発射装置エンジン用燃料補給装置
本発明は、発射装置エンジン用燃料補給装置に関する。この装置は、構成上の特徴として、少なくとも1つの地上チャネル(22)、地上弁(21)及び地上通路を備えた地上プレート(26)を有する地上モジュール(20)と、少なくとも1つの機上チャネル(38)、機上弁(36)及び機上通路(34)を備えた機上プレート(32)を有する機上モジュール(30)と、機上モジュール(30)と地上モジュール(20)との間に設けられていて、地上通路(28)と機上通路(34)を流体連通させることができる油圧結合システム(40)と、油圧結合システム(40)周りで機上プレート(32)と地上プレート(26)との間に配置された第1の環状チャンバ(50)とを有し、真空を加えると、機上プレート(32)と地上プレート(26)を相互連結位置に保持することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スラスタ(姿勢制御ロケット)、特に発射装置の極低温スラスタに燃料を補給する装置に関し、この装置は、発射装置の離昇の際に補給配管を分離することができる。
【背景技術】
【0002】
かかる燃料補給装置は、極低温スラスタに推進剤を補給すると共に離昇の時点までかかる補給を行なうよう用いられる。この制約により、或る幾つかの事実的課題が生じる。というのは、地上を発射装置に連結する配管は、発射時点で確実に切り離されなければならず、これは、発射装置の軌道を変えることなくしかも地上に留まる機器又は発射装置の極低温段階又は任意他の段階にある機上(搭載)機器を邪魔しないで行なわれなければならないからである。
【0003】
従来、弁プレート(弁板ともいう)を備えた極低温アームが用いられている。これら弁プレートは、機上と地上の連結を可能にし、かかる弁プレートにより、発射の点検及び準備に必要な種々の補給及び加圧作業を実施することができる。これら弁プレートは、機上プレート及び地上プレートを含み、これらは両方共、機上及び地上に配置されている油圧及び空気圧回路(補給及びパージ/ガス抜き用)を閉じるのに役立つ弁を備えている。
【0004】
これら別個独立のプレートは、製造段階の際、互いに機械的に連結され、一体化段階の際、発射装置に一緒に取り付けられる。これらプレートは、潜在的に発射の中止を招くような仕方で作動を点検する直前に、発射カウントダウンの終わりで機械的且つ永続的に分離される。
【0005】
地上プレートと機上プレートとのこのロック解除は、ロック解除アクチュエータを用いることによって行なわれ、ロック解除アクチュエータは、圧力がアクチュエータに加えられると互いに対して動くことができるよう構成された2つの部分を備えている。これら部分は、それぞれ、地上プレート及び機上プレートに締結され、したがって、これら部分は、ロック解除アクチュエータを加圧したときに互いに引き離される。しかる後、プレート及びこれらに取り付けられているホースの重量の結果として且つ発射装置が上昇している間における専用抽出ケーブルによって及ぼされるトラクションの結果として、地上プレート及び機上プレートは、ヒンジピン回りに回動し、ヒンジピンは、このヒンジピンが解除されるまでこれらプレートを互いに連結しており、かかる解除により、地上プレートと機上プレートは、互いに分離される。
【0006】
かくして、エンジンの誤作動の結果として発射が中止され、発射装置が上昇しなかった場合、非可逆的な分離が地上/機上連結に対して起こり、地上配管は、落とされる。
【0007】
その結果、かかる機器では、再連結が可能ではないので、発射装置を通常の仕方で空にすることはもはや可能ではなく、発射がいったん中止されると、地上/機上連結を変更する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
地上/機上連結のかかる変更では、弁プレートを交換し、タンクを空にする作業を含む推進剤回路の完全な再構成が行なわれ、かかる作業は、非常に長い時間(約1週間)を要する場合がある。
【0009】
加うるに、発射中、極低温アームを係合解除する作業は、実施するのが困難であり、アームの引っ込みが僅かでも遅すぎた場合、このことにより、発射装置がアンバランスにならなくても、地上設備と発射装置に搭載されている設備の両方の燃料補給装置が損傷を受ける恐れがある。
【0010】
本発明の目的は、発射装置のスラスタに燃料を補給する装置であって、特に発射が中止された場合であっても再連結を行なうことができるようにすることによって先行技術の欠点を解決することができる装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的のため、本発明によれば、発射装置のスラスタに燃料補給する燃料補給装置であって、
・少なくとも、流体源の上流側で連結可能な地上管、地上管に下流側で連結された地上弁及び地上弁に連結された地上通路を含む地上プレートを有する地上モジュールと、
・少なくとも、スラスタのタンクに下流側で連結可能な機上管、機上管に上流側で連結された機上弁及び機上管に連結された機上通路を含む機上プレートを有する機上モジュールと、
・機上モジュールと地上モジュールとの間に設けられていて、地上通路と機上通路とを流体連通させることができる油圧結合システムと、油圧結合システム周りで機上プレートと地上プレートとの間に配置された第1の環状エンクロージャとを有し、吸引手段に連結されると、第1の環状エンクロージャは、機上プレートと地上プレートを相互連結位置に保持することができるようになっていることを特徴とする燃料補給装置が提供される。
【0012】
このように第1の環状エンクロージャを設けることにより、給油が維持される限り、機上モジュールと地上モジュールとの間の油圧結合状態を維持できることが理解できる。
【0013】
かくして、発射装置が上昇して離昇する時点まで第1の環状エンクロージャ内においてこの吸入を維持することにより、発射が中止された場合であっても機上モジュールと地上モジュールとの間の連結が保たれる。
【0014】
この解決策は又、極めて簡単且つ信頼性の高い手段を用いることによって機上モジュールと地上モジュールの連結状態を一層維持できるという追加の利点をもたらす。
【0015】
全体として、本発明の解決策により、発射が中止された場合であっても機上モジュールを地上モジュールに連結している結合システムの全て又は一部を交換すると共に/或いは再組み立てする必要性を回避することができ、それにより時間、機器及びマンパワーが非常に大幅に節約される。
【0016】
本発明の他の利点及び他の特徴は、添付の図面を参照して例示として行なわれる以下の説明を読むと明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】3つの連続した段階のうちの一段階中における本発明の燃料補給装置の原理を示す概略縦断面図である。
【図1A】図1、図2及び図3に類似していて、変形実施形態を示す図である。
【図1B】図1の概略縦断面図に類似した図であり、別の変形実施形態を示す図である。
【図2】3つの連続した段階のうちの一段階中における本発明の燃料補給装置の原理を示す概略縦断面図である。
【図2A】図1、図2及び図3に類似していて、変形実施形態を示す図である。
【図3】3つの連続した段階のうちの一段階中における本発明の燃料補給装置の原理を示す概略縦断面図である。
【図3A】図1、図2及び図3に類似していて、変形実施形態を示す図である。
【図4】本発明の燃料補給装置の一実施形態の側面から見た全体斜視図である。
【図5】図4の燃料補給装置を上から見た斜視図であり、その部品のうちの幾つかが分解組立て図で示されている図である。
【図6】図4の方向VIに見た燃料補給装置の水平面断面図である。
【図7】地上プレートと同一高さ位置にある図4の方向VIIから見た燃料補給装置の横断方向垂直平面断面図である。
【図8】機上プレートと同一高さ位置にある図4の方向VIIIから見た燃料補給装置の横断方向垂直平面断面図である。
【図9】ロックフィンガの前のところに位置した図4の方向IXから見た燃料補給装置の軸方向垂直平面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
最初に図1、図2及び図3を参照すると、図1、図2及び図3は、燃料補給装置10が図中右側に位置した地上モジュール20及び図中左側に位置した機上(搭載)モジュール30を有する本発明の原理を示す図である。
【0019】
図1では、地上モジュール20と機上モジュール30は、互いに連結された状態で定位置に位置し、燃料補給回路は、タンクに流体を供給することができるよう開いている。
【0020】
地上モジュール20は、燃料流体の流れを示す矢印の方向で見て上流側から下流側に、燃料流体源(図示せず)から見て下流側に配置された地上管22内に収納され又はこの中に開いた地上弁21、地上制御ユニット24及び機上モジュール30に通じる地上通路28を含む地上プレート26を有している。
【0021】
