説明

発光体

【課題】従来の発光ダイオードの素子を使用して、前面だけでなく側面や下方へも、目に優しい光を発するLEDランプ、及びフィラメントや放電による発光体をベースにして目に優しい光を全方向に発する発光体、及び光を伝搬する光伝搬体をベースにして前面だけでなく側面へも明るく発光する発光体の提供を図る。
【解決手段】発光ダイオードの素子1を封止するパッケージ2の表面に、球面状又は多角形状の透光性素材のビーズ5を設ける。同パッケージの表面に、球面状又は半球面状の突起、又は多角形状の突起、又は球面状の凹部、又は多角形状の凹部を設けてもよい。また、透光性素材の任意形状のカバーケースをパッケージに着脱自在とし又は固定する。このパッケージ外面・内面に上記のような凹凸を設けてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオードを使用した、正面だけでなく、側面や下方にも明るく発光するLEDを用いた発光体、及び全方向に明るく目に優しい光を発する電球の発光体、及び正面だけでなく、斜めにも明るく発光する発光部が形成された光伝搬体を用いた発光体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発光ダイオードは英文Light Emission Diode(またはLight Emitting Diode)の頭文字を取りLEDといい、リードフレームや電極を取りつけた発光ダイオードの素子を透明性樹脂である例えばエポキシ樹脂(以下、単にパッケージという)で覆ったものをLEDランプ、または単にLEDと称している。従来のLEDランプは一方向のみ(例えば正面)、目を刺激するぐらいに強く発光するが、全方向に発光しなかった。側面や下方には点の状態にしか光を視認できない。パッケージ内に拡散材を入れて、光の拡散を図っているLEDランプもあるが、光が内部で乱反射して外部への発光が少なくなり、全体に暗く、側面や下方からは点の状態にしか見えないという問題がある。また、従来の電球は、フィラメントが高温に熱せられて強く発光しているので、直接電球を見ると目を刺激して苦痛を与え、またフィラメントが切れやすいという問題がある。また、従来の光伝搬体の一つである例えば光ファイバーの断面の発光は、一方向のみ(正面)強く発光するが、斜め方向からは非常に暗く見えるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、従来のLEDランプと同じ発光ダイオードを使用しながら、パッケージの前面だけでなく、側面や下方へも、明るく発光するLEDの発光体、及び全方向に明るく、目を刺激しない優しい光を発する電球の発光体、及び前面だけでなく斜めにも明るく発光する発光部が形成された光伝搬体を用いた発光体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、少なくとも1つの発光要素を備え、この発光要素が透光性を有する多数個のビーズで覆われている発光体である。この発光体によれば、発光要素から発せられた光は、その発光要素を覆う多数個のビーズを通過して、発光体の外部へ放射される。そのとき、ビーズは、その内部と周囲との屈折率の違いにより、ビーズ内を通過する光を各方向に屈折させて拡散する。その結果、発光体の全方向に明るく発光させることができる。多数個のビーズによって、発光要素からの光を全方向に放射させる発光体として、次のものがある。発光要素を、透光性を有するパッケージで封止し、そのパッケージの表面に多数個のビーズを有するか、または、パッケージの内部に多数個のビーズを埋設した発光体である。また、前記パッケージに透光性を有するカバーケースを着脱自在または固定して被せた発光体である。さらに、パッケージに被せるカバーケースの外面、内面または内部のいずれかに前記多数個のビーズを固着または単に有するか、又は埋設した発光体である。また、前記ビーズを球状、半球状または多角形状のいずれかの形状にした発光体である。さらに、前記多数個のビーズを、大きさや形状や屈折率の異なる2種以上のビーズとした発光体である。この発光体によれば、さらに均一に光を放射させることができる。
【0005】
