説明

相変化構造物、相変化物質層の形成方法、相変化メモリ装置及び相変化メモリ装置の製造方法

【課題】抵抗マージンと維持特性を確保しながら優秀なステップカバレッジ、又は、ギャップフィル特性を有する、微小サイズの相変化物質層パターンをHARS(High_Aspect_Ratio_Structure、高縦横比構造)内に含む相変化構造物を提供すること。
【解決手段】相変化構造物はHARSを部分的に満たし、第1相変化物質を含む第1相変化物質層パターン、及び前記HARSの残りを満たし、前記第1相変化物質と相異なる組成を有する第2相変化物質を含む。インサイチュリフローメカニズムを通じてHARSを欠陥なく充分に満たす相変化物質層パターンを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相変化構造物、相変化物質層の形成方法、相変化メモリ装置及び相変化メモリ装置の製造方法に係り、より詳細には、本発明は非常に小さいサイズのHARS(High_Aspect_Ratio_Structure、高縦横比構造、以下、HARSという)を完全に満たしながら要求される特性を確保できる相変化物質層を含む相変化構造物、このような相変化物質層の形成方法、前記相変化構造物を含む相変化メモリ装置及び前記相変化メモリ装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
相変化メモリPRAM装置は非揮発性メモリ装置であるが、ランダムアクセス(random access)が可能な特性を有するため、今後最も有望なメモリ装置として評価されている。一般的に相変化メモリ装置においては、相変化物質層を構成するカルコゲナイド(chalcogenide)混合物(compound)内の相転移(phase transition)を用いて、データを記録し、又は記録されたデータを読み取る。
即ち、カルコゲナイド混合物の非晶質状態と結晶状態との間の抵抗の差を用いて、データを保存し、又は保存されたデータを読み取る。例えば、相変化メモリ装置は印加されたパルスの振幅と長さによって、カルコゲナイド混合物からなる相変化物質層の可逆的相変化を用いてデータを「0」と「1」の状態で保存する。したがって、相変化物質層から発生する可逆的な相転移が明確に区分されるほど相変化メモリ装置が向上した信頼性を有する。
しかし、相変化メモリ装置のデザインルールの縮小と共に、ボイド(void)やシーム(seam)のような欠陥を発生させずに、微細なサイズを有するホール、開口、又は、トレンチなどのHARS内に相変化物質層を完全に満たすことは実質的に難しい。相変化メモリ装置が高集積化されるほど微細なサイズを有する3次元的なHARS内に相変化物質層を効果的に蒸着させる技術が必須であり、これによってHARSに対して優秀なステップカバレッジ(step coverage)又は、ギャップフィル(gap fill)特性を有する相変化物質層を形成するための技術の開発が非常に重要な問題となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2007−0097739号明細書
【特許文献2】韓国特許出願公開第2009−0117103号明細書
【特許文献3】韓国登録特許10−0594849号明細書
【特許文献4】特開平5−334881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一目的は要求される抵抗マージンと維持特性を確保しながら優秀なステップカバレッジ、又は、ギャップフィル特性を有する、微小サイズの相変化物質層パターンをHARS内に含む相変化構造物を提供することにある。
【0005】
本発明の他の目的は要求される抵抗マージンと維持特性を確保しながら優秀なステップカバレッジ又は、ギャップフィル特性を有する、微小サイズの相変化物質層をHARS内に形成する方法を提供することにある。
【0006】
本発明のまた他の目的は要求される抵抗マージンと維持特性を確保しながら優秀なステップカバレッジ、又は、ギャップフィル特性を有する、微小サイズの相変化物質層パターン、又は、相変化構造物をHARS内に具備する相変化メモリ装置を提供することにある。
【0007】
本発明のまた他の目的は要求される抵抗マージンと維持特性を確保しながらHARSに対して優秀なステップカバレッジ、又は、ギャップフィル特性を有する相変化物質層パターン又は、相変化構造物を具備する相変化メモリ装置の製造方法を提供することにある。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は前述した目的に限定されるのではなく、本発明の思想及び領域から離れない範囲で多様に拡張できる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した本発明の目的を達成するために、本発明の実施形態に係る相変化構造物は、第1相変化物質を含有する第1相変化物質層パターンと前記第1相変化物質と相異なる組成を有する第2相変化物質を含有する第2相変化物質層パターンを含む。前記第1相変化物質層パターンは対象体、及び/又は、絶縁構造物に形成されたホール、開口、トレンチなどのHARS(High_Aspect_Ratio_Structure、高縦横比構造)を部分的に満たし、前記第2相変化物質層パターンは前記HARSの残りを満たす。
【0010】
例示的な実施形態において、前記第1相変化物質と前記第2相変化物質が少なくとも1つの構成成分を共有し、前記第2相変化物質における前記共有構成成分の含量が前記第1相変化物質物質における前記共有構成成分の含量より実質的に大きい。
例えば、前記共有構成成分は、アンチモン(Sb)及びテルル(Te)である。
【0011】
例示的な実施形態において、前記第1相変化物質は電流に反応して相転移を起こし、前記第2相変化物質は前記電流に対して実質的に相転移を起こさない。
【0012】
例示的な実施形態において、前記第1相変化物質層パターンは、前記第2相変化物質層パターンが形成される温度より実質的に低い温度で形成される。
例えば、温度を摂氏温度(℃)で規定し、前記第1相変化物質層パターンは前記第1相変化物質の融点温度の60%以下の温度で形成され、前記第2相変化物質層パターンは前記第2相変化物質の融点温度の60%以上の温度で形成される。
【0013】
例示的な実施形態において、前記第1及び第2相変化物質はそれぞれ、14族(第XIV族)、15族(第XV族)、及び16族(第XVI族)のいずれかに属する元素の2成分系混合物、3成分系混合物、4成分系混合物、5成分系混合物からなるグループから選択された1つ以上を含む。
この場合、前記第1相変化物質層パターン及び前記第2相変化物質層パターンのうち少なくとも一つは結晶化温度を上昇させるドーパントを追加的に含むことができる。
例えば、前記ドーパントの含量は前記第1相変化物質及び前記第2相変化物質のうち少なくとも一つの全体重量に対して、5重量%乃至30重量%程度である。
例えば、前記ドーパントは、インジウム(In)、錫(Sn)、ビスマス(Bi)、炭素(C)、窒素(N)、酸素(O)、ホウ素(B)、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、及びアルミニウム(Al)からなるグループから選択された1つ以上を含む。
また、前記第1及び第2相変化物質はそれぞれ、カルコゲナイド混合物、非カルコゲナイド混合物、ドーパントを含有するカルコゲナイド混合物、ドーパントを含有する非カルコゲナイド混合物のいずれか1つ又は2つ以上を含むことができる。
【0014】
例示的な実施形態において、前記第1相変化物質層パターンの、前記第2相変化物質層パターンに対する厚さの比は1.3乃至3.0程度になる。
【0015】
例示的な実施形態において、前記第1相変化物質層パターンと前記第1相変化物質層パターンは一体で形成される。
【0016】
例示的な実施形態において、前記相変化構造物は前記HARSと前記第1相変化物質層パターンの間に配置される、濡れ層パターン及びシード膜パターンのうち少なくとも一つを追加的に含む。
例えば、前記濡れ層パターンは金属、金属窒化物、金属酸化物からなるグループから選択された1つ以上を含むことができ、前記シード膜パターンは金属、金属窒化物、金属シリサイド、金属酸化物などを含む。
【0017】
上述した本発明の他の目的を達成するために、本発明の実施形態に係る相変化物質層の形成方法において、対象体上に絶縁構造物を形成した後、前記絶縁構造物に前記対象体を露出させるHARSを形成する。次に、前記HARSを満たしながら、前記絶縁構造物上に相変化物質を蒸着して、少なくとも一つの相変化物質層を形成する。温度を摂氏温度で規定して、前記少なくとも一つの相変化物質層は前記相変化物質の融点温度の60%以上の温度で形成される。
【0018】
例示的な実施形態において、前記少なくとも一つの相変化物質層は物理気相蒸着(PVD)工程を用いて形成される。
例えば、前記少なくとも一つの相変化物質層はスパッタリング工程を用いて形成される。
【0019】
例示的な実施形態において、前記少なくとも一つの相変化物質層を形成する過程で前記相変化物質にドーパントを添加する。
【0020】
例示的な実施形態において、前記少なくとも一つの相変化物質層を形成する以前に、前記対象体、前記HARSの側壁、及び前記絶縁構造物上に濡れ層及びシード膜のうち少なくとも一つを形成する。
【0021】
例示的な実施形態において、前記少なくとも一つの相変化物質層を形成するために前記HARSを部分的に満たす第1相変化物質層を形成した後、前記第1相変化物質層上に前記HARSの残りを満たす第2相変化物質層を形成する。
例えば、前記第1相変化物質層は第1温度で第1相変化物質を蒸着して形成され、前記第2相変化物質層は前記第1温度より高い第2温度で第2相変化物質を蒸着して形成される。
例えば、前記第1相変化物質層は前記第1相変化物質の融点温度の60%以下の温度で形成され、前記第2相変化物質層は前記第2相変化物質の融点の60%以上の温度で形成される。
【0022】
例示的な実施形態において、前記第1相変化物質層は第1物理気相蒸着工程を用いて形成され、前記第2相変化物質層は第2物理気相蒸着工程を用いて形成される。
例えば、前記第1及び第2相変化物質層はそれぞれスパッタリング工程を用いて形成される。
【0023】
例示的な実施形態において、前記第1相変化物質層と前記第2相変化物質層はインサイチュ(in−situ)で遂行されるスパッタリング工程を用いて形成される。
例えば、前記第1及び第2相変化物質層は同じ組成を有するソースターゲットを用いて形成される。
【0024】
上述した本発明のまた他の目的を達成するために、本発明の実施形態に係る相変化メモリ装置は、コンタクト領域を有する基板、前記基板上に配置され、前記コンタクト領域を露出させる開口を含む絶縁層、前記開口内に配置される下部電極、前記絶縁層上に配置されて前記下部電極を露出させるHARSを含む絶縁構造物、前記HARSを部分的に満たし、第1相変化物質を含む第1相変化物質層パターン、前記HARSの残りを満たし、前記第1相変化物質と相異なる組成を有する第2相変化物質を含む第2相変化物質層パターン、そして前記第2相変化物質層パターン上に配置される上部電極を含む。
【0025】
例示的な実施形態において、前記相変化メモリ装置は前記コンタクト領域と前記下部電極との間に配置されるスイッチング素子を追加的に含む。
例えば、前記スイッチング素子はダイオード及びトランジスタの一方、又は双方を含む。
【0026】
例示的な実施形態において、前記下部電極は前記開口を部分的に満たすシリンダの形状を有し、この場合、前記相変化メモリ装置は前記開口内の前記下部電極上に配置される充填部材を追加的に含む。
【0027】
例示的な実施形態において、前記第1相変化物質と前記第2相変化物質が少なくとも1つの構成成分を共有し、前記第2相変化物質における前記共有構成成分の含量が前記第1相変化物質における前記共有構成成分の含量より実質的に大きくてもよい。
【0028】
例示的な実施形態において、前記第1相変化物質層パターンは前記下部電極から印加される電流に反応して相転移を起こし、前記第2相変化物質層パターンは前記電流に対して実質的に相転移を起こすことができないことがある。
例えば、前記第1相変化物質層パターンの、前記第2相変化物質層パターンに対する厚さの比は1.3乃至3.0である。
【0029】
上述した本発明のまた他の目的を達成するために、本発明の実施形態に係る相変化メモリ装置の製造方法において、コンタクト領域を有する基板上に前記コンタクト領域を露出させる開口を含む絶縁層を形成する。次に前記開口内に下部電極を形成した後、前記絶縁層上に前記下部電極を露出させるHARSを含む絶縁構造物を形成する。次に、温度を摂氏温度で規定して、前記HARSを満たすように、前記絶縁構造物上に相変化物質を前記相変化物質の融点温度の60%以上の温度で蒸着して、少なくとも一つの相変化物質層を形成する。次に前記少なくとも一つの相変化物質層を部分的に除去して前記HARS内に少なくとも一つの相変化物質層パターンを形成した後、前記少なくとも一つの相変化物質層パターン上に上部電極を形成する。
【0030】
例示的な実施形態において、前記下部電極を形成する以前に前記開口内にスイッチング素子を追加的に形成する。
【0031】
例示的な実施形態において、前記少なくとも一つの相変化物質層を形成する前に、前記HARSの側壁と前記下部電極上に濡れ層及びシード膜のうち少なくとも一つを追加的に形成する。
