説明

相乗的エネルギー分散および波長分散型X線分光

X線分光器は解析中の試料からエネルギー分散スペクトルを収集し、試料中に存在し得る候補元素のリストを生成する。その後、波長分散スペクトル収集手段は、候補元素のいくつかまたはすべてのエネルギー/波長においてX線強度測定値を取得するように調整され、これによりこれらの候補元素が試料中に実際に存在するかどうかを検証する。さらに、候補元素から選択された1つ(好ましくは、試料中にその存在が検証されたもの、または試料中に存在する可能性が高いもの)のエネルギー/波長に波長分散スペクトル収集手段を調節し、次に、波長分散スペクトル収集手段が選択された候補元素の最大強度測定値を戻すまで波長分散スペクトル収集手段と試料との位置合わせを変更することにより、波長分散スペクトル収集手段と試料との位置合わせを最適化することができる。次に、他の候補元素の強度測定値はこの最適化された位置合わせにおいて収集される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、米国特許法(35 USC)第119条(e)に基づき、2008年8月4日出願の米国仮特許出願第61/085,969号明細書の優先権を主張しその全体を参照により本明細書に援用する。
【0002】
本発明は一般的にはX線分光の分野に関し、より詳細にはエネルギー分散X線分光と波長分散X線分光に関する。
【背景技術】
【0003】
X線検出器は、電子顕微鏡(走査電子顕微鏡(SEM:scanning electron microscope)、透過型電子顕微鏡(TEM:transmission electron microscope)等)、X線分光計(X線蛍光(XRF:X−ray fluorescence)分光計、粒子励起X線放射(PIXE:particle−induced x−ray emission)分光計等)、および材料の組成物を解析する他の計器において使用される。これを図1に模式的に示す。ここで、電子ビーム、陽子ビーム、X線ビーム、ガンマ線ビーム等のエネルギービーム10は放射手段20から解析対象の試料30上のターゲット位置に向けられる。放射手段20は任意の適切なビーム放射手段(例えば、電子エネルギービームの場合には陰極)の形式をとることができ、図1には示さないビーム集束/操舵装置(例えば、所望により電子エネルギービームを方向付ける磁気レンズ)に関連付けられてよい。試料30の原子は入射エネルギービーム10に応じてイオン化し、原子内の電子は原子核周りの異なる軌道順位間を遷移する。(このような軌道はK、L、MおよびNシェルと呼ばれることが多く、シェル間の遷移は2つの隣接シェル間で発生する場合はアルファ遷移、中間シェルにより離間された2つのシェル間で発生する場合はベータ遷移と呼ばれることが多い。)これらの電子遷移は試料30からのX線(X線光子)放射の形式でエネルギーを放つ。X線は放射された試料30の原子の特性(すなわち、試料の元素組成の特性)であるエネルギーと波長を有する。したがって、前述の計器はX線エネルギーおよび/または波長を測定し解析して試料30の元素組成を特定し定量化することができる。
【0004】
このような計器はまた、試料30上の一連のターゲット位置にわたってエネルギービーム10を走査(および/または、ビーム10下で試料30を走査)して試料のその領域上の組成物の「地図」を作成することが多い。さらに、エネルギービーム10からの副産物を各ターゲット位置において捕捉することができ、試料30の画像を生成するためにそれを使用することができる。例えば、エネルギービーム10が電子ビームである場合、画像は、ターゲット位置の後方散乱電子(ターゲット位置から「反射された」エネルギービーム10からの電子)またはターゲット位置の2次電子(エネルギービーム10により試料から叩き出された電子)を描写することができる。いずれの場合も、視覚表現は標準光下で目視した場合のターゲット位置の外観に対応しないかもしれないが画像はターゲット位置の視覚表現を提供する。例えば、後方散乱電子画像はターゲット位置の密度の図を効果的に提供し、2次電子画像はターゲット位置の表面の粗さの図を効果的に提供する。画像内に示された試料30の様々な領域についての前述の元素組成データと共に生成画像を表示することができ、これにより試料30の性質についての貴重な理解をユーザに与える。
【0005】
元素組成データの精度(および、その収集の速度および容易性)はそれがどのように生成されたかに強く依存する。エネルギー分散型分光(EDS)では、EDS検出器40(例えば、シリコンドリフト検出器(SDD:Silicon Drift Detector)、リチウム添加シリコン(SiLi)検出器、マイクロ熱量計、フォトダイオード、シリコン多陰極検出器(SMCD:silicon multi−cathode detector)、PiNダイオード、または同様の装置)が試料30上のターゲット位置から放射されたX線光子とそれらのエネルギー(通常は、電圧として測定される)を検知する。検知された光子の相対数(計数)とそれらのエネルギーは元素分析の基本として役立つ。光子計数とエネルギーはスペクトル(具体的には、ヒストグラムとしてしばしば提示されるエネルギー分散スペクトル)を形成する。