説明

発光装置及びそれを用いた照明器具

【課題】発光色の異なる複数のLEDからの光を混色させて照射する発光装置において、出射光の色むらを生じ難くし、かつ、色むらのない白色の光を得易くする。
【解決手段】発光装置1は、基板2上に互に異なる色度の光を出射する複数のLED3(31、32)が1つのグループ4を構成し、このグループ4を複数備える。グループ4(4a〜4c)の各々は、少なくとも白色の光を出射するLED3を含み、各グループ4間の距離d1が、グループ4内の隣接するLED3間の距離d2よりも大きく設定されている。これにより、基板2上に所定数のLED3を等間隔に配置する場合に比べ、各グループ4内でLED3からの色光が混色され易くなるので、出射光の色むらを生じ難くなり、また、白色光のLED3を含むので、色むらのない白色の光を得ることが容易となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光色の異なる複数のLED(Light Emitting Diode)を混色させて照射する発光装置及びそれを用いた照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
発光色の異なる複数のLEDを混色させて照射する発光装置の例を図8(a)乃至(d)に示す。図8(a)(b)において、発光装置100は、基板101上に、異なる色度の光を出射するLED102、103が複数、それぞれ交互に距離dxの等間隔に直線状に実装配列されて構成されている。この発光装置100は、例えばR、G、Bのいずれかの色を出射するLED102、103からの2色の光が、基板101上のカバー用の透光パネルなどが位置される所定の距離hで交差し、混合照射される。
【0003】
また、この種の発光装置として、LEDと蛍光体から成る複数の固体発光装置が基板上に集積配置され、各固体発光装置から発光色の異なる光を出射し、それらの光を混合して出射する発光装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この発光装置はR、G、Bの3色の光を出射する各LEDを基板上にマトリックス状に交互に等間隔に配置して、混合光を得ている。
【0004】
ところで、近年、LED素子単体からの光束の増大に伴い、基板に配列実装されるLEDパッケージ数を少なくしても、必要な光量を得ることができるようになった。一方、LEDの放熱のため、LEDが実装される基板面積がある程度必要とされるという条件は変わっていない。このため、図8(c)(d)に示されるように、図8(a)(b)に示したもの比べて、LED102、103の数を少なくして、同じサイズの基板に等間隔に配置した場合、各LEDはその間隔dyが間隔dxより拡がって配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−238729号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、図8(c)(d)に示されるように、各LEDの間隔dyが広くなると、LED102、103からの光は、基板101上で上記と同様の所定の距離hでは、互に交差しなくなる。このため、各LEDが等間隔配置される発光装置においては、複数の異なる色光を発光するLEDからの光が混色され難く、照射光に色むらが生じ易くなる。しかも、上記特許文献1に示されるようなR、G、Bの3色を混色させる発光装置を照明器具に用いる場合、それら3色がむらなく混色されなければ、白色の光を照射することができない。
【0007】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、発光色の異なる複数のLEDからの光を混色させて照射する発光装置において、その出射光の色むらが生じ難くなり、かつ、色むらのない白色を得ることができる発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明の発光装置は、異なる色度の光を出射する複数の固体発光素子が1つのグループを構成し、このグループを複数備え、前記グループの各々は、少なくとも白色の光を出射する固体発光素子を含み、前記各グループ間の距離が、グループ内の固体発光素子間の距離よりも大きく設定されていることを特徴とする。
【0009】
この発光装置において、前記グループの各々は、電球色の光を出射する固体発光素子を含むことが好ましい。
【0010】
この発光装置において、前記グループの各々は、赤、青、緑のうちの、少なくとも2色の色度の光をそれぞれ出射する各固体発光素子を含むことが好ましい。
【0011】
この発光装置において、前記グループの各々は、各固体発光素子からの光を混色する光学部材を備えることが好ましい。
【0012】
この発光装置において、前記光学部材は、前記固体発光素子から導出された光を反射する反射部材であることが好ましい。
【0013】
この発光装置において、前記光学部材は、前記固体発光素子から導出された光を混色するレンズであることが好ましい。
