説明

療法剤

本発明は、1,5−ジフェニルピラゾール化合物、ならびに肥満、精神障害および神経学的障害の治療における該化合物の使用、該化合物の療法的使用のための方法、ならびに該化合物を含有する薬学的組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、特定の1,5−ジフェニルピラゾール化合物、該化合物を調製するためのプロセス、肥満、精神障害および神経学的障害の治療における該化合物の使用、該化合物の療法的使用のための方法、ならびに該化合物を含有する薬学的組成物に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
発明の背景
特定のCB調節剤(アンタゴニストまたはインバースアゴニストとして知られる)が、肥満、精神障害および神経学的障害の治療に有用であることが知られる(WO01/70700およびEP656354)。しかし、改善された物理化学特性および/またはDMPK特性および/または薬力学的特性を持つCB調節剤に対する必要性がある。抗炎症活性を有するピラゾールが、WO99/64415およびEP 418 845に開示される。US 5,624,941、WO03/020217およびEP 656354には、1,5−ジアリールピラゾール−3−カルボキサミド誘導体がCB調節活性を有すると開示される。US 2004/0192667、EP 0876350およびEP 1,571,147には、4−ヒドロキシメチル置換基を有する1,5−ジアリールピラゾール−3−カルボキサミド誘導体がCB調節活性を有すると開示される。同時係属出願WO2005/080343は4−[1−(置換フェニル)−3−[(カルボキサミド]−1H−ピラゾール−5−イル]フェニル1−アルカンスルホン酸エステル誘導体がCB調節活性を有すると開示する。
【0003】
PCT/GB2005/004977は式(I):
【0004】
【化1】

【0005】
およびその薬学的に許容されうる塩、式中、
は、a)i)フルオロ、ii)NR基、式中、RおよびRは、独立に、H、C1−6アルキル基またはC1−6アルコキシカルボニル基を表す、またはiii)1,3−ジオキソラン−2−イル基の1以上によって場合によって置換されている、C1−3アルコキシ基を表すか、b)Rは、i)フルオロ、ii)NR基、式中、RおよびRは、独立に、H、C1−6アルキル基またはC1−6アルコキシカルボニル基を表す、またはiii)1,3−ジオキソラン−2−イル基の1以上によって場合によって置換されている、C4−6アルコキシ基を表すか、c)式、フェニル(CHO−基、式中、pは1、2または3であり、そしてフェニル環は、Zによって表される1つ、2つまたは3つの基によって場合によって置換されている、d)RS(O)O基またはRS(O)NH基、式中、Rは、1以上のフルオロによって場合によって置換されているC1−6アルキル基を表すか、またはRは、Zによって表される1つ、2つもしくは3つの基によって、各々、場合によって置換されている、フェニルもしくはヘテロアリール基を表す、e)式(RSi基、式中、Rは、同じであってもまた異なってもよいC1−6アルキル基を表す、あるいはf)式RO(CO)O基、式中、Rは、1以上のフルオロによって場合によって置換されている、C1−6アルキル基を表す、を表し;
は、ハロ、C1−3アルキル基またはC1−3アルコキシ基を表し
mは、0、1、2または3であり;
は、C1−3アルキル基、C1−3アルコキシ基、ヒドロキシ、ニトロ、シアノまたはハロを表し
nは、0、1、2または3であり;

a)X−Y−NR
式中、XはCOまたはSOであり、
Yは存在しないか、またはC1−3アルキル基によって場合によって置換されているNHを表し;
そしてRおよびRは、独立に:
Wによって表される、1つ、2つまたは3つの基によって場合によって置換されている、C1−6アルキル基;
Wによって表される、1つ、2つまたは3つの基によって場合によって置換されている、C3−15シクロアルキル基;
Wによって表される、1つ、2つまたは3つの基によって場合によって置換されている、場合によって置換された(C3−15シクロアルキル)C1−3アルキレン基;
−(CH(フェニル)基、式中、rは0、1、2、3または4であり、sは、rが0である場合、1であり、そうでなければ、sは1または2であり、そしてフェニル基は、Zによって表される1つ、2つまたは3つの基によって、場合によって独立に置換されている;
1つの窒素、および場合によって:酸素、イオウまたはさらなる窒素の1以上を含有する、飽和5〜8員複素環基であって、1以上のC1−3アルキル基、ヒドロキシまたはベンジルによって場合によって置換されている、前記飽和5〜8員複素環基;
−(CHHet基、式中、tは0、1、2、3または4であり、そしてアルキレン鎖は、1以上のC1−3アルキル基によって場合によって置換され、そしてHetは、C1−5アルキル基、C1−5アルコキシ基またはハロより選択される1つ、2つまたは3つの基によって場合によって置換される芳香族複素環を表す、ここで、アルキルおよびアルコキシ基は、1以上のフルオロによって、場合によって独立に置換されている
を表すか;
またはRはHを表し、そしてRは上に定義する通りであるか;
またはRおよびRは、付着した窒素原子と一緒に、1つの窒素、および場合によって:酸素、イオウまたはさらなる窒素の1以上を含有する、飽和または部分的不飽和5〜8員複素環基であって;1以上のC1−3アルキル基、ヒドロキシ、フルオロまたはベンジルによって場合によって置換されている、前記5〜8員複素環基を表す;
あるいは、b)各々、1つ、2つまたは3つのZ基によって場合によって置換されている、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チエニル、フリルまたはオキサゾリニル
を表し;
は:ヒドロキシ、NR基であって、RおよびRが、独立に、H、1以上のヒドロキシまたは1以上のC1−6アルコキシ基によって置換されているC1−6アルキル基であるか、あるいはRおよびRが、付着した窒素と一緒に、酸素または第二の窒素を場合によって含有する4〜7員飽和複素環であって:ヒドロキシ、フルオロまたはC1−6アルキル基の1以上によって場合によって置換されている、前記4〜7員飽和複素環を表す、前記NR基の1以上によって置換されている、C1−6アルキル基を表し;
Zは、C1−3アルキル基、C1−3アルコキシ基、ヒドロキシ、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメチルチオ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルスルホニル、ニトロ、アミノ、モノまたはジC1−3アルキルアミノ、C1−3アルキルスルホニル、C1−3アルコキシカルボニル、カルボキシ、シアノ、カルバモイル、モノまたはジC1−3アルキルカルバモイルおよびアセチルを表し;そして
Wは、ヒドロキシ、フルオロ、C1−3アルキル基、C1−3アルコキシ基、アミノ、モノまたはジC1−3アルキルアミノ、C1−6アルコキシカルボニル基、あるいはモルホリニル、ピロリジニル、ピペリジニルまたはピペラジニルより選択される複素環アミンであって、C1−3アルキル基またはヒドロキシルによって場合によって置換されている、前記複素環アミンを表す;ならびに肥満、精神障害および神経学的障害の治療におけるその使用を開示する。
【0006】