また、本発明は、少なくとも1つの発光素子を備え、この発光要素は透光性を有するパッケージに封止されており、かつ前記パッケージの表面に任意の数の突起または凹部が一体に形成されている発光体である。この発光体によれば、発光要素から発せられた光は、その発光要素を封止するパッケージに一体に形成された任意の数の突起または凹部を通過して、発光体の外部へ放射される。そのとき、突起または凹部は、その内部と周囲との屈折率の違いにより、突起または凹部を通過する光を各方向に屈折させて拡散する。その結果、発光体の全方向に明るく発光させることができる。任意の数の突起または凹部によって、発光要素からの光を全方向に放射する発光体として、次のものがある。前記突起を球面状突起、半球状突起または多角形状突起のいずれかに、前記突起凹部を球面状凹部、半球状凹部または多角形状凹部のいずれかにした発光体である。また、任意の数の突起または凹部が形成されたパッケージに透光性を有するカバーケースを着脱自在または固定して被せた発光体である。
【0006】
また、本発明は、少なくとも一つの発光要素を備え、この発光要素は透光性を有するパッケージに封止されており、さらに前記パッケージに透光性を有するカバーケースが着脱自在または固定して被せられており、かつ前記カバーケースに任意の数の突起または凹部が一体に形成されている発光体である。この発光体によれば、発光要素から発せられた光は、パッケージを通過し、さらに、カバーケースを通過して発光体の外部へ放射される。そのとき、カバーケースに一体に形成された任意の数の突起または凹部を通過する。その結果、突起または凹部の内部と周囲との屈折率に違いにより、通過する光を各方向に屈折させて拡散するので、発光体の全方向に発光させることができる。任意の数の突起または凹部によって、発光要素からの光を全方向に放射する発光体として、次のものがある。前記突起を球面状突起、半球面状突起または多角形状突起のいずれかに、前記凹部を球面状凹部、半球面状凹部または多角形状凹部のいずれかにした発光体である。また、任意の数の突起または凹部が形成されたパッケージに透光性を有するカバーケースを着脱自在または固定して被せた発光体である。さらに、突起または凹部が形成された面に、多数個のビーズを固着または単に有した発光体である。この発光体によれば、さらに全方向に均一に光を放射させることができる。
【0007】
さらに、本発明は、少なくとも1つの発光要素を備え、この発光要素は透光性を有するパッケージに封止されており、さらに前記パッケージに光拡散体が着脱自在または固定して被せられている発光体である。この発光体によれば、発光要素から発せられた光は、パッケージを通過し、さらに、光拡散体を通過して発光体の外部へ放射される。光拡散体を通過する際に、光拡散体は、光を各方向に拡散させる。その結果、発光体の全方向に発光させることができる。
【0008】
また、本発明は、少なくとも1つの発光要素を備え、この発光要素を囲む複数のレンズの夾角が所定角度になるように折り曲げたフレネルレンズを備えた発光体である。この発光体によれば、発光要素から発せられた光は、フレネルレンズによって拡散角度が限定される。その結果、必要な箇所だけ充分な明るさの光を供給することができる。また、フレネルレンズで形成したカバーケースを着脱自在または固定して被せた発光体にすることもできる。
【0009】
さらに、本発明の発光体における発光要素を発光ダイオードとしたものがある。この発光体によれば、発光ダイオードを用いた従来の発光体の一つであるLEDランプからの不均一な発光を、全方向性を持つ発光に改善することができる。
【0010】
また、発光要素が、発光する発光部が形成された光伝搬体を用いた発光体についても同様に、全方向に発光させることができる。
【0011】
また、発光要素が、フィラメントや放電により、直接的あるいは間接的に発光している発光体についても同様に、全方向に発光させることができる。
【発明の効果】
【0012】
上述した各実施例は、以下に示す効果を得ることができる。
【0013】
