説明

皮膚及び外皮への塗布が意図された組成物

本発明は、生理的に許容できる媒質中に、鉱物コア、鉱物コアを少なくとも部分的に被覆する少なくとも1種の有機顔料、並びに有機顔料を鉱物コア上に固定する少なくとも1種の結合剤を含む少なくとも1種の複合顔料を含有する、皮膚、唇及び/又は外皮に塗布されることが意図された組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘膜を含む皮膚、特に唇、並びに外皮、特に爪、睫毛、眉及び毛髪への塗布が意図された組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
有機顔料を化粧品組成物へ混和し、これらの顔料は、高彩度の色を得ることを可能にすることは、公知の手法である。しかしそれらの被覆力は貧弱であり、このことは無機顔料をその組成物に添加することにつながっている。
異なる性質の顔料の混合物の組成物の存在は、特に有機顔料及び無機顔料の割合を変更することにより、異なる陰影を生じる場合に、特性の変動性のリスクを伴う。これは、この組成物の他の成分に対する有機顔料及び無機顔料の挙動は同一ではないからであり、このことは配合の困難を生じる。従って、口紅の陰影に幅のあるスティックは可変性の硬度を有するであろう。
【0003】
更に、有機顔料及び無機顔料の組成物の他の成分に対する挙動は同じではないことが多く、このことは配合の困難、及び経時的、例えば揮発性化合物が揮発した場合の化粧の結果を変えるリスクを生じる。従って例えば、ある種の口紅は、TiO2のような無機顔料及び油相を含有し;TiO2粒子が最早油相により被覆されない場合は、これらは白色となり始め、このことは塗布された組成物の色を変更し、及び経時的な色の安定性の問題を生じる。
【0004】
最後に、レーキが使用される場合、レーキ中で使用される有機色素は、支持物(support)上に移り、それを染色しやすい。化粧品配合物において通常使用される顔料は、サイズが約1μm又はそれよりも大きい。この大きいサイズは、高い密度と共に、液体配合物において沈降及び安定性の問題点を生じる。これは、色の大きい彩度に関連した透明性の効果の発生も妨げる。
前述の欠点の全て又は一部を解決するために、組成物、特に化粧品組成物から利益を得る必要が存在する。
【発明の開示】
【0005】
従って本発明のひとつの目的は、特に、生理的に許容できる媒質中に、以下を含む少なくとも1種の複合顔料を含有する、皮膚、唇及び/又は外皮へ塗布されることが意図された組成物である:
−無機コア、
−無機コアを少なくとも部分的に被覆している、少なくとも1種の有機顔料、及び
−無機コア上に有機顔料を固定するための、少なくとも1種の結合剤。
【0006】
本発明は、比較的強力な被覆力及び有機顔料の利点、特に色の比較的高い彩度の両方を有する少なくとも1種の複合顔料を含有する化粧品組成物の恩恵を受けることを可能にする。結合剤は、有機顔料を無機コア上に、それらふたつの間の共有結合を伴わずに、固定することを可能にする。
この複合顔料は、無機コアの存在により、有機顔料単独よりも高い密度を有することができ、恐らく該コアの密度は、有機顔料のそれよりも高い。
適当な陰影を、本発明の複合顔料の混合、あるいは有機顔料の、複合顔料への、又は複合顔料中の結合剤及び有機顔料の連続層との混合により得ることができる。
従って本発明は、有機顔料及び無機顔料の混合を伴わずに、及び/又はレーキの感度を有する顔料を含まずに、組成物を調製することを可能にし、このことは配合を容易にし、及びレーキの使用に関連した欠点を避けることができる。
【0007】
加えて、有機顔料を、及び特にその色を適当に選択することにより、適当であるならば、無機コアの色を補強することが可能である。例えば、黒色酸化鉄及び有機顔料の混合により、深い黒色を得ることが可能である。無機コアのサイズは、最終複合顔料のサイズを変更するために、容易に変動することができる。例えば、ナノメーターサイズの着色された顔料を得ることができる。特にこれらの正確に分散されたナノメーターサイズの顔料は、比較的大きいサイズの顔料において認められる沈降の問題点を避けることを可能にする。複合顔料の屈折率は、無機コアの屈折率を変動することにより、容易に変更することもできる。結合剤の存在は、これが、顔料の製造時に有機顔料を表面上に固定すること、及び顔料の支持物への移りを低下することの両方を可能にする。
【0008】
用語「生理的に許容できる媒質」は、ヒトの皮膚、唇又は外皮に塗布することができる無毒の媒質を意味する。生理的に許容できる媒質は、その上に組成物が塗布される支持物の性質に、及びその中に組成物が、特に常温常圧で固形、半固形又は液体で包装されることが意図される形にも適応されるであろう。
用語「化粧品組成物」は、1993年6月14日付けのEU指令(Council Directive 93/35/EEC)において定義された組成物を意味する。
【0009】
有機顔料は、組成物の生理的に許容できる媒質中に不溶性である粒状の化合物から選択することができる。
有機顔料は、特にニトロソ、ニトロ、アゾ、キサンテン、キノリン、アントラキノン、フタロシアニン及びカルミン系列、並びにカーボンブラックから選択することができる。
前記指令(Directive 93/35/EEC)により示されるように、顔料は、下記のカラーインデックスを意味する非限定的リストから選択することができる:
−青色顔料:CI 42090、69800、69825、73000、74100、74160;
−黄色顔料:CI 11680、11710、15985、19140、20040、21100、21108、47000、47005;
−緑色顔料:CI 61565、61570、74260;
−橙色顔料:CI 11725、15510、45370、71105;
