説明

発振周波数制御回路、その発振周波数制御回路を有するDC−DCコンバータ及び半導体装置

【課題】デジタルオーディオ回路で使用する第1クロック信号CLKAとDC−DCコンバータで使用する第2クロック信号CLKBとの周波数差によって生ずる可聴周波数帯域のノイズ信号を除去することができる発振周波数制御回路、その発振周波数制御回路を有するDC−DCコンバータ及び半導体装置を得る。
【解決手段】発振周波数制御回路23は、第1クロック信号CLKAの第1周波数FAと第2クロック信号CLKBの第2周波数FBとの差が可聴周波数帯域に入ると、第2発振回路21に対して、該帯域に留まらないように第2周波数FBを変化させるようにし、第2周波数FBが可聴周波数帯域に入った場合は、第2発振回路21に対して、第2周波数FBを上昇させて最大可聴周波数以下にならないようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルオーディオ回路と該回路に給電を行うスイッチングレギュレータ等からなるDC−DCコンバータ及びそのDC−DCコンバータを有する半導体装置に関し、特に該DC−DCコンバータに使用する発振回路の発振周波数制御回路に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルオーディオ回路とその電源回路に関する従来技術としては、パワーアンプの電源電圧変動を検出してスイッチングレギュレータにフィードバックする制御ループに加えて、パワーアンプを駆動制御する元となるPWM信号を用いてスイッチングレギュレータにフィードフォワードする制御ループを設け、フィードバック制御だけではなくフィードフォワード制御も合わせて行うことで、より電源電圧の変動を有効に制御できるようにしたものがあった(例えば、特許文献1参照。)。
また、出力増幅段に電源を供給する定電圧電源回路と、PCMマルチビットデジタルオーディオ入力信号と出力増幅段の出力信号を比較し、該比較結果を元に定電圧電源回路の出力を変調する変調回路を備え、出力増幅段による歪を低減しているものがあった(例えば、特許文献2参照。)。
【0003】
しかし、前記のような従来技術では、オーディオ出力に応じて、電源回路からの出力電圧の変動を補正するようにしているが、電源回路に用いるDC−DCコンバータをなすスイッチングレギュレータのスイッチング用クロック信号の周波数に関しては何ら考慮されていなかった。
また、増幅回路に供給する電源の電圧を増幅回路の出力電圧に応じて変化させる他、電源に使用するスイッチングレギュレータのスイッチングによるノイズの基本波成分と高調波成分を、チューナ部で選局する信号の周波数、及びチューナ部で得られる信号の周波数と異なる周波数にしてノイズの影響を軽減するものがあった(例えば、特許文献3参照。)。しかし、この場合、チューナ部におけるノイズに対しては考慮されているものの、オーディオ回路におけるノイズ対策は行われていなかった。
【0004】
図8は、デジタルオーディオシステムの従来例を示したブロック図である。
図8のシステムは、デジタルオーディオ回路101、電源回路であるDC−DCコンバータ102、及びスピーカSPで構成されている。
デジタルオーディオ回路101は、第1発振回路111、デジタルフィルタ112、ΔΣモジュレータ113、D/Aコンバータ114及び出力アンプ115を備えており、DC−DCコンバータ102は、第2発振回路121及び制御回路122を備えている。
【0005】
DC−DCコンバータ102は、入力電圧Vinから生成した出力電圧Vddを、デジタルオーディオ回路101内の各回路の電源として出力している。第1発振回路111から出力された第1クロック信号CLKAは、D/Aコンバータ114に入力され、D/A変換時のクロック信号として使用される。第2発振回路121から出力された第2クロック信号CLKBは、制御回路122に入力され、制御回路122内の図示しないスイッチ素子のオン/オフ制御に使用される。
【特許文献1】特開2002−223132号公報
【特許文献2】特開2004−128662号公報
【特許文献3】特開平9−266424号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、図9は、出力アンプ115に発生するノイズの周波数成分例を示した図である。
図9で示すように、第1発振回路111から出力された第1クロック信号CLKAの周波数を2MHzとし、第2発振回路121から出力される第2クロック信号CLKBの周波数を2.001MHzとすると、第1クロック信号CLKAの周波数である2MHzと第2クロック信号CLKBの周波数である2.001MHzに大きなノイズ成分が発生する。更に、2MHzと2.001MHzの差である1kHzにもノイズ成分が発生する。
人間の可聴周波数帯域は20Hzから20kHzと言われており、前記のような2MHzと2.001MHzのノイズは人間の耳には聞こえないので問題はないが、前記の1kHzのノイズは聞こえてしまう。
【0007】
通常、D/Aコンバータ114で使用する第1発振回路111は、水晶発振回路等のような極めて発振周波数が安定したものを使用するが、DC−DCコンバータ102で使用する第2発振回路121には、安価なCR発振回路を使用することが多い。CR発振回路は、駆動電圧や温度変動に対して周波数が変動しやすく、また製造バラツキも大きいため、第1クロック信号CLKAの周波数と第2クロック信号CLKBの周波数が接近している場合、温度変動や製造バラツキによって、該各周波数の差の絶対値が可聴周波数帯域の最高周波数(20kHz)以下になると、前記したように出力アンプ115から可聴周波数帯域内のノイズ信号が出力され、雑音として聞こえてしまうという問題があった。
