)−3−オキソ−2−(4−((トリイソプロピルシリルオキシ)メチル)フェニル)プロピルカルバミン酸tert−ブチル(E337)のTHF溶液にTBAFを添加し、この溶液を0℃で30分間撹拌した。反応系を室温まで温め、さらに3.5時間撹拌した。この化合物をEtOAcに入れ、NHCl(飽和)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(SiO、0〜20%MeOH/CHClの勾配)によって、純粋な3−(4−カルバモイル−3−フルオロフェニルアミノ)−2−(4−(ヒドロキシメチル)フェニル)−3−オキソプロピルカルバミン酸tert−ブチル(E337−1)を得た。
【0455】
2,4−ジメチル安息香酸4−(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(4−カルバモイル−3−フルオロフェニルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)ベンジル(E337−2)を以下に従ってE337−1から調製した:
【0456】
【化97】

【0457】
3−(4−カルバモイル−3−フルオロフェニルアミノ)−2−(4−(ヒドロキシメチル)フェニル)−3−オキソプロピルカルバミン酸tert−ブチル(E337−1)のピリジン溶液に、EDC、DMAPおよび2,4−ジメチル安息香酸を添加し、この溶液を室温で一晩撹拌した。混合物をNaHCO(飽和)に入れ、EtOAcで抽出した。有機層を乾燥し(MgSO)、濾過し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(SiO、0〜5%MeOH/CHClの勾配)によって、純粋な2,4−ジメチル安息香酸4−(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(4−カルバモイル−3−フルオロフェニルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)ベンジル(E337−2)を得た。
【0458】
2,4−ジメチル安息香酸4−(3−アミノ−1−(4−カルバモイル−3−フルオロフェニルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)ベンジル(E338)を以下に従ってE337−2から調製した:
【0459】
【化98】

【0460】
2,4−ジメチル安息香酸4−(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(4−カルバモイル−3−フルオロフェニルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)ベンジル(E337−2)のCHCl溶液に、HCl(4規定、ジオキサン溶液)を添加し、この溶液を一晩撹拌した。溶媒を蒸発させて、純粋な2,4−ジメチル安息香酸4−(3−アミノ−1−(4−カルバモイル−3−フルオロフェニルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)ベンジル(E338)を得た。
【0461】
実施例339〜370
市販の化合物および基本的に実施例335〜338に示した手順を使用し、適当な出発物質に置き換え、化合物E339〜E354(表19)およびE355〜E370(表20)を調製することができるであろう。
【0462】
【表19】