【0014】
この発光装置において、前記グループ内の最も近く隣接する固体発光素子の発光中心間距離は15mm以内であって、前記各固体発光素子の光束は、100%点灯時に、10〜600ルーメンであることが好ましい。
【0015】
この発光装置において、前記各グループから出射された光を共通して拡散する拡散部材を、さらに備え、前記各グループ間の距離又は該発光グループから導出される光の立体角度は、当該固体発光素子から導出された光の、当該拡散部材における投影部分の周囲が互いに隣接又は重複するように構成されていることが好ましい。
【0016】
また、本発明は、請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載の発光装置を具備した照明器具である。
【発明の効果】
【0017】
本発明の発光装置によれば、所定数の固体発光素子を等間隔に配置する場合に比べ、グループ毎に各発光素子からの光が交わり混色され易くなるので、異なる色度の照射光が低減され色むらを生じ難くすることができる。また、グループ内に白色光を出射する固体発光素子を含むので、色むらのない白色の色を照射することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る発光装置の構成図。
【図2】同上発光装置の各LEDからの光の照射状態を示す断面図。
【図3】同上発光装置の発光グループ間でLEDの配置間隔を変えたときの構成図。
【図4】同上発光装置における変形例の構成図。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る発光装置の断面構成図。
【図6】同上発光装置の変形例の断面構成図。
【図7】(a)は本発明の第3の実施形態に係る発光装置の断面構成図、(b)は(a)の発光装置からの照射光による拡散部材上の投影パターンを示す図。
【図8】(a)は従来の発光装置の構成図、(b)は(a)の発光装置の各LEDからの光の照射状態を示す断面図、(c)は(a)の発光装置の各LEDの間隔を拡げた場合の構成図、(d)は(c)の発光装置の各LEDからの光の照射状態を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る発光装置について、図1及び図2を参照して説明する。図1に示されるように、発光装置1は、基板2と、基板2に配列実装され互に異なる色度の光を出射する複数のLED31、32(固体発光素子、総称して3)とを有する。また、発光装置1においては、LED31、32が1つの発光グループ4a、4b、4c(グループ、総称して4)を構成し、これら発光グループ4の各々は、少なくとも白色の光を出射するLED3を含んでいる。なお、発光装置1は、例えば取付治具(不図示)により、天井面に取り付けられる照明器具として、また天井壁面に埋め込まれるダウンライトとして使用される。
【0020】
本実施形態において、LED31、32は、それぞれ白色の光を出射する固体発光素子と、電球色の光を出射する固体発光素子とから成り、基板2の長手方向の中心線20に沿って交互に配置され基板2のLED実装面から上方向に照射光を出射する。なお、白色の光を出射する固体発光素子は、例えば青色光を発光する青色LED素子と、青色LED素子からの光で励起され黄色光を発光する黄色蛍光体と形成される白色LEDなどにより構成できる。また、電球色の光を出射する固体発光素子は、青色LED素子の光を蛍光体で電球色に変換するものが用いられる。また、各LED及び蛍光体は、互にセラミック等のパッケージに内蔵され、基板2に実装されていてもよい。また、各固体発光素子はセラミックやアルミ基材上にLED素子を実装し、蛍光体で覆ったもので構成されてもよい。このとき、各素子の上に異なる種類の蛍光体を塗布することにより、複数の光色を出せる。
【0021】
各発光グループ4は、それぞれLED31、32を含んで、基板2の長手方向に沿って順次隣接して構成され、隣接する各発光グループ4間の距離d1が、各グループ4内のLED3間の最短となる距離d2よりも大きくなるように設定されている。ここで、各発光グループ4間の距離d1は、各グループ4毎に各LED31、32からの光により形成される照射光の発光中心間の距離としている。また、各発光グループ4内のLED31、32間の距離d2は、各LED3の照射光の発光中心間の距離としている。なお、各グループ間距離d1は等間隔でなくてよく、距離d2についても同様であり、それら距離d1、d2は、基板2を設置する設置部の形状やLED3を覆う透過カバーの形状により、任意に設定することができる。
【0022】
このLED配置においては、基板2上のLED31、32間の距離d2は、前述の図8(c)に示される同じサイズの基板に等間隔に配置されたLED間の距離dyに比べて短くなり、各LED31、32が互に接近されるようになる。従って、各発光グループ4は、LED31、32からの各色光(ここでは、白色と電球色)の組み合わせによるカテゴリ毎に密集されて基板2上に配置される。
