説明

発電プラントの中間阻止弁

【課題】中間阻止弁およびアクチュエータの構造および配置に改良を加えてコンパクト化し、タービンフロアの開口部面積を既存の面積のまま利用できるようにするとともに、タービンフロアの改造工事を不要にして作業スペースをより広く確保させる発電プラントの中間阻止弁を提供する
【解決手段】本発明に係る発電プラントの中間阻止弁は、弁ケーシング20の入口側および出口側のそれぞれをエルボ管22a,22bで構成し、このエルボ管22a,22bで構成した前記弁ケーシング20をタービンフロア23の開口部24の対角線に沿って配置するとともに、前記中間蒸気止め弁用アクチュエータ28と前記インターセプト弁用アクチュエータ30とを蒸気の流れ方向に対し、互いが反対側になる位置に設置した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電プラントの低圧タービン入口側の配管系統に適用する発電プラントの中間阻止弁に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、原子力発電プラントの原子炉圧力容器から発生する蒸気は、比較的圧力、温度が低い飽和蒸気になっているので、高圧タービンで膨張仕事を終えた高圧タービン排気を湿分分離器で湿分を取り除いた後、クロスアラウンド管を介して、例えば3台の低圧タービンに供給している。
【0003】
一方、原子炉圧力容器から高圧タービンを介して低圧タービンに供給される蒸気には、放射能が含まれているので、保守点検の際、被曝防止の意図から遮蔽板が設けられている。このため、タービン建屋内のタービンフロア上の作業点検用スペースはかなり狭められている。
【0004】
このようなレイアウトの下、クロスアラウンド管には、低圧タービンの何らかの事情によるトリップまたは負荷遮断時、低圧タービンのオーバスピード防止のため、原子炉圧力容器から高圧タービンを介して供給される蒸気を急速遮断させる中間阻止弁が設けられている。
【0005】
この中間阻止弁は、蒸気の流れに沿って上流側の位置に中間蒸気止め弁(ISV)を配置させるとともに、その下流側の位置にインターセプト弁(IV)を配置させたもので、中間蒸気止め弁(ISV)とインターセプト弁(IV)を一つの弁ケーシングに組み込ませて一体化させたものなどがある。
【0006】
従来、中間阻止弁は、火力発電プラントに適用している再熱蒸気止め弁とインターセプト弁を組み合せた組合せ再熱弁と同様に、アングルタイプの蒸気中間弁として使用していたが、最近では、プラントの大容量化、高出力化に伴ってコンパクトで、しかも圧力損失の少ないバタフライ型に改良が加えられている。バタフライ型の中間阻止弁は、従来から採用されていたアングルタイプのものに較べてメンテナンスが容易であり、圧力損失も少なく、出力の向上も図れる等の利点を持っている。
【0007】
従来のバタフライ型の中間阻止弁を、図23および図24に示す構成になっている。ここで、図中、図23は、バタフライ型の中間阻止弁を示す平面図であり、図22は、その一部断面を示す側断面図である。なお、図21および図22は、一つの弁ケーシングに収容され、蒸気の上流側の位置に配置された中間蒸気止め弁(ISV)と蒸気の下流側の位置に配置されたインターセプト弁(IV)とを直列配置させて組み合せた中間阻止弁の例示である。
【0008】
中間阻止弁は、両端にフランジ1a,1bを備えた長筒状の弁ケーシング2に、バタフライ型の中間蒸気止め弁(ISV)と、バタフライ型のインターセプト弁(IV)とを組み込んで一体化している。
【0009】
このケーシング2は、フランジ1a,1bを介して一方をクロスアラウンド管(図示せず)に、また他方を低圧タービン(図示せず)にそれぞれ接続している。
【0010】
中間蒸気止め弁(ISV)とインターセプト弁(IV)とを直列に配置した中間阻止弁のうち、中間蒸気止め弁(ISV)は、蒸気の流れ方向に沿う上流側の位置に、蒸気の流れと垂直方向に軸受3aにより支持され、回転自在な弁棒4aと、この弁棒4aにその中央部が取り付けられて一体として回転する弁ディスク(弁体)5aとを備え、油圧式の中間蒸気止め弁用アクチュエータ6の駆動力により開閉される。
【0011】
中間蒸気止め弁用アクチュエータ6は、弁ケーシング2の外側で、しかも弁ケーシング2の中心から一端側に離間した位置に配置され、弁ケーシング2の接続部7aを介して一体的に固定されている。つまり、中間蒸気止め弁用アクチュエータ6は、図20に示すように、弁ケーシング2の軸心(蒸気の流れと垂直方向)の位置に配置され、その中心線Oa1が弁棒4aの中心線Oa2に対し、蒸気流れ方向の下流側でずれた位置に配置されている。
【0012】
中間蒸気止め弁用アクチュエータ6には、その一端側の中心位置Oa1から往復動する駆動ロッド8aが突出し、この駆動ロッド8aの先端にリンク式の駆動レバー9aを介して弁棒4aが接続されている。そして、中間蒸気止め弁用アクチュエータ6の駆動力によって駆動レバー9aを介して弁棒4aが回転し、この回転力により弁ディスク5aが弁ケーシング2内で開閉が行われる。
【0013】
インターセプト弁(IV)は、中間蒸気止め弁(ISV)よりも蒸気流れ方向の下流側に配置され、その構成は中間蒸気止め弁(ISV)と同様になっている。すなわち、インターセプト弁(IV)も弁ケーシング2内に軸受3bを介して支持された弁棒4bと、この弁棒4bと一体的に回転する弁ディスク5bと、弁ディスク5bを駆動するインターセプト弁用アクチュエータ10等によって構成されている。
【0014】
このインターセプト弁用アクチュエータ10には、その一端側の中心位置Ob1から往復動する駆動ロッド8bが突出し、この駆動ロッド8bの先端にリンク式の駆動レバー9bを介して弁棒4bが接続されている。そして、インターセプト弁用アクチュエータ10の駆動力によって駆動レバー9bを介して弁棒4bが回転し、この回転力により弁ディスク5bが弁ケーシング2内で開閉が行われる。なお、符号11a,11bは、アクチュエータ取付用プレートである。
