説明

発電装置

【課題】慣性エネルギーの損出を生じさせることがなく、長時間にわたり保持できるとともに建築費用,材料費用を低減させることが可能なフライウェイトを用いた発電装置を提供する。
【解決手段】風力手段の風力エネルギー又は太陽電池手段の蓄電電気エネルギー又は波力手段の波力エネルギー又は原子力手段の熱エネルギー等のエネルギー発生手段2と、当該エネルギー発生手段2からのエネルギーに基づき回転して発電する発電機3と、前記エネルギー発生手段2からのエネルギーに基づき回転するフライウェイト4を有し、当該フライウェイト4の慣性力による回転を前記発電機3に伝達して発電させるエネルギー蓄積手段5とを備えた発電装置1において、前記フライウェイト4は回転軸13を有する円盤状のコンクリートより成る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フライウェイトを用いて慣性エネルギーを蓄積する機能を有した発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電力貯蔵装置用のフライウェイトをFRP(繊維強化プラスチック)や金属の材料で形成することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平09−303485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1によれば、金属を材料として大型のフライウェイト(例えば、直径が100m〜200m程度)を製造する場合、大型のフライウェイトに対応する大型の専用鋳造設備の構築費用や、材料費用が大幅に増加してしまうという問題が生じていた。また、FRPを材料として大型のフライウェイトを製造する場合、FRPを材料として形成されたフライウェイトは、金属の材料で形成されたフライウェイトより軽くなるため同質のエネルギーを蓄積するには高速で回転する必要があり、空気摩擦が大きく慣性エネルギーの損失を生じさせていた。本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので慣性エネルギーの損失を生じさせることがなく長時間にわたり保持できるとともに、建築費用,材料費用を低減させることが可能なフライウェイトを用いた発電装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る発電装置は、風力手段の風力エネルギー又は太陽電池手段の蓄電電気エネルギー又は波力手段の波力エネルギー又は原子力手段の熱エネルギー等のエネルギー発生手段と、当該エネルギー発生手段からのエネルギーに基づき回転して発電する発電機と、上記エネルギー発生手段からのエネルギーに基づき回転するフライウェイトを有し、当該フライウェイトの慣性力による回転を上記発電機に伝達して発電させるエネルギー蓄積手段とを備えた発電装置において、上記フライウェイトは回転軸を有する円盤状のコンクリートより成るので、金属材料の大型なフライウェイトを形成するための専用鋳造設備を製造する必要がないので、製造コストを抑えることができる。また、フライウェイトはFRPにより形成されたフライウェイトよりも重くなるので、低速の回転でもフライウェイトが蓄積するエネルギーを増加できる。
フライウェイトは、内部にコンクリート補強材を一体化して成るコンクリートを収容して形成されるので、強度が向上し、フライウェイトのゆがみや、ひび割れや、フライウェイトの縁部にフライウェイト自体の自重により生じる撓みを抑制させることができる。
フライウェイトは少なくとも外周に溝を有し、当該溝に充填材を充填して成るので、充填材をコンクリートよりもコストの低い材料を用いればフライウェイト全体をコンクリートで製造するよりもフライウェイトを廉価に製造することができる。
フライウェイトは中心部から外周の溝方向に延長する複数の補強片を有するので、フライウェイトの外周の重量をフライウェイトの内周よりも重くすることができる。このため、フライウェイトを安定して回転させることができるとともに、フライウェイトが蓄積する回転力を増加させることができる。
フライウェイトに、風受け翼を設けたので、フライウェイトが回転力を蓄積するとともにフライウェイトを回転させる風車として作用させることができるので発電装置の構成部品を削減できる。このため、発電装置を容易に製造することができるとともに発電装置を廉価に製造できる。また、風車を設置するための鉄塔などの高さのある建物を構築する必要がないので、発電装置の周囲の景観を損なうことがない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】フライウェイトを用いた発電装置の模式図(実施形態1)。
【図2】フライウェイトと軸受と伝達歯車との分解斜視図(実施形態1)。
