説明

白色高耐熱高反射材およびLEDパッケージ

【課題】350nm〜800nmにピークを有する波長を、半田リフロー炉通過後においても高効率で反射することができる白色高耐熱高反射材及びLEDパッケージを提供することを目的とする。
【解決手段】20乃至50重量部のアクリル系の官能基を有するアダマンタン樹脂と50乃至80重量部のシリコーン樹脂とを混ぜ合わせて合計100重量部とした混合樹脂と硬化剤と球状の粒子形状のアルミナを100重量部以上混ぜ合わせた反射材用樹脂組成物を硬化させたことを特徴とする白色高耐熱高反射材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の波長にピークを有する光を高効率で取り出すための反射材の中でも、350nm〜800nmにピークを有する波長を高効率で反射し、耐熱性を有する白色高耐熱高反射材およびLEDパッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、装置の小型化および光源の小型化のための光源の半導体化、すなわち半導体レーザー、発光ダイオード(Light Emitting Diode、以下LEDと略す)を利用したデバイスが提案されている。実際のところ、LEDは長寿命、省電力、温度安定性、低電圧駆動などの特徴が評価され、ディスプレイ、行き先表示板、車載照明、信号灯、ビデオカメラなどへ応用されている。そんな中、LEDの光源から発せられる光の発光効率を向上させたり、特定波長域にピークを有する光を高効率で取り出すには、反射材の反射率を向上させる必要がある。
【0003】
LEDなどの用途の反射材としては、芳香族ポリエステル系樹脂からなる反射材が開示されている。しかし、これらの反射材の分子鎖中に含まれる芳香環が紫外線を吸収するため、紫外線に晒されると反射材が劣化黄変して反射率が経時的に低下するという課題を有していた。また、ポリアミド系樹脂に酸化チタンを添加した樹脂組成物が反射材として開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平2−288274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の技術では、可視光領域では非常に高い反射率を有しているものの、酸化チタンは400nm以下の紫外線を良く吸収するため、この材料は400nm以下の紫外線をほとんど反射しないという課題や、最大温度が260℃のリフロー炉で10秒保持して半田付けするプロセスを複数回行った後に、樹脂が褐色に変色して反射材の反射率を低下させてしまうという課題を有していた。
【0006】
そこで本発明は上記従来の問題に鑑みて、350nm〜800nmにピークを有する波長を、半田リフロー炉通過後においても高効率で反射することができる白色高耐熱高反射材およびLEDパッケージを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、20乃至50重量部のアクリル系の官能基を有するアダマンタン樹脂と50乃至80重量部のシリコーン樹脂とを混ぜ合わせて合計100重量部とした混合樹脂と硬化剤と球状の粒子形状のアルミナを100重量部以上混ぜ合わせた反射材用樹脂組成物を硬化させたことを特徴とする白色高耐熱高反射材である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、350nm〜800nmにピークを有する波長を、半田リフロー炉通過後においても高効率で反射することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の反射材を作製するための工程フロー図
【図2】本発明の白色高反射材を用いたLEDパッケージの一実施例を示す断面図
【図3】本発明の白色高反射材を用いたLEDパッケージの一実施例を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明について詳しく説明する。
【0011】
本発明の白色高耐熱高反射材は、20乃至50重量部のアクリル系の官能基を有するアダマンタン樹脂と50乃至80重量部のシリコーン樹脂とを混ぜ合わせて合計100重量部とした混合樹脂と硬化剤と球状の粒子形状のアルミナを100重量部以上混ぜ合わせた反射材用樹脂組成物を硬化させたことを特徴とする。
【0012】
