説明

発光装置、電子機器

【課題】スイッチング用トランジスタのオフ電流を低く抑えたり、容量素子の大容量化を図らずとも、駆動用トランジスタの特性のばらつきに起因する、画素間における発光素子の輝度ムラを抑えることができる発光装置及び素子基板の提案を課題とする。
【解決手段】第1のトランジスタのゲートは、第1の走査線に接続されており、第2のトランジスタのゲートは、第2の走査線に接続されており、第1のトランジスタによって、信号線と第3のトランジスタのゲートとの接続が制御され、第2のトランジスタ及び第3のトランジスタは、発光素子が有する画素電極と、電源線との間において、直列に接続されており、信号線、第2の走査線及び電源線は並んでおり、第1の走査線は、信号線、第2の走査線及び電源線と交差していることを特徴とする発光装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電流を発光素子に供給するための手段と発光素子とが、複数の各画素に備え
られた発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光素子は自ら発光するため視認性が高く、液晶表示装置(LCD)で必要なバックラ
イトが要らず薄型化に最適であると共に、視野角にも制限が無い。そのため発光素子を用
いた発光装置は、CRTやLCDに代わる表示装置として注目されており、近年では携帯
電話やデジタルスチルカメラ等の電子機器に搭載されるなど、実用化が行なわれている。
【0003】
発光装置は、パッシブマトリクス型とアクティブマトリクス型とに分類できる。アクテ
ィブマトリクス型はビデオ信号の入力後も発光素子への電流の供給をある程度維持するこ
とができるので、パネルの大型化、高精細化に柔軟に対応することができ、今後の主流と
なりつつある。具体的に提案されている、アクティブマトリクス型発光装置における画素
の構成は、発光装置のメーカーによって異なっており、それぞれに特色のある技術的工夫
が凝らされているが、通常少なくとも、発光素子と、画素へのビデオ信号の入力を制御す
るトランジスタと、該発光素子に電流を供給するためのトランジスタとが各画素に設けら
れている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、画素へのビデオ信号の入力を制御するトランジスタのオフ電流が大きいと、
他の画素に入力されるビデオ信号の電位の変化に伴い、発光素子に供給する電流値を制御
するトランジスタのゲート・ソース間電圧(以下、ゲート電圧とする)Vgsが変動しや
すい。このゲート電圧Vgsの変動を防ぐためには、該トランジスタのゲート・ソース間
に設けられた容量素子の容量を大きくしたり、画素へのビデオ信号の入力を制御するトラ
ンジスタのオフ電流を低く抑えたりする必要がある。しかし、容量素子の占有面積を大き
くすることは、塵埃などに起因する電極間のリークの発生確率を高め、よって歩留まりの
低下に繋がるので望ましくない。また、画素へのビデオ信号の入力を制御するトランジス
タのオフ電流を低く抑えること、且つ、大きな容量を充電するためにオン電流を高くする
ことの両方を満たすように、トランジスタのプロセスを最適化するには、コストと時間を
要し、困難な課題である。さらに発光素子に供給する電流を制御するトランジスタのゲー
ト電圧Vgsは、ゲートにつく寄生容量に起因して、他のトランジスタのスイッチングや
信号線、走査線の電位の変動等に伴って、変動し易いという問題もある。
【0005】
本発明は上述した問題に鑑み、容量素子の面積を抑え、なおかつ既存のプロセスで作製
されたトランジスタを用いつつ、発光素子に供給する電流を制御するトランジスタのゲー
ト電圧Vgsの変動によって引き起こされる発光素子の輝度のばらつきを抑えることがで
きる発光装置の提案を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明では、発光素子に供給する電流の値を決めるトランジスタ(駆動用トランジスタ
)に加え、スイッチング素子として機能するトランジスタ(電流制御用トランジスタ)を
駆動用トランジスタに直列に接続する。そして少なくとも画像を表示するための期間にお
いては、ゲートに固定の電位を与えて駆動用トランジスタをオンにし、常に電流を流せる
状態にしておく。また、電流制御用トランジスタは線形領域で動作させ、そのゲートの電
位を、画素に入力されるビデオ信号で制御する。
【0007】
電流制御用トランジスタを線形領域で動作させることで、そのソース・ドレイン間電圧
(ドレイン電圧)Vdsは発光素子に加わる電圧Velに対して非常に小さくなり、ゲー
ト電圧Vgsの僅かな変動が、発光素子に流れる電流に影響しにくくなる。そして駆動用
トランジスタのゲートの電位は、ビデオ信号によって制御されず、固定されている。よっ
て、前記電流制御用トランジスタのゲート・ソース間に設けられた容量素子の容量を大き
くしたり、画素へのビデオ信号の入力を制御するトランジスタのオフ電流を低く抑えたり
しなくても、発光素子に流れる電流が変動しにくくなる。また発光素子に流れる電流は、
電流制御用トランジスタのゲートにつく寄生容量による影響も受けない。そして、電流制
御用トランジスタは発光素子への電流の供給の有無を選択するのみであって、発光素子に
流れる電流の値は、駆動用トランジスタにより決定される。このため、ばらつき要因が減
り、画質を大いに高めることができる。また、画素へのビデオ信号の入力を制御するトラ
ンジスタのオフ電流を低く抑えるためにプロセスを最適化しなくとも良いので、トランジ
スタの作製プロセスを簡略化することができ、コスト削減、歩留まり向上に大きく貢献す
ることができる。
【0008】
なお本発明では、駆動用トランジスタを飽和領域で動作させるのが望ましいが、線形領
域で動作させても良い。飽和領域では線形領域に比べて、ドレイン電流がゲート電圧Vg
sの僅かな変動に対して、ドレイン電流が大きく影響しやすい。しかし本発明では、駆動
用トランジスタを飽和領域で動作させても、駆動用トランジスタのゲートの電位が固定さ
れているので、ゲート電圧Vgsが変動しない。駆動用トランジスタを飽和領域で動作さ
せることで、ドレイン電流がドレイン電圧Vdsによって変化せず、Vgsのみによって
定まるようになるので、発光素子の劣化に伴ってVelが大きくなる代わりにVdsが小
さくなっても、ドレイン電流の値は比較的一定に保たれる。よって、電界発光材料の劣化
に伴う発光素子の輝度の低下や輝度むらの発生を抑えることができる。
【0009】
なお、駆動用トランジスタのLをWより長く、電流制御用トランジスタのLをWと同じ
か、それより短くしてもよい。より望ましくは、駆動用トランジスタのWに対するLの比
が5以上にするとよい。上記構成によって、駆動用トランジスタの特性の違いに起因する
、画素間における発光素子の輝度のばらつきをさらに抑えることができる。また、駆動用
トランジスタのチャネル長をL1、チャネル幅をW1、電流制御用トランジスタのチャネ
ル長をL2、チャネル幅をW2とすると、L1/W1:L2/W2=X:1のとき、Xは
5以上6000以下とするのが望ましい。例としては、L1/W1=500μm/3μm
、L2/W2=3μm/100μmという場合が挙げられる。
【0010】
また本明細書において発光素子は、電流または電圧によって輝度が制御される素子をそ
の範疇に含んでおり、具体的にはOLED(Organic Light Emitting Diode)や、FED
(Field Emission Display)に用いられているMIM型の電子源素子(電子放出素子)等
が含まれる。
【0011】
また発光装置は、発光素子が封止された状態にあるパネルと、該パネルにコントローラ
を含むIC等を実装した状態にあるモジュールとを含む。さらに本発明は、該発光装置を
作製する過程における、発光素子が完成する前の一形態に相当する素子基板に関し、該素
子基板は、電流を発光素子に供給するための手段を複数の各画素に備える。
【0012】
なお素子基板は、具体的には、発光素子の画素電極のみが形成された状態であっても良
いし、画素電極となる導電膜を成膜した後であって、パターニングして画素電極を形成す
る前の状態であっても良いし、あらゆる形態があてはまる。
【0013】
発光素子の1つであるOLED(Organic Light Emitting Diode)は、電場を加えるこ
とで発生するルミネッセンス(Electroluminescence)が得られる電界発光材料を含む層
(以下、電界発光層と記す)と、陽極と、陰極とを有している。電界発光層は陽極と陰極
の間に設けられており、単層または複数の層で構成されている。これらの層の中に無機化
合物を含んでいる場合もある。電界発光層におけるルミネッセンスには、一重項励起状態
から基底状態に戻る際の発光(蛍光)と三重項励起状態から基底状態に戻る際の発光(リ
ン光)とが含まれる。
【0014】
なお本発明の発光装置において用いられるトランジスタとして、多結晶シリコンやアモ
ルファスシリコンを用いた薄膜トランジスタを用いることができるが、本発明の発光装置
に用いられるトランジスタは薄膜トランジスタに限定されない。単結晶シリコンを用いて
形成されたトランジスタであっても良いし、SOIを用いたトランジスタであっても良い
。また、有機半導体を用いたトランジスタであっても良いし、カーボンナノチューブを用
いたトランジスタであってもよい。また本発明の発光装置の画素に設けられたトランジス
タは、シングルゲート構造を有していても良いし、ダブルゲート構造やそれ以上のゲート
電極を有するマルチゲート構造であっても良い。
【発明の効果】
【0015】
本発明では、電流制御用トランジスタのゲート・ソース間に設けられた容量素子の容量
を大きくしたり、画素へのビデオ信号の入力を制御するトランジスタのオフ電流を低く抑
えたりしなくても、発光素子に流れる電流が変動しにくくなる。また発光素子に流れる電
流は、電流制御用トランジスタのゲートにつく寄生容量による影響も受けない。そして、
電流制御用トランジスタは発光素子への電流の供給の有無を選択するのみであって、発光
素子に流れる電流の値は、駆動用トランジスタにより決定される。このため、ばらつき要
因が減り、画質を大いに高めることができる。また、画素へのビデオ信号の入力を制御す
るトランジスタのオフ電流を低く抑えるためにプロセスを最適化しなくとも良いので、ト
ランジスタの作製プロセスを簡略化することができ、コスト削減、歩留まり向上に大きく
貢献することができる。
【0016】
また本発明では、駆動用トランジスタを飽和領域で動作させるのが望ましいが、線形領
域で動作させても良い。飽和領域では線形領域に比べて、ドレイン電流がゲート電圧Vg
sの僅かな変動に対して、ドレイン電流が大きく影響しやすい。しかし本発明では、駆動
用トランジスタを飽和領域で動作させても、駆動用トランジスタのゲートの電位が固定さ
れているので、ゲート電圧Vgsが変動しにくい。駆動用トランジスタを飽和領域で動作
させることで、ドレイン電流がドレイン電圧Vdsによって変化せず、Vgsのみによっ
て定まるようになるので、発光素子の劣化に伴ってVelが大きくなる代わりにVdsが
小さくなっても、ドレイン電流の値は一定に保たれる。よって、電界発光材料の劣化に伴
う発光素子の輝度の低下や輝度むらの発生を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の発光装置における画素の回路図。
【図2】図1に示した発光装置の駆動方法を示す図。
【図3】図1に示した発光装置の駆動方法を示す図。
【図4】本発明の発光装置において、書き込み期間と保持期間のタイミングを示す図。
【図5】アクティブマトリクス型の発光装置の駆動方法を示す図。
【図6】ビデオ信号が電圧を用いているのか、電流を用いているのかで分類した、駆動方法の一覧。
【図7】本発明の発光装置における画素の回路図。
【図8】本発明の発光装置における画素の回路図。
【図9】本発明の発光装置における画素の回路図。
【図10】図1に示した発光装置の画素の上面図。
【図11】図1に示した発光装置の画素の上面図
【図12】本発明の発光装置における、画素の断面構造の一例を示す図。
【図13】本発明の発光装置における、画素の断面構造の一例を示す図。
【図14】本発明の発光装置における、画素の断面構造の一例を示す図。
【図15】本発明の発光装置における、画素の断面構造の一例を示す図。
【図16】外部回路とパネルの構成を示す図。
【図17】信号線駆動回路の一実施例を示す図。
【図18】本発明の発光装置の上面図及び断面図。
【図19】本発明の発光装置を用いた電子機器の図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、本発明は多く
の異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱すること
なくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従っ
て、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0019】
(実施の形態1)
図1に、本発明の発光装置が有する画素の一形態を示す。図1に示す画素は、発光素子