化合物、3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(2−ヒドロキシシクロヘキシルカルバモイル)−4−ヒドロキシメチル−2H−ピラゾール−3−イル]フェニルエステルが、本出願に特に開示される。現在、この化合物のプラス鏡像異性体が有益な特性を有することが見いだされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の説明
本発明は、(+)−3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(2−ヒドロキシシクロヘキシルカルバモイル)−4−ヒドロキシメチル−2H−ピラゾール−3−イル]フェニルエステルを提供する。
【0008】
可能である場合、すべての互変異性体が本発明の範囲内に含まれる。本発明はまた、1以上の同位体、例えば14C、11Cまたは19Fを含有する化合物、ならびに薬理学的および代謝研究のための同位体標識化合物としてのその使用も含む。
【0009】
本発明はまた、in vivoで本発明の化合物に変換される化合物である、本発明の化合物のプロドラッグも含む。
【発明を実施するための形態】
【0010】
薬学的調製物
本発明の化合物は、通常、経口、非経口、静脈内、筋内、皮下を介して、または他の注射可能な方式で、頬側、直腸、膣、経皮および/または鼻経路で、そして/または吸入を介して、薬学的に許容されうる投薬型の、活性成分または薬学的に許容されうる付加塩を含む薬学的調製物の形で投与されるであろう。治療しようとする障害および患者、ならびに投与経路に応じて、組成物を多様な用量で投与してもよい。
【0011】
ヒトの療法的治療における本発明の化合物の適切な一日用量は、約0.001〜10mg/kg体重、好ましくは0.01〜1mg/kg体重である。経口配合物、特に錠剤またはカプセルが好ましく、これらを、当業者に知られる方法によって、0.5mg〜500mgの範囲で、例えば1mg、3mg、5mg、10mg、25mg、50mg、100mgおよび250mgの活性化合物の用量を提供するように配合してもよい。
【0012】
本発明のさらなる側面にしたがって、薬学的に許容されうるアジュバント、希釈剤および/またはキャリアーと混合された、本発明の化合物またはその薬学的に許容されうる誘導体を含む薬学的配合物もまた提供する。
【0013】
薬理学的特性
本発明の化合物は、肥満または過体重の治療(例えば、体重喪失の促進および体重喪失の維持)、体重増加の予防(例えば薬剤誘導性または禁煙に続く体重増加)、食欲および/または満腹感、摂食障害(例えば多食症、拒食症、過食症および強迫神経症)、欲求(薬物、タバコ、アルコール、食欲をそそる任意の主要栄養素または非必須食品に対するもの)の調節、精神異常および/または気分障害、統合失調症および統合失調性感情障害、双極性障害などの精神障害、不安、不安抑鬱障害、抑鬱、躁病、強迫神経障害、衝動調節障害(例えばジル・ドゥ・ラ・トゥーレット症候群)、ADD/ADHDのような注意障害、ストレス、ならびに認知症および認知および/または記憶機能障害などの神経学的障害(例えば健忘症、アルツハイマー病、ピック認知症、加齢認知症、血管性認知症、軽度認知障害、加齢関連認知低下、および軽度加齢認知症)、神経学的および/または神経変性障害(例えば多発性硬化症、レイノー症候群、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病およびアルツハイマー病)、脱髄関連障害、神経炎症障害(例えばギラン・バレー症候群)の治療に有用である。
【0014】
本発明の化合物はまた、依存症、ならびに嗜癖障害および行動(例えばアルコールおよび/または薬物乱用、病的賭博行為、窃盗癖)、薬物離脱障害(例えば、知覚障害を伴うまたは伴わないアルコール離脱;アルコール離脱せん妄;アンフェタミン離脱;コカイン離脱;ニコチン離脱;オピオイド離脱;知覚障害を伴うまたは伴わない、鎮静剤、睡眠剤または抗不安剤離脱;鎮静剤、睡眠剤または抗不安剤離脱せん妄;および他の物質による離脱症状)、離脱中に開始するアルコールおよび/または薬物誘導性気分、不安および/または睡眠障害、ならびにアルコールおよび/または薬物への逆戻りの予防または治療にも潜在的に有用である。
【0015】
該化合物はまた、ジストニア、運動障害、静座不能、振戦および痙性などの神経学的機能障害の予防または治療、脊髄傷害、神経障害、偏頭痛、覚醒状態障害(vigilance disorder)、睡眠障害(例えば睡眠の仕組みの混乱、睡眠時無呼吸、閉塞性睡眠時無呼吸、睡眠時無呼吸症候群)、疼痛障害、頭蓋外傷の治療にも潜在的に有用である。
【0016】
該化合物はまた、免疫、心臓血管障害(例えばアテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、狭心症、心拍リズム異常、および不整脈、鬱血性心不全、冠状動脈疾患、心臓病、高血圧)の治療、左心室肥大、心筋梗塞、一過性虚血性発作、末梢血管疾患、血管系の全身性炎症、敗血症ショック、脳卒中、脳溢血、脳梗塞、脳虚血、脳血栓、脳塞栓、脳出血、代謝性障害(例えば、脂肪不含総量の割合としての代謝活性減少または安静時エネルギー消費量の減少を示す状態、糖尿病、脂質異常症、脂肪肝、痛風、高コレステロール血症、高脂血症、高トリグリセリド血症、高尿酸血症、耐糖能障害、空腹時グルコース障害、インスリン耐性、インスリン耐性症候群、代謝症候群、症候群X、肥満低換気症候群(ピックウィック症候群)、I型糖尿病、II型糖尿病、低HDLおよび/または高LDLコレステロールレベル、低アディポネクチンレベル)、生殖および内分泌障害(例えば男性における性機能低下症の治療、不妊治療または避妊剤として、月経異常/月経異常症、多嚢胞性卵巣疾患、女性および男性における性的および生殖機能障害(勃起機能障害)、GH欠損被験体、女性における多毛症、正常変異低身長症)、ならびに呼吸系に関連する疾患(例えばぜんそくおよび慢性閉塞性肺疾患)および胃腸系に関連する疾患(例えば、胃腸の運動性または腸前進運動の機能障害、下痢、嘔吐、吐き気、胆嚢病、胆石症、肥満関連胃食道逆流、潰瘍)の予防および治療にも潜在的に有用である。
【0017】
該化合物はまた、皮膚障害、癌(例えば結腸、直腸、前立腺、乳房、卵巣、子宮内膜、子宮頸部、胆嚢、胆管)、頭蓋咽頭腫、プラダー・ウィリ症候群、ターナー症候群、フレーリッヒ症候群、緑内障、感染性疾患、尿管障害および炎症性障害(例えば変形性関節炎、炎症、ウイルス脳炎の炎症性後遺症、骨関節症)および整形外科的障害の治療における剤としても、潜在的に有用である。該化合物はまた、(食道)アカラシアの治療における剤としても、潜在的に有用である。
【0018】
別の側面において、本発明は、薬剤として使用するための本発明の化合物を提供する。
さらなる側面において、本発明は、肥満または過体重の治療または予防(例えば、体重喪失の促進および体重喪失の維持)、体重増加の予防(例えば薬剤誘導性または禁煙に続く体重増加)、食欲および/または満腹感、摂食障害(例えば多食症、拒食症、過食症および強迫神経症)、欲求(薬物、タバコ、アルコール、食欲をそそる任意の主要栄養素または非必須食品に対するもの)の調節、精神異常および/または気分障害、統合失調症および統合失調性感情障害、双極性障害などの精神障害、不安、不安抑鬱障害、抑鬱、躁病、強迫神経障害、衝動調節障害(例えばジル・ドゥ・ラ・トゥーレット症候群)、ADD/ADHDのような注意障害、ストレス、ならびに認知症および認知および/または記憶機能障害などの神経学的障害(例えば健忘症、アルツハイマー病、ピック認知症、加齢認知症、血管性認知症、軽度認知障害、加齢関連認知低下、および軽度加齢認知症)、神経学的および/または神経変性障害(例えば多発性硬化症、レイノー症候群、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病およびアルツハイマー病)、脱髄関連障害、神経炎症障害(例えばギラン・バレー症候群)の治療のための薬剤調製における、本発明の化合物の使用を提供する。
