説明

監視システム

【課題】撮像装置を用いて監視対象領域内に侵入する物体を監視する監視システムにおいて、特に立ち入り禁止区域など通常人が侵入することの少ない場所に設置ことが多い。しかし、定期的にシステム動作状態の確認が必要であり、実際に動作状態を確認するには多大の労力を伴う。
【解決手段】撮像装置により撮像した入力映像に、テスト映像生成装置が生成した擬似物体画像を合成することで、擬似的に入力映像に物体が侵入したように見える合成映像を作成する。試験時は、撮像装置より得られた映像の代わりに合成映像を物体検出装置に入力し、合成映像の擬似物体を合成した位置の座標情報と物体検出装置で検出した位置の座標情報を比較し、その結果により物体検出装置の動作が正常かどうかを自動的に判別する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視対象となる領域を監視する監視システムに関し、監視システムの動作状態の確認可能な監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像処理による侵入者検出技術の発展は著しい。画像処理による侵入者検出を行う監視システムを、重要施設などの立ち入り禁止区域などに設置すると、設定された監視システムによって、該禁止区域への侵入物体を自動的に検出し、監視員やシステム管理者に、検出された侵入物体に関する情報を直ちに伝達できる。特に優れた監視システムでは、環境ノイズなどを侵入物体と取り違えるような誤検出も少なく、侵入物体のみを的確に検出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−175860号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の従来の監視システムにおいては、重要施設の立ち入り禁止区域など、監視システムの設置環境によっては、必ずしも人が頻繁に侵入すると限らない。仮に監視システムが正常であったとしても、長期間一切の発報がないこともある。このため、監視システムが正常動作しているか、あるいは、何らかの原因で動作が異常な状態(監視すべき事象に対して発報しない状態)なのかを定期的に確認する必要がある。しかし、実施するべき確認試験が非常に煩雑な作業であることに加えて、監視システムを設置するような立ち入り禁止区域が僻地や危険区域であることも少なくなく、確認試験の実施自体が困難となることもありうる。
本発明は、監視システムの動作状態を自動的に確認する手段を提供し、確認試験を自動化してシステム管理者や監視員にかかる負担を軽減することで、より効率的なシステムの運用を可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、監視領域を撮像して監視映像を出力する監視撮像装置と、前記監視映像を画像処理し、前記監視映像から侵入物体を抽出して、監視領域内の侵入物体を検出する物体検出装置とを備える監視システムにおいて、さらに、あらかじめ定めた疑似物体画像および前記物体検出装置の動作確認試験の条件を記録し、前記物体検出装置に出力するテスト映像生成装置を備え、前記物体検出装置は、前記テスト映像生成装置から前記疑似物体画像および前記動作確認試験の条件が入力された場合には、前記監視撮像装置から入力された監視映像に前記入力された疑似物体画像とを合成し、当該合成された映像を画像処理して当該映像から監視領域内の侵入物体を検出し、検出した情報を前記テスト映像生成装置に出力し、前記物体検出装置は、前記検出した情報が前記疑似物体であるか否かを判断し、前記疑似物体であれば、監視システムが正常動作していることを確認するものである。
【0006】
上記発明の監視システムにおいて、前記擬似画像について、前記疑似画像の移動速度、侵入経路、色、コントラスト、出現位置、退出位置などの検出情報をシステム管理者が設定する指示手段を有し、該設定手段により、前記テスト映像生成装置は、合成映像を生成し、自動的に監視システムの動作確認試験を実施することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、システム管理者や監視員が予め定めたシステムの動作確認試験の条件に応じて、自動的に擬似的な侵入物体が出現する合成映像を生成し、生成した合成映像によって、簡単に監視システムや物体検出装置の動作の確認試験が実現できる。このため、監視システムのシステム管理者や監視員にかかる保守や点検の負荷を大きく削減することができ、より効率的なシステム運用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の監視システムの一実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の監視システムの一実施例における入力映像の一例を示す図である。