【0463】
【表20】

【0464】
実施例371〜377
化合物E371〜E377を図19のスキームに従って調製した。
【0465】
3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−(4−((トリイソプロピルシリルオキシ)メチル)フェニル)プロパン酸メチル(E372)の調製のために、0℃の3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−(4−((トリイソプロピルシリルオキシ)メチル)フェニル)プロパン酸メチル(E371)のMeOH溶液に、2.0Mのトリメチルシリルジアゾメタンのヘキサン溶液を添加した。この溶液を室温で20分間撹拌した後、数滴のAcOHを添加してクエンチした。この溶液を濃縮し、残留物の3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−(4−((トリイソプロピルシリルオキシ)メチル)フェニル)プロパン酸メチル(E372)を精製せずに使用した。
【0466】
3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−(4−(ヒドロキシメチル)フェニル)プロパン酸メチル(E373)の調製のために、0℃の3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−(4−((トリイソプロピルシリルオキシ)メチル)フェニル)プロパン酸メチル(E372)のTHF溶液に、1Mのフッ化テトラブチルアンモニウムのTHF溶液を添加し、反応系を室温で一晩撹拌した。反応系をNHCl飽和水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した(3回)。一緒にした有機層を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0%〜50%EtOAc/ヘキサンで溶出)で精製して、3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−(4−(ヒドロキシメチル)フェニル)プロパン酸メチル(E373)を得た。
【0467】
2,4−ジメチル安息香酸4−(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−1−メトキシ−1−オキソプロパン−2−イル)ベンジル(E374、R=2,4−MePh)の調製のために、3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−(4−(ヒドロキシメチル)フェニル)プロパン酸メチル(E373)のピリジン溶液に、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミドの塩酸塩(EDCI)、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)、および2,4−ジメチル安息香酸を添加した。反応系を室温で一晩撹拌した。EtOAcおよびNaHCO飽和水溶液を添加した後、混合物をEtOAcで抽出した(3回)。一緒にした有機層を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(20%〜80%EtOAc/ヘキサンで溶出)で精製して、2,4−ジメチル安息香酸4−(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−1−メトキシ−1−オキソプロパン−2−イル)ベンジル(E374、R=2,4−MePh)を得た。
【0468】
3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−(4−((2,4−ジメチルベンゾイルオキシ)メチル)フェニル)プロパン酸(E375、R=2,4−MePh)の調製のために、2,4−ジメチル安息香酸4−(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−1−メトキシ−1−オキソプロパン−2−イル)ベンジル(E374、R=2,4−MePh)の2:1THF/HO溶液に、LiOH・HOを添加し、この溶液を室温で3時間撹拌した。(pHが酸性になるまで)1規定HClを添加した後、混合物をEtOAcで抽出した(3回)。一緒にした有機層を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮して、3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−(4−((2,4−ジメチルベンゾイルオキシ)メチル)フェニル)プロパン酸(E375、R=2,4−MePh)を得た。
【0469】
2,4−ジメチル安息香酸4−(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(1−メトキシイソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)ベンジル(E376、R=2,4−MePh、X=1−OMe)の調製のために、3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−(4−((2,4−ジメチルベンゾイルオキシ)メチル)フェニル)プロパン酸(E375、R=2,4−MePh)のピリジン溶液に、EDCI、DMAPおよび6−アミノ−1−メトキシイソキノリンを添加した。この溶液を室温で一晩撹拌した。混合物をEtOAcおよびNaHCO飽和水溶液で希釈した。混合物をEtOAcで抽出した(3回)。一緒にした有機層を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0%〜80%EtOAc/ヘキサンで溶出)で精製して、2,4−ジメチル安息香酸4−(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(1−メトキシイソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)ベンジル(E376、R=2,4−MePh、X=1−OMe)を得た。
【0470】
2,4−ジメチル安息香酸4−(3−アミノ−1−(1−メトキシイソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)ベンジル(E377、R=2,4−MePh、X=1−OMe)の調製のために、2,4−ジメチル安息香酸4−(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(1−メトキシイソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)ベンジル(E376、R=2,4−MePh、X=3−Me)のCHCl溶液に、4規定HClのジオキサン溶液を添加し、この溶液を室温で一晩撹拌した。この溶液を濃縮した。残留物をジクロロメタンで希釈し、再び濃縮して、2,4−ジメチル安息香酸4−(3−アミノ−1−(1−メトキシイソキノリン−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)ベンジル(E377、R=2,4−MePh、X=2−OMe)を塩酸塩として得た。
実施例378〜380
基本的に上に示した手順を使用して、表21に示す以下の化合物E378〜E380を合成した。
【0471】
【表21】

【0472】
実施例381〜397
基本的に上に示した手順を使用して、表22に示す以下の化合物E381〜E397を合成することができるであろう。
【0473】
【表22−1】

【0474】
【表22−2】

【0475】
実施例398〜404
化合物E399〜E404を図20のスキームに従って調製した。
【0476】
2−フェニル−3−(トリイソプロピルシリルオキシ)プロパン酸メチル(E399)を以下に従ってE398から調製した:
【0477】
【化99】

【0478】
0℃の3−ヒドロキシ−2−フェニルプロパン酸メチルのCHCl溶液に、2,6−ルチジンおよびTIPS−OTfを添加し、この溶液を室温で2時間撹拌した。混合物をNHCl(飽和)に入れ、CHClで抽出した。有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(0〜10%EtOAc/Hex)によって、純粋な2−フェニル−3−(トリイソプロピルシリルオキシ)プロパン酸メチル(E399)を得た。
【0479】
2−フェニル−3−(トリイソプロピルシリルオキシ)プロパン酸(E400)を以下に従ってE399から調製した:
【0480】
【化100】

【0481】
2−フェニル−3−(トリイソプロピルシリルオキシ)プロパン酸メチル(E399)のTHF/HO/MeOH溶液に、LiOH・HOを添加し、この溶液を室温で一晩撹拌した。この溶液をNHCl(飽和)/HCl(1規定)(3:1)に入れ、EtOAcで抽出した。一緒にした有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(0%〜4%MeOH/CHCl)によって、純粋な2−フェニル−3−(トリイソプロピルシリルオキシ)プロパン酸(E400)を得た。
【0482】
N−(イソキノリン−6−イル)−2−フェニル−3−(トリイソプロピルシリルオキシ)プロパンアミド(E401)を以下に従ってE400から調製した:
【0483】
【化101】