101と、ビデオ信号の画素への入力を制御するためのスイッチング素子として用いるト
ランジスタ(スイッチング用トランジスタ)102と、発光素子101に供給される電流
の値を制御する駆動用トランジスタ103と、発光素子101への電流の供給の有無を選
択する電流制御用トランジスタ104とを有している。さらに本実施の形態のように、ビ
デオ信号の電位を保持するための容量素子105を画素に設けても良い。
【0020】
図1では、駆動用トランジスタ103及び電流制御用トランジスタ104は同じ極性で
あっても異なる極性であってもどちらでも良い。本実施の形態では、駆動用トランジスタ
103を飽和領域で動作させる例について説明するが、線形領域で動作させても良い。ま
た、スイッチング用トランジスタ102及び電流制御用トランジスタ104は線形領域で
動作させる。駆動用トランジスタ103にはエンハンスメント型トランジスタを用いても
よいし、ディプリーション型トランジスタを用いてもよい。スイッチング用トランジスタ
102は、n型であってもp型であってもどちらでも良い。
【0021】
スイッチング用トランジスタ102のゲートは、走査線Gj(j=1〜y)に接続され
ている。スイッチング用トランジスタ102のソースとドレインは、一方が信号線Si(
i=1〜x)に、もう一方が電流制御用トランジスタ104のゲートに接続されている。
駆動用トランジスタ103のゲートは第2の電源線Wi(i=1〜x)に接続されている
。そして駆動用トランジスタ103及び電流制御用トランジスタ104は、第1の電源線
Vi(i=1〜x)から供給される電流が、駆動用トランジスタ103及び電流制御用ト
ランジスタ104のドレイン電流として発光素子101に供給されるように、第1の電源
線Vi(i=1〜x)、発光素子101と接続されている。本実施の形態では、電流制御
用トランジスタ104のソースが第1の電源線Vi(i=1〜x)に接続され、駆動用ト
ランジスタ103のドレインが発光素子101の画素電極に接続される。
【0022】
なお駆動用トランジスタ103のソースを第1の電源線Vi(i=1〜x)に接続し、
電流制御用トランジスタ104のドレインを発光素子101の画素電極に接続してもよい

【0023】
発光素子101は陽極と陰極と、陽極と陰極との間に設けられた電界発光層とからなる
。陽極と陰極は、いずれか一方を画素電極、他方を対向電極として用いる。
【0024】
容量素子105が有する2つの電極は、一方は第1の電源線Vi(i=1〜x)に接続
されており、もう一方は電流制御用トランジスタ104のゲートに接続されている。容量
素子105は、電流制御用トランジスタ104のゲート電圧を保持するために設けられて
いる。なお図1では容量素子105を設ける構成を示したが、本発明はこの構成に限定さ
れず、容量素子105を設けない構成にしても良い。
【0025】
図1のように、駆動用トランジスタ103および電流制御用トランジスタ104をp型
とする場合、駆動用トランジスタ103のドレインと発光素子101の陽極とを接続する
のが望ましい。つまり陽極を画素電極とし、陰極を対向電極として用いるのが望ましい。
逆に駆動用トランジスタ103および電流制御用トランジスタ104をn型とするならば
、駆動用トランジスタ103のソースと発光素子101の陰極とを接続するのが望ましい
。つまり陰極を画素電極とし、陽極を対向電極として用いるのが望ましい。
【0026】
次に、図1に示した画素の駆動方法について説明する。図1に示す画素は、その動作を
書き込み期間、保持期間とに分けて説明することができる。図2(A)に、書き込み期間
において電流制御用トランジスタ104がオンの場合の動作を、図2(B)に、書き込み
期間において電流制御用トランジスタ104がオフの場合の動作を示す。また図2(C)
に、保持期間において電流制御用トランジスタ104がオンの場合の動作を、図2(D)
に、保持期間において電流制御用トランジスタ104がオフの場合の動作を示す。なお、
図2(A)〜図2(D)では動作を分かり易くするために、スイッチング用トランジスタ
102と、電流制御用トランジスタ104とを単にスイッチとして示す。
【0027】
まず書き込み期間において、電流制御用トランジスタのスイッチングに関わらず、発光
素子101への電流の供給を止めておく。具体的には、発光素子101の対向電極と第1
の電源線Vi(i=1〜x)の間の電位差を埋めれば良い。または、発光素子をダイオー
ドに見立てたときに、発光素子が有する一対の電極間に逆方向バイアスの電圧がかけられ
るように、対向電極と第1の電源線Vi(i=1〜x)の間の電位差を設定すれば良い。
或いは、発光素子に流れる電流の経路をスイッチ等で遮断しても良い。そして、走査線G
j(j=1〜y)が選択されると、走査線Gj(j=1〜y)にゲートが接続されている
スイッチング用トランジスタ102がオンになる。そして、信号線Si(i=1〜x)に
入力されたビデオ信号が、スイッチング用トランジスタ102を介して電流制御用トラン
ジスタ104のゲートに入力される。駆動用トランジスタ103のゲートには、電流制御
用トランジスタがオンのときに駆動用トランジスタがオンになるような高さの電位が、第
1の電源線Vi(i=1〜x)から常に与えられている。
【0028】
なお、ビデオ信号の電位に従って、電流制御用トランジスタ104が、図2(A)に示
すようにオンになっていても、図2(B)に示すようにオフになっていても、書き込み期
間においては発光素子101への電流の供給は停止している。よって書き込み期間におい
て、全ての発光素子101は非発光の状態である。そして走査線Gj(j=1〜y)の電
位を制御することでスイッチング用トランジスタ102をオフにし、書き込み期間におい
て書き込まれたビデオ信号の電位が保持される。
【0029】
次に保持期間では、発光素子101の対向電極と、第1の電源線Vi(i=1〜x)の
間には、発光素子101に順方向バイアスの電流が供給されるような電位差が設けられて
おり、電流制御用トランジスタ104がオンであるならば発光素子101に流れる電流の
経路が確保されている状態にする。
【0030】
よって、ビデオ信号によって電流制御用トランジスタ104がオンになる場合は、図2
(C)に示すように、第1の電源線Vi(i=1〜x)を介して電流が発光素子101に
供給される。発光素子101に流れる電流は、駆動用トランジスタ103のドレイン電流
と、発光素子101の電圧電流特性によって決まる。そして発光素子101は、供給され
る電流に見合った高さの輝度で発光する。逆に、書き込み期間において電流制御用トラン
ジスタ104をオフにした場合、図2(D)に示すように、ビデオ信号の電位は容量素子
105によって保持されているので、発光素子101への電流の供給は停止しており、発
光素子101は非発光の状態を維持する。
【0031】
なお図1に示した画素において、発光素子101の対向電極と第1の電源線Vi(i=
1〜x)の間の電位差を埋めることで、発光素子101への電流の供給を止める場合のス
イッチの構成の一例を、図3(A)に示す。図3(A)に示すように、スイッチ110を
切り替えることで、書き込み期間においては第1の電源線Viと、発光素子101の対向
電極とに電位Vddを与え、保持期間においては発光素子101に順方向バイアスの電流
が供給されるように、発光素子101の対向電極に電位Vssを、第1の電源線Viに電
位Vddを与えることができる。
【0032】
また、図1に示した画素において、発光素子101に流れる電流の経路を遮断すること
で、発光素子101への電流の供給を止める場合のスイッチの構成を、図3(B)に示す
。図3(B)に示すように、書き込み期間においてはスイッチ111をオフすることで、
発光素子101に流れる電流の経路を遮断して対向電極をフローティングにし、保持期間
においてはスイッチ111をオンにすることで、発光素子101に流れる電流の経路を確
保し、発光素子101に順方向バイアスの電流が供給されるようにすることができる。
【0033】
書き込み期間と保持期間のタイミングの一例を、図4を用いて説明する。
【0034】
図4は時間階調方式を用い、4ビット階調を表現する場合の例である。Ts1〜Ts4
は各ビットに対応する保持期間である。保持期間Ts1〜Ts4は、その長さの比をTs
1:Ts2:Ts3:Ts4=23:22:21:20=8:4:2:1としている。Tb1
〜Tb4は、各ビットに対応する、走査線に沿って並ぶ1行の画素ごとの書き込み期間に
相当する。また、Ta1〜Ta4は、各ビットに対応する書き込みが開始されてから、全
てのラインの画素において終了するまでのトータルの書き込み期間に相当する。
【0035】
書き込み期間Tb1において、画素の1行目から順に走査線が選択され、スイッチング
用トランジスタがオンする。次に、信号線よりビデオ信号が各画素に入力される。ビデオ
信号の入力が完了した行においては、書き込み期間Tb1が終了し、該ビデオ信号の電位
が保持される。上記動作が最終行まで行われ、期間Ta1が終了する。次に、全ての行に
おいて保持期間Ts1が開始される。保持期間では、書き込み期間Ta1において入力さ
れたビデオ信号の電位によって、各画素の発光、非発光が制御される。そして全ての画素
において一斉に保持期間が終了し、再び1行目の画素から、次のビットに対応する書き込
み期間Tb2が開始される。
【0036】
ここでは4ビット階調を表現する場合について説明したが、ビット数及び階調数はこれ
に限定されない。また、保持期間の順番はTs1〜Ts4である必要はなく、ランダムで
もよいし、各保持期間を複数に分割して表示を行なってもよい。
【0037】
本発明では、電流制御用トランジスタ104を線形領域で動作させることで、そのドレ
イン電圧Vdsは発光素子101に加わる電圧Velに対して非常に小さくなり、ゲート
電圧Vgsの僅かな変動が、発光素子101に流れる電流に影響しにくくなる。そして駆
動用トランジスタ103のゲートの電位は、ビデオ信号によって制御されず、固定されて
いる。よって、前記電流制御用トランジスタ104のゲート・ソース間に設けられた容量
素子105の容量を大きくしたり、スイッチング用トランジスタ102のオフ電流を低く
抑えたりしなくても、発光素子101に流れる電流が変動しにくくなる。また発光素子1
01に流れる電流は、電流制御用トランジスタ104のゲートにつく寄生容量による影響
も受けない。そして、電流制御用トランジスタ104は発光素子101への電流の供給の
有無を選択するのみであって、発光素子101に流れる電流の値は、駆動用トランジスタ
103により決定される。このため、ばらつき要因が減り、画質を大いに高めることがで
きる。また、スイッチング用トランジスタ102のオフ電流を低く抑えるためにプロセス
を最適化しなくとも良いので、トランジスタの作製プロセスを簡略化することができ、コ
スト削減、歩留まり向上に大きく貢献することができる。
【0038】
なお駆動用トランジスタ103は飽和領域で動作させるのが望ましいが、線形領域で動
作させても良い。飽和領域では線形領域に比べて、ドレイン電流がゲート電圧Vgsの僅
かな変動に対して、ドレイン電流が大きく影響しやすい。しかし本発明では、駆動用トラ
ンジスタ103を飽和領域で動作させても、駆動用トランジスタ103のゲートの電位が
固定されているので、ゲート電圧Vgsが変動しない。駆動用トランジスタ103を飽和
領域で動作させることで、ドレイン電流がドレイン電圧Vdsによって変化せず、Vgs
のみによって定まるようになるので、発光素子の劣化に伴ってVelが大きくなる代わり
にVdsが小さくなっても、ドレイン電流の値は一定に保たれる。よって、電界発光材料
の劣化に伴う発光素子の輝度の低下や輝度むらの発生を抑えることができる。
【0039】
なおアクティブマトリクス型の発光装置は、ビデオ信号の入力後も発光素子への電流の
供給をある程度維持することができるので、パネルの大型化、高精細化に柔軟に対応する
ことができ、今後の主流となりつつある。具体的に提案されている、アクティブマトリク
ス型発光装置における画素の構成は、発光装置のメーカーによって異なっており、それぞ
れに特色のある技術的工夫が凝らされている。図5に、アクティブマトリクス型の発光装
置における駆動方法の分類を、体系的に示す。
【0040】
図5に示すように、アクティブマトリクス型の発光装置における駆動方法は、大まかに
、ビデオ信号がデジタルのものと、アナログのものとに分類できる。そしてアナログに分
類される発光装置は、さらに、発光素子に流す電流値をアナログ的に変調させる電流変調
と、インバータのオンとオフの長さを変化させることで、階調を表現する時間変調とに分
類される。電流変調の発光装置は、Tr特性補正回路ありのものと、なしのものに分類で
きる。Tr特性補正回路とは、駆動用トランジスタの特性ばらつきを補正する回路であり
、閾値電圧のみ補正する回路や電流値(閾値電圧、移動度等すべて含む)を補正する回路
がある。
【0041】
電流変調に分類されるTr特性補正回路ありの発光装置は、さらに電圧プログラミング
で閾値電圧補正をするものと、電流プログラミングで電流値補正をするものとに分類され
る。電圧プログラミングは、ビデオ信号を電圧で入力し、駆動用トランジスタの閾値電圧