【0008】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、デジタルオーディオ回路で使用する第1クロック信号CLKAとDC−DCコンバータで使用する第2クロック信号CLKBとの周波数差によって生ずる可聴周波数帯域のノイズ信号を除去することができる発振周波数制御回路、その発振周波数制御回路を有するDC−DCコンバータ及び半導体装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係る発振周波数制御回路は、入力された制御信号に応じた第2周波数の第2クロック信号を生成して出力する第2発振回路に対して、該第2周波数の制御を行う発振周波数制御回路において、
外部の第1発振回路で生成された第1クロック信号における所定の第1周波数と前記第2周波数との差の検出を行い、該検出結果を示す信号を生成して出力する周波数差検出回路部と、
該周波数差検出回路部の出力信号に応じて、前記第1周波数と前記第2周波数との差の絶対値が所定値を超えるように、前記第2発振回路に対して、前記第2クロック信号の周波数制御を行う周波数制御回路部と、
を備えるものである。
【0010】
具体的には、前記周波数差検出回路部は、
前記第1クロック信号を1/N(Nは、N>1の整数)に分周して第1分周クロック信号を生成して出力する第1分周回路と、
前記第2クロック信号を1/(N+1)に分周して第2分周クロック信号を生成して出力する第2分周回路と、
前記第2クロック信号を1/(N−1)に分周して第3分周クロック信号を生成して出力する第3分周回路と、
前記第1分周クロック信号と前記第2分周クロック信号との周波数を比較し、該比較結果を示す信号を生成して出力する第1周波数比較回路と、
前記第1分周クロック信号と前記第3分周クロック信号との周波数を比較し、該比較結果を示す信号を生成して出力する第2周波数比較回路と、
を備え、
前記周波数制御回路部は、前記第1周波数比較回路と第2周波数比較回路の各出力信号に応じて前記第1周波数と前記第2周波数との差の絶対値が所定値を超えるように、前記第2発振回路に対して、前記第2クロック信号の周波数制御を行うようにした。
【0011】
この場合、前記周波数制御回路部は、前記第2発振回路が第2周波数を上昇させているか又は低下させているかという動作状態の検出を行い、前記第1周波数比較回路が、前記第2分周クロック信号の周波数が前記第1分周クロック信号の周波数よりも低いことを検出すると共に、前記第2周波数比較回路が、前記第3分周クロック信号の周波数が前記第1分周クロック信号の周波数よりも高いことを検出すると、検出した前記動作状態を維持するように第2発振回路の動作を制御するようにした。
【0012】
また、前記周波数制御回路部は、前記第1周波数比較回路が、前記第2分周クロック信号の周波数が前記第1分周クロック信号の周波数よりも高いことを検出するか、又は前記第2周波数比較回路が、前記第3分周クロック信号の周波数が前記第1分周クロック信号の周波数よりも低いことを検出すると、前記第2発振回路に対する制御動作を停止するようにした。
【0013】
また、前記周波数差検出回路部は、前記第1分周クロック信号と前記第2クロック信号との周波数を比較し、該比較結果を示す信号を生成して出力する第3周波数比較回路を備え、前記周波数制御回路部は、該第3周波数比較回路が、前記第2クロック信号の第2周波数が前記第1分周クロック信号の周波数よりも低いことを検出すると、前記第2発振回路に対して、前記第1周波数比較回路及び第2周波数比較回路の検出結果に関係なく前記第2クロック信号の第2周波数を上昇させるようにしてもよい。
【0014】
また、前記所定値は、可聴周波数帯域の最高周波数であるようにした。
【0015】
また、この発明に係るDC−DCコンバータは、入力された制御信号に応じた第2周波数の第2クロック信号を生成して出力する第2発振回路と、
該第2発振回路からの第2クロック信号に基づいて、前記スイッチング電源回路におけるスイッチ素子に対してスイッチング制御を行い、入力された電圧を所定の定電圧に変換して出力する制御回路と、
前記第2発振回路に対して、前記第2クロック信号の周波数制御を行う発振周波数制御回路と、
を備え、
前記発振周波数制御回路は、
外部の第1発振回路で生成された第1クロック信号における所定の第1周波数と前記第2周波数との差の検出を行い、該検出結果を示す信号を生成して出力する周波数差検出回路部と、
該周波数差検出回路部の出力信号に応じて、前記第1周波数と前記第2周波数との差の絶対値が所定値を超えるように、前記第2発振回路に対して、前記第2クロック信号の周波数制御を行う周波数制御回路部と、
を備えるものである。
【0016】
具体的には、前記周波数差検出回路部は、
前記第1クロック信号を1/N(Nは、N>1の整数)に分周して第1分周クロック信号を生成して出力する第1分周回路と、
前記第2クロック信号を1/(N+1)に分周して第2分周クロック信号を生成して出力する第2分周回路と、
前記第2クロック信号を1/(N−1)に分周して第3分周クロック信号を生成して出力する第3分周回路と、
前記第1分周クロック信号と前記第2分周クロック信号との周波数を比較し、該比較結果を示す信号を生成して出力する第1周波数比較回路と、
前記第1分周クロック信号と前記第3分周クロック信号との周波数を比較し、該比較結果を示す信号を生成して出力する第2周波数比較回路と、
を備え、
前記周波数制御回路部は、前記第1周波数比較回路と第2周波数比較回路の各出力信号に応じて前記第1周波数と前記第2周波数との差の絶対値が所定値を超えるように、前記第2発振回路に対して、前記第2クロック信号の周波数制御を行うようにした。
【0017】
この場合、前記周波数制御回路部は、前記第2発振回路が第2周波数を上昇させているか又は低下させているかという動作状態の検出を行い、前記第1周波数比較回路が、前記第2分周クロック信号の周波数が前記第1分周クロック信号の周波数よりも低いことを検出すると共に、前記第2周波数比較回路が、前記第3分周クロック信号の周波数が前記第1分周クロック信号の周波数よりも高いことを検出すると、検出した前記動作状態を維持するように第2発振回路の動作を制御するようにした。
【0018】