−赤色顔料:CI 12085、12120、12370、12420、12490、14700、15525、15580、15620、15630、15800、15850、15865、15880、17200、26100、45380、45410、58000、73360、73915、75470;
−黒色顔料:CI 77266。
【0010】
結合剤は、有機顔料の無機コアの表面への付着が可能であるならば、あらゆる型であってよい。
結合剤は、特にシリコーン化合物、ポリマー又はオリゴマー型化合物などを含む非限定的リストから、特にアルコキシシラン、フルオロアルキルシラン及びポリシロキサン、及び様々なカプラー、例えばシラン、チタン酸塩、アルミン酸塩、ジルコン酸塩をベースにしたカプラー、並びにそれらの混合物から選択することができる。
【0011】
前述のように、無機コアは、着色された、すなわち例えば、不透明であってよく、このコアは、例えば白色又は黒色である可能性がある。
使用することができる材料の中でも、金属塩及び金属酸化物、特にチタン、ジルコニウム、セリウム、亜鉛、鉄、フェリックブルー及びクロム、硫酸バリウム、アルミナ、ガラス、セラミックス、グラファイト、シリカ、ケイ酸塩、特にケイ酸アルミニウム及び硼ケイ酸塩、及び合成雲母、並びにそれらの混合物を挙げることができる。
特に酸化チタンTiO2及び酸化鉄Fe2O3が、使用に最も適している。
【0012】
有機顔料の質量割合は、例えば、コア100質量部につき1〜500質量部である。
複合顔料粒子のサイズは、0.001〜150μm、特に0.01〜50μm、例えば0.01〜25μm、又は約0.05μm〜約10μmである。顔料粒子のサイズは、特に2μm未満、又は1μm未満又はこれに等しくさえある。用語「サイズ」は、D50として公知である、統計学的粒子-サイズ分布により集団の半分に与えられた寸法を意味する。
【0013】
審美的懸念から、複合顔料粒子が、その支持物に塗布される組成物の表面で、肉眼に全く知覚されない、又は容易に知覚されないことが一般に好まれる。複合顔料粒子は、それらが支持物上に不快感を生じるサイズを有さないことも望ましい。従ってサイズが250μm未満又はそれと等しい、及び更により良くは150μm未満又はそれと等しい例えば15μm未満の粒子の使用が好ましい。この粒子サイズは、その上に組成物が塗布されることが意図される支持物の性質によっても左右されることがあり;体又は顔のある部位は、例えば、不快を経験することなく、他の部位よりもより容易に、より大きいサイズを忍容することができる。
この複合顔料粒子は、多様な形を有してもよい。これらの粒子は、特に平板状又は球状の形であってよく、及び中空又は中実であってよい。表現「平板状の形」は、厚さに対する最大寸法の比が、5よりも大きい又はこれと等しい粒子を意味する。
【0014】
この組成物は、先に定義されたような複合顔料のみを含有するか、又は変形として、複合顔料及び別の構造を有する顔料、特に無機顔料、干渉性顔料、レーキ又は有機顔料を含んでもよい。この組成物は、特に被覆されないTiO2粒子を含まないことができる。
この組成物は、1種又は複数の複合顔料を、特に組成物の総質量に対し0.1%〜20質量%、特に0.1%〜15質量%、更により良くは0.5%〜10質量%であることができる質量割合で含有してもよい。
【0015】
この組成物は、少なくとも1種の水性又は有機溶媒を含むことができる。
この組成物が、1種又は複数の有機溶媒を含む場合、これらの溶媒は、組成物の総質量に対して0〜99%の範囲の量で存在することができる。
一般に、1種又は複数の溶媒、特に1種又は複数の有機溶媒の量は、その上に組成物が塗布されることが意図された支持物の性質によって決まるであろう。
例えば、マニュキア液の場合、有機溶媒は、組成物の総質量に対して、例えば30%〜99質量%、及び好ましくは60%〜90質量%の範囲の含量で組成物中に存在してもよい。
【0016】
この組成物は、下記の一覧から選択された少なくとも1種の有機溶媒を含むことができる:
−室温で液体であるケトン、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン、又はアセトン;
−室温で液体であるアルコール、例えばエタノール、イソプロパノール、ジアセトンアルコール、2-ブトキシエタノール、又はシクロヘキサノール;
−室温で液体であるグリコール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ペンチレングリコール、又はグリセロール;
−室温で液体であるプロピレングリコールエーテル、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル又はジプロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテル;
−短鎖エステル(合計3〜8個の炭素原子を含む)、例えば酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸プロピル、酢酸n-ブチル又は酢酸イソペンチル;
−室温で液体であるアルカン、例えばデカン、ヘプタン、ドデカン、又はシクロヘキサン。
【0017】
この組成物は、水、又は水及び通常化粧品に使用される親水性有機溶媒、例えばアルコール及び特に2〜5個の炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖の低級一価アルコール、例えばエタノール、イソプロパノール、又はn-プロパノール、ポリオール、例えばグリセロール、ジグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、ペンチレングリコール又はポリエチレングリコールの混合物も含むことができる。この組成物は、親水性C2エーテル及びC2-C4アルデヒドも含むことができる。水又は水及び親水性有機溶媒の混合物は、組成物の総量に対して、例えば、0%〜90%、特に0.1%〜90質量%、好ましくは0%〜60質量%及び特に0.1%〜60質量%の範囲の含量で、組成物中に存在することができる。
