説明

発光装置および発光装置の製造方法

【課題】封止樹脂に蛍光体を含有させた発光装置において、光の色むらを抑制することができる発光装置および発光装置の製造方法を提供する。
【解決手段】基材上1に、発光素子2と、発光素子2の周囲に配置された光反射性の枠6と、枠6の内側に充填された、蛍光体9を含有する封止樹脂7と、を備える発光装置であって、基材1上に、蛍光体9が堆積した第1蛍光体領域10aが設けられ、第1蛍光体領域10aは少なくとも発光素子2と枠6との間に配置されており、枠6は、少なくとも第1蛍光体領域10aより上側において凸状に湾曲し、当該凸状の湾曲部分に連続して凹状に湾曲して基材1に設けられ、さらに、前記凸状の湾曲部分に蛍光体9が付着した第2蛍光体領域10bを有し、かつ前記凹状の湾曲部分に蛍光体9が堆積していることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED電球、スポットライト等の照明器具等に利用可能な発光装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、発光素子を用いた発光装置は、小型で電力効率がよく、鮮やかな色を発光することで知られている。この発光装置に係る発光素子は半導体素子であるため、球切れ等の心配が少ないだけでなく、初期駆動特性に優れ、振動やオン・オフ点灯の繰り返しに強いという特徴を有する。このような優れた特性を有するため、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)、レーザーダイオード(LD:Laser Diode)等の発光素子を用いる発光装置は、各種の光源として利用されている。
【0003】
発光装置は、主に、発光素子と、その発光素子を配置し発光素子と電気的に接続する導電配線を有する基材と、その基材の発光素子を被覆する封止部材と、から構成されている(例えば、特許文献1参照)。また、表面実装型のCOB(Chip on Board)のように、発光素子の周囲に樹脂枠を形成するタイプのものもある(例えば、特許文献2、3参照)。さらには、封止部材に蛍光体を含有させることにより、発光素子からの光と、蛍光体により波長変換された光との混色光が発光する発光装置が提案されている(例えば、特許文献4参照)。このような発光装置は、蛍光体を発光素子の近くに集中させることで光取り出しを向上させることができる。このような構造は、例えば、封止樹脂中に蛍光体を含有させ、蛍光体を沈降させることで形成できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−40099号公報
【特許文献2】意匠登録第1383248号公報
【特許文献3】特開平5−29665号公報
【特許文献4】特開2010−192624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術においては、以下に述べる問題がある。
発光素子による光と蛍光体による波長変換された光とを組み合わせ、それらの混色を得る発光装置の場合、その照射面において、外周付近に波長変換光が強い部分(黄色蛍光体の場合は“イエローリング”と呼ばれている)が発生し易い。その原因としては、例えば、(1)発光素子の配光の偏り(上面から出射する光が多く、側面から出射する光が少ない)、(2)発光素子の配光と蛍光体の分布との不一致(発光素子の発光と蛍光体による波長変換光のバランスが一部で崩れている)等が考えられる。
【0006】
ここで、樹脂枠は、発光素子の周囲に形成され、封止樹脂を堰き止めるダムとして用いられる。このため、樹脂枠は、少なくとも発光素子よりも高く形成する必要があり、また、その幅は、発光装置のサイズの増大を抑制するため、ある程度小さくすることが求められる。このため、枠の材料としては、比較的粘度の高い樹脂が用いられる。しかしながら、このような粘度の高い樹脂を用いると、樹脂が垂れにくいため基材上に広がらず、樹脂枠はその表面(壁面)が、これより粘度の低い樹脂を用いた場合に比べて傾斜の急な形状となってしまう(図4(a)参照)。また、さらに高粘度の樹脂であれば、その断面が略楕円形状になる。加えて、このような樹脂枠は、製造のばらつきを考慮して、発光素子を被覆しないように、発光素子からある程度離れた位置に形成される。これらにより、前記のように蛍光体を沈降させた場合に、発光素子と樹脂枠との間に位置する蛍光体の量が多くなる。これにより、発光素子の側面方向に蛍光体が厚く形成されるため、前記のイエローリングの問題が発生し易くなる。そして、例えば、スポットライトのように、レンズや反射板等の二次光学系を用いる照明用の光源として、このような照射面における色むらを抑制することができる発光装置が求められている。
【0007】
本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、封止樹脂に蛍光体を含有させた発光装置において、光の色むらを抑制することができる発光装置および発光装置の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明に係る発光装置は、基材上に、発光素子と、前記発光素子の周囲に配置された光反射性の枠と、前記枠の内側に充填された、蛍光体を含有する封止樹脂と、を備える発光装置であって、前記基材上に、前記蛍光体が堆積した第1蛍光体領域が設けられ、当該第1蛍光体領域は少なくとも前記発光素子と前記枠との間に配置されており、前記枠は、少なくとも前記第1蛍光体領域より上側において凸状に湾曲し、当該凸状の湾曲部分に連続して凹状に湾曲して前記基材に設けられ、さらに、前記凸状の湾曲部分に前記蛍光体が付着した第2蛍光体領域を有し、かつ前記凹状の湾曲部分に前記蛍光体が堆積していることを特徴とする。
【0009】
このような構成によれば、発光装置は、凸状の湾曲部分に蛍光体が付着し、発光素子と枠との間における蛍光体の量が低減する。また、凹状の湾曲部分を有することで発光素子と枠との間の距離が短くなり、この部位での封止樹脂の量が低減するため、発光素子と枠との間における蛍光体の量が低減する。これにより、発光素子と枠との間における蛍光体の波長変換光の強度が抑制され、照射面の色むらが抑制された発光装置とすることができる。
【0010】
また、前記第2蛍光体領域は、前記第1蛍光体領域よりも薄く形成されていることが好ましい。
このような構成によれば、凸状の湾曲部分の蛍光体の量や、発光素子と枠との間における蛍光体の量がより適度になる。
【0011】
発光装置は、さらに、前記基材上に、前記発光素子に電圧を印加する導電部材を備え、前記発光素子と前記導電部材とが導電性のワイヤによって電気的に接続され、かつ前記導電部材の前記ワイヤとの接続部分が前記枠で被覆されているものであってもよい。
このような構成によれば、発光素子と導電部材とがワイヤによって電気的に接続された発光装置において、ワイヤに接続する導電部材のワイヤとの接続部分が枠に被覆されていることで、枠と発光素子の間におけるワイヤのボンディング領域が不要となる。これにより、枠を発光素子の近くに配置することができるため、枠と発光素子の間における蛍光体の量がより低減される。
【0012】
また、前記第1蛍光体領域は、さらに前記発光素子の側面および上面を連続して被覆していることが好ましい。
このような構成によれば、発光素子からの発光の全体を蛍光体によって波長変換することができる。
【0013】
発光装置は、前記発光素子が、前記基材上に複数個載置されているものであってもよい。発光素子を複数備える発光装置であれば、発光量をより多くすることができる。