地上制御ユニット24は、シリンダ24b内で摺動可能に動くことができるピストン24aを備えたアクチュエータの形態で示されており、シリンダ24bは、2つのチャンバ、即ち、地上管22に連結された前側チャンバ24c及びピストンヘッド24eが収納された後側チャンバ24dを備えている。後側チャンバ24dに設けられた開口部24fにより、気体が加圧下で後側チャンバ24d内に入ることができ、それによりピストンヘッド24eが前進位置に前進することができ、それにより図1の左側のピストン24gを機上モジュール30内に押し込み、それにより機上弁36を開放位置にし、機上弁36の弁部材36aは、あらかじめ閉鎖位置にある。後側チャンバ24dは、ピストン24aを後側チャンバ24d内の気体の圧力が減少すると、機上弁36(図2及び図3)の閉鎖位置に対応した後側位置に戻すのに役立つ戻し手段(この場合、コイルばね24h)を更に有している。
【0022】
機上プレート26は、前側チャンバ24cの延長部としての地上通路28を構成するピストン24aのシリンダ24bの前側部分を包囲している。
【0023】
機上モジュール30は、燃料流体の流れを表す矢印の方向で見て(図の右側から左側に)上流側から下流側に、図1及び図2において地上モジュール28の延長部をなす通路34を構成する機上プレート32を有すると共に機上弁36及び極低温タンクに連結された機上管38を更に有している。
【0024】
機上弁36は、機上通路34を閉鎖するのに適していて、機上弁36の受座36bを形成する一部分及びOリング36cを有する弁部材36a又はプラグの形態で示されており、Oリング36cは、機上弁36が閉鎖位置にあるとき(図3)、弁部材36aと受座36bとの間の密封状態を向上させるのに役立つ。
【0025】
図1で理解できるように、ピストン24aが前側位置にあるとき、ピストンロッド24gの端部は、機上通路34内に入り込み、機上弁36を押し、この機上弁は、開き、それにより前側チャンバ24c内に存在すると共に地上管22から来た流体を機上通路34内に注入させることができ、そしてかかる流体が機上弁36周りに流れて機上管38内に流入することができるようにする。
【0026】
図2では、後側チャンバ24d内の圧力降下のため(気体が開口部24fを介して排出される)且つコイルばね24hの戻し作用のため、ピストンヘッド24e及びピストンロッド24gは、後側位置に戻り、それにより機上弁36が閉じることができ、この弁は、図3ではその閉鎖位置で示されている。
【0027】
戻し手段(この場合、コイルばね36d)は、機上弁36を閉鎖位置に戻すのに役立ち、この閉鎖位置では、機上通路34は、地上通路28(図3)ともはや流体連通状態にはない。
かかる状況下において、地上弁21の開放/閉鎖制御は、機上弁36の開放/閉鎖制御とは独立している。
【0028】
図1A〜図1Cを参照すると、地上弁21が前側チャンバ24c内に収容され、かかる地上弁が地上制御ユニット24によっても制御されるという点において、図1、図2及び図3の実施形態とは異なる変形実施形態が見える。地上弁21は、ピストンロッド24g周りにしっかりと取り付けられた環状弁部材21a及び弁部材21aの後ろでシリンダ24bの壁の内面に取り付けられた環状受座21bを有している。地上弁21が閉鎖位置(図2A及び図3A)にあるとき、Oリング21cが弁部材21aと受座21bとの間の密封具合を向上させるよう働く。
【0029】
ピストンロッド24gの前方運動(図1A〜図3Aにおいて左側への運動)は、機上弁36の弁部材36aと地上弁21の弁部材21aの両方を前方方向に動かすことにより、機上弁36と地上弁21を同時に開くのに役立つ。
【0030】
逆に、ピストンロッド24gの後方運動により、地上制御ユニット24は、機上弁36と地上弁21の両方を同時に閉鎖することができる(図2A及び図3A)。
【0031】
かくして、この実施形態では、地上弁21が開くようにすることにより、機上弁36も又開き、地上弁21が閉じるようにすることにより機上弁36も又閉じることが理解できる。
【0032】
ピストンヘッド24eの位置及び弁部材36aの位置を逆にすることによって、機上弁36を開いて地上弁21も又開くようにする指令及び機上弁36を閉じ、地上弁21も又閉じるようにする指令を提供することが可能である。
【0033】
図示されていない変形実施形態では、ピストンロッド24gの運動を空気圧で制御する代わりに、当然のことながら、他の制御方式、例えば電気制御方式を利用することが可能である。
【0034】
さらに、図1及び図1Aは、開口部24fが後側チャンバ24dの後側部分に通じ、他方、コイルばね24hが後側チャンバ24dの前側部分内に収容されることによってピストンヘッド24eに当接する状況を示しているが、この構成は、逆にできる(開口部24fが後側チャンバ24dの前側部分に通じ、コイルばね24hが後側チャンバ24dの後側部分内に収容される)。また、後側チャンバ24dの前側部分及び後側部分にそれぞれ通じる2つの開口部を用いることが可能であり、これら開口部は互いに異なる圧力状態で気体を送り出すのに適しており、それにより、ピストンヘッド24e及びピストンロッド24gが前方又は後方に動くようにすることができる。
【0035】
図1Bに示されている別の変形実施形態では、簡単な技術的解決策が提供されており、即ち、地上制御ユニット24は、地上管22に連結されたピストンなしで単一のチャンバを構成するシリンダ24bだけで構成される。この構成例では、弁部材36aを動かして機上弁36を開くのに役立つのは、地上管中に入り込む流体の圧力である。地上弁(図示せず)は、油圧結合システム40から見て上流側に配置されている。変形例では、機上弁36を油圧結合システム40内で更に下流側に配置する構成も又採用することができ(図示していない構成例)、かくして、地上弁21及び機上弁36は各々、それ自体の制御ユニットを備える。
【0036】
地上モジュール20と機上モジュール30は、油圧結合システム40を介して互いに連結され、この油圧結合システムは、地上モジュール20と機上モジュール30との間(機上プレート32と地上プレート26との間)に密封状態をもたらす環状ガスケット40aを有する。
【0037】
本発明の必須の特徴によれば、第1の環状エンクロージャ50が油圧結合システム40を包囲し、この第1の環状エンクロージャは、吸引手段に連結されるのに適している。
【0038】
図1で理解できるように、この第1の環状エンクロージャ50は、地上プレート26と機上プレート32との間に延びている(それぞれ、図1、図2及び図3において右側及び左側で)。
【0039】
第1の環状エンクロージャ50は、油圧結合システム40を包囲した第1の環状ベロー52によって半径方向外方に構成され、この第1の環状ベローは、機上プレート32及び地上プレート26に漏れ止め状態で当接した端部を有している。
【0040】
第1のエンクロージャ50を吸引手段に連結することができるようにするため、地上プレートは、第1のエンクロージャ50に通じていて、吸引手段(図示せず)に連結されるのに適した開口部54を有する。
【0041】
かくして、第1のエンクロージャ50が吸引手段に連結され、即ち、大気圧よりも低い圧力値(例えば、0.5バール〜0.7バールの圧力値)を提供する限り、地上プレート26及び機上プレート32は、サクションカップ効果によって連結状態に保たれ、それにより、地上モジュール20と機上モジュール30を互いに連結状態に保つことができる(図1及び図2、図1A及び図1B、図1Cを参照されたい)。
【0042】
図3及び図3Aでは、気体を開口部54を介して注入して地上モジュール20と機上モジュール30を切り離すと共にこれらモジュールが例えば発射装置上昇中、相互に分離可能になるようにすることによって第1の環状エンクロージャ50内の気体圧力を増大させる。第1の環状エンクロージャ50内における気体圧力のこの増大では、大気圧又は高い圧力(大気圧よりも高い圧力)を加えるのが良い。
【0043】
かくして、本発明では、単に第1の環状エンクロージャ50と外部との間に負の圧力差を生じさせることにより、地上モジュール20と機上モジュール30を互いに連結した状態に保つことが非常に簡単になることが理解でき、この連結は、第1の環状エンクロージャ50内の圧力を変化させることにより(かかる圧力を大気圧又はこれよりも高い圧力に連結することにより)解除される。
【0044】
次に図4〜図9を参照すると、これらの図は、燃料補給装置10の一実施形態を具体的に示している。以下において、上記において既に用いられている参照符号は、上述の燃料補給装置の部分を示すために再度用いられる。
【0045】
この実施形態は、流体を供給したり排出したりする、例えば、極低温タンクに互いに異なる推進剤(化学的性質及び/又は物理的状態が異なる)、特に、液体推進剤及び気体推進剤、例えば液体酸素を一方の部分を介して且つ気体酸素を他方の部分を介して並行に補給することができる2つの並列流路を有している。
【0046】
この目的のため(図4〜図6を参照されたい)、
