説明

発振システム

【課題】単一の半導体基板に複数の水晶発振回路が搭載される場合、発振周波数それぞれの相互干渉を低減させて高精度な発振周波数を実現し、かつ、チップサイズの小型化を実現する。
【解決手段】素子形成層(104a,104b)には互いに異なる発振周波数の発振信号を出力するように構成された複数の水晶発振回路(10,20)が形成されるとともに、複数の水晶発振回路(10,20)それぞれがトレンチ構造(100,101)によって互いに電気的に分離されるように配置されている。素子形成層(104a,104b)には複数の水晶発振回路(10,20)それぞれの発振周波数を合成する混合器(30)が形成されるとともに、混合器(30)はトレンチ構造(100)を介して複数の水晶発振回路(10,20)それぞれとは電気的に分離されるように配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高精度な発振周波数偏差とエージング特性を必要とする基地局や小型基地局向けの発振器に関し、特に、複数の水晶発振回路を搭載し、各々の発振周波数を合成して得られる高精度な合成周波数を出力する発振システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、高い通話品質と高エージング(経年変化)特性が求められる基地局向けの発振器やフェムトセルに代表される小型基地局向けの発振器において、新たに小型化や低消費電力化が求められている。なお、現在、基地局向けの発振器としては、周波数精度が高い理由で、OCXO(Oven Controlled Xtal Oscillator)が幅広く使用されている。例えば、特許文献1には、低消費電力化や電源電圧変動に対する周波数変動の抑制のために、電圧レギュレータで温度補償型水晶発振回路を駆動することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−261248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来のOCXOは、基地局の小型化に向けて、その大きさ及びその消費電力の面で依然として課題があった。そこで、単一の半導体基板に複数の水晶発振回路を搭載し、複数の水晶発振回路それぞれの発振周波数を合成することで各々の絶対的な誤差が相殺されて高精度な発振周波数を実現する発振システムが考えられている。このような発振システムによれば、従来のOCXOと比較して、チップサイズを大幅に低減させ、さらに低消費電力化を図ることができる。
【0005】
なお、単一の半導体基板に複数の水晶発振回路が形成される場合、通常のPN接合分離型のLSIプロセスを用いて、複数の水晶発振回路それぞれを半導体基板領域及びP型半導体分離領域によって電気的に分離させる対策が考えられている。しかしながら、このようなPN接合分離型のLSIプロセスを用いた分離方法によれば、異なる水晶発振回路間において形成される寄生容量の直列合成容量の容量値が大きくなり、各々の発振周波数の相互干渉が悪化するという問題が起こり得るため、高精度な発振周波数を実現する発振回路を構築することが困難である。そこで、複数の水晶発振回路それぞれの間の物理的な距離を、各々の発振周波数の相互干渉が問題にならないレベルにまで長くする対策が考えられる。しかしながら、この対策では、複数の水晶発振回路それぞれの間の物理的な距離を長くすることに伴って、チップサイズが増加するという別の問題が生じてしまう。
【0006】
また、複数の水晶発振回路それぞれに含まれる回路素子間の相対的なミスマッチ(性能ばらつき)が、合成周波数の精度を決める重要なファクターである。このため、複数の水晶発振回路それぞれの間の物理的な距離を長くすることに伴って、該複数の水晶発振回路それぞれに含まれる抵抗や容量が半導体基板に配置される位置が互いに近傍の位置とはならず、それらの抵抗や容量の性能ばらつきを増長させる結果となり、合成周波数の精度の悪化を招くこととなる。
【0007】
本発明は、以上の問題点を解決するものであり、単一の半導体基板に搭載される複数の水晶発振回路それぞれを適切に電気的に分離させることで、該複数の水晶発振回路の発振周波数それぞれの相互干渉を低減させることで高精度な発振周波数(合成周波数)を実現し、かつ、チップサイズの小型化を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決するために、本発明の一つの形態(aspect)に係る発振システムは、半導体基板と、前記半導体基板に形成され、互いに異なりかつ互いに合成される発振周波数の発振信号を出力するように構成された複数の水晶発振回路と、前記半導体基板に前記複数の水晶発振回路を互いに電気的に分離するように形成されたトレンチ構造と、を備えるものである。
以上の発振システムにおいて、前記トレンチ構造は、それぞれの前記水晶発振回路を囲むように形成されたトレンチと、当該トレンチを埋めてなる絶縁体とを備える、としてもよい。