【0014】
本発明に係る発光装置の製造方法は、基材上に発光素子を載置するダイボンディング工程と、前記発光素子の周囲に光反射性の枠を設ける光反射枠形成工程と、前記枠の内側に、蛍光体を含有する封止樹脂を充填する封止樹脂充填工程と、を含み、前記光反射枠形成工程において、前記光反射性の枠を、少なくともその内側の上部において凸状に湾曲し、その内側の下部において当該凸状の湾曲部分に連続して凹状に湾曲して前記基材に形成し、前記封止樹脂充填工程において、前記蛍光体を沈降させ、前記蛍光体が前記基材上に堆積するとともに前記凸状の湾曲部分に付着し、かつ前記凹状の湾曲部分に前記蛍光体を堆積することを特徴とする。
【0015】
このような製造方法によれば、枠がその内側の上部において凸状に湾曲して形成されることで封止樹脂中を沈降してきた蛍光体がこの部分に付着し、発光素子と枠との間における蛍光体の量が低減する。また、枠がその内側の下部において凹状に湾曲して形成されることで発光素子と枠との間の距離が短くなり、この部位での封止樹脂の量が低減し、発光素子と枠との間における蛍光体の量が低減する。これにより発光素子と枠との間における蛍光体の波長変換光の強度が抑制され、照射面の色むらが抑制された発光装置を製造することができる。
【0016】
本発明に係る発光装置の製造方法は、前記封止樹脂充填工程において、前記凸状の湾曲部分の蛍光体を、前記発光素子と前記枠との間の前記基材上の蛍光体よりも薄く形成することが好ましい。
このような製造方法によれば、凸状の湾曲部分の蛍光体の量や、発光素子と枠との間における蛍光体の量をより適度にすることができる。
【0017】
さらに、前記ダイボンディング工程の後に、前記発光素子と、この発光素子に電圧を印加する導電部材とを導電性のワイヤによって電気的に接続するワイヤボンディング工程を有し、前記光反射枠形成工程において、前記導電部材の前記ワイヤとの接続部分を被覆するように前記枠を形成してもよい。
このような製造方法によれば、発光素子と導電部材とをワイヤによって電気的に接続する構成の発光装置であって、枠を発光素子の近くに配置し、枠と発光素子の間における蛍光体の量をより低減した発光装置を製造することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る発光装置によれば、光反射性の枠が凸状の湾曲部分を有することでこの部分に蛍光体が付着し、発光素子と枠との間における蛍光体の量が低減する。また、光反射性の枠が凹状の湾曲部分を有することで発光素子と枠との間の距離が短くなり、この部位での封止樹脂全体の量が低減するため、発光素子と枠との間における蛍光体の量が低減する。これにより、発光素子と枠との間における蛍光体の波長変換光の強度を抑制することができ、発光装置の照射面の外周付近における色むら(黄色蛍光体を用いる場合はイエローリング)を抑制することができる。
【0019】
本発明に係る発光装置の製造方法によれば、光反射性の枠における凸状の湾曲部分に蛍光体を付着させることができるため、発光素子と枠との間における蛍光体の量を低減することができる。また、光反射性の枠に凹状の湾曲部分を形成することで発光素子と枠との間の距離を短くすることができ、この部位での封止樹脂の量を低減することができるため、発光素子と枠との間における蛍光体の量を低減することができる。これにより、発光素子と枠との間における蛍光体の波長変換光の強度を抑制することができ、発光装置の照射面の外周付近における色むら(黄色蛍光体を用いる場合はイエローリング)を抑制することができる発光装置を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態に係る発光装置の全体構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る発光装置の構成を示す正面図である。
【図3】(a)は、図1のX−X断面付近における光反射性の枠およびその周辺の構成を示す断面写真であり、(b)、(c)は、その一部を拡大したSEM画像である。
【図4】光反射性の枠およびその周辺の構成について説明する模式図であり、(a)は光反射性の枠が本発明の構成を満たさない場合の模式図、(b)は光反射性の枠が本発明の構成を満たす場合の模式図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係る発光装置の構成を示す正面図である。
【図6】(a)〜(c)は本発明の発光装置における光反射性の枠の形成方法について、他の方法を示す模式図である。
【図7】(a)、(b)は本発明の発光装置における光反射性の枠の形成方法について、他の方法を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態に係る発光装置および発光装置の製造方法について、図面を参照しながら説明する。なお、各図面が示す部材のサイズや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については、原則として同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。また、以下の説明で参照する図2において、発光素子のp電極およびn電極は、各発光素子の向きを示すために実装領域上の4箇所だけ詳細に図示し、実装領域上のその他の箇所では詳細な図示を省略している。また図5ではp電極およびn電極は、詳細な図示を省略している。
【0022】
≪発光装置≫
本発明の実施形態に係る発光装置100について、図1〜図4を参照しながら詳細に説明する。以下の説明では、まず発光装置100の全体構成について説明した後に、各構成について説明する。なお、説明の便宜上、図2における枠6は、外形のみを線で示し、透過させた状態で図示している。他の実施形態で説明する図5についても、同様に透過させた状態で図示している。
【0023】
<全体構成>
発光装置100は、例えば、LED電球、スポットライト等の照明器具等に利用される装置である。発光装置100は、図1、図2に示すように、基材(ここでは基板)1上に、基材1の実装領域1aに配置された発光素子2と、発光素子2の周囲に配置された光反射性の枠(以下、適宜、光反射樹脂という)6と、枠6の内側に充填された封止樹脂7と、を主に備える。さらに、ここでは、基材1上に形成された正極3および負極4を構成する導電部材40と、保護素子5と、発光素子2や保護素子5等である電子部品と、正極3や負極4等を接続するワイヤWと、実装領域1aに形成された金属膜30と、中継配線部8と、を備えた構成としている。
【0024】
<基材>
基材1は、発光素子2や保護素子5等の電子部品を配置するためのものである。基材1は、図1および図2に示すように、矩形平板状に形成されている。また、基材1上には、図2に示すように複数の発光素子2を配置するための実装領域1aが区画されている。なお、基材1のサイズは特に限定されず、発光素子2の数や配列間隔等、目的および用途に応じて適宜選択することができる。
【0025】
基材1の材料としては、絶縁性材料を用いることが好ましく、かつ、発光素子2から放出される光や外光等が透過しにくい材料を用いることが好ましい。また、ある程度の強度を有する材料を用いることが好ましい。具体的には、セラミックス(Al、AlN等)、あるいはフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、BTレジン(bismaleimide triazine resin)、ポリフタルアミド(PPA)等の樹脂が挙げられる。