【図3】本発明の監視システムの一実施例における監視領域設定の一例を示す図である。
【図4】本発明の監視システムの一実施例における出力画像の一例を示す図である。
【図5】本発明の監視システムの一実施例において実施する試験項目の一覧表の一例を示す図である。
【図6】本発明の監視システムの一実施例において用いる擬似物体画像の一例を示す図である。
【図7】本発明の監視システムの一実施例における設定の一例を示す図である。
【図8】本発明の監視システムの一実施例における入力映像と擬似物体画像の合成映像の一例の図である。
【図9】本発明の監視システムの一実施例における合成映像の生成方法の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の監視システムは、監視領域を撮像する撮像装置と、撮像装置で撮像された映像を処理して監視領域の物体を抽出し、抽出された物体が検出すべき対象か否かを判定して監視領域中の物体を検出する物体検出装置と、物体検出装置の動作を確認するためのテスト映像生成装置と、物体検出装置およびテスト映像生成装置のパラメータを調整する設定装置と、物体検出装置の検出結果に基づき出力画像を表示する表示装置とを有する監視システムであって、テスト映像生成装置は、撮像装置で撮影した映像と、予め定めた擬似的な侵入物体の画像とを自動的に合成する合成手段と、合成された映像を物体検出装置に出力する出力手段、および合成された映像を物体検出装置に入力した時の物体検出結果を監視システムの動作確認の情報として記録および出力する記録出力手段を備えたものである。
【0010】
以下に本発明の一実施形態を図面等を用いて説明する。なお、以下の説明は、本発明の一実施形態を説明するためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。従って、当業者であればこれらの各要素若しくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であり、これらの実施形態も本願発明の範囲に含まれる。
なお、各図の説明において、同一の機能を有する構成要素には同一の参照番号を付し、重複を避けるため、できるだけ説明を省略する。
【0011】
図1によって、本発明の監視システムの一実施例の構成を説明する。図1は、本発明の監視システムの一実施例の構成を示すブロック図である。100は本発明の監視システム、101は撮像装置、112は物体検出装置、130はテスト映像生成装置、109は指示装置、110は警報出力装置、111は表示出力装置である。また物体検出装置122において、102は映像入力回路、103は画像処理プロセッサ、104はプログラムメモリ、105はワークメモリ、106は外部IF(Interface)回路、107は映像出力回路、108はデータバスである。またテスト映像生成装置130において、132は映像入力回路、133は画像処理プロセッサ、134はプログラムメモリ、135はワークメモリ、136は外部IF回路、137は映像出力回路、138はデータバスである。
なお、テスト映像生成装置130は、必ずしも物体検出装置112と同様の構成である必要はなく、例えば、物体検出装置112のそれぞれの構成要素に一機能として含有される形でも良い。
【0012】
図1の監視システム100において、撮像装置101は、監視の対象となる領域(監視領域)を撮像し、撮像された映像201(後述の図2参照)は、映像入力回路102を介してワークメモリ105に記録される。画像処理プロセッサ103は、プログラムメモリ104に記録されているプログラムに従って、ワークメモリ105内に記録された入力映像を処理し、その処理結果を映像出力回路107を介して表示装置111に出力し、表示装置111に表示させる。画像処理プロセッサ103は、画像処理の結果、特に、警報の発報が必要であると判断した場合には、外部IF回路106を介して警報信号を警報出力装置110に出力し、警報出力装置110は、その警報信号に基づいて警報を発報する。
【0013】
また、画像処理プロセッサ103は、外部IF回路106を介して入力される、指示に基づいて、前記プログラムのパラメータを変更や修正しながら前記入力映像を処理する。また、映像入力回路102、画像処理プロセッサ103、プログラムメモリ104、ワークメモリ105、外部IF回路106、および映像出力回路107は、データバス108に接続されている。なお、外部IF回路106を介して入力される指示は、例えばマウス、キーボードなどの指示装置109を用いて、オペレータ(ユーザあるいは管理者)が操作することによる。
【0014】
以上の機器構成による物体検出装置112の基本動作および画像処理アルゴリズムは、周知の技術を使用することによって実現可能である(例えば、特開2008−176768号公報、特開2006−211696号公報参照。)。