・地上モジュール20は、第1の流体源に上流側(図で見て右側)で連結さるよう設計された第1の地上管221、第1の地上管221から見て下流側で第1の地上管221に連結された第1の地上弁241、第2の流体源に上流側で連結されるよう設計された第2の地上管222及び第2の地上管222から見て下流側で第2の地上管222に連結された第2の地上弁242を有し、地上プレート26は、第1の地上弁241に連結された第1の地上通路281及び第2の地上弁242に連結された第2の地上通路282を備え、
・機上モジュール30は、第1のタンクに上流側で連結されるよう設計された第1の機上管381、第1の機上管381の上流側で第1の機上管381に連結された第1の機上弁361、第2のタンクに上流側で連結可能な第2の機上管382及び第2の機上管382の上流側で第2の機上管382に連結された第2の機上弁362を有し、機上プレート32は、第1の機上弁361に連結された第1の機上通路341及び第2の機上弁362に連結された第2の機上通路342を備え、
・油圧結合システム40は、第1に、第1の地上通路281と第1の機上通路341を流体連通させると共に第2に、第2の地上通路282と第2の機上通路342を流体連通させることができる。
【0047】
より正確にいえば、図示のこの実施形態では、流体を供給する2つの並列流路は、同軸である。この目的のため、少なくとも通路281,282,341,342の一部にわたり、第1の地上通路261と第2の地上通路282が互いに対して同軸であると同様に第1の機上通路341と第2の機上通路342が互いに対して同軸である。
【0048】
この点に関し、地上モジュール20(図4、図6及び図7参照)では、第1の地上管221及び第1の地上弁241で形成された第1の地上組立体は、第2の地上管222及び第2の地上弁242で形成された第2の地上組立体に並んで平行に位置している。この第1の地上組立体は、第1の地上通路281の開口部を形成する第1の場所のところで地上プレート26に取り付けられ、第1の地上通路281は、その出口までずっと直線状である。第2の地上組立体は、第2の地上通路282の開口部を形成する第2の場所で地上プレート26に取り付けられ、第2の地上通路282は、互いに直列関係をなして連続して、軸線X及び第2の地上管222に平行な第1の直線状部分282aで、第1の部分282aから第1の地上通路281に向かってほぼ直角をなして延びる軸線Yに実質的に平行な第2の直線状部分282b及び第2の地上通路282の出口まで延びると共に第1の地上通路281(図7参照)の下流側部分を包囲した環状の第3の部分282cを備えている。
【0049】
機上モジュール30(図4、図6及び図8参照)では、第1の機上管381及び第1の機上弁361で形成された第1の機上組立体は、第2の機上管382及び第2の機上弁362で形成された第2の機上組立体に並んで平行に位置している。この第1の機上組立体は、第1の機上通路341の開口部を形成する第1の場所のところで機上プレート32に取り付けられ、第1の機上通路341は、その出口までずっと直線状である。第2の機上組立体は、第2の機上通路342の開口部を形成する第2の場所で機上プレート32に取り付けられ、第2の機上通路342は、互いに直列関係をなして連続して、軸線X及び第2の機上管382に平行な第1の直線状部分342aで、第1の部分342aから第1の機上通路341に向かってほぼ直角をなして延びる軸線Yに実質的に平行な第2の直線状部分342b及び第2の機上通路342の出口まで延びると共に第1の機上通路341(図7参照)の下流側部分を包囲した環状の第3の部分342cを備えている。
【0050】
このように、図6で理解できるように、地上モジュール20と機上モジュール30が相互連結位置にあるとき、以下が右側から左側に進んで軸線Xに平行な位置合わせ関係をなしていることが見出されるべきであり、即ち、
・第1に、第1の燃料流体が地上に設置された源から発射装置に搭載されたタンクに向かって流れることができるよう流体連通状態にある第1の地上管221、第1の地上通路281(一部が第2の地上通路282の環状の第3の部分282cで包囲されている)、第1の機上通路341(一部が第2の機上通路342の環状の第3の部分342cによって包囲されている)及び第1の地上管381、
・第2に、第2の燃料流体が同軸に且つ第1の燃料流体の流れの外部で流れることができるよう互いに直列の流体連通状態にある第2の地上通路282の環状の第3の部分282c及び第2の機上通路342の環状の第3の部分342c。
【0051】
図5及び図6では、フィルタ35が第1の機上通路341内に配置されており、このフィルタは、特に液体を通すようになっており、その目的は、粒子が燃料補給装置10から見て下流側の燃料流れ通路を汚染するのを回避することにある。
【0052】
図6で理解できるように、弁第1の地上弁241、第2の地上弁242、第1の機上弁361及び第2の機上弁362は、玉弁である。当然のことながら、他形式の弁、例えばフラップ弁を用いることを想定することが可能である。
【0053】
以下において、図5及び図6を参照して油圧結合システム40について説明し、即ち、機上プレート32の第1の機上通路341の入口周りにおいて、ねじ山付き環状カラー33がねじ締結によって心出し環状カバー37を受け入れ、機上プレート32から遠ざかる方向に向いたその自由端部37aは、リブ付きであり且つラッパ状に広がっている。この自由端部37aは、突出環状部分27を受け入れるのに役立ち、この突出環状部分27は、突出環状部分27を包囲することによって機上モジュール30の方に向いた地上プレート26の面に形成されており、この突出環状部分はそれ自体、第1の地上通路281の下流側部分を包囲している。
【0054】
かくして、油圧結合システム40は、必須の構成要素として、機上プレート32の環状カラー33、心出し環状カバー37及び地上プレート26の突出環状部分27を有する。
【0055】
密封状態を向上させるため、環状カラー33及び心出し環状カバー37の外側環状面は、それぞれ、Oリングを備えている。
【0056】
半径方向外側が第1の環状ベロー52(図4〜図6参照)によって構成された第1の環状エンクロージャ50が油圧結合システム40を包囲している。第1の地上プレートの開口部54は、第1の環状エンクロージャ50と軸方向に一線をなしており(X軸線に沿って)、吸引手段(例えば、ポンプ)に連結されることにより、吸引力を第1の環状エンクロージャ50に及ぼすのに役立つ。この状況では、Oリングで覆われている第1の環状ベロー52の端壁は、地上プレート26及び機上プレート32の対向した面に「押し付けられ」、それによりサクションカップ形連結状態が形成されている。
【0057】
図5〜図9の燃料補給装置10は、高圧部に連結されるのに適した第2の環状エンクロージャ60を更に有し、第2のエンクロージャは、油圧結合システム40の周りで機上プレート32と地上プレート26との間に配置され、この第2のエンクロージャの周りには、第1の環状エンクロージャ50が配置されている。
【0058】
この第2の環状エンクロージャ60は、半径方向外側が第2の環状ベロー62(図4〜図6参照)によって構成され、この第2の環状ベローは、油圧制御システム40を包囲すると共に、それ自体第1の環状ベロー52によって包囲されている。第2の環状エンクロージャ60は、専用供給手段(図6のダクト63)によって加圧され、この専用供給手段により、不活性ガスを圧力下で地上プレート26に設けられている開口部経由で導入することができ、これが、危険物質が吸引ゾーンに入り込むのを回避する。
【0059】
第2の環状エンクロージャ60を加圧下に維持することによっては、地上モジュール20及び機上モジュール30を相互連結位置に維持することが損なわれない。というのは、第1の環状エンクロージャ50は、第1の環状エンクロージャ60の外側に位置すると共に第1の環状エンクロージャ内の吸引力が機上モジュール30と地上モジュール20との結合状態を維持するようにするのに十分なサイズのものだからである。
【0060】
第2の環状エンクロージャ60内の過剰の圧力により、必要な場合には、油圧結合システム40を状態調節することができ、即ち、第1のベロー52の外部に位置したガスの流れ(乾燥空気又は窒素)の形態をした霜が付かないようにするシステム(図6のダクト64)を油圧結合システム40に追加することが可能であり、それにより、特に第1のベロー52と機上プレート32との間の接触ゾーンにおける着氷を回避することができる。
【0061】
図5〜図9の燃料補給装置10は、機上プレート32と地上プレート26との間に機械式ロックシステム70を更に有し、この機械式ロックシステムは、発射装置が離昇時に上昇している間又はあらかじめ開放するのに適している。
【0062】
この目的のため、機械式ロックシステムは、第1の環状エンクロージャ50の各側に、連結位置において受け入れ部分39を介して機上プレート32に当接する底端部72aを備えた解除フォーク72を有し、底端部72aは、相補形状により受け入れ部分39に当接し、解除フォーク72の頂端部72bは、地上プレート26に固定された地上ピン29回りに回動可能に取り付けられ、したがって、地上ピン29回りの解除フォーク72の回動により、地上プレート26が機上プレート32から離され、或いは、地上プレート32が締結されている構造体に亀裂箇所が生じ(底端部72aが受け入れ部分39から逃げ出る時点まで)、又その逆の関係が成り立つ。