所定の比率でアクリル系の官能基を有するアダマンタン樹脂とシリコーン樹脂と硬化剤とフィラーを組み合わせて、光を照射してラジカル重合反応を起こすことで樹脂が白色化し、更に加熱することで硬化を完了させるという作用を有する。また、フィラーを組み合わせることで、反射率が向上すると共に、耐熱性も向上するという作用を有する。
【0013】
特に、フィラーは、アルミナ、チタニア、酸化亜鉛などの白色顔料として使用される無機材料や内部に空隙を有しかつポリマーが高度に架橋された中空状のポリマーからなる有機材料を使用することができるが、耐熱性という面から無機材料が好ましい。無機材料を加えることで反射率と耐熱性が向上するという作用を有し、更にアルミナは350乃至800nmの波長領域で比較的反射率の低下が少ないという作用も有するが、チタニア、酸化亜鉛は、400nm前後より短い波長領域で反射率が著しく低下してしまう。また、アルミナ粒子の形状についても、球状粒子については350乃至800nmの範囲で90%以上の反射率を有するが、鱗片状の粒子は反射率が10%程度低下してしまう。
【0014】
また、アクリル系官能基を有するアダマンタン樹脂が1−アダマンチルメタクリレートであることを特徴とする。
【0015】
アダマンタンは10個の炭素がダイヤモンドの構造と同様に配置されたかご型の分子である。分子の外側には水素が突き出しているが、この水素をアクリル基に置き換えたものがアクリル系の官能基を有するアダマンタン樹脂である。アクリル系のアダマンタン樹脂としては、1−アダマンチルアクリレート、1−アダマンチルメタクリレート、1,3−アダマンタンジメタノールジアクリレート、1,3−アダマンタンジメタノールジメタクリレートがあるが、1−アダマンチルメタクリレート以外は室温にて固体であり、湯浴などで加温することで液化することで使用可能なものもあるが、室温に戻ると再結晶化するなど、シリコーン樹脂との相溶性が悪く好ましくない。このアクリル系の官能基を有するアダマンタン樹脂とシリコーン樹脂をラジカル重合させることで樹脂が白色化するという作用を有し、エポキシ基などと置き換えたアダマンタン樹脂では白色化すると作用は発現しない。
【0016】
また、シリコーン樹脂が付加反応型のシリコーンゴムであることを特徴とする。
【0017】
シリコーン樹脂は、珪素と酸素からなるシロキサン結合を骨格とし、その珪素にメチル基を主体とする有機基が結合した付加重合型のシリコーンゴムであり、有機基が結合したシロキサンを基本骨格としたものであれば、特に制限は無く、例えば信越シリコーン株式会社のKEシリーズやモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社のIVSシリーズなどの市販品を使用できる。アクリル系の官能基を有するアダマンタン樹脂とシリコーン樹脂をラジカル重合させることで樹脂が白色化するという作用を有する。
【0018】
また、硬化剤がラジカル型光重合開始剤であることを特徴とする。
【0019】
また、ラジカル型光重合開始剤が、アルキルフェノン系光重合開始剤であることを特徴とする。
【0020】
硬化剤は、ラジカルを発生させることができるラジカル重合開始剤を使用することができる。光ラジカル重合開始剤としては、アルキルフェノン系やアシルフォスフィンオキサイド系などがあり、チバ・ジャパン株式会社のイルガキュアシリーズやダロキュアシリーズなどの市販品が使用でき、中でも無黄変タイプのイルガキュア184やダロキュア1173を使用することが望ましい。熱ラジカル重合開始剤としては、有機過酸化物系のラジカル重合開始剤がある。これらを使用しても白色高反射材を得ることができるが、熱収縮が大きく、成形性を必要とする反射材用途には適さない。本発明の反応は、ラジカルを発生させることで、白色化するという作用が発現するので、カチオン系やアニオン系などのほかの重合開始剤は適さない。
【実施例】
【0021】
以下、本発明を実施例について図面を参照しながら説明する。
【0022】
図1は、本発明の実施例における白色高反射材の製造工程を示した工程フロー図である。
【0023】
まず、各材料を所定量秤量して、混合容器に入れる。次いで、減圧による脱泡機能を有する撹拌混合装置にセットし、所定時間混合する。次いで、テフロン(登録商標)で作製した型枠にリードフレーム、リフレクターを所定の位置にセットし、そこに混合した反射材用樹脂組成物を流し込む。次いで、紫外線を所定量照射し、一次硬化を行う。最後に所定温度の電気炉に入れ、二次硬化を行う。