【0015】
図2に、撮像装置101より撮像される入力映像201の一例を示す。本発明の監視システムの一実施例における入力映像の一例を示す図である。また、図3に指示装置により該監視システムの管理者が入力した監視領域301の一例を示す。図3は、本発明の監視システムの一実施例における監視領域設定の一例を示す図である。また、図4は、本発明の監視システムの一実施例における出力画像の一例を示す図である。201は入力映像、301は監視領域、401は侵入者、402は矩形、403は軌跡である。
【0016】
例えば、図4に示すように、監視領域301に侵入者401が侵入した場合、本発明の監視システムによって、侵入者401が検出され、矩形402および軌跡403が表示され、警報が発報される。
テスト映像生成装置130において、ワークメモリ135は、あらかじめ、システム管理者(あるいは監視員)により指示装置109を通じて設定された画像処理システム100または物体検出装置112の動作確認試験の条件を、テスト映像パラメータ139として外部IF回路136を通して受信し、記録する手段を有する。またワークメモリ135は、記録したテスト映像パラメータ139に従って、撮像装置101から映像入力回路132を介して入力された映像中に、画像処理プロセッサ133およびプログラムメモリ134に記録されたプログラムによって、所定の画像を自動的に合成する手段を有する。そしてワークメモリ135は、生成した合成映像を映像出力回路137を介して、物体検出装置112に出力する手段を有する。またさらに、ワークメモリ135は、外部IF回路136を介して、物体検出装置112における物体検出の有無および検出した物体の座標情報を受信する手段を有する。
【0017】
図5は、本発明の監視システムの一実施例において実施する試験項目の一覧表の一例を示す図である。また図6は、本発明の監視システムの一実施例において用いる擬似物体画像の一例を示す図である。また、図7は、本発明の監視システムの一実施例における設定の一例を示す図である。
ここで、例えば、監視システム100の物体検出装置112の動作確認試験のため、管理者が毎週火曜日の朝9時から、予め定められた試験項目リスト501に従って、監視領域への侵入経路からの侵入物体を正しく検出できることをもって、監視システムが正常動作していることを確認する。即ち、図5に示す試験項目リスト501に従って、図7に示す監視領域301への侵入経路701、702、703からの侵入物体を正しく検出できれば、当該監視システムの正常動作が確認できるものとする。
この場合、まず、管理者は、上記試験に関する条件を、テスト映像パラメータ139として、指示装置109によってテスト映像生成装置130に入力する。テスト映像パラメータ139は、試験項目リスト501に示す条件では、少なくとも侵入物体の移動速度、侵入経路、試行回数、行動となる。
【0018】
テスト映像生成装置130には、擬似侵入物体として入力映像に合成する画像情報が予め記録されている。図6は、擬似物体画像601の一例を示している。擬似物体画像601は、静止画像でも動画像でも良い。また、管理者は、指示装置109によって、テスト映像生成装置130に、画像601に関する条件(擬似物体画像601の特徴)をテスト映像パラメータ139として入力することが可能である。例えば、擬似物体画像601について、身長、服装(色)、侵入経路、出現位置、退出位置、移動速度、移動方向などを自由に設定することができるようにしても良い。また、擬似物体画像は、必ずしも擬似物体画像601のように直立の人である必要はなく、所定の試験項目に従って、例えば匍匐前進の人や自転車、車などでも良い。
【0019】
図8に、入力映像と擬似物体画像の合成映像801の一例を示す。図8は、本発明の監視システムの一実施例における入力映像と擬似物体画像の合成映像の一例の図である。ここでの合成映像801は、擬似物体画像601が侵入経路702より歩行で侵入する時の一例である。
また、図9に、合成映像801を生成する方法の一例を示す。図9は、本発明の監視システムの一実施例における合成映像の生成方法の一例を説明するための図である。
テスト映像生成装置130における画像処理プロセッサ133は、テスト映像パラメータ139として、予め入力された擬似物体画像のメートル単位の大きさ、速度ベクトル、侵入経路(始点、終点)、カメラパラメータ902、テスト映像開始からの経過時刻903により、現在の時刻(現在のフレーム)における擬似物体画像601のピクセル単位での大きさおよびピクセル単位での位置の座標情報904を計算する。
【0020】
このとき、メートル単位からピクセル単位へ換算して、位置の座標情報904を計算する。