【0032】
例示的な実施形態に係る前記少なくとも一つの相変化物質層を形成する過程において、第1温度で第1相変化物質を蒸着して、前記HARSを部分的に満たす第1相変化物質層を形成し、次に前記第1温度より実質的に高い第2温度で第2相変化物質を蒸着して、前記第1相変化物質層上に前記HARSの残りを満たす第2相変化物質層を形成する。
例えば、前記第1相変化物質層は前記第1相変化物質の融点温度の60%以下の温度で形成されることができ、前記第2相変化物質層は前記第2相変化物質の融点温度の60%以上の温度で形成される。
【発明の効果】
【0033】
本発明の例示的な実施形態によれば、インサイチュリフローメカニズムを採用した物理気相蒸着を用いて微細なサイズのホール、開口、トレンチなどのようなHARSを欠陥なく、完全に埋立する相変化物質層パターン及び/又は、相変化構造物を形成する。このような相変化物質層パターン及び/又は、相変化構造物を相変化メモリ装置に適用する時、前記相変化メモリ装置はデータ維持特性とセット状態とリセット状態の抵抗マージンの増加などで向上された動作速度と信頼性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施形態に係る相変化物質層の形成方法を説明するための断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る相変化物質層の形成方法を説明するための断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る相変化物質層の形成方法を説明するための断面図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係る相変化物質層の形成方法を説明するための断面図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係る相変化物質層の形成方法を説明するための断面図である。
【図6】本発明の他の実施形態に係る相変化物質層の形成方法を説明するための断面図である。
【図7】本発明のまた他の実施形態に係る相変化構造物の形成方法を説明するための断面図である。
【図8】本発明のまた他の実施形態に係る相変化構造物の形成方法を説明するための断面図である。
【図9】本発明の実施形態に係る相変化メモリ装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図10】本発明の実施形態に係る相変化メモリ装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図11】本発明の実施形態に係る相変化メモリ装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図12】本発明の実施形態に係る相変化メモリ装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図13】本発明の実施形態に係る相変化メモリ装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図14】本発明の他の実施形態に係る相変化メモリ装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図15】本発明の他の実施形態に係る相変化メモリ装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図16】本発明の他の実施形態に係る相変化メモリ装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図17】本発明の実施形態に係るメモリシステムを説明するためのブロック図である。
【図18】本発明の実施形態に係る広帯域移動通信が可能な移動通信ネットワークを説明するための通信システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、添付した図面を参照して本発明の例示的な実施形態に係る相変化構造物、相変化物質層の形成方法、相変化メモリ装置及び相変化メモリ装置の製造方法に対して詳細に説明するが、本発明が下記の実施形態によって制限されるのではなく、該当分野において通常の知識を有する者ならば本発明の技術的思想を離れない範囲内で本発明を多様な他の形態で実現できる。添付された図面において、構造物のサイズは本発明の明確性を期するために実際より拡大して示したものである。
【0036】
本明細書において、特定の構造的又は機能的説明は単に本発明の実施形態を説明するための目的で例示したものであり、本発明の実施形態は多様な形態で実施され、本明細書で説明した実施形態に限定されるものと解釈されず、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物、或いは代替物を含むものとして理解せねばならない。ある構成要素が他の構成要素に「接続され」る、又は「接続されて」いると言及した場合には、その他の構成要素に直接的に接続されたり、又は接続されていたりすることもあるが、中間に他の構成要素が存在することもあると理解すべきである。反面、ある構成要素が他の構成要素に「直接接続され」る、又は「直接接続されて」いると言及した場合には、中間に他の構成要素が存在しないことと理解すべきである。構成要素の間の関係を説明する他の表現、即ち「〜間に」と「すぐに〜間に」、又は「〜に隣接する」と「〜に直接隣接する」等も同じように解釈すべきである。
「及び/又は」は、その前後に挙げた構成要素の一部又は全部を指すものとする。
【0037】
本明細書で使用する用語は単に特定の実施形態を説明するために使用するものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は文脈上明白に異なるように意味しない限り、複数の表現を含む。本明細書で、「含む」又は「有する」等の用語は明細書上に記載した特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものなどの存在、又は付加の可能性を、予め排除しないことと理解すべきである。特に定義しない限り、技術的或いは科学的用語を含んで、ここで使用する全ての用語は、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、一般的に理解されることと同一な意味を有する。一般的に使用される辞書において定義する用語と同じ用語は関連技術の文脈上に有する意味と一致する意味を有することと理解すべきであり、本明細書において明白に定義しない限り、理想的或いは形式的な意味として解釈してはならない。
【0038】
第1、第2などの用語は多様な構成要素を説明するために使用できるが、これらの構成要素は用語によって限定されてはならない。用語は1つの構成要素を他の構成要素から開口別する目的として使用できる。例えば、本発明の権利範囲から逸脱せずに第1構成要素は第2構成要素と命名することができ、同様に第2構成要素も第1構成要素と命名できる。
【0039】
以下、本発明の実施形態に係る相変化物質層、相変化構造物及び相変化物質層の形成方法について詳細に説明する。
以下の説明において、当該工程の対象とする、直前の工程で得られた中間部材を、対象体(object)という。全体工程の出発部材が基板であり、中間部材がこの基板の表面を順次加工する工程を経て形成されるので、慣例により、この対象体を図面上で参照するとき、基板の符号と同一の符号を用いる場合がある。
【0040】
本発明の実施形態によると、前記相変化物質層はインサイチュリフローメカニズム(in−situ reflow mechanism)を用いて収得できる。このようなインサイチュリフローメカニズムは、対象体上に形成される膜、又は、層の蒸着温度が高まることによって、前記膜、又は、層を構成する物質の表面拡散(surface diffusion)が活発になる現象と前記膜、又は、層の物質がその表面積を減少させて表面エネルギーを減少させようとする駆動力(driving force)を有するという現象を利用することである。前述したインサイチュリフローメカニズムを通じて収得される相変化物質層は要求される水準のステップカバレッジ、又は、ギャップフィル特性を確保できるため、相対的に深い深さに比べて、狭い幅(即ち、大きい縦横比)を有する3次元的な微細構造(HARS)を、欠陥を発生させず、効果的に埋めたてできる。
即ち、上述したインサイチュリフローメカニズムを利用する場合、相変化物質層内にボイド(void)、シーム(seam)、オーバーハング(over hang)などの欠陥を生成させず、微細なコンタクトホール、ビアホール、開口、トレンチなどのようなHARSを相変化物質層で完全に満たすことができる。本発明の実施形態において、前記HARSは1.7〜4.0の縦横比を有する。例えば、前記HARSは、300Å〜700Å程度の幅と、1、200Å程度の深さを有する。
【0041】
本発明の実施形態によれば、前記相変化物質層は周期率表の14族(第XIV族)に属する元素、15族(第XV族)に属する元素、及び16族(第XVI族)に属する元素のうち少なくとも2種以上の元素を含む相変化物質からなる。例えば、前記相変化物質は前記14族〜16族に属する元素の2成分系(binary)混合物、3成分系(ternary)混合物、4成分系(quaternary)混合物、5成分系(quinary)混合物などを含む。ここで、前記14族に属する元素としてはゲルマニウム(Ge)、シリコン(Si)、錫(Sn)、鉛(Pb)等が挙げられ、前記15族に属する元素ではヒ素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)等が挙げられる。また、前記16族に属する元素としては硫黄(S)、セレン(Se)、テルル(Te)等が挙げられる。
【0042】
本発明の実施形態において、前記相変化物質はカルコゲナイド(chalcogenide)混合物を含む。例えば、前記相変化物質はヒ素−硫黄(As−S)の混合物、アンチモン−ゲルマニウム(Sb−Ge)の混合物、アンチモン−セレン(Sb−Se)の混合物、アンチモン−テルル(Sb−Te)の混合物などを含む2成分系カルコゲナイド混合物で構成される。又は、前記相変化物質はゲルマニウム−アンチモン−セレン(Ge−Sb−Se)の混合物、ゲルマニウム−アンチモン−テルル(Ge−Sb−Te)の混合物などを含む3成分系カルコゲナイド混合物からなる。この時、ヒ素−硫の混合物は硫系列のカルコゲナイド混合物に分類され、ゲルマニウム−アンチモン−セレンの混合物及びアンチモン−セレンの混合物はセレン系列のカルコゲナイド混合物に含まれる。また、アンチモン−テルルの混合物及びゲルマニウム−アンチモン−テルルの混合物はテルル系列のカルコゲナイド混合物に区分される。
【0043】
本発明の他の実施形態によれば、前記相変化物質は非カルコゲナイド混合物を含む。例えば、前記相変化物質はゲルマニウム−アンチモン(Ge−Sb)の混合物などを含む非カルコゲナイド混合物からなることもある。
【0044】
本発明のまた他の実施形態において、前記相変化物質は前述したカルコゲナイド混合物、又は、非カルコゲナイド混合物にドーパント(dopant)が添加された組成を有する。例えば、前記相変化物質に添加されるドーパントはインジウム(In)、錫(Sn)、ビスマス(Bi)、炭素(C)、窒素(N)、酸素(O)、ホウ素(B)、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、アルミニウム(Al)等を含む。これらは単独、又は、相互に組み合わせて添加される。前記相変化物質が追加的なドーパントを含む場合、一般に前記相変化物質層の結晶化温度を上昇させる。例えば、前記相変化物質に含まれるドーパントの含量は前記相変化物質層全体重量に対して5重量パーセント(%)〜30重量%程度となる。この場合、前記相変化物質層の結晶化温度は200℃以上になってもよい。これによって、前記相変化物質層の劣化を効率的に防止する。
【0045】
本発明の実施形態によれば、前記相変化物質層は物理気相蒸着(physical vapor deposition;PVD)工程を通じて形成される。例えば、前記相変化物質層は相変化物質を含むターゲットを利用するスパッタリング(sputterig)工程を通じて収得される。
【0046】
図1は本発明の実施形態に係る相変化物質層の形成方法を説明するための断面図である。
【0047】
図1を参照すると、まず対象体となる基板10上に絶縁構造物15を形成する。基板10は半導体基板、半導体層を有する基板、絶縁基板、金属酸化物基板などを含む。例えば、基板10はシリコン(Si)基板、ゲルマニウム(Ge)基板、シリコン−ゲルマニウム(Si−Ge)基板、SOI(silicon−on−insulator)基板、GOI(germanium−on−insulator)基板、ガラス(glass)基板、石英(quartz)基板、絶縁プラスチック(plastic)基板、アルミニウム酸化物(AlOx)基板、チタン酸化物(TiOx)基板などを含む。また、基板10は多様な基板上に形成された導電性パターン、電極、パッド、コンタクト、導電領域などを含む。
【0048】