【0484】
2−フェニル−3−(トリイソプロピルシリルオキシ)プロパン酸(E400)のピリジン溶液に、EDC、DMAPおよび6−アミノイソキノリンを添加し、この溶液を窒素で置換し、蓋をし、一晩撹拌した。混合物をNaHCO(飽和)に入れ、EtOAcで抽出した。一緒にした有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(3〜4%MeOH/CHCl)によって、純粋なN−(イソキノリン−6−イル)−2−フェニル−3−(トリイソプロピルシリルオキシ)プロパンアミド(E401)を得た。
【0485】
3−ヒドロキシ−N−(イソキノリン−6−イル)−2−フェニルプロパンアミド(E402)を以下に従ってE401から調製した:
【0486】
【化102】

【0487】
0℃に冷却したN−(イソキノリン−6−イル)−2−フェニル−3−(トリイソプロピルシリルオキシ)プロパンアミド(E401)のTHF溶液にTBAFを添加し、この溶液を0℃で3時間撹拌した。混合物をEtOAc/NHCl(飽和)に入れ、NHCl(飽和)で洗浄した。有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(0〜10%MeOH/CHCl)によって、純粋な3−ヒドロキシ−N−(イソキノリン−6−イル)−2−フェニルプロパンアミド(E402)を得た。
【0488】
メタンスルホン酸3−(イソキノリン−6−イルアミノ)−3−オキソ−2−フェニルプロピル(E403)を以下に従ってE402から調製した:
【0489】
【化103】

【0490】
0℃の3−ヒドロキシ−N−(イソキノリン−6−イル)−2−フェニルプロパンアミド(E402)のピリジン溶液にMsClを添加し、この溶液を0℃で2.5時間撹拌した。混合物をNaHCO(飽和)に入れ、EtOAcで抽出した。一緒にした有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、蒸発させて、メタンスルホン酸3−(イソキノリン−6−イルアミノ)−3−オキソ−2−フェニルプロピル(E403)を得た。
【0491】
N−(イソキノリン−6−イル)−3−(4−メチルピペラジン−1−イル)−2−フェニルプロパンアミド(E404)を以下に従ってE403から調製した:
【0492】
【化104】

【0493】
メタンスルホン酸3−(イソキノリン−6−イルアミノ)−3−オキソ−2−フェニルプロピル(E403)のメタノール溶液に、1−メチルピペラジンを添加し、この溶液を50℃で一晩撹拌した。溶媒を蒸発させ、カラムクロマトグラフィー(10〜20%2規定NH−MeOH/CHCl)によって、N−(イソキノリン−6−イル)−3−(4−メチルピペラジン−1−イル)−2−フェニルプロパンアミド(E404)を得た。
【0494】
実施例405〜428
市販の化合物および基本的に上記実施例に示した手順を使用し、適当な出発物質に置き換え、化合物E405〜E410(表23)およびE411〜E428(表24および表25)を合成することができるであろう。
【0495】
【表23】

【0496】
【表24】

【0497】
【表25】

【0498】
実施例429〜433
化合物E429〜E433を、Calmes et al., Eur. J. Org. Chem. 2000, 2459-2466による手順に修正を加えた図21のスキームに従って調製した。
【0499】
3−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)−2−(チオフェン−3−イル)プロパン酸メチル(E429)を以下に従って調製した:
【0500】
【化105】

【0501】
−78℃に冷却した純粋な2−(チオフェン−3−イル)酢酸メチルのTHF溶液にLiHMDSを添加し、この溶液を−78℃で30分間撹拌した。次いで、N−(ブロモメチル)フタルイミドを直接添加し、この溶液を0℃まで温めた。混合物をNaHCO(飽和)に入れ、EtOAcで抽出し、乾燥し(NaSO)、濾過し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(SiO、0〜40%EtOAc/Hex)によって、純粋な3−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)−2−(チオフェン−3−イル)プロパン酸メチル(E429)を得た。
【0502】
3−アミノ−2−(チオフェン−3−イル)プロパン酸の塩酸塩(E430)を以下に従ってE429から調製した:
【0503】
【化106】

