説明

発電機

【課題】コギングトルクが低減されてなるとともに発電効率の優れた発電機を提供する。
【解決手段】円板もしくは円筒状で周方向に沿って等間隔配置された複数の界磁を有する回転子と、回転子の外周もしくは対向位置に同心円状にかつ回転子と離間させて配置されてなり、周方向に沿って等間隔に配置された3k個の櫛歯部からなる櫛歯部群を備えるとともに3m相のコイルが設けられた固定子と、を備える単位起電部を複数備え、各回転子が一のシャフトに固定されてなる発電機が、各回転子の界磁の位相を回転子の周方向にそれぞれずらせるとともに、各固定子の櫛歯部の位相を全ての単位起電部の間で一致させることで、発生するコギングトルクが最大となる位置を各々の単位起電部において異ならせてなるとともに、各々の単位起電部の固定子のi番目の相同士を電気的に直列に接続してなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電機に関し、特に単位起電部を複数備える発電機の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
界磁に永久磁石を用いる永久磁石発電機は、小型機や電気自動車用の発電機などで広く実用化されているが、永久磁石発電機には、回転子の回転に伴って生じるギャップ磁束の空間不均一性が原因となって、いわゆるコギングトルク(トルク脈動)が生じるという短所がある。コギングトルクは、特に低速動作時において顕著であり、永久磁石回転機においては、回転を開始し、さらに回転を持続させるために、回転子を一周回させたときの平均の回転力に比して大きな回転力(始動トルク)が必要である。また、コギングトルクは、永久磁石回転機の動作時における振動・騒音などの要因、つまりは、エネルギー損失の要因となる。
【0003】
このように、コギングトルクは、永久磁石回転機の動作に際し種々のデメリットをもたらすものであることから、これを低減することが永久磁石回転機にとっての課題となっている。すなわち、回転子をスムーズに回転させるには、コギングトルクをできるだけ小さくし、余分な回転力を与えずとも回転子が回転するようにする必要がある。そこで、従来より、コギングトルク低減のために種々の技術が提案されている。
【0004】
例えば、永久磁石回転機の一種として、回転軸を中心として放射状にかつ円周方向に沿って交互に極性の異なる磁極が配置された磁石と、電気的に絶縁されたボビンに巻かれたコイルおよび回転軸を中心に且つ放射状に磁石と近接対向させて配置され磁石から発生する磁束をコイルに印加する複数の金属片で構成される1つの磁束印加手段と、によって構成される起電手段を、同一の回転軸に複数連結し、かつ、発生するコギングトルクが最大となる位置が各々の起電手段において異なるようにし、これによって全体としてのコギングトルクを低減させてなる発電機が、既に公知である(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−098945号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示されている発電機においては、各々の起電手段の磁束印加手段を構成する複数の金属片の位置の位相と他の起電手段の磁束印加手段を構成する金属片の位置の位相とを、回転方向にそれぞれにずらせるとともに、各円板状の磁石間の磁極の位相を一致させることで、あるいは、各々の起電手段の磁石の磁極の極性の位相と他の起電手段の磁石の磁極の極性の位相とを回転方向にそれぞれにずらせるとともに、各磁束印加手段の金属片の位相を一致させることで、各々の起電手段においてコギングトルクが最大となる位置を異ならせるようになっている。
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示されているのは、1つの起電手段あたりに1つのコイルを備える構成の発電機に過ぎない。すなわち、特許文献1に開示された技術的思想に基づく発電機の構成に関しては、発電効率の向上などの観点から、さらに検討・改良の余地がある。例えば、そうした検討課題の1つに、誘導起電力波形における高調波の低減がある。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、コギングトルクが低減されてなるとともに発電効率の優れた発電機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、円板状もしくは円筒状をなす回転子と、
