説明

発光材料、発光素子、発光装置、電子機器及び発光材料の作製方法

【課題】無機化合物を用いた発光材料において、発光材料の結晶構造の観点から従来よりも高い発光輝度の得られる発光材料を提供する。
【解決手段】母体材料と発光中心となる不純物元素とを含み、主となる結晶構造が六方晶となり、母体材料は、第2族と第16族の元素を含む化合物又は第12族と第16族の元素を含む化合物であり、不純物元素として、マンガン(Mn)、サマリウム(Sm)、テルビウム(Tb)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、ユーロピウム(Eu)、セリウム(Ce)、又はプラセオジウム(Pr)のうちの、少なくとも1種を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレクトロルミネッセンスを利用した発光素子の発光材料に関する。また、エレクトロルミネッセンスを利用した発光素子に関する。また、発光素子を有する発光装置および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、エレクトロルミネッセンス(Electro Luminescence)を利用した発光素子の研究開発が活発に行われている。発光素子の基本的な構成は、一対の電極間に発光性の物質を挟んでなるものであり、両電極間に電圧を印加することによって発光性の物質からの発光を得ることができる。
【0003】
このような発光素子は、自発光型であることから液晶ディスプレイに比べて視野角が広く、視認性に優れているという点に加えて、応答速度が速く、薄型軽量化が可能であるといった特徴を有している。
【0004】
また、発光素子は、発光性の物質として有機化合物を用いた有機発光素子と、無機化合物を用いた無機発光素子に分けられる。
【0005】
なお、これらの発光素子は、発光性の物質が異なるというだけでなく発光機構や特徴においてもそれぞれ異なっている。
【0006】
このうち無機発光素子は、図10に示すように一対の電極(第1の電極1501、第2の電極1505)間に絶縁膜(第1の絶縁膜1502、第2の絶縁膜1504)で挟まれた発光層1503を有する絶縁二重構造を有しており、両電極(第1の電極1501、第2の電極1505)にそれぞれの電源(第1の電源1506、第2の電源1507)から交流電圧を印加することにより発光が得られている。
【0007】
また、無機発光素子は、その素子構成により分散型発光素子と薄膜型発光素子とに分類される。前者は、発光材料の粒子をバインダ中に分散させた発光層を有し、後者は、発光材料の薄膜からなる発光層を有している点に違いはあるが、高電界で加速された電子を必要とする点では共通である。なお、得られる発光のメカニズムとしては、ドナー準位とアクセプター準位を利用するドナー−アクセプター再結合型発光と、金属イオンの内殻電子遷移を利用する局在型発光とがある。
【0008】
しかし、無機発光素子は、有機発光素子に比べて材料面での信頼性に優れているものの、発光輝度等が十分に得られておらず様々な研究が進められている(例えば、特許文献1)。
【0009】
さらに、無機発光素子は、高い電界で加速された電子による発光中心材料への衝突励起によって発光が得られるという発光機構のために発光素子に数百Vの電圧を印加することが必要とされているが、ディスプレイパネル等に適用するためには駆動電圧を低減させ、輝度の高い発光素子を提供することが重要となっている。
【特許文献1】特開2001−250691号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明では無機化合物を用いた発光材料において、発光材料の結晶構造の観点から従来よりも高い発光輝度の得られる発光材料を提供することを目的とする。また、低電圧駆動が可能な発光素子を提供することを課題とする。また、消費電力の低減された発光装置および電子機器を提供することを課題とする。また、低コストで作製可能な発光装置及び電子機器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、主となる結晶構造が六方晶となることで発光効率の高い発光材料になることを特徴とする。また、該発光材料を用いて、輝度の高い発光素子、発光装置又は電子機器を作製することを特徴とする。
【0012】
本発明の発光材料は、母体材料と、発光中心となる不純物元素と、を含み、主となる結晶構造が六方晶となり、母体材料は、第2族と第16族の元素を含む化合物又は第12族と第16族の元素を含む化合物であり、不純物元素として、マンガン(Mn)、サマリウム(Sm)、テルビウム(Tb)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、ユーロピウム(Eu)、セリウム(Ce)、又はプラセオジウム(Pr)のうち、少なくとも1種を含むことを特徴とする。
【0013】
本発明の発光材料は、母体材料と、発光中心となる不純物元素と、第14族の元素と、を含み、主となる結晶構造が六方晶となり、母体材料は、第2族と第16族の元素を含む化合物又は第12族と第16族の元素を含む化合物であり、不純物元素として、マンガン(Mn)、サマリウム(Sm)、テルビウム(Tb)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、ユーロピウム(Eu)、セリウム(Ce)、又はプラセオジウム(Pr)のうち、少なくとも1種を含むことを特徴とする。
【0014】
本発明の発光材料において、第14族の元素は、炭素(C)、珪素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、錫(Sn)、又は鉛(Pb)であることを特徴とする。
【0015】
本発明の発光材料において、第2族と第16族の元素を含む化合物として、酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化バリウム(BaO)、硫化マグネシウム(MgS)、硫化カルシウム(CaS)、硫化ストロンチウム(SrS)、硫化バリウム(BaS)、セレン化マグネシウム(MgSe)、セレン化カルシウム(CaSe)、セレン化ストロンチウム(SrSe)、セレン化バリウム(BaSe)、テルル化マグネシウム(MgTe)、テルル化カルシウム(CaTe)、テルル化ストロンチウム(SrTe)、又はテルル化バリウム(BaTe)を含むことを特徴とする。
【0016】
本発明の発光材料において、第12族と第16族の元素を含む化合物として、酸化亜鉛(ZnO)、酸化カドミウム(CdO)、酸化水銀(HgO)、硫化亜鉛(ZnS)、硫化カドミウム(CdS)、硫化水銀(HgS)、セレン化亜鉛(ZnSe)、セレン化カドミウム(CdSe)、セレン化水銀(HgSe)、テルル化亜鉛(ZnTe)、テルル化カドミウム(CdTe)、又はテルル化水銀(HgTe)を含むことを特徴とする。
【0017】
本発明の発光素子は、第1の電極と第2の電極との間に、母体材料と発光中心となる不純物元素とを含む発光材料を有する発光層を有し、発光材料は、主となる結晶構造が六方晶となり、母体材料は、第2族と第16族の元素を含む化合物又は第12族と第16族の元素を含む化合物であり、不純物元素として、マンガン(Mn)、サマリウム(Sm)、テルビウム(Tb)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、ユーロピウム(Eu)、セリウム(Ce)、又はプラセオジウム(Pr)のうち、少なくとも1種を含むことを特徴とする。