【0018】
この組成物は、特に唇に塗布されることが意図される場合、脂肪相(fatty phase)並びに特に室温(25℃)で液体である少なくとも1種の脂肪質の物質及び/又は室温で固形である脂肪質の物質、例えばワックス、ペースト状の脂肪質の物質、及びガム、並びにそれらの混合物を含有しても良い。脂肪相は、親油性有機溶媒を含有することもできる。
この組成物は、例えば、連続した脂肪相を有することができ、これはその総質量に対して5%未満の水及び特に1%未満の水を含有することができ、特に無水型であってもよい。
【0019】
室温で液体である脂肪質の物質は、「油」と称されることが多く、以下を挙げることができる:炭化水素ベースの植物油、例えば、液体の4〜10個の炭素原子の脂肪酸のトリグリセリド、例としてヘプタン酸又はオクタン酸トリグリセリド、又はヒマワリ油、トウモロコシ油、大豆油、グレープシード油、ゴマ油、アプリコット油、マカデミア油、ひまし油、アボガド油、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ホホバ油もしくはシアバター;無機又は合成起源の直鎖又は分枝鎖の炭化水素、例えば液体パラフィン及びそれらの誘導体、ワセリン、ポリデカン、及び水素化されたポリイソブテン、例えばパールリーム;合成エステル及びエーテル、特に脂肪酸、例えばパーセリン油、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸2-オクチルドデシル、エルカ酸2-オクチルドデシル、又はイソステアリン酸イソステアリル;イソナノン酸イソノニル;ヒドロキシル化されたエステル、例えば乳酸イソステアリル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、ヒドロキシステアリン酸オクチルドデシル、マレイン酸ジイソステアリル、クエン酸トリイソセチル、又はヘプタン酸、オクタン酸及びデカノン酸の脂肪族アルキル;ポリオールエステル、例えばジオクタン酸プロピレングリコール、ジヘプタン酸ネオペンチルグリコール又はジイソノナン酸ジエチレングリコール;及び、ペンタエリスリトールエステル;12〜26個の炭素原子を含む、脂肪族アルコール、例えばオクチルドデカノール、2-ブチルオクタノール、2-ヘキシルデカノール、2-ウンデシルペンタデカノール又はオレイルアルコール;部分的に炭化水素-ベースの及び/又はシリコーン-ベースのフッ素油;シリコーン油、例えば室温で液体又はペースト状である、揮発性又は不揮発性の直鎖又は環式ポリメチルシロキサン(PDMS)、例えば任意にフェニル基を含む、シクロメチコン、ジメチコン、例としてフェニルトリメチコン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルメチルジメチルトリシロキサン、ジフェニルジメチコン、フェニルジメチコン、及びポリメチルフェニルシロキサン;並びにそれらの混合物。これらの油は、組成物の総質量に対し、0.01%〜90%、更により良くは0.1%〜85質量%の範囲の含量で存在することができる。
【0020】
ペースト状の脂肪質の物質は一般に、融点が25〜60℃、好ましくは30〜45℃で、及び/又は硬度が0.001〜0.5MPa、好ましくは0.005〜0.4MPaである、炭化水素-ベースの化合物、例えばラノリン及びそれらの誘導体を含む。
ワックスは、室温(25℃)では固形であり、状態の可逆的固体/液体変化を伴い、融点が30℃より高く最高200℃であり、硬度が0.5MPaよりも大きく、固形の形状において異方性の結晶組織を有する。特にこれらのワックスは、融点が25℃よりも高く、更により良くは45℃よりも高い。これらのワックスは、炭化水素-ベースのワックス、フッ素ワックス及び/又はシリコーンワックスであり、並びに植物、無機物、動物及び/又は合成起源であることができる。ワックスとして使用されるのは、蜜蝋、カルナバワックス又はカンデリラワックス、パラフィン、微晶質ワックス、セレシン又はオゾケライト;合成ワックス、例えばポリエチレンワックス又はFischer-Tropschワックス、及びシリコーンワックス、例えば16〜45個の炭素原子を含むアルキル-又はアルコキシ-ジメチコンが挙げられる。この組成物は、組成物の総質量に対して、0〜50質量%のワックス、又は1〜30質量%のワックスさえも含むことができる。
使用することができるガムは、一般に高分子量のポリジメチルシロキサン(PDMS)又はセルロースガム又は多糖である。
【0021】
この組成物は、特にマスカラ又はマニュキア液の場合は、例えば被膜形成ポリマーを含むこともできる。用語「被膜形成ポリマー」とは、それ自身又は補助的被膜形成剤の存在下で、支持物及び特にケラチン材料に付着する連続被膜の形成が可能であるポリマーを意味する。
本発明の組成物において使用することができる被膜形成ポリマーの中で、とりわけ、合成ポリマー、フリーラジカル型又は重縮合型、天然起源のポリマー、例えばニトロセルロース又はセルロースエステル、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0022】
フリーラジカル型の被膜形成ポリマーは、特にビニルポリマー又はコポリマー、特にアクリル系ポリマーであってよい。
ビニル被膜形成ポリマーは、少なくとも1個の酸性基を含むエチレン性不飽和モノマー及び/又はこれらの酸性モノマーのエステル及び/又はこれらの酸性モノマーのアミド、例えばα、β-エチレン性不飽和カルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、又はイタコン酸の重合から生じることができる。