LEDランプは、白熱電球に比べて、振動にも強く、球切れすることもなく、且つ、消費電力が半分以下で消費コストも格段に安くつく。ただ、従来のLEDランプは、正面のみ目を刺激するほど強く発光するが、側面からはほとんど光が視認できなかったため、白熱電球の代わりに使用されることが少なかった。第一から第四の実施例の発光ダイオードをベースにした発光体(LEDランプ)は、パッケージ又はパッケージを包むカバーケースの表面に透光性の球面状又は多角形状の粒子のビーズを固着するか、あるいは球面状又は多角形状の突起を有するか、あるいは球面状又は多角形状の凹部を有しているので、発光ダイオードの素子1から発光された光が表面に固着した多数のビーズ又は突起を通して、各方向に拡散される。一つ一つのビーズ又は突起又は凹部が光を拡散し、光をパッケージの正面(頭頂面)だけでなく、側面からも明るく発光させる。発光ダイオードの素子から発した目を刺激するような強い光は、粒子のビーズ又は突起を通ることにより、直接見つめても目が痛くないほど優しい光に変わる。本実施例のLEDランプは、側面からも、下方からも明るく光を視認することができるので、白熱電球の代わりに使用することができ、消費電力を大幅に押さえることができる。例えば、イルミネーションとして樹木等に数多くの豆電球をぶら下げているが、これを本実施例のLEDランプに変えれば、消費電力が約1/5で同じ効果を発揮する。
【0014】
また、従来のLEDランプを複数個使用している箇所でも、本実施例のLEDランプを使用すれば、前面や側面からも明るく発光するので、使用するLEDランプの数量が1/2から1/5程度ですみ、消費電力も大幅に節約できるだけでなく、製造コストや資源も大幅に節約できる。例えば、小型積層回転灯等では、約60個のLEDランプが使用されているが、本実施例のLEDランプを使用すれば、15個から20個程度で同じ明るさと視認効果を発揮することができる。文字等を表示する電光表示板に、多数のLEDランプが使用されているが、この表示板は、正面からははっきり見えるが、斜めや側面からははっきり見えないため、文字や図案が読みとれない。また、正面から見た場合も、光が強すぎて目を刺激して、目に痛みを感じさせる。本発明のLEDランプを使用すれば、斜めや側面から見てもはっきり見える。また、正面から見ても、目に優しい光なので、目を痛めることもない。さらに、従来のLEDランプを使用した電光表示板よりも、LEDランプ間の間隔を広く取ることができ、また、文字や図案の線が太くはっきり見えるので、同じ個数のLEDランプを使用した場合は大きい文字や図案を表示することができ、また、文字や図案を鮮明にはっきり表示することができる。
【0015】
第五及び第六の実施例の光拡散体を使ったLEDランプは、光拡散体の素材の光の屈折率がパッケージと異なる透光性素材にすることにより、正面から発光する幅を一層大きく広げることができるし、光拡散体の長さによって、光の視認距離を長くすることもできるので、用途によっては、本実施例のLEDランプ一個で従来のLEDランプを複数使用したのと同じ効果を発揮することができる。
【0016】
第七の実施例のフレネルレンズを使用したLEDランプでは、光の拡散角度を限定することができ、必要な箇所だけに充分な明るさの光を供給することができる。
【0017】
第八の実施例の、任意の形状の発光体の一つであるルアーでは、全方向に明るく光るルアーを実現することができる。
【0018】
第九の実施例の、フィラメントや放電により直接的あるいは間接的に発光している発光体の一つである、フィラメントを使用した電球をベースにした発光体は、直接光を見ても通常の電球の光のように目を強く刺激することもなく、明るく目に優しい光を発する。
【0019】
第十の実施例の、発光部が形成された光伝搬体を用いた発光体の一つである、光ファイバーをベースにした発光体は、正面から見ても、斜めから見ても、明るく優しい光を発する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】パッケージに球面状の突起を設けた本発明のLEDランプの断面図。
【図2】パッケージに多角形状の突起を設けた本発明のLEDランプの断面図。
【図3】パッケージに球面状の凹部を設けた本発明のLEDランプの断面図。
【図4】パッケージに多角形状の凹部を設けた本発明のLEDランプの断面図。
【図5】パッケージにビーズを固着した本発明のLEDランプの断面図。
【図6】パッケージ内にビーズを埋め込んだ本発明のLEDランプの断面図。
【図7】ビーズを固着したパッケージを有するLEDに、カバーケースを被せた本発明の断面図。