のばらつきを補正するものである。一方、電流プログラミングは、駆動用トランジスタの
電流値(閾値電圧、移動度もすべて含む)のばらつきを補正するものである。ビデオ信号
は電流で入力する。発光素子は電流駆動素子であり、電流によって発光輝度が決まるので
データとして電流値を用いた方が直接的である。
【0042】
そして、電流プログラミングで電流値補正をする発光装置は、さらに電流ミラー型と、
電流ミラーを用いないタイプに分類される。電流ミラー型は、カレントミラー回路を利用
したピクセル回路で、電流を設定するトランジスタと発光素子への電流供給を行なうトラ
ンジスタを別々に配置する。ミラーとなる2つのトランジスタの特性が揃っていることが
大前提となる。電流ミラーを用いないタイプの発光装置は、カレントミラー回路を用いず
、1つのトランジスタで電流設定と発光素子への電流供給を行なう。
【0043】
一方、デジタルに分類される発光装置は、面積階調と時間諧調に分類される。面積階調
は画素内にサブピクセルを設け、その発光面積に1:2:4:8:…のように重みをつけ
て、その選択により階調表示を行なうものである。面積諧調には、発光時ゲート電位固定
法がある。発光時ゲート電位固定法は、発光素子の発光期間、駆動用トランジスタのゲー
トの電位を固定することで、駆動用トランジスタのVgsを一定にし、表示不良を改善す
るものである。ビデオ信号は駆動用トランジスタと直列に配置された電流制御用トランジ
スタのゲートに入力される。
【0044】
時間諧調は、1フレームを幾つかのサブフレームに分け、それぞれの発光時間に1:2
:4:8:…のように重みをつけ、その選択によって階調表示を行なうものである。時間
諧調は、DPS(Display Period Separated)駆動と、SES(Simultaneous Erasing Scan)駆動
とに分類される。DPS駆動は、サブフレームがそれぞれ、データ書き込み期間(Addressing
Period)と発光期間(Lighting Period)の2つの部分より構成される。DPS駆動については
、” M .Mizukami, et al. ,6-Bit Digital VGA OLED, SID00 Digest,p.912”に記載され
ている。DPS駆動には、上述したような発光時ゲート電位固定法がある。そして本発明
の発光装置は、DPS駆動の発光時ゲート電位固定法に分類される。
【0045】
SES駆動は、消去用トランジスタを用いることで、データ書き込み期間と発光期間を重
ねることができ、発光素子の発光期間を長くすることができる。SES駆動については、”K
.Inukai, et al. , 4.0-in. TFT-OLED Displays and a Novel Digital Driving Method
, SID00 Digest,p.924”に記載されている。SES駆動はさらに、定電流駆動と定電圧駆動
とに分類される。定電流駆動は発光素子を一定電流で駆動するものであり、発光素子の抵
抗変化によらず、一定電流が流れる。定電圧駆動は、発光素子を一定電圧で駆動するもの
である。定電圧駆動には、上述したような発光時ゲート電位固定法がある。
【0046】
定電流駆動の発光装置は、さらにTr特性補正回路ありのものと、なしのものとに分類
される。Tr特性補正回路ありの発光装置は、国際公開番号WO03/027997に記
載されている発光装置の駆動(CCT1)のものと、特開平2003−255896号公
報に記載されている発光装置の駆動(CCSP)のものとがある。Tr特性補正回路なし
の発光装置は、さらに、駆動Tr ロングチャネル長のものと、発光時ゲート電位固定法
のものとに分類される。発光時ゲート電位固定法の発光装置の発光装置にも、駆動Tr
ロングチャネル長のものがある。駆動Tr ロングチャネル長については、特開平200
3−295793号公報に記載されている。駆動Tr ロングチャネル長は、定電流駆動
時の駆動用トランジスタの特性ばらつきを抑制するものである。ゲート長を超ロングにす
ることで、閾値電圧近傍のVgsを使わないため各画素の発光素子に流れる電流値のばら
つきを低減できる。
【0047】
図6に、ビデオ信号がデジタルの発光装置において、ビデオ信号が電圧を用いているの
か、電流を用いているのかで分類した、駆動方法の一覧を示す。図6に示すように、発光
素子の発光時において、画素に入力されるビデオ信号が定電圧(CV)のものと、定電流
(CC)のものとがある。
【0048】
ビデオ信号が定電圧(CV)のものには、発光素子に印加される電圧が一定のもの(C
VCV)と、発光素子に流れる電流が一定のもの(CVCC)とがある。またビデオ信号
が定電流(CC)のものには、発光素子に印加される電圧が一定のもの(CCCV)と、
発光素子に流れる電流が一定のもの(CCCC)とがある。
【0049】
本発明の発光装置は、駆動用トランジスタを線形領域で動作させた場合はCVCVに、
飽和領域で動作させた場合はCVCCに分類される。
【0050】
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1とは異なる、本発明の発光装置における画素の一形態
について説明する。
【0051】
図7(A)に、本実施の形態における画素の構成を示す。図7(A)に示す画素は、発
光素子201と、ビデオ信号の画素への入力を制御するためのスイッチング素子として用
いるスイッチング用トランジスタ202と、発光素子201に流れる電流値を制御する駆
動用トランジスタ203、発光素子201への電流の供給を制御する電流制御用トランジ
スタ204とを有している。さらに本実施の形態のように、ビデオ信号の電位を保持する
ための容量素子205を画素に設けても良い。
【0052】
駆動用トランジスタ203及び電流制御用トランジスタ204は同じ極性を有していて
も、異なる極性を有していてもどちらでも良い。また駆動用トランジスタ203は、飽和
領域動作させても良いし、線形領域で動作させても良い。スイッチング用トランジスタ2
02及び電流制御用トランジスタ204は線形領域で動作させる。駆動用トランジスタ2
03にはエンハンスメント型トランジスタを用いてもよいし、ディプリーション型トラン
ジスタを用いてもよい。また、スイッチング用トランジスタ202はn型であっても良い
し、p型であっても良い。
【0053】
スイッチング用トランジスタ202のゲートは、第1の走査線Gaj(j=1〜y)に
接続されている。スイッチング用トランジスタ202のソースとドレインは、一方が信号
線Si(i=1〜x)に、もう一方が電流制御用トランジスタ204のゲートに接続され
ている。駆動用トランジスタ203のゲートは第2の走査線Gbj(j=1〜y)に接続
されている。そして駆動用トランジスタ203及び電流制御用トランジスタ204は、電
源線Vi(i=1〜x)から供給される電流が、駆動用トランジスタ203及び電流制御
用トランジスタ204のドレイン電流として発光素子201に供給されるように、電源線
Vi(i=1〜x)、発光素子201と接続されている。本実施の形態では、電流制御用
トランジスタ204のソースが電源線Vi(i=1〜x)に接続され、駆動用トランジス
タ203のドレインが発光素子201の画素電極に接続される。
【0054】
なお本実施の形態では、駆動用トランジスタ203のソースが電源線Vi(i=1〜x
)に接続され、電流制御用トランジスタ204のドレインが発光素子201の画素電極に
接続されていても良い。
【0055】
発光素子201は陽極と陰極と、陽極と陰極との間に設けられた電界発光層とを有する
。陽極と陰極は、いずれか一方を画素電極、他方を対向電極として用いる。
【0056】
容量素子205が有する2つの電極は、一方は電源線Vi(i=1〜x)に接続されて
おり、もう一方は電流制御用トランジスタ204のゲートに接続されている。容量素子2
05は、電流制御用トランジスタ204のゲート電圧を保持するために設けられている。
なお図7(A)では容量素子205を設ける構成を示したが、本発明はこの構成に限定さ
れず、容量素子205を設けない構成にしても良い。
【0057】
図7(A)のように、駆動用トランジスタ203および電流制御用トランジスタ204
をp型とする場合、駆動用トランジスタ203のドレインと発光素子201の陽極とを接
続するのが望ましい。つまり陽極を画素電極とし、陰極を対向電極として用いるのが望ま
しい。逆に駆動用トランジスタ203および電流制御用トランジスタ204をn型とする
ならば、駆動用トランジスタ203のソースと発光素子201の陰極とを接続するのが望
ましい。つまり陰極を画素電極とし、陽極を対向電極として用いるのが望ましい。
【0058】
次に、図7(A)に示した画素の駆動方法について説明する。図7(A)に示す画素は
、実施の形態1の場合と同様に、その動作を書き込み期間と保持期間とに分けて説明する
ことができる。
【0059】
まず書き込み期間において、電流制御用トランジスタ204のスイッチングに関わらず
、発光素子201への電流の供給を止めておく。具体的には、実施の形態1と同様に、発
光素子201の対向電極と第1の電源線Vi(i=1〜x)の間の電位差を埋めれば良い
。または、発光素子201をダイオードに見立てたときに、発光素子201が有する一対
の電極間に逆方向バイアスの電圧がかけられるように、対向電極と第1の電源線Vi(i
=1〜x)の間の電位差を設定すれば良い。或いは、発光素子201に流れる電流の経路
をスイッチ等で遮断しても良い。例えば、図3に示したような構成を有するスイッチを、
用いることができる。また図7(A)に示す画素では、第2の走査線Gbjの電位を制御
することで、書き込み期間において駆動用トランジスタ203を強制的にオフし、発光素
子に流れる電流の経路を遮断することができる。画素内の駆動用トランジスタ203を用
いて発光素子201への電流の供給を止めることで、対向電極の電位を書き込み期間にお
いても一定にしておける。したがって、書き込み期間から保持期間への移行の際と、保持
期間から書き込み期間への移行の際において、対向電極への充放電に伴う消費電力を抑え
ることができる。
【0060】
そして、書き込み期間において第1の走査線Gaj(j=1〜y)が選択されると、第
1の走査線Gaj(j=1〜y)にゲートが接続されているスイッチング用トランジスタ
202がオンになる。そして、信号線S1〜Sxに入力されたビデオ信号が、スイッチン
グ用トランジスタ202を介して電流制御用トランジスタ204のゲートに入力される。
該ビデオ信号の電位は、容量素子205によって保持される。
【0061】
第1の走査線Gajが順に選択され、全ての画素において書き込み期間が終了すると、
次に全ての画素において一斉に保持期間が開始される。
【0062】
保持期間では、発光素子201の対向電極と、第1の電源線Vi(i=1〜x)の間に
は、発光素子201に順方向バイアスの電流が供給されるような電位差が設けられており
、電流制御用トランジスタ204がオンであるならば発光素子201に流れる電流の経路
が確保される状態とする。また、第2の走査線Gbj(j=1〜y)が選択され、駆動用
トランジスタ203のゲートには、電流制御用トランジスタ204がオンのときに駆動用
トランジスタ203がオンになるような高さの電位が与えられる。このとき容量素子20
5によって保持されたビデオ信号の電位により、電流制御用トランジスタ204がオンに
なっている場合は、電源線Vi(i=1〜x)を介して電流が発光素子201に供給され
る。電流制御用トランジスタ204は線形領域で動作しているため、発光素子201に流
れる電流は、駆動用トランジスタ203と発光素子201の電圧電流特性によって決まる
。そして発光素子201は、供給される電流に見合った高さの輝度で発光する。
【0063】
また容量素子205によって保持されたビデオ信号の電位によって電流制御用トランジ
スタ204がオフになる場合は、発光素子201への電流の供給は停止されており、発光
素子201は非発光の状態のままである。
【0064】
なお、第2の走査線Gbjのレイアウトは、図7(A)に示した構成に限定されない。
例えば図7(B)に示すように、第2の走査線Gbi(i=1〜y)を第1の走査線Ga
jと交差させ、かつ信号線Siと並列に配置しても良い。また図7(C)に示すように、
信号線Siを共有している画素間で、駆動用トランジスタ203のゲート電極を、複数の
配線で電気的に接続し、該複数の配線及び駆動用トランジスタ203のゲート電極を第2
の走査線Gbi(i=1〜y)として機能させても良い。なお図7(C)の駆動用トラン
ジスタ203を示す回路記号は、ゲート電極の異なる2点にコンタクト領域を設けたトラ
ンジスタを表したものであり、接続関係が通常と異なるため、特にこの様に表した。この
場合、第2の走査線Gbi(i=1〜y)として機能する複数の配線を、信号線Si側に
レイアウトしてもよいが、図7(D)に示すように、電源線Vi側にレイアウトさせても
良い。また、図7(E)に示すように、電源線Vjを信号線Siと交差させ、かつ第1の
走査線Gajと並列に配置し、第2の走査線Gbi(i=1〜y)を第1の走査線Gaj
と交差させ、かつ信号線Siと並列に配置しても良い。
【0065】
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態1、実施の形態2とは異なる、本発明の発光装置におけ
