発光装置、発光装置の製造方法、及び電子機器
【課題】高精細化に対応でき、組立後の光学調整を不要にすることが可能な発光装置、発光装置の製造方法、及び電子機器を提供する。
【解決手段】第1発光素子が設けられた第1ベース基板31と、平面的に第1発光素子と重ならないように第2発光素子が設けられた第2ベース基板32と、第1ベース基板31と第2ベース基板32との間に配置され、第1発光素子の光を透過する第1マイクロレンズ41が設けられた第3ベース基板32aと、第2ベース基板32上に配置され、第2発光素子の光を透過する第2マイクロレンズ42が設けられた第1レンズ基板33と、第1レンズ基板33上に配置され、第1発光素子及び第2発光素子の光を透過する第3マイクロレンズ43が設けられた第2レンズ基板34と、を有し、各基板は、それぞれ所定の距離をおいて積層配置されていると共に、支柱51,52に支持及び固定されている。
【解決手段】第1発光素子が設けられた第1ベース基板31と、平面的に第1発光素子と重ならないように第2発光素子が設けられた第2ベース基板32と、第1ベース基板31と第2ベース基板32との間に配置され、第1発光素子の光を透過する第1マイクロレンズ41が設けられた第3ベース基板32aと、第2ベース基板32上に配置され、第2発光素子の光を透過する第2マイクロレンズ42が設けられた第1レンズ基板33と、第1レンズ基板33上に配置され、第1発光素子及び第2発光素子の光を透過する第3マイクロレンズ43が設けられた第2レンズ基板34と、を有し、各基板は、それぞれ所定の距離をおいて積層配置されていると共に、支柱51,52に支持及び固定されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置、発光装置の製造方法、及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
上記発光装置として、例えば、ラインプリンター等のプリンターヘッドの光源として用いられている有機EL(Electro Luminescence)装置がある。この有機EL装置は、例えば、所望の方向に並べられた複数の発光素子が1枚の基板に設けられ、更に、この基板が直線状に複数並べられて構成されている。
【0003】
しかし、基板を高い位置精度で直線状に並べることが難しく、発光素子間の距離にばらつきが生じる、また発光素子と発光素子との間の距離が縮まらない(高精細にならない)という問題がある。更に、発光素子とMLA(マイクロレンズアレイ)との配置関係が調整しにくいという問題がある。
【0004】
そこで、ラインプリンターの画質を高精細にするために、ラインプリンターにおける感光体ドラムの主走査方向に相当する方向に基板を交互にずらして配置し(例えば、千鳥状に配置)、主走査方向から見て発光素子と発光素子との間の距離が狭くなるようにしたり、特許文献1に記載のように、感光体ドラムの表面のスポットを良好に形成するために自由曲面形状を有するレンズを用いて焦点距離の範囲を長くとれるようにしたりして対応している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−202579号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、焦点距離の範囲(焦点深度)が長くとれるものの、発光素子とMLAとの平面的な位置調整が難しいという課題がある。また、発光素子を千鳥状に配置すると、露光タイミングの補正が複雑になるという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0008】
[適用例1]本適用例に係る発光装置は、第1間隔ごとに第1発光素子が設けられた第1基板と、前記第1間隔ごとに設けられると共に、平面的に前記第1発光素子と重ならないように第2発光素子が設けられた第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に配置され、前記第1発光素子の光を透過する第1マイクロレンズが設けられた第3基板と、前記第2基板上に配置され、前記第2発光素子の光を透過する第2マイクロレンズが設けられた第4基板と、前記第4基板上に配置され、前記第1発光素子及び前記第2発光素子の光を透過する第3マイクロレンズが設けられた第5基板と、を有し、前記各基板は、それぞれ所定の距離をおいて積層配置されていると共に、支柱に支持及び固定されていることを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、支柱を用いて各基板が所定の間隔をあけて積層及び支持固定されているので、支柱に各基板を組み合わせるだけで、比較的容易に発光素子とマイクロレンズとの平面的な位置、及び各基板間を所定の間隔にあけて配置することができる。また、第1発光素子と第2発光素子とが異なる基板に設けられているので、平面的に第1発光素子と第2発光素子との距離を近づけることができる。よって、高精細に光を照射させることができる。
【0010】
[適用例2]上記適用例に係る発光装置において、前記第1発光素子と前記第2発光素子とは、平面的に直線状に並んで配置されていることが好ましい。
【0011】
この構成によれば、平面的に直線状に配置されているので、各発光素子による露光タイミングを補正しなくても露光させることができる。よって、例えば、発光素子を千鳥状に配置する場合と比較して、タイミング誤差のない高精度な露光を行うことができる。
【0012】
[適用例3]上記適用例に係る発光装置において、前記所定の距離は、前記第3マイクロレンズを通過した光が被照射体を想定した仮想焦点位置に集光するように定められていることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、基板間を所定の距離に設定するので、高精細に仮想焦点位置に光を照射させることができる。
【0014】
[適用例4]上記適用例に係る発光装置において、前記各基板は、透明なガラス基板であることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、ガラス基板で各基板が構成されているので、発光素子の熱が各基板に伝わりにくく、基板が変形するなどの悪影響を及ぼすことを抑えることができる。よって、高精細で高精度な光を照射することができる。
【0016】
[適用例5]上記適用例に係る発光装置において、前記支柱は、前記各基板の一端側を支持する第1支柱と、前記各基板の他端側を支持する第2支柱とを有し、前記第1支柱及び前記第2支柱には、前記各基板の前記一端側及び前記他端側を支持するための溝が形成されていることが好ましい。
【0017】
この構成によれば、第1支柱及び第2支柱に溝が形成されているので、各基板を溝に嵌め合わせることにより、各基板間の平面的な位置や基板間隔を調整することなく固定させることができる。
【0018】
[適用例6]上記適用例に係る発光装置は、前記第1マイクロレンズが前記第1基板の前記第1発光素子に対向するように、前記第3基板は前記第2基板と一体で構成されていることが好ましい。
【0019】
この構成によれば、第2基板が第1基板の上方に配置されており、第1発光素子の光が第2基板側に出射する場合、第2基板の裏面に第1マイクロレンズが設けられた第3基板が一体に構成されていることにより、第1発光素子の光を第1マイクロレンズに透過させることができる。また、第2基板と第3基板とが一体に構成されていることにより、発光素子とマイクロレンズとの位置がずれることを抑えることができる。
【0020】
[適用例7]上記適用例に係る発光装置において、前記第1基板には、前記第1発光素子を備えた第1発光体チップが実装されており、前記第2基板には、前記第2発光素子を備えた第2発光体チップが実装されていることが好ましい。
【0021】
この構成によれば、第1基板や第2基板にチップ状になった発光素子が設けられているので、隣り合う発光素子に発光素子からの熱が伝わることを防ぐことができる。
【0022】
[適用例8]上記適用例に係る発光装置において、前記第1発光体チップおよび前記第2発光体チップは、発光方向を規定する開口を有する遮光層を備えていることが好ましい。
【0023】
この構成によれば、迷光が隣接するマイクロレンズに入射することを防ぐことができる。
【0024】
[適用例9]本適用例に係る発光装置の製造方法は、第1基板に、第1間隔ごと第1発光素子を形成する第1発光素子形成工程と、第2基板に、前記第1間隔ごと第2発光素子を形成する第2発光素子形成工程と、第3基板に、前記第1発光素子の光が透過する第1マイクロレンズを形成する第1マイクロレンズ形成工程と、第4基板に、前記第2発光素子の光が透過する第2マイクロレンズを形成する第2マイクロレンズ形成工程と、第5基板に、前記第1発光素子及び前記第2発光素子の光が透過する第3マイクロレンズを形成する第3マイクロレンズ形成工程と、支柱に、前記各基板をそれぞれ所定の距離をおいて積層配置させると共に、平面的に前記第1発光素子と前記第2発光素子とが重ならないように前記各基板を配置させる基板配置工程と、を有することを特徴とする。
【0025】
この方法によれば、支柱を用いて各基板を所定の間隔をあけて積層配置するので、支柱に各基板を組み合わせるだけで、比較的容易に発光素子とマイクロレンズとの平面的な位置、及び各基板間を所定間隔にあけて配置することができる。また、第1発光素子と第2発光素子とが異なる基板に設けられているので、平面的に第1発光素子と第2発光素子との距離を近づけることができる。よって、高精細に光を照射させることができる。
【0026】
[適用例10]上記適用例に係る発光装置の製造方法において、前記第1発光素子形成工程及び前記第2発光素子形成工程は、前記基板配置工程において、前記第1発光素子と前記第2発光素子とが平面的に直線状に並んで配置されるように、前記第1発光素子及び前記第2発光素子を形成することが好ましい。
【0027】
この方法によれば、平面的に直線状に配置されるように、第1基板に第1発光素子、及び第2基板に第2発光素子を形成するので、各発光素子の光を用いて露光する露光タイミングを補正しなくても露光することができる。よって、例えば、発光素子が千鳥状に配置されている場合と比較して、タイミングずれのない高精細な露光を行うことができる。
【0028】
[適用例11]上記適用例に係る発光装置の製造方法において、前記各基板は、透明なガラス基板であることが好ましい。
【0029】
この方法によれば、ガラス基板で各基板が形成されているので、発光素子の熱が各基板に伝わりにくく、基板が変形するなどの悪影響を及ぼすことを抑えることができる。よって、高精細で高精度な光を照射することができる。
【0030】
[適用例12]上記適用例に係る発光装置の製造方法において、前記支柱は、前記各基板の一端側を支持する第1支柱と、前記各基板の他端側を支持する第2支柱とを有し、前記基板配置工程の前に、前記第1支柱及び前記第2支柱に、前記各基板の前記一端側及び前記他端側を支持するための溝を形成する溝形成工程を有することが好ましい。
【0031】
この方法によれば、第1支柱及び第2支柱に溝を形成するので、各基板を溝に嵌め合わせることにより、各基板の平面的な位置や基板間隔を調整することなく固定させることができる。
【0032】
[適用例13]上記適用例に係る発光装置の製造方法において、前記基板配置工程の前に、前記第1マイクロレンズが前記第2発光素子に対して反対側に位置するように、前記第2基板に前記第3基板を貼り合わせる貼り合わせ工程を有することが好ましい。
【0033】
この方法によれば、基板配置工程によって第2基板が第1基板の上方に配置されており、第1発光素子の光が第2基板側に出射する場合、第2基板の裏面に第1マイクロレンズが設けられた第3基板を貼り合わせることにより、第1発光素子の光を第1マイクロレンズに透過させることができる。また、第2基板と第3基板とを一体にすることにより、発光素子とマイクロレンズとの位置がずれることを抑えることができる。
【0034】
[適用例14]本適用例に係る電子機器は、上記に記載の発光装置を備えることを特徴とする。
【0035】
この構成によれば、上記した発光装置を備えているので、高品位な表示が得られる電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】発光装置の模式的な構造を示す斜視図。
【図2】図1に示す発光装置のH部を拡大して示す拡大斜視図。
【図3】図2に示す発光装置をX方向から見た模式側面図。
【図4】図2に示す発光装置をY方向から見た模式側面図。
【図5】図2に示す発光装置をZ方向から見た模式平面図。
【図6】発光装置の光学系を簡略化して示す模式図。
【図7】発光装置を構成する発光体チップの一部である発光層の構造を示す模式断面図。
【図8】発光装置の製造方法を工程順に示すフローチャート。
【図9】発光装置の製造方法のうち一部の工程の製造方法を示す模式断面図。
【図10】発光装置の製造方法のうち一部の工程の製造方法を示す模式断面図。
【図11】発光装置が組み込まれた光書き込みヘッドモジュールを示す斜視図。
【図12】発光装置を有する光書き込みヘッドモジュールを備えた電子機器の一例として画像形成装置(プリンター)を示す模式断面図。
【図13】変形例の発光装置をZ方向から見た模式平面図。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。なお、使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大または縮小して表示している。
【0038】
<発光装置の構成>
