説明

発電設備(powergenerationapparatus)

【課題】送電網の需要に応答して動的に出力を調節するようにボイラ給水ポンプタービン制御システムを構成する。
【解決手段】低圧蒸気入口23および高圧蒸気入口18を有するボイラ給水ポンプタービン6と、高圧蒸気が高圧蒸気入口18に進入するのを制御するための高圧制御弁26と、低圧蒸気が低圧蒸気入口23に進入するのを制御するための低圧制御弁28と、高圧制御弁26および低圧制御弁28に動作可能に結合され、送電網36からの出力増加要求に応答して低圧制御弁28を閉じて、低圧蒸気がボイラ給水ポンプタービン6に流れるのを止めるように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示される主題は、発電設備に関する。具体的には、本明細書で開示される主題は、送電網の需要に応答して動的に出力を調節するように構成された、ボイラ給水ポンプタービン制御システムを含む発電設備に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のボイラ給水ポンプタービン(BFPT)は、ボイラ用途のためにポンプ注入する水に圧力を与えるように設計されている。BFPTは、例えば、従来の発電システム内のボイラ給水ポンプ(feed pump)に結合され、給水ポンプが水をボイラに供給することができるように、機械的エネルギーをボイラ給水ポンプに与えることができる。従来のBFPTは、2つの圧力入口特性を有する。通常モードの動作において、従来のBFPTは、その動作に動力供給するために、低圧の蒸気(例えば、約175重量ポンド毎平方インチゲージ圧(pound-per-square-inch gauge)(12.3kg/cm2ゲージ圧)の蒸気)を使用し、高圧の蒸気は、ボイラに水をポンプ注入するために、より大きな馬力が必要であるときに、補足として使用される。いくつかの場合には、従来のBFPTは、ボイラからの高圧蒸気を使用して起動されてよい。しかし、従来のBFPTは、柔軟な電力応答の必要性に適応することは容易ではなく、非効率になることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第4368773号明細書
【発明の概要】
【0004】
ボイラ給水ポンプタービン制御システムを含む発電設備が開示される。一実施形態では、低圧蒸気入口および高圧蒸気入口を有するボイラ給水ポンプタービンと、高圧蒸気が高圧蒸気入口に進入するのを制御するための高圧制御弁と、低圧蒸気が低圧蒸気入口に進入するのを制御するための低圧制御弁と、高圧制御弁および低圧制御弁に動作可能に結合され、送電網からの出力増加要求(request for increased power output)に応答して低圧制御弁を閉じて、低圧蒸気がボイラ給水ポンプタービンに流れるのを止めるように構成された制御システムとを含む発電設備が開示される。
【0005】
本発明の第1の態様は、低圧蒸気入口および高圧蒸気入口を有するボイラ給水ポンプタービンと、高圧蒸気が高圧蒸気入口に進入するのを制御するための高圧制御弁と、低圧蒸気が低圧蒸気入口に進入するのを制御するための低圧制御弁と、高圧制御弁および低圧制御弁に動作可能に結合され、送電網からの出力増加要求に応答して低圧制御弁を閉じて、低圧蒸気がボイラ給水ポンプタービンに流れるのを止めるように構成された制御システムとを有する発電設備を含む。
【0006】
本発明の第2の態様は、発電電動機械(dynamoelectric machine)と、発電電動機械に動作可能に結合され、高圧蒸気タービン区画(section)を含む少なくとも1つの蒸気タービンと、少なくとも1つの蒸気タービンに流体連結された(fluidly coupled)ボイラと、ボイラに流体連結されたボイラ給水ポンプと、ボイラ給水ポンプに動作可能に結合され、低圧蒸気入口および高圧蒸気入口を有するボイラ給水ポンプタービンと、高圧蒸気が高圧蒸気入口に進入するのを制御するための高圧制御弁と、低圧蒸気が低圧蒸気入口に進入するのを制御するための低圧制御弁と、高圧制御弁および低圧制御弁に動作可能に結合され、送電網からの出力増加要求に応答して低圧制御弁を閉じて、低圧蒸気がボイラ給水ポンプタービンに流れるのを止めるように構成された制御システムとを有する発電設備を含む。