ビニル被膜形成ポリマーは、ビニルエステル、例えば酢酸ビニル、ノンデカン酸ビニル、ピバル酸ビニル、安息香酸ビニル及びt-ブチル安息香酸ビニルから選択されたモノマーと、並びにスチレンモノマー、例えばスチレン及びα-メチルスチレンの単独重合又は共重合から生じることもできる。
【0023】
列挙することができる被膜形成重縮合物は、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエステルアミド、ポリアミド及びポリ尿素であることができるが、これらのリストに限定されない。
天然起源の任意に修飾されたポリマーは、シェラック樹脂、サンダラックガム、ダマール樹脂、エレミガム、コーパル樹脂、セルロース-ベースのポリマー、例えばニトロセルロース、エチルセルロース、又は酢酸セルロース、アセト酪酸セルロース及びアセトプロピオン酸セルロースから選択されたニトロセルロースエステル、並びにそれらの混合物である。
【0024】
被膜形成ポリマーは、一般にラテックス又は疑似ラテックスとして知られている、水性又は油性分散液中の粒子の形で存在することができる。被膜形成ポリマーは、生理的に許容できる液体脂肪相中に、1種又は複数のポリマーの一般に球状ポリマー粒子の1種又は複数の安定した分散液を含有することができる。これらの分散液は、一般に水性ポリマー分散液であるラテックスとは反対の、ポリマーNAD(非-水性分散液)として公知である。これらの分散液は、特に、該脂肪相中における安定した分散液中の高分子ナノ粒子の形状であることができる。このナノ粒子のサイズは、好ましくは5〜600nmである。これらの分散液を調製する技術は、当業者に周知である。
【0025】
使用することができる被膜形成ポリマーの水性分散液は、Avecia-Neoresins社からNeocryl XK-90(登録商標)、Neocryl A-1070(登録商標)、Neocryl A-1090(登録商標)、Neocryl BT-62(登録商標)、Neocryl A-1079(登録商標)、及びNeocryl A-523(登録商標);Dow Chemical社からDow Latex 432(登録商標);大東化成工業社からDaitosol 5000 AD(登録商標)の名称で販売されている、アクリル系分散液;又は、Avecia-Neoresins社からNeorez R-981(登録商標)及びNeorez R-974(登録商標);Goodrich社からAvalure UR-405(登録商標)、Avalure UR-410(登録商標)、Avalure UR-425(登録商標)、Avalure UR-450(登録商標)、Sancure 875(登録商標)、Sancure 861(登録商標)、Sancure 878(登録商標)及びSancure 2060(登録商標);Bayer社からImpranil 85(登録商標)、並びにHydromer社からAquamere H-1511(登録商標)の名称で販売されている水性ポリウレタン分散液;Eastman Chemical Products社からEastman AQの商標で販売されているスルホポリエステルを含む。
【0026】
本発明の組成物は、被膜形成ポリマーと被膜を形成することを促進する補助被膜形成剤も含有することができる。
この組成物は、充填剤を含有することもできる。用語「充填剤」は、いずれかの形の粒子を意味し、これは組成物が製造される温度に関わりなく、組成物の媒質に不溶性である。これらの充填剤は、特に組成物のレオロジー及び外見(texture)を修飾するために利用することができる。固形物質の性質及び量は、望ましい機械的特性及び外見によって決まる。
挙げることができる充填剤の例は、特にタルク、雲母、シリカ、カオリン、セリサイト、ポリアミド粉末、ポリエチレン粉末、ポリテトラフルオロエチレン粉末、ポリメチルメタクリレート粉末、ポリウレタン粉末、デンプン粉末及びシリコーン樹脂ビーズを含む。
【0027】
この組成物は、少なくとも1種の化粧又は皮膚科用活性物質を含むことができる。本発明の組成物において使用することができる化粧、皮膚科用、衛生又は医薬用の活性物質は、保湿剤(ポリオール、例えばグリセロール)、ビタミン(C、A、E、F、B又はPP)、必須脂肪酸、エッセンシャルオイル、セラミド、スフィンゴ脂質、脂溶性日焼け止め、又はナノ粒子形状の日焼け止め、並びに特定の皮膚-処置する活性物質(保護剤、抗菌剤、皺予防剤など)が挙げられる。これらの活性物質は、例えば、組成物の総質量に対して、0〜20%及び特に0.001〜15%濃度で使用することができる。
【0028】
化粧品組成物は、例えば増粘剤、界面活性剤、微量元素、保湿剤、柔軟剤、金属イオン封鎖剤、香料、酸性化又は塩基性化物質、保存剤、酸化防止剤、UV-止め剤もしくは色素、又はそれらの混合物などの通常化粧品に使用される構成要素も含むことができる。
化粧品組成物は、想定される適用の種類に応じて、望ましい提供形(presentation form)に適している量で存在するということを考慮し、これらの分野において通常使用される成分を含有しても良い。
【0029】
この組成物は、その意図された用途に応じて、様々な形であることができる。従って化粧品組成物は、外用塗布に通常使用される提供形、及び特に無水型、油性又は水性溶液、油性又は水性ゲル、水中油型、油中水型、水中ワックス型又はワックス中水型の乳剤、複相乳剤、又は油/水境界に位置したベシクルによる水中油型の分散液であることができる。
【0030】
この組成物は、注型製品の形、特に口紅又は唇のケア製品の場合は、スティックの形であることができる。
この組成物は、様々な他の形、例えばより多い又は少ない粘性の液体、ゲル又はペーストの形であることもできる。
