説明

発光装置

【課題】発光材料として無機化合物を用いた発光素子において、従来よりも発光効率の高い発光素子を作製することにより、低電圧駆動が可能な発光素子を提供することを目的とする。
【解決手段】無機化合物を用いた発光素子の発光層におけるキャリアの数を増やすためにキャリア供給層を新たに設けることにより、発光層において発光中心(原子)が励起される確率を高め、発光効率を高めると共に発光素子もしくは発光装置の駆動電圧を低減させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレクトロルミネッセンスを利用した発光素子に関する。また、発光素子を有する発光装置および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、エレクトロルミネッセンス(Electro Luminescence)を利用した発光素子の研究開発が活発に行われている。発光素子の基本的な構成は、一対の電極間に発光性の物質を挟んでなるものであり、両電極間に電圧を印加することによって発光性の物質からの発光を得ることができる。
【0003】
このような発光素子は、自発光型であることから液晶ディスプレイに比べて視野角が広く、視認性に優れているという点に加えて、応答速度が速く、薄型軽量化が可能であるといった特徴を有している。
【0004】
また、発光素子は、発光性の物質として有機化合物を用いた有機発光素子と、無機化合物を用いた無機発光素子に分けられる。
【0005】
なお、これらの発光素子は、発光性の物質が異なるというだけでなく発光機構や特徴においてもそれぞれ異なっている。
【0006】
このうち無機発光素子は、図15に示すように一対の電極(第1の電極1501、第2の電極1505)間に絶縁膜(第1の絶縁膜1502、第2の絶縁膜1504)で挟まれた発光層1503を有する絶縁二重構造を有しており、両電極(第1の電極1501、第2の電極1505)にそれぞれの電源(第1の電源1506、第2の電源1507)から交流電圧を印加することにより発光が得られている。
【0007】
しかし、無機発光素子は、有機発光素子に比べて材料面での信頼性に優れているものの、発光輝度等が十分に得られておらず様々な研究が進められている(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
さらに、無機発光素子は、高い電界で加速された電子による発光中心への衝突励起によって発光が得られるという発光機構のために発光素子に数百Vの電圧を印加することが必要とされているが、ディスプレイパネル等に適用するためには駆動電圧を低減させることが重要となっている。
【特許文献1】特開2001−250691号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明では発光材料として無機化合物を用いた発光素子において、従来よりも発光効率の高い発光素子を作製することにより、低電圧駆動が可能な発光素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
従来の無機化合物を用いた発光素子は、発光層においてキャリアの衝突により励起された発光中心(原子)の内殻電子が基底状態に戻るときにエネルギーとして光を放出するという発光機構の為、発光素子の駆動電圧が高くなる理由の1つとして、発光中心を励起させるキャリアの数が十分でないことが挙げられる。
【0011】
これに対して、本発明は、無機化合物を用いた発光素子の発光層におけるキャリアの数を増やすためにキャリア供給層を新たに設けることにより、発光層において発光中心(原子)が励起される確率を高め、発光効率を高めると共に発光素子もしくは発光装置の駆動電圧を低減させることを特徴とする。
【0012】
なお、本発明の発光装置に関する具体的な構成は、一対の電極間に挟まれ、且つ、第1及び第2の絶縁膜に挟まれた発光層およびキャリア供給層を有し、前記発光層は、母体材料および添加材料を少なくとも含み、前記キャリア供給層は、n型又はp型の不純物元素を少なくとも含む半導体材料であることを特徴とする発光装置である。
【0013】
なお、キャリア供給層を複数有する構成も本発明に含めるものとする。他の構成は、第1の電極と、該第1の電極上に第1の絶縁膜と、該第1の絶縁膜上に発光層と、該発光層上に第2の絶縁膜と、該第2の絶縁膜上に第2の電極と、前記第1の絶縁膜と第2の絶縁膜の間に複数のキャリア供給層を有する発光装置である。
【0014】
また、上記各構成に加えて発光層および前記キャリア供給層が少なくとも一部で接する構成も本発明に含めるものとする。
【0015】
上記各構成において、前記母体材料は、第2族−第16族化合物、第12族−第16族化合物、第13族−第15族化合物、第2族−第13族−第16族化合物、第14族化合物、および希土類硫化物のいずれか一種または複数種であることを特徴とし、さらに具体的には、前記母体材料は、硫化カルシウム、硫化ストロンチウム、硫化バリウム、硫化亜鉛、硫化カドミウム、酸化亜鉛、窒化ガリウム、硫化ストロンチウムガリウム、酸化マグネシウム亜鉛、炭化珪素、硫化イットリウムのいずれか一種または複数種であることを特徴とする。
【0016】
上記各構成において、前記添加材料は、遷移金属元素または希土類元素のいずれか一種または複数種であることを特徴とし、さらに具体的には、セリウム、プラセオジウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、ツリウム、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、銀、金、白金、マンガンのいずれか一種または複数種であることを特徴とする。
【0017】
上記各構成において、前記キャリア供給層は、インジウムが添加された硫化亜鉛、アルミニウムまたはガリウムが添加された酸化亜鉛、シリコンが添加された窒化ガリウム、窒素またはリンが添加された酸化亜鉛、もしくは亜鉛が添加された窒化ガリウムのいずれかであることを特徴とする。
【0018】
なお、本明細書中における発光装置とは、画像表示デバイス、発光デバイス、もしくは光源(照明装置含む)を範疇に含む。また、本明細書中で示した発光素子が形成されたパネルにコネクター、例えばFPC(Flexible printed circuit)もしくはTAB(Tape Automated Bonding)テープもしくはTCP(Tape Carrier Package)が取り付けられたモジュール、TABテープやTCPの先にプリント配線板が設けられたモジュール、または発光装置にCOG(Chip On Glass)方式によりIC(集積回路)が直接実装されたモジュールも全て発光装置に含むものとする。
【0019】
また、本発明の発光装置を表示部に用いた電子機器も本発明の範疇に含めるものとする。
【発明の効果】
【0020】
本発明を実施することにより、発光効率が高く、駆動電圧が低いだけでなく劣化に強い発光素子を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に、本発明の一態様について図面等を用いながら詳細に説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
(実施の形態1)
【0022】
本実施の形態では、本発明の発光素子について説明する。なお、本発明において、発光素子の発光効率を上げるためには発光層にキャリアが十分に供給されることが重要である。
【0023】
本発明の発光素子は、図1に示す構造を有している。すなわち、導電性材料からなる第1の電極101上に絶縁材料からなる第1の絶縁膜102が形成され、第1の絶縁膜102上の一部に分離形成された複数のキャリア供給層103が形成され、キャリア供給層103と部分的に接するように発光層104が形成され、発光層104上に絶縁材料からなる第2の絶縁膜105が形成され、さらに第2の絶縁膜105上に導電性材料からなる第2の電極106が形成された構造を有する。
【0024】
なお、本発明において、発光層104は、半導体である母体材料と発光中心である添加材料により形成され、また、キャリア供給層103は、半導体材料にp型もしくはn型の不純物元素を添加することにより形成される。母体材料、添加材料、p型もしくはn型の不純物元素の具体例については、本実施の形態の中で後述することとする。
【0025】