【図8】外面にビーズを固着したカバーケースを従来のLEDに被せた本発明のLEDランプの断面図。
【図9】内面にビーズを固着したカバーケースを従来のLEDに被せた本発明のLEDランプの断面図。
【図10】ビーズを埋め込んだカバーケースを従来のLEDに被せた本発明のLEDランプの断面図。
【図11】内面に突起を設けたカバーケースを従来のLEDに被せた本発明のLEDランプの断面図。
【図12】光拡散体を従来のLEDに被せた本発明のLEDランプの断面図。
【図13】内面に突起を設けた光拡散体の断面図。
【図14】外面に突起を設けた光拡散体の断面図。
【図15】フレネルレンズでLEDを囲んだ本発明のLEDランプの平面図。
【図16】フレネルレンズでLEDを囲んだ本発明のLEDランプの平面図。
【図17】フレネルレンズでLEDを囲んだ本発明のLEDランプの集合体の平面図。
【図18】LEDランプと電池とスイッチを内包した発光体であるルアーの断面図。
【図19】フィラメントを使用した電球の表面にビーズを固着した発光体の断面図。
【図20】光ファイバーの発光部分にビーズを固着した発光体の断面図。
【図21】光ファイバーの発光部分にビーズを固着した発光体の断面図。
【図22】光ファイバーの発光部分にビーズを固着した発光体の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面に基づき本願発明の実施の形態を説明する。
【0022】
まず、LEDを用いた発光体(以下、単に「LEDランプ」と呼ぶ)について述べる。基本的には、発光ダイオードの素子を有しているパッケージの表面に球面状、半球面状、多角形状の突起または凹部を設けるか、発光ダイオードの素子を有しているパッケージの表面に球面状、または半球面状、または多角形状の透光性粒子である多数個のビーズを固着させるか、またはパッケージの内部にビーズを埋め込むかすればよい。あるいは、ビーズを固着した薄肉の任意形状体(カバーケース)、または肉厚の任意形状体(光拡散体)でパッケージを覆う。このようにすることにより、ビーズが光を拡散し、発光ダイオードの素子より出る光が、パッケージに設けられた突起、または凹部、またはパッケージに設けられたビーズ、またはカバーケース、または光拡散体から外部に放射され、全方向に明るく発光される。上述したパッケージは、特に、砲弾状または平坦な光導出面を有する柱状であるので、周知の砲弾状のLEDランプの形状とともに、平面型のLEDランプや円錐型にも同様に適用することができる。なお、パッケージの形状は、砲弾状や平面状や柱状に限定されるものではなく、任意の形状にすることができる。
【0023】
次に、フィラメントや放電により、直接的あるいは間接的に発光している発光体(以下、「電球」という)について述べる。LEDランプと同じく、電球の表面にビーズを固着することにより、フィラメントが高温に熱せられて発する光や放電による強い光を和らげ、かつ全方向に明るく、優しい光を発する電球の発光体ができる。
【0024】
次に、発光部が形成された光伝搬体を用いた発光体として、例えば光ファイバーの先端部を用いた発光体について述べる。LEDランプと同じく、光ファイバーの発光部分(先端部)、または発光部分及びその周辺にビーズを固着することにより、光ファイバーより発する光を和らげ、前面や斜め方向にも、明るく優しい光を発する先端部が形成された光ファイバーを用いた発光体ができる。なお、光伝搬体は、光ファイバーの他に、例えば光を伝搬することができるガラスや樹脂性の線状体や棒状体や面状体など任意形状体である。光伝搬体の発光部は、光ファイバーの先端部、線状体や棒状体や面状体やチューブ状体の先端部、光ファイバーや線状体や棒状体や面状体やチューブ状体の任意位置に形成された突起や凹部である。上述したように、本発明の発光体には、LEDをベースにしたLEDランプと電球をベースにした発光体と発光部が形成された光伝搬体をベースにした発光体の三種類があるが、まず、LEDランプから具体的な実施例とともに図面を参照しながら説明する。
【実施例】
【0025】