【0024】
かかる構成によれば、樹脂組成物を均一に混合することができ、また、リードフレーム、リフレクターを所定の位置にセットしたテフロン(登録商標)製の型枠に、樹脂組成物を流し込んだ後、即紫外線による一次硬化を行うことができるために、樹脂組成物の漏れ出しが無くなる作用がある。
【0025】
図2は、発光素子1とリフレクター2とリードフレーム3とを白色高耐熱高反射材5とでモールドし、発光素子1とリードフレーム3の一端をワイヤー4でボンディングした構成をしたLEDパッケージの断面図である。
【0026】
かかる構成によれば、リードフレームとリフレクターをモールドする際に同時に接着することができ、リフレクターとリードフレームを接着するための専用の接着剤を省略することができる。また、リードフレームのギャップ間にも白色高耐熱高反射材5がモールドされているので、市販のモールド樹脂を使用した場合に比べて半田リフロー炉を通過した後の反射率の低下が非常に少ないという作用が有する。
【0027】
図3は、ワイヤー8でボンディングした発光素子6とリードフレーム7を白色高反射材9でモールドし、リフレクターをも白色高反射材9で形成したLEDパッケージの断面図である。
【0028】
かかる構成によれば、リフレクターを白色高反射材9で形成することができ、製造工程を短縮することができる。
【0029】
以下、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0030】
(実施例1)
アダマンテートX−M−104(出光興産株式会社製)20重量部とシリコーン樹脂KE109AおよびKE109B(信越シリコーン株式会社製)をそれぞれ40重量部、イルガキュア184(チバ・ジャパン株式会社製)0.005重量部、球状アルミナ粒子であるアドマファインAO−502(株式会社アドマテック製)100重量部をメノウ乳鉢に入れ、前記メノウ乳鉢を自動乳鉢AMM−140D(日陶科学株式会社製)にセットし10分間混合し、更に樹脂組成物を自公転式の撹拌脱泡装置用の専用容器に入れ、自公転式の撹拌脱泡装置V−mini300(株式会社EME製)で公転速度1600rpm、自転速度800rpmの条件で4分間撹拌した。得られた樹脂組成物をV−mini300で、公転速度1000rpm、自転速度500rpmの条件で30秒撹拌しながら、シリンジに充填した。次に厚み1mm、40mm角のテフロン(登録商標)シートの中央部分に直径30mmの円をくりぬいた型枠を準備し、この型枠の両側を厚み0.3mm、直径40mm角のテフロン(登録商標)シートを介して、厚み3mm、直径40mm角のガラス板で挟みこみ、この型枠の中に混合した樹脂組成物を充填した。充填した型枠は両面にそれぞれ2500mJ/cm2の紫外線を、ベルトコンベア式の紫外線照射機VB−15201BY(ウシオ電機株式会社製)にて照射し、一次硬化を行った。更に恒温器ST−120(エスペック株式会社製)に入れ、150℃で30分二次硬化を行った。
【0031】
(実施例2)
アドマファインAO−502(株式会社アドマテック製)を150重量部にした以外は実施例1と同様である。
【0032】
(実施例3)
アダマンテートX−M−104(出光興産株式会社製)40重量部とシリコーン樹脂KE109AおよびKE109B(信越シリコーン株式会社製)をそれぞれ30重量部とした以外は実施例1と同様である。
【0033】
(実施例4)
アダマンテートX−M−104(出光興産株式会社製)40重量部とシリコーン樹脂KE109AおよびKE109B(信越シリコーン株式会社製)をそれぞれ30重量部、アドマファインAO−502(株式会社アドマテック製)を150重量部にした以外は実施例1と同様である。
【0034】
(実施例5)
アダマンテートX−M−104(出光興産株式会社製)50重量部とシリコーン樹脂KE109AおよびKE109B(信越シリコーン株式会社製)をそれぞれ25重量部とした以外は実施例1と同様である。
【0035】
(実施例6)
アダマンテートX−M−104(出光興産株式会社製)50重量部とシリコーン樹脂KE109AおよびKE109B(信越シリコーン株式会社製)をそれぞれ25重量部、アドマファインAO−502(株式会社アドマテック製)を150重量部にした以外は実施例1と同様である。
【0036】
(比較例1)