従って、本発明の発光素子の素子構造においては、キャリア供給層103、およびキャリア供給層103と部分的に接して形成された発光層104が、第1の絶縁膜102と第2の絶縁膜105との間に挟まれ、さらに第1の絶縁膜102および第2の絶縁膜105を介して第1の電極101および第2の電極106で挟まれた構造を有している。
【0026】
そして、両電極(第1の電極101および第2の電極106)に交流電圧(例えば、10V〜100V)を印加すると、キャリア供給層103から発光層104にキャリアである電子が供給される。なお、電圧が印加された際のキャリア供給層103におけるキャリア密度(電子密度)は発光層104に比べて非常に高いことから、発光層104にキャリアを効率よく供給することができ、駆動電圧を低減させることができる。
【0027】
次に、発光素子のキャリア供給の仕組みについて図2のバンド図を用いて説明する。なお、図2では、母体材料に硫化亜鉛(ZnS)、添加材料にマンガン(Mn)を用いて形成された発光層201と、半導体材料にn型の不純物元素としてインジウム(In)を用いて形成されたキャリア供給層202を有する発光素子の場合を例にとって説明することとする。
【0028】
図2(A)は、発光素子の両電極に電圧が印加されていない状態(熱平衡状態)を示すバンド図であり、図2(A)において、発光層201とキャリア供給層202との間には、各層に含まれる物質の仕事関数の差(以下、拡散ポテンシャルとよぶ)が大きい為、キャリア供給層202から発光層201へキャリア203を供給することができない。
【0029】
しかし、図2(B)に示すように第1の電極に負(または第2の電極に正)の電圧を印加することにより、拡散ポテンシャルが小さくなる為、キャリア供給層202から発光層201へ、キャリア203を供給することができるようになる。
【0030】
従って、本発明の様に発光層の一部と部分的に接するようにキャリア供給層を形成することにより、発光層へキャリアを効率よく供給することができるため、駆動電圧を低減させることができる。
【0031】
本発明の発光素子の第1の電極101および第2の電極106は、Si、Ge等の半導体を含む導電膜、Ag、Au、Cu、Ni、Pt、Pd、Ir、Rh、W、Al、Ta、Mo、Cd、Zn、Fe、Ti、Zr、Ba、Nd等の金属元素からなる単層の導電膜、前記金属元素を複数組み合わせて積層された導電膜、前記金属元素を主成分とする合金からなる導電膜(例えば、アルミニウム・チタン合金膜)、または、前記金属元素を用いた金属窒化物からなる導電膜等を用いて形成することができる。
【0032】
その他にもインジウム錫酸化物(ITO:indium tin oxide)、酸化珪素を含んだ酸化インジウムにさらに2〜20wt%の酸化亜鉛(ZnO)を混合したターゲットを用いて形成されたインジウム亜鉛酸化物(IZO:indium zinc oxide)、酸化珪素を組成物として有するインジウム錫酸化物ITSO等の導電膜を用いて形成することもできる。
【0033】
なお、第1の電極101および第2の電極106の膜厚は、50nm以上400nm以下とするのが好ましく、さらに100nm以上250nm以下とするのが好ましい。
【0034】
また、第1の絶縁膜102および第2の絶縁膜105は、酸化珪素膜(例えば、SiO)、窒化珪素膜(例えば、Si)、窒化酸化珪素膜、酸化窒化珪素膜、その他の珪素を含む絶縁膜、および金属酸化物(例えば、Al、BaTiO)等の絶縁膜により単層又は積層構造で形成することができる。なお、第1の絶縁膜102および第2の絶縁膜105の膜厚は、10nm以上250nm以下とし、さらに100nm以上200nm以下とするのが好ましい。
【0035】
発光層104は、半導体である母体材料と発光中心である添加材料により形成される。なお、母体材料としては、周期表において、第2族元素と第16族元素を含む化合物(以下、第2族−第16族化合物と示す)、第12族元素と第16族元素を含む化合物(以下、第12族−第16族化合物と示す)、第13族元素と第15族元素を含む化合物(以下、第13族−第15族化合物と示す)、第2族(または第12族または希土類)元素と第13族元素と第16族元素を含む化合物(以下、第2族−第13族−第16族化合物と示す)、第14族元素を複数含む化合物(以下、第14族化合物と示す)、希土類元素と硫黄(S)を含む化合物(以下、希土類硫化物と示す)、およびこれらの組み合わせなどを用いることができる。
【0036】
なお、第2族−第16族化合物としては、硫化カルシウム(CaS)、硫化ストロンチウム(SrS)、硫化バリウム(BaS)等が挙げられる。また、第12族−第16族化合物としては、具体的には、硫化亜鉛(ZnS)、硫化カドミウム(CdS)、酸化亜鉛(ZnO)、等が挙げられる。また、第13族−第15族化合物としては、具体的には、窒化ガリウム(GaN)等が挙げられる。また、第2族−第13族−第16族化合物としては、硫化ストロンチウムガリウム(SrGa)、酸化マグネシウム亜鉛(MgZn1−xO)、第14族化合物としては、炭化珪素(SiC)、希土類硫化物としては、硫化イットリウム(Y)等が挙げられる。
【0037】
また、添加材料としては、遷移金属や希土類元素等を用いることができる。なお、添加材料としては、具体的には、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、テルビウム(Tb)、ツリウム(Tm)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、マンガン(Mn)等が挙げられる。
【0038】
さらに、母体材料と添加材料との組み合わせの具体例(母体材料:添加材料)としては、例えば、ZnS:Mn、CdSSe:Mn、ZnS:TbOF、ZnS:Tb、SrS:Ce、SrGa:Ce等が挙げられる。
【0039】
なお、上述したこれらの化合物の組成比は、厳密な値をとるのではなく、それぞれの元素に関してある程度の固溶限(または、組成範囲)を有している。従って、本発明においてもその範囲の組成比であればよいものとする。
【0040】
また、キャリア供給層103は、半導体材料(上述した母体材料となる半導体も含む)にn型もしくはp型の不純物元素を用いて形成することができる。
【0041】
n型の不純物としては、インジウム(In)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、シリコン(Si)等を用いることができる。また、p型の不純物としては、窒素(N)、リン(P)、亜鉛(Zn)等を用いることができる。
【0042】
なお、キャリア供給層103に用いる材料であって、半導体材料にn型もしくはp型の不純物元素を添加して形成される具体的な組み合わせとしては、例えば半導体材料ZnSにn型の不純物であるInが添加されたn型ZnS、半導体材料ZnOにn型の不純物であるAlやGaが添加されたn型ZnO、半導体材料GaNにn型の不純物であるSiが添加されたn型GaN、半導体材料ZnOにp型の不純物であるNやPが添加されたp型ZnO、半導体材料GaNにp型の不純物であるZnが添加されたp型GaN等が挙げられる。
【0043】
以上のような構造を有する本発明の発光素子は、発光層の一部と接するように設けられたキャリア供給層によって発光層へのキャリアの供給効率が高められるため、駆動電圧を低減させることができる。
(実施の形態2)
【0044】
本実施の形態2では、本発明の発光素子を駆動させる場合におけるキャリア供給の原理について説明する。
【0045】
本発明の発光素子の構造を図3に示す。本発明の発光素子は、導電性材料からなる第1の電極301上に絶縁材料からなる第1の絶縁膜302が形成され、第1の絶縁膜302上の一部に分離形成された複数のキャリア供給層303上に発光層304が形成され、発光層304上に絶縁材料からなる第2の絶縁膜305が形成され、さらに導電性材料からなる第2の電極306が形成された構造を有する。
【0046】
なお、第1の電極301には、第1の電源307が電気的に接続されており、第1の電源307から第1の電極301には図4(A)に示すように一定の電圧(基準電圧)が与えられている。
【0047】
一方、第2の電極306には、第2の電源308が電気的に接続されており、第2の電源308から第2の電極306には、図4(B)に示すように基準電圧に対して正または負の極性を有する電圧が、時間(t)(図4(B)の横軸)の経過と共に交互に印加される。
【0048】
なお、上述した正の極性を有する電圧とは、第1の電源307から第1の電極301に印加される基準電圧よりも高い電圧を示し、負の極性を有する電圧とは、第1の電源307から第1の電極301に印加される基準電圧よりも低い電圧を示すこととする。
