説明

発光シートモジュール

【課題】 様々な材質や形状からなるスイッチ基板上に形成されているキースイッチ部に対応することができると共に、前記スイッチ基板が組み込まれた際には、キースイッチ部に密着し、このキースイッチ部を高輝度で発光表示させることのできる発光シートモジュールを提供することである。
【解決手段】 スイッチ基板に形成されるキースイッチ部の上方を被覆し、該キースイッチ部に対応した押圧部35を有する導光性シート22と、この導光性シート22の一端部に配置されるLED23と、前記導光性シート22のLED23側の端部に配置されてこのLED23を載置する素子基板24とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種電子機器の操作パネルに搭載される照明機能を有した発光シートモジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話機や携帯情報端末機等の各種電子機器に搭載されているキー入力部には、図12に示すようなシートスイッチ10が用いられ、キースイッチ部8の周囲に光源(発光素子)6を組み込むことによって、照明機能を持たせているものが多い。これに対して、図13は、発光素子6と平板状の導光板5を使用した従来のシートスイッチ1の断面構造を示したものである(特許文献1(第9図))。このシートスイッチ1は、固定接点3や配線パターンが形成された回路基板2と、前記固定接点3上に配設されるタクトバネからなる可動接点4と、回路基板2上に配置される導光板5と、この導光板5の一側面を照射する発光素子6と、前記導光板5を貫通して可動接点4を押圧するキートップ7とで構成されている。このシートスイッチ1では、前記導光板5を貫通するキートップ7の下端部に前記発光素子6から導光された光を照射することでキートップ7全体を照明するようになっている。
【0003】
また、近年の電子機器の薄型化に対応させるため、照明機能を有しながら、さらに薄型化したシートスイッチ(特許文献1(第6図))も知られている。図14は、特許文献1(第6図)に記載されているシートスイッチ11の断面構造を示したものである。このシートスイッチ11は、固定接点13が形成された回路基板12、前記固定接点13上に配置される可動接点14からなるシートスイッチ部18と、このシートスイッチ部18の上方を覆う導光板15と、この導光板15の前記可動接点14が形成されている上部に位置するキートップ17とを有して形成されている。このキースイッチ11にあっては、前記回路基板12の一端に配設された発光素子16から発せられる光を導光板15の側面に照射することで、導光板15全体を発光させ、前記キートップ17を下面側から照明する構造となっている。
【特許文献1】特開2004−69751号公報 (第9図、第6図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記図12に示したような、キースイッチ部8の近傍に発光素子6を個別に配設したような構造のシートスイッチ10では、キースイッチ部8の数が増えるにしたがって発光素子6を増設しなければならないため、消費電力の増加と共に、シートスイッチ10自体が大型化してしまうといった問題がある。また、図13に示したシートスイッチ1にあっては、導光板5によって光をキートップ7に向けて導光させるため、発光素子6の個数は少なくて済むが、この発光素子6から発せられる光を漏れなく効率よく側面側から導くために、導光板5の厚みを一定以上厚くして形成しなければならない。しかしながら、前記導光板5を厚くすると、これに伴ってキースイッチ1全体の厚みも増すため、薄型化が図られないといった問題がある。
【0005】
一方、上記図14に示したシートスイッチ11にあっては、発光素子16から出射される光を導光板15の一端に入射させて全体に導光する構造であるため、発光素子16から離れた箇所のキートップ17の輝度が低くなり、全体的に輝度のバラツキが目立つといった問題があった。また、前記導光板15は、シートスイッチ部18の上に載置しただけの構成になっているので、導光板15とシートスイッチ部18との間に隙間が生じやすく、さらに、前記導光板15の端部に配置される発光素子16との間にも隙間が生じやすい構造となっている。このような隙間が前記導光板15の周辺に存在すると、この隙間から発光漏れが生じてしまい、キートップ17に透過する光量の不足や輝度バラツキが発生するといった問題があった。
【0006】