【図3】伝達歯車の接続を示す斜視図(実施形態1)。
【図4】フライウェイトの斜視図(実施形態1)。
【図5】フライウェイトの斜視図(実施形態2)。
【図6】(a)は溝を備えたフライウェイトの斜視図、(b)は図6(a)のA−A断面図(実施形態3)。
【図7】溝内に充填材を充填する状態を示すフライウェイトの斜視図(実施形態3)。
【図8】(a)は外周部が内周部よりも重いフライウェイトを示す斜視図、(b)は図8(a)のA−A断面図(実施形態4)。
【図9】(a)は外周部が内周部よりも重いフライウェイトを示す斜視図、(b)は図9(a)のA−A断面図(実施形態4)。
【図10】(a)は外周部が内周部よりも重いフライウェイトを示す斜視図、(b)は図10(a)のA−A断面図(実施形態4)。
【図11】フライウェイトを用いた発電装置の模式図(実施形態6)。
【図12】フライウェイトを用いた発電装置の模式図(実施形態7)。
【発明を実施するための形態】
【0007】
実施形態1
図1に示すように、発電装置1は、エネルギー発生手段2と、当該エネルギー発生手段2からの風力エネルギーに基づき回転力を得て発電する発電機3と、上記エネルギー発生手段2からのエネルギーに基づき回転するフライウェイト4を有し、当該フライウェイト4の慣性力による回転を上記発電機3に伝達して発電させるエネルギー蓄積手段5とを備える。
風力手段としてのエネルギー発生手段2は、本実施形態では、風車10により得る回転力を、風車軸体9aから増速機11,風車軸体9b,伝達歯車31,回転縦軸27,伝達歯車31,第1の回転横軸28,第1クラッチ23a,ギアボックス24に伝達する構成と成っている。ギアボックス24からの回転力は、矢印Aに示すように後述の回転軸13の係合部14を介してエネルギー蓄積手段5に伝達される。また、矢印Bに示すように、エネルギー蓄積手段5の回転力は第2の回転横軸29を介して発電機3に伝達される。従って、風力が強いときは、第1クラッチ23aを繋いだ状態とし、かつ第2クラッチ23bを繋いだ状態とすることでエネルギー発生手段2からの回転力は、矢印Aに示す伝達経路でエネルギー蓄積手段5と発電機3の両方に伝達される。これにより、エネルギー蓄積手段5が回転されてエネルギーが蓄積されるとともに、発電機3が発電をして電力が得られ、送電線12に送電される。
風力が弱いとき、又は、無風となると、第1クラッチ23aを切断した状態とし、第2クラッチ23bを繋いだ状態とする。これにより、エネルギー発生手段2の回転力は遮断され、エネルギー蓄積手段5のみが第2クラッチ23bを介して慣性力によるエネルギーで回転され、矢印Bに示す伝達経路で発電機3が駆動される。これにより、エネルギー蓄積手段5の回転力により発電機3が発電されて、送電線12に送電される。
【0008】
8はナセルであり、先端に風車10を有し、内部に風車軸体9a,増速機11,風車軸体9b,伝達歯車31等を収容する。風車軸体9bはナセル8内部に設置された遊星歯車等を用いた増速機11により回転が増速される。
【0009】
次に、エネルギー蓄積手段5は、図1,図2,図3に示すように、地面18に設置された円盤状の基礎部17と、基礎部17の中心より突出する回転軸13と、上記回転軸13が嵌合する係合部14と、この係合部14を中心部に有するフライウェイト4とから成る。
基礎部17は、上面でフライウェイト4を回転自在に支持するもので、金属,コンクリート構造物等の剛性の高い材料により形成され、下方に筒体17mを有し、筒体17mにはギアボックス24、回転軸13、回転横軸28,29を収容するための内部空間17nを有する。上記基礎部17の上面とフライウェイト4の下面との間の中央側に玉軸受36を有し、上記両者の外周にころ軸受37を有する。玉軸受36は上側枠36aと下側枠36bとの間に複数介在されるベアリング36cを有する。玉軸受36の中央の回転軸孔36dから後述の回転軸13が上方に突出する。上記ころ軸受37は、周方向に複数等配置されているころ支持台39aところ支持台39aに回転可能に支持されるころ本体39bとフライウェイト4の外周下面に設置された環状板部37aとを有する。玉軸受36,ころ軸受37の上にフライウェイト4が載置されるので、フライウェイト4は周方向に回転可能となる。
なお、環状板部37a、玉軸受36及びころ軸受37は、摩擦の少ないテフロン(登録商標)等の材料で形成されることが望ましい。フライウェイト4は本例ではコンリートを円盤状に成形して形成させる。基礎部17も同様である。
【0010】
上記フライウェイト4の構造について、図4を用いて説明すると、フライウェイト4は円盤状、又は、円柱形状のコンクリート製のコンクリート構造物により形成される。図2に示すようにフライウェイト4の中心軸aに沿って回転軸13を有する。