以上の発振システムにおいて、前記半導体基板には前記複数の水晶発振回路それぞれの発振周波数を合成する混合器が形成されるとともに、当該混合器は前記トレンチ構造によって前記複数の水晶発振回路それぞれとは電気的に分離されている、としてもよい。
これらの構成によれば、例えば、半導体基板が順に基盤、基盤分離層、及び素子形成層を備え、当該素子形成層に複数の水晶発振回路が形成されている場合、トレンチ構造を介して隣り合う2つの水晶発振回路間に形成される寄生容量は、一方の水晶発振回路に対応する素子形成層と基盤分離層との間の寄生容量及び基盤分離層と基盤との間の寄生容量と、他方の水晶発振回路に対応する素子形成層と基盤分離層との間の寄生容量及び基盤分離層と基盤との間の寄生容量と、が直列に接続された直列合成容量が支配的となる。このため、この直列合成容量を、PN接合分離型のLSIプロセスを用いて当該2つの水晶発振回路を電気的に分離させた場合の直列合成容量と比較した場合、その容量値が低減されている。この結果、一方の水晶発振回路の発振周波数と他方の水晶発振回路の発振周波数との相互干渉が抑制され、それぞれの発振周波数を高精度に保つことができ、ひいては合成周波数の精度を向上することができる。また、直列合成容量の容量値が低減されているので、一方の水晶発振器と他方の水晶発振器との間の距離を短くすることができるので、チップサイズの小型化を図ることが容易となる。
【0009】
前記水晶発振回路は、その入力端とその出力端との間に水晶振動子が接続される反転増幅器と、前記反転増幅器の入力端と出力端との間に接続された第1の帰還抵抗と、前記反転増幅器の入力端と出力端との間に互いに接続され、かつ互いを接続するノードがグランド電位に維持される第1の帰還容量及び第2の帰還容量と、を備える、としてもよい。
この構成によれば、複数の水晶発振回路それぞれが同一の構成で実現されており、複数の発振周波数それぞれの精度を均一化することができ、ひいては合成周波数の精度を向上することができる。
【0010】
前記水晶発振回路は、前記第1の帰還抵抗と並列に接続され、かつ互いに直列に接続された第2の帰還抵抗及び第1のスイッチング素子と、前記反転増幅器の入力端とグランドとの間に互いに直列に接続された第1の固定容量及び第2のスイッチング素子と、前記反転増幅器の出力端とグランドとの間に互いに直列に接続された第2の固定容量及び第3のスイッチング素子とを更に有し、前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子及び前記第3のスイッチング素子とは相補的にオンオフされるように構成され、さらに、一の前記水晶発振器において前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子及び前記第3のスイッチング素子とは相補的にオンオフされる時、その他の前記水晶発振器においても、前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子及び前記第3のスイッチング素子とが相補的にオンオフされるように構成されている、としてもよい。
この構成によれば、複数の水晶発振回路それぞれに含まれる第1のスイッチング素子、第2のスイッチング素子及び第3のスイッチング素子が同期して同様にオンオフすることになるので、例えば、ある1つの水晶発振回路において基本波発振周波数又はオーバートーン発振周波数が選択的に切替えられている場合(発振周波数の変動が大きい場合)、その他の水晶発振回路において同様に発振周波数が切替えられず、多大な影響を与えるような状況を未然に防止できる。
【0011】
前記複数の水晶発振回路をそれぞれ構成する回路素子は、同一の機能の回路素子同士が対称性を有するように配置されている、としてもよい。
この構成によれば、同一の機能の回路素子同士の相対的なミスマッチ(性能ばらつき)を抑制することができ、各発振周波数の精度を均一化することができ、ひいては混合器で得られる合成周波数の精度を向上させることができる。
【0012】
前記複数の水晶発振回路それぞれが前記トレンチ構造を介して隣り合うように配置されている、としてもよい。
【0013】
この構成によれば、複数の水晶発振回路それぞれの回路素子間の相対的なミスマッチ(性能ばらつき)を抑制することができ、各発振周波数の精度を均一化することができ、ひいては混合器で得られる合成周波数の精度を向上させることができる。
【0014】
前記複数の水晶発振回路それぞれに含まれる抵抗及び容量が、前記トレンチ構造を介して隣り合うように配置されている、としてもよい。
この構成によれば、複数の水晶発振回路それぞれに含まれる抵抗及び容量間の相対的なミスマッチ(性能ばらつき)を抑制することができ、各発振周波数の精度を均一化することができ、ひいては混合器で得られる合成周波数の精度を向上させることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、半導体基板に形成される複数の水晶発振回路の間にトレンチ構造を形成して該水晶発振回路それぞれを電気的に分離させることで、複数の発振周波数それぞれの相互干渉を低減させて高精度な合成周波数を実現することができ、かつチップサイズの小型化を実現することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は本発明の実施の形態1に係る発振システムの構成例を示したブロック図である。