【0018】
本発明の発光素子は、第1の電極と第2の電極との間に、母体材料と発光中心となる不純物元素と第14族の元素とを含む発光材料を有する発光層を有し、発光材料は、主となる結晶構造が六方晶となり、母体材料は、第2族と第16族の元素を含む化合物又は第12族と第16族の元素を含む化合物であり、不純物元素として、マンガン(Mn)、サマリウム(Sm)、テルビウム(Tb)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、ユーロピウム(Eu)、セリウム(Ce)、又はプラセオジウム(Pr)のうち、少なくとも1種を含むことを特徴とする。
【0019】
本発明の発光素子において、第14族の元素は、炭素(C)、珪素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、錫(Sn)、又は鉛(Pb)であることを特徴とする。
【0020】
本発明の発光素子において、第2族と第16族の元素を含む化合物として、酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化バリウム(BaO)、硫化マグネシウム(MgS)、硫化カルシウム(CaS)、硫化ストロンチウム(SrS)、硫化バリウム(BaS)、セレン化マグネシウム(MgSe)、セレン化カルシウム(CaSe)、セレン化ストロンチウム(SrSe)、セレン化バリウム(BaSe)、テルル化マグネシウム(MgTe)、テルル化カルシウム(CaTe)、テルル化ストロンチウム(SrTe)、又はテルル化バリウム(BaTe)を含むことを特徴とする。
【0021】
本発明の発光素子において、第12族と第16族の元素を含む化合物として、酸化亜鉛(ZnO)、酸化カドミウム(CdO)、酸化水銀(HgO)、硫化亜鉛(ZnS)、硫化カドミウム(CdS)、硫化水銀(HgS)、セレン化亜鉛(ZnSe)、セレン化カドミウム(CdSe)、セレン化水銀(HgSe)、テルル化亜鉛(ZnTe)、テルル化カドミウム(CdTe)、又はテルル化水銀(HgTe)を含むことを特徴とする。
【0022】
本発明の発光装置又は電子機器は、前記発光素子を有する。
【0023】
本発明の発光材料の作製方法は、母体材料と発光中心となる不純物元素とを焼成して、主となる結晶構造を六方晶とし、母体材料は、第2族と第16族の元素を含む化合物又は第12族と第16族の元素を含む化合物であり、不純物元素として、マンガン(Mn)、サマリウム(Sm)、テルビウム(Tb)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、ユーロピウム(Eu)、セリウム(Ce)、又はプラセオジウム(Pr)のうち、少なくとも1種を含むことを特徴とする。
【0024】
本発明の発光材料の作製方法は、母体材料と発光中心となる不純物元素と第14族の元素とを焼成して、主となる結晶構造を六方晶とし、母体材料は、第2族と第16族の元素を含む化合物又は第12族と第16族の元素を含む化合物であり、不純物元素として、マンガン(Mn)、サマリウム(Sm)、テルビウム(Tb)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、ユーロピウム(Eu)、セリウム(Ce)、又はプラセオジウム(Pr)のうち、少なくとも1種を含むことを特徴とする。
【0025】
本発明の発光材料の作製方法において、第14族の元素は、炭素(C)、珪素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、錫(Sn)、又は鉛(Pb)であることを特徴とする。
【0026】
本発明の発光材料の作製方法において、第2族と第16族の元素を含む化合物として、酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化バリウム(BaO)、硫化マグネシウム(MgS)、硫化カルシウム(CaS)、硫化ストロンチウム(SrS)、硫化バリウム(BaS)、セレン化マグネシウム(MgSe)、セレン化カルシウム(CaSe)、セレン化ストロンチウム(SrSe)、セレン化バリウム(BaSe)、テルル化マグネシウム(MgTe)、テルル化カルシウム(CaTe)、テルル化ストロンチウム(SrTe)、又はテルル化バリウム(BaTe)を含むことを特徴とする。
【0027】
本発明の発光材料の作製方法において、第12族と第16族の元素を含む化合物として、酸化亜鉛(ZnO)、酸化カドミウム(CdO)、酸化水銀(HgO)、硫化亜鉛(ZnS)、硫化カドミウム(CdS)、硫化水銀(HgS)、セレン化亜鉛(ZnSe)、セレン化カドミウム(CdSe)、セレン化水銀(HgSe)、テルル化亜鉛(ZnTe)、テルル化カドミウム(CdTe)、又はテルル化水銀(HgTe)を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
本発明では、母体材料と発光中心となる不純物元素とを用いて、主となる結晶構造が六方晶となる発光材料を作製することにより、従来よりも高い発光輝度を得ることができる。また、本発明の発光素子は主となる結晶構造が六方晶となる発光材料を有しているため発光効率が高く、駆動電圧が低いだけでなく劣化に強い発光素子を提供することができる。また、本発明の発光装置は、主となる結晶構造が六方晶となる発光材料を有する発光素子を有しているため、消費電力を低減することができる。また、高耐電圧の駆動回路が不要であるため、発光装置の作製コストを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下に、本発明の一態様について図面等を用いながら詳細に説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0030】
(実施の形態1)
本実施の形態では、輝度の高い発光素子を作製するための発光材料について説明する。なお、本実施の形態の発光材料は、母体材料と発光中心となる不純物元素とを有し、主となる結晶構造が六方晶となる材料である。
【0031】
無機発光素子では発光層の母体材料である硫化物などの無機材料と発光中心となる不純物元素の結晶構造によって、素子の発光効率が左右される。発光材料の結晶構造において、主となる結晶構造が六方晶となることにより、従来より高いPL発光輝度を得ることができ、発光効率を向上することができる。本実施の形態において、輝度の高い発光素子の発光材料として、六方晶の結晶構造を多く含む発光材料について説明する。
【0032】
主となる結晶構造が六方晶となる発光材料は、母体材料と発光中心となる不純物元素とを700〜1500℃で焼成させることにより作製することができる。例えば、母体材料として硫化亜鉛(ZnS)を用い、不純物元素としてマンガン(Mn)を用いた場合、母体材料であるZnSのZnの一部が発光中心であるMnと置換され、立方晶または六方晶の結晶構造を有する構造となる。その後、電気炉で700〜1500℃に加熱して反応させることにより、主に六方晶の結晶構造を有する材料へと変化させることができる。
【0033】
また、主となる結晶構造が六方晶となる発光材料として、母体材料と発光中心となる不純物元素にさらに周期表の第14族の元素を加えたものを用いてもよい。母体材料と発光中心となる不純物元素にさらに第14族の元素を添加することにより、発光材料中に含有する立方晶の結晶構造を六方晶の結晶構造に変換する反応を誘発することができ、さらに効率よく六方晶の結晶構造を有する材料を作製することができる。