第一の実施例は、従来のLEDランプは、発光ダイオードの素子と、この発光ダイオードの素子を有している透光性素材(例えばエポキシ樹脂)で封止されているパッケージと、発光ダイオードの素子に取りつけたリードフレームや電極を備えて構成されている。本発明の発光体は、従来のLEDランプで使用されている発光ダイオードの素子を使用し、この発光ダイオードの素子を有するパッケージに細工を施すか、あるいは、細工を施した任意形状のカバーケースでパッケージを覆うか、あるいは、肉厚の透明または半透明の素材でできた砲弾状や円錐状または平坦な光導出面を有する柱状や平面状など任意形状の光拡散体でパッケージを覆ったLEDランプである。
【0026】
具体的には、パッケージ自体に細工を施したものについては、図1、図2、図3及び図4で示したように、球面状又は半球面状の突起4a、又は多角形状の突起4b、又は球面状の凹部4c、又は多角形状の凹部4dを設けたパッケージ2で、発光ダイオードの素子1を包んだLEDランプである。リードフレーム3を有する発光ダイオードの素子1を内包し、表面に突起4a、4bを設けた砲弾状のパッケージ2を一体成形で形成する。
【0027】
パッケージ2の素材は通常は透光性のエポキシ樹脂が使用されているが、透明又は半透明、又は他の透光性素材等で作ることもできる。さらに、パッケージ2自体の細工は、内壁面を凸凹状にしておいた形成型にパッケージ2を形成するためのエポキシ樹脂を流し込んだり、形成後のパッケージ2の表面に加工を施すことで行う。なお、このパッケージ2に筒状など任意形状のカバーケースを着脱自在または固定して被せるように構成することもできる。さらに、このパッケージ2の表面に後述する多数個のビーズを固着させてもよい。
【0028】
第二の実施例はパッケージ2の表面に突起を設ける代わりに、表面に透光性素材でできた球面状又は半球面状又は多角形状の粒子(ビーズ5)を固着させたパッケージ2を発光ダイオードの素子1に被せたLEDランプである。具体的には、図5で示すように、リードフレーム3を有する発光ダイオードの素子1を内包しているパッケージ2の表面に、球面状または多角形状の透光性ビーズ5を透明接着剤等で接着したLEDランプである。ビーズ5は、例えば透光性(通常は透明または半透明)の素材(ガラスまたはエポキシ樹脂やプラスチック等)で形成された球面状、半球面状または多角形状の粒子である。また、そのビーズ5の大きさは、0.01〜3mm程度である。さらに、パッケージ2にビーズを固着する方法は、先ずパッケージに透明または半透明の接着剤を塗布し、ビーズ5を吹きつけて接着するか、ビーズ5が入れられた容器内に、接着剤を塗布したパッケージ2を入れてビーズを固着するか、接着剤を塗布したビーズをパッケージ2に貼付するか、ビーズとパッケージ2を熱や薬品などで溶着する。なお、大きさや形状や屈折率の異なる2種以上のビーズ5を含む多数個のビーズを用いるのが好ましい。このようにすれば、大きいビーズ5間の隙間を小さいビーズ5が埋めるように構成され、また、ビーズ5の屈折率が異なると拡散の角度に広がりができ、より均一に光を拡散させることができる。
【0029】
図6に示すように、ビーズ5をパッケージ2の表面に固着する代わりに、パッケージの内部に埋め込んだLEDランプとすることもできる。この場合には、発光要素であるLEDをパッケージ2で封止する際に、そのパッケージ2を形成する例えばエポキシ樹脂に多数個のビーズ5を混ぜたり、エポキシ樹脂を形作るための形成金型に多数個のビーズを付着させておけばよい。
【0030】
第三の実施例は、第一実施例及び第二実施例のLEDランプに、透光性素材でできた任意形状のカバーケース7を着脱自在または固定して被せたLEDランプである。具体的には、図1から図6に示されたパッケージ2に、図7で示すように、一面が開口している中空の、透光性の筒状、円錐状、または角錐状のいずれかのカバーケース7をパッケージ2に着脱自在または固定して被せたLEDランプである。
【0031】
第四の実施例は、第一実施例から第三実施例で説明したパッケージ2に細工をする代わりに、パッケージ2に被せたカバーケース7に細工を施し、カバーケース7を従来のLEDのパッケージ2に被せたLEDランプである。具体的には、カバーケース7への細工については、上述したパッケージ2への細工と同様に、図8に示すように、カバーケース7の外周面にビーズ5を固着するか、図9に示すように、カバーケース7の内面にビーズ5を固着するか、図10に示ように、カバーケース7の内部にビーズ5を埋没する。このようなカバーケース7を、従来使用のLEDランプのパッケージ2に着脱自在または固定して被せることにより、本発明の効果を奏すLEDランプにすることができる。カバーケース7にビーズ5を固着する代わりに、図11に示すように、カバーケース7の内面に突起4を設け、カバーケース7を従来のLEDランプのパッケージ2に被せたLEDランプとする。なお、カバーケース7の内面に凹部を設けたり、外面に突起4または凹部を設けてもよい。