【0026】
<実装領域>
実装領域1aは、複数の発光素子2を配置するための領域である。実装領域1aは、図2に示すように、基材1の中央の領域に区画されている。実装領域1aは、互いに対向する辺を有する所定形状で形成されており、より具体的には、図2に示すように、角部を丸めた略矩形状に形成されている。なお、実装領域1aのサイズは特に限定されず、発光素子2の数や配列間隔等、目的および用途に応じて適宜選択することができる。
【0027】
実装領域1aの周囲には、図2を正面視した場合において、実装領域1aの左側の辺に沿って配線部3bの一部および配線部4bの一部が形成され、実装領域1aの下側の辺に沿って配線部4bの一部が形成され、実装領域1aの右側の辺に沿って中継配線部8が形成されている。なお、ここでの実装領域1aの周囲とは、図2に示すように、実装領域1aの周縁と所定の間隔を置いた周囲のことを意味している。
【0028】
<金属膜>
金属膜30は、実装領域1a上に形成される膜である。実装領域1aは、複数の発光素子2を配置するために基材1上に区画した領域、すなわち基材1と同じ材料で構成された領域としてもよいが、例えば、実装領域1a上に光を反射する金属膜30を形成し、当該金属膜30を介して複数の発光素子2を配置することが好ましい。このように実装領域1a上に金属膜30を形成してその上に複数の発光素子2を配置することで、基材1の実装領域1a側に向う光も金属膜30によって反射することができる。従って、出射光のロスを軽減することができ、発光装置100の光の取り出し効率を向上させることができる。
【0029】
実装領域1a上に形成する金属膜30は、電解めっきまたは無電解めっきで形成することが好ましい。金属膜30の材料としては、特に限定されないが、例えば、Ag(銀)またはAu(金)を用いることが好ましく、特にAgを用いることが好ましい。Auは光を吸収しやすい特性を備えているが、例えばAuめっきの表面にTiO膜をさらに形成することで、光反射率を高めることができる。また、AgはAuよりも可視光に対する光反射率が高いため、Au単独でめっきを行うよりも、発光装置100の光の取り出し効率を向上させることができる。なお、実装領域1a上に形成する金属膜30の厚さは特に限定されず、目的および用途に応じて適宜選択することができる。
【0030】
<発光素子>
発光素子2は、電圧を印加することで自発光する半導体素子である。発光素子2は、図2に示すように、基材1の実装領域1aに複数配置され、当該複数の発光素子2が一体となって発光装置100の発光部20を構成している。なお、発光素子2は、図示しない接合部材によって実装領域1aに接合されており、その接合方法としては、例えば接合部材として樹脂や半田ペーストを用いる接合方法を用いることができる。なお、図示された発光部20は単に発光素子2を載置させる領域を示すものであり、発光部20における発光とは、発光素子2から出される光であることはいうまでもない。
【0031】
発光素子2のそれぞれは、図2に示すように、矩形状に形成されている。また、発光素子2は、図2に示すように、その上面の一側にp電極2aが設けられ、発光素子2の他側にn電極2bが設けられたフェースアップ(FU)素子である。
【0032】
発光素子2としては、具体的には発光ダイオードを用いるのが好ましく、用途に応じて任意の波長のものを選択することができる。例えば、青色(波長430nm〜490nmの光)、緑色(波長490nm〜570nmの光)の発光素子2としては、窒化物系半導体(InAlGa1−X−YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)等を用いることができる。また、赤色(波長620nm〜750nmの光)の発光素子2としては、GaAlAs、AlInGaP等を用いることができる。
【0033】
ここで、本発明においては、後記するように封止樹脂7(図1参照)に蛍光体(蛍光物質)を導入するため、その蛍光体を効率良く励起できる短波長の発光が可能な窒化物半導体(InAlGa1−X−YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)を用いることが好ましい。例えば、青色の発光素子2と黄色蛍光体とを組み合わせてこれらの発光を混合することで、白色の光を得ることができる。ただし、発光素子2の成分組成や発光色、サイズ等は上記に限定されず、目的に応じて適宜選択することができる。また、発光素子2は、可視光領域の光だけではなく、紫外線や赤外線を出力する素子で構成することもできる。また、高出力化のためには、発光素子2の個数は、例えば10個以上、20〜150個の範囲内とすることが好ましい。
【0034】
発光素子2は、図2に示すように、実装領域1a上において、縦方向および横方向にそれぞれ等間隔で配列されており、ここでは、縦8個×横5個の合計40個配置されている。また、発光素子2は、図2に示すように、実装領域1aに対して横方向に隣り合う発光素子2同士が導電性のワイヤWによって電気的に接続され、直列接続されている。なお、ここでの直列接続とは、図2に示すように、隣り合う発光素子2におけるp電極2aとn電極2bとがワイヤWによって電気的に接続された状態を意味している。また、図2を正面視した場合において、実装領域1aの左側の端部に位置する発光素子2と、導電部材40である配線部3b,4bとがワイヤWによって電気的に接続されており、実装領域1aの右側の端部に位置する発光素子2と、中継配線部8とがワイヤWによって電気的に接続されている。
【0035】
<導電部材(正極および負極)>
導電部材(金属部材)40は正極3および負極4を構成するものであり、基材1上の複数の発光素子2や保護素子5等の電子部品と、外部電源とを電気的に接続し、これらの電子部品に対して外部電源からの電圧を印加するためのものである。すなわち、導電部材40(正極3および負極4)は、外部から通電させるための電極、またはその一部としての役割を担うものである。
【0036】
正極3および負極4は、図2に示すように略矩形状のパッド部(給電部)3a,4aと、線状の配線部3b,4bと、を有しており、パッド部3a,4aに印加された電圧が配線部3b,4bを介して複数の発光素子2からなる発光部20へと印加されるように構成されている。なお、負極4の配線部4bには、図2に示すように、カソードであることを示すカソードマークCMが形成されている。
【0037】
パッド部3a,4aは、外部電源からの電圧が印加されるためのものである。パッド部3a,4aは、図2に示すように、基材1上の角部における対角線の位置に、一対で形成されている。そして、パッド部3a,4aは、導電性のワイヤWによって、図示しない外部電源と電気的に接続されている。
【0038】
配線部3b,4bは、外部電源からパッド部3a,4aに印加された電圧を、実装領域1a上の発光素子2へと伝達するためのものである。配線部3b,4bは、図2に示すように、パッド部3a,4aから延出するように形成されるとともに、実装領域1aの周囲に略L字状で形成されている。
【0039】
正極3および負極4を構成する導電部材40の素材は、Auを用いることが好ましい。これは、後記するように、ワイヤWの材料として熱伝導性が向上したAuを用いた場合に、同素材であるワイヤWを強固に接合することができるためである。
【0040】