【0034】
本実施の形態において、第14族の元素として、例えば、炭素(C)、珪素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、錫(Sn)、鉛(Pb)などを用いることができる。ただし、母体材料と不純物元素にさらに添加する材料は第14族の元素に限定されず、主となる結晶構造が六方晶となる材料であればよい。
【0035】
また、母体材料として周期表の第2族と第16族の元素の化合物や第12族と第16族の元素の化合物などを用いることができる。ただし、これに限定されるものではない。
【0036】
第2族と第16族の元素の化合物として、例えば、酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化バリウム(BaO)、硫化マグネシウム(MgS)、硫化カルシウム(CaS)、硫化ストロンチウム(SrS)、硫化バリウム(BaS)、セレン化マグネシウム(MgSe)、セレン化カルシウム(CaSe)、セレン化ストロンチウム(SrSe)、セレン化バリウム(BaSe)、テルル化マグネシウム(MgTe)、テルル化カルシウム(CaTe)、テルル化ストロンチウム(SrTe)、テルル化バリウム(BaTe)等が挙げられる。または、第2族元素と第16族元素のどちらか、または両方が2原子以上含まれたものでもよい。
【0037】
また、第12族と第16族の元素の化合物として、例えば、酸化亜鉛(ZnO)、酸化カドミウム(CdO)、酸化水銀(HgO)、硫化亜鉛(ZnS)、硫化カドミウム(CdS)、硫化水銀(HgS)、セレン化亜鉛(ZnSe)、セレン化カドミウム(CdSe)、セレン化水銀(HgSe)、テルル化亜鉛(ZnTe)、テルル化カドミウム(CdTe)、テルル化水銀(HgTe)等が挙げられる。また、第12族元素と第16族元素のどちらか、または両方が2原子以上含まれたものでもよい。
【0038】
また、発光中心となる不純物元素として、マンガン(Mn)、銅(Cu)、サマリウム(Sm)、テルビウム(Tb)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、ユーロピウム(Eu)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、銀(Ag)、鉛(Pb)などのうち少なくとも1種を含む。または、これらの不純物元素を含む無機化合物を用いることができる。これらの発光中心となる不純物元素の添加により、金属イオンの内殻電子遷移を利用した発光を得ることができる。なお、発光中心となる不純物元素の添加には、金属元素単体のみならず、電荷補償のため、フッ素(F)、塩素(Cl)などのハロゲン元素が添加されていてもよい。ただし、これに限定されるものではない。なお、好ましくは、発光中心となる不純物元素として、マンガン(Mn)、サマリウム(Sm)、テルビウム(Tb)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、ユーロピウム(Eu)、セリウム(Ce)、又はプラセオジウム(Pr)を用いることにより、主となる結晶構造が六方晶になり、より発光効率の良い発光材料を作製することができる。
【0039】
母体材料と発光中心となる不純物元素とを700〜1500℃で焼成させることで、主となる結晶構造が六方晶となり、十分に輝度の高い発光材料を得ることができる。また、母体材料と発光中心となる不純物元素にさらに第14族の元素を添加して、700〜1500℃で焼成することにより、主となる結晶構造が六方晶となる発光材料を効率よく作製することができ、輝度の高い発光材料を得ることができる。
【0040】
また、例えば、母体材料としてZnSを用いた場合、発光材料の材料の混合比を、ZnSを100mol%とした場合、MnまたはMnSを1〜10mol%、Siを1〜10mol%の割合でそれぞれ混合することにより、主となる結晶構造が六方晶となる発光材料を効率よく作製することができる。
【0041】
本実施の形態で示した発光材料を発光素子の発光層として用いることにより、輝度の高い発光素子を得ることができる。
【0042】
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1で示す材料を用いた発光素子について図1を用いて説明する。なお、本実施の形態では薄膜型発光素子について説明する。
【0043】
本実施の形態で示す発光素子は、図1に示すように基板100の上に、第1の電極101と第2の電極105を有し、第1の電極101と第2の電極105との間に、発光層103を有し、第1の電極101と発光層103との間に第1の誘電体層102を有し、発光層103と第2の電極105の間に第2の誘電体層104を有する構成とする。なお、発光素子の構成は図1に示すものに限らず、第1の誘電体層102又は第2の誘電体層104のいずれか一方だけを有する構成としてもよい。なお、本実施の形態では、第1の電極101は陽極として機能し、第2の電極105は陰極として機能するものとして以下説明をする。
【0044】
基板100は発光素子の支持体として用いられる。基板100としては、例えば、ガラス、石英又はプラスチックなどを用いることができる。なお、発光素子の作製工程において支持体として機能するものであれば、これら以外のものでも用いることができる。
【0045】
第1の電極101及び第2の電極105は、金属、合金、導電性化合物、及びこれらの混合物などを用いることができる。具体的には、導電性金属酸化物、例えば、インジウム錫酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)、珪素若しくは酸化珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ、酸化インジウム−酸化亜鉛(IZO:Indium Zinc Oxide)、酸化タングステンと酸化亜鉛を含む酸化インジウム(IWZO)等が挙げられる。
【0046】
これらの導電性金属酸化物の膜は、通常スパッタリングにより成膜される。例えば、酸化インジウム−酸化亜鉛(IZO)膜は、酸化インジウムに対し1〜20wt%の酸化亜鉛を加えたターゲットを用いたスパッタリングにより形成することができる。また、酸化タングステンと酸化亜鉛を含む酸化インジウム(IWZO)膜は、酸化インジウムに対し酸化タングステンを0.5〜5wt%、酸化亜鉛を0.1〜1wt%含有したターゲットを用いたスパッタリングにより形成することができる。この他、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、又は金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン:TiN)等を第1の電極101及び第2の電極105の材料として用いることができる。
【0047】
なお、第1の電極101または第2の電極105を、透光性を有する電極とする場合、可視光の透過率の低い材料であっても、1nm〜50nm、好ましくは5nm〜20nm程度の厚さで成膜することで、透光性の電極として用いることができる。なお、スパッタリング以外にも、真空蒸着、CDV、ゾル−ゲル法を用いて電極を作製することもできる。