【0063】
かくして、逆に、地上プレート26を機上プレート32から離すことにより、解除フォーク72は、底端部72aが受け入れ部分39から逃げ出て機械式ロックシステム70を開く時点まで地上ピン29回りに回動する。これは、発射装置が上昇しているときに起こることであり、それにより、地上モジュール20は、機上モジュール30から分離され、その時点において、通常、第1の環状エンクロージャ50内には吸引力がもはや存在せず、かかる吸引力が第1の環状エンクロージャ50内に残っている場合がもし存在すれば、発射装置が離昇している間に及ぼされる力が所与の場合、吸引力は、地上モジュール20が機上モジュール30から分離されるのを阻止することはない。
【0064】
この目的のため、解除フォーク72は、その底端部72aとその頂端部72bとの間に、スリングを解除フォークに取り付けることができる穴を備え、スリーブの他端部は、地上に締結される。このように、発射装置が上昇している間、地上モジュール20は、このようにして保持されると共に発射装置に固定されている機上モジュールから分離される。
【0065】
さらに、機械式ロックシステムは、第1の環状エンクロージャ50の各側に、地上ピン29回りに回動する際に地上プレート26と機上プレート32を結合することがない開放位置(図示せず)と閉鎖位置(図4及び図6)との間で動くことができるロックフィンガ74(図9参照)を更に有し、閉鎖位置では、ロックフィンガ74の頂端部74aによって構成されるハウジング74bが機上プレート32に固定された機上ピン31を受け入れることにより地上プレート26と機上プレート32が結合される。
【0066】
機械式ロックシステム70は、ロックフィンガ74の底端部74cを互いに連結する連結シャフト76を更に有し、ロックフィンガ74の開閉を作動させるのに役立つ制御アクチュエータ78のピストンロッド78aの自由端部が連結シャフト76に取り付けられている(ヒンジを介して)。
【0067】
制御アクチュエータ78のシリンダ78bは、地上プレート26の後部から直角に突き出たV字形アクチュエータ支持体80によって地上プレート26の後部のところに取り付けられている。
【0068】
かくして、通常の作動において、アクチュエータ78は、機上ピン31をロックフィンガ74から解除するのに役立ち、かくして、それにより、発射装置が上昇している間に地上モジュール20を機上モジュール30から分離することができる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、スラスタ(姿勢制御ロケット)、特に発射装置の極低温スラスタに燃料を補給する装置に関し、この装置は、発射装置の離昇の際に補給配管を分離することができる。
【背景技術】
【0002】
かかる燃料補給装置は、極低温スラスタに推進剤を補給すると共に離昇の時点までかかる補給を行なうよう用いられる。この制約により、或る幾つかの事実的課題が生じる。というのは、地上を発射装置に連結する配管は、発射時点で確実に切り離されなければならず、これは、発射装置の軌道を変えることなくしかも地上に留まる機器又は発射装置の極低温段階又は任意他の段階にある機上(搭載)機器を邪魔しないで行なわれなければならないからである。
【0003】
従来、弁プレート(弁板ともいう)を備えた極低温アームが用いられている。これら弁プレートは、機上と地上の連結を可能にし、かかる弁プレートにより、発射の点検及び準備に必要な種々の補給及び加圧作業を実施することができる。これら弁プレートは、機上プレート及び地上プレートを含み、これらは両方共、機上及び地上に配置されている油圧及び空気圧回路(補給及びパージ/ガス抜き用)を閉じるのに役立つ弁を備えている。
【0004】
これら別個独立のプレートは、製造段階の際、互いに機械的に連結され、一体化段階の際、発射装置に一緒に取り付けられる。これらプレートは、潜在的に発射の中止を招くような仕方で作動を点検する直前に、発射カウントダウンの終わりで機械的且つ永続的に分離される。
【0005】
地上プレートと機上プレートとのこのロック解除は、ロック解除アクチュエータを用いることによって行なわれ、ロック解除アクチュエータは、圧力がアクチュエータに加えられると互いに対して動くことができるよう構成された2つの部分を備えている。これら部分は、それぞれ、地上プレート及び機上プレートに締結され、したがって、これら部分は、ロック解除アクチュエータを加圧したときに互いに引き離される。しかる後、プレート及びこれらに取り付けられているホースの重量の結果として且つ発射装置が上昇している間における専用抽出ケーブルによって及ぼされるトラクションの結果として、地上プレート及び機上プレートは、ヒンジピン回りに回動し、ヒンジピンは、このヒンジピンが解除されるまでこれらプレートを互いに連結しており、かかる解除により、地上プレートと機上プレートは、互いに分離される。
【0006】
かくして、エンジンの誤作動の結果として発射が中止され、発射装置が上昇しなかった場合、非可逆的な分離が地上/機上連結に対して起こり、地上配管は、落とされる。
【0007】
その結果、かかる機器では、再連結が可能ではないので、発射装置を通常の仕方で空にすることはもはや可能ではなく、発射がいったん中止されると、地上/機上連結を変更する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
地上/機上連結のかかる変更では、弁プレートを交換し、タンクを空にする作業を含む推進剤回路の完全な再構成が行なわれ、かかる作業は、非常に長い時間(約1週間)を要する場合がある。
【0009】
加うるに、発射中、極低温アームを係合解除する作業は、実施するのが困難であり、アームの引っ込みが僅かでも遅すぎた場合、このことにより、発射装置がアンバランスにならなくても、地上設備と発射装置に搭載されている設備の両方の燃料補給装置が損傷を受ける恐れがある。
【0010】
本発明の目的は、発射装置のスラスタに燃料を補給する装置であって、特に発射が中止された場合であっても再連結を行なうことができるようにすることによって先行技術の欠点を解決することができる装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的のため、本発明によれば、発射装置のスラスタに燃料補給する燃料補給装置であって、
・少なくとも、流体源の上流側で連結可能な地上管、地上管に下流側で連結された地上弁及び地上弁に連結された地上通路を含む地上プレートを有する地上モジュールと、
・少なくとも、スラスタのタンクに下流側で連結可能な機上管、機上管に上流側で連結された機上弁及び機上管に連結された機上通路を含む機上プレートを有する機上モジュールと、
・機上モジュールと地上モジュールとの間に設けられていて、地上通路と機上通路とを流体連通させることができる油圧結合システムと、油圧結合システム周りで機上プレートと地上プレートとの間に配置された第1の環状エンクロージャとを有し、吸引手段に連結されると、第1の環状エンクロージャは、機上プレートと地上プレートを相互連結位置に保持することができるようになっていることを特徴とする燃料補給装置が提供される。
【0012】
このように第1の環状エンクロージャを設けることにより、給油が維持される限り、機上モジュールと地上モジュールとの間の油圧結合状態を維持できることが理解できる。
【0013】
かくして、発射装置が上昇して離昇する時点まで第1の環状エンクロージャ内においてこの吸入を維持することにより、発射が中止された場合であっても機上モジュールと地上モジュールとの間の連結が保たれる。
【0014】
この解決策は又、極めて簡単且つ信頼性の高い手段を用いることによって機上モジュールと地上モジュールの連結状態を一層維持できるという追加の利点をもたらす。
【0015】
全体として、本発明の解決策により、発射が中止された場合であっても機上モジュールを地上モジュールに連結している結合システムの全て又は一部を交換すると共に/或いは再組み立てする必要性を回避することができ、それにより時間、機器及びマンパワーが非常に大幅に節約される。
【0016】
本発明の他の利点及び他の特徴は、添付の図面を参照して例示として行なわれる以下の説明を読むと明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】3つの連続した段階のうちの一段階中における本発明の燃料補給装置の原理を示す概略縦断面図である。
【図1A】図1、図2及び図3に類似していて、変形実施形態を示す図である。
【図1B】図1の概略縦断面図に類似した図であり、別の変形実施形態を示す図である。
【図2】3つの連続した段階のうちの一段階中における本発明の燃料補給装置の原理を示す概略縦断面図である。
【図2A】図1、図2及び図3に類似していて、変形実施形態を示す図である。
【図3】3つの連続した段階のうちの一段階中における本発明の燃料補給装置の原理を示す概略縦断面図である。
【図3A】図1、図2及び図3に類似していて、変形実施形態を示す図である。