前記回転子の外周位置もしくは前記回転子に対向する位置に前記回転子と同心円状にかつ前記回転子と離間させて配置されてなる固定子と、を備える単位起電部を複数備え、それぞれの前記単位起電部の前記回転子がその重心位置において一のシャフトに固定されてなる発電機であって、それぞれの前記単位起電部において、前記回転子は、周方向に沿って等間隔に配置された複数の界磁を有してなり、前記固定子は、周方向に沿って等間隔に配置されるとともに前記回転子の側へと突出する3k(kは自然数)個の櫛歯部からなる櫛歯部群を備えるとともに、各単位相の巻線が前記櫛歯部群のうちの所定の櫛歯部に巻かれることによって、3m(mは自然数、m≦k)相のコイルが設けられており、各々の前記単位起電部の前記回転子の前記界磁の位相と他の前記単位起電部の前記回転子の前記界磁の位相とを、前記回転子の周方向にそれぞれずらせるとともに、各々の前記単位起電部が備える前記固定子の前記櫛歯部の位相を全ての前記単位起電部の間で一致させることで、前記回転子を回転させた際に発生するコギングトルクが最大となる位置を各々の前記単位起電部において異ならせてなるとともに、全ての前記単位起電部の間で、各々の前記固定子のi番目(1≦i≦3m)の相のコイル同士を電気的に直列に接続してなる、ことを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1に記載の発電機であって、前記界磁が永久磁石である、ことを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の発電機であって、前記単位起電部の前記固定子の櫛歯部の数と、前記回転子の前記界磁の数との最小公倍数をLとし、前記発電機に備わる前記単位起電部の数をCとし、αを自然数とするとき、δn=360°αn/{L(C−1)}なる式にn=0、1、2、・・・C−1を順次に代入することで得られるC通りの値δnを、前記発電機に備わるC個の前記回転子のそれぞれの位相を与える位相角とすることにより、各々の前記回転子の位相を前記周方向にずらしてなる、ことを特徴とする。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1または請求項2に記載の発電機であって、前記単位起電部の前記固定子の櫛歯部の数と、前記回転子の前記界磁の数との最小公倍数をLとし、前記発電機に備わる前記単位起電部の数をCとし、αを自然数とするとき、δn=360°αn/(LC)なる式にn=0、1、2、・・・C−1を順次に代入することで得られるC通りの値δnを、前記発電機に備わるC個の前記回転子のそれぞれの位相を与える位相角とすることにより、各々の前記回転子の位相を前記周方向にずらしてなる、ことを特徴とする。
【0013】
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の発電機であって、前記固定子の相数が3相である、ことを特徴とする。
【0014】
請求項6の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の発電機であって、前記固定子が、前記回転子の外周位置に前記回転子と同心円状にかつ前記回転子と離間させて配置されてなる、ことを特徴とする。
【0015】
請求項7の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の発電機であって、前記固定子が、前記回転子に対向する位置に前記回転子と同心円状にかつ前記回転子と離間させて配置されてなる、ことを特徴とする。
【0016】
請求項8の発明は、円板状もしくは円筒状をなす回転子と、前記回転子の外周位置もしくは前記回転子に対向する位置に前記回転子と同心円状にかつ前記回転子と離間させて配置されてなる固定子と、を備える単位起電部を複数備え、それぞれの前記単位起電部の前記回転子がその重心位置において一のシャフトに固定されてなる発電機であって、それぞれの前記単位起電部において、前記回転子は、周方向に沿って等間隔に配置された複数の界磁を有してなり、前記固定子は、周方向に沿って等間隔に配置されるとともに前記回転子の側へと突出する3k(kは自然数)個の櫛歯部からなる櫛歯部群を備えるとともに、各単位相の巻線が前記櫛歯部群のうちの所定の櫛歯部に巻かれることによって、3m(mは自然数、m≦k)相のコイルが設けられており、各々の前記単位起電部の前記固定子の前記櫛歯部の位相と他の前記単位起電部の前記固定子の前記櫛歯部の位相とを、前記固定子の周方向にそれぞれずらせるとともに、各々の前記単位起電部が備える前記回転子の前記界磁の位相を全ての前記単位起電部の間で一致させることで、前記回転子を回転させた際に発生するコギングトルクが最大となる位置を各々の前記単位起電部において異ならせてなるとともに、全ての前記単位起電部の間で、各々の前記固定子のi番目(1≦i≦3m)の相のコイル同士を電気的に直列に接続してなる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1ないし請求項8の発明によれば、全体としてのコギングトルクが低減されてなるとともに、それぞれの単位起電部の誘導起電力波形において生じる高調波成分が相殺されることによって発電効率が向上した発電機が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】発電機1の概略構成を示す斜視図である。
【図2】発電機1に備わる1つの単位起電部5の詳細構成を示す断面図である。
【図3】固定子4における3相のコイル7の巻線6の巻き方を例示する図である。
【図4】複数の単位起電部5の間におけるコイル7の結線の様子を示す図である。