試料からの計数はそれらのエネルギーに対しプロットされる(この性質の例示的スペクトルを参照符号50で示す)。このとき、特定のエネルギーまたはエネルギー範囲における計数は前述の電子遷移を示すために役立ち、特定の元素の特徴的「指紋」となることができる。別の言い方をすると、特定のエネルギーまたはエネルギー範囲における高い計数すなわち「ピーク」は試料中の特定の元素の存在を示すのに役立つ。したがって、放射光子の計数とエネルギーを含むスペクトルを編集し、これと基準スペクトル(既知の元素組成を有する物質から生成されたスペクトル)とを比較することにより、あるいはピークを引き起こす元素を特定することにより、試料中に存在する元素に関する情報を取得できる。さらに、ピークの相対的高さ(すなわち、それらの計数または光子強度)は、存在する元素の相対量の指標を提供することができる。
【0006】
EDSに関する1つの問題は、それがいくぶん乏しい分解能を有するということであり、いくつかの異なる元素のピークが重なる(すなわち、いくつかの元素が同じエネルギーまたはエネルギー範囲に位置するピークを生成する)点にある。一例として、硫黄K−アルファピーク、モリブデンL−アルファピーク、および鉛M−アルファピークは同じエネルギーまたはエネルギー範囲にわたって表示される。例えば、重なるピークは、測定されたEDSスペクトルと基準スペクトルとを比較してこの測定スペクトルに合成される可能性の最も高い基準スペクトルを決定することにより個々のピークに「逆畳み込み」することができることもある。しかしながら、逆畳み込み(デコンボリューション)は存在する元素およびそれらの相対量の不正確な判断をもたらすこともあるので、その結果が正しいかどうかを判断するための追跡解析が時に必要とされる。
【0007】
EDSの代わりは、X線光子をそれらの個別の波長に「ソート」するブラックの回析法則を利用した波長分散型分光(WDS:wavelength dispersive spectroscopy)である。このとき、様々な波長における光子の計数とエネルギーは試料30中の元素を特定するのに役立つ。WDSも図1の左側に模式的に示される。ここでは、試料30上のターゲット位置から放射された光子は回折子60において方向付けられる。回折子60の特性と入射光子に対するその配向とに依存して、ある波長を有する光子は積極的に反射されてWDS検出器70において強く測定されるが、他の波長の光子は破壊的に干渉して検出器70において弱く記録される。したがって試料30に対する回折子60の角度を(入射光子に対する回折子の角度60は通常、回折子60と検出器70との角度に等しくなければならないので検出器70の角度および/または位置も)変更することにより、および/または回折子60自体を変更することにより(例えば、六角形の回折子60を回転させて、異なる結晶の回折子で形成された異なる面を入射X線に晒すことにより)、すべての関連波長にわたって走査して、試料30の元素組成を特徴付けるのに役立つ光子計数/強度およびエネルギーのスペクトルを再び生成することができる。WDSスペクトル内の基本的なピークは著しく高い分解能を有する傾向がある(すなわち、ピークは狭いエネルギー範囲にわたって現われ、より「急峻」である)。例示的なWDSスペクトルを図1に参照符号80で示す。これは、EDSで発生するピーク重なりの問題を回避するのを助ける。(EDSシステムとWDSシステムは従来は図1に示すのと同じ装置においては組み合わせられないことに注目すべきである。これらは、本明細書では単に考察の容易さおよび以下の本発明の考察のために、組み合わせた形式で示される。)しかしながら、WDSは時間浪費的であるという欠点を有する。すなわち、ある範囲の波長にわたって走査し、それぞれの生成された波長設定において測定値を収集するようにWDSスペクトル収集手段を調節する(すなわち、回折子60と検出器70を位置決めする)のに時間がかかる。その結果、目的の元素(試料30中にその存在が疑われる元素)の輝線の波長(すなわちピーク)においてだけ測定値を収集するためにWDSスペクトル収集手段を調節することが一般的である。したがって、この手法は、関連する波長が飛び越された場合にはいくつかの元素を検知することができない。WDSはまた、試料30、回折子60、検出器70間の位置合わせに極めて敏感であるという点に難しさがある。すなわち、検出器70と試料30上のターゲット位置は両方とも回折子60に対し同じ角度に位置しなければならず、そして検出器70はこの関係により規定された経路に沿って伝搬する光子だけを正しく記録する。その結果、試料30上のターゲット位置が回折子60に対し検出器70と同じ角度に位置しないと、検出器70は有るか無しかの光子を受け、検出器70の測定値が取得されないかあるいは測定値は低くなる。適切な位置合わせを実現する際の困難さは、エネルギービーム10(その軸は時間とともに変化する可能性がある)のドリフトにより、そして試料30のトポロジー(例えば、図1に示すような表面高の差異)と試料30上のターゲット位置の変動性をもたらす要因により、さらに悪化される可能性が有る。WDSとEDSに関するさらなる詳細を有用に含む(そして参照により本明細書に援用される)米国特許第5,926,522号明細書において検討されたように、集光光学素子90(ポリキャピラリレンズ/光学素子等)は、前述の経路に沿って伝搬する光子だけでなくやや発散する経路に沿って伝搬する光子も捕捉するように試料30と回折子60との間に有用に置かれ、これら光子が所望の経路に沿って伝搬し検出器70で検知されるようにこれらを集光し平行にすることができる。実質的に、集光光学素子90は検出器70の視野を広げ、したがって受ける光子の数を増加させ、光子収集時間を削減することができる。それにもかかわらず、本システムは位置合わせエラーに対して依然として敏感である。
