監視装置
【課題】 監視対象物の過不足が監視対象物を収容する装置で発生したことを報知することができる監視装置を提供する。
【解決手段】 ログ解析部２０１は、ＬＡＮ通信部２１０がＰＯＳ端末６から受信するログを解析し、外部機器３０における物品あるいは現金の過不足を検出する。物品あるいは現金の過不足を検出すると、機器制御部２０２に記録および警告の制御を指示する。機器制御部２０２は、ログ解析部２０１から記録および警告の制御の指示を受けると、記録および警告を指示すべき外部機器３０を特定し、特定した外部機器３０に対応する記録・警告機器４に記録および警告を指示する。指示を受けた記録・警告機器４は、警告を報知するとともに、外部機器３０の周辺の撮影および録音を行い、撮影および録音した情報を監視端末２に送信する。記録部２０３は、記録・警告機器４から受信した撮影および録音の情報を記憶する。
【解決手段】 ログ解析部２０１は、ＬＡＮ通信部２１０がＰＯＳ端末６から受信するログを解析し、外部機器３０における物品あるいは現金の過不足を検出する。物品あるいは現金の過不足を検出すると、機器制御部２０２に記録および警告の制御を指示する。機器制御部２０２は、ログ解析部２０１から記録および警告の制御の指示を受けると、記録および警告を指示すべき外部機器３０を特定し、特定した外部機器３０に対応する記録・警告機器４に記録および警告を指示する。指示を受けた記録・警告機器４は、警告を報知するとともに、外部機器３０の周辺の撮影および録音を行い、撮影および録音した情報を監視端末２に送信する。記録部２０３は、記録・警告機器４から受信した撮影および録音の情報を記憶する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、操作者の操作によって金銭あるいは物品の出し入れを行う装置で発生する不正操作の監視を行うことができる監視装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
ＰＯＳ（Point Of Sales）端末、ＡＴＭ（automated teller machine）、あるいは自動販売機などの装置は、従業員あるいはユーザなどの操作者によって操作される。操作者は、間違った操作あるいは不正な操作を行うことがあり、さらに、その操作に起因して装置に障害が発生することもある。不正な操作あるいは発生した障害の原因を究明するために、操作者に操作手順を確認することがあるが、虚偽の申告、時間の経過、あるいは多くの操作を伴うために、行なわれた操作手順を正確に把握することは極めて困難である。したがって、考えられる操作手順すべてについて検討する必要があり、原因を究明するために多大の時間を要することになる。
【０００３】
原因究明を短時間で行うために、操作などの履歴を記憶しておいて表示することによって、装置に対して行われた操作を正確に把握することを可能にする装置がある。たとえば第１の従来の技術として、映像に対するユーザのクリック操作ログから、ユーザがクリックした映像の位置を特定することができるユーザ操作ログ可視化装置がある。このユーザ操作ログ可視化装置は、ユーザがクリック操作を行った映像を再生し、ユーザがその映像に対して行ったクリック操作のログデータが示す再生時間の映像の中に、ログデータが示すクリック位置を示すマークを重畳して表示する（たとえば特許文献１参照）。
【０００４】
第２の従来の技術として、故障発生の原因究明のために、ユーザが行った操作を再現することができる故障解析支援装置がある。この故障解析支援装置は、ユーザの操作履歴および操作パネル上での表示等の履歴を記録し、発生した故障の原因究明時に、ユーザから入力された操作を記録に基づいて操作パネル上に自動的に再現する（たとえば特許文献２参照）。
【０００５】
第３の従来の技術として、プラントの運転制御操作を表示装置の画面上のタッチ操作によって実行するプラント制御監視装置がある。このプラント制御監視装置は、タッチ操作が行われた画面の種類、その画面のタッチ座標、時刻、および操作内容を保存し、行われた操作を画面上に再現可能とするものである（たとえば特許文献３参照）。
【０００６】
第４の従来の技術として、記録再生装置がある。この記録再生装置は、操作された内容を、その動作継続時間も含めてメモリに記憶することによって、エラー発生までの動作を、操作されたタイミングも含めて再現するものである（たとえば特許文献４参照）。
【０００７】
第５の従来の技術として、コンピュータシステム、特にアプリケーションの障害を解析することができる障害解析支援装置がある。この障害解析支援装置は、客先側のシステムで、アプリケーションの操作手順をログファイルとして記録し、記録されたログファイルに基づいて、開発側システムで操作手順を再現するものである。ログファイルに記録される情報は、画面データ、ユーザの操作、処理の履歴、および処理の時間である（たとえば特許文献５参照）。
【０００８】
【特許文献１】特開２００４−１１００９６号公報
【特許文献２】特開２００２−１５７１４７号公報
【特許文献３】特開平８−２０２４４０号公報
【特許文献４】特開平９−１３４２１４号公報
【特許文献５】特開２０００−１０８２９号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００９】
しかしながら、いずれの従来の技術も、不正操作が行われた可能性のあるときに、操作が行われたことを監視者に報知することができないという問題がある。さらに、操作者が操作する装置を監視する装置としては、たとえばＡＴＭを、ビデオカメラによって撮影し連続的に録画することができる装置、あるいは一定の時間間隔でカメラによって撮影し、静止画像を記憶する装置がある。しかし、いずれの装置も監視対象物の過不足たとえば金銭または物品の過不足が発生したことを監視者に報知することはできないという問題がある。
【００１０】
本発明の目的は、監視対象物の過不足が監視対象物を収容する装置で発生したことを報知することができる監視装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
本発明は、出し入れ可能な監視対象物を収納する収納手段と、
収納手段に収納されている監視対象物の数量を計数する計数手段と、
電源が投入されたことを検出する電源投入検出手段と、
数量情報を記憶する記憶手段と、
異常を報知する報知手段と、
収納手段への監視対象物の出し入れが行われた際に、収納手段に収納されている監視対象物の数量を計数手段によって計数させ、計数手段によって計数された数量を表す数量情報を記憶手段に記憶させ、
電源投入検出手段によって電源が投入されたことが検出されたとき、収納手段に収納されている監視対象物の数量を計数手段によって計数させ、電源投入検出時に計数された数量が、記憶手段に記憶される数量情報が示す数量に一致しない場合、監視対象物の数量が一致しないことを表す情報を報知手段によって報知させる制御手段とを含むことを特徴とする監視装置である。
【００１２】
本発明に従えば、収納手段によって、出し入れ可能な監視対象物が収納され、計数手段によって、収納手段に収納されている監視対象物の数量が計数され、電源投入検出手段によって、電源が投入されたことが検出され、記憶手段によって数量情報が記録され、報知手段によって異常が報知される。そして、制御手段によって、収納手段への監視対象物の出し入れが行われた際に、収納手段に収納されている監視対象物の数量が計数手段によって計数され、計数手段によって計数された数量を表す数量情報が記憶手段によって記憶される。
【００１３】
さらに、電源投入検出手段によって電源が投入されたことが検出されたとき、収納手段に収納されている監視対象物の数量が計数手段によって計数され、電源投入検出時に計数された数量が、記憶手段に記憶される数量情報が示す数量に一致しない場合、監視対象物の数量が一致しないことを表す情報が報知手段によって報知されるので、電源投入直後に監視対象物たとえば収納物品あるいは収納現金の過不足を検出したときに、警告音などによって報知することができる。
【００１４】
また本発明は、出し入れ可能な監視対象物を収納する収納手段と、
外部装置と通信を行う通信手段と、
収納手段に収納されている監視対象物の数量を計数する計数手段と、
通信手段での通信の障害を検出する通信障害検出手段と、
情報を記憶する記憶手段と、
情報を報知する報知手段と、
収納手段への監視対象物の出し入れが行われた際に、収納手段に収納されている監視対象物の数量を計数手段によって計数させ、計数手段によって計数された数量を表す数量情報を記憶手段に記憶させ、
通信手段での通信の障害が通信障害検出手段によって検出されたとき、収納手段に収納されている監視対象物の数量を計数手段によって計数された数量が、記憶手段に記憶される数量情報が示す数量に一致しない場合、監視対象物の数量が一致しないことを表す情報を報知手段によって報知させる制御手段とを含むことを特徴とする監視装置である。
【００１５】
本発明に従えば、収納手段によって、出し入れ可能な監視対象物が収納され、通信手段によって、外部装置との通信が行われ、計数手段によって、収納手段に収納されている監視対象物の数量が計数され、通信障害検出手段によって、通信手段での通信の障害が検出され、記憶手段によって情報が記録され、報知手段によって情報が報知される。そして、制御手段によって、収納手段への監視対象物の出し入れが行われた際に、収納手段に収納されている監視対象物の数量が計数手段によって計数され、計数手段によって計数された数量を表す数量情報が記憶手段によって記憶される。
【００１６】
さらに、通信手段での通信の障害が通信障害検出手段によって検出されたとき、収納手段に収納されている監視対象物の数量が計数手段によって計数された数量が、記憶手段に記憶される数量情報が示す数量に一致しない場合、監視対象物の数量が一致しないことを表す情報が報知手段によって報知されるので、通信障害発生直後に監視対象物たとえば収納物品あるいは収納現金の過不足を検出したときに、警告音などによって報知することができる。
【００１７】
また本発明は、日時を計時する計時手段をさらに含み、
前記制御手段は、計数手段によって計数された数量を表す数量情報を記憶手段に記憶させるとき、計時手段によって計時された日時を表す日時情報を数量情報に対応付けて記憶させることを特徴とする。
【００１８】
本発明に従えば、計時手段によって、日時が計時され、前記制御手段によって、計数手段によって計数された数量を表す数量情報を記憶手段に記憶させるとき、計時手段によって計時された日時を表す日時情報を数量情報に対応付けて記憶させるので、過不足が発生していない数量を記憶した日時を特定することができる。
【００１９】
また本発明は、前記収納手段の周囲を撮影する撮影手段をさらに含み、
前記制御手段は、監視対象物の数量が一致しない場合、撮影手段に収納手段の周囲を撮影させること特徴とする。
【００２０】
本発明に従えば、撮影手段によって、収納手段の周囲が撮影され、制御手段によって、監視対象物の数量が一致しない場合、撮影手段に収納手段の周囲を撮影させるので、監視対象物たとえば収納物品あるいは収納現金の過不足を検出したとき、収納手段たとえば自動販売機あるいは釣銭機の周囲を撮影することができる。
【００２１】
また本発明は、前記収納手段の周囲の音を録音する録音手段をさらに含み、
前記制御手段は、監視対象物の数量が一致しない場合、録音手段に収納手段の周囲の音を録音させること特徴とする。
【００２２】
本発明に従えば、録音手段によって、収納手段の周囲の音が録音され、制御手段によって、監視対象物の数量が一致しない場合、録音手段に収納手段の周囲の音を録音させるので、監視対象物たとえば収納物品あるいは収納現金の過不足を検出したとき、収納手段たとえば自動販売機あるいは釣銭機の周囲の音を録音することができる。
【発明の効果】
【００２３】
本発明によれば、電源投入直後に監視対象物たとえば収納物品あるいは収納現金の過不足を検出したときに、警告音などによって報知することができるので、物品あるいは現金の不正な抜き取りを抑止することができる。
【００２４】
また本発明によれば、通信障害発生直後に監視対象物たとえば収納物品あるいは収納現金の過不足を検出したときに、警告音などによって報知することができるので、物品あるいは現金の不正な抜き取りを抑止することができる。
【００２５】
また本発明によれば、過不足が発生していない数量を記憶した日時を特定することができるので、過不足が発生した日時を絞り込むことができる。
【００２６】
また本発明によれば、監視対象物たとえば収納物品あるいは収納現金の過不足を検出したとき、収納手段たとえば自動販売機あるいは釣銭機の周囲を撮影することができるので、不正操作発生時の状況証拠を収集することができる。
【００２７】
また本発明によれば、監視対象物たとえば収納物品あるいは収納現金の過不足を検出したとき、収納手段たとえば自動販売機あるいは釣銭機の周囲の音を録音することができるので、不正操作発生時の状況証拠を収集することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２８】
図１は、発明の実施の一形態である不正監視システム１の構成を示すブロック図である。監視装置である不正監視システム１は、監視端末装置２、店舗システム３、および記録・警告装置４を含む。監視端末装置（以下「監視端末」という）２は、たとえばパーソナルコンピュータによって構成され、店舗システム３に含まれる後述の外部機器３０を監視する装置である。店舗システム３は、ＬＡＮ（Local Area Network）５などのネットワークあるいは公衆回線によって監視端末２に接続される監視対象のシステムである。
【００２９】
記録・警告装置４は、監視端末２に接続され、店舗システム３に含まれる外部機器３０に関しての映像を撮影するカメラおよび音を録音するマイクロフォン（以下「マイク」という）、ならびに警告を報知するスピーカなどの記録機器および警告機器を含んで構成される。図１には、理解を容易にするために、店舗システム３および記録・警告装置４が１台ずつ接続された監視端末２を示しているが、監視端末２には店舗システム３および記録・警告装置４が複数台接続されてもよい。
【００３０】
店舗システム３は、ＰＯＳ（Point Of Sales）端末６およびＰＯＳ端末６に接続される外部機器３０を含む。ＰＯＳ端末６は、外部機器３０からのログ元データに基づいてログを生成し、生成したログを監視端末２に送信する。監視端末２は、ＰＯＳ端末６から受信したログに基づいて、外部機器３０に収納される監視対象物たとえば物品あるいは現金の過不足を監視する。そして、過不足を検出すると、記録・警告装置４によって、外部機器３０の周辺の映像の撮影および音の録音、ならびに警告の報知を行う。
【００３１】
まず、ログの生成、記録、および再生について、図２〜図３１によって説明し、その後、外部機器３０の監視について、図３２〜図４４によって説明する。
【００３２】
図２は、図１に示した不正監視システム１の基礎となるログ記録再生システム９の構成を模式的に示す図である。ログ記録再生システム９は、ターゲット機１０とサポート機２０とを含む。ターゲット機１０は、たとえば流通あるいはガソリンスタンドなどで用いられるＰＯＳ端末６によって構成され、入出力部１１およびログファイル部Ｔ１５を含む。サポート機２０は、たとえば監視端末２によって構成され、表示部Ｓ２５を含む。ターゲット機１０とサポート機２０とは、ネットワークたとえばＬＡＮ５あるいは公衆回線などによって接続される。図２には、１台のターゲット機１０しか記載していないが、複数台のターゲット機１０が接続される。
【００３３】
ターゲット機１０の入出力部１１は、たとえば操作者がターゲット機１０を操作するタッチパネルおよび操作者への情報を表示する液晶ディスプレイを含む。ログファイル部Ｔ１５は、たとえばハードディスク装置によって構成され、操作者が入出力部１１に対して行った操作などの履歴情報つまりログを記憶する。サポート機２０の表示部Ｓ２５は、たとえばサポート機２０の操作者への情報を表示する液晶ディスプレイによって構成される。
【００３４】
ターゲット機１０は、操作者が入出力部１１を操作すると、操作者が行った操作を表すログを生成し、生成したログをログファイル部Ｔ１５に記憶する。あるいは、生成したログを、ログファイル部Ｔ１５に記憶することなく、サポート機２０に送信する。サポート機２０は、ログファイル部Ｔ１５から読み出されて送信されるログ、あるいはログファイル部１５に記憶することなく送信されたログを受信すると、受信したログに基づいて、ターゲット機１０で行われた操作を解析し、解析結果を表示部Ｓ２５に表示する。表示部Ｓ２５には、たとえばターゲット機１０の入出力部１１のタッチパネルが画像として表示され、そのタッチパネルを操作する操作者の手が重畳して表示され、ターゲット機１０で行われた操作が表示部Ｓ２５上で再現される。
【００３５】
図３は、図２に示したターゲット機１０の外観を模式的に示す斜視図である。図３に示したターゲット機１０は、ガソリンスタンドに設置されるＰＯＳ端末６の例であり、従業員が操作を行い、ガソリンの給油指定あるいは決済に用いられる。図３に示したターゲット機１０は、情報入力のためのタッチパネル部１１１およびキー部１１２、情報表示のための表示部Ｔ１１３、プリンタ３１、および磁気カードリーダライタ３３を含む。プリンタ３１および磁気カードリーダライタ３３は、ターゲット機１０に組み込まれている必要はなく、外付けであってもよい。
【００３６】
図４は、図１に示した店舗システム３の構成の一例を示すブロック図である。図４に示した店舗システム３は、ターゲット機１０たとえばＰＯＳ端末６を含む。ターゲット機１０は、入出力部１１、ログ記録制御部１２、システムタイマ部１３、アプリケーション部１４、ログファイル部Ｔ１５、表示制御部１６、制御部１７、図示しないＣＰＵ（
Central Processing Unit）、および図示しないメモリを含む。ターゲット機１０には、外部機器３０、たとえばプリンタ３１、スキャナ３２、磁気カードリーダライタ３３、暗証番号入力装置３４、計量機３５、釣銭機３６、油面計３７、洗車機３８、および自動販売機３９が接続される。
【００３７】
入出力部１１は、ターゲット機１０に内蔵されるデバイスおよび外付けのデバイスとデータの送受信を行う通信手段であるタッチパネル部１１１、キー部１１２、表示部Ｔ１１３、ＬＡＮ通信部１１４、パラレル通信部１１５、シリアル通信部１１６、無線通信部１１７、およびＳＳ（Service Station）−ＬＡＮ通信部１１８を含む。内蔵されるデバイスは、たとえばタッチパネル部１１１、キー部１１２、および表示部Ｔ１１３であり、外付けのデバイスつまり外部機器３０は、たとえばプリンタ３１、スキャナ３２、磁気カードリーダライタ３３、暗証番号入力装置３４、計量機３５、釣銭機３６、油面計３７、洗車機３８、および自動販売機３９である。
【００３８】
タッチパネル部１１１は、操作者が画面にタッチすることによって情報を入力するタッチパネルである。キー部１１２は、操作者がキーを押下することによって情報を入力するキー入力装置である。表示部Ｔ１１３は、液晶ディスプレイなどの表示装置であり、情報を表示する。
【００３９】
ＬＡＮ通信部１１４は、ＬＡＮ５に接続される機器たとえばサポート機２０とデータを送受信する通信部である。パラレル通信部１１５は、パラレルインタフェースによってターゲット機１０に接続されるプリンタなどの装置と、パラレル通信によってデータを送受信する通信部である。シリアル通信部１１６は、シリアルインタフェースによってターゲット機１０に接続されるスキャナ３２、磁気カードリーダライタ３３、および自動販売機３９と、シリアル通信によってデータを送受信する通信部である。無線通信部１１７は、無線によってターゲット機１０に接続される暗証番号入力装置３４と、無線通信によってデータを送受信する通信部である。ＳＳ−ＬＡＮ通信部１１８は、ＳＳ−ＬＡＮによってターゲット機１０に接続される計量機３５、釣銭機３６、油面計３７、および洗車機３８とデータを送受信する通信部である。外部デバイスとの通信は有線でも無線でもかまわない。
【００４０】
ログ記録制御部１２は、ログ生成部１２１、文字列変換テーブル部Ｔ１２２、ログ記録部１２３、およびログ設定部１２４を含み、入出力部１１あるいは表示制御部１６からの情報に基づいて、ログを生成し記録する。ログ生成部１２１は、入出力部１１あるいは表示制御部１６からログ指示つまりログの生成指示を受け取ると、または入出力部１１にログ対象の動作が発生したか否かを監視し、ログ対象の動作が発生すると、ログ指示または発生したログ対象の動作に基づくログを生成する。ログ対象の動作は、たとえば操作者がターゲット機１０に取付けられたデバイスを直接指などで触ったり押したりしたことによってターゲット機１０上に入力が発生すること、各通信部と接続される外部デバイスとの通信が発生すること、通信路の状態が変わること、各部でエラーが発生することなどの動作である。文字列変換テーブル部Ｔ１２２は、たとえば図示しないメモリに含まれ、ログ生成部１２１がログを生成するために用いる後述する変換テーブルを記憶する。ログ記録部１２３は、ログ生成部１２１が生成したログを、ログファイル部Ｔ１５に記憶する。ログ設定部１２４は、たとえば図示しないメモリに含まれ、ログを生成するログ対象およびログを記憶させるログファイルの指定などが設定されている。
【００４１】
システムタイマ部１３は、ターゲット機１０の時刻を計時するタイマである。ログ生成部１２１は、ログを生成する際、システムタイマ部１３が示す時刻を参照して、時刻をログに残す。アプリケーション部１４は、ターゲット機１０の用途に応じた機能を実現する部位であり、画像データ部１４１およびアプリケーション制御部１４２を含む。画像データ部１４１は、たとえば図示しないメモリに含まれ、表示部Ｔ１１３に表示する画像イメージとその画像イメージを管理するための後述する画像管理テーブル５１を記憶する。アプリケーション制御部１４２は、ターゲット機１０の用途に応じて実行されるプログラムによって実現される機能である。
【００４２】
ログファイル部Ｔ１５は、たとえば図示しないメモリに含まれ、標準ログファイル１５１および指定ログファイル１５２を含む。ログファイルは、複数のログをまとめてファイル化したものである。１台のターゲット機１０が出力するログをログファイルに記録する場合、ログファイルは１つだけではなく複数のファイルに分割することが可能である。たとえば、入出力デバイス毎あるいは動作毎に分割することができる。図４に示した例では、まず、大きく２つのログファイル、つまり標準ログファイル１５１と指定ログファイル１５２とに分割している。標準ログファイル１５１は、要求のあったデバイス別にログを記憶するためのログファイルであり、指定ログファイル１５２は、デバイス共通にログを記憶するためのログファイルである。そして、標準ログファイル１５１の中は、デバイス別のログファイルに分割されている。さらに、ファイルの分割は、ログファイルのファイルサイズがシステム上の制限あるいは任意に指定した最大値まで達した場合にも行われる。
【００４３】
表示制御部１６は、表示部Ｔ１１３を制御する。たとえばアプリケーション制御部１４２から指示された画像イメージを表示部Ｔ１１３に表示する。制御部１７は、図示しないメモリによって記憶されるプログラムが、図示しないＣＰＵによって実行されることによって実現される機能であり、入出力部１１、ログ記録制御部１２、アプリケーション部１４、および表示制御部１６を制御する。入出力部１１、ログ記録制御部１２、アプリケーション部１４、および表示制御部１６も、図示しないメモリによって記憶されるプログラムが、図示しないＣＰＵによって実行されることによって実現される機能である。図示しないメモリは、たとえばＲＯＭ（Read Only Memory）あるいはＲＡＭ（Random Access
Memory）などの半導体メモリあるいはハードディスク装置によって構成される記憶装置である。
【００４４】
プリンタ３１は、たとえば印刷装置であり、スキャナ３２は、たとえば原稿読取装置あるいはバーコード読取装置であり、磁気カードリーダライタ３３は、磁気カードの読み込みおよび書き込みを行う装置であり、暗証番号入力装置３４は、暗証番号を入力するための入力装置である。計量機３５、釣銭機３６、油面計３７、および洗車機３８は、ガソリンスタンドで用いられる装置であり、計量機３５は、ポンプによる給油量を計量する装置であり、釣銭機３６は、釣銭を払い出す装置であり、油面計３７は、タンクに貯蔵されている油量を計量する装置であり、洗車機３８は、車の洗車を行う装置である。自動販売機３９は、販売目的の物品を収納し、ユーザの操作に従って物品の販売を行う装置である。
【００４５】
入出力部１１は、タッチパネル部１１１、キー部１１２、表示部Ｔ１１３、ＬＡＮ通信部１１４、パラレル通信部１１５、シリアル通信部１１６、無線通信部１１７、およびＳＳ−ＬＡＮ通信部１１８からのハードウェアまたはソフトウェアによる割込みによって処理を開始する。割込み要因に基づいて、ログの生成を指示するログ指示を作成し、作成したログ指示をログ生成部１２１に送る。
【００４６】
図５は、図４に示した画像データ部１４１が管理する画像管理テーブル５１の一例を示す図である。画像管理テーブル５１は、表示部Ｔ１１３に表示する表示画面を特定する表示画面番号ごとのデータを示すテーブルである。このデータは、表示部Ｔ１１３の画面全体に表示する画像そのもののデータ、表示部Ｔ１１３の画面の一部に表示する画像の、あるいは画像を生成するためのメタデータである。図５には、表示画面番号「０００１」について、データ「開始画像データ」が示され、表示画面番号「０００２」について、データ「業務画像１データ」が示され、表示画面番号「０００３」について、データ「業務画像２データ」が示されている。
【００４７】
アプリケーション制御部１４２は、表示制御部１６に対して表示画面番号を指示すると、表示制御部１６は、アプリケーション制御部１４２から指示された表示画面番号の画像を表示部Ｔ１１３に表示させる。そして、表示制御部１６は、指示された表示画面番号を示すログ指示を作成し、作成したログ指示をログ生成部１２１に送る。
【００４８】
ログ記録制御部１２は、入出力部１１内で、割り込み以外のログ対象の動作が発生しているか否かを監視する。ログ対象の動作が発生していると、そのログ対象の動作のログを生成し、生成したログをログファイル部Ｔ１５に記憶する。さらに、入出力部１１あるいは表示制御部１６から、ログ設定部１２４に設定されているログ対象のログ指示を受け取ると、ログ指示に基づくログを生成し、ログファイル部Ｔ１５に記憶する。ログファイル部Ｔ１５のうちの標準ログファイルに記憶するか指定ログファイルに記憶するか否かは、ログ設定部１２４の設定に基づいて判断される。
【００４９】