図1は、発光装置の模式的な構造を示す斜視図である。以下、発光装置の構造を、図1を参照しながら説明する。
【0039】
図1に示すように、発光装置11は、複数の発光体チップ21,22によって所定の方向に光12が出射されるものであり、第1発光体チップ21が設けられた第1基板としての第1ベース基板31と、第1マイクロレンズ41が設けられた第3基板としての第3ベース基板32aと、第2発光体チップ22が設けられた第2基板としての第2ベース基板32と、第2マイクロレンズ42が設けられた第4基板としての第1レンズ基板33と、第3マイクロレンズ43が設けられた第5基板としての第2レンズ基板34とが、下側から順に所定の間隔をあけて支柱51,52に固定されている。
【0040】
具体的には、支柱51,52は、第1支柱51と第2支柱52とを有する。第1支柱51及び第2支柱52には、各基板の一端側と、一端側と対向する他端側とを支持すると共に固定するための溝45(図4参照)が形成されている。この支柱51,52及び溝45によって各基板の上下方向の間隔、及び平面的な位置関係が保持されている。
【0041】
ここで、1つの発光体チップ21,22から出射された光の集合体を1ドットとする。具体的には、第1発光体チップ21には、複数の第1発光素子35a(図5参照)が設けられている。また、第2発光体チップ22には、複数の第2発光素子35bが設けられている。なお、第1発光素子35a及び第2発光素子35bは、例えば、有機EL素子である。
【0042】
第1ベース基板31の上方には、第2ベース基板32が配置されている。具体的には、第2ベース基板32の裏面に、第1発光体チップ21から出射された光が通過する第1マイクロレンズ41を備えた第3ベース基板32aが密着固定(一体化)されている。
【0043】
第2ベース基板32の上方には、第1レンズ基板33が配置されている。第1レンズ基板33には、第2発光体チップ22から出射された光が通過する第2マイクロレンズ42が設けられている。第1レンズ基板33の上方には、第2レンズ基板34が配置されている。第2レンズ基板34には、第1マイクロレンズ41及び第2マイクロレンズ42からの光が通過する第3マイクロレンズ43が設けられている。
【0044】
なお、第1ベース基板31、第3ベース基板32a、第2ベース基板32、第1レンズ基板33、及び第2レンズ基板34は、それぞれ複数に分割(例えば、3分割)されている。具体的には、第1支柱51及び第2支柱52によって、複数に分割された各基板が支持及び固定されている。
【0045】
図2は、図1に示す発光装置のH部を拡大して示す拡大斜視図である。図3は、図2に示す発光装置をX方向から見た模式側面図である。図4は、図2に示す発光装置をY方向から見た模式側面図である。図5は、図2に示す発光装置をZ方向から見た模式平面図である。図6は、発光装置の光学系を簡略化して示す模式図である。以下、発光装置の構造を、図2〜図6を参照しながら説明する。なお、図2及び図3は、第1支柱及び第2支柱の図示を省略している。
【0046】
図2に示すように、発光装置11は、上記したように、第1ベース基板31、第3ベース基板32a、第2ベース基板32、第1レンズ基板33、第2レンズ基板34が、下から順に配置されている。これらの基板は、例えば、透明なガラス基板で構成されている。
【0047】
図3に示すように、発光装置11は、A領域の構造とB領域の構造とによって構成されており、A領域とB領域の構造が交互に配置されている。第1ベース基板31上のA領域には、第1発光体チップ21が設けられている。第1発光体チップ21は、第1ベース基板31側から第1発光層23a、第1カバーガラス24a、第1遮光層25aが順に設けられている。なお、第1ベース基板31上のB領域には、何も設けられていない。
【0048】
第2ベース基板32上のB領域には、第2発光体チップ22が設けられている。第2発光体チップ22は、第2ベース基板32側から第2発光層23b、第2カバーガラス24b、及び第2遮光層25bが順に設けられている。
【0049】
第2ベース基板32のA領域には、第2ベース基板32の裏面側(第2発光体チップ22と反対側)に第1マイクロレンズ41が設けられている。具体的には、第1マイクロレンズ41は、第1発光体チップ21と対向するように第2ベース基板32と密着固定された第3ベース基板32aに設けられている。これにより、第1発光体チップ21から出射して拡散した光を、第1マイクロレンズ41に通過させることによって直線の光にすることができる。
【0050】
第1レンズ基板33のB領域には、第1レンズ基板33の裏面側に第2マイクロレンズ42が設けられている。言い換えれば、第2マイクロレンズ42は、第2発光体チップ22と対向するように第1レンズ基板33に設けられている。これにより、第2発光体チップ22から出射して拡散した光を、第2マイクロレンズ42に通過させることによって直線の光にすることができる。
【0051】
第2レンズ基板34のA領域及びB領域には、第2レンズ基板34の裏面側に第3マイクロレンズ43が設けられている。言い換えれば、第3マイクロレンズ43は、第1発光体チップ21及び第2発光体チップ22と、基板を介して対向するように第2レンズ基板34に設けられている。
【0052】
A領域の第1発光体チップ21によって発光した光12は、第1マイクロレンズ41と第3マイクロレンズ43とを通過する。一方、B領域の第2発光体チップ22によって発光した光12は、第2マイクロレンズ42と第3マイクロレンズ43とを通過する。これにより、拡散した光12を直線の光12に変換し、遮光層25a,25bに設けられた開口(図示せず)によって発光方向が規定され、更に、直線の光12を被照射体に集光させることができる。
【0053】
また、図4に示すように、発光装置11は、第1支柱51及び第2支柱52に設けられた溝45(45a,45b,45c,45d)をガイドに、第1ベース基板31、第2ベース基板32、第1レンズ基板33、第2レンズ基板34が挿入され、例えば、接着剤などを用いて固定されている。
【0054】
第1ベース基板31上及び第2ベース基板32上において、光12が通過する領域以外には、遮光性を有する遮光モールド46が塗布されている。
【0055】
また、図5に示すように、発光装置11は、第2レンズ基板34側から見ると、A領域の第3マイクロレンズ43aとB領域の第3マイクロレンズ43bとが交互に、かつ一列(直線状)になるように配置されている。つまり、平面的に、第1発光体チップ21の光12(35a)と第2発光体チップ22の光12(35b)とが、交互に出力(出射)されるようになっている。なお、A領域とA領域との間隔が第1間隔、また、B領域とB領域との間隔が第1間隔となっている。
【0056】
また、上記したように、1つの発光領域には複数の発光素子35a,35b設けられており、これら複数の発光素子35a,35bの光が1つのマイクロレンズ43a,43bを通過するようになっている。ここでは、例えば、6つの発光素子35a,35bの光が1つのマイクロレンズ43a,43bに出射するようになっている。
【0057】
また、図6に示すように、第1発光体チップ21から出射した第1出射光12aは、放射状に広がりながら第1マイクロレンズ41に入射する。第1出射光12aは、第1マイクロレンズ41によって平行な光となって第3マイクロレンズ43に入射する。第1出射光12aは、第3マイクロレンズ43を通過した後、被照射体、例えば、感光体ドラムを想定した場合の仮想焦点位置に集光する。
【0058】
また、第2発光体チップ22から出射した第2出射光12bは、放射状に広がりながら第2マイクロレンズ42に入射する。第2出射光12bは、第2マイクロレンズ42によって平行な光となって第3マイクロレンズ43に入射する。第2出射光12bは、第3マイクロレンズ43を通過した後、被照射体、例えば、感光体ドラムを想定した場合の仮想焦点位置に集光する。
【0059】
<発光装置の一部である発光層の構成>
図7は、発光装置を構成する発光体チップの一部である発光層の構造を示す模式断面図である。以下、発光層の構造を、図7を参照しながら説明する。なお、図7は、各構成要素の断面的な位置関係を示すものであり、相対関係は度外視されている。また、発光層は、複数の発光素子を有し、これら複数の発光素子の光が1つのマイクロレンズに出射するようになっている。また、発光層である第1発光層23aと第2発光層23bとは構造が同じであるので、第1発光層23aのみの構造を説明する。
【0060】
図7に示すように、第1発光層23a(以下、「有機EL装置23a」と称する。)は、発光領域112において発光が行われるものであり、基板113と、基板113上に形成された回路素子層114と、回路素子層114上に形成された発光素子層115とを有する。基板113は、例えば、シリコン基板である。
【0061】
回路素子層114には、基板113上にシリコン酸化膜(SiO2)からなる下地保護膜117が形成され、下地保護膜117上にTFT(Thin Film Transistor)素子118が形成されている。詳しくは、下地保護膜117上に、ポリシリコン膜からなる島状の半導体膜119が形成されている。半導体膜119には、ソース領域121及びドレイン領域122が不純物の導入によって形成されている。そして、不純物が導入されなかった部分がチャネル領域123となっている。
【0062】
更に、回路素子層114には、下地保護膜117及び半導体膜119を覆うシリコン酸化膜等からなる透明なゲート絶縁膜124が形成されている。ゲート絶縁膜124上には、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、タングステン(W)などからなるゲート電極125(走査線)が形成されている。
【0063】
ゲート絶縁膜124及びゲート電極125上には、透明な第1層間絶縁膜126及び第2層間絶縁膜127が形成されている。第1層間絶縁膜126及び第2層間絶縁膜127は、例えば、シリコン酸化膜(SiO2)、チタン酸化膜(TiO2)などから構成されている。ゲート電極125は、半導体膜119のチャネル領域123に対応する位置に設けられている。
【0064】
半導体膜119のソース領域121は、第1層間絶縁膜126及びゲート絶縁膜124を貫通して設けられたコンタクトホール128を介して、第1層間絶縁膜126上に形成された信号線129と電気的に接続されている。一方、ドレイン領域122は、第2層間絶縁膜127、第1層間絶縁膜126、ゲート絶縁膜124を貫通して設けられたコンタクトホール131を介して、第2層間絶縁膜127上に形成された画素電極132と電気的に接続されている。
【0065】
発光素子層115は、第1発光素子35aを具備して基板113上に形成されている。詳述すると、発光素子層115は、画素電極132と、画素電極132上に形成された機能層133と、機能層133を区画する隔壁134と、機能層133及び隔壁134上に形成された陰極(共通電極)116とを主体として構成されている。
【0066】
画素電極132は、例えば、発光領域112ごとに形成されている。また、画素電極132の下層にある第2層間絶縁膜127中には、例えば、アルミニウムなどからなる反射膜135が形成されている。画素電極132は、透明のITO(Indium Tin Oxide)膜からなり、発光層133cが発光した光を下方の反射膜135に反射させて上方に出射させることが可能となっている。
【0067】
また、画素電極132(発光領域112)は、例えば、平面的に見て丸形状となっている。なお、回路素子層114には、図示しない保持容量及びスイッチング用のトランジスターが形成されている。また、回路素子層114には、各画素電極132に接続された駆動用のトランジスターが形成されている。機能層133は、例えば、正孔注入層133aと、中間層133bと、発光層133cなどから構成されている。機能層133上及び隔壁134上には、陰極116が配置されている。画素電極132と、機能層133と、陰極116とによって第1発光素子35a(発光領域112)が構成されている。
【0068】
回路素子層114と隔壁134との間には、絶縁層136が形成されている。絶縁層136は、例えば、シリコン酸化膜(SiO2)である。絶縁層136は、隣り合う画素電極132間の絶縁性を確保すると共に、発光領域112の形状を所望の形状(例えば、丸形状)にするために、画素電極132の周縁部上に乗り上げるように形成されている。つまり、画素電極132と絶縁層136とは、平面的に一部が重なるように配置された構造となっている。言い換えれば、絶縁層136は、発光領域112を除いた領域に形成されていることになる。
【0069】
隔壁134は、複数の発光領域112(第1発光素子35a)が集まる領域を囲むように形成されている。つまり、隔壁134に囲まれた領域が隔壁134の開口部137となる。隔壁134の材質としては、例えば、有機材料が挙げられる。
【0070】
機能層133は、上記したように、正孔注入層133aと中間層133bと発光層133cとを有して構成されており、隔壁134に囲まれた領域、すなわち開口部137に、液滴吐出法、例えばインクジェット法を用いて順に形成されている。
【0071】
陰極116は、機能層133及び隔壁134を含む基板上の所定の領域に所定の領域全面を覆うように成膜(ベタ成膜)されている。具体的には、陰極116は、例えば、カルシウム(Ca)及びアルミニウム(Al)の積層体である。陰極116の上には、水や酸素の侵入を防ぐための、樹脂などからなる封止部材(図示せず)が積層されている。なお、画素電極132、発光素子層115及び陰極116によって第1発光素子35aが構成される。