【図2】図2は比較形態1に係る発振システムの構成を示したブロック図である。
【図3】図3は図1に示す発振システムの断面構造例を示した図である。
【図4】図4は図2に示す発振システムの断面構造を示した図である。
【図5】図5は図1に示す発振システムの発振周波数f2及び図2に示す発振システムの発振周波数f2の時間的推移を表した波形図である。
【図6】図6は図1に示す発振システムの合成周波数f3及び図2に示す発振システムの合成周波数f3の時間的推移を表した波形図である。
【図7】図7は本発明の実施の形態2に係る発振システムの構成例を示したブロック図である。
【図8】図8は比較形態2に係る発振システムの構成を示したブロック図である。
【図9】図9は図7、図8に示す発振システムの発振周波数f1の態様を表した図である。
【図10】図10は図7、図8に示す発振システムの発振周波数f2の態様を表した図である。
【図11】図11は本発明の実施の形態3に係る発振システムのレイアウト構成例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
【0018】
(実施の形態1)
[発振システムの構成例]
図1は、本発明の実施の形態1に係る発振システムの構成例を示したブロック図である。
【0019】
図1に示すように、実施の形態1の発振システムは、1つの半導体基板110に2つの水晶発振回路10,20(水晶振動子12,22は外付け)及び混合器30が搭載されるように構成されている。
【0020】
水晶発振回路10は、反転増幅器11と、反転増幅器11の入力端と出力端との間に並列に接続された水晶振動子12及び帰還抵抗13と、反転増幅器11の入力端と出力端との間に互いに接続され、かつ互いを接続するノードがグランド電位に維持される2つの帰還容量14,15と、を備えている。
【0021】
水晶発振回路20は、水晶発振回路10と同様の構成である。つまり、反転増幅器21と、反転増幅器21の入力端と入力端との間に並列に接続された水晶振動子22と帰還抵抗23と、反転増幅器21の入力端と出力端との間に互いに接続され、かつ互いを接続するノードがグランド電位に維持される2つの帰還容量24,25と、を備えている。但し、水晶振動子22は水晶振動子12とは共振周波数が異なっている。また、帰還抵抗23は帰還抵抗13とは異なる抵抗値を持っている。帰還容量24,25は帰還容量14,15とは異なる容量値を持っている。
【0022】
以上の構成により、水晶発振回路10は、反転増幅器11から発振周波数f1の発振信号を出力し、水晶発振回路20は、反転増幅器21から発振周波数f1とは異なる発振周波数f2の発振信号を出力する。
【0023】
混合器30は、水晶発振回路10の発振信号(発振周波数f1)と水晶発振回路20の発振信号(発振周波数f2)とが入力され、各発振周波数f1,f2の差である合成周波数f3の発振信号を生成するように構成されている。なお、合成周波数f3の発振信号は、発振システムの後段のロジック回路で構成された信号処理システムにおいて利用される。
【0024】
[発振システムの断面構造例]
図3は、本発明の実施の形態1に係る発振システムの断面構造例を示した図である。なお、図3において、一方の水晶発振回路10から他方の水晶発振回路20へと向う方向をX方向とし、半導体基板110の厚み方向をY方向とする。
【0025】
水晶発振回路10の断面構造は、図3のY方向に沿って、例えば、P型の半導体基板110の基部である基盤102と、基盤102上にN型不純物が高濃度に拡散されるように形成された高濃度のN型の基盤分離層(埋め込み層)103aと、基盤分離層103a上にエピタキシャル成長等により形成されたN型の素子形成層104aとを備えている。なお、素子形成層104aは、水晶発振回路10を構成する回路素子を形成するために設けられた層である。また、素子形成層104aと基盤102との間に基盤分離層103aが形成されることによって、素子形成層104aにおいて形成された水晶発振回路10が半導体基板110の基盤102とは電気的に分離されている。なお、この半導体基板110の断面構造は一例であり、これには限定されない。半導体基板110として、種々の断面構造の半導体基板を用いることができる。
【0026】