【0023】
また、各LED31、32間の距離d2は15mm以内とし、かつ、それらLED31、32の光束は100%点灯時に10〜600ルーメンとしている。なお、基板2は、LED等を実装するためのプリント基板やセラミック基板等が使用され、その形状は図示の矩形に限らず、円形や多角形等としてもよい。また、各LED3は、例えば基板2上に形成される電源回路(不図示)により、その基板2上の配線パターンを介して給電される。また、各LED31、32は、その出射光が電源回路によりそれぞれ制御され、それらの色光の混合比率の調整が可能となっている。
【0024】
図2は、発光装置1を基板2の側面側から見たときの、発光グループ4a、4bの各LED31、32からの光の照射状態を示す。各発光グループ4においては、各LED31、32はそれらの間隔が距離d2となって、互に接近されているので、各LED31、32からの白色及び電球色の光が基板2上から所定の距離hで交わるようになり、それらの色光による混合光が形成され照射される。なお、所定の距離hは、各LED31、32の照射光の各発光中心から見た立体角度φ1を互に同じとし、例えば発光装置1を覆う拡散用の乳白パネルやカバーパネルなどを混合光の等価的な出射面とし、この出射面と基板2との距離を基に定めてもよい。
【0025】
本実施形態によれば、所定数のLED3を等間隔に配置する場合に比べ、グループ4毎に各LED3からの光が交わり混色され易くなるので、異なる色度の照射光が低減され色むらを生じ難くすることができる。また、各グループ4内に白色光を出射するLED3を含むので、色むらのない白色の色を照射することができる。
【0026】
また、各LED3の発光中心間距離(d2)は、15mm以内としているので、例えば立体角度φ1を90度以上とすれば、LED31、32からの光の交差位置の距離hを7.5mm以内に近づけることができ、比較的低い高さで混合光を形成することができる。また、LED31、32の光束は、100%点灯時に10〜600ルーメンとされていることにより、点灯時に、10ルーメン以下とならないので、照射が暗くなって色光の混合ができなくなることはない。また、点灯時に、600ルーメンを越えないので、照射が明る過ぎて眩しさのため、混合色が判別できなくなることを避けることができる。
【0027】
なお、本実施形態においては、1つの発光グループに各々白色の光及び電球色の光を出射するLED31、32をそれぞれ1つ含む構成を示したが、各グループ4内の複数のLED3のうち、少なくとも1つが白色の光を出射するLED31であればよい。例えば、各グループ4内に、LED31が2個以上、または電球色の光を出射するLED32が2個以上であってもよい。
【0028】
また、各発光グループ4の各LED3の配置は、全てが規則的である必要はない。このことから、例えば図3に示されるように、各発光グループ4のLED間隔は、基板2内で熱の篭り易い中央部においては、ある程度間隔を広く取って均一に配置し、基板2の周辺部においては、各LED3をカテゴリ毎に密集させて配置してもよい。この場合、発光グループ4a、4cは、それらのLED31、32がカテゴリを成し基板2の周辺部に密集して配置され、基板2の中央部のグループ4bは、その中のLED31、32が発光グループ4a、4cと比べ互いの間隔を拡げて配置されている。
【0029】
(変形例)
上記実施形態の発光装置の変形例について、図4を参照して説明する。本変形例の発光装置1は、各発光グループ4の各々が、白色に加え、赤、青、緑色のうちの、少なくとも2色の色度の光をそれぞれ出射するLEDを含む。この発光装置1においては、発光グループ4d〜4fの各々が、白色(W)の光を出射するLED31と共に、赤(R)、緑(G)、青(B)色の各色度の光をそれぞれ出射するLED33、34、及び35を含んでいる。
【0030】
これらLED31、及び33〜35は、各発光グループ4毎に、基板2上の中心線20に沿う正方形の4頂点にそれぞれ配置され、最も近く隣接するLED間の距離d2は15mm以内とされ、各発光グループ4(4d〜4f)間の距離d1より短くなっている。ここでは、発光装置1は、各グループ4内に、白、赤、緑、及び青色からなるカテゴリ毎に、4つのLED31、33〜35がそれぞれ密集される構成となっている。各発光グループ4は、白色光と、赤、緑、及び青色光のそれぞれの混合比率が制御されることにより、様々な混合光を得ることができる。例えば、各グループ4で白色の光を得る際、LED33〜35からのR、G、Bの各色光を抑え、LED31からの白色光の混合比率を高くする。このとき、各グループ4は、白色の光を、色バランスのずれによる色むらが発生し易いR、G、Bの3色光により生成せず、LED31からの白色光のみで構成するようにできるので、色むらのない白色の光を得ることができる。また、LED33〜35でR、G、Bの3色光の色バランスが良く、色むらの少ない白色の光が得られた場合には、LED31からの白色光と相乗して、より明るい白色の光を得ることができる。特に、RGBによる白色の生成は、各LEDパッケージのばらつきと各パッケージに流れる電流のばらつきとにより、色度のばらつきが大きくなるため、1パッケージで白色を出すものを加えることにより、ばらつき抑制の効果が大きい。また、RGBの単色が透光カバーを通して見えてしまうことがあり、特に出力が小さいときはその懸念が大きいが、白色パッケージを加えることにより、各単色が見え難くなるので、意匠的効果も大きい。