図６は、図４に示した入出力部１１または表示制御部１６からログ生成部１２１に通知されるログ指示例５２を示す図である。ログ指示は、基本的には、１行で１つのログ指示を示し、図６には、６つのログ指示が示されている。１つのログ指示は、カンマで区切られた複数の数値または文字列から構成される。最初の数値は、図７で後述する入出力部番号を示し、２番目の数値は、図８で後述する動作番号を示し、３番目以降の数値または文字列は、動作の詳細である。
【００５０】
たとえば、１行目のログ指示「１，１，１４２，２４４」は、入出力番号「１」つまりタッチパネル部１１１で、動作番号「１」の動作つまり「触れる」動作が発生し、動作詳細が「１４２，２４４」つまり触れた位置が座標（１４２，２４４）であったことを示している。２行目のログ指示は「１，２，１４５，２４２」であり、３行目のログ指示は「１１，１１，０１Ｆ４５ＣＣＤ４ＥＦ１０Ｅ０４２」であり、４行目のログ指示は「２１，３１，１３０」であり、５行目のログ指示は「１，１，５８２，２８９」であり、６行目のログ指示は「１，２，５７３，２９５」である。
【００５１】
図７は、図４に示した文字列変換テーブル部Ｔ１２２に記憶される入出力部名定義テーブル５３を示す図である。入出力部名定義テーブル５３は、入出力部を特定するための「入出力部番号」ごとに、対応する「入出力部名ログ文字列」を示すテーブルである。入出力部名定義テーブル５３の右側に備考として、それぞれの入出力部名を記載する。テーブルの入出力部名ログ文字列欄の文字列は任意に設定することができるので、入出力部名ログ文字列を、全く関係のない文字列に設定してもよい。
【００５２】
たとえば、入出力部番号「００１」は、入出力部名ログ文字列が「“ｏｐｅｒａｔｉｏｎ”」であり、備考が「タッチパネル」つまりタッチパネル部１１１であることを示している。同様に、入出力部番号に対する入出力部名ログ文字列および備考は、それぞれ「０１１」については、「“ｓｅｒｉａｌ１”」つまりシリアル通信部１であり、「０１２」については、「“ｓｅｒｉａｌ２”」つまりシリアル通信部２であり、「０１３」については、「“ｅｘｔｓｅｒｉａｌ”」つまりシリアル通信部３であり、「０２１」については、「“ｄｉｓｐｌａｙ”」つまり表示部であり、「０３１」については、「“ｓｓｌａｎ”」つまりＳＳ−ＬＡＮ通信部であり、「１００」については、「“ｃｏｒｅ”」つまりアプリケーションである。
【００５３】
「シリアル通信部１」、「シリアル通信部２」、および「シリアル通信部３」は、いずれもシリアル通信部１１６であり、同一デバイスで複数の入出力チャネルを利用している場合を示している。複数の入出力チャネルのそれぞれに入出力部番号を割り当てて区別している。
【００５４】
図８は、図４に示した文字列変換テーブル部Ｔ１２２に記憶される動作名定義テーブル５４を示す図である。動作名定義テーブル５４は、動作を特定するための「動作番号」ごとに、対応する「動作名ログ文字列」を示すテーブルである。動作名定義テーブル５４の右側に備考として、それぞれの動作名を記載している。テーブルの動作名ログ文字列欄の文字列は任意に設定することができるので、動作名ログ文字列を、全く関係のない文字列に設定してもよい。
【００５５】
たとえば、動作番号「０００」は、動作名ログ文字列が「“ｍｅｓｓａｇｅ” 」であり、情報であることを示している。同様に、動作番号に対する動作名ログ文字列および備考は、それぞれ「００１」については、「“ｐｒｅｓｓｅｄ” 」つまり触れるであり、「００２」については、「“ｒｅｌｅａｓｅｄ” 」つまり離すであり、「０１１」については、「“ｒｅａｄ” 」つまり入力であり、「０１２」については、「“ｗｒｉｔｅ” 」つまり出力であり、「０２１」については、「“ｅｒｒｏｒ” 」つまりエラーであり、「０３１」については、「“ｃｈａｎｇｅ” 」つまり画面変更である。
【００５６】
図９は、図４に示した文字列変換テーブル部Ｔ１２２に記憶される動作詳細作成ルールテーブル５５を示す図である。動作詳細作成ルールテーブル５５は、「入出力部」と「動作」との組合せごとに、「動作詳細のログ作成ルール」を示すテーブルである。動作詳細作成ルールテーブル５５の右側に「備考：意味」として、それぞれの組合せの意味が記載されている。
【００５７】
たとえば、入出力部「００１」と動作「００１」との組合せについては、タッチパネルに触れたことを意味し、動作詳細のログ作成ルールが「第３、第４引数を座標“ｘ＝％０４ｄ，ｙ＝％０４ｄ”形式にする」を行なったことを意味している。同様に、入出力部と動作との各組合せについての動作詳細のログ作成ルールおよび備考は、入出力部「００１」と動作「００２」との組合せについては、タッチパネルを離したことを意味し、「第３、第４引数を座標“ｘ＝％０４ｄ，ｙ＝％０４ｄ”形式にする」を行なった、入出力部「０１１」と動作「０１１」との組合せについては、シリアル通信部１で入力を意味し、「第３引数を１６進数にする」を行なった、入出力部「０１１」と動作「０１２」との組合せについては、シリアル通信部１で出力を意味し、「第３引数を１６進数にする」を行なった、入出力部「０１１」と動作「０２１」との組合せについては、シリアル通信部１でエラーを意味し、「第３引数を１０進数にする」を行なった、入出力部「０２１」と動作「０３１」との組合せについては、表示部で画面変化を意味し、「第３引数を“ｄｉｓｐｌａｙ＝％０４ｄ”形式にする」を行なった、入出力部「０３１」と動作「０１１」との組合せについては、ＳＳ−ＬＡＮ通信部で入力を意味し、「第３引数を１６進数にする」を行なった、入出力部「０３１」と動作「０１２」との組合せについては、ＳＳ−ＬＡＮ通信部で出力を意味し、「第３引数を１６進数にする」を行なった、入出力部「１００」と動作「０００」との組合せについては、アプリケーション情報を意味し、「第３引数を文字のまま出力する」を行なったである。
【００５８】
ログ生成部１２１は、入出力部１１あるいは表示制御部１６から、ログ設定部１２４に設定されているログ対象のログ指示を受け取ると、まず、システムタイマ部１３から日時を取得し、日時を表す日時ログ文字列を生成する。次に、受け取ったログ指示の１番目の数値に基づいて、図７に示した入出力部名定義テーブル５３から入出力部名ログ文字列、そして２番目の数値に基づいて、図８に示した動作名定義テーブル５４から動作名ログ文字列を取得する。さらに、受け取ったログ指示の１番目の数値、２番目の数値、および３番目以降の数値または文字列に基づいて、図９に示した動作詳細作成ルールテーブル５５
の動作詳細のログ作成ルールによって、動作の詳細を表す動作詳細ログを作成する。取得した日時ログ文字列、入出力部名ログ文字列、および動作名ログ文字列、ならびに作成した動作詳細ログを合成して、ログ指示に対応するログを生成する。生成したログは、ログファイル部Ｔ１５に記憶する。
【００５９】
たとえば、操作者がタッチパネルに触れたことを示すログを生成する場合、指示ログは、図６に示した指示ログ例５２の１行目の指示ログ「１，１，１４２，２４４」である。第１引数「１」が示す入出力部「タッチパネル」を表す番号「００１」と、第２引数「１」が示す動作「触れる」を表す番号「００１」との組合せについて、図９に示した動作詳細作成ルールテーブル５５を参照すると、動作詳細のログ作成ルール「第３、第４引数を座標“ｘ＝％０４ｄ，ｙ＝％０４ｄ”形式にする」が得られる。ここで「％０４ｄ」とは、４桁の１０進数を示し、Ｃ言語を使用するプログラムにおいて文字出力に関する標準的な出力形式を示す一例である。日時を２００６年５月１８日１５時１５分０１．１２０秒とすると、第３引数「１４２」および第４引数「２４４」から、ログは、「２００６／０５／１８，１５：０５：０１．１２０，“ｏｐｅｒａｔｉｏｎ”，“ｐｒｅｓｓｅｄ”，“ｘ＝０１４２，ｙ＝０２４４”」となる。
【００６０】
図１０は、図４に示したログファイル部Ｔ１５に記憶されたログ例５６を示す図である。ログ例５６は、基本的には、１行で１つのログつまりターゲット機１０上での１動作についてのログを示し、図１０には、６つのログが示されている。１つのログは、カンマで区切られた複数の数値または文字列から構成される。最初の数値または文字列は、ログ対象の動作があった日時、２番目の数値または文字列は、入出力部名、３番目の数値または文字列は、動作名、４番目の数値または文字列は、各動作の内容を詳細に示す動作詳細である。図１０に示した例では、４つの項目を例示したが、これら以外に、ログには関連するプログラム名、ユーザ名、ログの文字数、あるいはマシン名などターゲット機１０に関連する情報、および使用状況あるいは場所を特定する情報などを含めてもよい。さらに、１つのログの情報量が多くなる場合、２行以上にログを分割してもよい。
【００６１】
図１０には、図６に示した指示ログ例５２に対応するログ例５６が示されている。１行目には、「２００６／０５／１８，１５：０５：０１．１２０，“ｏｐｅｒａｔｉｏｎ”，“ｐｒｅｓｓｅｄ”，“ｘ＝０１４２，ｙ＝０２４４”」と示され、２行目には、「２００６／０５／１８，１５：０５：０１．５４１，“ｏｐｅｒａｔｉｏｎ”，“ｒｅｌｅａｓｅｄ”，“ｘ＝０１４５，ｙ＝０２４２”」と示され、３行目には、「２００６／０５／１８，１５：０５：０２．９５１，“ｓｅｒｉａｌ１”，“ｒｅａｄ”，“０１Ｆ４５ＣＣＤ４ＥＦ１０Ｅ０４２”」と示され、４行目には、「２００６／０５／１８，１５：０５：０４．０９２，“ｄｉｓｐｌａｙ”，“ｃｈａｎｇｅ”，“ｄｉｓｐｌａｙ＝０１３０”」と示され、５行目には、「２００６／０５／１８，１５：０５：０８．７３５，“ｏｐｅｒａｔｉｏｎ”，“ｐｒｅｓｓｅｄ”，“ｘ＝０５８２，ｙ＝０２８９”」と示され、６行目には、「２００６／０５／１８，１５：０５：０９．０８９，“ｏｐｅｒａｔｉｏｎ”，“ｒｅｌｅａｓｅｄ”，“ｘ＝０５７３，ｙ＝０２９５”」と示されている。
【００６２】
図１０に示した例では、ログに日時を特定する情報を含んでいる例を示したが、ログに日時を特定するための情報を含まない場合、ログファイル部Ｔ１５のログファイルにログを記録する際、ログが生成された順またはログ対象の動作が発生した順に記憶する。ログに日時を特定するための情報を含む場合は順不同でもよい。
【００６３】
図１１は、図４に示したアプリケーション部１４がログ指示作成のために用いるログ事象変換テーブル５７を示す図である。ログ事象変換テーブル５７は、アプリケーション制御部１４２において発生した「事象」ごとに、対応する「ログ文字列」を示すテーブルである。ログ文字列欄には、事象に合わせて任意のログ文字列を設定することができる。したがって、アプリケーションについては、入出力部１１とは独立したログとして、つまりアプリケーションのみの情報をログとして記録することができる。
【００６４】
図１１には、事象「プログラムＡの開始」について、ログ文字列「“プログラムＡ開始”」が示され、事象「プログラムＡの終了」について、ログ文字列「“プログラムＡ終了（終了コード＝％０３ｄ）”」が示され、事象「操作する従業員の指定」について、ログ文字列「“従業員コード＝％０６ｄ”」が示され、事象「精算処理の開始」について、ログ文字列「“精算処理開始”」が示されている。
【００６５】
図１２は、図４に示したアプリケーション部１４からログ生成部１２１に通知するログ指示例５８およびそれに基づくログ例５９を示す図である。たとえば、ターゲット機１０が複数の従業員で構成される飲食店で使用する端末である場合、端末の操作者を特定するために、アプリケーションは、従業員情報たとえば従業員コードを用いて従業員を管理する。タッチパネルの操作は、端末を使用する従業員が関連する動作であり、タッチパネルで行われた入出力操作と従業員情報とを関連付けてログに記録しておきたいケースが発生する。ログ記録制御部１２がこの従業員情報に関知する構成となっていない場合、ログに記録するため、アプリケーション制御部１４２は、アプリケーションにのみ存在する情報、たとえば従業員情報を、任意の文字列として、ログ指示でログ生成部１２１に指示する。
【００６６】
ログ指示例５８に示した個々のログ指示は、図６に示した例と同様に、カンマで区切られた複数の数値または文字列から構成される。最初の数値は、図７に示した入出力部番号を示し、２番目の数値は、図８に示した動作番号を示し、３番目以降の数値または文字列は、動作の詳細である。動作の詳細は、図１１に示した事象に対応する情報である。たとえば、１行目のログ指示「１００，０，“プログラムＡ開始”」は、入出力番号「１００」つまりアプリケーションで、動作番号「０」の動作つまり「情報」を生成し、動作詳細が「プログラムＡ開始」つまりプログラムＡが開始されたことを示している。２行目のログ指示は「１００，０，“従業員コード＝％０６ｄ”，１３８」であり、３行目のログ指示は「１００，０，“プログラムＡ終了（終了コード＝％０３ｄ）”，０」である。
【００６７】
ログ例５９に示した個々のログは、それぞれログ指示例５８に示したログ指示に対応するログであり、図１０に示した例と同様に、カンマで区切られた複数の数値または文字列から構成される。最初の数値または文字列は、ログ対象の動作があった日時、２番目の数値または文字列は、入出力部名、３番目の数値または文字列は、動作名、４番目の数値または文字列は、各動作の内容を詳細に示す動作詳細である。たとえば、１行目には、「２００６／０５／２６，１０：１３：５９．０２２，“ｃｏｒｅ”，“ｍｅｓｓａｇｅ”，“プログラムＡ開始”」と示され、２行目には、「２００６／０５／２６，１０：１４：２１．９２４，“ｃｏｒｅ”，“ｍｅｓｓａｇｅ”，“従業員コード＝０００１３８”」と示され、３行目には、「２００６／０５／２６，１０：２０：１１．３１１，“ｃｏｒｅ”，“ｍｅｓｓａｇｅ”，“プログラムＡ終了（終了コード＝０００）”」と示されている。
【００６８】
図１３は、図２に示したサポート機２０の構成の一例を示すブロック図である。サポート機２０は、ログ読取部２１、バッファ部２２、ログ解析部２３、画面イメージファイルＤＢ（database）２４、表示部Ｓ２５、操作部２６、文字列変換テーブル部Ｓ２７、ログ再生制御部２８、図示しないＣＰＵ、および図示しないメモリを含む。サポート機２０は、ＬＡＮ５を介して、ターゲット機１０に接続される。
【００６９】
ログ読取部２１は、ターゲット機１０に含まれるログファイル部Ｔ１５からログを読み取る。バッファ部２２は、ログ読取部２１に読み取られたログを記憶する。ログ解析部２３は、ログの解析を行う。画面イメージファイルＤＢ（以下「画面イメージファイルデータベース」ともいう）２４は、ログを記録したターゲット機１０の表示画面と同じまたは同等の複数の画面の画像イメージ（以下「画面イメージ」ともいう）およびその画像イメージを管理するための後述する画面テーブルを記憶する。表示部Ｓ２５は、たとえば液晶ディスプレイなどで構成され、画像を表示する。操作部２６は、たとえばキーボードあるいはマウスなどよって構成され、ログ再生および表示内容について指示を入力するための入力装置である。文字列変換テーブル部Ｓ２７は、たとえば図示しないメモリに含まれ、ログ文字列から動作を特定するためにログ解析部２３によって参照される後述する変換テーブルを記憶する。
【００７０】
ログ再生制御部２８は、図示しないメモリによって記憶されるプログラムが、図示しないＣＰＵによって実行されることによって実現される機能であり、ログ読取部２１、バッファ部２２、ログ解析部２３、画面イメージファイルＤＢ２４、表示部Ｓ２５、および操作部２６を制御する。ログ解析部２３も、図示しないメモリによって記憶されるプログラムが、図示しないＣＰＵによって実行されることによって実現される機能である。図示しないメモリは、たとえばＲＯＭあるいはＲＡＭなどの半導体メモリあるいはハードディスク装置によって構成される記憶装置である。バッファ部２２および画面イメージファイルＤＢ２４は、図示しないメモリに含まれる。
【００７１】
図１４は、図１３に示した表示部Ｓ２５に表示される再生画面７０を示す図である。再生画面７０は、画面表示部７１、キー操作表示部７２、入出力表示部７３、および再生ポインタ７４を含む。画面表示部７１は、ターゲット機１０の表示部Ｔ１１３に表示される画像と同じ画像を表示する領域である。キー操作表示部７２は、ターゲット機１０のキー部１１２を表す画像を表示する領域である。入出力表示部７３は、ターゲット機１０の入出力部１１に入出力された情報のうちタッチパネル部１１１およびキー部１１２によって入力された情報を除く入出力情報、たとえば入出力部１１に含まれる各通信部によって入出力された情報を表示するための領域である。再生ポインタ７４は、すべてのログを再生する場合、現在再生しているログの相対位置を示すポインタである。
【００７２】
ログ再生制御部２８は、ログ再生を行う際、ターゲット機１０上の表示部Ｔ１１３に表示されていた画面を、画面表示部７１に表示する。ターゲット機１０上でタッチパネルあるいはマウスによって座標指定が行なわれた場合、指定された座標位置を指、矢印、あるいは記号などのポインタによって特定する。ターゲット機１０のキー部１１２で入力されたキーが操作された場合、入力値がポインタによって特定されるようにキー操作表示部７２に表示する。さらに、ターゲット機１０の入出力部１１に含まれる各通信部で通信された情報を、入出力表示部７３に文字列化して表示する。
【００７３】
図１５は、図１３に示したログ再生制御部２８で用いられる検索方法定義テーブル６０を示す図である。検索方法定義テーブル６０は、指定された再生条件に基づいて、ログの検索方法を決定するためのテーブルであり、「再生条件指定」ごとに「検索方法」が示されている。図１５には、再生条件指定「再生開始日時の指定」について、検索方法「ログ行の日時と指定日時の比較」が示され、再生条件指定「特定従業員の指定」について、検索方法「"従業員コード＝"文字列との一致を検索」が示され、再生条件指定「外部デバイスの特定通信内容」について、検索方法「入出力部ログ文字列と動作詳細文字列との一致を検索」が示されている。
【００７４】
操作者が操作部２６からログの再生を指示すると、ログ再生制御部２８は、表示部Ｓ２５に再生させるログのログファイル名を選択させる画面を、表示部Ｓ２５に表示する。操作部２６によってログファイル名が選択されると、選択されたログファイルを、ログ読取部２１によって、ターゲット機１０に含まれるログファイル部Ｔ１５からバッファ部２２に読み込む。選択されたログファイルが複数である場合、選択された全ログファイルをバッファ部２２に読み込み、日時によってログをソートする。
【００７５】
次に、ログ再生制御部２８は、再生条件を入力させる画面を、表示部Ｓ２５に表示する。再生条件には、図１５に示した再生条件があり、たとえばログの開始から終了までのうちの任意の日時のログを再生するという条件、あるいはログ中で指定の文字列と一致するログを再生するという条件を指定することができる。再生条件が指定されると、指定された再生条件を満たすログを検索する。
【００７６】
ログ再生制御部２８は、ログ解析部２３によって、検索した各ログについて、ログが示す動作がどのようなものであったかを解析する。ログの示す動作が画面表示に関係するものである場合、画面イメージファイルＤＢ２４から、ログに含まれる画面表示についての情報が示す画面イメージを取得し、取得した画面イメージを画面表示部７１に表示する。操作が伴っていれば、表示されている画面イメージに重畳して、その操作の操作位置を示すための指などのポインタを表示する。ログ再生制御部２８は、検索したログを時系列に順次再生する。
【００７７】
ユーザは、操作部２６によって、順次再生されているログを任意の時点で停止することができ、さらに停止時点から再開することができる。１つのログを表示してから次のログを表示する時間を、ログの日時に基づいて調整することによって、実時間での動作として再現することができる。その時間を短くすることによって高速再生、あるいはその時間を長くすることによってスロー再生も可能である。
【００７８】
図１６は、図１３に示した画面イメージファイルＤＢ２４に記憶される画面テーブル６１の一例を示す図である。画面テーブル６１は、画面を特定するための情報である画面情報と、画面イメージを格納するファイルを特定するための画面イメージファイル名とを対にして構成したテーブルであり、ログに基づいて、ログ記録時に表示されていた画面を特定して、再生イメージを生成するために使用される。画面イメージファイル名は、予め画面イメージ毎に定められたファイルの名称であり、画面イメージファイル名が示すファイルに、ターゲット機１０上で表示される画面と同じまたは同等の画面の画像イメージが記録される。
【００７９】
図１６に示した画面情報を、図５に示した画像管理テーブル５１における表示画像番号と同じ画像番号にすることによって、ログ記録時の表示画面とログ再生時の表示画面とを一致させることができる。ログに含まれる画面表示についての情報は、ログが記録された時点でターゲット機１０の画面に表示されていた画面イメージを導き出せる一意の情報であり、画面テーブル６１における画面情報のいずれかの画面情報を特定している。ログが記録された時点でターゲット機１０の画面に表示されていた画面イメージを収めたファイルのファイル名、またはそのイメージを特定することができるなんらかの情報を収めたファイルのファイル名が、画面テーブル６１の画面イメージファイル名に示されている。したがって、特定された画面情報に対応する画面イメージファイル名の画面イメージを、画面イメージファイルＤＢ２４から読み出して、表示部Ｓ２５に表示すれば、ログが記録された時点でターゲット機１０の画面に表示されていた画面イメージを再生することができる。
【００８０】
画面イメージファイル名の画面イメージのイメージ形式は、たとえばＰＮＧ（Portable
Network Graphics）形式、ＧＩＦ（Graphic Interchange Format）形式、あるいはＪＰＥＧ（Joint Photographic Experts Group）形式など様々なフォーマットを利用することができる。
【００８１】
図１６には、画面情報「画面０００１」の画面イメージファイルとして「０００１．ＰＮＧ」が示され、画面情報「画面０００２」の画面イメージファイルとして「０００２．ＧＩＦ」が示され、画面情報「画面０００３」の画面イメージファイルとして「０００３．ＪＰＧ」が示されている。
【００８２】
図１７は、図１４に示した画面表示部７１に表示される再生画面７０の生成手順の一例を模式的に示す図である。ログ再生制御部２８は、図１６に示した画面テーブル６１を使用して、ターゲット機１０からバッファ部２２に読み込んだログファイルのログから、ログが記録された際に表示されていたターゲット機１０上の画面を導き出す。
【００８３】
図１７には、ログファイル１５ａ、画面イメージファイルデータベース２４ａ、および再生イメージ７０ａ、および再生イメージ７０ｂが示されている。ログファイル１５ａには、２つのログ「 ２００６／０５／２２，１４：４９：４２．７８９，“ｄｉｓｐｌａｙ”，“ｃｈａｎｇｅ”，“ｄｉｓｐｌａｙ＝画面０００１”」および「２００６／０５／２２，１４：５３：０２．０２４，“ｄｉｓｐｌａｙ”，“ｃｈａｎｇｅ”，“ｄｉｓｐｌａｙ＝画面０００２”」が記録されている。画面イメージファイルデータベース２４ａには、画面テーブル６１、画面イメージ「０００１．ＰＮＧ」、画面イメージ「０００２．ＧＩＦ」、および画面イメージ「０００３．ＪＰＧ」が記憶されている。
【００８４】
ログ再生制御部２８は、たとえばバッファ部２２に読み込んだログファイル１５ａの最初のログを、ログ解析部２３によって解析すると、「２００６年５月２２日１４時４９分４２．７８９秒」に「画面０００１」を表示したことが判明する。画面情報「画面０００１」をキーとして、画面イメージファイルデータベース２４ａで検索を行い、関連する画面イメージファイル名「０００１．ＰＮＧ」を得る。すなわち、当該ログ記録時にターゲット機１０上で表示された画面はファイル「０００１．ＰＮＧ」の画像イメージであることが導かれる。ログ再生制御部２８は、画面イメージファイル名「０００１．ＰＮＧ」の画像イメージを、画面イメージファイルデータベース２４ａから取得し、再生イメージ７０ａとして表示部Ｓ２５に表示する。同様に、２つ目のログについて、再生イメージ７０ｂを表示部Ｓ２５に表示する。
【００８５】
再生イメージ７０ａは、「２００６年５月２２日１４時４９分４２．７８９秒」にターゲット機１０の表示部Ｔ１１３に表示された画像イメージ「画面０００１」であり、再生イメージ７０ｂは、「２００６年５月２２日１４時５３分０２．０２４秒」にターゲット機１０の表示部Ｔ１１３に表示された画像イメージ「画面０００２」である。
【００８６】
図１８は、図１３に示した画面イメージファイルＤＢ２４に記憶される他の画面テーブル６２の例を示す図である。画面テーブル６２は、画面のうち背景を特定するための情報、または部品となるウィンドウを特定するための情報によって定義される画面情報と、画面イメージを格納するファイルを特定するための画面イメージファイル名とを対にして構成したテーブルであり、図１６に示した画面テーブル６１と同様に、ログからログ記録時に表示されていた画面を特定して、再生イメージを生成するために使用される。画面イメージファイル名は、予め画面イメージ毎に定められたファイルの名称であり、画面イメージファイル名が示すファイルに、ターゲット機１０上で表示される画面の背景またはウィンドウ・ボタン・テキストなどの部品と同じまたは同等の画像イメージが記録される。
【００８７】
図１８には、画面情報「背景０００１」の画面イメージファイルとして「Ｂ０００１．ＰＮＧ」が示され、画面情報「背景０００２」の画面イメージファイルとして「Ｂ０００２．ＰＮＧ」が示され、画面情報「背景０００３」の画面イメージファイルとして「Ｂ０００３．ＰＮＧ」が示され、画面情報「ウィンドウ０００１」の画面イメージファイルとして「Ｗ０００１．ＰＮＧ」が示され、画面情報「ウィンドウ０００２」の画面イメージファイルとして「Ｗ０００２．ＰＮＧ」が示されている。
【００８８】
画面テーブル６２が、図１６に示した画面テーブル６１と異なる点は、画面テーブル６２のイメージファイル名が指すイメージファイルは、画面に表示される画像イメージ全体のうち一部を示す構成要素となっているところである。再生イメージの生成は、背景として使用される画像イメージと背景の前方に表示するウィンドウの画像イメージとを組み合わせて生成される。すなわち、ログに記録される複数の画面情報から得られる複数の画像イメージが重畳されたものである。したがって、画像イメージを共通に利用することができるので、画面イメージファイルデータベース２４に記憶する画像イメージの数の削減あるいは各データのデータサイズを減少させることができる。
【００８９】
図１９は、図１４に示した画面表示部７１に表示される再生画面の生成手順の他の例を模式的に示す図である。ログ再生制御部２８は、図１８に示した画面テーブル６２を使用して、ターゲット機１０からバッファ部２２に読み込んだログファイルのログから、ログが記録された際に表示されていたターゲット機１０上の画面を導き出す。
【００９０】