アドマファインAO−502(株式会社アドマテック製)を30重量部にした以外は実施例1と同様である。
【0037】
(比較例2)
アダマンテートX−M−104(出光興産株式会社製)40重量部とシリコーン樹脂KE109AおよびKE109B(信越シリコーン株式会社製)をそれぞれ30重量部、アドマファインAO−502(株式会社アドマテック製)を30重量部にした以外は実施例1と同様である。
【0038】
(比較例3)
アダマンテートX−M−104(出光興産株式会社製)50重量部とシリコーン樹脂KE109AおよびKE109B(信越シリコーン株式会社製)をそれぞれ25重量部、アドマファインAO−502(株式会社アドマテック製)を30重量部にした以外は実施例1と同様である。
【0039】
(比較例4)
アダマンテートX−M−104(出光興産株式会社製)とイルガキュア184(チバ・ジャパン株式会社製)を添加せず、シリコーン樹脂KE109AおよびKE109B(信越シリコーン株式会社製)をそれぞれ50重量部とし、更に、ベルトコンベア式の紫外線照射機VB−15201BY(ウシオ電機株式会社製)にて紫外線を照射し、一次硬化を行わなかったこと以外は実施例1と同様である。
【0040】
(比較例5)
アダマンテートX−M−104(出光興産株式会社製)60重量部とシリコーン樹脂KE109AおよびKE109B(信越シリコーン株式会社製)をそれぞれ20重量部とした以外は実施例1と同様である。
【0041】
(比較例6)
アダマンテートX−M−104(出光興産株式会社製)80重量部とシリコーン樹脂KE109AおよびKE109B(信越シリコーン株式会社製)をそれぞれ10重量部とした以外は実施例1と同様である。
【0042】
(比較例7)
アダマンテートX−M−104(出光興産株式会社製)100重量部とし、シリコーン樹脂KE109AおよびKE109B(信越シリコーン株式会社製)を添加しなかったとした以外は実施例1と同様である。
【0043】
(比較例8)
球状アルミナ粒子であるアドマファインAO−502(株式会社アドマテック製)を板状アルミナ粒子であるセラフYFA05070(キンセイマテック株式会社製)にした以外は実施例1と同様である。
【0044】
(比較例9)
球状アルミナ粒子であるアドマファインAO−502(株式会社アドマテック製)をルチル型酸化チタンTIO13PB(株式会社高純度化学研究所製)にした以外は実施例1と同様である。
【0045】
(比較例10)
球状アルミナ粒子であるアドマファインAO−502(株式会社アドマテック製)をアナターゼ型酸化チタンTIO17PB(株式会社高純度化学研究所製)にした以外は実施例1と同様である。
【0046】
(比較例11)
球状アルミナ粒子であるアドマファインAO−502(株式会社アドマテック製)を酸化亜鉛ZNO03PB(株式会社高純度化学研究所製)にした以外は実施例1と同様である。
【0047】
(反射率の測定)
得られた白色高反射材を150φ積分球付属装置を取り付けたU−3500形自記分光光度計(株式会社日立ハイテクノロジーズ製)に取り付け、350nm〜800nmの波長の全反射率を測定した。なお、測定の際のリファレンスとしては硫酸バリウムを使用した。
【0048】
得られた全反射率の測定結果を(表1)に示した。
【0049】
【表1】

【0050】
実施例1〜6の初期反射率は、波長が350nmのときの全反射率が86%以上、波長が460nmのときの全反射率が100%、波長が800nmのときの全反射率が98%以上となり、また260℃1時間処理後の反射率が、波長が350nmのときの全反射率が78%以上、波長が460nmのときの全反射率が93%以上、波長が800nmのときの全反射率が97%以上となった。
【0051】
一方、比較例1〜3のアルミナの充填量が少ないサンプルの初期反射率は、波長が350nmのときの全反射率が80%以上、波長が460nmのときの全反射率が97%以上、波長が800nmのときの全反射率が92%以上となり、また260℃1時間処理後の反射率が、波長が350nmのときの全反射率が最も良いサンプルで56%、波長が460nmのときの全反射率が最も良いサンプルで82%、波長が800nmのときの全反射率が最も良いサンプルで95%となり、本発明の実施例と比べて、260℃1時間処理熱処理後の反射率が大きく低下しており、本発明の白色高耐熱高反射材が優れていることが明らかとなった。