【図4】本発明の燃料補給装置の一実施形態の側面から見た全体斜視図である。
【図5】図4の燃料補給装置を上から見た斜視図であり、その部品のうちの幾つかが分解組立て図で示されている図である。
【図6】図4の方向VIに見た燃料補給装置の水平面断面図である。
【図7】地上プレートと同一高さ位置にある図4の方向VIIから見た燃料補給装置の横断方向垂直平面断面図である。
【図8】機上プレートと同一高さ位置にある図4の方向VIIIから見た燃料補給装置の横断方向垂直平面断面図である。
【図9】ロックフィンガの前のところに位置した図4の方向IXから見た燃料補給装置の軸方向垂直平面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
最初に図1、図2及び図3を参照すると、図1、図2及び図3は、燃料補給装置10が図中右側に位置した地上モジュール20及び図中左側に位置した機上(搭載)モジュール30を有する本発明の原理を示す図である。
【0019】
図1では、地上モジュール20と機上モジュール30は、互いに連結された状態で定位置に位置し、燃料補給回路は、タンクに流体を供給することができるよう開いている。
【0020】
地上モジュール20は、燃料流体の流れを示す矢印の方向で見て上流側から下流側に、燃料流体源(図示せず)から見て下流側に配置された地上管22内に収納され又はこの中に開いた地上弁21、地上制御ユニット24及び機上モジュール30に通じる地上通路28を含む地上プレート26を有している。
【0021】
地上制御ユニット24は、シリンダ24b内で摺動可能に動くことができるピストン24aを備えたアクチュエータの形態で示されており、シリンダ24bは、2つのチャンバ、即ち、地上管22に連結された前側チャンバ24c及びピストンヘッド24eが収納された後側チャンバ24dを備えている。後側チャンバ24dに設けられた開口部24fにより、気体が加圧下で後側チャンバ24d内に入ることができ、それによりピストンヘッド24eが前進位置に前進することができ、それにより図1の左側のピストン24gを機上モジュール30内に押し込み、それにより機上弁36を開放位置にし、機上弁36の弁部材36aは、あらかじめ閉鎖位置にある。後側チャンバ24dは、ピストン24aを後側チャンバ24d内の気体の圧力が減少すると、機上弁36(図2及び図3)の閉鎖位置に対応した後側位置に戻すのに役立つ戻し手段(この場合、コイルばね24h)を更に有している。
【0022】
機上プレート26は、前側チャンバ24cの延長部としての地上通路28を構成するピストン24aのシリンダ24bの前側部分を包囲している。
【0023】
機上モジュール30は、燃料流体の流れを表す矢印の方向で見て(図の右側から左側に)上流側から下流側に、図1及び図2において地上モジュール28の延長部をなす通路34を構成する機上プレート32を有すると共に機上弁36及び極低温タンクに連結された機上管38を更に有している。
【0024】
機上弁36は、機上通路34を閉鎖するのに適していて、機上弁36の受座36bを形成する一部分及びOリング36cを有する弁部材36a又はプラグの形態で示されており、Oリング36cは、機上弁36が閉鎖位置にあるとき(図3)、弁部材36aと受座36bとの間の密封状態を向上させるのに役立つ。
【0025】
図1で理解できるように、ピストン24aが前側位置にあるとき、ピストンロッド24gの端部は、機上通路34内に入り込み、機上弁36を押し、この機上弁は、開き、それにより前側チャンバ24c内に存在すると共に地上管22から来た流体を機上通路34内に注入させることができ、そしてかかる流体が機上弁36周りに流れて機上管38内に流入することができるようにする。
【0026】
図2では、後側チャンバ24d内の圧力降下のため(気体が開口部24fを介して排出される)且つコイルばね24hの戻し作用のため、ピストンヘッド24e及びピストンロッド24gは、後側位置に戻り、それにより機上弁36が閉じることができ、この弁は、図3ではその閉鎖位置で示されている。
【0027】
戻し手段(この場合、コイルばね36d)は、機上弁36を閉鎖位置に戻すのに役立ち、この閉鎖位置では、機上通路34は、地上通路28(図3)ともはや流体連通状態にはない。
かかる状況下において、地上弁21の開放/閉鎖制御は、機上弁36の開放/閉鎖制御とは独立している。
【0028】
図1A〜図1Cを参照すると、地上弁21が前側チャンバ24c内に収容され、かかる地上弁が地上制御ユニット24によっても制御されるという点において、図1、図2及び図3の実施形態とは異なる変形実施形態が見える。地上弁21は、ピストンロッド24g周りにしっかりと取り付けられた環状弁部材21a及び弁部材21aの後ろでシリンダ24bの壁の内面に取り付けられた環状受座21bを有している。地上弁21が閉鎖位置(図2A及び図3A)にあるとき、Oリング21cが弁部材21aと受座21bとの間の密封具合を向上させるよう働く。
【0029】
ピストンロッド24gの前方運動(図1A〜図3Aにおいて左側への運動)は、機上弁36の弁部材36aと地上弁21の弁部材21aの両方を前方方向に動かすことにより、機上弁36と地上弁21を同時に開くのに役立つ。
【0030】
逆に、ピストンロッド24gの後方運動により、地上制御ユニット24は、機上弁36と地上弁21の両方を同時に閉鎖することができる(図2A及び図3A)。
【0031】
かくして、この実施形態では、地上弁21が開くようにすることにより、機上弁36も又開き、地上弁21が閉じるようにすることにより機上弁36も又閉じることが理解できる。
【0032】
ピストンヘッド24eの位置及び弁部材36aの位置を逆にすることによって、機上弁36を開いて地上弁21も又開くようにする指令及び機上弁36を閉じ、地上弁21も又閉じるようにする指令を提供することが可能である。
【0033】
図示されていない変形実施形態では、ピストンロッド24gの運動を空気圧で制御する代わりに、当然のことながら、他の制御方式、例えば電気制御方式を利用することが可能である。
【0034】
さらに、図1及び図1Aは、開口部24fが後側チャンバ24dの後側部分に通じ、他方、コイルばね24hが後側チャンバ24dの前側部分内に収容されることによってピストンヘッド24eに当接する状況を示しているが、この構成は、逆にできる(開口部24fが後側チャンバ24dの前側部分に通じ、コイルばね24hが後側チャンバ24dの後側部分内に収容される)。また、後側チャンバ24dの前側部分及び後側部分にそれぞれ通じる2つの開口部を用いることが可能であり、これら開口部は互いに異なる圧力状態で気体を送り出すのに適しており、それにより、ピストンヘッド24e及びピストンロッド24gが前方又は後方に動くようにすることができる。
【0035】
図1Bに示されている別の変形実施形態では、簡単な技術的解決策が提供されており、即ち、地上制御ユニット24は、地上管22に連結されたピストンなしで単一のチャンバを構成するシリンダ24bだけで構成される。この構成例では、弁部材36aを動かして機上弁36を開くのに役立つのは、地上管中に入り込む流体の圧力である。地上弁(図示せず)は、油圧結合システム40から見て上流側に配置されている。変形例では、機上弁36を油圧結合システム40内で更に下流側に配置する構成も又採用することができ(図示していない構成例)、かくして、地上弁21及び機上弁36は各々、それ自体の制御ユニットを備える。
【0036】
地上モジュール20と機上モジュール30は、油圧結合システム40を介して互いに連結され、この油圧結合システムは、地上モジュール20と機上モジュール30との間(機上プレート32と地上プレート26との間)に密封状態をもたらす環状ガスケット40aを有する。
【0037】
本発明の必須の特徴によれば、第1の環状エンクロージャ50が油圧結合システム40を包囲し、この第1の環状エンクロージャは、吸引手段に連結されるのに適している。
【0038】
図1で理解できるように、この第1の環状エンクロージャ50は、地上プレート26と機上プレート32との間に延びている(それぞれ、図1、図2及び図3において右側及び左側で)。
【0039】
第1の環状エンクロージャ50は、油圧結合システム40を包囲した第1の環状ベロー52によって半径方向外方に構成され、この第1の環状ベローは、機上プレート32及び地上プレート26に漏れ止め状態で当接した端部を有している。
【0040】
第1のエンクロージャ50を吸引手段に連結することができるようにするため、地上プレートは、第1のエンクロージャ50に通じていて、吸引手段(図示せず)に連結されるのに適した開口部54を有する。
【0041】
かくして、第1のエンクロージャ50が吸引手段に連結され、即ち、大気圧よりも低い圧力値(例えば、0.5バール〜0.7バールの圧力値)を提供する限り、地上プレート26及び機上プレート32は、サクションカップ効果によって連結状態に保たれ、それにより、地上モジュール20と機上モジュール30を互いに連結状態に保つことができる(図1及び図2、図1A及び図1B、図1Cを参照されたい)。
【0042】