【0048】
ただし、発光は、第1の電極101もしくは第2の電極105を通って外部に取り出されるため、第1の電極101および第2の電極105のうち、少なくとも一方は透光性を有する材料で形成されている必要がある。また、第2の電極105よりも第1の電極101の方が仕事関数が大きくなるように材料を選択することが好ましい。
【0049】
発光層103を構成する材料としては、実施の形態1で示した主となる結晶構造が六方晶である発光材料を用いることができる。
【0050】
また、第1の誘電体層102と第2の誘電体層104を構成する材料は、酸化物などの無機材料である。例えば、高い比誘電率を有するチタン酸バリウム(BaTiO)や五酸化タンタル(Ta)等を用いることができる。
【0051】
本発明に係る発光材料において、母体材料に不純物元素を添加した材料を用いる場合には、固相反応、すなわち、母体材料である硫化物と、不純物元素とを秤量し、乳鉢で混合、電気炉で加熱して反応させる方法により、硫化物に不純物元素を含有させる。焼成温度は、700〜1500℃が好ましい。700℃より温度が低すぎる場合は固相反応が進まず、1500℃より温度が高すぎる場合は硫化物が分解してしまうからである。なお、粉末状態で焼成を行ってもよいが、ペレット状態で焼成を行うことが好ましい。
【0052】
また、本発明に係る発光材料において、固相反応を利用する場合の不純物元素としては、発光中心となる不純物元素を含む化合物をもちいてもよい。この場合、不純物元素が拡散されやすく、固相反応が進みやすくなるため、均一な発光中心を含む発光材料を得ることができる。さらに、発光材料中に余分な不純物元素が入らないため、純度の高い発光材料が得ることができる。発光中心となる不純物元素を含む化合物として、例えば、フッ化銅(CuF)、塩化銅(CuCl)、ヨウ化銅(CuI)、臭化銅(CuBr)、窒化銅(CuN)、リン化銅(CuP)、フッ化銀(AgF)、塩化銀(AgCl)、ヨウ化銀(AgI)、臭化銀(AgBr)、塩化金(AuCl)、臭化金(AuBr)等を用いることができる。
【0053】
発光層103、第1の誘電体層102及び第2の誘電体層104を形成する方法としては、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着(EB蒸着)等の真空蒸着法、スパッタリング等の物理気相成長法(PVD)、有機金属CVD法、ハイドライド輸送減圧CVD法等の化学気相成長法(CVD)、または、原子層エピタキシ法(ALE)等を用いることができる。また、インクジェット法、スピンコート法等を用いることができる。発光層103、第1の誘電体層102及び第2の誘電体層104の膜厚は特に限定されることはないが、好ましくは、10〜1000nmの範囲である。
【0054】
本発明の発光素子は、直流駆動または交流駆動のいずれにおいても低駆動電圧で動作可能な発光素子を得ることができる。また、低駆動電圧で発光可能なため、消費電力も低減された発光素子を得ることができる。
【0055】
本実施の形態において、発光層に六方晶の結晶構造を有する発光材料を用いるため、輝度の高い発光素子を得ることができる。
【0056】
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態1で示す材料を用いた分散型発光素子の構成について説明する。
【0057】
分散型発光素子の場合、粒子状の発光材料をバインダ中に分散させ膜状の発光層を形成する。発光材料の作製方法によって、十分に所望の大きさの粒子が得られない場合は、乳鉢等で粉砕などによって粒子状に加工すればよい。バインダとは、粒状の発光材料を分散した状態で固定し、発光層としての形状に保持するための物質である。発光材料は、バインダによって発光層中に均一に分散し固定される。
【0058】
分散型発光素子の場合、発光層の形成方法は、選択的に発光層を形成できる液滴吐出法や、印刷法(スクリーン印刷やオフセット印刷など)、スピンコート法などの塗布法、ディッピング法、ディスペンサ法などを用いることもできる。膜厚は特に限定されることはないが、好ましくは、10〜1000nmの範囲である。また、発光材料及びバインダを含む発光層において、発光材料の割合は50wt%以上80wt%以下とするよい。
【0059】
図2(A)乃至(C)に本発明の発光素子として用いることのできる分散型発光素子の一例を示す。図2(A)における発光素子は、第1の電極60、発光層62、第2の電極63の積層構造を有し、発光層62中にバインダによって保持された発光材料61を含む。なお、本実施の形態において、発光材料61として実施の形態1に示した材料と同様のものを用いることができる。
【0060】
本実施の形態の分散型発光素子に用いることのできるバインダとしては、有機材料または無機材料を用いることができ、有機材料及び無機材料の混合材料を用いてもよい。有機材料としては、シアノエチルセルロース系樹脂のように、比較的誘電率の高いポリマーや、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン系樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フッ化ビニリデンなどの樹脂を用いることができる。また、芳香族ポリアミド、ポリベンゾイミダゾール(polybenzimidazole)などの耐熱性高分子、又はシロキサン樹脂を用いてもよい。なお、シロキサン樹脂とは、Si−O−Si結合を含む樹脂に相当する。シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される。また、置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。または、置換基として、フルオロ基を用いてもよい。または置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。また、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラールなどのビニル樹脂、フェノール樹脂、ノボラック樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂を有機材料として用いてもよい。また、オキサゾール樹脂を用いることもでき、例えば光硬化型ポリベンゾオキサゾール樹脂などを用いることができる。これらの樹脂に、チタン酸バリウム(BaTiO)やチタン酸ストロンチウム(SrTiO)などの高誘電率の微粒子を適度に混合して誘電率を調整することもできる。
【0061】
バインダに含まれる無機材料としては、酸化珪素(SiO)、窒化珪素(SiN)、酸素及び窒素を含む珪素、窒化アルミニウム(AlN)、酸素及び窒素を含むアルミニウムまたは酸化アルミニウム(Al)、酸化チタン(TiO)、BaTiO、SrTiO、チタン酸鉛(PbTiO)、ニオブ酸カリウム(KNbO)、ニオブ酸鉛(PbNbO)、酸化タンタル(Ta)、タンタル酸バリウム(BaTa)、タンタル酸リチウム(LiTaO)、酸化イットリウム(Y)、酸化ジルコニウム(ZrO)、ZnSその他の無機材料を含む物質から選ばれた材料を用いることができる。有機材料に、誘電率の高い無機材料を含ませる(添加等によって)ことによって、発光材料及びバインダよりなる発光層の誘電率をより制御することができ、より誘電率を大きくすることができる。
【0062】