【0015】
トリップ等の非常緊急時、各アクチュエータ6,10が急速起動し、駆動レバー9a,9bが引き下げられ、弁棒4a,4bとともに弁ディスク5a,5bが同一方向に回転し中間蒸気止め弁(ISV)およびインターセプト弁(IV)が急閉される(例えば、特許文献1参照)。
【0016】
また、従来の他のバタフライ型の中間阻止弁には、例えば、図25および図26に示す構成のものが提案されている。
【0017】
図25および図26に示すバタフライ型の中間阻止弁は、各弁ディスク5a,5bが全開時、一列配置になる図23および図24で示した構成のものと異なり、各弁ディスク5a,5b同士の間Lに同一向きの傾斜角度を設定し、各弁ディスク5a,5bの隣接端部側の一部を重ね合わせて配置させ、その重ね合わせた寸法分だけ面間寸法を短縮させたものである。
【0018】
各アクチュエータ6,10同士の干渉を避けるため、各アクチュエータ6,10を互いに弁ケーシング2の異なる外側面に配置する。なお、他の構成は、図23および図24に示した構成のものと同様なので、同一符号を付し、重複説明を省略する(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2003−293705号公報
【特許文献2】特公平4−57841号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
図25および図26に示したバタフライ型の中間阻止弁は、中間蒸気止め弁用アクチュエータ9の中心線Oa1が弁棒4aの中心線Oa2に対し、蒸気の流れ方向の下流側のずれた位置になっている。
【0020】
また、インターセプト弁用アクチュエータ10の中心線Ob1も弁棒4bの中心線Ob2に対し、蒸気の流れ方向の下流側のずれた位置になっている。しかも、中間蒸気止め弁(ISV)およびインターセプト弁(IV)のいずれのものも、駆動ロッド8a,8bが弁棒4a,4bに対し、それぞれ蒸気の流れ方向下流側の位置から駆動レバー9a,9bを介して接続され、各弁ディスク5a,5b間の閉弁方向は互いが同一方向になるように設定されている。
【0021】
このような構成においては、各弁ディスク5a,5bを互いに接近させて配置する場合、中間蒸気止め弁用アクチュエータ6にインターセプト弁用アクチュエータ10が干渉し、各弁ディスク5a,5b同士の接近配置が制約されるため、各弁ディスク5a,5b間に一定以上の間隔を確保せざるを得ず、それだけ弁面間寸法の長が大きくなり、バタフライ型の中間阻止弁をタービンフロアに沿って配置する場合、タービンフロアに設けるべき開口部に一定以上の開口面積が必要になる。
【0022】
このため、タービンフロアに設けた開口面積が比較的小さくて済むアングルタイプの中間阻止弁を適用する既設の発電プラントに、上述のバタフライ型の中間阻止弁を設置する場合、既設の発電プラントにおけるタービンフロアの開口部面積が小さいままでは採用が難しくなる。
【0023】
例えば、図28は、アングルタイプの中間阻止弁12をタービン軸に対して垂直に設置した場合の低圧タービン入口側から見た図であり、図29は、アングルタイプの中間阻止弁12をタービン軸に対し平行に配置した場合のタービン軸から見た図をそれぞれ示している。
【0024】
これら図28および図29に示すように、アングルタイプの中間阻止弁12は全体として縦長の形状であり、アクチュエータ13およびクロスアラウンド管14を全て縦方向に挿入することができる。
【0025】
したがって、アクチュエータ13およびクロスアラウンド管14の収容に必要なタービンフロア15の開口部16の開口幅W1,W2は比較的小さい寸法で足りる。
【0026】
これに対し、図30は、バタフライ型の中間阻止弁17をタービン軸に対して平行に設置する場合を示し、図31は、バタフライ型の中間阻止弁17を低圧タービン入口方向に設置する場合を示している。
【0027】
これら図30および図31に示すように、従来技術の下では、バタフライ型の中間阻止弁17の弁ケーシング2をタービンフロア15上に水平に配置し、中間蒸気止め弁用アクチュエータ6、インターセプト弁用アクチュエータ10、およびクロスアラウンド管14をタービンフロア15の開口部16に配置する必要があり、これら全てを収容するためには開口部16として大きな開口幅W3,W4が必要になる。
【0028】
特に、湿分分離器(図示せず)がタービンフロア15の階下に設置されている原子力発電プラントにおいては、図27に示すように、例えば、3台の低圧タービン18を設置したタービンフロア15の開口部16を介してクロスアラウンド管14をタービンフロア15上に配置し、バタフライ型の中間阻止弁17の弁ケーシング2の入口に接続する必要があるが、上述したアングルタイプの中間阻止弁12の場合に適用される開口幅W1,W2では、クロスアラウンド管14がタービンフロア15に干渉することになり、レイアウトが難しくなる。
【0029】
したがって、アングルタイプの中間阻止弁12を適用した原子力発電プラントに従来のバタフライ型の中間阻止弁17を配置するものにおいては、タービンフロア15の開口面積を拡大する等の大掛かりな開口加工等の作業が必要になり、多額の費用を投じて必要な改造を行わなければならない問題点を抱えていた。
【0030】
また、図25および図26に示したバタフライ型の別の中間阻止弁も、干渉を避けるために中間蒸気止め弁用アクチュエータ6とインターセプト弁用アクチュエータ10とを互いを軸対称の位置に配置しているが、軸対称の位置に配置したが故にタービンフロアにおける開口部の開口幅を大きくしなければならず、上述と同様の問題点を抱えていた。
【0031】
本発明は、このような事情に基づいてなされたもので、中間阻止弁およびアクチュエータの構造および配置に改良を加えてコンパクト化し、タービンフロアの開口部面積を既存の面積のまま利用でき、タービンフロアの改造工事を不要にする発電プラントの中間阻止弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0032】