【0008】
前述の困難さの故に、WDS(そしてEDS)の精度、速度、容易性のさらなる向上は当然歓迎されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】例示的なX線分光配置の単純化された概略図である。ここでは、エネルギービーム10は試料30上のターゲット位置に向けられ、試料30からの生成X線放射は、EDSスペクトル収集手段(EDS検出器40により表される)およびWDSスペクトル収集手段(集光光学素子90、回折子60、検出器70により表される)により、検知され、生成EDSスペクトルは参照符号50で示され、生成WDSスペクトルは参照符号80で示される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本文書の最後に記載される特許請求の範囲により定義される本発明は、少なくとも部分的に前述の問題を緩和するためにEDSとWDSの両方を使用するシステムに関する。本発明の好ましいバージョンの特徴のいくつかの基本的理解は、本発明の例示的な配置の添付図面を参照する以下の考察の検討から得られる。
【0011】
本発明は図1に例示する配置を利用することができる。ここで、X線分光計は試料台35と、試料台35上の試料30に向けてエネルギービーム10を放射するように配置されたエネルギービーム放射手段20と、エネルギー分散スペクトル収集手段45および波長分散スペクトル収集手段65と、を含む。エネルギー分散スペクトル収集手段45は試料30から放射されたX線を受けるように配置され、エネルギー分散スペクトル収集手段45はエネルギー分散型スペクトル(EDS)検出器40を有する。波長分散スペクトル収集手段65は、試料30から放射されたX線を受けるように同様に配置され、試料30から放射されたX線を受ける少なくとも1つの回折子60と、回折子60からのX線を受ける波長分散型スペクトル(WDS)検出器70(および、好ましくは試料30から放射されたX線を受けて回折子60にこのようなX線を提供する集光光学素子90)と、を含む。
【0012】
試料30上のターゲット位置からエネルギー分散スペクトル50を取得するためにエネルギー分散スペクトル収集手段45を使用することができ、従来のやり方で(例えば、EDSスペクトル50と基準スペクトルとの比較、逆畳み込み方式等の適用等により)1つまたは複数の候補元素(すなわち、試料30上のターゲット位置に存在し得る元素)をエネルギー分散スペクトル50から特定することができる。必要に応じ候補元素をユーザに出力することができ、また候補元素を以下のやり方の少なくとも1つのやり方で使用することができる。
【0013】
最初に、波長分散スペクトル収集手段65がターゲット位置から高品質の強度測定値を取得する(例えば、放射光子の最大量を収集する)ようにうまく位置合わせされるように試料30上のターゲット位置に対する波長分散スペクトル収集手段65の位置を最適化するために、候補元素を使用することができる。波長分散スペクトル収集手段65は、試料30上のターゲット位置から、選択された候補元素の強度測定値を取得するために、その回折子60、検出器70、および/または他の部品を、適切な波長/エネルギー設定に調節することにより、特定された候補元素のうちの選択された1つの強度測定値を取得するように調整することができる。この初期強度測定値を取得した後、1つまたは複数の自由度で波長分散スペクトル収集手段65を移動させることにより(好ましくは1つまたは複数の軸に沿って波長分散スペクトル収集手段65(および/または試料30)を単に平行移動することにより)波長分散スペクトル収集手段65を試料30上のターゲット位置に対し再配置(再位置合わせ)することができる。次に、波長分散スペクトル収集手段65が試料30上のターゲット位置から候補元素の別の強度測定値を取得すると、新しい強度測定値を前の強度測定値とは異なる位置合わせから取得する。このとき、試料30上のターゲット位置に対し異なる位置合わせにおける候補元素の強度測定値を収集するこの処理は必要に応じ数回繰り返すことができる。次に、収集された強度測定値同士を比較して、最大強度測定値が取得された波長分散スペクトル収集手段65の位置および/または試料30の位置を特定することができる。これは恐らく、試料30上のターゲット位置に対し波長分散スペクトル収集手段65が最もよく位置合わせされた波長分散スペクトル収集手段65の位置および/または試料30の位置を表す。波長分散スペクトル収集手段65の位置は選択された候補元素(収集されたEDSスペクトル50内にも現われた(少なくとも現われるように思われた)元素)の測定強度を最大にするために試料30上のターゲット位置に対し変更されるので、最も高い強度測定値を生成する位置は、試料30上のターゲット位置、回折子60、およびWDS検出器70(そして試料30と回折子60間に位置する任意の集光光学素子90)間の位置合わせ状態に対応する(あるいは、少なくともより密接に対応する)可能性が高い。