【図5】発電機1について、各々の単位起電部5における回転子3と固定子4との配置関係を例示する図である。
【図6】コギングトルクと連数との関係を示す図である。
【図7】無負荷での誘導起電力波形の解析結果図である。
【図8】全ての回転子3の位相角が同じ発電機の、無負荷での誘導起電力波形の実測像である。
【図9】発電機1の無負荷での誘導起電力波形の実測像である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<発電機の構成>
図1は、本発明の実施の形態に係る発電機1の概略構成を示す斜視図である。発電機1は、概略、中心軸AX周りに回転可能に設けられたシャフト2と、それぞれが、シャフト2に固設されてなる回転子3と当該回転子3の外周位置に配置されてなる固定子4とを主に備える複数の単位起電部5とを備える。なお、図1においては、4個の単位起電部5(5a、5b、5c、5d)を備える態様が示されているが、これは例示に過ぎない。発電機1は、さらに多くの単位起電部5を備えていてもよいし、2個または3個の単位起電部5を備える態様であってもよい。また、図1においては一部のみ図示しているが、4個の単位起電部5a、5b、5c、5dは、それぞれ回転子3a、3b、3c、3dを備え、かつ、それぞれ固定子4a、4b、4c、4dを備える(図5参照)。
【0020】
以降の説明においては、発電機1に設けられた単位起電部5もしくは回転子の個数を、連数とも称し、例えば4つの単位起電部5もしくは回転子3が備わる場合を「4連」などと称することがある。
【0021】
また、回転子3についての記述か固定子4についての記述かを問わず、シャフト2の中心軸AX周りの方向を「周方向」と総称する。そして、該周方向の反時計回りの向きを正の向き、時計回りの向きを負の向きとする。
【0022】
シャフト2は、金属製の棒状の部材である。あるいは、金属製棒と同等の強度を有するのであれば、GFRP(ガラス繊維強化プラスチック)を初めとする繊維強化プラスチックなど他の素材からなる棒状の部材をシャフト2として用いる態様であってもよい。シャフト2は、軸受け2Aによって支持されることで、中心軸AX周りに回転可能とされてなる。軸受け2Aは、台座1Aに固設された軸受け台2Bに設けられてなる。発電機1においては、外力を与えてシャフト2を中心軸AX周りに回転させることによって、回転子3が回転するようになっている。
【0023】
それぞれの単位起電部5において、回転子3は、円板状もしくは円筒状の同一形状をなしており、その重心位置をシャフト2の中心軸AXと一致させる態様にてシャフト2に固定されている。
【0024】
図2は、発電機1に備わる1つの単位起電部5(5a)の詳細構成を示す、中心軸AXに垂直な断面図である。なお、以下において、断面視とは、特に断らない限り、中心軸AXに垂直な断面を見た場合を指し示すものとする。
【0025】
図2に示すように、回転子3は、珪素鋼板などを材質とする円板状もしくは円筒状の鉄心31と、鉄心31の外縁部に周方向に沿って等間隔に(中心軸AX周りにおいて等角度間隔に)嵌め込まれた複数の永久磁石33とを備える。図2に示す場合においては、断面視で細長い矩形状をなす板状の永久磁石33が、両端に空隙32を設ける態様にて鉄心31に嵌め込まれてなる。それぞれの永久磁石33は、その一方主面がN極、他方主面がS極となっており、断面視で両主面を通る垂直2等分線が中心軸AXを通るように、かつ、回転子3を周方向に沿ってみた場合に、N極が外側(固定子4の側)を向く永久磁石33とS極が外側を向く永久磁石33とが交互に位置するように、配置されてなる。係る態様にて配置された永久磁石33は、固定子4に対する界磁となる。なお、永久磁石33の形状は板状に限られず、断面視で弧状やV字状その他の形状をなしていてもよい。空隙32は、永久磁石33に連接しつつも鉄心31の外周側へと屈曲する態様にて設けられてなる。ただし、空隙32を設けるのは必須の態様ではない。
【0026】
なお、図2においては、回転子3が8個の永久磁石33を備える構成を示している。係る場合、永久磁石33の角度間隔θ1は45°である。ただし、図2に示す構成はあくまで例示に過ぎず、固定子4に対する界磁として好適に機能するのであれば、永久磁石33の数は8個には限られない。また、永久磁石33と同様の機能を果たすのであれば、他の界磁が用いられる態様であってもよい。
【0027】
それぞれの単位起電部5において、固定子4は、回転子3と同心円状にかつ回転子3と離間させて配置されてなる。すなわち、単位起電部5は、ラジアルギャップ型の構成を有する。また、各単位起電部5に備わる固定子4は、同一の形状を有する。図1に示すように、固定子4は、台座1Aに設けられた固定子支持台4Aによって支持されてなる。より詳細には、図2に示すように、固定子4は、断面視円環状の環状部41と、環状部41から中心軸AXの方向に向けて(回転子3に向けて)延在する複数の櫛歯部42とからなる鉄心40を主に備える突極型の構成を有する。櫛歯部42は、周方向に沿って等間隔に(中心軸AX周りにおいて等角度間隔に)設けられてなる。図2においては、固定子4が36個の櫛歯部42を備える構成を示している。係る場合、櫛歯部42の角度間隔θ2は10°である。ただし、図2に示す構成はあくまで例示に過ぎず、櫛歯部42の数は3k(kは自然数)個であればよい。