本発明に係る発電プラントの中間阻止弁は、上述の目的を達成するため、蒸気の流れ方向に沿う上流側に、中間蒸気止め弁用アクチュエータで開閉駆動される弁ディスクを備えた中間蒸気止め弁を配置し、その下流側に、インターセプト弁用アクチュエータで開閉駆動される弁ディスクを備えたインターセプト弁を配置し、これら中間蒸気止め弁およびインターセプト弁を収容させた一つの弁ケーシングを低圧タービンの入口側に備える一方、湿分分離器をタービンフロアの階下に設置してなる発電プラントの中間阻止弁において、前記弁ケーシングの入口側および出口側のそれぞれをエルボ管で構成し、前記弁ケーシングを低圧タービン入口管面に対して斜めに配置するものである。
【0033】
また、本発明に係る発電プラントの中間阻止弁は、上述の目的を達成するため、蒸気の流れ方向に沿う上流側に、中間蒸気止め弁用アクチュエータで開閉駆動される弁ディスクを備えた中間蒸気止め弁を配置し、その下流側に、インターセプト弁用アクチュエータで開閉駆動される弁ディスクを備えたインターセプト弁を配置し、これら中間蒸気止め弁およびインターセプト弁を収容させた一つの弁ケーシングを低圧タービンの入口側に備える一方、湿分分離器をタービンフロアの階下に設置してなる発電プラントの中間阻止弁において、前記弁ディスクを複数に分割したものである。
【0034】
さらに、本発明に係る発電プラントの中間阻止弁は、上述の目的を達成するため、蒸気の流れ方向の沿う上流側に、中間蒸気止め弁用アクチュエータで開閉駆動される弁ディスクを備えた中間蒸気止め弁を配置し、その下流側にインターセプト弁用アクチュエータで開閉駆動される弁ディスクを備えたインターセプト弁を配置し、前記中間蒸気止め弁および前記インターセプト弁をそれぞれ弁ケーシングに収容して低圧タービンの入口側に備える一方、湿分分離器をタービンフロアの階下に設置してなる発電プラントの中間阻止弁において、前記中間蒸気止め弁を収容させた弁ケーシングおよび前記インターセプト弁を収容させた弁ケーシングの少なくとも一つの弁ケーシングをエルボ管で構成したものである。
【発明の効果】
【0035】
本発明に係る発電プラントの中間阻止弁は、タービンフロアの改造工事が不要で既存のタービンフロアの開口部に容易に設置することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明に係る発電プラントの中間阻止弁の実施形態を図面および図面に付した符号を引用して説明する。
【0037】
図1および図2は、本発明に係る発電プラントの中間阻止弁の第1実施形態を示す概略図である。なお、図中、図1は、本発明に係る発電プラントの中間阻止弁の平面図であり、図2は、図1の開口部から抜き出した中間阻止弁を側面図である。
【0038】
本実施形態に係る発電プラントの中間阻止弁は、一つの弁ケーシング20に、バタフライ型の中間蒸気止め弁(ISV)とバタフライ型のインターセプト弁(IV)とを組み合せて一体として収容させたものである。
【0039】
弁ケーシング20は、管状で、入口,出口の両端にフランジ21a,21bを備えたエルボ管22a,22bにし、タービンフロア23の開口部24の対角線上に沿って斜めに配置するとともに、エルボ管22a,22bのフランジ21a,21bを介して入口側をクロスアラウンド管(図示せず)に接続し、出口側を低圧タービン入口管(図示せず)にそれぞれ接続する。弁ケーシング20は低圧タービン入口管面に対して斜めの配置となる。
【0040】
中間蒸気止め弁(ISV)は、弁ケーシング20内の蒸気流れ方向の上流側に配置されるとともに、軸受25aを介して支持され、弁ケーシング20の交差する軸心まわりに回転自在な弁棒26aと、この弁棒26aの駆動レバー27aを介して中心位置が接続されて一体として回転する弁ディスク(図示せず)と、これを駆動する中間蒸気止め弁用アクチュエータ28等により構成されている。
【0041】
中間蒸気止め弁用アクチュエータ28は、油圧シリンダとして構成されており、弁ケーシング20にアクチュエータ取付用プレート31aを介して一体的に固定されている。この中間蒸気止め弁用アクチュエータ28は、弁ケーシング20の外側で、かつ弁ケーシング20の中心から一側の離間した位置に配置されている。そして、中間蒸気止め弁用アクチュエータ28は、図2に示すように、弁ケーシング20の軸心、すなわち蒸気流れ方向と交差する位置に配置され、中間蒸気止め弁用アクチュエータ28の中心線Oa1が弁棒26の中心線Oa2に対し、蒸気流れ方向の上流側にずれた位置になっている。
【0042】
この中間蒸気止め弁用アクチュエータ28には、その一端側の中心位置から往復動作用の駆動ロッド29aが突出し、この駆動ロッド29aの先端にリンク式の駆動レバー27aを介して弁棒26aに接続されている。そして、中間蒸気止め弁用アクチュエータ28により、駆動レバー27aを介して弁棒26aが回転し、弁棒26aの回転により弁ディスク(図示せず)が弁ケーシング20内において開閉される。
【0043】
また、インターセプト弁(IV)は、中間蒸気止め弁(ISV)よりも蒸気流れ方向の下流側に配置され、その構成は中間蒸気止め弁(ISV)と同様になっている。すなわち、インターセプト弁(IV)も、弁ケーシング20内に軸受25bを介して支持され、弁ケーシング20と交差する軸心まわりに回転自在な弁棒26bと、この弁棒26bに中心配置が接続されて一体的に回転する弁ディスク(図示せず)と、これらを駆動するインターセプト弁用アクチュエータ30等により構成されている。
【0044】