【0019】
さらなる側面において、本発明は、依存症、ならびに嗜癖障害および行動(例えばアルコールおよび/または薬物乱用、病的賭博行為、窃盗癖)、薬物離脱障害(例えば、知覚障害を伴うまたは伴わないアルコール離脱;アルコール離脱せん妄;アンフェタミン離脱;コカイン離脱;ニコチン離脱;オピオイド離脱;知覚障害を伴うまたは伴わない、鎮静剤、睡眠剤または抗不安剤離脱;鎮静剤、睡眠剤または抗不安剤離脱せん妄;および他の物質による離脱症状)、離脱中に開始するアルコールおよび/または薬物誘導性気分、不安および/または睡眠障害、ならびにアルコールおよび/または薬物への逆戻りの治療または予防のための薬剤調製における、本発明の化合物の使用を提供する。
【0020】
さらなる側面において、本発明は、ジストニア、運動障害、静座不能、振戦および痙性などの神経学的機能障害の治療または予防、脊髄傷害、神経障害、偏頭痛、覚醒状態障害、睡眠障害(例えば睡眠の仕組みの混乱、睡眠時無呼吸、閉塞性睡眠時無呼吸、睡眠時無呼吸症候群)、疼痛障害、頭蓋外傷の治療のための薬剤調製における、本発明の化合物の使用を提供する。
【0021】
さらなる側面において、本発明は、免疫、心臓血管障害(例えばアテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、狭心症、心拍リズム異常、および不整脈、鬱血性心不全、冠状動脈疾患、心臓病、高血圧)の治療または予防、左心室肥大、心筋梗塞、一過性虚血性発作、末梢血管疾患、血管系の全身性炎症、敗血症ショック、脳卒中、脳溢血、脳梗塞、脳虚血、脳血栓、脳塞栓、脳出血、代謝性障害(例えば、脂肪不含総量の割合としての代謝活性減少または安静時エネルギー消費量の減少を示す状態、糖尿病、脂質異常症、脂肪肝、痛風、高コレステロール血症、高脂血症、高トリグリセリド血症、高尿酸血症、耐糖能障害、空腹時グルコース障害、インスリン耐性、インスリン耐性症候群、代謝症候群、症候群X、肥満低換気症候群(ピックウィック症候群)、I型糖尿病、II型糖尿病、低HDLおよび/または高LDLコレステロールレベル、低アディポネクチンレベル)、生殖および内分泌障害(例えば男性における性機能低下症の治療、不妊治療または避妊剤として、月経異常/月経異常症、多嚢胞性卵巣疾患、女性および男性における性的および生殖機能障害(勃起機能障害)、GH欠損被験体、女性における多毛症、正常変異低身長症)、ならびに呼吸系に関連する疾患(例えばぜんそくおよび慢性閉塞性肺疾患)および胃腸系に関連する疾患(例えば、胃腸の運動性または腸前進運動の機能障害、下痢、嘔吐、吐き気、胆嚢病、胆石症、肥満関連胃食道逆流、潰瘍)の予防および治療のための薬剤調製における、本発明の化合物の使用を提供する。
【0022】
さらなる側面において、本発明は、皮膚障害、癌(例えば結腸、直腸、前立腺、乳房、卵巣、子宮内膜、子宮頸部、胆嚢、胆管)、頭蓋咽頭腫、プラダー・ウィリ症候群、ターナー症候群、フレーリッヒ症候群、緑内障、感染性疾患、尿管障害および炎症性障害(例えば変形性関節炎、炎症、ウイルス脳炎の炎症性後遺症、骨関節症)および整形外科的障害の治療または予防のための薬剤調製における、本発明の化合物の使用を提供する。
【0023】
さらにさらなる側面において、本発明は、肥満または過体重の予防または治療(例えば、体重喪失の促進および体重喪失の維持)、体重増加の予防(例えば薬剤誘導性または禁煙に続く体重増加)、食欲および/または満腹感、摂食障害(例えば多食症、拒食症、過食症および強迫神経症)、欲求(薬物、タバコ、アルコール、食欲をそそる任意の主要栄養素または非必須食品に対するもの)の調節、精神異常および/または気分障害、統合失調症および統合失調性感情障害、双極性障害などの精神障害、不安、不安抑鬱障害、抑鬱、躁病、強迫神経障害、衝動調節障害(例えばジル・ドゥ・ラ・トゥーレット症候群)、ADD/ADHDのような注意障害、ストレス、ならびに認知症および認知および/または記憶機能障害などの神経学的障害(例えば健忘症、アルツハイマー病、ピック認知症、加齢認知症、血管性認知症、軽度認知障害、加齢関連認知低下、および軽度加齢認知症)、神経学的および/または神経変性障害(例えば多発性硬化症、レイノー症候群、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病およびアルツハイマー病)、脱髄関連障害、神経炎症障害(例えばギラン・バレー症候群)の治療のため、こうした予防または治療が必要な患者に、本発明の化合物の薬理学的有効量を投与する工程を含む方法を提供する。
【0024】
さらにさらなる側面において、本発明は、依存症、ならびに嗜癖障害および行動(例えばアルコールおよび/または薬物乱用、病的賭博行為、窃盗癖)、薬物離脱障害(例えば、知覚障害を伴うまたは伴わないアルコール離脱;アルコール離脱せん妄;アンフェタミン離脱;コカイン離脱;ニコチン離脱;オピオイド離脱;知覚障害を伴うまたは伴わない、鎮静剤、睡眠剤または抗不安剤離脱;鎮静剤、睡眠剤または抗不安剤離脱せん妄;および他の物質による離脱症状)、離脱中に開始するアルコールおよび/または薬物誘導性気分、不安および/または睡眠障害、ならびにアルコールおよび/または薬物への逆戻りの予防または治療のため、こうした予防または治療が必要な患者に、本発明の化合物の薬理学的有効量を投与する工程を含む方法を提供する。
【0025】
さらにさらなる側面において、本発明は、ジストニア、運動障害、静座不能、振戦および痙性などの神経学的機能障害の予防または治療、脊髄傷害、神経障害、偏頭痛、覚醒状態障害、睡眠障害(例えば睡眠の仕組みの混乱、睡眠時無呼吸、閉塞性睡眠時無呼吸、睡眠時無呼吸症候群)、疼痛障害、頭蓋外傷の治療のため、こうした予防または治療が必要な患者に、本発明の化合物の薬理学的有効量を投与する工程を含む方法を提供する。
【0026】
さらにさらなる側面において、本発明は、免疫、心臓血管障害(例えばアテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、狭心症、心拍リズム異常、および不整脈、鬱血性心不全、冠状動脈疾患、心臓病、高血圧)の予防または治療、左心室肥大、心筋梗塞、一過性虚血性発作、末梢血管疾患、血管系の全身性炎症、敗血症ショック、脳卒中、脳溢血、脳梗塞、脳虚血、脳血栓、脳塞栓、脳出血、代謝性障害(例えば、脂肪不含総量の割合としての代謝活性減少または安静時エネルギー消費量の減少を示す状態、糖尿病、脂質異常症、脂肪肝、痛風、高コレステロール血症、高脂血症、高トリグリセリド血症、高尿酸血症、耐糖能障害、空腹時グルコース障害、インスリン耐性、インスリン耐性症候群、代謝症候群、症候群X、肥満低換気症候群(ピックウィック症候群)、I型糖尿病、II型糖尿病、低HDLおよび/または高LDLコレステロールレベル、低アディポネクチンレベル)、生殖および内分泌障害(例えば男性における性機能低下症の治療、不妊治療または避妊剤として、月経異常/月経異常症、多嚢胞性卵巣疾患、女性および男性における性的および生殖機能障害(勃起機能障害)、GH欠損被験体、女性における多毛症、正常変異低身長症)、ならびに呼吸系に関連する疾患(例えばぜんそくおよび慢性閉塞性疾患)および胃腸系に関連する疾患(例えば、胃腸の運動性または腸前進運動の機能障害、下痢、嘔吐、吐き気、胆嚢病、胆石症、肥満関連胃食道逆流、潰瘍)の予防および治療のため、こうした予防または治療が必要な患者に、本発明の化合物の薬理学的有効量を投与する工程を含む方法を提供する。
