説明

皮膚改善剤

【課題】 人や動物の皮膚障害に対して優れた予防・改善効果を有する皮膚改善剤及びこれを含む医薬、飲食品並びに飼料を提供することを課題とする。
【解決手段】 γ−リノレン酸及びセラミド又はγ−リノレン酸、セラミド及び抗酸化剤の混合物を皮膚改善剤に含有させる。さらに、γ−リノレン酸及びセラミド又はγ−リノレン酸、セラミド及び抗酸化剤の混合物を医薬、飲食品並びに飼料に含有させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、γ−リノレン酸及びセラミドを含む皮膚改善剤、γ−リノレン酸、セラミド及び抗酸化剤を含む皮膚改善剤、これらを含む医薬、飲食品並びに飼料に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、アトピー性皮膚炎などに代表される皮膚障害が増加している。アトピー性皮膚炎は、皮膚の乾燥、苔癬、掻痒を主な特徴とする皮膚の炎症性疾患であり、これらの症状は、角質層のセラミドが減少することにより皮膚の保湿機能が低下して起こることが知られている。また角質層におけるセラミドなどのスフィンゴ脂質の減少は保湿機能の低下のみならず、角質層のバリアー機能の障害につながることも指摘されている。
【0003】
また、近年、このような皮膚障害はペットや家畜(以下、動物という。)にも見られ、その多くがノミアレルギーやアトピー性皮膚炎によるものである。動物のアトピー性皮膚炎は、乾燥、掻痒などに加え、被毛の脱落という症状を引き起こす。従来、このような皮膚炎などの症状の治療は、皮膚表面に保湿剤を塗布したり(特許文献1、特許文献2)、特に動物に対しては保湿作用を有するシャンプーを用いたりすることにより行われていた(特許文献3)。しかしながら、特にアトピー性皮膚炎の症状においては、皮膚全体の皮疹部のみならず無疹部においてもスフィンゴ脂質が減少し、保湿機能が低下しているため、皮疹部に局所的に保湿剤を塗布しても、根本的な治療には至らなかった。また、動物に対してクリームやシャンプーなどの皮膚外用剤を一定の頻度で継続的に使用する際には、その適用が煩わしく、有効成分を長時間動物の皮膚上に保持することが困難であった。
【0004】
このような技術背景の下、アトピー性皮膚炎の症状を改善するために、飲食品にセラミドなどを配合し、経口摂取することにより皮膚の状態を改善することが報告されている。
セラミドは、スフィンゴシンのアミノ基に脂肪酸が酸アミド結合したものであり、皮膚の保湿、保護作用や肌荒れの防止・改善作用などを有するとして注目されている。例えば、セラミドを有効成分として食品などに含有させることにより、経皮投与の場合と同様に保湿、美肌、肌荒れ防止などの作用を奏することが知られている(特許文献4)。また、セラミドの配糖体であるスフィンゴ糖脂質を含む食品などが、アトピー性皮膚炎の症状を改善することが知られている(非特許文献1、特許文献5)。しかしながら、セラミドやスフィンゴ糖脂質をアトピー性皮膚炎などの治療に用いる場合には、高純度品が多量に必要であるため、非常に高価であるという問題があった。
一方、高級脂肪酸であるγ−リノレン酸(cis,cis,cis-6,9,12-octadecatrienoic acid)はカルボン酸末端から6,9,12番目の炭素シス型不飽和結合をもつ炭素数18の脂肪酸で、サクラソウ種子油、月見草油、ボラージ油等においてその存在が認められ、その生理作用について多くの研究がなされてきた。γ−リノレン酸を含む食品は、アトピー性皮膚炎に有効であることが知られている(特許文献6)。また、ステロイドと併用することによりアトピー性皮膚炎を改善することが報告されている(非特許文献2)。また、γ−リノレン酸はイヌのアトピー性皮膚炎を改善することが知られている(非特許文献3)。
しかしながら、γ−リノレン酸及びセラミドを組み合わせて摂取することにより、上記のような皮膚改善効果が増大することについては知られておらず、γ−リノレン酸及びセラミドを有効成分とする皮膚改善剤及び該皮膚改善剤を含有する医薬や飲食品、飼料についても知られていなかった。また、γ−リノレン酸及びセラミドにさらに抗酸化剤を組み合わせることにより、皮膚改善効果が飛躍的に増大することについても知られていなかった。
【0005】
【特許文献1】特開2002−053463号公報
【特許文献2】特開2001−064150号公報
【特許文献3】特開2003−292991号公報
【特許文献4】特開平11−113530号公報