インターセプト弁用アクチュエータ30も、油圧シリンダとして構成されており、弁ケーシング20の外部にアクチュエータ取付用プレート31bを介して一体的に固定されている。このインターセプト弁用アクチュエータ30は、弁ケーシング20の一側にずれた位置に配置され、図2に示すように、その中心線が弁ケーシング20の軸心、すなわち、蒸気流れ方向に交差する位置に配置されている。このインターセプト弁用アクチュエータ30の一端側の中心位置から突出する往復動作用の駆動ロッド29bが弁ケーシング20の外部に突出した弁棒26bの一端にリンク式の駆動レバー27bを介して接続され、弁棒26bを回転させることにより、弁ディスク(図示せず)が弁ケーシング20内において開閉する
このような構成の下、本実施形態においては、中間蒸気止め弁用アクチュエータ28の中心線Oa1は弁棒26aの中心線Oa2に対し蒸気の流れ方向の上流側にずれた位置に配置し、これにより駆動ロッド29aおよび駆動レバー27aは弁棒26aの蒸気の流れ方向に沿う上流側の位置から接続されて、弁ディスク(図示せず)を開閉駆動する。これに対し、インターセプト弁用アクチュエータ30の中心線Ob1は、弁棒26bの中心線Ob2に対し、蒸気の流れの下流側にずれた位置に配置し、これにより駆動ロッド29bおよび駆動レバー27bは弁棒26bに蒸気の流れ方向に沿う下流側の位置から接続されて、弁ディスク(図示せず)を開閉駆動する。
【0045】
このように構成された本実施形態に係る中間阻止弁は、蒸気の流れ方向のうち、上流側に配置したバタフライ型の中間蒸気止め弁(ISV)と、その下流側に配置したバタフライ型のインターセプト弁(IV)とを収容する弁ケーシング20の入口側および出口側のそれぞれをエルボ管22a,22bで構成し、エルボ管22a,22bで構成した弁ケーシング20の入口側と出口側との面間寸法をより一層短くしてコンパクトにすることができる。
【0046】
また、本実施形態に係る中間阻止弁は、バタフライ型の中間蒸気止め弁(ISV)を駆動する中間蒸気止め弁用アクチュエータ28と、バタフライ型のインターセプト弁(IV)を駆動するインターセプト弁用アクチュエータ30とを互いが蒸気の流れ方向に対し、反対側になる位置の弁ケーシング20の外側に設けているので、各アクチュエータ28,30の駆動の際、互いが干渉することがない。
【0047】
したがって、本実施形態に係る中間阻止弁では、弁ケーシング20の入口側と出口側との面間寸法をより一層短くさせ、各アクチュエータ28,30が互いに干渉しない位置に配置させているので、既存のタービンフロア23の開口部24をそのまま利用でき、タービンフロア23の改造工事を不要とすることができる。
【0048】
図3〜図6は、本発明に係る発電プラントの中間阻止弁の第2実施形態を示す概略図である。なお、図中、図3は、本発明に係る発電プラントの中間阻止弁を一部断面として示す側面断面図であり、図4は、図3のA−A矢視方向から見た正面図であり、図5は、図3のB−B矢視方向から見た平面図であり、図6は、図4のC−C矢視方向から切断した断面図である。
【0049】
本実施形態に係る発電プラントの中間阻止弁は、蒸気の流れ方向のうち、上流側の位置にバタフライ型の中間蒸気止め弁(ISV)を配置し、その下流側の位置にバタフライ型のインターセプト弁(IV)を配置して一つの弁ケーシング20に収容させるとともに、中間蒸気止め弁(ISV)の一つの駆動ロッド29aに、位置をずらして軸方向に少なくとも二つ以上に分割した中間蒸気止め弁ディスク32a1,32a2を設ける一方、インターセプト弁(IV)の一つの駆動ロッド29bに、位置をずらして軸方向に少なくとも二つ以上に分割したインターセプト弁用弁ディスク33b1,33b2を設けたものである。
【0050】
一つの弁ケーシング20内の蒸気流れの上流側に配置する中間蒸気止め弁(ISV)は、一つの中間蒸気止め弁用アクチュエータ28の駆動力によって進退移動する一つの駆動ロッド29aに、位置をずらして軸方向に少なくとも二つ以上に分割した中間蒸気止め弁ディスク32a1,32a2を備えている。
【0051】
少なくとも二つ以上の中間蒸気止め弁ディスク32a1,32a2は、図4に示すように、中心位置に配置する弁棒26a,26aに一体的に接続させた駆動レバー27a,27aを介して駆動ロッド29aに接続し、一つの中間蒸気止め弁用アクチュエータ28の駆動力によって開閉される。
【0052】
例えば、二つの中間蒸気止め弁用弁ディスク32a1,32a2を閉弁させるとき、図3に示すように、中間蒸気止め弁アクチュエータ28は、駆動ロッド29aを下方に引き下げ、駆動ロッド29aの下方への引下げと同時に、駆動レバー27a,27aおよび弁棒26a,26aを一体的に回転させ、中間蒸気止め弁用弁ディスク32a1,32a2を同時に閉弁させる。
【0053】
また、逆に、二つの中間蒸気止め弁ディスク32a1,32a2を開弁させるとき、中間蒸気止め弁用アクチュエータ28は、駆動ロッド29aを上方に押し上げ、駆動ロッド29aの上方への押上げと同時に、駆動レバー27a,27aおよび弁棒26a,26aを一体的に回転させ、図6に示すように、一方の中間蒸気止め弁用弁ディスク32aを蒸気の流れ方向の上流側に向って開弁させ、他方の中間蒸気止め弁用弁ディスク32bをその下流側に向って開弁させる。
【0054】
一方、一つのケーシング20内の蒸気流れの下流側に配置するインターセプト弁(IV)は、一つのインターセプト弁用アクチュエータ30の駆動力によって進退移動する一つの駆動ロッド29bに、位置をずらして軸方向に少なくとも二つ以上に分割したインターセプト弁用弁ディスク33b1,33b2を備えている。
【0055】
少なくとも二つに分割したインターセプト弁用弁ディスク33b1,33b2は、図4に示すように、中心位置に配置する弁棒26b,26bに一体的に接続させた駆動レバー27b,27bを介して駆動ロッド29bに接続し、一つのインターセプト弁用アクチュエータ30の駆動力によって開閉される。
【0056】