正極3および負極4を構成する導電部材40の形成方法としては、前記した実装領域1a上の金属膜30の形成方法と同様に、電解めっきまたは無電解めっきで形成することが好ましい。なお、正極3および負極4を構成する導電部材40の厚さは特に限定されず、ワイヤWの数等、目的および用途に応じて適宜選択することができる。
【0041】
ここで、配線部3b,4bの一部、すなわち導電部材40の一部は、図1および図2に示すように、後記する光反射樹脂6によって被覆されている。そのため、配線部3b,4bを、前記したように光を吸収しやすいAuで形成した場合であっても、発光素子2から出射された光が配線部3b,4bには到達せずに光反射樹脂6によって反射される。従って、出射光のロスを軽減することができ、発光装置100の光の取り出し効率を向上させることができる。
【0042】
さらに、配線部3b,4bの一部を光反射樹脂6によって覆うことにより、当該ワイヤWを塵芥、水分、外力等から保護することができる。なお、ここでの配線部3b,4bの一部とは、図2に示すように、配線部3b,4bのうちで、実装領域1aの周囲であって、実装領域1aの辺に沿って形成された部分であり、ワイヤWが接続された部分のことを意味している。また、これによって、光反射樹脂6と発光素子2の間におけるワイヤWのボンディング領域が不要となり、光反射樹脂6を発光素子2の近くに配置することができる。そのため、光反射樹脂6と発光素子2の間における蛍光体9(図3参照)の量をより低減することができる。
【0043】
<中継配線部>
中継配線部8は、正極3と負極4の間における配線を中継するためのものである。中継配線部8は、図2に示すように、基材1上の導電部材(金属部材)で構成されている。中継配線部8は、図2に示すように、実装領域1aの周囲において、当該実装領域1aの一辺、すなわち右側の辺に沿って直線状に形成されている。
【0044】
中継配線部8は、図2に示すように、光反射樹脂6によって覆われている。そのため、後記するように、中継配線部8を構成する導電部材として光を吸収しやすいAuを用いた場合であっても、発光素子2から出射された光は中継配線部8には到達せずに光反射樹脂6によって反射される。従って、出射光のロスを軽減することができ、発光装置100の光の取り出し効率を向上させることができる。さらに、中継配線部8を光反射樹脂6によって覆うことにより、当該中継配線部8を塵芥、水分、外力等から保護することができる。
【0045】
中継配線部8を構成する導電部材の素材は、正極3および負極4と同様に、Auを用いることが好ましい。これは、後記するように、ワイヤWの材料として熱伝導性が向上したAuを用いた場合に、同素材であるワイヤWを強固に接合することができるためである。
【0046】
中継配線部8を構成する導電部材の形成方法としては、正極3および負極4と同様に、電解めっきまたは無電解めっきで形成することが好ましい。なお、中継配線部8を構成する導電部材の厚さは特に限定されず、ワイヤWの数等、目的および用途に応じて適宜選択することができる。
【0047】
<保護素子>
保護素子5は、複数の発光素子2からなる発光部20を、過大な電圧印加による素子破壊や性能劣化から保護するための素子である。保護素子5は、具体的には、規定電圧以上の電圧が印加されると通電状態になるツェナーダイオード(Zener Diode)である。保護素子5は、図示は省略したが、前記した発光素子2と同様にp電極とn電極とを有する半導体素子であり、発光素子2のp電極2aとn電極2bに対して逆並列となるように、ワイヤWによって負極4の配線部4bと電気的に接続される。
【0048】
<枠(光反射樹脂)>
光反射性の枠である光反射樹脂6は、発光素子2から出射された光を反射させるためのものである。光反射樹脂6は、図2に示すように、配線部3b,4bの一部、中継配線部8、保護素子5およびこれらに接続されるワイヤWを覆うように形成される。そのため、配線部3b,4b、中継配線部8およびワイヤWを、前記あるいは後記したように光を吸収しやすいAuで形成した場合であっても、発光素子2から出射された光が配線部3b,4b、中継配線部8およびワイヤWには到達せずに光反射樹脂6によって反射される。従って、出射光のロスを軽減することができ、発光装置100の光の取り出し効率を向上させることができる。さらに、配線部3b,4bの一部、中継配線部8、保護素子5およびこれらに接続されるワイヤWを光反射樹脂6によって覆うことによって、これらの部材を塵芥、水分、外力等から保護することができる。また、光反射樹脂6をワイヤWのボンディング領域を被覆する位置に配置することで、光反射樹脂6と発光素子2の間にワイヤWのボンディング領域を確保することが不要となり、光反射樹脂6を発光素子2の近くに配置することができる。
【0049】
光反射樹脂6は、図1および図2に示すように、基材1上において発光部20が形成された実装領域1aを囲うように四角枠状に形成されることが好ましい。このように実装領域1aの周囲を囲うように光反射樹脂6を形成することで、基材1の実装領域1aの周囲に向う光も光反射樹脂6によって反射することができる。従って、出射光のロスを軽減することができ、発光装置100の光の取り出し効率を向上させることができる。
【0050】
また、光反射樹脂6は、図2に示すように、実装領域1aの周縁の一部を覆うように形成することが好ましい。このように、実装領域1aの周縁の一部を覆うように光反射樹脂6を形成することで、配線部3b,4bと実装領域1a上の金属膜30との間に基材1が露出した領域が形成されることがなくなる。従って、発光素子2から出射された光を、光反射樹脂6が形成された内部の領域において全て反射させることができるため、出射光のロスを最大限軽減することができ、発光装置100の光の取り出し効率をより向上させることができる。また、光反射樹脂6は、発光素子2よりも高く形成されている。
【0051】
次に、光反射樹脂6の形状について説明する。
図3、図4(b)に示すように、枠である光反射樹脂6は、少なくとも蛍光体領域10a(以下、適宜、第1蛍光体領域10aという)より上側において凸状に湾曲し、当該凸状の湾曲部分に連続して凹状に湾曲して基材1に設けられている。すなわち、光反射樹脂6は、横方向(幅方向)における断面(例えば図1のX−X断面)の形状が、その内側の上部が略楕円弧状をしており、かつ、その内側の下部が基材1方向に向かうにつれて広がり、発光素子2側に突出した状態となって突出部6aを形成している。そして第1蛍光体領域10aが凹状の湾曲部分に接し、凹部に蛍光体9が堆積している。また、光反射樹脂6の内側の上部が凸状に湾曲しているため、後記するように、封止樹脂7中を沈降してきた蛍光体9がこの湾曲部分に付着し、蛍光体領域10b(以下、適宜、第2蛍光体領域10bという)を形成している。これら蛍光体領域10a,10bは、例えば、封止樹脂7中の他の領域、具体的には封止樹脂7中に浮遊した状態で存在する部位よりも、蛍光体9が高濃度で存在する。
【0052】
ここで、図3、図4(b)では、光反射樹脂6の枠の外側も内側と同じような形状となっているが、蛍光体9は、光反射樹脂6の内側に充填された封止樹脂7中に含有されているため、少なくとも、光反射樹脂6の内側がこのような形状になっていればよい。また、湾曲の度合いは特に限定されるものではないが、例えば、幅約1000μm、高さ約550μmの光反射樹脂6において、曲率半径で、あるいは近似する曲率半径で、凸状の湾曲部分が220μm〜320μm、凹状の湾曲部分が20μm〜40μmとすることができる。光反射樹脂6の幅に対する割合で示すと、曲率半径で、あるいは近似する曲率半径で、凸状の湾曲部分が22%〜32%、凹状の湾曲部分が2%〜4%とすることができる。さらに、発光素子2と突出部6aの先端との距離も特に限定されるものではないが、例えば、150μm〜600μmとすることができる。このように、湾曲部分の曲率半径や、発光素子2と突出部6aの先端との距離を調整することで、第1蛍光体領域10aおよび第2蛍光体領域10bにおける蛍光体9の量を調整することができる。なお、光反射樹脂6の形状は、本発明の構成を満たす形状であればよく、湾曲の度合いによって、例えば図3に示すような形状、図4(b)に示すような形状、後記する図6(c)、図7(b)に示すような形状が挙げられる。