【0032】
第五の実施例は、カバーケース7を用いる代わりに、カバーケース7よりは肉厚で透明性で任意形状の光拡散体8をパッケージ2に被せたLEDランプである。具体的には、図12に示すように透光性素材で形成された肉厚の中空の筒状体(光拡散体)を着脱自在または固定して、従来のLEDランプに被せたLEDランプである。この光拡散体8は、肉厚の透光性素材でできており、一面が開口した中空で表面の形状が例えば砲弾型を成したものである。肉厚のため、全体がレンズ効果を有している。光拡散体の形状や長さによって、発光する光の視認の長さや幅が変化する。
【0033】
第六の実施例は、外面または内面に突起4a、4bを設けるか、またはビーズ5を固着した上述の光拡散体8をパッケージに被せたLEDランプである。具体的には、図13または図14に示したように、光拡散体8の内面または外面に突起4a,4bを設け、この光拡散体8を発光ダイオードの素子1を内包しているパッケージ2に着脱自在または固定して被せる。なお、突起4a、4bを設ける代わりに、上述のビーズ5を固着や単に有した光拡散体8をパッケージ2に着脱自在または固定して被せるように構成してもよい。
【0034】
第七の実施例は、フレネルレンズ6をパッケージ2を囲むように折り曲げて、LEDランプと一体化させたLEDランプである。また、フレネルレンズ6と一体化した複数個のLEDランプを、一つに集合させたLEDランプである。具体的には、図15、図16、図17に示すように、二つのレンズが成す角度(夾角)が90度になるように折り曲げたフレネルレンズ6をパッケージ2を囲むように取りつけ、フレネルレンズ6とパッケージ2とを一体に形成する。なお、2つのレンズの夾角は、使用者が要求する光の拡散の度合いによって異なるが、通常は、約30度から約120度までの範囲でフレネルレンズ6を折り曲げて使用することができる。
【0035】
第八の実施例は、上述した各実施例のLEDランプのうちの少なくとも一つのLEDランプを有する外容器を備え、前記外容器は、少なくともその一部が透光性素材であるとともに、その形状が任意形状に形成されており、さらにその外容器の内部には発光ダイオードを発光させるための電気回路と電源を備えているか、電気回路を備えたLEDランプである。具体的には、図18の断面図に示すように、擬似餌の形状をしたルアー12の内部には、LEDランプ11を点灯または消灯させるためのスイッチ10を含む電気回路と、LEDランプ11に電力を供給する電池9とを搭載している。スイッチ10は、ルアー12の動きによってLEDランプ11を点灯させたり消灯させたりするよう取りつける。なお、外容器は、上述したルアー12の形状に限定されるものではなく、例えば、アクセサリーや置物などの種々の装飾品、種々の表示灯、種々の照明灯や種々の玩具、その他に発光機能を有する器具、機器、装置にも適用することができる。
【0036】
第九の実施例は、上述した発光ダイオードの素子1の代わりに、フィラメントや放電により直接的あるいは間接的に発光している発光体(以下「電球」という)を利用した発光体である。具体的には、図19に示すように、例えばフィラメントにより発光する電球の表面15に透光性素材でできた球面状、半球面状または多角形状の粒子(ビーズ5)を固着させる。電球の発光要素である例えばフィラメント13は、口金14から供給される電力によって光を発生する。この光は、電球表面15に固着した多数個のビーズ5によって全方向に明るく放射される。従って、発光ダイオードの素子1の場合と同様の効果が得られる。
【0037】