【0072】
上述した発光層133cは、エレクトロルミネッセンス現象を発現する有機発光物質の層である。画素電極132と陰極116との間に電圧を印加することによって、発光層133cには、正孔注入層133aから正孔が、また、陰極116から電子が注入される。発光層133cにおいて、これらが結合したときに光を発する。
【0073】
<発光装置の製造方法>
図8は、発光装置の製造方法を工程順に示すフローチャートである。図9及び図10は、発光装置の製造方法のうち一部の工程の製造方法を示す模式断面図である。以下、発光装置の製造方法を、図8〜図10を参照しながら説明する。
【0074】
ステップS11では、発光装置11を構成する有機EL装置23において、シリコン基板からなる基板113上に回路素子層114及び発光素子層115を形成する。以下、図9及び図10を参照しながら具体的に説明する。なお、各種配線や電極、駆動用TFT等を形成する製造工程については、周知の工程と同様なので、これ以降の工程について詳しく説明する。
【0075】
まず、図9(a)に示す工程では、回路素子層114(図7参照)上に、画素電極132、絶縁層136、隔壁134を形成する。以降、図10(c)に示す工程までを、発光素子(第1発光素子、第2発光素子)形成工程とする。具体的には、まず、ITO( )からなる画素電極132を、公知の成膜技術、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術などを用いて回路素子層114上に形成する。次に、回路素子層114及び画素電極132上に、開口部を有する絶縁層136を形成する。絶縁層136の形成方法は、画素電極132の形成方法と同様である。
【0076】
次に、基板上の全体に、隔壁134となる有機物を塗布する。有機物としては、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等の耐熱性、耐溶剤性を有する材料が挙げられる。次に、この有機物をフォトリソグラフィ技術等により、隔壁134の形状にパターンニングする。これにより、開口部137が形成される。なお、開口部137の中には、複数の発光領域112(発光素子35)が開口部137の長手方向に設けられている。具体的には、複数の発光素子35の集まりを1つのドットとして用いている。
【0077】
図9(b)に示す工程では、正孔注入層133a(図9(c)参照)となる液体を隔壁134の開口部137内に充填する。液体を吐出する方法として、液滴吐出装置、例えばインクジェット装置を用いた液体プロセス法を用いることができる。まず、インクジェット装置を用いて、正孔注入層形成材料を含む液状組成物141(液体)を隔壁134の開口部137内(画素電極132上)に吐出する。より具体的には、インクジェットヘッドに形成された複数のノズル(いずれも図示せず)から液状組成物141を開口部137内に吐出する。
【0078】
図9(c)に示す工程では、乾燥処理及び熱処理を行い、画素電極132上に正孔注入層133aを形成する。具体的には、液状組成物141(図9(b)参照)を窒素雰囲気中などで真空乾燥させることにより、液状組成物141に含まれる溶媒が蒸発し、画素電極132上に正孔注入層133aが形成される。その後、同様にして、中間層133bを形成する。
【0079】
図10(a)に示す工程では、中間層133b上に発光層133c(図10(b)参照)となる液体を隔壁134の開口部137内に充填する。液体を吐出する方法として、上記したように、インクジェット法を用いることができる。具体的には、まず、発光層形成用の液状組成物142を、隔壁134の開口部137内の中間層133b上に吐出する。吐出された液状組成物142は、中間層133b上に広がって、隔壁134の開口部137内に満たされる。
【0080】
図10(b)に示す工程では、乾燥処理及び熱処理を行い、中間層133b上に発光層133cを形成する。具体的には、開口部137内に充填された液状組成物142(図10(a)参照)に、窒素雰囲気中などの真空乾燥処理及び熱処理を施すことにより、液状組成物142に含まれる溶媒が蒸発し、中間層133b上に発光層133cが形成される。
【0081】
図10(c)に示す工程では、隔壁134、発光層133cを含む基板上の全体に陰極116を形成する。具体的には、陰極116は、カルシウム層とアルミニウム層とを順次積層した構成となっている。陰極116の形成方法としては、例えば、蒸着法、スパッタ法、及びCVD(Chemical Vapor Deposition)法等で形成することができる。以上により、複数の発光素子35を有する有機EL装置23が完成する。以下、図8を参照しながら、引き続き発光装置11の製造方法を説明する。
【0082】
ステップS12では、有機EL装置23(発光層)にカバーガラス24を貼り付ける。具体的には、複数の発光素子35が形成された有機EL装置23と、別途用意したカバーガラス24とを樹脂を介して封止する。具体的には、例えば、熱硬化樹脂または紫外線硬化樹脂からなる封止樹脂を基板の周縁部に塗布し、封止樹脂上にカバーガラス24を配置する。封止には、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。
【0083】
有機EL装置23にカバーガラス24を貼り付けた後、カバーガラス24上に遮光層25を形成する。遮光層25は、光が通過する領域に開口を有し、出射した光12が反射してマイクロレンズに入らないようにするため、及び、隣接するマイクロレンズに迷光となって入らないようにするために設けられる(迷光対策)。更に、遮光層25によって、発光方向が規定される。なお、電気的に接続する部分は、露出している。
【0084】
ステップS13では、積層された有機EL装置23、カバーガラス24、遮光層25をチップ化して発光体チップ21,22を形成する。具体的には、例えば、ダイシング技術を用いて有機EL装置23、カバーガラス24、遮光層25を切断する。これにより、発光体チップ21,22が完成する。
【0085】
ステップS14では、ガラス基板からなる第1ベース基板31上に第1発光体チップ21を配置し、更に、ガラス基板からなる第2ベース基板32上に第2発光体チップ22を配置する。具体的には、まず、第1ベース基板31上に、第1ベース基板31の一辺を基準に等間隔で複数の第1発光体チップ21を配置する。続いて、第2ベース基板32上に、第2ベース基板32の一辺を基準に等間隔で複数の第2発光体チップ22を配置する。貼り付け方法は、例えば、接着剤を用いてベース基板31,32上に発光体チップ21,22を貼り付ける。
【0086】
なお、発光装置11として変形(例えば、反り)を抑えるために、複数枚の第1ベース基板31が直線状に並べられて使用される(図1参照)。第2ベース基板32も同様に、複数枚が直線状に並べられて用いられる。第1ベース基板31及び第2ベース基板32の枚数としては、例えば、3枚である。
【0087】
その後、第2ベース基板32を、水平方向に180°回転させることにより、第1ベース基板31と第2ベース基板32との配置関係が決まる。つまり、平面視で、第1ベース基板31に配置された第1発光体チップ21と第1発光体チップ21との間に、第2ベース基板32に配置された第2発光体チップ22が配置される。言い換えれば、平面視で、第1発光体チップ21と第2発光体チップ22とが交互に、かつ直線状に並んで配置されるようになっている。
【0088】
ステップS15では、ベース基板31,32に形成された回路パターンと発光体チップ21,22とを電気的に接続する(ワイヤーボンディング)。具体的には、第1ベース基板31上及び第2ベース基板32上に、外部と接続するための配線及び端子(回路パターン)が形成されている。第1ベース基板31上に第1発光体チップ21を配置する場合、ワイヤーボンディングによって互いを接続することにより、第1発光体チップ21と外部とが電気的に接続される。一方、第2ベース基板32上に第2発光体チップ22を配置した場合も同様である。
【0089】
ステップS16では、ベース基板31,32上における発光体チップ21,22の周辺に遮光モールド46を形成する(図4参照)。具体的には、発光体チップ21,22からベース基板31,32に接続されたワイヤーボンディングを覆うように形成する。これにより、ワイヤーボンディングの補強と遮光性、及び周辺部材の接着機能を兼ねることができる。また、遮光モールド46を塗布することにより、3つの第1ベース基板31が繋がった1本のベース基板が完成する。第2ベース基板32も同様である。
【0090】
ステップS17(マイクロレンズ形成工程、貼り合わせ工程)では、第2ベース基板32の裏面に第1マイクロレンズ41を備えた第3ベース基板32aを貼り付ける。具体的には、第2ベース基板32の裏面における、支柱51,52に組み立てたときに第1発光体チップ21と対向する位置に第1マイクロレンズ41が配置されるように貼り付ける。貼り合わせ面は、空気がなく、ガラスと同じ屈折率を有する接着材料などで固定されている。
【0091】
このように、第2ベース基板32に第1マイクロレンズ41を備えた第3ベース基板32aを貼り付けるので、発光体チップとマイクロレンズとの位置がずれることを抑えることが可能となり、発光体チップとマイクロレンズとの位置合わせを簡略化することができる。
【0092】
その後、第1レンズ基板33のB領域に(支柱51,52と組み合わせたときに第2発光体チップ22と対向する位置に)第2マイクロレンズ42を貼り付ける。更に、第2レンズ基板34のA領域及びB領域に第3マイクロレンズ43を貼り付ける。
【0093】
ステップS18(基板配置工程)では、第1ベース基板31及び第2ベース基板32を支柱51,52にセットする。具体的には、まず、ガラスからなる第1支柱51及び第2支柱52に、ダイシング技術などを用いて各基板を挿入する溝45(図4参照)を形成する。次に、第1支柱51及び第2支柱52に形成された溝45aに沿って第1ベース基板31を挿入する。その後、同様に溝45b,45c,45dに沿って、第2ベース基板32、第1レンズ基板33、第2レンズ基板34を挿入する。なお、特に組立の手順は限定されない。ダイシング技術などを用いて精度よく溝45を形成することにより、各基板の位置を調整することなく組み立てることができる。
【0094】
これらベース基板31,32、レンズ基板33,34、支柱51,52を膨張係数の同じガラス基板から形成することにより、熱による基板の変形を抑えることが可能となり、発光体チップ21,22とマイクロレンズ41,42,43との平面的な位置がずれることを抑えることができる。また、各基板を保持する溝45がダイシング技術によって形成されているので、光学的な調整を行うことなく光学特性を得ることができる。
【0095】
<電子機器>
図11は、発光装置が組み込まれた光書き込みヘッドモジュールを示す斜視図である。以下、発光装置を備えた光書き込みヘッドモジュールの構成を、図11を参照しながら説明する。
【0096】
図11に示すように、光書き込みヘッドモジュール201Kは、円柱状の感光体ドラム171Kと平行に、これと対向した状態で用いられる。光書き込みヘッドモジュール201Kは、感光体ドラム171Kと平行な方向に配設された箱体177と、箱体177と感光体ドラム171Kとの間に位置するように箱体177に取り付けられた光学部材178とを備えている。箱体177は、感光体ドラム171K側に開口部を有しており、その開口部に向かって光が出射されるように発光装置11が固定されている。光学部材178は、内部にセルフォック(登録商標)レンズアレイを備えており、発光装置11の発光素子35から出射され、一端に入射した光を、他端側から出射して感光体ドラム171Kの表面で集光、照射(描画)する。
【0097】
図12は、上記した発光装置を有する光書き込みヘッドモジュールを備えた電子機器の一例として画像形成装置(プリンター)を示す模式断面図である。以下、発光装置を有する光書き込みヘッドモジュールを備えた画像形成装置の構造を、図12を参照しながら説明する。
【0098】
図12に示すように、画像形成装置180は、発光装置11が組み込まれた光書き込みヘッドモジュール201K,201C,201M,201Yを備えており、これらに対応して4個の感光体ドラム(像担持体)171K,171C,171M,171Yが配置されたタンデム方式として構成されたものである。
【0099】
この画像形成装置180は、駆動ローラー191と従動ローラー192とテンションローラー193とを備え、これら各ローラーに中間転写ベルト190を、図12中矢印方向(反時計方向)に循環駆動するよう張架したものである。この中間転写ベルト190に対して、感光体ドラム171K,171C,171M,171Yが所定間隔で配置されている。これら感光体ドラム171K,171C,171M,171Yは、その外周面が像担持体としての感光層となっている。
【0100】
ここで、上記符号中のK、C、M、Yは、それぞれ黒、シアン、マゼンタ、イエローを意味し、それぞれ黒、シアン、マゼンタ、イエロー用の感光体であることを示している。なお、これら符号(K、C、M、Y)の意味は、他の部材についても同様である。感光体ドラム171K,171C,171M,171Yは、中間転写ベルト190の駆動と同期して、図12中矢印方向(時計方向)に回転駆動するようになっている。
【0101】