【0027】
さらにさらなる側面において、本発明は、皮膚障害、癌(例えば結腸、直腸、前立腺、乳房、卵巣、子宮内膜、子宮頸部、胆嚢、胆管)、頭蓋咽頭腫、プラダー・ウィリ症候群、ターナー症候群、フレーリッヒ症候群、緑内障、感染性疾患、尿管障害および炎症性障害(例えば変形性関節炎、炎症、ウイルス脳炎の炎症性後遺症、骨関節症)および整形外科的障害の予防または治療のため、こうした予防または治療が必要な患者に、本発明の化合物の薬理学的有効量を投与する工程を含む方法を提供する。
【0028】
本発明の化合物は、肥満または過体重の治療(例えば、体重喪失の促進および体重喪失の維持)、体重増加の予防または逆転(例えば、リバウンド、薬物誘導性または禁煙に続く体重増加)、食欲および/または満腹感、摂食障害(例えば多食症、拒食症、過食症および強迫神経症)、欲求(薬物、タバコ、アルコール、食欲をそそる任意の主要栄養素または非必須食品に対するもの)の調節に特に適している。
【0029】
本発明の化合物は、肥満、精神異常、統合失調症、双極性障害などの精神障害、不安、不安抑鬱障害、抑鬱、認知障害、記憶障害、強迫神経障害、拒食症、過食症、ADHDなどの注意障害、癲癇、および関連状態、ならびに認知症、神経学的障害(例えば多発性硬化症)、レイノー症候群、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病およびアルツハイマー病などの神経学的障害の治療に有用である。該化合物はまた、免疫、心臓血管、生殖および内分泌障害、敗血症ショック、ならびに呼吸系および胃腸系に関連する疾患(例えば下痢)の治療にも潜在的に有用である。該化合物はまた、長期の乱用、嗜癖および/または再発徴候、例えば治療薬物(ニコチン、エタノール、コカイン、オピエートなど)依存症および/または治療薬物(ニコチン、エタノール、コカイン、オピエートなど)離脱症状の治療における剤としても潜在的に有用である。該化合物はまた、禁煙に通常付随する体重増加も排除しうる。
【0030】
さらなる側面において、本発明は、肥満、精神異常、統合失調症、双極性障害などの精神障害、不安、不安抑鬱障害、抑鬱、認知障害、記憶障害、強迫神経障害、拒食症、過食症、ADHDなどの注意障害、癲癇、および関連状態、認知症、神経学的障害(例えば多発性硬化症)、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病およびアルツハイマー病などの神経学的障害、免疫、心臓血管、生殖および内分泌障害、敗血症ショック、呼吸系および胃腸系に関連する疾患(例えば下痢)、ならびに長期の乱用、嗜癖および/または再発徴候、例えば治療薬物(ニコチン、エタノール、コカイン、オピエートなど)依存症および/または治療薬物(ニコチン、エタノール、コカイン、オピエートなど)離脱症状の治療または予防のための薬剤調製における、本発明の化合物の使用を提供する。
【0031】
さらにさらなる側面において、本発明は、肥満、統合失調症および双極性障害などの精神異常などの精神障害、不安、不安抑鬱障害、抑鬱、認知障害、記憶障害、強迫神経障害、拒食症、過食症、ADHDなどの注意障害、癲癇、および関連状態、認知症、神経学的障害(例えば多発性硬化症)、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病およびアルツハイマー病などの神経学的障害、免疫、心臓血管、生殖および内分泌障害、敗血症ショック、呼吸系および胃腸系に関連する疾患(例えば下痢)、ならびに長期の乱用、嗜癖および/または再発徴候、例えば治療薬物(ニコチン、エタノール、コカイン、オピエートなど)依存症および/または治療薬物(ニコチン、エタノール、コカイン、オピエートなど)離脱症状を治療する方法であって、必要な患者に本発明の化合物の薬理学的有効量を投与する工程を含む、前記方法を提供する。
【0032】
本発明の化合物は、例えば、食欲および体重の減少、体重減少の維持およびリバウンドの予防による、肥満の治療に特に適している。
また、本発明の化合物を用いて、薬剤が誘導する体重増加、例えば抗精神病剤(神経弛緩剤)治療(単数または複数)によって引き起こされる体重増加を予防するかまたは逆転させることも可能である。
【0033】
また、本発明の化合物を用いて、禁煙に関連する体重増加を予防するかまたは逆転させることも可能である。
本発明の化合物は、若年期または青年期患者集団における上記徴候を治療する際の使用に適している。
【0034】
本発明の化合物はまた、骨量および骨喪失の制御における使用にも適しており、そしてしたがって骨粗鬆症および他の骨疾患の治療にも有用でありうる。
本発明の化合物はまた、肝臓病、例えば肝線維症、アルコール性肝硬変、慢性ウイルス肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎または肝癌の治療にも使用可能である。
【0035】
併用療法
エネルギー消費、解糖、グルコース新生、グルコース分解(glucogenolysis)、脂肪分解、脂肪新生、脂肪吸収、脂肪貯蔵、脂肪排出、空腹および/または満腹感および/または欲求機構、食欲/動機、食料摂取量、またはG−I運動性に影響を及ぼす、他の抗肥満薬物などの、肥満の治療に有用な別の療法剤と、本発明の化合物を組み合わせてもよい。
【0036】
高血圧、高脂血症、脂質異常症、糖尿病、睡眠時無呼吸、ぜんそく、心臓障害、アテローム性動脈硬化症、大血管および小血管疾患、肝臓脂肪症、癌、関節障害、および胆嚢障害などの、肥満と関連する障害の治療に有用な別の療法剤と、本発明の化合物をさらに組み合わせてもよい。例えば、血圧を低下させるかまたはLDL:HDLの比を減少させる別の療法剤、あるいはLDL−コレステロールの循環レベル減少を引き起こす剤と組み合わせて、本発明の化合物を用いてもよい。また、糖尿病患者において、微小血管障害に関連する合併症を治療するのに用いる療法剤と、本発明の化合物を組み合わせてもよい。
【0037】
本発明の化合物を、肥満、ならびにその関連する合併症、代謝症候群および2型糖尿病の治療のための他の療法と一緒に用いてもよく、これらには、ビグアニド薬物、インスリン(合成インスリン類似体)および経口抗高血糖剤(これらは食事グルコース制御剤およびアルファ・グルコシダーゼ阻害剤に分けられる)が含まれる。
【0038】
本発明の別の側面において、本発明の化合物を、PPAR調節剤と組み合わせて投与してもよい。PPAR調節剤には、限定されるわけではないが、PPARアルファおよび/またはガンマ・アゴニスト、あるいはその薬学的に許容されうる塩、溶媒和物、こうした塩の溶媒和物またはプロドラッグが含まれる。適切なPPARアルファおよび/またはガンマ・アゴニスト、その薬学的に許容されうる塩、溶媒和物、こうした塩の溶媒和物またはプロドラッグが当該技術分野に周知である。
【0039】
さらに、本発明の化合物を、スルホニル尿素と組み合わせて用いてもよい。