第十の実施例は、上述した発光ダイオードの素子1の代わりに、発光部が形成された光伝搬体の一つである例えば光ファイバーの先端部である先端面または先端面を含む周囲、または、光ファイバーの突起部や凹部に多数個のビーズを固着させた発光体である。具体的には、図20、図21、図22に示すように、光源17からの光が光ファイバー16の採光部分18より入射して、その光が光ファイバー16を通って光ファイバーの発光部分19より発光する。この発光部分19またはこの発光部分19及びこの周辺に、透光性素材でできた球面状、半球面上または多角形状の粒子(ビーズ5)を固着させる。これにより、発光部分19から発した光は、多数個のビーズ5をそれぞれ通過して放射される。その結果、多数個のビーズ5が固着した光ファイバー19の先端部の全体が明るく発光する。なお、好ましくは、光ファイバー16の先端部を球状または多角形状に膨らませるか、窪ませる。また、光伝搬体の発光部を、光ファイバーの先端部、線状体や棒状体やチューブ状体の先端部、光ファイバーや線状体や棒状体やチューブ状体の任意位置に形成された突起や凹部とすることで、その発光部分からの光を全方向に明るく放射させることができる。例えば、装飾品や置物、または光センサの投光素子、または各種表示灯、その他の各種実用品や玩具などにも利用することも可能である。
【符号の説明】
【0038】
1 発光ダイオードの素子
2 パッケージ
3 リードフレーム
4 突起
4a 球面状又は半球面状の突起
4b 多角形状の突起
4c 球面状又は半球面状の凹部
4d 多角形状の凹部
5 ビーズ
6 フレネルレンズ
7 カバーケース
8 光拡散体
9 電池
10 スイッチ
11 LEDランプ
12 ルアー
13 フィラメント
14 口金
15 電球表面
16 光ファイバイー
17 光源
18 採光部分
19 発光部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの発光要素を備え、この発光要素が透光性を有する多数個のビーズで覆われていることを特徴とする発光体。
【請求項2】
請求項1に記載の発光体において、前記発光要素は透光性を有するパッケージに封止されており、前記多数個のビーズは、前記発光要素を覆うように前記パッケージの表面に固着されている発光体。
【請求項3】
請求項1に記載の発光体において、前記発光要素は透光性を有するパッケージに封止されており、前記多数個のビーズは前記発光要素を覆うように前記パッケージの内部に埋設されている発光体。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の発光体において、前記パッケージに透光性を有するカバーケースが着脱自在または固定して被せられている発光体。
【請求項5】
請求項1に記載の発光体において、前記発光要素は透光性を有するパッケージに封止されており、さらに前記パッケージに透光性を有するカバーケースが着脱自在または固定して被せられており、かつ前記多数個のビーズは前記発光要素を覆うように前記カバーケースの外面に固着されている発光体。
【請求項6】
請求項1に記載の発光体において、前記発光要素は透光性を有するパッケージに封止されており、さらに前記パッケージに透光性を有するカバーケースが着脱自在または固定して被せられており、かつ前記多数個のビーズを前記発光要素を覆うように前記カバーケースの内面に有する発光体。
【請求項7】
請求項1に記載の発光体において、前記発光要素は透光性を有するパッケージに封止されており、さらに前記パッケージに透光性を有するカバーケースが着脱自在または固定して被せられており、かつ前記多数個のビーズは前記発光要素を覆うように前記カバーケースの内部に埋設されている発光体。
【請求項8】
請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の発光体において、前記ビーズは、球状、半球状または多角形状のいずれかである発光体。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の発光体において、前記多数個のビーズは、大きさや形状や屈折率の異なる2種以上のビーズを含む発光体。
【請求項10】
少なくとも1つの発光要素を備え、この発光要素は透光性を有するパッケージに封止されており、かつ前記パッケージの表面に任意の数の突起または凹部が一体に形成されていることを特徴とする発光体。
【請求項11】