また、前記シートスイッチ10,11は、規定の構成によるキースイッチ部と、このキースイッチ部に対応したLEDや導光板からなる照明装置が一体に構成されているため、前記照明装置だけの機能を利用することができない。このため、キースイッチ部の構成やこのキースイッチ部を形成しているスイッチ基板等が異なるような装置に柔軟に対応することができないといった問題もある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、様々な材質や形状からなるスイッチ基板上に形成されているキースイッチ部に対応することができると共に、前記スイッチ基板が組み込まれた際には、キースイッチ部に密着し、このキースイッチ部を高輝度で発光表示させることのできる発光シートモジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の発光シートモジュールは、キースイッチ部の上方を被覆する導光性シートと、この導光性シートの少なくとも一端部に配置される発光素子と、前記導光性シートの発光素子側の端部に配置されて前記発光素子を載置する素子基板とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の発光シートモジュールは、導光性シートの一端部に発光素子と、この発光素子が載置される素子基板が設けられ、この素子基板を除いた導光性シート面が開放されているため、この開放された面に他のスイッチ基板等に形成されているキースイッチ部を被覆して取り付けることができる。このため、前記スイッチ基板は、薄く変形が可能なフレキシブル基板や一定の厚みを有した硬質樹脂製基板など材質や形状を問わずに用いることができる。さらに、前記スイッチ基板に限らず、キースイッチ部がアセンブリされたスイッチパネルをそのまま組み込むことも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、添付図面に基づいて本発明に係る発光シートモジュールの実施形態を詳細に説明する。
【0011】
図1及び図2は、本発明の第1実施形態の発光シートモジュール21を示したものである。この発光シートモジュール21は、長方形状の薄い導光性シート22と、この導光性シート22の一端部側に配置される発光素子23と、この発光素子23を実装する素子基板24とを備えて構成される。前記発光素子23は、例えば発光ダイオード(LED)からなる。
【0012】
前記導光性シート22は、透明若しくは半透明の薄いシート材からなり、例えば、アクリル樹脂、シリコン樹脂、ポリカーボネート樹脂又はポリエチレンテレフタレート樹脂など導光性の高い材料によって形成される。この導光性シート22は、図1及び図2に示したように、前記素子基板24を被覆しているシート端部22bを除いた平面部が図3に示す他のスイッチ基板31に形成されるキースイッチ部32を被覆するための導光部22aとなっている。この導光性シート22の厚みは特に限定されるものではないが、導光効率及び前記キースイッチ部32への密着性を考慮して0.05mm〜0.3mmの範囲、特に0.1mm前後で形成されるのが好ましい。
【0013】
前記LED23は側面発光タイプのものが使用される。このLED23は、回路パターンや外部基板との接続に使用されるコネクタ部が形成された素子基板24上に実装され、発光面23aが前記導光部22aに向かうように前記シート端部22bによって被覆固定される。前記素子基板24は、LED23の実装スペース及びその回路パターンの形成スペースを有するが、前記キースイッチ部32に掛からないように形成される。この素子基板24は、薄いフレキシブル基板によって形成され、裏面側が前記スイッチ基板31に接合するための粘着面25となっている。
【0014】
前記LED23の配置箇所や配置数は、導光部22aの形状や大きさ、スイッチ基板31に形成されるキースイッチ部32の配列数に応じて適宜設定されるが、例えば、携帯電話機のような数字キーやファンクションキーなどが配置されるような四角形状のシートスイッチであれば、図1に示したように、前記素子基板24の中央部に1個、あるいは、図6に示すように、導光性シート62の端部に沿って設けられる素子基板64の長手方向に沿って複数個均等に配置される。図6に示したように、3個のLED63を配置する場合は、赤色光を発する赤色LED、青色光を発する青色LED及び緑色光を発する緑色LEDによって構成することで、導光部62aを様々な色調のカラーで発光させることができる。また、図1に示したように、単一のLED23で構成する場合は、白色や青色等の単一色のLEDの他に、赤色発光、青色発光及び緑色発光の素子が一体に形成されているカラー発光型のLEDを使用することもできる。
【0015】