図１９には、ログファイル１５ｂ、画面イメージファイルデータベース２４ｂ、および再生イメージ７０ｃ、および再生イメージ７０ｄが示されている。ログファイル１５ｂには、２つのログ「２００６／０５／２２，１４：４９：４２．７８９， “ｄｉｓｐｌａｙ”，“ｄｉｓｐｌａｙ＝背景０００１，ウィンドウ０００１（ｘ＝０１３２，ｙ＝００２４”」および「２００６／０５／２２，１４：５３：０２．０２４， “ｄｉｓｐｌａｙ”，“ｄｉｓｐｌａｙ＝背景０００１，ウィンドウ０００２（ｘ＝０１３２，ｙ＝００２４”」が記録されている。画面イメージファイルデータベース２４ｂには、画面テーブル６２、画面イメージ「Ｂ０００１．ＰＮＧ」、画面イメージ「Ｗ０００１．ＰＮＧ」、および画面イメージ「Ｗ０００２．ＰＮＧ」が記憶されている。
【００９１】
ログ再生制御部２８は、たとえばバッファ部２２に読み込んだログファイル１５ｂの最初のログを、ログ解析部２３によって解析すると、「２００６年５月２２日１４時４９分４２．７８９秒」に「背景０００１」と「ウィンドウ０００１」とを表示したことがわかる。画面情報「背景０００１」をキーとして、画面イメージファイルデータベース２４ｂで検索を行い、関連する画面イメージファイル名「Ｂ０００１．ＰＮＧ」を得る。同様に、画面情報「ウィンドウ０００１」をキーとして検索し、画面イメージファイル名「Ｗ０００１．ＰＮＧ」を得る。ログ再生制御部２８は、画面イメージファイル名「Ｂ０００１．ＰＮＧ」の画像イメージと、画面イメージファイル名「Ｗ０００１．ＰＮＧ」の画像イメージとを、画面イメージファイルデータベース２４ｂから取得し、２つの画像イメージを重畳して、再生イメージ７０ｃとして表示部Ｓ２５に表示し、該ログ記録時にターゲット機上で表示された画面を再生する。同様に、２つ目のログについて、再生イメージ７０ｄを表示部Ｓ２５に表示する。
【００９２】
再生イメージ７０ｃは、「２００６年５月２２日１４時４９分４２．７８９秒」にターゲット機１０の表示部Ｔ１１３に表示された画像イメージ「背景０００１」および「ウィンドウ０００１」であり、再生イメージ７０ｄは、「２００６年５月２２日１４時５３分０２．０２４秒」にターゲット機１０の表示部Ｔ１１３に表示された画像イメージ「背景０００１」および「ウィンドウ０００２」である。
【００９３】
図２０は、図１３に示した文字列変換テーブル部Ｓ２７に記憶される入出力部特定テーブル６３を示す図である。入出力部特定テーブル６３は、「入出力部名ログ文字列」に対応する「入出力部番号」を示すテーブルである。入出力部特定テーブル６３の右側に備考として、それぞれの入出力部名を記載する。入出力部特定テーブル６３は、ログ解析部２３が解析を行う際に用いるテーブルであり、図７に示した入出力部名定義テーブル５３による変換と逆の変換を行うためのテーブルである。
【００９４】
図２０には、「タッチパネル」を意味する、入出力部名ログ文字列「“ｏｐｅｒａｔｉｏｎ”」に対して、入出力部番号「００１」、「シリアル通信部１」を意味する、入出力部名ログ文字列「“ｓｅｒｉａｌ１”」に対して、入出力部番号「０１１」、「シリアル通信部２」を意味する、入出力部名ログ文字列「“ｓｅｒｉａｌ２”」に対して、入出力部番号「０１２」、「シリアル通信部３」を意味する、入出力部名ログ文字列「“ｅｘｔｓｅｒｉａｌ”」に対して、入出力部番号「０１３」、「表示部」を意味する、入出力部名ログ文字列「“ｄｉｓｐｌａｙ”」に対して、入出力部番号「０２１」、「ＳＳ−ＬＡＮ通信部」を意味する、入出力部名ログ文字列「“ｓｓｌａｎ”」に対して、入出力部番号「０３１」、「アプリケーション」を意味する、入出力部名ログ文字列「“ｃｏｒｅ”」に対して、入出力部番号「１００」が示されている。
【００９５】
図２１は、図１３に示した文字列変換テーブル部Ｓ２７に記憶される動作特定テーブル６４を示す図である。動作特定テーブル６４は、「動作名ログ文字列」に対応する「動作番号」を示すテーブルである。動作特定テーブル６４の右側に備考として、それぞれの動作名を記載する。動作特定テーブル６４は、図８に示した動作名定義テーブル５４による変換と逆の変換を行うためのテーブルである。
【００９６】
図２１には、「情報」を意味する、動作名ログ文字列「“ｍｅｓｓａｇｅ”」に対して、動作番号「０００」、「触れる」を意味する、動作名ログ文字列「“ｐｒｅｓｓｅｄ”」に対して、動作番号「００１」、「離す」を意味する、動作名ログ文字列「“ｒｅｌｅａｓｅｄ”」に対して、動作番号「００２」、「入力」を意味する、動作名ログ文字列「“ｒｅａｄ”」に対して、動作番号「０１１」、「出力」を意味する、動作名ログ文字列「“ｗｒｉｔｅ”」に対して、動作番号「０１２」、「エラー」を意味する、動作名ログ文字列「“ｅｒｒｏｒ”」に対して、動作番号「０２１」、「画面変更」を意味する、動作名ログ文字列「“ｃｈａｎｇｅ”」に対して、動作番号「０３１」が示されている。
【００９７】
図２２は、図１３に示した文字列変換テーブル部Ｓ２７に記憶される動作解析テーブル６５を示す図である。動作解析テーブル６５は、「入出力部」と「動作」との組合せごとに、「動作詳細ログの意味」を示すテーブルであり、ログに動作詳細文字列として記録されたものから、各入出力部でどのような動作が行われたかを特定するために用いられる。動作解析テーブル６５の右側に備考として、それぞれのログの意味を記載している。動作解析テーブル６５は、ログ解析部２３が解析を行う際に用いるテーブルであり、図９に示した動作詳細作成ルールテーブル５５で行われた変換と逆の変換を行うためのものである。
【００９８】
図２２には、入出力部「００１」と動作「００１」との組合せについては、「タッチパネル座標（Ｘ，Ｙ）に触れた」を意味し、動作詳細ログの意味が「“ｘ＝％０４ｄ，ｙ＝％０４ｄ”形式で数値は座標Ｘ、Ｙ」である。同様に、入出力部と動作との各組合せについての動作詳細ログの意味は、入出力部「００１」と動作「００２」との組合せについては、「タッチパネル座標（Ｘ，Ｙ）で離した」を意味し、動作詳細は「“ｘ＝％０４ｄ，ｙ＝％０４ｄ”形式で数値は座標Ｘ、Ｙ」であり、入出力部「０１１」と動作「０１１」との組合せについては、「シリアル通信部１において外部機器との通信で入力があった」を意味し、動作詳細は「１６進数形式で通信内容」であり、入出力部「０１１」と動作「０１２」との組合せについては、「シリアル通信部１において外部機器に通信で出力した」を意味し、動作詳細は「１６進数形式で通信内容」であり、入出力部「０１１」と動作「０２１」との組合せについては、「シリアル通信部１においてエラー発生」を意味し、動作詳細は「１０進数形式でエラーコード」であり、入出力部「０２１」と動作「０３１」との組合せについては、「表示部で画面を表示した」を意味し、動作詳細は「“ｄｉｓｐｌａｙ＝％０４ｄ”形式で数値は画面番号Ｄ」であり、入出力部「０３１」と動作「０１１」との組合せについては、「ＳＳ−ＬＡＮ通信部において外部機器との通信で入力があった」を意味し、動作詳細は「１６進数形式で通信内容」であり、入出力部「０３１」と動作「０１２」との組合せについては、「ＳＳ−ＬＡＮ通信部において外部機器に通信で出力した」を意味し、動作詳細は「１６進数形式で通信内容」であり、入出力部「１００」と動作「０００」との組合せについては、「アプリケーション情報」を意味し、動作詳細は「文字のまま出力する」である。
【００９９】
ログ解析部２３は、ログの入出力名に対応する入出力部番号を図２０に示した入出力部特定テーブル６３から抽出し、ログの動作名に対応する動作番号を図２１に示した動作特定テーブル６４から抽出し、さらに抽出した入出力部番号および動作番号の組合せに対応する動作を図２１に示した動作解析テーブル６５によって特定する。
【０１００】
ログ再生制御部２８は、ターゲット機１０の入出力部１１に含まれる各通信部で通信された情報の場合、ログの動作詳細に示された情報を、入出力表示部７３に文字列化して表示する。画面の表示が行われたログである場合、図１７または図１９に示したように、ログの動作詳細に対応する画面番号を画面イメージファイルＤＢ２４から取得し、取得した表示画面を表示部Ｓ２５に再生表示する。
【０１０１】
さらに、タッチパネル部１１１またはキー部１１２に対する操作のログの場合、ログの動作詳細が示す位置をポインタによって特定して示すことによって、表示部Ｓ２５に表示された画面イメージの中の操作ボタンまたはキーのうち、操作された操作ボタンまたはキーを示すことができる。１つの操作を行った後次の操作を行う場合、１つの操作の位置と次の操作の位置とを結ぶ経路上に、ポインタの残像を１つの操作の位置から次の操作の位置まで順次移動させて表示することによって、ポインタの移動の追尾を可能にする。
【０１０２】
図２３は、図１に示した不正監視システム１の基礎となるログ記録再生システム９の他の構成を模式的に示す図である。図２３に示したログ記録再生システム９は、ログファイルをターゲット機外の記憶装置に記憶するものであり、ＬＡＮ５でそれぞれ接続されるターゲット機１０ａ、サポート機２０、およびネットワークディスク４０を含む。サポート機２０は、図４に示したサポート機２０と同じであり、図示していない。ターゲット機１０ａは、図４に示したターゲット機１０のログファイル部Ｔ１５をなくしたものである。ログ送信部１８は、図４に示したＬＡＮ通信部１１４と同じであり、ログ生成部１２１で生成されたログを、ＬＡＮ５などのネットワークあるいは公衆回線に接続されているネットワークディスク４０に送信する。
【０１０３】
ネットワークディスク４０は、ＬＡＮ５に接続され、ログファイル部Ｎ４１およびログ通信部Ｎ４２を含む。ログファイル部Ｎ４１は、たとえばハードディスク装置などの記憶装置によって構成され、ログ通信部Ｎ４２がターゲット機１０ａから受信したログを記憶する。ログ通信部Ｎ４２は、ＬＡＮ５に接続される他の機器たとえばターゲット機１０ａおよびサポート機２０と、データを送受信する通信部である。これによって、ターゲット機１０ａ内部に記憶領域を設けなくても、ログ記録を行うことができる。
【０１０４】
図２４は、図１に示した不正監視システム１の基礎となるログ記録再生システム９のさらに他の構成を模式的に示す図である。図２４に示したログ記録再生システム９は、ログファイルをなくしたシステムであり、ＬＡＮ５によってそれぞれ接続されるターゲット機１０ｂおよびサポート機２０ａを含む。ターゲット機１０ｂは、図２３に示したターゲット機１０ａと同じであり説明は省略する。サポート機２０ａは、図２５で詳述するが、図１３に示したサポート機２０のログ読取部２１およびバッファ部２２の代わりにログ受信部Ｓ２９を設けたものである。ターゲット機１０ｂは、生成したログを記憶することなく、ログ送信部１８によってサポート機２０ａに送信する。
【０１０５】
図２５は、図２４に示したサポート機２０ａの構成の一例を示すブロック図である。図１３に示したサポート機２０のログ読取部２１およびバッファ部２２の代わりにログ受信部Ｓ２９を設けたものである。サポート機２０ａのログ受信部Ｓ２９は、ターゲット機１０ｂから送信されたログを受信し、ログ解析部２３に送る。ログ解析部２３は、ログ受信部Ｓ２９から受け取ったログを解析し、解析結果をログ再生制御部２８に送る。ログ再生制御部２８は、ログ解析部２３から受け取った解析結果に基づいて表示を行う。すなわち、ログ表示システム３は、ターゲット機１０ｂで行われた操作を、リアルタイムでサポート機２０ａの表示部Ｓ２５に表示することができる。したがって、ターゲット機１０ｂと離れた場所で、ターゲット機１０ｂでの動作を監視することができる。ログを監視する用途に使用することが簡単になる。
【０１０６】
図２６は、図４に示した入出力部１１の入出力ログ指示作成処理のフローチャートである。入出力部１１がログ指示に関する処理を行うとき、ステップＡ１に移る。ステップＡ１では、ハードウェアまたはソフトウェア割込みを待つ。ステップＡ２では、割込みがあったか否かを判定する。割込みがあると、ステップＡ３に進み、割込みがないと、ステップＡ１に戻る。ステップＡ３では、割込みについて処理を行う。ステップＡ４では、割込みを発生した処理内容に基づいてログ指示を作成する。ステップＡ５では、ログ指示をログ生成部１２１に通知して終了する。
【０１０７】
図２７は、図４に示したアプリケーション部１４のログ指示作成処理のフローチャートである。アプリケーション部１４が、表示部Ｔ１１３の画面に表示を行うとき、ステップＢ１に移る。画面表示を行うには、表示制御部１６に対して表示画像番号を通知することによって、表示する画面を指定する。この指定は、ターゲット機１０上で動作する任意のアプリケーションによって行われる。
【０１０８】
ステップＢ１では、表示画像番号を基に画像データ部１４１から、図５に示した画像管理テーブル５１によって特定される画像データを取得する。ステップＢ２では、表示部Ｔ１１３に合わせて画像データを調整する。調整とは、画像は、全体または一部であり、表示部Ｔ１１３の表示能力に合わせて、画像を拡大、縮小、あるいは重ね合せることである。ステップＢ３では、調整した画像データを表示部Ｔ１１３に表示する。ステップＢ４では、表示画像番号に基づいてログ指示を作成する。ステップＢ５では、生成したログ指示をログ生成部１２１へ通知して終了する。
【０１０９】
図２８は、図４に示したログ記録制御部１２のログ監視処理のフローチャートである。ログ記録制御部１２は、入出力部１１内の各部を監視し、ログ対象の動作のログを生成するために、ステップＣ１に移る。
【０１１０】
ステップＣ１では、ログ設定部１２４からログ設定を取得する。ログ設定には、ログの対象、たとえば入出力部１１に関する動作全て、あるいはエラーが設定されており、ログ設定にログ対象を設定しておくことによって、ログ対象の動作を選択することができる。ステップＣ２では、入出力部１１の動作を確認する。すなわち、入出力部１１内の各部の動作を監視する。ステップＣ３では、ログ対象動作があったか否かを判定する。ログ対象動作があると、ステップＣ４に進み、ログ対象動作がないと、ステップＣ２に戻る。
【０１１１】
ステップＣ４では、ログ対象の動作について、ログを生成する。ステップＣ５では、ログ設定に記録先ログファイルの指定があるか否かを判定する。指定があると、ステップＣ７に進み、指定がないと、ステップＣ６に進む。ステップＣ６では、生成したログを標準ログファイル１５１に記録して終了する。ステップＣ７では、生成したログを指定ログファイル１５２に記録して終了する。
【０１１２】
図２９は、図４に示したログ記録制御部１２のログ記録処理のフローチャートである。入出力部１１または表示制御部１６からのログ指示を監視するとき、ステップＤ１に移る。
【０１１３】
ステップＤ１では、ログ指示を待つ。ステップＤ２では、ログ指示があったか否かを判定する。ログ指示があると、ステップＤ３に進み、ログ指示がないと、ステップＤ１に戻る。ステップＤ３では、ログ設定部１２４からログ設定を取得する。ステップＤ４では、ログ指示がログ対象のログ指示か否かを判定する。ログ対象であると、ステップＤ５に進み、ログ対象でないと、ステップＤ１に戻る。
【０１１４】
ステップＤ５では、検出したログ対象の動作について、ログを生成する。ステップＤ６では、ログ設定に記録先ログファイルの指定があるか否かを判定する。指定があると、ステップＤ８に進み、指定がないと、ステップＤ７に進む。ステップＣ７では、生成したログを標準ログファイル１５１に記録して終了する。ステップＣ８では、生成したログを指定ログファイル１５２に記録して終了する。
【０１１５】
図２８と図２９とに示した両フローチャートは、ともにログ記録制御部１２による処理であるが、別々のタスクで動作する。しかし、各フローチャートの開始を他のフローチャートの終了に繋げて１つのタスクとして連続して動作してもよい。
【０１１６】
図３０は、図４に示したログ生成部１２１のログ生成処理のフローチャートである。
図２８に示したステップＣ４または図２９に示したステップＤ５でログを生成する際に、呼び出され、ステップＥ１に移る。したがって、ログ対象のログ指示またはログ対象の動作が特定された状態で処理が開始される。
【０１１７】
ステップＥ１では、システムタイマ部１３から現在の日時を取得する。日時は、必ずしもシステムタイマ部１３による日時である必要はなく、ログの対象となる動作が発生した日時を特定することができる何らかの一意な日時を使用してもよい。一意な日時とは、たとえばターゲット機１０が動作を開始してからの経過時間、同一ネットワーク上のサーバ機の時計による日時あるいはそのサーバの稼動時間である。
【０１１８】
ステップＥ２では、取得した日時から日時ログ文字列を作成する。ステップＥ３では、図７に示した入出力部名定義テーブル５３を参照して、入出力部番号に対応する入出力部ログ文字列を取得する。ステップＥ４では、図８に示した動作名定義テーブル５４を参照して、動作番号に対応する動作ログ文字列を取得する。ステップＥ５では、図９に示した動作詳細作成ルールテーブル５５を参照して、入出力部番号と動作番号との組合せに対応する動作詳細ログ文字列の作成ルールつまり動作詳細のログ作成ルールを取得する。
【０１１９】
ステップＥ６では、取得した動作詳細のログ作成ルールに基づき、動作詳細のログ文字列を作成する。ステップＥ７では、ステップＥ２で作成した日時ログ文字列、ステップＥ３で取得した入出力部ログ文字列、ステップＥ４で取得した動作ログ文字列、およびステップＥ６で作成した動作詳細ログ文字列を結合してログを生成し、終了する。
【０１２０】
図３１は、図１３に示したログ再生制御部２８のログ再生処理のフローチャートである。たとえば操作部２６によって、ログの再生を行う機能が選択されると、ステップＦ１に移る。
【０１２１】
ステップＦ１では、表示部Ｓ２５に、再生するログファイル名を選択させるためのログファイル名選択画面を表示する。ステップＦ２では、操作部２６によってログファイル名が選択されるのを待つ。ステップＦ１に移る前に、たとえばログの再生を行う機能が選択される前に、再生するログファイルが指定されていれば、ステップＦ１およびステップＦ２をスキップしてもよい。
【０１２２】
ステップＦ３では、複数のログファイルが選択されたか否かを判定する。複数のログファイルが選択されると、ステップＦ１９に進み、１つのログファイルが選択されると、ステップＦ４に進む。ステップＦ４では、選択されたログファイルをバッファ部２２に読み込む。ステップＦ５では、バッファ部２２から、ログの記録が開始された日時と終了した日時つまり最後に記録された日時とを取得する。バッファ部２２内のログは、日時順にソートされているので、それぞれ先頭行の日時と最終行の日時とを取得する。
【０１２３】
ステップＦ６では、再生条件を入力させるための再生条件入力画面を表示する。再生条件は、たとえばログの開始から終了までのうちの入力された日時のログを再生するという条件、あるいは入力された文字列と一致するまたは含むログを再生するという条件である。ステップＦ７では、再生条件の指定があるか否かを判定する。再生条件の指定があると、ステップＦ８に進み、再生条件の指定がないと、ステップＦ２０に進む。ステップＦ８では、バッファ部２２内のログから指定された再生条件に合致するログを検索し、バッファ部２２の先頭のログを第１行としたとき、検索されたログの行番号の値から「１」引いた値をカウンタ「ｎ」に代入する。
【０１２４】
ステップＦ９では、カウンタ「ｎ」に「１」を加え、ポインタを次の行に進める。ステップＦ１０では、バッファ部２２から「ｎ」行目のログを１行分読取る。ステップＦ１１では、読み取ったログをログ解析部２３で解析する。解析によって、ログが示す動作がどのようなものであったかを明らかにする。ステップＦ１２では、再生に別の行のログが必要であるか否かを判定する。１つの動作が２行以上のログに分割記録されていることがあるので、別の行が必要であるか否かを判定する。ログが不足すると再生することができないケースがある。別の行のログが必要であると、ステップＦ９に戻り、別の行のログが必要でないと、ステップＦ１３に進む。
【０１２５】
ステップＦ１３では、画面表示のログか否か、つまりログの示す動作が画面表示に関係するものである否かを判定する。画面表示のログの場合、ステップＦ１４に進み、画面表示のログでない場合、ステップＦ１５に進む。ステップＦ１４では、ログに画面イメージについての情報が含まれているので、その情報が示す画面イメージを画面イメージファイルＤＢ２４から取得する。ステップＦ１５では、取得した画面イメージとログが示す動作とから表示する再生画面イメージを生成する。ステップＦ１６では、生成した再生画面イメージを表示部Ｓ２５に表示する。
【０１２６】
ステップＦ１７では、バッファ部２２内のログを全て読み取ったか否かを判定する。ログを全て読み取っていない場合、ステップＦ１８に進み、ログを全て読み取った場合、終了する。終了と同時に開始に戻り、ログファイル選択画面の表示を行うこともできる。ステップＦ１８では、ウェイトｗ秒待ち、ステップＦ９に戻る。ステップＦ１９では、選択された全ログファイルをバッファ部２２に読み込み、ログ各行の日時をキーとしてログをソートし、ステップＦ５に進む。ステップＦ２０では、カウンタ「ｎ」に「０」を代入して、ステップＦ９に進む。
【０１２７】
図３１に示した処理は、操作部２６による操作によって任意の場面で終了することができ、さらに一時的に停止および一時停止からの再実行を行うことができる。さらに、ログファイルの選択とともに、ログファイル内のログをファイルサイズ、行数、またはログに記録された日時によって指定することができ、ログファイルからのログの読み取りを、ログファイル中の任意のログから開始することも可能である。
【０１２８】
再生速度については、図３１に示した各ステップ間、ループ中、あるいはジャンプ前後に、操作部２６によって指定した任意時間または一定時間、たとえばウェイトｗ秒を挿入することも可能であり、これによって再生速度の調整を行うことができる。ウェイトに使用する時間ｗを、ログに記録された日時に基づいて設定することによって、ログの実時間再生も可能である。ｗの値は、フローチャートの処理を開始する時に、またはステップＦ９からステップＦ１８のループ処理中に、操作部２６によって任意に変更することができる。
【０１２９】
図３２は、図１に示した監視端末２と記録・警告装置４とが関係する部分の構成を示すブロック図である。不正監視システム１は、リアルタイムで店舗システム３を監視するため、ログ記録再生システム９の構成のうち、図２４に示した構成をとる。リアルタイムが要求されない場合は、図４あるいは図２３の構成のようにログファイルに記録し、それを読み出してもよい。
【０１３０】
監視端末２は、ログ監視制御部２００、ＬＡＮ通信部２１０、監視端末システムタイマ２１１、アドレス情報ファイル２１２、警告音声ファイル２１３、撮影画像ファイル２１４、および録音音声ファイル２１５を含む。ログ監視制御部２００は、ログ解析部２０１、機器制御部２０２、および記録部２０３を含み、ログを解析することによって、図示しない外部機器３０における物品あるいは現金の過不足を検出し、過不足を検出すると、記録・警告機器４を制御する。
【０１３１】
ログ解析部２０１は、ＬＡＮ通信部２１０がＬＡＮ５を介して図示しないＰＯＳ端末６から受信するログを解析し、外部機器３０における物品あるいは現金の過不足を検出する。外部機器３０における物品あるいは現金の過不足を検出すると、機器制御部２０２に記録および警告の制御を指示する。機器制御部２０２に記録および警告の制御を指示する際、検出した日時を監視端末システムタイマ２１１から取得し、ログから得た監視対象機器番号および監視端末システムタイマ２１１から取得した日時を機器制御部２０２に知らせる。監視対象機器番号は、監視対象機器である店舗システム３を識別するために、店舗システム３ごとに付与される番号である。
【０１３２】
機器制御部２０２は、ログ解析部２０１から記録および警告の制御の指示を受けると、記録および警告を指示すべき外部機器３０を、知らされた監視対象機器番号から、アドレス情報ファイル２１２に記憶される情報たとえば後述するアドレス情報テーブル６６に基づいて特定し、特定した外部機器３０に対応する記録・警告機器４に記録および警告を指示する。警告を指示する際、警告音声ファイル２１３から警告のための警告音情報を読み出して、特定された外部機器３０に対応する記録・警告機器４に送信する。そして、ログ解析部２０１から知らされた日時は、記録部２０３に知らせる。記録部２０３は、記録・警告機器４から受信した情報を記憶する。記録・警告機器４から受信した情報のうち、画像情報は撮影画像ファイル２１４に記憶し、音情報は録音音声ファイル２１５に記憶する。画像情報あるいは音情報を記憶する際、機器制御部２０２から知らされた日時とともに対応付けて記憶する。
【０１３３】
アドレス情報ファイル２１２、警告音声ファイル２１３、撮影画像ファイル２１４、および録音音声ファイル２１５は、図１３に示したサポート機２０たとえば監視端末２の図示しないメモリたとえば磁気ディスク装置など不揮発性の記憶装置に記憶されるファイルである。アドレス情報ファイル２１２は、図３５で後述するアドレス情報テーブル６６を記憶する。警告音声ファイル２１３は、外部機器３０のスピーカ４０３から出力するための音を表す音情報を記憶する。撮影画像ファイル２１４は、外部機器３０のカメラ４０１で撮影された画像を表す画像情報を記憶するためのファイルである。録音音声ファイル２１５は、外部機器３０のマイク４０２で収集された音を表す音情報を記憶するためのファイルである。
【０１３４】
記録・警告装置４は、カメラ４０１、マイク４０２、およびスピーカ４０３を含む。カメラ４０１は、監視装置２からの指示によって、監視対象機器である外部機器３０の周辺つまり外部機器３０を操作する人がいる範囲を撮影し、撮影した画像を表す画像情報を監視装置２に送信する。マイク４０２は、監視装置２からの指示によって、監視対象機器である外部機器３０の周辺つまり外部機器３０を操作する人の会話および外部機器３０で生じる音などの音情報を収集し、収集した音情報を監視装置２に送信する。スピーカ４０３は、監視装置２から受信する警告音情報を出力し、不正な操作が行われたことを報知する。
【０１３５】
図３３は、図４に示した釣銭機３６の構成を示すブロック図である。釣銭機３６は、釣銭機通信制御部３６１、入出金制御部３６２、釣銭機システムタイマ３６３、現金保管庫３６４、現金収受部３６５、釣銭機取引メモリ３６６、釣銭機異常時メモリ３６７、および釣銭機起動時メモリ３６８を含む。釣銭機通信制御部３６１は、ＰＯＳ端末６と通信を行い、送受信する情報を入出金制御部３６２と受け渡しする。
【０１３６】
入出金制御部３６２は、釣銭機３６に対する取引の操作が行われると、現金収受部３６５に現金の収受を指示し、現金の収受が行われた後の現金保管庫３６４に保管される現金の残高を確認し、取引が行われた日時を釣銭機システムタイマ３６３から取得する。確認した残高と、釣銭機システムタイマ３６３から取得した日時とをログ元データとして、釣銭機通信制御部３６１によって、ＰＯＳ端末６に送信する。そして、確認した残高は、釣銭機取引メモリ３６６に記憶する。さらに、釣銭機３６の電源が投入されたとき、およびＰＯＳ端末６との通信で障害を検出したとき、現金保管庫３６４に保管される現金の残高および日時を、ログ元データとして、釣銭機通信制御部３６１によって、ＰＯＳ端末６に送信する。