【0504】
3−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)−2−(チオフェン−3−イル)プロパン酸メチル(E429)に、6規定HClを添加し、この溶液を4時間還流した。溶媒を蒸発させて、3−アミノ−2−(チオフェン−3−イル)プロパン酸(E430)を得た。
【0505】
3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−(チオフェン−3−イル)プロパン酸(E431)を以下に従ってE430から調製した:
【0506】
【化107】

【0507】
0℃のBocOのジオキサン溶液に、冷却した3−アミノ−2−(チオフェン−3−イル)プロパン酸の塩酸塩(E430)の1規定NaOH溶液(0℃)を添加した。この溶液を0℃で30分間、次いで、室温で4時間撹拌した。混合物をHClで酸性にし、EtOAcおよびNHCl(飽和)で抽出した。有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、蒸発させて、純粋な3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−(チオフェン−3−イル)プロパン酸(E431)を得た。
【0508】
3−(イソキノリン−6−イルアミノ)−3−オキソ−2−(チオフェン−3−イル)プロピルカルバミン酸tert−ブチル(E432)を以下に従ってE431から調製した:
【0509】
【化108】

【0510】
3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−(チオフェン−3−イル)プロパン酸(E431)のピリジン溶液に、EDC、DMAPおよび6−アミノイソキノリンを添加し、この溶液を室温で一晩撹拌した。混合物をNaHCO(飽和)に入れ、EtOAcで抽出した。有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(SiO、3%MeOH/CHCl)によって、純粋な3−(イソキノリン−6−イルアミノ)−3−オキソ−2−(チオフェン−3−イル)プロピルカルバミン酸tert−ブチル(E432)を得た。
【0511】
3−アミノ−N−(イソキノリン−6−イル)−2−(チオフェン−3−イル)プロパンアミドの二塩酸塩(E433)を以下に従ってE432から調製した:
【0512】
【化109】

【0513】
3−(イソキノリン−6−イルアミノ)−3−オキソ−2−(チオフェン−3−イル)プロピルカルバミン酸tert−ブチル(E432)のCHCl溶液に、HCl(4規定、ジオキサン溶液)を添加し、この溶液を8〜10時間撹拌した。溶媒を蒸発させて、純粋な3−アミノ−N−(イソキノリン−6−イル)−2−(チオフェン−3−イル)プロパンアミドの二塩酸塩(E433)を得た。
【0514】
実施例434〜456
市販の化合物および基本的に実施例429〜433に示した手順を使用し、適当な出発物質に置き換え、以下の化合物E434〜E441(表26)およびE442〜E456(表27)を調製した。
【0515】
【表26】

