説明

発電装置及びそれを利用した照明装置

【課題】手回しの発電機においては、初期動作に必要な力(負荷)が大きいため、子供では発電動作を行うことが難しい。
【解決手段】三相交流発電機と、該三相交流発電機を人間の手で回すための手回しハンドルと、前記三相交流発電機からの出力を受け取る充電回路と、該充電回路からの出力により充電する二次電池とを有する発電装置において、前記三相交流発電機からの3出力と、前記充電回路との間に、3つの遅延回路を並列に設けて、それぞれの遅延時間を異なるものとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力の供給の受けることの出来ない地域又は環境において、生活のための明かりを安定供給する照明装置を提供することに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電池交換を行うことなく使用することができるリモートコマンダが開示されている。具体的には、テレビなどのリモコンに発電装置を搭載して、電池不要のリモコン装置を提供するものである。この発電のためには、発電機を使用者が手動で回すための動力伝達機構としてはずみ車が使われている。
特許文献2には、ヘルメットにLEDランプを搭載したものが開示されている。そこにおいて、LEDは、単色発光するLEDの他、赤色発光LEDや緑色発光LEDなどの複数種類のLEDをユニット化して任意の色で発光するようにした点光源あるいは線光源を含むとしている。
特許文献3には、光源に電流を供給する発電機と、発電機に連動する手動アクチュエータアセンブリとを備え、手動アクチュエータアセンブリは、回転可能な軸を備えノーマル位置と作動位置との間で移動可能な作業者用ハンドルと、作業者用ハンドルに接続されたバネアセンブリと、バネアセンブリ及び発電機のロータに接続されて、ロータを回転させる駆動列とを有し、バネアセンブリは軸に取付けられたリールと、リールに接続されたテープバネとを有し、作業者用ハンドルが作動位置の方向に移動されると、リールが正方向に回転し、テープバネがリールに巻回され、リールと軸とを、戻り方向に付勢する照明アセンブリが開示されている。
特許文献4には、マニュアル回転駆動機構により回転せしめられる回転子を有した発電機と、その発電機の発電電力を利用する電源部と、を備えた発電機内蔵電気機器が開示されている。
特許文献5には、交流発電機による、リップル成分を含む整流された電圧を使用して、バッテリを効果的に充電する技術が開示されている。
【特許文献1】特開平11−18162号公報
【特許文献2】特開2006−97156号公報
【特許文献3】特開2006−223094号公報
【特許文献4】特開平10−164771号公報
【特許文献5】特開平6−141485号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
解決しようとする問題点は、手回しの発電機においては、初期動作に必要な力(負荷)が大きいため、子供では発電動作を行うことが難しい点である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
かかる課題を解決すべく、本発明に係る発電装置は、三相交流発電機と、該三相交流発電機を使用者が手動で回すための動力伝達機構と、前記三相交流発電機からの出力を受け取る充電回路と、該充電回路からの出力により充電する二次電池とを有する発電装置において、前記三相交流発電機からの3出力と、前記充電回路との間に、3つの遅延回路を並列に設けて、それぞれの遅延時間を異なるものとした。
【0005】
前記3つの遅延回路の遅延時間は、t秒、2t秒、3t秒とすることができる。
【0006】
前記3つの遅延回路の遅延時間は、特に5秒、10秒、15秒とできる。
【0007】
本発明に係る照明装置は、前記いずれかの発電装置を設けた照明装置であって、前記二次電池に接続した放電監視回路と、該放電監視回路に接続したランプ制御回路と、ランプとを有する。
【0008】
前記ランプは、光の3原色をそれぞれ発するLEDを並列に設け、前記ランプ制御回路は、3原色LEDのそれぞれの明るさを個別に制御するのが望ましい。
【0009】
前記放電監視回路は、前記二次電池からの出力電圧を監視して、所定の値以下となったら供給を遮断することが望ましい。
【0010】
一つの筐体にすべてを収納することができる。
【0011】
また、前記発電装置部分を切り離し可能な筐体に収納し、必要なコネクタとケーブルとをもって接続することもできる。
【0012】
さらにまた、前記ランプを切り離し可能な筐体に収納し、必要なコネクタとケーブルとをもって接続することもできる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、以上の構成を有するので、次の効果を有する。子供や力の弱い人でも起動できる手動発電機としたので、利用可能者の範囲が広がる。照明のない地域をなくすことができる。発光源に光の三原色を使用し調光機能を搭載したので、発光色の地域性に対応することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。図1は、本発明に係る発電装置100の構成を示すブロック図である。発電装置100は、三相交流発電機101と、その三本の出力を受けてそれぞれ異なる時間を遅延させる遅延回路部110と、遅延回路部110の出力を受ける充電回路部120、その出力を受けて充電する二次電池130とからなる。三相交流発電機101には、動力伝達機構の一例として手回しハンドル150が設けられて、使用者が手を使って手回しハンドル150を回すことで発電がなされる。手回し発電機として市販されているものを用いることができる。ここでは、2回/秒で250mA、3回/秒で500mAの発電能力のある市販品を用いた。なお、手回しハンドルの代わりに特許文献1に示すようなはずみ車を用いることもできる。
【0015】
遅延回路部110は、遅延回路111,112,113の三つの遅延回路を並列に並べて三相交流発電機101の三本の出力を受け、それぞれ異なる遅延時間で充電回路部120に引き渡すものである。遅延回路111,112,113の遅延時間をたとえば1秒、2秒、3秒と異なるものとすることで、発電機に対する初動負荷を軽減することができる。なめらかに回し始めるには、t秒、2t秒、3t秒と違うこととするのが望ましい。子供でも発電が可能にするために、5秒、10秒、15秒の遅延時間とするのが適切である。