【0031】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る発光装置について、図5を参照して説明する。図5に示されるように、本実施形態の発光装置1は、前記実施形態において、発光グループ4(4a、4b)の各々は、各LED3(31、32)の光を混色する光学部材を備え、その光学部材として、反射板5を用いたものである。
【0032】
反射板5は、基板2上に配置され樽形状の中空の回転体から成る凹面反射鏡51を有し、各発光グループ4(4a、4b)毎に、それぞれ凹面反射鏡51内に各LED3を取り囲むように設けられる。この反射板5は、発光グループ4内の各LED3から等距離となる中心点を通り基板2に垂直な中心軸21を回転体の回転軸とする。また、中心軸21は凹面反射鏡51の光軸となっている。
【0033】
反射板5は、各発光グループ4でLED31、32からの光の一部をそれぞれ凹面反射鏡51の内面で反射し、それら反射光を互に交差させるようにして、凹面反射鏡51の開口から照射する。ここで、LED31、32は、それらの発光中心位置から広角に光を出射し、それらの出射光のうち、基板2に沿って略平行に発光中心位置から互に逆方向に出射された光が、凹面反射鏡51で反射されて交差するようになる。このとき、LED31、32間の間隔は、それらからの出射光の立体角度や凹面反射鏡51の反射面の曲率等を基に、各出射光による混合光が、より出射し易いように設定される。これにより、LED31、32からの色光の混合が容易に行われる。
【0034】
(変形例)
上記実施形態の変形例を図6に示す。本変形例の発光装置1は、前記実施形態において、発光グループ4(4a、4b)の各々は、各LED31、32の光を混色する光学部材として、レンズ6を備えたものである。
【0035】
レンズ6は、各発光グループ4内の各LED31、32を覆うように基板2上に配置され、逆円錐台形状の回転体からなるレンズ本体60を有する。レンズ本体60は、前記と同様に基板2に垂直な中心軸21を回転軸とし、中心軸21はレンズ6の光軸となっている。
【0036】
レンズ本体60は、その底面に形成されLED31、32をそれぞれ覆う2つ半球形空洞の入射面61と、基板2から離れるに連れて中心軸21との傾斜角が拡大する側面62と、レンズ上面で形成される凹面状の凹出射面63及び凸面状の凸出射面64とを有する。凸出射面64は、凹出射面63の中央部から突出する形で形成される。
【0037】
レンズ6においては、発光グループ4内のLED31、32から出た光は、それぞれ各入射面61からレンズ本体50内に入射され、その入射光のうち、中心軸21近くに沿う光は凸出射面64で中心軸21から離れるように拡散されて出射される。また、入射面61からの入射光のうち、中心軸21から離れて凹出射面63に向う光は、凹出射面63により中心軸21に集光されて出射され、入射面61から側面62に向う光は、側面62で反射されて凹出射面63又は凸出射面64で屈折されて出射される。これにより、入射面61から入射した光は、レンズ6の通過することにより拡散及び集光、及び多重反射等により、互に交差するようになる。従って、各発光グループ4内の各LED3から出た光の混合光が容易に得られる。
【0038】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る発光装置について、図7を参照して説明する。図7(a)に示されるように、本実施形態の発光装置1は、前記実施形態において、各発光グループ4から出射された光を共通して拡散する拡散部材7を、さらに備える。発光装置1は、各発光グループ4間の距離d1又は各グループ4から導出される光の立体角度φ2が、各グループ4のLED3から導出された光の、拡散部材7における投影パターン71〜73(投影部分)の周囲が互いに隣接又は重複するように構成されている。拡散部材7は、例えば、光拡散剤を含んだ透明樹脂やガラス材等を用いることができる。
【0039】
発光装置1は、基板2に板状の拡散部材7を支持するための枠体8を備え、枠体8は基板2からの距離hの位置に拡散部材7を保持するように構成されている。ここでは、各発光グループ4(4a〜4c)の立体角度φ2は、それらの各LED3(31、32)から出射される光を総合した照射光の、各グループ4の中心から見た立体角度を言う。この立体角度φ2は、例えばLED個々の照射光の立体角度φ1と、各LED間の距離d2と、拡散部材7への距離hとにより、各LED3の照射光による拡散部材7上の各投影パターンを求め、それらを包含する投影パターンを得る照射角から等価的に求められる。