る、画素の構成について説明する。
【0066】
図8(A)に、本実施の形態における画素の構成を示す。図8(A)に示す画素は、発
光素子211と、ビデオ信号の画素への入力を制御するためのスイッチング素子として用
いるスイッチング用トランジスタ212と、発光素子211に流れる電流値を制御する駆
動用トランジスタ213、発光素子211への電流の供給を制御する電流制御用トランジ
スタ214とを有している。さらに本実施の形態のように、ビデオ信号の電位を保持する
ための容量素子215を画素に設けても良い。
【0067】
駆動用トランジスタ213及び電流制御用トランジスタ214は同じ極性を有していて
も、異なる極性を有していてもどちらでも良い。また駆動用トランジスタ213は、飽和
領域動作させても良いし、線形領域で動作させても良い。駆動用トランジスタ213には
エンハンスメント型トランジスタを用いてもよいし、ディプリーション型トランジスタを
用いてもよい。電流制御用トランジスタ214は線形領域で動作させる。また、スイッチ
ング用トランジスタ212はn型であっても良いし、p型であっても良い。
【0068】
スイッチング用トランジスタ212のゲートは、走査線Gj(j=1〜y)に接続され
ている。スイッチング用トランジスタ212のソースとドレインは、一方が信号線Si(
i=1〜x)に、もう一方が電流制御用トランジスタ214のゲートに接続されている。
駆動用トランジスタ213のゲートは電源線Vi(i=1〜y)に接続されている。そし
て駆動用トランジスタ213及び電流制御用トランジスタ214は、電源線Vi(i=1
〜x)から供給される電流が、駆動用トランジスタ213及び電流制御用トランジスタ2
14のドレイン電流として発光素子211に供給されるように、電源線Vi(i=1〜x
)、発光素子211と接続されている。本実施の形態では、電流制御用トランジスタ21
4のソースが電源線Vi(i=1〜x)に接続され、駆動用トランジスタ213のドレイ
ンが発光素子211の画素電極に接続される。
【0069】
なお本実施の形態では、駆動用トランジスタ213のソースが電源線Vi(i=1〜x
)に接続され、電流制御用トランジスタ214のドレインが発光素子211の画素電極に
接続されていても良い。
【0070】
発光素子211は陽極と陰極と、陽極と陰極との間に設けられた電界発光層とを有する
。陽極と陰極は、いずれか一方を画素電極、他方を対向電極として用いる。
【0071】
容量素子215が有する2つの電極は、一方は電源線Vi(i=1〜x)に接続されて
おり、もう一方は電流制御用トランジスタ214のゲートに接続されている。容量素子2
15は、電流制御用トランジスタ214のゲート電圧を保持するために設けられている。
なお図8(A)では容量素子215を設ける構成を示したが、本発明はこの構成に限定さ
れず、容量素子215を設けない構成にしても良い。
【0072】
図8(A)のように、駆動用トランジスタ213および電流制御用トランジスタ214
をp型とする場合、駆動用トランジスタ213のドレインと発光素子211の陽極とを接
続するのが望ましい。つまり陽極を画素電極とし、陰極を対向電極として用いるのが望ま
しい。逆に駆動用トランジスタ213および電流制御用トランジスタ214をn型とする
ならば、駆動用トランジスタ213のソースと発光素子211の陰極とを接続するのが望
ましい。つまり陰極を画素電極とし、陽極を対向電極として用いるのが望ましい。
【0073】
次に、図8(A)に示した画素の駆動方法について説明する。図8(A)に示す画素は
、実施の形態1の場合と同様に、その動作を書き込み期間と保持期間とに分けて説明する
ことができる。
【0074】
まず書き込み期間において、電流制御用トランジスタ214のスイッチングに関わらず
、発光素子211への電流の供給を止めておく。具体的には、実施の形態1と同様に、発
光素子211の対向電極と第1の電源線Vi(i=1〜x)の間の電位差を埋めれば良い
。または、発光素子をダイオードに見立てたときに、発光素子211が有する一対の電極
間に逆方向バイアスの電圧がかけられるように、対向電極と第1の電源線Vi(i=1〜
x)の間の電位差を設定すれば良い。或いは、発光素子211に流れる電流の経路をスイ
ッチ等で遮断しても良い。例えば、図3に示したような構成を有するスイッチを、用いる
ことができる。
【0075】
そして、書き込み期間において走査線Gj(j=1〜y)が選択されると、走査線Gj
(j=1〜y)にゲートが接続されているスイッチング用トランジスタ212がオンにな
る。そして、信号線S1〜Sxに入力されたビデオ信号が、スイッチング用トランジスタ
212を介して、電流制御用トランジスタ214のゲートに入力される。該ビデオ信号の
電位は、容量素子215によって保持される。なお、駆動用トランジスタ213のゲート
には、電流制御用トランジスタ214がオンのときに駆動用トランジスタ213がオンに
なるような高さの電位が、第1の電源線Vi(i=1〜x)から常に与えられているが、
上述したように書き込み期間においては発光素子211への電流の供給は停止しているの
で、電流制御用トランジスタ214のオン、オフに関わらず、発光素子211は非発光の
ままである。
【0076】
走査線Gjが順に選択され、全ての画素において書き込み期間が終了すると、次に全て
の画素において一斉に保持期間が開始される。
【0077】
保持期間では、発光素子211の対向電極と、第1の電源線Vi(i=1〜x)の間に
は、発光素子211に順方向バイアスの電流が供給されるような電位差が設けられており
、電流制御用トランジスタ214がオンであるならば発光素子211に流れる電流の経路
が確保される状態とする。また、駆動用トランジスタ213のゲートには、電流制御用ト
ランジスタ214がオンのときに駆動用トランジスタ213がオンになるような高さの電
位が、第1の電源線Vi(i=1〜x)から常に与えられている。このとき容量素子21
5によって保持されたビデオ信号の電位により、電流制御用トランジスタ214がオンに
なっている場合は、電源線Vi(i=1〜x)を介して電流が発光素子211に供給され
る。電流制御用トランジスタ214は線形領域で動作しているため、発光素子211に流
れる電流は、駆動用トランジスタ213と発光素子211の電圧電流特性によって決まる
。そして発光素子211は、供給される電流に見合った高さの輝度で発光する。
【0078】
また容量素子215によって保持されたビデオ信号の電位によって電流制御用トランジ
スタ214がオフになる場合は、発光素子211への電流の供給は停止されており、発光
素子211は非発光のままである。
【0079】
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3とは異なる、本発明の
発光装置における、画素の構成について説明する。
【0080】
図8(B)に、本実施の形態における画素の構成を示す。図8(B)に示す画素は、発
光素子221と、ビデオ信号の画素への入力を制御するためのスイッチング素子として用
いるスイッチング用トランジスタ222と、発光素子221に流れる電流値を制御する駆
動用トランジスタ223と、発光素子221への電流の供給を制御する電流制御用トラン
ジスタ224と、書き込み期間中に発光素子へ221への電流の供給を停止するための遮
断用トランジスタ226とを有している。さらに本実施の形態のように、ビデオ信号の電
位を保持するための容量素子225を画素に設けても良い。
【0081】
駆動用トランジスタ223、電流制御用トランジスタ224及び遮断用トランジスタ2
26は同じ極性を有していても、異なる極性を有していてもどちらでも良い。また駆動用
トランジスタ223は、飽和領域動作させても良いし、線形領域で動作させても良い。ス
イッチング用トランジスタ222、電流制御用トランジスタ224及び遮断用トランジス
タ226は線形領域で動作させる。駆動用トランジスタ223にはエンハンスメント型ト
ランジスタを用いてもよいし、ディプリーション型トランジスタを用いてもよい。また、
スイッチング用トランジスタ222はn型であっても良いし、p型であっても良い。
【0082】
スイッチング用トランジスタ222のゲートは、第1の走査線Gaj(j=1〜y)に
接続されている。スイッチング用トランジスタ222のソースとドレインは、一方が信号
線Si(i=1〜x)に、もう一方が電流制御用トランジスタ224のゲートに接続され
ている。駆動用トランジスタ223のゲートは第2の電源線Wi(i=1〜y)に接続さ
れている。そして駆動用トランジスタ223、電流制御用トランジスタ224及び遮断用
トランジスタ226は、第1の電源線Vi(i=1〜x)から供給される電流が、駆動用
トランジスタ223、電流制御用トランジスタ224及び遮断用トランジスタ226のド
レイン電流として発光素子221に供給することができるように、第1の電源線Vi(i
=1〜x)、発光素子221と接続されている。本実施の形態では、電流制御用トランジ
スタ224のソースが第1の電源線Vi(i=1〜x)に接続され、駆動用トランジスタ
223のドレインが発光素子221の画素電極に接続され、遮断用トランジスタ226が
駆動用トランジスタ223と電流制御用トランジスタ224との間に、直列に接続されて
いる。
【0083】
なお、駆動用トランジスタ223、電流制御用トランジスタ224、遮断用トランジス
タ226の接続は上記構成に限定されない。これら3つのトランジスタの並び順は設計者
が適宜選択することができる。例えば、駆動用トランジスタ223のソースが第1の電源
線Vi(i=1〜x)に接続され、電流制御用トランジスタ224のドレインが発光素子
221の画素電極に接続され、遮断用トランジスタ226が駆動用トランジスタ223と
電流制御用トランジスタ224との間に、直列に接続されていても良い。
【0084】
発光素子221は陽極と陰極と、陽極と陰極との間に設けられた電界発光層とを有する
。陽極と陰極は、いずれか一方を画素電極、他方を対向電極として用いる。
【0085】
容量素子225が有する2つの電極は、一方は第1の電源線Vi(i=1〜x)に接続
されており、もう一方は電流制御用トランジスタ224のゲートに接続されている。容量
素子225は、電流制御用トランジスタ224のゲート電圧を保持するために設けられて
いる。なお図8(B)では、容量素子225を設ける構成を示したが、本発明はこの構成
に限定されず、容量素子225を設けない構成にしても良い。
【0086】
図8(B)のように、駆動用トランジスタ223および電流制御用トランジスタ224
をp型とする場合、駆動用トランジスタ223のドレインと発光素子221の陽極とを接
続するのが望ましい。つまり陽極を画素電極とし、陰極を対向電極として用いるのが望ま
しい。逆に駆動用トランジスタ223および電流制御用トランジスタ224をn型とする
ならば、駆動用トランジスタ223のソースと発光素子221の陰極とを接続するのが望
ましい。つまり陰極を画素電極とし、陽極を対向電極として用いるのが望ましい。
【0087】
次に、図8(B)に示した画素の駆動方法について説明する。図8(B)に示す画素は
、実施の形態1の場合と同様に、その動作を書き込み期間と保持期間とに分けて説明する
ことができる。
【0088】
まず書き込み期間において、電流制御用トランジスタ224のスイッチングに関わらず
、発光素子221への電流の供給を止めておく。具体的には、実施の形態1と同様に、発
光素子221の対向電極と第1の電源線Vi(i=1〜x)の間の電位差を埋めれば良い
。または、発光素子221をダイオードに見立てたときに、発光素子221が有する一対
の電極間に逆方向バイアスの電圧がかけられるように、対向電極と第1の電源線Vi(i
=1〜x)の間の電位差を設定すれば良い。或いは、発光素子221に流れる電流の経路
をスイッチ等で遮断しても良い。例えば、図3に示したような構成を有するスイッチを、
用いることができる。なお図8(B)に示す画素では、第2の走査線Gbjの電位を制御
することで、書き込み期間において遮断用トランジスタ226を強制的にオフし、発光素
子221に流れる電流の経路を遮断することができる。画素内の遮断用トランジスタ22
6を用いて発光素子221への電流の供給を止めることで、対向電極の電位を書き込み期
間においても一定にしておける。したがって、書き込み期間から保持期間への移行の際と
、保持期間から書き込み期間への移行の際において、対向電極への充放電に伴う消費電力
を抑えることができる。また遮断用トランジスタ226は線形領域で動作しているので、
飽和領域で動作するトランジスタに比べて、スイッチングさせる際に、ゲート電圧の変化
を小さく抑えることができ、より消費電力を低減させることができる。
【0089】
そして、書き込み期間において第1の走査線Gaj(j=1〜y)が選択されると、第
1の走査線Gaj(j=1〜y)にゲートが接続されているスイッチング用トランジスタ
222がオンになる。そして、信号線S1〜Sxに入力されたビデオ信号が、スイッチン
グ用トランジスタ222を介して、電流制御用トランジスタ224のゲートに入力される
。該ビデオ信号の電位は、容量素子225によって保持される。なお、駆動用トランジス