この組成物は、半固形又は固形の形、例えばそれを砕解させるために、使用時に吸湿されるケーキであることができる。
化粧品組成物は、口紅、液体グロス、口紅ペースト、化粧用ルージュ、リップペンシル、固形又は液体のファンデーション、コンシーラ製品又はアイコントアー製品、アイライナー、マスカラ、マニュキア液、アイシャドウ、体もしくは毛髪用化粧品又は日焼け止め製品又は皮膚着色用(skin-coloring)製品を構成することができる。
【0031】
従って本発明の目的は、先に規定した組成物を含有する、液体又は半固形口紅でもある。
本発明の目的は、先に規定した組成物を含有する、ファンデーションでもある。
本発明の目的は、先に規定した組成物を含有する、マニュキア液でもある。
本発明の目的は、先に規定した組成物を含有する、マスカラでもある。
本発明の目的は、先に規定した組成物を含有する、毛髪繊維の染色用製品でもある。
本発明の目的は、皮膚、唇又は外皮の化粧のための、先に規定した前述の組成物の使用でもある。
【0032】
複合顔料
本発明の複合顔料は、例えば、欧州特許出願第EP 1 184 426号及びEP 1 217 046号に開示されたプロセスのひとつにより、調製することができ、これらの特許の内容は本願明細書に参照として組入れられている。
【0033】
本発明の複合顔料は、特に以下を含む粒子で構成することができる:
−無機コア、
−有機顔料を無機コアの上に固定するための、少なくとも1種の結合剤、及び
−無機コアを少なくとも部分的に被覆している、少なくとも1種の有機顔料。
この複合顔料は、例えば、BET比表面積0.5〜500m2/g、特に1.5〜400m2/g、特に2〜300m2/gを有する。「BET比表面積」は、BET法で測定した値である。
【0034】
無機コア
これは、有機顔料粒子の固定に適しているいずれかの形、例えば、球状、顆粒状、多面体、針状、紡錘状、フレーク、コメ穀粒又はうろこの形状、及びこれらの形状の組合せであることができる。
好ましくは、最大寸法の最小寸法に対する比は、1〜50である。
平均サイズは、例えば、0.0009μm〜9.95μm、特に0.002μm〜9.45μm、又は更には0.009μm〜8.95μmであることができる。これらのサイズ値は特に、複合顔料粒子が、前述の欧州特許である第EP 1 184 426号及びEP 1 217 046号に開示されたプロセスに従い調製される場合に、最も適している。用語「平均サイズ」は、350種の無機コアを顕微鏡により測定することにより得られた平均値を意味する。
【0035】
無機コアは、金属塩及び金属酸化物、特に酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化鉄、フェリックブルー及び酸化クロム、ガラス、セラミックス、グラファイト、シリカ、ケイ酸塩、特にケイ酸アルミニウム及び硼ケイ酸塩、及び合成雲母、並びにそれらの混合物を含む非限定的リストから選択される材料で作製することができる。
【0036】
特に酸化チタン、特にTiO2、酸化鉄、特にFe2O3、酸化スズ、酸化クロム、硫酸バリウム、シリカ、並びにケイ酸塩、特にケイ酸アルミニウム及び硼ケイ酸塩が、最も適している。
無機コアは、BET比表面積0.5〜500m2/g、特に1〜400m2/g、特別に1.5〜300m2/gを有することができる。
無機コアが、白色である場合、それらの被覆力は、600cm2/gよりも大きいことができる。該無機コアが白色でない場合、すなわちこれらが着色、不透明又は黒色である場合、それらの被覆力は、600cm2/gよりも小さいことができる。
【0037】
結合剤
結合剤は、有機顔料を、無機コアの表面に付着することができるならば、あらゆる型であることができる。
結合剤は、シリコーン化合物、ポリマー及びオリゴマー化合物などを含む非限定的リスト、及び特にオルガノシラン、フルオロアルキルオルガノシラン及びポリシロキサン、同じく様々なカプラー、例えばシラン、チタン酸塩、アルミン酸塩又はジルコン酸塩をベースにしたカプラー、並びにそれらの混合物から特に選択することができる。
【0038】
シリコーン化合物は、特に以下を含む非限定的リストから選択される:
−アルコキシシランから得られた修飾されたオルガノシラン(1)、
−以下を含む非限定的リストから選択される修飾又は未修飾のポリシロキサン(2):
−特にポリエーテル、ポリエステル及びエポキシ化合物から選択された少なくとも1個のラジカルを含む修飾されたポリシロキサン(2A)(これらは「修飾されたポリシロキサン」と称される)、
−ポリマーの末端上に位置したケイ素原子上に、カルボン酸、アルコール及びヒドロキシル基を含む非限定的リストから選択された少なくとも1個の基を持つポリシロキサン(2B)、及び
−フルオロアルキルシランから得られたフルオロアルキルオルガノシラン化合物(3)。
【0039】
オルガノシラン化合物(1)は、式(I)で表されたアルコキシシラン化合物から得ることができる:
R1aSiX4-a (I)
(式中、R1は、C6H5-、(CH3)2CHCH2-又はn-CbH2b+1 (式中bは、1〜18の範囲である。)を表し、Xは、CH3O-又はC2H5O-を表し、並びにaは0〜3の範囲である。)。
【0040】
アルコキシシラン化合物の具体例は、以下から選択されたアルコキシシランを含むことができる:メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシ(ethyoxy)オキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシランなどから、特にメチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン及びイソブチルトリメトキシシラン、なお更により良くはメチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン又はフェニルトリエトキシシラン。