【特許文献5】特開2002−138037号公報
【特許文献6】特開2002−325558号公報
【非特許文献1】食品と開発2000,VOL.35,No.9,p56−59
【非特許文献2】Br.J.Dermatol.,121,75(1989)
【非特許文献3】Vet.Derm.4,167(1993)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、人や動物の皮膚障害に対して有効かつ安価な医薬、食品及び飼料について研究がなされている。しかしながら、十分な保湿効果を発揮し、皮膚の乾燥、アトピー性皮膚炎や動物の被毛の状態を改善することができ、かつ安価な皮膚改善剤は得られていないのが現状である。そこで本発明は、人や動物の皮膚障害に対して優れた予防・改善効果を有し、かつ安価な皮膚改善剤及びこれを含む医薬、飲食品並びに飼料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、γ−リノレン酸及びセラミドを組み合わせて人や動物に投与することにより、優れた保湿効果を発揮し、肌荒れやアトピー性皮膚炎の予防・改善に有効であることを知見し、γ−リノレン酸及びセラミドに抗酸化剤を組み合わせた場合には、このような皮膚障害の予防・改善に非常に有効であることを知見し、本発明を完成するに至った。特に、動物においては、アトピー性皮膚炎の改善及び被毛の改善にも有効であることを知見し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1) γ−リノレン酸及びセラミドを有効成分として含む皮膚改善剤。
(2) さらに抗酸化剤を含む(1)に記載の皮膚改善剤。
(3) 前記抗酸化剤が補酵素Q、アスタキサンチン及びトコトリエノールから選ばれる一種又は二種以上である、(2)に記載の皮膚改善剤。
(4) 前記抗酸化剤が補酵素Q及びアスタキサンチンである、(2)又は(3)に記載の皮膚改善剤。
(5) (1)〜(4)の何れか一に記載の皮膚改善剤を含む医薬。
(6) (1)〜(4)の何れか一に記載の皮膚改善剤を含む食品。
(7) 美肌用であることを特徴とする、(6)に記載の食品。
(8) (1)〜(4)の何れか一に記載の皮膚改善剤を含む飼料。
(9) 皮膚炎の予防・改善及び/又は被毛の改善用であることを特徴とする、(8)に記載の飼料。
【発明の効果】
【0008】
本発明のγ−リノレン酸及びセラミドを含む皮膚改善剤、これを含む医薬、食品並びに飼料は、これを投与又は摂取することにより、表皮の保湿力を高め、乾燥などに起因する肌荒れ、アトピー性皮膚炎などの皮膚障害、動物の被毛の状態を改善する。特に、γ−リノレン酸、セラミド及び抗酸化剤を含む皮膚改善剤、これを含む医薬、食品並びに飼料は保湿力に優れ、美肌効果やアトピー性皮膚炎などの皮膚障害の改善効果、動物の被毛の状態の改善効果に優れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の皮膚改善剤は、γ−リノレン酸及びセラミドを有効成分として含有する。
本発明で使用するγ−リノレン酸は、狭義のγ−リノレン酸(C18:3)、ジホモ−γ−リノレン酸(C20:3)及びこれらの誘導体を含む広義のγ−リノレン酸である。なお、本明細書においては、γ−リノレン酸という場合、特に断らない限り、広義のγ−リノレン酸を指すものとする。
【0010】
上記γ−リノレン酸は、ムコール(Mucor)属、モルティエレラ(Mortierella)属及びリゾプス(Rizopus)属等の糸状菌、サクラソウ種子、月見草、ボラージ、黒すぐり及び菜種等の植物、又はスピルリナ等の藻類等から得られるが、これらをそのまま用いることも、これらの抽出物やさらにその精製物を用いることもできる。さらに、微生物由来のγ−リノレン酸、例えば出光興産株式会社製のγ−リノレン酸(製品名:グラノイルHGC(ムコール油)、グラノイルCS(モルティエレラ油))を用いることも、化学合成したもの、植物組織培養等したもの、その他の方法によって製造したもの又は市販されているものを用いることもできる。
【0011】
γ−リノレン酸又はジホモ−γ−リノレン酸の誘導体として、エステル誘導体、例えばエチルエステル、モノ、ジ、トリグリセライド等のグリセロールエステル、リン脂質等及びγ−リノレン酸又はジホモ−γ−リノレン酸と無機、有機の塩基とを等モル比で作用して得られる塩、例えばナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。
