説明

癌を処置するための化合物

【課題】抗癌活性を有する新規化合物、および多様な形態の癌の治療剤の提供。
【解決手段】


式中、QはS、N、またはOであり;Xは任意にS=、O=、=N−NH、=N−OH、または−OHであることができ;Yは任意に−N(H)−、O、またはC〜C20の炭化水素であり;およびRおよびRは、互いに独立して置換されたもしくは未置換の単環式、縮環式、または多環式アリールあるいはヘテロ環系である化合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2008年6月16日に出願された米国仮特許出願第61/061,875号に基づく優先権を主張し、その全体を本明細書中に援用する。
【0002】
本発明は、米国国防省からの補助金第DAMD17−01−1−0830号、米国公衆衛生局(U.S.Public Heath Service)からの補助金第CA−125623号、および国立衛生研究所(National Institutes of Health)からの中核補助金(Core Grant)第21765号により受領した資金によりおこなわれた。米国政府は本発明の一定の権利を保有する。
【0003】
本発明は抗癌活性を有する新規化合物、これらの化合物を調製する方法、および多様な形態の癌の治療のためのこれらの化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0004】
アメリカ合衆国において、癌は心臓疾患に次いで死因の第二位である。アメリカ合衆国では、4人の内に1人の死因を癌が占める。1996年〜2003年に診断された全ての癌患者の5年生存率は66%であり、1975年〜1977年に診断された全患者の50%から上昇している(Cancer Facts & Figures American Cancer Society: Atlanta, GA (2008))。この生存率の改善は、より早期段階での診断、および治療の改善を反映している。毒性が低く、かつ高度に効果的な抗癌剤の発見が癌研究の主要な目的である。
【0005】
2−アリール−チアゾリジン−4−カルボン酸アミドは、前立腺癌および黒色腫に対する強力な細胞毒性化合物として記載されている(Li et al., "Synthesis and Antiproliferative Activity of Thiazolidine Analogs for Melanoma," Bioorg. Med. Chem. Lett. 17:4113-7 (2007); Li et al., "Structure-Activity Relationship Studies of Arylthiazolidine Amides as Selective Cytotoxic Agents for Melanoma," Anticancer Res. 27:883-888 (2007); Lu et al., "Synthesis and Biological Evaluation of 2-Arylthiazolidine-4-Caboxylic Acid Amides for Melanoma and Prostate Cancer," Abstracts of Papers, 234th ACS National Meeting, Boston, MA, United States, August 19-23, 2007, MEDI-304; Gududuru et al., "SAR Studies of 2-Arylthiazolidine-4-Carboxylic Acid Amides: A Novel Class of Cytotoxic Agents for Prostate Cancer," Bioorg. Med. Chem. Lett. 15:4010-4013 (2005); Gududuru et al., "Discovery of 2-Arylthiazolidine-4-Carboxylic Acid Amides as a New Class of Cytotoxic Agents for Prostate Cancer," J. Med. Chem. 48:2584-2588 (2005))。これらの2−アリール−チアゾリジン−4−カルボン酸アミドは、脂質鎖を持つリゾホスファチジン酸(LPA)構造から設計されている。この設計の選択は、前立腺癌の転移と生存に含まれるGPCR(グアニン結合タンパク共役受容体)シグナル伝達の阻害を対象としている(Raj et al., "Guanosine Phosphate Binding Protein Coupled Receptors in Prostate Cancer: A Review," J. Urol. 167:1458-1463 (2002); Kue et al., "Essential Role for G Proteins in Prostate Cancer Cell Growth and Signaling," J. Urol. 164:2162-7 (2000); Guo et al., "Expression and Function of Lysophosphatidic Acid LPA1 Receptor in Prostate Cancer Cells," Endocrinology 147:4883-4892 (2006); Qi et al., "Lysophosphatidic Acid Stimulates Phospholipase D Activity and Cell Proliferation in PC-3 Human Prostate Cancer Cells," J. Cell. Physiol. 174:261-272 (1998))。
【0006】
最も強力な2−アリール−チアゾリジン−4−カルボン酸アミドは、前立腺癌細胞を0.7〜1.0μMの範囲の平均IC50で阻害することができ、黒色腫細胞に対する平均IC50は1.8〜2.6μMであった(Li et al., "Synthesis and Antiproliferative Activity of Thiazolidine Analogs for Melanoma," Bioorg. Med. Chem. Lett. 17:4113-7 (2007))。好適な化合物の1つである、(2RS,4R)−2−フェニル−チアゾリジン−4−カルボン酸ヘキサデシルアミドは、米国国立癌研究所60ヒト腫瘍細胞株抗癌薬スクリーニング(United States National Cancer Institute 60 human tumor cell line anticancer drug screen (NCI-60))に送付された。NCI−60検定の結果から、この化合物は、9種類の癌細胞の全てを、0.124μM(白血病、CCRF−CEM)〜3.81μM(非小細胞肺癌、NCI−H522)の範囲のIC50値で阻害することが示された。これらの化合物のIC50に関しての抗癌活性のさらなる改善が望まれている。
【0007】
本発明は従来技術のこれら、およびその他の欠点を克服することを対象とする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第一の態様は、式(I)に従う化合物に関する。
【0009】
【化1】

【0010】
式中
QはS、N、またはOであり;
Xは任意に、かつO=、S=、=N−NH、=N−OH、または−OHであることができ;
Yは任意に−N(H)−、O、またはC〜C20の炭化水素であり;
およびRは、互いに独立して、置換されたもしくは未置換の単環式、縮環式、多環式のアリールまたはヘテロ環系であり、飽和もしくは不飽和のN−ヘテロ環、飽和もしくは不飽和のS−ヘテロ環、および飽和もしくは不飽和のO−ヘテロ環、飽和もしくは不飽和の環状炭化水素、飽和もしくは不飽和の混合ヘテロ環、および脂肪族直鎖状または分枝状C〜C30炭化水素を含む。化合物はその薬学的に許容される塩、水和物、またはプロドラッグとして提供され得る。
【0011】
本発明の第二の態様は、薬学的に許容される担体および本発明の第一の態様にもとづく化合物を含む薬学的組成物に関する。
【0012】
本発明の第三の態様は、癌の治療を要する被験体を選ぶこと、およびその癌の治療に効果的な条件の下で、前記被験体に本発明の第一の態様にもとづく化合物を含む薬学的組成物を投与することを含む癌の治療方法に関する。
【0013】
本発明の第四の態様は、本発明の化合物を提供すること、および次いで癌性細胞の破壊に効果的な条件の下で、その癌性細胞をその化合物と接触させることを含む癌性細胞の破壊方法に関する。
【0014】
本発明の第五の態様は、式(I)にもとづく化合物の調製方法に関する。
【0015】
一実施形態によれば、前記方法は、式(I)にもとづくメタノン結合基を有する化合物を生成するのに効果的な条件の下で、中間体
【0016】
【化2】

【0017】
を、Rを含むグリニャール試薬、またはBr−Rのいずれかと反応させるステップを含む。但し、上記式中で、RおよびRは式(I)において定義されたものであり、ならびにQ'は、QがNの場合にQ'が保護基を含むこと、およびQがNの場合に任意に前記化合物を脱保護することを除きQと同一である。メタノン結合基をヒドラジノ結合基、メタノンオキシム結合基、およびメチレン結合基へ変換することも本発明に包含される。
【0018】
他の好適な実施形態によれば、前記方法は、式(I)にもとづく−CH(OH)−結合基を有する化合物の生成に効果的な条件の下で、中間体
【0019】
【化3】

【0020】
を、Rを含むグリニャール試薬と反応させるステップを含む。但し、上記式中で、RおよびRは式(I)において定義されたものであり、ならびにQ'は、QがNの場合にQ'が保護基を含むこと、およびQがNの場合に任意に前記化合物を脱保護することを除きQと同一である。チアゾール、オキサゾール、またはイミダゾール中央環への脱水素化も意図されている。
【0021】
他の好適な実施形態によれば、前記方法は、式(I)に従うエステルまたはアミド結合基を有する化合物を生成するのに効果的な条件の下で、中間体
【0022】
【化4】

【0023】
を、Br−Rと反応させるステップを含む。但し、上記式中で、RおよびRは式(I)において定義されたものであり、ならびにQ'は、QがNの場合にQ'が保護基を含むこと、およびQがNの場合に任意に前記化合物を脱保護することを除きQと同一である。チアゾール、オキサゾール、またはイミダゾール中央環への脱水素化も意図されている。
【0024】
本発明は、前立腺および黒色腫癌細胞を含むいくつかの異なる癌細胞株に対する、インビトロ(in vitro)での研究において改善された効力および選択性(従来の脂肪酸チアゾリジンカルボキサミドと比較して)を有する化合物の新しいクラスを提供する。このクラスの好適な1つの成員を用いて、付随する実施形態においてこれらの化合物が、チューブリン重合の阻害剤でもあることが実証される。これらの化合物の1つが、マウスにおける黒色腫の生体内移植研究において、顕著な抗癌活性を有することが実証される。これらのデータおよびその作用機序の実証に基づき、本発明の化合物が多数の形態の癌に対して顕著な活性を有すると信じられる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】化合物8fの50%確率水準で示される熱的楕円のORTEPを示す図であり、この図は、X線結晶学的研究に従い生成された。
【図2】チアゾリンからチアゾール化合物8fへの自動的脱水素化を測定したNMR研究を示す図であり、0日目では、NMR検体はCDCl中に約3:2の比率でのチアゾリンおよびチアゾールの混合物を含んでいた。9日目には、チアゾリン化合物はほとんど完全にチアゾール化合物8fに変換された。
【図3A】化合物8fのLNCaP前立腺癌細胞の細胞周期分布への効果を示す図である。図3Aはさまざまな用量(10nM、50nM、200nMおよび500nM)の化合物8fの、対照と比較した効果を示している。IC50値を超える量は、細胞周期における有意の変化を示している。
【図3B】図3Bは、G2/M対G1細胞周期分布での変化をグラフにより図示している。
【図4】化合物8fのチューブリン集合に対する効果を示すグラフである。
【図5A】生体外(in vitro)検定での化合物8fの、A375黒色腫コロニー形成を顕著に阻害する能力を示すグラフである。0.3μM以上の濃度では、コロニー形成は完全に阻害される。
【図5B】生体外(in vitro)検定での化合物8nの、A375黒色腫コロニー形成を顕著に阻害する能力を示すグラフである。0.3μM以上の濃度では、コロニー形成は完全に阻害される。
【図6】化合物8n(1日に6mg/kgの腹腔内投与)の、生体内(in vivo)でのB16黒色腫腫瘍成長の阻害能力を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の一態様は式(I)に従う化合物に関する:
【0027】
【化1】

【0028】
式中
QはS、N、またはOであり;
Xは任意にS=、O=、=N−NH、=N−OH、または−OHであることができ;
Yは任意に−N(H)−、O、またはC〜C20の炭化水素であり;
およびRは、互いに独立して、置換されたもしくは未置換の単環式、縮環式、多環式のアリールまたはヘテロ環系であり、飽和もしくは不飽和のN−ヘテロ環、飽和もしくは不飽和のS−ヘテロ環、および飽和もしくは不飽和のO−ヘテロ環、飽和もしくは不飽和の環状炭化水素、飽和もしくは不飽和の混合ヘテロ環、および脂肪族直鎖状または分枝状C〜C30炭化水素を含む。
【0029】
本明細書において用いられる「飽和もしくは不飽和の環状炭化水素」は、限定はされないが、フェニル、ビフェニル、トリフェニル、ナフチル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロジエニル、フルオレン、アダマンタン等を含む任意の環状炭化水素であることができ;「飽和もしくは不飽和のN−ヘテロ環」は、限定はされないが、アジリジニル、アゼチジニル、ジアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、およびアゾカニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、テトラジニル、ピロリジニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、キノリジニル、シンノリニル、キナロリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル等を含むアザ−およびジアザ−シクロアルキル等の任意の含窒素へテロ環であることができ;「飽和もしくは不飽和のO−ヘテロ環」は、限定はされないが、オキシラニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ジオキサニル、フラニル、ピリリウム、ベンゾフラニル、ベンゾジオキソリル等を含む任意の含酸素へテロ環であることができ;「飽和もしくは不飽和のS−ヘテロ環」は、限定はされないが、チラニル、チエタニル、テトラヒドロチオフェン−イル、ジチオラニル、テトラヒドロチオピラニル、チオフェン−イル、チエピニル、チアナフテニル等を含む任意の含イオウヘテロ環であることができ;「飽和もしくは不飽和の混合ヘテロ環」は、限定はされないが、オキサチオラニル、モルホリニル、チオキサニル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアジオリル等を含む任意の2つ以上のS−、N−、またはO−ヘテロ原子を含むヘテロ環であることができる。
【0030】
上述のように、前記RおよびR基は、置換または未置換であることができる。したがって、前節で列挙された例示的な基は、非置換であることができる。当業者には、これらの基が、1つ以上の、2つ以上の、3つ以上の、およびさらに5つ以上の置換基(水素以外の)により置換され得ることを理解するであろう。好適なRおよびR基は、一般的に以下の構造により表され得る:
【0031】
【化5】

【0032】
式中、ZおよびZは環内に存在する1つ以上のS−、N−、またはO−ヘテロ原子を表し、およびこの環は5または6員環である。一実施形態では、前記RおよびR基は以下の構造を有し得る:
【0033】
【化6】

【0034】
これらの環状成員の置換基(例えばR、R、R、R、R)は、独立して、水素(例えば特定の位置において非置換)、ヒドロキシル、脂肪族直鎖状または分枝状C〜C10炭化水素、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、ハロ(例えばクロロ、フルオロ、ブロモ、またはヨード)、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、アミノ、アルキルアミノ、メシルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、アミド、尿素、アルキル尿素、アルキルアミド(例えばアセトアミド)、ハロアルキルアミド、アリールアミド、アリール、およびC〜Cシクロアルキル、アリールアルキル、およびそれらの組み合わせの群から選ばれる。単一の置換基は、オルト、メタ、パラ位に存在し得る。2つ以上の置換基が存在する場合、それらの1つは好適には、しかし必ずしもではなく、パラ位に存在する。
【0035】
本明細書において用いられる「脂肪族直鎖状または分枝状炭化水素」とは、1個の炭素から所定の上限までの炭素を含むアルキレン基と2個の炭素から該上限までの炭素を含むアルケニル基およびアルキニル基との両方を指すもので、炭素が単鎖または分岐鎖に存在するかどうかにかかわらない。特に指示されない限り、前記炭化水素は最大約30の炭素、または最大約20の炭化水素、または最大約10の炭化水素を含み得る。アルケニルおよびアルキニル基は単不飽和または多不飽和であり得る。
【0036】
本明細書において用いられる用語「アルキル」は、特に指示されない限り最大約30個の炭素を含む任意の直鎖状または分枝状アルキル基であり得る。このアルキル基は単なる置換基であるか、またはより大きなアルコキシ、ハロアルキル、アリールアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミド、アルキル尿素等の置換基の一部であることができる。好適なアルキル基は、メチル、エチル、およびプロピル、さらにはハロメチル、ジハロメチル、トリハロメチル、ハロエチル、ジハロエチル、トリハロエチル、ハロプロピル、ジハロプロピル、トリハロプロピル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、アリールメチル、アリールエチル、アリールプロピル、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルアミド、アセトアミド、プロピルアミド、ハロメチルアミド、ハロエチルアミド、ハロプロピルアミド、メチル尿素、エチル尿素、プロピル尿素等である。
【0037】
本明細書において用いられる用語「アリール」とは、RまたはR環状メンバー(複数可)に直接結合する任意の芳香族環置換基を指す。このアリール基は、単なる置換基であるか、またはこのアリール基はアリールアルキル、アリールアミノ、アリールアミド等のより大きな置換基の一部であり得る。アリール基の例としては、フェニル、トリル、キシリル、フラニル、ナフチルピリジニル、ピリミジニルピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チオフェン−イル、ピロリル、フェニルメチル、フェニルエチル、フェニルアミノ、フェニルアミド等が挙げられるが、これらには制限されない。
【0038】
好適なRおよびR基としては、置換(上記に定義されたR〜Rにより)、および非置換の、フラニル、インドリル、ピリジニル、フェニル、ビフェニル、トリフェニル、ジフェニルメタン、アダマンタン−イル、フルオレン−イル、および上記で定義された他のヘテロ環状類似体(例えばピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ピリジニル、ピリミジニルピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、テトラジニル、ピロリジニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、キノリジニル、シンノリニル、キナロリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、オキシラニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ジオキサニル、フラニル、ピリリウム、ベンゾフラニル、ベンゾジオキソリル、チラニル、チエタニル、テトラヒドロチオフェン−イル、ジチオラニル、テトラヒドロチオピラニル、チオフェン−イル、チエピニル、チアナフテニル、オキサチオラニル、モルホリニル、チオキサニル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアジオリル)が挙げられる。
【0039】
最も好適なR基は、3,4,5−トリメトキシフェニルであり、ならびに最も好適なR基としては、置換および非置換のフェニルと,置換および非置換のチオフェン−イルと、置換および非置換のインドリル基とが挙げられる。これらのR基の内で好適な置換基は、メチル、エチル、フルオロ、ブロモ、シアノ、ニトロ、トリフルオロ、およびアミノである。
【0040】
特定の実施形態では、式(I)の化合物は:
【0041】
【化7】