【0049】
次に、図5のモデル図を用いて、本発明の発光素子の発光層におけるキャリアの様子を説明する。なお、説明の便宜上、図3と図5は共通の符号を用いて説明することとする。
【0050】
まず、第2の電極306に正の極性を有する電圧が印加される(図4(B)におけるt=t1)とキャリアは、図5(A)に示すようにキャリア供給層303から発光層304の上部であって、第2の絶縁膜305との界面に供給される。
【0051】
次に、第2の電極306に負の極性を有する電圧が印加される(図4(B)におけるt=t2)とキャリアは、図5(B)中の矢印で示すように第2の電極306に印加された負の極性を有する電圧による電界によって加速され、発光層304中に含まれる添加材料の原子と衝突し、添加材料の原子中の電子を励起する。励起された電子はすみやかに基底状態に緩和し、そのときのエネルギーが光として放出される。
【0052】
さらに、第2の電極306に負の極性を有する電圧が印加された状態(図4(B)におけるt=t3)において、キャリアは、図5(C)に示すようにキャリア供給層303から発光層304の下部であって、第1の絶縁膜302との界面に供給される。
【0053】
そして、再び第2の電極306に正の極性を有する電圧が印加される(図4(B)におけるt=t4)と、発光層304と第1の絶縁膜302との界面に存在するキャリアは、図5(D)中の矢印で示すように電界によって加速され、発光層304中に含まれる添加材料の原子と衝突し、添加材料の原子中の電子を励起する。
【0054】
このように、正の極性を有する電圧と負の極性を有する電圧が交互に第2の電極306に印加されることにより、発光素子の発光層304において発光を得ることができる。
【0055】
本実施の形態で示した発光素子は、発光層の一部と接するように設けられたキャリア供給層によって発光層へのキャリアの供給効率が高められるため、駆動電圧を低減させることができる。
(実施の形態3)
【0056】
本実施の形態では、画素部を構成する各画素に薄膜トランジスタ(TFT)および本発明の発光素子が含まれるアクティブマトリクス型の発光装置について説明する。
【0057】
なお、アクティブマトリクス型の発光装置において、例えば、図6に示すような回路構成とすることができる。
【0058】
図6(A)は、各画素に発光素子と発光素子のスイッチとして機能するTFTが1つずつ含まれる場合の構成を示す。従って、図6(A)に示すTFTをスイッチング用TFT(603)と呼ぶこととする。
【0059】
スイッチング用TFT603のゲート電極は、ゲート線(Gj)602に接続されている。また、スイッチング用TFT603のチャネル形成領域とつながる一方はソース線(Si)601に、他方は発光素子604の一方の電極と電気的に接続されている。なお、発光素子604の他方の電極は、一定の電圧(基準電圧)が維持された対向電源605と電気的に接続されている。
【0060】
ここで、ゲート線(Gj)602からは、スイッチング用TFT603をオンまたはオフさせるための信号(直流電圧Vgate)が入力される。また、ソース線(Si)601からは、発光素子604を駆動させるための信号(交流電圧Vsig)が入力されるが、ここでは、基準電圧よりも高い電圧(正の極性を有する電圧)と、基準電圧よりも低い電圧(負の極性を有する電圧)が、一定期間毎に交互に印加される。
【0061】
なお、ここでの階調表示は、Vsigの振幅の大きさを変えることにより行うことができる。
【0062】
図6(B)は、各画素に発光素子の他にTFTが2つ含まれる場合の構成を示す。なお、ここでのTFTは、発光素子615を駆動させるために機能する駆動用TFT614と、駆動用TFT614のスイッチとして機能するスイッチング用TFT613の2種類である。
【0063】
スイッチング用TFT613のゲート電極は、ゲート線(Gj)612に接続されている。また、スイッチング用TFT613のチャネル形成領域につながる一方はソース線(Si)611に、他方は駆動用TFT614のゲート電極と電気的に接続されている。
【0064】
駆動用TFT614のチャネル形成領域につながる一方は電流供給線(Vi)617に、他方は発光素子615の一方の電極と電気的に接続されている。なお、発光素子615の他方の電極は、一定の電圧(基準電圧)が維持された対向電源616と電気的に接続されている。
【0065】
ここで、ゲート線(Gj)612からは、スイッチング用TFT613をオンまたはオフさせるための信号(直流電圧Vgate)が入力され、ソース線(Si)611からは、駆動用TFT614をオンまたはオフさせるための信号(直流電圧Vsig)が入力される。また、電流供給線(Vi)617からは、発光素子615を駆動させるための交流電圧が入力されるが、ここでは、基準電圧よりも高い電圧(正の極性を有する電圧)と、基準電圧よりも低い電圧(負の極性を有する電圧)が、一定期間毎に交互に印加される。
【0066】
なお、ここでの階調表示は、Vsigの振幅の大きさを変えることにより行うことができる。
【0067】
次に、図6(B)に示した回路構成を有するアクティブマトリクス型の発光装置の画素部における詳細な構造について、図7を用いて説明する。なお、図7(A)は画素の駆動部を示す上面図であり、図7(A)中の線A−A’における断面図を図7(B)に示す。
【0068】
図7(A)は、画素の駆動部であり、ゲート線702、ソース線709、電流供給線708を有している。なお、各画素には、スイッチング用TFT717と駆動用TFT718の2つのTFTが形成されている。ゲート線702の一部がスイッチング用TFT717のゲート電極となっており、スイッチング用TFT717のチャネル形成領域としても機能する半導体膜705の一部は、ソース線709と電気的に接続された構造を有する。
【0069】
また、スイッチング用TFT717のチャネル形成領域としても機能する半導体膜705の他の一部は、駆動用TFT718のゲート電極703と電気的に接続された構造を有する。なお、駆動用TFT718のチャネル形成領域としても機能する半導体膜706の一部は、電流供給線708と電気的に接続され、半導体膜706の他の一部は、画素電極として機能する発光素子の一方の電極(ここでは、第1の電極711とよぶ)と電気的に接続される。
【0070】
次に、図7(B)に示す断面構造について説明する。基板701上には、導電性材料からなる導電膜をパターニングしてなるゲート電極702および703が形成されている。なお、ゲート電極702は、ゲート線の一部である。
【0071】
ゲート電極702および703上には、絶縁性材料からなる第1の絶縁膜704が形成されており、その一部はスイッチング用TFT717、駆動用TFT718のゲート絶縁膜として機能する。
【0072】
また、第1の絶縁膜704上には、半導体膜705、706が形成されている。なお、半導体膜705、706には、シリコン、シリコン・ゲルマニウム(SiGe)、ガリウム・ヒ素(GaAs)、酸化亜鉛(ZnO)等を主成分とする無機半導体材料を用いることができる。その他にもペンタセン、オリゴチオフェン等を主成分とする有機半導体材料を半導体膜705、706に用いることができる。
【0073】
なお、半導体膜705、706は、図7に示す様な所望の形状にパターンニングされており、他の配線や電極等と電気的に接続されている。
【0074】
また、半導体膜705、706上には、絶縁性材料からなる第2の絶縁膜707が形成されている。なお、第2の絶縁膜707は、いわゆる第1の層間絶縁膜として機能している。
【0075】
第2の絶縁膜707上には、導電性材料からなる導電膜をパターニングしてなる配線が形成されている。なお、先に形成された半導体膜705と電気的に接続して形成されているのは、ソース線として機能する配線709であり、図7(B)には図示されていないが、駆動用TFTの一方と電気的に接続されるのが、電流供給線として機能する配線708である。
【0076】
これらの配線708、709上には、絶縁性材料からなる第3の絶縁膜710が形成されている。なお、第3の絶縁膜710は、いわゆる第2の層間絶縁膜として機能している。
【0077】
また、第3の絶縁膜710上には、発光素子の一方の電極として機能する第1の電極711が形成されている。なお、第1の電極711は、第2の絶縁膜707および第3の絶縁膜710を介して半導体膜706と電気的に接続され、また、一画素を形成する画素電極となるように所望の形状にパターニングされている。
【0078】