請求項10に記載の発光体において、前記突起は、球面状突起、半球面状突起または多角形状突起のいずれかである発光体。
【請求項12】
請求項10に記載の発光体において、前記凹部は、球面状凹部、半球面状凹部または多角形状凹部のいずれかである発光体。
【請求項13】
請求項10ないし請求項12のいずれかに記載の発光体において、前記パッケージに透光性を有するカバーケースが着脱自在または固定して被せられている発光体。
【請求項14】
少なくとも1つの発光要素を備え、この発光要素は透光性を有するパッケージに封止されており、さらに前記パッケージに透光性を有するカバーケースが着脱自在または固定して被せられており、かつ前記カバーケースに任意の数の突起または凹部が一体に形成されていることを特徴とする発光体。
【請求項15】
請求項14に記載の発光体において、前記任意の数の突起または凹部は、前記カバーケースの外面に一体に形成された発光体。
【請求項16】
請求項14に記載の発光体において、前記1任意の数の突起または凹部は、前記カバーケースの内面に一体に形成された発光体。
【請求項17】
請求項14ないし請求項16のいずれかに記載の発光体において、前記突起は、球面状突起、半球面状突起または多角形状突起である発光体。
【請求項18】
請求項14ないし請求項16のいずれかに記載の発光体において、前記凹部は、球面状凹部、半球面状凹部または多角形状凹部である発光体。
【請求項19】
請求項10ないし請求項18のいずれかに記載の発光体において、前記突起または凹部が形成された面に、透光性を有する多数個のビーズを固着、または単に有した発光体。
【請求項20】
少なくとも1つの発光要素を備え、この発光要素は透光性を有するパッケージに封止されており、さらに前記パッケージに光拡散体が着脱自在または固定して被せられていることを特徴とする発光体。
【請求項21】
請求項20に記載の発光体において、前記光拡散体の外面または内面に任意の数の突起または凹部が形成されている発光体。
【請求項22】
少なくとも1つの発光要素を備え、この発光要素を囲む複数のレンズの夾角が所定角度になるように折り曲げたフレネルレンズを備えたことを特徴とする発光体。
【請求項23】
少なくとも1つの発光要素を備え、この発光要素は透光性を有するパッケージに封止されており、さらに前記パッケージに複数のレンズの夾角が所定の角度になるように折り曲げたフレネルレンズで形成されたカバーケースが着脱自在または固定して被せられている発光体。
【請求項24】
請求項2、3、5、6、7、10、14、20、23のいずれかに記載の発光体において、前記パッケージは、砲弾状、球状、円錐状、角錐状である発光体。
【請求項25】
請求項2、3、5、6、7、10、14、20、23のいずれかに記載の発光体において、前記パッケージは、平坦な光導出面を有する柱状、平面状など任意形状である発光体。
【請求項26】
請求項1ないし請求項25のいずれかに記載の発光体を有する任意形状の外容器を備え、前記外容器の少なくとも一部が透光性素材で形成されている任意形状の発光体。
【請求項27】
請求項26に記載の発光体において、前記発光体は、前記発光要素を発光させるための電気回路と電源を備えるか、あるいは電気回路を備えた任意形状の発光体。
【請求項28】
請求項1ないし請求項27のいずれかに記載の発光体において、前記発光要素は、発光ダイオードである発光体。
【請求項29】
請求項1ないし請求項27のいずれかに記載の発光体において、前記発光要素は、光を伝搬する光伝搬体に形成された発光部である発光体。
【請求項30】
請求項1ないし請求項27のいずれかに記載の発光体において、前記発光要素は、フィラメントや放電により直接的あるいは間接的に発光している発光体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2010−161420(P2010−161420A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−96272(P2010−96272)
【出願日】平成22年4月19日(2010.4.19)
【分割の表示】特願平11−124695の分割
【原出願日】平成11年3月26日(1999.3.26)
【出願人】(392030221)
【Fターム(参考)】