また、前記LED23の発光面23aから出射される光を効率よく導光部22aに向けて出射させるため、前記シート端部22bにおいてLED23を被覆している部分には、導光部22aの端部からなだらかに隆起するような厚みを有した入射部26が設けられる。この入射部26は、前記LED23を完全に覆い、発光面23aから出射した光を前記導光部22aに向かって放射状に導光させるように、LED23の上方から円弧状に広がりながら下降するような傾斜面を有して形成される。なお、この入射部26には、予めLED23が隙間なく収容されるような凹部が設けられ、前記素子基板24にLED23を実装した後、そのまま密着するか、透明接着剤を介して固定される。
【0016】
このような入射部26を設けることによって、前記LED23の発光面23aから放射状に出射される光を導光部22aに向けて自然に導光することができるので、導光部22aの直下に配置される複数のキースイッチ部を高輝度でムラなく照明することができる。また、LED23の省電力化も図られる。
【0017】
前記導光部22aに設定される押圧部35は、図4に示したようなキースイッチ部32の可動接点となる金属バネ33が被覆される部分に相当する。そして、前記押圧部35の下にスイッチ基板31上に設けられている金属バネ33が位置するようにして発光シートモジュール21を載置することで、スイッチ基板31と一体化される。また、前記金属バネ33を押圧部35の裏面に予め接着固定して形成することもできる。このように、発光シートモジュール21側に前記キースイッチ部32の一部である金属バネ33を備えることで、固定接点34が形成されているスイッチ基板31への組み込みが容易になる。
【0018】
また、前記押圧部35を金属バネ33に沿ったようなエンボス状の凹部にして形成した場合には、この凹部に金属バネ33を安定して固定することができる。このような凹部を形成することで、スイッチ基板31上に発光シートモジュール21を載置した際に、前記導光部22aをキースイッチ部32に沿って隙間なく密着させることができる。また、前記凹部を設けることによって、金属バネ33を予め導光性シート22へ装着し際にも、その保持力が安定したものになる。
【0019】
前記発光シートモジュール21は、例えば、携帯電話機の操作パネルのシートスイッチとして形成される場合は、その操作パネルと略同様な形状及び大きさに形成され、数字キーやアルファベットキー、その他のファンクションキー等が配置される箇所に合わせて前記固定接点34が複数設けられる。前記金属バネ33は、適度なクリック感を得るために薄い金属材によるドーム型のタクトバネで形成され、前記各固定接点34に対応してその上方に被さるように配置されている。また、金属バネ33の上面は、一例では反射率を高めるために鏡面加工が施されており、素子基板24上に実装されているLED23から導光性シート22によって導かれる光を効率よく反射する。
【0020】
次に、図3に基づいて、上記構成による発光シートモジュール21の照明作用について説明する。LED23には、素子基板24に設けられているコネクタ(図示せず)を介してマザーボード等から電流が供給される。LED23の発光面23aから出射された光は、最初に入射部26に入り、この入射部26内での反射や屈折を経た後、傾斜面に沿って導光部22aの端部に向けて導光される。そして、導光部22a内に入ってくる光が前記キースイッチ部32の金属バネ33の形状に沿って発光しながら他方のシート端部に向かう。また、前記導光部22a内を導光してくる光が金属バネ33の上方を通過する際の反射効果によって、この金属バネ33の上方の導光部22aが特に明るく照明される。このように、導光性シート22が金属バネ33の外形形状に沿って隙間なく密着して形成されているため、LED23から出射された光をキー操作の押圧部35となる部分を高輝度且つバラツキなく照明させることができる。
【0021】
また、前記金属バネ33に密着する部分の導光部22aの上面を鏡面加工したり、上面全体に鏡面部を設けたり、微細な凹凸加工を施した凹凸部やシボ加工等を施したりすることによって、反射率の向上や光散乱効果による輝度の向上化を図ることもできる。なお、可動接点は、前記金属バネ33に限らず、例えば、伸縮性を備えた樹脂板をタクトバネのようにエンボス加工してドーム状に成形し、裏面に固定接点34と導通する可動接点電極、表面に反射用の金属膜をメッキ又は蒸着によって形成したり、光反射効果のある微細な金属粒子やガラス粒子を含んだ塗料で塗布したりして形成することもできる。可動接点を構成する部位をこのような樹脂板で形成することで、前述した全体が金属のタクトバネとは異なった柔らかいクリック感を得ることができる。
【0022】