図3及び図3Aでは、気体を開口部54を介して注入して地上モジュール20と機上モジュール30を切り離すと共にこれらモジュールが例えば発射装置上昇中、相互に分離可能になるようにすることによって第1の環状エンクロージャ50内の気体圧力を増大させる。第1の環状エンクロージャ50内における気体圧力のこの増大では、大気圧又は高い圧力(大気圧よりも高い圧力)を加えるのが良い。
【0043】
かくして、本発明では、単に第1の環状エンクロージャ50と外部との間に負の圧力差を生じさせることにより、地上モジュール20と機上モジュール30を互いに連結した状態に保つことが非常に簡単になることが理解でき、この連結は、第1の環状エンクロージャ50内の圧力を変化させることにより(かかる圧力を大気圧又はこれよりも高い圧力に連結することにより)解除される。
【0044】
次に図4〜図9を参照すると、これらの図は、燃料補給装置10の一実施形態を具体的に示している。以下において、上記において既に用いられている参照符号は、上述の燃料補給装置の部分を示すために再度用いられる。
【0045】
この実施形態は、流体を供給したり排出したりする、例えば、極低温タンクに互いに異なる推進剤(化学的性質及び/又は物理的状態が異なる)、特に、液体推進剤及び気体推進剤、例えば液体酸素を一方の部分を介して且つ気体酸素を他方の部分を介して並行に補給することができる2つの並列流路を有している。
【0046】
この目的のため(図4〜図6を参照されたい)、
・地上モジュール20は、第1の流体源に上流側(図で見て右側)で連結さるよう設計された第1の地上管221、第1の地上管221から見て下流側で第1の地上管221に連結された第1の地上弁241、第2の流体源に上流側で連結されるよう設計された第2の地上管222及び第2の地上管222から見て下流側で第2の地上管222に連結された第2の地上弁242を有し、地上プレート26は、第1の地上弁241に連結された第1の地上通路281及び第2の地上弁242に連結された第2の地上通路282を備え、
・機上モジュール30は、第1のタンクに上流側で連結されるよう設計された第1の機上管381、第1の機上管381の上流側で第1の機上管381に連結された第1の機上弁361、第2のタンクに上流側で連結可能な第2の機上管382及び第2の機上管382の上流側で第2の機上管382に連結された第2の機上弁362を有し、機上プレート32は、第1の機上弁361に連結された第1の機上通路341及び第2の機上弁362に連結された第2の機上通路342を備え、
・油圧結合システム40は、第1に、第1の地上通路281と第1の機上通路341を流体連通させると共に第2に、第2の地上通路282と第2の機上通路342を流体連通させることができる。
【0047】
より正確にいえば、図示のこの実施形態では、流体を供給する2つの並列流路は、同軸である。この目的のため、少なくとも通路281,282,341,342の一部にわたり、第1の地上通路261と第2の地上通路282が互いに対して同軸であると同様に第1の機上通路341と第2の機上通路342が互いに対して同軸である。
【0048】
この点に関し、地上モジュール20(図4、図6及び図7参照)では、第1の地上管221及び第1の地上弁241で形成された第1の地上組立体は、第2の地上管222及び第2の地上弁242で形成された第2の地上組立体に並んで平行に位置している。この第1の地上組立体は、第1の地上通路281の開口部を形成する第1の場所のところで地上プレート26に取り付けられ、第1の地上通路281は、その出口までずっと直線状である。第2の地上組立体は、第2の地上通路282の開口部を形成する第2の場所で地上プレート26に取り付けられ、第2の地上通路282は、互いに直列関係をなして連続して、軸線X及び第2の地上管222に平行な第1の直線状部分282aで、第1の部分282aから第1の地上通路281に向かってほぼ直角をなして延びる軸線Yに実質的に平行な第2の直線状部分282b及び第2の地上通路282の出口まで延びると共に第1の地上通路281(図7参照)の下流側部分を包囲した環状の第3の部分282cを備えている。
【0049】
機上モジュール30(図4、図6及び図8参照)では、第1の機上管381及び第1の機上弁361で形成された第1の機上組立体は、第2の機上管382及び第2の機上弁362で形成された第2の機上組立体に並んで平行に位置している。この第1の機上組立体は、第1の機上通路341の開口部を形成する第1の場所のところで機上プレート32に取り付けられ、第1の機上通路341は、その出口までずっと直線状である。第2の機上組立体は、第2の機上通路342の開口部を形成する第2の場所で機上プレート32に取り付けられ、第2の機上通路342は、互いに直列関係をなして連続して、軸線X及び第2の機上管382に平行な第1の直線状部分342aで、第1の部分342aから第1の機上通路341に向かってほぼ直角をなして延びる軸線Yに実質的に平行な第2の直線状部分342b及び第2の機上通路342の出口まで延びると共に第1の機上通路341(図7参照)の下流側部分を包囲した環状の第3の部分342cを備えている。
【0050】
このように、図6で理解できるように、地上モジュール20と機上モジュール30が相互連結位置にあるとき、以下が右側から左側に進んで軸線Xに平行な位置合わせ関係をなしていることが見出されるべきであり、即ち、
・第1に、第1の燃料流体が地上に設置された源から発射装置に搭載されたタンクに向かって流れることができるよう流体連通状態にある第1の地上管221、第1の地上通路281(一部が第2の地上通路282の環状の第3の部分282cで包囲されている)、第1の機上通路341(一部が第2の機上通路342の環状の第3の部分342cによって包囲されている)及び第1の地上管381、
・第2に、第2の燃料流体が同軸に且つ第1の燃料流体の流れの外部で流れることができるよう互いに直列の流体連通状態にある第2の地上通路282の環状の第3の部分282c及び第2の機上通路342の環状の第3の部分342c。
【0051】
図5及び図6では、フィルタ35が第1の機上通路341内に配置されており、このフィルタは、特に液体を通すようになっており、その目的は、粒子が燃料補給装置10から見て下流側の燃料流れ通路を汚染するのを回避することにある。
【0052】
図6で理解できるように、弁第1の地上弁241、第2の地上弁242、第1の機上弁361及び第2の機上弁362は、玉弁である。当然のことながら、他形式の弁、例えばフラップ弁を用いることを想定することが可能である。
【0053】
以下において、図5及び図6を参照して油圧結合システム40について説明し、即ち、機上プレート32の第1の機上通路341の入口周りにおいて、ねじ山付き環状カラー33がねじ締結によって心出し環状カバー37を受け入れ、機上プレート32から遠ざかる方向に向いたその自由端部37aは、リブ付きであり且つラッパ状に広がっている。この自由端部37aは、突出環状部分27を受け入れるのに役立ち、この突出環状部分27は、突出環状部分27を包囲することによって機上モジュール30の方に向いた地上プレート26の面に形成されており、この突出環状部分はそれ自体、第1の地上通路281の下流側部分を包囲している。
【0054】
かくして、油圧結合システム40は、必須の構成要素として、機上プレート32の環状カラー33、心出し環状カバー37及び地上プレート26の突出環状部分27を有する。
【0055】
密封状態を向上させるため、環状カラー33及び心出し環状カバー37の外側環状面は、それぞれ、Oリングを備えている。
【0056】
半径方向外側が第1の環状ベロー52(図4〜図6参照)によって構成された第1の環状エンクロージャ50が油圧結合システム40を包囲している。第1の地上プレートの開口部54は、第1の環状エンクロージャ50と軸方向に一線をなしており(X軸線に沿って)、吸引手段(例えば、ポンプ)に連結されることにより、吸引力を第1の環状エンクロージャ50に及ぼすのに役立つ。この状況では、Oリングで覆われている第1の環状ベロー52の端壁は、地上プレート26及び機上プレート32の対向した面に「押し付けられ」、それによりサクションカップ形連結状態が形成されている。
【0057】
図5〜図9の燃料補給装置10は、高圧部に連結されるのに適した第2の環状エンクロージャ60を更に有し、第2のエンクロージャは、油圧結合システム40の周りで機上プレート32と地上プレート26との間に配置され、この第2のエンクロージャの周りには、第1の環状エンクロージャ50が配置されている。
【0058】
この第2の環状エンクロージャ60は、半径方向外側が第2の環状ベロー62(図4〜図6参照)によって構成され、この第2の環状ベローは、油圧制御システム40を包囲すると共に、それ自体第1の環状ベロー52によって包囲されている。第2の環状エンクロージャ60は、専用供給手段(図6のダクト63)によって加圧され、この専用供給手段により、不活性ガスを圧力下で地上プレート26に設けられている開口部経由で導入することができ、これが、危険物質が吸引ゾーンに入り込むのを回避する。
【0059】