絶縁構造物15は酸化物、窒化物、及び、酸窒化物の一部又は全部を含む。例えば、絶縁構造物15はシリコン酸化物、シリコン窒化物、及び、シリコン酸窒化物の一部又は全部からなる。絶縁構造物15を構成する酸化物はBPSG(boro−phosphor silicate glass)、PSG(phosphor silicate glass)、USG(undoped silicate glass)、SOG(spin on glass)、FOX(flowable oxide)、TEOS(tetraethyl orthosilicate)、PE−TEOS(plasma enhanced−TEOS)、TOSZ(Tonen Silazene)、高密度プラズマ−化学気相蒸着(high density plasma−chemical vapor deposition;HDP−CVD)酸化物などを含む。これらは単独、又は、相互に組み合わせて使われる。例示的な実施形態において、絶縁構造物15は酸化膜、窒化膜及び酸窒化膜のうち少なくとも一つを含む単層構造又は、多層構造を有する。他の例示的な実施形態によれば、平坦化工程を通じて絶縁構造物15が平坦化上面を有する。例えば、絶縁構造物15の上部を化学機械的練磨CMP工程、エッチバック(etch back)工程などで平坦化させる。
【0049】
本発明の実施形態において、基板10上には、絶縁構造物15との間に下部構造物が配置される。このような下部構造物は導電領域、導電パターン、絶縁パターン、スイッチング(switching)素子などを具備する。例えば、前記導電領域は不純物領域、拡散領域を含むことができ、前記スイッチング素子はダイオード(diode)、トランジスタ(transistor)等を含む。この時、絶縁構造物15は前記下部構造物を十分に覆いながら、基板10上に形成される。
【0050】
絶縁構造物15をエッチングして絶縁構造物15を貫通して下部構造物又は基板10を部分的に露出させるHARS20を形成する。
HARS20は非常に小さいサイズを有するコンタクトホール、ビアホール、開口、トレンチなどを含む。HARS20は基板10及び下部構造物の少なくとも一部を露出させる。例えば、HARS20は前記導電領域、前記導電パターン、前記スイッチング素子などを露出させる。このようなHARS20は絶縁構造物15を部分的にエッチングして形成される。例えば、写真エッチング工程を用いて絶縁構造物15を部分的に除去して絶縁構造物15を貫通するHARS20を形成する。他の例示的な実施形態によれば、絶縁構造物15上にハードマスク(図示されず)を形成した後、このようなハードマスクをエッチングマスクで用いて絶縁構造物15の一部をエッチングすることによって、絶縁構造物15にHARS20を形成することもできる。この場合、前記ハードマスクは絶縁構造物15に対してエッチング選択比を有する物質を用いて形成する。
【0051】
本発明の実施形態において、HARS20は上部幅に比べて実質的に小さい下部幅を有する。即ち、HARS20は基板10に対して所定の角度で傾斜した側壁を有する。 例えば、HARS20は実質的に下部幅より広い上部幅を有する。これとは異なり、HARS20は基板10に対して実質的に垂直な側壁を有することもある。
【0052】
図2を参照すると、HARS20を満たしながら、絶縁構造物15上に相変化物質層25を形成する。相変化物質層25は上述した14族〜16族に属する元素の2成分系混合物、3成分系混合物、4成分系混合物、5成分系混合物などを含む相変化物質を用いて形成される。例示的な実施形態において、相変化物質層25は前記カルコゲナイド混合物、前記非カルコゲナイド混合物などを含む相変化物質を用いて形成される。他の例示的な実施形態によれば、相変化物質層25は前記ドーパントを含むカルコゲナイド混合物又は、前記ドーパントを含む非カルコゲナイド混合物を含む相変化物質を用いて形成されることもできる。
【0053】
本発明の実施形態によれば、相変化物質層25は前述したインサイチュリフローメカニズムを採用した物理気相蒸着工程を通じて形成される。例えば、相変化物質層25は前記相変化物質の融点の60%以上の相対的に高い温度で遂行されるスパッタリング工程を通じて収得される。これによって、相変化物質層25はその内部にボイドやシームなどのような欠陥を発生させずに、HARS20を完全に埋めたてする。また、上述したインサイチュリフローメカニズムを用いて相変化物質層25を形成する場合、相変化物質層25を構成する物質の表現拡散の増加傾向と表面エネルギーの減少傾向によって、相変化物質層25はHARS20内においてオーバーハング(over hang)が減少しながら、実質的に楕円形の半球の形状、実質的に円形の半球の形状、実質的にドーム(dome)の形状などを有しながら絶縁構造物15上に突出する。例えば、このような構造を有する相変化物質層25は、相変化物質層25を形成するための工程の工程温度を増加させて印加されるパワーを減少させ収得される。
【0054】
通常的に物理気相蒸着工程を通じて収得される膜や層は化学気相蒸着CVD工程を用いて形成される膜や層に比べて実質的に優秀なステップカバレッジを有することは難しい。したがって、物理気相蒸着工程を通じて膜、又は、層を形成する場合には、微細な幅を有するビアホール、コンタクトホール、開口、トレンチなどのような段車を含むHARSを相変化物質層内部にボイド、又は、シームを生成させずに、完全に埋めたてすることは困難である。これに比べて、物理気相蒸着工程を通じて収得される膜や層は化学気相蒸着工程を用いて形成される膜や層に比べて純度、密度などの特性が優秀な長所を有する。化学気相蒸着工程においては膜や層を構成できる物質の間の化学的反応を用いて膜や層を形成するが、物理気相蒸着工程ではソースターゲット(source target)から物質を直接分離して膜、又は、層を形成するため物理気相蒸着工程を通じては大体相対的に純度が高く、緻密な構造を有する膜、又は、層を形成する。したがって、物理気相蒸着を通じて形成される相変化物質層は印加される電流によって容易に相転移を起こすことができ、発生した相転移を相対的に長く維持する。即ち、例示的な実施形態によって前記インサイチュリフローメカニズムを適用した物理気相蒸着工程を通じて相変化物質層25を形成する場合には、相変化物質層25が高い純度と緻密な構造を有しながらも、欠陥を発生させず、HARS20を充分に埋めたてする。
【0055】
本発明の実施形態において、スパッタリング工程を用いてHARS20を充分に埋めたてしながら、絶縁構造物15上に相変化物質層25を形成する。前記スパッタリング工程において、相変化物質層25を構成する相変化物質を含有する少なくとも一つのソースターゲットと対象体10をチャンバ内に配置する。この時、前記少なくとも一つのソースターゲットは対象体10と実質的に向かい合うように配置される。絶縁構造物15が形成された対象体10は前記蒸着チャンバ内に設置された静電ショック(electrostatic chuck)と同じ支持部材上に位置する。前記チャンバ内部は真空に近いほどの非常に低いベース圧力で維持される。例えば、前記チャンバは10−8Torr程度の低いベース圧力で維持される。前記チャンバ内にスパッタリングガスとしてアルゴンAr、ヘリウムHe等を含む不活性ガスが提供される。このような不活性ガスの供給によって前記チャンバ内の圧力が変化する。前記少なくとも一つのソースターゲットを電気的にバイアスさせることによって、スパッタリングガスで提供される前記不活性ガスがプラズマ状態で放出される。これによって、ポジティブ(+)電荷の不活性ガスのイオンがネガティブ(−)でバイアスされたソースターゲットに引き寄せられ、これにより、前記ソースターゲットに含まれた物質がHARS20が形成された対象体10上にスパッタリングされ相変化物質層25が形成される。
【0056】
対象体10上に相変化物質層25を形成するためのスパッタリング工程において、相変化物質層25の前記相変化物質の結晶粒子の成長を抑制して、相変化物質層25の結晶化温度を向上させる。例えば、相変化物質層25の結晶化温度を200℃以上になるように前記ソースターゲットの組成を調節したり、相変化物質層25にドーパントを追加する。例示的な実施形態において、相変化物質層25を構成するカルコゲナイド混合物、又は、非カルコゲナイド混合物の成分元素の含量を適切に調節することによって、相変化物質層25の結晶化温度を制御する。 他の例示的な実施形態によれば、ドーパントをソースターゲットに添加したり、スパッタリング工程の間、前記チャンバ内にドーパントガスを提供して相変化物質層25の結晶化温度を向上させる。また他の例示的な実施形態によれば、ドーパントを含有するソースターゲットを用いてながら、前記チャンバ内にドーパントガスを追加的に提供することによって、相変化物質層25の結晶化温度を調節することもできる。
【0057】
前述した通り、相変化物質層25の結晶化温度の調節によって、相変化物質層25内の結晶粒子の成長を抑制することによって、HARS20内に位置する相変化物質層25にオーバーハングを生成させずに、HARS20を相変化物質層25により完全に満たす。この場合、相変化物質層25内の成長が抑制された結晶粒子の大きさはHARS20の上部幅と実質的に同一、又は、実質的に小さくてもよい。例えば、相変化物質層25の相変化物質内の構成成分の結晶粒子サイズを30nm以下に制御する。
【0058】
本発明の実施形態において、相変化物質層25を形成するための物理気相蒸着工程の工程温度は相変化物質層25の相変化物質の融点(melting point)の60%以上となる。例えば、HARS20が形成された対象体10を上述したカルコゲナイド混合物、又は、非カルコゲナイド混合物の融点の60%程度の温度で維持しながら、対象体10上に相変化物質層25を形成する。例えば、相変化物質層25を形成するための物理気相蒸着工程の工程温度は相変化物質層25の相変化物質の融点の60%〜100%程度の範囲で変化する。 従来の相変化物質層を形成するための工程の工程温度に比べて本発明の実施形態に係る相変化物質層25を形成するための工程の工程温度が高いため、相変化物質の表面拡散がより活性化され相変化物質層25が改善されたステップカバレッジ、又は、ギャップフィル特性を有する。
【0059】
上述したスパッタリング工程を通じて相変化物質層25を形成する場合、相変化物質層25が形成される対象体10の温度は前記ソースターゲットから放出される熱によって調節される。 これとは異なり、対象体10が配置された前記支持部材の温度を調節して対象体10の温度を調節することもできる。また、追加的な加熱手段等を通して前記チャンバ内部の温度を調節して、前記相変化物質の融点の60%以上の温度で前記相変化物質の構成成分が対象体10に到達するようにすることもできる。
【0060】
本発明の実施形態によれば、相変化物質層25を形成するための工程の工程温度を相変化物質の融点の60%以上の温度で維持しながら、HARS20が形成された絶縁構造物15上に相変化物質層25を形成する場合には、相変化物質層25の相変化物質の表面拡散の増加及び/又は、表面積の減少により、ボイド、シーム、オーバーハングなどの欠陥を発生させずに、相変化物質層25がHARS20を充分に満たす。この時、相変化物質層25の上部は実質的に円形、実質的に楕円形、実質的にドーム型などの構造を有しながら、絶縁構造物15上に突出する。
【0061】
本発明の実施形態において、相変化物質層25は1Å/sec〜50Å/sec程度の蒸着速度で形成される。 例示的な実施形態において、相変化物質層25の蒸着速度は5Å/sec以下であってもよい。相変化物質層25の蒸着速度が相対的に大きい場合には、相変化物質の表面拡散が十分に起きないことによって、HARS20内で相変化物質層25にボイド、又は、シームが生成される。これに比べて、5Å/sec以下の蒸着速度で相変化物質層25を形成する場合、蒸着される相変化物質の表面拡散が十分に起きうるため、HARS20の底から相変化物質の蒸着が効果的に遂行されてHARS20内で相変化物質層25のオーバーハングを生成させずに、相変化物質層25がHARS20を完全に埋めたてさせる。
【0062】
本発明の実施形態によると、相変化物質層25を形成するための工程において印加されるパワーは0.1W/cm〜5W/cm以下であってもよい。前記工程の間印加されるパワーが0.1W/cmより小さい場合には、相変化物質の蒸着速度が非常に減少したり相変化物質の蒸着のためのプラズマの生成が難しいこともある。また、前記工程において印加されるパワーが5W/cmより大きい場合、相変化物質の表面拡散を充分に誘導することが難しいこともある。従来の相変化物質層を形成するための工程において印加されるパワーに比べて、本発明の実施形態に係る工程において印加されるパワーが相対的に低いため、相変化物質の表面拡散を充分に誘導してHARS20内にオーバーハング、ボイド、シームなどの欠陥のない相変化物質層25を形成する。
【0063】
本発明の実施形態において、相変化物質層25を形成するための工程の間前記チャンバ内部の圧力は0.05mTorr〜10mTorr程度で相対的に低く維持される。前記チャンバ内の圧力が0.05mTorrより小さい場合、前記相変化物質の蒸着のためのプラズマの生成が難しくなり、また生成されたプラズマが不安定になることもある。一方、前記チャンバ内の圧力が10mTorrより大きい場合には、前記ソースターゲットから放出される前記相変化物質の構成成分の直進性が低下してHARS20内に位置する相変化物質層25に欠陥が発生することがある。
【0064】