また樹脂組成物の組成比を変えた比較例4〜7のサンプルの初期反射率は、波長が350nmのときの全反射率が64%以上、波長が460nmのときの全反射率が91%以上、波長が800nmのときの全反射率が87%以上となり、また260℃1時間処理後の反射率が、波長が350nmのときの全反射率が最も良いサンプルで73%、波長が460nmのときの全反射率が最も良いサンプルで98%、波長が800nmのときの全反射率が最も良いサンプルで95%となり、本発明の実施例と比べて、260℃1時間処理熱処理後の反射率が大きく低下しており、本発明の白色高耐熱高反射材が優れていることが明らかとなった。更に充填するフィラーであるアルミナの形状を変えた比較例8のサンプルでは、初期反射率は、波長が350nmのときの全反射率が81%以上、波長が460nmのときの全反射率が86%以上、波長が800nmのときの全反射率が86%以上となり、また260℃1時間処理後の反射率が、波長が350nmのときの全反射率が51%、波長が460nmのときの全反射率が71%、波長が800nmのときの全反射率が最も良いサンプルで84%となり、本発明の実施例と比べて、初期の場合でも全体的に反射率が低く、本発明の白色高耐熱高反射材が優れていることが明らかとなった。更に充填するフィラーの種類を変えた比較例9〜11のサンプルでは、初期反射率は、波長が350nmのときの全反射率が10%以下、波長が460nmのときの全反射率が98%以上、波長が800nmのときの全反射率が95%以上となり、また260℃1時間処理後の反射率が、波長が350nmのときの全反射率が10%以下、波長が460nmのときの全反射率が最も良いサンプルで86%、波長が800nmのときの全反射率が最も良いサンプルで92%となり、本発明の実施例と比べて、初期の反射率の特に350nmでの反射率が大きく低下しており、本発明の白色高耐熱高反射材が優れていることが明らかとなった。
【0052】
なお、本実施例では、白色高耐熱高反射材に球状のアルミナを100重量部以上入れることで、上記効果が得られるが、フィラーを多く入れすぎると、分散剤などを入れる必要があり、分散剤は熱に弱いため、白色高耐熱高反射材に入れるフィラーは150重量部以下であることが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明の白色高反射材は、液晶ディスプレイのバックライトに使用されるリフレクター、各種照明用途の反射板、LEDパッケージを構成するリフレクターなどに使用できる。
【符号の説明】
【0054】
1 発光素子
2 リフレクター
3 リードフレーム
4 ワイヤー
5 白色高耐熱高反射材
6 発光素子
7 リードフレーム
8 ワイヤー
9 白色高反射材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
20乃至50重量部のアクリル系の官能基を有するアダマンタン樹脂と50乃至80重量部のシリコーン樹脂とを混ぜ合わせて合計100重量部とした混合樹脂と硬化剤と球状の粒子形状のアルミナを100重量部以上混ぜ合わせた反射材用樹脂組成物を硬化させたことを特徴とする白色高耐熱高反射材。
【請求項2】
アクリル系官能基を有するアダマンタン樹脂が1−アダマンチルメタクリレートであることを特徴とする請求項1に記載の白色高耐熱高反射材。
【請求項3】
シリコーン樹脂が付加反応型のシリコーンゴムであることを特徴とする請求項1に記載の白色高耐熱高反射材。
【請求項4】
硬化剤がラジカル型光重合開始剤であることを特徴とする請求項1に記載の白色高耐熱高反射材。
【請求項5】
ラジカル型光重合開始剤が、アルキルフェノン系光重合開始剤であることを特徴とする請求項1に記載の白色高耐熱高反射材。
【請求項6】
発光素子搭載する金属リードフレームと、前記発光素子の上部を除く周囲を囲むように配置するリフレクターと、請求項1に記載の白色高反射材とで構成している特徴とするLEDパッケージ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−249554(P2011−249554A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−121097(P2010−121097)
【出願日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】