また、前記周波数制御回路部は、前記第1周波数比較回路が、前記第2分周クロック信号の周波数が前記第1分周クロック信号の周波数よりも高いことを検出するか、又は前記第2周波数比較回路が、前記第3分周クロック信号の周波数が前記第1分周クロック信号の周波数よりも低いことを検出すると、前記第2発振回路に対する制御動作を停止するようにした。
【0019】
また、前記周波数差検出回路部は、前記第1分周クロック信号と前記第2クロック信号との周波数を比較し、該比較結果を示す信号を生成して出力する第3周波数比較回路を備え、前記周波数制御回路部は、該第3周波数比較回路が、前記第2クロック信号の第2周波数が前記第1分周クロック信号の周波数よりも低いことを検出すると、前記第2発振回路に対して、前記第1周波数比較回路及び第2周波数比較回路の検出結果に関係なく前記第2クロック信号の第2周波数を上昇させるようにしてもよい。
【0020】
また、前記所定値は、可聴周波数帯域の最高周波数であるようにした。
【0021】
また、前記第2発振回路は、前記第1発振回路よりも周波数安定度が低いものであるようにした。
【0022】
また、前記制御回路は、前記スイッチ素子に対してPFM制御を行うようにしてもよい。
【0023】
また、この発明に係る半導体装置は、入力されたデジタル信号をアナログのオーディオ信号にD/A変換するデジタルオーディオ回路と、スイッチング電源回路からなるDC−DCコンバータとを備えた半導体装置において、
前記D/A変換を行うために使用する第1周波数の第1クロック信号を生成して出力する第1発振回路と、
前記スイッチング電源回路におけるスイッチ素子に対してスイッチング制御を行う際に使用する第2周波数の第2クロック信号を生成して出力する第2発振回路と、
該第2発振回路に対して、前記第2クロック信号の周波数制御を行う発振周波数制御回路と、
を備え、
前記発振周波数制御回路は、
前記第1発振回路で生成された第1クロック信号における所定の第1周波数と前記第2周波数との差の検出を行い、該検出結果を示す信号を生成して出力する周波数差検出回路部と、
該周波数差検出回路部の出力信号に応じて、前記第1周波数と前記第2周波数との差の絶対値が所定値を超えるように、前記第2発振回路に対して、前記第2クロック信号の周波数制御を行う周波数制御回路部と、
を備えるものである。
【0024】
具体的には、前記周波数差検出回路部は、
前記第1クロック信号を1/N(Nは、N>1の整数)に分周して第1分周クロック信号を生成して出力する第1分周回路と、
前記第2クロック信号を1/(N+1)に分周して第2分周クロック信号を生成して出力する第2分周回路と、
前記第2クロック信号を1/(N−1)に分周して第3分周クロック信号を生成して出力する第3分周回路と、
前記第1分周クロック信号と前記第2分周クロック信号との周波数を比較し、該比較結果を示す信号を生成して出力する第1周波数比較回路と、
前記第1分周クロック信号と前記第3分周クロック信号との周波数を比較し、該比較結果を示す信号を生成して出力する第2周波数比較回路と、
を備え、
前記周波数制御回路部は、前記第1周波数比較回路と第2周波数比較回路の各出力信号に応じて前記第1周波数と前記第2周波数との差の絶対値が所定値を超えるように、前記第2発振回路に対して、前記第2クロック信号の周波数制御を行うようにした。
【0025】
この場合、前記周波数制御回路部は、前記第2発振回路が第2周波数を上昇させているか又は低下させているかという動作状態の検出を行い、前記第1周波数比較回路が、前記第2分周クロック信号の周波数が前記第1分周クロック信号の周波数よりも低いことを検出すると共に、前記第2周波数比較回路が、前記第3分周クロック信号の周波数が前記第1分周クロック信号の周波数よりも高いことを検出すると、検出した前記動作状態を維持するように第2発振回路の動作を制御するようにした。
【0026】
また、前記周波数制御回路部は、前記第1周波数比較回路が、前記第2分周クロック信号の周波数が前記第1分周クロック信号の周波数よりも高いことを検出するか、又は前記第2周波数比較回路が、前記第3分周クロック信号の周波数が前記第1分周クロック信号の周波数よりも低いことを検出すると、前記第2発振回路に対する制御動作を停止するようにした。
【0027】
また、前記周波数差検出回路部は、前記第1分周クロック信号と前記第2クロック信号との周波数を比較し、該比較結果を示す信号を生成して出力する第3周波数比較回路を備え、前記周波数制御回路部は、該第3周波数比較回路が、前記第2クロック信号の第2周波数が前記第1分周クロック信号の周波数よりも低いことを検出すると、前記第2発振回路に対して、前記第1周波数比較回路及び第2周波数比較回路の検出結果に関係なく前記第2クロック信号の第2周波数を上昇させるようにしてもよい。
【0028】
また、前記所定値は、可聴周波数帯域の最高周波数であるようにした。
【発明の効果】
【0029】
本発明の発振周波数制御回路、その発振制御制御回路を有するDC−DCコンバータ及び半導体装置によれば、前記第1クロック信号と前記第2クロック信号との周波数差が可聴周波数帯域に入ると、該周波数差が可聴周波数帯域に留まらないように前記第2クロック信号の第2周波数を変えるようにしたことから、前記第1クロック信号をデジタルオーディオ回路に使用し、前記第2クロック信号をDC−DCコンバータに使用する場合等において、第1クロック信号と第2クロック信号との周波数差によって生ずる可聴周波数帯域のノイズ信号を除去することができ、デジタルオーディオ回路の出力回路に重畳するクロックノイズを低減させることができる。
【0030】
また、第2クロック信号の第2周波数自体が可聴周波数帯域に入ってくると、第2クロック信号の第2周波数を上げて、最大可聴周波数以下にならないようにしたことから、デジタルオーディオ回路の出力回路に重畳するクロックノイズを低減させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
次に、図面に示す実施の形態に基づいて、本発明を詳細に説明する。
第1の実施の形態.