【０１３７】
釣銭機システムタイマ３６３は、日時を計時し、計時された日時は、入出金制御部３６２によって参照される。釣銭機取引メモリ３６６は、取引後の残高を記憶するためのメモリである。釣銭機異常時メモリ３６７は、通信に障害が検出されたときの現金の残高および日時を記憶するためのメモリである。釣銭機起動時メモリ３６８は、電源が投入された直後の現金の残高および日時を記憶するためのメモリである。
【０１３８】
図３４は、図４に示した自動販売機３９の構成を示すブロック図である。自動販売機３９は、自販機通信制御部３９１、入出庫制御部３９２、自販機システムタイマ３９３、物品保管庫３９４、物品収受部３９５、自販機取引メモリ３９６、自販機異常時メモリ３９７、および自販機起動時メモリ３９８を含む。自販機通信制御部３６１は、ＰＯＳ端末６と通信を行い、送受信する情報を入出庫制御部３６２と受け渡しする。
【０１３９】
入出庫制御部３９２は、自動販売機３９に対する取引の操作が行われると、物品収受部３９５に物品の収受を指示し、物品の収受が行われた後の物品保管庫３９４に保管される物品の残高を確認し、取引が行われた日時を自販機システムタイマ３９３から取得する。確認した残高と、自販機システムタイマ３９３から取得した日時とをログ元データとして、自販機通信制御部３９１によって、ＰＯＳ端末６に送信する。そして、確認した残高は、自販機取引メモリ３９６に記憶する。さらに、自動販売機３９の電源が投入されたとき、およびＰＯＳ端末６との通信で障害を検出したとき、物品保管庫３９４に保管される物品の残高および日時を、ログ元データとして、自販機通信制御部３９１によって、ＰＯＳ端末６に送信する。
【０１４０】
自販機システムタイマ３９３は、日時を計時し、計時された日時は、入出庫制御部３９２によって参照される。自販機取引メモリ３９６は、取引後の残高を記憶するためのメモリである。自販機異常時メモリ３９７は、通信に障害が検出されたときの物品の残高および日時を記憶するためのメモリである。自販機起動時メモリ３９８は、電源が投入された直後の物品の残高および日時を記憶するためのメモリである。
【０１４１】
図３５は、図３２に示したアドレス情報ファイル２１２に記憶されるアドレス情報テーブル６６を示す図である。アドレス情報テーブル６６は、監視対象機器番号６６１、カメラの機器アドレス６６２、マイクの機器アドレス６６３、スピーカの機器アドレス６６４、およびウェイトタイマ６６５の項目を含む。監視対象機器番号６６１は、監視対象機器である店舗システム３を識別するための番号である。カメラの機器アドレス６６２は、監視対象機器である店舗システム３に含まれるカメラ４０１を識別するための識別情報である。マイクの機器アドレス６６３は、監視対象機器である店舗システム３に含まれるマイク４０２を識別するための識別情報である。スピーカの機器アドレス６６４は、監視対象機器である店舗システム３に含まれるスピーカ４０３を識別するための識別情報である。ウェイトタイマ６６５は、マイク４０２が録音する時間を示す。
【０１４２】
図３５に示したアドレス情報テーブル６６には、監視対象機器番号６６１「Ｃａｓｈｅｒ１」について、カメラの機器アドレス「ｃａｍｅｒａ１（Ａｄｒ１）」、マイクの機器アドレス「ｍｉｋｅ１（Ａｄｒ２）」、スピーカの機器アドレス「ｓｐｅａｋｅｒ１（Ａｄｒ３）」、およびウェイトタイマ「ｗａｉｔ１０」が示され、監視対象機器番号６６１「Ｖｅｎｄｅｒ１」について、カメラの機器アドレス「ｃａｍｅｒａ２（Ａｄｒ４）」、マイクの機器アドレス「ｍｉｋｅ２（Ａｄｒ５）」、スピーカの機器アドレス「ｓｐｅａｋｅｒ２（Ａｄｒ６）」、およびウェイトタイマ「ｗａｉｔ１０」が示されている。
【０１４３】
図３６は、図１に示した外部機器３０の取引発生時処理のフローチャートである。外部機器３０たとえば釣銭機３６または自動販売機３９において、取り引きが行われると、ステップＧ１に移る。ステップＧ１では、現金または物品が投入されたか否かを判定する。現金または物品が投入されると、ステップＧ２に進み、現金または物品が投入されないと、ステップＧ３に進む。ステップＧ２では、投入された現金の額または物品の数を取引メモリの残高または数量へ加算する。たとえば釣銭機３６の場合、釣銭機取引メモリ３６６に記憶される残高へ加算し、自動販売機３９の場合、自販機取引メモリ３９６に記憶される数量へ加算する。ステップＧ３では、現金または物品が払い出されたか否かを判定する。現金または物品が払い出されると、ステップＧ４に進み、現金または物品が払い出されないと、ステップＧ５に進む。ステップＧ４では、払い出された現金の額または物品の数量を取引メモリの残高または数量から減算する。
【０１４４】
ステップＧ５では、投入または払い出しが発生したか否かを判定する。投入または払い出しが発生すると、ステップＧ６に進み、投入または払い出しが発生していないと、取引発生時処理を終了する。ステップＧ６では、システムタイマから日時を取得する。ステップＧ７では、取引メモリの残高または数量と日時とをログ元データとしてＰＯＳ端末６に送信して、取引発生時処理を終了する。
【０１４５】
図３７は、図１に示した外部機器３０の電源投入時処理のフローチャートである。外部機器３０に電源が投入されると、ステップＨ１に移る。ステップＨ１では、起動時メモリはクリア済か否かを判定する。すなわち、ＰＯＳ端末６に送信していないログ元データが起動時メモリに記憶されているか否かを判定する。起動時メモリがクリア済であると、ステップＨ２に進み、起動時メモリがクリア済でないと、ステップＨ５に進む。
【０１４６】
ステップＨ２では、現金残高または物品収納数量の計数を行う。ステップＨ３では、システムタイマから日時を取得する。ステップＨ４では、計数結果および日時を起動時メモリへ保存つまり記憶する。ステップＨ５では、起動時の残高または数量を日時とともにログ元データとしてＰＯＳ端末６に送信する。ステップＨ６では、通信がＯＫか否かを判定する。通信がＯＫでないと、電源投入時処理を終了し、通信がＯＫであると、ステップＨ７に進む。ステップＨ７では、起動時メモリの残高または数量をクリアして電源投入時処理を終了する。
【０１４７】
図３８は、図１に示した外部機器３０の通信エラー処理のフローチャートである。ＰＯＳ端末６との通信を行うと、ステップＪ１に移る。ステップＪ１では、通信エラーつまり通信障害があったか否かを判定する。通信エラーがあると、ステップＪ２へ進み、通信エラーがないと、通信エラー処理を終了する。
【０１４８】
ステップＪ２では、異常時メモリはクリア済か否かを判定する。すなわち、ＰＯＳ端末６に送信していないログ元データが異常時メモリに記憶されているか否かを判定する。異常時メモリがクリア済であると、ステップＪ３に進み、異常時メモリがクリア済でないと、ステップＪ６に進む。ステップＪ３では、現金残高または物品収納数量の計数を行う。ステップＪ４では、システムタイマから日時を取得する。ステップＪ５では、計数結果および日時を起動時メモリへ保持つまり記憶する。
【０１４９】
ステップＪ６では、異常時の残高または数量を日時とともにログ元データとしてＰＯＳ端末６に送信する。ステップＪ７では、通信がＯＫか否かを判定する。通信がＯＫでないと、通信エラー処理を終了し、通信がＯＫであると、ステップＪ８に進む。ステップＪ８では、異常時メモリの残高または数量をクリアして通信エラー処理を終了する。
【０１５０】
図３９は、図１に示したＰＯＳ端末６のログ生成処理のフローチャートである。外部機器３０からログ元データの送信があると、ステップＫ１に移る。ステップＫ１では、外部機器３０からログ元データを受信する。ステップＫ２では、ログ元データに基づいてログを生成する。ステップＫ３では、生成したログを監視端末２に送信して、ログ生成処理を終了する。リアルタイムでない場合は、ステップＫ３では、生成したログを標準ログファイル１５１などに記憶して、ログ生成処理を終了する。
【０１５１】
図４０は、図１に示した監視端末２の不正監視処理のフローチャートである。不正監視処理を行うために定期的にたとえば１秒ごとに、ステップＬ１に移る。ステップＬ１では、変数Ｎ１〜Ｎ３をクリアする。ステップＬ２では、ＰＯＳ端末６からログを受信する。ステップＬ３では、ログ終了か否かを判定する。ログが受信されないと、ログ終了であると判定し、不正監視処理を終了し、ログを受信すると、ログ終了でないと判定し、ステップＬ４に進む。
【０１５２】
ステップＬ４では、受信したログが外部機器３０のうち釣銭機３６または自動販売機３９のログか否かを判定する。釣銭機３６または自動販売機３９のログであると、ステップＬ５に進み、釣銭機３６および自動販売機３９のいずれのログでもないと、ステップＬ２に戻る。ステップＬ５では、取引のログか否かを判定する。取引のログであると、ステップＬ１４に進み、取引のログでないと、ステップＬ６に進む。ステップＬ６では、通信エラーのログか否かを判定する。通信エラーのログであると、ステップＬ７に進み、通信エラーのログでないと、ステップＬ１０に進む。
【０１５３】
ステップＬ７では、残高または数量、および外部機器アドレスを変数Ｎ２へセーブする。ステップＬ８では、変数Ｎ１と変数Ｎ２とが一致するか否かを判定する。一致すると、ステップＬ２へ戻り、一致しないと、ステップＬ９へ進む。ステップＬ９では、不正警告処理を行う。ステップＬ１０では、電源ＯＮのログか否かを判定する。電源ＯＮのログであると、ステップＬ１１に進み、電源ＯＮのログでないと、ステップＬ２に戻る。ステップＬ１１では、残高または数量、および外部機器アドレスを変数Ｎ３へセーブする。ステップＬ１２では、変数Ｎ１と変数Ｎ３とが一致するか否かを判定する。一致すると、ステップＬ２へ戻り、一致しないと、ステップＬ１３へ進む。ステップＬ１３では、不正警告処理を行って、ステップＬ２に戻る。ステップＬ１４では、残高または数量、および外部機器アドレスを変数Ｎ１へセーブして、ステップＬ２へ戻る。
【０１５４】
図４１は、図４０に示した不正監視処理から呼び出される不正警告処理のフローチャートである。図４０に示したステップＬ９またはステップＬ１３から呼び出されるとステップＭ１に移る。ステップＭ１では、アドレス情報ファイル２１２に記憶されるアドレス情報テーブル６６から警告機器の機器アドレスとウェイトタイマとを取得する。ステップＭ２では、該当機器アドレスのカメラ４０１に撮影命令を送信する。ステップＭ３では、該当機器アドレスのマイク４０２に録音命令を送信する。ステップＭ４では、警告音声ファイル２１３から音声ファイルを読み出す。ステップＭ５では、該当機器アドレスのスピーカ４０３に、読み出した音声ファイルを送出する。
【０１５５】
ステップＭ６では、ウェイトｗ秒たとえば１０秒待つ。ウェイトｗ秒は、アドレス情報ファイル２１２に記憶されるアドレス情報テーブル６６から取得したウェイトタイマが示す時間である。ステップＭ７では、カメラ４０１から撮影画像ファイルを受信したか否かを判定する。撮影画像ファイルを受信すると、ステップＭ９に進み、撮影画像ファイルを受信しないと、ステップＭ８に進む。ステップＭ８では、マイク４０２から録音音声ファイルを受信したか否かを判定する。録音音声ファイルを受信すると、ステップＭ１１に進み、録音音声ファイルを受信しないと、不正警告処理を終了する。
【０１５６】
ステップＭ９では、システムタイマを取得する。ステップＭ１０では、受信した撮影画像ファイルを撮影画像ファイル２１４に保存つまり記憶し、ステップＭ８に進む。ステップＭ１１では、システムタイマを取得する。ステップＭ１２では、受信した録音音声ファイルを録音音声ファイル２１５に保存つまり記憶し、不正警告処理を終了する。
【０１５７】
図４２は、図３２に示したカメラ４０１の画像撮影処理のフローチャートである。撮影が可能になると、ステップＮ１に移る。ステップＮ１では、監視端末２から撮影命令を受信したか否かを判定する。撮影命令を受信すると、ステップＮ２に進み、撮影命令を受信しないと、ステップＮ１に戻る。ステップＮ２では、外部機器の周辺を撮影する。ステップＮ３では、撮影した画像の画像ファイルを監視端末２に送信して、画像撮影処理を終了する。
【０１５８】
図４３は、図３２に示したマイク４０２の音声録音処理のフローチャートである。録音が可能になると、ステップＰ１に移る。ステップＰ１では、監視端末２から録音命令を受信したか否かを判定する。録音命令を受信すると、ステップＰ２に進み、録音命令を受信しないと、ステップＰ１に戻る。ステップＰ２では、外部機器の周囲の音の録音を開始する。ステップＰ３では、１０秒待つ。ステップＰ４では、録音を終了する。ステップＰ５では、録音した音の録音ファイルを監視端末２に送信して、音声録音処理を終了する。
【０１５９】
図４４は、図３２に示したスピーカ４０３の警告音声再生処理のフローチャートである。出力が可能になると、ステップＱ１に移る。ステップＱ１では、監視端末２から再生命令を受信したか否かを判定する。再生命令を受信すると、ステップＱ２に進み、再生命令を受信しないと、ステップＱ１に戻る。ステップＱ２では、音声を再生して出力し、警告音声再生処理を終了する。
【０１６０】
このように、収納手段である釣銭機３６または自動販売機３９によって、出し入れ可能な監視対象物である現金または物品が収納され、計数手段である入出金制御部３６２または入手庫制御部３９２によって、収納手段に収納されている監視対象物の数量が計数され、電源投入検出手段である入出金制御部３６２または入出庫制御部３９２によって、電源が投入されたことが検出され、記憶手段である釣銭機取引メモリ３６６または自販機取引メモリ３９６によって数量情報が記録され、報知手段であるスピーカ４０３によって異常が報知される。そして、制御手段である入出金制御部３６２または入出庫制御部３９２、および監視端末２によって、収納手段への監視対象物の出し入れが行われた際に収納手段に収納されている監視対象物の数量が計数手段によって計数され、計数手段によって計数された数量を表す数量情報が記憶手段によって記憶される。さらに、電源投入検出手段によって電源が投入されたことが検出されたとき、収納手段に収納されている監視対象物の数量が計数手段によって計数され、電源投入検出時に計数された数量が、記憶手段に記憶される数量情報が示す数量に一致しない場合、監視対象物の数量が一致しないことを表す情報が報知手段によって報知されるので、電源投入直後に監視対象物たとえば収納物品あるいは収納現金の過不足を検出したときに、警告音などによって報知することができる。したがって、物品あるいは現金の不正の抜き取りを抑止することができる。
【０１６１】
さらに、収納手段である釣銭機３６または自動販売機３９によって、出し入れ可能な監視対象物である現金または物品が収納され、計数手段である入出金制御部３６２または入手庫制御部３９２によって、収納手段に収納されている監視対象物の数量が計数され、通信障害検出手段である釣銭機通信制御部３６１または自販機通信制御部３９１によって、外部装置と通信を行う通信部である釣銭機通信制御部３６１または自販機通信制御部３９１での通信の障害が検出され、記憶手段である釣銭機取引メモリ３６６または自販機取引メモリ３９６によって情報が記録され、報知手段であるスピーカ４０３によって情報が報知される。そして、制御手段である入出金制御部３６２または入出庫制御部３９２、および監視端末２によって、収納手段への監視対象物の出し入れが行われた際に収納手段に収納されている監視対象物の数量が計数手段によって計数され、計数手段によって計数された数量を表す数量情報が記憶手段によって記憶される。さらに、通信部での通信の障害が通信障害検出手段によって検出されたとき、収納手段に収納されている監視対象物の数量が計数手段によって計数された数量が、記憶手段に記憶される数量情報が示す数量に一致しない場合、監視対象物の数量が一致しないことを表す情報が報知手段によって報知されるので、通信障害発生直後に監視対象物たとえば収納物品あるいは収納現金の過不足を検出したときに、警告音などによって報知することができる。したがって、物品あるいは現金の不正な抜き取りを抑止することができる。
【０１６２】
さらにまた、計時手段である釣銭機システムタイマ３６３または自販機システムタイマ３９３によって、日時が計時され、前記制御手段によって、計数手段によって計数された数量を表す数量情報を記憶手段に記憶させるとき、計時手段によって計時された日時を表す日時情報を数量情報に対応付けて記憶させるので、過不足が発生していない数量を記憶した日時を特定することができる。したがって、過不足が発生した日時を絞り込むことができる。
【０１６３】
さらに、撮影手段であるカメラ４０１によって、前記収納手段の周囲が撮影され、前記制御手段によって、監視対象物の数量が一致しない場合、撮影手段に収納手段の周囲を撮影させるので、監視対象物たとえば収納物品あるいは収納現金の過不足を検出したとき、収納手段たとえば自動販売機あるいは釣銭機の周囲を撮影することができる。したがって、不正操作発生時の状況証拠を収集することができる。
【０１６４】
さらにまた、録音手段であるマイク４０２によって、前記収納手段の周囲の音が録音され、前記制御手段によって、監視対象物の数量が一致しない場合、録音手段に収納手段の周囲の音を録音させるので、監視対象物たとえば収納物品あるいは収納現金の過不足を検出したとき、収納手段たとえば自動販売機あるいは釣銭機の周囲の音を録音することができる。したがって、不正発生時の状況証拠を収集することができる。
【図面の簡単な説明】
【０１６５】
【図１】本発明の実施の一形態である不正監視システム１の構成を示すブロック図である。
【図２】図１に示した不正監視システム１の基礎となるログ記録再生システム９の構成を模式的に示す図である。
【図３】図２に示したターゲット機１０の外観を模式的に示す斜視図である。
【図４】図１に示した店舗システム３の構成の一例を示すブロック図である。
【図５】図４に示した画像データ部１４１が管理する画像管理テーブル５１の一例を示す図である。
【図６】図４に示した入出力部１１または表示制御部１６からログ生成部１２１に通知されるログ指示例５２を示す図である。
【図７】図４に示した文字列変換テーブル部Ｔ１２２に記憶される入出力部名定義テーブル５３を示す図である。
【図８】図４に示した文字列変換テーブル部Ｔ１２２に記憶される動作名定義テーブル５４を示す図である。
【図９】図４に示した文字列変換テーブル部Ｔ１２２に記憶される動作詳細作成ルールテーブル５５を示す図である。
【図１０】図４に示したログファイル部Ｔ１５に記憶されたログ例５６を示す図である。
【図１１】図４に示したアプリケーション部１４がログ指示作成のために用いるログ事象変換テーブル５７を示す図である。
【図１２】図４に示したアプリケーション部１４からログ生成部１２１に通知するログ指示例５８およびそれに基づくログ例５９を示す図である。
【図１３】図２に示したサポート機２０の構成の一例を示すブロック図である。
【図１４】図１３に示した表示部Ｓ２５に表示される再生画面７０を示す図である。
【図１５】図１３に示したログ再生制御部２８で用いられる検索方法定義テーブル６０を示す図である。
【図１６】図１３に示した画面イメージファイルＤＢ２４に記憶される画面テーブル６１の一例を示す図である。
【図１７】図１４に示した画面表示部７１に表示される再生画面７０の生成手順の一例を模式的に示す図である。
【図１８】図１３に示した画面イメージファイルＤＢ２４に記憶される他の画面テーブル６２の例を示す図である。
【図１９】図１４に示した画面表示部７１に表示される再生画面の生成手順の他の例を模式的に示す図である。
【図２０】図１３に示した文字列変換テーブル部Ｓ２７に記憶される入出力部特定テーブル６３を示す図である。
【０１６６】
【図２１】図１３に示した文字列変換テーブル部Ｓ２７に記憶される動作特定テーブル６４を示す図である。
【図２２】図１３に示した文字列変換テーブル部Ｓ２７に記憶される動作解析テーブル６５を示す図である。
【図２３】図１に示した不正監視システム１の基礎となるログ記録再生システム９の他の構成を模式的に示す図である。
【図２４】図１に示した不正監視システム１の基礎となるログ記録再生システム９のさらに他の構成を模式的に示す図である。
【図２５】図２４に示したサポート機２０ａの構成の一例を示すブロック図である。
【図２６】図４に示した入出力部１１の入出力ログ指示作成処理のフローチャートである。
【図２７】図４に示したアプリケーション部１４のログ指示作成処理のフローチャートである。
【図２８】図４に示したログ記録制御部１２のログ監視処理のフローチャートである。
【図２９】図４に示したログ記録制御部１２のログ記録処理のフローチャートである。
【図３０】図４に示したログ生成部１２１のログ生成処理のフローチャートである。
【図３１】図１３に示したログ再生制御部２８のログ再生処理のフローチャートである。
【図３２】図１に示した監視端末２と記録・警告装置４とが関係する部分の構成を示すブロック図である。
【図３３】図４に示した釣銭機３６の構成を示すブロック図である。
【図３４】図４に示した自動販売機３９の構成を示すブロック図である。
【図３５】図３２に示したアドレス情報ファイル２１２に記憶されるアドレス情報テーブル６６を示す図である。
【図３６】図１に示した外部機器３０の取引発生時処理のフローチャートである。
【図３７】図１に示した外部機器３０の電源投入時処理のフローチャートである。
【図３８】図１に示した外部機器３０の通信エラー処理のフローチャートである。
【図３９】図１に示したＰＯＳ端末６のログ生成処理のフローチャートである。
【図４０】図１に示した監視端末２の不正監視処理のフローチャートである。
【０１６７】
【図４１】図４０に示した不正監視処理から呼び出される不正警告処理のフローチャートである。
【図４２】図３２に示したカメラ４０１の画像撮影処理のフローチャートである。
【図４３】図３２に示したマイク４０２の音声録音処理のフローチャートである。
【図４４】図３２に示したスピーカ４０３の警告音声再生処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【０１６８】
１ 不正監視システム
２ 監視端末装置
３ 店舗システム
４ 記録・警告装置
５ ＬＡＮ
６ ＰＯＳ端末
９ ログ記録再生システム
１０ ターゲット機
１１ 入出力部
１２ ログ記録制御部
１３ システムタイマ部
１４ アプリケーション部
１５ ログファイル部Ｔ
１６ 表示制御部
１７ 制御部
１８ ログ送信部Ｔ
２０ サポート機
２１ ログ読取部
２２ バッファ部
２３ ログ解析部
２４ 画面イメージファイルＤＢ
２５ 表示部Ｓ
２６ 操作部
２７ 文字列変換テーブル部Ｓ
２８ ログ再生制御部
２９ ログ受信部Ｓ
３０ 外部機器
３１ プリンタ
３２ スキャナ
３３ 磁気カードリードライタ
３４ 暗証番号入力装置
３５ 計量機
３６ 釣銭機
３７ 油面計
３８ 洗車機
３９ 自動販売機
４０ ネットワークディスク
４１ ログファイル部Ｎ
４２ ログ受信部Ｎ
５１ 画像管理テーブル
５３ 入出力部名定義テーブル
５４ 動作名定義テーブル
５５ 動作詳細作成ルールテーブル
５７ ログ事象変換テーブル
６０ 検索方法定義テーブル
６１，６２ 画面テーブル
６３ 入出力部特定テーブル
６４ 動作特定テーブル
６５ 動作解析テーブル
７０ 再生画面
７１ 画像表示部
７２ キー操作表示部
７３ 入出力表示部
７４ 再生ポインタ
１１１ タッチパネル部
１１２ キー部
１１３ 表示部Ｔ
１１４ ＬＡＮ通信部
１１５ パラレル通信部
１１６ シリアル通信部
１１７ 無線通信部
１１８ ＳＳ−ＬＡＮ通信部
１２１ ログ生成部
１２２ 文字列変換テーブル部Ｔ
１２３ ログ記録部
１２４ ログ設定部
１４１ 画像データ部
１４２ アプリケーション制御部
１５１ 標準ログファイル
１５２ 指定ログファイル
２００ ログ監視制御部
２０１ ログ解析部
２０２ 機器制御部
２０３ 記録部
３６２ 入出金制御部
３６４ 現金保管庫
３６５ 現金収受部
３９２ 入出庫制御部
３９４ 物品保管庫
３９５ 物品収受部
４０１ カメラ
４０２ マイク
４０３ スピーカ
【技術分野】
【０００１】
本発明は、操作者の操作によって金銭あるいは物品の出し入れを行う装置で発生する不正操作の監視を行うことができる監視装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
ＰＯＳ（Point Of Sales）端末、ＡＴＭ（automated teller machine）、あるいは自動販売機などの装置は、従業員あるいはユーザなどの操作者によって操作される。操作者は、間違った操作あるいは不正な操作を行うことがあり、さらに、その操作に起因して装置に障害が発生することもある。不正な操作あるいは発生した障害の原因を究明するために、操作者に操作手順を確認することがあるが、虚偽の申告、時間の経過、あるいは多くの操作を伴うために、行なわれた操作手順を正確に把握することは極めて困難である。したがって、考えられる操作手順すべてについて検討する必要があり、原因を究明するために多大の時間を要することになる。
【０００３】
原因究明を短時間で行うために、操作などの履歴を記憶しておいて表示することによって、装置に対して行われた操作を正確に把握することを可能にする装置がある。たとえば第１の従来の技術として、映像に対するユーザのクリック操作ログから、ユーザがクリックした映像の位置を特定することができるユーザ操作ログ可視化装置がある。このユーザ操作ログ可視化装置は、ユーザがクリック操作を行った映像を再生し、ユーザがその映像に対して行ったクリック操作のログデータが示す再生時間の映像の中に、ログデータが示すクリック位置を示すマークを重畳して表示する（たとえば特許文献１参照）。
【０００４】
第２の従来の技術として、故障発生の原因究明のために、ユーザが行った操作を再現することができる故障解析支援装置がある。この故障解析支援装置は、ユーザの操作履歴および操作パネル上での表示等の履歴を記録し、発生した故障の原因究明時に、ユーザから入力された操作を記録に基づいて操作パネル上に自動的に再現する（たとえば特許文献２参照）。
【０００５】
第３の従来の技術として、プラントの運転制御操作を表示装置の画面上のタッチ操作によって実行するプラント制御監視装置がある。このプラント制御監視装置は、タッチ操作が行われた画面の種類、その画面のタッチ座標、時刻、および操作内容を保存し、行われた操作を画面上に再現可能とするものである（たとえば特許文献３参照）。
【０００６】
第４の従来の技術として、記録再生装置がある。この記録再生装置は、操作された内容を、その動作継続時間も含めてメモリに記憶することによって、エラー発生までの動作を、操作されたタイミングも含めて再現するものである（たとえば特許文献４参照）。
【０００７】