タ223のゲートには、電流制御用トランジスタ224及び遮断用トランジスタ226が
オンのときに駆動用トランジスタ223がオンになるような高さの電位が、第2の電源線
Wi(i=1〜x)から常に与えられているが、上述したように書き込み期間においては
遮断用トランジスタ226をオフするなどして発光素子221への電流の供給を停止して
いるので、電流制御用トランジスタ224のオン、オフに関わらず、発光素子221は非
発光のままである。
【0090】
第1の走査線Gajが順に選択され、全ての画素において書き込み期間が終了すると、
次に全ての画素において一斉に保持期間が開始される。
【0091】
保持期間では、第2の走査線Gbj(j=1〜y)を選択し、第2の走査線Gbj(j
=1〜y)にゲートが接続されている遮断用トランジスタ226をオンにする。さらに、
発光素子221の対向電極と、第1の電源線Vi(i=1〜x)の間には、発光素子22
1に順方向バイアスの電流が供給されるような電位差が設けられており、電流制御用トラ
ンジスタ224がオンであるならば発光素子221に流れる電流の経路が確保される状態
にする。また、駆動用トランジスタ223のゲートには、電流制御用トランジスタ224
及び遮断用トランジスタ226がオンのときに駆動用トランジスタ223がオンになるよ
うな高さの電位が、第2の電源線Wi(i=1〜x)から常に与えられている。このとき
容量素子225によって保持されたビデオ信号の電位により、電流制御用トランジスタ2
24がオンになっている場合は、第1の電源線Vi(i=1〜x)を介して電流が発光素
子221に供給される。電流制御用トランジスタ224は線形領域で動作しているため、
発光素子221に流れる電流は、駆動用トランジスタ223と発光素子221の電圧電流
特性によって決まる。そして発光素子221は、供給される電流に見合った高さの輝度で
発光する。
【0092】
また容量素子225によって保持されたビデオ信号の電位によって電流制御用トランジ
スタ224がオフになる場合は、発光素子221への電流の供給は停止されており、発光
素子221は非発光のままである。
【0093】
(実施の形態5)
本実施の形態では、実施の形態1乃至実施の形態4とは異なる、本発明の発光装置にお
ける、画素の構成について説明する。
【0094】
図9(A)に、本実施の形態における画素の構成を示す。図9(A)に示す画素は、発
光素子301と、ビデオ信号の画素への入力を制御するためのスイッチング素子として用
いるスイッチング用トランジスタ302と、発光素子301に流れる電流値を制御する駆
動用トランジスタ303と、発光素子301への電流の供給を制御する電流制御用トラン
ジスタ304とを有している。さらに本実施の形態のように、ビデオ信号の電位を保持す
るための容量素子305を画素に設けても良い。
【0095】
駆動用トランジスタ303及び電流制御用トランジスタ304は同じ極性を有していて
も、異なる極性を有していてもどちらでも良い。また駆動用トランジスタ303は、飽和
領域動作させても良いし、線形領域で動作させても良い。スイッチング用トランジスタ3
02及び電流制御用トランジスタ304は、線形領域で動作させる。駆動用トランジスタ
303にはエンハンスメント型トランジスタを用いてもよいし、ディプリーション型トラ
ンジスタを用いてもよい。また、スイッチング用トランジスタ302はn型であっても良
いし、p型であっても良い。
【0096】
スイッチング用トランジスタ302のゲートは、走査線Gj(j=1〜y)に接続され
ている。スイッチング用トランジスタ302のソースとドレインは、一方が信号線Si(
i=1〜x)に、もう一方が電流制御用トランジスタ304のゲートに接続されている。
駆動用トランジスタ303のゲートは信号線Si(i=1〜y)に接続されている。そし
て駆動用トランジスタ303及び電流制御用トランジスタ304は、電源線Vi(i=1
〜x)から供給される電流が、駆動用トランジスタ303及び電流制御用トランジスタ3
04のドレイン電流として発光素子301に供給することができるように、電源線Vi(
i=1〜x)、発光素子301と接続されている。本実施の形態では、電流制御用トラン
ジスタ304のソースが電源線Vi(i=1〜x)に接続され、駆動用トランジスタ30
3のドレインが発光素子301の画素電極に接続されている。
【0097】
なお、駆動用トランジスタ303、電流制御用トランジスタ304の接続は上記構成に
限定されない。例えば、駆動用トランジスタ303のソースが電源線Vi(i=1〜x)
に接続され、電流制御用トランジスタ304のドレインが発光素子301の画素電極に接
続されていても良い。
【0098】
発光素子301は陽極と陰極と、陽極と陰極との間に設けられた電界発光層とを有する
。陽極と陰極は、いずれか一方を画素電極、他方を対向電極として用いる。
【0099】
容量素子305が有する2つの電極は、一方は電源線Vi(i=1〜x)に接続されて
おり、もう一方は電流制御用トランジスタ304のゲートに接続されている。容量素子3
05は、電流制御用トランジスタ304のゲート電圧を保持するために設けられている。
なお図9(A)では、容量素子305を設ける構成を示したが、本発明はこの構成に限定
されず、容量素子305を設けない構成にしても良い。
【0100】
図9(A)のように、駆動用トランジスタ303および電流制御用トランジスタ304
をp型とする場合、駆動用トランジスタ303のドレインと発光素子301の陽極とを接
続するのが望ましい。つまり陽極を画素電極とし、陰極を対向電極として用いるのが望ま
しい。逆に駆動用トランジスタ303及び電流制御用トランジスタ304をn型とするな
らば、駆動用トランジスタ303のソースと発光素子301の陰極とを接続するのが望ま
しい。つまり陰極を画素電極とし、陽極を対向電極として用いるのが望ましい。
【0101】
次に、図9(A)に示した画素の駆動方法について説明する。図9(A)に示す画素は
、実施の形態1の場合と同様に、その動作を書き込み期間と保持期間とに分けて説明する
ことができる。
【0102】
まず書き込み期間において、電流制御用トランジスタ304のスイッチングに関わらず
、発光素子301への電流の供給を止めておく。具体的には、実施の形態1と同様に、発
光素子301の対向電極と第1の電源線Vi(i=1〜x)の間の電位差を埋めれば良い
。または、発光素子301をダイオードに見立てたときに、発光素子301が有する一対
の電極間に逆方向バイアスの電圧がかけられるように、対向電極と第1の電源線Vi(i
=1〜x)の間の電位差を設定すれば良い。或いは、発光素子301に流れる電流の経路
をスイッチ等で遮断しても良い。例えば、図3に示したような構成を有するスイッチを、
用いることができる。
【0103】
そして、書き込み期間において走査線Gj(j=1〜y)が選択されると、走査線Gj
(j=1〜y)にゲートが接続されているスイッチング用トランジスタ302がオンにな
る。そして、信号線S1〜Sxに入力されたビデオ信号が、スイッチング用トランジスタ
302を介して、電流制御用トランジスタ304のゲートに入力される。該ビデオ信号の
電位は、容量素子305によって保持される。なお、駆動用トランジスタ303のゲート
には、電流制御用トランジスタ304がオンのときに駆動用トランジスタ303がオンに
なるような高さのビデオ信号の電位が、信号線Si(i=1〜x)から与えられる場合も
あるが、上述したように書き込み期間においては発光素子301への電流の供給を停止し
ているので、電流制御用トランジスタ304のオン、オフに関わらず、発光素子301は
非発光のままである。
【0104】
走査線Gjが順に選択され、全ての画素において書き込み期間が終了すると、次に全て
の画素において一斉に保持期間が開始される。
【0105】
保持期間では、信号線Si(i=1〜x)に固定の電位を与える。スイッチング用トラ
ンジスタ302は保持期間においてオフになっているので、信号線Siに与えられた固定
の電位は駆動用トランジスタ303のゲートに与えられる。そして信号線Siに与えられ
た固定の電位は、電流制御用トランジスタ304がオンのときに駆動用トランジスタ30
3がオンになるような高さにする。さらに保持期間では、発光素子301の対向電極と、
電源線Vi(i=1〜x)の間には、発光素子301に順方向バイアスの電流が供給され
るような電位差が設けられており、電流制御用トランジスタ304がオンであるならば発
光素子301に流れる電流の経路が確保される状態にする。よって、容量素子305によ
って保持されたビデオ信号の電位により、電流制御用トランジスタ304がオンになって
いる場合は、電源線Vi(i=1〜x)を介して電流が発光素子301に供給される。電
流制御用トランジスタ304は線形領域で動作しているため、発光素子301に流れる電
流は、駆動用トランジスタ303と発光素子301の電圧電流特性によって決まる。そし
て発光素子301は、供給される電流に見合った高さの輝度で発光する。
【0106】
また容量素子305によって保持されたビデオ信号の電位によって電流制御用トランジ
スタ304がオフになる場合は、発光素子301への電流の供給は停止されており、発光
素子301は非発光のままである。
【0107】
なお本実施の形態では、信号線Siに、書き込み期間においてビデオ信号の電位を与え
、保持期間においては、電流制御用トランジスタ304がオンのときに駆動用トランジス
タ303がオンになるような高さの固定の電位を与える。上記信号線Siに与える電位の
切り替えは、単数または複数のスイッチング素子等の回路素子を用いることで実現するこ
とができる。例えば図9(A)では、トランスミッションゲート306と、トランジスタ
308と、インバータ307とを用い、信号線Siに与える電位の切り替えを行なう例を
示している。
【0108】
具体的にトランスミッションゲート306は、ソースとドレインが互いに接続されたn
型のトランジスタ306aとp型のトランジスタ306bとを有する。n型のトランジス
タ306aのゲートとp型のトランジスタ306bのゲートとは、インバータ307を介
して互いに反転した信号が入力されている。そしてn型のトランジスタ306aとp型の
トランジスタ306bのいずれか一方は、ゲートがトランジスタ308のゲートに接続さ
れており、他方は、信号線Siに与える電位の切り替えのタイミングを情報として有する
信号(発光制御信号)の電位がゲートに与えられる。図9(A)では、p型のトランジス
タ306bのゲートとトランジスタ308のゲートとが接続されており、n型のトランジ
スタ306aのゲートに発光制御信号の電位が与えられている例を示す。なお、トランジ
スタ308の極性は、トランスミッションゲート306が有する2つのトランジスタのう
ち、発光制御信号の電位がゲートに与えられている方のトランジスタと同じにする。よっ
て図9(A)では、トランジスタ308の極性はn型とする。
【0109】
n型のトランジスタ306aのソースとp型のトランジスタ306bのソースにはビデ
オ信号の電位が与えられており、n型のトランジスタ306aのドレインとp型のトラン
ジスタ306bのドレインの電位は、信号線Siに与えられる。またトランジスタ308
のソースとドレインのうち、一方は、電流制御用トランジスタ304がオンのときに駆動
用トランジスタ303がオンするような高さの固定の電位が与えられており、他方は信号
線Siに接続されている。
【0110】
発光制御信号によってn型のトランジスタ306a及びp型のトランジスタ306bが
オンし、トランジスタ308がオフすると、ビデオ信号の電位が信号線Siに与えられる
。逆に、発光制御信号によってn型のトランジスタ306a及びp型のトランジスタ30
6bがオフし、トランジスタ308がオンすると、電流制御用トランジスタ304がオン
のときに駆動用トランジスタ303がオンするような高さの固定の電位が、信号線Siに
与えられる。
【0111】
本実施の形態のように、信号線Siの電位を書き込み期間と保持期間とで切り替えるこ
とで、画素に信号または電位を供給するための配線の数を抑えることができる。
【0112】
(実施の形態6)
本実施の形態では、実施の形態1乃至実施の形態5とは異なる、本発明の発光装置にお
ける、画素の構成について説明する。
【0113】
図9(B)に、本実施の形態における画素の構成を示す。図9(B)に示す画素は、発
光素子311と、ビデオ信号の画素への入力を制御するためのスイッチング素子として用
いるスイッチング用トランジスタ312と、発光素子311に流れる電流値を制御する駆
動用トランジスタ313と、発光素子311への電流の供給を制御する電流制御用トラン
ジスタ314とを有している。さらに、ビデオ信号の電位を保持するための容量素子を画
素に設けても良い。
【0114】
駆動用トランジスタ313及び電流制御用トランジスタ314は同じ極性を有していて
も、異なる極性を有していてもどちらでも良い。また駆動用トランジスタ313は、飽和
領域動作させても良いし、線形領域で動作させても良い。スイッチング用トランジスタ3
12及び電流制御用トランジスタ314は、線形領域で動作させる。駆動用トランジスタ
313にはエンハンスメント型トランジスタを用いてもよいし、ディプリーション型トラ