インターセプト弁用アクチュエータ30は、図5に示すように、蒸気の流れ方向に対し、中間蒸気止め弁用アクチュエータ28とが互いが反対側になる位置に設け、互いが干渉しないよう考慮されている。そして、インターセプト弁用アクチュエータ30および中間蒸気止め弁用アクチュエータ28は、ともに、弁ケーシング20から突き出た外側の位置に配置されている。なお、二つのインターセプト弁用弁ディスク33b1,33b2の開閉は、上述の中間蒸気止め弁用弁ディスク32a1,32a2の開閉と同様なので、ここでは重複説明を省略する。また、インターセプト弁(IV)の他の構成要素は、上述の中間蒸気止め弁(ISV)の構成要素と同一なので、同一符号を付すにとどめ、重複説明を省略する。
【0057】
このように構成された本実施形態に係る中間阻止弁は、一つの弁ケーシング20内に収容し、蒸気の流れ方向の上流側に中間蒸気止め弁(ISV)を配置し、その下流側にインターセプト弁(IV)を配置するとともに、一つの中間蒸気止め弁用アクチュエータ28で駆動される一つの駆動ロッド29aに位置をずらして二つの中間蒸気止め弁用弁ディスク32a1,32a2を設ける一方、一つのインターセプト弁用アクチュエータ30で駆動される一つの駆動ロッド29bに位置をずらし二つのインターセプト弁用ディスク33b1,33b2を設け、中間蒸気止め弁用弁ディスク32a1,32a2およびインターセプト弁用弁ディスク33b1,33b2のそれぞれを開弁させるとき、中間蒸気止め弁用弁ディスク32a1,32a2およびインターセプト弁用弁ディスク33b1,33b2ともに、一方の弁ディスクを蒸気の流れ方向の上流側に向って開弁させ、他方の弁ディスクを蒸気の流れ方向の下流側に向って開弁させる一方、中間蒸気止め弁用アクチュエータ28とインターセプト弁用アクチュエータ30とを蒸気の流れ方向に対し、互いが反対側になる位置に配置させる一方、各弁ディスク32a1,32a2を2つに分割して1つ当りの大きさが小さくなったので、中間蒸気止め弁(ISV)とインターセプト弁(IV)との距離を短くできる。
【0058】
したがって、弁ケーシングの入口側と出口側とは面間寸法をより一層短くしてコンパクトにすることができ、各アクチュエータ28,30の駆動の際、互いが干渉することがない。
【0059】
したがって、本実施形態に係る中間阻止弁では、弁ケーシング20の入口側と出口側との面間寸法をより一層短くさせ、各アクチュエータ28,30が互いに干渉しない位置に配置させ、空間のスペースをより広く確保させたので、蒸気等の配管レイアウトを何ら支障になく容易に行うことができる。
【0060】
図7および図8は、本発明に係る発電プラントの中間阻止弁の第3実施形態を示す概略図である。なお、図中、図7は、本発明に係る発電プラントの中間阻止弁の平面図であり、図8は、図7で示した中間阻止弁を一部断面として示す側断面図である。
【0061】
湿分分離器がタービンフロアの階下に設置されている発電プラントでは、湿分分離器の出口と低圧タービンの入口とを接続する場合、タービンフロア階下に平行な水平方向の配管からタービンフロアの開口部に向う立上り配管との間に配管を転向させる接続部分と、立上り配管から低圧タービンに接続し、タービンフロアに平行な水平方向配管との間に配管を転向させる接続部分との少なくとも二つ以上の接続部分が必要とされる。
【0062】
本実施形態に係る発電プラントの中間阻止弁は、弁ケーシングの一部を90°タイプのエルボ管34にするとともに、蒸気の入口側および出口側のそれぞれにフランジ21a,21bを備えた90°タイプのエルボ管34に、例えば、バタフライ型の中間蒸気止め弁
(ISV)を収容させるとともに、下流側の直管部分にバタフライ型のインターセプト弁(IV)を収容させたものである。
【0063】
90°タイプのエルボ管34は、配管のレイアウトの容易化、弁のコンパクト化を考慮して、曲率半径をR、管の内半径をaとするとき、曲率半径比R/aを、Ra/a≦2の範囲内に設定される。
【0064】
このバタフライ型の中間蒸気止め弁(ISV)は、第1実施形態の構成要素と同様に、長筒状の弁ケーシングに代えて、入口側と出口側とのそれぞれにフランジ21a,21bを備えたエルボ管34に収容されるとともに、軸受25を介して支持され、エルボ管34に交差する軸心まわりに回転自在な弁棒26と、この弁棒26に駆動レバー27を介して中心位置が接続されて一体として回転する弁ディスク35と、これを駆動するアクチュエータ36等により構成されている。
【0065】
アクチュエータ36は、油圧シリンダとして構成されており、エルボ管34にアクチュエータ取付用プレート31を介して一体的に固定されている。
【0066】
また、アクチュエータ36には、その一端側の中心位置から往復動作用の駆動ロッド29が突出し、この駆動ロッド29の先端にリンク式の駆動レバー27を介して弁棒26が回転し、弁棒26の回転により弁ディスク35がエルボ管34内において開閉される。
【0067】
また、下流側の直管部分に収容させたインターセプト弁(IV)も上述と同じ構成なので、ここでは重複説明を省略する。
【0068】
なお、本実施形態は、エルボ管34に収容した中間阻止弁を中間蒸気止め弁(ISV)としたが、図9および図10に示すように、バタフライ型のインターセプト弁(IV)を収容させてもよい。また、図11および図12に示すように、蒸気の流れ方向に沿い、上流側に中間蒸気止め弁(ISV)を配置し、その下流側にインターセプト弁(IV)を配置する場合、90°タイプのエルボ管34を連続させて接続してもよいし、間に長筒状の配管を配置してもよい。
【0069】
このように構成された本実施形態に係る中間阻止弁は、90°タイプのエルボ管34に弁ディスク35を収容させ、入口側と出口側の面間寸法をより一層短くしてコンパクトにしたので、既設のタービンフロアにおける開口部の開口面積に何らの影響を受けることなく蒸気配管のレイアウトを容易に行うことができる。
【0070】
図13および図14は、本発明に係る発電プラントの中間阻止弁の第4実施形態を示す概略図である。なお、図中、図13は、本発明に係る発電プラントの中間阻止弁の平面図であり、図14は、図13で示した中間阻止弁を一部断面として示す側断面図である。