第５の従来の技術として、コンピュータシステム、特にアプリケーションの障害を解析することができる障害解析支援装置がある。この障害解析支援装置は、客先側のシステムで、アプリケーションの操作手順をログファイルとして記録し、記録されたログファイルに基づいて、開発側システムで操作手順を再現するものである。ログファイルに記録される情報は、画面データ、ユーザの操作、処理の履歴、および処理の時間である（たとえば特許文献５参照）。
【０００８】
【特許文献１】特開２００４−１１００９６号公報
【特許文献２】特開２００２−１５７１４７号公報
【特許文献３】特開平８−２０２４４０号公報
【特許文献４】特開平９−１３４２１４号公報
【特許文献５】特開２０００−１０８２９号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００９】
しかしながら、いずれの従来の技術も、不正操作が行われた可能性のあるときに、操作が行われたことを監視者に報知することができないという問題がある。さらに、操作者が操作する装置を監視する装置としては、たとえばＡＴＭを、ビデオカメラによって撮影し連続的に録画することができる装置、あるいは一定の時間間隔でカメラによって撮影し、静止画像を記憶する装置がある。しかし、いずれの装置も監視対象物の過不足たとえば金銭または物品の過不足が発生したことを監視者に報知することはできないという問題がある。
【００１０】
本発明の目的は、監視対象物の過不足が監視対象物を収容する装置で発生したことを報知することができる監視装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
本発明は、出し入れ可能な監視対象物を収納する収納手段と、
収納手段に収納されている監視対象物の数量を計数する計数手段と、
電源が投入されたことを検出する電源投入検出手段と、
数量情報を記憶する記憶手段と、
異常を報知する報知手段と、
収納手段への監視対象物の出し入れが行われた際に、収納手段に収納されている監視対象物の数量を計数手段によって計数させ、計数手段によって計数された数量を表す数量情報を記憶手段に記憶させ、
電源投入検出手段によって電源が投入されたことが検出されたとき、収納手段に収納されている監視対象物の数量を計数手段によって計数させ、電源投入検出時に計数された数量が、記憶手段に記憶される数量情報が示す数量に一致しない場合、監視対象物の数量が一致しないことを表す情報を報知手段によって報知させる制御手段とを含むことを特徴とする監視装置である。
【００１２】
本発明に従えば、収納手段によって、出し入れ可能な監視対象物が収納され、計数手段によって、収納手段に収納されている監視対象物の数量が計数され、電源投入検出手段によって、電源が投入されたことが検出され、記憶手段によって数量情報が記録され、報知手段によって異常が報知される。そして、制御手段によって、収納手段への監視対象物の出し入れが行われた際に、収納手段に収納されている監視対象物の数量が計数手段によって計数され、計数手段によって計数された数量を表す数量情報が記憶手段によって記憶される。
【００１３】
さらに、電源投入検出手段によって電源が投入されたことが検出されたとき、収納手段に収納されている監視対象物の数量が計数手段によって計数され、電源投入検出時に計数された数量が、記憶手段に記憶される数量情報が示す数量に一致しない場合、監視対象物の数量が一致しないことを表す情報が報知手段によって報知されるので、電源投入直後に監視対象物たとえば収納物品あるいは収納現金の過不足を検出したときに、警告音などによって報知することができる。
【００１４】
また本発明は、出し入れ可能な監視対象物を収納する収納手段と、
外部装置と通信を行う通信手段と、
収納手段に収納されている監視対象物の数量を計数する計数手段と、
通信手段での通信の障害を検出する通信障害検出手段と、
情報を記憶する記憶手段と、
情報を報知する報知手段と、
収納手段への監視対象物の出し入れが行われた際に、収納手段に収納されている監視対象物の数量を計数手段によって計数させ、計数手段によって計数された数量を表す数量情報を記憶手段に記憶させ、
通信手段での通信の障害が通信障害検出手段によって検出されたとき、収納手段に収納されている監視対象物の数量を計数手段によって計数された数量が、記憶手段に記憶される数量情報が示す数量に一致しない場合、監視対象物の数量が一致しないことを表す情報を報知手段によって報知させる制御手段とを含むことを特徴とする監視装置である。
【００１５】
本発明に従えば、収納手段によって、出し入れ可能な監視対象物が収納され、通信手段によって、外部装置との通信が行われ、計数手段によって、収納手段に収納されている監視対象物の数量が計数され、通信障害検出手段によって、通信手段での通信の障害が検出され、記憶手段によって情報が記録され、報知手段によって情報が報知される。そして、制御手段によって、収納手段への監視対象物の出し入れが行われた際に、収納手段に収納されている監視対象物の数量が計数手段によって計数され、計数手段によって計数された数量を表す数量情報が記憶手段によって記憶される。
【００１６】
さらに、通信手段での通信の障害が通信障害検出手段によって検出されたとき、収納手段に収納されている監視対象物の数量が計数手段によって計数された数量が、記憶手段に記憶される数量情報が示す数量に一致しない場合、監視対象物の数量が一致しないことを表す情報が報知手段によって報知されるので、通信障害発生直後に監視対象物たとえば収納物品あるいは収納現金の過不足を検出したときに、警告音などによって報知することができる。
【００１７】
また本発明は、日時を計時する計時手段をさらに含み、
前記制御手段は、計数手段によって計数された数量を表す数量情報を記憶手段に記憶させるとき、計時手段によって計時された日時を表す日時情報を数量情報に対応付けて記憶させることを特徴とする。
【００１８】
本発明に従えば、計時手段によって、日時が計時され、前記制御手段によって、計数手段によって計数された数量を表す数量情報を記憶手段に記憶させるとき、計時手段によって計時された日時を表す日時情報を数量情報に対応付けて記憶させるので、過不足が発生していない数量を記憶した日時を特定することができる。
【００１９】
また本発明は、前記収納手段の周囲を撮影する撮影手段をさらに含み、
前記制御手段は、監視対象物の数量が一致しない場合、撮影手段に収納手段の周囲を撮影させること特徴とする。
【００２０】
本発明に従えば、撮影手段によって、収納手段の周囲が撮影され、制御手段によって、監視対象物の数量が一致しない場合、撮影手段に収納手段の周囲を撮影させるので、監視対象物たとえば収納物品あるいは収納現金の過不足を検出したとき、収納手段たとえば自動販売機あるいは釣銭機の周囲を撮影することができる。
【００２１】
また本発明は、前記収納手段の周囲の音を録音する録音手段をさらに含み、
前記制御手段は、監視対象物の数量が一致しない場合、録音手段に収納手段の周囲の音を録音させること特徴とする。
【００２２】
本発明に従えば、録音手段によって、収納手段の周囲の音が録音され、制御手段によって、監視対象物の数量が一致しない場合、録音手段に収納手段の周囲の音を録音させるので、監視対象物たとえば収納物品あるいは収納現金の過不足を検出したとき、収納手段たとえば自動販売機あるいは釣銭機の周囲の音を録音することができる。
【発明の効果】
【００２３】
本発明によれば、電源投入直後に監視対象物たとえば収納物品あるいは収納現金の過不足を検出したときに、警告音などによって報知することができるので、物品あるいは現金の不正な抜き取りを抑止することができる。
【００２４】
また本発明によれば、通信障害発生直後に監視対象物たとえば収納物品あるいは収納現金の過不足を検出したときに、警告音などによって報知することができるので、物品あるいは現金の不正な抜き取りを抑止することができる。
【００２５】
また本発明によれば、過不足が発生していない数量を記憶した日時を特定することができるので、過不足が発生した日時を絞り込むことができる。
【００２６】
また本発明によれば、監視対象物たとえば収納物品あるいは収納現金の過不足を検出したとき、収納手段たとえば自動販売機あるいは釣銭機の周囲を撮影することができるので、不正操作発生時の状況証拠を収集することができる。
【００２７】
また本発明によれば、監視対象物たとえば収納物品あるいは収納現金の過不足を検出したとき、収納手段たとえば自動販売機あるいは釣銭機の周囲の音を録音することができるので、不正操作発生時の状況証拠を収集することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２８】
図１は、発明の実施の一形態である不正監視システム１の構成を示すブロック図である。監視装置である不正監視システム１は、監視端末装置２、店舗システム３、および記録・警告装置４を含む。監視端末装置（以下「監視端末」という）２は、たとえばパーソナルコンピュータによって構成され、店舗システム３に含まれる後述の外部機器３０を監視する装置である。店舗システム３は、ＬＡＮ（Local Area Network）５などのネットワークあるいは公衆回線によって監視端末２に接続される監視対象のシステムである。
【００２９】
記録・警告装置４は、監視端末２に接続され、店舗システム３に含まれる外部機器３０に関しての映像を撮影するカメラおよび音を録音するマイクロフォン（以下「マイク」という）、ならびに警告を報知するスピーカなどの記録機器および警告機器を含んで構成される。図１には、理解を容易にするために、店舗システム３および記録・警告装置４が１台ずつ接続された監視端末２を示しているが、監視端末２には店舗システム３および記録・警告装置４が複数台接続されてもよい。
【００３０】
店舗システム３は、ＰＯＳ（Point Of Sales）端末６およびＰＯＳ端末６に接続される外部機器３０を含む。ＰＯＳ端末６は、外部機器３０からのログ元データに基づいてログを生成し、生成したログを監視端末２に送信する。監視端末２は、ＰＯＳ端末６から受信したログに基づいて、外部機器３０に収納される監視対象物たとえば物品あるいは現金の過不足を監視する。そして、過不足を検出すると、記録・警告装置４によって、外部機器３０の周辺の映像の撮影および音の録音、ならびに警告の報知を行う。
【００３１】
まず、ログの生成、記録、および再生について、図２〜図３１によって説明し、その後、外部機器３０の監視について、図３２〜図４４によって説明する。
【００３２】
図２は、図１に示した不正監視システム１の基礎となるログ記録再生システム９の構成を模式的に示す図である。ログ記録再生システム９は、ターゲット機１０とサポート機２０とを含む。ターゲット機１０は、たとえば流通あるいはガソリンスタンドなどで用いられるＰＯＳ端末６によって構成され、入出力部１１およびログファイル部Ｔ１５を含む。サポート機２０は、たとえば監視端末２によって構成され、表示部Ｓ２５を含む。ターゲット機１０とサポート機２０とは、ネットワークたとえばＬＡＮ５あるいは公衆回線などによって接続される。図２には、１台のターゲット機１０しか記載していないが、複数台のターゲット機１０が接続される。
【００３３】
ターゲット機１０の入出力部１１は、たとえば操作者がターゲット機１０を操作するタッチパネルおよび操作者への情報を表示する液晶ディスプレイを含む。ログファイル部Ｔ１５は、たとえばハードディスク装置によって構成され、操作者が入出力部１１に対して行った操作などの履歴情報つまりログを記憶する。サポート機２０の表示部Ｓ２５は、たとえばサポート機２０の操作者への情報を表示する液晶ディスプレイによって構成される。
【００３４】
ターゲット機１０は、操作者が入出力部１１を操作すると、操作者が行った操作を表すログを生成し、生成したログをログファイル部Ｔ１５に記憶する。あるいは、生成したログを、ログファイル部Ｔ１５に記憶することなく、サポート機２０に送信する。サポート機２０は、ログファイル部Ｔ１５から読み出されて送信されるログ、あるいはログファイル部１５に記憶することなく送信されたログを受信すると、受信したログに基づいて、ターゲット機１０で行われた操作を解析し、解析結果を表示部Ｓ２５に表示する。表示部Ｓ２５には、たとえばターゲット機１０の入出力部１１のタッチパネルが画像として表示され、そのタッチパネルを操作する操作者の手が重畳して表示され、ターゲット機１０で行われた操作が表示部Ｓ２５上で再現される。
【００３５】
図３は、図２に示したターゲット機１０の外観を模式的に示す斜視図である。図３に示したターゲット機１０は、ガソリンスタンドに設置されるＰＯＳ端末６の例であり、従業員が操作を行い、ガソリンの給油指定あるいは決済に用いられる。図３に示したターゲット機１０は、情報入力のためのタッチパネル部１１１およびキー部１１２、情報表示のための表示部Ｔ１１３、プリンタ３１、および磁気カードリーダライタ３３を含む。プリンタ３１および磁気カードリーダライタ３３は、ターゲット機１０に組み込まれている必要はなく、外付けであってもよい。
【００３６】
図４は、図１に示した店舗システム３の構成の一例を示すブロック図である。図４に示した店舗システム３は、ターゲット機１０たとえばＰＯＳ端末６を含む。ターゲット機１０は、入出力部１１、ログ記録制御部１２、システムタイマ部１３、アプリケーション部１４、ログファイル部Ｔ１５、表示制御部１６、制御部１７、図示しないＣＰＵ（
Central Processing Unit）、および図示しないメモリを含む。ターゲット機１０には、外部機器３０、たとえばプリンタ３１、スキャナ３２、磁気カードリーダライタ３３、暗証番号入力装置３４、計量機３５、釣銭機３６、油面計３７、洗車機３８、および自動販売機３９が接続される。
【００３７】
入出力部１１は、ターゲット機１０に内蔵されるデバイスおよび外付けのデバイスとデータの送受信を行う通信手段であるタッチパネル部１１１、キー部１１２、表示部Ｔ１１３、ＬＡＮ通信部１１４、パラレル通信部１１５、シリアル通信部１１６、無線通信部１１７、およびＳＳ（Service Station）−ＬＡＮ通信部１１８を含む。内蔵されるデバイスは、たとえばタッチパネル部１１１、キー部１１２、および表示部Ｔ１１３であり、外付けのデバイスつまり外部機器３０は、たとえばプリンタ３１、スキャナ３２、磁気カードリーダライタ３３、暗証番号入力装置３４、計量機３５、釣銭機３６、油面計３７、洗車機３８、および自動販売機３９である。
【００３８】
タッチパネル部１１１は、操作者が画面にタッチすることによって情報を入力するタッチパネルである。キー部１１２は、操作者がキーを押下することによって情報を入力するキー入力装置である。表示部Ｔ１１３は、液晶ディスプレイなどの表示装置であり、情報を表示する。
【００３９】
ＬＡＮ通信部１１４は、ＬＡＮ５に接続される機器たとえばサポート機２０とデータを送受信する通信部である。パラレル通信部１１５は、パラレルインタフェースによってターゲット機１０に接続されるプリンタなどの装置と、パラレル通信によってデータを送受信する通信部である。シリアル通信部１１６は、シリアルインタフェースによってターゲット機１０に接続されるスキャナ３２、磁気カードリーダライタ３３、および自動販売機３９と、シリアル通信によってデータを送受信する通信部である。無線通信部１１７は、無線によってターゲット機１０に接続される暗証番号入力装置３４と、無線通信によってデータを送受信する通信部である。ＳＳ−ＬＡＮ通信部１１８は、ＳＳ−ＬＡＮによってターゲット機１０に接続される計量機３５、釣銭機３６、油面計３７、および洗車機３８とデータを送受信する通信部である。外部デバイスとの通信は有線でも無線でもかまわない。
【００４０】
ログ記録制御部１２は、ログ生成部１２１、文字列変換テーブル部Ｔ１２２、ログ記録部１２３、およびログ設定部１２４を含み、入出力部１１あるいは表示制御部１６からの情報に基づいて、ログを生成し記録する。ログ生成部１２１は、入出力部１１あるいは表示制御部１６からログ指示つまりログの生成指示を受け取ると、または入出力部１１にログ対象の動作が発生したか否かを監視し、ログ対象の動作が発生すると、ログ指示または発生したログ対象の動作に基づくログを生成する。ログ対象の動作は、たとえば操作者がターゲット機１０に取付けられたデバイスを直接指などで触ったり押したりしたことによってターゲット機１０上に入力が発生すること、各通信部と接続される外部デバイスとの通信が発生すること、通信路の状態が変わること、各部でエラーが発生することなどの動作である。文字列変換テーブル部Ｔ１２２は、たとえば図示しないメモリに含まれ、ログ生成部１２１がログを生成するために用いる後述する変換テーブルを記憶する。ログ記録部１２３は、ログ生成部１２１が生成したログを、ログファイル部Ｔ１５に記憶する。ログ設定部１２４は、たとえば図示しないメモリに含まれ、ログを生成するログ対象およびログを記憶させるログファイルの指定などが設定されている。
【００４１】
システムタイマ部１３は、ターゲット機１０の時刻を計時するタイマである。ログ生成部１２１は、ログを生成する際、システムタイマ部１３が示す時刻を参照して、時刻をログに残す。アプリケーション部１４は、ターゲット機１０の用途に応じた機能を実現する部位であり、画像データ部１４１およびアプリケーション制御部１４２を含む。画像データ部１４１は、たとえば図示しないメモリに含まれ、表示部Ｔ１１３に表示する画像イメージとその画像イメージを管理するための後述する画像管理テーブル５１を記憶する。アプリケーション制御部１４２は、ターゲット機１０の用途に応じて実行されるプログラムによって実現される機能である。
【００４２】
ログファイル部Ｔ１５は、たとえば図示しないメモリに含まれ、標準ログファイル１５１および指定ログファイル１５２を含む。ログファイルは、複数のログをまとめてファイル化したものである。１台のターゲット機１０が出力するログをログファイルに記録する場合、ログファイルは１つだけではなく複数のファイルに分割することが可能である。たとえば、入出力デバイス毎あるいは動作毎に分割することができる。図４に示した例では、まず、大きく２つのログファイル、つまり標準ログファイル１５１と指定ログファイル１５２とに分割している。標準ログファイル１５１は、要求のあったデバイス別にログを記憶するためのログファイルであり、指定ログファイル１５２は、デバイス共通にログを記憶するためのログファイルである。そして、標準ログファイル１５１の中は、デバイス別のログファイルに分割されている。さらに、ファイルの分割は、ログファイルのファイルサイズがシステム上の制限あるいは任意に指定した最大値まで達した場合にも行われる。
【００４３】
表示制御部１６は、表示部Ｔ１１３を制御する。たとえばアプリケーション制御部１４２から指示された画像イメージを表示部Ｔ１１３に表示する。制御部１７は、図示しないメモリによって記憶されるプログラムが、図示しないＣＰＵによって実行されることによって実現される機能であり、入出力部１１、ログ記録制御部１２、アプリケーション部１４、および表示制御部１６を制御する。入出力部１１、ログ記録制御部１２、アプリケーション部１４、および表示制御部１６も、図示しないメモリによって記憶されるプログラムが、図示しないＣＰＵによって実行されることによって実現される機能である。図示しないメモリは、たとえばＲＯＭ（Read Only Memory）あるいはＲＡＭ（Random Access
Memory）などの半導体メモリあるいはハードディスク装置によって構成される記憶装置である。
【００４４】
プリンタ３１は、たとえば印刷装置であり、スキャナ３２は、たとえば原稿読取装置あるいはバーコード読取装置であり、磁気カードリーダライタ３３は、磁気カードの読み込みおよび書き込みを行う装置であり、暗証番号入力装置３４は、暗証番号を入力するための入力装置である。計量機３５、釣銭機３６、油面計３７、および洗車機３８は、ガソリンスタンドで用いられる装置であり、計量機３５は、ポンプによる給油量を計量する装置であり、釣銭機３６は、釣銭を払い出す装置であり、油面計３７は、タンクに貯蔵されている油量を計量する装置であり、洗車機３８は、車の洗車を行う装置である。自動販売機３９は、販売目的の物品を収納し、ユーザの操作に従って物品の販売を行う装置である。
【００４５】
入出力部１１は、タッチパネル部１１１、キー部１１２、表示部Ｔ１１３、ＬＡＮ通信部１１４、パラレル通信部１１５、シリアル通信部１１６、無線通信部１１７、およびＳＳ−ＬＡＮ通信部１１８からのハードウェアまたはソフトウェアによる割込みによって処理を開始する。割込み要因に基づいて、ログの生成を指示するログ指示を作成し、作成したログ指示をログ生成部１２１に送る。
【００４６】
図５は、図４に示した画像データ部１４１が管理する画像管理テーブル５１の一例を示す図である。画像管理テーブル５１は、表示部Ｔ１１３に表示する表示画面を特定する表示画面番号ごとのデータを示すテーブルである。このデータは、表示部Ｔ１１３の画面全体に表示する画像そのもののデータ、表示部Ｔ１１３の画面の一部に表示する画像の、あるいは画像を生成するためのメタデータである。図５には、表示画面番号「０００１」について、データ「開始画像データ」が示され、表示画面番号「０００２」について、データ「業務画像１データ」が示され、表示画面番号「０００３」について、データ「業務画像２データ」が示されている。
【００４７】
アプリケーション制御部１４２は、表示制御部１６に対して表示画面番号を指示すると、表示制御部１６は、アプリケーション制御部１４２から指示された表示画面番号の画像を表示部Ｔ１１３に表示させる。そして、表示制御部１６は、指示された表示画面番号を示すログ指示を作成し、作成したログ指示をログ生成部１２１に送る。
【００４８】
ログ記録制御部１２は、入出力部１１内で、割り込み以外のログ対象の動作が発生しているか否かを監視する。ログ対象の動作が発生していると、そのログ対象の動作のログを生成し、生成したログをログファイル部Ｔ１５に記憶する。さらに、入出力部１１あるいは表示制御部１６から、ログ設定部１２４に設定されているログ対象のログ指示を受け取ると、ログ指示に基づくログを生成し、ログファイル部Ｔ１５に記憶する。ログファイル部Ｔ１５のうちの標準ログファイルに記憶するか指定ログファイルに記憶するか否かは、ログ設定部１２４の設定に基づいて判断される。
【００４９】
図６は、図４に示した入出力部１１または表示制御部１６からログ生成部１２１に通知されるログ指示例５２を示す図である。ログ指示は、基本的には、１行で１つのログ指示を示し、図６には、６つのログ指示が示されている。１つのログ指示は、カンマで区切られた複数の数値または文字列から構成される。最初の数値は、図７で後述する入出力部番号を示し、２番目の数値は、図８で後述する動作番号を示し、３番目以降の数値または文字列は、動作の詳細である。
【００５０】
たとえば、１行目のログ指示「１，１，１４２，２４４」は、入出力番号「１」つまりタッチパネル部１１１で、動作番号「１」の動作つまり「触れる」動作が発生し、動作詳細が「１４２，２４４」つまり触れた位置が座標（１４２，２４４）であったことを示している。２行目のログ指示は「１，２，１４５，２４２」であり、３行目のログ指示は「１１，１１，０１Ｆ４５ＣＣＤ４ＥＦ１０Ｅ０４２」であり、４行目のログ指示は「２１，３１，１３０」であり、５行目のログ指示は「１，１，５８２，２８９」であり、６行目のログ指示は「１，２，５７３，２９５」である。
【００５１】
図７は、図４に示した文字列変換テーブル部Ｔ１２２に記憶される入出力部名定義テーブル５３を示す図である。入出力部名定義テーブル５３は、入出力部を特定するための「入出力部番号」ごとに、対応する「入出力部名ログ文字列」を示すテーブルである。入出力部名定義テーブル５３の右側に備考として、それぞれの入出力部名を記載する。テーブルの入出力部名ログ文字列欄の文字列は任意に設定することができるので、入出力部名ログ文字列を、全く関係のない文字列に設定してもよい。
【００５２】
たとえば、入出力部番号「００１」は、入出力部名ログ文字列が「“ｏｐｅｒａｔｉｏｎ”」であり、備考が「タッチパネル」つまりタッチパネル部１１１であることを示している。同様に、入出力部番号に対する入出力部名ログ文字列および備考は、それぞれ「０１１」については、「“ｓｅｒｉａｌ１”」つまりシリアル通信部１であり、「０１２」については、「“ｓｅｒｉａｌ２”」つまりシリアル通信部２であり、「０１３」については、「“ｅｘｔｓｅｒｉａｌ”」つまりシリアル通信部３であり、「０２１」については、「“ｄｉｓｐｌａｙ”」つまり表示部であり、「０３１」については、「“ｓｓｌａｎ”」つまりＳＳ−ＬＡＮ通信部であり、「１００」については、「“ｃｏｒｅ”」つまりアプリケーションである。
【００５３】
「シリアル通信部１」、「シリアル通信部２」、および「シリアル通信部３」は、いずれもシリアル通信部１１６であり、同一デバイスで複数の入出力チャネルを利用している場合を示している。複数の入出力チャネルのそれぞれに入出力部番号を割り当てて区別している。
【００５４】
図８は、図４に示した文字列変換テーブル部Ｔ１２２に記憶される動作名定義テーブル５４を示す図である。動作名定義テーブル５４は、動作を特定するための「動作番号」ごとに、対応する「動作名ログ文字列」を示すテーブルである。動作名定義テーブル５４の右側に備考として、それぞれの動作名を記載している。テーブルの動作名ログ文字列欄の文字列は任意に設定することができるので、動作名ログ文字列を、全く関係のない文字列に設定してもよい。
【００５５】
たとえば、動作番号「０００」は、動作名ログ文字列が「“ｍｅｓｓａｇｅ” 」であり、情報であることを示している。同様に、動作番号に対する動作名ログ文字列および備考は、それぞれ「００１」については、「“ｐｒｅｓｓｅｄ” 」つまり触れるであり、「００２」については、「“ｒｅｌｅａｓｅｄ” 」つまり離すであり、「０１１」については、「“ｒｅａｄ” 」つまり入力であり、「０１２」については、「“ｗｒｉｔｅ” 」つまり出力であり、「０２１」については、「“ｅｒｒｏｒ” 」つまりエラーであり、「０３１」については、「“ｃｈａｎｇｅ” 」つまり画面変更である。
【００５６】
図９は、図４に示した文字列変換テーブル部Ｔ１２２に記憶される動作詳細作成ルールテーブル５５を示す図である。動作詳細作成ルールテーブル５５は、「入出力部」と「動作」との組合せごとに、「動作詳細のログ作成ルール」を示すテーブルである。動作詳細作成ルールテーブル５５の右側に「備考：意味」として、それぞれの組合せの意味が記載されている。
【００５７】