ンジスタを用いてもよい。また、スイッチング用トランジスタ312はn型であっても良
いし、p型であっても良い。
【0115】
スイッチング用トランジスタ312のゲートは、第1の走査線Gaj(j=1〜y)に
接続されている。スイッチング用トランジスタ312のソースとドレインは、一方が信号
線Si(i=1〜x)に、もう一方が電流制御用トランジスタ314のゲートに接続され
ている。駆動用トランジスタ313のゲートは第2の走査線Gbi(i=1〜x)に接続
されている。そして駆動用トランジスタ313及び電流制御用トランジスタ314は、信
号線Si(i=1〜x)から供給される電流が、駆動用トランジスタ313及び電流制御
用トランジスタ314のドレイン電流として発光素子311に供給することができるよう
に、信号線Si(i=1〜x)、発光素子311と接続されている。本実施の形態では、
電流制御用トランジスタ314のソースが信号線Si(i=1〜x)に接続され、駆動用
トランジスタ313のドレインが発光素子311の画素電極に接続されている。
【0116】
なお、駆動用トランジスタ313、電流制御用トランジスタ314の接続は上記構成に
限定されない。例えば、駆動用トランジスタ313のソースが信号線Si(i=1〜x)
に接続され、電流制御用トランジスタ314のドレインが発光素子311の画素電極に接
続されていても良い。
【0117】
発光素子311は陽極と陰極と、陽極と陰極との間に設けられた電界発光層とを有する
。陽極と陰極は、いずれか一方を画素電極、他方を対向電極として用いる。
【0118】
図9(B)のように、駆動用トランジスタ313および電流制御用トランジスタ314
をp型とする場合、駆動用トランジスタ313のドレインと発光素子311の陽極とを接
続するのが望ましい。つまり陽極を画素電極とし、陰極を対向電極として用いるのが望ま
しい。逆に駆動用トランジスタ313及び電流制御用トランジスタ314をn型とするな
らば、駆動用トランジスタ313のソースと発光素子311の陰極とを接続するのが望ま
しい。つまり陰極を画素電極とし、陽極を対向電極として用いるのが望ましい。
【0119】
次に、図9(B)に示した画素の駆動方法について説明する。図9(B)に示す画素は
、実施の形態1の場合と同様に、その動作を書き込み期間と保持期間とに分けて説明する
ことができる。
【0120】
まず書き込み期間において、電流制御用トランジスタ314のスイッチングに関わらず
、発光素子311への電流の供給を止めておく。具体的には、実施の形態1と同様に、発
光素子311の対向電極と第1の電源線Vi(i=1〜x)の間の電位差を埋めれば良い
。または、発光素子311をダイオードに見立てたときに、発光素子311が有する一対
の電極間に逆方向バイアスの電圧がかけられるように、対向電極と第1の電源線Vi(i
=1〜x)の間の電位差を設定すれば良い。或いは、発光素子311に流れる電流の経路
をスイッチ等で遮断しても良い。例えば、図3に示したような構成を有するスイッチを、
用いることができる。なお図9(B)に示す画素では、第2の走査線Gbi電位を制御す
ることで、書き込み期間において駆動用トランジスタ313を強制的にオフし、発光素子
311に流れる電流の経路を遮断することができる。画素内の駆動用トランジスタ313
を用いて発光素子311への電流の供給を止めることで、対向電極の電位を書き込み期間
においても一定にしておける。したがって、書き込み期間から保持期間への移行の際と、
保持期間から書き込み期間への移行の際において、対向電極への充放電に伴う消費電力を
抑えることができる。
【0121】
そして、書き込み期間において第1の走査線Gaj(j=1〜y)が選択されると、第
1の走査線Gaj(j=1〜y)にゲートが接続されているスイッチング用トランジスタ
312がオンになる。そして、信号線S1〜Sxに入力されたビデオ信号が、スイッチン
グ用トランジスタ312を介して、電流制御用トランジスタ314のゲートに入力される

【0122】
第1の走査線Gajが順に選択され、全ての画素において書き込み期間が終了すると、
次に全ての画素において一斉に保持期間が開始される。
【0123】
保持期間では、信号線Si(i=1〜x)に固定の電位を与える。該固定の電位は、電
流制御用トランジスタ314がオンのときに、発光素子311に順方向バイアスの電流が
供給されるような高さとする。さらに保持期間では、電流制御用トランジスタ314がオ
ンであるならば発光素子311に流れる電流の経路が確保される状態にする。よって、書
き込み期間において入力されたビデオ信号の電位により、電流制御用トランジスタ314
がオンになっている場合は、信号線Si(i=1〜x)を介して電流が発光素子311に
供給される。電流制御用トランジスタ314は線形領域で動作しているため、発光素子3
11に流れる電流は、駆動用トランジスタ313と発光素子311の電圧電流特性によっ
て決まる。そして発光素子311は、供給される電流に見合った高さの輝度で発光する。
【0124】
また、ビデオ信号の電位によって電流制御用トランジスタ314がオフになる場合は、
発光素子311への電流の供給は停止されており、発光素子311は非発光のままである

【0125】
なお本実施の形態では、信号線Siに、書き込み期間においてビデオ信号の電位を与え
、保持期間において発光素子311に順バイアス方向の電流を与えられるような高さの固
定の電位を与える。上記信号線Siに与える電位の切り替えは、単数または複数のスイッ
チング素子等の回路素子を用いることで実現することができる。例えば図9(B)では、
図9(A)と同様に、トランスミッションゲート316と、トランジスタ318と、イン
バータ317とを用い、信号線Siに与える電位の切り替えを行なう例を示している。
【0126】
本実施の形態のように、信号線Siの電位を書き込み期間と保持期間とで切り替えるこ
とで、画素に信号または電位を供給するための配線の数を抑えることができる。
【0127】
特に、駆動用トランジスタ313を飽和領域で動作させる場合、発光素子311に順バ
イアス方向の電流を与えられるような高さの固定の電位を、赤(R)、緑(G)、青(B
)に対応する画素ごとに変えることで、ホワイトバランスの調整を行なうことができる。
【実施例1】
【0128】
本実施例では、図1に示した画素の、上面図の一実施例について説明する。図10に本
実施例の画素の上面図を示す。
【0129】
5001は信号線、5002は第1の電源線、5003は第2の電源線に相当し、50
04は走査線に相当する。本実施例では、信号線5001と第1の電源線5002と第2
の電源線5003は同じ導電膜で形成する。また5005はスイッチング用トランジスタ
であり、走査線5004の一部がそのゲート電極として機能する。5007は駆動用トラ
ンジスタ、5008は電流制御用トランジスタに相当する。駆動用トランジスタ5007
は、そのL/Wが電流制御用トランジスタ5008よりも大きくなるように、活性層が曲
がりくねっている。5009は画素電極に相当し、電界発光層や陰極(共に図示せず)と
重なる領域(発光エリア)5010において発光する。
【0130】
なお本発明の上面図はほんの一実施例であり、本発明はこれに限定されないことは言う
までもない。
【実施例2】
【0131】
本実施例では、図1に示した画素の、図10とは異なる上面図の一実施例について説明
する。図11に本実施例の画素の上面図を示す。
【0132】
8001は信号線、8002は第1の電源線、8003は第2の電源線に相当し、8
004は走査線に相当する。本実施例では、信号線8001と第1の電源線8002と第
2の電源線8003は同じ導電膜で形成する。また8005はスイッチング用トランジス
タであり、第1の走査線8004の一部がそのゲート電極として機能する。8007は駆
動用トランジスタ、8008は電流制御用トランジスタに相当する。駆動用トランジスタ
8007は、そのL/Wが電流制御用トランジスタ8008よりも大きくなるように、活
性層が曲がりくねっている。8009は画素電極に相当し、電界発光層や陰極(共に図示
せず)と重なる領域(発光エリア)8010において発光する。また、8012は容量素
子に相当する。
【0133】
なお本発明の上面図はほんの一実施例であり、本発明はこれに限定されないことは言う
までもない。
【実施例3】
【0134】
本発明で用いることができるトランジスタは、アモルファスシリコンで形成されていて
も良い。アモルファスシリコンでトランジスタを形成すると、結晶化のプロセスを設けず
に済むので、作製方法を簡略化することができ、低コスト化が図れる。ただしアモルファ
スシリコンで形成されたトランジスタはp型よりもn型の方が、移動度は高く、発光装置
の画素に用いるのにより適している。本実施例では、駆動用トランジスタがn型の場合に
おける、画素の断面構造について説明する。
【0135】
図12(A)に、駆動用トランジスタ6001がn型で、発光素子6002から発せら
れる光が陽極6005側に抜ける場合の、画素の断面図を示す。図12(A)では、発光
素子6002の陰極6003と駆動用トランジスタ6001が電気的に接続されており、
陰極6003上に電界発光層6004、陽極6005が順に積層されている。陰極600
3は仕事関数が小さく、なおかつ光を反射する導電膜であれば公知の材料を用いることが
できる。例えば、Ca、Al、CaF、MgAg、AlLi等が望ましい。そして電界発
光層6004は、単数の層で構成されていても、複数の層が積層されるように構成されて
いてもどちらでも良い。複数の層で構成されている場合、陰極6003上に電子注入層、
電子輸送層、発光層、ホール輸送層、ホール注入層の順に積層する。なおこれらの層を全
て設ける必要はない。陽極6005は光を透過する透明導電膜、例えばITO、ITSO
、酸化インジウムに2〜20%の酸化亜鉛(ZnO)を混合したIZO等の透明導電膜を
用いることができる。
【0136】
陰極6003と、電界発光層6004と、陽極6005とが重なっている部分が発光素
子6002に相当する。図12(A)に示した画素の場合、発光素子6002から発せら
れる光は、白抜きの矢印で示すように陽極6005側に抜ける。
【0137】
また、駆動用トランジスタ6001の活性層の一部が抵抗6009として機能する。
【0138】
図12(B)に、駆動用トランジスタ6011がn型で、発光素子6012から発せら
れる光が陰極6013側に抜ける場合の、画素の断面図を示す。図12(B)では、駆動
用トランジスタ6011と電気的に接続された透明導電膜6017上に、発光素子601
2の陰極6013が成膜されており、陰極6013上に電界発光層6014、陽極601
5が順に積層されている。そして陽極6015を覆うように、光を反射または遮蔽するた
めの遮蔽膜6016が成膜されている。陰極6013は、図12(A)の場合と同様に、
仕事関数が小さい導電膜であれば公知の材料を用いることができる。ただしその膜厚は、
光を透過する程度とする。例えば20nmの膜厚を有するAlを、陰極6013として用
いることができる。そして電界発光層6014は、図12(A)と同様に、単数の層で構
成されていても、複数の層が積層されるように構成されていてもどちらでも良い。陽極6
015は光を透過する必要はないが、図12(A)と同様に、透明導電膜を用いて形成す
ることができるし、TiNまたはTiを用いることもできる。そして遮蔽膜6016は、
例えば光を反射する金属等を用いることができるが、金属膜に限定されない。例えば黒の
顔料を添加した樹脂等を用いることもできる。
【0139】
陰極6013と、電界発光層6014と、陽極6015とが重なっている部分が発光素
子6012に相当する。図12(B)に示した画素の場合、発光素子6012から発せら
れる光は、白抜きの矢印で示すように陰極6013側に抜ける。
【0140】
また、駆動用トランジスタ6011の活性層の一部が抵抗6019として機能する。
【0141】
なお本実施例では、駆動用トランジスタと発光素子が電気的に接続されている例を示し
たが、駆動用トランジスタと発光素子との間に電流制御用トランジスタまたは遮断用トラ
ンジスタが接続されている構成であってもよい。
【実施例4】
【0142】
本実施例では、駆動用トランジスタがp型の場合における、画素の断面構造について説
明する。
【0143】
図13(A)に、駆動用トランジスタ6021がp型で、発光素子6022から発せら
れる光が陽極6023側に抜ける場合の、画素の断面図を示す。図13(A)では、発光
素子6022の陽極6023と駆動用トランジスタ6021が電気的に接続されており、
陽極6023上に電界発光層6024、陰極6025が順に積層されている。陰極602
5は仕事関数が小さく、なおかつ光を反射する導電膜であれば公知の材料を用いることが
できる。例えば、Ca、Al、CaF、MgAg、AlLi等が望ましい。そして電界発
光層6024は、単数の層で構成されていても、複数の層が積層されるように構成されて
いてもどちらでも良い。複数の層で構成されている場合、陽極6023上にホール注入層
、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層の順に積層する。なおこれらの層を全