本発明の実施形態によれば、相変化物質層25を形成するためのスパッタリング工程の間、前記ソースターゲットと対象体10の間の距離は50mm〜500mm程度で維持される。前記ソースターゲットと対象体10の間との距離が50mmより小さい場合には、前記ソースターゲットから放出される相変化物質の成分粒子の直進性が低下してHARS20内に形成される相変化物質層25にボイド、又は、シームが生成される。また、前記ソースターゲットと対象体10との間の距離が500mmより大きい場合、前記相変化物質の蒸着のためのプラズマの生成が難しくなり、また、生成されたプラズマが不安定になる。
【0065】
本発明の他の実施形態において、前記チャンバの側部にマグネトロンが追加的に配置されることによって、前記ソースターゲットから対象体10に向かう前記相変化物質粒子の直進性をより向上させる。これよって、HARS20を有する対象体10上に全体的に均一に相変化物質層25を形成する。
【0066】
図3を参照すると、HARS20を完全に満たしながら、絶縁構造物15上に相変化物質層25を形成した後、絶縁構造物15が露出される時まで相変化物質層25を部分的に除去する。これによって、HARS20内に埋めたてされる相変化物質層パターン30を含む相変化構造物が形成される。例えば、相変化物質層25は化学機械的練磨CMP工程及び/又はエッチバック工程を用いて絶縁構造物15が露出される時まで部分的に除去される。他の例示的な実施形態において、前記相変化構造物は後述するように相変化物質層パターン30その他にも追加的な物質層パターンを含むこともできる。
【0067】
以下、本発明の実験例及び比較例による相変化物質層について説明する。
【0068】
[実験例1]
【0069】
対象体にライン形状を有するトレンチを形成した。前記トレンチの深さは1、200Å程度であり、前記トレンチの下部幅は300Å程度であり、前記トレンチの上部幅は700Å程度であった。前記トレンチを満たす相変化物質層を形成するために、窒素(N)、ゲルマニウム(Ge)、アンチモン(Sb)及びテルル(Te)を含むソースターゲットを用いた。前記ソースターゲット内の窒素の含量は5重量%〜30重量%程度であり、ゲルマニウムの含量は15重量%〜30重量%程度であり、アンチモンの含量は15重量%〜30重量%程度であった。また、テルルの含量は45重量%〜65重量%程度であった。
【0070】
前記ソースターゲットの融点の600℃の65%程度の温度で前記相変化物質層を形成した。前記相変化物質層を形成する間、前記ソースターゲットに100W〜5kW程度のバイアスパワーを印加した。この時、チャンバ内の相変化物質層工程圧力は0.05mTorr〜10mTorr程度であった。シーム、ボイド、オーバーハングなどの欠陥なく、前記トレンチを前記相変化物質層で完全に満たすことができた。
【0071】
[実験例2]
【0072】
対象体にライン形状を有するトレンチを形成した。前記トレンチは1、200Å程度の深さ、300Å程度の下部幅及び700Å程度の上部幅で形成された。相変化物質層を形成するために、酸素O、ゲルマニウムGe、アンチモンSb及びテルルTeを含むソースターゲットを用いた。前記ソースターゲット内の酸素の含量は5重量%〜30重量%程度であり、ゲルマニウムの含量は15重量%〜30重量%程度であり、アンチモンの含量は15重量%〜30重量%程度であった。また、テルルの含量は45重量%〜65重量%程度であった。
【0073】
前記相変化物質層を形成するための工程圧力を0.05mTorr〜10mTorr程度で維持しながら、前記ソースターゲットの融点の610℃の65%程度の温度で、前記ソースターゲットに100W〜5kW程度のバイアスパワーを印加して前記相変化物質層を形成した。前記トレンチ内に形成された前記相変化物質層内にはシーム、ボイド、オーバーハングの欠陥が発生しなかった。
【0074】
[実験例3]
【0075】
対象体に1、200Å程度の深さ、300Å程度の下部幅及び700Å程度の上部幅を有するトレンチを形成した。ホウ素B、ゲルマニウム、アンチモン及びテルルを含むソースターゲットを用いて前記トレンチを満たす相変化物質層を形成した。前記ソースターゲットにおいて、ホウ素の含量は5重量%〜30重量%程度であり、ゲルマニウムの含量は15重量%〜30重量%程度であった。また、アンチモンの含量は15重量%〜30重量%程度であり、テルルの含量は45重量%〜65重量%程度であった。
【0076】
前記相変化物質層の形成工程において、工程温度は前記ソースターゲットの融点の590℃の65%程度であり、前記ソースターゲットに印加されるバイアスパワーは100W〜5kW程度であり、工程圧力は0.05mTorr〜10mTorr程度であった。ライン形状を有する前記トレンチ内に欠陥を発生させずに前記相変化物質層を形成することができた。
【0077】
[実験例4]
【0078】
対象体に1、200Å程度の深さ、300Å程度の下部幅及び700Å程度の上部幅を有するライン形状のトレンチを形成した。相変化物質層を形成するために、シリコン、ゲルマニウム、アンチモン及びテルルを含むソースターゲットを用いた。前記ソースターゲットにおいて、シリコンの含量は5重量%〜30重量%程度であり、ゲルマニウムの含量は15重量%〜30重量%程度であった。また、アンチモンの含量は15重量%〜30重量%程度であり、テルルの含量は45重量%〜65重量%程度であった。
【0079】
前記相変化物質層を形成する工程において、工程温度は前記ソースターゲットの融点の620℃の65%程度であり、前記ソースターゲットに加わるバイアスパワーは100W〜5kW程度であり、工程圧力は0.05mTorr〜10mTorr程度であった。欠陥を発生させずに、相変化物質層を前記トレンチ内に完全に埋めたてすることができた。
【0080】
[実験例5]
【0081】
対象体に1、200Å程度の深さ、300Å程度の下部幅及び700Å程度の上部幅を有するトレンチを形成した。相変化物質層を形成するために、鉄(Fe)、ゲルマニウム、アンチモン及びテルルを含むソースターゲットを用いた。前記ソースターゲットにおいて、鉄の含量は5重量%〜30重量%程度であり、ゲルマニウムの含量は15重量%〜30重量%程度であった。また、アンチモンの含量は15重量%〜30重量%程度であり、テルルの含量は45重量%〜65重量%程度であった。
【0082】
前記相変化物質層を形成する工程において、工程温度は前記ソースターゲットの融点の610℃の65%程度であり、前記ソースターゲットに加わるバイアスパワーは100W〜5kW程度であり、工程圧力は0.05mTorr〜10mTorr程度であった。前記トレンチ内に欠陥のない相変化物質層を形成することができた。
【0083】
[実験例6]
【0084】
対象体に1、200Å程度の深さ、300Å程度の下部幅及び700Å程度の上部幅を有するライン形状のトレンチを形成した。相変化物質層を形成するために、炭素、ゲルマニウム、アンチモン及びテルルを含むソースターゲットを用いた。前記ソースターゲットにおいて、炭素の含量は5重量%〜30重量%程度であり、ゲルマニウムの含量は15重量%〜30重量%程度であった。また、アンチモンの含量は15重量%〜30重量%程度であり、テルルの含量は45重量%〜65重量%程度であった。
【0085】
前記相変化物質層を形成する工程において、工程温度は前記ソースターゲットの融点の605℃の65%程度であり、前記ソースターゲットに印加されるバイアスパワーは100W〜5kW程度であり、工程圧力は0.05mTorr〜10mTorr程度であった。前記トレンチを完全に満たしながら、欠陥のない相変化物質層を収得することができた。
【0086】
[実験例7]
【0087】
対象体に1、200Å程度の深さ、300Å程度の下部幅及び700Å程度の上部幅を有するトレンチを形成した。相変化物質層を形成するために、アルミニウムAl、ゲルマニウム、アンチモン及びテルルを含むソースターゲットを用いた。前記ソースターゲットにおいて、アルミニウムの含量は5重量%〜30重量%程度であり、ゲルマニウムの含量は15重量%〜30重量%程度であった。また、アンチモンの含量は15重量%〜30重量%程度であり、テルルの含量は45重量%〜65重量%程度であった。
【0088】
前記相変化物質層を形成する工程において、工程温度は前記ソースターゲットの融点の615℃の65%程度であり、前記ソースターゲットに印加されるバイアスパワーは100W〜5kW程度であり、工程圧力は0.05mTorr〜10mTorr程度であった。欠陥を発生させずに、前記トレンチ内に相変化物質層を形成することができた。
【0089】
[実験例8]
【0090】
対象体に1、200Å程度の深さ、300Å程度の下部幅及び700Å程度の上部幅を有するトレンチを形成した。相変化物質層を形成するために、ビスマス(Bi)、ゲルマニウム、アンチモン及びテルルを含むソースターゲットを用いた。前記ソースターゲットにおいて、ビスマスの含量は5重量%〜30重量%程度であり、ゲルマニウムの含量は15重量%〜30重量%程度であった。アンチモンの含量は15重量%〜30重量%程度であり、テルルの含量は45重量%〜65重量%程度であった。
【0091】
前記相変化物質層を形成する工程において、工程温度は前記ソースターゲットの融点の585℃の65%程度であり、前記ソースターゲットに加わるバイアスパワーは100W〜5kW程度であり、工程圧力は0.05mTorr〜10mTorr程度であった。前記トレンチ内に欠陥のない相変化物質層を形成することができた。
【0092】
[実験例9]
【0093】
対象体に1、200Å程度の深さ、300Å程度の下部幅及び700Å程度の上部幅を有するトレンチを形成した。相変化物質層を形成するために、インジウムIn、ゲルマニウム、アンチモン及びテルルを含むソースターゲットを用いた。前記ソースターゲットにおいて、インジウムの含量は5重量%〜30重量%程度であり、ゲルマニウムの含量は15重量%〜30重量%程度であった。アンチモンの含量は15重量%〜30重量%程度であり、テルルの含量は45重量%〜65重量%程度であった。
【0094】
前記相変化物質層を形成する工程において、工程温度は前記ソースターゲットの融点の580℃の65%程度であり、前記ソースターゲットに加わるバイアスパワーは100W〜5kW程度であり、工程圧力は0.05mTorr〜10mTorr程度であった。前記トレンチを充分に満たしながら、結合を有さない相変化物質層を収得することができた。
【0095】
本発明の実験例によると、ゲルマニウム、アンチモン、テルルなどを含む相変化物質と窒素、ホウ素、酸素、シリコン、鉄、アルミニウム、炭素などのドーパントを含有するソースターゲットを用いて、相対的に高い温度で相対的に低いパワーを印加しながら、相変化物質層を形成する場合、前記相変化物質層にボイド、シーム、オーバーハングなどの欠陥を発生せずに、大きい縦横比を有するトレンチを完全に満たす。
【0096】
[比較例1]
【0097】
1、200Å程度の深さ、300Å程度の下部幅及び700Å程度の上部幅を有するライン形状のトレンチを対象体に形成した。インジウムIn、ゲルマニウム、アンチモン及びテルルを含むソースターゲットを用いて相変化物質層を形成した。前記ソースターゲットにおいて、インジウムの含量は5重量%〜30重量%程度であり、ゲルマニウムの含量は15重量%〜30重量%程度であった。アンチモンの含量は15重量%〜30重量%程度であり、テルルの含量は45重量%〜65重量%程度であった。
【0098】
前記相変化物質層を形成する工程において、工程温度は前記ソースターゲットの融点の580℃の55%程度であり、前記ソースターゲットに加わるバイアスパワーは100W〜5kW程度であり、工程圧力は0.05mTorr〜10mTorr程度であった。前記トレンチの側壁部位において 前記相変化物質層にオーバーハングが生成され、前記トレンチの内の前記相変化物質層にボイドのような欠陥が発見された。
【0099】
[比較例2]
【0100】
1、200Å程度の深さ、300Å程度の下部幅及び700Å程度の上部幅を有するライン形状のトレンチを対象体に形成した。ホウ素、ゲルマニウム、アンチモン及びテルルを含むソースターゲットを用いて相変化物質層を形成した。前記ソースターゲットにおいて、ホウ素の含量は5重量%〜30重量%程度であり、ゲルマニウムの含量は15重量%〜30重量%程度であった。アンチモンの含量は15重量%〜30重量%程度であり、テルルの含量は45重量%〜65重量%程度であった。
【0101】
前記相変化物質層を形成する工程において、工程温度は前記ソースターゲットの融点の590℃の55%程度であり、前記ソースターゲットに印加されるバイアスパワーは100W〜5kW程度であり、工程圧力は0.05mTorr〜10mTorr程度であった。前記相変化物質層には前記トレンチ側壁部位に生成されたオーバーハング、前記トレンチウイ内に形成されたボイドなどの欠陥が発生した。
【0102】
[比較例3]
【0103】
1、200Å程度の深さ、300Å程度の下部幅及び700Å程度の上部幅を有するライン形状のトレンチを対象体に形成した。窒素、ゲルマニウム、アンチモン及びテルルを含むソースターゲットを用いて相変化物質層を形成した。前記ソースターゲットにおいて、窒素の含量は5重量%〜30重量%程度であり、ゲルマニウムの含量は15重量%〜30重量%程度であった。アンチモンの含量は15重量%〜30重量%程度であり、テルルの含量は45重量%〜65重量%程度であった。
【0104】