たとえば、入出力部「００１」と動作「００１」との組合せについては、タッチパネルに触れたことを意味し、動作詳細のログ作成ルールが「第３、第４引数を座標“ｘ＝％０４ｄ，ｙ＝％０４ｄ”形式にする」を行なったことを意味している。同様に、入出力部と動作との各組合せについての動作詳細のログ作成ルールおよび備考は、入出力部「００１」と動作「００２」との組合せについては、タッチパネルを離したことを意味し、「第３、第４引数を座標“ｘ＝％０４ｄ，ｙ＝％０４ｄ”形式にする」を行なった、入出力部「０１１」と動作「０１１」との組合せについては、シリアル通信部１で入力を意味し、「第３引数を１６進数にする」を行なった、入出力部「０１１」と動作「０１２」との組合せについては、シリアル通信部１で出力を意味し、「第３引数を１６進数にする」を行なった、入出力部「０１１」と動作「０２１」との組合せについては、シリアル通信部１でエラーを意味し、「第３引数を１０進数にする」を行なった、入出力部「０２１」と動作「０３１」との組合せについては、表示部で画面変化を意味し、「第３引数を“ｄｉｓｐｌａｙ＝％０４ｄ”形式にする」を行なった、入出力部「０３１」と動作「０１１」との組合せについては、ＳＳ−ＬＡＮ通信部で入力を意味し、「第３引数を１６進数にする」を行なった、入出力部「０３１」と動作「０１２」との組合せについては、ＳＳ−ＬＡＮ通信部で出力を意味し、「第３引数を１６進数にする」を行なった、入出力部「１００」と動作「０００」との組合せについては、アプリケーション情報を意味し、「第３引数を文字のまま出力する」を行なったである。
【００５８】
ログ生成部１２１は、入出力部１１あるいは表示制御部１６から、ログ設定部１２４に設定されているログ対象のログ指示を受け取ると、まず、システムタイマ部１３から日時を取得し、日時を表す日時ログ文字列を生成する。次に、受け取ったログ指示の１番目の数値に基づいて、図７に示した入出力部名定義テーブル５３から入出力部名ログ文字列、そして２番目の数値に基づいて、図８に示した動作名定義テーブル５４から動作名ログ文字列を取得する。さらに、受け取ったログ指示の１番目の数値、２番目の数値、および３番目以降の数値または文字列に基づいて、図９に示した動作詳細作成ルールテーブル５５
の動作詳細のログ作成ルールによって、動作の詳細を表す動作詳細ログを作成する。取得した日時ログ文字列、入出力部名ログ文字列、および動作名ログ文字列、ならびに作成した動作詳細ログを合成して、ログ指示に対応するログを生成する。生成したログは、ログファイル部Ｔ１５に記憶する。
【００５９】
たとえば、操作者がタッチパネルに触れたことを示すログを生成する場合、指示ログは、図６に示した指示ログ例５２の１行目の指示ログ「１，１，１４２，２４４」である。第１引数「１」が示す入出力部「タッチパネル」を表す番号「００１」と、第２引数「１」が示す動作「触れる」を表す番号「００１」との組合せについて、図９に示した動作詳細作成ルールテーブル５５を参照すると、動作詳細のログ作成ルール「第３、第４引数を座標“ｘ＝％０４ｄ，ｙ＝％０４ｄ”形式にする」が得られる。ここで「％０４ｄ」とは、４桁の１０進数を示し、Ｃ言語を使用するプログラムにおいて文字出力に関する標準的な出力形式を示す一例である。日時を２００６年５月１８日１５時１５分０１．１２０秒とすると、第３引数「１４２」および第４引数「２４４」から、ログは、「２００６／０５／１８，１５：０５：０１．１２０，“ｏｐｅｒａｔｉｏｎ”，“ｐｒｅｓｓｅｄ”，“ｘ＝０１４２，ｙ＝０２４４”」となる。
【００６０】
図１０は、図４に示したログファイル部Ｔ１５に記憶されたログ例５６を示す図である。ログ例５６は、基本的には、１行で１つのログつまりターゲット機１０上での１動作についてのログを示し、図１０には、６つのログが示されている。１つのログは、カンマで区切られた複数の数値または文字列から構成される。最初の数値または文字列は、ログ対象の動作があった日時、２番目の数値または文字列は、入出力部名、３番目の数値または文字列は、動作名、４番目の数値または文字列は、各動作の内容を詳細に示す動作詳細である。図１０に示した例では、４つの項目を例示したが、これら以外に、ログには関連するプログラム名、ユーザ名、ログの文字数、あるいはマシン名などターゲット機１０に関連する情報、および使用状況あるいは場所を特定する情報などを含めてもよい。さらに、１つのログの情報量が多くなる場合、２行以上にログを分割してもよい。
【００６１】
図１０には、図６に示した指示ログ例５２に対応するログ例５６が示されている。１行目には、「２００６／０５／１８，１５：０５：０１．１２０，“ｏｐｅｒａｔｉｏｎ”，“ｐｒｅｓｓｅｄ”，“ｘ＝０１４２，ｙ＝０２４４”」と示され、２行目には、「２００６／０５／１８，１５：０５：０１．５４１，“ｏｐｅｒａｔｉｏｎ”，“ｒｅｌｅａｓｅｄ”，“ｘ＝０１４５，ｙ＝０２４２”」と示され、３行目には、「２００６／０５／１８，１５：０５：０２．９５１，“ｓｅｒｉａｌ１”，“ｒｅａｄ”，“０１Ｆ４５ＣＣＤ４ＥＦ１０Ｅ０４２”」と示され、４行目には、「２００６／０５／１８，１５：０５：０４．０９２，“ｄｉｓｐｌａｙ”，“ｃｈａｎｇｅ”，“ｄｉｓｐｌａｙ＝０１３０”」と示され、５行目には、「２００６／０５／１８，１５：０５：０８．７３５，“ｏｐｅｒａｔｉｏｎ”，“ｐｒｅｓｓｅｄ”，“ｘ＝０５８２，ｙ＝０２８９”」と示され、６行目には、「２００６／０５／１８，１５：０５：０９．０８９，“ｏｐｅｒａｔｉｏｎ”，“ｒｅｌｅａｓｅｄ”，“ｘ＝０５７３，ｙ＝０２９５”」と示されている。
【００６２】
図１０に示した例では、ログに日時を特定する情報を含んでいる例を示したが、ログに日時を特定するための情報を含まない場合、ログファイル部Ｔ１５のログファイルにログを記録する際、ログが生成された順またはログ対象の動作が発生した順に記憶する。ログに日時を特定するための情報を含む場合は順不同でもよい。
【００６３】
図１１は、図４に示したアプリケーション部１４がログ指示作成のために用いるログ事象変換テーブル５７を示す図である。ログ事象変換テーブル５７は、アプリケーション制御部１４２において発生した「事象」ごとに、対応する「ログ文字列」を示すテーブルである。ログ文字列欄には、事象に合わせて任意のログ文字列を設定することができる。したがって、アプリケーションについては、入出力部１１とは独立したログとして、つまりアプリケーションのみの情報をログとして記録することができる。
【００６４】
図１１には、事象「プログラムＡの開始」について、ログ文字列「“プログラムＡ開始”」が示され、事象「プログラムＡの終了」について、ログ文字列「“プログラムＡ終了（終了コード＝％０３ｄ）”」が示され、事象「操作する従業員の指定」について、ログ文字列「“従業員コード＝％０６ｄ”」が示され、事象「精算処理の開始」について、ログ文字列「“精算処理開始”」が示されている。
【００６５】
図１２は、図４に示したアプリケーション部１４からログ生成部１２１に通知するログ指示例５８およびそれに基づくログ例５９を示す図である。たとえば、ターゲット機１０が複数の従業員で構成される飲食店で使用する端末である場合、端末の操作者を特定するために、アプリケーションは、従業員情報たとえば従業員コードを用いて従業員を管理する。タッチパネルの操作は、端末を使用する従業員が関連する動作であり、タッチパネルで行われた入出力操作と従業員情報とを関連付けてログに記録しておきたいケースが発生する。ログ記録制御部１２がこの従業員情報に関知する構成となっていない場合、ログに記録するため、アプリケーション制御部１４２は、アプリケーションにのみ存在する情報、たとえば従業員情報を、任意の文字列として、ログ指示でログ生成部１２１に指示する。
【００６６】
ログ指示例５８に示した個々のログ指示は、図６に示した例と同様に、カンマで区切られた複数の数値または文字列から構成される。最初の数値は、図７に示した入出力部番号を示し、２番目の数値は、図８に示した動作番号を示し、３番目以降の数値または文字列は、動作の詳細である。動作の詳細は、図１１に示した事象に対応する情報である。たとえば、１行目のログ指示「１００，０，“プログラムＡ開始”」は、入出力番号「１００」つまりアプリケーションで、動作番号「０」の動作つまり「情報」を生成し、動作詳細が「プログラムＡ開始」つまりプログラムＡが開始されたことを示している。２行目のログ指示は「１００，０，“従業員コード＝％０６ｄ”，１３８」であり、３行目のログ指示は「１００，０，“プログラムＡ終了（終了コード＝％０３ｄ）”，０」である。
【００６７】
ログ例５９に示した個々のログは、それぞれログ指示例５８に示したログ指示に対応するログであり、図１０に示した例と同様に、カンマで区切られた複数の数値または文字列から構成される。最初の数値または文字列は、ログ対象の動作があった日時、２番目の数値または文字列は、入出力部名、３番目の数値または文字列は、動作名、４番目の数値または文字列は、各動作の内容を詳細に示す動作詳細である。たとえば、１行目には、「２００６／０５／２６，１０：１３：５９．０２２，“ｃｏｒｅ”，“ｍｅｓｓａｇｅ”，“プログラムＡ開始”」と示され、２行目には、「２００６／０５／２６，１０：１４：２１．９２４，“ｃｏｒｅ”，“ｍｅｓｓａｇｅ”，“従業員コード＝０００１３８”」と示され、３行目には、「２００６／０５／２６，１０：２０：１１．３１１，“ｃｏｒｅ”，“ｍｅｓｓａｇｅ”，“プログラムＡ終了（終了コード＝０００）”」と示されている。
【００６８】
図１３は、図２に示したサポート機２０の構成の一例を示すブロック図である。サポート機２０は、ログ読取部２１、バッファ部２２、ログ解析部２３、画面イメージファイルＤＢ（database）２４、表示部Ｓ２５、操作部２６、文字列変換テーブル部Ｓ２７、ログ再生制御部２８、図示しないＣＰＵ、および図示しないメモリを含む。サポート機２０は、ＬＡＮ５を介して、ターゲット機１０に接続される。
【００６９】
ログ読取部２１は、ターゲット機１０に含まれるログファイル部Ｔ１５からログを読み取る。バッファ部２２は、ログ読取部２１に読み取られたログを記憶する。ログ解析部２３は、ログの解析を行う。画面イメージファイルＤＢ（以下「画面イメージファイルデータベース」ともいう）２４は、ログを記録したターゲット機１０の表示画面と同じまたは同等の複数の画面の画像イメージ（以下「画面イメージ」ともいう）およびその画像イメージを管理するための後述する画面テーブルを記憶する。表示部Ｓ２５は、たとえば液晶ディスプレイなどで構成され、画像を表示する。操作部２６は、たとえばキーボードあるいはマウスなどよって構成され、ログ再生および表示内容について指示を入力するための入力装置である。文字列変換テーブル部Ｓ２７は、たとえば図示しないメモリに含まれ、ログ文字列から動作を特定するためにログ解析部２３によって参照される後述する変換テーブルを記憶する。
【００７０】
ログ再生制御部２８は、図示しないメモリによって記憶されるプログラムが、図示しないＣＰＵによって実行されることによって実現される機能であり、ログ読取部２１、バッファ部２２、ログ解析部２３、画面イメージファイルＤＢ２４、表示部Ｓ２５、および操作部２６を制御する。ログ解析部２３も、図示しないメモリによって記憶されるプログラムが、図示しないＣＰＵによって実行されることによって実現される機能である。図示しないメモリは、たとえばＲＯＭあるいはＲＡＭなどの半導体メモリあるいはハードディスク装置によって構成される記憶装置である。バッファ部２２および画面イメージファイルＤＢ２４は、図示しないメモリに含まれる。
【００７１】
図１４は、図１３に示した表示部Ｓ２５に表示される再生画面７０を示す図である。再生画面７０は、画面表示部７１、キー操作表示部７２、入出力表示部７３、および再生ポインタ７４を含む。画面表示部７１は、ターゲット機１０の表示部Ｔ１１３に表示される画像と同じ画像を表示する領域である。キー操作表示部７２は、ターゲット機１０のキー部１１２を表す画像を表示する領域である。入出力表示部７３は、ターゲット機１０の入出力部１１に入出力された情報のうちタッチパネル部１１１およびキー部１１２によって入力された情報を除く入出力情報、たとえば入出力部１１に含まれる各通信部によって入出力された情報を表示するための領域である。再生ポインタ７４は、すべてのログを再生する場合、現在再生しているログの相対位置を示すポインタである。
【００７２】
ログ再生制御部２８は、ログ再生を行う際、ターゲット機１０上の表示部Ｔ１１３に表示されていた画面を、画面表示部７１に表示する。ターゲット機１０上でタッチパネルあるいはマウスによって座標指定が行なわれた場合、指定された座標位置を指、矢印、あるいは記号などのポインタによって特定する。ターゲット機１０のキー部１１２で入力されたキーが操作された場合、入力値がポインタによって特定されるようにキー操作表示部７２に表示する。さらに、ターゲット機１０の入出力部１１に含まれる各通信部で通信された情報を、入出力表示部７３に文字列化して表示する。
【００７３】
図１５は、図１３に示したログ再生制御部２８で用いられる検索方法定義テーブル６０を示す図である。検索方法定義テーブル６０は、指定された再生条件に基づいて、ログの検索方法を決定するためのテーブルであり、「再生条件指定」ごとに「検索方法」が示されている。図１５には、再生条件指定「再生開始日時の指定」について、検索方法「ログ行の日時と指定日時の比較」が示され、再生条件指定「特定従業員の指定」について、検索方法「"従業員コード＝"文字列との一致を検索」が示され、再生条件指定「外部デバイスの特定通信内容」について、検索方法「入出力部ログ文字列と動作詳細文字列との一致を検索」が示されている。
【００７４】
操作者が操作部２６からログの再生を指示すると、ログ再生制御部２８は、表示部Ｓ２５に再生させるログのログファイル名を選択させる画面を、表示部Ｓ２５に表示する。操作部２６によってログファイル名が選択されると、選択されたログファイルを、ログ読取部２１によって、ターゲット機１０に含まれるログファイル部Ｔ１５からバッファ部２２に読み込む。選択されたログファイルが複数である場合、選択された全ログファイルをバッファ部２２に読み込み、日時によってログをソートする。
【００７５】
次に、ログ再生制御部２８は、再生条件を入力させる画面を、表示部Ｓ２５に表示する。再生条件には、図１５に示した再生条件があり、たとえばログの開始から終了までのうちの任意の日時のログを再生するという条件、あるいはログ中で指定の文字列と一致するログを再生するという条件を指定することができる。再生条件が指定されると、指定された再生条件を満たすログを検索する。
【００７６】
ログ再生制御部２８は、ログ解析部２３によって、検索した各ログについて、ログが示す動作がどのようなものであったかを解析する。ログの示す動作が画面表示に関係するものである場合、画面イメージファイルＤＢ２４から、ログに含まれる画面表示についての情報が示す画面イメージを取得し、取得した画面イメージを画面表示部７１に表示する。操作が伴っていれば、表示されている画面イメージに重畳して、その操作の操作位置を示すための指などのポインタを表示する。ログ再生制御部２８は、検索したログを時系列に順次再生する。
【００７７】
ユーザは、操作部２６によって、順次再生されているログを任意の時点で停止することができ、さらに停止時点から再開することができる。１つのログを表示してから次のログを表示する時間を、ログの日時に基づいて調整することによって、実時間での動作として再現することができる。その時間を短くすることによって高速再生、あるいはその時間を長くすることによってスロー再生も可能である。
【００７８】
図１６は、図１３に示した画面イメージファイルＤＢ２４に記憶される画面テーブル６１の一例を示す図である。画面テーブル６１は、画面を特定するための情報である画面情報と、画面イメージを格納するファイルを特定するための画面イメージファイル名とを対にして構成したテーブルであり、ログに基づいて、ログ記録時に表示されていた画面を特定して、再生イメージを生成するために使用される。画面イメージファイル名は、予め画面イメージ毎に定められたファイルの名称であり、画面イメージファイル名が示すファイルに、ターゲット機１０上で表示される画面と同じまたは同等の画面の画像イメージが記録される。
【００７９】
図１６に示した画面情報を、図５に示した画像管理テーブル５１における表示画像番号と同じ画像番号にすることによって、ログ記録時の表示画面とログ再生時の表示画面とを一致させることができる。ログに含まれる画面表示についての情報は、ログが記録された時点でターゲット機１０の画面に表示されていた画面イメージを導き出せる一意の情報であり、画面テーブル６１における画面情報のいずれかの画面情報を特定している。ログが記録された時点でターゲット機１０の画面に表示されていた画面イメージを収めたファイルのファイル名、またはそのイメージを特定することができるなんらかの情報を収めたファイルのファイル名が、画面テーブル６１の画面イメージファイル名に示されている。したがって、特定された画面情報に対応する画面イメージファイル名の画面イメージを、画面イメージファイルＤＢ２４から読み出して、表示部Ｓ２５に表示すれば、ログが記録された時点でターゲット機１０の画面に表示されていた画面イメージを再生することができる。
【００８０】
画面イメージファイル名の画面イメージのイメージ形式は、たとえばＰＮＧ（Portable
Network Graphics）形式、ＧＩＦ（Graphic Interchange Format）形式、あるいはＪＰＥＧ（Joint Photographic Experts Group）形式など様々なフォーマットを利用することができる。
【００８１】
図１６には、画面情報「画面０００１」の画面イメージファイルとして「０００１．ＰＮＧ」が示され、画面情報「画面０００２」の画面イメージファイルとして「０００２．ＧＩＦ」が示され、画面情報「画面０００３」の画面イメージファイルとして「０００３．ＪＰＧ」が示されている。
【００８２】
図１７は、図１４に示した画面表示部７１に表示される再生画面７０の生成手順の一例を模式的に示す図である。ログ再生制御部２８は、図１６に示した画面テーブル６１を使用して、ターゲット機１０からバッファ部２２に読み込んだログファイルのログから、ログが記録された際に表示されていたターゲット機１０上の画面を導き出す。
【００８３】
図１７には、ログファイル１５ａ、画面イメージファイルデータベース２４ａ、および再生イメージ７０ａ、および再生イメージ７０ｂが示されている。ログファイル１５ａには、２つのログ「 ２００６／０５／２２，１４：４９：４２．７８９，“ｄｉｓｐｌａｙ”，“ｃｈａｎｇｅ”，“ｄｉｓｐｌａｙ＝画面０００１”」および「２００６／０５／２２，１４：５３：０２．０２４，“ｄｉｓｐｌａｙ”，“ｃｈａｎｇｅ”，“ｄｉｓｐｌａｙ＝画面０００２”」が記録されている。画面イメージファイルデータベース２４ａには、画面テーブル６１、画面イメージ「０００１．ＰＮＧ」、画面イメージ「０００２．ＧＩＦ」、および画面イメージ「０００３．ＪＰＧ」が記憶されている。
【００８４】
ログ再生制御部２８は、たとえばバッファ部２２に読み込んだログファイル１５ａの最初のログを、ログ解析部２３によって解析すると、「２００６年５月２２日１４時４９分４２．７８９秒」に「画面０００１」を表示したことが判明する。画面情報「画面０００１」をキーとして、画面イメージファイルデータベース２４ａで検索を行い、関連する画面イメージファイル名「０００１．ＰＮＧ」を得る。すなわち、当該ログ記録時にターゲット機１０上で表示された画面はファイル「０００１．ＰＮＧ」の画像イメージであることが導かれる。ログ再生制御部２８は、画面イメージファイル名「０００１．ＰＮＧ」の画像イメージを、画面イメージファイルデータベース２４ａから取得し、再生イメージ７０ａとして表示部Ｓ２５に表示する。同様に、２つ目のログについて、再生イメージ７０ｂを表示部Ｓ２５に表示する。
【００８５】
再生イメージ７０ａは、「２００６年５月２２日１４時４９分４２．７８９秒」にターゲット機１０の表示部Ｔ１１３に表示された画像イメージ「画面０００１」であり、再生イメージ７０ｂは、「２００６年５月２２日１４時５３分０２．０２４秒」にターゲット機１０の表示部Ｔ１１３に表示された画像イメージ「画面０００２」である。
【００８６】
図１８は、図１３に示した画面イメージファイルＤＢ２４に記憶される他の画面テーブル６２の例を示す図である。画面テーブル６２は、画面のうち背景を特定するための情報、または部品となるウィンドウを特定するための情報によって定義される画面情報と、画面イメージを格納するファイルを特定するための画面イメージファイル名とを対にして構成したテーブルであり、図１６に示した画面テーブル６１と同様に、ログからログ記録時に表示されていた画面を特定して、再生イメージを生成するために使用される。画面イメージファイル名は、予め画面イメージ毎に定められたファイルの名称であり、画面イメージファイル名が示すファイルに、ターゲット機１０上で表示される画面の背景またはウィンドウ・ボタン・テキストなどの部品と同じまたは同等の画像イメージが記録される。
【００８７】
図１８には、画面情報「背景０００１」の画面イメージファイルとして「Ｂ０００１．ＰＮＧ」が示され、画面情報「背景０００２」の画面イメージファイルとして「Ｂ０００２．ＰＮＧ」が示され、画面情報「背景０００３」の画面イメージファイルとして「Ｂ０００３．ＰＮＧ」が示され、画面情報「ウィンドウ０００１」の画面イメージファイルとして「Ｗ０００１．ＰＮＧ」が示され、画面情報「ウィンドウ０００２」の画面イメージファイルとして「Ｗ０００２．ＰＮＧ」が示されている。
【００８８】
画面テーブル６２が、図１６に示した画面テーブル６１と異なる点は、画面テーブル６２のイメージファイル名が指すイメージファイルは、画面に表示される画像イメージ全体のうち一部を示す構成要素となっているところである。再生イメージの生成は、背景として使用される画像イメージと背景の前方に表示するウィンドウの画像イメージとを組み合わせて生成される。すなわち、ログに記録される複数の画面情報から得られる複数の画像イメージが重畳されたものである。したがって、画像イメージを共通に利用することができるので、画面イメージファイルデータベース２４に記憶する画像イメージの数の削減あるいは各データのデータサイズを減少させることができる。
【００８９】
図１９は、図１４に示した画面表示部７１に表示される再生画面の生成手順の他の例を模式的に示す図である。ログ再生制御部２８は、図１８に示した画面テーブル６２を使用して、ターゲット機１０からバッファ部２２に読み込んだログファイルのログから、ログが記録された際に表示されていたターゲット機１０上の画面を導き出す。
【００９０】
図１９には、ログファイル１５ｂ、画面イメージファイルデータベース２４ｂ、および再生イメージ７０ｃ、および再生イメージ７０ｄが示されている。ログファイル１５ｂには、２つのログ「２００６／０５／２２，１４：４９：４２．７８９， “ｄｉｓｐｌａｙ”，“ｄｉｓｐｌａｙ＝背景０００１，ウィンドウ０００１（ｘ＝０１３２，ｙ＝００２４”」および「２００６／０５／２２，１４：５３：０２．０２４， “ｄｉｓｐｌａｙ”，“ｄｉｓｐｌａｙ＝背景０００１，ウィンドウ０００２（ｘ＝０１３２，ｙ＝００２４”」が記録されている。画面イメージファイルデータベース２４ｂには、画面テーブル６２、画面イメージ「Ｂ０００１．ＰＮＧ」、画面イメージ「Ｗ０００１．ＰＮＧ」、および画面イメージ「Ｗ０００２．ＰＮＧ」が記憶されている。
【００９１】
ログ再生制御部２８は、たとえばバッファ部２２に読み込んだログファイル１５ｂの最初のログを、ログ解析部２３によって解析すると、「２００６年５月２２日１４時４９分４２．７８９秒」に「背景０００１」と「ウィンドウ０００１」とを表示したことがわかる。画面情報「背景０００１」をキーとして、画面イメージファイルデータベース２４ｂで検索を行い、関連する画面イメージファイル名「Ｂ０００１．ＰＮＧ」を得る。同様に、画面情報「ウィンドウ０００１」をキーとして検索し、画面イメージファイル名「Ｗ０００１．ＰＮＧ」を得る。ログ再生制御部２８は、画面イメージファイル名「Ｂ０００１．ＰＮＧ」の画像イメージと、画面イメージファイル名「Ｗ０００１．ＰＮＧ」の画像イメージとを、画面イメージファイルデータベース２４ｂから取得し、２つの画像イメージを重畳して、再生イメージ７０ｃとして表示部Ｓ２５に表示し、該ログ記録時にターゲット機上で表示された画面を再生する。同様に、２つ目のログについて、再生イメージ７０ｄを表示部Ｓ２５に表示する。
【００９２】
再生イメージ７０ｃは、「２００６年５月２２日１４時４９分４２．７８９秒」にターゲット機１０の表示部Ｔ１１３に表示された画像イメージ「背景０００１」および「ウィンドウ０００１」であり、再生イメージ７０ｄは、「２００６年５月２２日１４時５３分０２．０２４秒」にターゲット機１０の表示部Ｔ１１３に表示された画像イメージ「背景０００１」および「ウィンドウ０００２」である。
【００９３】
図２０は、図１３に示した文字列変換テーブル部Ｓ２７に記憶される入出力部特定テーブル６３を示す図である。入出力部特定テーブル６３は、「入出力部名ログ文字列」に対応する「入出力部番号」を示すテーブルである。入出力部特定テーブル６３の右側に備考として、それぞれの入出力部名を記載する。入出力部特定テーブル６３は、ログ解析部２３が解析を行う際に用いるテーブルであり、図７に示した入出力部名定義テーブル５３による変換と逆の変換を行うためのテーブルである。
【００９４】
図２０には、「タッチパネル」を意味する、入出力部名ログ文字列「“ｏｐｅｒａｔｉｏｎ”」に対して、入出力部番号「００１」、「シリアル通信部１」を意味する、入出力部名ログ文字列「“ｓｅｒｉａｌ１”」に対して、入出力部番号「０１１」、「シリアル通信部２」を意味する、入出力部名ログ文字列「“ｓｅｒｉａｌ２”」に対して、入出力部番号「０１２」、「シリアル通信部３」を意味する、入出力部名ログ文字列「“ｅｘｔｓｅｒｉａｌ”」に対して、入出力部番号「０１３」、「表示部」を意味する、入出力部名ログ文字列「“ｄｉｓｐｌａｙ”」に対して、入出力部番号「０２１」、「ＳＳ−ＬＡＮ通信部」を意味する、入出力部名ログ文字列「“ｓｓｌａｎ”」に対して、入出力部番号「０３１」、「アプリケーション」を意味する、入出力部名ログ文字列「“ｃｏｒｅ”」に対して、入出力部番号「１００」が示されている。
【００９５】
図２１は、図１３に示した文字列変換テーブル部Ｓ２７に記憶される動作特定テーブル６４を示す図である。動作特定テーブル６４は、「動作名ログ文字列」に対応する「動作番号」を示すテーブルである。動作特定テーブル６４の右側に備考として、それぞれの動作名を記載する。動作特定テーブル６４は、図８に示した動作名定義テーブル５４による変換と逆の変換を行うためのテーブルである。
【００９６】
図２１には、「情報」を意味する、動作名ログ文字列「“ｍｅｓｓａｇｅ”」に対して、動作番号「０００」、「触れる」を意味する、動作名ログ文字列「“ｐｒｅｓｓｅｄ”」に対して、動作番号「００１」、「離す」を意味する、動作名ログ文字列「“ｒｅｌｅａｓｅｄ”」に対して、動作番号「００２」、「入力」を意味する、動作名ログ文字列「“ｒｅａｄ”」に対して、動作番号「０１１」、「出力」を意味する、動作名ログ文字列「“ｗｒｉｔｅ”」に対して、動作番号「０１２」、「エラー」を意味する、動作名ログ文字列「“ｅｒｒｏｒ”」に対して、動作番号「０２１」、「画面変更」を意味する、動作名ログ文字列「“ｃｈａｎｇｅ”」に対して、動作番号「０３１」が示されている。
