説明

監視用CCTVシステム

【課題】プログラムの改造において、修正するプログラム部分以外への影響も考慮し、プログラムの全機能の動作試験を行う必要を除去し、プログラムの改造が容易で、修正するプログラム部分以外の動作試験を不要としたCCTVシステムを提供する。
【解決手段】監視局は、監視員が前記機能を操作するための監視端末と、前記機能を操作するためのプログラムを管理及び保存する管理サーバとを備え、前記管理サーバは、システム管理機能、連動操作機能、ライブ映像操作機能、録画映像操作機能、モニタ表示操作機能、若しくは障害表示操作機能等のプログラムの管理若しくは保守を、操作機能メニュー毎に実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CCTVシステムに関わり、特に監視用CCTVシステムの操作メニューに関するものである。
【背景技術】
【0002】
図1によって、従来の監視用CCTV( Closed Circuit Tele Vision )システムの一例を説明する。図1は、従来の監視用CCTVシステムの構成を示すブロック図である。1は監視端末、2は管理サーバ、3は大画面表示装置、301〜308は大画面表示装置3の表示部を構成するディスプレイ、309はディスプレイ301〜308を載せる台、4は制御装置、5はネットワーク網、61,62〜6nはそれぞれ監視カメラ、7は監視局である(nは自然数)。監視局7は、監視端末1、管理サーバ2、大画面表示装置3、及び、制御装置4で構成されている。なお、どの監視カメラ61,62〜6nと限らず、一般的に監視カメラを指す場合には、監視カメラ6と称する。
【0003】
大画面表示装置3の表示部を構成するディスプレイ301〜308は、それぞれ、例えば、55型のPDP( Plasma Display Panel )、FED( Field Emission Display )、ELディスプレイ( Electro Luminescence Display )、液晶プロジェクタ、等のFPD( Flat Panel Display )である。
また、監視端末1の表示部の画面サイズは、通常、ディスプレイ301〜308の画面サイズと同じか、それより小さい。監視端末1には、図示しない入出力装置が接続され、監視員は、該入出力装置を操作して監視端末1を操作することによって、監視局7を動作させて監視を行う。
また、ネットワーク網5は、例えば、専用回線であり、例えば、LAN( Local Area Network )である。
【0004】
図1において、監視カメラ61,62〜6nは、それぞれ、指定された視野角で映像を取得して、映像データとして、ネットワーク網5を介して、監視端末1管理サーバ2、及び、制御装置4に送信する。
監視局7の監視員は、GUI( Graphical User Interface )操作等で監視端末1を操作することによって、所望の監視カメラ6を選択し、選択した監視カメラ6の映像を表示部に表示する。監視端末1の操作は、その表示部にWebブラウザ形式で表示した表示画面で、監視員がGUI操作等で実行する。
【0005】
このとき、監視端末1からの操作内容は、ネットワーク5を介して、管理サーバ2に送信され、管理サーバが、操作内容の登録または更新と共に、監視カメラ6に制御信号を、ネットワーク網5を介して送信して操作する。
なお、図1は、監視局7内の機器(監視端末1、管理サーバ2、及び、制御装置4)の結合と監視カメラ6との結合を、同じネットワーク網5で実施している。しかし、監視局7と監視カメラ6とを結合するネットワーク網5とは別に、監視局7内の監視端末1、管理サーバ2、大画面表示装置3、及び、制御装置4間の結合を、LAN( Local Area Network )若しくは無線LAN等の構内ネットワーク、又は、伝送ケーブル等の伝送路で、別に結合してもよい。
【0006】
図1において、監視員は、監視端末1で、監視カメラ6の選択を切替えるか、又は、同じ監視カメラ6であっても、プリセットポジションを切替える若しくはGUI操作等で視野角を変更して、表示部に所望の映像を表示する。
【0007】
大画面表示装置3は、主に、複数の監視員が、同じ映像を見て対策を検討するような時に使用するが、監視員が監視端末1の表示では、小さすぎて判断がつけにくい時に、大画面表示装置に映像を拡大して表示する。
【0008】