【0028】
それぞれの櫛歯部42は、断面視略T字型をなしており、その先端部43は周方向に沿った平板状(断面視矩形状)をなしている。この先端部43と回転子3の鉄心31の外周部とは、回転子3が回転状態にあるか否かに関わらず、一定の間隙を保って離間してなる。
【0029】
また、隣り合う櫛歯部42の間隙部分をスロットSと称する。図2に示す場合においては、36個の櫛歯部42が設けられることによって、36個のスロットS(S1〜S36)が備わっている。
【0030】
そして、図2においては詳細な図示を省略しているが、固定子4においては、それぞれの櫛歯部42に(より詳細には先端部43を除く部分に)巻線6が巻かれることによってコイルが形成されてなる。なお、以降の説明においては、図1に示す4連の発電機1について、それぞれの単位起電部5の固定子4に3相(U相、V相、W相)のコイルが設けられるものとする。また、i相(i=U、V、W)のコイルであって、j連目(1≦j≦4)の単位起電部5に備わるものの符号を「7ij」と記述する。ただし、コイル7の相数を3とするのはあくまで例示であって、1つの固定子4には3m(mは自然数、m≦k)相のコイル7が設けられる態様であればよい。
【0031】
巻線6には適宜の導線を用いることが可能であり、例えば、銅などの常電導体の導線のほか、ビスマス系やイットリウム系その他の高温酸化物超電導体の導線を用いる態様であってもよい。また、巻線6の断面積や1つの櫛歯部42に対する巻線6の巻数なども、供給される発電量その他に応じて適宜に設定されてよい。
【0032】
図3は、1つの固定子4(4a)における3相のコイル7(7U1、7V1、7W1)の巻線6の巻き方を例示する図である。図4は、複数の単位起電部5の間(つまりは固定子4の間)におけるコイル7の結線の様子を示す図である。各相のコイル7を構成する巻線6は、全ての櫛歯部42(櫛歯部群)の中から所定の規則に応じて選択された櫛歯部42に巻かれるようになっている。
【0033】
なお、図3において、「S1」などの符号は、各スロットSを表すとともに、該スロットSに対して周方向正の向きに隣接する櫛歯部42を表している。そして、図3において「DOWN SLOT」と記された側のスロットSは、周方向正の向きに隣接する櫛歯部42に巻かれた巻線6が図2において紙面奥から手前に向けて引き出されるスロットSであり、「UP SLOT」と記された側のスロットSは、周方向正の向きに隣接する櫛歯部42に巻かれた巻線6が図2において紙面手前から奥に向けて引き込まれるスロットSである。なお、図2においては、理解の容易のために、紙面手前側においてスロットSの間を結ぶ巻線6(6U、6V、6W)のみ簡略的に示している。
【0034】
例えばコイル7U1の場合であれば、スロットS1において図2の紙面奥から手前に向けて引き出された巻線6UがスロットS5において図2の紙面手前から奥に向けて引き込まれる。図3に示した巻線6の巻き方はあくまで一例に過ぎず、他の巻き方が採用されてもよい。
【0035】
また、図3に示すように、固定子4aに備わるコイル7U1は端子U1+と端子U1−とに接続される。同様に、コイル7V1は端子V1+と端子V1−とに接続される。コイル7W1は端子W1+と端子W1−とに接続される。そして、図4に示すように、これらの接続関係は固定子4b、4c、4dにおいても同様である。すなわち、固定子4bにおいては、コイル7U2は端子U2+と端子U2−とに接続される。コイル7V2は端子V2+と端子V2−とに接続される。コイル7W2は端子W2+と端子W2−とに接続される。また、固定子4cにおいては、コイル7U3は端子U3+と端子U3−とに接続される。コイル7V3は端子V3+と端子V3−とに接続される。コイル7W3は端子W3+と端子W3−とに接続される。さらに、固定子4dにおいては、コイル7U4は端子U4+と端子U4−とに接続される。コイル7V4は端子V4+と端子V4−とに接続される。コイル7W4は端子W4+と端子W4−とに接続される。
【0036】
以上のような構成を有する発電機1においては、シャフト2が外力を与えられることによって回転すると、それぞれの単位起電部5においては、永久磁石33を備える回転子3が回転することにより、その外周に備わる固定子4の各相のコイル7に誘導起電力が生じる。それゆえ、本実施の形態に係る発電機1は、一見すると、同一のシャフト2に固設された複数の単位起電部5がそれぞれ三相交流発電機として機能する、複数の三相交流発電機を並列的に設けた構成を有しているかのように捉えられる。
【0037】
