説明

皮膚の保護および改善

本発明は、(i)紫外線が引き起こす皮膚の紅斑および/または光老化の低減、および(ii)肌質の改善のための組成物およびその使用方法に関し、各方法には、それらを必要とする対象に、フラバノール、プロシアニジン、またはそれらの薬学的に許容される塩または誘導体などの特定のポリフェノールを経口投与することが含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(i)紫外線が引き起こす皮膚の紅斑および/または光老化の低減、または(ii)肌質の改善のための組成物、およびその使用方法に関し、各方法には、それらを必要とする対象に、本明細書に記載される特定のポリフェノール化合物を経口投与することが含まれる。
【背景技術】
【0002】
皮膚は、光(例えば紫外線)、熱、機械的損傷/負傷、有害物質および微生物感染に対する防護遮蔽の役割をする、身体の最大の器官である。皮膚はまた、体温、水分の保持、脂質およびビタミンDを調節することによって身体のホメオスタシスを調節する、重要な機能的役割を果たしている。さらには、皮膚は、健康および肉体的な魅力についての感覚における極めて重要な役割を果たしている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
いくつかの外因性/外来性(例えば、環境条件)および内因性/内在性(例えば、遺伝性素因、免疫状態、ホルモン状態およびストレス)の要因が、組織、質感、厚さ、密度、水分量、色、およびその遮蔽特性などの皮膚の特性に影響を与える。極端な温度、風および日光/太陽放射などの環境要因への曝露は、皮膚の特性、外観、および機能に支障をきたし、肌質の劣化、皮膚の魅力の低下、および皮膚の老化の促進を引き起こしかねない。したがって、皮膚の光防護方法および肌質の改善方法が、当技術分野において必要とされている。
【0004】
有機体の栄養状態は、肌質、皮膚の機能に影響を与え、主要および微量栄養素の最適供給は、皮膚の健康に寄与するであろう。本出願人は、本明細書に掲げる化合物の経口による消費が、肌質における有益な効果(例えば、組織、質感、水分量)のみならず、紫外線に曝露された皮膚における光防御効果(例えば、皮膚の紅斑および光老化)を有することを見出した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、組成物、製品および(i)紫外線が引き起こす皮膚の紅斑および/または光老化の低減方法、および(ii)肌質の改善方法に関し、該方法には、それらを必要としている対象に、本明細書に記載される特定のポリフェノール化合物を経口投与することが含まれる。
【0006】
1つの態様では、本発明は、本発明の化合物を含む、食品(ペットフードを含む)、食品添加物、栄養補助食品、または医薬品に関する。例えば、紫外線が引き起こす皮膚の紅斑および/または光老化の低減、または肌質の改善などを目的とした、上記組成物、並びに本明細書に記載されるラベルおよび/または使用説明書を含む、包装された製品もまた、本発明の範囲内にある。
【0007】
別の態様では、本発明は、紫外線が引き起こす皮膚の紅斑および/または光老化を低減する方法に関し、該方法は、それらを必要とする対象に、有効量の本発明の化合物を経口投与することにより行われる。
【0008】
さらなる態様では、本発明は、例えば、皮膚の組織、質感および水分など、肌質を改善する方法に関し、該方法は、それらを必要とする被検体に、本発明の化合物の有効量を経口投与することにより行われる。
【0009】
すべての特許、特許出願および本願に引用される参考文献は、ここに参照することにより本明細書に援用される。矛盾が生じる場合には、本開示が適用される。
【0010】
本発明は、組成物、製品および(i)紫外線が引き起こす皮膚の紅斑および/または光老化の低減方法、および(ii)肌質の改善方法に関し、該方法には、それらを必要とする対象に、本明細書に記載される特定のポリフェノール化合物を経口投与することが含まれる。本発明に使用する化合物として、特定のフラバノール(フラバン−3−オール)、プロシアニジン、またはそれらの薬学的に許容される塩または誘導体が挙げられる。これらの化合物は、天然由来の場合、例えば、カカオニブまたはその断片、チョコレート・リカー、部分的にまたは完全に脱脂されたカカオ固形物、カカオ抽出物またはその画分など、カカオ成分の形態で組成物中に含まれていて差し支えない。
【0011】
本明細書では、「フラバノール」または「フラバン−3−オール」という用語は、次の化学式の単量体のことをいう。
【化1】

【0012】
「プロシアニジン」という用語は、オリゴマーのことをいう。
【0013】
「カカオ成分」という用語は、例えば、カカオニブまたはその断片、チョコレート・リカー、部分的にまたは完全に脱脂されたカカオ固形物(例えば、ケーキまたは粉末)、フラバノールおよび/またはプロシアニジン含有カカオ抽出物またはその画分など、カカオ豆に由来する成分のことをいう。
【0014】
特定の実施形態では、本発明は、フラバノール(例えば(−)−エピカテキンおよび(+)−カテキン)、並びに、有効量のフラバノール(例えば(−)−エピカテキンおよび(+)−カテキン)またはそれらの薬学的に許容される塩または誘導体(酸化生成物、メチル化誘導体およびグルクロン酸化誘導体を含むが、フラバノール誘導体は没食子酸化誘導体ではない)を含む組成物に関する。誘導体は、下記のように調製して差し支えない。
【0015】
他の実施の形態では、本発明は、次の化学式Aを有する化合物、および、有効量の該化合物またはその薬学的に許容される塩または誘導体(酸化生成物、メチル化誘導体およびグルクロン酸化誘導体を含む)を含む組成物、に関する。
【化2】

【0016】
ここで、
nは2〜18の整数であり、
RおよびXはそれぞれ、αまたはβ型の立体化学を有し、
RはOHまたはO−糖であり、