本発明にはまた、コレステロール低下剤と組み合わせた本発明の化合物も含まれる。本出願において称されるコレステロール低下剤には、限定されるわけではないが、HMG−CoA還元酵素(3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル補酵素A還元酵素)の阻害剤が含まれる。適切には、HMG−CoA還元酵素阻害剤はスタチンである。
【0040】
本出願において、用語「コレステロール低下剤」にはまた、活性または不活性いずれでもよい、エステル、プロドラッグおよび代謝産物などの、HMG−CoA還元酵素阻害剤の化学的修飾も含まれる。
【0041】
本発明にはまた、回腸胆汁酸輸送系の阻害剤(IBAT阻害剤)と組み合わせた本発明の化合物も含まれる。本発明にはまた、胆汁酸結合樹脂と組み合わせた本発明の化合物も含まれる。
【0042】
本発明にはまた、胆汁酸隔離剤、例えばコレスチポールまたはコレスチラミンまたはコレスタゲルと組み合わせた本発明の化合物も含まれる。
本発明のさらにさらなる側面にしたがって:
CETP(コレステリルエステル輸送タンパク質)阻害剤;
コレステロール吸収アンタゴニスト;
MTP(ミクロソーム輸送タンパク質)阻害剤;
緩慢放出および併用産物を含む、ニコチン酸誘導体;
植物ステロール化合物;
プロブコール;
抗凝血剤;
オメガ−3脂肪酸;
別の抗肥満化合物、例えばシブトラミン、フェンテルミン、オーリスタット、ブプロピオン、エフェドリン、チロキシン;
抗高血圧化合物、例えばアンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、アンギオテンシンII受容体アンタゴニスト、アドレナリン遮断剤、アルファ・アドレナリン遮断剤、ベータ・アドレナリン遮断剤、混合アルファ/ベータ・アドレナリン遮断剤、アドレナリン刺激剤、カルシウムチャネル遮断剤、AT−1遮断剤、塩類利尿剤、利尿剤または血管拡張剤;
メラニン濃縮ホルモン(MCH)調節剤;
NPY受容体調節剤;
オレキシン受容体調節剤;
ホスホイノシチド依存性プロテインキナーゼ(PDK)調節剤;または
核受容体の調節剤、例えばLXR、FXR、RXR、GR、ERRα、β、PPARα、β、γおよびRORアルファ;
モノアミン伝達調節剤、例えば選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(NARI)、ノルアドレナリン−セロトニン再取り込み阻害剤(SNRI)、モノアミン酸化酵素阻害剤(MAOI)、三環系抗鬱剤(TCA)、ノルアドレナリンおよび特異的セロトニン抗鬱剤(NaSSA);
抗精神病剤、例えばオランザピンおよびクロザピン;
セロトニン受容体調節剤;
レプチン/レプチン受容体調節剤;
グレリン/グレリン受容体調節剤;
DPP−IV阻害剤;
またはその薬学的に許容されうる塩、溶媒和物、こうした塩の溶媒和物またはプロドラッグ
より選択される、薬学的に許容されうる希釈剤またはキャリアーと場合によって一緒の、1以上の剤の同時、連続または別個の投与を伴う、こうした療法治療を必要とするヒトなどの温血動物に対する、薬学的に許容されうる希釈剤またはキャリアーと場合によって一緒の、本発明の化合物の有効量の投与を含む併用治療を提供する。
【0043】
本発明のさらにさらなる側面にしたがって、非常に低カロリーの食餌(VLCD)または低カロリーの食餌(LCD)の同時、連続または別個の投与を伴う、薬学的に許容されうる希釈剤またはキャリアーと場合によって一緒の、本発明の化合物の有効量の投与を含む、併用治療を提供する。
【0044】
したがって、本発明のさらなる特徴において、肥満およびその関連合併症の治療が必要なヒトなどの温血動物における、こうした治療のための方法であって、この組み合わせセクションに記載する化合物の他クラスの1つに由来する化合物、あるいはその薬学的に許容されうる塩、溶媒和物、こうした塩の溶媒和物またはプロドラッグの有効量と、同時に、連続してまたは別個に投与される、本発明の化合物の有効量を前記動物に投与する工程を含む、前記方法を提供する。
【0045】
したがって、本発明のさらなる特徴において、高脂血症状態の治療が必要なヒトなどの温血動物において、こうした状態を治療する方法であって、この組み合わせセクションに記載する化合物の他クラスの1つに由来する化合物、あるいはその薬学的に許容されうる塩、溶媒和物、こうした塩の溶媒和物またはプロドラッグの有効量と、同時に、連続してまたは別個に投与される、本発明の化合物の有効量を前記動物に投与する工程を含む、前記方法を提供する。
【0046】
本発明のさらなる側面にしたがって、薬学的に許容されうる希釈剤またはキャリアーと組み合わせた、本発明の化合物、およびこの組み合わせセクションに記載する化合物の他クラスの1つに由来する化合物、あるいはその薬学的に許容されうる塩、溶媒和物、こうした塩の溶媒和物またはプロドラッグを含む、薬学的組成物を提供する。
【0047】
本発明のさらなる側面にしたがって、本発明の化合物、およびこの組み合わせセクションに記載する化合物の他クラスの1つに由来する化合物、あるいはその薬学的に許容されうる塩、溶媒和物、こうした塩の溶媒和物またはプロドラッグを含む、キットを提供する。
【0048】
本発明のさらなる側面にしたがって:
a)第一の単位投薬型にある本発明の化合物;
b)第二の単位投薬型にある;この組み合わせセクションに記載する化合物の他クラスの1つに由来する化合物、あるいはその薬学的に許容されうる塩、溶媒和物、こうした塩の溶媒和物またはプロドラッグ;および
c)前記の第一および第二の投薬型を含有するための容器手段
を含むキットを提供する。
【0049】
本発明のさらなる側面にしたがって:
a)第一の単位投薬型にある;薬学的に許容されうる希釈剤またはキャリアーと一緒の、本発明の化合物;
b)第二の単位投薬型にある;この組み合わせセクションに記載する化合物の他クラスの1つに由来する化合物、あるいはその薬学的に許容されうる塩、溶媒和物、こうした塩の溶媒和物またはプロドラッグ;および
c)前記の第一および第二の投薬型を含有するための容器手段
を含むキットを提供する。
【0050】
本発明の別の特徴にしたがって、ヒトなどの温血動物における肥満およびその関連合併症の治療において使用するための薬剤製造における、本発明の化合物、およびこの組み合わせセクションに記載する他の化合物の1つ、あるいはその薬学的に許容されうる塩、溶媒和物、こうした塩の溶媒和物またはプロドラッグの使用を提供する。
【0051】
本発明の別の特徴にしたがって、ヒトなどの温血動物における高脂血症状態の治療において使用するための薬剤製造における、本発明の化合物、およびこの組み合わせセクションに記載する他の化合物の1つ、あるいはその薬学的に許容されうる塩、溶媒和物、こうした塩の溶媒和物またはプロドラッグの使用を提供する。
【0052】
本発明のさらなる側面にしたがって、こうした療法治療を必要とするヒトなどの温血動物への、この組み合わせセクションに記載する他の化合物の1つ、あるいはその薬学的に許容されうる塩、溶媒和物、こうした塩の溶媒和物またはプロドラッグの有効量の同時、連続または別個の投与を伴う、薬学的に許容されうる希釈剤またはキャリアーと場合によって一緒の、本発明の化合物の有効量の投与を含む、併用治療を提供する。
【0053】
さらにまた、本発明の化合物を、肥満と関連する障害または状態(II型糖尿病、代謝症候群、脂質異常症、耐糖能障害、高血圧、冠状動脈心臓疾患、非アルコール性脂肪性肝炎、骨関節症およびいくつかの癌)ならびに精神および神経学的状態に関連する障害または状態の治療に有用な療法剤と組み合わせてもよい。