【0053】
光反射樹脂6の材料としては、絶縁材料を用いることが好ましい。また、ある程度の強度を確保するために、例えば熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等を用いることができる。より具体的には、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、BTレジンや、PPAやシリコン樹脂等が挙げられる。また、これらの母体となる樹脂に、発光素子2からの光を吸収しにくく、かつ母体となる樹脂に対する屈折率差の大きい反射部材(例えばTiO,Al,ZrO,MgO)等の粉末を分散することで、効率よく光を反射させることができる。なお、光反射樹脂6のサイズは特に限定されず、目的および用途に応じて適宜選択することができる。
【0054】
<封止樹脂>
封止樹脂(封止部材)7は、蛍光体9を含有するものであり、基材1に配置された発光素子2およびワイヤW等を、塵芥、水分、外力等から保護するための部材である。封止樹脂7は、図1、図2に示すように、基材1上において、光反射樹脂6で囲った実装領域1a内に樹脂を充填することで形成される。
【0055】
封止樹脂7の材料としては、発光素子2からの光を透過可能な透光性を有するものが好ましい。具体的な材料としては、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂等を挙げることができる。また、このような材料に加えて、所望に応じて着色剤、光拡散剤、フィラー等を含有させることもできる。
【0056】
なお、封止樹脂7は、単一の部材で形成することもできるし、あるいは、2層以上の複数の層として形成することもできる。また、封止樹脂7の充填量は、光反射樹脂6で囲った実装領域1a内に配置される発光素子2、ワイヤW等が被覆される量であればよい。また、封止樹脂7にレンズ機能をもたせる場合は、封止樹脂7の表面を盛り上がらせて砲弾型形状や凸レンズ形状としてもよい。
【0057】
ここで、基材1上に、蛍光体9が堆積した蛍光体領域(第1蛍光体領域)10aを有する。第1蛍光体領域10aは、少なくとも発光素子2と枠(光反射樹脂)6との間に配置される。さらに、光反射樹脂6の枠の内側の表面、すなわち、光反射樹脂6の内側における凸状の湾曲部分に蛍光体9が付着した蛍光体領域(第2蛍光体領域)10bを有し、かつ凹状の湾曲部分に蛍光体9が堆積している。すなわち、凹状の湾曲部分である突出部6aに蛍光体9が堆積している。ここで、蛍光体領域10a,10bとは、蛍光体9の粒子が複数個密集して形成された領域をいう。なお、第2蛍光体領域10bは、少なくとも一部に形成されていればよい。すなわち凸状の湾曲部分全体に形成されていてもよいし、一部にのみ形成されていてもよい。蛍光体9の量や凸状の湾曲部分の曲率半径によっては、蛍光体9が付着しない箇所が生じる場合があるが、蛍光体9が一部に形成されていても、発光素子2と光反射樹脂6との間の基材1上の蛍光体9の量を低減することは可能だからである。また、「付着」とは、凸状の湾曲部分に蛍光体9が2層以上で形成されている場合の他、1層で形成されている場合も含む。すなわち、第2蛍光体領域10bは、凸状の湾曲部分において1層以上に形成されていてればよく、その形成箇所は、凸状の湾曲部分の一部であってもよいし、全面であってもよい。また、「一部」とは、凸状の湾曲部分の1箇所の場合の他、複数個所の場合も含む。
【0058】
また、凸状の湾曲部分の第2蛍光体領域10bは、発光素子2と光反射樹脂6との間における基材1上の第1蛍光体領域10aよりも薄く形成されていることが好ましい。ここで、凸状の湾曲部分の第2蛍光体領域10bは、断面視において蛍光体9の粒子が数個程度付着した厚み、具体的には、図3(b)に示すように、断面視において、蛍光体9の粒子が1〜2個程度付着した厚みであることが好ましい。また、第2蛍光体領域10bの厚みは50μm以下とすることが好ましい。これらのように、第2蛍光体領域10bの厚みを調整することで、凸状の湾曲部分の蛍光体9の量や、発光素子2と光反射樹脂6との間における蛍光体9の量をより適度にすることができる。そして、発光素子2の側面側の蛍光体9をより適度な量とすることができる。また、凸状の湾曲部分の第2蛍光体領域10bの厚みが厚くなると、これによって波長変換される光の強度が強くなるため、凸状の湾曲部分の第2蛍光体領域10bは基材1上の第1蛍光体領域10aよりも薄くすることが好ましく、さらに好ましくは、前記した厚みとする。また、このような厚みとすることで、光反射樹脂6によって発光素子2の発光や蛍光体9による波長変換光を効率良く反射でき、発光装置100外への光の取り出し効率を向上させることができる。
【0059】
また、図4(b)に示すように、第1蛍光体領域10aは、さらに発光素子2の側面および上面を連続して被覆するように設けられていることが好ましい。すなわち、発光素子2の側面および上面が蛍光体9で被覆され、この蛍光体9が連続して一体となり第1蛍光体領域10aを形成していることが好ましい。このように、発光素子2の側面および上面に蛍光体9を連続して被覆させることで、発光素子2からの発光の全体を蛍光体9によって波長変換することができる。
【0060】
次に、光反射樹脂6の形状と、蛍光体9および蛍光体領域10a,10bとの関係について図4を参照して説明する。
図4(a)は、封止樹脂7を堰き止めるダムを設けるために、基材1上に広がり難く高く形成し易い高粘度の樹脂を用いて光反射樹脂60を形成した場合の一例である。図4(a)に示すように、光反射樹脂60の形状が、その内側の上部(第1蛍光体領域10aより上側)において、光反射樹脂60を形成する樹脂より粘度の低い樹脂を用いた場合の図4(b)の光反射樹脂6の形状に比べて傾斜が急で凸状の湾曲が少なく、またその内側の下部(第1蛍光体領域10aと接する部分)において凹状に湾曲していない場合、封止樹脂7中を沈降してきた蛍光体9が光反射樹脂6の表面に付着することなく、発光素子2と光反射樹脂6との間の基材1上に堆積される。なお、仮に上部に蛍光体9が付着する場合があっても、その量は、図4(b)の形状の場合と比較して僅かであるため、第1蛍光体領域10aの蛍光体9の量を低減させる効果はほとんどない。これに対し、図4(b)に示すように、光反射樹脂6の形状が、その内側の上部(第1蛍光体領域10aより上側)において、図4(a)の形状と比較して傾斜が緩く凸状に湾曲しており、かつその内側の下部(第1蛍光体領域10aと接する部分)において凹状に湾曲している場合、封止樹脂7中を沈降してきた蛍光体9が光反射樹脂6の表面、すなわち凸状の湾曲部分に付着して第2蛍光体領域10bを形成するとともに、発光素子2と光反射樹脂6との間の基材1上に堆積し、第1蛍光体領域10aを形成する。
【0061】