第2の環状エンクロージャ60を加圧下に維持することによっては、地上モジュール20及び機上モジュール30を相互連結位置に維持することが損なわれない。というのは、第1の環状エンクロージャ50は、第1の環状エンクロージャ60の外側に位置すると共に第1の環状エンクロージャ内の吸引力が機上モジュール30と地上モジュール20との結合状態を維持するようにするのに十分なサイズのものだからである。
【0060】
第2の環状エンクロージャ60内の過剰の圧力により、必要な場合には、油圧結合システム40を状態調節することができ、即ち、第1のベロー52の外部に位置したガスの流れ(乾燥空気又は窒素)の形態をした霜が付かないようにするシステム(図6のダクト64)を油圧結合システム40に追加することが可能であり、それにより、特に第1のベロー52と機上プレート32との間の接触ゾーンにおける着氷を回避することができる。
【0061】
図5〜図9の燃料補給装置10は、機上プレート32と地上プレート26との間に機械式ロックシステム70を更に有し、この機械式ロックシステムは、発射装置が離昇時に上昇している間又はあらかじめ開放するのに適している。
【0062】
この目的のため、機械式ロックシステムは、第1の環状エンクロージャ50の各側に、連結位置において受け入れ部分39を介して機上プレート32に当接する底端部72aを備えた解除フォーク72を有し、底端部72aは、相補形状により受け入れ部分39に当接し、解除フォーク72の頂端部72bは、地上プレート26に固定された地上ピン29回りに回動可能に取り付けられ、したがって、地上ピン29回りの解除フォーク72の回動により、地上プレート26が機上プレート32から離され、或いは、地上プレート32が締結されている構造体に亀裂箇所が生じ(底端部72aが受け入れ部分39から逃げ出る時点まで)、又その逆の関係が成り立つ。
【0063】
かくして、逆に、地上プレート26を機上プレート32から離すことにより、解除フォーク72は、底端部72aが受け入れ部分39から逃げ出て機械式ロックシステム70を開く時点まで地上ピン29回りに回動する。これは、発射装置が上昇しているときに起こることであり、それにより、地上モジュール20は、機上モジュール30から分離され、その時点において、通常、第1の環状エンクロージャ50内には吸引力がもはや存在せず、かかる吸引力が第1の環状エンクロージャ50内に残っている場合がもし存在すれば、発射装置が離昇している間に及ぼされる力が所与の場合、吸引力は、地上モジュール20が機上モジュール30から分離されるのを阻止することはない。
【0064】
この目的のため、解除フォーク72は、その底端部72aとその頂端部72bとの間に、スリングを解除フォークに取り付けることができる穴を備え、スリーブの他端部は、地上に締結される。このように、発射装置が上昇している間、地上モジュール20は、このようにして保持されると共に発射装置に固定されている機上モジュールから分離される。
【0065】
さらに、機械式ロックシステムは、第1の環状エンクロージャ50の各側に、地上ピン29回りに回動する際に地上プレート26と機上プレート32を結合することがない開放位置(図示せず)と閉鎖位置(図4及び図6)との間で動くことができるロックフィンガ74(図9参照)を更に有し、閉鎖位置では、ロックフィンガ74の頂端部74aによって構成されるハウジング74bが機上プレート32に固定された機上ピン31を受け入れることにより地上プレート26と機上プレート32が結合される。
【0066】
機械式ロックシステム70は、ロックフィンガ74の底端部74cを互いに連結する連結シャフト76を更に有し、ロックフィンガ74の開閉を作動させるのに役立つ制御アクチュエータ78のピストンロッド78aの自由端部が連結シャフト76に取り付けられている(ヒンジを介して)。
【0067】
制御アクチュエータ78のシリンダ78bは、地上プレート26の後部から直角に突き出たV字形アクチュエータ支持体80によって地上プレート26の後部のところに取り付けられている。
【0068】
かくして、通常の作動において、アクチュエータ78は、機上ピン31をロックフィンガ74から解除するのに役立ち、かくして、それにより、発射装置が上昇している間に地上モジュール20を機上モジュール30から分離することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発射装置のスラスタに燃料補給する燃料補給装置(10)であって、
・少なくとも、流体源の上流側で連結可能な地上管(22)、前記地上管(22)に下流側で連結された地上弁(21)及び前記地上弁(21)に連結された地上通路(28)を含む地上プレート(26)を有する地上モジュール(20)と、
・少なくとも、前記スラスタのタンクに下流側で連結可能な機上管(38)、前記機上管(38)に上流側で連結された機上弁(36)及び前記機上管(38)に連結された機上通路(34)を含む機上プレート(32)を有する機上モジュール(30)と、
・前記機上モジュール(30)と前記地上モジュール(20)との間に設けられていて、前記地上通路(28)と前記機上通路(34)とを流体連通させることができる油圧結合システム(40)と、前記油圧結合システム(40)周りで前記機上プレート(32)と前記地上プレート(26)との間に配置された第1の環状エンクロージャ(50)とを有し、吸引手段に連結されると、前記第1の環状エンクロージャ(50)は、前記機上プレート(32)と前記地上プレート(26)を相互連結位置に保持することができるようになっている、燃料補給装置。
【請求項2】
前記第1のクロージャ(50)は、前記油圧結合システム(40)を包囲すると共に前記機上プレート(32)及び前記地上プレート(26)に当接した端部を有する第1の環状ベロー(52)によって構成されている、請求項1記載の燃料補給装置。
【請求項3】
前記地上プレート(26)は、前記第1のエンクロージャ(50)に通じると共に前記吸引手段に連結されるのに適した開口部(54)を有する、請求項1又は2記載の燃料補給装置。
【請求項4】
前記燃料補給装置は、高圧に連結されるのに適していて、前記油圧結合システム(40)周りで前記機上プレート(32)と前記地上プレート(26)との間に配置された第2の環状エンクロージャ(60)を更に有し、前記第1の環状エンクロージャ(50)は、前記第2の環状エンクロージャ周りに配置されている請求項1〜3のうちいずれか一に記載の燃料補給装置。
【請求項5】
前記地上弁(21)を開放する指令が前記機上弁(36)を開放する指令を生じさせ、前記地上弁(21)を閉鎖する指令が前記機上弁(36)を閉鎖する指令を生じさせる、請求項1〜4のうちいずれか一に記載の燃料補給装置。
【請求項6】
前記機上弁(36)を開放する指令が前記地上弁(21)を開放する指令を生じさせ、前記機上弁(36)を閉鎖する指令が前記地上弁(21)を閉鎖する指令を生じさせる、請求項1〜5のうちいずれか一に記載の燃料補給装置。
【請求項7】
前記燃料補給装置は、前記機上プレート(32)と前記地上プレート(26)との間に、前記発射装置が離昇している間又は前記発射装置の離昇に先立って、開放するのに適した機械式ロックシステム(70)を更に有する、請求項1〜6のうちいずれか一に記載の燃料補給装置。
【請求項8】
前記機械式ロックシステムは、前記第1の環状エンクロージャ(50)の各側に、前記連結位置において前記機上プレート(32)に当接する底端部(72a)を備えた解除フォーク(72)を有し、前記解除フォーク(72)の頂端部(72b)は、前記地上プレート(26)に固定された地上ピン(29)回りに回動するよう設けられていて、前記地上ピン(29)回りの前記解除フォーク(72)の回動により、前記地上プレート(26)と前記機上プレート(32)が互いに引き離され、又この逆の関係が成り立つようになっている、請求項7記載の燃料補給装置。
【請求項9】
前記機械式ロックシステムは、前記第1の環状エンクロージャ(50)の各側に、前記地上ピン(29)回りに回動する際に、前記地上プレート(26)と前記機上プレート(32)を結合することがない開放位置と、閉鎖位置との間で動くことができるロックフィンガ(74)を更に有し、前記閉鎖位置では、前記ロックフィンガ(74)の頂端部(74a)によって構成されるハウジング(74b)が前記機上プレート(32)に固定された機上ピン(31)を受け入れることにより前記地上プレート(26)と前記機上プレート(32)が結合される、請求項8記載の燃料補給装置。
【請求項10】
前記機械式ロックシステム(70)は、前記ロックフィンガ(74)の底端部(74c)を互いに連結する連結シャフト(76)を更に有し、制御アクチュエータ(78)の前記ピストンの前記ピストンロッド(78a)の自由端部が前記連結シャフトに取り付けられている、請求項9記載の燃料補給装置。
【請求項11】
・前記地上モジュール(20)は、第1の流体源に上流側で連結可能な第1の地上管(221)、前記第1の地上管(221)に下流側で連結された第1の地上弁(241)、第2の流体源に上流側で連結可能な第2の地上管(222)及び前記第2の地上管(222)に下流側で連結された第2の地上弁(242)を有し、前記地上プレート(26)は、前記第1の地上弁(241)に連結された第1の地上通路(281)及び前記第2の地上弁(242)に連結された第2の地上通路(282)を備え、