【0042】
したがって、Qの定義に依存して、本発明の化合物はチアゾール、ジヒドロ−チアゾール、チアゾリジン、オキサゾール、ジヒドロ−オキサゾール、オキサゾリジン、イミダゾール、ジヒドロ−イミダゾール、およびイミダゾリジンを含む。好適な実施形態に従い、前記化合物のクラスは式(II)の構造を有する:
【0043】
【化8】

【0044】
式中、XはO=、Yは省かれ、ならびにQおよびR〜Rは上記の式(I)において定義されたものである。
【0045】
式(II)の化合物の例としては、制限されることはないが:フェニル(2−フェニルチアゾール−4−イル)メタノン(化合物8a);フェニル(2−フェニルチアゾリジン−4−イル)メタノン;フェニル(2−フェニルオキサゾリジン−4−イル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−フェニルオキサゾール−4−イル)(フェニル)メタノン;フェニル(2−フェニルオキサゾール−4−イル)メタノン;(4−メトキシフェニル)(2−フェニルチアゾール−4−イル)メタノン(化合物8b);(4−メトキシフェニル)(2−フェニルチアゾリジン−4−イル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−フェニルチアゾール−4−イル)(4−メトキシフェニル)メタノン;(4−メトキシフェニル)(2−フェニルオキサゾール−4−イル)メタノン;(4−メトキシフェニル)(2−フェニルオキサゾリジン−4−イル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−フェニルオキサゾール−4−イル)(4−メトキシフェニル)メタノン;(4−メトキシフェニル)(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン;(4−メトキシフェニル)(2−フェニルイミダゾリジン−4−イル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)(4−メトキシフェニル)メタノン;(3−メトキシフェニル)(2−フェニルチアゾール−4−イル)メタノン(化合物8c);(3−メトキシフェニル)(2−フェニルチアゾリジン−4−イル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−フェニルチアゾール−4−イル)(3−メトキシフェニル)メタノン;(3−メトキシフェニル)(2−フェニルオキサゾール−4−イル)メタノン;(3−メトキシフェニル)(2−フェニルオキサゾリジン−4−イル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−フェニルオキサゾール−4−イル)(3−メトキシフェニル)メタノン;(3−メトキシフェニル)(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン;(3−メトキシフェニル)(2−フェニルイミダゾリジン−4−イル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)(3−メトキシフェニル)メタノン;(2−メトキシフェニル)(2−フェニルチアゾール−4−イル)メタノン(化合物8d);(2−メトキシフェニル)(2−フェニルチアゾリジン−4−イル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−フェニルチアゾール−4−イル)(2−メトキシフェニル)メタノン;(2−メトキシフェニル)(2−フェニルオキサゾール−4−イル)メタノン;(2−メトキシフェニル)(2−フェニルオキサゾリジン−4−イル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−フェニルオキサゾール−4−イル)(2−メトキシフェニル)メタノン;(2−メトキシフェニル)(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン;(2−メトキシフェニル)(2−フェニルイミダゾリジン−4−イル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)(2−メトキシフェニル)メタノン;(3,4−ジメトキシフェニル)(2−フェニルチアゾール−4−イル)メタノン(化合物8e);(3,4−ジメトキシフェニル)(2−フェニルチアゾリジン−4−イル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−フェニルチアゾール−4−イル)(3,4−ジメトキシフェニル)メタノン;(3,4−ジメトキシフェニル)(2−フェニルオキサゾール−4−イル)メタノン;(3,4−ジメトキシフェニル)(2−フェニルオキサゾリジン−4−イル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−フェニルオキサゾール−4−イル)(3,4−ジメトキシフェニル)メタノン;(3,4−ジメトキシフェニル)(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン;(3,4−ジメトキシフェニル)(2−フェニルイミダゾリジン−4−イル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4−ジメトキシフェニル)メタノン;(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−フェニルチアゾール−4−イル)メタノン(化合物8f);(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−フェニルチアゾリジン−4−イル)メタノン;化合物8fから容易に変換可能である、(4,5−ジヒドロ−2−フェニルチアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−フェニルオキサゾリジン−4−イル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−フェニルオキサゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−フェニルオキサゾール−4−イル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン;(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−フェニルイミダゾリジン−4−イル)メタノン;(3,5−ジメトキシフェニル)(2−フェニルチアゾール−4−イル)メタノン(化合物8g);(3,5−ジメトキシフェニル)(2−フェニルチアゾリジン−4−イル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−フェニルチアゾール−4−イル)(3,5−ジメトキシフェニル)メタノン;(3,5−ジメトキシフェニル)(2−フェニルオキサゾール−4−イル)メタノン;(3,5−ジメトキシフェニル)(2−フェニルオキサゾリジン−4−イル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−フェニルオキサゾール−4−イル)(3,5−ジメトキシフェニル)メタノン;(3,5−ジメトキシフェニル)(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン;(3,5−ジメトキシフェニル)(2−フェニルイミダゾリジン−4−イル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)(3,5−ジメトキシフェニル)メタノン;(2−フルオロフェニル)(2−フェニルチアゾール−4−イル)メタノン(化合物8h);(2−フルオロフェニル)(2−フェニルチアゾリジン−4−イル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−フェニルチアゾール−4−イル)(2−フルオロフェニル)メタノン;(2−フルオロフェニル)(2−フェニルオキサゾール−4−イル)メタノン;(2−フルオロフェニル)(2−フェニルオキサゾリジン−4−イル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−フェニルオキサゾール−4−イル)(2−フルオロフェニル)メタノン;(2−フルオロフェニル)(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン;(2−フルオロフェニル)(2−フェニルイミダゾリジン−4−イル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)(2−フルオロフェニル)メタノン;(2−フェニルチアゾール−4−イル)(ピリジン−2−イル)メタノン(化合物8i);(4,5−ジヒドロ−2−フェニルチアゾール−4−イル)(ピリジン−2−イル)メタノン;(2−フェニルチアゾリジン−4−イル)(ピリジン−2−イル)メタノン;(2−フェニルオキサゾール−4−イル)(ピリジン−2−イル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−フェニルオキサゾール−4−イル)(ピリジン−2−イル)メタノン;(2−フェニルオキサゾリジン−4−イル)(ピリジン−2−イル)メタノン;(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)(ピリジン−2−イル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)(ピリジン−2−イル)メタノン;(2−フェニルイミダゾリジン−4−イル)(ピリジン−2−イル)メタノン;(2−p−トリルチアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(化合物8k);(4,5−ジヒドロ−2−p−トリルチアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−p−トリルチアゾリジン−4−イル)メタノン;(2−p−トリルオキサゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−p−トリルオキサゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−p−トリルオキサゾリジン−4−イル)メタノン;(2−p−トリル−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−p−トリル−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−p−トリルイミダゾリジン−4−イル)メタノン;(2−(2−フルオロフェニル)−チアゾール−4−イル)−(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(化合物8l);(4,5−ジヒドロ−2−(2−フルオロフェニル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−(2−フルオロフェニル)チアゾリジン−4−イル)メタノン;(2−(2−フルオロフェニル)オキサゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−(2−フルオロフェニル)オキサゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−(2−フルオロフェニル)オキサゾリジン−4−イル)メタノン;(2−(2−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−(2−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−(2−フルオロフェニル)イミダゾリジン−4−イル)メタノン;(2−(3−フルオロフェニル)−チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(化合物8m);(4,5−ジヒドロ−2−(3−フルオロフェニル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−(3−フルオロフェニル)チアゾリジン−4−イル)メタノン;(2−(3−フルオロフェニル)オキサゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−(3−フルオロフェニル)オキサゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−(3−フルオロフェニル)オキサゾリジン−4−イル)メタノン;(2−(3−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−(3−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−(3−フルオロフェニル)イミダゾリジン−4−イル)メタノン;(2−(4−フルオロフェニル)−チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(化合物8n);(4,5−ジヒドロ−2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−(4−フルオロフェニル)チアゾリジン−4−イル)メタノン;(2−(4−フルオロフェニル)オキサゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−(4−フルオロフェニル)オキサゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−(4−フルオロフェニル)オキサゾリジン−4−イル)メタノン;(2−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−(4−フルオロフェニ
ル)イミダゾリジン−4−イル)メタノン;(2−(3,4−ジメトキシフェニル)−チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(化合物8o);(4,5−ジヒドロ−2−(3,4−ジメトキシフェニル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−(3,4−ジメトキシフェニル)チアゾリジン−4−イル)メタノン;(2−(3,4−ジメトキシフェニル)オキサゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−(3,4−ジメトキシフェニル)オキサゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−(3,4−ジメトキシフェニル)オキサゾリジン−4−イル)メタノン;(2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−(3,4−ジメトキシフェニル)イミダゾリジン−4−イル)メタノン;(2−(4−ニトロフェニル)−チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(化合物8p);(4,5−ジヒドロ−2−(4−ニトロフェニル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−(4−ニトロフェニル)チアゾリジン−4−イル)メタノン;(2−(4−ニトロフェニル)オキサゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−(4−ニトロフェニル)オキサゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−(4−ニトロフェニル)オキサゾリジン−4−イル)メタノン;(2−(4−ニトロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−(4−ニトロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−(4−ニトロフェニル)イミダゾリジン−4−イル)メタノン;(2−(4−シアノフェニル)−チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(化合物8q);(4,5−ジヒドロ−2−(4−シアノフェニル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−(4−シアノフェニル)チアゾリジン−4−イル)メタノン;(2−(4−シアノフェニル)オキサゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−(4−シアノフェニル)オキサゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−(4−シアノフェニル)オキサゾリジン−4−イル)メタノン;(2−(4−シアノフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−(4−シアノフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−(4−シアノフェニル)イミダゾリジン−4−イル)メタノン;4−(4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−チアゾール−2−イル)−安息香酸(化合物8r);4−(4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−(1,3−ジヒドロ)チアゾール−2−イル)−安息香酸;4−(4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−チアゾリジン−2−イル)−安息香酸;4−(4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−オキサゾール−2−イル)−安息香酸;4−(4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−(1,3−ジヒドロ)オキサゾール−2−イル)−安息香酸;4−(4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−オキサゾリジン−2−イル)−安息香酸;4−(4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−1H−イミダゾール−2−イル)−安息香酸;4−(4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−(1,3−ジヒドロ)−1H−イミダゾール−2−イル)−安息香酸;4−(4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−イミダゾリジン−2−イル)−安息香酸;メチル−4−(4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−チアゾール−2−イル)−ベンゾエート(化合物8s);メチル−4−(4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−(1,3−ジヒドロ)チアゾール−2−イル)−ベンゾエート;メチル−4−(4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−チアゾリジン−2−イル)−ベンゾエート;メチル−4−(4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−オキサゾール−2−イル)−ベンゾエート;メチル−4−(4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−(1,3−ジヒドロ)オキサゾール−2−イル)−ベンゾエート;メチル−4−(4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−オキサゾリジン−2−イル)−ベンゾエート;メチル−4−(4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−1H−イミダゾール−2−イル)−ベンゾエート;メチル−4−(4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−(1,3−ジヒドロ)−1H−イミダゾール−2−イル)−ベンゾエート;メチル−4−(4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−イミダゾリジン−2−イル)−ベンゾエート;(2−(4−(トリフルオロメチル)−フェニル)−チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(化合物8t);(4,5−ジヒドロ−2−(4−(トリフルオロメチル)−フェニル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−(4−シアノフェニル)チアゾリジン−4−イル)メタノン;(2−(4−(トリフルオロメチル)−フェニル)オキサゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−(4−(トリフルオロメチル)−フェニル)オキサゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−(4−(トリフルオロメチル)−フェニル)オキサゾリジン−4−イル)メタノン;(2−(4−(トリフルオロメチル)−フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−(4−(トリフルオロメチル)−フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−(4−(トリフルオロメチル)−フェニル)イミダゾリジン−4−イル)メタノン;(2−(4−ブロモフェニル)−チアゾール−4−イル)−(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(化合物8u);(4,5−ジヒドロ−2−(4−ブロモフェニル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−(4−ブロモフェニル)チアゾリジン−4−イル)メタノン;(2−(4−ブロモフェニル)オキサゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−(4−ブロモフェニル)オキサゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−(4−ブロモフェニル)オキサゾリジン−4−イル)メタノン;(2−(4−ブロモフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−(4−ブロモフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−(4−ブロモフェニル)イミダゾリジン−4−イル)メタノン;(2−(4−エチルフェニル)−チアゾール−4−イル)−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)メタノン(化合物8v);(4,5−ジヒドロ−2−(4−エチルフェニル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−(4−エチルフェニル)チアゾリジン−4−イル)メタノン;(2−(4−エチルフェニル)オキサゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−(4−エチルフェニル)オキサゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−(4−エチルフェニル)オキサゾリジン−4−イル)メタノン;(2−(4−エチルフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−(4−エチルフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−(4−エチルフェニル)イミダゾリジン−4−イル)メタノン;(2−(4−アミノフェニル)−チアゾール−4−イル)−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)メタノン(化合物8w);(2−(4−アミノフェニル)チアゾリジン−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(2−(4−アミノフェニル)−4,5−ジヒドロチアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(2−(4−アミノフェニル)−オキサゾール−4−イル)−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)メタノン;(2−(4−アミノフェニル)オキサゾリジン−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(2−(4−アミノフェニル)−4,5−ジヒドロオキサゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(2−(4−アミノフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)メタノン;(2−(4−アミノフェニル)−1H−イミダゾリジン−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(2−(4−アミノフェニル)−4,5−ジヒドロイミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(2−(4−アセトアミドフェニル)チアゾリジン−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(2−(4−アセトアミドフェニル)−4,5−ジヒドロチアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(2−(4−アセトアミドフェニル)−チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)チアゾール−4−イル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)チアゾリジン−4−イル)メタノン;(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−(3,4−ジメトキシフェニル)チアゾール−4−イル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−(3,4−ジメトキシフェニル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−(3,4−ジメトキシフェニル)チアゾリジン−4−イル)メタノン;(2−(4−fluornoフェニル)チアゾリジン−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(2−(4−フルオロフェニル)−4,5−ジヒドロチアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(2−(4−フルオロフェニル)−チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(3,4,5−トリメトキシ
フェニル)(2−(2−メトキシフェニル)チアゾール−4−イル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−(2−メトキシフェニル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−(2−メトキシフェニル)チアゾリジン−4−イル)メタノン;(2−(ピリジン−4−イル)−チアゾール−4−イル)−(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(化合物8x);(4,5−ジヒドロ−2−(ピリジン−4−イル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−(ピリジン−4−イル)チアゾリジン−4−イル)メタノン;(2−(ピリジン−4−イル)−オキサゾール−4−イル)−(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−(ピリジン−4−イル)オキサゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−(ピリジン−4−イル)オキサゾリジン−4−イル)メタノン;(2−(ピリジン−4−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)−(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−(ピリジン−4−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−(ピリジン−4−イル)イミダゾリジン−4−イル)メタノン;(2−(ピリミジン−2−イル)−チアゾール−4−イル)−(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(化合物8y);(4,5−ジヒドロ−2−(ピリミジン−4−イル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−(ピリミジン−4−イル)チアゾリジン−4−イル)メタノン;(2−(ピリミジン−4−イル)−オキサゾール−4−イル)−(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−(ピリミジン−4−イル)オキサゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−(ピリミジン−4−イル)オキサゾリジン−4−イル)メタノン;(2−(ピリミジン−4−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)−(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−(ピリミジン−4−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−(ピリミジン−4−イル)イミダゾリジン−4−イル)メタノン;(2−(チオフェン−2−イル)−チアゾール−4−イル)−(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(化合物8z);(4,5−ジヒドロ−2−(チオフェン−2−イル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−(チオフェン−2−イル)チアゾリジン−4−イル)メタノン;(2−(チオフェン−2−イル)−オキサゾール−4−イル)−(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−(チオフェン−2−イル)オキサゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−(チオフェン−2−イル)オキサゾリジン−4−イル)メタノン;(2−(チオフェン−2−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)−(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−(チオフェン−2−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−(チオフェン−2−イル)イミダゾリジン−4−イル)メタノン;(2−(1H−インドール−5−イル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(化合物31);(2−(1H−インドール−5−イル)チアゾリジン−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−(1H−インドール−5−イル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(2−(1H−インドール−5−イル)オキサゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(2−(1H−インドール−5−イル)オキサゾリジン−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−(1H−インドール−5−イル)オキサゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(2−(1H−インドール−5−イル)イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(2−(1H−インドール−5−イル)イミダゾリジン−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−(1H−インドール−5−イル)イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(2−(1H−インドール−2−イル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(化合物32);(4,5−ジヒドロ−2−(1H−インドール−2−イル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(2−(1H−インドール−2−イル)チアゾリジン−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(2−(1H−インドール−2−イル)オキサゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−(1H−インドール−2−イル)オキサゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(2−(1H−インドール−2−イル)オキサゾリジン−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(2−(1H−インドール−2−イル)イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−(1H−インドール−2−イル)イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(2−(1H−インドール−2−イル)イミダゾリジン−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(2−(1H−インドール−1−イル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−(1H−インドール−1−イル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(2−(1H−インドール−1−イル)チアゾリジン−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(2−(1H−インドール−1−イル)オキサゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−(1H−インドール−1−イル)オキサゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(2−(1H−インドール−1−イル)オキサゾリジン−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(2−(1H−インドール−1−イル)イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−(1H−インドール−1−イル)イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(2−(1H−インドール−1−イル)イミダゾリジン−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(2−(1H−インドール−3−イル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−(1H−インドール−3−イル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(2−(1H−インドール−3−イル)チアゾリジン−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(2−(1H−インドール−3−イル)オキサゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−(1H−インドール−3−イル)オキサゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(2−(1H−インドール−3−イル)オキサゾリジン−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(2−(1H−インドール−3−イル)イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−(1H−インドール−3−イル)イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(2−(1H−インドール−3−イル)イミダゾリジン−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(2−(1H−インドール−4−イル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−(1H−インドール−4−イル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(2−(1H−インドール−4−イル)チアゾリジン−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(2−(1H−インドール−4−イル)オキサゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−(1H−インドール−4−イル)オキサゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(2−(1H−インドール−4−イル)オキサゾリジン−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(2−(1H−インドール−4−イル)イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−(1H−インドール−4−イル)イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(2−(1H−インドール−4−イル)イミダゾリジン−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(2−(1H−インドール−6−イル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−(1H−インドール−6−イル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(2−(1H−インドール−6−イル)チアゾリジン−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(2−(1H−インドール−6−イル)オキサゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−(1H−インドール−6−イル)オキサゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(2−(1H−インドール−6−イル)オキサゾリジン−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(2−(1H−インドール−6−イル)イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−(1H−インドール−6−イル)イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(2−(1H−インドール−6−イル)イミダゾリジン−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(2−(1H−インドール−7−イル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−(1H−インドール−7−イル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(2−(1H−インドール−7−イル)チアゾリジン−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(2−(1H−インドール−1−イル)オキサゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−(1H−インドール−7−イル)オキサゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(2−(1H−インドール−7−イル)オキサゾリジン−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(2−(1H−インドール−7−イル)イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(4,5−ジヒドロ−2−(1H−インドール−7−イル)イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;および(2−(
1H−インドール−7−イル)イミダゾリジン−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノンが挙げられる。
【0046】
好適には前記R基は、置換されたもしくは未置換のフェニル、置換されたもしくは未置換のチオフェン−イル、または置換されたもしくは未置換のインドリルであり;および前記R基は3,4,5−トリメトキシフェニルである。したがって、上記に列挙された化合物、(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−フェニルチアゾール−4−イル)メタノン(化合物8f);(2−p−トリルチアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(化合物8k);(2−(4−フルオロフェニル)−チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(化合物8n);(2−(4−ニトロフェニル)−チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(化合物8p);(2−(4−シアノフェニル)−チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(化合物8q);(2−(4−(トリフルオロメチル)−フェニル)−チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(化合物8t);(2−(4−ブロモフェニル)−チアゾール−4−イル)−(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(化合物8u);(2−(4−エチルフェニル)−チアゾール−4−イル)−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)メタノン(化合物8v);(2−(4−アミノフェニル)−チアゾール−4−イル)−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)メタノン(化合物8w);(2−(チオフェン−2−イル)−チアゾール−4−イル)−(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(化合物8z);(2−(1H−インドール−5−イル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(化合物31);(2−(1H−インドール−2−イル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(化合物32);(2−(1H−インドール−1−イル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(2−(1H−インドール−3−イル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(2−(1H−インドール−4−イル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;(2−(1H−インドール−6−イル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン;および(2−(1H−インドール−7−イル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノンが好適である。
【0047】
他の実施形態に従い、前記化合物のクラスは式(III)に従う構造を有する:
【0048】
【化9】