【0007】
本発明の第3の態様は、中圧蒸気タービン区画と、中圧蒸気タービン区画に動作可能に結合されかつ流体連結された低圧蒸気タービン区画と、中圧蒸気タービン区画に流体連結され、低圧蒸気入口および高圧蒸気入口を有するボイラ給水ポンプタービンと、低圧蒸気が低圧蒸気入口に進入するのを制御するための低圧制御弁と、低圧制御弁に動作可能に結合され、送電網からの出力増加要求に応答して低圧制御弁を閉じて、低圧蒸気がボイラ給水ポンプタービンに流れるのを止めるように構成された制御システムとを有する発電設備を含む。
【0008】
本発明の上記および他の特徴は、本発明の種々の実施形態を描いた添付の図面と共に選ばれた、本発明の種々の態様の以下の詳細な説明から、より容易に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の態様による発電設備の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の図面は、縮尺通りでないことに留意されたい。図面は、本発明の典型的な態様のみを描くことが意図されており、それゆえ、本発明の範囲を限定するものとみなされるべきではない。図面において、諸図面の間で、同じ番号は同じ要素を表す。
【0011】
本発明の態様は、低圧蒸気入口および高圧蒸気入口を有するボイラ給水ポンプタービンと、高圧蒸気が高圧蒸気入口に進入するのを制御するための高圧制御弁と、低圧蒸気が低圧蒸気入口に進入するのを制御するための低圧制御弁と、高圧制御弁および低圧制御弁に動作可能に結合され、送電網からの出力増加要求に応答して低圧制御弁を閉じて、低圧蒸気がボイラ給水ポンプタービンに流れるのを止めるように構成された制御システムとを含む発電設備を提供する。
【0012】
従来のボイラ給水ポンプタービン(BFPT)は、ボイラ用途のためにポンプ注入する水に圧力を与えるように設計される。BFPTは、例えば、従来の発電システム内のボイラ給水ポンプに結合され、給水ポンプが水をボイラに供給することができるように、機械的エネルギーをボイラ給水ポンプに与えることができる。従来のBFPTは、2つの圧力入口特性を有する。通常モードの動作において、従来のBFPTは、その動作に動力供給するために、低圧の蒸気(例えば、約175プサイグ(psig)(12.3kg/cm2ゲージ圧)の蒸気)を使用し、高圧の蒸気は、ボイラに水をポンプ注入するために、より大きな馬力が必要であるときに、補足として使用される。いくつかの場合には、従来のBFPTは、ボイラからの高圧蒸気を使用して起動されてよい。しかし、従来のBFPTは、柔軟な電力応答の必要性に適応することは容易ではない。例えば、再生可能な電力源(renewable power source)(例えば、風、太陽など)と組み合わされる発電システムの一部である従来のBFPTは、変化する電力要求に速やかに適応することを要求される。
【0013】
本発明の態様は、従来のシステムに勝るいくつかの利点をもたらすBFPT制御システムを提供する。例えば、本明細書で開示されるBFPT制御システムの実施形態は、従来のシステムに比べたときに、下記の利点、a)BFPT制御システムを使用する発電所から付加的な出力を得るための、BFPT動作におけるより大きな柔軟性、b)改良されたBFPTの効率、c)BFPT制御システムを使用する発電所の、改良されたオフピーク時のターンダウン(off-peak turn down)を提供する。
【0014】