【0041】
ポリシロキサン(2)は、特に式(II)に相当することができる:
【化1】

(式中、R2はH-又はCH3-を表し、dは15〜450の範囲である。)。
これらのポリシロキサン中でも、R2がHを表すものが好ましい。
【0042】
修飾されたポリシロキサン(2A)は、特に下記式:
−(a1) 式(III)で表された、ポリエーテルを持つ修飾されたポリシロキサン:
【化2】


(式中、R3は、-(CH2)h-を表し;R4は、-(CH2)i-CH3を表し;R5は、-OH、-COOH、-CH=CH2、-C(CH3)=CH2又は-(CH2)j-CH3を表し;R6は、(CH2)k-CH3を表し;並びに、g及びhは独立して1〜15の範囲であり;j及びkは独立して0〜15の範囲であり;並びに、eは1〜50の範囲であり及びfは1〜300の範囲である。)。
【0043】
−(a2) 式(IV)で表された、ポリエステルを有する修飾されたポリシロキサン:
【化3】

(式中、R7、R8及びR9は、独立して、-(CH2)q-を表し;R10は、-OH、-COOH、CH=CH2、-C(CH3)=CH2又は-(CH2)rCH3を表し;R11は、-(CH2)s-CH3を表し;n及びqは独立して1〜15の範囲であり、r及びsは独立して0〜15の範囲であり;eは1〜50の範囲であり、及びfは1〜300の範囲である。)。
【0044】
−(a3) 式(V)で表された、エポキシラジカルを有する修飾されたポリシロキサン:
【化4】

(式中、R12は、-(CH2)v-を表し;vは1〜15の範囲であり;tは1〜50の範囲であり、及びuは1〜300の範囲である。);又は、それらの混合物に相当することができる。
【0045】
修飾されたポリシロキサン(2A)の中でも、式(III)のポリエーテルを持つ修飾されたポリシロキサンが好ましい。
末端部分が修飾されたポリシロキサン(2B)は、式(VI)に相当する:
【化5】


(式中、R13及びR14は、互いに独立して、-OH、R16OH、又はR17COOHを表し;R15は、-CH3又は-C6H5を表し;R16及びR17は、-(CH2)y-を表し;yは1〜15の範囲であり;wは1〜200の範囲であり、及びxは0〜100の範囲である。)。
【0046】
これらの少なくとも一方の端が修飾されたポリシロキサンの中で、少なくとも一方の末端のケイ素原子上にカルボン酸基を有する少なくともラジカル(R16及び/又はR17)を有するものが、より好ましい。
【0047】
フルオロアルキルオルガノシラン化合物(3)は、式(VII)で表されたフルオロアルキルシランから得ることができる:
CF3(CF2)zCH2CH2(R18)aSiX4-a (VII)
(式中、R18は、CH3-、C2H5-、CH3O-又はC2H5O-を表し、Xは、CH3O-又はC2H5O-を表し、zは0〜15の範囲であり、及びaは0〜3の範囲である。)。
【0048】
フルオロアルキルシランは、特にトリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルメチルジメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルメチルジエトキシシランなど、特にトリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン及びヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、及びなお更により良くはトリフルオロプロピルトリメトキシシラン及びトリデカフルオロオクチルトリメトキシシランを含む非限定的リストから、特に選択することができる。
【0049】
シラン-ベースのカプラーは、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドオキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドオキシプロピルメチルジメトキシシラン及びγ-クロロプロピルトリメトキシシランなどを含む非限定的リストから選択することができる。
【0050】
チタン酸塩-ベースのカプラーは、特にチタン酸イソプロピルステアロイル、チタン酸イソプロピルトリス(ジオクチルピロリン酸)、チタン酸イソプロピルトリス(N-アミノエチルアミノエチル)、チタン酸テトラオクチルビス(ジトリデシルリン酸)、チタン酸テトラキス(2,2-ジアリールオキシメチル-1-ブチル)ビス(ジトリデシル)リン酸、チタン酸ビス(ジオクチルピロリン酸)オキシ酢酸、及びチタン酸ビス(ジオクチルピロリン酸)エチレンなどを含む非限定的リストから選択することができる。
【0051】
アルミン酸塩-ベースのカプラーは、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロポキシド、アルミニウムジイソプロポキシモノエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート及びアルミニウムトリスアセチルアセトネートなどから選択することができる。
【0052】
ジルコン酸塩-ベースのカプラーは、特にジルコニウムテトラキスアセチルアセトネート、ジルコニウムジブトキシビスアセチルアセトネート、ジルコニウムテトラキスエチルアセトアセテート、ジルコニウムトリブトキシモノエチルアセトアセテート及びジルコニウムトリブトキシアセチルアセトネートなどを含むリストから選択することができる。
【0053】
結合剤として使用される化合物は、特に300〜100 000の範囲であってよい分子量を有することができる。