て設ける必要はない。陽極6023は光を透過する透明導電膜、例えばITO、ITSO
、酸化インジウムに2〜20%の酸化亜鉛(ZnO)を混合したIZO等の透明導電膜を
用いても良い。
【0144】
陽極6023と、電界発光層6024と、陰極6025とが重なっている部分が発光素
子6022に相当する。図13(A)に示した画素の場合、発光素子6022から発せら
れる光は、白抜きの矢印で示すように陽極6023側に抜ける。
【0145】
また、駆動用トランジスタ6021の活性層の一部が抵抗6029として機能する。
【0146】
図13(B)に、駆動用トランジスタ6031がp型で、発光素子6032から発せら
れる光が陰極6035側に抜ける場合の、画素の断面図を示す。図13(B)では、駆動
用トランジスタ6031と電気的に接続された配線6037上に、発光素子6032の陽
極6033が成膜されており、陽極6033上に電界発光層6034、陰極6035が順
に積層されている。上記構成によって、陽極6033において光が透過しても、該光は配
線6037において反射される。陰極6035は、図13(A)の場合と同様に、仕事関
数が小さい導電膜であれば公知の材料を用いることができる。ただしその膜厚は、光を透
過する程度とする。例えば20nmの膜厚を有するAlを、陰極6035として用いるこ
とができる。そして電界発光層6034は、図13(A)と同様に、単数の層で構成され
ていても、複数の層が積層されるように構成されていてもどちらでも良い。陽極6033
は光を透過する必要はないが、図13(A)と同様に、透明導電膜を用いて形成すること
ができるし、TiNまたはTiを用いることもできる。そして遮蔽膜6036は、例えば
光を反射する金属等を用いることができるが、金属膜に限定されない。例えば黒の顔料を
添加した樹脂等を用いることもできる。
【0147】
陽極6033と、電界発光層6034と、陰極6035とが重なっている部分が発光素
子6032に相当する。図13(B)に示した画素の場合、発光素子6032から発せら
れる光は、白抜きの矢印で示すように陰極6035側に抜ける。
【0148】
また、駆動用トランジスタ6031の活性層の一部が抵抗6039として機能する。
【0149】
なお本実施例では、駆動用トランジスタと発光素子が電気的に接続されている例を示し
たが、駆動用トランジスタと発光素子との間に電流制御用トランジスタまたは遮断用トラ
ンジスタが接続されている構成であってもよい。
【実施例5】
【0150】
本実施例では、駆動用トランジスタと電流制御用トランジスタが共にボトムゲート型の
場合の、画素の断面構造について説明する。
【0151】
なお本発明で用いることができるトランジスタは、アモルファスシリコンで形成されて
いても良い。アモルファスシリコンでトランジスタを形成すると、結晶化のプロセスを設
けずに済むので、作製方法を簡略化することができ、低コスト化が図れる。ただしアモル
ファスシリコンで形成されたトランジスタはp型よりもn型の方が移動度は高く、発光装
置の画素に用いるのにより適している。本実施例では、駆動用トランジスタがn型の場合
における、画素の断面構造について説明する。
【0152】
図14に、本実施例の画素の断面図を示す。6501は駆動用トランジスタ、6502
は電流制御用トランジスタに相当する。駆動用トランジスタ6501は、絶縁表面を有す
る基板6500上に形成されたゲート電極6503と、ゲート電極6503を覆うように
基板6500上に形成されたゲート絶縁膜6504と、ゲート絶縁膜6504を間に挟ん
でゲート電極6503と重なる位置に形成された半導体膜6505とを有している。半導
体膜6505は、ソース又はドレインとして機能する、導電型を付与する不純物が添加さ
れた2つの不純物領域6506a、6506bを有している。そして不純物領域6506
aは配線6508と接続されている。
【0153】
電流制御用トランジスタ6502は、駆動用トランジスタ6501と同様に、絶縁表面
を有する基板6500上に形成されたゲート電極6510と、ゲート電極6510を覆う
ように基板6500上に形成されたゲート絶縁膜6504と、ゲート絶縁膜6504を間
に挟んでゲート電極6510と重なる位置に形成された半導体膜6511とを有している
。半導体膜6511は、ソース又はドレインとして機能する、導電型を付与する不純物が
添加された2つの不純物領域6512a、6512bを有している。そして不純物領域6
512aは、配線6513を介して駆動用トランジスタ6501が有する不純物領域65
06bと接続されている。
【0154】
駆動用トランジスタ6501及び電流制御用トランジスタ6502は、共に絶縁膜で形
成された保護膜6507で覆われている。そして、保護膜6507に形成されたコンタク
トホールを介して、配線6508が陽極6509と接続されている。また、駆動用トラン
ジスタ6501及び電流制御用トランジスタ6502と、保護膜6507は層間絶縁膜6
520で覆われている。層間絶縁膜6520は開口部を有しており、該開口部において陽
極6509が露出している。陽極6509上には電界発光層6521と、陰極6522が
形成されている。
【0155】
なお、図14では、駆動用トランジスタと電流制御用トランジスタが共にn型である場
合について説明したが、p型であってもよい。この場合、駆動用トランジスタの閾値電圧
を制御するための不純物はp型を用いる。なお、遮断用トランジスタが、駆動用トランジ
スタ6501と陽極6509の間に設けられていても良いし、駆動用トランジスタ650
1と電流制御用トランジスタ6502の間に設けられていても良いし、電流制御用トラン
ジスタ6502のソースの電位を制御できるような位置に設けられていても良い。また駆
動用トランジスタ6501のドレインが陽極6509に接続されている例を示したが、電
流制御用トランジスタ6502のドレインが陽極6509に接続されていても良い。
【実施例6】
【0156】
図15を用いて、本発明の発光装置の、画素の断面構造について説明する。図15に、
基板7000上に形成されているトランジスタ7001を示す。なお本実施例ではトラン
ジスタ7001が駆動用トランジスタであると仮定するが、トランジスタ7001は電流
制御用トランジスタであっても良いし、遮断用トランジスタであっても良い。駆動用トラ
ンジスタ7001は第1の層間絶縁膜7002で覆われており、第1の層間絶縁膜700
2上には樹脂等で形成されたカラーフィルタ7003と、コンタクトホールを介して駆動
用トランジスタ7001のドレインと電気的に接続されている配線7004が形成されて
いる。なお、駆動用トランジスタ7001と配線7004の間に電流制御用トランジスタ
が設けられていても良い。
【0157】
そしてカラーフィルタ7003及び配線7004を覆うように、第1の層間絶縁膜70
02上に、第2の層間絶縁膜7005が形成されている。なお、第1の層間絶縁膜700
2または第2の層間絶縁膜7005は、プラズマCVD法またはスパッタ法を用い、酸化
珪素、窒化珪素または酸化窒化珪素膜を単層でまたは積層して用いることができる。また
酸素よりも窒素のモル比率が高い酸化窒化珪素膜上に、窒素よりも酸素のモル比率が高い
酸化窒化珪素膜を積層した膜を第1の層間絶縁膜7002または第2の層間絶縁膜700
5として用いても良い。或いは第1の層間絶縁膜7002または第2の層間絶縁膜700
5として、有機樹脂膜を用いても良いし、有機ポリシロキサンを用いても良い。
【0158】
第2の層間絶縁膜7005上には、コンタクトホールを介して配線7004に電気的に
接続されている配線7006が形成されている。配線7006の一部は発光素子の陽極と
して機能している。配線7006は、第2の層間絶縁膜7005を間に挟んで、カラーフ
ィルタ7003と重なる位置に形成する。
【0159】
また第2の層間絶縁膜7005上には有機樹脂膜、無機絶縁膜または有機ポリシロキサ
ンを用いて形成された隔壁7008が形成されている。隔壁7008は開口部を有してお
り、該開口部において陽極として機能する配線7006と電界発光層7009と陰極70
10が重なり合うことで発光素子7011が形成されている。電界発光層7009は、発
光層単独かもしくは発光層を含む複数の層が積層された構成を有している。なお、隔壁7
008及び陰極7010上に、保護膜を成膜しても良い。この場合、保護膜は水分や酸素
などの発光素子の劣化を促進させる原因となる物質を、他の絶縁膜と比較して透過させに
くい膜を用いる。代表的には、例えばDLC膜、窒化炭素膜、RFスパッタ法で形成され
た窒化珪素膜等を用いるのが望ましい。また上述した水分や酸素などの物質を透過させに
くい膜と、該膜に比べて水分や酸素などの物質を透過させやすい膜とを積層させて、保護
膜として用いることも可能である。
【0160】
また隔壁7008は、電界発光層7009が成膜される前に、吸着した水分や酸素等を
除去するために真空雰囲気下で加熱しておく。具体的には、100℃〜200℃、0.5
〜1時間程度、真空雰囲気下で加熱処理を行なう。望ましくは3×10-7Torr以下と
し、可能であるならば3×10-8Torr以下とするのが最も望ましい。そして、有機樹
脂膜に真空雰囲気下で加熱処理を施した後に電界発光層7009を成膜する場合、成膜直
前まで真空雰囲気下に保つことで、信頼性をより高めることができる。
【0161】
また隔壁7008の開口部における端部は、隔壁7008上に一部重なって形成されて
いる電界発光層7009に、該端部において穴があかないように、丸みを帯びさせること
が望ましい。具体的には、開口部における有機樹脂膜の断面が描いている曲線の曲率半径
が、0.2〜2μm程度であることが望ましい。
【0162】
上記構成により、電界発光層7009や陰極7010のカバレッジを良好とすることが
でき、配線7006と陰極7010が電界発光層7009に形成された穴においてショー
トするのを防ぐことができる。また電界発光層7009の応力を緩和させることで、発光
領域が減少するシュリンクとよばれる不良を低減させることができ、信頼性を高めること
ができる。
【0163】
なお図15では、隔壁7008として、ポジ型の感光性のアクリル樹脂を用いた例を示
している。感光性の有機樹脂には、光、電子、イオンなどのエネルギー線が露光された箇
所が除去されるポジ型と、露光された箇所が残るネガ型とがある。本発明ではネガ型の有
機樹脂膜を用いても良い。また感光性のポリイミドを用いて隔壁7008を形成しても良
い。ネガ型のアクリルを用いて隔壁7008を形成した場合、開口部における端部が、S
字状の断面形状となる。このとき開口部の上端部及び下端部における曲率半径は、0.2
〜2μmとすることが望ましい。
【0164】
配線7006は透明導電膜を用いることができる。ITOの他、ITSO、酸化インジ
ウムに2〜20%の酸化亜鉛(ZnO)を混合したIZO等の透明導電膜を用いても良い
。図15では配線7006としITOを用いている。配線7006は、その表面が平坦化
されるように、CMP法、ポリビニルアルコール系の多孔質体で拭浄して研磨しても良い
。またCMP法を用いた研磨後に、配線7006の表面に紫外線照射、酸素プラズマ処理
などを行ってもよい。
【0165】
また陰極7010は、光が透過する程度の膜厚とし、仕事関数の小さい導電膜であれば
公知の他の材料を用いる。例えば、Ca、Al、CaF、MgAg、AlLi等が望まし
い。なお陰極側から光を得るためには、膜厚を薄くする方法の他に、Liを添加すること
で仕事関数が小さくなったITOを用いる方法もある。本発明で用いる発光素子は、陽極
側と陰極側の両方から光が発せられる構成であれば良い。
【0166】
なお、実際には図15まで完成したら、さらに外気に曝されないように気密性が高く、
脱ガスの少ない保護フィルム(ラミネートフィルム、紫外線硬化樹脂フィルム等)や透光
性のカバー材7012でパッケージング(封入)することが好ましい。その際、カバー材
の内部を不活性雰囲気にしたり、内部に吸湿性材料(例えば酸化バリウム)を配置したり
すると発光素子の信頼性が向上する。そして本発明では、カバー材7012にカラーフィ
ルタ7013を設けても良い。
【0167】
なお、本発明は上述した作製方法に限定されず、公知の方法を用いて作製することが可
能である。
【実施例7】
【0168】
本実施例では、本発明の発光装置の構成と、駆動の仕方について説明する。図16に、
ICに含まれる外部回路のブロック図とパネルの概略図を示す。
【0169】
図16に示すように、本発明の発光装置の一形態に相当するモジュールは、外部回路3
004及びパネル3010を有する。外部回路3004はA/D変換部3001、電源部
3002及び信号生成部3003を有する。A/D変換部3001はアナログ信号で入力
された映像データ信号をデジタル信号(ビデオ信号)に変換し、信号線駆動回路3006
へ供給する。電源部3002は、バッテリーやコンセントなどの電源より供給された電位
から、所望の高さの電位を幾つか生成し、それぞれ信号線駆動回路3006、走査線駆動
回路3007、発光素子3011、信号生成部3003等に供給する。信号生成部300
3には、電源からの電位、映像信号及び同期信号等が入力され、各種信号の変換を行なう
他、信号線駆動回路3006及び走査線駆動回路3007を駆動するためのクロック信号