・前記機上モジュール(30)は、第1のタンクに上流側で連結可能な第1の機上管(381)、前記第1の機上管(381)に上流側で連結された第1の機上弁(361)、第2のタンクに上流側で連結可能な第2の機上管(382)及び前記第2の機上管(382)に上流側で連結された第2の機上弁(362)を有し、前記機上プレート(32)は、前記第1の機上弁(361)に連結された第1の機上通路(341)及び前記第2の機上弁(362)に連結された第2の機上通路(342)を備え、
・前記油圧結合システム(40)は、第1に、前記第1の地上通路(281)と前記第1の機上通路(341)を流体連通させると共に第2に、前記第2の地上通路(282)と前記第2の機上通路(342)を流体連通させるのに役立つ、請求項1〜10のうちいずれか一に記載の燃料補給装置。
【請求項12】
少なくとも前記通路(281,282,341,342)の一部にわたり、前記第1の地上通路(261)と前記第2の地上通路(282)は、互いに対して同軸であると同様に前記第1の機上通路(341)と前記第2の機上通路(342)は互いに対して同軸である、請求項11記載の燃料補給装置。
【請求項1】
発射装置のスラスタに燃料補給する燃料補給装置(10)であって、
・少なくとも、流体源の上流側で連結可能な地上管(22)、前記地上管(22)に下流側で連結された地上弁(21)及び前記地上弁(21)に連結された地上通路(28)を含む地上プレート(26)を有する地上モジュール(20)と、
・少なくとも、前記スラスタのタンクに下流側で連結可能な機上管(38)、前記機上管(38)に上流側で連結された機上弁(36)及び前記機上管(38)に連結された機上通路(34)を含む機上プレート(32)を有する機上モジュール(30)と、
・前記機上モジュール(30)と前記地上モジュール(20)との間に設けられていて、前記地上通路(28)と前記機上通路(34)とを流体連通させることができる油圧結合システム(40)と、前記油圧結合システム(40)周りで前記機上プレート(32)と前記地上プレート(26)との間に配置された第1の環状エンクロージャ(50)とを有し、吸引手段に連結されると、前記第1の環状エンクロージャ(50)は、前記機上プレート(32)と前記地上プレート(26)を相互連結位置に保持することができるようになっている、燃料補給装置。
【請求項2】
前記第1のクロージャ(50)は、前記油圧結合システム(40)を包囲すると共に前記機上プレート(32)及び前記地上プレート(26)に当接した端部を有する第1の環状ベロー(52)によって構成されている、請求項1記載の燃料補給装置。
【請求項3】
前記地上プレート(26)は、前記第1のエンクロージャ(50)に通じると共に前記吸引手段に連結されるのに適した開口部(54)を有する、請求項1又は2記載の燃料補給装置。
【請求項4】
前記燃料補給装置は、高圧に連結されるのに適していて、前記油圧結合システム(40)周りで前記機上プレート(32)と前記地上プレート(26)との間に配置された第2の環状エンクロージャ(60)を更に有し、前記第1の環状エンクロージャ(50)は、前記第2の環状エンクロージャ周りに配置されている請求項1〜3のうちいずれか一に記載の燃料補給装置。
【請求項5】
前記地上弁(21)を開放する指令が前記機上弁(36)を開放する指令を生じさせ、前記地上弁(21)を閉鎖する指令が前記機上弁(36)を閉鎖する指令を生じさせる、請求項1〜4のうちいずれか一に記載の燃料補給装置。
【請求項6】
前記機上弁(36)を開放する指令が前記地上弁(21)を開放する指令を生じさせ、前記機上弁(36)を閉鎖する指令が前記地上弁(21)を閉鎖する指令を生じさせる、請求項1〜5のうちいずれか一に記載の燃料補給装置。
【請求項7】
前記燃料補給装置は、前記機上プレート(32)と前記地上プレート(26)との間に、前記発射装置が離昇している間又は前記発射装置の離昇に先立って、開放するのに適した機械式ロックシステム(70)を更に有する、請求項1〜6のうちいずれか一に記載の燃料補給装置。
【請求項8】
前記機械式ロックシステムは、前記第1の環状エンクロージャ(50)の各側に、前記連結位置において前記機上プレート(32)に当接する底端部(72a)を備えた解除フォーク(72)を有し、前記解除フォーク(72)の頂端部(72b)は、前記地上プレート(26)に固定された地上ピン(29)回りに回動するよう設けられていて、前記地上ピン(29)回りの前記解除フォーク(72)の回動により、前記地上プレート(26)と前記機上プレート(32)が互いに引き離され、又この逆の関係が成り立つようになっている、請求項7記載の燃料補給装置。
【請求項9】
前記機械式ロックシステムは、前記第1の環状エンクロージャ(50)の各側に、前記地上ピン(29)回りに回動する際に、前記地上プレート(26)と前記機上プレート(32)を結合することがない開放位置と、閉鎖位置との間で動くことができるロックフィンガ(74)を更に有し、前記閉鎖位置では、前記ロックフィンガ(74)の頂端部(74a)によって構成されるハウジング(74b)が前記機上プレート(32)に固定された機上ピン(31)を受け入れることにより前記地上プレート(26)と前記機上プレート(32)が結合される、請求項8記載の燃料補給装置。
【請求項10】
前記機械式ロックシステム(70)は、前記ロックフィンガ(74)の底端部(74c)を互いに連結する連結シャフト(76)を更に有し、制御アクチュエータ(78)の前記ピストンの前記ピストンロッド(78a)の自由端部が前記連結シャフトに取り付けられている、請求項9記載の燃料補給装置。
【請求項11】
・前記地上モジュール(20)は、第1の流体源に上流側で連結可能な第1の地上管(221)、前記第1の地上管(221)に下流側で連結された第1の地上弁(241)、第2の流体源に上流側で連結可能な第2の地上管(222)及び前記第2の地上管(222)に下流側で連結された第2の地上弁(242)を有し、前記地上プレート(26)は、前記第1の地上弁(241)に連結された第1の地上通路(281)及び前記第2の地上弁(242)に連結された第2の地上通路(282)を備え、
・前記機上モジュール(30)は、第1のタンクに上流側で連結可能な第1の機上管(381)、前記第1の機上管(381)に上流側で連結された第1の機上弁(361)、第2のタンクに上流側で連結可能な第2の機上管(382)及び前記第2の機上管(382)に上流側で連結された第2の機上弁(362)を有し、前記機上プレート(32)は、前記第1の機上弁(361)に連結された第1の機上通路(341)及び前記第2の機上弁(362)に連結された第2の機上通路(342)を備え、
・前記油圧結合システム(40)は、第1に、前記第1の地上通路(281)と前記第1の機上通路(341)を流体連通させると共に第2に、前記第2の地上通路(282)と前記第2の機上通路(342)を流体連通させるのに役立つ、請求項1〜10のうちいずれか一に記載の燃料補給装置。
【請求項12】
少なくとも前記通路(281,282,341,342)の一部にわたり、前記第1の地上通路(261)と前記第2の地上通路(282)は、互いに対して同軸であると同様に前記第1の機上通路(341)と前記第2の機上通路(342)は互いに対して同軸である、請求項11記載の燃料補給装置。
【図1】
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図2A】
【図3】
【図3A】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図2A】
【図3】
【図3A】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公表番号】特表2012−521927(P2012−521927A)
【公表日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−502739(P2012−502739)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【国際出願番号】PCT/FR2010/050557
【国際公開番号】WO2010/112736
【国際公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(505277691)スネクマ (567)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【国際出願番号】PCT/FR2010/050557
【国際公開番号】WO2010/112736
【国際公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(505277691)スネクマ (567)
【Fターム(参考)】
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