図1は、本発明の第1の実施の形態における発振周波数制御回路を使用したデジタルオーディオシステムの例を示したブロック図である。
図1のデジタルオーディオシステム1は、デジタルオーディオ回路2、電源回路であるDC−DCコンバータ3、及びスピーカSPで構成されている。
デジタルオーディオ回路2は、所定の第1クロック信号CLKAを生成する第1発振回路11、デジタルフィルタ12、ΔΣモジュレータ13、D/Aコンバータ14及び出力アンプ15を備えており、DC−DCコンバータ3は、第2クロック信号CLKBを生成する第2発振回路21、第2クロック信号CLKBが入力される制御回路22、及び第2発振回路21の発振周波数を制御する発振周波数制御回路23を備えている。
【0032】
デジタルオーディオ回路2に入力されたデジタル入力信号Sinは、デジタルフィルタ12及びΔΣモジュレータ13を通って、D/Aコンバータ14に入力される。D/Aコンバータ14に入力されたデジタル信号は、D/Aコンバータ14によってアナログのオーディオ信号に変換され、該オーディオ信号は、出力アンプ15で増幅された後、スピーカSPで音に変換される。
第1発振回路11は、所定の第1周波数FAの第1クロック信号CLKAを生成して出力する。第1クロック信号CLKAはD/Aコンバータ14に入力され、D/A変換用のクロック信号として使用される。
【0033】
DC−DCコンバータ3は、入力された入力電圧Vinを所定の定電圧に変換して電源電圧Vddとして、デジタルオーディオ回路2内の各回路に供給する。第1発振回路11から出力された第1クロック信号CLKAは、D/Aコンバータ14に入力され、D/A変換時のクロック信号として使用される。また、第1クロック信号CLKAは発振周波数制御回路23にも入力され、第2発振回路21から出力された第2クロック信号CLKBは、制御回路22に入力され、制御回路22内の図示しないスイッチ素子のオン/オフ制御に使用され、制御回路22は、入力された第2クロック信号CLKBを用いて、入力電圧Vinを所定の定電圧に変換して電源電圧Vddを生成する。
【0034】
図2は、本発明の第1の実施の形態における発振周波数制御回路の例を示したブロック図であり、図1の発振周波数制御回路23の構成例を示したブロック図である。
図2において、発振周波数制御回路23は、アップ/ダウン制御回路31、第1周波数比較回路32、第2周波数比較回路33、第1分周回路34、第2分周回路35及び第3分周回路36で構成されている。なお、アップ/ダウン制御回路31は周波数制御回路部を、第1周波数比較回路32、第2周波数比較回路33、第1分周回路34、第2分周回路35及び第3分周回路36は周波数差検出回路部をそれぞれなす。
【0035】
第1分周回路34には第1クロック信号CLKAが入力されており、第1分周回路34は、入力された第1クロック信号CLKAを1/N(Nは、N>1の整数)に分周して第1分周クロック信号CLKA1を生成して出力する。第1分周クロック信号CLKA1の周波数が、所定の周波数、例えば可聴周波数帯域の最高周波数である約20kHzか、又はそれよりも少し高い周波数になるようにNの値は決められている。第1クロック信号CLKAの第1周波数FAが2MHzであるとすると、該第1周波数FAを20kHzまで分周するにはN=100にすればよい。
【0036】
第2分周回路35には第2クロック信号CLKBが入力されており、第2分周回路35は、入力された第2クロック信号CLKBを1/(N+1)に分周して第2分周クロック信号CLKB1を生成して出力する。前記のように、第1クロック信号CLKAの第1周波数FAが2MHzのときN=100であることから、このときの第2分周回路35の分周比は1/101となる。すなわち、第2クロック信号CLKBの第2周波数FBが第1クロック信号CLKAの第1周波数FAよりも20kHz高い2.02MHzになったとき、第2分周クロック信号CLKB1の周波数は、第1分周クロック信号CLKA1の周波数と同じ20kHzになる。
【0037】
第3分周回路36には第2クロック信号CLKBが入力されており、第3分周回路36は、入力された第2クロック信号CLKBを1/(N−1)に分周して第3分周クロック信号CLKB2を生成して出力する。前記のように、第1クロック信号CLKAの第1周波数FAが2MHzのときN=100であることから、このときの第3分周回路36の分周比は1/99となる。すなわち、第2クロック信号CLKBの第2周波数FBが第1クロック信号CLKAの第1周波数FAよりも20kHz低い1.98MHzになったとき、第3分周クロック信号CLKB2の周波数は、第1分周クロック信号CLKA1の周波数と同じ20kHzになる。
【0038】
第1周波数比較回路32には、第1分周クロック信号CLKA1と第2分周クロック信号CLKB1がそれぞれ入力されており、第1周波数比較回路32は、第1分周クロック信号CLKA1と第2分周クロック信号CLKB1の周波数の比較を行い、該比較結果を示すアップ信号UPを生成してアップ/ダウン制御回路31に出力する。例えば、第1周波数比較回路32は、第2分周クロック信号CLKB1の周波数が第1分周クロック信号CLKA1の周波数よりも低い場合、ハイレベルのアップ信号UPを出力し、第2分周クロック信号CLKB1の周波数が第1分周クロック信号CLKA1の周波数以上である場合は、ローレベルのアップ信号UPを出力する。
【0039】
また、第2周波数比較回路33には、第1分周クロック信号CLKA1と第3分周クロック信号CLKB2がそれぞれ入力されており、第2周波数比較回路33は、第1分周クロック信号CLKA1と第3分周クロック信号CLKB2の周波数の比較を行い、該比較結果を示すダウン信号DOWNを生成してアップ/ダウン制御回路31に出力する。例えば、第2周波数比較回路33は、第3分周クロック信号CLKB2の周波数が第1分周クロック信号CLKA1の周波数よりも高い場合、ハイレベルのダウン信号DOWNを出力し、第3分周クロック信号CLKB2の周波数が第1分周クロック信号CLKA1の周波数以下である場合は、ローレベルのダウン信号DOWNを出力する。
【0040】
図3は、アップ信号UPとダウン信号DOWNの例を示した図である。
例えば、第1発振回路11から出力されている第1クロック信号CLKAの第1周波数FAが2MHzであり、第2発振回路21から出力されている第2クロック信号CLKBの第2周波数FBが2MHzより20kHz以上高い2.03MHzであるとする。なお、第1分周回路34、第2分周回路35及び第3分周回路36の分周比を示すNの値は100とする。
【0041】