各感光体ドラム171(K、C、M、Y)の周囲には、それぞれ感光体ドラム171(K、C、M、Y)の外周面を一様に帯電させる帯電手段(コロナ帯電器)172(K、C、M、Y)と、この帯電手段172(K、C、M、Y)によって一様に帯電させられた外周面を感光体ドラム171(K、C、M、Y)の回転に同期して順次ライン走査する光書き込みヘッドモジュール201(K、C、M、Y)とが設けられている。
【0102】
また、光書き込みヘッドモジュール201(K、C、M、Y)で形成された静電潜像に現像剤であるトナーを付与して可視像(トナー像)とする現像装置174(K、C、M、Y)と、現像装置174(K、C、M、Y)で現像されたトナー像を一次転写対象である中間転写ベルト190に順次転写する転写手段としての一次転写ローラー175(K、C、M、Y)とが設けられている。また、転写された後に感光体ドラム171(K、C、M、Y)の表面に残留しているトナーを除去するクリーニング手段としてのクリーニング装置176(K、C、M、Y)が設けられている。
【0103】
各光書き込みヘッドモジュール201(K、C、M、Y)は、各発光装置11のアレイ方向(発光素子35の整列方向)が感光体ドラム171(K、C、M、Y)の回転軸に平行となるように設置されている。そして、各光書き込みヘッドモジュール201(K、C、M、Y)の主発光波長と、感光体ドラム171(K、C、M、Y)の感度ピーク波長とが略一致するように設定されている。
【0104】
現像装置174(K、C、M、Y)は、例えば、現像剤として非磁性一成分トナーを用いる。そして、その一成分現像剤を例えば供給ローラーで現像ローラーへ搬送し、現像ローラー表面に付着した現像剤の膜厚を規制ブレードで規制し、その現像ローラーを感光体ドラム171(K、C、M、Y)に接触させあるいは押圧せしめることにより、感光体ドラム171(K、C、M、Y)の電位レベルに応じて現像剤を付着させ、トナー像として現像するものである。
【0105】
このような4色の単色トナー像形成ステーションにより形成された黒、シアン、マゼンタ、イエローの各トナー像は、一次転写ローラー175(K、C、M、Y)に印加される一次転写バイアスによって中間転写ベルト190上に順次一次転写される。そして、中間転写ベルト190上で順次重ね合わされてフルカラーとなったトナー像は、二次転写ローラー166において用紙等の記録媒体Pに二次転写され、更に、定着部である定着ローラー対161を通ることで記録媒体P上に定着される。その後、排紙ローラー対162によって装置上部に形成された排紙トレイ168上に排出される。
【0106】
なお、図12中の符号163は多数枚の記録媒体Pが積層保持されている給紙カセット、164は給紙カセット163から記録媒体Pを一枚ずつ給送するピックアップローラー、165は二次転写ローラー166の二次転写部への記録媒体Pの供給タイミングを規定するゲートローラー対、166は中間転写ベルト190との間で二次転写部を形成する二次転写手段としての二次転写ローラー、167は二次転写後に中間転写ベルト190の表面に残留しているトナーを除去するクリーニング手段としてのクリーニングブレードである。
【0107】
この画像形成装置180は、上記した発光装置11を有する光書き込みヘッドモジュール201(K、C、M、Y)が露光手段として備えられている。このため、画像形成装置180は、感光体ドラム171Kに対して均一な発光光を出射することが可能となり、高品位な画像を形成することができる。
【0108】
以上詳述したように、本実施形態の発光装置11、発光装置11の製造方法、及び電子機器によれば、以下に示す効果が得られる。
【0109】
(1)本実施形態によれば、第1支柱51及び第2支柱52に溝45を形成し、各基板を溝45に嵌め合わせて支持固定しているので、比較的容易に発光素子35とマイクロレンズ41,42,43との平面的な位置、及び各基板間を所定の間隔にあけて配置することができる。更に、各基板の平面的な位置や基板間隔を調整することなく固定させることができる。また、第1発光素子35aと第2発光素子35bとが異なる基板に設けられているので、平面的に第1発光素子35aと第2発光素子35bとの距離を近づけることができる。よって、高精細に光を照射させることができる。
【0110】
(2)本実施形態によれば、発光素子35a,35bが平面的に直線状に配置されているので、各発光素子35a,35bによる露光タイミングを補正しなくても露光させることができる。よって、例えば、発光素子が千鳥状に配置されている場合と比較して、タイミング誤差のない高精度な露光を行うことができる。
【0111】
(3)本実施形態によれば、ガラス基板によって各基板が構成されているので、発光素子35の熱が各基板に伝わりにくく、基板が熱膨張することによって変形するなどの悪影響を及ぼすことを抑えることができる。よって、高精細で高精度な光を照射することができる。
【0112】
(4)本実施形態の電子機器によれば、上記した発光装置11を備えているので、高品位な表示が得られる電子機器を提供することができる。
【0113】
なお、実施形態は上記に限定されず、以下のような形態で実施することもできる。
【0114】
(変形例1)
上記したように、複数の発光素子35を有する発光体チップ21,22(第3マイクロレンズ43)の配列が直線状であることに限定されず、例えば、複数列状や、図13に示すように、複数の発光素子535を有する発光体チップ(第3マイクロレンズ543)の配列が千鳥状になるようにしてもよい。千鳥状に配置する場合、例えば、1枚のベース基板によって発光装置511を構成することも可能であり、3枚のベース基板を用いて発光装置511を構成することも可能である。
【0115】
(変形例2)
上記したように、第2ベース基板32に第1マイクロレンズ41を配置する位置は、第2ベース基板32の裏面側(第1発光体チップ21側)であることに代えて、表面側(第3マイクロレンズ43側)であってもよい。なお、第1マイクロレンズ41の形状や第2発光体チップ22の形成のしやすさ(配線などとの干渉)を基にどちらにするか選択するようにしてもよい。
【0116】
(変形例3)
上記したように、発光素子35は、有機EL素子であることに限定されず、例えば、LED(発光ダイオード:Light Emitting Diode)でもよい。また、発光装置11は、画像形成装置180(プリンター)に適用されることに限定されず、例えば、携帯電話機、モバイルコンピューター、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、テレビ、ディスプレイ、車載機器、オーディオ機器、照明機器などの各種電子機器に用いることができる。
【符号の説明】
【0117】
11…発光装置、12…光、21…第1発光体チップ、22…第2発光体チップ、23a…第1発光層、23b…第2発光層、24a…第1カバーガラス、24b…第2カバーガラス、25a…第1遮光層、25b…第2遮光層、31…第1基板としての第1ベース基板、32…第2基板としての第2ベース基板、32a…第3基板としての第3ベース基板、33…第4基板としての第1レンズ基板、34…第5基板としての第2レンズ基板、35…発光素子、35a…第1発光素子、35b…第2発光素子、41…第1マイクロレンズ、42…第2マイクロレンズ、43…第3マイクロレンズ、45,45a,45b,45c,45d…溝、46…遮光モールド、51…第1支柱、52…第2支柱、112…発光領域、113…基板、114…回路素子層、115…発光素子層、116…陰極、117…下地保護膜、118…TFT素子、119…半導体膜、121…ソース領域、122…ドレイン領域、123…チャネル領域、124…ゲート絶縁膜、125…ゲート電極、126…第1層間絶縁膜、127…第2層間絶縁膜、128,131…コンタクトホール、129…信号線、132…画素電極、133…機能層、133a…正孔注入層、133b…中間層、133c…発光層、134…隔壁、135…反射膜、136…絶縁層、137…開口部、161…定着ローラー、162…排紙ローラー対、163…給紙カセット、164…ピックアップローラー、165…ゲートローラー対、166…二次転写ローラー、167…クリーニングブレード、168…排紙トレイ、171K,171C,171M,171Y…感光体ドラム、172K,172C,172M,172Y…帯電手段、174K,174C,174M,174Y…現像装置、175K,175C,175M,175Y…一次転写ローラー、176K,176C,176M,176Y…クリーニング装置、177…箱体、178…光学部材、180…画像形成装置、190…中間転写ベルト、191…駆動ローラー、192…従動ローラー、193…テンションローラー、201K,201C,201M,201Y…光書き込みヘッドモジュール。
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置、発光装置の製造方法、及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
上記発光装置として、例えば、ラインプリンター等のプリンターヘッドの光源として用いられている有機EL(Electro Luminescence)装置がある。この有機EL装置は、例えば、所望の方向に並べられた複数の発光素子が1枚の基板に設けられ、更に、この基板が直線状に複数並べられて構成されている。
【0003】
しかし、基板を高い位置精度で直線状に並べることが難しく、発光素子間の距離にばらつきが生じる、また発光素子と発光素子との間の距離が縮まらない(高精細にならない)という問題がある。更に、発光素子とMLA(マイクロレンズアレイ)との配置関係が調整しにくいという問題がある。
【0004】
そこで、ラインプリンターの画質を高精細にするために、ラインプリンターにおける感光体ドラムの主走査方向に相当する方向に基板を交互にずらして配置し(例えば、千鳥状に配置)、主走査方向から見て発光素子と発光素子との間の距離が狭くなるようにしたり、特許文献1に記載のように、感光体ドラムの表面のスポットを良好に形成するために自由曲面形状を有するレンズを用いて焦点距離の範囲を長くとれるようにしたりして対応している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−202579号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、焦点距離の範囲(焦点深度)が長くとれるものの、発光素子とMLAとの平面的な位置調整が難しいという課題がある。また、発光素子を千鳥状に配置すると、露光タイミングの補正が複雑になるという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0008】
[適用例1]本適用例に係る発光装置は、第1間隔ごとに第1発光素子が設けられた第1基板と、前記第1間隔ごとに設けられると共に、平面的に前記第1発光素子と重ならないように第2発光素子が設けられた第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に配置され、前記第1発光素子の光を透過する第1マイクロレンズが設けられた第3基板と、前記第2基板上に配置され、前記第2発光素子の光を透過する第2マイクロレンズが設けられた第4基板と、前記第4基板上に配置され、前記第1発光素子及び前記第2発光素子の光を透過する第3マイクロレンズが設けられた第5基板と、を有し、前記各基板は、それぞれ所定の距離をおいて積層配置されていると共に、支柱に支持及び固定されていることを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、支柱を用いて各基板が所定の間隔をあけて積層及び支持固定されているので、支柱に各基板を組み合わせるだけで、比較的容易に発光素子とマイクロレンズとの平面的な位置、及び各基板間を所定の間隔にあけて配置することができる。また、第1発光素子と第2発光素子とが異なる基板に設けられているので、平面的に第1発光素子と第2発光素子との距離を近づけることができる。よって、高精細に光を照射させることができる。
【0010】
[適用例2]上記適用例に係る発光装置において、前記第1発光素子と前記第2発光素子とは、平面的に直線状に並んで配置されていることが好ましい。
【0011】
この構成によれば、平面的に直線状に配置されているので、各発光素子による露光タイミングを補正しなくても露光させることができる。よって、例えば、発光素子を千鳥状に配置する場合と比較して、タイミング誤差のない高精度な露光を行うことができる。
【0012】
[適用例3]上記適用例に係る発光装置において、前記所定の距離は、前記第3マイクロレンズを通過した光が被照射体を想定した仮想焦点位置に集光するように定められていることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、基板間を所定の距離に設定するので、高精細に仮想焦点位置に光を照射させることができる。
【0014】
[適用例4]上記適用例に係る発光装置において、前記各基板は、透明なガラス基板であることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、ガラス基板で各基板が構成されているので、発光素子の熱が各基板に伝わりにくく、基板が変形するなどの悪影響を及ぼすことを抑えることができる。よって、高精細で高精度な光を照射することができる。
【0016】
[適用例5]上記適用例に係る発光装置において、前記支柱は、前記各基板の一端側を支持する第1支柱と、前記各基板の他端側を支持する第2支柱とを有し、前記第1支柱及び前記第2支柱には、前記各基板の前記一端側及び前記他端側を支持するための溝が形成されていることが好ましい。
【0017】