【0071】
本実施形態に係る発電プラントの中間阻止弁は、弁ケーシングを90°タイプのエルボ配管34にするとともに、蒸気の入口側および出口側のそれぞれにフランジ21a,21bを備えた90°タイプのエルボ管34に、例えば、バタフライ型の少なくとも2個以上に分割した第1中間蒸気止め弁(ISV−1)と第2中間蒸気止め弁(ISV−2)を収容させたものである。
【0072】
これらバタフライ型の第1中間蒸気止め弁(ISV−1)および第2中間蒸気止め弁(ISV−2)は、ともに一つの弁ケーシングに代え、入口側と出口側のそれぞれにフランジ21a,21bを備えた一つのエルボ管34に収容させるとともに、軸受25,25を介して支持され、エルボ管34に交差する軸心まわりに回転自在な弁棒26,26と、これら弁棒26にリンク式の駆動レバー27,27、駆動ロッド29,29を介して中心位置が接続されて一体として回転する弁ディスク36,36と、これらを駆動するアクチュエータ36,36等により構成されている。
【0073】
また、これらアクチュエータ36,36は、図13に示すように、蒸気の流れ方向に対し、互いが反対側になる位置のエルボ管34の外側に設けられ、弁ディスク駆動の際、互いが干渉しないように配置されている。
【0074】
また、これらアクチュエータ36,36のそれぞれは、弁ディスク35,35を開弁させる際、図15に示すように、一方の弁ディスク36を蒸気の流れ方向の上流側に向って開弁させ、他方の弁ディスク36をその下流側に向って開弁させ、運転中、図14に示すように、二つの弁ディスク36,36の開弁によって蒸気の流れを整流させている。
【0075】
なお、本実施形態は、エルポ管34に収容した中間阻止弁を少なくとも2個以上に分割した第1および第2中間蒸気止め弁(ISV−1),(ISV−2)としたが、バタフライ型の第1および第2インターセプト弁(IV−1),(IV−2)の少なくとも2個以上を収容させてもよい。さらに、蒸気の流れ方向に沿い、上流側に第1および第2中間蒸気止め弁(ISV−1),(ISV−2)を配置し、その下流側に第1および第2インターセプト弁(IV−1),(IV−2)を配置する場合、90°タイプの少なくとも2個以上のエルボ管34を連続させて接続するか、あるいは互いをずらして配置してもよい。
【0076】
このように構成された本実施形態に係る中間阻止弁は、90°タイプのエルボ管34に少なくとも2個以上の弁ディスク35,35を収容させ、入口側と出口側の面間寸法をより一層短くしてコンパクトにするとともに、蒸気の流れに整流作用を与えたので、既設のタービンフロアにおける開口部の開口面積に何ら影響を受けることなく蒸気配管のレイアウトを容易に行うことができ、整流作用に基づく圧力損失の少ない効率的な運転を行うことができる。
【0077】
図16および図17は、本発明に係る発電プラントの中間阻止弁の第5実施形態を示す概略図である。なお、図中、図16は、本発明に係る発電プラントの中間阻止弁の平面図であり、図17は、図16で示した中間阻止弁を一部断面として示す側断面図である。
【0078】
本実施形態に係る発電プラントの中間阻止弁は、弁ケーシングを90°タイプのエルボ配管34にするとともに、蒸気の入口側および出口側のそれぞれにフランジ21a,21bを備えた90°タイプのエルボ管34に、一つのアクチュエータ36によって二つの弁ディスク35,35を駆動する、例えば、バタフライ型の中間蒸気止め弁(ISV)を収容させたものである。
【0079】
このバタフライ型の第1中間蒸気止め弁(ISV)は、弁ケーシングに代え、入口側と出口側のそれぞれにフランジ21a,21bを備えたエルボ管34に収容させるとともに、アクチュエータ36によって駆動されるT字状の駆動ロッド29の両端側のそれぞれに、駆動レバー27,27、弁棒26,26を介して弁ディスク35,35を備えて構成されている。なお、他の構成要素は、第3実施形態の構成要素とはほぼ同じなので、ここでは同一符号を付し、重複説明を省略する。
【0080】
このように構成された本実施形態に係る中間阻止弁は、90°タイプのエルボ管34に二つの弁ディスク35,35を収容させ駆動ロッド29を一つのT字状に形成し、1つのT字状に形成した駆動ロッド29を、一つのアクチュエータ36で駆動させるので、アクチュエータ36の個数を少なくさせ、圧力油を供給する油圧シリンダ等の部品点数の減少の下、メンテナンス作業を軽減化することができる。
【0081】
したがって、本実施形態に係る中間阻止弁では、アクチュエータ36の個数の減少に伴う部品点数を少なくさせ、メンテナンス作業を軽減化させたので、作業員の労力をより一層軽減させることができ、作業員の労力のより一層の軽減の下、メンテナンスを充分に行って中間蒸気止め弁を安定運転を行わせることができる。
【0082】
なお、本実施形態は、エルポ管34に収容した中間阻止弁を中間蒸気止め弁(ISV)としたが、バタフライ型のインターセプト弁(IV)を収容させてもよい。さらに、蒸気の流れ方向に沿い、上流側に中間蒸気止め弁(ISV)を配置し、その下流側にインターセプト弁(IV)を配置する場合、90°タイプのエルボ管34を連続させて接続するか、あるいは互いをずらして配置してもよい。
【0083】
図18および図19は、本発明に係る発電プラントの中間阻止弁の第6実施形態を示す概略図である。なお、図中、図18は、本発明に係る発電プラントの中間阻止弁の平面図であり、図19は、図18で示した中間阻止弁を一部断面として示す側断面図である。
【0084】
本実施形態に係る発電プラントの中間阻止弁は、弁ケーシングを90°タイプのエルボ配管34にするとともに、蒸気の入口側および出口側のそれぞれにフランジ21a,21bを備えた90°タイプのエルボ管34に、例えば、バタフライ型の中間蒸気止め弁(ISV)を収容させるとともに、中間蒸気止め弁(ISV)の弁ディスク35を開弁させたときエルボ管の中心の曲率に沿った湾曲の滑らかな曲面を持つ形状に形成したものである。