本発明の皮膚改善剤には、狭義のγ−リノレン酸、ジホモ−γ−リノレン酸及びこれらの誘導体から一種又は二種以上を選択して用いることができる。
本発明の皮膚改善剤におけるγ−リノレン酸の含有量は、本発明の目的を達成しうる限りにおいて特に制限されないが、通常は皮膚改善剤全量に対して0.01〜99重量%、好ましくは0.1〜99重量%とするのがよい。
【0012】
本発明の皮膚改善剤に含まれるセラミドは、スフィンゴシン又はフィトスフィンゴシンのアミノ基に脂肪酸が酸アミド結合したものを指し、結合する脂肪酸の種類は制限されない。本発明の皮膚改善剤に用いるセラミドは、動植物由来や微生物由来のものを用いてもよいし、化学的方法により産生したものを用いてもよい。例えば牛脳等より抽出した動物由来のもの、トウモロコシ胚芽、小麦、米、大豆、キビ、ホウレンソウ等より抽出した植物由来のもの、酵母等より抽出した微生物由来のもの、赤血球から抽出したもの等が挙げられる。この中でも通常、植物由来のセラミドを用いることが好ましく、その中でもトウモロコシ胚芽から抽出されるセラミドを用いることがさらに好ましい。セラミドを抽出する方法としては例えば、原料となる植物から、エタノールおよび水等の極性溶媒を用いて抽出し、冷アセトンなどの有機溶媒中で再結晶させる方法(特表平06−507653号公報、特表平07−508496号公報)等がある。植物由来のセラミドを用いる場合は、植物の抽出物をそのまま用いてもよいが、抽出物を精製、濃縮して純度を高めて用いることが好ましい。
化学的に産生する方法としては、スフィンゴリン脂質にホスホリパーゼCを作用させたり、スフィンゴ糖脂質にグリコシダーゼを作用させたりする方法が挙げられる。
【0013】
また、本発明の皮膚改善剤に含有するセラミドとして、その前駆体であるスフィンゴ糖脂質を含有させてもよい。
スフィンゴ糖脂質は、セラミドの第一級アルコール性ヒドロキシル基に糖が結合している化合物であり、結合糖鎖の種類は、本発明の目的を達する限りにおいて特に制限されない。代表的なスフィンゴ糖脂質として、例えばガラクトセレブロシド、グルコセレブロシドなどが挙げられ、さらにガラクトセレブロシドに硫酸基がついたスルファチド、中性糖が数分子ついたセラミドオリゴヘキソシド、アミノ糖がついたグロボシド、シアル酸のついたガングリオシドなども用いることができる。スフィンゴ糖脂質は、同様に動植物由来や微生物由来のものを用いてもよいし、化学的方法により産生したものを用いてもよい。
セラミドは、皮膚内部からの水分の蒸散の抑制、外部からの有害物質の進入を防御する
角質層を構成する。また、スフィンゴ糖脂質は、体内で代謝されてセラミドとなり表皮組織に到達する。なお、本明細書においては、特に断らない限り、セラミドという用語は、スフィンゴ糖脂質などセラミドを有する化合物をも包含する意味で用いるものとする。
本発明の皮膚改善剤は、一種のセラミドを単独で含むものであってもよいし、二種以上のセラミドを含むものであってもよい。
本発明の皮膚改善剤におけるセラミドの含有量は、投与する対象、皮膚改善剤の形状、使用形態などに応じて適宜調節することができ、本発明の目的を達成しうる限りにおいて特に制限されないが、皮膚改善剤全量に対して、通常は0.0001〜50重量%、好ましくは0.001〜10重量%とするのがよい。
【0014】
本発明の皮膚改善剤におけるγ−リノレン酸及びセラミドの配合比は、本発明の目的を達成しうる限りにおいて特に制限されず、通常は10000:1〜1:10、好ましくは1000:1〜1:5とするのがよい。
【0015】
また、本発明の皮膚改善剤は、さらに抗酸化剤を含むものであるのが好ましい。抗酸化剤は、生体に対して安全性が確認されているものであれば、種々の天然及び/又は合成の抗酸化剤を使用することができるが、その中でも補酵素Q(CoQ、ユビキノン)、アスタキサンチン及びトコトリエノールを好ましく用いることができる。
【0016】
補酵素Qは、生物界に広く存在するキノンである。ベンゾキノン誘導体(2,3−ジメトキシ-5-メチル-6-ポリプレニル-1,4-ベンゾキノン)で、イソプレン単位がn=1〜12のものが天然に存在し、例えばパン酵母にはQ6、大腸菌にはQ8、高等動物にはQ10が存在している。本発明の皮膚改善剤においては、抗酸化能力を有する補酵素Qであれば、特に制限なく用いることができ、例えば、ムコール属、モルティエラ属等の糸状菌類、シュードモナス属、アクロモバクター属、ロドシュードモナス属などの細菌類、クロレラ等の藻類、又はタバコの葉、トウモロコシ油、麦芽油糖の植物由来のものを用いてもよいし、化学的に合成されたものを用いてもよい。