C−4、C−6およびC−8の置換基はそれぞれX、YおよびZであり、モノマー単位の結合がC−4、C−6またはC−8の位置で生じ、
C−4、C−6またはC−8のいずれも別のモノマー単位と結合しない場合は、X、YおよびZはそれぞれ、水素または糖であり、
糖は、随意的に、例えばエステル結合を介してなど、いずれかの位置においてフェノール部分で置換される。
【0017】
化学式Aにおけるモノマー単位は、4→6α、4→6β、4→8αおよび/または4→8βの連結を介して結合されて構わない。糖は、単糖または二糖であることが好ましい。糖は、グルコース、ガラクトース、ラムノース、キシロース、およびアラビノースからなる群より選択されて差し支えない。フェノール部分は、カフェイン酸、ケイヒ酸、クマリン酸、フェルラ酸、没食子酸、ヒドロキシ安息香酸およびシナピン酸からなる群より選択されて構わない。プロシアニジン誘導体としては、没食子酸エステルなどのエステル、単糖類または二糖類部分(例えば、β−D−グルコース)などの糖部分で誘導体化された化合物、グルクロン酸化およびメチル化誘導体、並びに酸化生成物が挙げられる。一部の実施の形態では、エステル誘導体は、没食子酸エステル以外のエステルである。酸化生成物は、米国特許第5,554,645号明細書に開示されるように調製して差し支えなく、参照することによりその関連部分を本願に援用する。例えば没食子酸エステルなどのエステルは、例えば米国特許第6,420,572号明細書に記載されるように、既知のエステル化反応を利用して調製して差し支えなく、ここに参照することによりその開示を本願に援用する。3’O−メチル−、4’O−メチル−、および3’O,4’O−ジメチル−誘導体などのメチル化誘導体は、例えば、Cren- Oliveらの2002, J. Chem. Soc. Perkin Trans. 1, 821-830およびDonovanらのJournal of Chromatography B, 726 (1999) 277-283に記載されるように調製して差し支えなく、ここに参照することによりこれらの開示を本願に援用する。グルクロン酸化生成物は、Yuらの"A novel and effective procedure for the preparation of glucuronides," Organic Letters, 2(16) (2000) 2539-41およびSpencerらの"Contrasting influences of glucuronidation and O-methylation of epicatechin on hydrogen peroxide-induced cell death in neu
rons and fibroblasts," Free Radical Biology and Medicine 31(9) (2001) 1139-46に記載されるように調製して差し支えなく、ここに参照することにより本願に援用する。この開示が本願に引用されるすべての化学式に適用されることは、注目すべきことである。
【0018】
別の実施の形態では、本発明は、化学式Aを有する化合物、および有効量の該化合物またはその薬学的に許容される塩または誘導体(酸化生成物、メチル化誘導体およびグルクロン酸化誘導体を含む)を含む組成物、に関する。
【化3】

【0019】
ここで、
nは2〜18の整数であり、
RおよびXはそれぞれ、αまたはβ型の立体化学を有し、
RはOHであり、
C−4、C−6およびC−8の置換基はそれぞれX、YおよびZであり、モノマー単位の結合がC−4、C−6またはC−8の位置で生じ、
C−4、C−6またはC−8のいずれも別のモノマー単位と結合しない場合は、X、YおよびZはそれぞれ水素である。
【0020】
本発明に係る製品および方法に有用な化合物の例としては、本明細書に記載される化学式Aの化合物が挙げられ、ここで整数nは、3〜18、2〜12、3〜12、2〜5、4〜12、5〜12、4〜10、または5〜10である。一部の実施の形態では、整数nは、2〜4であり、例えば2または3である。この開示は、本明細書の化学式Aのいずれの化合物にも適用される。
【0021】
使用方法
本発明は、必要とする対象における、(i)紫外線が引き起こす皮膚の紅斑および/または光老化の低減、または(ii)肌質の改善方法に関する。
【0022】
本明細書では、「紫外線が引き起こす皮膚の紅斑の低減」は、紫外線が引き起こす紅斑または日焼けの開始および/または強度を低減させること、および/または紫外線曝露の影響(例えば、皮膚の発赤の低減、紫外線曝露に関係する痛み/不快感の低減)から皮膚を防護または遮蔽することを意味する。「日焼け」は、紫外線光、自然光(日光)および人工光のいずれかに起因する影響のことをいう。当業者は、例えば実施例に記載されるような紫外線曝露の影響を測定する既知の方法を選択するであろう。
【0023】
本明細書では、「肌質の改善」は、測定可能な程度の肌質の改善が達成されることを意味する。「肌質」という用語は、皮膚の水分量(例えば、乾燥の改善)、または皮膚の質感(例えば、皮膚の厚さ、粗さ、鱗せつ)などの皮膚の特性のことをいう。例えば、質感については、本発明には、必要とする対象における、皮膚の粗さの低減、鱗せつの改善、および/または皮膚の厚さの改善、の各方法が含まれる。当業者は、肌質の改善を測定する既知の方法(例えば、実施例に記載される方法など)を選択するであろう。
【0024】
ある実施の形態では、本発明は、(i)紫外線が引き起こす皮膚の紅斑および/または光老化の低減方法、または(ii)肌質の改善方法を提供し、該方法のそれぞれには、それらを必要とする哺乳動物(例えば、ヒト)または動物(veterinary animal)に、有効量の、エピカテキンまたはカテキン(例えば、(−)−エピカテキンおよび(+)−カテキン)などのフラバノール、またはそれらの薬学的に許容される塩または誘導体(酸化生成物、メチル化誘導体およびグルクロン酸化誘導体を含むが、フラバノール誘導体は没食子酸誘導体ではない)を経口投与することが含まれる。