しかしながら、実際には、図4に示す発電機1においては、それぞれの単位起電部5の固定子4のU相同士、V相同士、およびW相同士が直列に接続されてなり、各相の端子電圧Va、Vb、Vcを取り出すようになっている。また、端子U1−、V1−、W1−は互いに接続(図4においてはさらに接地)されている。このような接続態様は、相数が3mである本実施の形態に係る全ての発電機1において同様である。すなわち、本実施の形態に係る発電機1は、全ての単位起電部5の間で、各々の固定子4のi番目(1≦i≦3m)の相のコイル7同士が電気的に直列に接続された構成を有する。これにより、本実施の形態に係る発電機1は、回転子3と固定子4との組み合わせである単位起電部5を複数備えつつも、全体として1つの3m相交流発電機として機能するように構成されてなる。換言すれば、本実施の形態に係る発電機1は、3m相それぞれのコイル7を異なる単位起電部5に分散させて設け、かつ、一のシャフト2の回転によって全ての単位起電部5に備わる回転子3を同期的に回転させることによって、それぞれの単位起電部5において3m相それぞれのコイル7に誘導起電力を生じさせる構成を有するともいえる。
【0038】
<コギングトルクの低減>
上述のように、本実施の形態に係る発電機1は、それぞれの単位起電部5において回転子3に備わる永久磁石33が界磁であるとともに固定子4が突極型の構成を有する。それゆえ、外力によってシャフト2を回転させることによって回転子3を回転させる場合に、永久磁石33とその近傍に位置する固定子4の櫛歯部42(主にはその先端部43)との間に引力が作用することで、それぞれの単位起電部5にコギングトルクが発生する。しかも、本実施の形態に係る発電機1の場合、複数の単位起電部5を構成する全ての回転子3が一のシャフト2に固設されてなることから、それぞれの回転子3と対応する固定子4との間で生じるコギングトルクの重ね合わせが、発電機1全体のコギングトルクとなる。
【0039】
そこで、本実施の形態においては、各々の単位起電部5における回転子3と固定子4との配置関係を調整することによって、発電機1全体のコギングトルクを低減させてなる。具体的には、それぞれの単位起電部5を構成する複数の回転子3を、少しずつ姿勢を違えた(中心軸AX周りの位相をずらした)状態でシャフト2に固設させてなる。一方で、固定子4については、全ての単位起電部5において同じ姿勢を取るように設けてなる。
【0040】
係る態様にて回転子3と固定子4との配置関係を設定することでコギングトルクが低減される理由については、特許文献1に開示されているので、本実施の形態においては、以下に概略的に説明するに留める。
【0041】
まず、全ての単位起電部5は同一構造を有しているので、個々の単位起電部5が単独に存在する場合におけるコギングトルクの変動周期およびコギングトルクの最大値は全て同じである。しかしながら、上述のように、各単位起電部5の回転子3の姿勢を少しずつ違える一方で、固定子4については、全ての単位起電部5において同じ姿勢を取るように配置すると、コギングトルクが最大となるタイミングが個々の単位起電部5において異なることになるので、発電機1全体としてみれば、単独の単位起電部5よりもコギングトルクの変動周期が小さくなる。変動周期が小さいということは、コギングトルクが相対的に大きな値を取る時間が短いことを意味している。
【0042】
加えて、回転子3と固定子4とが上述の配置を取る場合、シャフト2を回転させると、ある単位起電部5において回転子3と固定子4との間に回転子3の回転を阻害する向きに吸引力が作用してコギングトルクが増大しようとするときには、他の単位起電部5においては回転子3と固定子4との間に回転子3の回転を速める向きに吸引力が作用してコギングトルクが減少しようとする、という状態が絶えず実現される。これにより、個々の単位起電部5におけるコギングトルクの最大値が低減される。
【0043】
結果として、発電機1全体としてみれば、コギングトルクが低減され、かつ変動が平準化された状態が実現される。すなわち、発電機1においては、1つの単位起電部5を備えるのみの発電機に比して、余分なトルクを与えずともシャフト2をスムーズに回転させることが可能となる。
【0044】
個々の回転子3に与えるずらし角(位相角)δの値についてであるが、回転子3に備わる永久磁石33および固定子4に備わる櫛歯部42のサイズを考慮しない場合、発電機1の連数をC(Cは自然数)とすると、次の式1にn=0、1、2、・・・C−1を順次に代入することで得られるC通りの値δnが、C個の回転子3のそれぞれの位相角δとなる。
【0045】
δn=360°αn/{L(C−1)} ・・・・・(式1)
ここで、Lは、固定子4のスロットS(もしくは櫛歯部42)の数(以下、Aとする)と、永久磁石33の数(以下、Bとする)との最小公倍数である。αは、任意の自然数であり、1つの単位起電部5におけるコギングトルクの発生周期などに応じて定められる。なお、角度原点は、中心軸AXに垂直な面内において任意に定めればよい。
【0046】
換言すれば、C個の回転子3はそれぞれ、中心軸AX周りにδu=360°α/{L(C−1)}なる角度ずつ異なる姿勢を与えてシャフト2に固設される。以降、δuを単位位相角と称する。
【0047】