【0049】
式中、XはO=であり、YはOであり、ならびにQおよびR〜Rは上記式(I)に対して定義されたものである。
【0050】
式(III)の化合物の例としては、それらに制限されることなく:3,4,5−トリメトキシフェニル4,5−ジヒドロ−2−フェニルチアゾール−4−カルボキシレート;3,4,5−トリメトキシフェニル2−フェニルチアゾール−4−カルボキシレート;3,4,5−トリメトキシフェニル2−フェニルチアゾリジン−4−カルボキシレート;3,4,5−トリメトキシフェニル2−フェニルオキサゾリジン−4−カルボキシレート;3,4,5−トリメトキシフェニル4,5−ジヒドロ−2−フェニルオキサゾール−4−カルボキシレート;3,4,5−トリメトキシフェニル2−フェニルオキサゾール−4−カルボキシレート;3,4,5−トリメトキシフェニル2−フェニルイミダゾリジン−4−カルボキシレート;3,4,5−トリメトキシフェニル4,5−ジヒドロ−2−フェニル−1H−イミダゾール−4−カルボキシレート;および3,4,5−トリメトキシフェニル2−フェニル−1H−イミダゾール−4−カルボキシレートが挙げられる。
【0051】
別の実施形態に従い前記化合物のクラスは式(IV)に従う構造を有する:
【0052】
【化10】

【0053】
式中、XはO=であり、Yは−NH−であり、ならびにQおよびR〜Rは式(I)において定義されたものである。
【0054】
式(IV)の化合物の例としては、それらに制限されることなく:N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−2−フェニルオキサゾリジン−4−カルボキサミド;4,5−ジヒドロ−N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−2−フェニルオキサゾール−4−カルボキサミド;N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−2−フェニルオキサゾール−4−カルボキシアミド;N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−2−フェニル−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド;4,5−ジヒドロ−N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−2−フェニル−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド;N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−2−フェニルイミダゾリジン−4−カルボキサミド;4,5−ジヒドロ−N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−2−フェニルチアゾール−4−カルボキサミド;N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−2−フェニルチアゾール−4−カルボキサミド;およびN−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−2−フェニルチアゾリジン−4−カルボキサミドが挙げられる。
【0055】
別の実施形態に従い、前記化合物のクラスは式(V)の構造を有する:
【0056】
【化11】

【0057】
式中、XおよびYは省かれ、ならびにQおよびR〜Rは上記の式(I)で定義されたものである。
【0058】
式(V)の化合物の例としては、それらに制限されることはないが:4−(3,4,5−トリメトキシベンジル)−2−フェニルチアゾリジン;4−(3,4,5−トリメトキシベンジル)−4,5−ジヒドロ−2−フェニルチアゾール;4−(3,4,5−トリメトキシベンジル)−2−フェニルチアゾール;4−(3,4,5−トリメトキシベンジル)−2−フェニルオキサゾール;4−(3,4,5−トリメトキシベンジル)−4,5−ジヒドロ−2−フェニルオキサゾール;4−(3,4,5−トリメトキシベンジル)−2−フェニルオキサゾリジン;4−(3,4,5−トリメトキシベンジル)−2−フェニルイミダゾリジン;4−(3,4,5−トリメトキシベンジル)−4,5−ジヒドロ−2−フェニル−1H−イミダゾール;および4−(3,4,5−トリメトキシベンジル)−2−フェニル−1H−イミダゾールが挙げられる。
【0059】
別の実施形態に従い、前記化合物のクラスは式(VI)の構造を有する:
【0060】
【化12】

【0061】
式中、XはS=であり、Yは省かれ、ならびにQおよびR〜R は上記の式(I)で定義されたものである。
【0062】
式(VI)の化合物の例としては、それらに制限されることなく:フェニル(2−フェニルチアゾリジン−4−イル)メタンチオン;フェニル(2−フェニルオキサゾリジン−4−イル)メタンチオン;(4,5−ジヒドロ−2−フェニルオキサゾール−4−イル)(フェニル)メタンチオン;フェニル(2−フェニルオキサゾール−4−イル)メタンチオン;(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−フェニルチアゾール−4−イル)メタンチオン;(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−フェニルチアゾリジン−4−イル)メタンチオン;(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−フェニルオキサゾリジン−4−イル)メタンチオン;(4,5−ジヒドロ−2−フェニルオキサゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタンチオン;(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−フェニルオキサゾール−4−イル)メタンチオン;(4,5−ジヒドロ−2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタンチオン;(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)メタンチオン;および(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−フェニルイミダゾリジン−4−イル)メタンチオンが挙げられる。
【0063】
他の好適な実施形態によれば、前記化合物のクラスは式(VII)に従う構造を有する:
【0064】
【化13】

【0065】
式中、Xは=N−NHであり、Yは省かれ、ならびにQおよびR〜Rは上記の式(I)で定義されたものである。
【0066】
式(VII)の化合物の例としては、それらに制限されることなく:(Z)−1−((3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−フェニルチアゾール−4−イル)メチレン)ヒドラジン(化合物33);(E)−1−((3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−フェニルチアゾール−4−イル)メチレン)ヒドラジン(化合物34);(24Z)−1−((4,5−ジヒドロ−2−フェニルチアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メチレン)ヒドラジン;(24E)−1−((4,5−ジヒドロ−2−フェニルチアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メチレン)ヒドラジン;(Z)−1−((3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−フェニルチアゾリジン−4−イル)メチレン)ヒドラジン;(E)−1−((3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−フェニルチアゾリジン−4−イル)メチレン)ヒドラジン;(Z)−1−((3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−フェニルオキサゾール−4−イル)メチレン)ヒドラジン;(E)−1−((3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−フェニルオキサゾール−4−イル)メチレン)ヒドラジン;(24Z)−1−((4,5−ジヒドロ−2−フェニルオキサゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メチレン)ヒドラジン;(24E)−1−((4,5−ジヒドロ−2−フェニルオキサゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メチレン)ヒドラジン;(Z)−1−((3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−フェニルオキサゾリジン−4−イル)メチレン)ヒドラジン;(E)−1−((3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−フェニルオキサゾリジン−4−イル)メチレン)ヒドラジン;(Z)−1−((3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)メチレン)ヒドラジン;(E)−1−((3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)メチレン)ヒドラジン;(24Z)−1−((4,5−ジヒドロ−2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メチレン)ヒドラジン;(24E)−1−((4,5−ジヒドロ−2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メチレン)ヒドラジン;(Z)−1−((3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−フェニルイミダゾリジン−4−イル)メチレン)ヒドラジン;および(E)−1−((3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−フェニルイミダゾリジン−4−イル)メチレン)ヒドラジンが挙げられる。
【0067】
他の好適な実施形態によれば、前記化合物のクラスは式(VIII)に従う構造を有する:
【0068】
【化14】