この場合、擬似物体画像601の位置が、撮像される監視映像のどの領域に存在するかというパラメータ(領域パラメータ)を設定しておき、物体の位置(例えば、設置位置)がその領域内にあるか否かを判断する。また、検出すべき物体の大きさの範囲(大きさパラメータ)を指定する。なお、擬似物体画像601の設定を行うために、例えば、入力画像を表示出力装置110に表示し、マウス等の指示装置109を用いて多角形の頂点を表示画面中で設定することで、所望の領域を指定する。
そして、画像処理プロセッサ133は、ピクセル単位での位置の座標情報904の通りに、擬似物体画像601を拡大縮小およびスケーリングする。次に、スケーリング後の擬似物体画像905を、現在の入力映像301の座標情報904に従った位置901に合成し、合成映像801を得る。即ち、擬似物体画像601は、事前に入力されたカメラパラメータにより、撮像装置101からの距離に応じたピクセル単位での位置と大きさを計算し、擬似物体画像601の大きさを変換して、スケーリング後の擬似物体画像905を得て合成する。
この結果、撮像装置101からの距離に応じてメートル単位での大きさが不変となるようにすることができる。
【0021】
擬似物体画像905のピクセル単位での位置、大きさ、および速度は、毎フレーム更新される。なお、擬似物体画像905の大きさおよび速度は、実物体の移動に近づけるため可変幅を持たせても良く、例えば、テスト映像パラメータ139に経過時間903に応じた大きさおよび速度の情報を格納しておき、毎フレーム変えても良い。
【0022】
物体検出回路112の映像入力回路102には、撮像装置101とテスト映像生成装置130の映像出力回路137が接続されている。しかし、テスト映像生成装置130が合成映像801を生成する時には、撮像装置101からの直接の入力映像より、テスト映像生成装置130からの合成映像801が優先され、物体検出装置112に入力される。
また、合成映像801が生成されていない時には、物体検出装置112の映像入力回路102には、撮像装置101からの入力映像201が優先され、物体検出装置112に入力される。
なお、これらの判断については、物体検出装置112若しくはテスト映像生成装置130のどちらで実施しても良い。
【0023】
また、本発明の監視システムにおけるシステム動作確認試験では、テスト映像生成装置130で擬似物体601を入力映像中に合成した大きさおよび位置に関する座標情報904が、ワークメモリ135に記録される。
さらに好ましくは、合成映像801を物体検出装置112に入力したときに、物体検出装置112、何らかの物体を検出した場合には、検出された物体の座標情報を外部IF回路106を通してテスト映像生成装置130に自動的に出力する。テスト映像生成装置130は、擬似物体画像905の合成時の座標情報904と、物体検出装置112より出力された検出された物体の座標情報とを比較し、擬似物体画像905の合成時の座標情報904に対して、所定の領域範囲内に検出された物体の座標情報が存在する場合には、物体検出装置112による発報が擬似物体画像905によるものと判断する。また、否であれば、テスト映像生成装置130は、物体検出装置112による発報が真の侵入者によるものか擬似物体画像905によるものであると判別する。
なお、撮像装置101が撮像した映像に、テスト映像生成装置130で生成した疑似物体601をあらかじめ合成した画像を、テスト映像生成装置130が記録し、システム動作確認試験では、合成映像801の入力時には、あらかじめ合成された合成映像801が、ワークメモリ135に記録されても良い。
【0024】
そして、テスト映像生成装置130は、例えば擬似物体画像601の座標が(320,220)〜(350,300)、検出された物体の座標情報が(330,210)〜(350,295)であった場合には、各座標により描写される矩形の重複率が例えば80%を超えているため、物体検出装置112による発報を擬似物体によるものと判断し、ワークメモリ135に合成映像による試験が成功したことを記録する。即ち、テスト映像生成装置130は、物体検出装置112の動作確認試験の結果、物体検出動作が正常であると判断する。
また、擬似物体の合成映像を物体検出装置112に入力したにもかかわらず、物体検出装置が擬似物体を検出したと判断できなかった場合(各座標により描写される矩形の重複率が例えば80%以下)、例えば物体が検出されなかった場合などでは、ワークメモリ135に合成映像による試験が失敗したことを記録する。
【0025】
例えば、図5に示す試験項目リストを全て実行したとき、合成映像による動作確認試験の全試行回数は60回であり、60回分の成否の情報がワークメモリ135に記録される。ここで、例えば、合成映像による試験で物体検出装置が正常に動作していると判断できる判定条件を60回中55回とした時、成功回数が55回未満だった場合、管理者に対して監視システムに異常がある旨を警告するようにする。