【0017】
アスタキサンチンは、カニ、エビなどの甲殻類に見出されるカロテノイドの一つである。本発明の皮膚改善剤においては、抗酸化能力を有するアスタキサンチンであれば特に制限なく用いることができる。例えば、ファイア酵母などの酵母や細菌由来のもの、カニ、エビなどの甲殻類、オキアミや鮭などの魚類、ヘマトコッカス藻などの藻類などの水産資源から得られるものを用いてもよいし、化学的に得られたものを用いてもよい。また、アスタキサンチンは、遊離型のものを用いても、脂肪酸エステル型のものを用いてもよい。
【0018】
トコトリエノールは、植物、特に穀物の胚芽やパーム果肉に見出されるビタミンEの一群である。トコトリエノールには、α−、β−、γ−、δ−トコフェノールのそれぞれの側鎖の3'、7’、11'位がtrans形で不飽和化したα−、β−、γ−、δ−トコトリエノールの4種類が天然に存在するが、これらのうち何れを用いてもよいし、化学的に得られたものを用いてもよい。
これらの抗酸化剤は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよいが、特に、CoQ及びアスタキサンチンを組み合わせて用いることが好ましい。
【0019】
本発明の皮膚改善剤における抗酸化剤の含有量は、本発明の目的を達成しうる限りにおいて特に制限されないが、皮膚改善剤全量に対して、通常は0.0001〜50重量%、好ましくは0.001〜10重量%とするのがよい。
また、γ−リノレン酸及び抗酸化剤の配合比も、同様に適宜調節することができる。例えば、補酵素Qを用いる場合には、γ−リノレン酸及び補酵素Qの配合比は、通常は1000:1〜1:10、好ましくは500:1〜1:2とするのがよい。アスタキサンチンを用いる場合には、γ−リノレン酸及びアスタキサンチンの配合比は、通常は10000
:1〜10:1、好ましくは5000:1〜10:1とするのがよい。トコトリエノールを用いる場合には、γ−リノレン酸及びトコトリエノールの配合比は、通常は10000:1〜10:1、好ましくは5000:1〜10:1とするのがよい。
【0020】
本発明の皮膚改善剤の剤型は特に制限されず、具体的には錠剤、丸剤、液剤、散剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤、シロップ剤、坐剤、注射剤などが挙げられるが、この中でもカプセル剤とするのが好ましい。これらの製剤は、製剤化の常法に準じて調製することができ、例えば賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味矯臭剤、希釈剤、界面活性剤、注射剤用溶剤等の添加剤を用いて製剤化してもよい。カプセル剤は、常法に従い、ゼラチンカプセルなどに加工することができる。
【0021】
本発明の皮膚改善剤には、乾燥を防ぐとして従来から知られているビタミン類、コラーゲン、スクワラン、大豆レシチン、植物由来のステロール類などの物質やその他皮膚改善剤に用いられる任意の物質をさらに配合することができる。
【0022】
本発明の皮膚改善剤の使用形態は、特に制限されず、皮膚に塗布するなどして外用することもできるが、皮膚全体の症状を改善するためには内用するのが好ましく、この中でも、継続的な使用に適した経口摂取の使用形態が好ましい。
【0023】
γ−リノレン酸及びセラミド又はγ−リノレン酸、セラミド及び抗酸化剤の混合物は、皮膚改善のための医薬とすることができる。
この場合において、γ−リノレン酸、セラミド及び抗酸化剤の含有量は、投与される患者の症状、年齢、性別、体重等により適宜調節することができる。γ−リノレン酸の含有量は、通常は10〜2000mg/日、好ましくは30〜2000mg/日の範囲で投与するのに適した含有量とするのがよい。セラミドの含有量は、通常は0.01〜1000mg/日、好ましくは0.05〜1000mg/日の範囲で投与するのに適した含有量とするのがよい。セラミドとγ−リノレン酸の配合比は、本発明の目的を達成し得る限りにおいて特に制限されず、皮膚改善剤における配合比と同様に決定することができる。