【0069】
式中、Xは=N−OHであり、Yは省かれ、ならびにQおよびR〜Rは上記の式(I)で定義されたものである。
【0070】
式(VIII)に従う化合物の例としては、それらに制限されることなく:(Z)−(2−フェニルチアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノンオキシム(化合物35);(E)−(2−フェニルチアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノンオキシム(化合物36);(24Z)−1−(4,5−ジヒドロ−2−フェニルチアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノンオキシム;(24E)−1−(4,5−ジヒドロ−2−フェニルチアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノンオキシム;(Z)−1−(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−フェニルチアゾリジン−4−イル)メタノンオキシム;(E)−1−(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−フェニルチアゾリジン−4−イル)メタノンオキシム;(Z)−1−(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−フェニルオキサゾール−4−イル)メタノンオキシム;(E)−1−(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−フェニルオキサゾール−4−イル)メタノンオキシム;(24Z)−1−(4,5−ジヒドロ−2−フェニルオキサゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノンオキシム;(24E)−1−(4,5−ジヒドロ−2−フェニルオキサゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノンオキシム;(Z)−1−(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−フェニルオキサゾリジン−4−イル)メタノンオキシム;(E)−1−(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−フェニルオキサゾリジン−4−イル)メタノンオキシム;(Z)−1−(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)メタノンオキシム;(E)−1−(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)メタノンオキシム;(24Z)−1−(4,5−ジヒドロ−2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノンオキシム;(24E)−1−(4,5−ジヒドロ−2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノンオキシム;(Z)−1−(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−フェニルイミダゾリジン−4−イル)メタノンオキシム;および(E)−1−(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−フェニルイミダゾリジン−4−イル)メタノンオキシムが挙げられる。
【0071】
特定の化合物、特に酸性または塩基性の基を有するものは、さらに好適には薬学的に許容される塩の形態であることができる。用語「薬学的に許容される塩」とは、生物学的有効性、および遊離塩基または遊離酸の性質を保ちつつ、生物学的もしくはその他において所望されないものではないものを指す。これらの塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸および酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイヒ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、N−アセチルシステイン等の有機酸から形成され得る。他の塩は当業者に周知であり、および本発明にもとづく使用のために容易に適合され得る。
【0072】
本発明の化合物はプロドラッグとしても投与し得る。したがって、それ自身としては、生体内、または生体上に投与されたときには、ほとんどまたは全く薬理学的活性のない特定の誘導体が、例えば加水分解的な開裂により所望の活性を有する本発明の化合物に変換される。プロドラッグの使用に関するさらなる情報は、Pro-drugs as Novel Delivery Systems, Vol. 14, ACS Symposium Series (Higuchi and Stella);およびBioreversible Carriers in Drug Design, Pergamon Press (ed. E B Roche, American Pharmaceutical Association) (1987)に見出すことができ、それらのそれぞれが参照により本願に組み込まれる。
【0073】
プロドラッグは、例えば、本発明の化合物に存在する適切な官能基を当業者にプロモエティー(pro-moiety)として周知の、特定の基により置換することにより得られる。かかるプロドラッグの例としては、制限することなく、アルコール能基の水素(−OH)をC〜Cアルキルにより置換してエーテルを形成すること;および(ii)2級アミノ基の水素をC〜C10アルカノイル基により置換してアミドを形成することが挙げられる。
【0074】
本発明の化合物は水和物の形態でも存在できる。このことは前記化合物が非共有結合性の分子内力により結合した、化学量論量または非化学量論量の水をさらに含むことを意味する。
【0075】
本発明の化合物は、実質的に等量の立体異性体を含むラセミ体混合物の形態としても存在できる。他の実施形態では、本発明の化合物は、公知の操作を用いて、対応する立体異性体を実質的に含まない立体異性体(即ち、実質的に純粋である)に調製されるか、さもなければ単離されることができる。実質的に純粋であるということにより、立体異性体が少なくとも約95%純粋であることを、より好適には少なくとも約98%純粋であることを、最も好適には少なくとも約99%純粋であることを意図している。
【0076】
本発明のさらなる態様は式(I)に従う化合物の調製方法に関する。さらに、本発明は、チアゾリジン、チアゾリン、チアゾール、イミダゾリン、イミダゾール、オキサゾリジン、オキサゾリン、およびオキサゾールのアミド、アルコキシアミド、ケトン、ヒドラジンおよびオキシム誘導体の調製のための合成方法論を開示する。
【0077】
チアゾリンおよびチアゾール系の化合物を合成するために、L−またはD−システインと置換されたもしくは未置換のベンゾニトリルとを、メタノールおよびpH6.4のリン酸緩衝液中で、室温で数日間反応させることができる(Bergeron et al., "Evaluation of Desferrithiocin and its Synthetic Analogs as Orally Effective Iron Chelators," J. Med. Chem. 34:2072-8 (1991); Bergeron et al., "Desazadesmethyldesferrithiocin Analogues as Orally Effective Iron Chelators," J. Med. Chem. 42:95-108 (1999); Zamri et al., "An Improved Stereocontrolled Synthesis of Pyochelin, Siderophore of Pseudomonas aeruginosa and Burkholderia cepacia," Tetrahedron 56:249-256 (2000),それぞれの全体を本明細書中に援用する)。生成するカルボン酸中間体はEDCI/HOBtを縮合剤として用いることにより、容易に対応するワインレブ(Weinreb)アミドに変換され得る(Nahm et al., "N-Methoxy-N-methylamides as Effective Acylating Agents," Tetrahedron Lett. 22:3815-18 (1981),これは引用によりその全体を本明細書中に援用する)。チアゾール中間体はBrCCl/DBUによるワインレブ(Weinreb)アミドの脱水素化により得ることができる。このチアゾール中間体を、無水THF中で適切なリチウム試薬またはグリニャール試薬(即ち、対応する"C"環を有するもの、以下のスキーム3を参照のこと)と反応させ、最終的なチアゾールが得られる(Nahm et al., "N-Methoxy-N-methylamides as Effective Acylating Agents," Tetrahedron Lett. 22:3815-18 (1981),これは引用によりその全体を本明細書中に援用する)。あるいは、前記チアゾリン・ワインレブ(Weinreb)アミドを、適切なリチウム試薬またはグリニャール試薬と直接反応させることができ、この場合、飽和NHCl溶液による反応停止後に、チアゾリン化合物および対応するチアゾール化合物の混合物を与える。
【0078】
チアゾリン/チアゾール混合物を溶媒に溶解し、空気に室温で一定時間(一晩〜数日)さらした場合、チアゾリン環が自然に脱水素化されてチアゾールになった。実施例としては、重水素化されたクロロホルム溶液中で、チアゾリン/チアゾール化合物の混合物はゆっくりと脱水素化され、約9日後にはほとんど純粋なチアゾール化合物に変換される(例えば図2を参照のこと)。
【0079】
チアゾリジン化合物の生成は、Millerらへの米国特許第7,307,093号、およびMillerらの米国特許出願公開第2007/0155807号に記載されており、そのどちらも全体を本明細書中に援用する。
【0080】
本発明にもとづくオキサゾリン誘導体(カルボン酸、カルボキサミド、メタノン) は、イミン誘導体(ベンゾニトリルおよび1−フェニル−2−メトキシ−エタンイミン)とエナンチオマー性(L−またはD−)またはラセミ性のシステインまたはセリンエステルとを、トリエチルアミンを塩基として用いて縮合させることにより調製できる(Meyer et al., Tetrahedron: Asymmetry 14:2229-2238 (2003),その全体を本明細書中に援用する)。
【0081】
イミダゾリン誘導体は、イミダゾリン環システムを形成するために、L−酒石酸を置換されたもしくは未置換のアリールアルデヒドとの縮合に用いることにより得られる(Anderson et al., J. Med. Chem. 32(1),119-127 (1989), which is hereby incorporated by reference in its entirety,その全体を本明細書中に援用する)。
【0082】
チアゾール、オキサゾール、およびイミダゾールの合成は、対応するチアゾリン、オキサゾリン、およびイミダゾリンの脱水素化により実行できる。 本発明にもとづく脱水素化は、最初にこれらのコアの環(チアゾリン、イミダゾリン、およびオキサゾリン)をハロゲン化し、次いで脱離することにより所望のチアゾール、オキサゾールおよびイミダゾール誘導体を生成させることにより達成できる。
【0083】
チオカルボニル結合基の生成(カルボニルからの)は、Lawesson試薬を用いて遂行できる(Jesberger et al., Synthesis 1929-1958 (2003),その全体を本明細書中に援用する)。この芳香環と共役したチオケトン構造は、立体障害のないチオケトンと比べて安定である。
【0084】
カルボニル結合基も、中間体アルデヒドのグリニャール試薬による還元によりアルコールへ還元することができる。代替的に、対応する炭化水素(例えばメチレン基)を還元により生成するために、カルボニル基をクレメンゼン(Clemmensen)還元により完全に除去することができる。カルボニルがアルコールまたはメチレンに還元される場合、強力な水素受容体であるC=Oが、強力な水素供与体であるO−Hまたは炭化水素に反転され、水素結合効果が完全に失われる。
【0085】
エステルおよびカルボキサミド連結は、反応剤(酸および"C"環の前駆体)がそれぞれエステル(DCC,NMM)またはアミド(EDCl,HOBt,EtN)連結を生成するのに適した条件にさらされることを除き、ケトン連結を生成するために用いられて物と同じ中間体の酸を用いて調製できる。カルボキサミド連結は、Millerらへの米国特許第7,307,093号、およびMillerらの米国特許出願公開第2007/0155807号に教示されており、これらの全体を本明細書中に援用する。
【0086】
本発明の化合物および合成中間体が、当業者に公知の合成プロセスにより調製され得ることを理解されたい。本発明の中間体および化合物の官能基は、適切な保護基により保護される必要があり得る。かかる官能基としては、ヒドロキシ、アミノ、メルカプトおよびカルボン酸が挙げられる。ヒドロキシの適切な保護基としては、トリアルキルシリルまたはジアリールアルキルシリル(例えばt−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリルまたはトリメチルシリル)、テトラヒドロピラニル、ベンジル等が挙げられる。アミノ、アミジノおよびグアニジノの適切な保護基としては、t−ブトキシカルボニル(t−BocまたはBoc)、ベンジルオキシカルボニル等が挙げられる。メルカプトの適切な保護基としては、−C(O)−R(式中、Rはアルキル、アリールまたはアラルキル)、p−メトキシベンジル、トリチル等が挙げられる。カルボン酸の適切な保護基としては、アルキル、アリールまたはアラルキルエステルが挙げられる。
【0087】
保護基は、当業者に周知であり本明細書中に記載される標準的技法に従い添加または除去することができる。保護基の使用については、Green et al., Protective Groups in Organic Synthesis, 2nd Ed., Wiley-Interscience (1991)に詳細が記載されており、その全体を本明細書中に援用する。
【0088】
本発明の他の態様は、本発明の態様にもとづく薬学的に許容される担体および化合物を含む薬学的組成物に関する。前記薬学的組成物は、1つ以上の上記に特定された本発明の化合物を含み得る。典型的には、本発明の薬学的組成物は、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩を薬学的に許容される担体とともに含む。用語「薬学的に許容される担体」とは、 任意の適切な補助剤、 担体、賦形剤、または安定剤を指すもので、錠剤、カプセル、粉末、溶液、懸濁液、または乳濁液等の、固体または液体の形態となり得る。
【0089】
一般に、前記組成物は、約0.01〜99パーセント、好適には約20〜75パーセントの活性化合物(複数可)を、補助剤、担体および/または賦形剤とともに含む。個々のニーズは変動し得るが、各成分の有効量の最適範囲を決定は、当業者の技量に委ねられる。典型的な用量は、約0.01〜約100mg/kg体重である。好適な用量は、約0.1〜約100mg/kg体重を含む。最も好適な用量は、約1〜約100mg/kg体重を含む。治療のための本発明の化合物の投与計画も、当業者の技量により容易に決定され得る。即ち、投与の頻度および用量の大きさは、好適には、いかなる副作用効果も最小化しつつ、所定の最適化により確立されることができる。
【0090】
固体の単位用量形態は便利なタイプであり得る。固体の形態は、カプセル等であり、例えば、本発明の化合物と、潤滑剤、およびラクトース、ショ糖、またはコーンスターチ等の不活性な増量剤等の担体とを含む通常のゼラチン型であり得る。他の実施形態では、これらの化合物は、アカシア、コーンスターチ、またはゼラチン等の結合剤、コーンスターチ、ジャガイモデンプンまたはアルギン酸等の崩壊剤、およびステアリン酸またはステアリン酸マグネシウム等の潤滑剤、ならびにラクトース、ショ糖、またはコーンスターチ等の通常の錠剤基材と組み合わせて錠剤化される。
【0091】
前記錠剤、カプセル等は、トラガカント・ガム、アカシア、コーンスターチまたはゼラチン等の結合剤;第二リン酸カルシウム等の賦形剤;コーンスターチ、ジャガイモデンプンまたはアルギン酸等の崩壊剤;ステアリン酸マグネシウム等の潤滑剤;およびショ糖、ラクトース、またはサッカリン等の甘味剤をさらに含み得る。用量単位形態がカプセルの場合、上記の種類の物質に加えて、脂肪酸等の液体担体を含み得る。
【0092】
コーティングとして、または用量単位の物理的形態を修飾するために、さまざまな他の物質が存在できる。例えば錠剤はセラック、砂糖またはその両方により被覆され得る。シロップは、活性成分に加えて、甘味剤としてショ糖を、保存剤としてメチルおよびプロピルパラベンを、染料、および香味料としてチェリーまたはオレンジのフレーバー等を含むことができる。
【0093】
経口治療投与用に、これらの活性化合物を賦形剤と一緒に含有させることができ、錠剤、カプセル、エリキシル剤、懸濁液、シロップ等の形態で用いることができる。かかる組成物および製剤は、少なくとも0.1%の活性化合物を含むべきである。もちろん、これらの組成物中の化合物の割合を変えることができるが、便宜上、その単位重量の約2%〜約60%とする。治療上有用な組成物中の活性化合物の量は、適切な薬量が得られることができるような量である。本発明にもとづく好適な組成物は、約1mg〜800mgの活性化合物が単位経口用量に含まれるように調製される。
【0094】
本発明の活性化合物を、例えば、不活性希釈剤または吸収可能な可食性担体とともに経口投与することができ、またはこれらを硬質または軟質の殻のカプセルに封入することができ、またはこれらを錠剤に圧縮することができ、またはこれらを直接、食餌療法の食物に取り込ませることができる。
【0095】
注射による使用に適した薬学的形態としては、無菌水溶液または分散物、および無菌注射液もしくは分散物の即時調整のための無菌粉末が挙げられる。これら全ての場合に、前記形態は無菌であり、および容易な注射性が存在できる範囲の流体であるべきである。これらは製造および保存条件において安定であるべきであり、および細菌および菌類等の微生物による汚染作用から保護されるべきである。前記担体を、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコール)、それらの適切な混合物および植物油を含む溶媒または分散媒体であることができる。
【0096】
本発明の化合物または薬学的組成物は、これらの物質の生理学的に許容される希釈剤と薬学的補助剤、担体または賦形剤中の溶液または懸濁液による注射用調剤として投与されることもできる。かかる補助剤、担体および/または賦形剤としては、限定されることなく、界面活性剤および他の薬学的および生理学的に許容される組成物を添加するか、または添加しない水および油等の無菌液体が挙げられる。油の具体例としては、石油類、動物油類、例えば、ピーナッツ油、大豆油、または鉱油等の野菜または合成油類が挙げられる。一般的に、水、生理食塩水、デキストロース水溶液、および関連糖類溶液およびプロピレングリコールまたはポリエチレングリコール等のグリコールは、特に注射用溶液としての好適な液体担体である。
【0097】
これらの活性化合物は、非経口的に投与されることもできる。これらの活性化合物の溶液または懸濁液は、ヒドロキシプロピルセルロース等の界面活性剤と適切に混合された水中で調製できる。分散物は、グリセロール、液体ポリエチレングリコールおよびそれらの油中混合物中で調製することもできる。油の具体例としては、石油類、動物油類、例えば、ピーナッツ油、大豆油、または鉱油等の野菜または合成油類が挙げられる。一般的に、水、生理食塩水、デキストロース水溶液、および関連糖類溶液およびプロピレングリコールまたはポリエチレングリコール等のグリコールは、特に注射用溶液としての好適な液体担体である。保存および使用の通常の条件下では、これらの調剤は微生物の成長を防止するための保存料を含む。
【0098】
エアロゾルとして使用するために、溶液または懸濁液中の本発明の化合物を、加圧アエロゾル容器に、例えば、プロパン、ブタン、またはイソブタン等の炭化水素の高圧ガスと通常の補助剤とともに充填することできる。本発明の物質を、噴霧器または霧吹きのような加圧されない形態で投与することもできる。
【0099】
本発明のさらに別の態様は、癌の治療を要する被験体を選ぶこと、およびその癌の治療に効果的な条件の下で、前記被験体に本発明の第一の態様にもとづく化合物を含む薬学的組成物を投与することを含む、癌の治療方法に関する。
【0100】
本発明の化合物を投与する場合、該化合物を全身投与するか、または二者択一的に、癌細胞または前癌性細胞が存在する特定の部位に直接投与することができる。したがって、投与は、前記化合物または薬学的組成物を、癌細胞または前癌性細胞へ送達するために効果的である任意の方法により達成され得る。投与方法の例としては、それらには制限されることなく、化合物または組成物を、経口的に、局所的に、経皮的に、非経口的に、皮下的に、静脈内的に、筋内的に、腹腔内的に、経鼻投与的に、腔内的に、膀胱内的に、眼内的に、動脈内的に、病巣内的に、または鼻、喉および気管支等の粘膜へ塗布することにより投与することを挙げることができる。
【0101】
本発明の化合物は、さまざまな形態の癌、特に前立腺癌、乳癌、卵巣癌、皮膚癌(例えば黒色腫)、肺癌、結腸癌、白血病、腎臓癌、CNS癌 (例えば神経膠腫、グリア芽腫)の治療および予防において有用である。これらの 異なる癌の治療は、本明細書の実施例により支持される。さらに、考えられているそれらのチューブリン阻害剤としての作用様式に基づき、これらの本発明の化合物または組成物の患者への投与により、他の形態の癌も同様に治療可能であるか、または予防可能であると考えられる。好適な本発明の化合物は、好適には正常細胞には破壊的ではなく、癌細胞に対して選択的に破壊的であり、癌細胞の除去を引き起こす。癌細胞は、はるかに低濃度の本発明の化合物により破壊されるために、正常細胞に対する傷害は顕著に最小化される。
【0102】
したがって本発明のさらなる態様は、本発明の化合物を提供すること、および次いでこの化合物を、接触された癌性細胞が破壊されるのに効果的な条件の下で癌性細胞と接触させることを含む、癌性細胞を破壊する方法に関わる。さまざまな癌性細胞破壊の,実施形態に従い、破壊されるべき細胞は、生体内または生体外(即ち、培養液中)のいずれかに位置することができる。
【0103】
本発明のさらなる態様は、本発明の化合物を提供すること、および次いでその化合物の有効量を癌性病態の治療または予防に有効な様式で患者に投与することを含む、癌性病態の治療または予防方法に関する。
【0104】
一実施形態によれば、前記治療される患者は、前癌性病態の存在により特徴付けられ、および前記化合物の投与は、前癌性病態が癌性病態に進展することを予防するために有効である。このことは前癌性細胞を、それがさらなる癌性状態へ進展することに先立ってか、またはそれと同時に破壊することにより生じ得る。
【0105】
別の実施形態によれば、前記治療される患者は、癌性病態の存在により特徴付けられ、および前記化合物の投与は、その癌性病態の軽減またはその癌性病態の成長を阻害するために有効である。即ち、その成長を完全に停止することであるか、またはその成長速度を低減することである。このことは好適には患者の体内での位置に関わらず、癌細胞の破壊により生じる。即ち患者の体内で、癌細胞が一次腫瘍発現部位として存在するか、癌細胞が転移して二次腫瘍部位を形成するかのどちらかである。
【0106】
本明細書において用いられる「被験体」または「患者」は、制限することなく、ヒトならびに他の霊長類、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、ラット、マウスおよび他のげっ歯類を含む任意の哺乳類の患者を指す。
【0107】
本発明の化合物または薬学的組成物が、癌性病態を治療または予防するために投与される場合、前記薬学的組成物は、他の治療用薬剤または治療計画をふくむものであってもよく、または併用してもよく、該他の治療用薬剤または治療計画は、現在公知のもの、もしくは種々のタイプの癌を治療するために今後開発されるものである。他の治療用薬剤または治療用投薬の例としては、制限されることなく、照射療法、免疫療法、化学療法、外科的介入、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【実施例】
【0108】
以下の実施例は説明の目的のためにのみ提示され、またいかなる方法によっても本発明の範囲を制限することを意図されていない。
【0109】
全ての試薬は、シグマ社(Sigma-Aldrich Chemical Co., Fisher Scientific (Pittsburgh, PA))、AKサイエンティフック社(AK Scientific (Mountain View, CA),)、オークウード・プロダクツ社(Oakwood Products (West Columbia, SC))等から購入し、さらに精製することなく使用した。湿度に敏感な反応はアルゴン雰囲気下でおこなった。所定の薄層クロマトグラフィー(TLC)は、アルミニウム背面を有するUniplate(Analtech, Newark, DE)上でおこなった。融点はFisher-Johns融点測定装置を用いて測定した(美保性)。NMRスペクトルはBruker ARX300分光計(Billerica, MA))またはVarian Inova-500分光計により得られた。化学シフトは、CDCl中のTMSに対する百万分率(parts per million (ppm))として表示されている。質量スペクトルデータは、Bruker ESQUIRE電気スプレー/イオン・トラップ装置(electrospray/ion trap instrument)を用いて正および陰イオンモードにより収集した。元素分析は、アトランティック・マイクロラボ社(Atlantic Microlab Inc., (Norcross, GA))によっておこなわれた。
【0110】
実施例1 チアゾール、チアゾリンおよびチアゾリジンカルボキサミドの合成
【0111】
チアゾールおよびチアゾリジンカルボキサミドの合成の概要は、Millerらへの米国特許第7,307,093号およびMillerらの米国特許出願公開第2007/0155807号に開示されており、そのどちらの全体も本明細書中に援用する。本発明の種々のチアゾール、ジヒドロチアゾール、およびチアゾリジンカルボキサミドの合成を以下のスキーム1に図示されている。
【0112】
【化15】