無機コアを均一に被覆するコーティングを得るために、結合剤は、好ましくは液体であるか、又は水もしくは様々な溶媒に可溶性である形である。
結合剤の量は、コア及び結合剤を含有する粒子の質量に対して、0.01〜15%、特に0.02%〜12.5質量%、特別に0.03〜10質量%である(C又はSiに対して計算)。結合剤の相対量の計算法に関する更なる詳細は、欧州特許出願第EP 1 184 426 A2号を参照のこと。
【0054】
有機顔料
有機顔料は、例えば、アニリンブラック、アゾイエロー、キナクリドン、カルミン、フタロシアニンブルー、ソルガムレッド、青色顔料:CI 42090、69800、69825、73000、74100、74160;黄色顔料:CI 11680、11710、15985、19140、20040、21100、21108、47000、47005;緑色顔料:CI 61565、61570、74260;橙色顔料:CI 11725、15510、45370、71105;赤色顔料:CI 12085、12120、12370、12420、12490、14700、15525、15580、15620、15630、15800、15850、15865、15880、17200、26100、45380、45410、58000、73360、73915、75470;黒色顔料:CI 77266から選択することができる。
有機顔料の質量割合は、無機コアの100質量部につき、例えば、1〜500質量部、特に1〜400質量部、更により良くは1〜300質量部、なお更により良くは1〜200質量部、特別に1〜100質量部、又は1〜75質量部、例えば1〜50質量部でさえあることができる。
【0055】
複合顔料の調製
複合顔料は、欧州特許出願第EP 1 184 426 A2号に開示された方法により、有利に調製することができる。
最初に、無機コアを作成することが意図された粒子は、結合剤と混合される。
結合剤を無機コアの表面に均一に付着するために、これらの粒子を、それらが砕解するように、ミルにおいて前処理することが好ましい。
【0056】
混合及び攪拌条件は、コアが結合剤により均一に被覆されるように選択される。これらの条件は、直線的装填量(linear charge)が、19.6〜19 160 N/cm、特に98〜14 170 N/cm及び更により良くは147〜980 N/cmであり;処理時間が、特に5分〜24時間、更により良くは10分〜20時間であり;回転速度が、2〜1000rpm、特に5〜1000rpm、更により良くは10〜800rpmであるように、調節することができる。
【0057】
結合剤が無機コアを被覆した後、有機顔料は、添加され、攪拌により混合され、結合剤の層に付着される。
添加法は、例えば大量の、連続的又は少量の添加であることができる。
それらが結合剤を伴う無機コア又は結合剤により被覆された無機コアを伴う有機顔料であるかどうかで、混合及び攪拌は、粉末混合物にへらの力及び圧縮剪断力を加えることが可能である装置を用い、実行することができる。このような装置は、例えば、ホイールブレンダー、ブレードブレンダーなどである。ホイールブレンダーが特に最も適している。適当である装置のリストは、欧州特許出願第EP 1 184 426 A2号に開示されている。
【0058】

下記配合の複合顔料を含有する化粧品組成物を、調製することができ、これらの組成物は、通常化粧品において使用される調製プロセスに従い調製される。
例1:マニュキア液(溶媒-ベース)
ニトロセルロース 19%
N-エチルo, pトルエンスルホンアミド 6%
クエン酸トリブチルアセチル 6%
レオロジー調節剤(ヘクトライト) 1.2%
本発明の複合顔料(複数) 2%
イソプロパノール 8%
酢酸エチル/酢酸ブチル 適量で100%
【0059】
例2:マニュキア液(水-ベース)
ラテックス(PU, 固形含量35%) 72.5%
ゲル化剤(Laponite XLS) 1.2%
本発明の複合顔料(複数) 1%
水 適量で100%
【0060】
例3:口紅
微晶質ワックス 2%
オゾケライト 5%
カンデリラワックス 7%
カルナバワックス 3%
カプリン酸/カプリル酸トリグリセリド 18%
オクチルドデカノール 10%
ラノリン油 6%
アセチル化されたラノリン油 6%
本発明の複合顔料(複数) 9%
香料 0.5%
ひまし油 適量で100%
【0061】
例4:ファンデーション
油相
−Goldschmidt社から商標「Abil WE 09」
で販売されている界面活性剤 8%
−シクロメチコン 23%
−イソドデカン 10%
−本発明の複合顔料(複数) 10%
−ナイロン粉末 5%
水相
−脱塩水 42%
−硫酸マグネシウム 1%
−保存剤 1%
【0062】
例5:マスカラ
−パラフィンワックス 2%
−カルナバワックス 4%
−蜜蝋 8%
−ポリビニルラウレート(Chimex社のMexomer PP) 0.8%
−酢酸ビニル/ステアリン酸アリルコポリマー(65/35) 2%
−コメデンプン 1%
−ベントン(Bentone) 4%
−プロピレンカーボネート 2%
−本発明の複合顔料(複数) 4%
−保存剤 適量
−イソドデカン 適量で100%
【0063】
例6:染毛剤
−本発明の複合顔料(複数) 0.5%
−ヒドロキシエチルセルロース 0.768%
−60%水溶液として非イオン性界面活性剤:アルキル
(50/50 C8/C10)ポリグルコシド 6%
−ベンジルアルコール 8%
−ポリエチレングリコール(8EO) 12%
−適当な(qs)pHのアンモニア水溶液 9%
−保存剤 適量
−脱塩水 適量で100%
【0064】
二酸化チタン無機コアを含有する複合顔料は、例えば、無機顔料アゾイエロー及び結合剤メチルトリエトキシシランを使用することができる。
言うまでもなく本発明は、先に示した作業実施例に限定されるものではない。