【0085】
すなわち、このバタフライ型の中間蒸気止め弁(ISV)は、第3実施形態の構成要素と同様に、長筒状の弁ケーシングに代えて、入口側と出口側のそれぞれにフランジ21a,21bを備えたエルボ管34に収容させるとともに、軸受25を介して支持され、エルボ管34に交差する軸心まわりに回転自在な弁棒26と、この弁棒26にリンク式の駆動レバー27を介して中心位置が接続されて一体として回転する湾曲の形状に成形加工された弁ディスク35と、これを駆動するアクチュエータ36等を備えて構成される。
【0086】
また、湾曲37に成形加工された弁ディスク35は、図20に示すように、破線で示す開弁状態から実線で示す閉弁状態にさせるとき、エルボ管34の壁面シート部38a,38bと水密的に当接させるため、弁棒26の中心からエルボ管34の外周側に向かう外周側弁ディスク39aの長さL2を、弁棒26の中心からエルボ管34の内周側に向う内周側弁ディスク35の長さL1よりも長くしている。つまり、湾曲に成形加工された弁ディスク35は、弁棒26を中心位置とし、ここから外周側のエルボ管34の壁面シート部38aまでの距離をL2とし、弁棒26の中心位置から内周側のエルボ管34の壁面シート部38bまでの距離をL1とするとき、L2>L1の関係式を持たせて壁面シート部38a,38bに水密的に当接させ、蒸気の漏洩防止を図ったものである。
【0087】
なお、他の構成要素は、第3実施形態の構成要素とほぼ同じなので、ここでは同一符号を付し、重複説明を省略する。
【0088】
このように構成された本実施形態に係る中間阻止弁は、90°タイプのエルボ管34に収容する弁ディスク35を湾曲37として滑らかな曲面に成形加工したので、蒸気の流れをより一層の効果的な整流にすることができ、整流作用に基づく圧力損失の少ない効率的な運転を行うことができる。
【0089】
なお、本実施形態は、エルボ管34に収容した中間阻止弁を中間蒸気止め弁(ISV)としたが、バタフライ型のインターセプト弁(IV)を収容させてもよい。さらに、蒸気の流れ方向に沿い、上流側に中間蒸気止め弁(ISV)を配置し、その下流側にインターセプト弁(IV)を配置する場合、90°タイプのエルボ管34を連続させて接続するか、あるいは互いをずらして配置してもよい。
【0090】
図21および図22は、本発明に係る発電プラントの中間阻止弁の第7実施形態を示す概略図である。なお、図中、図21は、本発明に係る発電プラントの中間阻止弁の平面図であり、図22は、図21で示した中間阻止弁を一部断面として示す側断面図である。
【0091】
本実施形態に係る発電プラントの中間阻止弁は、弁ケーシングを90°タイプのエルボ配管34にするとともに、蒸気の入口側および出口側のそれぞれにフランジ21a,21bを備えた90°タイプのエルボ管34に、例えば、バタフライ型の中間蒸気止め弁(ISV)を収容させるとともに、中間蒸気止め弁(ISV)の弁ディスク35の収容位置を、蒸気入口側のフランジ21aと蒸気出口側のフランジ21bとの間、例えば角度45°等の中間位置で、かつ弁ディスクを開弁させたときの弁ディスクの向きが半径方向になるように設置する一方、弁ディスク35の両側に一体接続する弁棒26,26を支持する軸受25,25をエルボ管34の管外に設けたものである。
【0092】
なお、他の構成要素は、第3実施形態の構成要素とほぼ同じなので、ここでは同一符号を付し、重複説明を省略する。
【0093】
このように構成された本実施形態に係る中間阻止弁は、90°タイプのエルボ管34に収容する弁ディスク35を、エルボ管34の蒸気の入口側から蒸気の出口側の間の中間位置で、かつ半径方向に向って設置したので、蒸気流の偏流を受けることが少なく、受ける偏流の少ない分だけ圧力損失を低減化させることができ、効率のよい運転を行うことができる。
【0094】
なお、本実施形態は、エルポ管34に収容した中間阻止弁を中間蒸気止め弁(ISV)としたが、バタフライ型のインターセプト弁(IV)を収容させてもよい。さらに、蒸気の流れ方向に沿い、上流側に中間蒸気止め弁(ISV)を配置し、その下流側にインターセプト弁(IV)を配置する場合、90°タイプのエルボ管34を連続させて接続させるか、あるいは互いをずらして配置させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明に係る発電プラントの中間阻止弁の第1実施形態を示す平面図。
【図2】図1の開口部から抜き出した中間阻止弁を示す側面図。
【図3】本発明に係る発電プラントの中間阻止弁の第2実施形態を示し、中間阻止弁を一部断面として示す側断面図。
【図4】図3のA−A矢視方向から見た正面図。
【図5】図3のB−B矢視方向から見た平面図。
【図6】図4のC−C矢視方向から切断した断面図。
【図7】本発明に係る発電プラントの中間阻止弁の第3実施形態を示す平面図。
【図8】図7で示した中間阻止弁を一部断面として示す側断面図。
【図9】本発明に係る発電プラントの中間阻止弁の第3実施形態における第1変形例を示す平面図。
【図10】図9で示した中間阻止弁を一部断面として示す側面図。
【図11】本発明に係る発電プラントの中間阻止弁の第3実施形態における第2変形例を示す平面図。
【図12】図11で示した中間阻止弁を一部断面として示す側面図。
【図13】本発明に係る発電プラントの中間阻止弁の第4実施形態を示す平面図。
【図14】図13で示した中間阻止弁を一部断面として示す側断面図。
【図15】本発明に係る発電プラントの中間阻止弁において、エルボ管内に収容された弁ディスクの閉弁状態を示す平面図。
【図16】本発明に係る発電プラントの中間阻止弁の第5実施形態を示す平面図。
【図17】図16で示した中間阻止弁を一部断面として示す側断面図。
【図18】本発明に係る発電プラントの中間阻止弁の第6実施形態を示す平面図。