前記相変化物質層を形成する工程において、工程温度は前記ソースターゲットの融点の600℃の55%程度であり、前記ソースターゲットに加わるバイアスパワーは100W〜5kW程度であり、工程圧力は0.05mTorr〜10mTorr程度であった。前記トレンチ側壁部位のオーバーハング、前記トレンチ内のボイドなどのような欠陥が前記相変化物質層に発生した。
【0105】
[比較例4]
【0106】
1、200Å程度の深さ、300Å程度の下部幅及び700Å程度の上部幅を有するライン形状のトレンチを対象体に形成した。酸素、ゲルマニウム、アンチモン及びテルルを含むソースターゲットを用いて相変化物質層を形成した。前記ソースターゲットにおいて、酸素の含量は5重量%〜30重量%程度であり、ゲルマニウムの含量は15重量%〜30重量%程度であった。アンチモンの含量は15重量%〜30重量%程度であり、テルルの含量は45重量%〜65重量%程度であった。
【0107】
前記相変化物質層を形成する工程において、工程温度は前記ソースターゲットの融点の610℃の55%程度であり、前記ソースターゲットに印加されるバイアスパワーは100W〜5kW程度であり、工程圧力は0.05mTorr〜10mTorr程度であった。前記トレンチ内に位置する前記相変化物質層にボイドが生成される一方、前記トレンチ側壁部位の前記相変化物質層にオーバーハングが形成された。
【0108】
[比較例5]
【0109】
1、200Å程度の深さ、下部幅は300Å程度の下部幅及び700Å程度の上部幅を有するライン形状のトレンチを対象体に形成した。シリコン、ゲルマニウム、アンチモン及びテルルを含むソースターゲットを用いて相変化物質層を形成した。前記ソースターゲットにおいて、シリコンの含量は5重量%〜30重量%程度であり、ゲルマニウムの含量は15重量%〜30重量%程度であった。アンチモンの含量は15重量%〜30重量%程度であり、テルルの含量は45重量%〜65重量%程度であった。
【0110】
前記相変化物質層を形成する工程において、工程温度は前記ソースターゲットの融点の620℃の55%程度であり、前記ソースターゲットに加わるバイアスパワーは100W〜5kW程度であり、工程圧力は0.05mTorr〜10mTorr程度であった。前記トレンチの側壁部位及び内部でそれぞれオーバーハング及びボイドなどのような欠陥が前記相変化物質層に発生した。
【0111】
[比較例6]
【0112】
1、200Å程度の深さ、300Å程度の下部幅及び700Å程度の上部幅を有するライン形状のトレンチを対象体に形成した。炭素、ゲルマニウム、アンチモン及びテルルを含むソースターゲットを用いて相変化物質層を形成した。前記ソースターゲットにおいて、炭素の含量は5重量%〜30重量%程度であり、ゲルマニウムの含量は15重量%〜30重量%程度であった。アンチモンの含量は15重量%〜30重量%程度であり、テルルの含量は45重量%〜65重量%程度であった。
【0113】
前記相変化物質層を形成する工程において、工程温度は前記ソースターゲットの融点の605℃の55%程度であり、前記ソースターゲットに加わるバイアスパワーは100W〜5kW程度であり、工程圧力は0.05mTorr〜10mTorr程度であった。前記相変化物質層において、前記トレンチの側壁部位にはオーバーハングが形成され、前記トレンチ内にボイド、シームなどが発生した。
【0114】
[比較例7]
【0115】
1、200Å程度の深さ、300Å程度の下部幅及び700Å程度の上部幅を有するライン形状のトレンチを対象体に形成した。鉄、ゲルマニウム、アンチモン及びテルルを含むソースターゲットを用いて相変化物質層を形成した。前記ソースターゲットにおいて、鉄の含量は5重量%〜30重量%程度であり、ゲルマニウムの含量は15重量%〜30重量%程度であった。アンチモンの含量は15重量%〜30重量%程度であり、テルルの含量は45重量%〜65重量%程度であった。
【0116】
前記相変化物質層を形成する工程において、工程温度は前記ソースターゲットの融点の610℃の55%程度であり、前記ソースターゲットに印加されるバイアスパワーは100W〜5kW程度であり、工程圧力は0.05mTorr以上10mTorr程度であった。前記トレンチ側壁に位置する前記相変化物質層オーバーハングが生成され、前記トレンチ内に形成された前記相変化物質層にボイド、シームなどが発生した。
【0117】
[比較例8]
【0118】
1、200Å程度の深さ、300Å程度の下部幅及び700Å程度の上部幅を有するライン形状のトレンチを対象体に形成した。アルミニウム、ゲルマニウム、アンチモン及びテルルを含むソースターゲットを用いて相変化物質層を形成した。前記ソースターゲットにおいて、アルミニウムの含量は5重量%〜30重量%程度であり、ゲルマニウムの含量は15重量%〜30重量%程度であった。アンチモンの含量は15重量%〜30重量%程度であり、テルルの含量は45重量%〜65重量%程度であった。
【0119】
前記相変化物質層を形成する工程において、工程温度は前記ソースターゲットの融点の615℃の55%程度であり、前記ソースターゲットに加わるバイアスパワーは100W〜5kW程度であり、工程圧力は0.05mTorr〜10mTorr程度であった。前記相変化物質層には前記トレンチの側壁に隣接するオーバーハング、前記トレンチ内に生成されたボイドなどの欠陥が発生した。
【0120】
前述した比較例1〜比較例8によると、相対的に低い温度で大きい縦横比を有するトレンチ内に相変化物質層を形成する場合には、前記相変化物質層にオーバーハング、ボイド、シームなどの欠陥が発生しやすいということが分かる。
【0121】
図4〜図6は本発明の他の実施形態に係る相変化物質層を形成する方法を説明するための断面図である。
【0122】
図4を参照すると、対象体となる基板50上に絶縁構造物55を形成した後、絶縁構造物55を部分的にエッチングして基板50の一部を露出させるHARS60を形成する。
【0123】
基板50は半導体基板、半導体層を有する基板、絶縁基板、金属酸化物基板などの多様な基板を含む。また、対象体50は多様な基板上に形成された導電性パターン、電極、パッド、コンタクトなどを含む。絶縁構造物55は酸化物、窒化物及び/又は、酸窒化物を含む。例えば、絶縁構造物55はシリコン酸化物、シリコン窒化物及び/又は、シリコン酸窒化物を用いて形成される。絶縁構造物55は酸化膜、窒化膜及び/又は、酸窒化膜を含む単層構造又は、多層構造で形成される。
【0124】
本発明の実施形態において、HARS60は微細なコンタクトホール、ビアホール、開口、トレンチなどを含む。HARS60は基板50の少なくとも一部を露出させる。また、HARS60は基板50上に形成された導電領域、導電パターン、スイッチング素子などを露出させる。
【0125】
再度図4を参照すると、絶縁構造物55上にHARS60を部分的に満たす第1相変化物質層65を形成する。第1相変化物質層65は上述したカルコゲナイド混合物、非カルコゲナイド混合物、ドーパントを含むカルコゲナイド混合物、ドーパントを含む非カルコゲナイド混合物などを含む第1相変化物質を用いて形成される。
【0126】
本発明の実施形態において、第1相変化物質層65は前述したインサイチュリフローメカニズムを用いない第1物理気相蒸着工程を用いて形成される。この場合、前記第1物理気相蒸着工程は前記第1相変化物質の融点の60%以下の相対的に低い第1温度で遂行される。例えば、第1相変化物質層65は相対的に低い第1温度で遂行されるスパッタリング工程を通じて対象体50及び絶縁構造物55上に形成される。この場合、第1相変化物質層65はHARS60の深さの1/3程度に該当する厚さで形成される。即ち、第1相変化物質層65はHARS60の底面からHARS60の深さの1/3程度まで満たす。
【0127】
第1相変化物質層65が前記第1物理気相蒸着工程を用いて形成される場合、前記第1相変化物質の表面拡散が相対的に活発に起きないこともある。したがって、絶縁構造物55上の第1相変化物質層65は実質的に半球型又は、ドーム型より曲率半径が大きい円形の(rounded)上部を有する。このような第1相変化物質層65を相変化メモリ装置に適用する場合、第1相変化物質層65は印加される電流によって相転移を起こすPV(programmable volume)領域に該当する。例えば、下部のコンタクト、パッド又は、電極から第1相変化物質層65に電流が印加される場合に、第1相変化物質層65の第1相変化物質が相対的に容易に相転移を起こす。
【0128】
本発明の実施形態によると、前述した通り前記第1相変化物質のインサイチュリフローが実質的に発生しにくい相対的に低い前記第1温度で第1相変化物質層65を形成する場合にも、第1相変化物質層65がHARS60を部分的に満たすため、HARS60内に位置する第1相変化物質膜65に実質的にボイド、シームなどの欠陥が発生しない。
【0129】
図5を参照すると、第1相変化物質層65上にHARS60を完全に満たしながら、第2相変化物質層70を形成する。第2相変化物質層70はインサイチュリフローメカニズムを適用されて相対的に高い第2温度で遂行される第2物理気相蒸着工程を通じて収得される。この時、第2相変化物質層70は第1相変化物質層65と一体で形成される。第2相変化物質層70は前述したカルコゲナイド混合物、非カルコゲナイド混合物、ドーパントを含むカルコゲナイド混合物、ドーパントを含む非カルコゲナイド混合物などを含む第2相変化物質を用いて形成される。
【0130】
本発明の実施形態において、第2相変化物質層70の第2相変化物質は第1相変化物質層65の第1相変化物質と実質的に同一、又は、実質的に類似な組成を有する。この場合、HARS60内に位置する第1及び第2相変化物質層65、70の部分には組成の差が発生する。即ち、第1相変化物質層65と第2相変化物質層70が相異なる温度で形成されるため、HARS60内に形成される第1相変化物質層65と第2相変化物質層70には少なくとも一つ以上の構成成分の含量が異なることもある。 例示的な実施形態によれば、HARS60内で第2相変化物質層70内のアンチモンの含量及び/又は、テルルの含量が第1相変化物質層65内のアンチモンの含量及び/又は、テルルの含量より実質的に大きいこともある。即ち、第2相変化物質層70はHARS60内で相対的に豊富なアンチモンの含量及び/又は、テルルの含量を有する。
【0131】
本発明の実施形態において、前記第2物理気相蒸着工程は前記第2相変化物質の融点の60%以上の相対的に高い第2温度で遂行される。例えば、第2相変化物質層70は前記第2温度で遂行されるスパッタリング工程を通じて第1相変化物質層65上に形成される。この時、第2相変化物質層70はHARS60の深さの2/3以上の厚さで形成される。 これによって、第1相変化物質層65と第2相変化物質層70の間の厚さの比は1.0:1.3〜3.0程度になりうる。例えば、第1相変化物質層65が400Å〜600Å程度の厚さを有する場合、第2相変化物質層70は800Å〜1、200Å程度の厚さで形成される。
【0132】
本発明の実施形態に係り、前記インサイチュリフローメカニズムを用いて第2相変化物質層70を形成する場合、前記第2相変化物質の表現拡散の増加傾向と表面エネルギーの減少傾向によって、第2相変化物質層70内にボイド、又は、シームが形成されない一方、HARS60の上部側壁に隣接して第2相変化物質層70に発生するオーバーハングを防止する。また、絶縁構造物55上の第2相変化物質層70が実質的に楕円形の半球の形状、実質的に円形の半球の形状、実質的にドームの形状などを有する。したがって、第2相変化物質層70は第1相変化物質層65の曲率半径より実質的に小さい曲率半径を有する。 第1及び第2相変化物質層65、70が相変化メモリ装置に適用される場合、第2相変化物質層70は相転移が起きないNPV(non−programmable volume)領域に該当する。即ち、下部のコンタクト、パッド又は、電極から印加される電流によって、第1相変化物質層65の第1相変化物質が容易に相転移を起こす反面、第2相変化物質層70の第2相変化物質には相転移が起きないこともある。前述した通り、前記相変化メモリ装置がそれぞれPV及びNPV領域に該当する第1及び第2相変化物質層65、70を含む場合、前記相変化メモリ装置のセット状態とリセット状態の間の抵抗マージン(margin)を増加させることができ、データ維持(retention)特性をより向上させる。
【0133】
前述したインサイチュリフローメカニズムを通じてHARS内に単一相変化物質層を形成する場合には、前記HARS内に位置する相変化物質層の組成が変化される。例えば、前記相変化物質層がアンチモン、テルルなどを含む時、前記相変化物質層のうち前記HARS内に形成される部分において残りの部分に比べてアンチモンの含量又は、テルルの含量が相対的に高いこともある。このように、前記HARS内の相転移が起きる部分の相変化物質層が相対的に高いアンチモンの含量又は、テルルの含量を有すると、前記相変化物質層のデータ維持特性が低下される。これに比べて、インサイチュリフローが実質的に起きにくい相対的に低い第1温度で第1相変化物質層65を形成し、インサイチュリフローが発生する相対的に高い第2温度で第2相変化物質層70を形成すると、データ維持特性の低下を防止しながら、欠陥なくHARS60を十分に埋めたてする第1及び第2相変化物質層65、70を含む多層構造の相変化物質層を形成する。
【0134】