図2は、本発明の監視端末の表示部に表示される表示画面の一実施例を説明する図である。図2は、大画面表示装置の操作に対応する操作画面の表示をWebブラウザ形式で表示した図である。20は表示画面、21は監視カメラ6から受信した映像の表示部、22は操作部、23はプリセットポジションを指定するためのプリセットボタン群、24は監視領域を示すマップ、25は選択された監視カメラ6のパン角とチルト角を制御するボタン群、26は選択された監視カメラ6のズーム倍率を制御するボタン群、27は大画面表示装置3の操作に切替えるための切替ボタン、28は操作を取り消すためのキャンセルボタン、29は操作を止めるための終了ボタンである。なお、終了ボタン29を押すことにより、初期画面(図示しない)に戻る。
【0009】
図2の表示画面において、マップ24は、大画面表示装置3のディスプレイ301〜308に表示するための映像ソース(カメラ及びプリセット位置)を選択するためのマップである。監視員は、監視領域を示すマップ24内に図形表示されているカメラの中から、所望のカメラを選択する。更に、プリセットボタン群23の所望のボタンを選択して、映像を表示部21に表示させてそれぞれのカメラ6から送信される映像を見る。
このとき、監視員は監視のために、表示された映像を見て、視野角の調整が必要ならば、操作部22内に表示されているボタン群25を制御してパン角又はチルト角、若しくはその移動(角度変更)速度を変更し、また、ボタン群26を操作してズーム倍率を変更する。また、選択していたカメラ6では、所望の映像が得られないと判断したときは、マップ24を見て切替ボタン27を操作して別のカメラ6を選択する。
【0010】
また、監視員は、大画面表示装置3に、現在表示している映像と別の映像を表示しようとした場合には、キャンセルボタン28を押すことによって、大画面表示装置3の操作に切替えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2003−248539号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上述した操作を監視員が操作するためには、従来の監視用CCTVシステム等のCCTVシステムの監視端末において、制御装置の操作メニューに関わるプログラムが無ければならない。
このような制御装置の操作メニューに関わるプログラムは、システムの拡張や変更等に応じて、監視員が、操作し易いように、改造が必要となってくる。
【0013】
特許文献1には、メニュー画面からユーザが所望のメニューを選択し、そのメニューに対応した画面の表示が起動される技術に対して、予めメニュー画面表示プログラムを作成する技術の記載がある。しかし、複数の管理テーブルが必要な構成であり、プログラム及び当該プログラムの改造についての具体的な記載はない。
従来は、プログラムの改造においては、同一フォルダ内に存在する任意のプログラムファイルの改造を行い、その同一フォルダ内の全ファイルを製品単位として管理、保守しなければならなかった。
また、プログラムの改造において、修正するプログラム部分以外への影響も考慮し、プログラムの全機能の動作試験を行う必要があった。
本発明の目的は、上記の問題に鑑み、プログラムの改造が容易で、修正するプログラム部分以外の動作試験を不要としたCCTVシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するために、本発明の監視用CCTVシステムは、システム管理機能、連動操作機能、ライブ映像操作機能、録画映像操作機能、モニタ表示操作機能、若しくは障害表示操作機能の少なくとも1つの機能を備えた監視局を有する監視用CCTVシステムにおいて、前記監視局は、監視員が前記機能を操作するための監視端末と、前記機能を操作するためのプログラムを管理及び保存する管理サーバとを備え、前記管理サーバは、前記プログラムの管理若しくは保守を、操作機能メニュー毎に実行するものである。
【0015】
好ましくは、上記発明の監視用CCTVシステムの前記管理サーバが操作機能メニュー毎に実行する前記プログラムの管理若しくは保守は、前記操作機能毎のプログラムを前記監視端末に表示し、該表示されたプログラムを関心の操作によって削除、追加、若しくは変更することによって実行するものである。
をの管理及び保守を行う、管理サーバ内のプログラムをフォルダ単位若しくはファイル単位の入替で実現できることを特徴とする監視用CCTVシステムにおける操作メニュー管理方法。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、操作メニュー用のプログラム格納フォルダ、操作機能メニュー単位のプログラム格納フォルダを持ち、機能単位の管理、保守(削除、追加、変更)を容易にすることにある。