【0025】
「動物」という用語は、獣医が世話をする、または獣医によって手当てされる任意の動物のことをいい、例えば、ネコ、イヌおよびウマなどの愛玩(companion)(ペット)動物および家畜動物が挙げられる。
【0026】
ある実施の形態では、本発明は、(i)紫外線が引き起こす皮膚の紅斑および/または光老化の低減方法、または(ii)肌質の改善方法を提供し、該方法には、それらを必要とする哺乳動物(例えば、ヒト)または動物に、有効量の、次の化学式Aを有する化合物、またはその薬学的に許容される塩または誘導体(酸化生成物、メチル化誘導体およびグルクロン酸化誘導体を含む)を含む組成物を、経口投与することが含まれる。
【化4】

【0027】
ここで、
nは2〜18の整数であり、
RおよびXはそれぞれ、αまたはβ型のいずれかの立体化学を有し、
RはOHまたO−糖であり、
C−4、C−6およびC−8の置換基はそれぞれX、YおよびZであり、モノマー単位の結合がC−4、C−6またはC−8の位置で生じ、
C−4、C−6またはC−8のいずれも別のモノマー単位と結合しない場合は、X、YおよびZはそれぞれ水素または糖であり、
糖は、随意的に、例えばエステル結合を介してなど、いずれかの位置においてフェノール部分で置換される。
【0028】
例えば、上記方法には化合物A、またはその薬学的に許容される塩または誘導体(酸化生成物、メチル化誘導体およびグルクロン酸化誘導体を含む)の使用が含まれていて差し支えなく、ここで、RはOHであり、C−4、C−6またはC−8のいずれも別のモノマー単位と結合しない場合は、X、YおよびZはそれぞれ水素である。適切な糖の例としては、上記のものが挙げられる。フェノール部分の例としては、上記のものが挙げられる。誘導体の例としては、上記のものが挙げられる。
【0029】
ある実施の形態では、本発明は、(i)紫外線が引き起こす紅斑および/または光老化の低減方法、または(ii)肌質の改善方法を提供し、該方法には、それらを必要とする哺乳動物(例えば、ヒト)または動物に、有効量の、化学式Aを有する化合物、またはその薬学的に許容される塩または誘導体(酸化生成物、メチル化誘導体およびグルクロン酸化誘導体を含む)を含む組成物を経口投与することが含まれる。
【化5】

【0030】
ここで、
nは2〜18の整数であり、
RおよびXはそれぞれ、αまたはβ型のいずれかの立体化学を有し、
RはOHであり、
C−4、C−6およびC−8の置換基はそれぞれX、YおよびZであり、モノマー単位の結合がC−4、C−6またはC−8の位置で生じ、
C−4、C−6またはC−8のいずれも別のモノマー単位と結合しない場合は、X、YおよびZはそれぞれ水素である。
【0031】
本発明の製品および方法に有用な化合物の例としては、本明細書に記載される化合物が挙げられ、ここで整数nは、3〜18、2〜12、3〜12、2〜5、4〜12、5〜12、4〜10、または5〜10である。一部の実施の形態では、整数nは、2〜4であり、例えば、2または3である。この開示は、本明細書の化学式Aの任意の化合物に適用される。
【0032】
紫外線が引き起こす皮膚の紅斑および/または光老化の低減を必要とする対象の例は、当業者には明白であろうが、例えば、日光または他に起因する紫外線に曝露されるか、または曝露されようとしている対象である。
【0033】
肌質の改善を必要としている対象の例は、当業者には明白であろうが、例えば、乾燥、並びに、厚み、密度、および全体的な外観の損失を生じさせる可能性のある、皮膚の特性の劣化を経験する対象である。これらの対象は、外因性/外来性(例えば、環境条件)および/または内因性/内在性(例えば、遺伝性素因、免疫状態、ホルモン状態およびストレス)の要因による、肌質の変化を経験するであろう。極端な温度、風、あるいは、暖房または空調設備の利益などの屋内条件など、環境要因に曝露されたか、または曝露されようとしている対象が、本発明を形成する。
【0034】
本発明の化合物は、例えば、カカオニブまたはその断片、チョコレート・リカー、部分的にまたは完全に脱脂されたカカオ固形物(例えば、カカオ粉末)、カカオ抽出物またはその画分など、カカオ成分の形態で経口投与されて差し支えなく、あるいは、カカオ成分とは無関係に加えられてもよい。カカオ成分は、カカオポリフェノール(CP)の成分が維持されるように調製される。
【0035】
一部の実施の形態では、他の皮膚保護剤と併用して、および/または他の皮膚保護剤に対する感応性を向上させる目的で、本化合物を投与して差し支えない。皮膚保護剤の例としては、ビタミン、アミノ酸、ミネラル、微量栄養素、植物抽出物またはそれらの誘導体、およびハーブが挙げられる。これらの追加的な皮膚保護剤は、局所的にまたは経口で投与されて構わない。
【0036】
したがって、つぎの使用は本発明の範囲内にある。紫外線が引き起こす皮膚の紅斑および/または光老化の低減、または肌質の改善のための、薬剤、食品、栄養補給食品または栄養補助食品の製造における、先に定義された、フラバノールまたはその薬学的に許容される塩または誘導体(酸化生成物、メチル化誘導体およびグルクロン酸化誘導体を含むが、該誘導体は没食子酸ではない)の使用。紫外線が引き起こす皮膚の紅斑および/または光老化の低減、または肌質の改善のための、薬剤、食品、栄養補給食品または栄養補助食品の製造における、本明細書に定義される、化学式Aの化合物、またはその薬学的に許容される塩または誘導体(酸化生成物、メチル化誘導体およびグルクロン酸化誘導体を含む)の使用。
【0037】