抗酸化剤の含有量は、さらに用いる抗酸化剤の種類によって適宜決定することができる。例えば、補酵素Qを用いるときは、通常は0.1〜200mg/日、好ましくは0.3〜200mg/日の範囲で投与するのに適した含有量とするのがよい。アスタキサンチンを用いるときは、通常は0.01〜100mg/日、好ましくは0.05〜100mg/日の範囲で投与するのに適した含有量とするのがよい。トコトリエノールを用いるときは、通常は0.01〜1000mg/日、好ましくは0.1〜500mg/日の範囲で投与するのに適した含有量とするのがよい。γ−リノレン酸、セラミド及び抗酸化剤の配合比も、本発明の目的を達成し得る限りにおいて特に制限されず、皮膚改善剤における配合比と同様にして決定することができる。
【0024】
本発明の医薬の投与形態は、特に制限されず、経口、注射、塗布などにより投与することが可能であるが、皮膚全体の症状の改善を目的として継続的に投与するためには、経口投与の形態が好ましい。
【0025】
γ−リノレン酸及びセラミド又はγ−リノレン酸、セラミド及び抗酸化剤を各種の飲食品に含有させて、美肌効果、皮膚改善効果を有する飲食品とすることができる。例えば、サプリメント、飲料類(例えば、ドリンク剤、ミルク飲料、コーヒー飲料、紅茶飲料、緑茶飲料、ジュース等)、菓子類(例えば、ゼリー、ウエハース、クッキー、キャンディー、スナック菓子等)、調味液類(ドレッシング等)、油脂類(マーガリン等)等に含有させることができる。
γ−リノレン酸、セラミド及び抗酸化剤の含有量は、飲食品の種類、他の成分などに応じて適宜調節することができ、特に制限されない。γ−リノレン酸の含有量は、食品全重
量に対して、通常は0.01〜99.999重量%、好ましくは0.1〜99.999重量%とするのがよい。セラミドの含有量は、食品全重量に対して、通常は0.0001〜50重量%、好ましくは0.0005〜50重量%とするのがよい。抗酸化剤の含有量は、食品全重量に対して、通常は0.0001〜50重量%、好ましくは0.0005〜50重量%とするのがよい。
【0026】
γ−リノレン酸、セラミド及び抗酸化剤の配合比も、本発明の目的を達成しうる限りにおいて特に制限されず、本発明の皮膚改善剤と同様にして適宜調節することができる。
このような飲食品は、その調製段階の適当な工程において有効成分を添加する以外は常法に準じて慣用の添加剤を添加してもよく、例えば、ビタミン類、ミネラル類、ホルモン類、生理活性物質、甘味料、酸味料、香料、塩分、賦形剤、着色料、保存料等を使用することができる。
γ−リノレン酸及びセラミド又はγ−リノレン酸、セラミド及び抗酸化剤を含む飲食品は、肌荒れ、アトピー性皮膚炎など皮膚障害に有効なものであるが、その中でも特に肌荒れを予防・改善する効果に優れるものであり、美肌用のサプリメントや飲食品として用いるのに適している。
【0027】
γ−リノレン酸及びセラミド又はγ−リノレン酸、セラミド及び抗酸化剤を含む飲食品は、当該飲食品の包装部分や説明書等の添付文書等に肌荒れ、アトピー性皮膚炎などの皮膚障害の予防・改善に効果がある旨や美肌効果がある旨を表示して提供することができる。
【0028】
γ−リノレン酸及びセラミド又はγ−リノレン酸、セラミド及び抗酸化剤を種々の飼料、ペットフード又はペット用サプリメント(以下、飼料という。)に含有させて、動物の皮膚障害や被毛の脱落などの予防・治療の効果を有する飼料とすることができる。
γ−リノレン酸、セラミド及び抗酸化剤の含有量は与える動物の種類、飼料の種類、他の成分、皮膚の状態、被毛の状態、年齢、性別、体重等により適宜調節され、特に制限されない。
γ−リノレン酸の含有量は、例えばイヌに摂取させる場合、通常は2〜500mg/日、好ましくは5〜500mg/日の範囲で摂取させるのに適した含有量とするのがよい。セラミドの含有量は、例えばイヌに摂取させる場合、通常は0.005〜200mg/日、好ましくは0.02〜200mg/日の範囲で摂取させるのに適した含有量とするのがよい。抗酸化剤の含有量は、さらに用いる抗酸化剤の種類により適宜調節される。例えば、補酵素Qを用いる場合には通常は0.02〜100mg/日、好ましくは0.1〜100mg/日の範囲で摂取させるのに適した含有量とするのがよい。アスタキサンチンを用いる場合には、通常は0.002〜30mg/日、好ましくは0.02〜30mg/日の範囲で摂取させるのに適した含有量とするのがよい。また、トコトリエノールを用いる場合には、通常は0.002〜200mg/日、好ましくは0.02〜100mg/日の範囲で摂取させるのに適した含有量とするのがよい。
【0029】
γ−リノレン酸、セラミド及び抗酸化剤の配合比も、本発明の目的を達成しうる限りにおいて特に制限されず、本発明の皮膚改善剤と同様にして適宜調節することができる。