このように、光反射樹脂6の表面、すなわち凸状の湾曲部分に蛍光体9が付着するため、発光素子2と光反射樹脂6との間に堆積する蛍光体9の量が低減する。そのため、発光素子2と光反射樹脂6との間における蛍光体9の波長変換光の強度を抑えることができ、発光装置100を発光させた際の照射面の外周付近における色むら(黄色蛍光体を用いる場合はイエローリング)が抑制される。また、封止樹脂7全体に対する蛍光体9の含有割合は一定であるため、光反射樹脂6の下部を基材1に近付くにつれて広がるように形成し、凹状に湾曲した部分である突出部6aを設けることによって、凹状に湾曲した部分がない、つまり突出部6aがない場合と比較して、突出6a部がある分、封止樹脂7全体の量が低減され、蛍光体9の量も低減される。
【0062】
<蛍光体>
封止樹脂7中に、波長変換部材として発光素子2からの光の少なくとも一部を吸収して異なる波長を有する光を発する蛍光体(蛍光部材)を含有させる。蛍光体としては、発光素子2からの光をより長波長に変換させるものが好ましい。また、蛍光体は1種の蛍光体(蛍光物質)を用いてもよいし、2種以上の蛍光体(蛍光物質)が混合されたものを用いてもよい。
【0063】
蛍光体の材料としては、例えばイットリウム、アルミニウムおよびガーネットを混合したYAG系蛍光体、Eu,Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される、窒化物系蛍光体、酸窒化物系蛍光体を用いることができる。
【0064】
<ワイヤ>
ワイヤWは、発光素子2や保護素子5等の電子部品と、正極3、負極4および中継配線部8等を電気的に接続するための導電性の配線である。ワイヤWの材料としては、Au、Cu(銅)、Pt(白金)、Al(アルミニウム)等の金属、および、それらの合金を用いたものが挙げられるが、特に、熱伝導率等に優れたAuを用いるのが好ましい。なお、ワイヤWの径は特に限定されず、目的および用途に応じて適宜選択することができる。
【0065】
ここで、ワイヤWと、正極3、負極4および中継配線部8との接続部分は、図2に示すように、光反射樹脂6によって覆われている。そのため、前記したように、ワイヤWを構成する材料として光を吸収しやすいAuを用いた場合であっても、発光素子2から出射された光はワイヤWには吸収されずに光反射樹脂6によって反射される。従って、出射光のロスを軽減することができ、発光装置100の光の取り出し効率を向上させることができる。さらに、ワイヤWと、正極3、負極4および中継配線部8との接続部分を光反射樹脂6によって覆うことにより、当該ワイヤWを塵芥、水分、外力等から保護することができる。なお、発光装置100から取り出される光とは、光反射樹脂6に囲まれた封止樹脂7の表面から取り出される光である。つまり発光装置100でみて、封止樹脂7の表面が発光面となる。
【0066】
≪発光装置の製造方法≫
次に、本発明の実施形態に係る発光装置の製造方法について、ここでは図1〜3の形態のものを例にとり、適宜、図面を参照しながら説明する。
【0067】
本発明に係る発光装置100の製造方法は、ダイボンディング工程と、光反射枠形成工程と、封止樹脂充填工程と、を含む。また、本製造方法の前提として、ダイボンディング工程の前に、基材作製工程とを含む。さらにここでは、めっき工程、ワイヤボンディング工程、保護素子接合工程を含む。
以下、各工程について説明する。なお、発光装置100の構成については前記説明したとおりであるので、ここでは適宜、説明を省略する。
【0068】
<基材作製工程>
基材作製工程は、めっき用配線が形成された基材1を作製する工程である。基材作製工程では、基材1上の実装領域1aや、正極3および負極4となる部位を所定の形状にパターニングすることで形成する。また、基材作製工程では、電解めっきによって基材1上の実装領域1aに金属膜30を形成するためのめっき用配線を形成する。
【0069】
<めっき工程>
めっき工程は、前記めっき配線が形成された基材1上に、少なくとも正極3および負極4を構成する導電部材40を形成する工程であり、好ましくは無電解めっきにより正極3および負極4を構成する導電部材40を形成するとともに、基材1上の実装領域1a上に、電解めっきにより金属膜30を形成する工程である。また、正極3および負極4を形成するときと同様の工程で中継配線部8を構成する導電部材が形成される。
【0070】
めっきの具体的な方法としては、例えば、正極3、負極4および中継配線部8と実装領域1a上の金属膜30との両方にAuめっきを行う方法、正極3、負極4および中継配線部8にAuめっきを行い、実装領域1a上にAgめっきを行う方法、等が挙げられる。なお、金属膜30を形成しない場合は、正極3、負極4および中継配線部8のみにAuめっきを行い、実装領域1a上の金属膜30を形成しない方法が挙げられる。また、実装領域1a上には、AuめっきやAgめっきを行う場合はAuまたはAgの表面に、まためっきを行わない場合は直接基材1表面に、さらにTiO膜を形成することが好ましい。
【0071】
<ダイボンディング工程>
ダイボンディング工程は、基材1上に発光素子2を載置する工程である。ダイボンディング工程は、発光素子載置工程と、加熱工程と、からなる。
【0072】
[発光素子載置工程]
発光素子載置工程は、基材1上(ここでは金属膜30上)に、接合部材(図示省略)を介して、発光素子2を載置する工程である。
発光素子2は、接合部材により、基材1上の金属膜30と接合する。なお、発光素子2の裏面には、予め、フラックスを塗布しておいてもよい。ここで、接合部材は、金属膜30と発光素子2との間に介在するように設ければよいため、金属膜30のうち、発光素子2を載置する領域に設けてもよく、発光素子2側に設けてもよい。あるいは、その両方に設けてもよい。
【0073】
液状またはペースト状の接合部材を金属膜30上に設ける場合、粘度等に応じてポッティング法、印刷法、転写法等の方法から適宜選択することができる。そして、接合部材を設けた箇所に発光素子2を載置する。なお、固体状の接合部材を用いる場合も、固体状の接合部材を載置した後、液状またはペースト状の接合部材を用いる場合と同じ要領で、金属膜30上に発光素子2を載置することができる。また、固体状やペースト状の接合部材は、加熱等により一度溶融させることで、発光素子2を金属膜30上の所望の位置に固定させてもよい。
【0074】
[加熱工程]
加熱工程は、発光素子2を載置した後に、接合部材を加熱し、発光素子2を基材1上(金属膜30上)に接合する工程である。
接合部材は絶縁性部材であってもよく、加熱工程における加熱は、接合部材の少なくとも一部が揮発する温度よりも高い温度で行う。また、接合部材が熱硬化性樹脂を含有する場合は、熱硬化性樹脂の硬化が起こる温度以上に加熱することが好ましい。このようにすることで、発光素子2を熱硬化性樹脂で接着固定することができる。さらに、接合部材として、例えばロジンを含有する樹脂組成物と、低融点の金属とを用いた場合において、金属膜30上に、この低融点の金属が載置されている場合、この低融点の金属が溶融する温度以上に加熱することが好ましい。
【0075】
また、加熱工程において、前記加熱に続けて、さらに洗浄工程を行うことができる。
例えば、接合部材に樹脂組成物を用いた場合、加熱により樹脂組成物の一部を揮発によって消失させた後に、残留した樹脂組成物を、さらに洗浄等によって除去してもよい(残留接合部材洗浄工程)。特に、樹脂組成物がロジン含有の場合には、加熱後に洗浄するのが好ましい。洗浄液としては、グリコールエーテル系有機溶剤等を用いるのが好ましい。
【0076】
<保護素子接合工程>
保護素子接合工程は、正極3の配線部3b上に保護素子5を載置して接合する工程である。