【0516】
【表27】

【0517】
実施例457
眼内圧を低下させるための局所医薬組成物を慣用の方法で調製し、以下の組成で製剤化する:
成分 量(wt%)
有効成分 0.50
デキストラン70 0.1
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.3
塩化ナトリウム 0.77
塩化カリウム 0.12
EDTA二ナトリウム 0.05
塩化ベンザルコニウム 0.01
HClおよび/またはNaOH pH5.5〜6.5
精製水 100%まで適量
本発明に係る化合物を有効成分として使用する。本組成物を1日1回眼に局所投与すると、この組成物によって、緑内障に罹患している患者の眼内圧は低下する。
【0518】
実施例458
本発明に係るE6を用いて実施例457を繰り返す。1滴を1日2回投与すると、この組成物によって眼内圧が実質的に低下し、神経保護薬として機能する。
【0519】
実施例459
本発明に係るγアミノ酸イソキノリルアミドを用いて実施例457を繰り返す。1滴を1日2回投与すると、この組成物によって眼内圧は実質的に低下する。
【0520】
実施例460
本発明に係るベンズアミドを用いて実施例457を繰り返す。1滴を1日2回投与すると、この組成物によってアレルギー症状は実質的に低下し、ドライアイ症候群は軽減される。
【0521】
実施例461
本発明に係るE19を用いて実施例457を繰り返す。1滴を必要に応じて投与すると、この組成物によって充血、発赤および眼の炎症は実質的に緩和される。
【0522】
実施例462
本発明に係るE18を用いて実施例457を繰り返す。1滴を1日4回投与すると、この組成物によって眼内圧は実質的に低下し、神経保護薬として機能する。
【0523】
実施例463
本発明に係るE21を用いて実施例457を繰り返す。1滴を1日2回投与すると、この組成物によって眼内圧は実質的に低下する。
【0524】
実施例464
本発明に係るE115を用いて実施例457を繰り返す。1滴を1日2回投与すると、この組成物によって、眼圧およびアレルギー症状は実質的に低下し、ドライアイ症候群は軽減される。
【0525】
参考例2
細胞に基づくブタ小柱網(PTM)アッセイ
死後4時間以内のブタの眼の前部を回収する。虹彩および毛様体を除去し、小柱網細胞を鈍的切開によって回収する。細かく刻んだ小柱網組織を、20%ウシ胎仔血清(FBS)を含有する199培地を含む、コラーゲンでコーティングした6ウェルプレートに蒔いて培養する。集密した状態での2回の継代培養後、10%FBSを含有する低グルコースDMEMに細胞を移す。3回目と8回目の継代培養間の細胞を使用する。
【0526】
標準的な培養状態下での化合物の試験前に、細胞をフィブロネクチンでコーティングしたガラス製マルチウェルプレートに蒔いて培養する。化合物を1%FBS含有DMEMおよび1%DMSOの存在下で細胞に添加する。最適になるように決定された持続時間にわたって化合物を細胞と共にインキュベートし、培地および化合物を除去し、メタノールを含まない3%パラホルムアルデヒドで細胞を20分間固定する。細胞をリン酸緩衝食塩水(PBS)で2回すすぎ、0.5%Triton X-100で2分間透過処理する。PBSでさらに2回洗浄した後、F−アクチンをAlexa-fluor 488で標識したファロイジンで染色し、核をDAPIで染色する。
【0527】
データは、平均の直線状アクチン繊維長に換算し、DMSO処理した対照細胞(100%)および50μMのY−27632(0%)に正規化する。Y−27632は、これらの細胞中のF−アクチンの解重合を生じさせることが知られているローキナーゼ阻害剤である。
【0528】
参考例3
ノルエピネフリン輸送体(NET)膜放射リガンド結合アッセイ
細胞膜全体を、150mmの組織培養皿内で集密になるまで増殖させた、組み換え型ヒトノルエピネフリン輸送体(hNET)を発現しているMDCK細胞から調製する。細胞を回収し、標準的な培地に入れ、1600gでペレット化する。培地を廃棄し、ペレットを粉砕してプレート当たり5mlの氷冷した結合緩衝液(100mMのNaCl、50mMのトリス、室温でpH7.4)に再懸濁し、細胞を20,000gで再ペレット化する。上澄みを廃棄し、細胞を結合緩衝液(50mMのトリス−HCl、pH7.4、100mMのNaCl、1μMのロイペプチン、10μMのPMSF)に再懸濁し、ポリトロン(Brinkman社)を用いて25,000回転/分で5秒間均質化する。遠心分離、再懸濁および均質化を繰り返し、懸濁液の試料をブラッドフォード(Bradford)タンパク質定量(BioRad社)のために使用する。膜懸濁液の試料を使用前に−80℃で冷凍する。典型的な収率は、106個の細胞当たり約100μgの膜タンパク質である。2度行ったアッセイは0.2nMの[125I]RTI−55を用いて開始する。10μMのデシプラミンを用いて非特異的結合を測定する。4℃で3時間インキュベーションを行う。アッセイは、自動化したセルハーベスター(Brandel社)を用いて、0.5%ポリエチリンイミン(polyethylineimine)に浸漬したGF/Bガラス繊維フィルターで急速濾過した後に、氷冷した5mlの結合緩衝液で3回急速洗浄して終了する。結合した放射能は、γ線発光分析によって測定する。
【0529】
参考例4
セロトニン輸送体(SERT)膜放射リガンド結合アッセイ
細胞膜全体を、150mmの組織培養皿内で集密になるまで増殖させた、組み換え型ヒトセロトニン輸送体(hSERT)を発現しているHEK−293細胞から調製する。細胞を回収し、標準的な培地に入れ、1600gでペレット化する。培地を廃棄し、ペレットを粉砕してプレート当たり5mlの氷冷した結合緩衝液(100mMのNaCl、50mMのトリス、室温でpH7.4)に再懸濁し、細胞を20,000gで再ペレット化する。上澄みを廃棄し、細胞を結合緩衝液(50mMのトリス−HCl、pH7.4、120mMのNaCl、5mMのKCl)に再懸濁し、ポリトロン(Brinkman社)を用いて25,000回転/分で5秒間均質化する。遠心分離、再懸濁および均質化を繰り返し、懸濁液の試料をブラッドフォード(Bradford)タンパク質定量(BioRad社)のために使用する。膜懸濁液の試料を使用前に−80℃で冷凍する。典型的な収率は、106個の細胞当たり約100μgの膜タンパク質である。2度行ったアッセイは0.4nMの[3H]パロキセチンを用いて開始する。10μMのイミプラミンを用いて非特異的結合を測定する。25℃で60分間インキュベーションを行う。アッセイは、自動化したセルハーベスター(Brandel社)を用いて、0.5%ポリエチリンイミン(polyethylineimine)に浸漬したGF/Bガラス繊維フィルターで急速濾過した後に、氷冷した5mlの結合緩衝液で3回急速洗浄して終了する。結合した放射能は、β線発光分析によって測定する。
【0530】
参考例5
緑内障アッセイのための薬理活性
緑内障治療のための薬理活性は、対象化合物の眼内圧低下能力を試験するように設計されたアッセイを用いて実証することができる。そのようなアッセイの例は以下の参考文献に記載されており、その内容は参照により本明細書に組み込まれる:C. Liljebris, G. Selen, B. Resul, J. Sternschantz, and U. Hacksell, "Derivatives of 17-phenyl-18,19,20-trinorprostaglandin F2Isopropyl Ester: Potential Anti-glaucoma Agents(17−フェニル−18,19,20−トリノルプロスタグランジンFイソプロピルエステルの誘導体:可能な抗緑内障薬)", Journal of Medicinal Chemistry 1995, 38 (2): 289-304。
【0531】
参考例6
NET活性修飾物質の機能的スクリーニング
細胞アッセイの間に、生体アミンを模倣し、かつ細胞内に能動輸送されるフルオロフォアを使用して、ヒトのノルエピネフリン輸送体(hNET)の阻害を特徴づける。可能な阻害剤とのインキュベーション後、蛍光遮蔽色素の存在下で色素溶液を添加する。蛍光色素を細胞内に輸送し、遮蔽色素から取り外すと、425nmの光によって励起された場合、510nmの波長で光が放射される。ノルエピネフリン輸送体阻害剤は、蛍光のこの時間依存的増加を阻止する(Blakely RD, DeFelice LJ, and Galli A. A. Physiol. 2005. 20,225-231)。
【0532】
ヒトのノルエピネフリン輸送体を組み換えにより過剰発現しているHEK−293細胞を、5%CO中37℃で、10%ウシ胎児血清(Atlanta Biologicals社#S11050)、100単位/mlのペニシリン/ストレプトマイシン(Gibco社#15140−122)および250μg/mLのG−418(Gibco社#10131027)を含むフェノールレッド非含有DMEM培地(Gibco社#21063−029)内で増殖させた。
【0533】
試験の前日に、1ウェル当たり100,000個の密度で、黒い透明の床板(Costar社#3904)に細胞を蒔いて培養する。アッセイの朝に、培地を取り出し、試験化合物を含む100μLのHBSS(20mMのHEPESを含む1×ハンクス液)(10×HBSS(Gibco社#14065)、1モルHEPES(Gibco社#15630−80))で置き換える。細胞を、試験化合物(または対照ウェルに入れたDMSO)に30分間曝露する。プレインキュベーション期間の最後に、10μLの10×色素溶液を添加し、化合物溶液と十分に混合する。30分のインキュベーション期間後、Analyst HT蛍光プレートリーダー(Molecular Devices社、カリフォルニア州サニーヴェール)を用いて蛍光を定量化する。
【0534】
本発明をその具体的な態様を参照しながら詳細に説明したが、当業者には、本発明の趣旨および範囲を逸脱しない様々な変形および修正が可能であることは明らかであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