このときの第1分周回路34から出力される第1分周クロック信号CLKA1の周波数は20kHzであり、第2分周回路35から出力される第2分周クロック信号CLKB1の周波数は約20.1kHzである。第1分周クロック信号CLKA1よりも第2分周クロック信号CLKB1の周波数の方が高いことから、第1周波数比較回路32からローレベルのアップ信号UPが出力される。
また、第3分周回路36から出力される第3分周クロック信号CLKB2の周波数は約20.5kHzであり、第1分周クロック信号CLKA1より第3分周クロック信号CLKB2の周波数の方が高いことから、第2周波数比較回路33からハイレベルのダウン信号DOWNが出力される。
【0042】
次に、第2クロック信号CLKBの第2周波数FBが2.01MHzであり、第2クロック信号CLKBの第2周波数FBと第1クロック信号CLKAの第1周波数FAとの差が20kHz以下であるとする。このとき、第2分周クロック信号CLKB1の周波数は約19.9kHzであり、第1分周クロック信号CLKA1の周波数以下であるため、第1周波数比較回路32からのアップ信号UPはハイレベルになる。また、第3分周クロック信号CLKB2の周波数は約20.3kHzであり、第1分周クロック信号CLKA1の周波数よりも高いため、第2周波数比較回路33からのダウン信号DOWNはハイレベルのままである。
【0043】
次に、第2クロック信号CLKBの第2周波数FBが第1クロック信号CLKAの第1周波数FAよりも20kHz以上低い1.97MHzであるとする。このとき、第2分周クロック信号CLKB1の周波数は、約19.5kHzであり第1分周クロック信号CLKA1の周波数以下であることから、第1周波数比較回路32からのアップ信号UPはハイレベルのままである。また、第3分周クロック信号CLKB2の周波数は、約19.9kHzとなり第1分周クロック信号CLKA1よりも低くなるため、第2周波数比較回路33からのダウン信号DOWNはローレベルに変わる。
【0044】
すなわち、図3に示すように、ダウン信号DOWNは、第2クロック信号CLKBの第2周波数FBが、第1クロック信号CLKAの第1周波数FAよりも第1分周クロック信号CLKA1の周波数だけ低い周波数(例では1.98MHz)以下の場合はローレベルになり、該周波数(1.98MHz)よりも高ければハイレベルになる。また、アップ信号UPは、第2クロック信号CLKBの第2周波数FBが第1クロック信号CLKAの第1周波数FAよりも第1分周クロック信号CLKA1の周波数だけ高い周波数(例では2.02MHz)以上の場合はローレベルになり、該周波数(2.02MHz)よりも低ければハイレベルになる。
【0045】
一方、第2発振回路21は、DC−DCコンバータ3のスイッチングトランジスタ(図示せず)を制御する第2クロック信号CLKBを生成して出力する。例えば、DC−DCコンバータ3は出力負荷条件に応じてスイッチング周波数を変えるPFM方式であり、第2発振回路21は、外部から入力される外部入力信号EXiに応じて第2クロック信号CLKBの第2周波数FBを変える。また、第2発振回路21は、第2クロック信号CLKB以外に、第2クロック信号CLKBの第2周波数FBを上げているときはハイレベルとなるアップ出力信号UPoと、該第2周波数FBを下げているときにハイレベルとなるダウン出力信号DOWNoをアップ/ダウン制御回路31に出力する。なお、第2発振回路21は、第2クロック信号CLKBの第2周波数FBが安定している状態では、アップ出力信号UPoとダウン出力信号DOWNoを共にローレベルにする。
【0046】
アップ/ダウン制御回路31は、入力されたアップ信号UPとダウン信号DOWNに応じて、第1クロック信号CLKAの第1周波数FAと第2クロック信号CLKBの第2周波数FBとの差の絶対値が、所定値以下にならないように、アップ制御信号UPi及びダウン制御信号DOWNiを生成して第2発振回路21に出力する。第2発振回路21は、アップ制御信号UPiがハイレベルのときは、外部入力信号EXiに関係なく第2クロック信号CLKBの第2周波数FBを上げるように動作し、ダウン制御信号DOWNiがハイレベルのときは、外部入力信号EXiに関係なく第2クロック信号CLKBの第2周波数FBを下げるように動作する。また、第2発振回路21は、アップ制御信号UPiとダウン制御信号DOWNiが共にローレベルのときは、外部入力信号EXiに応じて第2クロック信号CLKBの第2周波数FBを制御する。
【0047】
図4は、図2のアップ/ダウン制御回路31の回路例を示した図である。図4を使用して、アップ/ダウン制御回路31の動作についてもう少し詳細に説明する。
図4において、アップ/ダウン制御回路31は、ラッチ回路41,42、AND回路43〜45及びインバータ46で構成されている。
【0048】
AND回路45の各入力端には、アップ信号UPとダウン信号DOWNが対応して入力されており、AND回路45の出力端は、AND回路43及び44の各一方の入力端とインバータ46の入力端にそれぞれ接続されている。AND回路43の他方の入力端にはアップ出力信号UPoが、AND回路44の他方の入力端にはダウン出力信号DOWNoがそれぞれ入力され、AND回路43の出力端は、ラッチ回路41のセット入力端Sに接続されている。また、AND回路44の出力端は、ラッチ回路42のセット入力端Sに接続され、インバータ46の出力端は、ラッチ回路41及び42の各リセット入力端Rにそれぞれ接続されている。ラッチ回路41の出力端Qからアップ制御信号UPiが、ラッチ回路42の出力端Qからダウン制御信号DOWNiがそれぞれ出力される。
【0049】
このような構成において、第2クロック信号CLKBの第2周波数FBを制御する動作について説明する。なお、以下、第1クロック信号CLKAの第1周波数FAを2MHzとし、第1分周回路34、第2分周回路35及び第3分周回路36におけるNを100とする。
第2クロック信号CLKBの第2周波数FBが、1.98MHzより低いか又は2.02MHzより高い場合は、前記のように、アップ信号UPとダウン信号DOWNのいずれ一方がローレベルである。このような条件では、AND回路45に入力されているアップ信号UPとダウン信号DOWNのいずれか一方がローレベルであるため、AND回路45の出力信号はローレベルになる。
【0050】
該ローレベルの信号がAND回路43と44の対応する各入力端に入力されることから、AND回路43及び44は、入力されているアップ出力信号UPoとダウン出力信号DOWNoに関係なくそれぞれローレベルの信号を出力する。一方、インバータ46の出力信号はハイレベルになるため、ラッチ回路41と42はそれぞれリセットされ、ラッチ回路41と42から出力されるアップ制御信号UPi及びダウン制御信号DOWNiはそれぞれローレベルになる。すなわち、第2発振回路21に入力されるアップ制御信号UPiとダウン制御信号DOWNiは共にローレベルとなり、第2発振回路21は、外部入力信号EXiによってのみ周波数制御が行われる。