保護素子5の接合は、発光素子2の接合と同時に行ってもよいが、発光素子2の接合よりも先、あるいは後に行ってもよい。保護素子5を載置、接合する方法は、前記ダイボンディング工程と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0077】
<ワイヤボンディング工程>
ワイヤボンディング工程は、ダイボンディング工程の後に、発光素子2と、この発光素子2に電圧を印加する導電部材40とをワイヤWによって電気的に接続する工程である。すなわち、導電部材40の正極3と、発光素子2上部にある電極端子(パッド電極)とを、ワイヤWで電気的に接続する工程である。同じく、発光素子2上部にある電極端子(パッド電極)と導電部材40の負極4とを、ワイヤWで電気的に接続する工程である。さらにこの工程では、複数の発光素子2を、それぞれ電極端子(パッド電極)を介して接続する。また、保護素子5と負極4との電気的な接続もこの工程で行えばよい。すなわち、保護素子5上部にある電極端子と負極4とをワイヤWで接続する。ワイヤWの接続方法は、特に限定されるものではなく、通常用いられる方法で行えばよい。
【0078】
<光反射樹脂形成工程>
光反射樹脂形成工程は、発光素子2の周囲に光反射性の枠(光反射樹脂)6を設ける工程である。ここでは、ワイヤボンディング工程の後に、実装領域1aの周縁に沿って、導電部材40の一部、すなわち、少なくとも正極3および負極4の配線部3b,4bの一部である、導電部材40のワイヤWとの接続部分を被覆するように光反射樹脂6を形成する工程である。
そしてこの工程では、光反射性の枠(光反射樹脂)6を、少なくともその内側の上部において凸状に湾曲し、その内側の下部において当該凸状の湾曲部分に連続して凹状に湾曲して基材1に形成する。すなわち、光反射樹脂6が、少なくとも第1蛍光体領域10aより上側において凸状に湾曲し、第1蛍光体領域10aと接する部分において凹状に湾曲するように形成する。
【0079】
このような形状にするには、樹脂の粘度や、基材1表面(ここでは金属膜30表面)の粗さにより毛細管現象を利用すること等で制御することができる。樹脂の粘度が大きい、あるいは、金属膜30表面の粗さが小さい場合には、図4(a)に示すように、光反射樹脂60の下部が基材1方向に向かうにつれて広がりにくいため、光反射樹脂60の下部において凹状に湾曲せず、また第1蛍光体領域10aより上側において傾斜が急となり、凸状の湾曲が少ない。一方、樹脂の粘度が小さい、あるいは、金属膜30表面の粗さが大きい場合には、図4(b)に示すように、光反射樹脂6が、少なくとも第1蛍光体領域10aより上側において傾斜が緩くなり、凸状に大きく湾曲し、当該凸状の湾曲部分に連続して、光反射樹脂6の下部が凹状に湾曲する。なお、樹脂の粘度や基材1(金属膜30)の粗さ等の本発明の形状とする条件は、樹脂の材料や、製造条件(温度、湿度等)により変化するものであるため、厳密に規定されるものではなく、製造時において適宜調整すればよい。
【0080】
光反射樹脂6の形成は、例えば、固定された基材1の上側において、基材1に対して上下方向あるいは水平方向等に移動(可動)させることができる樹脂吐出装置(図示省略)を用いて行うことができる(特開2009−182307号公報参照)。
すなわち、樹脂が充填された樹脂吐出装置をその先端のノズルから液体樹脂を吐出しながら移動させることで、実装領域1aの周縁の一部を覆うように光反射樹脂6を形成していく。樹脂吐出装置の移動速度は、用いる樹脂の粘度や温度等に応じて適宜調整することができる。形成された複数の光反射樹脂6がそれぞれ略同じ幅となるようにするには、少なくとも樹脂を吐出中は一定の速度で移動させるのが好ましい。移動中に樹脂の吐出を一時中断する場合等は、その間の移動速度は変更することもできる。樹脂の吐出量についても、一定とするのが好ましい。さらに、樹脂吐出装置の移動速度と樹脂の吐出量ともに、一定とするのが好ましい。吐出量の調整は、吐出時にかかる圧力等を一定にする等により調整することができる。
【0081】
<封止部材充填工程>
封止部材充填工程は、枠(光反射樹脂)6の内側に、蛍光体9を含有する封止樹脂を充填する工程である。すなわち、発光素子2、金属膜30およびワイヤW等を被覆する透光性の封止樹脂7を、基材1上に形成された光反射樹脂6からなる枠(壁部)の内側に樹脂を注入し、その後加熱や光照射等によって硬化することで形成する工程である。
【0082】
この工程では蛍光体9を沈降させ、蛍光体9が基材1(ここでは金属膜30)上に堆積し、凹状の湾曲部分にも堆積するするとともに、凸状の湾曲部分に付着する。つまり、基材1上に蛍光体9を堆積させて、少なくとも発光素子2と光反射樹脂6との間に第1蛍光体領域10aを形成し、凹状の湾曲部分が蛍光体9で堆積されるようにするとともに、光反射樹脂6の内側の表面、すなわち凸状の湾曲部分に蛍光体9を付着させて第2蛍光体領域10bを形成する。またここでは、凸状の湾曲部分の蛍光体9(すなわち第2蛍光体領域10b)を、発光素子2と枠(光反射樹脂)6との間の基材1上の蛍光体9(すなわち第1蛍光体領域10a)よりも薄く形成する。
【0083】
具体的には、樹脂と蛍光体9とを混合し、光反射樹脂6からなる枠(壁部)の内側に注入する。樹脂内の蛍光体9は、重力によって下方に沈降し、基材1(金属膜30)表面および凸状の湾曲部分に蛍光体9が蓄積した蛍光体領域10a,10bが形成される。このとき、凸状の湾曲部分の曲率半径や、発光素子2と突出部6aの先端との距離を、樹脂の粘度や基材1(金属膜30)の粗さ等により適度に調整することで、第1蛍光体領域10aおよび第2蛍光体領域10bにおける蛍光体9の量を調整する。そして、その後加熱や光照射等によって硬化することで封止樹脂7が形成される。
【0084】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することができる。
すなわち、前記に示す発光装置の形態は、本発明の技術思想を具体化するための発光装置を例示するものであって、本発明は、発光装置を前記の形態に限定するものではない。また、特許請求の範囲に示される部材等を、実施の形態の部材に特定するものではない。特に、実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、他の実施形態として以下の構成としてもよい。
【0085】
[他の実施形態]
図5を参照して、他の実施形態に係る発光装置101について説明する。なお、前記した発光装置100と同一構成のものについては同一の符号を付して、以下では主に相違点についてのみ説明する。
図5に示すように、発光装置100では実装領域1aが略矩形状であったのに対し、発光装置101では実装領域1aが円形を呈している。そして、この円形の実装領域1aに、複数の発光素子2が載置されている。そして、光反射樹脂6は、基材1上において発光部20が形成された実装領域1aを囲うように円状に形成されている。また、光反射樹脂6は、配線部3b,4bの一部、保護素子5およびこれらに接続されるワイヤWを覆うように形成されている。なお、符号AMはパッド部3aが正極3であることを示すアノードマーク、符号70は、発光素子2のボンディング位置を認識するための認識マーク、符号80は発光装置101の温度計測ポイントであり、これらもめっき等により形成される。
【0086】
次に、光反射樹脂6の形状に関し、光反射樹脂6の他の形成方法について図6、図7を参照して説明する。