本発明によれば、操作メニューの管理、保守時の削除、追加、変更操作が容易に行え、追加、変更時でも、他の機能に影響を及ぼさない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】従来のCCTVシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】大画面表示装置の操作に対応する操作画面の表示をWebブラウザ形式で表示した図である。
【図3】監視端末に表示された、本発明の操作メニューの一実施例を示す図である。
【図4】本発明の一実施例を示す操作メインメニュープログラムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、各図の説明において、共通な機能を有する構成要素には同一の参照番号を付し、できるだけ説明の重複を避ける。
【0019】
図3によって、本発明の一実施例の操作メニューを説明する。図3は、監視端末1に表示された、操作メニューの一実施例を示す図である。30は表示画面、21’は映像表示部、22’は操作部、31−1は操作メインメニュー、31−2は操作機能メニュー、32はメニュー選択ボタン、32−1はシステム管理操作(menu1)ボタン、32−2は連動操作(menu2)ボタン、32−3はライブ映像操作(menu3)ボタン、32−4は録画映像操作(menu4)ボタン、32−5はモニタ表示操作(menu5)ボタン、32−6は障害表示操作(menu6)ボタン、33は操作メニュー機能単位メニュー表示部、34は履歴表示部である。
図3の表示画面30は、上段が操作メインメニュー31−1で、下段が操作メニュー3−2を示す。
【0020】
図3において、menu1ボタン32−1、menu2ボタン32−2、menu3ボタン32−3、menu4ボタン32−4、menu5ボタン32−5、及びmenu6ボタン32−6は、メニュー選択ボタン32の1つであり、現在は、ライブ映像操作(menu3)ボタン32−3が選択され、操作メニュー機能単位メニュー表示部33には、ライブ映像操作メニューを操作するためのボタン1〜10が表示されている。
操作メニュー機能単位メニュー表示部33内のこれらのボタン1〜10から選択されたボタンが押下されることによって(即ち、監視員によって、操作メインメニュー31−1のメニュー選択ボタン32のいずれかが押下されると)、押下されたボタンの種類に応じて、操作メニュー機能単位メニュー表示部に表示される。
【0021】
図4は、本発明の一実施例を示す操作メインメニュープログラムを示す図である。
図4において、操作メインメニュープログラムは、管理サーバ2の「webRoot」フォルダに格納される(図1参照)。「webRoot」フォルダの下層のフォルダに、操作メインメニュー用プログラムフォルダ、メニュー1用プログラム格納フォルダ、メニュー2用プログラム格納フォルダ、メニュー3用プログラム格納フォルダ、メニュー4用プログラム格納フォルダ、メニュー5用プログラム格納フォルダ、メニュー6用プログラム格納フォルダが設けられる。
【0022】
メニュー1用プログラム格納フォルダの下層のフォルダに「ScriptFile」メニュー1用のスクリプト定義ファイル格納フォルダが設けられる。以下同様に、メニュー2用プログラム格納フォルダの下層のフォルダに「ScriptFile」メニュー2用のスクリプト定義ファイル格納フォルダ、メニュー3用プログラム格納フォルダの下層のフォルダに「ScriptFile」メニュー3用のスクリプト定義ファイル格納フォルダ、メニュー4用プログラム格納フォルダの下層のフォルダに「ScriptFile」メニュー4用のスクリプト定義ファイル格納フォルダ、メニュー5用プログラム格納フォルダの下層のフォルダに「ScriptFile」メニュー5用のスクリプト定義ファイル格納フォルダ、メニュー6用プログラム格納フォルダの下層のフォルダに「ScriptFile」メニュー6用のスクリプト定義ファイル格納フォルダが設けられる。
【0023】
図3において、監視員によって、操作メインメニュー31−1のメニュー選択ボタン32のいずれかが押下されると、押下されたボタンの種類に応じて、操作メニュー機能単位メニュー表示部に表示される、と同時に、図4に示した操作メインメニュープログラムにおける管理や保守(削除、追加、変更)されるべきフォルダの位置が移動する。
例えば、図3において、システム管理操作ボタン32−1が押下されると、図4では、フォルダの位置が「Bin」(操作メインメニュー)から、メニュー1用プログラム格納フォルダに移動する。同様に、連動操作ボタン32−2が押下されるとメニュー2用プログラム格納フォルダに移動し、ライブ映像操作ボタン32−3が押下されるとメニュー3用プログラム格納フォルダに移動し、録画映像操作ボタン32−4が押下されるとメニュー4用プログラム格納フォルダに移動し、モニタ表示操作ボタン32−5が押下されるとメニュー5用プログラム格納フォルダに移動し、障害表示操作ボタン36−2が押下されるとメニュー6用プログラム格納フォルダに移動する。