【0014】
最大強度測定値を生成する位置が特定されると、波長分散スペクトル収集手段65および/または試料30をこの位置に戻すことができ(この位置に既に存在しなければ)、波長分散スペクトル収集手段65を調整して試料30上のターゲット位置から他の候補元素の強度測定値を収集することができる。様々な候補元素に対し収集された強度測定値を編集してWDSスペクトル80を作成することができる。候補元素が存在する可能性があることをEDSスペクトル50が示した場合の波長/エネルギーにおける強度測定値だけを取得することにより、収集時間を最適化することができる。最も好ましくは、この最適化は、EDSスペクトル50の解析中に、存在する可能性が最も高いと思われる候補元素の波長/エネルギーにおいて収集を開始することにより行われる。データ品質(すなわち、検知された計数値と、したがってスペクトル分解能)は、候補元素に対し最も高い強度測定値を生成する収集手段65/試料30位置合わせを「捜索する」ことにより、そして次に、位置合わせが最適化されるとWDS強度測定値を取得することにより、高められる。
【0015】
一方、波長分散スペクトル収集手段65とターゲット位置間の位置の変更が強度測定値の意味のある変化を生じない場合、および/または、強度測定値が「背景」強度測定値との差をわずかに有するかあるいは全く有しない場合(以下に検討されるように)、これは、選択された候補元素が試料30上のターゲット位置に実際は存在しない(例えば、恐らく、候補元素の存在は逆畳み込みエラーのためにEDSスペクトル50から間違って導き出された)ということを示すかもしれない。これが発生した場合、候補元素を、EDSスペクトル50から特定された候補元素のリストから削除することができる。このようにして、WDS強度測定値は、測定されたEDSスペクトルから、特定された候補元素を検証するとともに実際は存在しない候補元素を削除するために使用される。前述の位置合わせ最適化手順が実行されない場合でも、この検証を実行することができる。例えば、EDSスペクトル50の解析から戻された候補元素のそれぞれ(または、これらの候補元素の少なくとも一部)に対し、波長分散スペクトル収集手段65は候補元素の強度測定値を取得するように調整され、試料30上のターゲット位置からそれぞれの設定における強度測定値を収集することができる。例えば強度測定値と1つまたは複数の「背景」強度測定値(すなわち、いかなる元素も特徴的な強度測定値を生成しない波長/エネルギーにおいて取得される強度測定値、したがってこれら強度測定値は背景雑音を表す)とを比較することによりこれら強度測定値を解析して強度測定値が候補元素の存在を示すかどうかを判断することができる。(強度測定値は、背景雑音を表す「平均」背景強度測定値を得るために、いくつかのこのような波長/エネルギーにおいて取得され、次に平均化され、加算され、あるいは組み合わせられることが好ましい。)候補元素の強度測定値が背景雑音の特徴を示す強度測定値と似ている場合、候補元素は試料30上のターゲット位置に恐らく存在せず、したがって候補元素は候補元素のリストから削除されなければならない。一方、背景強度測定値と候補元素の強度測定値間に有意差がある場合、これは候補元素がターゲット位置に存在する可能性があることを示す。
【0016】
前述の位置合わせ最適化手順を実行する際、1つまたは複数の候補元素がEDSスペクトル50から特定されたら、1つまたは複数の下記要因に基づいて、位置合わせに使用する候補元素を選択する(すなわち、波長分散スペクトル収集手段65がそれに対して調節され、その最大強度信号がターゲット位置において「捜索される」候補元素を選択する)ことが好ましい。(以下の要因のすべてが考慮され、それらの重み/重大性は高い順にリスト化されることが好ましい。)
【0017】
第1に、選択される候補元素は当然、波長分散スペクトル収集手段65が強度測定値を取得できるものでなければならない。場合によっては、例えば、回折子60が、波長分散スペクトル収集手段65を、元素が正確に測定される波長/エネルギーに調節することができないため、EDSスペクトル50は波長分散スペクトル収集手段65により測定可能でない(あるいは、効率的に測定可能でない)元素の存在を示すことがある。波長分散スペクトル収集手段65は1つまたは複数の特定元素(例えば、Si、Fe、Al)を最適に検知するように構築されることが多い。このとき、これらの元素の強度は、通常は回折子60の注意深い選択により、他の元素に対するよりも容易かつ正確に測定される。選択される候補元素は、波長分散スペクトル収集手段65が強度測定値を最も効率的に取得できるような元素であることが好ましい。
【0018】