本発明の他の実施形態によれば、第1及び第2相変化物質層65、70はインサイチュで形成される。即ち、HARS60を有する対象体50がローディングされたチャンバの真空状態を維持しながら、相対的に低い第1温度でHARS60を部分的に満たす第1相変化物質層65を形成した後、前記第1温度から相対的に高い第2温度に温度を上昇させながら、第1相変化物質層65上に第2相変化物質層70を形成する。例えば、スパッタリング工程のソースターゲットの組成を変化させずに、工程温度を変化させながら、第1及び第2相変化物質層65、70を形成する。
【0135】
図6を参照すると、絶縁構造物55が露出される時まで、第2相変化物質層70及び第1相変化物質層65を部分的に除去して、HARS60を完全に満たす第1及び第2相変化物質層パターン75、80を含む相変化構造物を形成する。ここで、第1及び第2相変化物質層パターン75、80を含む前記相変化構造物は化学機械的練磨工程及び/又はエッチバック工程を通じて収得される。
【0136】
図7及び図8は本発明のまた他の実施形態に係る相変化物質層の形成方法を説明するための断面図である。
【0137】
図7を参照すると、基板を含む対象体100上に絶縁構造物105を形成する。絶縁構造物105は酸化膜、窒化膜及び酸窒化膜のうち少なくとも一つ以上を含む。
【0138】
絶縁構造物105を部分的にエッチングして対象体100の所定の部分を露出させるHARS110を形成する。例えば、HARS110は写真エッチング工程を用いて形成される。
【0139】
露出された対象体100、HARS110の側壁及び絶縁構造物105上に濡れ層(wetting layer)115を形成する。濡れ層115はHARS110のプロファイルに沿って均一に形成される。濡れ層115は原子層積層ALD工程、化学気相蒸着工程、スパッタリング工程、パルスレーザ蒸着PLD工程などを用いて形成される。この場合、濡れ層115は相対的に薄い厚さで形成される。例えば、濡れ層115は200Å以下の厚さを有する。
【0140】
濡れ層115は後続して形成される相変化物質層125の濡れ性(wettability)を向上させる物質を用いて形成される。相変化物質層125の濡れ性とは相変化物質層125が濡れ層115上で分散する程度のことである。例示的な実施形態において、濡れ層115は金属及び/又は、金属窒化物を含む。例えば、濡れ層115はチタン、チタン窒化物、タンタル、タンタル窒化物、タングステン、タングステン窒化物などを用いて形成される。これらは単独、又は、相互組合わせて使われる。本発明の他の実施形態によれば、濡れ層115は絶縁物質を用いて形成される。例えば、濡れ層115はニオブ酸化物NbOx、ジルコン酸化物ZrOx、ハフニウム酸化物HfOx等を用いて形成される。これらは単独、又は、相互組合わせて使われる。濡れ層115が金属酸化物を含む場合、濡れ層115は対象体100の導電領域から相変化物質層125に電荷がトンネリングできる程度の非常に薄い厚さを有する。
【0141】
濡れ層115上にシード膜120を形成する。シード膜120は濡れ層115上に均一な厚さで形成される。即ち、シード膜120はHARS110のプロファイルについて均一な厚さで形成される。シード膜120は金属、金属窒化物、金属シリサイド、金属酸化物などを用いて形成される。 例えば、シード膜120はゲルマニウム、アンチモン、ゲルマニウム−アンチモン−テルル、アンチモン−テルル、ゲルマニウム−テルル、チタン(Ti)、ジルコン(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン窒化物(TiNx)、ジルコン窒化物(ZrNx)、ハフニウム窒化物(HfNx)、バナジウム窒化物(VNx)、ニオブ窒化物(NbNx)、タンタル窒化物(TaNx)、タングステン窒化物(WNx)、コバルトシリサイド(CoSix)、チタンシリサイド(TiSix)、タンタルシリサイド(TaSix)、ニッケルシリサイド(NiSix)、ゲルマニウムシリサイド(GeSix)、チタンアルミニウム窒化物(TiAlxNy)、チタン炭素窒化物(TiCxNy)、タンタル炭素窒化物(TaCxNy)、チタン シリコン窒化物(TiSixNy)、タンタルシリコン窒化物(TaSixNy)、チタン酸化物(TiOx)、ジルコン酸化物(ZrOx)、ハフニウム酸化物(HfOx)、バナジウム酸化物(VOx)、ニオブ酸化物(NbOx)、タンタル酸化物(TaOx)、タングステン酸化物(WOx)等を含む。これらは単独、又は、相互組合わせて使われる。
【0142】
本発明の実施形態において、シード膜120は化学気相蒸着工程、原子層積層工程などを用いて形成される。この場合、シード膜120は相対的に薄い厚さを有する。例えば、シード膜120は400Å以下の厚さで形成される。
【0143】
本発明の他の実施形態によれば、濡れ層115とシード膜120のうちいずれの一つだけが提供される。即ち、濡れ層115又は、シード膜120のうちいずれの一つだけが対象体100、絶縁膜105及びHARS110の側壁上に形成される。
【0144】
再度図7を参照すると、シード膜120上に相変化物質層125を形成する。相変化物質層125はインサイチュリフローメカニズムを適用して図2を参照して説明した工程と実質的に同一、又は、実質的に類似な工程を通じてシード膜120上に提供される。また、相変化物質層125は前述したカルコゲナイド混合物、非カルコゲナイド混合物、ドーパントを含有するカルコゲナイド混合物、ドーパントを含有する非カルコゲナイド混合物などを含む相変化物質を用いて形成される。
【0145】
図8を参照すると、絶縁構造物105の対面が露出する時まで相変化物質層125、シード膜120及び濡れ層115を部分的に除去することによって、HARS110内に相変化構造物を形成する。 前記相変化構造物は化学機械的練磨工程及び/又はエッチバック工程を通じて形成される。
【0146】
本発明の実施形態において、前記相変化構造物は濡れ層パターン130、シード膜パターン135及び相変化物質層パターン140を具備する。濡れ層パターン130はHARS110の側壁と露出した対象体100上に位置して、シード膜パターン135は濡れ層パターン130上に形成される。濡れ層パターン130とシード膜パターン135はHARS110を部分的に満たす。相変化物質層パターン140はHARS110を完全に満たしながら、シード膜パターン135上に形成される。
【0147】
本発明の他の実施形態によれば、前記相変化構造物は濡れ層パターン130及びシード膜パターン135のうちいずれの一つと相変化物質層パターン140を含む。例えば、前記相変化構造物は濡れ層パターン130と相変化物質層パターン140を具備する。また、前記相変化構造物はシード膜パターン135と相変化物質層パターン140を含むこともできる。この時、シード膜パターン135は対象体100と微細開口110の側壁上に配置される。
【0148】
本発明のまた他の実施形態によれば、前記相変化構造物は第1相変化物質層パターンと第2相変化物質層パターンを具備する。この場合、前記第1及び第2相変化物質層パターンは図4〜図6を参照して説明した工程と実質的に同一、又は、実質的に類似な工程を用いて形成される。
【0149】
本発明のまた他の実施形態によれば、前記相変化構造物は濡れ層パターン及びシード膜パターンのうち少なくとも一つと第1相変化物質層パターンそして第2相変化物質層パターンを含むこともできる。
【0150】
図9〜図13は本発明に実施形態に係る相変化メモリ装置の製造方法を説明するための断面図である。図9〜図13に示した方法によって収得される相変化メモリ装置は、図3を参照して説明した相変化物質層パターン30と実質的に同一、又は、実質的に類似な構成を有する相変化物質層パターンを含む。また、図9〜図13に示した方法によって製造される相変化メモリ装置は、図8を参照して説明した相変化構造物と実質的に同一、又は、実質的に類似な構成を有する相変化構造物を含むこともできる。
【0151】
図9を参照すると、基板150の所定の部分にコンタクト領域155を形成する。基板150は半導体基板、半導体層を有する基板、金属酸化物基板などを含む。コンタクト領域155は不純物領域、拡散領域、導電領域などを含むことができる。例えば、コンタクト領域155はイオン注入工程を通じて基板150に形成される。
【0152】
本発明の実施形態において、基板150上には導電パターン、パッド、コンタクト、絶縁パターン、スイッチング素子などを具備する下部構造物が提供される。この時、コンタクト領域155は前記下部構造物のスイッチング素子に含まれる。
【0153】
コンタクト領域155を有する基板150上に第1絶縁層160を形成する。第1絶縁層160は酸化物を用いて形成される。例えば、第1絶縁層160はUSG、SOG、BPSG、TOSZ、FOX、TEOS、PE−TEOS、HDP−CVD酸化物などのシリコン酸化物を用いて形成される。また、第1絶縁層160は化学気相蒸着工程、低圧化学気相蒸着LPCVD工程、プラズマ増大化学気相蒸着工程、高密度プラズマ−化学気相蒸着工程などを用いて形成される。基板150上に前記下部構造物が形成されている場合、第1絶縁層160は前記下部構造物を十分に覆う厚さを有する。
【0154】
第1絶縁層160を部分的にエッチングしてコンタクト領域155を露出させる第1開口165を形成する。例えば、第1開口165は写真エッチング工程を通じて形成される。第1開口165はコンタクト領域155を部分的に露出させる。本発明の実施形態において、第1開口165は基板150に対して実質的に垂直した側壁を有するが、基板150に対して所定の角度で傾斜した側壁を有することもある。
【0155】
再度図9を参照すると、第1開口165を通じて露出するコンタクト領域155上に第1導電膜170及び第2導電膜175を含むダイオード180を形成する。ダイオード180は第1開口165を部分的に満たす。この場合、第1及び第2導電膜170、175は相異なる不純物を含むポリシリコンを用いて形成される。例えば、第1導電膜170がP型不純物を含む場合、第2導電膜175はN型不純物を含む。これとは異なり、第1導電膜170がN型不純物を含み、第2導電膜175がP型不純物を含むこともできる。しかし、第1及び第2導電膜170、175に含まれる不純物はコンタクト領域155の導電型によって変化されることもある。
【0156】
本発明の実施形態に係るダイオード170を形成する工程において、第1開口165を通じて露出するコンタクト領域155をシードで用いて第1開口165を部分的に埋めたてさせる下部導電膜(図示されず)を形成した後、前記下部導電膜の下部及び上部にそれぞれ相異なる導電型の不純物をドーピングさせ第1及び第2導電膜170、175を形成する。例えば、前記下部導電膜は選択的エピタキシャル成長SEG工程を用いて形成される。前記下部導電膜がコンタクト領域155から成長する場合、前記下部導電膜はシリコンを含む。これとは異なり、第1開口部165内にポリシリコン膜を形成した後、前記ポリシリコン膜を部分的に除去して第1開口165に前記下部導電膜を形成することもできる。
【0157】
図10を参照すると、ダイオード180、第1開口165の側壁及び第1絶縁層160上に下部電極層(図示されず)を形成する。前記下部電極層は第1開口165のプロファイルについて均一に形成される。これによって、前記下部電極層によって第1開口165が完全に満たされないことがある。本発明の実施形態において、前記下部電極層は不純物を含むシリコン、金属及び/又は、金属混合物を用いて形成される。例えば、前記下部電極層は不純物を含むポリシリコン、不純物が含むアモルファスシリコン、不純物を含む単結晶シリコン、チタン、タングステン、タンタル、アルミニウム、チタン窒化物、タングステン窒化物、タンタル窒化物、アルミニウム窒化物、チタンアルミニウム窒化物などを用いて形成される。これらは単独、又は、相互組合わせて使われる。また、前記下部電極層は化学気相蒸着工程、プラズマ増大化学気相蒸着工程、原子層積層工程、パルスレーザ蒸着工程、スパッタリング工程などを用いて形成される。
【0158】
前記下部電極層上に第1開口165を十分に満たしながら充填層(図示されず)を形成する。前記充填層は酸化物、窒化物又は、酸窒化物を用いて形成される。例えば、前記充填層はシリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、チタン酸窒化物などを用いて形成される。また、前記充填層は化学気相蒸着工程、低圧化学気相蒸着工程、プラズマ増大化学気相蒸着工程、スピンコーティング工程、原子層積層工程、高密度プラズマ化学気相蒸着工程などを用いて形成される。
【0159】
本発明の他の実施形態によれば、前記下部電極層が第1開口165を完全に満たすように形成される。この場合には、前記下部電極層上に追加的に充填層が形成されないこともある。
【0160】
第1絶縁層160が露出される時まで前記充填層及び前記下部電極層を部分的に除去して第1開口165内に下部電極185及び充填部材190を形成する。下部電極185と充填部材190は化学機械的練磨工程及び/又は、エッチバック工程を用いて形成される。下部電極185は第1開口165の側壁とダイオード180に接触しながら、第1開口165の周辺部を満たす。充填部材190は第1開口165を完全に満たすことができ、下部電極185が充填部材190を包む。
【0161】
本発明の実施形態において、下部電極185と充填部材190は第1開口165の形状によって限定される形状を有する。例えば、第1開口165が実質的に円形、実質的に楕円形又は、実質的に多角形の断面形状を有する場合、下部電極185は実質的に円形、実質的に楕円形又は、実質的に多角形の断面形状を有するシリンダの構造で形成される。この時、充填部材190は実質的に円形ピラ、実質的に楕円形ピラ、又は、実質的に多角形ピラ(pillar)の構造を有する。