の化合物、およびその塩および溶媒和物
(式中、R、RおよびRは独立に、水素、C〜Cアルキル、アリール、C〜Cアルキルアリール、C〜Cアルキルヘテロアリール、C〜Cアルキルヘテロシクリル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cカルボニル、C〜Cカルボニルアミノ、C〜Cアルコキシ、C〜Cスルホニル、C〜Cスルホニルアミノ、C〜CチオアルキルまたはC〜Cカルボキシルであるか、または、互いに環を形成するか、または、Aと共に環を形成し、
Aは、C〜Cアルキル、C〜Cアルキルアリール、C〜Cアルキルヘテロアリールであるか、または、R、RまたはRと共に環構造を形成し、
Bは、水素、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、C〜C22アルキル、C〜C22アルキルアリール、C〜C22アルキルヘテロアリール、C〜C22アルケニル、C〜C22アルキニル、C〜C22カルボニル、C〜C22カルボニルアミノ、C〜C22アルコキシ、C〜C22スルホニル、C〜C22スルホニルアミノ、C〜C22チオアルキルまたはC〜C22カルボキシルであり、
、XおよびXは独立に、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、アミノ、アミノカルボニル、ニトロ、シアノ、C〜Cカルボニル、C〜Cカルボニルアミノ、C〜Cアルコキシ、C〜Cスルホニル、C〜Cスルホニルアミノ、C〜CチオアルキルまたはC〜Cカルボキシルであり、
二重丸
【化2】