本発明の複合顔料を、先に示したもの以外の配合を有する化粧品組成物を調製するために使用することは、特に可能である。
この複合顔料は、皮膚科用組成物を着色するために使用することもできる。
「特許請求の範囲」を含む説明を通じて、用語「1種を含む」は、反対が特定されない限りは、「少なくとも1種を含む」と同義であると理解されるべきである。
与えられた範囲は、反対が特定されない限りは、限界を含むと理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生理的に許容できる媒質中に、下記を含む少なくとも1種の複合顔料を含有する、皮膚、唇及び/又は外皮へ塗布することが意図された組成物:
-無機コア、
-無機コアを少なくとも部分的に被覆している、少なくとも1種の有機顔料、及び
-有機顔料を無機コア上に固定するための、少なくとも1種の結合剤。
【請求項2】
有機顔料が、下記顔料からなる群より選択されることを特徴とする、請求項1記載の組成物(それらのカラーインデックス(CI)に従い列記):青色顔料:CI 42090、69800、69825、73000、74100、74160;黄色顔料:CI 11680、11710、15985、19140、20040、21100、21108、47000、47005;緑色顔料:CI 61565、61570、74260;橙色顔料:CI 11725、15510、45370、71105;赤色顔料:CI 12085、12120、12370、12420、12490、14700、15525、15580、15620、15630、15800、15850、15865、15880、17200、26100、45380、45410、58000、73360、73915、75470;黒色顔料:CI 77266。
【請求項3】
結合剤が、シリコーン化合物、ポリマー及びオリゴマー化合物などからなる群より、並びに特にオルガノシラン、フルオロアルキルオルガノシラン及びポリシロキサン、同じく様々なカプラー、例えばシラン、チタン酸塩、アルミン酸塩又はジルコン酸塩をベースにしたカプラー、並びにそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1及び2のいずれか記載の組成物。
【請求項4】
無機コアが着色されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項5】
無機コアが、金属塩及び金属酸化物、特に酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化鉄、フェリックブルー及び酸化クロム、アルミナ、ガラス、セラミックス、グラファイト、シリカ、ケイ酸塩、特にケイ酸アルミニウム及び硼ケイ酸塩、並びに合成雲母、並びにそれらの混合物からなる群より選択される、請求項1〜4のいずれか1項記載の組成物。
【請求項6】
組成物中の複合顔料の質量割合が、組成物の総質量に対し、0.1%〜20質量%、特に0.1%〜15質量%、及び更により良くは0.5%〜10質量%である、請求項1〜5のいずれか1項記載の組成物。
【請求項7】
被覆されないTiO2粒子を含まないことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項記載の組成物。
【請求項8】
複合顔料粒子のサイズが、0.001〜150μm、好ましくは0.01〜50μm、更により良くは0.01〜25μm、なお更により良くは0.05〜10μmである、請求項1〜7のいずれか1項記載の組成物。
【請求項9】
複合顔料粒子のサイズが、2μm未満である、請求項8記載の組成物。
【請求項10】
複合顔料粒子のサイズが、1μm未満又はこれと等しい、請求項9記載の組成物。
【請求項11】
無機コアの密度が、有機顔料の密度よりも高い、請求項1〜10のいずれか1項記載の組成物。
【請求項12】
複合顔料の密度が、有機顔料の密度よりも高い、請求項1記載の組成物。
【請求項13】
有機顔料は、無機コア上にいかなる共有結合も伴わずに固定される、請求項1記載の組成物。
【請求項14】
少なくとも1種の化粧又は皮膚科用の活性物質を含有する、請求項1〜13のいずれか1項記載の組成物。
【請求項15】
少なくとも1種の脂肪質の物質、ワックス、ガム又は被膜形成ポリマーを含有する、請求項1〜14のいずれか1項記載の組成物。
【請求項16】
固形又は半固形の形である、請求項1〜15のいずれか1項記載の組成物。
【請求項17】
液体、ペースト状又はゲル状の形である、請求項1〜16のいずれか1項記載の組成物。
【請求項18】
皮膚、唇又は外皮のメーキャップのための、請求項1〜17のいずれか1項記載の組成物の使用。
【請求項19】
請求項1〜15のいずれか1項記載の組成物を含有する、口紅。
【請求項20】
請求項1〜15のいずれか1項記載の組成物を含有する、ファンデーション。
【請求項21】
請求項1〜15のいずれか1項記載の組成物を含有する、マニュキア液。
【請求項22】
請求項1〜15のいずれか1項記載の組成物を含有する、マスカラ。
【請求項23】
請求項1〜15のいずれか1項記載の組成物を含有する、毛髪繊維の染色のための製品。

【公表番号】特表2006−507258(P2006−507258A)
【公表日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−541089(P2004−541089)
【出願日】平成15年10月1日(2003.10.1)
【国際出願番号】PCT/IB2003/004306
【国際公開番号】WO2004/030640
【国際公開日】平成16年4月15日(2004.4.15)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】