図5は、図2に示した単位起電部5を4つ備える図1の4連の発電機1について、各々の単位起電部5における回転子3と固定子4との配置関係を例示する図である。なお、単位起電部5(具体的には回転子3と固定子4)は本来シャフト2の中心軸AXに対して垂直に設けられてなるが、図5においては図示の都合上、各々の単位起電部5と中心軸AXとを同一平面上に示している。また、回転子3が図2に示す姿勢をとるときを、位相δ=0°の基準姿勢にあるとし、回転子3が周方向正の向きに回転するにつれて位相δが大きくなるものとする。
【0048】
図5に示す場合、A=36、B=8であることからL=72であり、C=4であることから、α=1とすると式1より、δ0=0°、δ1≒1.67°、δ2≒3.33°、δ3=5°となる。そこで、図5に示す場合においては、4つの回転子3a、3b、3c、3dの位相δ=δa、δb、δc、δdが、δa=0°、δb≒1.67°、δc≒3.33°、δd=5°と設定している。
【0049】
なお、図5においては、位相角δがだんだんと増加するように回転子3の姿勢を定めているが、これは必須の態様ではない。一般に、C通りの値δnの全てが位相角δとしていずれかの回転子3において設定されていれば、回転子3の配列の順序は任意でよい。例えば、図5に示す場合において、δa=5°、δb≒1.67°、δc=0°、δd≒3.33°などとなっていてもよい。
【0050】
ただし、実用上は、式1に代えて近似的に次の式2を用いてもよい。ただし、αの値は式1と同じとする。
【0051】
δn=360°αn/(LC) ・・・・・(式2)
このことは、少なくとも実用上は、個々の回転子3をシャフト2に固定するにあたって、それぞれの回転子3に与えられる位相角δに、式1を用いて算出されるδnの値と式2を用いて算出されるδnの値との差分値程度の誤差は許容され得ることを意味している。なお、式2を用いる場合、δu=360°α/(LC)となる。
【0052】
実際、永久磁石33および櫛歯部42がそれぞれにある有限のサイズを有するなどの理由から、発電機1のコギングトルクを厳密に最小とする位相角δの値は、式1で求められる値とは異なり得る。しかしながら、位相角δを、少なくとも上述の差分値程度の誤差範囲内で設定するようにすれば、コギングトルク低減の効果は十分に得ることができる。また、そもそも、発電機1の製造工程においてシャフト2に回転子3を固定する際の加工精度(加工誤差)が、上述の差分値と同程度となることも十分にあり得、このような場合にまで、該差分値の範囲内で厳密に位相角δを定める必要はないともいえる。
【0053】
あるいは、特に、商用の発電機1の場合、スロットSの数は30〜50程度あるいはそれ以上の値であることから、スロット数Aの値と永久磁石33の数Bとの最小公倍数Lの値はAの値と同じかそれ以上という比較的大きな値となる。それゆえ、上述の差分値は大きくても1°未満と十分に小さくなる。例えば図5に示した場合であれば、約0.42°である。すなわち、式2を用いて求めた位相角δに従って回転子3をシャフト2に固定したとしても、コギングトルクの低減という効果は問題なく得られる。
【0054】
図6は、単位起電部5の構成を同じとし、連数を違えた複数の発電機1のそれぞれについて、有限要素法により解析的に算出したコギングトルクと、連数との関係を示す図である。なお、A=48、B=8とし、回転数は1800rpmとした。また、図6においては、コギングトルクの値を連数が1の時の値で規格化してなる。なお、位相角δの算出には、式2を用いた。この場合、L=48であり、α=5と定めてδu=9.375°とした。
【0055】
図6によれば、コギングトルクは、連数が2連の場合で1連の場合の約半分となり、4連で1連の場合の1/4以下となり、8連の場合はほとんど0となっている。
【0056】
図6に示す結果は、単位起電部5の連数が多くなるほど、コギングトルクが低減されることを意味している。すなわち、単位起電部5を複数、好ましくは4連以上、より好ましくは8連以上備えるようにするとともに、式1または式2から求められる位相角に従って回転子3をシャフトに固設することで、コギングトルクによる損失が好適に低減された発電機1が実現される。
【0057】
<直列接続の効果>
上述のように、本実施の形態に係る発電機1は、全ての単位起電部5の間で、各々の固定子4のi番目(1≦i≦3m)の相のコイル7同士が電気的に直列に接続された構成をも有している。次に、発電機1が係る構成を有することの効果について説明する。
【0058】
図7は、本実施の形態に係る発電機1のある1つの相についての無負荷での誘導起電力波形WF1の解析結果図である。より詳細には、図7に示す誘導起電力波形WF1は、図6に示した結果を求めた場合と同じ条件設定のもとで解析的に求められた、それぞれの単位起電部5における誘導起電力波形を足し合わせたものである。ただし、連数は4とし、コイル7は3相としている。
【0059】
また、図7には、参考として、全ての回転子3について位相角が同じである発電機、つまりは、全ての回転子3を同一の姿勢でシャフト2に固定してなる発電機のある1つの相についての誘導起電力波形WF2を併せて示している。係る誘導起電力波形WF2も、それぞれの単位起電部5における誘導起電力波形を足し合わせたものである。
【0060】