第2に、選択される候補元素はエネルギー分散スペクトル50内の最も高いピーク(計数または強度)の1つを有するものであることが好ましい。このとき、このような候補元素は、候補元素が試料30中に本当に存在することを前提として、波長分散スペクトル収集手段65により容易に測定可能な強度を有しなければならない。位置合わせ最適化に使用される候補元素を選択するための特に好ましい方法は、エネルギー分散スペクトル50内のピーク高さのすべての合計の約5〜15%以上のピーク高さをエネルギー分散スペクトル50内に有する候補元素を選択することである。例えば、EDSスペクトル50内のピークのすべての合計計数の少なくとも10%の計数を有するEDSスペクトルピークを有する候補元素を選択することにより、「取るに足りない」候補元素(弱いWDS強度だけを記録する可能性の有る候補元素)の選択(最適でないWDS位置合わせをもたらす可能性がある)をうまく回避する。
【0019】
第3に、選択される候補元素はEDSスペクトル50から正確に特定される可能性の高いものであることが好ましい。例えば、候補元素の識別は、そのピークが多数の元素により共有されるエネルギーにある(したがって、これら元素のすべては候補元素である可能性がある)ので、不確かかもしれない。試料30中の候補の存在の可能性を合理的な程度の確実性でもって(例えば、逆畳み込みまたは他の方法により)評価することができないかぎり、位置合わせ努力においてはこのような候補元素の使用を回避することが好ましいかもしれない。したがって、ピークに対し最も可能性の高い候補元素のリストを生成するために、エネルギー分散スペクトル50内のピークを多くの候補元素に対して相互参照する際、そのピークを表す可能性の最も高い候補元素として、位置合わせ努力に使用される候補元素を選択することが好ましい。
【0020】
波長分散スペクトル収集手段65と試料30との間の位置合わせが最適化され、かつ、1つまたは複数の候補元素の強度測定値が収集されると、これら強度測定値を定量分析に使用して、試料30中に存在する各元素の量の測定値を決定することができる。例えば、元素の強度測定値とその元素の標準/基準強度測定値とを比較することができ(例えば、標準測定値に対する測定値の比を計算することにより)、したがって、この比較は試料30上のターゲット位置における選択候補元素の定量的な量を示す。このような定量分析もまた、あるいはこのような定量分析を二者択一的に、EDSスペクトル50からのピーク/強度を使用することにより実行することができるが、WDS強度測定値のより高い分解能はさらに多くの有意結果をもたらすので、WDS測定値を使用することが好ましい。
【0021】
好ましくは、前述のEDSスペクトル50とWDSスペクトル80は、恐らくスペクトルが取得された試料30上のターゲット位置の画像と併せて、コンピュータ用モニターまたは他のディスプレイ上でユーザに視覚的に提示される。各ピークにより表される元素(上述のように、これらの元素はWDS強度測定値と背景測定値との比較により確認されている)の名前と共にこれらのスペクトルを提示することができる。これらの元素名は、元素に対し実行された任意の定量分析の結果と共に(例えば、各元素の絶対量または相対量と共に)、表示されたピーク上に視覚的にオーバーレイされてもよいであろう。試料30および/またはエネルギー分散スペクトル収集手段45と波長分散スペクトル収集手段65は、一連のスペクトルと他の測定値が試料30に関する一連のターゲット位置から取得されるように索引を付けられることが最も好ましく、これにより試料の元素組成の地図を構築することができる。
【0022】
以上の考察から、本発明の様々な工程/機能(EDS結果から候補元素を識別すること、このような候補元素を使用することにより波長分散スペクトル収集手段の位置を最適化すること、WDSの使用によりEDSで特定された候補元素の存在を検証すること等)を、図1に示すものなどの分光計部品と併せて設けられる適切なソフトウェアおよび/またはハードウェア要素により自動または半自動形式で実行することができるということは明らかである。このようなソフトウェアおよび/またはハードウェア要素は、通常はコンピュータ用モニターまたは同様のディスプレイ上に示される例えばEDSスペクトル50とWDSスペクトル80を介し、図1に単に概念的に示される。本発明を実施する任意のソフトウェアおよび/またはハードウェア部品は、従来の既に存在するEDSおよび/またはWDSハードウェア/ソフトウェアに対する単なる追加および/または変形として設けられることが最も好ましい。例えば、既に存在するEDSハードウェア/ソフトウェアが本発明を形成するように適合化されてもよいし(既に存在するWDSハードウェア/ソフトウェアと組み合わせて適切な変形を行うことにより)、あるいは逆に、既に存在するWDSハードウェア/ソフトウェアが本発明を形成するように適合化されてもよい。
【0023】
上述の本発明のバージョンは単に例示的であって、本発明はこれらのバージョンに限定されるように意図されていないということを理解すべきである。むしろ、本発明の権利の範囲は以下に記載される特許請求の範囲だけにより限定され、本発明はこれらの特許請求範囲内に文字通りにあるいは等価的に入る異なるバージョンをすべて包含する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料台上の試料に向けてエネルギービームを放射するように配置されたエネルギービーム放射手段と、