【0040】
図7(b)に示されるように、拡散部材7は、その平面上に各発光グループ4a〜4cからの照射光が投影され、それぞれの投影パターン71〜73が形成される。ここでは、各LED3を、その照射光が立体角度φ2を成す点光源とし、各投影パターン71〜73は、それらLED3からの光が投影され略円形状を成し、それらの外径は立体角度φ2と距離hとにより算出される。また、それら投影パターン71〜73は、例えば立体角度φ2が小さいときは、各発光グループ4間の距離d1を狭めて互に重なるようにできる。また、距離d1が長いときは、立体角度φ2を大きくし、投影パターンを拡大して各投影パターン71〜73が互に重なるようにすればよい。なお、LED3は点光源に限定されない。
【0041】
本実施形態によれば、隣接する各発光グループ4からの出射光は、拡散部材7上で互い交差されると共に、拡散部材7内で拡散されて出射されるので、光の混色範囲が増大され、色度むらのより少ない混合光を得ることができる。
【0042】
なお、本発明は、上記の実施形態の構成に限られず、発明の要旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、上記各実施形態で、発光グループ4が2つ又は3つの場合を示したが、3グループ以上あってもよい。また、発光グループ4に含まれるLEDは、白色、電球色、赤、緑、青色の光以外の色を発光する固体発光素子や蛍光体を含んでもよい。また、複数のLEDの基板上での配置形状は、直線状や矩形状以外に、多角形状や円形状としてもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 発光装置
2 基板
31、32、33、34、35 LED(固体発光素子)
4a、4b、4c、4d、4e、4f 発光グループ(グループ)
5 反射板(光学部材)
6 レンズ(光学部材)
7 拡散部材
71、72、73 投影パターン(投影部分)
φ2 立体角度
d1 グループ間距離
d2 LED間距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる色度の光を出射する複数の固体発光素子が1つのグループを構成し、
このグループを複数備え、
前記グループの各々は、少なくとも白色の光を出射する固体発光素子を含み、
前記各グループ間の距離が、グループ内の固体発光素子間の距離よりも大きく設定されていることを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記グループの各々は、電球色の光を出射する固体発光素子を含むことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記グループの各々は、赤、青、緑色のうちの、少なくとも2色の色度の光をそれぞれ出射する固体発光素子を含むことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項4】
前記グループの各々は、各固体発光素子の光を混色する光学部材を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の発光装置。
【請求項5】
前記光学部材は、前記固体発光素子から導出された光を反射する反射部材であることを特徴とする請求項4に記載の発光装置。
【請求項6】
前記光学部材は、前記固体発光素子から導出された光を混色するレンズであることを特徴とする請求項4に記載の発光装置。
【請求項7】
前記グループ内の最も近く隣接する固体発光素子の発光中心間距離は15mm以内であって、
前記各固体発光素子の光束は、100%点灯時に、10〜600ルーメンであることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の発光装置。
【請求項8】
前記各グループから出射された光を共通して拡散する拡散部材を、さらに備え、
前記各グループ間の距離又は該発光グループから導出される光の立体角度は、当該固体発光素子から導出された光の、当該拡散部材における投影部分の周囲が互いに隣接又は重複するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の発光装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載の発光装置を備えたことを特徴とする照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−174867(P2012−174867A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−34899(P2011−34899)
【出願日】平成23年2月21日(2011.2.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】