この構成によれば、第1支柱及び第2支柱に溝が形成されているので、各基板を溝に嵌め合わせることにより、各基板間の平面的な位置や基板間隔を調整することなく固定させることができる。
【0018】
[適用例6]上記適用例に係る発光装置は、前記第1マイクロレンズが前記第1基板の前記第1発光素子に対向するように、前記第3基板は前記第2基板と一体で構成されていることが好ましい。
【0019】
この構成によれば、第2基板が第1基板の上方に配置されており、第1発光素子の光が第2基板側に出射する場合、第2基板の裏面に第1マイクロレンズが設けられた第3基板が一体に構成されていることにより、第1発光素子の光を第1マイクロレンズに透過させることができる。また、第2基板と第3基板とが一体に構成されていることにより、発光素子とマイクロレンズとの位置がずれることを抑えることができる。
【0020】
[適用例7]上記適用例に係る発光装置において、前記第1基板には、前記第1発光素子を備えた第1発光体チップが実装されており、前記第2基板には、前記第2発光素子を備えた第2発光体チップが実装されていることが好ましい。
【0021】
この構成によれば、第1基板や第2基板にチップ状になった発光素子が設けられているので、隣り合う発光素子に発光素子からの熱が伝わることを防ぐことができる。
【0022】
[適用例8]上記適用例に係る発光装置において、前記第1発光体チップおよび前記第2発光体チップは、発光方向を規定する開口を有する遮光層を備えていることが好ましい。
【0023】
この構成によれば、迷光が隣接するマイクロレンズに入射することを防ぐことができる。
【0024】
[適用例9]本適用例に係る発光装置の製造方法は、第1基板に、第1間隔ごと第1発光素子を形成する第1発光素子形成工程と、第2基板に、前記第1間隔ごと第2発光素子を形成する第2発光素子形成工程と、第3基板に、前記第1発光素子の光が透過する第1マイクロレンズを形成する第1マイクロレンズ形成工程と、第4基板に、前記第2発光素子の光が透過する第2マイクロレンズを形成する第2マイクロレンズ形成工程と、第5基板に、前記第1発光素子及び前記第2発光素子の光が透過する第3マイクロレンズを形成する第3マイクロレンズ形成工程と、支柱に、前記各基板をそれぞれ所定の距離をおいて積層配置させると共に、平面的に前記第1発光素子と前記第2発光素子とが重ならないように前記各基板を配置させる基板配置工程と、を有することを特徴とする。
【0025】
この方法によれば、支柱を用いて各基板を所定の間隔をあけて積層配置するので、支柱に各基板を組み合わせるだけで、比較的容易に発光素子とマイクロレンズとの平面的な位置、及び各基板間を所定間隔にあけて配置することができる。また、第1発光素子と第2発光素子とが異なる基板に設けられているので、平面的に第1発光素子と第2発光素子との距離を近づけることができる。よって、高精細に光を照射させることができる。
【0026】
[適用例10]上記適用例に係る発光装置の製造方法において、前記第1発光素子形成工程及び前記第2発光素子形成工程は、前記基板配置工程において、前記第1発光素子と前記第2発光素子とが平面的に直線状に並んで配置されるように、前記第1発光素子及び前記第2発光素子を形成することが好ましい。
【0027】
この方法によれば、平面的に直線状に配置されるように、第1基板に第1発光素子、及び第2基板に第2発光素子を形成するので、各発光素子の光を用いて露光する露光タイミングを補正しなくても露光することができる。よって、例えば、発光素子が千鳥状に配置されている場合と比較して、タイミングずれのない高精細な露光を行うことができる。
【0028】
[適用例11]上記適用例に係る発光装置の製造方法において、前記各基板は、透明なガラス基板であることが好ましい。
【0029】
この方法によれば、ガラス基板で各基板が形成されているので、発光素子の熱が各基板に伝わりにくく、基板が変形するなどの悪影響を及ぼすことを抑えることができる。よって、高精細で高精度な光を照射することができる。
【0030】
[適用例12]上記適用例に係る発光装置の製造方法において、前記支柱は、前記各基板の一端側を支持する第1支柱と、前記各基板の他端側を支持する第2支柱とを有し、前記基板配置工程の前に、前記第1支柱及び前記第2支柱に、前記各基板の前記一端側及び前記他端側を支持するための溝を形成する溝形成工程を有することが好ましい。
【0031】
この方法によれば、第1支柱及び第2支柱に溝を形成するので、各基板を溝に嵌め合わせることにより、各基板の平面的な位置や基板間隔を調整することなく固定させることができる。
【0032】
[適用例13]上記適用例に係る発光装置の製造方法において、前記基板配置工程の前に、前記第1マイクロレンズが前記第2発光素子に対して反対側に位置するように、前記第2基板に前記第3基板を貼り合わせる貼り合わせ工程を有することが好ましい。
【0033】
この方法によれば、基板配置工程によって第2基板が第1基板の上方に配置されており、第1発光素子の光が第2基板側に出射する場合、第2基板の裏面に第1マイクロレンズが設けられた第3基板を貼り合わせることにより、第1発光素子の光を第1マイクロレンズに透過させることができる。また、第2基板と第3基板とを一体にすることにより、発光素子とマイクロレンズとの位置がずれることを抑えることができる。
【0034】
[適用例14]本適用例に係る電子機器は、上記に記載の発光装置を備えることを特徴とする。
【0035】
この構成によれば、上記した発光装置を備えているので、高品位な表示が得られる電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】発光装置の模式的な構造を示す斜視図。
【図2】図1に示す発光装置のH部を拡大して示す拡大斜視図。
【図3】図2に示す発光装置をX方向から見た模式側面図。
【図4】図2に示す発光装置をY方向から見た模式側面図。
【図5】図2に示す発光装置をZ方向から見た模式平面図。
【図6】発光装置の光学系を簡略化して示す模式図。
【図7】発光装置を構成する発光体チップの一部である発光層の構造を示す模式断面図。
【図8】発光装置の製造方法を工程順に示すフローチャート。
【図9】発光装置の製造方法のうち一部の工程の製造方法を示す模式断面図。
【図10】発光装置の製造方法のうち一部の工程の製造方法を示す模式断面図。
【図11】発光装置が組み込まれた光書き込みヘッドモジュールを示す斜視図。
【図12】発光装置を有する光書き込みヘッドモジュールを備えた電子機器の一例として画像形成装置(プリンター)を示す模式断面図。
【図13】変形例の発光装置をZ方向から見た模式平面図。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。なお、使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大または縮小して表示している。
【0038】
<発光装置の構成>
図1は、発光装置の模式的な構造を示す斜視図である。以下、発光装置の構造を、図1を参照しながら説明する。
【0039】
図1に示すように、発光装置11は、複数の発光体チップ21,22によって所定の方向に光12が出射されるものであり、第1発光体チップ21が設けられた第1基板としての第1ベース基板31と、第1マイクロレンズ41が設けられた第3基板としての第3ベース基板32aと、第2発光体チップ22が設けられた第2基板としての第2ベース基板32と、第2マイクロレンズ42が設けられた第4基板としての第1レンズ基板33と、第3マイクロレンズ43が設けられた第5基板としての第2レンズ基板34とが、下側から順に所定の間隔をあけて支柱51,52に固定されている。
【0040】
具体的には、支柱51,52は、第1支柱51と第2支柱52とを有する。第1支柱51及び第2支柱52には、各基板の一端側と、一端側と対向する他端側とを支持すると共に固定するための溝45(図4参照)が形成されている。この支柱51,52及び溝45によって各基板の上下方向の間隔、及び平面的な位置関係が保持されている。
【0041】
ここで、1つの発光体チップ21,22から出射された光の集合体を1ドットとする。具体的には、第1発光体チップ21には、複数の第1発光素子35a(図5参照)が設けられている。また、第2発光体チップ22には、複数の第2発光素子35bが設けられている。なお、第1発光素子35a及び第2発光素子35bは、例えば、有機EL素子である。
【0042】
第1ベース基板31の上方には、第2ベース基板32が配置されている。具体的には、第2ベース基板32の裏面に、第1発光体チップ21から出射された光が通過する第1マイクロレンズ41を備えた第3ベース基板32aが密着固定(一体化)されている。
【0043】
第2ベース基板32の上方には、第1レンズ基板33が配置されている。第1レンズ基板33には、第2発光体チップ22から出射された光が通過する第2マイクロレンズ42が設けられている。第1レンズ基板33の上方には、第2レンズ基板34が配置されている。第2レンズ基板34には、第1マイクロレンズ41及び第2マイクロレンズ42からの光が通過する第3マイクロレンズ43が設けられている。
【0044】
なお、第1ベース基板31、第3ベース基板32a、第2ベース基板32、第1レンズ基板33、及び第2レンズ基板34は、それぞれ複数に分割(例えば、3分割)されている。具体的には、第1支柱51及び第2支柱52によって、複数に分割された各基板が支持及び固定されている。
【0045】
図2は、図1に示す発光装置のH部を拡大して示す拡大斜視図である。図3は、図2に示す発光装置をX方向から見た模式側面図である。図4は、図2に示す発光装置をY方向から見た模式側面図である。図5は、図2に示す発光装置をZ方向から見た模式平面図である。図6は、発光装置の光学系を簡略化して示す模式図である。以下、発光装置の構造を、図2〜図6を参照しながら説明する。なお、図2及び図3は、第1支柱及び第2支柱の図示を省略している。
【0046】
図2に示すように、発光装置11は、上記したように、第1ベース基板31、第3ベース基板32a、第2ベース基板32、第1レンズ基板33、第2レンズ基板34が、下から順に配置されている。これらの基板は、例えば、透明なガラス基板で構成されている。
【0047】
図3に示すように、発光装置11は、A領域の構造とB領域の構造とによって構成されており、A領域とB領域の構造が交互に配置されている。第1ベース基板31上のA領域には、第1発光体チップ21が設けられている。第1発光体チップ21は、第1ベース基板31側から第1発光層23a、第1カバーガラス24a、第1遮光層25aが順に設けられている。なお、第1ベース基板31上のB領域には、何も設けられていない。
【0048】
第2ベース基板32上のB領域には、第2発光体チップ22が設けられている。第2発光体チップ22は、第2ベース基板32側から第2発光層23b、第2カバーガラス24b、及び第2遮光層25bが順に設けられている。
【0049】
第2ベース基板32のA領域には、第2ベース基板32の裏面側(第2発光体チップ22と反対側)に第1マイクロレンズ41が設けられている。具体的には、第1マイクロレンズ41は、第1発光体チップ21と対向するように第2ベース基板32と密着固定された第3ベース基板32aに設けられている。これにより、第1発光体チップ21から出射して拡散した光を、第1マイクロレンズ41に通過させることによって直線の光にすることができる。
【0050】
第1レンズ基板33のB領域には、第1レンズ基板33の裏面側に第2マイクロレンズ42が設けられている。言い換えれば、第2マイクロレンズ42は、第2発光体チップ22と対向するように第1レンズ基板33に設けられている。これにより、第2発光体チップ22から出射して拡散した光を、第2マイクロレンズ42に通過させることによって直線の光にすることができる。
【0051】
第2レンズ基板34のA領域及びB領域には、第2レンズ基板34の裏面側に第3マイクロレンズ43が設けられている。言い換えれば、第3マイクロレンズ43は、第1発光体チップ21及び第2発光体チップ22と、基板を介して対向するように第2レンズ基板34に設けられている。
【0052】
A領域の第1発光体チップ21によって発光した光12は、第1マイクロレンズ41と第3マイクロレンズ43とを通過する。一方、B領域の第2発光体チップ22によって発光した光12は、第2マイクロレンズ42と第3マイクロレンズ43とを通過する。これにより、拡散した光12を直線の光12に変換し、遮光層25a,25bに設けられた開口(図示せず)によって発光方向が規定され、更に、直線の光12を被照射体に集光させることができる。
【0053】
また、図4に示すように、発光装置11は、第1支柱51及び第2支柱52に設けられた溝45(45a,45b,45c,45d)をガイドに、第1ベース基板31、第2ベース基板32、第1レンズ基板33、第2レンズ基板34が挿入され、例えば、接着剤などを用いて固定されている。
【0054】
第1ベース基板31上及び第2ベース基板32上において、光12が通過する領域以外には、遮光性を有する遮光モールド46が塗布されている。
【0055】
また、図5に示すように、発光装置11は、第2レンズ基板34側から見ると、A領域の第3マイクロレンズ43aとB領域の第3マイクロレンズ43bとが交互に、かつ一列(直線状)になるように配置されている。つまり、平面的に、第1発光体チップ21の光12(35a)と第2発光体チップ22の光12(35b)とが、交互に出力(出射)されるようになっている。なお、A領域とA領域との間隔が第1間隔、また、B領域とB領域との間隔が第1間隔となっている。