前記試料から放射されたX線を受けるように配置され、エネルギー分散型スペクトル(EDS)検出器を有するエネルギー分散スペクトル収集手段と、
前記試料から放射されたX線を受けるように配置され、波長分散型スペクトル(WDS)検出器と回折子を有する波長分散スペクトル収集手段であって、前記回折子が前記試料から前記波長分散型スペクトル(WDS)検出器へX線を供給する、波長分散スペクトル収集手段と、を含むX線分光計においてX線のスペクトルを取得する方法であって、
前記試料上のターゲット位置にエネルギービームを向ける工程と、
前記エネルギー分散スペクトル収集手段を介し前記ターゲット位置からエネルギー分散スペクトルを取得する工程と、
前記エネルギー分散スペクトルから、それぞれが前記試料上の前記ターゲット位置に存在し得る元素を表す1つまたは複数の候補元素のリストを特定する工程と、
前記波長分散型スペクトル(WDS)検出器を介し前記ターゲット位置における1つまたは複数のWDS強度測定値を取得する工程と、を含み、さらに
前記試料上の前記ターゲット位置に対する前記波長分散スペクトル収集手段の位置を最適化する工程であって、前記波長分散スペクトル収集手段と前記ターゲット位置の少なくとも1つを、前記リスト化された候補元素の1つに対し最大WDS強度測定値が取得されるように、他方に対して再配置する、工程と、
前記リスト内の候補元素の少なくとも1つの存在を検証する工程であって、前記候補元素の前記WDS強度測定値が背景雑音の特徴を示すWDS強度測定値に少なくとも実質的に似ている場合に前記候補元素を前記リストから削除する、工程と、のうちの少なくとも1つを実行する工程を含む、X線分光計においてX線のスペクトルを取得する方法。
【請求項2】
前記試料上の前記ターゲット位置に対する前記波長分散スペクトル収集手段の位置を最適化する前記工程は、
前記特定された候補元素のうちの選択された1つのWDS強度測定値を取得するために前記波長分散スペクトル収集手段を調節する工程と、
前記試料上の前記ターゲット位置から前記選択された候補元素のWDS強度測定値を取得する工程と、を含み、
さらに以下のサブ工程、すなわち、
前記試料上の前記ターゲット位置に対する新しい位置に前記波長分散スペクトル収集手段の少なくとも一部を置く工程と、
前記試料上の前記ターゲット位置から前記選択された候補元素の別のWDS強度測定値を取得する工程と、を少なくとも一回実行する工程と、を少なくとも1回実行する工程を含み、
さらに最大WDS強度測定値が取得された位置を特定する工程と、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記選択された候補元素は、前記波長分散スペクトル収集手段がWDS強度測定値を最も効率的に取得できる候補元素の1つである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記選択された候補元素は、前記エネルギー分散スペクトル内の最も高いピークの1つを有する候補元素の1つである、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記選択された候補元素は、前記エネルギー分散スペクトル内のピーク高さのすべての合計の閾値百分率以上であるエネルギー分散スペクトル内のピーク高さを有し、
前記閾値百分率は約5〜15%である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記エネルギー分散スペクトルから1つまたは複数の候補元素を特定する前記工程は、
多くの候補元素に対して前記エネルギー分散スペクトル中の複数のピークを相互参照する工程と、
ピーク毎に、前記ピークが表す1つまたは複数の最も可能性の高い候補元素を決定する工程と、を含み、
前記選択された候補元素は、前記ピークの1つを正確に表す最も大きな可能性の1つを有する候補元素である、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも2つの候補元素が前記エネルギー分散スペクトルから特定され、
前記波長分散スペクトル収集手段が前記最大WDS強度測定値が取得された前記位置に置かれた状態で、前記試料上の前記ターゲット位置から、第2の選択された候補元素のWDS強度測定値を取得する工程をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記波長分散スペクトル収集手段が前記最大WDS強度測定値が取得された前記位置に置かれた状態で,前記試料上の前記ターゲット位置から前記特定された候補元素のすべてに対してWDS強度測定値を取得する工程をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記最大WDS強度測定値が取得された前記位置において、いかなる元素も特徴的なWDS強度測定値を生成しない波長におけるWDS強度測定値を取得するように前記波長分散スペクトル収集手段を調節し、これにより背景雑音の特徴を示すWDS強度測定値を取得する工程と、