また、前記導光性シート22内に取り込んだ光を有効に金属バネ33の上方に向けて導光させる手段として、前記導光性シート22の裏面あるいは表面に光反射部材や光散乱部を形成する方法がある。例えば、前記導光性シート22の裏面に白色系又は銀色系の塗料からなる光反射部材を塗布することで、導光性シート22の内部に導いた光がスイッチ基板31に吸収されることなく、金属バネ33を集中的に照射させることができる。また、前記導光性シート22の上面に多数の凹凸を有する光散乱部を形成することで、この導光性シート22内に導いた光を拡散させながら押圧部35に向けて出射させるようにすることができる。このような光散乱部は、導光性シート22を製作する際に用いられる成形金型にシボ加工等を施すことによって、容易に形成が可能である。
【0023】
なお、上記実施形態の発光シートモジュール21は、金属バネ33上を被覆する導光性シート22に各種のスイッチ操作を表す文字や記号等を印刷することで、そのまま押圧部35として使用することができるが、前記可動接点に対応した箇所以外の導光性シート22面に遮光性を有した塗料を塗布したり、薄い遮光部材を被せたりすることで、前記金属バネ33の上方を特に明るく照明させるようにすることができる。
【0024】
前記発光シートモジュール21は、図3に示したように、キースイッチ部32が形成されているスイッチ基板31上に載置され、その上方にキー操作部を設けることでアセンブリされた操作パネル41を構成することができる。前記キー操作部は、スイッチ基板31上に載置した発光シートモジュール21の上方に透光性を有したラバーシート43と、透光性を有したキートップ44が所定箇所に複数設けられる表面シート45とによって構成される。
【0025】
前記ラバーシート43は、前記スイッチ基板31と略同じ大きさに形成され、そのうちの少なくともキートップ44に対応する部分が透明又は半透明に形成されている。また、前記金属バネ33に対応する押圧部35が僅かな厚みを持って形成されている。このラバーシート43は、押圧部35が金属バネ33の上端に接するように、前記発光シートモジュール21と平行に配設される。なお、このラバーシート43を前記発光シートモジュール21に安定して配設するために、両者間にスペーサ(図示せず)を挟んで高さ調整してもよい。
【0026】
前記表面シート45は、この発光シートモジュール21を搭載する電子機器の操作パネルの表示面を構成するものであり、一般にはゴム等の軟質性の樹脂材で形成され、前記金属バネ33に対応する部分が肉厚のキートップ44となっている。この表面シート45は、前記ラバーシート43の上方を覆うようにして配置される。また、前記キートップ44は、透光性を有して形成され、その表面には各種の文字や記号等が印刷あるいは凹凸状に形成されている。前記キートップ44を除いた部分は、光を通さない遮光部材で形成される。また、前記遮光部材の裏面側に金属膜を形成することで、導光性シート22内での導光作用を高めることもできる。
【0027】
前記発光シートモジュール21のLED23から出射された光は、導光性シート22内の隅々に向けて導光される。前記金属バネ33上に導光されてきた光は、金属バネ33の金属面によって上方に向けて反射される。この金属バネ33上で反射された光は、ラバーシート43を透過してキートップ44に入射され、このキートップ44の上面(操作面)を明るく照明することができる。上述したように、前記導光性シート22がドーム状に湾曲しているタクトバネの表面に密着しているため、このタクトバネ上に導光されてきた光は周囲に漏れることなく、大部分の光がキートップ44に向けて反射させることができ、高輝度で照明することができる。
【0028】
図5は本発明の第2実施形態の発光シートモジュール51を示したものである。この発光シートモジュール51は、導光部52aの面積が広い場合や高輝度を得たい場合に適したもので、導光性シート52の対向する両シート端部52b側にLED53をそれぞれ配置して構成される。前記LED53は、導光性シート52の両シート端部52bで被覆される一対の素子基板54a,54b上に実装される。また、対向する一対の素子基板54a,54bを支持すると共に、LED53を発光させるための電源や電気信号を一箇所から供給するための連結部材54cが前記導光部52aを避けた位置に設けられる。この実施形態の発光シートモジュール51では、輝度を高めるために素子基板54a,54bのそれぞれにLED53を3個ずつ配列させているが、この配列個数は導光部52aの広さや発光輝度に応じて適宜設定することができる。なお、各LED53の配置及び各LED53を被覆する入射部56等の詳細については、前記第1実施形態の発光シートモジュール21のLED23、入射部26と同様であるので説明は省略する。