光反射樹脂6の形状について、前記した発光装置100の製造方法では、1種類の樹脂の粘度を調整したり、基材1(金属膜30)表面の粗さを調整したりすることで、前記したような凸部と凹部を有する光反射樹脂6を形成した。このように、1種類の樹脂で光反射樹脂6を形成すれば、樹脂描画の工程が1回で済むため、1種類の樹脂で光反射樹脂6を形成することが好ましい。しかしながら、以下の2つの方法のように、粘度の異なる2種類の樹脂を使用することで、このような形状の光反射樹脂6を形成することもできる。
【0087】
第1の方法として、図6を参照して説明する。まず、光反射樹脂6を形成する位置に、低粘度の樹脂16aを塗布する(図6(a))。次に、樹脂16a上に高粘度の樹脂16bを塗布する((図6(b))。その後、樹脂16a,16bを硬化するが、これらは同時に硬化することが好ましい。これによって、樹脂16a,16bが一体化された光反射樹脂6となる(図6(c))。このような方法によれば、樹脂aは粘度が低く広がり易いため、大きな突出部6a(図4参照)を形成することができる。そして、この上に高粘度の樹脂16bを形成することで、封止樹脂7を堰き止めるダムとして必要な高さを容易に得ることができる。なお、樹脂16aのみで同じ高さの光反射樹脂6を形成しようとすると、図6(a)に示すように幅が非常に大きくなり、発光装置100,101のサイズが増大してしまう。また、樹脂16bのみでは、粘度が高いため、樹脂が垂れにくいため基材1上に広がらず、突出部が形成されにくい。
【0088】
次に、第2の方法として、図7を参照して説明する。まず、光反射樹脂6を形成する位置に、高粘度の樹脂16bを塗布する(図7(a))。次に、樹脂16bの表面に、低粘度の樹脂16aを塗布する(図7(b))。その後、樹脂16a,16bを硬化することで、樹脂16a,16bが一体化された光反射樹脂6となる。なお、ここでは樹脂16bの両側、つまり枠の外側および内側に樹脂16aを塗布した場合について図示したが、樹脂16bの内側のみ樹脂16aを塗布し、内側にのみ、凸状の湾曲部分および凹状の湾曲部分を有する形状としてもよい。
【0089】
その他、基材1として、ここでは基板を用いた場合について説明したが、基材1としては樹脂パッケージ等でもよい。また、発光装置100,101では、発光素子2は複数個載置されているが、発光素子2の数は限定されるものではなく、1つ以上であればよい。さらに、発光素子2として、ここではフェースアップ(FU)素子を用いた場合について説明したが、フェースダウン(FD)素子や対向電極構造の素子であってもよい。なお、発光素子や発光装置の形態によっては、導電部材40、保護素子5、ワイヤW、金属膜30、中継配線部8等は備えない構成のものであってもよく、また、基材作製工程、めっき工程、ワイヤボンディング工程、保護素子接合工程等を含まない製造方法であってもよい。
【0090】
さらに、発光装置の製造方法においては、本発明を行うにあたり、前記各工程に悪影響を与えない範囲において、前記各工程の間あるいは前後に、前記した工程以外の工程を含めてもよい。例えば、基材を洗浄する基材洗浄工程や、ごみ等の不要物を除去する不要物除去工程や、発光素子や保護素子の載置位置を調整する載置位置調整工程等、他の工程を含めてもよい。
【符号の説明】
【0091】
1 基材(基板)
1a 実装領域
2 発光素子
2a p電極
2b n電極
3 正極
3a パッド部
3b 配線部
4 負極
4a パッド部
4b 配線部
5 保護素子
6 枠(光反射樹脂)
6a 突出部
7 封止樹脂
8 中継配線部
9 蛍光体
10a 蛍光体領域(第1蛍光体領域)
10b 蛍光体領域(第2蛍光体領域)
16a,16b 樹脂
20 発光部
30 金属膜
40 導電部材
60 枠(光反射樹脂)
70 認識マーク
80 温度計測ポイント
100,101 発光装置
AM アノードマーク
CM カソードマーク
W ワイヤ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上に、発光素子と、前記発光素子の周囲に配置された光反射性の枠と、前記枠の内側に充填された、蛍光体を含有する封止樹脂と、を備える発光装置であって、
前記基材上に、前記蛍光体が堆積した第1蛍光体領域が設けられ、当該第1蛍光体領域は少なくとも前記発光素子と前記枠との間に配置されており、
前記枠は、少なくとも前記第1蛍光体領域より上側において凸状に湾曲し、当該凸状の湾曲部分に連続して凹状に湾曲して前記基材に設けられ、
さらに、前記凸状の湾曲部分に前記蛍光体が付着した第2蛍光体領域を有し、かつ前記凹状の湾曲部分に前記蛍光体が堆積していることを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記第2蛍光体領域は、前記第1蛍光体領域よりも薄く形成されていることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
さらに、前記基材上に、前記発光素子に電圧を印加する導電部材を備え、前記発光素子と前記導電部材とが導電性のワイヤによって電気的に接続され、かつ前記導電部材の前記ワイヤとの接続部分が前記枠で被覆されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記第1蛍光体領域は、さらに前記発光素子の側面および上面を連続して被覆していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項5】
前記発光素子が、前記基材上に複数個載置されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項6】
基材上に発光素子を載置するダイボンディング工程と、
前記発光素子の周囲に光反射性の枠を設ける光反射枠形成工程と、
前記枠の内側に、蛍光体を含有する封止樹脂を充填する封止樹脂充填工程と、を含み、
前記光反射枠形成工程において、前記光反射性の枠を、少なくともその内側の上部において凸状に湾曲し、その内側の下部において当該凸状の湾曲部分に連続して凹状に湾曲して前記基材に形成し、
前記封止樹脂充填工程において、前記蛍光体を沈降させ、前記蛍光体が前記基材上に堆積するとともに前記凸状の湾曲部分に付着し、かつ前記凹状の湾曲部分に前記蛍光体を堆積することを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項7】
前記封止樹脂充填工程において、前記凸状の湾曲部分の蛍光体を、前記発光素子と前記枠との間の前記基材上の蛍光体よりも薄く形成することを特徴とする請求項6に記載の発光装置の製造方法。
【請求項8】
前記ダイボンディング工程の後に、前記発光素子と、この発光素子に電圧を印加する導電部材とを導電性のワイヤによって電気的に接続するワイヤボンディング工程を有し、前記光反射枠形成工程において、前記導電部材の前記ワイヤとの接続部分を被覆するように前記枠を形成することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の発光装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−79817(P2012−79817A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−221751(P2010−221751)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000226057)日亜化学工業株式会社 (993)
【Fターム(参考)】