有効量は、本明細書が提供する指針および当技術分野の一般知識を用いて、当業者によって決定されて差し支えない。例えば、有効量は、哺乳動物の体内に、生理学的に適切な濃度を実現するものであって構わない。これらの生理学的に適切な濃度は、少なくとも20nMであり、少なくとも約100nMであることが好ましく、少なくとも約500nMであることがさらに好ましい。1つの実施の形態では、ヒトなどの哺乳動物の血中に、少なくとも約1μモルが実現される。本明細書に定義される化合物は、約35mg/日、40mg/日、または50mg/日以上(例えば、1000mg/日まで)、または75mg/日以上(例えば、1000mg/日まで)、または約100〜150mg/日以上(例えば、約900mg/日まで)、または約300mg/日以上(例えば、約500mg/日まで)で投与されて差し支えない。しかしながら、使用量の上限は規制因子ではないことから、上記の例示より多い量も使用されて構わない。使用量は、Adamson, G.E.らのJ. Ag. Food Chem.; 1999; 47 (10) 4184-4188に記載されるように測定して差し支えない。
【0038】
投与計画通りに、すなわち、例えば、日、月、2ヶ月、半年、1年などの有効期間、または、熟練した開業医によって必要とされる期間が決定されるような、他の投与計画で、投与を継続して差し支えない。投与は、少なくとも、紫外線が引き起こす皮膚の紅斑の低減、または肌質の改善に必要とされる期間、継続されて差し支えない。組成物を、毎日、好ましくは一日に2、3回、例えば朝と晩に投与し、哺乳動物の体内における化合物の有効濃度を維持してもよい。最も有益な結果を得るため、少なくとも7日間、または少なくとも14日間、または少なくとも30日間、または少なくとも45日間、または少なくとも60日間、または少なくとも90日間、組成物を投与して構わない。これらの投与計画は、必要に応じ、周期的に繰り返されて差し支えない。
【0039】
組成物および製剤
本発明にかかる化合物は、食品(ペットフードを含む)、食品添加物、または栄養補助食品、または医薬品として投与されて構わない。
【0040】
本明細書では、「食品」は、タンパク質、炭水化物および/または脂質を含む物質であり、身体の器官において使用され、成長、修復および生活過程を維持し、エネルギーを供給する。食品は、例えば、ミネラル、ビタミン、および調味料などの補助的物質も含んでいて差し支えない。メリアム・ウェブスター・カレッジ英英辞典の第10版(1993)を参照のこと。食品という用語には、人または動物の消費に適合する飲料も含まれる。本明細書では、「食品添加物」は、米国食品医薬品局(FDA)の21 C.F.R. 170.3(e)(l)に定義されており、直接および間接添加物が含まれる。本明細書では、「栄養補助食品」は、食事を補助することを意図した製品(タバコを除く)であり、以下の食品材料の1種類以上を有するか、または含む:ビタミン、ミネラル、ハーブまたは他の植物、アミノ酸、1日の総摂取量を増加させて食事を補うことを目的とした、ヒトに利用される食物中の物質、または、濃縮物、代謝産物、構成物質、抽出物、またはこれらの材料の組合せ。本明細書では、「医薬品」は、薬効のある薬物(medicinal drug)である。メリアム・ウェブスター・カレッジ英英辞典の第10版(1993)を参照のこと。医薬品は、薬剤(medicament)とも称される。上記組成物は、当技術分野で既知のように調製されて差し支えない。
【0041】
組成物は、担体、希釈剤、または賦形剤を含んでいてもよい。目的の用途によって、ヒトまたは動物への使用、食品、添加物、栄養補助食品または医薬品用途に適した担体、希釈剤、または賦形剤を選択して差し支えない。任意で、組成物に追加の皮膚保護剤を含めてもよい。用途によって、当業者は、本発明の化合物の純度を選択することもできる。例えば、医薬品の投薬形態の調製に使用する場合、化合物は商業的に可能な限り純粋であるべきだが、食品、添加物、または栄養補助食品の調製の場合には、化合物は、もう少し純度が低いか、または混合物(例えば、植物抽出物)として使用して差し支えない。
【0042】
本発明の化合物は、「単離および精製」することができる。すなわち、化合物および/または不純物の汚染の程度が、化合物の有効性に著しく影響を与えるか、化合物の有効性を損ねなければ、天然に生じる化合物から分離して差し支えなく(例えば、化合物が天然由来の場合)、または、合成的に調製して差し支えない。例えば、「単離および精製されたB2二量体」は、利用できる、商業的に実現可能な精製および分離技法によって達成可能な範囲で、天然に生じる(例えば、カカオ豆)B5二量体から分離される。こうした化合物は、医薬品用途に特に適している。
【0043】
化合物は、もう少し純度が低くても、すなわち、「実質的に純粋」であってもよく、言い換えれば、利用可能な精製、分離、および/または合成技術によって実現可能な最高水準の均質性を有していてもよいが、類似の化合物から分離する必要はない。本明細書では、「類似の化合物」は、同じ重合度を有する化合物である。例えば、「実質的に純粋な二量体」は、二量体の混合物のことをいう(例えば、カカオ抽出物画分に生じるであろう、B2およびB5)。医薬品用途にはあまり適さないが、このような「実質的に純粋」な化合物は、食品、食品添加物および栄養補助食品の用途に活用することができる。
【0044】
一部の実施の形態では、本発明の化合物は、少なくとも純度80%、少なくとも純度85%、少なくとも純度90%、少なくとも純度95%、少なくとも純度98%、または少なくとも純度99%である。このような化合物は、特に、医薬品用途に適している。
【0045】
本発明の化合物を含む医薬品は、随意的に、別の皮膚保護剤と併用して、経口投与される。本明細書では、「経口投与」には、経口による投与が含まれ、舌下腺および口腔内投与が含まれる。当業者は、本発明の化合物の輸送を最大にする、適切な投与形態を決定することができるであろう。したがって、各種の経口による投与に適合させた投与形態は本発明の範囲内にあり、錠剤、カプセル、ゼラチンカプセル(ジェルキャップ)、大用量または単位用量の粉末または顆粒、エマルジョン、懸濁液、ペースト、またはゼリーなど、固体、液体、および半固体の投与形態が含まれる。徐放性の投薬形態もまた、本発明の範囲内にある。適切な薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤は、当技術分野で一般に知られており、当業者が容易に決定することができる。例えば、錠剤には、有効量の本発明の化合物、および随意的に、ソルビトール、ラクトース、セルロース、または第二リン酸カルシウムなどの担体を含めてもよい。