【0016】
充電回路部120については、図3を参照しつつ、後述する。二次電池130は、740mA/h,3.7vDCのリチウムイオン電池を使用した。
【0017】
図2は、本発明に係る照明装置200の構成を示すブロック図である。照明装置200は、発電装置100の出力(二次電池130の出力)を放電監視回路400へ、その出力をLEDランプ制御回路500へ、その出力をLEDランプ600に供給することにより構成される。
【0018】
図3は、充電回路部120の構成を示すブロック図である。入力遮断回路301は、充電完了時に入力を遮断する回路である。DC/DC回路302は、5vDCの入力を7vDCの出力に変換する回路である。定電流充電方式である。充電監視回路303は、電池電圧が4.2vDCとなったときに充電が完了したと判断する。
【0019】
図4は、放電監視回路400の構成を示すブロック図である。電池電圧監視回路401は、二次電池130から出力される電圧を監視する。その電圧が所定の値に達すると、電池出力遮断回路402が出力を遮断する。所定の値以上であれば、DC/DC変換回路403を経てLEDランプ制御回路500に供給される。
【0020】
図5は、LEDランプ制御回路500の構成を示すブロック図である。赤LED制御回路501、青LED制御回路502、緑LED制御回路503が並列に並んでいる。ここでは制御回路は可変抵抗器を使用した。図6、図7において、三つのまるで表示してあるのが、この可変抵抗器のボリュームつまみである。この三つのつまみを調整することで光の三原色のそれぞれを調整できるので、さまざまな色を表現できる。LEDランプは、para light electonics co.ltd のPART NO.LS-1155-525w405を使用した。
【実施例1】
【0021】
図6は、発電装置と照明装置とを一体に構成した例を示す斜視図である。LEDランプ600は、かさの中に設けられており、フレキシブルアームを介して筐体に固定されている。筐体には、手回しハンドル150が設けられており、使用者がこれを回すことによって、発電がなされる。
【実施例2】
【0022】
図7は、発電装置を別の筐体に設けた例を示す斜視図である。別の筐体にすることによって、手回しハンドル150を回すときの振動がLEDランプ600側に伝達されにくいという利点がある。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明にかかる発電装置は、初動負荷が小さいから、さまざまな電子機器に応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係る発電装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る照明装置の構成を示すブロック図である。
【図3】充電回路部の構成を示すブロック図である。
【図4】放電監視回路の構成を示すブロック図である。
【図5】LEDランプ制御回路の構成を示すブロック図である。
【図6】発電装置と照明装置とを一体に構成した例を示す斜視図である。
【図7】発電装置を別の筐体に設けた例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0025】
100 発電装置
101 三相交流発電機
110 遅延回路部
111,112,113 遅延回路
120 充電回路部
130 二次電池
150 手回しハンドル
200 照明装置
301 入力遮断回路
302 DC/DC回路
303 充電監視回路
400 放電監視回路
401 電池電圧監視回路
402 電池出力遮断回路
403 DC/DC変換回路
500 LEDランプ制御回路
501 赤LED制御回路
502 青LED制御回路
503 緑LED制御回路
600 LEDランプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
三相交流発電機と、該三相交流発電機を使用者が手動で回すための動力伝達機構と、前記三相交流発電機からの出力を受け取る充電回路と、該充電回路からの出力により充電する二次電池とを有する発電装置において、
前記三相交流発電機からの3出力と、前記充電回路との間に、3つの遅延回路を並列に設けて、それぞれの遅延時間を異なるものとした
ことを特徴とする発電装置。
【請求項2】
請求項1に記載の発電装置であって、
前記3つの遅延回路の遅延時間がt秒、2t秒、3t秒である
ことを特徴とする発電装置。
【請求項3】
請求項1に記載の発電装置であって、
前記3つの遅延回路の遅延時間が5秒、10秒、15秒である
ことを特徴とする発電装置。
【請求項4】
請求項1,2又は3のいずれかに記載した発電装置を設けた照明装置であって、
前記二次電池に接続した放電監視回路と、
該放電監視回路に接続したランプ制御回路と、
ランプと
を有する照明装置。
【請求項5】
請求項4に記載した照明装置であって、
前記ランプは、光の3原色をそれぞれ発するLEDを並列に設け、
前記ランプ制御回路は、3原色LEDのそれぞれの明るさを個別に制御することを特徴とする照明装置。
【請求項6】
請求項4に記載した照明装置であって、
前記放電監視回路は、前記二次電池からの出力電圧を監視して、所定の値以下となったら供給を遮断することを特徴とする照明装置。
【請求項7】
請求項4に記載した照明装置であって、
一つの筐体にすべてを収納することを特徴とする照明装置。
【請求項8】
請求項4に記載した照明装置であって、
前記発電装置部分を切り離し可能な筐体に収納し、
必要なコネクタとケーブルとをもって接続することを特徴とする照明装置。
【請求項9】
請求項4に記載した照明装置であって、
前記ランプを切り離し可能な筐体に収納し、
必要なコネクタとケーブルとをもって接続することを特徴とする照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−71933(P2009−71933A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−235735(P2007−235735)
【出願日】平成19年9月11日(2007.9.11)
【特許番号】特許第4165657号(P4165657)
【特許公報発行日】平成20年10月15日(2008.10.15)
【出願人】(307033073)有限会社DREAM ENERGY (3)
【Fターム(参考)】