前記最大WDS強度測定値と背景雑音の特徴を示す前記WDS強度測定値とを比較する工程と、をさらに含み、
前記最大WDS強度測定値と背景雑音の特徴を示す前記WDS強度測定値との有意な差が、前記試料上の前記ターゲット位置における前記選択された候補元素の存在を示す、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記最大WDS強度測定値が取得された前記位置において、いかなる元素も特徴的なWDS強度測定値を生成しない第2の波長におけるWDS強度測定値を取得するように前記波長分散スペクトル収集手段を調節し、これにより背景雑音の特徴を示す第2のWDS強度測定値を取得する工程と、
これらの背景雑音の特徴を示すWDS強度測定値を組み合わせて、背景雑音の特徴を示す単一のWDS強度測定値を形成する工程と、をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記特定された候補元素毎に、
前記候補元素のWDS強度測定値を取得するために前記波長分散スペクトル収集手段を調節する工程と、
前記試料上の前記ターゲット位置から前記選択された候補元素のWDS強度測定値を取得する工程と、
いかなる元素も特徴的なWDS強度測定値を生成しない波長におけるWDS強度測定値を取得するように前記波長分散スペクトル収集手段を調節し、これにより背景雑音の特徴を示すWDS強度測定値を取得する工程と、
前記候補元素の前記WDS強度測定値と背景雑音の特徴を示す前記WDS強度測定値とを比較する工程と、をさらに含み、
前記候補元素の前記WDS強度測定値と背景雑音の特徴を示す前記WDS強度測定値との有意な差が、前記試料上の前記ターゲット位置における前記候補元素の存在を示す、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記最大WDS強度測定値と前記選択された候補元素の標準WDS強度測定値とを比較する工程をさらに含み、
前記比較が、前記試料上の前記ターゲット位置における前記選択された候補元素の定量的な量を示す、請求項2に記載の方法。
【請求項13】
前記リスト内の候補元素の少なくとも1つの存在を検証する前記工程は、
前記候補元素のWDS強度測定値を取得するために前記波長分散スペクトル収集手段を調節する工程と、
前記試料上の前記ターゲット位置から前記候補元素のWDS強度測定値を取得する工程と、
いかなる元素も特徴的なWDS強度測定値を生成しない波長におけるWDS強度測定値を取得するように前記波長分散スペクトル収集手段を調節し、これにより背景雑音の特徴を示すWDS強度測定値を取得する工程と、
前記候補元素の前記WDS強度測定値と背景雑音の特徴を示す前記WDS強度測定値とを比較する工程と、を含み、
前記候補元素の前記WDS強度測定値と背景雑音の特徴を示す前記WDS強度測定値との有意な差が、前記試料上の前記ターゲット位置における前記候補元素の存在を示す、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
いかなる元素も特徴的なWDS強度測定値を生成しない第2の波長におけるWDS強度測定値を取得するように前記波長分散スペクトル収集手段を調節し、これにより背景雑音の特徴を示す第2のWDS強度測定値を取得する工程と、
これらの背景雑音の特徴を示す前記WDS強度測定値を組み合わせて、背景雑音の特徴を示す単一のWDS強度測定値を形成する工程と、をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記候補元素の前記WDS強度測定値と背景雑音の特徴を示す前記WDS強度測定値との比較が、その候補元素の存在が前記試料上の前記ターゲット位置において無視できるということを示す場合、前記候補元素はリストから除去される、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記候補元素の前記WDS強度測定値と背景雑音の特徴を示す前記WDS強度測定値との各比較から、前記候補元素が前記試料上の前記ターゲット位置に存在するかどうかを確認する工程と、
前記試料上の前記ターゲット位置で取得された前記エネルギー分散スペクトルと、前記試料上の前記ターゲット位置においてその存在が確認された各候補元素の識別情報と、を併せて表示する工程とをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記候補元素の前記WDS強度測定値が前記試料上の前記ターゲット位置から取得された後に、
前記試料上の前記ターゲット位置に対する新しい位置に前記波長分散スペクトル収集手段の少なくとも一部を置く工程と、
前記試料上の前記ターゲット位置から前記候補元素の別のWDS強度測定値を取得する工程と、
最大WDS強度測定値が取得された位置を特定する工程と、を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
X線分光計においてX線のスペクトルを取得する方法であって、