【0046】
本明細書に記載の化合物および随意的に別の皮膚保護剤を含む食品を、ヒトまたは動物用途に適応させることができ、ペットフードが挙げられる。食品は、菓子類以外の、例えば飲料(例えば、ココア風味飲料)などであってもよい。ダークチョコレート、低脂肪チョコレート、および、チョコレートコーティングキャンディであってよいキャンディを含む、ミルク、スイート、およびセミスイートチョコレートなどの、米国同一性規格(standard of identity)(SOI)および非同一性規格のチョコレートもまた、本発明の範囲内にある。他の例としては、焼成食品(baked product)(例えば、ブラウニー、ベークド・スナック、クッキー、ビスケット)、調味料、グラノーラ・バー、トフィー・チュー(toffee chew)、食事代替バー(meal replacement bar)、スプレッド、シロップ、混合粉末飲料、ココアまたはチョコレート風味飲料、プリン、餅、混ぜご飯、風味のよいソース(savory sauce)などが挙げられる。必要に応じて、食品にチョコレートまたはココアで風味付けしてもよい。食品は、例えばピーナツ、クルミ、アーモンドおよびヘーゼルナッツなどのナッツ類を含む、グラノーラ・バーなどの、チョコレートおよびキャンディ・バーであって差し支えない。食品は、本明細書に記載の化合物の有効量を輸送するように設計される。
【0047】
本発明に使用する化合物は、例えば、カカオ豆または当業者に既知の別の天然源に由来する、天然のものであって差し支えなく、あるいは合成的に調製されてもよい。当業者は、用途および/または利用可能性、あるいは費用に基づいて、天然または合成ポリフェノールを選択することができる。
【0048】
化合物は、カカオ成分の形態で組成物中に含まれていてもよい。例えば、化合物は、チョコレートに含まれるチョコレート・リカーなど、カカオ材料の形態で組成物中に含まれていて差し支えなく、また、例えば、抽出物、抽出画分、単離および精製された個々の化合物、プールされた抽出画分、または合成的に調製された化合物など、カカオ材料とは無関係に加えられてもよい。「カカオ材料」という用語は、チョコレート・リカーおよび部分的にまたは完全に脱脂されたカカオ固形物(例えば、ケーキまたは粉末)など、無殻のカカオニブに由来するカカオ固形物含有物質のことをいう。抽出および精製に関しては、参照することによりそれぞれ本願に援用される、Romanczykらの米国特許第5,554,645号および同第6,670,390号の各明細書、およびHammerstoneらの米国特許第6,627,232号明細書に記載されるように行なうことができる。
【0049】
カカオ・フラバノールおよび/またはプロシアニジンは、これらの化合物を含むカカオ材料により、あるいは、チョコレートを含むことにより、本発明の組成物中に提供されて差し支えなく、チョコレートとしては、ミルク、スウィート、およびセミスウィートであって構わないが、ダーク・チョコレートおよび低脂肪チョコレートであることが好ましい。伝統的なカカオ処理工程を使用してカカオ材料を調製してもよいが、Kealeyらの米国特許第6,015,913号明細書に記載される方法を用いて調製されることが好ましい。あるいは、カカオポリフェノールの濃度を高めるため、275以下の発酵因子を有するカカオ豆から調製されたチョコレート・リカーおよびカカオ固形物を使用する。これらの材料は、伝統的なカカオ処理方法(例えば、ローストによる)、および完全に発酵させた豆を使用して得られるよりも高い、カカオポリフェノール含量を有している。上記の材料から従来の技法を使用するか、または、ここに参照することによりそれぞれの関連部分を本願に援用する、国際公開第99/45788号パンフレットとして公開された国際出願第PCT/US99/05414号およびその対応米国出願である米国特許第6,194,020号明細書に記載される、チョコレート製造の間にカカオポリフェノールを保存する、改良された方法を使用して、チョコレートを調製してもよい。次の非伝統的な方法の少なくとも1つによって調製されるチョコレートを、ここでは、「保存量のカカオポリフェノールを有するチョコレート」と称する:(i)発酵が不十分であるか未発酵のカカオ豆からカカオ材料を調製する、(ii)カカオ材料製造工程の間にカカオポリフェノールを保存する、および(iii)チョコレート製造工程の間にカカオポリフェノールを保存する。このような非伝統的な方法を使用して、濃度を高めたフラバノールおよび/またはプロシアニジンを含むように設計された、他のカカオ材料含有製品(例えば、飲料、栄養補助食品などの食品)を調製することができる。
【0050】
合成プロシアニジンもまた使用して差し支えなく、当技術分野で既知の方法、および、例えば、ここに参照することによりそれぞれの関連部分を本願に援用する、米国特許第6,420,572号、同第6,156,912号および同第6,864,377号の各明細書に記載されるように調製することができる。
【0051】
本発明の1日の有効量は、食品の場合は1回量で、あるいは、医薬品または栄養補助食品の場合には単回投与量で提供されて差し支えない。例えば、菓子(例えば、チョコレート)には、少なくとも約100mg/回(serving)(例えば、150〜200、200〜400mg/回)を含めることができる。
【0052】
本発明の化合物、および、随意的に別の皮膚保護剤を含む栄養補助食品を、当技術分野で既知の方法を用いて調製して差し支えなく、例えば、第二リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、硝酸カルシウム、ビタミン、およびミネラルなどの栄養素を、含めることができる。