は、芳香族環もしくは複素芳香族環を表し、
各Zは独立に、結合、C〜Cアルキル、ヘテロアルキルまたはO原子である)。
【請求項2】
式III:
【化3】

の化合物、およびその塩および溶媒和物
(式中、RおよびRは独立に、水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルキルアリール、C〜Cアルキルヘテロアリール、C〜Cアルキルヘテロシクリルであるか、あるいはRおよびRは一緒になって、環すなわちシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルを形成し、
は、水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルキルアリール、C〜Cアルキルヘテロアリール、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cカルボニル、C〜Cカルボニルアミノ、C〜Cアルコキシ、C〜Cスルホニル、C〜Cスルホニルアミノ、C〜CチオアルキルまたはC〜Cカルボキシルであるか、あるいはRはそれ自体またはRもしくはRと共に環を形成していてもよく、
、XおよびXは独立に、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、アミノ、アミノカルボニル、ニトロ、シアノ、C〜Cカルボニル、C〜Cカルボニルアミノ、C〜Cアルコキシ、C〜Cスルホニル、C〜Cスルホニルアミノ、C〜CチオアルキルまたはC〜Cカルボキシルであり、
Bは、水素、C〜C18アルキル、C〜C18アルキルアリール、C〜C18アルキルヘテロアリール、C〜C18カルボニル、C〜C18カルボニルアミノ、C〜C18スルホニル、C〜C18スルホニルアミノまたはC〜C18カルボキシルである)。
【請求項3】
式IV:
【化4】

の化合物、およびその塩および溶媒和物
(式中、RおよびRは独立に、水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルキルアリール、C〜Cアルキルヘテロアリール、C〜Cアルキルヘテロシクリルであるか、あるいはRおよびRは一緒になって環すなわちシクロアルキルまたはヘテロシクリルを形成し、
は、水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルキルアリール、C〜Cアルキルヘテロアリール、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cカルボニル、C〜Cカルボニルアミノ、C〜Cアルコキシ、C〜Cスルホニル、C〜Cスルホニルアミノ、C〜CチオアルキルまたはC〜Cカルボキシルであり、
、XおよびXは独立に、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、アミノ、アミノカルボニル、ニトロ、シアノ、C〜Cカルボニル、C〜Cカルボニルアミノ、C〜Cアルコキシ、C〜Cスルホニル、C〜Cスルホニルアミノ、C〜CチオアルキルまたはC〜Cカルボキシルであり、
Bは、水素、C〜C18アルキル、C〜C18アルキルアリール、C〜C18アルキルヘテロアリール、C〜C18カルボニル、C〜C18カルボニルアミノ、C〜C18スルホニル、C〜C18スルホニルアミノまたはC〜C18カルボキシルであり、
Zは、結合、C〜Cアルキル、ヘテロアルキルまたはO原子である)。
【請求項4】
およびRがメチルまたは水素であり、かつX、XおよびXが水素である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
Bが脂肪族カルボニル基である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
Bがベンゾイック、ピリジル、ナフチル、ベンゾチオフェンまたはチアゾールカルボニル基である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
Bが、C〜Cアルキルアリール、Cカルボニル、Cカルボニルアミノ、CカルボキシルまたはCヒドロキシルアリールである、請求項3に記載の化合物。
【請求項8】
式II:
【化5】