図1を参照すると、実施形態による発電設備2の一部の概略図が示される。図示のように、発電設備2は、ボイラ給水ポンプ(またはポンプ)4と、軸8を介してボイラ給水ポンプ4に動作可能に結合されたボイラ給水ポンプタービン(BFPT)6とを含んでよい。当技術分野で知られているように、BFPT 6は、回転運動をボイラ給水ポンプ4に伝達し、それにより、(流体接続された(fluidly connected)ボイラ10に向かう)ボイラ給水の流れを引き起こすために、軸8の回転を駆動することができる。ボイラ給水ポンプ4は、例えば、従来の導管(番号は省略)を介して、ボイラ10に動作可能に接続されてよい。蒸気タービン区画、例えば、高圧(HP)蒸気タービン区画12、中圧(IP)蒸気タービン区画14、低圧(LP)蒸気タービン区画16(例えば、ダブルフロー(double-flow)蒸気タービンを含んでよい)を、同様に示す。蒸気タービン区画(12、14および16)およびボイラ10は、BFPT 6に対するソースとして機能してよいことが理解されよう。例えば、一実施形態では、高圧(HP)蒸気が、主蒸気ヘッダ(main steam header)20によって、または起動用蒸気源(start-up steam source)22(例えば、補助ボイラ)を介して、BFPT 6の高圧入口18に供給されてよい。別の実施形態では、低圧(LP)蒸気が、IP蒸気タービン区画14によって(出口26を介して)BFPT 6の低圧入口23に供給されてよい。いずれの場合でも、BFPT 6は、通常負荷条件の間、低圧蒸気および高圧蒸気のうちの1方または両方の蒸気を使用して運転するように構成されてよい。
【0015】
本発明の一実施形態では、起動用蒸気源22または主蒸気ヘッダ20からBFPT 6へのHP蒸気の流れ、およびIP蒸気タービン区画14からBFPT 6へのLP蒸気の流れは、それぞれ、ボイラ給水ポンプタービン(BFPT)制御システム(または、制御システム)24によって制御されてよい。BFPT制御システム24は、所望の量のLP蒸気および/またはHP蒸気をBFPT 6に供給するために、複数の弁26、28、30、32のうちの少なくとも一部を開き、少なくとも一部を閉じるように駆動するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、BFPT制御システム24は、複数の制御器として実施されてよく、他の実施形態では、BFPT制御システム24は、単一の制御器として実施されてよい。いずれの場合でも、BFPT制御システム24は、所定の負荷条件に応答して1つまたは複数の弁26、28、30、32の動きを駆動するように構成されてよい。
【0016】
また、蒸気タービン区画(例えば、HP蒸気タービン区画12、IP蒸気タービン区画14および/またはLP蒸気タービン区画16)のうちの1つまたは複数の区画に、(例えば、軸を介して)動作可能に結合された発電電動機械34を、発電設備2の中に含めて示す。当技術分野で知られているように、発電電動機械34は、蒸気タービン区画のうちの1つまたは複数の区画の機械的運動を電力に変換することによって電気を発生するための発電機を含んでよい。図示のように、発電電動機械34は、発電電動機械34(ならびに、図示しない発電システム内の他の発電電動機械)から受けた電気を管理し、分配するように構成された送電系統(grid)36(例えば、送電網)に結合されてよい。また、発電設備2は、例えば、LP蒸気タービン区画16およびBFPT 6から排気蒸気を受け、その蒸気を凝縮して凝縮流体を生成し、その凝縮流体を、ボイラ給水ポンプ4に再循環させる前に、給水ヒータ40に供給するように構成された、従来の凝縮器(condenser)38を含んでよい。本明細書で図示され説明された発電設備2は、例えば、熱回収蒸気発生器(heat recovery steam generator)(HRSG)もしくは他の再熱器(re-heater)などの1つまたは複数の再熱器、複数の弁および導管、制御システム、1つまたは複数のガスタービン区画などを含む、具体的には図示されずまたは説明されない付加的な構成要素を含んでよいことが理解されよう。
【0017】
当技術分野で知られているように、ボイラ給水ポンプ4によってボイラ10にポンプ注入する水の速度は、BFPT 6の回転速度の関数であり、この回転速度は、BFPT 6に進入する蒸気の量と種類とによって決まる。高圧蒸気の進入は弁26によって調整され、低圧蒸気の進入は弁28によって調整され、両弁は、BFPT制御システム24によって制御される。
【0018】