同様に、水晶発振回路20の断面構造は、図3のY方向に沿って、P型の半導体基板110の基部である基盤102と、基盤102上にN型不純物が高濃度に拡散されるように形成された高濃度のN型の基盤分離層(埋め込み層)103bと、基盤分離層103b上にエピタキシャル成長等により形成されたN型の素子形成層104bとを備えている。なお、素子形成層104bは、水晶発振回路20を構成する回路素子を形成するために設けられた層である。また、基盤分離層103bが素子形成層104bと基盤102との間に形成されることによって、素子形成層104bにおいて形成された水晶発振回路20が半導体基板110の基盤102と電気的に分離される。
さらに、半導体基板110に2つの水晶発振回路10,20を互いに電気的に分離するようにトレンチ構造が形成されている。なお、トレンチ構造は、それぞれの水晶発振回路10,20を囲むように形成されたトレンチ100と、このトレンチ100を埋めてなる絶縁体101とを備える。絶縁体101の材質は例えばSiOである。トレンチ構造は、2つの水晶発振回路10,20を互いに電気的に分離できればよく、この構造には限定されない。例えば、トレンチ100は、一体的なものに限られず、それぞれの水晶発振回路10,20を完全に取り囲むように複数設けられてもよい。また、トレンチ100は、それぞれの水晶発振回路10,20の周囲の一部を囲むように形成されてもよい。また、トレンチ100の深さ及び幅は、半導体基板110の断面構造に応じて、2つの水晶発振回路10,20を互いに電気的に分離できる態様のものであればよい。なお、本実施の形態では、水晶発振回路10と水晶発振回路20との境界部に設けられたトレンチ100のX方向の幅d1は4.5μmである。
素子形成層104aに形成された水晶発振回路10と素子形成層104bに形成された水晶発振回路20との間がこのトレンチ構造によって電気的に分離されている。具体的には、トレンチ100は、素子形成層(104a,104b)、基盤分離層(103a,103b)、及び半導体基板102の一部を掘削する(切り欠く)ように形成されている。なお、このようなトレンチ100としては、シリコンウエハ上にフォトレジスト(樹脂)を塗布し、酸化膜や金属膜などを物理的または化学的にエッチングする工程により形成されるディープトレンチ(深い溝)を採用することができる。
混合器30は、上記のトレンチ構造を介して水晶発振回路10,20それぞれとは電気的に分離されるように配置されている。これにより、混合器30における発振周波数f1と発振周波数f2との相互干渉が確実に防止できる。
【0027】
以上のような断面構造において、水晶発振回路10の回路素子が形成された素子形成層104aと水晶発振回路20の回路素子が形成された素子形成層104bとの間では、トレンチ構造の下部を回り込むように寄生容量3,4,5,6を介した電流経路が形成される。なお、寄生容量3は、素子形成層104aと基盤分離層103aとの間に形成される容量のことであり、寄生容量4は基盤分離層103aと基盤102との間に形成される容量のことであり、寄生容量5は素子形成層104bと基盤分離層103bとの間に形成される容量のことであり、寄生容量6は基盤分離層103bと基盤102との間に形成される容量のことである。ここで、寄生容量3の容量値をCp3、寄生容量4の容量値をCp4、寄生容量5の容量値をCp5、寄生容量6の容量値をCp6と表すと、直列に接続された寄生容量3,4,5,6の直列合成容量の容量値Cpc1は、次式により表わされる。
Cpc1=1/(1/Cp3+1/Cp4+1/Cp5+1/Cp6)・・・式(1)
なお、水晶発振回路10を形成する素子形成層104aと水晶発振回路20を形成する素子形成層104bとの間においても、寄生容量1’、トレンチ100を埋めてなる絶縁体101、及び寄生容量2’を介した電流経路が形成されている。但し、これらの寄生容量1’,2’は、絶縁体101のX方向の幅d1が短い等の理由により、寄生容量3乃至6よりもその容量値が極めて小さいので、寄生容量3,4,5,6の直列合成容量が支配的な大きさとなっており、水晶発振回路10と水晶発振回路20との間に形成される寄生容量の直列合成容量の算出に際して寄生容量1’,2’は考慮に入れていない。
[比較形態1との対比]
ここで、図1、図3に示した本発明の実施の形態1に係る発振システムの特徴を述べるにあたり、図2、図4を用いて図1、図3に示した発振システムと対比させる比較形態1に係る発振システムを説明する。
【0028】
図2は、比較形態1に係る発振システムの構成を示したブロック図である。図4は、図2に示す発振システムの断面構造を示した図である。図2、図4に示す発振システムは、図1、図3に示す発振システムと同様に、1つの半導体基板110’上に2つの水晶発振回路10’,20’及び混合器30’が搭載されるように構成されている。但し、図2、図4に示す発振システムにおいて、PN接合分離によって水晶発振回路10’と水晶発振回路20’を電気的に分離している点が、図1、図3に示す発振システムとは異なっている。
【0029】