の化合物、およびその塩および溶媒和物
(式中、R、RおよびRは独立に、水素、C〜Cアルキル、アリール、C〜Cアルキルアリール、C〜Cアルキルヘテロアリール、C〜Cアルキルヘテロシクリル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cカルボニル、C〜Cカルボニルアミノ、C〜Cアルコキシ、C〜Cスルホニル、C〜Cスルホニルアミノ、C〜CチオアルキルまたはC〜Cカルボキシルであるか、または、互いに環を形成するか、または、Aと共に環を形成し、
Aは、C〜Cアルキルであるか、R、RまたはRと共に環構造を形成し、
Bは、水素、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、C〜C22アルキル、C〜C22アルキルアリール、C〜C22アルキルヘテロアリール、C〜C22アルケニル、C〜C22アルキニル、C〜C22カルボニル、C〜C22カルボニルアミノ、C〜C22アルコキシ、C〜C22スルホニル、C〜C22スルホニルアミノ、C〜C22チオアルキルまたはC〜C22カルボキシルであり、
、XおよびXは独立に、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、アミノ、アミノカルボニル、ニトロ、シアノ、C〜Cカルボニル、C〜Cカルボニルアミノ、C〜Cアルコキシ、C〜Cスルホニル、C〜Cスルホニルアミノ、C〜CチオアルキルまたはC〜Cカルボキシルであり、
二重丸
【化6】

は、芳香族環もしくは複素芳香族環を表し、
各Zは独立に結合、C〜Cアルキル、ヘテロアルキルまたはO原子である)。
【請求項9】
は水素またはC〜Cアルキルであり、BはC〜C22カルボニルであり、X、XおよびXは水素であり、二重丸
【化7】

は、芳香族環もしくは複素芳香族環を表し、Z、は結合、C〜Cアルキル、C〜CヘテロアルキルまたはO原子である、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
Zが結合または−CH−である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
、XおよびXがそれぞれ水素である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項12】
Aが−CHCH−である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項13】
およびRが独立に水素またはメチルである、請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項14】
が水素またはC〜Cアルキルである、請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項15】
式V:
【化8】

の化合物
(式中、Zは、結合または−CH−であり、
Bは、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、C〜C22アルキル、C〜C22アルキルアリール、C〜C22アルキルヘテロアリール、C〜C22アルケニル、C〜C22アルキニル、C〜C22カルボニル、C〜C22カルボニルアミノ、C〜C22アルコキシ、C〜C22スルホニル、C〜C22スルホニルアミノ、C〜C22チオアルキルまたはC〜C22カルボキシルである)。
【請求項16】
以下:
【化9】

【化10】

【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

【化15】

および
【化16】

からなる群から選択される化合物。
【請求項17】
式(VI):
【化17】

の化合物
(式中、Rはメチルであり、nは2である)。
【請求項18】
2,4−ジメチル安息香酸4−(3−アミノ−1−(イソキノリノ−6−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)ベンジル。
【請求項19】
請求項1〜18のいずれか1項に記載の化合物および医薬的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項20】
対象における疾患の治療方法であって、請求項1〜18のいずれか1項に記載の化合物の有効量を対象に投与することを含み、該疾患が、眼疾患、骨障害、肥満症、心疾患、肝疾患、腎疾患、膵炎、癌、心筋梗塞、胃障害、高血圧症、避妊、毛髪成長不全、鼻詰まり、神経因性膀胱障害、胃腸障害および皮膚疾患うちの少なくとも1つを含む、方法。
【請求項21】
該疾患が眼疾患を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
該眼疾患が緑内障または神経変性眼疾患を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
キナーゼ活性を調節するのに有効な量の請求項1〜18のいずれか1項に記載の化合物に細胞をさせることを含む、キナーゼ活性を調節する方法。
【請求項24】
該細胞が対象である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
眼内圧を低下させるのに有効な量の請求項1〜18のいずれか1項に記載の化合物に細胞を接触させることを含む、眼内圧を低下させる方法。
【請求項26】
該細胞が対象である、請求項25に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公表番号】特表2012−525386(P2012−525386A)
【公表日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−508492(P2012−508492)
【出願日】平成22年1月27日(2010.1.27)
【国際出願番号】PCT/US2010/022246
【国際公開番号】WO2010/126626
【国際公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(509195515)アエリエ・ファーマシューティカルズ・インコーポレーテッド (7)
【Fターム(参考)】