【0053】
さらには、本発明の組成物(例えば、食品、栄養補助食品、医薬品)、および、本発明の化合物の存在、または高められた含有量を示す、もしくは、紫外線が引き起こす皮膚の紅斑および/または光老化を低減するか、肌質を改善するための組成物の使用を指南するためのラベルを含む、包装された製品などの製造品も本発明の範囲内にある。包装された製品に、組成物、および、紫外線が引き起こす皮膚の紅斑および/または光老化を低減するか、肌質を改善するための使用説明書を含めてもよい。ラベルおよび/または使用説明書は、本願に記載される任意の使用方法を称するものであって差し支えない。
【0054】
本発明は、また、本明細書に記載される任意の組成物を含む製造品を製造し、製造品をもたらす組成物を包装し、および、本明細書に記載される任意の使用のための組成物/製造品の使用を指示し、指南し、または促進する、方法に関する。これらの指示、指南、または促進には、宣伝も含まれる。
【0055】
本発明について、以下の限定されない実施例において、さらに説明する。
【実施例】
【0056】
実施例1:皮膚における高フラバノール・カカオの経口投与の効果
材料および方法
研究計画。Fitzpatrick およびPathak (Pathak, M. A., J. Am. Acad. Dermatol, 1982, 7:285-312) に従った、健康なII型の正常皮膚を有する18〜65歳の、24人のボランティアを研究に用いた。除外基準は、妊娠および授乳、喫煙、研究の転帰に影響を与える可能性のある薬物の服用、日光浴または日光浴用椅子の使用、ビタミン補給剤の摂取および通常の食習慣の変更を含む食事の摂取、であった。ボランティアを、それぞれ12人のボランティアからなる、高フラバノール群(HF)と低フラバノール群(LF)に無秩序に分けた。
【0057】
HF群は、12週間にわたり、1日326mgのカカオポリフェノールを与えるカカオ粉末を摂取した。LF群は、同期間にわたり、1日27mgのポリフェノールを与える同等のカカオ粉末を摂取した。粉末を100mlの熱水に溶解し、食事とともに、朝に摂取した。カカオ粉末の組成における、さらなる詳細を表1に示す。
【表1】

【0058】
0日、6週、および12週に、光保護および皮膚の健康に関する次のパラメーターを測定した:紫外線照射に対する感受性、皮膚血流量、皮膚組織および質感、皮膚の水分量および経皮水分蒸散量(transepidermal water loss)。
【0059】
紫外線照射に対する感受性。研究の開始前に、各対象のMED(最小紅斑量)を測定した。青色の太陽シミュレータ(Sol 3、ドイツ国、ミュンヘン、ヘンレ)を使用して、紅斑を誘起するための照射(1.25倍のMED)を背面皮膚(背中、肩甲部)に適用した。各時点(0日、6週、および12週)において、照射前および照射後24時間の皮膚の色を測定した。皮膚の色は、3次元表色系(L、a、b値)(REF)を用いて、クロマメトリー(chromametry)(ミノルタCR300、ドイツ国、アーレンスブルク)によって評価した。L値は皮膚の明度のパラメーターであり、b値(青/黄軸)は色素形成の指標である。a値(赤/緑軸)は紅斑の指標であり、紫外線照射に対する皮膚反応の定量化に用いられる。a値の減少は、光保護効果を示す。
【0060】
皮膚血流量、ヘモグロビンの量および酸素飽和度。末梢血流およびヘモグロビンの酸素飽和度を測定するため、O2Cシステム(Lea Instrument、ドイツ国、ギーセン)を適用した。血流および速さの測定は、ドップラー効果、すなわち、速さに応じて移動する赤血球によって、光の周波数がシフトすることに基づいている。ヘモグロビンの量および酸素飽和度を、分光的に測定する。すべてのパラメーターを、異なる皮膚層(1mm、7〜8mm)において測定した。
【0061】
皮膚組織および質感。2-D-configuration(Cortex Technology社製(デンマーク国))を備えた、高周波の超音波Bスキャン(周波数20MHz、Derma Scan C, Vers. 3, Hersteller Ortなど)を適用して、組織構造を分析し、皮膚密度(ピクセル)および厚さ(mm)についての情報を得た(Altmeyer P, el Gammal S, Hoffmann K (eds), Ultrasound in Dermatology, 1992, Springer Verlag, Berlin, Heidelberg)。皮膚表面の特性については、15×17mmの領域にSELS(Surface Evaluation of Living Skin)法(Visioscan, Courage & Khazaka Electronics社製(ドイツ国、ケルン))を用いて評価した。4種類のパラメーター:粗さ、鱗せつ、滑らかさ、しわ、を適用して、皮膚表面を特徴付けた。
【0062】
皮膚の水分量および経皮水分蒸散量。皮膚の水分量(au)を、コルネオメトリー(corneometry)(Corneometer CM 825、Courage & Khazaka Electronics社製(ドイツ国、ケルン))で測定し、経皮水分蒸散量(TEWL、g/h・m2)を、TEWA-Meter TM 300(Courage & Khazaka Electronics社製(ドイツ国、ケルン))を用いて測定した(Heinrich et al., Intern. J. Cosmet. ScI, 2003, 25:45-53; Rodrigues et al, Skin Res. TechnoL, 2004, 10:257-262)。統計。すべてのパラメーターの記述統計学(平均、標準偏差、最小値、下位四分位点、中央値、上位四分位点および最大値)を、すべての時点(0日、6週、および12週)について算出した。2時点の各組合せについて、すべてのパラメーターのそれぞれ前後の違いを算出した。2つの処置群における2時点の各組合せを、ウイルコクソンの符号付き検定を用いて比較した。