本発明のγ−リノレン酸及びセラミド又はγ−リノレン酸、セラミド及び抗酸化剤を含む飼料は、その調製段階の適当な工程において有効成分を添加する以外は常法に準じて慣用の添加剤を添加してもよく、例えば、ビタミン類、ミネラル類、ホルモン類、生理活性物質、香料、賦形剤、着色料、保存料等を使用することができる。
【0030】
本発明の飼料を与える動物の種類は、特に制限されないが、好ましくは哺乳類や鳥類であり、この中でもウシ、ブタ、ニワトリなどの家畜、イヌ、ネコなどのペットに与えるのに適している。
また、本発明の飼料を動物に摂取させる方法は特に制限されず、飼料の調製、加工段階において、有効成分を配合してもよいし、予め有効成分をカプセルなどに加工しておいて、動物に飼料を摂取させる際に飼料に混合して与えてもよい。
【0031】
本発明の飼料は、動物の皮膚障害を予防・改善するために用いることができるが、特に、アトピー性皮膚炎などの炎症を伴う皮膚障害を改善し、被毛の脱落などを改善する作用に優れるため、皮膚炎改善用、被毛改善用の飼料として用いるのに適している。
【0032】
γ−リノレン酸、セラミド及び抗酸化剤を含む飼料は、当該飼料の包装部分や説明書等の添付文書等に動物アトピー性皮膚炎などの皮膚障害の予防・改善や被毛の改善に効果がある旨を表示して提供することができる。
【実施例】
【0033】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
【0034】
<製造例1> ヒト用皮膚改善カプセル
以下の組成のカプセルを作製した。
比較例1:γ−リノレン酸(GLA)カプセル
ムコール油(グラノイルHGC;出光興産株式会社製)490mg及びオリーブ油10mgを含むゼラチンカプセルを製造した。1カプセルあたりのγ−リノレン酸量は100mgである。なお、オリーブ油にはγ−リノレン酸は含まれていない。
比較例2:セラミドカプセル
トウモロコシ胚芽抽出物(日本製粉製)0.9mg及びオリーブ油499.1mgを含むゼラチンカプセルを製造した。1カプセルあたりのセラミド量は0.3mgである。
比較例3:補酵素Q(CoQ)カプセル
CoQ10(日清ファルマ製)2mg及びオリーブ油498mgを含むゼラチンカプセルを製造した。
比較例4:アスタキサンチンカプセル
ヘマトコッカス藻色素(ASTOTS−100、武田紙器製)2mg及びオリーブ油498mgを含むゼラチンカプセルを製造した。1カプセルあたりのアスタキサンチン量は0.2mgである。
比較例5:CoQ+アスタキサンチンカプセル
CoQ10 2mg、ヘマトコッカス藻色素2mg及びオリーブ油496mgを含むゼラチンカプセルを製造した。
実施例1:GLA+セラミドカプセル
ムコール油490mg、トウモロコシ胚芽抽出物0.9mg及びオリーブ油9.1mgを含むゼラチンカプセルを製造した。
実施例2:GLA+セラミド+CoQカプセル
ムコール油490mg、トウモロコシ胚芽抽出物0.9mg、CoQ10 2mg及びオリーブ油7.1mgを含むゼラチンカプセルを製造した。
実施例3:GLA+セラミド+アスタキサンチンカプセル
ムコール油490mg、トウモロコシ胚芽抽出物0.9mg、ヘマトコッカス藻色素2mg及びオリーブ油7.1mgを含むゼラチンカプセルを製造した。
実施例4:GLA+セラミド+CoQ+アスタキサンチンカプセル
ムコール油490mg、トウモロコシ胚芽抽出物0.9mg、CoQ10 2mg、ヘマトコッカス藻色素2mg及びオリーブ油5.1mgを含むゼラチンカプセルを製造した。
【0035】
<実施例1〜4>上記で作製した実施例1(GLA+セラミド)、実施例2(GLA+セラミド+CoQ)、実施例3(GLA+セラミド+アスタキサンチン)及び実施例4(G
LA+セラミド+CoQ+アスタキサンチン)のカプセルをそれぞれ18〜50歳代の女性10人に1日2カプセル1ヶ月間、食事と一緒に摂取してもらった。
一方、比較例1(GLA)、比較例2(セラミド)、比較例3(CoQ)、比較例4(アスタキサンチン)及び比較例5(CoQ+アスタキサンチン)のカプセルをそれぞれ18〜50歳代の女性5人に1日2カプセル1ヶ月間、食事と一緒に摂取してもらった。
1ヶ月後、全員に対して以下の評価基準を用いてアンケート調査を行った。
[評価基準]
「美肌に有効である」 ・・・肌荒れが減った(肌の状態がつやつやとしてよくなった)
「美肌にやや有効である」 ・・・肌荒れがやや減った(肌の状態がややよくなった)
「変化なし」 ・・・摂取前後で変化なし