第1の電極711上には、絶縁性材料からなる第4の絶縁膜712が形成されている。なお、第4の絶縁膜712は、発光素子における絶縁二重構造を形成する一方の絶縁膜として機能している。
【0079】
第4の絶縁膜712上には、キャリア供給層713が形成されている。なお、キャリア供給層713に用いる材料としては、実施の形態1で説明したのと同様の材料を用いることができる。
【0080】
キャリア供給層713上には、発光層714が形成されている。なお、発光層714に用いる材料としては、実施の形態1で説明した母体材料および添加材料を用いて形成することができる。
【0081】
発光層714上には、絶縁性材料からなる第5の絶縁膜715が形成されている。なお、第5の絶縁膜715は、発光素子における絶縁二重構造を形成する他方の絶縁膜として機能している。
【0082】
第5の絶縁膜715上には、発光素子の他方の電極として機能する第2の電極716が形成されている。
【0083】
以上のように、本実施の形態で示したアクティブマトリクス型の発光装置は、発光層の一部と接するように設けられたキャリア供給層によって発光層へのキャリアの供給効率が高められるため、駆動電圧を低減させることができる。
(実施の形態4)
【0084】
本実施の形態では、画素部を構成する各画素に2つの薄膜トランジスタ(TFT)および本発明の発光素子が含まれるアクティブマトリクス型の発光装置の作製方法について説明する。
【0085】
図8(A)に示すように、基板901上に第1の導電膜902を形成する。第1の導電膜902は、スパッタリング法、PVD法、CVD法、液滴吐出法、インクジェット法、印刷法等の成膜方法により形成され、Si、Ge等の半導体を含む導電膜、Ag、Au、Cu、Ni、Pt、Pd、Ir、Rh、W、Al、Ta、Mo、Cd、Zn、Fe、Ti、Zr、Ba、Nd等の金属元素からなる単層の導電膜、前記金属元素を複数組み合わせて積層された導電膜、前記金属元素を主成分とする合金からなる導電膜(例えば、アルミニウム・チタン合金膜)、または、前記金属元素を用いた金属窒化物からなる導電膜等を用いることができる。その他にもインジウム錫酸化物(ITO:indium tin oxide)、酸化珪素を含んだ酸化インジウムにさらに2〜20wt%の酸化亜鉛(ZnO)を混合したターゲットを用いて形成されたインジウム亜鉛酸化物(IZO:indium zinc oxide)、酸化珪素を組成物として有するインジウム錫酸化物ITSO等の導電膜を用いることもできる。
【0086】
なお、本明細書中における導電膜とは、その抵抗率が1×10−3Ωcm以下の膜のことをいう。
【0087】
また、第1の導電膜902の膜厚は、50nm以上500nm以下とするのが好ましく、さらに150nm以上300nm以下とするのが好ましい。
【0088】
また、基板901には、ガラス基板、石英基板、アルミナなどのセラミック等絶縁物質で形成される基板、プラスチック基板、シリコンウェハ、金属板、ペーパー等を用いることができる。
【0089】
次に、第1の導電膜902をパターニングすることによって、ゲート電極903、904が形成される(図8(B))。スパッタリング法やCVD法等の成膜方法を用いて第1の導電膜902を形成する場合には、液滴吐出法、フォトリソグラフィー工程、レーザービーム直接描画装置を用いた感光性材料の露光及び現像等によって、導電膜上にマスクを形成し、マスクを用いて導電膜を所望の形状にパターニングすることとする。
【0090】
次に、第1の絶縁膜905を形成する。第1の絶縁膜905には、CVD法やスパッタリング法等の成膜方法により、酸化珪素膜(例えば、SiO)、窒化珪素膜(例えば、Si)、酸化窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜、その他の珪素を含む絶縁膜、および金属酸化物(例えば、Al、BaTiO)等の単層膜、またはこれらの単層膜を積層してなる積層膜を用いることができる。なお、第1の絶縁膜905は、ゲート絶縁膜として機能することから、その膜厚は、50nm以上200nm以下とするのが好ましく、さらに100nm以上150nm以下とするのが好ましい。
【0091】
次に、図8(C)に示すように第1の絶縁膜905上の所望の位置に、例えば液滴吐出法、フォトリソグラフィー工程、レーザービーム直接描画装置を用いた感光性材料の露光及び現像等によって第1のマスク906a、906bを形成し、第1の絶縁膜905の一部にゲート電極904に達する開口部を形成する。
【0092】
第1のマスク(906a、906b)を除去した後、第1の絶縁膜905上に第1の半導体膜907を成膜する。第1の半導体膜907は、CVD法やスパッタリング法等の成膜方法により形成することができ、シリコン、シリコン・ゲルマニウム(SiGe)、ガリウム・ヒ素(GaAs)、酸化亜鉛(ZnO)等の無機半導体材料の他、ペンタセン、オリゴチオフェン等の有機半導体材料を用いることができる。
【0093】
なお、第1の半導体膜907には、上記主成分の他に、リン、ヒ素、ボロン等のアクセプター型元素又はドナー型元素が含まれていても良い。また、第1の半導体膜907の膜厚は、40nm以上250nm以下とし、さらに50nm以上150nm以下とするのが好ましい。
【0094】
次に、図8(D)に示すように第1の半導体膜907上の所望の位置に第2のマスク908a、908bを形成し、これを用いて第1の半導体膜907をエッチングし、所望の形状にパターニングされた第1の半導体膜909、910が得られる(図8(E))。
【0095】
次に、第2の絶縁膜911を形成する。なお、第2の絶縁膜911は、プラズマCVD法やスパッタリング法等の成膜方法により、酸化珪素膜、窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜、および酸化窒化珪素膜等の絶縁膜により単層又は積層構造で形成される。なお、第2の絶縁膜911の膜厚は、300nm以上800nm以下とし、さらに400nm以上600nm以下とするのが好ましい。
【0096】
さらに、第2の絶縁膜911上の所望の位置に第3のマスク912a、912bを形成し、これを用いて第2の絶縁膜911の一部に第1の半導体膜909に達する開口部を形成する。(図9(A))。なお、ここでは図示されていないが、この時同時に第1の半導体膜910に達する開口部も形成されている。
【0097】
第3のマスク912a、912bを除去した後、第2の絶縁膜911上に第2の導電膜913が形成される。第2の導電膜913は、スパッタリング法、PVD法、CVD法、液滴吐出法、インクジェット法、印刷法等の成膜方法を用いて形成することができる。なお、第2の導電膜913の膜厚は、100nm以上700nm以下とするのが好ましく、さらに150nm以上300nm以下とするのが好ましい。
【0098】
また、第2の導電膜913には、Si、Ge等の半導体を含む導電膜、Ag、Au、Cu、Ni、Pt、Pd、Ir、Rh、W、Al、Ta、Mo、Cd、Zn、Fe、Ti、Zr、Ba、Nd等の金属元素からなる単層の導電膜、前記金属元素を複数組み合わせて積層された導電膜、前記金属元素を主成分とする合金からなる導電膜(例えば、アルミニウム・チタン合金膜)、または、前記金属元素を用いた金属窒化物からなる導電膜等を用いることができる。その他にもインジウム錫酸化物(ITO:indium tin oxide)、酸化珪素を含んだ酸化インジウムにさらに2〜20wt%の酸化亜鉛(ZnO)を混合したターゲットを用いて形成されたインジウム亜鉛酸化物(IZO:indium zinc oxide)、酸化珪素を組成物として有するインジウム錫酸化物ITSO等の導電膜を用いることもできる。なお、インクジェット法を用いる場合には、ペースト状の上記金属元素を用いてもよい。
【0099】
第2の導電膜913上に第4のマスク914a、914bを形成し、第2の導電膜913の一部をエッチングし、所望の形状を形成する。ここでパターニングされた第2の導電膜915、916のうち、第2の導電膜915は、電流供給線として機能し、第2の導電膜916は、ソース線として機能する。また、図9(C)に示すように第2の導電膜916は、第1の半導体膜909と電気的に接続されている。なお、ここでは図示されていないが、第2の導電膜915も先に形成された開口部を介して第1の半導体膜910と電気的に接続されている。
【0100】
次に、第3の絶縁膜917を形成する。なお、第3の絶縁膜917は、CVD法やスパッタリング法等の成膜方法により、酸化珪素膜、窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜、および酸化窒化珪素膜等の絶縁膜により単層又は積層構造で形成される。なお、第3の絶縁膜917の膜厚は、800nm以上2000nm以下とし、さらに1000nm以上1500nm以下とするのが好ましい。