【0051】
第2クロック信号CLKBの第2周波数FBが1.98〜2.02MHzの間であり、かつ第2周波数FBが低下していっている場合は、アップ信号UPとダウン信号DOWNは共にハイレベルであるため、AND回路45の出力信号はハイレベルになりインバータ46の出力信号はローレベルになっている。更に、第2周波数FBが低下中であることから、アップ出力信号UPoはローレベルで、ダウン出力信号DOWNoはハイレベルであり、AND回路43の出力信号はローレベルになり、AND回路44の出力信号はハイレベルになる。
【0052】
すなわち、ラッチ回路42がセットされるため、ダウン制御信号DOWNiがハイレベルに、アップ制御信号UPiがローレベルになり、第2発振回路21は、外部入力信号EXiに関係なく第2クロック信号CLKBの第2周波数FBを低下させる。第2クロック信号CLKBの第2周波数FBが低下して1.98MHz以下になると、前記のようにアップ制御信号UPiとダウン制御信号DOWNiは共にローレベルになるため、第2発振回路21は外部入力信号EXiに応じて第2周波数FBを制御する。
【0053】
第2クロック信号CLKBの第2周波数FBが1.98〜2.02MHzの間であり、かつ第2周波数FBが上昇していっている場合は、アップ信号UPとダウン信号DOWNが共にハイレベルであるため、AND回路45の出力信号はハイレベルになる。第2周波数FBが上昇中であることから、アップ出力信号UPoはハイレベルに、ダウン出力信号DOWNoはローレベルにそれぞれなり、AND回路43の出力信号はハイレベルに、AND回路44の出力信号はローレベルに、インバータ46の出力信号はローレベルにそれぞれなる。
【0054】
すなわち、ラッチ回路41がセットされるため、アップ制御信号UPiがハイレベルに、ダウン制御信号DOWNiがローレベルにそれぞれなり、第2発振回路21は外部入力信号EXiに関係なく第2周波数FBを上昇させる。
第2クロック信号CLKBの第2周波数FBが上昇して2.02MHz以上になると、前記のようにアップ入力信号UPiとダウン入力信号DOWNiは共にローレベルになるため、第2発振回路21は、外部入力信号EXiに応じて第2周波数FBを制御する。
【0055】
このように、第2クロック信号CLKBの第2周波数FBと第1クロック信号CLKAの第1周波数FAとの差が可聴周波数以下になると、第2発振回路21は、第2周波数FBと第1周波数FAとの差が可聴周波数以上になるまで、連続して第2周波数FBを上昇又は低下させるため、第2周波数FBと第1周波数FAとの差が可聴周波数帯域に留まることがなくなり、オーディオ回路から出力されるノイズを大幅に削減することができる。
また、第2周波数FBと第1周波数FAとの差が可聴周波数を往復するような場合でも、ノイズとなる周波数が可聴周波数帯域全体に分散されることから、平均ノイズレベルは低下することとなり、実用上問題のないレベルにすることができる。
【0056】
次に、図5は、本発明の第1の実施の形態における発振周波数制御回路の他の例を示したブロック図であり、図1の発振周波数制御回路23の他の構成例を示したブロック図である。なお、図5では、図2と同じもの又は同様のものは同じ符号で示し、ここではその説明を省略すると共に図2との相違点のみ説明する。
図5における図2との相違点は、第3周波数比較回路37を追加したことにある。なお、第1周波数比較回路32、第2周波数比較回路33、第1分周回路34、第2分周回路35、第3分周回路36及び第3周波数比較回路37は周波数差検出回路部をなす。
第3周波数比較回路37は、第1分周クロック信号CLKA1と第2クロック信号CLKBがそれぞれ入力されており、第1分周クロック信号CLKA1と第2クロック信号CLKBの周波数の比較を行い、該比較結果を示すリミット信号LIMを生成してアップ/ダウン制御回路31に出力する。
【0057】
図6は、図5のリミット信号LIM、アップ信号UP、及びダウン信号DOWNの関係例を示した図であり、横軸は第2周波数FBを示している。
図6から分かるように、第3周波数比較回路37は、第2クロック信号CLKBの第2周波数FBが第1分周クロック信号CLKA1の周波数である最大可聴周波数(20kHz)以下であればハイレベルのリミット信号LIMを出力し、第2周波数FBが該最大可聴周波数を超えるとリミット信号LIMをローレベルにする。アップ/ダウン制御回路31は、ハイレベルのリミット信号LIMが入力されると、図2及び図4で説明したように生成したアップ制御信号UPiに関係なく第2発振回路21にハイレベルのアップ制御信号UPiを出力し、ローレベルのリミット信号LIMが入力されると、図2及び図4で説明したように生成したアップ制御信号UPiを第2発振回路21に出力する。
【0058】
図7は、図5のアップ/ダウン制御回路31の内部回路例を示した図である。なお、図7では、図4と同じもの又は同様のものは同じ符号で示し、ここではその説明を省略すると共に図4との相違点のみ説明する。
図7における図4との相違点は、OR回路47を追加したことにある。
図7において、OR回路47の一方の入力端にはリミット信号LIMが入力されており、OR回路47の他方の入力端にはラッチ回路41の出力信号が入力されている。OR回路47から出力される信号がアップ制御信号UPiとして第2発振回路21に出力される。
【0059】
このような構成において、第2クロック信号CLKBの第2周波数FBが第1分周クロックCLKA1以下になって可聴周波数以下である場合、第3周波数比較回路37から出力されるリミット信号LIMはハイレベルであり、OR回路47から出力されるアップ制御信号UPiはハイレベルになる。このため、第2発振回路21が、第2周波数FBを上昇させるように動作して、第2周波数FBが可聴周波数帯域に入るのを防止できる。なお、リミット信号LIMがハイレベルであるときは、ダウン信号DOWNはローレベルであるため、ダウン制御信号DOWNiがハイレベルになることはない。
【0060】
このように、本第1の実施の形態における発振周波数制御回路は、第1周波数FAと第2周波数FBの差が可聴周波数帯域に入ると、該帯域に留まらないように第2周波数FBを変化させるようにし、第2周波数FBが可聴周波数帯域に入った場合は、第2周波数FBを上昇させて最大可聴周波数以下にならないようにしたことから、デジタルオーディオ回路の出力回路に重畳するクロックノイズを低減させることができる。
【0061】