【0113】
試薬および条件:(a)COH,HO,室温;(b)BocO,1NNaOH,1,4−ジオキサン,HO;(c)EDCI,HOBt,TEA,3,4,5−トリメトキシアニリン;(d)TFA,CHCl
【0114】
(2RS,4R)−2−アリール−チアゾリジン−4−カルボン酸 1合成の一般的操作:L−システイン(3.16g,26.11mmol)および適切なアルデヒド(26.15mmol)の混合物をエタノール(300mL)および水(30mL)溶液中で室温で6〜15時間撹拌し、沈殿した固体を回収し、ジエチルエーテルで洗浄し、乾燥することで、(2RS,4R)−2−アリール−チアゾリジン−4−カルボン酸1を70〜99%の収率で得た。0°Cで、1(5.95mmol)を1N−NaOH(6mL)および1,4−ジオキサン(15mL)に溶解し、次いでジ−tert−ブチルジカーボネート(2.80g,12.80mmol)をゆっくりと加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物を真空濃縮しおよび酢酸エチル(20mL)で洗浄した。1NHClまたは5%KHSOを添加することにより水層のpHを4に調整し、次いで酢酸エチルにより抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、真空下に濃縮して対応するBOC保護酸を白色泡状固体として得て、精製することなく次ステップで用いた。
【0115】
(2RS,4R)−2−アリール−N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)チアゾリジン−4−カルボキサミド2a,2b調製の一般的操作:適切なBOC保護カルボン酸(0.3〜0.5g)、EDCI(1.2当量)およびHOBT(1.05当量)のCHCl(20mL)中の混合物を室温で10分間撹拌した。この溶液に3,4,5−トリメトキシアニリン(1.05当量)およびEtN(1.2当量)を加え、および室温で6〜8時間撹拌した。反応混合物CHCl(30mL)で希釈し、水、飽和NaHCO、飽和食塩水で順次洗浄し、およびMgSO上で乾燥させた。溶媒を減圧下に除去して粗生成物を油状物質として得て、これを室温で20mLのCHCl中でTFA(0.6〜1mL)と1〜8時間撹拌してBOC基を開裂させた。反応混合物を濃縮し、飽和NaHCOで洗浄し、MgSO上で乾燥させた。溶媒を除去して粗生成物を固体として得て、化合物2aおよび2bをカラムクロマトグラフィーにより精製した。収率は2ステップの収率として表されている。
【0116】
(2RS,4R)−2−フェニル−N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)チアゾリジン−4−カルボキサミド(化合物2a):収率:69.5%.融点158〜159℃.H−NMR(300MHz,CDCl)δ 9.14(s,0.8H),8.61(s,0.2H),7.58〜7.32(m,5H),6.90(s,1.6H),6.71(s,0.4H),5.71(dd,0.2H,J=9.0Hz),5.42(dd,0.8H,J=11.7Hz),4.53(dt,0.8H),4.19(m,0.2H),3.87,3.80(s,s,6H),3.82,3.78(s,s,3H),3.80〜3.78(m,0.4H),3.62〜3.42(m,1.6H),2.96(t,0.2H,J=9.0Hz),2.74(dd,0.8H,J=11.7Hz).MS(ESI) m/z 375.1[M+H]397.1[M+Na].元素分析(C1922S)C,H,N.
【0117】
(2RS,4R)−N,2−ビス(3,4,5−トリメトキシフェニル)チアゾリジン−4−カルボキサミド(化合物2b):収率:34.5%.融点147〜149℃.H−NMR(300MHz,CDCl)δ 9.10(s,0.7H),8.59(s,0.3H),6.90(s,1.4H),6.80(s,0.6H),6.74(s,1.4H),6.71(s,0.6H),5.66(br,0.3H),5.35(d,br,0.7H,J=7.5Hz),4.52(br,0.7H),4.21(br,0.3H),3.90,3.87,3.86,3.84,3.82,3.81,3.79,3.78(alls,18H),3.66〜3.61,3.54〜3.38(m,1.6H),2.98,2.72(br,1H).MS(ESI) m/z 465.1[M+H]487.1[M+Na].元素分析(C2228S)C,H,N.
【0118】
活性を増大するため、およびより選択的な試薬を開発するために、続く実施例において議論されるように、この合成は延長され、4−位でカルボニルに結合した置換基の性質を試験するために、生物学的研究が遂行された。これらの追加的化合物の合成は以下のスキーム2に示されている。
【0119】
【化16】

【0120】
試薬および条件:(a)MeOH/pH=6.4リン酸緩衝液,室温;(b)EDCI,HOBt,TEA,3,4,5−トリメトキシアニリン;(c)CBrCl,DBU.
【0121】
2−フェニル−N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−4,5−ジヒドロチアゾール−4−カルボキサミド4a−4b,5の合成:1:1のMeOH/pH6.4リン酸緩衝液溶液100mL中で、置換ベンゾニトリル(40mmol)をL−またはD−システイン(45mmol)と混合した。反応混合物を40℃で3日間撹拌した(Bergeron et al., "Evaluation of Desferrithiocin and its Synthetic Analogs as Orally Effective Iron Chelators," J. Med. Chem. 34:2072-8 (1991),その全体を本明細書中に援用する)。沈殿をろ過により除去し、MeOHを回転式エバポレーターを用いて除去した。残渣溶液に0℃で1MHClを加えpHを4に調整した。生成した沈殿をCHClで抽出し、乾燥し濃縮した(スキーム2)。化合物2a,2bについて記載したものと同じ操作を用いて、カルボン酸3a,3bを3,4,5−トリメトキシアニリンと反応させ、それにより化合物4a、4bを生成させた。ジヒドロチアゾール4a、4bのチアゾリジン5への変換をBrCCl/DBUによる酸化により実施した(Williams et al., "Studies of Mild Dehydrogenations in Heterocyclic Systems," Tetrahedron Lett. 38:331-334 (1997),その全体を本明細書中に援用する)。
【0122】
(4R)−2−フェニル−4,5−ジヒドロチアゾール−4−カルボン酸(化合物3a):収率:58.3%.H−NMR(300MHz,CDCl)δ9.31(br,1H),7.88〜7.85(m,2H),7.55〜7.41(m,3H),5.38(t,1H,J=9.6Hz),3.75(dt,2H,J=9.6Hz,2.7Hz).MS(ESI) m/z 162.0[M−COOH]
【0123】
(4S)−2−フェニル−4,5−ジヒドロチアゾール−4−カルボン酸(化合物3b):収率:53.9%.H−NMR(300MHz,CDCl)δ7.89〜7.85(m,2H),7.55〜7.41(m,3H),5.38(t,1H,J=9.3Hz),3.75(dt,2H,J=9.3Hz,2.7Hz).MS(ESI) m/z 162.0[M−COOH]
【0124】
(4R)−2−フェニル−N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−4,5−ジヒドロチアゾール−4−カルボキサミド(化合物4a):収率:98.7%.融点121〜122℃.H−NMR(300MHz,CDCl)δ8.98(s,1H),8.02〜7.94,7.62−7.48(m,5H),6.93(s,2H),5.38(t,1H,J=9.6Hz),3.92〜3.85(m,2H),3.87(s,6H),3.82(s,3H).MS(ESI) m/z 373.1[M+H].元素分析(C1920S)C,H,N.
【0125】
(4R)−2−フェニル−N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−4,5−ジヒドロチアゾール−4−カルボキサミド(化合物4b):収率:70.7%.融点122〜123℃.H−NMR(300MHz,CDCl)δ 8.62(s,1H),7.93〜7.90(m,2H),7.55〜7.45(m,3H),6.88(s,2H),5.31(t,1H,J=9.6Hz),3.86(s,6H),3.79(s,3H),3.83−3.70(m,2H).MS(ESI) m/z 395.1[M+Na],370.9[M−1].元素分析(C1920S)C,H,N.
【0126】
2−フェニル−N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)チアゾール−4−カルボキサミド(化合物5):収率:89.7%.融点157〜158℃.H−NMR(300MHz,CDCl)δ 9.30(s,1H),8.20(s,1H),8.04〜8.01(m,2H),7.53−7.51(m,3H),7.08(s,2H),3.92(s,6H),3.86(s,3H).MS(ESI) m/z 393.1[M+Na].元素分析(C1918S)C,H,N.
【0127】
実施例2 チアゾールおよびチアゾリジンメタノン誘導体の合成
【0128】
2−(置換フェニル)−4,5−ジヒドロチアゾール−4−カルボン酸メトキシメチルアミド中間体: 以下のスキーム3に示されるように、2−(置換フェニル)−および非置換2−フェニル−4,5−ジヒドロチアゾール−4−カルボン酸3を、適切なニトリル(例えばベンゾニトリル、ピリジニル−ニトリル、ピリミジニル−ニトリル,チオフェン−イル−ニトリル)およびL−システインから上述のように合成した。次に、得られたカルボン酸を用いて、メトキシメチルアミド中間体を合成した。CHCl(50mL)中の適切なカルボン酸3(5mmol)、EDCI(6mmol)、およびHOBt(5mmol)の混合物をCHCl(50mL)を10分間撹拌した。この溶液に、NMM(5mmol)およびHNCHOCH(5mmol)を加え、室温で6〜8時間撹拌を続けた。反応混合物CHCl(100mL)で希釈し、さらに、水、飽和NaHCO、飽和食塩水で順次洗浄し、MgSO上で乾燥させた。溶媒を減圧下に除去して2の粗生成物を得て、カラムクロマトグラフィーにより精製した。
【0129】
【化17】