【0162】
本発明の他の実施形態によって第1開口165内に充填部材190が形成されない場合には、下部電極185は第1開口165と実質的に同一、又は、実質的に類似な形状を有する。 例えば、第1開口165が実質的に円形、実質的に楕円形又は、実質的に多角形の断面形状を有する時、下部電極185は実質的に円形のピラ、実質的に楕円形のピラ、又は、実質的に多角形のピラなどの多様な構造を有する。
【0163】
図11を参照すると、第1絶縁層160、下部電極185及び充填部材190上に絶縁構造物195を形成する。絶縁構造物195は酸化物、窒化物及び/又は、酸窒化物を用いて形成される。例示的な実施形態において、絶縁構造物195はシリコン酸化膜、シリコン窒化膜及びシリコン酸窒化膜のうち一つを含む単層構造を有することもでき、二つ以上を含む多層構造で形成されることもできる。絶縁構造物195は図1を参照して説明した工程と実質的に同一、又は、実質的に類似な工程を通じて収得される。
【0164】
絶縁構造物195を部分的にエッチングすることによって、絶縁構造物195を貫通して充填部材190と下部電極185を露出させるHARS200を形成する。HARS200は実質的に円形の断面形状を有するホール、実質的に楕円形の断面形状を有するホール、実質的に多角形の断面形状を有するホールなどのように多様な形状を有する。HARS200は写真エッチング工程、又は、追加的なエッチングマスクを用いて工程を通じて絶縁構造物195に形成される。このようなHARS200を形成する工程は図1を参照して説明した工程と実質的に同一、又は、実質的に似ている。また、HARS200は図1を参照して説明したHARS20と実質的に同一、又は、実質的に類似な形状を有する。
【0165】
図11に示した通り、HARS200を満たしながら、絶縁構造物195上に相変化物質層205を形成する。相変化物質層205はインサイチュリフローメカニズムを適用した物理気相蒸着工程を通じて形成される。相変化物質層205は図2を参照して説明した工程と実質的に同一、又は、実質的に類似な工程を用いて収得される。また、相変化物質層205は図2を参照して説明した相変化物質層25と実質的に同一、又は、実質的に類似な相変化物質を用いて形成される。したがって、相変化物質層205はボイド、シーム、オーバーハングなどの欠陥を発生させず、HARS200を完全に満たしながら絶縁構造物195上で実質的に円形、実質的に楕円形又は、実質的にドームの形状で突出する。
【0166】
本発明の他の実施形態によると、相変化物質層205を形成する前にHARS200の側壁と底面上に濡れ層及びシード膜のうち少なくとも一つを追加的に形成する。この場合、前記濡れ層及び前記シード膜は図7を参照して説明した工程と実質的に同一、又は、実質的に類似な工程を通じて形成される。
【0167】
図12を参照すると、絶縁構造物195の上面が露出する時まで相変化物質層205を部分的に除去して、HARS200内に相変化物質層パターン210を形成する。したがって、相変化物質層パターン210は下部電極185及び充填部材190に接触する。例えば、相変化物質層パターン210の下部周辺部は下部電極185に接触することができ、相変化物質層パターン210の下部中央部は充填部材190に接触する。相変化物質層パターン210は化学機械的練磨工程及び/又は、エッチバック工程を用いて形成される。
【0168】
相変化物質層パターン210と絶縁構造物195上に上部電極層215を形成する。上部電極層215はポリシリコン、金属、金属窒化物、金属シリサイドなどを用いて形成される。例えば、上部電極層215は不純物を含むポリシリコン、チタン、タンタル、アルミニウム、タングステン、チタン窒化物、チタンアルミニウム窒化物、アルミニウム窒化物、タングステン窒化物、チタンシリサイド、コバルトシリサイド、タンタルシリサイド、ニッケルシリサイドなどを用いて形成される。これは単独、又は、相互組合わせて使われる。また、上部電極層215は化学気相蒸着工程、原子層積層工程、パルスレーザ蒸着工程. 真空蒸着工程、スパッタリング工程等を通して形成される。
【0169】
図13を参照すると、上部電極層215をパターニングして上部電極220を形成する。上部電極220は相変化物質層パターン210に比べて実質的に広い幅を有する。したがって、上部電極220は相変化物質層パターン210とその周辺の絶縁構造物195上に位置する。
【0170】
上部電極200を覆いながら第2絶縁層225を形成する。第2絶縁層225は酸化物、窒化物及び/又は、酸窒化物を用いて形成される。また、第2絶縁層225は化学気相蒸着工程、スピンコーティング工程、プラズマ増大化学気相蒸着工程、高密度プラズマ化学気相蒸着工程等を通して形成される。例示的な実施形態において、第2絶縁層225は第1絶縁層165と実質的に同じ物質を含む。他の例示的な実施形態によれば、第1絶縁層165と第2絶縁層225は相異なる物質を含むこともできる。
【0171】
第2絶縁層225を部分的にエッチングして、上部電極220を露出させる第2開口230を形成する。第2開口230は第2絶縁層225を貫通して、上部電極220の一部を露出させる。第2開口230は写真エッチング工程を用いて形成される。
【0172】
第2開口230を満たしながら第2絶縁層225上に導電層を形成した後、第2絶縁層225が露出する時まで前記導電層を部分的に除去して第2開口230内にパッド又は、コンタクト235を形成する。したがって、コンタクト235は上部電極220に接触する。前記導電層は金属、金属混合物、ポリシリコンなどを用いて形成される。例えば、前記導電層は不純物を含むポリシリコン、チタン、タンタル、アルミニウム、タングステン、チタン窒化物、チタンアルミニウム窒化物、アルミニウム窒化物、タングステン窒化物などを用いて形成される。これらは単独、又は、相互組合わせて使われる。また、前記導電層は化学気相蒸着工程、原子層積層工程、パルスレーザ蒸着工程、真空蒸着工程、スパッタリング工程等を通して形成される。一方、コンタクト235は化学機械的練磨工程及び/又はエッチバック工程を通じて形成される。
【0173】
前述した工程によって、欠陥なくHARS200を完全に埋めたてする相変化物質層パターン210を含む相変化メモリ装置を製造する。したがって、前記相変化メモリ装置はセット状態とリセット状態との間で十分な抵抗マージンを確保する。
【0174】
図14〜図16は本発明の他の実施形態に係る相変化メモリ装置を製造する方法を説明するための断面図である。図14〜図16に示した方法によって製造される相変化メモリ装置は、図6を参照して説明した相変化物質層パターンと実質的に同一、又は、実質的に類似な構成を有する相変化物質層パターンを含む。また、図14〜図16に示した方法によって収得される相変化メモリ装置は、図8を参照して説明した濡れ層パターン及びシード膜パターンのうち少なくとも一つを追加的に具備することもできる。
【0175】
図14を参照すると、コンタクト領域255を有する基板250上に第1絶縁層260を形成する。コンタクト領域255は不純物領域、拡散領域、導電領域などを含むことができ、基板250上には導電パターン、パッド、コンタクト、絶縁パターン、スイッチング素子などを具備する下部構造物が提供される。
【0176】
第1絶縁層260は酸化物を化学気相蒸着工程、低圧化学気相蒸着工程、プラズマ増大化学気相蒸着工程、高密度プラズマ化学気相蒸着工程などで蒸着して形成される。例示的な実施形態において、第1絶縁層260に平坦化工程を遂行して第1絶縁層260が平坦な対面を有する。例えば、化学機械的練磨工程、エッチバック工程等を通して第1絶縁層260を平坦化させる。
【0177】
第1絶縁層260の一部を部分的にエッチングすることによって、第1絶縁層260を貫通する第1開口265を形成する。第1開口265はコンタクト領域255の少なくとも一部を露出させる。例示的な実施形態において、第1開口265は基板250に対して実質的に垂直したり傾斜した側壁を有する。
【0178】
第1開口265を通じて露出するコンタクト領域255上に第1導電膜270及び第2導電膜275を具備するダイオード280を形成する。ダイオード280は第1開口265を部分的に満たす。ダイオード280は図9を参照して説明した工程と実質的に同一、又は、実質的に類似な工程を用いて形成される。
【0179】
ダイオード280、第1開口265の側壁及び第1絶縁層260上に下部電極層(図示されず)を形成する。前記下部電極層は第1開口265を部分的に満たす。前記下部電極層は不純物を含むシリコン、金属及び/又は、金属混合物を含むことができ、化学気相蒸着工程、プラズマ増大化学気相蒸着工程、原子層積層工程、パルスレーザ蒸着工程、スパッタリング工程などを用いて形成される。
【0180】
前記下部電極層上に第1開口265を完全に満たしながら充填層(図示されず)を形成する。前記充填層は酸化物、窒化物又は、酸窒化物を含むことができ、化学気相蒸着工程、低圧化学気相蒸着工程、プラズマ増大化学気相蒸着工程、スピンコーティング工程、原子層積層工程、高密度プラズマ化学気相蒸着工程などを用いて形成される。例示的な実施形態において、第1開口265を完全に満たすように前記下部電極層が形成される場合、前記下部電極層上には前記充填層が形成されないこともある。
【0181】
第1絶縁層260の対面が露出するように前記充填層と前記下部電極層を部分的に除去することによって、第1開口265内に下部電極285と充填部材290を形成する。下部電極285は第1開口265の側壁とダイオード280に接触されることができ、充填部材290は第1開口265を完全に埋めたてしながら、下部電極285によって囲まれる。この時、下部電極285と充填部材290は第1開口265の形状によって限定される形状を有する。
【0182】
再度図14を参照すると、第1絶縁層260、下部電極285及び充填部材290上に絶縁構造物295を形成する。絶縁構造物295はシリコン酸化膜、シリコン窒化膜及びシリコン酸窒化膜のうち一つを含む単層構造を有することもでき、二つ以上を含む多層構造で形成されることもできる。
【0183】
絶縁構造物295の一部をエッチングして充填部材290と下部電極285を露出させるHARS300を形成する。HARS200は実質的に円形の断面形状を有するホール、実質的に楕円形の断面形状を有するホール、実質的に多角形の断面形状を有するホールなどのような多様な形状を有する。
【0184】
図15を参照すると、HARS300を部分的に満たしながら絶縁構造物295上に第1相変化物質層305を形成する。第1相変化物質層305はインサイチュリフローメカニズムが適用されない相対的に低い第1温度で物理気相蒸着工程を通じて形成される。即ち、第1相変化物質層305は図5を参照して説明した第1相変化物質層65を形成する工程と実質的に同一、又は、実質的に類似な工程を用いて形成される。また、第1相変化物質層305は図5を参照して説明した第1相変化物質層65と実質的に同一、又は、実質的に類似な第1相変化物質を含むことができ、実質的に同一、又は、実質的に類似な構造を有する。第1相変化物質層305はHARS300の深さの1/3程度の厚さで形成される。
【0185】
本発明の他の実施形態において、第1相変化物質膜305を形成する前にHARS300の側壁と底面上に濡れ層及びシード膜のうち少なくとも一つが形成される。この時、前記濡れ層及び前記シード膜は図7を参照して説明した工程と実質的に同一、又は、実質的に類似な工程を通じて形成される。
【0186】
第1相変化物質層305上にHARS300を完全に満たしながら第2相変化物質層310を形成する。第2相変化物質層310はインサイチュリフローメカニズムが適用される相対的に高い第2温度で遂行される第2物理気相蒸着工程を通じて収得される。
【0187】
第2相変化物質層310は図5を参照して説明した第2相変化物質層70と実質的に同一、又は、実質的に類似な第2相変化物質を用いて形成されることができ、前述した第2相変化物質層70と実質的に同一、又は、実質的に類似な形状を有する。第2相変化物質層310はHARS300の深さの2/3以上の厚さで形成されることができ、これによって、第1相変化物質層305と第2相変化物質層310の間の厚さの比は1.0:1.3〜3.0程度になりうる。
【0188】
本発明の例示的な実施形態において、工程温度を変化させながらインサイチュに進行される物理気相蒸着工程を用いて第2相変化物質層310が第1相変化物質層305と一体で形成される。
【0189】
図16を参照すると、絶縁構造物295の対面が露出する時まで第1及び第2相変化物質層305、310を部分的に除去する。これによって、HARS300内には第1及び第2相変化物質層パターン315、320を含む相変化構造物が形成される。第1及び第2相変化物質層パターン315、320は化学機械的練磨工程及び/又はエッチバック工程を用いて形成される。第1相変化物質層パターン315はHARS300を部分的に満たすことができ、第2相変化物質層パターン320はHARS300を完全に埋めたてする。この場合、第1相変化物質層パターン315は下部電極285及び充填部材290に接触する。
【0190】