なお、前記説明では、第1発振回路11をデジタルオーディオ回路2のDAコンバータ14用のクロック源とし、第2発振回路21をデジタルオーディオ回路2の電源であるDC−DCコンバータ3のクロック源とした場合を例にしたが、本発明は、これに限定するものではなく、2つの発振回路の周波数差が問題となるあらゆる回路に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の第1の実施の形態における発振周波数制御回路を使用したデジタルオーディオシステムの例を示したブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における発振周波数制御回路の例を示したブロック図である。
【図3】アップ信号UPとダウン信号DOWNの例を示した図である。
【図4】図2のアップ/ダウン制御回路31の回路例を示した図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における発振周波数制御回路の他の例を示したブロック図である。
【図6】図5のリミット信号LIM、アップ信号UP、及びダウン信号DOWNの関係例を示した図である。
【図7】図5のアップ/ダウン制御回路31の内部回路例を示した図である。
【図8】デジタルオーディオシステムの従来例を示したブロック図である。
【図9】図8の出力アンプ115に発生するノイズの周波数成分例を示した図である。
【符号の説明】
【0063】
1 デジタルオーディオシステム
2 デジタルオーディオ回路
3 DC−DCコンバータ
11 第1発振回路
12 デジタルフィルタ
13 ΔΣモジュール
14 D/Aコンバータ
15 出力アンプ
21 第2発振回路
22 制御回路
23 発振周波数制御回路
SP スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された制御信号に応じた第2周波数の第2クロック信号を生成して出力する第2発振回路に対して、該第2周波数の制御を行う発振周波数制御回路において、
外部の第1発振回路で生成された第1クロック信号における所定の第1周波数と前記第2周波数との差の検出を行い、該検出結果を示す信号を生成して出力する周波数差検出回路部と、
該周波数差検出回路部の出力信号に応じて、前記第1周波数と前記第2周波数との差の絶対値が所定値を超えるように、前記第2発振回路に対して、前記第2クロック信号の周波数制御を行う周波数制御回路部と、
を備えることを特徴とする発振周波数制御回路。
【請求項2】
前記周波数差検出回路部は、
前記第1クロック信号を1/N(Nは、N>1の整数)に分周して第1分周クロック信号を生成して出力する第1分周回路と、
前記第2クロック信号を1/(N+1)に分周して第2分周クロック信号を生成して出力する第2分周回路と、
前記第2クロック信号を1/(N−1)に分周して第3分周クロック信号を生成して出力する第3分周回路と、
前記第1分周クロック信号と前記第2分周クロック信号との周波数を比較し、該比較結果を示す信号を生成して出力する第1周波数比較回路と、
前記第1分周クロック信号と前記第3分周クロック信号との周波数を比較し、該比較結果を示す信号を生成して出力する第2周波数比較回路と、
を備え、
前記周波数制御回路部は、前記第1周波数比較回路と第2周波数比較回路の各出力信号に応じて前記第1周波数と前記第2周波数との差の絶対値が所定値を超えるように、前記第2発振回路に対して、前記第2クロック信号の周波数制御を行うことを特徴とする請求項1記載の発振周波数制御回路。
【請求項3】
前記周波数制御回路部は、前記第2発振回路が第2周波数を上昇させているか又は低下させているかという動作状態の検出を行い、前記第1周波数比較回路が、前記第2分周クロック信号の周波数が前記第1分周クロック信号の周波数よりも低いことを検出すると共に、前記第2周波数比較回路が、前記第3分周クロック信号の周波数が前記第1分周クロック信号の周波数よりも高いことを検出すると、検出した前記動作状態を維持するように第2発振回路の動作を制御することを特徴とする請求項2記載の発振周波数制御回路。
【請求項4】
前記周波数制御回路部は、前記第1周波数比較回路が、前記第2分周クロック信号の周波数が前記第1分周クロック信号の周波数よりも高いことを検出するか、又は前記第2周波数比較回路が、前記第3分周クロック信号の周波数が前記第1分周クロック信号の周波数よりも低いことを検出すると、前記第2発振回路に対する制御動作を停止することを特徴とする請求項3記載の発振周波数制御回路。
【請求項5】
前記周波数差検出回路部は、前記第1分周クロック信号と前記第2クロック信号との周波数を比較し、該比較結果を示す信号を生成して出力する第3周波数比較回路を備え、前記周波数制御回路部は、該第3周波数比較回路が、前記第2クロック信号の第2周波数が前記第1分周クロック信号の周波数よりも低いことを検出すると、前記第2発振回路に対して、前記第1周波数比較回路及び第2周波数比較回路の検出結果に関係なく前記第2クロック信号の第2周波数を上昇させることを特徴とする請求項2、3又は4記載の発振周波数制御回路。
【請求項6】
前記所定値は、可聴周波数帯域の最高周波数であることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の発振周波数制御回路。
【請求項7】
スイッチング電源回路からなるDC−DCコンバータにおいて、
入力された制御信号に応じた第2周波数の第2クロック信号を生成して出力する第2発振回路と、
該第2発振回路からの第2クロック信号に基づいて、前記スイッチング電源回路におけるスイッチ素子に対してスイッチング制御を行い、入力された電圧を所定の定電圧に変換して出力する制御回路と、
前記第2発振回路に対して、前記第2クロック信号の周波数制御を行う発振周波数制御回路と、
を備え、
前記発振周波数制御回路は、
外部の第1発振回路で生成された第1クロック信号における所定の第1周波数と前記第2周波数との差の検出を行い、該検出結果を示す信号を生成して出力する周波数差検出回路部と、
該周波数差検出回路部の出力信号に応じて、前記第1周波数と前記第2周波数との差の絶対値が所定値を超えるように、前記第2発振回路に対して、前記第2クロック信号の周波数制御を行う周波数制御回路部と、
を備えることを特徴とするDC−DCコンバータ。
【請求項8】
前記周波数差検出回路部は、
前記第1クロック信号を1/N(Nは、N>1の整数)に分周して第1分周クロック信号を生成して出力する第1分周回路と、
前記第2クロック信号を1/(N+1)に分周して第2分周クロック信号を生成して出力する第2分周回路と、
前記第2クロック信号を1/(N−1)に分周して第3分周クロック信号を生成して出力する第3分周回路と、
前記第1分周クロック信号と前記第2分周クロック信号との周波数を比較し、該比較結果を示す信号を生成して出力する第1周波数比較回路と、
前記第1分周クロック信号と前記第3分周クロック信号との周波数を比較し、該比較結果を示す信号を生成して出力する第2周波数比較回路と、
を備え、