【0130】
試薬および条件:(a)MeOH/pH=6.4リン酸緩衝液,室温;(b)EDCI,HOBt,NMM,HNCHOCH;(c)CBrCl,DBU;(d)ArBr/BuLiまたはArMgBr,THF;(e)HCl/HOAc;(f)MeOH/CHCOCl;(g)Fe/HOAc;(h)BBr,CHCl
【0131】
(R)−N−メトキシ−N−メチル−2−フェニル−4,5−ジヒドロチアゾール−4−カルボキサミド(化合物6a).収率:92.0%.H−NMR(300MHz,CDCl)δ 7.85〜7.83(m,2H),7.48〜7.36(m,3H),5.66(t,1H,J=9.0Hz),3.90(s,3H),3.88〜3.80(br,1H),3.55〜3.47(dd,1H,J=10.8Hz,9.0Hz),3.30(s,3H).MS(ESI) m/z 251.0[M+H],273.0[M+Na]
【0132】
(R)−N−メトキシ−N−メチル−2−p−トリル−4,5−ジヒドロチアゾール−4−カルボキサミド(化合物6b).収率:55.8%.H−NMR(300MHz,CDCl)δ 7.79(d,2H,J=7.8Hz),7.22(d,2H,J=7.8Hz),5.68(t,1H,J=8.7Hz),3.91(s,3H),3.80(t,1H,J=9.3Hz),3.55(t,1H,J=9.3Hz),3.30(s,3H),2.93(s,3H).MS(ESI) m/z 265.0[M+H],287.0[M+Na]
【0133】
(R)−2−(2−フルオロフェニル)−N−メトキシ−N−メチル−4,5−ジヒドロチアゾール−4−カルボキサミド(化合物6c).収率:39.6%.H−NMR(300MHz,CDCl)δ 7.91(dt,1H,J=7.5Hz,1.8Hz),7.43(m,1H),7.19−7.09(m,2H),5.63(t,1H),3.88(s,3H),3.83(br,1H),3.48(dd,1H,J=11.1Hz,9.6Hz),3.30(s,3H).MS(ESI) m/z 291.0[M+Na]
【0134】
(R)−2−(3−フルオロフェニル)−N−メトキシ−N−メチル−4,5−ジヒドロチアゾール−4−カルボキサミド(化合物6d).収率:84.3%.H−NMR(300MHz,CDCl)δ 7.60〜7.56(m,2H),7.38(dt,1H,J=8.1Hz,6.0Hz),7.16(dt,1H,J=8.1Hz,2.4Hz),5.67(t,1H),3.90(s,3H),3.86〜3.83(br,1H),3.52(dd,1H,J=10.8Hz,9.3Hz),3.30(s,3H).MS(ESI) m/z 291.0[M+Na]
【0135】
(R)−2−(4−フルオロフェニル)−N−メトキシ−N−メチル−4,5−ジヒドロチアゾール−4−カルボキサミド(化合物6e).収率:66.0%.H−NMR(300MHz,CDCl)δ 7.90(d,2H),7.13(d,2H),5.63(t,1H),3.88(s,3H),3.83(br,1H),3.46(dd,1H),3.31(s,3H).MS(ESI) m/z 269.0[M+H]
【0136】
(R)−2−(3,4−ジメトキシフェニル)−N−メトキシ−N−メチル−4,5−ジヒドロチアゾール−4−カルボキサミド(化合物6f).収率:36.7%.H−NMR(300MHz,CDCl)δ 8.11(d,1H),7.93(s,1H),7.19〜7.09(d,1H),5.41(t,1H),3.97(s,6H),3.89(s,3H),3.73(br,1H),3.39(dd,1H),3.31(s,3H).MS(ESI) m/z 333.1[M+Na]
【0137】
(R)−N−メトキシ−N−メチル−2−(4−ニトロフェニル)−4,5−ジヒドロチアゾール−4−カルボキサミド(化合物6g).収率:53.7%.H−NMR(300MHz,CDCl)δ 8.25(d,2H,J=9.0Hz),8.01(d,2H,J=9.0Hz),5.73(t,1H),3.90(s,3H),3.87(br,1H),3.59(dd,1H,J=11.1Hz,9.3Hz),3.31(s,3H).MS(ESI) m/z 318.1[M+Na]
【0138】
(R)−2−(4−シアノフェニル)−N−メトキシ−N−メチル−4,5−ジヒドロチアゾール−4−カルボキサミド(化合物6h).収率:26.7%.H−NMR(300MHz,CDCl)δ 7.94(d,2H,J=8.1Hz),7.69(d,2H,J=8.1Hz),5.71(t,1H,J=9.3Hz),3.89(s,3H),3.87(br,1H),3.56(dd,1H,J=10.8Hz,9.3Hz),3.30(s,3H).MS(ESI) m/z 298.0[M+Na]
【0139】
(R)−N−メトキシ−N−メチル−2−(4−トリフルオロメチルフェニル)−4,5−ジヒドロチアゾール−4−カルボキサミド(化合物6i).収率:62.0%.H−NMR(300MHz,CDCl)δ 7.95(d,2H,J=8.1Hz),7.65(d,2H,J=8.1Hz),5.70(t,1H,J=9.6Hz),3.89(s,3H),3.85(br,1H),3.55(dd,1H,J=10.8Hz,9.6Hz),3.30(s,3H).MS(ESI) m/z 341.0[M+Na]
【0140】
(R)−2−(4−ブロモフェニル)−N−メトキシ−N−メチル−4,5−ジヒドロチアゾール−4−カルボキサミド(化合物6j).収率:20.0%.H−NMR(300MHz,CDCl)δ 7.71,7.53(d,d,4H,J=8.4Hz),5.63(t,1H,J=9.6Hz),3.88(s,3H),3.84(t,1H,J=9.6Hz),3.52(dd,1H,J=10.8Hz,9.6Hz),3.30(s,3H).MS(ESI) m/z 351.0[M+Na]
【0141】
(R)−N−メトキシ−N−メチル−2−(4−エチル)−4,5−ジヒドロチアゾール−4−カルボキサミド(化合物6k).収率:77.7%.H−NMR(300MHz,CDCl)δ 7.75(d,2H,J=8.4Hz),7.21(d,2H,J=8.4Hz),5.64(t,1H),3.89(s,3H),3.81(m,1H),3.48(dd,1H,J=10.8Hz,9.3Hz),3.29(s,3H),2.67(q,2H),1.24(t,3H).MS(ESI) m/z 301.0[M+Na]
【0142】
(R)−N−メトキシ−N−メチル−2−(ピリジン−4−イル)−4,5−ジヒドロチアゾール−4−カルボキサミド(化合物6l).収率:66.6%.H−NMR(300MHz,CDCl)δ 8.70(d,2H,J=9.0Hz),7.67(d,2H,J=9.0Hz),5.71(t,1H,J=9.6Hz),3.90(s,3H),3.73(t,1H),3.55(dd,1H,J=10.8Hz,9.6Hz),3.30(s,3H).MS(ESI) m/z 252.1[M+H],274.0[M+Na]
【0143】
(R)−N−メトキシ−N−メチル−2−(ピリミジン−2−イル)−4,5−ジヒドロチアゾール−4−カルボキサミド(化合物6m).収率:32.5%.H−NMR(300MHz,CDCl)δ 8.88(d,2H,J=4.8Hz),7.38(t,1H,J=4.8Hz),5.83(t,1H,J=9.0Hz),3.87(s,3H),3.56(dd,2H,J=9.0Hz),3.30(s,3H).MS(ESI) m/z 275.0[M+Na]
【0144】
(R)−N−メトキシ−N−メチル−2−(チオフェン−2−イル)−4,5−ジヒドロチアゾール−4−カルボキサミド(化合物6p).収率:58.5%.H−NMR(300MHz,CDCl)δ 7.57(br,1H),7.49(d,1H,J=4.8Hz),7.09(dd,1H,J=3.6Hz,4.8Hz),5.64(t,1H,J=9.0Hz),3.90(s,3H),3.85(br,1H),3.57(dd,1H,J=9.9,9.0Hz),3.29(s,3H).MS(ESI) m/z 279.0[M+Na]
【0145】
N−メトキシ−N−メチルチアゾール−4−カルボキサミド(化合物9a):収率:58.7%.H−NMR(300MHz,CDCl)δ 8.82(d,1H,J=2.1Hz),8.10(d,1H,J=2.1Hz),3.79(s,3H),3.45(s,3H).MS(ESI) m/z 194.9[M+Na]
【0146】
2−(置換フェニル)−チアゾール−4−カルボン酸メトキシメチルアミド7a−p:生成したジヒドロチアゾール−4−カルボン酸メトキシメチルアミド6a〜6p(1当量)のCHCl溶液を0℃に冷却し、および蒸留したDBU(2当量)を加えた。ブロモトリクロロメタン(1.7当量)を注射器から滴下して10分間にわたり加えた。反応混合物を室温まで昇温し、および一晩撹拌した。飽和NHCl(2×50mL)水溶液で洗浄し、水相をEtOAc(3×50mL)で抽出した。有機層を合わせてMgSOで乾燥させ、ろ過して真空下に濃縮した。残渣を必要に応じてフラッシュクロマトグラフィーで精製して化合物7a〜pを得た。
【0147】
2−フェニル−チアゾール−4−カルボン酸メトキシメチルアミド(化合物7a):収率:73.6%.H−NMR(300MHz,CDCl)δ 8.01(s,1H),7.99〜7.96(m,2H),7.47〜7.44(m,3H),3.88(s,3H),3.49(s,3H).MS(ESI) m/z 271.0[M+Na]
【0148】
(2−(置換フェニル)−チアゾール−4−イル)−(置換フェニル)−メタノンs:Asshownin上記のスキーム3に示されるように、3つの異なる方法が、メタノン8a〜8zの合成に用いられた。
【0149】
方法1:n−BuLi(1.6M,0.713mL)の8mLTHF溶液に、−78℃で3,4,5−トリメトキシブロモベンゼン(1.09mmol)の3mLTHF溶液を加えた。この混合物を2時間撹拌し、およびアミド6または7(1.14mmol)の3mLTHF溶液を加えた。この混合物を室温まで昇温し、および一晩撹拌した。反応混合物を、飽和NHClで洗浄し、エチルエーテルで抽出し、MgSO上で乾燥させ、および一晩空気雰囲気に曝露した。溶媒を減圧下に除去して粗生成物を得て、カラムクロマトグラフィーにより精製して純粋な化合物8a〜8zを得た。
【0150】
方法2:対応するグリニャール試薬(0.5M,3mL)の2mLTHF溶液に、0℃でアミド6または7(1mmol)の3mLTHF溶液を加えた。この混合物をTLC上でアミドのスポットが消失するまで30分〜2時間撹拌し、反応を飽和NHClで停止し、エチルエーテルで抽出しMgSO上で乾燥させ、一晩空気雰囲気に曝露し、出発物質の6を得た。溶媒を減圧下に除去して粗生成物を得て、カラムクロマトグラフィーで精製して化合物8a〜8zを得た。
【0151】
化合物8i,8xおよび8wの塩酸塩も調製した。0℃で、HClのエチルエーテル(2M)溶液10mLを、8i,8xまたは8w(100mg)の5mLのCHCl(5mL)溶液に加え一晩撹拌した。沈殿した塩酸塩をろ別し、エチルエーテルで洗浄した。高真空下に乾燥して対応する塩を得た。
【0152】
フェニル(2−フェニルチアゾール−4−イル)−メタノン (化合物8a):収率:76.3%.融点65〜66℃.H−NMR(300MHz,CDCl)δ 8.32〜8.29(m,2H),8.24(s,1H),8.04〜8.00(m,2H),7.64〜7.52(m,3H),7.50〜7.46(m,3H).MS(ESI) m/z 288.0[M+Na].元素分析(C1611NOS)C,H,N.
【0153】
(4−メトキシフェニル)(2−フェニルチアゾール−4−イル)−メタノン (化合物8b):収率:74.8%.融点105〜106℃.H−NMR(300MHz,CDCl)δ 8.41(d,2H),8.22(s,1H),8.02(dd,2H),7.47(m,3H),7.01(d,2H),3.80(s,3H).MS(ESI) m/z 318.1[M+Na].元素分析(C1713NOS)C,H,N.
【0154】
(3−メトキシフェニル)(2−フェニルチアゾール−4−イル)−メタノン (化合物8c):収率:58.8%.融点43−44℃.H−NMR(300MHz,CDCl)δ 8.23(s,1H),8.05〜8.01(m,2H),7.93(d,1H),7.84(m,1H),7.49〜7.40(m,4H),7.16〜7.15(m,1H),3.89(s,3H).MS(ESI) m/z 318.1[M+Na].元素分析(C1713NOS)C,H,N.
【0155】
(2−メトキシフェニル)(2−フェニルチアゾール−4−イル)−メタノン (化合物8d):収率:57.4%.無色油状物質.H−NMR(300MHz,CDCl)δ 8.03(s,1H),7.98〜7.95(m,2H),7.57〜7.47(m,2H),7.47〜7.42(m,3H),7.08〜7.01(m,2H),3.78(s,3H).MS(ESI) m/z 318.1[M+Na].元素分析(C1713NOS)C,H,N.
【0156】
(3,4−ジメトキシフェニル)(2−フェニルチアゾール−4−イル)−メタノン (化合物8e):収率:15.3%.融点89−91℃.H−NMR(500MHz,CDCl)δ 8.24(s,1H),8.22(dd,1H,J=8.5Hz,2.0Hz),8.04〜8.02(m,2H),7.99(d,1H,J=2.0Hz),7.49〜7.47(m,3H),6.98(d,1H,J=8.5Hz),3.99(s,6H).MS(ESI) m/z 348.0[M+Na].元素分析(C1815NOS)C,H,N.
【0157】
(2−フェニル−チアゾール−4−イル)−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−メタノン (化合物8f):収率:27.3%.融点133〜135℃.H−NMR(300MHz,CDCl)δ 8.29(s,1H),8.03(q,2H),7.80(s,2H),7.49〜7.47(m,3H),3.96(s,6H),3.97(s,3H).MS(ESI) m/z 378.1[M+Na].元素分析(C1917NOS)C,H,N.
【0158】
(3,5−ジメトキシフェニル)(2−フェニルチアゾール−4−イル)−メタノン (化合物8g):収率:41.5%.融点84〜85℃.H−NMR(300MHz,CDCl)δ 8.23(s,1H),8.04〜8.01(m,2H),7.99(d,2H,J=2.4Hz),7.49〜7.43(m,3H),6.72(t,1H,J=2.4Hz),3.87(s,6H).MS(ESI) m/z 348.3[M+Na].元素分析(C1815NOS)C,H,N.
【0159】
(2−フルオロフェニル)(2−フェニルチアゾール−4−イル)−メタノン (化合物8h):収率:66.4%.融点77〜79℃.H−NMR(300MHz,CDCl)δ 8.48〜8.41(m,2H),8.28(s,2H),8.04〜7.98(m,2H),7.50〜7.46(m,3H),7.26〜7.16(m,2H).MS(ESI) m/z 306.0[M+Na],283.9[M−H].元素分析(C1610FNOS)C,H,N.
【0160】
(2−フェニルチアゾール−4−イル)−(ピリジン−2−イル)−メタノン (化合物8i):収率:20.7%.融点95〜97℃.H−NMR(300MHz,CDCl)δ 9.01(s,1H),8.77(d,1H,J=4.8Hz),8.28(d,1H,J=7.8Hz),8.08〜8.05(m,2H),7.92(dt,1H,J=7.8Hz,1.2Hz),7.52(ddd,1H,J=7.8Hz,4.8Hz,1.2Hz),7.48〜7.46(m,3H). (化合物8iのHCl塩):収率:70.6%.融点105〜107℃.H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ 9.03(s,1H),8.79(d,1H,J=4.8Hz),8.10(br,1H),8.08(br,1H),8.03〜8.00(m,2H),7.73〜7.69(m,1H),7.56〜7.54(m,3H).MS(ESI) m/z 267.0[M+H].元素分析(C1510OS,C1510OS・HCl)C,H,N.
【0161】
1−(2−フェニルチアゾール−4−イル)−ヘプタデカン−1−オン (化合物8j):収率:66.4%.融点63〜64℃.H−NMR(300MHz,CDCl)δ 8.12(s,1H),8.02〜7.99(m,2H),7.49〜7.47(m,3H),3.16(t,2H,J=7.5Hz),1.82〜1.72(m,2H),1.26(s,26H),0.88(t,3H,J=6.9Hz).MS(ESI) m/z 414.4[M+H].元素分析(C2639NOS)C,H,N.
【0162】
(2−p−トリルチアゾール−4−イル)−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−メタノン (化合物8k):収率:53.2%.融点116〜119℃.H−NMR(300MHz,CDCl)δ 8.25(s,1H),7.91(d,2H,J=8.1Hz),7.80(s,2H),7.28(d,2H,J=8.1Hz),3.96(s,3H),3.95(s,6H).MS(ESI) m/z 392.1[M+Na].元素分析(C2019NOS)C,H,N.
【0163】
[2−(2−フルオロフェニル)−チアゾール−4−イル]−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−メタノン (化合物8l):収率:39.6%.融点90〜102℃.H−NMR(500MHz,CDCl)δ 8.40(s,1H),8.33(dt,1H,J=1.5Hz,8.0Hz),7.78(s,2H),7.49〜7.44(m,1H),7.30〜7.23(m,2H),3.97(s,3H),3.95(s,6H).MS(ESI) m/z 396.1[M+Na].元素分析(C1916FNOS)C,H,N.
【0164】
[2−(3−フルオロフェニル)−チアゾール−4−イル](3,4,5−トリメトキシフェニル)−メタノン (化合物8m):収率:14.1%.融点122〜124℃.H−NMR(300MHz,CDCl)δ 8.31(s,1H),7.79(s,2H),7.76〜7.74(m,2H),7.45(dt,1H,J=6.0Hz,8.4Hz),7.18(dt,1H,J=1.8Hz,8.4Hz),3.97(s,3H),3.96(s,6H).MS(ESI) m/z 396.1[M+Na].元素分析(C1916FNOS)C,H,N.
【0165】
[2−(4−フルオロフェニル)−チアゾール−4−イル]−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−メタノン (化合物8n):収率:40.2%.融点153〜155℃.H−NMR(300MHz,CDCl)δ 8.27(s,1H),8.04〜8.00(dd,2H,J=8.4Hz,5.7Hz),7.75(s,2H),7.21〜7.15(t,3H,J=8.4Hz),3.97(s,3H),3.95(s,6H).MS(ESI) m/z 396.1[M+Na].元素分析(C1916FNOS)C,H,N.
【0166】
[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−チアゾール−4−イル]−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−メタノン (化合物8o):収率:46.6%.融点145〜147℃.H−NMR(300MHz,CDCl)δ 8.20(s,1H),7.76(s,2H),7.58−7.54(m,2H),6.94(d,2H,J=8.1Hz),3.96(s,6H),3.95(s,s,9H).MS(ESI) m/z 438.1[M+Na].元素分析(C2121NOS・1/4HO)C,H,N.
【0167】
[2−(4−ニトロフェニル)−チアゾール−4−イル]−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−メタノン (化合物8p):収率:46.4%.融点199〜200℃.H−NMR(300MHz,CDCl)δ 8.38(d,2H,J=8.7Hz),8.34(s,1H),8.20(d,2H,J=8.7Hz),7.73(s,2H),3.98(s,3H),3.95(s,6H).MS(ESI) m/z 423.1[M+Na].元素分析(C1916S)C,H,N.
【0168】
4−[4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−チアゾール−2−イル]−ベンゾニトリル (化合物8q):収率:45.9%.融点181〜182℃.H−NMR(300MHz,CDCl)δ 8.37(s,1H),8.13(d,2H,J=8.4Hz),7.78(d,2H,J=8.4Hz),7.72(s,2H),3.97(s,3H),3.94(s,6H).MS(ESI) m/z 403.1[M+Na].元素分析(C2016S)C,H,N.
【0169】
4−[4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−チアゾール−2−イル]−安息香酸(化合物8r):収率:61.9%.融点>220℃(分解).H−NMR(300MHz,CDCl)δ 8.65(s,1H),8.00(d,d,4H),7.65(s,2H),3.88(s,6H),3.80(s,3H).MS(ESI) m/z 397.9[M−H],353.9[M−COOH],.元素分析(C2017NOS)C,H,N.
【0170】
メチル−4−[4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−チアゾール−2−イル]−ベンゾエート (化合物8s):収率:72.5%.融点172〜174℃.H−NMR(300MHz,CDCl)δ 8.35(s,1H),8.12(dd,4H,J=8.4Hz),7.78(s,2H),3.97(s,3H),3.96(s,3H),3.95(s,6H).MS(ESI) m/z 436.1[M+Na].元素分析(C2119NOS)C,H,N.
【0171】
(2−(4−(トリフルオロメチル)−フェニル)−チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)−メタノン (化合物8t):収率:45.5%.融点144−145℃.H−NMR(300MHz,CDCl)δ 8.35(s,1H),8.14,7.65(d,d,4H,J=8.1Hz),7.76(s,2H),3.97(s,3H),3.95(s,6H).MS(ESI) m/z 446.1[M+Na].元素分析(C2016NOS)C,H,N.
【0172】
[2−(4−ブロモフェニル)−チアゾール−4−イル]−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−メタノン (化合物8u):収率:51.8%.融点149−150℃.H−NMR(300MHz,CDCl)δ 8.28(s,1H),7.89,7.62(d,d,4H,J=8.1Hz),7.75(s,2H),3.97(s,3H),3.94(s,6H).MS(ESI) m/z 456.0,458.0[M+Na].元素分析(C1916BrNOS)C,H,N.
【0173】
[2−(4−エチル−フェニル)−チアゾール−4−イル]−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−メタノン (化合物8v):収率:40.0%.融点86−87℃.H−NMR(300MHz,CDCl)δ 8.25(s,1H),7.93,7.31(d,d,4H,J=8.4Hz),7.81(s,2H),3.97(s,3H),3.95(s,6H).MS(ESI) m/z 406.1[M+Na].元素分析(C2121NOS)C,H,N.
【0174】
[2−(4−アミノ−フェニル)−チアゾール−4−イル]−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−メタノン (化合物8w):収率:61.8%.融点177〜179℃.H−NMR(300MHz,CDCl)δ 8.14(s,1H),7.82,7.65(d,d,4H,J=8.4Hz),7.78(s,2H),3.96(s,3H),3.94(s,6H). (化合物8w・HCl塩):収率:50.1%.融点166〜169℃.H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ 8.49(s,1H),7.84,6.94(d,d,4H,J=8.4Hz),7.62(s,2H),3.86(s,3H),3.79(s,6H).MS(ESI) m/z 393.1[M+Na].元素分析(C1918S,C1918S・HCl)C,H,N.
【0175】
[2−(ピリジン−4−イル)−チアゾール−4−イル]−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−メタノン (化合物8x):収率:29.3%.融点178〜180℃.H−NMR(300MHz,CDCl)δ 8.77(dd,2H,J=6.0Hz,1.5Hz),8.40(s,1H),7.87(dd,2H,J=6.0Hz,1.8Hz),7.75(s,2H),3.98(s,3H),3.95(s,6H). (化合物8x・HCl塩):収率:92.7%.融点182〜184℃.H−NMR(300MHz,CDCl)δ 8.85(br,2H),8.52(s,1H),8.22(br,2H),7.66(s,2H),3.98(s,3H),3.94(s,6H).MS(ESI) m/z 379.1[M+Na].元素分析(C1816S,C1816S・HCl)C,H,N.
【0176】
[2−(ピリミジン−2−イル)−チアゾール−4−イル]−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−メタノン (化合物8y):収率:51.9%.融点190〜191℃.H−NMR(300MHz,CDCl)δ 8.88(d,2H,J=4.8Hz),8.44(s,1H),7.73(s,2H),7.37(t,1H,J=4.8Hz),3.95(s,3H),3.94(s,6H).MS(ESI) m/z 380.1[M+Na].元素分析(C1715S)C,H,N.
【0177】
[2−(チオフェン−2−イル)−チアゾール−4−イル]−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−メタノン (化合物8z):収率:30.5%.融点111〜113℃.H−NMR(300MHz,CDCl)δ 8.25(s,1H),7.90(s,2H),7.58(dd,1H,J=3.6,0.9Hz),7.46(dd,1H,J=5.4,0.9Hz),7.12(dd,1H,J=5.4,3.6Hz),3.98(s,6H),3.97(s,3H).MS(ESI) m/z 384.1[M+Na].元素分析(C1715NO)C,H,N.
【0178】
チアゾール−4−イル−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−メタノン (化合物10a):収率:49.4%.融点106〜108℃.H−NMR(300MHz,CDCl)δ 8.92(d,1H,J=2.1Hz),8.34(d,1H,J=2.1Hz),7.61(s,2H),3.94(s,3H),3.93(s,6H).MS(ESI) m/z 302.0[M+Na].元素分析(C1313NOS)C,H,N.
【0179】
方法3:(2−フェニル−チアゾール−4−イル)−(3,4,5−トリヒドロキシ−フェニル)−メタノン(11f)を化合物8fから合成した。−78℃で化合物8f(123mg,0.35mmol)の5mL無水CHCl溶液に、BBr(1M溶液CHCl溶液,1.75mL,5mmol)を加えた。この混合物を2時間撹拌し、アミド7(1.14mmol)の3mLTHF溶液を'加えた。この混合物を室温まで昇温し、一晩撹拌した。反応を飽和NHClで停止し、酢酸エチルで抽出し、MgSO上で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して粗生成物を得て、カラムクロマトグラフィーで精製して、化合物を赤色結晶性固体として得た。収率:50.9%.融点175〜176℃.H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ 8.44(d,1H),8.07〜8.04(m,2H),7.57〜7.55(m,3H),7.33(s,2H).MS(ESI) m/z 336.1[M+Na].元素分析(C1611NOS)C,H,N.
【0180】
実施例3 化合物8fのX線結晶学的構造決定
【0181】
化合物8fをヘキサンおよび酢酸エチルから再結晶し、X線回折に適した無色単結晶を得た。単結晶をパラトンオイル(paratone oil)とともにナイロンのカイロループ(cryoloop)にマウントし、8fのX線結晶学的データを収集した。Cu放射線(λ=1.54178Å)を生成するために、回転陽極発生器およびオスミウム鏡(Osmic mirror)を用いて、Proteum2ソフトウエア(Proteum2, Bruker AXS Inc., Madison, Wisconsin, USA (2005))により制御されたBruker Proteum CCD領域検出器により、100Kでデータの収集をおこなった。データの整理は、SAINT(SAINT, Bruker AXS Inc., Madison, Wisconsin, USA. (1998))を用いて、SADABS(SADABS, Bruker AXS Inc., Madison, Wisconsin, USA. (2000))を用いる吸収補正を適用して冗長な反射に基づいておこなった。この補正は球面成分を含んでいた。この構造を、全重原子を表す直接的方法(SHELXSx4)によって求めた。SHELXL(SHELXL-97, G.M. Sheldrick, University of Gottingen, Germany (1997))による構造の微調整を、Fに基づくフル・マトリックス法(full-matrix method)により実行し、円滑に進行させた。理想的C−H距離を仮定した構造モデルに水素原子を加え、等方性ADP(isotropic ADP)は結合した炭素原子と同様に拘束された。最終的なモデルでは、等方性ADPは全重原子について精密化され、および化学的に同様な水素(たとえばメチルの水素)についての等方性ADPは同一に制限された。最終的な精緻化のパラメータは、228のパラメータおよび3066の独立的観測について、wR2=0.084、R1=0.031,S(適合度)=1.057であった。
【0182】
8fのORTEP表示と原子標識スキームは図1に示されている。X線構造は8f分子が3つの芳香環から成る共役系を含み、"B"および"C"環("A"環=フェニル;"B"環=チアゾール;"C"環=3,4,5−トリメトキシフェニル)の間のカルボニル基結合基が予期されたものであることを示した。結果として、C=Oに隣接した2つのC−C結合と、"A"フェニルおよび"B"チアゾール環の間のC−C−結合(C1−C7=1.496(2)Å;C7−C8=1.492(2)Å;C10−C11=1.471(2)Å)とが通常のC−C単結合(1.54Å)よりも短く、通常のC=C二重結合(1.34Å)よりも長い結合長を示した(以下の表1を参照のこと)。したがって、π系の共役は、"A"、"B"、"C"環、およびカルボニル基について可能であった。このカルボニル基は、隣接する"B"チアゾール環とほぼ同一平面状(O−C7−C1−C616.2(2)o,O−C7−C8−C99.7(2)o)にあった。
【0183】
【表1】