フライウェイト4の中央には、下向き開口の係合部14を有し、この係合部14に回転軸13が嵌合される。なお、フライウェイト4は砂利(細骨材,粗骨材),セメントペースト等のコンクリート材料を混練,混合することで構築される。例えば、径が100m〜200m程度、高さが2〜5m程度、重さが数十万トン程度となるように構築される。
【0011】
係合部14は、フライウェイト4の中心軸aに沿ってフライウェイト4の下面より上面に向けて形成された有底の穴部14aと、穴部14aの延長方向に沿って形成される凹溝14bとにより形成される。
回転軸13の凸部13bがフライウェイト4の凹溝14bに嵌り合うことで回転軸13の軸側係合部13aがフライウェイト4の係合部14に嵌り合い、回転軸13と係合部14とは回転方向に一体化する。これにより、フライウェイト4からギアボックス24に回転力(エネルギー発生手段2からのエネルギー、又は、フライウェイト4の慣性力による回転力)を伝達させたり、若しくは、ギアボックス24からフライウェイト4に回転力を伝達させることができる。
図2,3に示すとおり、ギアボックス24は第1の回転横軸28の伝達歯車31aと、回転軸13の下部側に位置する伝達歯車31bと、第2の回転横軸29の伝達歯車31cと噛み合わせて構成されている。また、風車軸体9bと回転縦軸27との接続、及び、回転縦軸27と第1の回転横軸28との接続にも同様に伝達歯車31a,31bが用いられる。
【0012】
次に発電装置1の動作を説明する。
まず、第1クラッチ23aと第2クラッチ23bとを繋いだ状態の発電装置1を説明する。図1に示すように、風車10で風力を受けることにより、ナセル8内の風車軸体9aに生じた回転力が、風車軸体9aと連結された増速機11により増速されて風車軸体9bに伝達される。風車軸体9bに伝達された回転力は風車軸体9bと伝達歯車31a,31bを介して接続された第1の回転横軸28に伝達される。第1の回転横軸28に伝達された回転力は伝達歯車31aと伝達歯車31bとを介して接続された回転軸13に伝達されるとともに、回転軸13の伝達歯車31bと第2の回転横軸29の伝達歯車31cを介して接続された第2の回転横軸29に伝達される。回転軸13に伝達された回転力はギアボックス24内の図外の変速部を介して適度な回転力に調整されてフライウェイト4に伝達される。これにより、フライウェイト4は風力を回転力に変換して慣性エネルギーとして蓄積することができる。そして、第2の回転軸29に伝達された回転力は、発電機3内の図外の接続手段に伝達されることにより発電機3が回転力を電力に変換して発電を行う。発電機3により発電された電力は、送電線12を介して図外の電力系統に送電される。従って、第1クラッチ23aと第2クラッチ23bとを繋いだ場合、エネルギー発生手段2のエネルギーは発電機3により発電を行うとともにフライウェイト4を回転させて慣性エネルギーを蓄積することができる。
次に、風が弱くなったとき、又は無風時に第1クラッチ23aを切断して、第2クラッチ23bを繋いだ状態の発電装置1を説明する。
フライウェイト4に蓄積された慣性エネルギーの回転力は回転軸13の伝達歯車31bと伝達歯車31cを介して接続された第2の回転軸29に伝達され、発電機3に伝達されることにより発電機3が回転力を電力に変換して発電を行う。発電機3により発電された電力は、送電線12を介して図外の電力系統に送電される。第1クラッチ23aを切断した状態とすることにより、風車10の回転不足を補償できる。
【0013】
なお、本実施形態ではフライウェイト4を発電装置1に用いたが、無停電電源装置や、プレス機械や、蓄電装置等に用いたり、回転により電気を発電する発電機の構成部品としてフライウェイト4を用いてもよい。
また、フライウェイト4はナセル8の外部に設けたが、ナセル8内部の風車軸体9a,9bに回転可能に設置してもよい。
また、クラッチ23a,23bは回転軸13の中間部に設けてもよい。これによれば、風力により得られた回転力をフライウェイト4に伝えずに直接発電機3に伝達させるということと、風力により得られた回転力をフライウェイト4に蓄積させるとともに発電機3に伝達させることを任意に選択することができる。
また、玉軸受36はボールベアリング,ボール軸受等を用いればよい。ころ軸受37は、円筒ころ,円錐ころ,自動調心ころ,ローラーベアリング等を用いればよい。また、軸受として油軸受と空気軸受等のすべり軸受や、回転部分を磁気で支える磁気軸受や、オイルのような流体を使った軸受である流体軸受等を用いてもよい。
【0014】