この評価において、「美肌に有効である」を4点、「美肌にやや有効である」を2点、「変化なし」を0点として評点を得て合計点を算出し、これを人数で割った平均点を算出することにより、各カプセルの美肌効果を評価した。
結果を表1に示す。
【0036】
【表1】

【0037】
比較例1〜5の評点平均は、それぞれ比較例1(GLA)が2.0点、比較例
2(セラミド)が1.6点、比較例3(CoQ)が0.4点、比較例4(アスタキサンチン)が0.4点、比較例5(CoQ+アスタキサンチン)が0.4点であった。比較例3
(CoQ)、比較例4(アスタキサンチン)及び比較例5(CoQ+アスタキサンチン)では、摂取前後でわずかに美肌効果が確認され、比較例1(GLA)及び比較例2(セラミド)では、摂取前後で明らかに美肌効果が確認された。
一方、実施例1〜4の総合評点は、それぞれ実施例1(GLA+セラミド)が2.4点、実施例2(GLA+セラミド+CoQ)が2.8点、実施例3(GLA+セラミド+アスタキサンチン)が2.6点、実施例4(GLA+セラミド+CoQ+アスタキサンチン)が3.0点であった。実施例1では、高い美肌効果が得られ、さらに実施例2、実施例3及び実施例4では極めて高い美肌効果が得られた。特に、実施例4では最も高い美肌効果が確認された。
【0038】
<製造例2>動物用皮膚改善カプセル
比較例6:GLAカプセル
ムコール油490mgとローストチキンフレーバーオイル(理研ビタミン製)10mgを含むゼラチンカプセルを製造した。1カプセルあたりのγ−リノレン酸量は100mgである。なお、オリーブ油にはγ−リノレン酸は含まれていない。
比較例7:セラミドカプセル
トウモロコシ胚芽抽出物0.3mg、ローストチキンフレーバーオイル7mg及びオリーブ油492.7mgを含むゼラチンカプセルを製造した。1カプセルあたりのセラミド量は0.1mgである。
比較例8:CoQカプセル
CoQ10 0.5mg、ローストチキンフレーバーオイル7mg及びオリーブ油492.5mgを含むゼラチンカプセルを製造した。
比較例9:アスタキサンチンカプセル
ヘマトコッカス藻色素1mg、ローストチキンフレーバーオイル7mg及びオリーブ油492mgを含むゼラチンカプセルを製造した。1カプセルあたりのアスタキサンチン量は0.1mgである。
比較例10:CoQ+アスタキサンチンカプセル
CoQ10 0.5mg、ヘマトコッカス藻色素1mg、チキンフレーバーオイル6.5mg及びオリーブ油492mgを含むゼラチンカプセルを製造した。
実施例5:GLA+セラミドカプセル
ムコール油490mg、トウモロコシ胚芽抽出物0.3mg、ローストチキンフレーバーオイル7mg及びオリーブ油2.7mgを含むゼラチンカプセルを製造した。
実施例6:GLA+セラミド+CoQカプセル
ムコール油490mg、トウモロコシ胚芽抽出物0.3mg、CoQ10 0.5mg、ローストチキンフレーバーオイル7mg及びオリーブ油2.2mgを含むゼラチンカプセルを製造した
実施例7:GLA+セラミド+アスタキサンチンカプセル
ムコール油490mg、トウモロコシ胚芽抽出物0.3mg、ヘマトコッカス藻色素1mg、ローストチキンフレーバーオイル7mg及びオリーブ油1.7mgを含むゼラチンカプセルを製造した。
実施例8:GLA+セラミド+CoQ+アスタキサンチンカプセル
ムコール油490mg、トウモロコシ胚芽抽出物0.3mg、CoQ10 0.5mg、ヘマトコッカス藻色素1mg、チキンフレーバーオイル7mg及びオリーブ油1.2mgを含むゼラチンカプセルを製造した。
【0039】
<皮膚改善試験>
皮膚・被毛の状態が悪いイヌ30頭を用いて、皮膚改善試験を実施した。
それぞれのイヌの皮膚・被毛の状態を観察し、その症状の程度(重症度)を重度、中等度、軽度に分けた。また各重症度のスコアを下記のように定めた。
重度:3点,中等度:2点,軽度:1点,なし:0点
上記のイヌ30頭を、スコアが平均的になるようにGLA群(比較例6)、セラミド群(比較例7)、GLA+セラミド群(実施例5)、GLA+セラミド+CoQ群(実施例6)、GLA+セラミド+アスタキサンチン群(実施例7)、GLA+セラミド+CoQ+アスタキサンチン群(実施例8)に分けた。これらのイヌのうち、重症度が重度(3点)の個体はほとんどがアトピー性皮膚炎を発症しており、この中でも特にNo.27(表2)の個体は最も痒みの症状が重かった。
<比較例6、7>