本実施の形態の分散型発光素子の作製工程において、発光材料はバインダを含む溶液中に分散されるが本実施の形態に用いることのできるバインダを含む溶液の溶媒としては、バインダ材料が溶解し、発光層を形成する方法(各種ウエットプロセス)及び所望の膜厚に適した粘度の溶液を作製できるような溶媒を適宜選択すればよい。有機溶媒等を用いることができ、例えばバインダとしてシロキサン樹脂を用いる場合は、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEAともいう)、3−メトシキ−3メチル−1−ブタノール(MMBともいう)などを用いることができる。
【0063】
図2(B)及び図2(C)に示す発光素子は、図2(A)の発光素子において、電極と発光層間に誘電体層を設ける構造である。図2(B)に示す発光素子は、第1の電極60と発光層62との間に誘電体層64を有し、図2(C)に示す発光素子は、第1の電極60と発光層62との間に誘電体層64a、第2の電極63と発光層62との間に誘電体層64bとを有している。このように誘電体層は発光層を挟持する一対の電極のうち一方の間にのみ設けてもよいし、両方の間に設けてもよい。また誘電体層は単層でもよいし複数層からなる積層でもよい。
【0064】
また、図2(B)では第1の電極60に接するように誘電体層64が設けられているが、誘電体層と発光層の順番を逆にして、第2の電極63に接するように誘電体層64を設けてもよい。
【0065】
図2における誘電体層64のような誘電体層は、特に限定されることはないが、絶縁耐圧が高く、緻密な膜質であることが好ましく、さらには、誘電率が高いことが好ましい。例えば、酸化シリコン(SiO)、酸化イットリウム(Y)、酸化チタン(TiO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化ハフニウム(HfO)、酸化タンタル(Ta)、チタン酸バリウム(BaTiO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、チタン酸鉛(PbTiO)、窒化シリコン(Si)、酸化ジルコニウム(ZrO)等やこれらの混合膜又は2種以上の積層膜を誘電体層として用いることができる。これらを用いた誘電体層は、スパッタリング、蒸着、CVD等により成膜することができる。また、誘電体層はこれら絶縁材料の粒子をバインダ中に分散して成膜してもよい。バインダは、発光層に含まれるバインダと同様な材料、方法を用いて形成すればよい。また、誘電体層の膜厚は特に限定されることはないが、好ましくは10〜1000nmの範囲である。
【0066】
本実施の形態で示す発光素子は、発光層を挟持する一対の電極間に電圧を印加することで発光が得られるが、直流駆動又は交流駆動のいずれにおいても動作することができる。
【0067】
本実施の形態において、発光材料として六方晶の結晶構造を有する材料を用いるため、輝度の高い発光素子を得ることができる。
【0068】
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の発光素子を有する発光装置について図3を用いて説明する。
【0069】
本実施の形態で示す発光装置は、トランジスタ等の駆動用の素子を特に設けずに発光素子を駆動させるパッシブ型の発光装置である。図3には本発明を適用して作製したパッシブ型の発光装置の斜視図を示す。
【0070】
図3において、基板951上には、電極952と電極956が設けられており、電極952と電極956との間には層955が設けられている。なお、層955は実施の形態1で示した主となる結晶構造が六方晶である発光材料を用いた発光層を含んでいる。
【0071】
電極952の側端部は絶縁層953で覆われている。そして、絶縁層953上には隔壁層954が設けられている。隔壁層954の側壁は、基板面に近くなるに伴って、一方の側壁と他方の側壁との間隔が狭くなっていくような傾斜を有する。つまり、隔壁層954の短辺方向の断面は、台形状であり、底辺(絶縁層953の面方向と同様の方向を向き、絶縁層953と接する辺)の方が上辺(絶縁層953の面方向と同様の方向を向き、絶縁層953と接しない辺)よりも短い。このように、隔壁層954を設けることで、静電気等に起因した発光素子の不良を防ぐことが出来る。また、パッシブ型の発光装置においても、低駆動電圧で動作する本発明の発光素子を含むことによって、低消費電力で駆動させることができる。
【0072】
また、本発明の発光装置は、高耐電圧の駆動回路が不要であるため、発光装置の作製コストを低減することができる。また、発光装置の軽量化、駆動回路部分の小型化が可能である。
【0073】
また、本実施の形態では、発光層に六方晶の結晶構造を有する発光材料を用いるため、輝度の高い発光装置を得ることができる。
【0074】
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の発光素子を有する発光装置について説明する。
【0075】
本実施の形態では、トランジスタによって発光素子の駆動を制御するアクティブ型の発光装置について説明する。具体的には、画素部に本発明の発光素子を有する発光装置について図4を用いて説明する。なお、図4(A)は、発光装置を示す上面図、図4(B)は図4(A)をA−A’およびB−B’で切断した断面図である。図4(A)において点線で示された601は駆動回路部(ソース側駆動回路)、602は画素部、603は駆動回路部(ゲート側駆動回路)である。また、604は封止基板、605はシール材であり、シール材605で囲まれた内側は、空間607になっている。
【0076】
なお、図4(B)の引き回し配線608はソース側駆動回路601及びゲート側駆動回路603に入力される信号を伝送するための配線であり、外部入力端子となるFPC(フレキシブルプリントサーキット)609からビデオ信号、クロック信号、スタート信号、リセット信号等を受け取る。なお、ここではFPCしか図示されていないが、このFPCにはプリント配線基盤(PWB)が取り付けられていても良い。本明細書における発光装置には、発光装置本体だけでなく、それにFPCもしくはPWBが取り付けられた状態をも含むものとする。
【0077】
次に、断面構造について図4(B)を用いて説明する。素子基板610上には駆動回路部及び画素部が形成されているが、ここでは、駆動回路部であるソース側駆動回路601と、画素部602中の一つの画素が示されている。
【0078】
なお、ソース側駆動回路601はnチャネル型TFT623とpチャネル型TFT624とを組み合わせたCMOS回路が形成される。また、駆動回路を形成するTFTは、公知のCMOS回路、PMOS回路もしくはNMOS回路で形成しても良い。また、本実施の形態では、画素部と同一の基板上に駆動回路を形成したドライバ一体型を示すが、必ずしもその必要はなく、駆動回路を基板上ではなく外部に形成することもできる。
【0079】
また、画素部602はスイッチング用TFT611と、電流制御用TFT612とそのドレインに電気的に接続された第1の電極613とを含む複数の画素により形成される。なお、第1の電極613の端部を覆って絶縁膜614が形成されている。ここでは、ポジ型の感光性アクリル樹脂膜を用いることにより絶縁膜614を形成する。
【0080】