【0056】
また、上記したように、1つの発光領域には複数の発光素子35a,35b設けられており、これら複数の発光素子35a,35bの光が1つのマイクロレンズ43a,43bを通過するようになっている。ここでは、例えば、6つの発光素子35a,35bの光が1つのマイクロレンズ43a,43bに出射するようになっている。
【0057】
また、図6に示すように、第1発光体チップ21から出射した第1出射光12aは、放射状に広がりながら第1マイクロレンズ41に入射する。第1出射光12aは、第1マイクロレンズ41によって平行な光となって第3マイクロレンズ43に入射する。第1出射光12aは、第3マイクロレンズ43を通過した後、被照射体、例えば、感光体ドラムを想定した場合の仮想焦点位置に集光する。
【0058】
また、第2発光体チップ22から出射した第2出射光12bは、放射状に広がりながら第2マイクロレンズ42に入射する。第2出射光12bは、第2マイクロレンズ42によって平行な光となって第3マイクロレンズ43に入射する。第2出射光12bは、第3マイクロレンズ43を通過した後、被照射体、例えば、感光体ドラムを想定した場合の仮想焦点位置に集光する。
【0059】
<発光装置の一部である発光層の構成>
図7は、発光装置を構成する発光体チップの一部である発光層の構造を示す模式断面図である。以下、発光層の構造を、図7を参照しながら説明する。なお、図7は、各構成要素の断面的な位置関係を示すものであり、相対関係は度外視されている。また、発光層は、複数の発光素子を有し、これら複数の発光素子の光が1つのマイクロレンズに出射するようになっている。また、発光層である第1発光層23aと第2発光層23bとは構造が同じであるので、第1発光層23aのみの構造を説明する。
【0060】
図7に示すように、第1発光層23a(以下、「有機EL装置23a」と称する。)は、発光領域112において発光が行われるものであり、基板113と、基板113上に形成された回路素子層114と、回路素子層114上に形成された発光素子層115とを有する。基板113は、例えば、シリコン基板である。
【0061】
回路素子層114には、基板113上にシリコン酸化膜(SiO2)からなる下地保護膜117が形成され、下地保護膜117上にTFT(Thin Film Transistor)素子118が形成されている。詳しくは、下地保護膜117上に、ポリシリコン膜からなる島状の半導体膜119が形成されている。半導体膜119には、ソース領域121及びドレイン領域122が不純物の導入によって形成されている。そして、不純物が導入されなかった部分がチャネル領域123となっている。
【0062】
更に、回路素子層114には、下地保護膜117及び半導体膜119を覆うシリコン酸化膜等からなる透明なゲート絶縁膜124が形成されている。ゲート絶縁膜124上には、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、タングステン(W)などからなるゲート電極125(走査線)が形成されている。
【0063】
ゲート絶縁膜124及びゲート電極125上には、透明な第1層間絶縁膜126及び第2層間絶縁膜127が形成されている。第1層間絶縁膜126及び第2層間絶縁膜127は、例えば、シリコン酸化膜(SiO2)、チタン酸化膜(TiO2)などから構成されている。ゲート電極125は、半導体膜119のチャネル領域123に対応する位置に設けられている。
【0064】
半導体膜119のソース領域121は、第1層間絶縁膜126及びゲート絶縁膜124を貫通して設けられたコンタクトホール128を介して、第1層間絶縁膜126上に形成された信号線129と電気的に接続されている。一方、ドレイン領域122は、第2層間絶縁膜127、第1層間絶縁膜126、ゲート絶縁膜124を貫通して設けられたコンタクトホール131を介して、第2層間絶縁膜127上に形成された画素電極132と電気的に接続されている。
【0065】
発光素子層115は、第1発光素子35aを具備して基板113上に形成されている。詳述すると、発光素子層115は、画素電極132と、画素電極132上に形成された機能層133と、機能層133を区画する隔壁134と、機能層133及び隔壁134上に形成された陰極(共通電極)116とを主体として構成されている。
【0066】
画素電極132は、例えば、発光領域112ごとに形成されている。また、画素電極132の下層にある第2層間絶縁膜127中には、例えば、アルミニウムなどからなる反射膜135が形成されている。画素電極132は、透明のITO(Indium Tin Oxide)膜からなり、発光層133cが発光した光を下方の反射膜135に反射させて上方に出射させることが可能となっている。
【0067】
また、画素電極132(発光領域112)は、例えば、平面的に見て丸形状となっている。なお、回路素子層114には、図示しない保持容量及びスイッチング用のトランジスターが形成されている。また、回路素子層114には、各画素電極132に接続された駆動用のトランジスターが形成されている。機能層133は、例えば、正孔注入層133aと、中間層133bと、発光層133cなどから構成されている。機能層133上及び隔壁134上には、陰極116が配置されている。画素電極132と、機能層133と、陰極116とによって第1発光素子35a(発光領域112)が構成されている。
【0068】
回路素子層114と隔壁134との間には、絶縁層136が形成されている。絶縁層136は、例えば、シリコン酸化膜(SiO2)である。絶縁層136は、隣り合う画素電極132間の絶縁性を確保すると共に、発光領域112の形状を所望の形状(例えば、丸形状)にするために、画素電極132の周縁部上に乗り上げるように形成されている。つまり、画素電極132と絶縁層136とは、平面的に一部が重なるように配置された構造となっている。言い換えれば、絶縁層136は、発光領域112を除いた領域に形成されていることになる。
【0069】
隔壁134は、複数の発光領域112(第1発光素子35a)が集まる領域を囲むように形成されている。つまり、隔壁134に囲まれた領域が隔壁134の開口部137となる。隔壁134の材質としては、例えば、有機材料が挙げられる。
【0070】
機能層133は、上記したように、正孔注入層133aと中間層133bと発光層133cとを有して構成されており、隔壁134に囲まれた領域、すなわち開口部137に、液滴吐出法、例えばインクジェット法を用いて順に形成されている。
【0071】
陰極116は、機能層133及び隔壁134を含む基板上の所定の領域に所定の領域全面を覆うように成膜(ベタ成膜)されている。具体的には、陰極116は、例えば、カルシウム(Ca)及びアルミニウム(Al)の積層体である。陰極116の上には、水や酸素の侵入を防ぐための、樹脂などからなる封止部材(図示せず)が積層されている。なお、画素電極132、発光素子層115及び陰極116によって第1発光素子35aが構成される。
【0072】
上述した発光層133cは、エレクトロルミネッセンス現象を発現する有機発光物質の層である。画素電極132と陰極116との間に電圧を印加することによって、発光層133cには、正孔注入層133aから正孔が、また、陰極116から電子が注入される。発光層133cにおいて、これらが結合したときに光を発する。
【0073】
<発光装置の製造方法>
図8は、発光装置の製造方法を工程順に示すフローチャートである。図9及び図10は、発光装置の製造方法のうち一部の工程の製造方法を示す模式断面図である。以下、発光装置の製造方法を、図8〜図10を参照しながら説明する。
【0074】
ステップS11では、発光装置11を構成する有機EL装置23において、シリコン基板からなる基板113上に回路素子層114及び発光素子層115を形成する。以下、図9及び図10を参照しながら具体的に説明する。なお、各種配線や電極、駆動用TFT等を形成する製造工程については、周知の工程と同様なので、これ以降の工程について詳しく説明する。
【0075】
まず、図9(a)に示す工程では、回路素子層114(図7参照)上に、画素電極132、絶縁層136、隔壁134を形成する。以降、図10(c)に示す工程までを、発光素子(第1発光素子、第2発光素子)形成工程とする。具体的には、まず、ITO( )からなる画素電極132を、公知の成膜技術、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術などを用いて回路素子層114上に形成する。次に、回路素子層114及び画素電極132上に、開口部を有する絶縁層136を形成する。絶縁層136の形成方法は、画素電極132の形成方法と同様である。
【0076】
次に、基板上の全体に、隔壁134となる有機物を塗布する。有機物としては、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等の耐熱性、耐溶剤性を有する材料が挙げられる。次に、この有機物をフォトリソグラフィ技術等により、隔壁134の形状にパターンニングする。これにより、開口部137が形成される。なお、開口部137の中には、複数の発光領域112(発光素子35)が開口部137の長手方向に設けられている。具体的には、複数の発光素子35の集まりを1つのドットとして用いている。
【0077】
図9(b)に示す工程では、正孔注入層133a(図9(c)参照)となる液体を隔壁134の開口部137内に充填する。液体を吐出する方法として、液滴吐出装置、例えばインクジェット装置を用いた液体プロセス法を用いることができる。まず、インクジェット装置を用いて、正孔注入層形成材料を含む液状組成物141(液体)を隔壁134の開口部137内(画素電極132上)に吐出する。より具体的には、インクジェットヘッドに形成された複数のノズル(いずれも図示せず)から液状組成物141を開口部137内に吐出する。
【0078】
図9(c)に示す工程では、乾燥処理及び熱処理を行い、画素電極132上に正孔注入層133aを形成する。具体的には、液状組成物141(図9(b)参照)を窒素雰囲気中などで真空乾燥させることにより、液状組成物141に含まれる溶媒が蒸発し、画素電極132上に正孔注入層133aが形成される。その後、同様にして、中間層133bを形成する。
【0079】
図10(a)に示す工程では、中間層133b上に発光層133c(図10(b)参照)となる液体を隔壁134の開口部137内に充填する。液体を吐出する方法として、上記したように、インクジェット法を用いることができる。具体的には、まず、発光層形成用の液状組成物142を、隔壁134の開口部137内の中間層133b上に吐出する。吐出された液状組成物142は、中間層133b上に広がって、隔壁134の開口部137内に満たされる。
【0080】
図10(b)に示す工程では、乾燥処理及び熱処理を行い、中間層133b上に発光層133cを形成する。具体的には、開口部137内に充填された液状組成物142(図10(a)参照)に、窒素雰囲気中などの真空乾燥処理及び熱処理を施すことにより、液状組成物142に含まれる溶媒が蒸発し、中間層133b上に発光層133cが形成される。
【0081】
図10(c)に示す工程では、隔壁134、発光層133cを含む基板上の全体に陰極116を形成する。具体的には、陰極116は、カルシウム層とアルミニウム層とを順次積層した構成となっている。陰極116の形成方法としては、例えば、蒸着法、スパッタ法、及びCVD(Chemical Vapor Deposition)法等で形成することができる。以上により、複数の発光素子35を有する有機EL装置23が完成する。以下、図8を参照しながら、引き続き発光装置11の製造方法を説明する。
【0082】
ステップS12では、有機EL装置23(発光層)にカバーガラス24を貼り付ける。具体的には、複数の発光素子35が形成された有機EL装置23と、別途用意したカバーガラス24とを樹脂を介して封止する。具体的には、例えば、熱硬化樹脂または紫外線硬化樹脂からなる封止樹脂を基板の周縁部に塗布し、封止樹脂上にカバーガラス24を配置する。封止には、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。
【0083】
有機EL装置23にカバーガラス24を貼り付けた後、カバーガラス24上に遮光層25を形成する。遮光層25は、光が通過する領域に開口を有し、出射した光12が反射してマイクロレンズに入らないようにするため、及び、隣接するマイクロレンズに迷光となって入らないようにするために設けられる(迷光対策)。更に、遮光層25によって、発光方向が規定される。なお、電気的に接続する部分は、露出している。
【0084】
ステップS13では、積層された有機EL装置23、カバーガラス24、遮光層25をチップ化して発光体チップ21,22を形成する。具体的には、例えば、ダイシング技術を用いて有機EL装置23、カバーガラス24、遮光層25を切断する。これにより、発光体チップ21,22が完成する。
【0085】
ステップS14では、ガラス基板からなる第1ベース基板31上に第1発光体チップ21を配置し、更に、ガラス基板からなる第2ベース基板32上に第2発光体チップ22を配置する。具体的には、まず、第1ベース基板31上に、第1ベース基板31の一辺を基準に等間隔で複数の第1発光体チップ21を配置する。続いて、第2ベース基板32上に、第2ベース基板32の一辺を基準に等間隔で複数の第2発光体チップ22を配置する。貼り付け方法は、例えば、接着剤を用いてベース基板31,32上に発光体チップ21,22を貼り付ける。
【0086】