【００９７】
図２２は、図１３に示した文字列変換テーブル部Ｓ２７に記憶される動作解析テーブル６５を示す図である。動作解析テーブル６５は、「入出力部」と「動作」との組合せごとに、「動作詳細ログの意味」を示すテーブルであり、ログに動作詳細文字列として記録されたものから、各入出力部でどのような動作が行われたかを特定するために用いられる。動作解析テーブル６５の右側に備考として、それぞれのログの意味を記載している。動作解析テーブル６５は、ログ解析部２３が解析を行う際に用いるテーブルであり、図９に示した動作詳細作成ルールテーブル５５で行われた変換と逆の変換を行うためのものである。
【００９８】
図２２には、入出力部「００１」と動作「００１」との組合せについては、「タッチパネル座標（Ｘ，Ｙ）に触れた」を意味し、動作詳細ログの意味が「“ｘ＝％０４ｄ，ｙ＝％０４ｄ”形式で数値は座標Ｘ、Ｙ」である。同様に、入出力部と動作との各組合せについての動作詳細ログの意味は、入出力部「００１」と動作「００２」との組合せについては、「タッチパネル座標（Ｘ，Ｙ）で離した」を意味し、動作詳細は「“ｘ＝％０４ｄ，ｙ＝％０４ｄ”形式で数値は座標Ｘ、Ｙ」であり、入出力部「０１１」と動作「０１１」との組合せについては、「シリアル通信部１において外部機器との通信で入力があった」を意味し、動作詳細は「１６進数形式で通信内容」であり、入出力部「０１１」と動作「０１２」との組合せについては、「シリアル通信部１において外部機器に通信で出力した」を意味し、動作詳細は「１６進数形式で通信内容」であり、入出力部「０１１」と動作「０２１」との組合せについては、「シリアル通信部１においてエラー発生」を意味し、動作詳細は「１０進数形式でエラーコード」であり、入出力部「０２１」と動作「０３１」との組合せについては、「表示部で画面を表示した」を意味し、動作詳細は「“ｄｉｓｐｌａｙ＝％０４ｄ”形式で数値は画面番号Ｄ」であり、入出力部「０３１」と動作「０１１」との組合せについては、「ＳＳ−ＬＡＮ通信部において外部機器との通信で入力があった」を意味し、動作詳細は「１６進数形式で通信内容」であり、入出力部「０３１」と動作「０１２」との組合せについては、「ＳＳ−ＬＡＮ通信部において外部機器に通信で出力した」を意味し、動作詳細は「１６進数形式で通信内容」であり、入出力部「１００」と動作「０００」との組合せについては、「アプリケーション情報」を意味し、動作詳細は「文字のまま出力する」である。
【００９９】
ログ解析部２３は、ログの入出力名に対応する入出力部番号を図２０に示した入出力部特定テーブル６３から抽出し、ログの動作名に対応する動作番号を図２１に示した動作特定テーブル６４から抽出し、さらに抽出した入出力部番号および動作番号の組合せに対応する動作を図２１に示した動作解析テーブル６５によって特定する。
【０１００】
ログ再生制御部２８は、ターゲット機１０の入出力部１１に含まれる各通信部で通信された情報の場合、ログの動作詳細に示された情報を、入出力表示部７３に文字列化して表示する。画面の表示が行われたログである場合、図１７または図１９に示したように、ログの動作詳細に対応する画面番号を画面イメージファイルＤＢ２４から取得し、取得した表示画面を表示部Ｓ２５に再生表示する。
【０１０１】
さらに、タッチパネル部１１１またはキー部１１２に対する操作のログの場合、ログの動作詳細が示す位置をポインタによって特定して示すことによって、表示部Ｓ２５に表示された画面イメージの中の操作ボタンまたはキーのうち、操作された操作ボタンまたはキーを示すことができる。１つの操作を行った後次の操作を行う場合、１つの操作の位置と次の操作の位置とを結ぶ経路上に、ポインタの残像を１つの操作の位置から次の操作の位置まで順次移動させて表示することによって、ポインタの移動の追尾を可能にする。
【０１０２】
図２３は、図１に示した不正監視システム１の基礎となるログ記録再生システム９の他の構成を模式的に示す図である。図２３に示したログ記録再生システム９は、ログファイルをターゲット機外の記憶装置に記憶するものであり、ＬＡＮ５でそれぞれ接続されるターゲット機１０ａ、サポート機２０、およびネットワークディスク４０を含む。サポート機２０は、図４に示したサポート機２０と同じであり、図示していない。ターゲット機１０ａは、図４に示したターゲット機１０のログファイル部Ｔ１５をなくしたものである。ログ送信部１８は、図４に示したＬＡＮ通信部１１４と同じであり、ログ生成部１２１で生成されたログを、ＬＡＮ５などのネットワークあるいは公衆回線に接続されているネットワークディスク４０に送信する。
【０１０３】
ネットワークディスク４０は、ＬＡＮ５に接続され、ログファイル部Ｎ４１およびログ通信部Ｎ４２を含む。ログファイル部Ｎ４１は、たとえばハードディスク装置などの記憶装置によって構成され、ログ通信部Ｎ４２がターゲット機１０ａから受信したログを記憶する。ログ通信部Ｎ４２は、ＬＡＮ５に接続される他の機器たとえばターゲット機１０ａおよびサポート機２０と、データを送受信する通信部である。これによって、ターゲット機１０ａ内部に記憶領域を設けなくても、ログ記録を行うことができる。
【０１０４】
図２４は、図１に示した不正監視システム１の基礎となるログ記録再生システム９のさらに他の構成を模式的に示す図である。図２４に示したログ記録再生システム９は、ログファイルをなくしたシステムであり、ＬＡＮ５によってそれぞれ接続されるターゲット機１０ｂおよびサポート機２０ａを含む。ターゲット機１０ｂは、図２３に示したターゲット機１０ａと同じであり説明は省略する。サポート機２０ａは、図２５で詳述するが、図１３に示したサポート機２０のログ読取部２１およびバッファ部２２の代わりにログ受信部Ｓ２９を設けたものである。ターゲット機１０ｂは、生成したログを記憶することなく、ログ送信部１８によってサポート機２０ａに送信する。
【０１０５】
図２５は、図２４に示したサポート機２０ａの構成の一例を示すブロック図である。図１３に示したサポート機２０のログ読取部２１およびバッファ部２２の代わりにログ受信部Ｓ２９を設けたものである。サポート機２０ａのログ受信部Ｓ２９は、ターゲット機１０ｂから送信されたログを受信し、ログ解析部２３に送る。ログ解析部２３は、ログ受信部Ｓ２９から受け取ったログを解析し、解析結果をログ再生制御部２８に送る。ログ再生制御部２８は、ログ解析部２３から受け取った解析結果に基づいて表示を行う。すなわち、ログ表示システム３は、ターゲット機１０ｂで行われた操作を、リアルタイムでサポート機２０ａの表示部Ｓ２５に表示することができる。したがって、ターゲット機１０ｂと離れた場所で、ターゲット機１０ｂでの動作を監視することができる。ログを監視する用途に使用することが簡単になる。
【０１０６】
図２６は、図４に示した入出力部１１の入出力ログ指示作成処理のフローチャートである。入出力部１１がログ指示に関する処理を行うとき、ステップＡ１に移る。ステップＡ１では、ハードウェアまたはソフトウェア割込みを待つ。ステップＡ２では、割込みがあったか否かを判定する。割込みがあると、ステップＡ３に進み、割込みがないと、ステップＡ１に戻る。ステップＡ３では、割込みについて処理を行う。ステップＡ４では、割込みを発生した処理内容に基づいてログ指示を作成する。ステップＡ５では、ログ指示をログ生成部１２１に通知して終了する。
【０１０７】
図２７は、図４に示したアプリケーション部１４のログ指示作成処理のフローチャートである。アプリケーション部１４が、表示部Ｔ１１３の画面に表示を行うとき、ステップＢ１に移る。画面表示を行うには、表示制御部１６に対して表示画像番号を通知することによって、表示する画面を指定する。この指定は、ターゲット機１０上で動作する任意のアプリケーションによって行われる。
【０１０８】
ステップＢ１では、表示画像番号を基に画像データ部１４１から、図５に示した画像管理テーブル５１によって特定される画像データを取得する。ステップＢ２では、表示部Ｔ１１３に合わせて画像データを調整する。調整とは、画像は、全体または一部であり、表示部Ｔ１１３の表示能力に合わせて、画像を拡大、縮小、あるいは重ね合せることである。ステップＢ３では、調整した画像データを表示部Ｔ１１３に表示する。ステップＢ４では、表示画像番号に基づいてログ指示を作成する。ステップＢ５では、生成したログ指示をログ生成部１２１へ通知して終了する。
【０１０９】
図２８は、図４に示したログ記録制御部１２のログ監視処理のフローチャートである。ログ記録制御部１２は、入出力部１１内の各部を監視し、ログ対象の動作のログを生成するために、ステップＣ１に移る。
【０１１０】
ステップＣ１では、ログ設定部１２４からログ設定を取得する。ログ設定には、ログの対象、たとえば入出力部１１に関する動作全て、あるいはエラーが設定されており、ログ設定にログ対象を設定しておくことによって、ログ対象の動作を選択することができる。ステップＣ２では、入出力部１１の動作を確認する。すなわち、入出力部１１内の各部の動作を監視する。ステップＣ３では、ログ対象動作があったか否かを判定する。ログ対象動作があると、ステップＣ４に進み、ログ対象動作がないと、ステップＣ２に戻る。
【０１１１】
ステップＣ４では、ログ対象の動作について、ログを生成する。ステップＣ５では、ログ設定に記録先ログファイルの指定があるか否かを判定する。指定があると、ステップＣ７に進み、指定がないと、ステップＣ６に進む。ステップＣ６では、生成したログを標準ログファイル１５１に記録して終了する。ステップＣ７では、生成したログを指定ログファイル１５２に記録して終了する。
【０１１２】
図２９は、図４に示したログ記録制御部１２のログ記録処理のフローチャートである。入出力部１１または表示制御部１６からのログ指示を監視するとき、ステップＤ１に移る。
【０１１３】
ステップＤ１では、ログ指示を待つ。ステップＤ２では、ログ指示があったか否かを判定する。ログ指示があると、ステップＤ３に進み、ログ指示がないと、ステップＤ１に戻る。ステップＤ３では、ログ設定部１２４からログ設定を取得する。ステップＤ４では、ログ指示がログ対象のログ指示か否かを判定する。ログ対象であると、ステップＤ５に進み、ログ対象でないと、ステップＤ１に戻る。
【０１１４】
ステップＤ５では、検出したログ対象の動作について、ログを生成する。ステップＤ６では、ログ設定に記録先ログファイルの指定があるか否かを判定する。指定があると、ステップＤ８に進み、指定がないと、ステップＤ７に進む。ステップＣ７では、生成したログを標準ログファイル１５１に記録して終了する。ステップＣ８では、生成したログを指定ログファイル１５２に記録して終了する。
【０１１５】
図２８と図２９とに示した両フローチャートは、ともにログ記録制御部１２による処理であるが、別々のタスクで動作する。しかし、各フローチャートの開始を他のフローチャートの終了に繋げて１つのタスクとして連続して動作してもよい。
【０１１６】
図３０は、図４に示したログ生成部１２１のログ生成処理のフローチャートである。
図２８に示したステップＣ４または図２９に示したステップＤ５でログを生成する際に、呼び出され、ステップＥ１に移る。したがって、ログ対象のログ指示またはログ対象の動作が特定された状態で処理が開始される。
【０１１７】
ステップＥ１では、システムタイマ部１３から現在の日時を取得する。日時は、必ずしもシステムタイマ部１３による日時である必要はなく、ログの対象となる動作が発生した日時を特定することができる何らかの一意な日時を使用してもよい。一意な日時とは、たとえばターゲット機１０が動作を開始してからの経過時間、同一ネットワーク上のサーバ機の時計による日時あるいはそのサーバの稼動時間である。
【０１１８】
ステップＥ２では、取得した日時から日時ログ文字列を作成する。ステップＥ３では、図７に示した入出力部名定義テーブル５３を参照して、入出力部番号に対応する入出力部ログ文字列を取得する。ステップＥ４では、図８に示した動作名定義テーブル５４を参照して、動作番号に対応する動作ログ文字列を取得する。ステップＥ５では、図９に示した動作詳細作成ルールテーブル５５を参照して、入出力部番号と動作番号との組合せに対応する動作詳細ログ文字列の作成ルールつまり動作詳細のログ作成ルールを取得する。
【０１１９】
ステップＥ６では、取得した動作詳細のログ作成ルールに基づき、動作詳細のログ文字列を作成する。ステップＥ７では、ステップＥ２で作成した日時ログ文字列、ステップＥ３で取得した入出力部ログ文字列、ステップＥ４で取得した動作ログ文字列、およびステップＥ６で作成した動作詳細ログ文字列を結合してログを生成し、終了する。
【０１２０】
図３１は、図１３に示したログ再生制御部２８のログ再生処理のフローチャートである。たとえば操作部２６によって、ログの再生を行う機能が選択されると、ステップＦ１に移る。
【０１２１】
ステップＦ１では、表示部Ｓ２５に、再生するログファイル名を選択させるためのログファイル名選択画面を表示する。ステップＦ２では、操作部２６によってログファイル名が選択されるのを待つ。ステップＦ１に移る前に、たとえばログの再生を行う機能が選択される前に、再生するログファイルが指定されていれば、ステップＦ１およびステップＦ２をスキップしてもよい。
【０１２２】
ステップＦ３では、複数のログファイルが選択されたか否かを判定する。複数のログファイルが選択されると、ステップＦ１９に進み、１つのログファイルが選択されると、ステップＦ４に進む。ステップＦ４では、選択されたログファイルをバッファ部２２に読み込む。ステップＦ５では、バッファ部２２から、ログの記録が開始された日時と終了した日時つまり最後に記録された日時とを取得する。バッファ部２２内のログは、日時順にソートされているので、それぞれ先頭行の日時と最終行の日時とを取得する。
【０１２３】
ステップＦ６では、再生条件を入力させるための再生条件入力画面を表示する。再生条件は、たとえばログの開始から終了までのうちの入力された日時のログを再生するという条件、あるいは入力された文字列と一致するまたは含むログを再生するという条件である。ステップＦ７では、再生条件の指定があるか否かを判定する。再生条件の指定があると、ステップＦ８に進み、再生条件の指定がないと、ステップＦ２０に進む。ステップＦ８では、バッファ部２２内のログから指定された再生条件に合致するログを検索し、バッファ部２２の先頭のログを第１行としたとき、検索されたログの行番号の値から「１」引いた値をカウンタ「ｎ」に代入する。
【０１２４】
ステップＦ９では、カウンタ「ｎ」に「１」を加え、ポインタを次の行に進める。ステップＦ１０では、バッファ部２２から「ｎ」行目のログを１行分読取る。ステップＦ１１では、読み取ったログをログ解析部２３で解析する。解析によって、ログが示す動作がどのようなものであったかを明らかにする。ステップＦ１２では、再生に別の行のログが必要であるか否かを判定する。１つの動作が２行以上のログに分割記録されていることがあるので、別の行が必要であるか否かを判定する。ログが不足すると再生することができないケースがある。別の行のログが必要であると、ステップＦ９に戻り、別の行のログが必要でないと、ステップＦ１３に進む。
【０１２５】
ステップＦ１３では、画面表示のログか否か、つまりログの示す動作が画面表示に関係するものである否かを判定する。画面表示のログの場合、ステップＦ１４に進み、画面表示のログでない場合、ステップＦ１５に進む。ステップＦ１４では、ログに画面イメージについての情報が含まれているので、その情報が示す画面イメージを画面イメージファイルＤＢ２４から取得する。ステップＦ１５では、取得した画面イメージとログが示す動作とから表示する再生画面イメージを生成する。ステップＦ１６では、生成した再生画面イメージを表示部Ｓ２５に表示する。
【０１２６】
ステップＦ１７では、バッファ部２２内のログを全て読み取ったか否かを判定する。ログを全て読み取っていない場合、ステップＦ１８に進み、ログを全て読み取った場合、終了する。終了と同時に開始に戻り、ログファイル選択画面の表示を行うこともできる。ステップＦ１８では、ウェイトｗ秒待ち、ステップＦ９に戻る。ステップＦ１９では、選択された全ログファイルをバッファ部２２に読み込み、ログ各行の日時をキーとしてログをソートし、ステップＦ５に進む。ステップＦ２０では、カウンタ「ｎ」に「０」を代入して、ステップＦ９に進む。
【０１２７】
図３１に示した処理は、操作部２６による操作によって任意の場面で終了することができ、さらに一時的に停止および一時停止からの再実行を行うことができる。さらに、ログファイルの選択とともに、ログファイル内のログをファイルサイズ、行数、またはログに記録された日時によって指定することができ、ログファイルからのログの読み取りを、ログファイル中の任意のログから開始することも可能である。
【０１２８】
再生速度については、図３１に示した各ステップ間、ループ中、あるいはジャンプ前後に、操作部２６によって指定した任意時間または一定時間、たとえばウェイトｗ秒を挿入することも可能であり、これによって再生速度の調整を行うことができる。ウェイトに使用する時間ｗを、ログに記録された日時に基づいて設定することによって、ログの実時間再生も可能である。ｗの値は、フローチャートの処理を開始する時に、またはステップＦ９からステップＦ１８のループ処理中に、操作部２６によって任意に変更することができる。
【０１２９】
図３２は、図１に示した監視端末２と記録・警告装置４とが関係する部分の構成を示すブロック図である。不正監視システム１は、リアルタイムで店舗システム３を監視するため、ログ記録再生システム９の構成のうち、図２４に示した構成をとる。リアルタイムが要求されない場合は、図４あるいは図２３の構成のようにログファイルに記録し、それを読み出してもよい。
【０１３０】
監視端末２は、ログ監視制御部２００、ＬＡＮ通信部２１０、監視端末システムタイマ２１１、アドレス情報ファイル２１２、警告音声ファイル２１３、撮影画像ファイル２１４、および録音音声ファイル２１５を含む。ログ監視制御部２００は、ログ解析部２０１、機器制御部２０２、および記録部２０３を含み、ログを解析することによって、図示しない外部機器３０における物品あるいは現金の過不足を検出し、過不足を検出すると、記録・警告機器４を制御する。
【０１３１】
ログ解析部２０１は、ＬＡＮ通信部２１０がＬＡＮ５を介して図示しないＰＯＳ端末６から受信するログを解析し、外部機器３０における物品あるいは現金の過不足を検出する。外部機器３０における物品あるいは現金の過不足を検出すると、機器制御部２０２に記録および警告の制御を指示する。機器制御部２０２に記録および警告の制御を指示する際、検出した日時を監視端末システムタイマ２１１から取得し、ログから得た監視対象機器番号および監視端末システムタイマ２１１から取得した日時を機器制御部２０２に知らせる。監視対象機器番号は、監視対象機器である店舗システム３を識別するために、店舗システム３ごとに付与される番号である。
【０１３２】
機器制御部２０２は、ログ解析部２０１から記録および警告の制御の指示を受けると、記録および警告を指示すべき外部機器３０を、知らされた監視対象機器番号から、アドレス情報ファイル２１２に記憶される情報たとえば後述するアドレス情報テーブル６６に基づいて特定し、特定した外部機器３０に対応する記録・警告機器４に記録および警告を指示する。警告を指示する際、警告音声ファイル２１３から警告のための警告音情報を読み出して、特定された外部機器３０に対応する記録・警告機器４に送信する。そして、ログ解析部２０１から知らされた日時は、記録部２０３に知らせる。記録部２０３は、記録・警告機器４から受信した情報を記憶する。記録・警告機器４から受信した情報のうち、画像情報は撮影画像ファイル２１４に記憶し、音情報は録音音声ファイル２１５に記憶する。画像情報あるいは音情報を記憶する際、機器制御部２０２から知らされた日時とともに対応付けて記憶する。
【０１３３】
アドレス情報ファイル２１２、警告音声ファイル２１３、撮影画像ファイル２１４、および録音音声ファイル２１５は、図１３に示したサポート機２０たとえば監視端末２の図示しないメモリたとえば磁気ディスク装置など不揮発性の記憶装置に記憶されるファイルである。アドレス情報ファイル２１２は、図３５で後述するアドレス情報テーブル６６を記憶する。警告音声ファイル２１３は、外部機器３０のスピーカ４０３から出力するための音を表す音情報を記憶する。撮影画像ファイル２１４は、外部機器３０のカメラ４０１で撮影された画像を表す画像情報を記憶するためのファイルである。録音音声ファイル２１５は、外部機器３０のマイク４０２で収集された音を表す音情報を記憶するためのファイルである。
【０１３４】
記録・警告装置４は、カメラ４０１、マイク４０２、およびスピーカ４０３を含む。カメラ４０１は、監視装置２からの指示によって、監視対象機器である外部機器３０の周辺つまり外部機器３０を操作する人がいる範囲を撮影し、撮影した画像を表す画像情報を監視装置２に送信する。マイク４０２は、監視装置２からの指示によって、監視対象機器である外部機器３０の周辺つまり外部機器３０を操作する人の会話および外部機器３０で生じる音などの音情報を収集し、収集した音情報を監視装置２に送信する。スピーカ４０３は、監視装置２から受信する警告音情報を出力し、不正な操作が行われたことを報知する。
【０１３５】
図３３は、図４に示した釣銭機３６の構成を示すブロック図である。釣銭機３６は、釣銭機通信制御部３６１、入出金制御部３６２、釣銭機システムタイマ３６３、現金保管庫３６４、現金収受部３６５、釣銭機取引メモリ３６６、釣銭機異常時メモリ３６７、および釣銭機起動時メモリ３６８を含む。釣銭機通信制御部３６１は、ＰＯＳ端末６と通信を行い、送受信する情報を入出金制御部３６２と受け渡しする。
【０１３６】
入出金制御部３６２は、釣銭機３６に対する取引の操作が行われると、現金収受部３６５に現金の収受を指示し、現金の収受が行われた後の現金保管庫３６４に保管される現金の残高を確認し、取引が行われた日時を釣銭機システムタイマ３６３から取得する。確認した残高と、釣銭機システムタイマ３６３から取得した日時とをログ元データとして、釣銭機通信制御部３６１によって、ＰＯＳ端末６に送信する。そして、確認した残高は、釣銭機取引メモリ３６６に記憶する。さらに、釣銭機３６の電源が投入されたとき、およびＰＯＳ端末６との通信で障害を検出したとき、現金保管庫３６４に保管される現金の残高および日時を、ログ元データとして、釣銭機通信制御部３６１によって、ＰＯＳ端末６に送信する。
【０１３７】
釣銭機システムタイマ３６３は、日時を計時し、計時された日時は、入出金制御部３６２によって参照される。釣銭機取引メモリ３６６は、取引後の残高を記憶するためのメモリである。釣銭機異常時メモリ３６７は、通信に障害が検出されたときの現金の残高および日時を記憶するためのメモリである。釣銭機起動時メモリ３６８は、電源が投入された直後の現金の残高および日時を記憶するためのメモリである。
【０１３８】
図３４は、図４に示した自動販売機３９の構成を示すブロック図である。自動販売機３９は、自販機通信制御部３９１、入出庫制御部３９２、自販機システムタイマ３９３、物品保管庫３９４、物品収受部３９５、自販機取引メモリ３９６、自販機異常時メモリ３９７、および自販機起動時メモリ３９８を含む。自販機通信制御部３６１は、ＰＯＳ端末６と通信を行い、送受信する情報を入出庫制御部３６２と受け渡しする。
【０１３９】
入出庫制御部３９２は、自動販売機３９に対する取引の操作が行われると、物品収受部３９５に物品の収受を指示し、物品の収受が行われた後の物品保管庫３９４に保管される物品の残高を確認し、取引が行われた日時を自販機システムタイマ３９３から取得する。確認した残高と、自販機システムタイマ３９３から取得した日時とをログ元データとして、自販機通信制御部３９１によって、ＰＯＳ端末６に送信する。そして、確認した残高は、自販機取引メモリ３９６に記憶する。さらに、自動販売機３９の電源が投入されたとき、およびＰＯＳ端末６との通信で障害を検出したとき、物品保管庫３９４に保管される物品の残高および日時を、ログ元データとして、自販機通信制御部３９１によって、ＰＯＳ端末６に送信する。
【０１４０】
自販機システムタイマ３９３は、日時を計時し、計時された日時は、入出庫制御部３９２によって参照される。自販機取引メモリ３９６は、取引後の残高を記憶するためのメモリである。自販機異常時メモリ３９７は、通信に障害が検出されたときの物品の残高および日時を記憶するためのメモリである。自販機起動時メモリ３９８は、電源が投入された直後の物品の残高および日時を記憶するためのメモリである。
【０１４１】
図３５は、図３２に示したアドレス情報ファイル２１２に記憶されるアドレス情報テーブル６６を示す図である。アドレス情報テーブル６６は、監視対象機器番号６６１、カメラの機器アドレス６６２、マイクの機器アドレス６６３、スピーカの機器アドレス６６４、およびウェイトタイマ６６５の項目を含む。監視対象機器番号６６１は、監視対象機器である店舗システム３を識別するための番号である。カメラの機器アドレス６６２は、監視対象機器である店舗システム３に含まれるカメラ４０１を識別するための識別情報である。マイクの機器アドレス６６３は、監視対象機器である店舗システム３に含まれるマイク４０２を識別するための識別情報である。スピーカの機器アドレス６６４は、監視対象機器である店舗システム３に含まれるスピーカ４０３を識別するための識別情報である。ウェイトタイマ６６５は、マイク４０２が録音する時間を示す。
【０１４２】
図３５に示したアドレス情報テーブル６６には、監視対象機器番号６６１「Ｃａｓｈｅｒ１」について、カメラの機器アドレス「ｃａｍｅｒａ１（Ａｄｒ１）」、マイクの機器アドレス「ｍｉｋｅ１（Ａｄｒ２）」、スピーカの機器アドレス「ｓｐｅａｋｅｒ１（Ａｄｒ３）」、およびウェイトタイマ「ｗａｉｔ１０」が示され、監視対象機器番号６６１「Ｖｅｎｄｅｒ１」について、カメラの機器アドレス「ｃａｍｅｒａ２（Ａｄｒ４）」、マイクの機器アドレス「ｍｉｋｅ２（Ａｄｒ５）」、スピーカの機器アドレス「ｓｐｅａｋｅｒ２（Ａｄｒ６）」、およびウェイトタイマ「ｗａｉｔ１０」が示されている。
【０１４３】
図３６は、図１に示した外部機器３０の取引発生時処理のフローチャートである。外部機器３０たとえば釣銭機３６または自動販売機３９において、取り引きが行われると、ステップＧ１に移る。ステップＧ１では、現金または物品が投入されたか否かを判定する。現金または物品が投入されると、ステップＧ２に進み、現金または物品が投入されないと、ステップＧ３に進む。ステップＧ２では、投入された現金の額または物品の数を取引メモリの残高または数量へ加算する。たとえば釣銭機３６の場合、釣銭機取引メモリ３６６に記憶される残高へ加算し、自動販売機３９の場合、自販機取引メモリ３９６に記憶される数量へ加算する。ステップＧ３では、現金または物品が払い出されたか否かを判定する。現金または物品が払い出されると、ステップＧ４に進み、現金または物品が払い出されないと、ステップＧ５に進む。ステップＧ４では、払い出された現金の額または物品の数量を取引メモリの残高または数量から減算する。