図4によれば、水晶発振回路10’の断面構造は、図4のY方向に沿って、P型の半導体基板110’の基盤102’と、基盤102’上にN型不純物が高濃度に拡散されるように形成された高濃度のN型の基盤分離層103a’と、基盤分離層103a’上にエピタキシャル成長等により形成されたN型の素子形成層104a’とを備えている。なお、素子形成層104a’は、水晶発振回路10’を構成する回路素子を形成するために設けられた層である。水晶発振回路20’の断面構造は、図4のY方向に沿って、P型の半導体基板110’の基盤102’と、基盤102’上に形成されたN型不純物が高濃度に拡散されように形成されたN型の基盤分離層103b’と、基盤分離層103b’上にエピタキシャル成長等により形成されたN型の素子形成層104b’とを備えている。なお、素子形成層104b’において水晶発振回路20’を構成する回路素子が形成されている。
【0030】
水晶発振回路10’及び水晶発振回路20’の周囲には、PN接合分離のために、P型の分離層200が形成されており、この分離層200によって水晶発振回路10’と水晶発振回路20’との間が電気的に分離されている。なお、水晶発振回路10’と水晶発振回路20’との境界に設けられた分離層200のX方向の幅d2は例えば1.0μmである。
【0031】
比較形態1において、水晶発振回路10’を形成する素子形成層104a’と水晶発振回路20’を形成する素子形成層104b’との間で、寄生容量1、分離層200、及び寄生容量2を介した電流経路が形成されている。寄生容量1は、素子形成層104a’と分離層200との間のPN接合によって発生する容量のことであり、寄生容量2は、素子形成層104a’と分離層200との間のPN接合によって発生する容量のことである。ここで、寄生容量1の容量値をCp1、寄生容量2の容量値をCp2と表したとき、直列に接続された寄生容量1、2の直列合成容量の容量値Cpc2は、次式により表わされる。
Cpc2=1/(1/Cp1 + 1/Cp2)・・・式(2)
なお、比較形態1においても、本発明の実施の形態1と同様に、水晶発振回路10’の回路素子が形成された素子形成層104a’と水晶発振回路20’の回路素子が形成された素子形成層104b’との間では、寄生容量3’,4’,5’,6’を介した電流経路が形成されている。但し、これらの寄生容量3’,4’,5’,6’は、分離層200のX方向の幅d2が長い等の理由により、寄生容量1、2よりもその容量値が極めて小さいので、寄生容量1、2の容量値が支配的な大きさとなっており、水晶発振回路10’と水晶発振回路20’との間に形成される寄生容量の直列合成容量の容量値Cpc2の算出に際して寄生容量3’乃至6’は考慮に入れていない。
【0032】
ここで、本発明の実施の形態1における式(1)で表される直列合成容量の容量値Cpc1と比較形態1における式(2)で表される直列合成容量の容量値Cpc2とを比較する。寄生容量1乃至6(1’乃至6’)の容量値それぞれが仮に同一の容量値であるとすると、式(1)で表される直列合成容量の容量値Cpc1は、式(2)で表される比較形態1の直列合成容量の容量値Cpc2の半分になることが分かる。
【0033】
言い換えると、本発明の実施の形態1に係る発振システムによれば、比較形態1の発振システムと比べて、水晶発振回路10と水晶発振回路20との間に形成される寄生容量の直列合成容量の容量値Cpc1が低減されており、この結果、水晶発振回路10の発振周波数f1と水晶発振回路20の発振周波数f2との相互干渉が抑制される。従って、発振周波数f1,f2それぞれの精度を高精度に保つことができ、ひいては発振周波数f1,f2を合成して得られる発振周波数差(合成周波数)の精度を向上することができる。
【0034】
つぎに、図5、図6を用いて、本発明の実施の形態1及び比較形態1それぞれのシミュレーション結果を対比して説明する。
【0035】
図5は、水晶発振回路10の発振周波数f1を基準とした、図1に示す水晶発振回路20の発振周波数f2、及び図2に示す水晶発振回路20’の発振周波数f2の時間的推移を表した波形図である。図5では、図2に示す水晶発振回路20’は規定の80MHzから+200ppb(parts per billion)相対的にズレた発振周波数f2で発振しているが、図1に示す水晶発振回路20は規定の80MHzから+200ppbよりも小さい+100ppb相対的にズレた発振周波数f2で発振していることを表している。
【0036】
図6は、規定の合成周波数f3を基準とした、図1に示す発振システムの合成周波数f3、及び図2に示す発振システムの合成周波数f3の時間的推移を表した波形図である。図6では、図2に示す発振システムは規定の2MHzから+200ppb相対的にズレた合成周波数f3の発振信号を出力しているが、図1に示す発振システムは規定の2MHzから+200ppbよりも小さい+100ppb相対的にズレた合成周波数f3の発振信号を出力していることを表している。
【0037】