【図19】図18で示した中間阻止弁を一部断面として示す側断面図。
【図20】本発明に係る発電プラントの中間阻止弁において、エルボ管内に収容された弁ディスクの閉弁状態を示す平面図。
【図21】本発明に係る発電プラントの中間阻止弁の第7実施形態を示す平面図。
【図22】図21で示した中間阻止弁を一部断面として示す側断面図。
【図23】従来の発電プラントの中間阻止弁を示す平面図。
【図24】図23で示した中間阻止弁を一部断面として示す側断面図。
【図25】従来の発電プラントの他の中間阻止弁を示す平面図。
【図26】図25で示した中間阻止弁を一部断面として示す側断面図。
【図27】タービンフロアに低圧タービンを配置した平面図。
【図28】従来のアングルタイプの中間阻止弁を低圧タービン蒸気入口方向から見た図。
【図29】従来のアングルタイプの中間阻止弁をタービン軸方向から見た図。
【図30】従来のアングルタイプの中間阻止弁をタービン軸と平行に設置する場合の設置状態を示す図。
【図31】従来のアングルタイプの中間阻止弁を低圧タービン入口方向に設置する場合の設置状態を示す図。
【符号の説明】
【0096】
1a,1b フランジ
2 弁ケーシング
3a,3b 軸受
4a,4b 弁棒
5a,5b 弁ディスク
6 中間蒸気止め弁用アクチュエータ
7a,7b 接続部
8a,8b 駆動ロッド
9a,9b 駆動レバー
10 インターセプト弁用アクチュエータ
11a,11b アクチュエータ取付用プレート
12 中間阻止弁
13 アクチュエータ
14 クロスアラウンド管
15 タービンフロア
16 開口部
17 中間阻止弁
18 低圧タービン
20 弁ケーシング
21a,21b フランジ
22a,22b エルボ管
23 タービンフロア
24 開口部
25,25a,25b 軸受
26,26a,26b 弁棒
27,27a,27b 駆動レバー
28 中間蒸気止め弁用アクチュエータ
29,29a,29b 駆動ロッド
30 インターセプト弁用アクチュエータ
31,31a,31b アクチュエータ取付用プレート
32a1,32b1 中間蒸気止め弁用弁ディスク
33b1,33b2 インターセプト弁用弁ディスク
34 エルボ管
35 弁ディスク
36 アクチュエータ
38a,38b 壁面シート部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気の流れ方向に沿う上流側に、中間蒸気止め弁用アクチュエータで開閉駆動される弁ディスクを備えた中間蒸気止め弁を配置し、その下流側に、インターセプト弁用アクチュエータで開閉駆動される弁ディスクを備えたインターセプト弁を配置し、これら中間蒸気止め弁およびインターセプト弁を収容させた一つの弁ケーシングを低圧タービンの入口側に備える一方、湿分分離器をタービンフロアの階下に設置してなる発電プラントの中間阻止弁において、前記弁ケーシングの入口側および出口側のそれぞれをエルボ管で構成し、前記弁ケーシングを低圧タービン入口管面に対して斜めに配置することを特徴とする発電プラントの中間阻止弁。
【請求項2】
前記中間蒸気止め弁用アクチュエータと前記インターセプト弁用アクチュエータとを蒸気の流れ方向に対し、互いが反対側になる位置に設置したことを特徴とする請求項1記載の発電プラントの中間阻止弁。
【請求項3】
蒸気の流れ方向に沿う上流側に、中間蒸気止め弁用アクチュエータで開閉駆動される弁ディスクを備えた中間蒸気止め弁を配置し、その下流側に、インターセプト弁用アクチュエータで開閉駆動される弁ディスクを備えたインターセプト弁を配置し、これら中間蒸気止め弁およびインターセプト弁を収容させた一つの弁ケーシングを低圧タービンの入口側に備える一方、湿分分離器をタービンフロアの階下に設置してなる発電プラントの中間阻止弁において、前記弁ディスクを複数に分割したことを特徴とする発電プラントの中間阻止弁。
【請求項4】
蒸気の流れ方向の沿う上流側に、中間蒸気止め弁用アクチュエータで開閉駆動される弁ディスクを備えた中間蒸気止め弁を配置し、その下流側にインターセプト弁用アクチュエータで開閉駆動される弁ディスクを備えたインターセプト弁を配置し、前記中間蒸気止め弁および前記インターセプト弁をそれぞれ弁ケーシングに収容して低圧タービンの入口側に備える一方、湿分分離器をタービンフロアの階下に設置してなる発電プラントの中間阻止弁において、前記中間蒸気止め弁を収容させた弁ケーシングおよび前記インターセプト弁を収容させた弁ケーシングの少なくとも一つの弁ケーシングをエルボ管で構成したことを特徴とする発電プラントの中間阻止弁。
【請求項5】
エルボ管で構成し、このエルボ管内に複数に分割した弁ディスクを設けたことを特徴とする請求項3記載の発電プラントの中間阻止弁。
【請求項6】
前記弁ディスクを開弁させたとき、前記弁ディスクが前記エルボ管の中心の曲率に沿った曲面になるように形成したことを特徴とする請求項3記載の発電プラントの中間阻止弁。
【請求項7】
前記弁ディスクを開弁させたとき、前記弁ディスクの向きが前記エルボ管の半径方向になるように設置したことを特徴とする請求項3記載の発電プラントの中間阻止弁。
【請求項8】
エルボ管に収容する弁ディスクは、中間蒸気止め弁およびインターセプト弁のうち、いずれか一方に適用することを特徴とする請求項3ないし7のいずれかに記載の発電プラントの中間阻止弁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2006−125350(P2006−125350A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−317404(P2004−317404)
【出願日】平成16年10月29日(2004.10.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(390014568)東芝プラントシステム株式会社 (273)
【Fターム(参考)】