本発明の一実施形態では、BFPT制御システム24は、送電系統36からの出力増加要求に応答して弁28を閉じ、それにより、BFPT 6からのLP蒸気を遮断し、起動用蒸気源22またはヘッダ20から純粋に高圧の蒸気を、BFPT 6に供給するように構成されてよい。この場合には、さらに、BFPT制御システム24は、主蒸気ヘッダ20からの高圧蒸気の給送を増加することを可能にするために、弁30(この場合には、主ヘッダ調整弁である)を、少なくとも部分的に閉に駆動してよい。弁28を閉じた結果、IP蒸気タービン区画14からBFPT 6に供給される低圧蒸気は、LP蒸気タービン区画16を通して(導管を介して)誘導され、LP蒸気タービン区画16を通る蒸気の流れを増加させる。一実施形態では、このプロセスは、約200,000ポンドの付加的な蒸気をLP蒸気タービン区画16に供給することができ、次いでLP蒸気タービン区画16は、発電電動機械34(および送電系統36)に対して約20メガワット(MW)の付加的な電力を発生させることができる。本明細書で説明するように、付加的な高圧蒸気は、ヘッダ20を介してBFPT 6に供給されてよく、ヘッダ20において、このHP蒸気の供給は、(BFPT制御システム24を介して)弁30によって決定される。いずれの場合でも、本発明の態様は、所定の条件(例えば、送電系統36からの電力増加要求)に応答して純粋に高圧力の蒸気をBFPT 6に供給することによって、LP蒸気タービン区画16における発電を増加させるBFPT制御システム24を提供する。
【0019】
本発明のいくつかの実施形態では、(BFPT制御システム24によって提供される)発電設備2の「急速ピーク到達(quick-peaking)」能力が、約3〜5分の期間で実現されうる。従来の発電システムは、(例えば、発電電動機械と連結されたガスタービンを急速起動することによる)ガスタービン応答を用いて蒸気タービン発電(generation)を補完することによって、発電システムの出力を増加させるように構成されるが、これらの従来のシステムは、この増加出力によって、単一サイクルモードにおいて約12〜15分で応答する。このより遅い応答は、ガスタービンが、起動するため、および増加レベルの発電(production)に到達するためにかかる時間の関数である。従来の発電システムとは対照的に、発電設備2(およびとりわけ、BFPT制御システム24)は、LP蒸気をBFPT 6からLP蒸気タービン区画16に方向転換することによって、約20MWの付加的な電力を速やかに(例えば、3〜5分)発生するように構成される。
【0020】
「急速ピーク到達」応答に加えて、発電設備2はまた、弁28を(制御システム24からの指令(command)を介して)開いて、低圧蒸気をBFPT 6に入れることを可能にすることによって、約5分以内に「速やかに」経済(または定常状態)モードに戻るように構成されてよい。さらに、弁28を開くのとほぼ同時に、BFPT制御システム24はさらに、弁30を開くように駆動してよく、それにより、ヘッダ20からHP蒸気タービン区画12を通って流れる高圧蒸気の量が増加する。この場合には、経済モードに遷移した後、BFPT 6は、必要な場合に、主として起動用蒸気源22から高圧蒸気を受けることができる。
【0021】
「急速ピーク到達」応答および経済モードの動作に加えて、発電設備2は、さらに、最小負荷設定で動作するように構成されてよく、その場合は、従来のシステムとは対照的に、BFPT 6は、低圧蒸気の代わりに、主として高圧蒸気で運転することができる。この場合には、BFPT制御システム24は、弁28を閉に駆動してよく、それにより、起動用蒸気源22からの高圧蒸気だけがBFPT 6に入ることが可能になる。本発明の態様は、蒸気発電所が、主タービン(例えば、HP12、IP14および/またはLP16)の蒸気の流れを、ボイラ10からの最小出力に一致するように低減することによって、蒸気発電所の動作を調整することを可能にすることが理解されよう。この最小点から、HP蒸気制御弁(例えば、弁26、32)は、BFPT 6が純粋にHP蒸気で動作することが可能になるように、開かれてよい。この動作の変化が、主タービン(例えば、HP12、IP14および/またはLP16)への入口蒸気流を、BFPT 6のHP入口18によって使用されるのと同じ量だけ低減する。