等を生成する。
【0170】
外部回路3004からの信号及び電源は、FPCを通し、パネル3010内のFPC接
続部3005からパネル3010の内部回路等に入力される。
【0171】
また、パネル3010は、基板3008上にFPC接続部3005、内部回路が形成さ
れている。内部回路には、信号線駆動回路3006、走査線駆動回路3007及び画素部
3009等が含まれる。画素部3009には発光素子3011が設けられている。図16
には例として実施の形態1に記載の画素を採用しているが、画素部3009には、本発明
の実施の形態に挙げたいずれかの画素構成を採用することができる。
【0172】
図17に、信号線駆動回路3006の構成をブロック図で示す。
【0173】
信号線駆動回路3006はD−フリップフロップ4101を複数段用いたシフトレジス
タ4102、データラッチ回路4103、ラッチ回路4104、レベルシフタ4105及
びバッファ4106等を有する。入力される信号はクロック信号(S−CK)、反転クロ
ック信号(S−CKB)、スタートパルス(S−SP)、ビデオ信号(DATA)及びラ
ッチパルス(LatchPulse)とする。
【0174】
まず、クロック信号、反転クロック信号及びスタートパルスのタイミングに従って、シ
フトレジスタ4102より、順次サンプリングパルスが出力される。サンプリングパルス
はデータラッチ回路4103へ入力され、そのタイミングで、ビデオ信号を取り込み、保
持する。この動作が一列目から順に行われる。最終段のデータラッチ回路4103におい
てビデオ信号の保持が完了すると、水平帰線期間中にラッチパルスが入力され、データラ
ッチ回路4103において保持されているビデオ信号は一斉にラッチ回路4104へと転
送される。その後、レベルシフタ4105においてレベルシフトされ、バッファ4106
において整形された後、信号線S1からSnへ一斉に出力される。その際、走査線駆動回
路3007によって選択された行の画素へ、Hレベル、Lレベルを含むビデオ信号が入力
され、発光素子3011の発光、非発光を制御する。
【0175】
本実施例にて示した発光装置は、外部回路3004がパネル3010から独立している
が、これらを同一基板上に一体形成して作製してもよい。また、信号線駆動回路3006
内にレベルシフタ4105及びバッファ4106が無くてもよい。
【0176】
本実施例は、実施例1〜実施例6と組み合わせて実施することができる。
【実施例8】
【0177】
本実施例では、本発明の発光装置の一形態に相当するパネルの外観について、図18を
用いて説明する。図18は、第1の基板上に形成されたトランジスタ及び発光素子を、第
2の基板との間にシール材によって封止した、パネルの上面図であり、図18(B)は、
図18(A)のA−A’における断面図に相当する。
【0178】
第1の基板4001上に設けられた画素部4002と、信号線駆動回路4003と、走
査線駆動回路4004とを囲むようにして、シール材4005が設けられている。また画
素部4002と、信号線駆動回路4003と、走査線駆動回路4004の上に第2の基板
4006が設けられている。よって画素部4002と、信号線駆動回路4003と、走査
線駆動回路4004とは、第1の基板4001とシール材4005と第2の基板4006
とによって、充填材4007と共に密封されている。
【0179】
また第1の基板4001上に設けられた画素部4002と、信号線駆動回路4003と
、走査線駆動回路4004は、トランジスタを複数有しており、図18(B)では、信号
線駆動回路4003に含まれるトランジスタ4008、4009と、画素部4002に含
まれるトランジスタ4010とを例示している。なお本実施例では、トランジスタ401
0が駆動用トランジスタであると仮定するが、トランジスタ4010は電流制御用トラン
ジスタであっても良いし、遮断用トランジスタであっても良い。
【0180】
また4011は発光素子に相当し、発光素子4011が有する画素電極は、駆動用トラ
ンジスタ4010のドレインと、配線4017を介して電気的に接続されている。そして
本実施例では、発光素子4011の対向電極と透明導電膜4012が電気的に接続されて
いる。なお発光素子4011の構成は、本実施例に示した構成に限定されない。発光素子
4011から取り出す光の方向や、駆動用トランジスタ4010の極性などに合わせて、
発光素子4011の構成は適宜変えることができる。
【0181】
また信号線駆動回路4003、走査線駆動回路4004または画素部4002に与えら
れる各種信号及び電位は、図18(B)に示す断面図では図示されていないが、引き回し
配線4014及び4015を介して、接続端子4016から供給されている。
【0182】
本実施例では、接続端子4016が、発光素子4011が有する画素電極と同じ導電膜
から形成されている。また、引き回し配線4014は、配線4017と同じ導電膜から形
成されている。また引き回し配線4015は、駆動用トランジスタ4010、トランジス
タ4008、4009がそれぞれ有するゲート電極と、同じ導電膜から形成されている。
【0183】
接続端子4016は、FPC4018が有する端子と、異方性導電膜4019を介して
電気的に接続されている。
【0184】
なお、第1の基板4001、第2の基板4006としては、ガラス、金属(代表的には
ステンレス)、セラミックス、プラスチックを用いることができる。プラスチックとして
は、FRP(Fiberglass−Reinforced Plastics)板、P
VF(ポリビニルフルオライド)フィルム、マイラーフィルム、ポリエステルフィルムま
たはアクリル樹脂フィルムを用いることができる。また、アルミニウムホイルをPVFフ
ィルムやマイラーフィルムで挟んだ構造のシートを用いることもできる。
【0185】
但し、発光素子4011からの光の取り出し方向に位置する基板は、第2の基板は透明
でなければならない。その場合には、ガラス板、プラスチック板、ポリエステルフィルム
またはアクリルフィルムのような透光性を有する材料を用いる。
【0186】
また、充填材4007としては窒素やアルゴンなどの不活性な気体の他に、紫外線硬化
樹脂または熱硬化樹脂を用いることができ、PVC(ポリビニルクロライド)、アクリル
、ポリイミド、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)またはEV
A(エチレンビニルアセテート)を用いることができる。本実施例では充填材として窒素
を用いた。
【0187】
また発光素子4011の劣化を抑制できるように、充填材4007内に、水分または酸
素を吸着しうる物質(例えば酸化バリウム)を配置しておいても良い。
【0188】
本実施例は、実施例1〜実施例7と自由に組み合わせて実施することができる。
【実施例9】
【0189】
発光素子を用いた発光装置は自発光型であるため、液晶ディスプレイに比べ、明るい場
所での視認性に優れ、視野角が広い。従って、様々な電子機器の表示部に用いることがで
きる。
【0190】
本発明の発光装置を用いた電子機器として、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグル
型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装
置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、ノート型パーソナルコンピュータ、ゲーム
機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍
等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDVD:Digital Versatile Disc)等
の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを備えた装置)などが挙げられ
る。特に、斜め方向から画面を見る機会が多い携帯情報端末は、視野角の広さが重要視さ
れるため、発光装置を用いることが望ましい。それら電子機器の具体例を図19に示す。
【0191】
図19(A)は携帯情報端末であり、本体2001、表示部2002、操作キー200
3、モデム2004等を含む。図19(A)ではモデム2004が取り外し可能な形態の
携帯情報端末を示しているが、モデムが本体2001に内蔵されていても良い。本発明の
発光装置は、表示部2002に用いることができる。
【0192】
図19(B)は携帯電話であり、本体2101、表示部2102、音声入力部2103
、音声出力部2104、操作キー2105、外部接続ポート2106、アンテナ2107
等を含む。なお、表示部2102は黒色の背景に白色の文字を表示することで携帯電話の
消費電流を抑えることができる。本発明の発光装置は、表示部2102に用いることがで
きる。
【0193】
図19(C)は電子カードであり、本体2201、表示部2202、接続端子2203
等を含む。本発明の発光装置は、表示部2202に用いることができる。なお図19(C
)では接触型の電子カードを示しているが、非接触型の電子カードや、接触型と非接触型
の機能を持ち合わせた電子カードにも、本発明の発光装置を用いることができる。
【0194】
図19(D)は電子ブックであり、本体2301、表示部2302、操作キー2303
等を含む。またモデムが本体2301に内蔵されていても良い。表示部2302には本発
明の発光装置が用いられている。
【0195】
図19(E)はシート型のパーソナルコンピュータであり、本体2401、表示部24
02、キーボード2403、タッチパッド2404、外部接続ポート2405、電源プラ
グ2406等を含む。表示部2402には、本発明の発光装置が用いられている。
【0196】
以上の様に、本発明の適用範囲は極めて広く、あらゆる分野の電子機器に用いることが
可能である。また、本実施例の電子機器は実施例1〜8に示したいずれの構成の発光装置
を用いても良い。
【符号の説明】
【0197】
101 発光素子
102 スイッチング用トランジスタ
103 駆動用トランジスタ
104 電流制御用トランジスタ
105 容量素子
110 スイッチ
111 スイッチ
201 発光素子
202 スイッチング用トランジスタ
203 駆動用トランジスタ
204 電流制御用トランジスタ
205 容量素子
211 発光素子
212 スイッチング用トランジスタ
213 駆動用トランジスタ
214 電流制御用トランジスタ
215 容量素子
221 発光素子
222 スイッチング用トランジスタ
223 駆動用トランジスタ
224 電流制御用トランジスタ
225 容量素子
226 遮断用トランジスタ
301 発光素子
302 スイッチング用トランジスタ
303 駆動用トランジスタ
304 電流制御用トランジスタ
305 容量素子
306 トランスミッションゲート
306a トランジスタ
306b トランジスタ
307 インバータ
308 トランジスタ
311 発光素子
312 スイッチング用トランジスタ
313 駆動用トランジスタ
314 電流制御用トランジスタ
316 トランスミッションゲート
317 インバータ
318 トランジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子を有し、
第1乃至第4の配線を有し、
第1乃至第3のトランジスタを有し、
前記発光素子の一方の電極は、前記第1のトランジスタのソース又はドレインの一方と電気的に接続されており、
前記第1のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記第2のトランジスタのソース又はドレインの一方と電気的に接続されており、
前記第1のトランジスタのゲートは、前記第1の配線と電気的に接続されており、
前記第2のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記第2の配線と電気的に接続されており、
前記第3のトランジスタのゲートは、前記第3の配線と電気的に接続されており、
前記第3のトランジスタのソース又はドレインの一方は、前記第4の配線と電気的に接続されており、
前記第3のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記第2のトランジスタのゲートと電気的に接続されており、
前記第1の配線と前記第2のトランジスタのゲートとの間に容量を有することを特徴とする発光装置。
【請求項2】
請求項1又は請求項2に記載の発光装置を有する電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−238028(P2012−238028A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−186413(P2012−186413)
【出願日】平成24年8月27日(2012.8.27)
【分割の表示】特願2010−276621(P2010−276621)の分割
【原出願日】平成16年6月22日(2004.6.22)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】