【0029】
この実施形態の発光シートモジュール51によれば、各LED53が導光性シート52の両シート端部52bから導光部52aを挟んで向かい合うように配置されているため、導光部52aの両端部側での発光輝度が高まると共に、中央部での発光輝度も十分得ることができる。このため、キースイッチ部の形成面が広く、また、キースイッチ部の配列個数が多いスイッチ基板等に適している。
【0030】
図6及び図7は、導光性シート62の導光部62aに可動接点となる金属バネ67と、この金属バネ67を保持する保護シート66とを設けた発光シートモジュール61を示したものである。前記金属バネ67は、図8に示すように、発光シートモジュール61が載置されるスイッチ基板31の固定接点34と対応する導光性シート62の裏面に接着剤で固定される。そして、前記金属バネ67が接着されている導光部62aの下面から素子基板64の粘着面65の下面にかけて前記保護シート66が貼り付けられる。この保護シート66は、前記金属バネ67が保持されている面が剥離可能な粘着面となっており、工場等で発光シートモジュール61が製造された後に貼着される。このような保護シート66を設けることで、製造が完了した発光シートモジュール61の出荷や長期保管が容易になる。前記保護シート66が貼着された発光シートモジュール61をスイッチ基板31に組み込む際には、図8に示したように、導光性シート62及び素子基板64から保護シート66を剥がし、金属バネ67をスイッチ基板31上の固定接点34と位置合わせした後、前記素子基板64の粘着面65を介してスイッチ基板31の上部端部に接合する。
【0031】
図9は、上記図2に示した導光性シート22の下面側の所定位置に突起部68を設けて形成された発光シートモジュール71である。前記突起部68は、透光性を有した樹脂によるスクリーン印刷またはインクジェット印刷によって形成され、図10に示すように、対応するキースイッチ部32の略中心部に接するような位置に設けられる。前記突起部68は、半球状に形成され、その先端部が前記キースイッチ部32の略中心部に対応する位置に設定される。また、この突起部68は、導光性シート22の表面に透光性を有する樹脂を盛り上げてコーティングするポッティング加工によって形成することもできる。さらに、前記導光性シート22の表面に予め前記突起部68の形状に合わせて形成された粘着剤付きの樹脂成型品やシート状のものを転写することによって形成することも可能である。このような突起部68を設けることによって、キースイッチ部32の金属バネ33に対する押圧ポイントが的確に定まるため、クリック感の向上と共に、スイッチングの精度も高められる。この突起部68は、対応するキースイッチ部32の大きさによって、その直径や厚みが設定される。例えば、前記キースイッチ部32の直径が4〜5mmであれば、前記突起部68の直径が1.5〜2.5mmで、厚みが75〜250μm程度に設定するのが好ましい。
【0032】
また、図11に示すように、前記発光シートモジュール71に金属バネ33を備えて構成する場合は、前記突起部68の下端が金属バネ33の中心部に接するように、接着剤等を介して固定する。
【0033】
なお、図5乃至図8に示した実施形態の発光シートモジュール51,61においても、前記突起部68をキースイッチ部に対応させて設けることで、前記同様の最適なクイック感やスイッチング精度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係る第1実施形態の発光シートモジュールの斜視図である。
【図2】上記第1実施形態の発光シートモジュールのA−A断面図である。
【図3】上記第1実施形態の発光シートモジュールを組み込んだ操作パネルの断面図である。
【図4】上記第1実施形態の導光性シートに可動接点(金属バネ)を固定した発光シートモジュールの断面図である。
【図5】本発明に係る第2実施形態の発光シートモジュールの斜視図である。
【図6】導光性シートに可動接点(金属バネ)及びこの可動接点を保持する剥離シートとを備えた発光シートモジュールの斜視図である。
【図7】上記可動接点及び剥離シートを備えた発光シートモジュールのB−B断面図である。
【図8】上記可動接点及び剥離シートを有する発光シートモジュールによって構成される操作パネルの断面図である。
【図9】導光性シートに突起部を設けて形成された発光シートモジュールの断面図である。
【図10】上記図9の発光シートモジュールを組み込んだ操作パネルの断面図である。
【図11】上記図9の導光性シートに可動接点(金属バネ)を固定した発光シートモジュールの断面図である。