主タービン(例えば、HP12、IP14および/またはLP16)を通る蒸気流を低減することは、これらのタービンから付加的に電力を低減することをもたらす。この、主タービンからの出力の低減は、例えば、蒸気タービン発電を再生可能な電力源(例えば、風力タービン、太陽光発電システムなど)と組み合わせるユーティリティプロバイダ(utility provider)にとって重要である。主タービン(例えば、HP12、IP14および/またはLP16)からの出力を低減することで、組み合わせた再生可能な電力源からの発電を増加することが可能になる。
【0022】
本発明の態様が、送電網36からの要求の変動に動的に応答するように構成された発電設備2を可能にすることが理解されよう。例えば、従来の発電設備とは対照的に、発電設備2は、出力増加を発電設備2にもたらすために、純粋に高圧の蒸気をBFPT 6に供給することを制御するように構成されたBFPT制御システム24を含む。BFPT制御システム24は、発電を補完するためにガスタービンを使用する従来のシステムより大幅に短い時間内に、送電系統36に(発電電動機械34の出力増加を介して)電力応答をもたらすように構成されてよい。さらに、BFPT制御システム24は、負荷条件引き下げ(reduced load condition)(例えば、経済条件または最小負荷条件)に応答して発電設備2の発電を(例えば、弁28、26、30、32の駆動を介して)低減するように構成されてよい。
【0023】
BFPT制御システム24は、BFPT 6、HP蒸気タービン区画12、およびLP蒸気タービン区画14のそれぞれに進入する入口蒸気の量を制御するための弁26、28、30および/または32に、動作可能に接続されてよいことが理解されよう。BFPT制御システム24は、制御システム24が弁26、28、30および/または32を駆動することができるように、第1の弁および第2の弁26に機械的または電気的に接続されてよい。BFPT制御システム24は、送電系統36からの負荷要求に応答して弁26、28、30および/または32を駆動してよい。BFPT制御システム24は、弁(例えば、弁26、28、30および/または32)を駆動することができる、コンピュータ化された装置、機械的装置または電気機械的装置であってよい。一実施形態では、BFPT制御システム24は、弁26、28、30および/または32に動作命令(operating instruction)を与えることができるコンピュータ化された装置であってよい。この場合には、BFPT制御システム24は、送電系統36の負荷要求を(例えば、送電データ、電力要求データおよび/または任意の他のフィードバックを監視し分析することを介して)監視することができる。さらに、BFPT制御システム24は、例えば、発電電動機械34の電力出力(power output)を監視することによって、発電電動機械34の出力(output)を監視することができる。発電電動機械34および/または送電系統36に関して、(例えば、経済モードから急速ピーク到達モードへ、または経済モードから最小付加モードへ)電力モードの変更が望ましいことを示すデータを取得したことに応答して、BFPT制御システム24は、弁26、28、30および/または32に動作命令を与えることができる。例えば、BFPT制御システム24は、ある動作条件の下で(例えば、高需要(high-demand)条件の間にLP蒸気タービン区画16の出力を増加させるために、または総合的蒸気タービン出力を増加させるために)弁28を閉じるように動作命令を送ることができる。一実施形態では、弁26、28、30および/または32は、BFPT制御システム24から動作命令(電気信号)を受けて機械的運動(例えば、弁30または28を部分的に閉じること)を生成することができる、電気機械的構成要素を含んでよい。別の実施形態では、BFPT制御システム24は、運転者が使用可能な機械装置を含んでよい。この場合には、運転者は、弁26、28、30および/または32を駆動することができるBFPT制御システム24を、(例えば、レバーを引くことによって)物理的に操作することができる。