本実施形態では、フライウェイト4の慣性力による回転を上記発電機3に伝達して発電させるエネルギー蓄積手段5を備えた発電装置1において、上記フライウェイト4は回転軸13を有する円盤状のコンクリート製フライウェイト4により成るので、フライウェイト4は金属を材料として形成されたフライウェイト4よりも廉価に製造することができる。また、金属材料の大型なフライウェイト4を形成するための専用鋳造設備を製造する必要がないので、製造コストを抑えることができる。また、本発明のフライウェイト4はFRPにより形成されたフライウェイト4よりも重くなるので、FRPにより形成されたフライウェイト4よりも回転速度を低下させることができる。これにより、フライウェイト4が受ける空気抵抗が低減するので回転力の損失を抑えることができ、フライウェイト4が蓄積するエネルギーを増加できる。このため、発電装置1は慣性エネルギーの損失を生じさせることがなく、長時間にわたり保持できるとともに建築費用,材料費用を低減させることが可能となる。
また、フライウェイト4は玉軸受36及びころ軸受37を介して基礎部17に支持されたことにより、フライウェイト4をナセル8内部に設置する必要が無いので、ナセル8よりも大きなフライウェイト4を製造することができる。これにより、フライウェイト4を重くさせることができるので、フライウェイト4の回転速度を更に低下させることができ、フライウェイト4が蓄積するエネルギーを増加できる。
【0015】
実施形態2
本実施形態2では、図5に示すように、エネルギー蓄積手段5のコンクリート製フライウェイト4は、内部にコンクリート補強材40を備えた。つまり、コンクリート補強材40とフライウェイト4とを一体化した補強構造物を構築した。コンクリート補強材40は、棒状や、篭状や、フライウェイト4の曲率に沿った円環状、又は、フライウェイト4の曲率に沿った弧状に加工された鉄筋40aなどが用いられる。これにより、鉄筋40aの外側に、コンクリート製のフライウェイト4が一体化された鉄筋コンクリート構造物20Aが構築される。鉄筋コンクリート構造物20Aは、鉄筋40aを配置した後、鉄筋を覆うように型枠内にコンクリートを打設することで構築される。
【0016】
実施形態2によれば、コンクリート製のフライウェイト4は、鉄筋コンクリート構造物20Aにより構築されるので、強度が向上する。これにより、フライウェイト4はゆがみや、ひび割れや、フライウェイト4の自重により生じる撓みを抑制させることができる。
【0017】
実施形態3
図6、図7に示すように、フライウェイト4は円板の底板40bの外周から立ち上がるリング状の外周立上り枠40cと、この外周立上り枠40cより中央寄りに位置するリング状の内周立上り枠40dと、係合部14を有する中央枠40eから半径方向に突出する6枚の翼板44,44を有する。外周立上り枠40cと内周立上り枠40dとの間に溝41が形成され、翼板44と翼板44との間に扇形の凹部41a,41a・・・が形成される。これ等溝41及び凹部41a,41a・・・には充填材45が充填される。
充填材45は、コンクリートの材料、砂,水,砂利,土内のいずれかの材料、又は、これ等の材料を組み合わせた混合材料を用いればよい。例えば、砂,水,砂利,土内のいずれかのコンクリートよりもコストの低い材料を充填材45として用いれば、フライウェイト4全体をコンクリートで製造するよりも廉価とすることができる。また、充填材45はコンクリート材料よりも比重の重い材料を用いてもよい。
【0018】
実施形態3によれば、フライウェイト4の少なくとも外周部43に溝41を有し、当該溝41及び凹部41a,41a・・内に上記フライウェイト4としての充填材45を充填して成るので、コンクリートよりもコストの低い材料の充填材45を用いればフライウェイト4全体をコンクリートで製造するよりも廉価に製造することができる。
【0019】
実施形態4
実施形態4は、図8に示すように、フライウェイト4の上端に一体化したリング蓋50aを有したものである。なお、フライウェイト4の中央に係合部14が形成される。以上の構成によれば、フライウェイト4は回転により大きな遠心力が得られる。
【0020】
実施形態5
図9(a),(b)の実施形態は、図6〜図7の構成において、外周の溝41に充填材45を充填したものである。この構成によれば、フライウェイト4は回転により大きな遠心力が得られる。
【0021】
実施形態6
図10(a),(b)に示す実施形態は、図6,図7において翼板44を円形の係合部14の接線方向に突出させて、半径方向に対し傾斜させたものである。この構成においても、フライウェイト4は回転により大きな遠心力が得られる。
【0022】
実施形態7
実施形態7では、図11に示すように、発電装置1は、風力置換装置50と、発電機3とを備えた。風力置換装置50はエネルギー発生手段2とエネルギー蓄積手段5とが一体化して形成される。すなわち、風力置換装置50はフライウェイト4と、風力をフライウェイト4の回転力に供給する風受け翼55とを備えた。