図5、図6に示されるように、本発明の実施の形態1と比較形態1のどちらの場合であっても、一方の水晶発振回路(10,10’)と他方の水晶発振回路(20,20’)との間の寄生容量の直列合成容量を介して、発振周波数f2が発振周波数f1の影響を受けて、規定の80MHzから微小なズレを引き起こしている。この結果として、発振周波数f1と発振周波数f2とを合成して得られる合成周波数f3(発振周波数f1と発振周波数f2との差)においても同量のズレが引き起こされ、このような合成周波数f3の発振信号が後段の信号処理システムへと入力されることになる。
【0038】
ここで、比較形態1の場合、キャパシタの容量値は一般的に距離に反比例(=比例定数/距離)することが知られているので、分離層200のX方向の幅d2を長くすれば(以上の例では4.5μm)、寄生容量1の容量値Cp1及び寄生容量2の容量値Cp2が減少するとともに、式(2)で表された直列合成容量の容量値Cpc2が減少することになる。しかし、分離層200の幅d2を長くすることにより、同一の半導体基板102上における水晶発振回路10及び水晶発振回路20の各回路素子の配置の位置が異なってくるので、同一の機能の回路素子であっても特性上の相対的なミスマッチが生じることになり、発振周波数f1に対する発振周波数f2のズレ、ひいては合成周波数f3のズレが大きくなる。
これに対し、本発明の実施の形態1の場合、比較形態1と対比して、水晶発振回路10と水晶発振回路20との間に寄生的に形成される直列合成容量の容量値が低減されているので(図5、図6の例では、水晶発振回路10と水晶発振回路20との間の寄生容量の直列合成容量が1/2に低減されている)、トレンチ構造のX方向の幅d1を抑えることができる(以上の例では1.0μm)。そして、比較形態1の構造の合成周波数f3のズレであった+200ppbから+100ppbにまで低減することができ、このような合成周波数f3の発振信号を後段の信号処理システムに供給可能となる。
[変形例]
以上の説明では、単一の半導体基板110上に2つの水晶発振回路10,20が搭載された例を示したが、互いに異なる発振周波数の発振信号を出力するように構成された3つ以上の水晶発振回路が搭載されてもよい。この場合、3つ以上の水晶発振回路それぞれが絶縁体101が埋め込まれたトレンチ100(すなわち、トレンチ構造)によって電気的に分離されることになる。
また、混合器30において生成される合成周波数f3は、2つの水晶発振回路10,20からそれぞれ出力された発振信号の発振周波数f1,f2の差としているが、それ以外に例えば発振周波数f1,f2の和であってもよい。また、3つ以上の水晶発振回路においても発振周波数f1,f2の差に限らない。
【0039】
また、半導体基板の表面にIC用埋め込み層(基盤分離層)を形成した後にエピタキシャル成長させた所謂埋め込み層付エピタキシャル基板を例に挙げて説明しているが、半導体基板上に複数の半導体層が形成され、それらの層間に寄生容量が形成されるような断面構造を持つ場合にも適用される。
【0040】
(実施の形態2)
[発振システムの構成例]
図7は、本発明の実施の形態2に係る発振システムの構成例を示すブロック図である。
図7に示す発振システムが、図1に示す発振システムと相違する点は、水晶発振回路10及び水晶発振回路20の構成の中で新たな部品が追加されている点である。
【0041】
具体的には、水晶発振回路10において、帰還抵抗13と並列に接続され、かつ直列に接続された帰還抵抗17及びスイッチング素子18と、反転増幅器11の入力端とグランドとの間に直列に接続された固定容量15a及びスイッチング素子16aと、反転増幅器11の出力端とグランドとの間に直列に接続された固定容量15b及びスイッチング素子16bと、が新たに設けられている。
【0042】
なお、スイッチング素子16a,16bとスイッチング素子18とは、制御信号S1とその論理反転信号/S1に基づいて相補的にオンオフされるように構成されている。つまり、水晶発振回路10は、制御信号S1とその論理反転信号/S1に基づいてスイッチング素子16a,16bとスイッチング素子18とを相補的にオンオフさせることで、帰還抵抗(13,17)の合成抵抗値又は帰還容量(14a,14b,15a,15b)の直列合成容量値を切替えられるように構成されている。この結果、単一の水晶振動子12が設けられる場合でも、発振周波数f1を基本波発振周波数又はオーバートーン発振周波数(基本波発振周波数に対する高次の周波数)に選択的に切り替えることが可能となっている。
【0043】
水晶発振回路20の構成は水晶発振回路10と同様である。具体的には、水晶発振回路20において、帰還抵抗23と並列に接続されるように直列に接続された擬似帰還抵抗27及び擬似スイッチング素子28と、反転増幅器21の入力端とグランドとの間に直列に接続された擬似固定容量25a及び擬似スイッチング素子26aと、反転増幅器21の出力端とグランドとの間に直列に接続された擬似固定容量25b及び擬似スイッチング素子26bと、が新たに設けられている。
【0044】