【0184】
実施例4 抗原細胞毒性の生体外(in vitro)検定
【0185】
生体外(in vitro)検定は、黒色腫細胞株および前立腺癌細胞株の療法に対して試験された。それぞれの場合に標準スルホローダミンB(standard sulforhodamine B)検定が用いられた。細胞は96穴プレートに、その成長速度に応じて1000〜5000細胞/ウエルの割合で播種された。12時間後に、培地を取り替えて、順次希釈された化合物を加えた。細胞を各化合物と48時間インキュベーとした。試験化合物を含む新鮮な培地を24時間ごとに取り替えた。その後、製造者(Sigma-Aldrich,Inc.)の操作手順(Rubinstein et al., "Comparison of in vitro Anticancer Drug-screening Data Generated with a Tetrazolium Assay Versus a Protein Assay Against a Diverse Panel of Human Tumor Cell Lines," J. Natl. Cancer Inst. 82:1113-1118 (1990); Dothager et al., "Synthesis and Identification of Small Molecules that Potently Induce Apoptosis in Melanoma Cells Through G1 Cell Cycle Arrest," J. Am. Chem. Soc. 127:8686-8696 (2005),引用によりその各々の全体を本明細書中に援用する)に従い細胞数に対応する全細胞タンパク(生存および非生存細胞の両方)をスルホローダミンB(SRB)検定を用いて測定した。
【0186】
黒色腫の検定では、1種類のヒト黒色腫細胞株(A375)および1種類のマウス黒色腫細胞株(B16−F1)が用いられた。A375細胞およびB16−F1細胞は、ATCC(American Type Culture Collection, Manassas, VA, USA)から購入した。これらの化合物の黒色腫に対する選択性を決定するために、線維芽細胞が用いられた。ヒト皮膚線維芽細胞はカスケート・バイオロジック社(Cascade Biologics, Inc., Portland, OR, USA)から購入した。全ての細胞株は5%FBS(Cellgro Mediatech))、1%抗生物質/抗真菌剤混合物(Sigma-Aldrich, Inc., St. Louis, MO, USA)およびウシ・インスリン(5μg/ml;Sigma-Aldrich)を補った、DMEM(Cellgro Mediatech, Inc., Herndon, VA, USA)培地中で培養した。培養物を37°Cで5%COを含む加湿雰囲気下に維持した。細胞は丸底96穴プレート中で、各種の範囲の濃度の試験化合物に48時間さらした。細胞を10%トリクロロ酢酸で固定し、および水で5回洗浄した。細胞を一晩空気乾燥後にSRB溶液で染色し、プレート・リーダーにより560nmで全タンパクを測定した。IC50(即ち、標準の対象に比較して細胞の成長を50%阻害する濃度)値をGraphPad Prism(GraphPad Software, San Diego,CA)による非線形回帰分析で求めた。
【0187】
前立腺癌検定では、4種類のヒト前立腺癌細胞株(LNCaP、DU145、PC−3およびPPC−1)が選択された。LNCaP、PC−3およびDU145細胞は、ATCC(American Type Culture Collection, Manassas,VA, USA)から購入した。テネシー大学ヘルス・サイエンス・センター(University of Tennessee Health Science Center)のMitchell Steiner博士が親切にPPC−1細胞を提供してくださった。全ての前立腺癌細胞株を、10%FBS(Cellgro Mediatech Inc.,)を加えたRPMI1640(Cellgro Mediatech, Inc., Herndon, VA, USA)中で培養した。培養物を、5%COを含む加湿雰囲気下、37°Cで維持した。細胞の成長速度に応じて、1000〜5000細胞を96穴プレートの各ウエルに播種し、および異なる濃度の試験化合物に96時間さらし、それぞれの試験を3〜5回反復しておこなった。薬剤処理の最後の細胞数はSRB検定により測定された。細胞を10%トリクロロ酢酸で固定し、0.4%SRBで染色しおよびプレート・リーダー(DYNEX Technologies, Chantilly, VA)を用いて540nmでの吸光度を測定した。細胞生存のパーセンテージ対薬剤濃度をプロットし、およびC50(標準の対象に比較して細胞の成長を50%阻害する濃度)値は、WinNonlin(Pharsight Corporation, Mountain View, CA)による非線形回帰分析で求めた。
【0188】
これらの検定の結果は以下の表2〜4に与えられている。
【0189】
"B"環のチアゾリジンからチアゾール系の変更および結合基のアミドからケトンへの変更。従来のATCAA化合物では、その3−位に遊離のNH基を有するチアゾリジン環が、細胞毒性のために重要であった。"B"環チアゾリジン部分がチアゾリン環により置換されてしまうと、WM−164細胞株に対する抗増殖活性は0.6μMから50μM以上へと鋭く減少する(Li et al., "Synthesis and Antiproliferative Activity of Thiazolidine Analogs for Melanoma," Bioorg. Med. Chem. Lett. 17:4113-7 (2007), 引用によりその全体を本明細書中に援用する)。黒色腫および前立腺癌細胞株に対して最も有効なATCAA−1脂肪族アミド誘導体を試験し、0.4〜2.2μMのIC50を有することがわかった(表2を参照のこと)。長い脂肪族鎖をフルオレン等の特定の嵩高い芳香族置換基により置換しても(ATCAA−2)、両方の癌細胞株に対する阻害活性(IC50=1.6〜3.9μM)を示した。4−カルボン酸アミド位置のフルオレン基を、さらに3,4,5−トリメトキシルフェニル基(2aおよび2b)で置換すると、両方の癌細胞株に対する活性は失われた。"B"環部分が飽和チアゾリジン化合物2aから不飽和チアゾール5へ変換されたものは、試験されたいずれの癌細胞対する細胞毒性も示さなかった。しかしチアゾリンのエナンチオマー4aおよび4b(同様の抗増殖活性を有するR−異性体およびS−異性体)は2a,2bおよび5と比較して改善された活性(IC50=3.4〜38.3μM)を示した。"B"環および"C"環の間のアミドCONH結合基が、カルボニル結合基により置換されると、チアゾリンのチアゾールへの自動的脱水素化が生じたため、所望のチアゾリンケトンの代わりに、チアゾリン/チアゾールケトン混合物8fが得られた(この転換は図2に示されている)。驚くべきことに、カルボニル基結合基およびチアゾール "B"環の導入が、試験癌細胞株の成長阻害の、天然物の制癌剤であるコルヒチンに匹敵するナノモル・レベルまでの、顕著な増大をもたらした(8f、IC50=0.021〜0.071μM)。したがって、8fの発見に基づき、"B"としてチアゾール環を有する一連の関連化合物が設計され合成された。それらの黒色腫および前立腺癌に対する抗癌活性も上昇した。
【0190】
"C"環の修飾も顕著な効果を有した。フェニル置換基の変化は、活性強度に対する影響を顕著に変化させた。表3に示される生体外(in vitro)検定結果は興味深い結果を提供しているが、3,4,5−トリメトキシルフェニルの"C"環(8f)のみが全ての癌細胞(IC50=21〜71nM、平均IC50=41nM)に対して優れた阻害作用を示した。3,5−ジメトキシフェニル基を有する化合物8gは、6種類の異なる細胞株に対して8fに比べて6分の1弱い(IC50=170〜424nM、計算された平均IC50=261nM)平均細胞毒性を示した。メタ位の1つのメトキシの除去による8fの修飾(8e)、または8fからの2つのメトキシ基の除去(8b,8cおよび8d)は、活性の劇的な消失をもたらした(IC50>20μM)。メタ/パラMeO置換化合物8c/8bおよびジメトキシフェニル化合物8eと比較して、オルト置換モノメトキシ化合物8dは特定の細胞株に弱い活性を示すが、8fに比較すると、これらのうちのいずれも顕著な活性を示さなかった。2−フルオロフェニルおよびヘキサデシルにより修飾された"C"環を有する8hおよび8jにおいても同様の傾向が見られる。
【0191】
異なるパラ−置換電子吸引性基(EWG)および電子供与体基(EDG)を用いる"A"環の修飾は、抗増殖活性に対して明確な影響を示さなかった。弱いEWGの導入(8nにおける4−F、IC50値:6〜43nM)または弱いEDG(8kにおける4−CH、IC50:5〜21nM)では、どちらも8fと比較して活性強度を増大させた(表4を参照のこと)。パラ位のNO(8p)、CN(8q)、CF(8t)等の強いEWGによる置換または "A"フェニル環への強いEDG(3,4−ジメトキシ)(8o)の導入では、同程度の抗増殖活性を示した。
【0192】
オルト、メタ、およびパラ置換の効果の比較のために、フッ素原子が"A"フェニル環(8l、8mおよび8n)の異なる位置に導入された。さまざまなo−,m−,p−置換基は、等しい活性を示さなかった。p−フルオロ置換化合物8nが試験された前立腺癌細胞(6〜13nM)に対して最良の活性を有する一方、o−フルオロ置換化合物8lは黒色腫細胞に対して最も低いIC50値(27〜30nM)を示した。8nは、8lと比較して、黒色腫に対して同様の平均IC50値(33〜43nM)を示した。しかし、o−フルオロ置換8lは、前立腺癌細胞に対して、3つの置換化合物の中で最も低い強度を示した(IC50値:52〜114nM)。メタ置換化合物8mは黒色腫細胞に対して最も低い活性(IC50値:287〜304nM)を示したが、前立腺癌細胞に対しては中程度の(IC50値:23〜46nM)阻害を示した。
【0193】
立体障害基の"A"フェニル環置換基での効果に転じると、p−ブロモ(8u、IC50値:18〜44nM)がp−フルオロに比して(8n、IC50値:6〜12nM)抗増殖活性の減少を引き起こしたが、それは前立腺癌細胞に対してのみであった。両方の癌細胞株への活性の減少は、p−メチル(8k、IC50値:5〜21nM)が、p−エチル基(8v、IC50値:17〜70nM)で置換されたときに発生した。
【0194】
"A"環部位においてフェニル環が本質的な役割を果たしているかを調査するために、チアゾール環の2−位のフェニル基が除去された化合物10が得られた。この修飾は8fと比較して、活性の完全な消失を引き起こした。"A"環のピリジンによる置換(化合物8x)も同じ効果を有した。さらに2−ピリミジンによる"A"環の置換(化合物8y)も活性の顕著な消失を引き起こした(IC50:11.8〜41.0μM)。しかし"A"位置でのフェニルのチオフェンによる置換の導入(8z)は、8f(IC50:21〜71nM)に比べて、全ての試験された細胞株に対し、計算された活性強度を1〜3倍(IC50:9〜38nM)に増大させた。
【0195】
多くの化合物が低い水溶性を示すため、HClまたはナトリウム塩を形成するためにNH(8w)およびCOOH(8r)等の親水性基を"A"環に導入後に、3種類の水溶性塩が調製された。他の修飾は、8aの"A"/"C"環をHCl塩に変換することができるピリジンで置換(8i、8x、8y)またはピリミジン環で置換することである。これらの修飾は、8aおよび8f(LogP=4.46および4.08;表5を参照のこと)と比較して、計算されLogP値(LogP=2.74〜3.90)を減少させた。p−アミノの"A"フェニルへの導入(8w)は、8fと比較して全ての細胞株に対して、抗増殖活性(HCl塩、IC50値:11〜29nM)を増大させた唯一の例である。フェニルのピリミジンによる置換(8y)は、両方の癌細胞に対する部分的活性を保持したが、8fと比較して強度の範囲はnMからμMへと顕著に低下した。不幸なことに、COOHのフェニル"A"環のパラ位への導入およびピリジンの"A"または"C"環(8i、8r、8x)への導入は、抗癌活性の完全な消失をもたらした。酸8rのメチルエステル8sにおいても両方の癌細胞株に対する活性の完全消失が見られる。化合物8fの脱メチル化により、"C"環が3,4,5−トリヒドロキシフェニルである水溶性化合物11fが得られるが、この脱メチル化は全ての試験された癌細胞での抗増殖活性の完全な消失をもたらし、メタノン"C"の位置における3,4,5−トリメトキシフェニルの重要性が指摘された。
【0196】
これらの結果から、化合物8fは、さらにNCI−60スクリーニング検定でのインビトロ試験に付され、6種類の白血病細胞株、8種類の非小細胞肺癌細胞株、7種類の結腸癌細胞株、6種類のCNS癌(例えば神経膠腫/グリア芽腫)細胞株、8種類の黒色腫細胞株、6種類の卵巣癌細胞株、7種類の腎臓癌細胞株、2種類の前立腺癌細胞株、および8種類の乳癌細胞株に対する化合物の作用が試験された。NCI−60検定の結果は、これらの全ての癌に対して広範な活性を示し、ほとんどの細胞株に対してナノモラーの範囲のI50値(<1.0x10−8)を有しており、ほとんどの細胞株に対してマイクロモラーの範囲のTGI値を有した。ナノモラーの範囲でのTGI値は、いくつかの白血病細胞株、1種類の肺癌細胞株、いくつかの結腸癌細胞株、いくつかの卵巣癌細胞株およびいくつかの乳癌細胞株に対して得られた。
【0197】
【表2】

【0198】
【表3】

【0199】
【表4】

【0200】
実施例5 追加的メタノン化合物の合成および生体外(in vitro)での細胞毒性
【0201】
化合物31および32のA環インドールは、1H−インドール−5−カルボニトリルまたは1H−インドール−2−カルボニトリルを出発物質として、上記スキーム3において8fについて記載されたものと同じアプローチを用いて合成された。粗生成物はカラムクロマトグラフィーにより精製された。
【0202】
(2−(1H−インドール−5−イル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン (化合物31):収率:36.3%.H−NMR(300MHz,CDCl)δ 8.36(br,1H),8.31(br,1H),8.21(s,1H),7.92−7.89(dd,1H),7.83(s,2H),7.47(d,1H),7.29(t,1H),6.64(t,br,1H),3.98(s,3H),3.97(m,6H).MS(ESI) m/z 417.1[M+Na],392.9[M−H]
【0203】
(2−(1H−インドール−2−イル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン (化合物32):収率:45.8%.H−NMR(500MHz,CDCl)δ 9.26(br,1H),8.11(s,1H),7.67(d,2H),7.46(s,2H),7.42(d,1H),7.29(t,1H),7.16(t,1H),7.10(s,1H),3.97(s,3H),3.93(m,6H).MS(ESI) m/z 417.1[M+Na],392.9[M−H]
【0204】
化合物31の活性を、上記の実施例4において記載された生体外(in vitro)での細胞毒性検定により評価した。31が、PC−3、A375およびB16細胞株に対して増大された活性を示すと判断した。
【0205】
【表5】