また、被覆性を良好なものとするため、絶縁膜614の上端部または下端部に曲率を有する曲面が形成されるようにする。例えば、絶縁膜614の材料としてポジ型の感光性アクリルを用いた場合、絶縁膜614の上端部のみに曲率半径(0.2μm〜3μm)を有する曲面を持たせることが好ましい。また、絶縁膜614として、光の照射によってエッチャントに不溶解性となるネガ型フォトレジスト、或いは光の照射によってエッチャントに溶解性となるポジ型フォトレジストのいずれも使用することができる。
【0081】
第1の電極613上には、実施の形態1に示す発光材料を含む層616、および第2の電極617がそれぞれ形成されている。第1の電極613および第2の電極617の少なくとも一方は透光性を有しており、発光材料を含む層616からの発光を外部へ取り出すことが可能である。
【0082】
なお、第1の電極613、発光材料を含む層616、第2の電極617の形成方法としては、種々の方法を用いることができる。具体的には、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着(EB蒸着)法等の真空蒸着法、スパッタリング法等の物理気相成長法(PVD)、有機金属CVD法、ハイドライド輸送減圧CVD法等の化学気相成長法(CVD)、原子層エピタキシ法(ALE)等を用いることができる。また、インクジェット法、スピンコート法等を用いることができる。また、各電極または各層ごとに異なる成膜方法を用いて形成しても構わない。
【0083】
さらにシール材605で封止基板604を素子基板610と貼り合わせることにより、素子基板610、封止基板604、およびシール材605で囲まれた空間607に発光素子618が備えられた構造になっている。なお、空間607には、充填材が充填されており、不活性気体(窒素やアルゴン等)が充填される場合の他、シール材605で充填される場合もある。
【0084】
なお、シール材605にはエポキシ系樹脂を用いるのが好ましい。また、シール材及び充填材はできるだけ水分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。また、封止基板604に用いる材料としてガラス基板や石英基板の他、FRP(Fiberglass−Reinforced Plastics)、PVF(ポリビニルフロライド)、ポリエステルフィルム、ポリエステルまたはアクリル等からなるプラスチック基板を用いることができる。
【0085】
以上のようにして、本発明の発光素子を有する発光装置を得ることができる。
【0086】
本発明の発光装置は、実施の形態1で示したような主となる結晶構造が六方晶となる発光材料を有する発光素子を有するため、低駆動電圧で動作が可能である。また、高い発光効率を実現することができる。よって、消費電力を低減された輝度の高い発光装置を得ることができる。
【0087】
また、本発明の発光装置は、高耐電圧の駆動回路が不要であるため、発光装置の作製コストを低減することができる。また、発光装置の軽量化、駆動回路部分の小型化が可能である。
【0088】
(実施の形態6)
本実施の形態では、実施の形態5に示す発光装置をその一部に含む本発明の電子機器について説明する。本発明の電子機器は、実施の形態1で示した発光材料を用いた発光素子を有する。よって、駆動電圧が低減され、輝度の高い発光素子を有するため、消費電力の低減された輝度の高い電子機器を提供することが可能である。
【0089】
本発明の発光装置を用いて作製された電子機器として、ビデオカメラ、デジタルカメラ等のカメラ、ゴーグル型ディスプレイ、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、コンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうる表示装置を備えた装置)などが挙げられる。これらの電子機器の具体例を図5に示す。
【0090】
図5(A)は本発明に係るテレビ装置であり、筐体9101、支持台9102、表示部9103、スピーカー部9104、ビデオ入力端子9105等を含む。このテレビ装置において、表示部9103は、実施の形態1で示した発光材料を用いた発光素子をマトリクス状に配列して構成されている。当該発光素子は、発光効率が高く、駆動電圧が低いという特徴を有している。また、外部からの衝撃等による短絡を防止することも可能である。その発光素子で構成される表示部9103も同様の特徴を有するため、このテレビ装置は画質の劣化がなく、低消費電力化が図られている。このような特徴により、テレビ装置において、電源回路を大幅に削減、若しくは縮小することができるので、筐体9101や支持台9102の小型軽量化を図ることが可能である。本発明に係るテレビ装置は、低消費電力、高画質及び小型軽量化が図られているので、それにより住環境に適合した製品を提供することができる。
【0091】
図5(B)は本発明に係るコンピュータであり、本体9201、筐体9202、表示部9203、キーボード9204、外部接続ポート9205、ポインティングデバイス9206等を含む。このコンピュータにおいて、表示部9203は、実施の形態1で示した発光材料を用いた発光素子をマトリクス状に配列して構成されている。当該発光素子は、発光効率が高く、駆動電圧が低いという特徴を有している。また、外部からの衝撃等による短絡を防止することも可能である。その発光素子で構成される表示部9203も同様の特徴を有するため、このコンピュータは画質の劣化がなく、低消費電力化が図られている。このような特徴により、コンピュータにおいて、電源回路を大幅に削減、若しくは縮小することができるので、本体9201や筐体9202の小型軽量化を図ることが可能である。本発明に係るコンピュータは、低消費電力、高画質及び小型軽量化が図られているので、住環境に適合した製品を提供することができる。また、持ち運ぶことも可能となり、持ち運ぶときの衝撃にも強い表示部を有しているコンピュータを提供することができる。
【0092】
図5(C)は本発明に係る携帯電話であり、本体9401、筐体9402、表示部9403、音声入力部9404、音声出力部9405、操作キー9406、外部接続ポート9407、アンテナ9408等を含む。この携帯電話において、表示部9403は、実施の形態1で示した発光材料を用いた発光素子をマトリクス状に配列して構成されている。当該発光素子は、発光効率が高く、駆動電圧が低いという特徴を有している。また、外部からの衝撃等による短絡を防止することも可能である。その発光素子で構成される表示部9403も同様の特徴を有するため、この携帯電話は画質の劣化がなく、低消費電力化が図られている。このような特徴により、携帯電話において、電源回路を大幅に削減、若しくは縮小することができるので、本体9401や筐体9402の小型軽量化を図ることが可能である。本発明に係る携帯電話は、低消費電力、高画質及び小型軽量化が図られているので、携帯に適した製品を提供することができる。また、携帯したときの衝撃にも強い表示部を有している製品を提供することができる。
【0093】
図5(D)は本発明の係るカメラであり、本体9501、表示部9502、筐体9503、外部接続ポート9504、リモコン受信部9505、受像部9506、バッテリー9507、音声入力部9508、操作キー9509、接眼部9510等を含む。このカメラにおいて、表示部9502は、実施の形態1で示した発光材料を用いた発光素子をマトリクス状に配列して構成されている。当該発光素子は、発光効率が高く、駆動電圧が低く、外部からの衝撃等による短絡を防止することができるという特徴を有している。その発光素子で構成される表示部9502も同様の特徴を有するため、このカメラは画質の劣化がなく、低消費電力化が図られている。このような特徴により、カメラにおいて、電源回路を大幅に削減、若しくは縮小することができるので、本体9501の小型軽量化を図ることが可能である。本発明に係るカメラは、低消費電力、高画質及び小型軽量化が図られているので、携帯に適した製品を提供することができる。また、携帯したときの衝撃にも強い表示部を有している製品を提供することができる。