風受け翼55はフライウェイト4の外面より突出してフライウェイト4に設けられる。風受け翼55は、板材や、カップ上に湾曲した板など風を受けることができる形状であればよい。これにより、フライウェイト4は、矢印c方向の風を開口内の収容部55bで風を受けることで、矢印dに示すように一方方向に回転して回転力としてエネルギーを蓄積することができる。
なお、本形態において、回転軸13の伝達歯車31bは第2の回転横軸29の伝達歯車31cとのみ噛み合っている。すなわち、実施形態1の第1の回転横軸28から風車10側を取り除いて形成される。
【0023】
実施形態7によれば、フライウェイト4に、風受け翼55を設けたので、フライウェイト4が回転力を蓄積するとともにフライウェイト4を回転させる風車として作用させることができるので発電装置1の構成部品を削減できる。このため、発電装置1を容易に製造することができるとともに発電装置1を廉価に製造できる。また、風車10を設置するための鉄塔7などの高さのある建物を構築する必要がないので、発電装置1の周囲の景観を損なうことがない。
【0024】
実施形態8
実施形態1のエネルギー発生手段2を太陽電池手段60により形成した。図12に示すように、太陽電池手段60は、太陽電池パネル61と、モータ62とを備える。
太陽電池パネル61は、太陽光や光を利用して発電を行う複数の太陽電池61aと、モータ62と電気的に接続する配線63と配線63に接続された図外の蓄電回路とを備える。太陽電池61aを構成する太陽電池素子は、例えば、結晶シリコン太陽電池素子,多結晶シリコン太陽電池素子,アモルファスシリコン太陽電池素子,銅インジウムセレナイド太陽電池素子等の化合物半導体太陽電池素子等の材料を用いればよく、互いに直列及び/又は並列に電気的に接続された構成である。
モータ62は太陽電池パネル61により得られた電流により第2の回転横軸29を回転駆動させる。これにより、太陽光や光によりモータ62が回転することにより、フライウェイト4が回転可能となる。
【0025】
実施形態8によれば、太陽光や光より得られたエネルギーによりフライウェイト4を回転させることができる。
【0026】
尚、本発明の発電装置1は、実施形態1の構成、即ち、フライウェイト4の構成は、実施形態2乃至実施形態6のいずれか1つ以上の実施形態の構成を加味したフライウェイト4、又は、実施形態7乃至実施形態8のいずれか1つ以上の実施形態の構成を加味した発電装置の形態であればよい。
【0027】
エネルギー発生手段2は、実施形態1のように、エネルギーにより得られた回転力をエネルギー蓄積手段5に供給する手段としてそのエネルギーが風力(風力エネルギー)である風力手段の他に、蓄電電気エネルギー(太陽光)である太陽電池手段、又は、波の力(波力エネルギー)である波力手段、又は、原子力(熱エネルギー)である原子力手段により構成してもよい。
【符号の説明】
【0028】
1 発電装置、2 エネルギー発生手段、3 発電機、4 フライウェイト、
5 エネルギー蓄積手段、13 回転軸、40 コンクリート補強材、41 溝、
45 充填材、55 風受け翼、60 太陽電池手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
風力手段の風力エネルギー又は太陽電池手段の蓄電電気エネルギー又は波力手段の波力エネルギー又は原子力手段の熱エネルギー等のエネルギー発生手段と、当該エネルギー発生手段からのエネルギーに基づき回転して発電する発電機と、
前記エネルギー発生手段からのエネルギーに基づき回転するフライウェイトを有し、当該フライウェイトの慣性力による回転を前記発電機に伝達して発電させるエネルギー蓄積手段とを備えた発電装置において、
前記フライウェイトは回転軸を有する円盤状のコンクリートより成ることを特徴とする発電装置。
【請求項2】
前記フライウェイトは、内部にコンクリート補強材を一体化して成るコンクリートを収容して形成されることを特徴とする請求項1に記載の発電装置。
【請求項3】
前記フライウェイトは少なくとも外周に溝を有し、当該溝に充填材を充填して成ることを特徴とする請求項1に記載の発電装置。
【請求項4】
前記フライウェイトは中心部から外周の溝方向に延長する複数の補強片を有することを特徴とする請求項3に記載の発電装置。
【請求項5】
前記フライウェイトに、風受け翼を設けたことを特徴とする請求項1に記載の発電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−239634(P2011−239634A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−111081(P2010−111081)
【出願日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【出願人】(000001317)株式会社熊谷組 (551)
【Fターム(参考)】