【0024】
それぞれ移動後は、管理や保守(削除、追加、変更)の種類によって、以下の処理が、図4において実行される。
【0025】
(1)削除
メニューを削除する場合には、「WebRoot」フォルダ内から該当する「menu k」フォルダを削除する。
例えば、メニュー“システム管理操作”を削除する場合、「WebRoot」フォルダ内の「menu 1」を削除する。
【0026】
(2)追加
メニューを追加する場合には、「WebRoot」フォルダ内から該当する「menu k」フォルダを追加する。
例えば、メニューとして“機能7”を追加する場合には、「WebRoot」フォルダ内に「menu 7」を追加する。
【0027】
(3)変更
メニューを変更する場合には、「WebRoot」フォルダ内から該当する「menu k」フォルダを入替える。
例えば、メニュー“連動操作”を入替える場合、「WebRoot」フォルダ内の「menu 2」を入替える。
即ち、各メニューの表示内容を変更する場合には、menuk.incファイルを入替え、各メニューの処理内容を変更する場合には、menuk.jsファイルを入替える。
例えば、図3の操作部22’内の“INIT”ボタン、“ライト”ボタン等の配置、及び、文字列などを変更する場合には、menuk.incファイルを修正し、修正したファイルに入替える。
また、例えば、図3の操作部22’内の“INIT”ボタン、“ライト”ボタン等が押下された場合の処理動作を変更する場合には、menuk.jsファイルを修正し、修正したファイルに入替える。
【0028】
その結果、プログラムの改造において、修正するプログラム部分以外への影響を考慮せず、従ってプログラムの全機能の動作試験が必要なくなった。
さらにこの結果、プログラムの改造が容易で、修正するプログラム部分以外の動作試験を不要としたCCTVシステムが可能となった。
【0029】
以上、本発明を実施例によって詳細に説明した。しかし、本発明は、上述の実施例に限定されるわけではなく、本発明が属する技術分野において、通常の知識を有する者であれば、本発明の思想と精神に基づいて、本発明を修正若しくは変更できる発明が含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0030】
1:監視端末、 2:管理サーバ、 3:大画面表示装置、 4:制御装置、 5:ネットワーク網、 6,61,62〜6n:監視カメラ、 7:監視局、 20:表示画面、 21,21’:映像表示部、 22,22’:操作部、 23:プリセットボタン群、 24:マップ、 25:パン角とチルト角を制御するボタン群、 26:ズーム倍率を制御するボタン群、 27:切替ボタン、 28:キャンセルボタン、 29:終了ボタン、 30:表示画面、 31−1:操作メインメニュー、 31−2:操作機能メニュー、 32:メニュー選択ボタン、 32−1:システム管理操作(menu1)ボタン、 32−2:連動操作(menu2)ボタン、 32−3:ライブ映像操作(menu3)ボタン、 32−4:録画映像操作(menu4)ボタン、 32−5:モニタ表示操作(menu5)ボタン、 32−6:障害表示操作(menu6)ボタン、 33:操作メニュー機能単位メニュー表示部、 34:履歴表示部、 301〜308:ディスプレイ、 309:台。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
システム管理機能、連動操作機能、ライブ映像操作機能、録画映像操作機能、モニタ表示操作機能、若しくは障害表示操作機能の少なくとも1つの機能を備えた監視局を有する監視用CCTVシステムにおいて、前記監視局は、監視員が前記機能を操作するための監視端末と、前記機能を操作するためのプログラムを管理及び保存する管理サーバとを備え、前記管理サーバは、前記プログラムの管理若しくは保守を、操作機能メニュー毎に実行することを特徴とする監視用CCTVシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−55423(P2011−55423A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−204770(P2009−204770)
【出願日】平成21年9月4日(2009.9.4)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】