【0101】
さらに、第3の絶縁膜917上の所望の位置に第5のマスク918a、918bを形成し、これを用いて第3の絶縁膜917の一部に第1の半導体膜910に達する開口部を形成する。(図9(C))。
【0102】
第5のマスク918a、918bを除去した後、第3の絶縁膜917上に第3の導電膜919が形成される。第3の導電膜919は、スパッタリング法、PVD法、CVD法、液滴吐出法、インクジェット法、印刷法等の成膜方法を用いて形成することができる。なお、第3の導電膜919の膜厚は、50nm以上400nm以下とするのが好ましく、さらに100nm以上250nm以下とするのが好ましい。
【0103】
また、第3の導電膜919には、Si、Ge等の半導体を含む導電膜、Ag、Au、Cu、Ni、Pt、Pd、Ir、Rh、W、Al、Ta、Mo、Cd、Zn、Fe、Ti、Zr、Ba、Nd等の金属元素からなる単層の導電膜、前記金属元素を複数組み合わせて積層された導電膜、前記金属元素を主成分とする合金からなる導電膜(例えば、アルミニウム・チタン合金膜)、または、前記金属元素を用いた金属窒化物からなる導電膜等を用いることができる。その他にもインジウム錫酸化物(ITO:indium tin oxide)、酸化珪素を含んだ酸化インジウムにさらに2〜20wt%の酸化亜鉛(ZnO)を混合したターゲットを用いて形成されたインジウム亜鉛酸化物(IZO:indium zinc oxide)、酸化珪素を組成物として有するインジウム錫酸化物ITSO等の導電膜を用いることもできる。なお、インクジェット法を用いる場合には、ペースト状の上記金属元素を用いてもよい。
【0104】
第3の導電膜919は、発光素子の一方の電極としても機能することから、発光素子の発光層で得られた光を取り出す為の電極としての機能が要求される場合には、上述した材料のうち、その材料を用いて形成された膜の可視光に対する透過率が高い材料(例えば、40%以上)を選択することが好ましい。また、光を取り出す必要のない電極として形成する場合には、上述した材料のうち、その材料を用いて形成された膜の可視光に対する透過率の低い材料(例えば、透過率が10%未満)や、反射率の高い材料(例えば、反射率が40%以上)を選択することが好ましい。
【0105】
第3の導電膜919上に第6のマスク(図示せず)を形成し、第3の導電膜919の一部をエッチングし、所望の形状に形成する。ここでパターニングされた第3の導電膜919は、発光素子の一方の電極であり、画素電極として機能する。なお、第3の導電膜919は、先に形成された第1の半導体膜910と電気的に接続される(図10(A))。
【0106】
第6のマスク(図示せず)を除去した後、パターニングされた第3の導電膜919上に発光素子の一方の絶縁膜として機能する第4の絶縁膜920が形成される(図10(A))。なお、第4の絶縁膜920は、CVD法やスパッタリング法等の成膜方法により、酸化珪素膜(例えば、SiO)、窒化珪素膜(例えば、Si)、窒化酸化珪素膜、酸化窒化珪素膜、その他の珪素を含む絶縁膜、および金属酸化物(例えば、Al、BaTiO)等の絶縁膜により単層又は積層構造で形成される。なお、第4の絶縁膜920の膜厚は、50nm以上250nm以下とし、さらに100nm以上200nm以下とするのが好ましい。
【0107】
次に、第4の絶縁膜920上に第2の半導体膜921が形成される。なお、第2の半導体膜921中には、第2の半導体膜にn型、またはp型の導電型を与える不純物が含まれている。
【0108】
第2の半導体膜921は、CVD法やスパッタリング法等の成膜方法により形成することができる。なお、第2の半導体膜921の膜厚は、50nm以上300nm以下とし、さらに100nm以上200nm以下とするのが好ましい。
【0109】
また、第2の半導体膜921に用いる材料としては、硫化亜鉛(ZnS)、窒化ガリウム(GaN)、酸化亜鉛(ZnO)等の半導体材料や公知の半導体材料等にn型の不純物として、インジウム(In)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、シリコン(Si)、またはp型の不純物として、窒素(N)、リン(P)、亜鉛(Zn)等を含む材料を用いることができる。
【0110】
なお、第2の半導体膜921に用いる具体的な材料としては、In等を添加したn型ZnS、AlやGaを添加したn型ZnO、Siを添加したn型GaNの他、NやPを添加したp型ZnOや、Znを添加したp型GaN等が挙げられる。
【0111】
図10(B)に示すように第2の半導体膜921上に第7のマスク922a、922b、922cを形成し、第2の半導体膜921の一部をエッチングし、所望の形状を形成する。ここでパターニングされた第2の半導体膜923a、923b、923cは、キャリア供給層として機能する。
【0112】
第7のマスク922a、922b、922cを除去した後、パターニングされた第2の半導体膜923a、923b、923c上に発光層924が形成される。なお、発光層924は、半導体である母体材料と発光中心である添加材料とを含んで形成される。
【0113】
母体材料としては、周期表において、第2族元素と第16族元素を含む化合物(以下、第2族−第16族化合物と示す)、第12族元素と第16族元素を含む化合物(以下、第12族−第16族化合物と示す)、第13族元素と第15族元素を含む化合物(以下、第13族−第15族化合物と示す)、第2族(または第12族または希土類)元素と第13族元素と第16族元素を含む化合物(以下、第2族−第13族−第16族化合物と示す)、第14族元素を複数含む化合物(以下、第14族化合物と示す)、希土類元素と硫黄(S)を含む化合物(以下、希土類硫化物と示す)、およびこれらの組み合わせなどを用いることができる。
【0114】
第2族−第16族化合物としては、硫化カルシウム(CaS)、硫化ストロンチウム(SrS)、硫化バリウム(BaS)等が挙げられる。また、第12族−第16族化合物としては、硫化亜鉛(ZnS)、硫化カドミウム(CdS)、酸化亜鉛(ZnO)、等が挙げられる。また、第13族−第15族化合物としては、窒化ガリウム(GaN)等が挙げられる。また、第2族−第13族−第16族化合物としては、硫化ストロンチウムガリウム(SrGa)、酸化マグネシウム亜鉛(MgZn1−xO)、第14族化合物としては、炭化珪素(SiC)、希土類硫化物としては、硫化イットリウム(Y)等が挙げられる。
【0115】
また、添加材料としては、遷移金属や希土類元素等を用いることができる。なお、添加材料としては、具体的には、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、テルビウム(Tb)、ツリウム(Tm)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、マンガン(Mn)等が挙げられる。
【0116】
なお、発光層924に用いる母体材料と添加材料との組み合わせの具体例(母体材料:添加材料)としては、例えば、硫化亜鉛(ZnS)とマンガン(Mn)(ZnS:Mn)、硫化ストロンチウム(SrS)とセリウム(Ce)(SrS:Ce)、硫化亜鉛(ZnS)とテルビウム(Tb)(ZnS:Tb)等が挙げられる。
【0117】
また、発光層924は、CVD法やスパッタリング法等の成膜方法により形成することができる。なお、発光層924の膜厚は、50nm以上300nm以下とし、さらに100nm以上200nm以下とするのが好ましい。
【0118】
次に、発光層924上に発光素子の他方の絶縁膜として機能する第5の絶縁膜925が形成される。なお、第5の絶縁膜925は、プラズマCVD法やスパッタリング法等の成膜方法により、酸化珪素膜(例えば、SiO)、窒化珪素膜(例えば、Si)、窒化酸化珪素膜、酸化窒化珪素膜、その他の珪素を含む絶縁膜、および金属酸化物(例えば、Al、BaTiO)等の絶縁膜により単層又は積層構造で形成される。なお、第5の絶縁膜925の膜厚は、50nm以上250nm以下とし、さらに100nm以上200nm以下とするのが好ましい。
【0119】
次に、第5の絶縁膜925上に第4の導電膜926が形成される(図10(C))。第4の導電膜926は、スパッタリング法、PVD法、CVD法、液滴吐出法、インクジェット法、印刷法等の成膜方法を用いて形成することができる。なお、第4の導電膜926の膜厚は、50nm以上400nm以下とするのが好ましく、さらに100nm以上250nm以下とするのが好ましい。