前記周波数制御回路部は、前記第1周波数比較回路と第2周波数比較回路の各出力信号に応じて前記第1周波数と前記第2周波数との差の絶対値が所定値を超えるように、前記第2発振回路に対して、前記第2クロック信号の周波数制御を行うことを特徴とする請求項7記載のDC−DCコンバータ。
【請求項9】
前記周波数制御回路部は、前記第2発振回路が第2周波数を上昇させているか又は低下させているかという動作状態の検出を行い、前記第1周波数比較回路が、前記第2分周クロック信号の周波数が前記第1分周クロック信号の周波数よりも低いことを検出すると共に、前記第2周波数比較回路が、前記第3分周クロック信号の周波数が前記第1分周クロック信号の周波数よりも高いことを検出すると、検出した前記動作状態を維持するように第2発振回路の動作を制御することを特徴とする請求項8記載のDC−DCコンバータ。
【請求項10】
前記周波数制御回路部は、前記第1周波数比較回路が、前記第2分周クロック信号の周波数が前記第1分周クロック信号の周波数よりも高いことを検出するか、又は前記第2周波数比較回路が、前記第3分周クロック信号の周波数が前記第1分周クロック信号の周波数よりも低いことを検出すると、前記第2発振回路に対する制御動作を停止することを特徴とする請求項9記載のDC−DCコンバータ。
【請求項11】
前記周波数差検出回路部は、前記第1分周クロック信号と前記第2クロック信号との周波数を比較し、該比較結果を示す信号を生成して出力する第3周波数比較回路を備え、前記周波数制御回路部は、該第3周波数比較回路が、前記第2クロック信号の第2周波数が前記第1分周クロック信号の周波数よりも低いことを検出すると、前記第2発振回路に対して、前記第1周波数比較回路及び第2周波数比較回路の検出結果に関係なく第2クロック信号の第2周波数を上昇させることを特徴とする請求項8、9又は10記載のDC−DCコンバータ。
【請求項12】
前記所定値は、可聴周波数帯域の最高周波数であることを特徴とする請求項7、8、9、10又は11記載のDC−DCコンバータ。
【請求項13】
前記第2発振回路は、前記第1発振回路よりも周波数安定度が低いことを特徴とする請求項7、8、9、10、11又は12記載のDC−DCコンバータ。
【請求項14】
前記制御回路は、前記スイッチ素子に対してPFM制御を行うことを特徴とする請求項7、8、9、10、11、12又は13記載のDC−DCコンバータ。
【請求項15】
入力されたデジタル信号をアナログのオーディオ信号にD/A変換するデジタルオーディオ回路と、スイッチング電源回路からなるDC−DCコンバータとを備えた半導体装置において、
前記D/A変換を行うために使用する第1周波数の第1クロック信号を生成して出力する第1発振回路と、
前記スイッチング電源回路におけるスイッチ素子に対してスイッチング制御を行う際に使用する第2周波数の第2クロック信号を生成して出力する第2発振回路と、
該第2発振回路に対して、前記第2クロック信号の周波数制御を行う発振周波数制御回路と、
を備え、
前記発振周波数制御回路は、
前記第1発振回路で生成された第1クロック信号における所定の第1周波数と前記第2周波数との差の検出を行い、該検出結果を示す信号を生成して出力する周波数差検出回路部と、
該周波数差検出回路部の出力信号に応じて、前記第1周波数と前記第2周波数との差の絶対値が所定値を超えるように、前記第2発振回路に対して、前記第2クロック信号の周波数制御を行う周波数制御回路部と、
を備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項16】
前記周波数差検出回路部は、
前記第1クロック信号を1/N(Nは、N>1の整数)に分周して第1分周クロック信号を生成して出力する第1分周回路と、
前記第2クロック信号を1/(N+1)に分周して第2分周クロック信号を生成して出力する第2分周回路と、
前記第2クロック信号を1/(N−1)に分周して第3分周クロック信号を生成して出力する第3分周回路と、
前記第1分周クロック信号と前記第2分周クロック信号との周波数を比較し、該比較結果を示す信号を生成して出力する第1周波数比較回路と、
前記第1分周クロック信号と前記第3分周クロック信号との周波数を比較し、該比較結果を示す信号を生成して出力する第2周波数比較回路と、
を備え、
前記周波数制御回路部は、前記第1周波数比較回路と第2周波数比較回路の各出力信号に応じて前記第1周波数と前記第2周波数との差の絶対値が所定値を超えるように、前記第2発振回路に対して、前記第2クロック信号の周波数制御を行うことを特徴とする請求項15記載の半導体装置。
【請求項17】
前記周波数制御回路部は、前記第2発振回路が第2周波数を上昇させているか又は低下させているかという動作状態の検出を行い、前記第1周波数比較回路が、前記第2分周クロック信号の周波数が前記第1分周クロック信号の周波数よりも低いことを検出すると共に、前記第2周波数比較回路が、前記第3分周クロック信号の周波数が前記第1分周クロック信号の周波数よりも高いことを検出すると、検出した前記動作状態を維持するように第2発振回路の動作を制御することを特徴とする請求項16記載の半導体装置。
【請求項18】
前記周波数制御回路部は、前記第1周波数比較回路が、前記第2分周クロック信号の周波数が前記第1分周クロック信号の周波数よりも高いことを検出するか、又は前記第2周波数比較回路が、前記第3分周クロック信号の周波数が前記第1分周クロック信号の周波数よりも低いことを検出すると、前記第2発振回路に対する制御動作を停止することを特徴とする請求項17記載の半導体装置。
【請求項19】
前記周波数差検出回路部は、前記第1分周クロック信号と前記第2クロック信号との周波数を比較し、該比較結果を示す信号を生成して出力する第3周波数比較回路を備え、前記周波数制御回路部は、該第3周波数比較回路が、前記第2クロック信号の第2周波数が前記第1分周クロック信号の周波数よりも低いことを検出すると、前記第2発振回路に対して、前記第1周波数比較回路及び第2周波数比較回路の検出結果に関係なく前記第2クロック信号の第2周波数を上昇させることを特徴とする請求項16、17又は18記載の半導体装置。
【請求項20】
前記所定値は、可聴周波数帯域の最高周波数であることを特徴とする請求項15、16、17、18又は19記載の半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−165013(P2009−165013A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−2272(P2008−2272)
【出願日】平成20年1月9日(2008.1.9)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】