【0063】
2つの処置群の前後の違いを、ウイルコクソンの符号付き検定を用いて比較した。
【0064】
結果
高および低フラバノール群に使用したカカオ粉末は、ポリフェノール含有量以外の構成要素については同等であった(上記表1参照)。HF群では、日用量326mgの総ポリフェノールを摂取する一方、LF群では、カカオ粉末には、27mgの総ポリフェノールしか与えられなかった。(−)−エピカテキンおよび(+)−カテキンの日用量は、HF群では、それぞれ45.2mgおよび12.7mgであり、LF群では3.9mgおよび1.2mgであった。
【0065】
光防護。紫外線が引き起こす皮膚反応(紅斑)に対するカカオ・フラバノールの防護を、選択された皮膚領域を1.25MEDで曝露した後の発赤の減少として測定した。紫外線照射後の発赤を、クロマメトリーによって測定した。照射後24時間のクロマメトリーのa値、および照射前後のクロマメトリーのa値の違い(Δa値)を、皮膚の紫外線反応の指標として採用した(表2)。高フラバノール群では、照射後24時間に測定されたΔa値は、処置6週および12週後で、研究開始時よりもそれぞれ約50%および70%低く、これは、ウイルコクソンの符号付き検定によれば統計的に有意であった。12週にわたる処置の間、低フラバノール群では、24時間のa値およびΔa値に有意な変化は見られなかった。したがって、フラバノールが豊富なカカオ粉末の消費は光防護をもたらすが、フラバノールが少ないカカオ粉末は光防護をもたらさない。
【表2】

【0066】
皮膚血流量。HFカカオ粉末の補給後、皮膚(1mm)および皮下(7〜8mm)の組織において、血流の増加が観察された(表3)。初期値と比較して、12週処置後の末梢血流が、約2倍(1mm)および1.4倍(7〜8mm)に、顕著に増加した。LF群では血流の変化は見られなかった。群による違いは、6週および12週の値を比較して、HF群に有利に、統計的に有意であった。両群において血流の速度に影響がなかったことから、この効果が末梢血管の血管拡張によるものであることが示唆される。ヘモグロビン含有量には有意な変化はなかった。
【表3】

【0067】
皮膚組織および質感。HFカカオ粉末の補給では、皮膚の密度および厚さに、穏やかではあるが統計的に有意な増加が観察された(表4)。LF群では、両パラメーターに変化は見られなかった。SELS法を利用して、HF群では、皮膚の荒さにおける統計的に有意な減少が測定されたが、LF群では変化は見られなかった。しかしながら、処置の間、両群において鱗せつが減少した。滑らかさ、およびしわについてのSELSパラメーターには、いずれの処置群においても変化は観察されなかった。皮膚の水分量は、HFカカオの補給の間に顕著に増加したが、LF群では影響はなかった(表4)。経皮水分蒸散量は、HF群において、6週および12週の測定値において、初期値と比較して顕著に減少した。LFカカオ粉末の処置群には、違いは見られなかった。
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効量のカカオ成分を含む組成物を対象に経口投与することを含む、必要とされる対象における、紫外線が引き起こす皮膚の紅斑および/または光老化の低減方法。
【請求項2】
前記対象が、動物であることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記対象が、ヒトであることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記組成物が、食品であることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記カカオ成分が、カカオ粉末であることを特徴とする請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記カカオ成分が、カカオ抽出物であることを特徴とする請求項4記載の方法。
【請求項7】
前記カカオ成分が、チョコレート・リカーであることを特徴とする請求項4記載の方法。
【請求項8】
前記食品が、ペットフードであることを特徴とする請求項4記載の方法。
【請求項9】
前記食品が、飲料であることを特徴とする請求項4記載の方法。
【請求項10】
前記組成物が、栄養補助食品であることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記カカオ成分が、カカオ粉末であることを特徴とする請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記カカオ成分が、カカオ抽出物であることを特徴とする請求項10記載の方法。
【請求項13】
有効量の、エピカテキン、カテキンおよびそれらの誘導体からなる群より選択される化合物を含む組成物を対象に経口投与することを含み、ここで、前記誘導体が没食子酸誘導体ではないことを特徴とする、必要とされる対象における、紫外線が引き起こす皮膚の紅斑および/または光老化の低減方法。
【請求項14】
前記対象がヒトであることを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記対象が動物であることを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項16】
前記誘導体がメチル化誘導体であることを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項17】
前記化合物が(−)−エピカテキンであることを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項18】
前記組成物が医薬品組成物であることを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項19】
前記化合物が(−)−エピカテキンであることを特徴とする請求項18記載の方法。