【0120】
また、第4の導電膜926には、Si、Ge等の半導体を含む導電膜、Ag、Au、Cu、Ni、Pt、Pd、Ir、Rh、W、Al、Ta、Mo、Cd、Zn、Fe、Ti、Zr、Ba、Nd等の金属元素からなる単層の導電膜、前記金属元素を複数組み合わせて積層された導電膜、前記金属元素を主成分とする合金からなる導電膜(例えば、アルミニウム・チタン合金膜)、または、前記金属元素を用いた金属窒化物からなる導電膜等を用いることができる。その他にもインジウム錫酸化物(ITO:indium tin oxide)、酸化珪素を含んだ酸化インジウムにさらに2〜20wt%の酸化亜鉛(ZnO)を混合したターゲットを用いて形成されたインジウム亜鉛酸化物(IZO:indium zinc oxide)、酸化珪素を組成物として有するインジウム錫酸化物ITSO等の導電膜を用いることもできる。なお、インクジェット法を用いる場合には、ペースト状の上記金属元素を用いてもよい。
【0121】
第4の導電膜926は、上述した第3の導電膜919が発光素子の一方の電極となるのに対して、発光素子の他方の電極としても機能することから、発光素子の発光層で得られた光を取り出す為の電極としての機能が要求される場合には、上述した材料のうち、その材料を用いて形成された膜の可視光に対する透過率が高い材料(例えば、40%以上)を選択することが好ましい。また、光を取り出す必要のない電極として形成する場合には、上述した材料のうち、その材料を用いて形成された膜の可視光に対する透過率の低い材料(例えば、透過率が10%未満)や、反射率の高い材料(例えば、反射率が40%以上)を選択することが好ましい。
【0122】
また、本発明では、先に図10(B)を用いて説明した場合とは異なり、図11(A)に示すように先に発光層が形成される材料を用いて第2の半導体膜928を形成し、第2の半導体膜928上に第7のマスク929a、929b、929cを形成し、第7のマスク929a、929b、929cを介して第2の半導体膜928の一部にn型もしくはp型の不純物を添加してキャリア供給層として機能する第2の半導体膜931a、931b、931cを形成することもできる(図11(A))。従って、n型もしくはp型の不純物が添加されない領域が発光層930a、930b、930cとして機能する。
【0123】
なお、図11に示す方法により作製する場合には、第2の半導体膜928が、図10(C)において説明された発光層924と同じ材料(半導体である母体材料と発光中心である添加材料を含む材料)を用いて形成される必要がある。なお、発光層924の形成に用いる材料の具体例については、本実施形態において先に示しているため、ここでの説明は省略することとする。
【0124】
また、図11(A)において、第2の半導体膜928の一部に添加されるn型もしくはp型の不純物は、図10(B)において第2の半導体膜921にn型、またはp型の導電型を与える不純物として先に示した具体的な材料を用いることができる。なお、これらの不純物の具体例についても本実施形態において先に示しているため、ここでの説明は省略することとする。
【0125】
発光層として機能する第2の半導体膜930a、930b、930cおよびキャリア供給層として機能する第2の半導体膜931a、931b、931c上には、第5の絶縁膜932および第4の導電膜933が順に積層される。なお、ここで形成される第5の絶縁膜932は、図10(C)において説明した第5の絶縁膜925と同様の方法を用いて同様の材料で形成することができ、また、第4の導電膜933は、図10(C)において説明した第4の導電膜926と同様の方法を用いて同様の材料で形成することができるため、そちらを参照することとし、ここでの説明は省略することとする。
【0126】
以上のように、本実施の形態で説明した発光装置は、本発明の発光素子を含んでおり、本発明の発光素子は、発光層へのキャリアの供給効率を高めることができる為、駆動電圧が低いだけでなく劣化に強いという特徴を有する。従って、従来よりも低消費電力で信頼性の高い発光装置を得ることができる。
(実施の形態5)
【0127】
本実施の形態では、画素部に本発明により形成される発光素子を有するアクティブマトリクス型の発光装置について図12を用いて説明する。なお、本発明における発光装置は、本発明の発光素子に加えて発光素子を駆動する駆動回路等の制御手段を構成に含むものとする。
【0128】
なお、図12(A)は、発光装置を示す上面図、図12(B)は図12(A)をA−A’で切断した断面図である。
【0129】
図12(A)に示すように、素子基板1201上に駆動回路部(ソース側駆動回路)1202、駆動回路部(ゲート側駆動回路)1203、画素部1204はである。また、1205は封止基板、1206はシール材であり、シール材1206で囲まれた内側は、空間1207になっている。
【0130】
なお、引き回し配線1218(図12(B))はソース側駆動回路1202及びゲート側駆動回路1203に入力される信号を伝送するための配線であり、外部入力端子となるFPC(フレキシブルプリントサーキット)1208からビデオ信号、クロック信号、スタート信号、リセット信号等を受け取る。なお、ここではFPCしか図示されていないが、このFPCにはプリント配線基盤(PWB)が取り付けられていても良い。本明細書における発光装置には、発光装置本体だけでなく、それにFPCもしくはPWBが取り付けられた状態をも含むものとする。
【0131】
次に、断面構造について図12(B)を用いて説明する。素子基板1201上には駆動回路部及び画素部が形成されているが、ここでは、駆動回路部であるソース側駆動回路1202と、画素部1204が示されている。
【0132】
なお、ソース側駆動回路1202はnチャネル型TFT1209とpチャネル型TFT1210とを組み合わせたCMOS回路が形成される。また、駆動回路は、公知のCMOS回路、PMOS回路もしくはNMOS回路で形成しても良い。また、本実施例では、基板上に駆動回路を形成したドライバー一体型を示すが、必ずしもその必要はなく、基板上ではなく外部に形成することもできる。
【0133】
また、画素部1204はスイッチング用TFT1211と、駆動用TFT1212とそのドレインに電気的に接続された第1の電極1213とを含む複数の画素により形成される。なお、第1の電極1213の端部を覆って絶縁物1214が形成されている。
【0134】
第1の電極1213上には、2つの絶縁膜に発光層およびキャリア供給層が挟まれてなる層1215、および第2の電極1216がそれぞれ形成されている。
【0135】
また、層1215に含まれる発光層は、CVD法、PVD法、スパッタリング法、蒸着法、またはインクジェット法等を用いて形成することができる。また、発光層およびキャリア供給層を形成する材料としては、実施の形態1において説明した材料を用いることができる。
【0136】
すなわち、本実施の形態におけるアクティブマトリクス型の発光装置は、本実施の形態1で説明したような構造、すなわち、第1の電極1213と第2の電極1216との間に発光層およびキャリア供給層が絶縁膜で挟まれてなる層1215を有する発光素子1217が含まれた構造を有している。
【0137】
なお、図12(B)では、一画素しか示していないが、画素部1204において複数の画素がマトリクス状に形成されている。なお、画素毎に異なる発光を示すように(例えば、赤(R)、緑(G)、青(B))発光層に用いる材料を適宜異ならせた構成としてもよいし、色変換層やカラーフィルターを組み合わせた構成としても良い。
【0138】
また、素子基板1201上に形成された発光素子1217は、シール材1206により封止基板1205を貼り合わせることにより、素子基板1201、封止基板1205、およびシール材1206で囲まれた空間1207に発光素子1217が備えられた構造になっている。なお、空間1207には、不活性気体(窒素やアルゴン等)を充填してもよいし、シール材1206を充填することも可能である。
【0139】
また、封止基板1205に用いる材料としてガラス基板や石英基板の他、FRP(Fiberglass−Reinforced Plastics)、PVF(ポリビニルフロライド)、マイラー、ポリエステルまたはアクリル等からなるプラスチック基板を用いることができる。
【0140】
以上のように、発光装置は、本発明の発光素子を含んでおり、本発明の発光素子は、発光層へのキャリアの供給効率を高めることができる為、駆動電圧が低いだけでなく劣化に強いという特徴を有する。従って、従来よりも低消費電力で信頼性の高い発光装置を得ることができる。