例えば、BFPT制御システム24のレバーが、弁26、28、30および/または32と機械的に連結されてよく、それにより、レバーを引くことで、弁26、28、30および/または32が、(例えば、それぞれ、開くことによってまたは閉じることによって)完全に駆動される。別の実施形態では、BFPT制御システム24は、発電電動機械34がある出力条件で運転していること(および/または、送電系統36がある電力応答を要求していること)を示すパラメータを、(例えば、センサを用いて)電気的に監視し、弁26、28、30および/または32を機械的に駆動することができる、電気機械装置であってよい。別の実施形態では、ユーザ(例えば、発電所の運転者)が、発電設備2の出力をBFPT制御システム24を介して増加させるために、ピーク指令(peaking command)、経済指令、または最小負荷指令を(例えば、ボタンまたは他のユーザインターフェース制御を介して)駆動することができる。この場合には、ユーザは、BFPT制御システム24およびそれに関連するインターフェースを含む指令センタ内で、(例えば、発電電動機械34および/または送電系統36の)負荷条件を監視することができる。別の場合には、BFPT制御システム24は、発電設備2を監視し、命令を与えて、弁26、28、30および/または32を駆動するように構成されたコンピュータシステム内の一構成要素であってよい。本明細書の中のいくつかの実施形態において説明されたが、BFPT制御システム24は、任意の他の従来からある手段によって、弁26、28、30および/または32を駆動することができる。
【0024】
本明細書で使用される専門用語は、単に、特定の実施形態を説明するためのものであり、本開示を限定することは意図されていない。本明細書で使用されるように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」は、文脈が別段に明示しない限り、複数形をも含むことが意図されている。さらに、用語「備える(comprise)」および/または「備える(comprising)」は、本明細書内で使用される場合、記載される特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素が存在することを明記するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらの群が存在することまたは付加されることを排除するものではないことが理解されよう。
【0025】
この書面による説明は、本発明を、その最良のモードを含めて開示するために、かつ、当業者が、任意の装置またはシステムを作製し使用すること、および任意の組み込まれた方法を実施することを含めて本発明を実施することを可能にするために、例を使用する。本発明の特許性のある範囲は特許請求の範囲によって定義され、かつ、当業者が想到する他の例を含んでよい。そのような他の例は、特許請求の範囲の字義通りの言葉に相違しない構造要素を有するならば、または特許請求の範囲の字義通りの言葉とごくわずかな差違を有する等価な構造要素を有するならば、特許請求の範囲の中にあることが意図されている。
【符号の説明】
【0026】
2 発電設備
4 ボイラ給水ポンプ
6 ボイラ給水ポンプタービン
8 軸
10 ボイラ
12 HP蒸気タービン区画
14 IP蒸気タービン区画
16 LP蒸気タービン区画
18 高圧入口
20 主蒸気ヘッダ
22 起動用蒸気源
23 低圧入口
24 BFPT制御システム
26 弁
28 弁
30 弁
32 弁
34 発電電動機械
36 送電網、送電系統
38 凝縮器
40給水ヒータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
低圧蒸気入口(23)および高圧蒸気入口(18)を有するボイラ給水ポンプタービン(6)と、
高圧蒸気が前記高圧蒸気入口(18)に進入するのを制御するための高圧制御弁(26)と、
低圧蒸気が前記低圧蒸気入口(23)に進入するのを制御するための低圧制御弁(28)と、