なお、発光装置11として変形(例えば、反り)を抑えるために、複数枚の第1ベース基板31が直線状に並べられて使用される(図1参照)。第2ベース基板32も同様に、複数枚が直線状に並べられて用いられる。第1ベース基板31及び第2ベース基板32の枚数としては、例えば、3枚である。
【0087】
その後、第2ベース基板32を、水平方向に180°回転させることにより、第1ベース基板31と第2ベース基板32との配置関係が決まる。つまり、平面視で、第1ベース基板31に配置された第1発光体チップ21と第1発光体チップ21との間に、第2ベース基板32に配置された第2発光体チップ22が配置される。言い換えれば、平面視で、第1発光体チップ21と第2発光体チップ22とが交互に、かつ直線状に並んで配置されるようになっている。
【0088】
ステップS15では、ベース基板31,32に形成された回路パターンと発光体チップ21,22とを電気的に接続する(ワイヤーボンディング)。具体的には、第1ベース基板31上及び第2ベース基板32上に、外部と接続するための配線及び端子(回路パターン)が形成されている。第1ベース基板31上に第1発光体チップ21を配置する場合、ワイヤーボンディングによって互いを接続することにより、第1発光体チップ21と外部とが電気的に接続される。一方、第2ベース基板32上に第2発光体チップ22を配置した場合も同様である。
【0089】
ステップS16では、ベース基板31,32上における発光体チップ21,22の周辺に遮光モールド46を形成する(図4参照)。具体的には、発光体チップ21,22からベース基板31,32に接続されたワイヤーボンディングを覆うように形成する。これにより、ワイヤーボンディングの補強と遮光性、及び周辺部材の接着機能を兼ねることができる。また、遮光モールド46を塗布することにより、3つの第1ベース基板31が繋がった1本のベース基板が完成する。第2ベース基板32も同様である。
【0090】
ステップS17(マイクロレンズ形成工程、貼り合わせ工程)では、第2ベース基板32の裏面に第1マイクロレンズ41を備えた第3ベース基板32aを貼り付ける。具体的には、第2ベース基板32の裏面における、支柱51,52に組み立てたときに第1発光体チップ21と対向する位置に第1マイクロレンズ41が配置されるように貼り付ける。貼り合わせ面は、空気がなく、ガラスと同じ屈折率を有する接着材料などで固定されている。
【0091】
このように、第2ベース基板32に第1マイクロレンズ41を備えた第3ベース基板32aを貼り付けるので、発光体チップとマイクロレンズとの位置がずれることを抑えることが可能となり、発光体チップとマイクロレンズとの位置合わせを簡略化することができる。
【0092】
その後、第1レンズ基板33のB領域に(支柱51,52と組み合わせたときに第2発光体チップ22と対向する位置に)第2マイクロレンズ42を貼り付ける。更に、第2レンズ基板34のA領域及びB領域に第3マイクロレンズ43を貼り付ける。
【0093】
ステップS18(基板配置工程)では、第1ベース基板31及び第2ベース基板32を支柱51,52にセットする。具体的には、まず、ガラスからなる第1支柱51及び第2支柱52に、ダイシング技術などを用いて各基板を挿入する溝45(図4参照)を形成する。次に、第1支柱51及び第2支柱52に形成された溝45aに沿って第1ベース基板31を挿入する。その後、同様に溝45b,45c,45dに沿って、第2ベース基板32、第1レンズ基板33、第2レンズ基板34を挿入する。なお、特に組立の手順は限定されない。ダイシング技術などを用いて精度よく溝45を形成することにより、各基板の位置を調整することなく組み立てることができる。
【0094】
これらベース基板31,32、レンズ基板33,34、支柱51,52を膨張係数の同じガラス基板から形成することにより、熱による基板の変形を抑えることが可能となり、発光体チップ21,22とマイクロレンズ41,42,43との平面的な位置がずれることを抑えることができる。また、各基板を保持する溝45がダイシング技術によって形成されているので、光学的な調整を行うことなく光学特性を得ることができる。
【0095】
<電子機器>
図11は、発光装置が組み込まれた光書き込みヘッドモジュールを示す斜視図である。以下、発光装置を備えた光書き込みヘッドモジュールの構成を、図11を参照しながら説明する。
【0096】
図11に示すように、光書き込みヘッドモジュール201Kは、円柱状の感光体ドラム171Kと平行に、これと対向した状態で用いられる。光書き込みヘッドモジュール201Kは、感光体ドラム171Kと平行な方向に配設された箱体177と、箱体177と感光体ドラム171Kとの間に位置するように箱体177に取り付けられた光学部材178とを備えている。箱体177は、感光体ドラム171K側に開口部を有しており、その開口部に向かって光が出射されるように発光装置11が固定されている。光学部材178は、内部にセルフォック(登録商標)レンズアレイを備えており、発光装置11の発光素子35から出射され、一端に入射した光を、他端側から出射して感光体ドラム171Kの表面で集光、照射(描画)する。
【0097】
図12は、上記した発光装置を有する光書き込みヘッドモジュールを備えた電子機器の一例として画像形成装置(プリンター)を示す模式断面図である。以下、発光装置を有する光書き込みヘッドモジュールを備えた画像形成装置の構造を、図12を参照しながら説明する。
【0098】
図12に示すように、画像形成装置180は、発光装置11が組み込まれた光書き込みヘッドモジュール201K,201C,201M,201Yを備えており、これらに対応して4個の感光体ドラム(像担持体)171K,171C,171M,171Yが配置されたタンデム方式として構成されたものである。
【0099】
この画像形成装置180は、駆動ローラー191と従動ローラー192とテンションローラー193とを備え、これら各ローラーに中間転写ベルト190を、図12中矢印方向(反時計方向)に循環駆動するよう張架したものである。この中間転写ベルト190に対して、感光体ドラム171K,171C,171M,171Yが所定間隔で配置されている。これら感光体ドラム171K,171C,171M,171Yは、その外周面が像担持体としての感光層となっている。
【0100】
ここで、上記符号中のK、C、M、Yは、それぞれ黒、シアン、マゼンタ、イエローを意味し、それぞれ黒、シアン、マゼンタ、イエロー用の感光体であることを示している。なお、これら符号(K、C、M、Y)の意味は、他の部材についても同様である。感光体ドラム171K,171C,171M,171Yは、中間転写ベルト190の駆動と同期して、図12中矢印方向(時計方向)に回転駆動するようになっている。
【0101】
各感光体ドラム171(K、C、M、Y)の周囲には、それぞれ感光体ドラム171(K、C、M、Y)の外周面を一様に帯電させる帯電手段(コロナ帯電器)172(K、C、M、Y)と、この帯電手段172(K、C、M、Y)によって一様に帯電させられた外周面を感光体ドラム171(K、C、M、Y)の回転に同期して順次ライン走査する光書き込みヘッドモジュール201(K、C、M、Y)とが設けられている。
【0102】
また、光書き込みヘッドモジュール201(K、C、M、Y)で形成された静電潜像に現像剤であるトナーを付与して可視像(トナー像)とする現像装置174(K、C、M、Y)と、現像装置174(K、C、M、Y)で現像されたトナー像を一次転写対象である中間転写ベルト190に順次転写する転写手段としての一次転写ローラー175(K、C、M、Y)とが設けられている。また、転写された後に感光体ドラム171(K、C、M、Y)の表面に残留しているトナーを除去するクリーニング手段としてのクリーニング装置176(K、C、M、Y)が設けられている。
【0103】
各光書き込みヘッドモジュール201(K、C、M、Y)は、各発光装置11のアレイ方向(発光素子35の整列方向)が感光体ドラム171(K、C、M、Y)の回転軸に平行となるように設置されている。そして、各光書き込みヘッドモジュール201(K、C、M、Y)の主発光波長と、感光体ドラム171(K、C、M、Y)の感度ピーク波長とが略一致するように設定されている。
【0104】
現像装置174(K、C、M、Y)は、例えば、現像剤として非磁性一成分トナーを用いる。そして、その一成分現像剤を例えば供給ローラーで現像ローラーへ搬送し、現像ローラー表面に付着した現像剤の膜厚を規制ブレードで規制し、その現像ローラーを感光体ドラム171(K、C、M、Y)に接触させあるいは押圧せしめることにより、感光体ドラム171(K、C、M、Y)の電位レベルに応じて現像剤を付着させ、トナー像として現像するものである。
【0105】
このような4色の単色トナー像形成ステーションにより形成された黒、シアン、マゼンタ、イエローの各トナー像は、一次転写ローラー175(K、C、M、Y)に印加される一次転写バイアスによって中間転写ベルト190上に順次一次転写される。そして、中間転写ベルト190上で順次重ね合わされてフルカラーとなったトナー像は、二次転写ローラー166において用紙等の記録媒体Pに二次転写され、更に、定着部である定着ローラー対161を通ることで記録媒体P上に定着される。その後、排紙ローラー対162によって装置上部に形成された排紙トレイ168上に排出される。
【0106】
なお、図12中の符号163は多数枚の記録媒体Pが積層保持されている給紙カセット、164は給紙カセット163から記録媒体Pを一枚ずつ給送するピックアップローラー、165は二次転写ローラー166の二次転写部への記録媒体Pの供給タイミングを規定するゲートローラー対、166は中間転写ベルト190との間で二次転写部を形成する二次転写手段としての二次転写ローラー、167は二次転写後に中間転写ベルト190の表面に残留しているトナーを除去するクリーニング手段としてのクリーニングブレードである。
【0107】
この画像形成装置180は、上記した発光装置11を有する光書き込みヘッドモジュール201(K、C、M、Y)が露光手段として備えられている。このため、画像形成装置180は、感光体ドラム171Kに対して均一な発光光を出射することが可能となり、高品位な画像を形成することができる。
【0108】
以上詳述したように、本実施形態の発光装置11、発光装置11の製造方法、及び電子機器によれば、以下に示す効果が得られる。
【0109】
(1)本実施形態によれば、第1支柱51及び第2支柱52に溝45を形成し、各基板を溝45に嵌め合わせて支持固定しているので、比較的容易に発光素子35とマイクロレンズ41,42,43との平面的な位置、及び各基板間を所定の間隔にあけて配置することができる。更に、各基板の平面的な位置や基板間隔を調整することなく固定させることができる。また、第1発光素子35aと第2発光素子35bとが異なる基板に設けられているので、平面的に第1発光素子35aと第2発光素子35bとの距離を近づけることができる。よって、高精細に光を照射させることができる。
【0110】
(2)本実施形態によれば、発光素子35a,35bが平面的に直線状に配置されているので、各発光素子35a,35bによる露光タイミングを補正しなくても露光させることができる。よって、例えば、発光素子が千鳥状に配置されている場合と比較して、タイミング誤差のない高精度な露光を行うことができる。
【0111】
(3)本実施形態によれば、ガラス基板によって各基板が構成されているので、発光素子35の熱が各基板に伝わりにくく、基板が熱膨張することによって変形するなどの悪影響を及ぼすことを抑えることができる。よって、高精細で高精度な光を照射することができる。
【0112】
(4)本実施形態の電子機器によれば、上記した発光装置11を備えているので、高品位な表示が得られる電子機器を提供することができる。
【0113】
なお、実施形態は上記に限定されず、以下のような形態で実施することもできる。
【0114】
(変形例1)
上記したように、複数の発光素子35を有する発光体チップ21,22(第3マイクロレンズ43)の配列が直線状であることに限定されず、例えば、複数列状や、図13に示すように、複数の発光素子535を有する発光体チップ(第3マイクロレンズ543)の配列が千鳥状になるようにしてもよい。千鳥状に配置する場合、例えば、1枚のベース基板によって発光装置511を構成することも可能であり、3枚のベース基板を用いて発光装置511を構成することも可能である。
【0115】
(変形例2)
上記したように、第2ベース基板32に第1マイクロレンズ41を配置する位置は、第2ベース基板32の裏面側(第1発光体チップ21側)であることに代えて、表面側(第3マイクロレンズ43側)であってもよい。なお、第1マイクロレンズ41の形状や第2発光体チップ22の形成のしやすさ(配線などとの干渉)を基にどちらにするか選択するようにしてもよい。
【0116】
(変形例3)
上記したように、発光素子35は、有機EL素子であることに限定されず、例えば、LED(発光ダイオード:Light Emitting Diode)でもよい。また、発光装置11は、画像形成装置180(プリンター)に適用されることに限定されず、例えば、携帯電話機、モバイルコンピューター、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、テレビ、ディスプレイ、車載機器、オーディオ機器、照明機器などの各種電子機器に用いることができる。
【符号の説明】
【0117】