【0141】
なお、本実施の形態に示す発光装置は、実施の形態1〜4に示した構成を自由に組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態6)
【0142】
本実施の形態では、本発明により形成されるパッシブマトリクス型(単純マトリクス型)の発光装置について、図13を用いて説明する。
【0143】
本発明のパッシブマトリクス型の発光装置は、図13(A)の斜視図に示すように第1の基板1301上に発光素子の一方の電極となる第1の電極1302が、ストライプ状にそれぞれ分離して複数形成され、第1の電極1302上に発光層およびキャリア供給層を絶縁膜で挟んでなる層1303が形成され、さらに、層1303上に第1の電極1302と交差するように第2の電極1304がストライプ状にそれぞれ分離して複数形成された構造を有する。
【0144】
なお、第1の電極1302および第2の電極1304は、スパッタリング法、PVD法、CVD法、液滴吐出法、インクジェット法、印刷法等の成膜方法を用いて形成することができる。なお、第1の電極1302および第2の電極1304の膜厚は、100nmから400nmとするのが好ましく、さらに150nm以上250nm以下とするのが好ましい。
【0145】
また、第1の電極1302および第2の電極1304の形成に用いる導電膜としては、Si、Ge等の半導体を含む導電膜、Ag、Au、Cu、Ni、Pt、Pd、Ir、Rh、W、Al、Ta、Mo、Cd、Zn、Fe、Ti、Zr、Ba、Nd等の金属元素からなる単層の導電膜、前記金属元素を複数組み合わせて積層された導電膜、前記金属元素を主成分とする合金からなる導電膜(例えば、アルミニウム・チタン合金膜)、または、前記金属元素を用いた金属窒化物からなる導電膜等を用いることができる。その他にもインジウム錫酸化物(ITO:indium tin oxide)、酸化珪素を含んだ酸化インジウムにさらに2〜20wt%の酸化亜鉛(ZnO)を混合したターゲットを用いて形成されたインジウム亜鉛酸化物(IZO:indium zinc oxide)、酸化珪素を組成物として有するインジウム錫酸化物ITSO等の導電膜を用いることもできる。
【0146】
なお、第1の電極1302および第2の電極1304のうち、発光素子の発光層で得られた光を取り出す機能が要求される電極には、上述した材料のうち、その材料を用いて形成された膜の可視光に対する透過率が高い材料(例えば、40%以上)を選択することが好ましい。また、光を取り出す必要のない電極には、上述した材料のうち、その材料を用いて形成された膜の可視光に対する透過率の低い材料(例えば、透過率が10%未満)や、反射率の高い材料(例えば、反射率が40%以上)を選択することが好ましい。
【0147】
なお、第1の電極1302と第2の電極1304とが層1303を挟んで重なる位置(例えば、図13(A)に示す領域a(1305))にそれぞれ発光素子が形成されている。
【0148】
また、領域a(1305)における発光素子の構造を図13(B)に示す。すなわち、第1の電極1302と第2の電極1304との間に挟まれた層1303は、第1の絶縁膜1306、発光層およびキャリア供給層を含む層1307、第2の絶縁膜1308を含む構造を有している。
【0149】
なお、第1の絶縁膜1306および第2の絶縁膜1308は、CVD法やスパッタリング法等の成膜方法により、酸化珪素膜(例えば、SiO)、窒化珪素膜(例えば、Si)、窒化酸化珪素膜、酸化窒化珪素膜、その他の珪素を含む絶縁膜、および金属酸化物(例えば、Al、BaTiO)等の絶縁膜により単層又は積層構造で形成される。なお、第1の絶縁膜1306および第2の絶縁膜1308の膜厚は、いずれも10nm以上250nm以下とし、さらに100nm以上200nm以下とするのが好ましい。
【0150】
また、発光層およびキャリア供給層を含む層1307は、図13(C)に示すような構造とするのが好ましい。すなわち、発光層およびキャリア供給層を含む層1307では、発光層1309中にキャリア供給層1310が複数分離形成され、かつ隣り合うキャリア供給層1310間の距離が短くなる構造とするのが好ましく、例えば、図13(C)に示すようにキャリア供給層1310が、ストライプ状に形成される構造や、図13(D)に示すようにキャリア供給層1310が、マトリクス状に複数形成される構造とするのが好ましい。
【0151】
なお、発光層1309およびキャリア供給層1310は、それぞれCVD法やスパッタリング法等の成膜方法により形成することができ、その膜厚は、50nm以上300nm以下とし、さらに100nm以上200nm以下とするのが好ましい。
【0152】
なお、発光層1309は、半導体である母体材料と発光中心である添加材料とを含んで形成することができ、母体材料および添加材料の具体例については、実施の形態4において示した材料を用いることができるため、そちらを参照することとし、説明を省略する。
【0153】
また、キャリア供給層1310は、半導体材料にn型の不純物として、インジウム(In)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、シリコン(Si)、またはp型の不純物として、窒素(N)、リン(P)、亜鉛(Zn)等を含む材料を用いて形成することができる。
【0154】
なお、図13(C)または図13(D)に示すような構造とすることにより、キャリア供給層1310から供給されるキャリアを発光層と絶縁膜(第1の絶縁膜1306または第2の絶縁膜1308)との界面に誘起させやすくして、発光素子の発光効率を高めることができる。
(実施の形態7)
【0155】
本発明の発光装置を備えた電子機器として、テレビジョン装置(単にテレビ、又はテレビジョン受信機ともよぶ)、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、電話装置(単に電話機、電話ともよぶ)、PDA等の情報端末、ゲーム機、コンピューター用のモニター、コンピューター、カーオーディオやMP3プレーヤー等の音響再生装置、家庭用ゲーム機等の記録媒体を備えた画像再生装置等が挙げられる。その好ましい形態について、図14を参照して説明する。
【0156】
図14(A)は、本発明に係るテレビジョン装置であり、本体8001、表示部8002等を含む。このテレビジョン装置において、表示部8002には、発光効率が高く、駆動電圧が低いだけでなく劣化に強いという特徴を有する発光素子を含む本発明の発光装置が適用されている。従って、従来よりも低消費電力で信頼性の高いテレビジョン装置を提供することができる。
【0157】
図14(B)は、本発明に係る情報端末機器であり、本体8101、表示部8102等を含む。この情報端末機器において、表示部8102には、発光効率が高く、駆動電圧が低いだけでなく劣化に強いという特徴を有する発光素子を含む本発明の発光装置が適用されている。従って、従来よりも低消費電力で信頼性の高い情報端末機器を提供することができる。
【0158】
図14(C)は、本発明に係るデジタルビデオカメラであり、本体8201、表示部8202等を含む。このデジタルビデオカメラにおいて、表示部8202には発光効率が高く、駆動電圧が低いだけでなく劣化に強いという特徴を有する発光素子を含む本発明の発光装置が適用されている。従って、従来よりも低消費電力で信頼性の高いデジタルビデオカメラを提供することができる。
【0159】
図14(D)は、本発明に係る電話機であり、本体8301、表示部8302等を含む。この電話機において、表示部8302には、発光効率が高く、駆動電圧が低いだけでなく劣化に強いという特徴を有する発光素子を含む本発明の発光装置が適用されている。従って、従来よりも低消費電力で信頼性の高い電話機を提供することができる。
【0160】
図14(E)は、本発明に係る液晶モニターであり、本体8401、表示部8402等を含む。この液晶モニターにおいて、表示部8402には、発光効率が高く、駆動電圧が低いだけでなく劣化に強いという特徴を有する発光素子を含む本発明の発光装置がバックライトとして適用されている。従って、従来よりも低消費電力で信頼性の高い液晶モニターを提供することができる。
【0161】
以上の様に、本発明の発光装置の適用範囲は極めて広く、この発光装置をあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。本発明の発光装置を用いることにより、低消費電力で信頼性の高い表示部を有する電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0162】