なお、擬似帰還抵抗27及び擬似スイッチング素子28と、擬似固定容量25a及び擬似スイッチング素子26aと、擬似固定容量25b及び擬似スイッチング素子26bとは、それぞれ帰還抵抗17及びスイッチング素子18と、固定容量15a及びスイッチング素子16aと、固定容量15b及びスイッチング素子16bとを模擬した回路素子のことである。よって、擬似スイッチング素子25a,25bと擬似スイッチング素子27とは、制御信号S1とその論理反転信号/S1に基づいて相補的にオンオフされるように構成されている。
【0045】
ここで、混合器30から出力される合成周波数f3の必要な精度に応じて設計された水晶発振回路10のスイッチング素子(16a,16b,18)の各種の条件が、水晶発振回路20の疑似スイッチング素子(26a,26b、28)についても反映されている。これにより、水晶発振回路20においる擬似スイッチング素子(26a,26b、28)のオンオフ動作に伴うオン抵抗及び寄生容量を、水晶発振回路10におけるスイッチング素子(16a,16b,18)のオンオフ動作に伴うオン抵抗及び寄生容量と同一のものとすることができ、高精度な合成周波数f3を実現することが容易となる。
【0046】
[比較形態2との対比]
ここで、図7に示した本発明の実施の形態2に係る発振システムの特徴を述べるにあたり、図8を用いて図7に示す発振システムと対比させる比較形態2に係る発振システムを説明する。
【0047】
図8に示す比較形態2に係る発振システムが、図7に示す発振システムと相違する点は、水晶発振回路20’の構成において、擬似帰還抵抗27及び擬似スイッチング素子28と、擬似固定容量25a及び擬似スイッチング素子26aと、擬似固定容量25b及び擬似スイッチング素子26bとが設けられていない点である。つまり、図2に示す発振システムの構成から変化していない。
【0048】
つぎに、図9、図10を用いて、本発明の実施の形態2及び比較形態2のシミュレーション結果を対比して説明する。
【0049】
図9は、水晶発振回路10から出力される発振信号の発振周波数f1の態様を表した図である。同図では、制御信号S1とその論理反転信号/S1に基づいて、基本波発振周波数である26MHzと、3次のオーバートーン発振周波数である78MHzとが適宜のタイミングで交互に切り替えられる形態を表している。
【0050】
図10は、水晶発振回路20から出力される発振信号の発振周波数f2の態様を表した図である。同図において、水晶発振回路20から出力される発振信号の発振周波数f2は、理論上、水晶発振回路10の周波数の切り替えに関わらず、規定の80MHzの周波数を一定に保ったままである。但し、水晶発振回路10と水晶発振回路20との間に形成される寄生容量の直列合成容量を介することにより、発振周波数f2が発振周波数f1の影響を受けることになる。
【0051】
ここで、本発明の実施の形態2によれば、比較形態2の構造と対比して、水晶発振回路10と水晶発振回路20との間に寄生的に形成される直列合成容量の容量値が低減されているので(図10の例では、水晶発振回路10と水晶発振回路20との間の寄生容量の直列合成容量が1/2に低減されている)、比較形態2の発振周波数f2のズレであった+200ppbから+100ppbにまで低減することができ、後段の信号処理システムに供給される合成周波数f3のズレ量も同様に低減することができる。
【0052】
(実施の形態3)
図11は本発明の実施の形態3に係る発振システムのレイアウト構成例を示した図である。
【0053】
図11に示す発振システムの構成は、実施の形態1又は実施の形態2と同様である。
【0054】
図11に示すように、水晶発振回路10,20の回路素子のレイアウト配置に関し、水晶発振回路10および水晶発振回路20がトレンチ構造を介して隣り合うように配置されている。このような配置は、水晶発振回路10の発振周波数f1と水晶発振回路20の発振周波数f2との間の相互干渉が抑制されているので可能となっている。従って、図11に示す発振システムを実施の形態1又は実施の形態2のように構成することで、発振システムを集積化したLSI50の微細化が容易となっている。
【0055】
また、図11中の対照線(A−A’)を境界として、水晶発振回路10の帰還抵抗13、帰還容量14及び反転増幅器11と、水晶発振回路20の帰還抵抗23、帰還容量24及び反転増幅器21と、が互いに線対称となるように対称性を有して配置されている。このような配置により、水晶発振回路10の帰還抵抗13、帰還容量14、及び反転増幅器11と、水晶発振回路20の帰還抵抗23、帰還容量24、及び反転増幅器21との相対的なミスマッチ(性能ばらつき)を抑制することができ、発振周波数f1,f2それぞれの精度を均一化することができ、ひいては混合器30で得られる合成周波数f3の高精度化が図られることになる。
【0056】
また、図11中の対照線(A−A’)の近傍に、水晶発振回路10の帰還抵抗13及び帰還容量14と水晶発振回路20の帰還抵抗23及び帰還容量24とがそれぞれ配置されている。これにより、発振周波数f1と発振周波数f2との相対的な誤差の大きな要因の一つとなっている、帰還抵抗13,23の抵抗値の相対的な誤差及び帰還容量14,24の容量値の相対的な誤差を低減することが可能となる。