【0094】
以上の様に、本発明の発光装置の適用範囲は極めて広く、この発光装置をあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。本発明の発光装置を用いることにより、低消費電力で輝度が高く、信頼性の高い表示部を有する電子機器を提供することが可能となる。
【0095】
また、本発明の発光装置は、発光効率の高い発光素子を有しており、照明装置として用いることもできる。本発明の発光素子を照明装置として用いる一態様を、図6を用いて説明する。
【0096】
図6は、本発明の発光装置をバックライトとして用いた液晶表示装置の一例である。図6に示した液晶表示装置は、筐体501、液晶層502、バックライト503、筐体504を有し、液晶層502は、ドライバIC505と接続されている。また、バックライト503は、本発明の発光装置が用いられおり、端子506により、電流が供給されている。
【0097】
本発明の発光装置を液晶表示装置のバックライトとして用いることにより、消費電力の低減された輝度の高いバックライトが得られる。また、本発明の発光装置は、面発光の照明装置であり大面積化も可能であるため、バックライトの大面積化が可能であり、液晶表示装置の大面積化も可能になる。さらに、発光装置は薄型で低消費電力であるため、表示装置の薄型化、低消費電力化も可能となる。
【実施例1】
【0098】
本実施例では、発光材料としてZnSとMnとの混合材料、ZnSとMnSとの混合材料、ZnSとMnSとSiとの混合材料を用いた場合の結晶構造の違いについて説明する。なお、本実施例において、ZnSとMnとの混合材料をZnS:Mn、ZnSとMnSとの混合材料をZnS:MnS、ZnSとMnSとSiとの混合材料をZnS:MnS:Siという。
【0099】
まず、発光材料の母体材料であるZnSと発光中心であるMnとを、窒素雰囲気下でメノウ乳鉢ですりつぶして混合し、ZnSにMnを分散させた。また、発光材料の母体材料であるZnSと発光中心であるMnSとを窒素雰囲気下でメノウ乳鉢ですりつぶして混合し、ZnSにMnSを分散させた。また、発光材料の母体材料であるZnSに発光中心であるMnSと更にSiとを加えて、窒素雰囲気下でメノウ乳鉢ですりつぶして混合し、ZnSにMnSを分散させた。その後、それぞれの材料を坩堝に入れ電気炉を窒素置換し、予熱として150度で1時間、その後1000度で4時間焼成を行なった。焼成終了後、放冷し取り出す事により、ZnS:Mn、ZnS:MnS、ZnS:MnS:Siを作製した。
【0100】
なお、発光材料の材料の混合比はZnS:Mnの場合、ZnS 5gに対し、Mnは84.5mg使用した。なお、この混合比において、ZnSを100mol%とすると、Mnは約3mol%となる。また、ZnS:MnSの場合、ZnS 5gに対し、MnSは134mgを使用した。なお、この混合比において、ZnSを100mol%とすると、MnSは約3mol%となる。また、ZnS:MnS:Siの場合、ZnS 5gに対し、MnSは134mg、Siは14.5mgを使用した。なお、この混合比において、ZnSを100mol%とすると、MnSは約3mol%、Siは約1mol%となる。
【0101】
この発光材料をX線回折法(XRD)で測定した。ZnS:MnのXRD分析の測定結果を図7、ZnS:MnSの結果を図8、ZnS:MnS:Siの結果を図9に示す。図7、図8、及び図9において、縦軸は回折強度(任意単位)、横軸はX線の回折角度を示す。また、図中のWurtzite.syn−ZnSは六方晶のZnSのピークパターンを、Sphalerite.syn−ZnSは立方晶のZnSのピークパターンを示している。
【0102】
図7〜図9より、ZnS:Mn、ZnS:MnS、ZnS:MnS:Siの順に六方晶のピーク強度が高くなり、立方晶のピーク強度が小さくなっていることが分かる。従って、ZnS:MnS:Siの結晶構造は、ZnS:Mnの結晶構造に比べて六方晶の割合が高いといえる。また、焼成後の発光材料のphotoluminescence(PL)強度測定を行ったところ、PL強度はZnS:Mn<ZnS:MnS<ZnS:MnS:Siであり、ZnS:MnS:Siは、高いPL強度が得られた。このことからこの発光材料では結晶構造が六方晶となる方が高い発光輝度の得られる発光材料を得る事が出来ると言える。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】本発明の発光素子を説明する図。
【図2】本発明の発光素子を説明する図。
【図3】本発明の発光装置を説明する図。
【図4】本発明の発光装置を説明する図。
【図5】本発明の電子機器を説明する図。
【図6】本発明の電子機器を説明する図。
【図7】ZnS:MnのXRD分析結果。
【図8】ZnS:MnSのXRD分析結果。
【図9】ZnS:MnS:SiのXRD分析結果。
【図10】従来の発光素子を説明する図。
【符号の説明】
【0104】
60 第1の電極
61 発光材料
62 発光層
63 第2の電極
64 誘電体層
64a 誘電体層
64b 誘電体層
100 基板
101 第1の電極
102 第1の誘電体層
103 発光層
104 第2の誘電体層
105 第2の電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
母体材料と、発光中心となる不純物元素と、を含み、
主となる結晶構造が六方晶となり、
前記母体材料は、第2族と第16族の元素を含む化合物又は第12族と第16族の元素を含む化合物であり、
前記不純物元素として、マンガン(Mn)、サマリウム(Sm)、テルビウム(Tb)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、ユーロピウム(Eu)、セリウム(Ce)、又はプラセオジウム(Pr)のうち、少なくとも1種を含むことを特徴とする発光材料。
【請求項2】
母体材料と、発光中心となる不純物元素と、第14族の元素と、を含み、
主となる結晶構造が六方晶となり、
前記母体材料は、第2族と第16族の元素を含む化合物又は第12族と第16族の元素を含む化合物であり、
前記不純物元素として、マンガン(Mn)、サマリウム(Sm)、テルビウム(Tb)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、ユーロピウム(Eu)、セリウム(Ce)、又はプラセオジウム(Pr)のうち、少なくとも1種を含むことを特徴とする発光材料。
【請求項3】
請求項2において、
前記第14族の元素は、炭素(C)、珪素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、錫(Sn)、又は鉛(Pd)であることを特徴とする発光材料。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、
前記第2族と第16族の元素を含む化合物として、
酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化バリウム(BaO)、硫化マグネシウム(MgS)、硫化カルシウム(CaS)、硫化ストロンチウム(SrS)、硫化バリウム(BaS)、セレン化マグネシウム(MgSe)、セレン化カルシウム(CaSe)、セレン化ストロンチウム(SrSe)、セレン化バリウム(BaSe)、テルル化マグネシウム(MgTe)、テルル化カルシウム(CaTe)、テルル化ストロンチウム(SrTe)、又はテルル化バリウム(BaTe)を含むことを特徴とする発光材料。
【請求項5】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、
前記第12族と第16族の元素を含む化合物として、
酸化亜鉛(ZnO)、酸化カドミウム(CdO)、酸化水銀(HgO)、硫化亜鉛(ZnS)、硫化カドミウム(CdS)、硫化水銀(HgS)、セレン化亜鉛(ZnSe)、セレン化カドミウム(CdSe)、セレン化水銀(HgSe)、テルル化亜鉛(ZnTe)、テルル化カドミウム(CdTe)、又はテルル化水銀(HgTe)を含むことを特徴とする発光材料。
【請求項6】
第1の電極と第2の電極との間に、母体材料と発光中心となる不純物元素とを含む発光材料を有する発光層を有し、
前記発光材料は、主となる結晶構造が六方晶となり、
前記母体材料は、第2族と第16族の元素を含む化合物又は第12族と第16族の元素を含む化合物であり、
前記不純物元素として、マンガン(Mn)、サマリウム(Sm)、テルビウム(Tb)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、ユーロピウム(Eu)、セリウム(Ce)、又はプラセオジウム(Pr)のうち、少なくとも1種を含むことを特徴とする発光素子。
【請求項7】
第1の電極と第2の電極との間に、母体材料と発光中心となる不純物元素と第14族の元素とを含む発光材料を有する発光層を有し、
前記発光材料は、主となる結晶構造が六方晶となり、
前記母体材料は、第2族と第16族の元素を含む化合物又は第12族と第16族の元素を含む化合物であり、
前記不純物元素として、マンガン(Mn)、サマリウム(Sm)、テルビウム(Tb)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、ユーロピウム(Eu)、セリウム(Ce)、又はプラセオジウム(Pr)のうち、少なくとも1種を含むことを特徴とする発光素子。
【請求項8】
請求項7において、
前記第14族の元素は、炭素(C)、珪素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、錫(Sn)、又は鉛(Pd)であることを特徴とする発光素子。
【請求項9】
請求項6乃至請求項8のいずれか一項において、
前記第2族と第16族の元素を含む化合物として、
酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化バリウム(BaO)、硫化マグネシウム(MgS)、硫化カルシウム(CaS)、硫化ストロンチウム(SrS)、硫化バリウム(BaS)、セレン化マグネシウム(MgSe)、セレン化カルシウム(CaSe)、セレン化ストロンチウム(SrSe)、セレン化バリウム(BaSe)、テルル化マグネシウム(MgTe)、テルル化カルシウム(CaTe)、テルル化ストロンチウム(SrTe)、又はテルル化バリウム(BaTe)を含むことを特徴とする発光素子。
【請求項10】
請求項6乃至請求項8のいずれか一項において、
前記第12族と第16族の元素を含む化合物として、
酸化亜鉛(ZnO)、酸化カドミウム(CdO)、酸化水銀(HgO)、硫化亜鉛(ZnS)、硫化カドミウム(CdS)、硫化水銀(HgS)、セレン化亜鉛(ZnSe)、セレン化カドミウム(CdSe)、セレン化水銀(HgSe)、テルル化亜鉛(ZnTe)、テルル化カドミウム(CdTe)、又はテルル化水銀(HgTe)を含むことを特徴とする発光素子。
【請求項11】
請求項6乃至請求項10のいずれか一項に記載の前記発光素子を有する発光装置。
【請求項12】
請求項6乃至請求項10のいずれか一項に記載の前記発光素子を有する電子機器。
【請求項13】
母体材料と発光中心となる不純物元素とを焼成して、主となる結晶構造を六方晶とし、
前記母体材料は、第2族と第16族の元素を含む化合物又は第12族と第16族の元素を含む化合物であり、
前記不純物元素として、マンガン(Mn)、サマリウム(Sm)、テルビウム(Tb)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、ユーロピウム(Eu)、セリウム(Ce)、又はプラセオジウム(Pr)のうち、少なくとも1種を含むことを特徴とする発光材料の作製方法。
【請求項14】
母体材料と発光中心となる不純物元素と第14族の元素とを焼成して、主となる結晶構造を六方晶とし、
前記母体材料は、第2族と第16族の元素を含む化合物又は第12族と第16族の元素を含む化合物であり、
前記不純物元素として、マンガン(Mn)、サマリウム(Sm)、テルビウム(Tb)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、ユーロピウム(Eu)、セリウム(Ce)、又はプラセオジウム(Pr)のうち、少なくとも1種を含むことを特徴とする発光材料の作製方法。
【請求項15】
請求項14において、
前記第14族の元素は、炭素(C)、珪素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、錫(Sn)、又は鉛(Pd)であることを特徴とする発光材料の作製方法。
【請求項16】
請求項13乃至請求項15のいずれか一項において、
前記第2族と第16族の元素を含む化合物として、
酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化バリウム(BaO)、硫化マグネシウム(MgS)、硫化カルシウム(CaS)、硫化ストロンチウム(SrS)、硫化バリウム(BaS)、セレン化マグネシウム(MgSe)、セレン化カルシウム(CaSe)、セレン化ストロンチウム(SrSe)、セレン化バリウム(BaSe)、テルル化マグネシウム(MgTe)、テルル化カルシウム(CaTe)、テルル化ストロンチウム(SrTe)、又はテルル化バリウム(BaTe)を含むことを特徴とする発光材料の作製方法。
【請求項17】
請求項13乃至請求項15のいずれか一項において、
前記第12族と第16族の元素を含む化合物として、
酸化亜鉛(ZnO)、酸化カドミウム(CdO)、酸化水銀(HgO)、硫化亜鉛(ZnS)、硫化カドミウム(CdS)、硫化水銀(HgS)、セレン化亜鉛(ZnSe)、セレン化カドミウム(CdSe)、セレン化水銀(HgSe)、テルル化亜鉛(ZnTe)、テルル化カドミウム(CdTe)、又はテルル化水銀(HgTe)を含むことを特徴とする発光材料の作製方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−262391(P2007−262391A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−45907(P2007−45907)
【出願日】平成19年2月26日(2007.2.26)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】