【0206】
実施例6 化合物8fの作用機構の決定
【0207】
これらの高度に活性な化合物の標的を理解するために、化合物8fを用いて細胞周期分析をおこなった。細胞周期分析は、化合物8fに極めて感受性のLNCaP前立腺癌細胞(IC50=29nM)を用いておこなわれた。ヨウ化プロピジウムで染色する前に、LNCaP細胞を化合物8f(10〜500nM)で24時間処理して細胞周期分析をおこなった。化合物8fは10nM(そのIC50値以下)では細胞周期分布に影響を与えなかったが、高濃度ではG2/M期にある細胞の割合が化合物8fの濃度に比例して増大した。未処理細胞では、約10%がG2/M期にあることが観察されたのに対し、50nM以上の濃度の化合物で処理された細胞では、より多くのG2/M期の細胞(50、200および500nMにおいて、それぞれ57、63および49%)が観察された。この結果は図3A〜Bに示される。G2/M期の細胞の増加は、対照と比較してG1期の細胞の減少により達成されていた。これらのデータは、化合物8fがビンカアルカロイドである、パクリタキセルおよびコルヒチンと同様に、チューブリン活動を阻害する可能性を示唆した(Margolis et al., "Addition of Colchicine--Tubulin Complex to Microtubule Ends: The Mechanism of Substoichiometric Colchicine Poisoning," Proc. Nat'l Acad. Sci. USA 74:3466-70 (1977),その全体を本明細書中に援用する)。
【0208】
これらの結果に基づき、生体外(in vitro)での微小管重合検定がおこなわれた。ウシ脳チューブリン(0.4mg)(Cytoskeleton, Denver, CO)をさまざまな濃度(0.625〜20μM)の化合物8fと混合し、120μLの一般チューブリン緩衝液(80mM IPES、2.0mMMgCl、0.5mMEGTA、pH6.9および1mMgTP)中でインキュベートした。マイクロプレートリーダー(SYNERGY 4 Microplate Reader (Bio-Tek Instruments, Winooski, VT))によって、波長340nmにおける吸収を、60秒毎に20分間にわたりモニターした。チューブリン重合のために分光光度計を37℃に設定した。IC50値は、微小管重合の50%を阻害できる濃度として定義された。その結果が図4に示されている。未処理の対照と比較して、化合物8fはチューブリン重合を阻害している。8fのチューブリン集合に対する影響を、0.625μM〜20μMの濃度で試験した。観察された結果から、化合物8fがチューブリン重合を4.23μMのIC50値で、用量依存的に阻害することが実証された。
【0209】
実施例7 化合物8fおよび8nのA375黒色腫細胞株に対する生体外(in vitro)での細胞毒性
【0210】
ヒトA375悪性黒色腫細胞をコロニー形成濃度(1ウエルあたり200細胞、6穴プレート)で播種した。細胞を、37℃で、95%空気および5%CO雰囲気下に活性炭処理済ウシ胎仔血清(HyClone, Logan, UT)および抗生物質−抗真菌剤溶液(Sigma, St. Louis, MO)を加えたDMEM培地(GIBCO, Invitrogen Corp., Carlsbad, CA)中で成長させた。細胞を異なる濃度(0、0.03、0.3および3μM)の化合物8fおよび8nで処理した。細胞を10日間成長させ、4℃でコロニーを4%パラホルムアルデヒドPBS溶液で固定した。固定されたコロニーを蒸留水で洗浄し、0.1%クリスタリン・ブルー(crystalline blue)で30分間染色し、および過剰の色素を除去するために蒸留水ですすいだ。プレートの写真を撮影しおよびコロニー形成を肉眼下および顕微鏡下に検査した。8fおよび8nの両方とも、0.03μMで、黒色腫コロニー形成を顕著に阻害した。より高濃度での2つの試験(0.3および3μM)では、コロニー形成は完全に阻害され、顕微鏡下では目に見えるコロニーは無かった(図5A〜B)。
【0211】
実施例8 化合物8nの黒色腫異種移植片腫瘍に対する生体内(in vivo)での細胞毒性
【0212】
化合物8nの有効性をC57 Blackマウスに注射したB16−F1マウス黒色腫細胞を用いて評価した。腫瘍が進展する場合に、黒色腫の成長をより正確に反復できる、完全に免疫応答性の宿主においてB16腫瘍は成長する。対数増殖期のB16−F1(3.8×10)細胞をC57BL/6マウスの右背側横腹部に皮下注射した。腫瘍が触診可能になったとき、マウスは対照群および処置群に無作為に振り分けられた(n=9)。マウスに腹腔内投与により30μLのビークル(対照群)または8n溶液(処置群、6mg/kg)を投与した。Traceable(登録商標)電子デジタル・キャリパー(electronic digital caliper)により1日に1回腫瘍を測定し、a×b×0.5の式を用いて腫瘍容積を計算した(式中aおよびbはそれぞれ大口径および小口径を表す)。体重も測定した。腫瘍容積は立方ミリメーターで表された。各群について、データを平均±標準誤差で表し、時間の関数としてプロットした。処置の終わりに、全マウスをCO吸入、次いで頚椎脱臼により安楽死させた。図6に示すように、化合物8nは比較的低用量で顕著な腫瘍成長阻害を示した(6mg/kg)。顕著な体重減少(<5%)は見られず、および実験の間全てのマウスは正常な活動度を有していた。
【0213】
実施例9 8fのヒドラジンまたはオキシム誘導体化合物の合成
【0214】
スキーム4に図示されるように、カルボニル基結合基はオキシムおよびヒドラジン結合基によっても修飾された(化合物33〜36)。化合物8fを出発物質として用いた。
【0215】
【化18】

【0216】
試薬(a) NHOH.HCl,COH,HO,NaOH,51%;(b)NHNH xHO,CHCl,COH,57%.
【0217】
50mg8fの2mLエチルアルコール懸濁液に、34mgのヒドロキシルアミン塩酸塩の0.5mL水溶液を加えた。次いで13mgの水酸化ナトリウムの0.5mL水溶液を加え、および室温で10分間撹拌した。次いで、60℃に加熱しおよび3時間撹拌した。反応混合物からフラッシュ・クロマトグラフィーにより、オキシム異性体33および34を白色結晶として通算50%の収率で単離した。
【0218】
(Z)−(2−フェニルチアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノンオキシム(化合物33):融点150〜153℃.H−NMR(300MHz,CDCl)δ 11.94(br,1H),8.35(br,1H),7.91〜7.89(m,2H),7.81〜7.75(d,1H),7.50〜7.49(m,3H),6.85(s,2H),3.73(s,6H),3.71(s,3H).MS(ESI) m/z 393.3[M+Na],368.9[M−H]
【0219】
(E)−(2−フェニルチアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノンオキシム(化合物34):融点176〜177℃.H−NMR(500MHz,DMSO−d)δ 11.48(br,1H),7.92〜7.90(m,2H),7.64(br,1H),7.52−7.48(d,1H),7.52〜7.48(m,3H),6.75(s,2H),3.75(s,6H),3.72(s,3H).MS(ESI) m/z 393.1[M+Na],368.9[M−H]
【0220】
2mLヒドラジンの6mLエチアルコール溶液に、230mgの8fの2mLの塩化メチレン溶液を加えた。この混合物一晩加熱還流し、およびシリコンゲルに吸着させた。フラッシュクロマトグラフィーにより、ヒドラゾン異性体35および36を白色結晶として、56.9%の通算収率で分離した。
【0221】
(Z)−4−(ヒドラゾノ(3,4,5−トリメトキシフェニル)メチル)−2−フェニルチアゾール(化合物35):融点117〜119℃.H−NMR(300MHz,CDCl)δ8.01〜7.98(m,2H),7.49〜7.46(m,5H),7.33(s,1H),6.82(s,2H),3.87(s,3H),3.85(s,6H).MS(ESI) m/z 370.1[M+H]
【0222】
(E)−4−(ヒドラゾノ(3,4,5−トリメトキシフェニル)メチル)−2−フェニルチアゾール(化合物36):融点65〜66℃.H−NMR(300MHz,CDCl)δ8.04〜8.00(m,2H),7.44〜7.40(m,3H),6.95(s,1H),6.62(s,2H),5.62(s,2H),3.93(s,3H),3.87(s,6H).MS(ESI) m/z 370.1[M+H]
【0223】
【表6】

【0224】
実施例10 追加的誘導体の設計
【0225】
化合物8fをさらにチオケトン類似体41および42に修飾する予定である(以下のスキーム5)。化合物8a〜zも同様に修飾される予定である。カルボニル基は、Lawesson試薬の作用によりチオカルボニル基に変換し得る(Jesberger et al., Synthesis 1929-1958 (2003),引用によりその全体を本明細書中に援用する)。この芳香環と共役するチオケトン構造は、立体的に障害を受けないチオケトンに比較して安定である。チアゾール化合物が脱水素化後に得られる(Riedrich et al., Angewandte Chemie, International Edition, 46(15):2701-2703 (2007)、引用によりその全体を本明細書中に援用する)。このケトンのO・・・HからチオンのS・・・Hへの変換は、水素結合受容体としての能力を減少させるであろう。この変換は、これらの分子中の水素受容体の位置を試験するために重要である。
【0226】
【化19】

【0227】
カルボニルがアルコールに還元された新しい類似体(43および44、以下のスキーム6A)、またはメチレンに還元された新しい類似体(45および46、以下のスキーム6B)が合成される予定である。このアルコール43および44は、中間体アルデヒドのグリニャール試薬によるグリニャール反応により得ることができる。類似体45および46は、ケトン官能基の対応する炭化水素へのクレメンゼン(Clemmensen)還元により調製し得る。カルボニルがアルコールまたはメチレンに還元されると、強力な水素受容体C=Oが、強力な水素供与体O−Hまたは炭化水素に反転され、これにより水素結合効果が完全に失われる。この修飾は、カルボニル基の重要性、およびそれが抗癌活性に対して特異的な機能を有するかどうかに対する洞察を与えるであろう。
【0228】
【化20】

【0229】
【化21】

【0230】
癌細胞の抗増殖活性におけるケトンの重要性を試験するために、この結合基をアミドおよびエステル類似体(47〜50、以下のスキーム7)に変換する予定である。これらの系統の類似体に何らかの活性を見出すことは、活性および代謝的安定性を増大させるために環の間の異なる連結を最適化するであろう。以下のスキーム7に示されるように、上記の実施例において実証された結果と一致して、チアゾリンおよびチアゾール環がベンゾニトリル(置換ベンゾニトリルを含む)およびシステインの反応(Bergeron et al., J. Med. Chem. 48:821-831 (2005)、その全体を本明細書中に援用する)。生成する酸中間体が、エステルおよびアミド結合基の合成に用いられる。これらの類似体は、前立腺癌細胞および/または黒色腫細胞に対する抗増殖活性について対照細胞と比較され、および化合物8fおよび8nと比較される。
【0231】
【化22】

【0232】
トリメトキシルフェニル基を、本明細書において定義される別の置換芳香環、飽和もしくは不飽和のアルキル、およびさまざまなヘテロ環状基により置換した化合物も合成されよう。このことは、異なるグリニャール試薬を用いることにより達成することができる。これらの類似体は、前立腺癌、黒色腫、および他の癌に対して、最良の活性、最小の毒性、および最良の代謝安定性を有するする"C"環への最適化を可能とするであろう。
【0233】
中央のチアゾリンおよびチアゾール環の対応するイミダゾリン(51)、イミダゾール(52)、オキサゾリン(53)およびオキサゾール(54)環系への置換も同様に行われよう。エチルベンゾイミダゾール塩酸塩と2,3−ジアミノプロパン酸との反応は、イミダゾリン環系(以下のスキーム8Aを参照のこと)を与える(Hsu et al., J. Med. Chem. 23(11), 1232-1235 (1980)、その全体を本明細書中に援用する)。イミダゾリンの脱水素化によって、所望のイミダゾール化合物が得られよう。オキサゾリンは、トリエチルアミンを塩基として用いるフェニルイミノエーテルとセリンエステルとの古典的な縮合反応により調製し得る(以下のスキーム8Bを参照のこと)(Meyer et al., Tetrahedron: Asymmetry 14:2229-2238 (2003)、その全体を本明細書中に援用する)。オキサゾリンの脱水素化によって、所望のオキサゾール化合物が得られよう。
【0234】
【化23】

【0235】
【化24】

【0236】
チアゾリンの4位におけるキラリティーの重要性を調べるために、化合物8a〜8zの光学的に純粋な異性体も調製されよう。このことは、キラルな中間体ケトンが保護されたD−またはL−システインから合成するために、D−またはL−システインを用いて実行されよう。中間体ケトンとベンゾニトリルとの縮合によって、R−またはS−チアゾリン異性体が得られよう。チアゾールは脱水素化により調製できる。
【0237】
以前のチアゾリジンカルボン酸アミドの構造活性相関の研究から、チアゾリジン環のC−2位置のフェニルの置換基の電子効果の反転は、前立腺癌細胞株に対する活性の顕著な変化をもたらす。チアゾリン環のC−2位に電子吸引性基および電子供与性基の両方を導入するために、さまざまな置換ベンゾニトリル反応剤から得られる、異なる芳香環置換基を有する誘導体も合成されよう(例えば4−ジメチルアミノ−ベンゾニトリル、3−ヒドロキシベンゾニトリル、4−メトキシベンゾニトリル、3,4−ジメトキシベンゾニトリル、3,4,5−トリメトキシベンゾニトリル、4−アセトアミドベンゾニトリル、4−フルオロベンゾニトリル、4−ブロモベンゾニトリル、4−ニトロベンゾニトリル、4−シアノベンゾニトリル、3,5−ジフルオロベンゾニトリル、4−メチルベンゾニトリル、3−ブロモ−4−フルオロベンゾニトリル、2,6−ジクロロベンゾニトリル、フェニルベンゾニトリル、インドールニトリルおよび置換インドリルニトリル、ピリジン−ニトリルおよび置換ピリジニルニトリル、フラン−ニトリルおよび置換フラニルニトリル)。C−2位のフェニル、インドリル、フラニル、チオフェン−イルおよびピリジニル基の最良の置換基は、生成される類似体のスクリーニング後に見出されると考えられる。
【0238】
本明細書に記載される全ての特徴(付随する請求項、要旨、図面の全てを含む)、および/または開示された全ての方法またはプロセスの全てのステップは、少なくともかかる特徴および/またはステップのいくつかの組み合わせが互いに排他的でない限り、上記の任意の態様と任意の組み合わせにおいて組み合わせ得る。本明細書において、好適な実施形態が詳細に描写されおよび記載されてきたが、関連技術分野の当業者にとっては、本発明の趣旨を逸脱することなく、さまざまな修正、付加、置換等が行われ得ることが明白であり、したがって、これらは以下の特許請求の範囲に定義される発明の範囲に包含されると考慮される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の式(II)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物もしくはプロドラッグ。
【化8】

式中、QはS、N、またはOであり、
およびRは、互いに独立して、飽和もしくは不飽和のN−ヘテロ環、飽和もしくは不飽和のS−ヘテロ環、飽和もしくは不飽和のO−ヘテロ環、飽和もしくは不飽和の環状炭化水素、飽和もしくは不飽和の混合ヘテロ環、または脂肪族もしくは非脂肪族の直鎖状もしくは分枝状のC〜C30炭化水素を含む、置換されたもしくは未置換の単環式、縮環式もしくは多環式のアリールもしくはヘテロ環系である。
【請求項2】
前記RおよびRが、互いに独立して、置換されたもしくは未置換の、フラニル基、インドリル基、ピリジニル基、フェニル基、ビフェニル基、トリフェニル基、ジフェニルメタン基、アダマンタン−イル基またはフルオレン−イル基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記RおよびRが、互いに独立して、置換されたもしくは未置換のフェニル基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
前記QがSまたはNである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
、R及びRで置換された前記Rが3,4,5−トリメトキシフェニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
が、置換されたもしくは未置換のフェニル基、置換されたもしくは未置換のチオフェン−イル基、または置換されたもしくは未置換のインドリル基であり、
前記置換が、エチル基、フルオロ基、ブロモ基、シアノ基、ニトロ、トリフルオロ基およびアミノ基より成る群から選択される1以上の置換基によりなされる、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
前記化合物が下記の群から選択される請求項1に記載の化合物。
(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−フェニルチアゾール−4−イル)メタノン、
(2−p−トリルチアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン、
(2−(4−フルオロフェニル)−チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン、
(2−(4−ニトロフェニル)−チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン、
(2−(4−シアノフェニル)−チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン、
(2−(4−(トリフルオロメチル)−フェニル)−チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン、
(2−(4−ブロモフェニル)−チアゾール−4−イル)−(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン、
(2−(4−エチルフェニル)−チアゾール−4−イル)−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)メタノン、
(2−(4−アミノフェニル)−チアゾール−4−イル)−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)メタノン、
(2−(チオフェン−2−イル)−チアゾール−4−イル)−(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン、
(2−(1H−インドール−5−イル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン、
(2−(1H−インドール−2−イル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン、
(2−(1H−インドール−1−イル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン、
(2−(1H−インドール−3−イル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン、
(2−(1H−インドール−4−イル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン、
(2−(1H−インドール−6−イル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン、および
(2−(1H−インドール−7−イル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン。
【請求項8】
請求項1の化合物と薬学的に許容される担体とを含む薬学的組成物。
【請求項9】
癌を治療する方法であって、
請求項1の化合物を、癌を有する被験体に対して、その癌の治療に有効な条件下で投与するステップを含み、
前記癌が、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、皮膚癌、肺癌、結腸癌、白血病、腎臓癌、CNS癌およびそれらの組み合わせより成る群から選択される、方法。
【請求項10】
前記投与が、全身的に行われる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記投与が、経口的に、局所的に、経皮的に、非経口的に、皮下に、静脈内に、筋肉内に、腹腔内的に、鼻腔内滴下により、腔内滴下により、膀胱内滴下により、眼内に、動脈内に、病巣内に、または粘膜への塗布により行われる、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記化合物が、約0.01〜約100mg/kg体重の用量で投与される、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記投与が定期的に行われる、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記投与が他の癌治療法と組み合わせて行われる、請求項9に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−162541(P2012−162541A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−72925(P2012−72925)
【出願日】平成24年3月28日(2012.3.28)
【分割の表示】特願2011−514764(P2011−514764)の分割
【原出願日】平成21年6月16日(2009.6.16)
【出願人】(504326686)ユニバーシティ オブ テネシー リサーチ ファウンデーション (22)
【出願人】(510330415)ジ オハイオ ステイト ユニヴァーシティ リサーチ ファウンデーション (3)
【Fターム(参考)】