【0054】
肥満および過体重の医学的に認められた定義があることが理解されるであろう。例えば、キログラムの体重をメートルの身長の二乗によって割ることによって計算される肥満度指数(BMI)を測定し、そして結果を定義と比較することによって、患者を同定してもよい。
【0055】
本発明の化合物は、禁煙を引き起こし、禁煙から生じる体重増加を防止し、ニコチン離脱を治療し、そしてニコチン依存症を防止するのに有用であるため、これらの効果の1以上を有することが知られる他の化合物、例えば、ニコチン、ニコチン・アゴニストまたは部分的アゴニスト、モノアミン酸化酵素阻害剤、あるいは抗鬱剤、例えばブプロピオン、ドキセピン、ノルトリプチリン、あるいは抗不安剤、例えばブスピロンまたはクロニジンと組み合わせてもよい。
【0056】
薬理学的活性
本発明の化合物は、CB1遺伝子の受容体産物に対して活性である。中枢カンナビノイド受容体に対する本発明の化合物の親和性は、Devaneら, Molecular Pharmacology, 1988, 34,605に記載される方法、あるいはWO01/70700またはEP 656354に記載する方法で立証可能である。あるいは、アッセイを以下のように実行してもよい。
【0057】
CB1遺伝子で安定トランスフェクションした細胞から調製した10μgの膜を、200μlの100mM NaCl、5mM MgCl、1mM EDTA、50mM HEPES(pH 7.4)、1mM DTT、0.1%BSAおよび100μM GDPに懸濁した。これに、EC80濃度のアゴニスト(CP55940)、試験化合物の必要な濃度および0.1μCi[35S]−GTPγSを添加した。反応が30℃で45分間進行することを可能にした。次いで、細胞採取装置を用いて、試料をGF/Bフィルター上にトランスファーして、そして洗浄緩衝液(50mM Tris(pH 7.4)、5mM MgCl、50mM NaCl)で洗浄した。次いで、フィルターをシンチラントで覆い、そしてフィルターによって保持された[35S]−GTPγSの量に関して計測した。
【0058】
すべてのリガンドの非存在下(最小活性)またはEC80濃度のCP55940の存在下(最大活性)で、活性を測定する。これらの活性を、それぞれ、0%および100%活性として設定する。多様な濃度の新規リガンドで、最大活性の割合として活性を計算し、そしてプロットする。等式y=A+((B−A)/1+((C/x)UD))を用いてデータを適合させ、そして用いた条件下で、GTPγS結合の半最大阻害を与えるのに必要な濃度として、IC50値を決定する。
【0059】
本発明の化合物は、CB1受容体で活性である(IC50<1マイクロモル濃度)。例えば、実施例1は、1.0nMのIC50を有する。
本発明の化合物は、選択的CB1アンタゴニストまたはインバースアゴニストであると考えられる。主張されるCB1アンタゴニスト/インバースアゴニスト特性を持つ、これまでに知られる化合物は、強度、選択性プロフィールおよび副作用傾向によって、その臨床的有用性が制限されうる。この点で、胃腸および/または心臓血管機能のモデルにおける、本発明の化合物の前臨床評価は、これらが代表的な参照CB1アンタゴニスト/インバースアゴニスト剤と比較して、有意な利点を提供することを示す。
【0060】
本発明の化合物は、代表的な参照CB1アンタゴニスト/インバースアゴニスト剤と比較して、物理的特性、強度、選択性プロフィール、生物学的利用能、血漿中の半減期、血液脳浸透性、血漿タンパク質結合性(例えば薬物のより高水準の遊離分画(higher free fraction))または可溶性の点で、さらなる利点を提供しうる。肥満および関連状態の治療における、本発明の化合物の有用性は、カフェテリア食が誘導する肥満のマウスにおける体重の減少によって立証される。雌C57Bl/6Jマウスに対して、高カロリー「カフェテリア」食(柔らかいチョコレート/ココア・タイプのペストリー、チョコレート、脂肪過多のチーズおよびヌガー)および標準的実験室飼料への随意のアクセスを8〜10週間与えた。次いで、試験しようとする化合物を全身性に(iv、ip、scまたはpo)最低5日間、毎日1回投与し、そしてマウスの体重を毎日監視した。研究のベースライン時および終了時に、DEXA画像法によって脂肪症の同時評価を行った。血液試料採取もまた実行して、肥満関連血漿マーカーにおける変化をアッセイした。
【0061】
実施例
略語
AcOH 酢酸
AIBN 2,2’−アゾビスイソブチロニトリル
BOP ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム・ヘキサフルオロホスフェート
DCM ジクロロメタン
DMF ジメチルホルムアミド
DEA ジエチルアミン
DEAD ジエチルアゾジカルボキシレート
DIEA N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
EtOAc 酢酸エチル
LiHMDS リチウム・ヘキサメチルジシラジド
MeOH メタノール
rtまたはRT 室温
TEA トリエチルアミン
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
t 三重項
s 一重項
d 二重項
q 四重項
qvint 五重項
m 多重項
br 広い
bs 広い一重項
dm 多重項の二重項
bt 広い三重項
dd 二重項の二重項
一般的な実験法
どちらも空気圧補助エレクトロスプレー・インターフェースを備えた、Micromass ZQ単一四重極またはMicromass LCZ単一四重極質量分析計のいずれか上で、質量スペクトルを記録した(LC−MS)。それぞれ、300および500MHzのH周波数で操作する、Varian Mercury 300またはVarian Inova 500のいずれか上で、H NMR測定を実行した。内部標準としてのCDClとともに、化学シフトがppmで得られる。別に記載しない限り、NMRの溶媒としてCDClが用いられる。質量誘発フラクションコレクターを備えた準分取HPLC(高性能液体クロマトグラフィー)である、19x100mm C8カラムを備えたShimadzu QP 8000単一四重極質量分析計上で、精製を実行した。用いた可動相は、ほかに何も記載されない限り、アセトニトリルおよび緩衝剤(0.1M酢酸アンモニウム:アセトニトリル95:5)であった。
【0062】
異性体を単離するため、Kromasil CN E9344(250x20mm内径)カラムを用いた。ヘプタン:酢酸エチル:DEA 95:5:0.1を可動相として用いた(1ml/分)。UV検出装置(330nm)を用いて、分画収集の指針とした。
【0063】
実施例1
実施例1:(+)3,3,3−トリフルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−5−(2−ヒドロキシ−シクロヘキシルカルバモイル)−4−ヒドロキシメチル−2H−ピラゾール−3−イル]−フェニルエステル
工程A 1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸エチルエステル
エーテル(600ml)中のリチウム・ビス(トリメチルシリル)アミド(200ml、ヘキサン中の1M溶液、0.2mol)の磁気的に攪拌されている溶液に、エーテル(200ml)中の4−メトキシプロピオフェノン(32.84g、0.20mol)の溶液を−78℃で添加した。この温度でさらに45分間攪拌した後、シュウ酸ジエチル(34.5g、0.235mol)を添加し、そして反応混合物を室温で一晩攪拌した。沈殿した物質をろ過によって収集し、エーテルで洗浄し、そして乾燥させて、淡黄色固体として30.81g(57%)のリチウム塩を得た。450mlのエタノール中のこのリチウム塩(30.81、0.11mol)の磁気的に攪拌されている溶液に、2,4−ジクロロフェニルヒドラジン塩酸(46.9g、0.22mol)を添加し、そして生じた混合物を室温で一晩攪拌した。沈殿した物質をろ過し、乾燥させ、酢酸中に溶解し、そして還流下で一晩煮沸した。氷水を添加し、そして産物をEtOAcで抽出した(x3)。合わせた有機抽出物を水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、ろ過し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン:EtOAc勾配)によって、19.4g(24%)の表題化合物を得た。
【0064】
工程B 1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−5−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸。酢酸中の1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸(3.34g、8.85mmol)の溶液に、48%HBr(水溶液)(8.5ml)を一滴ずつ添加して、そして反応混合物を一晩還流した。室温に冷却した後、反応混合物を氷水上に注ぎ、そしてEtOAcで抽出した(x3)。合わせた有機抽出物を水、NaHCO(水溶液)および塩水で洗浄した。乾燥させ(NaSO)、ろ過し、そして濃縮すると、無色固体として3.00g(93%)の表題化合物が得られた。
【0065】
工程C 1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸メチルエステル
メタノール(10ml)中の1.25M HCl中の1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸(0.36g、1.00mmol)の溶液を、1.5時間還流した。室温に冷却した後、水を添加し、そして産物をEtOAcで抽出した(x3)。合わせた有機抽出物を水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、ろ過し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン:EtOAc 70:30〜50:50)によって、無色固体として0.32g(85%)の表題化合物を得た。
【0066】
工程D 5−[4−(tert−ブチルジメチル−シラニルオキシ)フェニル]−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸メチルエステル
DMF(50ml)中の1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸メチルエステル(2.69g、7.13mmol)の溶液に、イミダゾール(0.98g、14.3mmol)、その後、t−ブチルジクロロジメチルシラン(2.15g、14.3mmol)を添加した。反応混合物を室温で一晩攪拌し、水で希釈し、そしてエーテルで抽出した(2x)。合わせた有機抽出物を水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、ろ過し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン:EtOAc勾配)による精製によって、無色固体として2.50g(71%)の表題化合物を得た。
【0067】
工程E 4−ブロモメチル−5−[4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸メチルエステル
1,2−ジクロロエタン(120ml)中の5−[4−(tert−ブチル−ジメチルシラニルオキシ)−フェニル]−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸メチルエステル(3.70g、7.53mmol)の溶液に、N−ブロモスクシンイミド(1.51g、8.48mmol)およびAIBNの触媒量を添加した。反応混合物を還流下で1時間加熱し、室温に冷却し、水を添加し、そして産物をDCMで抽出した(x2)。合わせた有機抽出物を乾燥させ(NaSO)、ろ過し、そして濃縮した。クロマトグラフィー(ヘプタン:EtOAc勾配)によって、無色固体として4.15g(96%)の表題化合物を得た。
【0068】
工程F 1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−ヒドロキシメチル−5−(4−ヒドロキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸メチルエステル
アセトン:水(40:40ml)中の4−ブロモメチル−5−[4−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)フェニル]−1−(2,4−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸メチルエステル(4.15g、7.27mmol)の懸濁物に、硝酸銀(4.32g、25.4mmol)を添加し、そして反応混合物を60℃で一晩攪拌し、rtに冷却し、ろ過し、そして水を添加した後、DCMで抽出した(x2)。合わせた有機抽出物を塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、ろ過し、そして濃縮して、フラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン:EtOAc 50:50)後、無色固体として、2.47g(87%)の表題化合物を得た。
【0069】
工程G 1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−ヒドロキシメチル−5−[4−(3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホニルオキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−3−カルボン酸メチルエステル
ジクロロメタン(10ml)中の1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−ヒドロキシメチル−5−(4−ヒドロキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸メチルエステル(980mg、2.50mmol)の溶液に、0℃で、トリエチルアミン(0.42ml、3.00mmol)を添加し、その後、ジクロロメタン(10ml)中の3,3,3−トリフルオロプロパンスルホニルクロリド(589mg、3.00mmol)を添加した。反応混合物を0℃で2時間攪拌し、水中に注ぎ、ジクロロメタンで抽出し(x3)、合わせた有機抽出物を乾燥させ(NaSO)、ろ過し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン:EtOAc 70:30〜50:50)によって、無色固体として、0.77g(56%)の産物を得た。