11…発光装置、12…光、21…第1発光体チップ、22…第2発光体チップ、23a…第1発光層、23b…第2発光層、24a…第1カバーガラス、24b…第2カバーガラス、25a…第1遮光層、25b…第2遮光層、31…第1基板としての第1ベース基板、32…第2基板としての第2ベース基板、32a…第3基板としての第3ベース基板、33…第4基板としての第1レンズ基板、34…第5基板としての第2レンズ基板、35…発光素子、35a…第1発光素子、35b…第2発光素子、41…第1マイクロレンズ、42…第2マイクロレンズ、43…第3マイクロレンズ、45,45a,45b,45c,45d…溝、46…遮光モールド、51…第1支柱、52…第2支柱、112…発光領域、113…基板、114…回路素子層、115…発光素子層、116…陰極、117…下地保護膜、118…TFT素子、119…半導体膜、121…ソース領域、122…ドレイン領域、123…チャネル領域、124…ゲート絶縁膜、125…ゲート電極、126…第1層間絶縁膜、127…第2層間絶縁膜、128,131…コンタクトホール、129…信号線、132…画素電極、133…機能層、133a…正孔注入層、133b…中間層、133c…発光層、134…隔壁、135…反射膜、136…絶縁層、137…開口部、161…定着ローラー、162…排紙ローラー対、163…給紙カセット、164…ピックアップローラー、165…ゲートローラー対、166…二次転写ローラー、167…クリーニングブレード、168…排紙トレイ、171K,171C,171M,171Y…感光体ドラム、172K,172C,172M,172Y…帯電手段、174K,174C,174M,174Y…現像装置、175K,175C,175M,175Y…一次転写ローラー、176K,176C,176M,176Y…クリーニング装置、177…箱体、178…光学部材、180…画像形成装置、190…中間転写ベルト、191…駆動ローラー、192…従動ローラー、193…テンションローラー、201K,201C,201M,201Y…光書き込みヘッドモジュール。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1間隔ごとに第1発光素子が設けられた第1基板と、
前記第1間隔ごとに設けられると共に、平面的に前記第1発光素子と重ならないように第2発光素子が設けられた第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に配置され、前記第1発光素子の光を透過する第1マイクロレンズが設けられた第3基板と、
前記第2基板上に配置され、前記第2発光素子の光を透過する第2マイクロレンズが設けられた第4基板と、
前記第4基板上に配置され、前記第1発光素子及び前記第2発光素子の光を透過する第3マイクロレンズが設けられた第5基板と、を有し、
前記各基板は、それぞれ所定の距離をおいて積層配置されていると共に、支柱に支持及び固定されていることを特徴とする発光装置。
【請求項2】
請求項1に記載の発光装置であって、
前記第1発光素子と前記第2発光素子とは、平面的に直線状に並んで配置されていることを特徴とする発光装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の発光装置であって、
前記所定の距離は、前記第3マイクロレンズを通過した光が被照射体を想定した仮想焦点位置に集光するように定められていることを特徴とする発光装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の発光装置であって、
前記各基板は、透明なガラス基板であることを特徴とする発光装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の発光装置であって、
前記支柱は、前記各基板の一端側を支持する第1支柱と、前記各基板の他端側を支持する第2支柱とを有し、
前記第1支柱及び前記第2支柱には、前記各基板の前記一端側及び前記他端側を支持するための溝が形成されていることを特徴とする発光装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の発光装置であって、
前記第1マイクロレンズが前記第1基板の前記第1発光素子に対向するように、前記第3基板は前記第2基板と一体で構成されていることを特徴とする発光装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の発光装置であって、
前記第1基板には、前記第1発光素子を備えた第1発光体チップが実装されており、
前記第2基板には、前記第2発光素子を備えた第2発光体チップが実装されていることを特徴とする発光装置。
【請求項8】
請求項7に記載の発光装置であって、
前記第1発光体チップおよび前記第2発光体チップは、発光方向を規定する開口を有する遮光層を備えていることを特徴とする発光装置。
【請求項9】
第1基板に、第1間隔ごとに第1発光素子を形成する第1発光素子形成工程と、
第2基板に、前記第1間隔ごとに第2発光素子を形成する第2発光素子形成工程と、
第3基板に、前記第1発光素子の光が透過する第1マイクロレンズを形成する第1マイクロレンズ形成工程と、
第4基板に、前記第2発光素子の光が透過する第2マイクロレンズを形成する第2マイクロレンズ形成工程と、
第5基板に、前記第1発光素子及び前記第2発光素子の光が透過する第3マイクロレンズを形成する第3マイクロレンズ形成工程と、
支柱に、前記各基板をそれぞれ所定の距離をおいて積層配置させると共に、平面的に前記第1発光素子と前記第2発光素子とが重ならないように前記各基板を配置させる基板配置工程と、
を有することを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項10】
請求項9に記載の発光装置の製造方法であって、
前記第1発光素子形成工程及び前記第2発光素子形成工程は、前記基板配置工程において、前記第1発光素子と前記第2発光素子とが平面的に直線状に並んで配置されるように、前記第1発光素子及び前記第2発光素子を形成することを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項11】
請求項9又は請求項10に記載の発光装置の製造方法であって、
前記各基板は、透明なガラス基板であることを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項12】
請求項9乃至請求項11のいずれか一項に記載の発光装置の製造方法であって、
前記支柱は、前記各基板の一端側を支持する第1支柱と、前記各基板の他端側を支持する第2支柱とを有し、
前記基板配置工程の前に、前記第1支柱及び前記第2支柱に、前記各基板の前記一端側及び前記他端側を支持するための溝を形成する溝形成工程を有することを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項13】
請求項9乃至請求項12のいずれか一項に記載の発光装置の製造方法であって、
前記基板配置工程の前に、前記第1マイクロレンズが前記第2発光素子に対して反対側に位置するように、前記第2基板に前記第3基板を貼り合わせる貼り合わせ工程を有することを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項14】
請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の発光装置を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項1】
第1間隔ごとに第1発光素子が設けられた第1基板と、
前記第1間隔ごとに設けられると共に、平面的に前記第1発光素子と重ならないように第2発光素子が設けられた第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に配置され、前記第1発光素子の光を透過する第1マイクロレンズが設けられた第3基板と、
前記第2基板上に配置され、前記第2発光素子の光を透過する第2マイクロレンズが設けられた第4基板と、
前記第4基板上に配置され、前記第1発光素子及び前記第2発光素子の光を透過する第3マイクロレンズが設けられた第5基板と、を有し、
前記各基板は、それぞれ所定の距離をおいて積層配置されていると共に、支柱に支持及び固定されていることを特徴とする発光装置。
【請求項2】
請求項1に記載の発光装置であって、
前記第1発光素子と前記第2発光素子とは、平面的に直線状に並んで配置されていることを特徴とする発光装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の発光装置であって、
前記所定の距離は、前記第3マイクロレンズを通過した光が被照射体を想定した仮想焦点位置に集光するように定められていることを特徴とする発光装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の発光装置であって、
前記各基板は、透明なガラス基板であることを特徴とする発光装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の発光装置であって、
前記支柱は、前記各基板の一端側を支持する第1支柱と、前記各基板の他端側を支持する第2支柱とを有し、
前記第1支柱及び前記第2支柱には、前記各基板の前記一端側及び前記他端側を支持するための溝が形成されていることを特徴とする発光装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の発光装置であって、
前記第1マイクロレンズが前記第1基板の前記第1発光素子に対向するように、前記第3基板は前記第2基板と一体で構成されていることを特徴とする発光装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の発光装置であって、
前記第1基板には、前記第1発光素子を備えた第1発光体チップが実装されており、
前記第2基板には、前記第2発光素子を備えた第2発光体チップが実装されていることを特徴とする発光装置。
【請求項8】
請求項7に記載の発光装置であって、
前記第1発光体チップおよび前記第2発光体チップは、発光方向を規定する開口を有する遮光層を備えていることを特徴とする発光装置。
【請求項9】
第1基板に、第1間隔ごとに第1発光素子を形成する第1発光素子形成工程と、
第2基板に、前記第1間隔ごとに第2発光素子を形成する第2発光素子形成工程と、
第3基板に、前記第1発光素子の光が透過する第1マイクロレンズを形成する第1マイクロレンズ形成工程と、
第4基板に、前記第2発光素子の光が透過する第2マイクロレンズを形成する第2マイクロレンズ形成工程と、
第5基板に、前記第1発光素子及び前記第2発光素子の光が透過する第3マイクロレンズを形成する第3マイクロレンズ形成工程と、
支柱に、前記各基板をそれぞれ所定の距離をおいて積層配置させると共に、平面的に前記第1発光素子と前記第2発光素子とが重ならないように前記各基板を配置させる基板配置工程と、
を有することを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項10】
請求項9に記載の発光装置の製造方法であって、
前記第1発光素子形成工程及び前記第2発光素子形成工程は、前記基板配置工程において、前記第1発光素子と前記第2発光素子とが平面的に直線状に並んで配置されるように、前記第1発光素子及び前記第2発光素子を形成することを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項11】
請求項9又は請求項10に記載の発光装置の製造方法であって、
前記各基板は、透明なガラス基板であることを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項12】
請求項9乃至請求項11のいずれか一項に記載の発光装置の製造方法であって、
前記支柱は、前記各基板の一端側を支持する第1支柱と、前記各基板の他端側を支持する第2支柱とを有し、
前記基板配置工程の前に、前記第1支柱及び前記第2支柱に、前記各基板の前記一端側及び前記他端側を支持するための溝を形成する溝形成工程を有することを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項13】
請求項9乃至請求項12のいずれか一項に記載の発光装置の製造方法であって、
前記基板配置工程の前に、前記第1マイクロレンズが前記第2発光素子に対して反対側に位置するように、前記第2基板に前記第3基板を貼り合わせる貼り合わせ工程を有することを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項14】
請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の発光装置を備えることを特徴とする電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−89354(P2012−89354A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−235191(P2010−235191)
【出願日】平成22年10月20日(2010.10.20)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月20日(2010.10.20)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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