【0057】
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明の発振システムは、複数の水晶発振回路を搭載し、各々の発振周波数を合成して得られる高精度な合成周波数を出力する発振システム等として有用である。
【符号の説明】
【0059】
1〜6…寄生容量
f1…発振周波数(第1の発振周波数)
f2…発振周波数(第2の発振周波数)
f3…合成周波数
10、20…水晶発振回路
100…トレンチ
101…絶縁体
102…基盤
103a…基盤分離層
103b…基盤分離層
104a…素子形成層
104b…素子形成層
110 半導体基板
11、21…反転増幅器
12、22…水晶振動子
13、23…帰還抵抗(第1の帰還抵抗)
14a、24a…帰還容量(第1の帰還容量)
14b、24b…帰還容量(第2の帰還容量)
15a、25a…固定容量(第1の固定容量)
15b、25b…固定容量(第2の固定容量)
16a、26a…スイッチング素子(第2のスイッチング素子)
16b、26b…スイッチング素子(第3のスイッチング素子)
17、27…帰還抵抗(第2の帰還抵抗)
18、28…スイッチング素子(第1のスイッチング素子)
30…混合器
50…LSI
200…分離層


【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、
前記半導体基板に形成され、互いに異なりかつ互いに合成される発振周波数の発振信号を出力するように構成された複数の水晶発振回路と、
前記半導体基板に前記複数の水晶発振回路を互いに電気的に分離するように形成されたトレンチ構造と、を備える発振システム。
【請求項2】
前記トレンチ構造は、それぞれの前記水晶発振回路を囲むように形成されたトレンチと、当該トレンチを埋めてなる絶縁体とを備える、請求項1に記載の発振システム。
【請求項3】
前記半導体基板には前記複数の水晶発振回路それぞれの発振周波数を合成する混合器が形成されるとともに、当該混合器は前記トレンチ構造によって前記複数の水晶発振回路それぞれとは電気的に分離されている、請求項1に記載の発振システム。
【請求項4】
前記水晶発振回路は、
その入力端とその出力端との間に水晶振動子が接続される反転増幅器と、
前記反転増幅器の入力端と出力端との間に接続された第1の帰還抵抗と、
前記反転増幅器の入力端と出力端との間に互いに接続され、かつ互いを接続するノードがグランド電位に維持される第1の帰還容量及び第2の帰還容量と、
を備える、請求項1に記載の発振システム。
【請求項5】
前記水晶発振回路は、
前記第1の帰還抵抗と並列に接続され、かつ互いに直列に接続された第2の帰還抵抗及び第1のスイッチング素子と、
前記反転増幅器の入力端とグランドとの間に互いに直列に接続された第1の固定容量及び第2のスイッチング素子と、
前記反転増幅器の出力端とグランドとの間に互いに直列に接続された第2の固定容量及び第3のスイッチング素子とを更に有し、
前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子及び前記第3のスイッチング素子とは相補的にオンオフされるように構成され、
さらに、一の前記水晶発振器において前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子及び前記第3のスイッチング素子とは相補的にオンオフされる時、その他の前記水晶発振器においても、前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子及び前記第3のスイッチング素子とが相補的にオンオフされるように構成されている、請求項4に記載の発振システム。
【請求項6】
前記複数の水晶発振回路をそれぞれ構成する回路素子は、同一の機能の回路素子同士が対称性を有するように配置されている、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の発振システム。
【請求項7】
前記複数の水晶発振回路それぞれが前記トレンチ構造を介して隣り合うように配置されている、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の発振システム。
【請求項8】
前記複数の水晶発振回路それぞれに含まれる抵抗及び容量が、前記トレンチ構造を介して隣り合うように配置されている、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の発振システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−205180(P2012−205180A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−69423(P2011−69423)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】