【0070】
工程H 1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−ヒドロキシメチル−5−[4−(3,3,3−トリフルオロ−プロパン−1−スルホニルオキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−3−カルボン酸
MeOH:THF(10ml:10ml)中の1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−ヒドロキシメチル−5−[4−(3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホニルオキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−3−カルボン酸メチルエステル(0.77g、1.39mmol)の溶液に、水(10ml)中の水酸化リチウム(0.23g、5.60mmol)の溶液を0℃で添加した。反応混合物をこの温度で1.5時間攪拌し、1M HClでpH3に酸化し、そして産物をEtOAcで抽出した(x3)。合わせた有機抽出物を水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、ろ過し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン:EtOAc 50:50)によって、無色固体として、0.70g(93%)の表題化合物を得た。
【0071】
工程I 3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(2−ヒドロキシ−シクロヘキシルカルバモイル)−4−ヒドロキシメチル−2H−ピラゾール−3−イル]フェニルエステル
ジクロロメタン(90ml)中の1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−ヒドロキシメチル−5−[4−(3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホニルオキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−3−カルボン酸(0.70g、1.30mmol)の懸濁物に、シス−2−アミノシクロヘキサノール塩酸(200mg、1.32mmol)、その後、トリエチルアミン(0.37ml、2.63mmol)およびBOP(708mg、1.60mmol)を添加した。反応混合物を室温で一晩攪拌し、氷水中に注ぎ、そしてEtOAcで抽出した(x3)。合わせた有機抽出物を乾燥させ(NaSO)、ろ過し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン:EtOAc 50:50〜EtOAc)およびCHCl:MeOH 99:1〜95:5)によって、無色固体として、200mg(24%)の表題化合物を得た。
【0072】
【化2】

【0073】
工程J (+)3,3,3−トリフルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−5−(2−ヒドロキシ−シクロヘキシルカルバモイル)−4−ヒドロキシメチル−2H−ピラゾール−3−イル]−フェニルエステル
(+/−)3,3,3−トリフルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−5−(2−ヒドロキシ−シクロヘキシルカルバモイル)−4−ヒドロキシメチル−2H−ピラゾール−3−イル]−フェニルエステル(SN1060986502)(1.10g、1.73mmol)に対するキラル・クロマトグラフィー(Chiralpak AD、ヘプタン/エタノール 70/30)は、固体として得られる、(+)3,3,3−トリフルオロ−プロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−5−(2−ヒドロキシ−シクロヘキシルカルバモイル)−4−ヒドロキシメチル−2H−ピラゾール−3−イル]−フェニルエステル(548mg、49.8%、99.6% ee)を生じた。
【0074】
【化3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(+)−3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(2−ヒドロキシシクロヘキシルカルバモイル)−4−ヒドロキシメチル−2H−ピラゾール−3−イル]フェニルエステル。
【請求項2】
薬剤として使用するための請求項1に請求するような化合物。
【請求項3】
請求項1に請求するような化合物、および薬学的に許容されうるアジュバント、希釈剤またはキャリアーを含む、薬学的配合物。
【請求項4】
肥満、精神異常、統合失調症および双極性障害などの精神障害、不安、不安抑鬱障害、抑鬱、認知障害、記憶障害、強迫神経障害、拒食症、過食症、注意障害、癲癇、および関連状態、ならびに認知症、神経学的障害、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病およびアルツハイマー病などの神経学的障害、免疫、心臓血管、生殖および内分泌障害、敗血症ショック、呼吸系および胃腸系に関連する疾患、ならびに長期の乱用、嗜癖および/または再発徴候の治療または予防のための薬剤調製における、請求項1に請求するような化合物の使用。
【請求項5】
肥満、精神障害、精神異常、統合失調症および双極性障害、不安、不安抑鬱障害、抑鬱、認知障害、記憶障害、強迫神経障害、拒食症、過食症、注意障害、癲癇、および関連状態、神経学的障害、神経学的障害、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病およびアルツハイマー病、免疫、心臓血管、生殖および内分泌障害、敗血症ショック、呼吸系および胃腸系に関連する疾患、ならびに長期の乱用、嗜癖および/または再発徴候を治療する方法であって、こうした治療が必要な患者に、請求項1に請求するような化合物の薬理学的有効量を投与する工程を含む、前記方法。
【請求項6】
肥満の治療において使用するための、請求項1に請求するような化合物。
【請求項7】
キラル・クロマトグラフィーによって、ラセミ化合物の3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホン酸4−[2−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(2−ヒドロキシシクロヘキシルカルバモイル)−4−ヒドロキシメチル−2H−ピラゾール−3−イル]フェニルエステルを含む、請求項1に請求するような化合物を調製するためのプロセス。

【公表番号】特表2009−541282(P2009−541282A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−515943(P2009−515943)
【出願日】平成19年6月18日(2007.6.18)
【国際出願番号】PCT/GB2007/002265
【国際公開番号】WO2007/148061
【国際公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(300022641)アストラゼネカ アクチボラグ (581)
【Fターム(参考)】