【請求項20】
有効量の、化学式Aを有する化合物、またはその薬学的に許容される塩または誘導体を含む組成物を対象に経口投与することを含む、必要とされる対象における、紫外線が引き起こす皮膚の紅斑および/または光老化の低減方法:
【化1】

ここで、
nは2〜18の整数であり、
RおよびXはそれぞれ、αまたはβ型の立体化学を有し、
RはOHまたはO−糖であり、
C−4、C−6およびC−8の置換基はそれぞれX、YおよびZであり、モノマー単位の結合がC−4、C−6またはC−8の位置で生じ、
C−4、C−6またはC−8のいずれも別のモノマー単位と結合しない場合は、X、YおよびZは独立して水素または糖であり、
前記糖は、随意的に、例えばエステル結合を介して、いずれかの位置においてフェノール部分で置換される。
【請求項21】
前記対象がヒトであることを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記対象が動物であることを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項23】
前記誘導体がメチル化誘導体であることを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項24】
前記化合物がプロシアニジン二量体であることを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項25】
前記組成物が医薬品組成物であることを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項26】
前記化合物がプロシアニジン二量体であることを特徴とする請求項25記載の方法。
【請求項27】
有効量のカカオ成分を含む組成物を対象に経口投与することを含む、必要とされる対象における、肌質の改善方法。
【請求項28】
前記対象が動物であることを特徴とする請求項27記載の方法。
【請求項29】
前記対象がヒトであることを特徴とする請求項27記載の方法。
【請求項30】
前記組成物が、食品であることを特徴とする請求項27記載の方法。
【請求項31】
前記カカオ成分が、カカオ粉末であることを特徴とする請求項30記載の方法。
【請求項32】
前記カカオ成分が、カカオ抽出物であることを特徴とする請求項30記載の方法。
【請求項33】
前記カカオ成分が、チョコレート・リカーであることを特徴とする請求項30記載の方法。
【請求項34】
前記食品が、ペットフードであることを特徴とする請求項30記載の方法。
【請求項35】
前記食品が、飲料であることを特徴とする請求項30記載の方法。
【請求項36】
前記組成物が、栄養補助食品であることを特徴とする請求項27記載の方法。
【請求項37】
前記カカオ成分が、カカオ粉末であることを特徴とする請求項36記載の方法。
【請求項38】
前記カカオ成分が、カカオ抽出物であることを特徴とする請求項36記載の方法。
【請求項39】
エピカテキン、カテキンおよびそれらの誘導体からなる群より選択される化合物を有効量で含む組成物を対象に経口投与することを含み、ここで、前記誘導体が没食子酸誘導体ではないことを特徴とする、必要とされる対象における、肌質の改善方法。
【請求項40】
前記対象がヒトであることを特徴とする請求項39記載の方法。
【請求項41】
前記対象が動物であることを特徴とする請求項39記載の方法。
【請求項42】
前記誘導体がメチル化誘導体であることを特徴とする請求項39記載の方法。
【請求項43】
前記化合物が(−)−エピカテキンであることを特徴とする請求項39記載の方法。
【請求項44】
前記組成物が医薬品組成物であることを特徴とする請求項39記載の方法。
【請求項45】
前記化合物が(−)−エピカテキンであることを特徴とする請求項44記載の方法。
【請求項46】
有効量の、化学式Aを有する化合物、またはその薬学的に許容される塩または誘導体を含む組成物を対象に経口投与することを含む、必要とされる対象における、肌質の改善方法:
【化2】

ここで、
nは2〜18の整数であり、
RおよびXはそれぞれ、αまたはβ型の立体化学を有し、
RはOHまたはO−糖であり、
C−4、C−6およびC−8の置換基はそれぞれX、YおよびZであり、モノマー単位の結合がC−4、C−6またはC−8の位置で生じ、
C−4、C−6またはC−8のいずれも別のモノマー単位と結合しない場合は、X、YおよびZは独立して水素または糖であり、
前記糖は、随意的に、例えばエステル結合を介して、いずれかの位置においてフェノール部分で置換される。
【請求項47】
前記対象がヒトであることを特徴とする請求項46記載の方法。
【請求項48】
前記対象が動物であることを特徴とする請求項46記載の方法。
【請求項49】
前記誘導体がメチル化誘導体であることを特徴とする請求項46記載の方法。
【請求項50】
前記化合物がプロシアニジン二量体であることを特徴とする請求項46記載の方法。
【請求項51】
前記組成物が医薬品組成物であることを特徴とする請求項46記載の方法。
【請求項52】
前記化合物がプロシアニジン二量体であることを特徴とする請求項51記載の方法。

【公表番号】特表2009−521475(P2009−521475A)
【公表日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−547604(P2008−547604)
【出願日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際出願番号】PCT/US2006/049005
【国際公開番号】WO2007/076006
【国際公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(390037914)マース インコーポレーテッド (80)
【氏名又は名称原語表記】MARS INCORPORATED
【Fターム(参考)】