また、該試験の成否の情報はログとして記録しておき、管理者が閲覧およびダウンロードできるようにする。
なお、物体検出装置112による発報が擬似物体601によることが確認できた場合は、冗長なため、警報出力装置110による侵入物体を発見したことを知らせる警報は、発報しないようにしても良い。
また、確認試験を実行するスケジュールをあらかじめテスト映像生成装置に記録しておき、そのスケジュールに相当する日や時間になった時に、自動的指定された確認試験が実行されるようにしても良い。
【0026】
上記実施例によれば、監視システムにおいて、物体検出装置の動作が正常かどうかを自動的に判別することが可能となり、定期的にシステム動作状態の確認ができ、特に、監視領域が危険区域である場合や僻地の場合において、システムを停止することなく、簡単に、動作状態を確認することができる。特に立ち入り禁止区域など、通常人が侵入することの少ない場所に設置された監視システムに最適である。
【0027】
また、テスト映像生成装置130により出力する映像は、必ずしも入力映像と擬似物体の合成映像だけに限らない。例えば、物体検出装置が撮像装置101の故障検知などのために、入力映像の異常を判定するような機能を持つ場合などでは、意図的にカラーバー画像やホワイトノイズ画像などの異常映像を合成映像として物体検出装置112に対して入力するようにしても良い。
さらに、テスト映像生成装置130による監視システムの試験は、必ずしも指示装置109を通した管理者による試験方法、即ちテスト映像パラメータ139の設定を必要とせず、例えば、動作試験を実施する日時、および擬似物体の速度、大きさ、侵入経路などのテスト映像パラメータ139をランダムに決定する機能を、テスト映像生成装置130をプログラムメモリ134に記録させておき、試験を不定期かつ全自動で実施できるようにしても良い。
【符号の説明】
【0028】
100:監視システム、 101:撮像装置、 112:物体検出装置、 130:テスト映像生成装置、 109:指示装置、 110:警報出力装置、 111:表示出力装置、 102:映像入力回路、 103:画像処理プロセッサ、 104:プログラムメモリ、 105:ワークメモリ、 106:外部IF回路、 107:映像出力回路、 108:データバス、 132:映像入力回路、 133:画像処理プロセッサ、 134:プログラムメモリ、 135:ワークメモリ、 136:外部IF回路、 137:映像出力回路、 138:データバス、 201:入力映像、 301:監視領域、 401:侵入者、 402:矩形、 403:軌跡、 501:試験項目リスト、 601:擬似物体画像、 701:侵入経路、 702:侵入経路、 703:侵入経路、 801:合成映像、 901:位置、 902:カメラパラメータ、 903:経過時刻、 904:座標情報、 905:スケーリング後の擬似物体画像。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視領域を撮像して監視映像を出力する監視撮像装置と、前記監視映像を画像処理し、前記監視映像から侵入物体を抽出して、監視領域内の侵入物体を検出する物体検出装置とを備える監視システムにおいて、さらに、あらかじめ定めた疑似物体画像および前記物体検出装置の動作確認試験の条件を記録し、前記物体検出装置に出力するテスト映像生成装置を備え、
前記物体検出装置は、前記テスト映像生成装置から前記疑似物体画像および前記動作確認試験の条件が入力された場合には、前記監視撮像装置から入力された監視映像に前記入力された疑似物体画像とを合成し、当該合成された映像を画像処理して当該映像から監視領域内の侵入物体を検出し、検出した情報を前記テスト映像生成装置に出力し、前記物体検出装置は、前記検出した情報が前記疑似物体であるか否かを判断し、前記疑似物体であれば、監視システムが正常動作していることを確認することを特徴とする監視システム。
【請求項2】
請求項1記載の監視システムにおいて、前記擬似画像について、前記疑似画像の移動速度、侵入経路、色、コントラスト、出現位置、退出位置などの検出情報をシステム管理者が設定する指示手段を有し、該設定手段により、前記テスト映像生成装置は、合成映像を生成し、自動的に監視システムの動作確認試験を実施することを特徴とする監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−124773(P2012−124773A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−274846(P2010−274846)
【出願日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】