誘導起電力波形WF1と誘導起電力波形WF2とを対比すると、同一形状の波形を連数分足し合わせたものである後者においては、基本波に高調波が重畳しており、基本波のピークが約750Vとなっているのに対して、前者は、正弦波形に近く、かつ、ピークが約950Vとなっている。
【0061】
係る結果は、本実施の形態のように、全ての単位起電部5の間で、同一相のコイル7同士を電気的に直列に接続することで、高調波成分が相殺され、結果として、発電効率が向上することを示唆している。
【0062】
また、図8は全ての回転子3の位相角を同じとし、コイルの接続を本実施の形態に係る発電機と同じとした発電機の、無負荷での誘導起電力波形の実測像である。一方、図9は本実施の形態に係る発電機1の、無負荷での誘導起電力波形の実測像である。いずれも、連数は4連であり、コイル7は3相である。
【0063】
図8と図9とを対比すると、前者は各相の波形にショルダー部が観察されるのに対して、後者は各相の波形がほぼ均一な正弦波形となっている。係る結果は、図7に示す解析結果を裏付けるものといえる。
【0064】
これらの結果は、本実施の形態に係る発電機1のように、上述した態様にて回転子3に位相角δを与え、かつ、コイル7を各単位起電部5の間で直列に接続することで、誘導起電力波形の改善と、発電効率の向上とが実現されることを示している。
【0065】
以上、説明したように、本実施の形態によれば、回転子と固定子とを備える単位起電部を複数備えるとともに、それぞれの回転子を同一のシャフトに固設してなる構成の発電機において、それぞれの回転子3を、少しずつ姿勢を違えた状態でシャフトに固設させてなる一方で、全ての固定子を同一姿勢とすることで、発電機全体としてのコギングトルクが低減される。
【0066】
加えて、同一相のコイル同士を電気的に直列に接続し、全体として1つの3m相交流発電機とすることで、それぞれの単位起電部の誘導起電力波形において生じる高調波成分が相殺された正弦波形に近い誘導起電力波形が得られ、結果として、高い発電効率が実現される。
【0067】
<変形例>
上述の実施の形態においては、複数の回転子3の位相をずらす一方で、複数の固定子4の位相は全て同じとしているが、これに代わり、複数の回転子3の位相を全て同じとし、かつ、複数の固定子4の位相を、上述の実施形態の式1もしくは式2に基づいてずらせるようにしてもよい。係る場合においても、回転子を回転させた際に発生するコギングトルクが最大となる位置を各々の単位起電部において異ならせることができるので、上述の実施の形態と同様に、コギングトルク低減の効果は同様に得られる。なぜならば、上述の実施の形態のように回転子3に位相角δを与えることはすなわち、個々の単位起電部5における回転子3と固定子4との相対的な配置関係を違えることと等価であり、係る回転子3と固定子4との相対的な配置関係は、回転子3の位相を同じとし、固定子4の位相を違えた場合であっても、同様に実現されるからである。
【0068】
また、上述の実施の形態においては、単位起電部5において固定子4が回転子3の外周位置に設けられるラジアルギャップ型の構成を前提として説明を行っているが、固定子4は、回転子3に対向する位置に回転子3と同心円状にかつ回転子3と離間させて配置されてなる態様であってもよい。係る場合、単位起電部5はアキシャルギャップ型の構成を有することとなる。
【0069】
また、上述の実施の形態において、発電機1は、円板状または円筒状の回転子3が固定子4の内側で回転するインナーロータ型の構成を有しているが、これに代わり、発電機1が、円板状または円筒状の固定子の外周を円環状もしくは円筒形状回転子が回転するアウターロータ型の構成を有する態様であってもよい。
【0070】
また、上述の実施の形態においては、回転子3において永久磁石33が鉄心31の内部に嵌め込まれた構成を示しているが、これに代わり、永久磁石33が円板状もしくは円筒状をなす鉄心31の外周面に配置されてなる態様であってもよい。
【符号の説明】
【0071】
1 発電機
2 シャフト
3(3a、3b、3c、3d) 回転子
31 鉄心
32 空隙
33 永久磁石
4(4a、4b、4c、4d) 固定子
40 鉄心
41 環状部
42 櫛歯部
43 先端部
5(5a、5b、5c、5d) 単位起電部
6(6U、6V、6W) 巻線
7(7U1〜7U4、7V1〜7V4、7W1〜7W4) コイル
AX (シャフトの)中心軸
S(S1〜S36) スロット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円板状もしくは円筒状をなす回転子と、
前記回転子の外周位置もしくは前記回転子に対向する位置に前記回転子と同心円状にかつ前記回転子と離間させて配置されてなる固定子と、
を備える単位起電部を複数備え、それぞれの前記単位起電部の前記回転子がその重心位置において一のシャフトに固定されてなる発電機であって、
それぞれの前記単位起電部において、
前記回転子は、周方向に沿って等間隔に配置された複数の界磁を有してなり、