GLA群のイヌに比較例6(GLA)のカプセルを、セラミド群のイヌに比較例7(セラミド)のカプセルを1日1回、4週間食餌とともに与えた。イヌがカプセルを食べないときは、カプセルを割り、内容物を餌に振りかけて与えた。体重が5〜10kgのイヌに対しては1回1カプセル、体重が10〜20kgのイヌに対しては1回2カプセルを与えた。上記の重症度のスコアを用いて、2週間後、4週間後に各群の皮膚・被毛の状態を評価し、それぞれスコアの平均を算出した。
結果を表2に示す。
<比較例8〜10>
GLA+セラミド+CoQ群のイヌに比較例8(CoQ)のカプセルを、GLA+セラミド+アスタキサンチン群のイヌに比較例9(アスタキサンチン)のカプセルを、GLA+セラミド+CoQ+アスタキサンチン群のイヌに比較例10(CoQ+アスタキサンチン)のカプセルをそれぞれ1日1回、2週間食餌とともに与えた。投与方法及び1回の投与量は比較例6、7と同様である。その結果、比較例8、比較例9、比較例10のいずれにおいてもスコアの変動はほとんど認められず、皮膚・被毛の改善効果はなかった。
<実施例5〜8>
GLA+セラミド群のイヌに実施例5(GLA+セラミド)のカプセルを、比較例8の試験が終わった後、GLA+セラミド+CoQ群のイヌに実施例6(GLA+セラミド+CoQ)のカプセルを、比較例9の試験が終わった後、GLA+セラミド+アスタキサンチン群のイヌに実施例7(GLA+セラミド+アスタキサンチン)のカプセルを、比較例10の試験が終わった後、GLA+セラミド+CoQ+アスタキサンチン群のイヌに実施例8(GLA+セラミド+CoQ+アスタキサンチン)のカプセルを与えた。投与方法及び1回の投与量は、比較例6、7と同様である。上記の重症度のスコアを用いて、2週間後、4週間後に各群の皮膚・被毛の状態を評価し、それぞれスコアの平均を算出した。
結果を表2に示す。
【0040】
【表2】

【0041】
実施例5〜8及び比較例6、7の全ての群において、2週間目でスコアの減少が認められ、4週間目はさらにスコアの減少が認められた。実施例5(GLA+セラミド)のカプセルを投与した群では、4週間目の平均スコアは0.8にまで減少し、顕著な皮膚・被毛改善効果が認められた。さらに、実施例6(GLA+セラミド+CoQ)及び実施例7(GLA+セラミド+アスタキサンチン)のカプセルを投与した群では、4週間目の平均スコアは0.6にまで減少し、さらに顕著な皮膚・被毛改善効果が認められた。実施例8(GLA+セラミド+CoQ+アスタキサンチン)のカプセルを投与した群では、4週間目の平均スコアは0.4にまで減少し、皮膚や被毛の改善効果が最も高かった。
実施例5〜8は何れも重症例に対して皮膚や被毛の状態を改善したことから、γ−リノレン酸及びセラミド又はγ−リノレン酸、セラミド及び抗酸化剤は、動物の皮膚の重度の症状の改善にも十分な効果を発揮することが分かった。
実施例8のカプセルは、今回の試験で最も痒み症状が重かったアトピー性皮膚炎の個体(No.27)において、痒みに対する高い改善効果が認められた。これより、γ−リノレン酸、セラミド、抗酸化剤としてCoQ及びアスタキサンチンを組み合わせることにより、アトピー性皮膚炎などの痒みを伴う重度の症状の改善に非常に有効であることが分かった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
γ−リノレン酸及びセラミドを有効成分として含む皮膚改善剤。
【請求項2】
さらに抗酸化剤を含む請求項1に記載の皮膚改善剤。
【請求項3】
前記抗酸化剤が補酵素Q、アスタキサンチン及びトコトリエノールから選ばれる一種又は二種以上である、請求項2に記載の皮膚改善剤。
【請求項4】
前記抗酸化剤が補酵素Q及びアスタキサンチンである、請求項2又は3に記載の皮膚改善剤。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか一項に記載の皮膚改善剤を含む医薬。
【請求項6】
請求項1〜4の何れか一項に記載の皮膚改善剤を含む食品。
【請求項7】
美肌用であることを特徴とする、請求項6に記載の食品。
【請求項8】
請求項1〜4の何れか一項に記載の皮膚改善剤を含む飼料。
【請求項9】
皮膚炎の予防・改善及び/又は被毛の改善用であることを特徴とする、請求項8に記載の飼料。

【公開番号】特開2007−51084(P2007−51084A)
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−236545(P2005−236545)
【出願日】平成17年8月17日(2005.8.17)
【出願人】(000183646)出光興産株式会社 (2,069)
【Fターム(参考)】