【図1】本発明の発光素子について説明する図。
【図2】本発明の発光素子について説明する図。
【図3】本発明の発光素子について説明する図。
【図4】本発明の発光素子について説明する図。
【図5】本発明の発光素子のキャリアの移動について説明する図。
【図6】本発明のアクティブマトリクス型発光装置の回路構成を説明する図。
【図7】本発明のアクティブマトリクス型発光装置の画素部を説明する図。
【図8】本発明のアクティブマトリクス型発光装置の作製方法を説明する図。
【図9】本発明のアクティブマトリクス型発光装置の作製方法を説明する図。
【図10】本発明のアクティブマトリクス型発光装置の作製方法を説明する図。
【図11】本発明のアクティブマトリクス型発光装置の作製方法を説明する図。
【図12】本発明のアクティブマトリクス型発光装置を説明する図。
【図13】本発明のパッシブマトリクス型発光装置を説明する図。
【図14】電子機器について説明する図。
【図15】従来の無機発光素子について説明する図。
【符号の説明】
【0163】
101 第1の電極
102 第1の絶縁膜
103 キャリア供給層
104 発光層
105 第2の絶縁膜
106 第2の電極
201 発光層
202 キャリア供給層
203 キャリア
301 第1の電極
302 第1の絶縁膜
303 キャリア供給層
304 発光層
305 第2の絶縁膜
306 第2の電極
307 第1の電源
308 第2の電源
601 ソース線(Si)
602 ゲート線(Gj)
603 スイッチング用TFT
604 発光素子
605 対向電源
611 ソース線(Si)
612 ゲート線(Gj)
613 スイッチング用TFT
614 駆動用TFT
615 発光素子
616 対向電源
617 電流供給線(Vi)
701 基板
702 ゲート線(ゲート電極)
703 ゲート電極
704 第1の絶縁膜
705、706 半導体膜
707 第2の絶縁膜
708 配線(電流供給線)
709 配線(ソース線)
710 第3の絶縁膜
711 第1の電極
712 第4の絶縁膜
713 キャリア供給層
714 発光層
715 第5の絶縁膜
716 第2の電極
717 スイッチング用TFT
718 駆動用TFT
901 基板
902 第1の導電膜
903、904 ゲート電極
905 第1の絶縁膜
906a、906b 第1のマスク
907 第1の半導体膜
908a、908b 第2のマスク
909、910 第1の半導体膜
911 第2の絶縁膜
912a、912b 第3のマスク
913 第2の導電膜
914a、914b 第4のマスク
915、916 第2の導電膜
917 第3の絶縁膜
918a、918b 第5のマスク
919 第3の導電膜
920 第4の絶縁膜
921 第2の半導体膜
924 発光層
925 第5の絶縁膜
926 第4の導電膜
928 第2の半導体膜
929a、929b、929c 第7のマスク
930a、930b、930c 第2の半導体膜(発光層)
931a、931b、931c 第2の半導体膜(キャリア供給層)
932 第5の絶縁膜
933 第4の導電膜
1201 素子基板
1202 駆動回路部(ソース側駆動回路)
1203 駆動回路部(ゲート側駆動回路)
1204 画素部
1205 封止基板
1206 シール材
1207 空間
1208 FPC(フレキシブルプリントサーキット)
1209 nチャネル型TFT
1210 pチャネル型TFT
1211 スイッチング用TFT
1212 駆動用TFT
1213 第1の電極
1214 絶縁物
1215 層
1216 第2の電極
1217 発光素子
1218 引き回し配線
1301 第1の基板
1302 第1の電極
1303 層
1304 第2の電極
1305 領域a
1306 第1の絶縁膜
1307 層(発光層+キャリア供給層)
1308 第2の絶縁膜
1309 発光層
1310 キャリア供給層
1501 第1の電極
1502 第1の絶縁膜
1503 発光層
1504 第2の絶縁膜
1505 第2の電極
1506 第1の電源
1507 第2の電源
8001 本体
8002 表示部
8101 本体
8102 表示部
8201 本体
8202 表示部
8301 本体
8302 表示部
8401 本体
8402 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の電極間に絶縁膜で挟まれた発光層およびキャリア供給層を有し、
前記発光層は、母体材料および添加材料を少なくとも含み、
前記キャリア供給層は、n型の不純物元素又はp型の不純物元素を少なくとも含む半導体材料であることを特徴とする発光装置。
【請求項2】
一対の電極間に絶縁膜で挟まれた発光層および複数のキャリア供給層を有し、
前記発光層は、母体材料および添加材料を少なくとも含み、
前記キャリア供給層は、n型の不純物元素又はp型の不純物元素を少なくとも含む半導体材料であることを特徴とする発光装置。
【請求項3】
一対の電極間に絶縁膜で挟まれた発光層およびキャリア供給層を有し、
前記発光層は、前記キャリア供給層と少なくとも一部で接し、
前記発光層は、母体材料および添加材料を少なくとも含み、
前記キャリア供給層は、n型の不純物元素又はp型の不純物元素を少なくとも含む半導体材料であることを特徴とする発光装置。
【請求項4】
一対の電極間に絶縁膜で挟まれた発光層および複数のキャリア供給層を有し、
前記発光層は、前記複数のキャリア供給層と少なくとも一部で接し、
前記発光層は、母体材料および添加材料を少なくとも含み、
前記キャリア供給層は、n型の不純物元素又はp型の不純物元素を少なくとも含む半導体材料であることを特徴とする発光装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一において、
前記母体材料は、第2族元素と第16族元素を含む化合物、第12族元素と第16族元素を含む化合物、第13族元素と第15族元素を含む化合物、第2族元素と第13族元素と第16族元素を含む化合物、第14族元素を複数含む化合物、及び希土類硫化物のいずれか一種または複数種であることを特徴とする発光装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項4のいずれか一において、
前記母体材料は、硫化カルシウム、硫化ストロンチウム、硫化バリウム、硫化亜鉛、硫化カドミウム、酸化亜鉛、窒化ガリウム、硫化ストロンチウムガリウム、酸化マグネシウム亜鉛、炭化珪素、硫化イットリウムのいずれか一種または複数種であることを特徴とする発光装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一において、
前記添加材料は、遷移金属元素または希土類元素のいずれか一種または複数種であることを特徴とする発光装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項6のいずれか一において、
前記添加材料は、セリウム、プラセオジウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、ツリウム、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、銀、金、白金、マンガンのいずれか一種または複数種であることを特徴とする発光装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれか一において、
前記キャリア供給層は、インジウムが添加された硫化亜鉛、アルミニウムまたはガリウムが添加された酸化亜鉛、シリコンが添加された窒化ガリウム、窒素またはリンが添加された酸化亜鉛、もしくは亜鉛が添加された窒化ガリウムのいずれかであることを特徴とする発光装置。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9のいずれか一に記載の発光装置を表示部に用いることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−258159(P2007−258159A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−35695(P2007−35695)
【出願日】平成19年2月16日(2007.2.16)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】