エネルギー分散スペクトル収集手段を介し試料上のターゲット位置からエネルギー分散スペクトルを取得する工程と、
前記エネルギー分散スペクトルから、前記試料上の前記ターゲット位置に存在し得る元素を表す候補元素を特定する工程と、
前記試料上の前記ターゲット位置から前記候補元素のWDS強度測定値を取得するために、波長分散スペクトル収集手段の回折子と検出器のうちの少なくとも1つを調節する工程と、
前記候補元素が前記試料上の前記ターゲット位置に存在するかどうかを判断する工程であって、前記候補元素の前記WDS強度測定値と前記試料上の前記ターゲット位置における背景雑音の特徴を示すWDS強度測定値とを比較することを含む、工程と、
前記試料上の前記ターゲット位置に対する前記波長分散スペクトル収集手段の位置を最適化する工程と、を含み、この最適化工程が、
前記試料上の前記ターゲット位置に対する前記波長分散スペクトル収集手段の前記位置が変更されるように、前記波長分散スペクトル収集手段と前記試料のうちの少なくとも1つを再配置する工程と、
前記波長分散スペクトル収集手段を介し前記試料上の前記ターゲット位置から前記候補元素の別のWDS強度測定値を取得する工程と、
前記試料上の前記ターゲット位置における前記候補元素に対して取得された最大WDS強度測定値を特定する工程と、を含む、X線分光計においてX線のスペクトルを取得する方法。
【請求項19】
試料台と、
前記試料台上の試料上のターゲット位置に向けてエネルギービームを放射するように配置されたエネルギービーム放射手段と、
前記ターゲット位置から放射されたX線を受けるように配置され、エネルギー分散型スペクトル(EDS)検出器を有するエネルギー分散スペクトル収集手段と、
前記ターゲット位置から放射されたX線を受けるように配置され、波長分散型スペクトル(WDS)検出器と回折子を有する波長分散スペクトル収集手段であって、前記回折子が前記ターゲット位置から前記波長分散型スペクトル(WDS)検出器へX線を供給する、波長分散スペクトル収集手段と、を含むX線分光計であって、
前記X線分光計は、
前記エネルギー分散スペクトル収集手段が受けた前記X線から、それぞれが前記ターゲット位置に存在し得る元素を表す1つまたは複数の候補元素のリストを特定し、
前記波長分散型スペクトル(WDS)検出器を使用して、前記ターゲット位置における1つまたは複数のWDS強度測定値を取得し、
前記試料上の前記ターゲット位置に対する前記波長分散スペクトル収集手段の位置を最適化し、前記波長分散スペクトル収集手段と前記ターゲット位置の少なくとも1つは、前記リスト化された候補元素の1つに対し最大WDS強度測定値が取得されるように、他方に対して再配置され、および/または
前記リスト内の前記候補元素の少なくとも1つの存在を検証し、前記候補元素の前記WDS強度測定値が背景雑音の特徴を示すWDS強度測定値と有意に異ならない場合、前記候補元素は前記リストから削除される、X線分光計。
【請求項20】
前記X線分光計は、前記波長分散スペクトル収集手段と前記ターゲット位置の少なくとも1つを他方に対し再配置する際、
前記リスト化された候補元素のうちの選択された1つのWDS強度測定値を取得するために前記波長分散スペクトル収集手段を調節し、
前記ターゲット位置から前記選択された候補元素のWDS強度測定値を取得し、
前記波長分散スペクトル収集手段の少なくとも一部を前記ターゲット位置に対する新しい位置に再配置し、
前記ターゲット位置から前記選択された候補元素の別のWDS強度測定値を取得し、
最大WDS強度測定値が取得された位置を特定する、請求項19に記載のX線分光計。
【請求項21】
前記X線分光計は、候補元素の前記リストを更新する際、
前記候補元素のうちの選択された1つのWDS強度測定値を取得するために前記波長分散スペクトル収集手段を調節し、
前記ターゲット位置から前記選択された候補元素のWDS強度測定値を取得し、
前記候補元素の前記WDS強度測定値と背景雑音の特徴を示すWDS強度測定値とを比較し、前記取得されたWDS強度測定値が背景雑音測定値と有意に異ならない場合、前記候補元素は前記リストから削除される、請求項19に記載のX線分光計。
【請求項22】
前記ターゲット位置から放射されたX線を受け前記受けたX線を前記回折子に供給するように配置される集光光学素子をさらに含む、請求項19に記載のX線分光計。

【図1】
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【公表番号】特表2011−530083(P2011−530083A)
【公表日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−522133(P2011−522133)
【出願日】平成21年7月31日(2009.7.31)
【国際出願番号】PCT/US2009/052494
【国際公開番号】WO2010/017112
【国際公開日】平成22年2月11日(2010.2.11)
【出願人】(509027021)サーモ エレクトロン サイエンティフィック インストルメンツ リミテッド ライアビリティ カンパニー (6)
【Fターム(参考)】