前記高圧制御弁(26)および前記低圧制御弁(28)に動作可能に結合され、送電網(36)からの出力増加要求に応答して前記低圧制御弁(28)を閉じて、前記低圧蒸気が前記ボイラ給水ポンプタービン(6)に流れるのを止めるように構成された制御システム(24)とを備える、発電設備(2)。
【請求項2】
前記送電網(36)からの前記出力増加要求に応答して前記低圧蒸気を受けるための低圧蒸気タービン区画(16)をさらに備える、請求項1記載の発電設備(2)。
【請求項3】
前記ボイラ給水ポンプタービン(6)に動作可能に接続されたボイラ給水ポンプ(4)と、
前記ボイラ給水ポンプ(4)に流体接続されたボイラ(10)とをさらに備える、請求項2記載の発電設備(2)。
【請求項4】
前記ボイラ(10)に流体接続された高圧蒸気タービン区画(12)と、
前記ボイラ(10)および前記高圧蒸気タービン区画(12)に流体接続され、前記高圧蒸気タービン区画(12)に進入する高圧蒸気の量を制御するための主蒸気ヘッダ調整弁(30)とをさらに備える、請求項3記載の発電設備(2)。
【請求項5】
前記制御システム(24)が、前記送電網(36)からの出力低減要求に応答して前記低圧制御弁(28)を閉じるようにさらに構成される、請求項1記載の発電設備(2)。
【請求項6】
前記制御システム(24)が、前記送電網(36)からの前記出力増加要求に応答して付加的な高圧蒸気を前記高圧蒸気入口(18)に方向転換するようにさらに構成される、請求項5記載の発電設備(2)。
【請求項7】
前記付加的な高圧蒸気が、主蒸気ヘッダ(20)から方向転換される、請求項6記載の発電設備(2)。
【請求項8】
前記制御システム(24)が、主蒸気ヘッダ調整弁(30)を閉に駆動して、前記付加的な高圧蒸気を前記高圧蒸気入口(18)に方向転換する、請求項6記載の発電設備(2)。
【請求項9】
発電電動機械(34)と、
前記発電電動機械(34)に動作可能に結合され、高圧蒸気タービン区画(12)を含む、少なくとも1つの蒸気タービン(12、14、16)と、
前記少なくとも1つの蒸気タービン(12、14、16)に流体連結されたボイラ(10)と、
前記ボイラ(10)に流体連結されたボイラ給水ポンプ(4)と、
前記ボイラ給水ポンプ(4)に動作可能に結合され、低圧蒸気入口(23)および高圧蒸気入口(18)を有する、ボイラ給水ポンプタービン(6)と、
高圧蒸気が前記高圧蒸気入口(18)に進入するのを制御するための高圧制御弁(26)と、
低圧蒸気が前記低圧蒸気入口(23)に進入するのを制御するための低圧制御弁(28)と、
前記高圧制御弁(26)および前記低圧制御弁(28)に動作可能に結合され、送電網(36)からの出力増加要求に応答して前記低圧制御弁(28)を閉じて、前記低圧蒸気が前記ボイラ給水ポンプタービン(6)に流れるのを止めるように構成された制御システム(24)とを備える、発電設備(2)。
【請求項10】
中圧蒸気タービン区画(14)と、
前記中圧蒸気タービン区画(14)に動作可能に結合されかつ流体連結された低圧蒸気タービン区画(16)と、
前記中圧蒸気タービン区画(14)に流体連結され、低圧蒸気入口(23)および高圧蒸気入口(18)を有する、ボイラ給水ポンプタービン(6)と、
低圧蒸気が前記低圧蒸気入口(23)に進入するのを制御するための低圧制御弁(28)と、
前記高圧制御弁(26)および前記低圧制御弁(28)に動作可能に結合され、送電網(36)からの出力増加要求に応答して前記低圧制御弁(28)を閉じて、前記低圧蒸気が前記ボイラ給水ポンプタービン(6)に流れるのを止めるように構成された制御システム(24)とを備える、発電設備(2)。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2012−140959(P2012−140959A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−288611(P2011−288611)
【出願日】平成23年12月28日(2011.12.28)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】