【０１４４】
ステップＧ５では、投入または払い出しが発生したか否かを判定する。投入または払い出しが発生すると、ステップＧ６に進み、投入または払い出しが発生していないと、取引発生時処理を終了する。ステップＧ６では、システムタイマから日時を取得する。ステップＧ７では、取引メモリの残高または数量と日時とをログ元データとしてＰＯＳ端末６に送信して、取引発生時処理を終了する。
【０１４５】
図３７は、図１に示した外部機器３０の電源投入時処理のフローチャートである。外部機器３０に電源が投入されると、ステップＨ１に移る。ステップＨ１では、起動時メモリはクリア済か否かを判定する。すなわち、ＰＯＳ端末６に送信していないログ元データが起動時メモリに記憶されているか否かを判定する。起動時メモリがクリア済であると、ステップＨ２に進み、起動時メモリがクリア済でないと、ステップＨ５に進む。
【０１４６】
ステップＨ２では、現金残高または物品収納数量の計数を行う。ステップＨ３では、システムタイマから日時を取得する。ステップＨ４では、計数結果および日時を起動時メモリへ保存つまり記憶する。ステップＨ５では、起動時の残高または数量を日時とともにログ元データとしてＰＯＳ端末６に送信する。ステップＨ６では、通信がＯＫか否かを判定する。通信がＯＫでないと、電源投入時処理を終了し、通信がＯＫであると、ステップＨ７に進む。ステップＨ７では、起動時メモリの残高または数量をクリアして電源投入時処理を終了する。
【０１４７】
図３８は、図１に示した外部機器３０の通信エラー処理のフローチャートである。ＰＯＳ端末６との通信を行うと、ステップＪ１に移る。ステップＪ１では、通信エラーつまり通信障害があったか否かを判定する。通信エラーがあると、ステップＪ２へ進み、通信エラーがないと、通信エラー処理を終了する。
【０１４８】
ステップＪ２では、異常時メモリはクリア済か否かを判定する。すなわち、ＰＯＳ端末６に送信していないログ元データが異常時メモリに記憶されているか否かを判定する。異常時メモリがクリア済であると、ステップＪ３に進み、異常時メモリがクリア済でないと、ステップＪ６に進む。ステップＪ３では、現金残高または物品収納数量の計数を行う。ステップＪ４では、システムタイマから日時を取得する。ステップＪ５では、計数結果および日時を起動時メモリへ保持つまり記憶する。
【０１４９】
ステップＪ６では、異常時の残高または数量を日時とともにログ元データとしてＰＯＳ端末６に送信する。ステップＪ７では、通信がＯＫか否かを判定する。通信がＯＫでないと、通信エラー処理を終了し、通信がＯＫであると、ステップＪ８に進む。ステップＪ８では、異常時メモリの残高または数量をクリアして通信エラー処理を終了する。
【０１５０】
図３９は、図１に示したＰＯＳ端末６のログ生成処理のフローチャートである。外部機器３０からログ元データの送信があると、ステップＫ１に移る。ステップＫ１では、外部機器３０からログ元データを受信する。ステップＫ２では、ログ元データに基づいてログを生成する。ステップＫ３では、生成したログを監視端末２に送信して、ログ生成処理を終了する。リアルタイムでない場合は、ステップＫ３では、生成したログを標準ログファイル１５１などに記憶して、ログ生成処理を終了する。
【０１５１】
図４０は、図１に示した監視端末２の不正監視処理のフローチャートである。不正監視処理を行うために定期的にたとえば１秒ごとに、ステップＬ１に移る。ステップＬ１では、変数Ｎ１〜Ｎ３をクリアする。ステップＬ２では、ＰＯＳ端末６からログを受信する。ステップＬ３では、ログ終了か否かを判定する。ログが受信されないと、ログ終了であると判定し、不正監視処理を終了し、ログを受信すると、ログ終了でないと判定し、ステップＬ４に進む。
【０１５２】
ステップＬ４では、受信したログが外部機器３０のうち釣銭機３６または自動販売機３９のログか否かを判定する。釣銭機３６または自動販売機３９のログであると、ステップＬ５に進み、釣銭機３６および自動販売機３９のいずれのログでもないと、ステップＬ２に戻る。ステップＬ５では、取引のログか否かを判定する。取引のログであると、ステップＬ１４に進み、取引のログでないと、ステップＬ６に進む。ステップＬ６では、通信エラーのログか否かを判定する。通信エラーのログであると、ステップＬ７に進み、通信エラーのログでないと、ステップＬ１０に進む。
【０１５３】
ステップＬ７では、残高または数量、および外部機器アドレスを変数Ｎ２へセーブする。ステップＬ８では、変数Ｎ１と変数Ｎ２とが一致するか否かを判定する。一致すると、ステップＬ２へ戻り、一致しないと、ステップＬ９へ進む。ステップＬ９では、不正警告処理を行う。ステップＬ１０では、電源ＯＮのログか否かを判定する。電源ＯＮのログであると、ステップＬ１１に進み、電源ＯＮのログでないと、ステップＬ２に戻る。ステップＬ１１では、残高または数量、および外部機器アドレスを変数Ｎ３へセーブする。ステップＬ１２では、変数Ｎ１と変数Ｎ３とが一致するか否かを判定する。一致すると、ステップＬ２へ戻り、一致しないと、ステップＬ１３へ進む。ステップＬ１３では、不正警告処理を行って、ステップＬ２に戻る。ステップＬ１４では、残高または数量、および外部機器アドレスを変数Ｎ１へセーブして、ステップＬ２へ戻る。
【０１５４】
図４１は、図４０に示した不正監視処理から呼び出される不正警告処理のフローチャートである。図４０に示したステップＬ９またはステップＬ１３から呼び出されるとステップＭ１に移る。ステップＭ１では、アドレス情報ファイル２１２に記憶されるアドレス情報テーブル６６から警告機器の機器アドレスとウェイトタイマとを取得する。ステップＭ２では、該当機器アドレスのカメラ４０１に撮影命令を送信する。ステップＭ３では、該当機器アドレスのマイク４０２に録音命令を送信する。ステップＭ４では、警告音声ファイル２１３から音声ファイルを読み出す。ステップＭ５では、該当機器アドレスのスピーカ４０３に、読み出した音声ファイルを送出する。
【０１５５】
ステップＭ６では、ウェイトｗ秒たとえば１０秒待つ。ウェイトｗ秒は、アドレス情報ファイル２１２に記憶されるアドレス情報テーブル６６から取得したウェイトタイマが示す時間である。ステップＭ７では、カメラ４０１から撮影画像ファイルを受信したか否かを判定する。撮影画像ファイルを受信すると、ステップＭ９に進み、撮影画像ファイルを受信しないと、ステップＭ８に進む。ステップＭ８では、マイク４０２から録音音声ファイルを受信したか否かを判定する。録音音声ファイルを受信すると、ステップＭ１１に進み、録音音声ファイルを受信しないと、不正警告処理を終了する。
【０１５６】
ステップＭ９では、システムタイマを取得する。ステップＭ１０では、受信した撮影画像ファイルを撮影画像ファイル２１４に保存つまり記憶し、ステップＭ８に進む。ステップＭ１１では、システムタイマを取得する。ステップＭ１２では、受信した録音音声ファイルを録音音声ファイル２１５に保存つまり記憶し、不正警告処理を終了する。
【０１５７】
図４２は、図３２に示したカメラ４０１の画像撮影処理のフローチャートである。撮影が可能になると、ステップＮ１に移る。ステップＮ１では、監視端末２から撮影命令を受信したか否かを判定する。撮影命令を受信すると、ステップＮ２に進み、撮影命令を受信しないと、ステップＮ１に戻る。ステップＮ２では、外部機器の周辺を撮影する。ステップＮ３では、撮影した画像の画像ファイルを監視端末２に送信して、画像撮影処理を終了する。
【０１５８】
図４３は、図３２に示したマイク４０２の音声録音処理のフローチャートである。録音が可能になると、ステップＰ１に移る。ステップＰ１では、監視端末２から録音命令を受信したか否かを判定する。録音命令を受信すると、ステップＰ２に進み、録音命令を受信しないと、ステップＰ１に戻る。ステップＰ２では、外部機器の周囲の音の録音を開始する。ステップＰ３では、１０秒待つ。ステップＰ４では、録音を終了する。ステップＰ５では、録音した音の録音ファイルを監視端末２に送信して、音声録音処理を終了する。
【０１５９】
図４４は、図３２に示したスピーカ４０３の警告音声再生処理のフローチャートである。出力が可能になると、ステップＱ１に移る。ステップＱ１では、監視端末２から再生命令を受信したか否かを判定する。再生命令を受信すると、ステップＱ２に進み、再生命令を受信しないと、ステップＱ１に戻る。ステップＱ２では、音声を再生して出力し、警告音声再生処理を終了する。
【０１６０】
このように、収納手段である釣銭機３６または自動販売機３９によって、出し入れ可能な監視対象物である現金または物品が収納され、計数手段である入出金制御部３６２または入手庫制御部３９２によって、収納手段に収納されている監視対象物の数量が計数され、電源投入検出手段である入出金制御部３６２または入出庫制御部３９２によって、電源が投入されたことが検出され、記憶手段である釣銭機取引メモリ３６６または自販機取引メモリ３９６によって数量情報が記録され、報知手段であるスピーカ４０３によって異常が報知される。そして、制御手段である入出金制御部３６２または入出庫制御部３９２、および監視端末２によって、収納手段への監視対象物の出し入れが行われた際に収納手段に収納されている監視対象物の数量が計数手段によって計数され、計数手段によって計数された数量を表す数量情報が記憶手段によって記憶される。さらに、電源投入検出手段によって電源が投入されたことが検出されたとき、収納手段に収納されている監視対象物の数量が計数手段によって計数され、電源投入検出時に計数された数量が、記憶手段に記憶される数量情報が示す数量に一致しない場合、監視対象物の数量が一致しないことを表す情報が報知手段によって報知されるので、電源投入直後に監視対象物たとえば収納物品あるいは収納現金の過不足を検出したときに、警告音などによって報知することができる。したがって、物品あるいは現金の不正の抜き取りを抑止することができる。
【０１６１】
さらに、収納手段である釣銭機３６または自動販売機３９によって、出し入れ可能な監視対象物である現金または物品が収納され、計数手段である入出金制御部３６２または入手庫制御部３９２によって、収納手段に収納されている監視対象物の数量が計数され、通信障害検出手段である釣銭機通信制御部３６１または自販機通信制御部３９１によって、外部装置と通信を行う通信部である釣銭機通信制御部３６１または自販機通信制御部３９１での通信の障害が検出され、記憶手段である釣銭機取引メモリ３６６または自販機取引メモリ３９６によって情報が記録され、報知手段であるスピーカ４０３によって情報が報知される。そして、制御手段である入出金制御部３６２または入出庫制御部３９２、および監視端末２によって、収納手段への監視対象物の出し入れが行われた際に収納手段に収納されている監視対象物の数量が計数手段によって計数され、計数手段によって計数された数量を表す数量情報が記憶手段によって記憶される。さらに、通信部での通信の障害が通信障害検出手段によって検出されたとき、収納手段に収納されている監視対象物の数量が計数手段によって計数された数量が、記憶手段に記憶される数量情報が示す数量に一致しない場合、監視対象物の数量が一致しないことを表す情報が報知手段によって報知されるので、通信障害発生直後に監視対象物たとえば収納物品あるいは収納現金の過不足を検出したときに、警告音などによって報知することができる。したがって、物品あるいは現金の不正な抜き取りを抑止することができる。
【０１６２】
さらにまた、計時手段である釣銭機システムタイマ３６３または自販機システムタイマ３９３によって、日時が計時され、前記制御手段によって、計数手段によって計数された数量を表す数量情報を記憶手段に記憶させるとき、計時手段によって計時された日時を表す日時情報を数量情報に対応付けて記憶させるので、過不足が発生していない数量を記憶した日時を特定することができる。したがって、過不足が発生した日時を絞り込むことができる。
【０１６３】
さらに、撮影手段であるカメラ４０１によって、前記収納手段の周囲が撮影され、前記制御手段によって、監視対象物の数量が一致しない場合、撮影手段に収納手段の周囲を撮影させるので、監視対象物たとえば収納物品あるいは収納現金の過不足を検出したとき、収納手段たとえば自動販売機あるいは釣銭機の周囲を撮影することができる。したがって、不正操作発生時の状況証拠を収集することができる。
【０１６４】
さらにまた、録音手段であるマイク４０２によって、前記収納手段の周囲の音が録音され、前記制御手段によって、監視対象物の数量が一致しない場合、録音手段に収納手段の周囲の音を録音させるので、監視対象物たとえば収納物品あるいは収納現金の過不足を検出したとき、収納手段たとえば自動販売機あるいは釣銭機の周囲の音を録音することができる。したがって、不正発生時の状況証拠を収集することができる。
【図面の簡単な説明】
【０１６５】
【図１】本発明の実施の一形態である不正監視システム１の構成を示すブロック図である。
【図２】図１に示した不正監視システム１の基礎となるログ記録再生システム９の構成を模式的に示す図である。
【図３】図２に示したターゲット機１０の外観を模式的に示す斜視図である。
【図４】図１に示した店舗システム３の構成の一例を示すブロック図である。
【図５】図４に示した画像データ部１４１が管理する画像管理テーブル５１の一例を示す図である。
【図６】図４に示した入出力部１１または表示制御部１６からログ生成部１２１に通知されるログ指示例５２を示す図である。
【図７】図４に示した文字列変換テーブル部Ｔ１２２に記憶される入出力部名定義テーブル５３を示す図である。
【図８】図４に示した文字列変換テーブル部Ｔ１２２に記憶される動作名定義テーブル５４を示す図である。
【図９】図４に示した文字列変換テーブル部Ｔ１２２に記憶される動作詳細作成ルールテーブル５５を示す図である。
【図１０】図４に示したログファイル部Ｔ１５に記憶されたログ例５６を示す図である。
【図１１】図４に示したアプリケーション部１４がログ指示作成のために用いるログ事象変換テーブル５７を示す図である。
【図１２】図４に示したアプリケーション部１４からログ生成部１２１に通知するログ指示例５８およびそれに基づくログ例５９を示す図である。
【図１３】図２に示したサポート機２０の構成の一例を示すブロック図である。
【図１４】図１３に示した表示部Ｓ２５に表示される再生画面７０を示す図である。
【図１５】図１３に示したログ再生制御部２８で用いられる検索方法定義テーブル６０を示す図である。
【図１６】図１３に示した画面イメージファイルＤＢ２４に記憶される画面テーブル６１の一例を示す図である。
【図１７】図１４に示した画面表示部７１に表示される再生画面７０の生成手順の一例を模式的に示す図である。
【図１８】図１３に示した画面イメージファイルＤＢ２４に記憶される他の画面テーブル６２の例を示す図である。
【図１９】図１４に示した画面表示部７１に表示される再生画面の生成手順の他の例を模式的に示す図である。
【図２０】図１３に示した文字列変換テーブル部Ｓ２７に記憶される入出力部特定テーブル６３を示す図である。
【０１６６】
【図２１】図１３に示した文字列変換テーブル部Ｓ２７に記憶される動作特定テーブル６４を示す図である。
【図２２】図１３に示した文字列変換テーブル部Ｓ２７に記憶される動作解析テーブル６５を示す図である。
【図２３】図１に示した不正監視システム１の基礎となるログ記録再生システム９の他の構成を模式的に示す図である。
【図２４】図１に示した不正監視システム１の基礎となるログ記録再生システム９のさらに他の構成を模式的に示す図である。
【図２５】図２４に示したサポート機２０ａの構成の一例を示すブロック図である。
【図２６】図４に示した入出力部１１の入出力ログ指示作成処理のフローチャートである。
【図２７】図４に示したアプリケーション部１４のログ指示作成処理のフローチャートである。
【図２８】図４に示したログ記録制御部１２のログ監視処理のフローチャートである。
【図２９】図４に示したログ記録制御部１２のログ記録処理のフローチャートである。
【図３０】図４に示したログ生成部１２１のログ生成処理のフローチャートである。
【図３１】図１３に示したログ再生制御部２８のログ再生処理のフローチャートである。
【図３２】図１に示した監視端末２と記録・警告装置４とが関係する部分の構成を示すブロック図である。
【図３３】図４に示した釣銭機３６の構成を示すブロック図である。
【図３４】図４に示した自動販売機３９の構成を示すブロック図である。
【図３５】図３２に示したアドレス情報ファイル２１２に記憶されるアドレス情報テーブル６６を示す図である。
【図３６】図１に示した外部機器３０の取引発生時処理のフローチャートである。
【図３７】図１に示した外部機器３０の電源投入時処理のフローチャートである。
【図３８】図１に示した外部機器３０の通信エラー処理のフローチャートである。
【図３９】図１に示したＰＯＳ端末６のログ生成処理のフローチャートである。
【図４０】図１に示した監視端末２の不正監視処理のフローチャートである。
【０１６７】
【図４１】図４０に示した不正監視処理から呼び出される不正警告処理のフローチャートである。
【図４２】図３２に示したカメラ４０１の画像撮影処理のフローチャートである。
【図４３】図３２に示したマイク４０２の音声録音処理のフローチャートである。
【図４４】図３２に示したスピーカ４０３の警告音声再生処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【０１６８】
１ 不正監視システム
２ 監視端末装置
３ 店舗システム
４ 記録・警告装置
５ ＬＡＮ
６ ＰＯＳ端末
９ ログ記録再生システム
１０ ターゲット機
１１ 入出力部
１２ ログ記録制御部
１３ システムタイマ部
１４ アプリケーション部
１５ ログファイル部Ｔ
１６ 表示制御部
１７ 制御部
１８ ログ送信部Ｔ
２０ サポート機
２１ ログ読取部
２２ バッファ部
２３ ログ解析部
２４ 画面イメージファイルＤＢ
２５ 表示部Ｓ
２６ 操作部
２７ 文字列変換テーブル部Ｓ
２８ ログ再生制御部
２９ ログ受信部Ｓ
３０ 外部機器
３１ プリンタ
３２ スキャナ
３３ 磁気カードリードライタ
３４ 暗証番号入力装置
３５ 計量機
３６ 釣銭機
３７ 油面計
３８ 洗車機
３９ 自動販売機
４０ ネットワークディスク
４１ ログファイル部Ｎ
４２ ログ受信部Ｎ
５１ 画像管理テーブル
５３ 入出力部名定義テーブル
５４ 動作名定義テーブル
５５ 動作詳細作成ルールテーブル
５７ ログ事象変換テーブル
６０ 検索方法定義テーブル
６１，６２ 画面テーブル
６３ 入出力部特定テーブル
６４ 動作特定テーブル
６５ 動作解析テーブル
７０ 再生画面
７１ 画像表示部
７２ キー操作表示部
７３ 入出力表示部
７４ 再生ポインタ
１１１ タッチパネル部
１１２ キー部
１１３ 表示部Ｔ
１１４ ＬＡＮ通信部
１１５ パラレル通信部
１１６ シリアル通信部
１１７ 無線通信部
１１８ ＳＳ−ＬＡＮ通信部
１２１ ログ生成部
１２２ 文字列変換テーブル部Ｔ
１２３ ログ記録部
１２４ ログ設定部
１４１ 画像データ部
１４２ アプリケーション制御部
１５１ 標準ログファイル
１５２ 指定ログファイル
２００ ログ監視制御部
２０１ ログ解析部
２０２ 機器制御部
２０３ 記録部
３６２ 入出金制御部
３６４ 現金保管庫
３６５ 現金収受部
３９２ 入出庫制御部
３９４ 物品保管庫
３９５ 物品収受部
４０１ カメラ
４０２ マイク
４０３ スピーカ
【特許請求の範囲】
【請求項１】
出し入れ可能な監視対象物を収納する収納手段と、
収納手段に収納されている監視対象物の数量を計数する計数手段と、
電源が投入されたことを検出する電源投入検出手段と、
数量情報を記憶する記憶手段と、
異常を報知する報知手段と、
収納手段への監視対象物の出し入れが行われた際に、収納手段に収納されている監視対象物の数量を計数手段によって計数させ、計数手段によって計数された数量を表す数量情報を記憶手段に記憶させ、
電源投入検出手段によって電源が投入されたことが検出されたとき、収納手段に収納されている監視対象物の数量を計数手段によって計数させ、電源投入検出時に計数された数量が、記憶手段に記憶される数量情報が示す数量に一致しない場合、監視対象物の数量が一致しないことを表す情報を報知手段によって報知させる制御手段とを含むことを特徴とする監視装置。
【請求項２】
出し入れ可能な監視対象物を収納する収納手段と、
外部装置と通信を行う通信手段と、
収納手段に収納されている監視対象物の数量を計数する計数手段と、
通信手段での通信の障害を検出する通信障害検出手段と、
情報を記憶する記憶手段と、
情報を報知する報知手段と、
収納手段への監視対象物の出し入れが行われた際に、収納手段に収納されている監視対象物の数量を計数手段によって計数させ、計数手段によって計数された数量を表す数量情報を記憶手段に記憶させ、
通信手段での通信の障害が通信障害検出手段によって検出されたとき、収納手段に収納されている監視対象物の数量を計数手段によって計数された数量が、記憶手段に記憶される数量情報が示す数量に一致しない場合、監視対象物の数量が一致しないことを表す情報を報知手段によって報知させる制御手段とを含むことを特徴とする監視装置。
【請求項３】
日時を計時する計時手段をさらに含み、
前記制御手段は、計数手段によって計数された数量を表す数量情報を記憶手段に記憶させるとき、計時手段によって計時された日時を表す日時情報を数量情報に対応付けて記憶させることを特徴とする請求項１または２に記載の監視装置。
【請求項４】
前記収納手段の周囲を撮影する撮影手段をさらに含み、
前記制御手段は、監視対象物の数量が一致しない場合、撮影手段に収納手段の周囲を撮影させること特徴とする請求項１〜３のいずれか１つに記載の監視装置。
【請求項５】
前記収納手段の周囲の音を録音する録音手段をさらに含み、
前記制御手段は、監視対象物の数量が一致しない場合、録音手段に収納手段の周囲の音を録音させること特徴とする請求項１〜４のいずれか１つに記載の監視装置。
【請求項１】
出し入れ可能な監視対象物を収納する収納手段と、
収納手段に収納されている監視対象物の数量を計数する計数手段と、
電源が投入されたことを検出する電源投入検出手段と、
数量情報を記憶する記憶手段と、
異常を報知する報知手段と、
収納手段への監視対象物の出し入れが行われた際に、収納手段に収納されている監視対象物の数量を計数手段によって計数させ、計数手段によって計数された数量を表す数量情報を記憶手段に記憶させ、
電源投入検出手段によって電源が投入されたことが検出されたとき、収納手段に収納されている監視対象物の数量を計数手段によって計数させ、電源投入検出時に計数された数量が、記憶手段に記憶される数量情報が示す数量に一致しない場合、監視対象物の数量が一致しないことを表す情報を報知手段によって報知させる制御手段とを含むことを特徴とする監視装置。
【請求項２】
出し入れ可能な監視対象物を収納する収納手段と、
外部装置と通信を行う通信手段と、
収納手段に収納されている監視対象物の数量を計数する計数手段と、
通信手段での通信の障害を検出する通信障害検出手段と、
情報を記憶する記憶手段と、
情報を報知する報知手段と、
収納手段への監視対象物の出し入れが行われた際に、収納手段に収納されている監視対象物の数量を計数手段によって計数させ、計数手段によって計数された数量を表す数量情報を記憶手段に記憶させ、
通信手段での通信の障害が通信障害検出手段によって検出されたとき、収納手段に収納されている監視対象物の数量を計数手段によって計数された数量が、記憶手段に記憶される数量情報が示す数量に一致しない場合、監視対象物の数量が一致しないことを表す情報を報知手段によって報知させる制御手段とを含むことを特徴とする監視装置。
【請求項３】
日時を計時する計時手段をさらに含み、
前記制御手段は、計数手段によって計数された数量を表す数量情報を記憶手段に記憶させるとき、計時手段によって計時された日時を表す日時情報を数量情報に対応付けて記憶させることを特徴とする請求項１または２に記載の監視装置。
【請求項４】
前記収納手段の周囲を撮影する撮影手段をさらに含み、
前記制御手段は、監視対象物の数量が一致しない場合、撮影手段に収納手段の周囲を撮影させること特徴とする請求項１〜３のいずれか１つに記載の監視装置。
【請求項５】
前記収納手段の周囲の音を録音する録音手段をさらに含み、
前記制御手段は、監視対象物の数量が一致しない場合、録音手段に収納手段の周囲の音を録音させること特徴とする請求項１〜４のいずれか１つに記載の監視装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図１６】
【図１７】
【図１８】
【図１９】
【図２０】
【図２１】
【図２２】
【図２３】
【図２４】
【図２５】
【図２６】
【図２７】
【図２８】
【図２９】
【図３０】
【図３１】
【図３２】
【図３３】
【図３４】
【図３５】
【図３６】
【図３７】
【図３８】
【図３９】
【図４０】
【図４１】
【図４２】
【図４３】
【図４４】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図１６】
【図１７】
【図１８】
【図１９】
【図２０】
【図２１】
【図２２】
【図２３】
【図２４】
【図２５】
【図２６】
【図２７】
【図２８】
【図２９】
【図３０】
【図３１】
【図３２】
【図３３】
【図３４】
【図３５】
【図３６】
【図３７】
【図３８】
【図３９】
【図４０】
【図４１】
【図４２】
【図４３】
【図４４】
【公開番号】特開２００９−９８８９５（Ｐ２００９−９８８９５Ａ）
【公開日】平成２１年５月７日（２００９．５．７）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００７−２６９４４９（Ｐ２００７−２６９４４９）
【出願日】平成１９年１０月１６日（２００７．１０．１６）
【出願人】（０００００５０４９）シャープ株式会社 (33,933)
【出願人】（５９２０３２５２２）シャープシステムプロダクト株式会社 (23)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２１年５月７日（２００９．５．７）
【国際特許分類】
【出願日】平成１９年１０月１６日（２００７．１０．１６）
【出願人】（０００００５０４９）シャープ株式会社 (33,933)
【出願人】（５９２０３２５２２）シャープシステムプロダクト株式会社 (23)
【Ｆターム（参考）】
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