【図12】複数の光源を配置して構成された従来のシートスイッチの平面図である。
【図13】複数の光源及び導光板からなる従来のシートスイッチの断面図である。
【図14】前記光源を導光板の一端に配置した従来のシートスイッチの断面図である。
【符号の説明】
【0035】
21 発光シートモジュール
22 導光性シート
22a 導光部
22b シート端部
23 LED(発光素子)
23a 発光面
24 素子基板
25 粘着面
26 入射部
31 スイッチ基板
32 キースイッチ部
33 金属バネ(可動接点)
34 固定接点
35 押圧部
41 操作パネル
43 ラバーシート
44 キートップ
45 表面シート
51 発光シートモジュール
52 導光性シート
52a 導光部
52b シート端部
53 LED
54a,54b 素子基板
54c 連結部材
56 入射部
61 発光シートモジュール
62 導光性シート
62a 導光部
63 LED
64 素子基板
65 粘着面
66 保護シート
67 金属バネ
68 突起部
71 発光シートモジュール


【特許請求の範囲】
【請求項1】
キースイッチ部の上方を被覆する導光性シートと、この導光性シートの少なくとも一端部に配置される発光素子と、前記導光性シートの発光素子側の端部に配置されて前記発光素子を載置する素子基板とを備えたことを特徴とする発光シートモジュール。
【請求項2】
前記素子基板が前記導光性シートの対向する両端部に設けられ、各素子基板上に前記発光素子が載置される請求項1記載の発光シートモジュール。
【請求項3】
前記導光性シートは、キースイッチ部が被覆される導光部と、前記素子基板に載置されている発光素子を被覆する厚みを有する入射部とが一体に形成されている請求項1記載の発光シートモジュール。
【請求項4】
前記導光部は、0.05mm以上0.3mm以下の厚みに形成される請求項3記載の発光シートモジュール。
【請求項5】
前記入射部は、前記発光素子が被覆される部分から前記導光部に向かってなだらかに下降する傾斜面を有する請求項3記載の発光シートモジュール。
【請求項6】
前記導光性シートは、アクリル樹脂、シリコン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂のいずれかによって形成される請求項1又は3記載の発光シートモジュール。
【請求項7】
前記導光性シートには、前記キースイッチ部に対応した位置に金属バネからなる可動接点が配置される請求項1記載の発光シートモジュール。
【請求項8】
前記可動接点が前記導光性シートの裏面に接着固定される請求項7記載の発光シートモジュール。
【請求項9】
前記可動接点が前記導光性シートの裏面側に被着される剥離可能な保護シートによって保持される請求項7又は8記載の発光シートモジュール。
【請求項10】
前記発光素子が前記素子基板の幅方向に沿って複数配置される請求項1記載の発光シートモジュール。
【請求項11】
前記複数の発光素子は、赤色光を発光する赤色発光素子、青色光を発光する青色発光素子及び緑色光を発光する緑色発光素子の全てを備える請求項10記載の発光シートモジュール。
【請求項12】
前記発光素子には、赤色発光、青色発光及び緑色発光の素子が一体に形成されている請求項1、2、10のいずれかに記載の発光シートモジュール。
【請求項13】
前記導光性シートは、前記キースイッチ部と対向する位置に突起部を有し、この突起部の中心が前記キースイッチ部の略中心位置に対応している請求項1記載の発光シートモジュール。
【請求項14】
前記突起部は、半球状に形成され、その先端部が前記キースイッチ部の略中心位置に対応している請求項13記載の発光シートモジュール。
【請求項15】
前記突起部は、前記導光性シートの表面に樹脂を印刷して形成される請求項13記載の発光シートモジュール。
【請求項16】
前記突起部は、前記導光性シートの表面に樹脂を盛り上げるポッティング加工によって形成される請求項13記載の発光シートモジュール。
【請求項17】
前記突起部は、該突起部の形状に合わせて形成された樹脂材を前記導光性シートの表面に転写して形成される請求項13記載の発光シートモジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−60058(P2008−60058A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−55535(P2007−55535)
【出願日】平成19年3月6日(2007.3.6)
【出願人】(000131430)シチズン電子株式会社 (798)
【Fターム(参考)】