前記固定子は、周方向に沿って等間隔に配置されるとともに前記回転子の側へと突出する3k(kは自然数)個の櫛歯部からなる櫛歯部群を備えるとともに、各単位相の巻線が前記櫛歯部群のうちの所定の櫛歯部に巻かれることによって、3m(mは自然数、m≦k)相のコイルが設けられており、
各々の前記単位起電部の前記回転子の前記界磁の位相と他の前記単位起電部の前記回転子の前記界磁の位相とを、前記回転子の周方向にそれぞれずらせるとともに、各々の前記単位起電部が備える前記固定子の前記櫛歯部の位相を全ての前記単位起電部の間で一致させることで、前記回転子を回転させた際に発生するコギングトルクが最大となる位置を各々の前記単位起電部において異ならせてなるとともに、
全ての前記単位起電部の間で、各々の前記固定子のi番目(1≦i≦3m)の相のコイル同士を電気的に直列に接続してなる、
ことを特徴とする発電機。
【請求項2】
請求項1に記載の発電機であって、
前記界磁が永久磁石である、
ことを特徴とする発電機。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の発電機であって、
前記単位起電部の前記固定子の櫛歯部の数と、前記回転子の前記界磁の数との最小公倍数をLとし、前記発電機に備わる前記単位起電部の数をCとし、αを自然数とするとき、
δn=360°αn/{L(C−1)}
なる式にn=0、1、2、・・・C−1を順次に代入することで得られるC通りの値δnを、前記発電機に備わるC個の前記回転子のそれぞれの位相を与える位相角とすることにより、各々の前記回転子の位相を前記周方向にずらしてなる、
ことを特徴とする発電機。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の発電機であって、
前記単位起電部の前記固定子の櫛歯部の数と、前記回転子の前記界磁の数との最小公倍数をLとし、前記発電機に備わる前記単位起電部の数をCとし、αを自然数とするとき、
δn=360°αn/(LC)
なる式にn=0、1、2、・・・C−1を順次に代入することで得られるC通りの値δnを、前記発電機に備わるC個の前記回転子のそれぞれの位相を与える位相角とすることにより、各々の前記回転子の位相を前記周方向にずらしてなる、
ことを特徴とする発電機。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の発電機であって、
前記固定子の相数が3相である、
ことを特徴とする発電機。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の発電機であって、
前記固定子が、前記回転子の外周位置に前記回転子と同心円状にかつ前記回転子と離間させて配置されてなる、
ことを特徴とする発電機。
【請求項7】
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の発電機であって、
前記固定子が、前記回転子に対向する位置に前記回転子と同心円状にかつ前記回転子と離間させて配置されてなる、
ことを特徴とする発電機。
【請求項8】
円板状もしくは円筒状をなす回転子と、
前記回転子の外周位置もしくは前記回転子に対向する位置に前記回転子と同心円状にかつ前記回転子と離間させて配置されてなる固定子と、
を備える単位起電部を複数備え、それぞれの前記単位起電部の前記回転子がその重心位置において一のシャフトに固定されてなる発電機であって、
それぞれの前記単位起電部において、
前記回転子は、周方向に沿って等間隔に配置された複数の界磁を有してなり、
前記固定子は、周方向に沿って等間隔に配置されるとともに前記回転子の側へと突出する3k(kは自然数)個の櫛歯部からなる櫛歯部群を備えるとともに、各単位相の巻線が前記櫛歯部群のうちの所定の櫛歯部に巻かれることによって、3m(mは自然数、m≦k)相のコイルが設けられており、
各々の前記単位起電部の前記固定子の前記櫛歯部の位相と他の前記単位起電部の前記固定子の前記櫛歯部の位相とを、前記固定子の周方向にそれぞれずらせるとともに、各々の前記単位起電部が備える前記回転子の前記界磁の位相を全ての前記単位起電部の間で一致させることで、前記回転子を回転させた際に発生するコギングトルクが最大となる位置を各々の前記単位起電部において異ならせてなるとともに、
全ての前記単位起電部の間で、各々の前記固定子のi番目(1≦i≦3m)の相のコイル同士を電気的に直列に接続してなる、
ことを特徴とする発電機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−106392(P2013−106392A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247227(P2011−247227)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 掲載年月日 平成23年5月11日 掲載アドレス http://www.csj.or.jp/conference/2011s/2A.pdf(4ページ目)
【出願人】(511214004)
【出願人】(501494791)
【Fターム(参考)】