前記相変化メモリ装置が第1及び第2相変化物質層パターン315、320を具備する前記相変化構造物を含む場合、第1相変化物質層パターン315は相転移が起きるPV領域に該当することができ、下部電極285に接触しない第2相変化物質層パターン320は相転移が起きないNPV領域に該当する。即ち、下部電極285から印加される電流によって第1相変化物質層パターン315の第1相変化物質は容易に相転移を起こすことができ、第2相変化物質層パターン320の第2相変化物質は実質的に相転移を起こさないことがある。このように、前記相変化メモリ装置がそれぞれPV及びNPV領域に該当する第1及び第2相変化物質層パターン315、320を含む場合、前記相変化メモリ装置のデータ維持特性をより向上させながらセット状態とリセット状態との間の抵抗マージンを充分に確保する。
【0191】
図16に示した通り、前記相変化構造物と絶縁構造物295上に上部電極層(図示されず)を形成した後、前記上部電極層をパターニングして第2相変化物質層パターン320と絶縁構造物295上に上部電極325を形成する。上部電極325は前記相変化構造物の幅に比べて実質的に広い幅で形成される。上部電極325はポリシリコン、金属、金属窒化物、金属シリサイドなどを含むことができ、前記上部電極層は化学気相蒸着工程、原子層積層工程、パルスレーザ蒸着工程、 真空蒸着工程、スパッタリング工程等を通して形成される。
【0192】
絶縁構造物295上に上部電極325を覆いながら第2絶縁層330を形成する。第2絶縁層300は酸化物、窒化物及び/又は、酸窒化物を含むことができ、化学気相蒸着工程、スピンコーティング工程、プラズマ増大化学気相蒸着工程、高密度プラズマ化学気相蒸着工程等を通して形成される。
【0193】
第2絶縁層330を一部エッチングして、上部電極325を露出させる第2開口335を形成した後、第2開口230を満たしながら上部電極325上にパッド又は、コンタクト340を形成する。 前記パッド又は、コンタクト340は金属、金属混合物、ポリシリコンなどを用いて形成される。これによって、欠陥がないながらも、向上したデータ維持特性及び抵抗マージンを有する相変化構造物を含む相変化メモリ装置を収得する。
【0194】
図17は本発明の実施形態に係るメモリ装置を含むメモリシステムを説明するためのブロック図である。
【0195】
図17を参照すると、メモリシステム350は携帯用電子装備を含む。例えば、メモリシステム350はPMP装置、携帯用通信装置、MP3プレーヤー、携帯用ディスプレープレーヤー、電子辞典などに該当する。メモリシステム350はメモリ装置355、メモリコントローラ360、EDC365、表示部材370及びインターフェース375を具備する。メモリ装置355は上述した通りの本発明の多様な実施形態に係る相変化物質層パターン及び/又は、相変化構造物を具備する相変化メモリ装置を含む。したがって、メモリ装置355は向上したデータ維持特性と信頼性を有する。
【0196】
音響データ又は、映像データなどのようなデータはEDC365によってメモリコントローラ360を通じてメモリ装置355に入力されたりメモリ装置355から出力される。このような音響及び/又は、映像データはEDC365からメモリ装置355で直接入力されるが、メモリ装置355からEDC365まで直接出力されることもできる。EDC365は前記音響及び/又は、映像データをメモリ装置355内に保存するようにインコーディング(encoding)する。例えば、EDC365はメモリ装置355内に音響データを保存するためにMP3ファイルでインコーディングする。また、EDC365はメモリ装置355内に映像データを保存するためにMPEGファイルでインコーディングする。EDC365は相異なるフォーマットによって相異なる形態を有するデータをインコーディングするための複合エンコーダを含む。例えば、EDC365は音響データのためのMP3エンコーダ及び映像データのためのMPEGエンコーダを同時に含む。
【0197】
また、EDC365はメモリ装置355から出力をデコーディング(decoding)する。例えば、EDC365はメモリ装置355から出力された音響データをMP3ファイルでデコーディングする。一方、EDC365はメモリ装置355から出力された映像データをMPEGファイルでデコーディングする。また、EDC365は音響データのためのMP3デコーダと映像データのためのMPEGデコーダを同時に含む。しかし、EDC365は音響及び/又は、映像データのためのデコーダだけを含むこともできる。例えば、インコーディングされた音響及び/又は、映像データがEDC365で入力されてメモリコントローラ360及び/又は、メモリ装置355に伝達される。
【0198】
EDC365はインターフェース375を経由してインコーディングのための音響及び/又は、映像データ又は、インコーディングされた音響及び/又は、映像データを受信する。 インターフェース375はファイヤーワイヤーインターフェース、USBインターフェースなどを含む。音響及び/又は、映像データはメモリ装置355からインターフェース375を経由して表示部材370を通じて出力される。
【0199】
表示部材370はメモリ装置355から直接出力されるか、又はEDC365によってデコーディングされた音響及び/又は、映像データをユーザに表示する。表示部材370は音響データを出力するためのスピーカージャックや映像データを出力するディスプレースクリーンなどを含む。
【0200】
本発明の実施形態において、前述した通り向上したデータ維持特性と改善されたリセット−セット抵抗マージンを有する相変化物質層パターン、又は、相変化構造物を具備する相変化メモリを含むメモリ装置355がメモリシステム350に適用されることによって、メモリシステム350の性能をより改善する。
【0201】
図18は本発明の実施形態に係る広帯域移動通信が可能な移動通信ネットワークを説明するための通信システムのブロック図である。
【0202】
図18を参照すると、広帯域移動通信システム400はセンサーモジュール405、位置追跡システムGPS410及び移動通信端末機415を含む。広帯域移動通信システム400はデータサーバ420と基地局425と相互通信する。移動通信端末機415は多くのデータを送受信するため、速い動作速度と高いデータ信頼性が要求される。移動通信端末機415は前述した通り多様な相変化物質層パターン及び/又は、相変化構造物を具備するメモリ装置を含む。これによって、移動通信端末機415は相対的に低い動作電圧でも高速で動作が可能であり、高いデータ信頼性を確保する。また、前述した多様な実施形態に係る相変化メモリ装置は多様な電気及び電子機器に適用される。例えば、前記相変化メモリ装置はUSBメモリ、MP3プレーヤ、デジタルカメラ、メモリカードなどの機器に採用される。
【0203】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特徴請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到しうることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0204】
本発明の実施形態によると、インサイチュリフローメカニズムを適用した物理気相蒸着を通じて微細なサイズのホール、開口、トレンチなどのようなHARSを欠陥なく完全に埋めたてする相変化物質層パターン及び/又は、相変化構造物を形成する。 このような相変化物質層パターン及び/又は、相変化構造物を相変化メモリ装置に適用する場合、前記相変化メモリ装置はデータ維持特性とセット−リセット状態の抵抗マージンの増加などで向上した動作速度と信頼性を有する。
【符号の説明】
【0205】
10、50、100 基板、対象体
15、55、105、195、295 絶縁構造物
20、60、110、200、300 HARS(High_Aspect_Ratio_Structure、高縦横比構造)
25、125、295 相変化物質層
30、140、210 相変化物質増パターン
65、305 第1相変化物質層
70、310 第2相変化物質層
75、315 第1相変化物質層パターン
80、320 第2相変化物質層パターン
115 濡れ層
120 シード膜
130 濡れ層パターン
135 シード膜パターン
150、250 基板
155、255 コンタクト領域
160、260 第1絶縁層
165、265 第1開口
170、270 第1導電膜パターン
175、275 第2導電膜パターン
180、280 ダイオード
185、285 下部電極
190、290 充填部材
215 上部電極層
220、325 上部電極
225、330 第2絶縁層
230、335 第2開口
235、340 コンタクト


【特許請求の範囲】
【請求項1】
HARS(High_Aspect_Ratio_Structure、高縦横比構造、以下、HARSという)を部分的に満たし、第1相変化物質を含む第1相変化物質層パターンと、
前記HARSの残りを満たし、前記第1相変化物質と相異なる組成を有する第2相変化物質を含む第2相変化物質層パターンと、を具備することを特徴とする相変化構造物。
【請求項2】
前記第1相変化物質と前記第2相変化物質が少なくとも1つの構成成分を共有し、前記第2相変化物質における前記共有構成成分の含量が、前記第1相変化物質における前記共有構成成分の含量より大きいことを特徴とする請求項1に記載の相変化構造物。
【請求項3】
前記共有構成成分がアンチモン(Sb)及びテルル(Te)であることを特徴とする請求項2に記載の相変化構造物。
【請求項4】
前記第1相変化物質は電流に反応して相転移を起こし、前記第2相変化物質は前記電流に対して相転移を起こさないことを特徴とする請求項1に記載の相変化構造物。
【請求項5】
前記第1相変化物質層パターンは、前記第2相変化物質層パターンが形成される温度より低い温度で形成されることを特徴とする請求項1に記載の相変化構造物。
【請求項6】
温度を摂氏温度(℃)で規定し、前記第1相変化物質層パターンは前記第1相変化物質の融点温度の60%以下の温度で形成され、前記第2相変化物質層パターンは前記第2相変化物質の融点温度の60%以上の温度で形成されることを特徴とする請求項5に記載の相変化構造物。
【請求項7】
前記第1及び第2相変化物質はそれぞれ、14族(第XIV族)、15族(第XV族)、及び16族(第XVI族)のいずれかに属する元素の2成分系混合物、3成分系混合物、4成分系混合物、及び5成分系混合物からなるグループから選択された1つ以上を含むことを特徴とする請求項1に記載の相変化構造物。
【請求項8】
前記第1相変化物質層パターン及び前記第2相変化物質層パターンのうち少なくとも一つは結晶化温度を上昇させるドーパントをさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の相変化構造物。
【請求項9】
前記ドーパントの含量は前記第1相変化物質及び前記第2相変化物質のうち少なくとも一つの全体重量に対して、5重量%乃至30重量%であることを特徴とする請求項8に記載の相変化構造物。
【請求項10】
前記ドーパントは、インジウム(In)、錫(Sn)、ビスマス(Bi)、炭素(C)、窒素(N)、酸素(O)、ホウ素(B)、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、及びアルミニウム(Al)からなるグループから選択された1つ以上を含むことを特徴とする請求項8に記載の相変化構造物。
【請求項11】
前記第1及び第2相変化物質はそれぞれ、カルコゲナイド混合物、非カルコゲナイド混合物、ドーパントを含有するカルコゲナイド混合物、及び、ドーパントを含有する非カルコゲナイド混合物のいずれか1つ又は2つ以上を含むことを特徴とする請求項8に記載の相変化構造物。
【請求項12】
前記第1相変化物質層パターンの、前記第2相変化物質層パターンに対する厚さの比は、1.3乃至3.0であることを特徴とする請求項1に記載の相変化構造物。
【請求項13】
前記第1相変化物質層パターンと前記第1相変化物質層パターンは一体で形成されることを特徴とする請求項1に記載の相変化構造物。
【請求項14】
前記相変化構造物は前記HARSと前記第1相変化物質層パターンの間に配置される、濡れ層パターン及びシード膜パターンのうち少なくとも一つをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の相変化構造物。
【請求項15】
前記濡れ層パターンは金属、金属窒化物及び金属酸化物からなるグループから選択された1つ以上を含み、前記シード膜パターンは金属、金属窒化物、金属シリサイド及び金属酸化物からなるグループから選択された1つ以上を含むことを特徴とする請求項14に記載の相変化構造物。
【請求項16】
前記HARSはホール(閉鎖穴、hole)、開口(貫通孔、opening)、又は、トレンチ(trench)を含み、前記HARSは1.7乃至4.0の縦横比を有することを特徴とする請求項1に記載の相変化構造物。

【請求項17】
対象体上に絶縁構造物を形成する段階と、
前記絶縁構造物に前記対象体を露出させるHARSを形成する段階と、
前記HARSを満たすように、前記絶縁構造物上に相変化物質を蒸着して、少なくとも一つの相変化物質層を形成する段階と、を具備し、
温度を摂氏温度で規定して、前記少なくとも一つの相変化物質層は前記相変化物質の融点温度の60%以上の温度で形成されることを特徴とする相変化物質層の形成方法。
【請求項18】
前記少なくとも一つの相変化物質層は物理気相蒸着(PVD)工程を用いて形成されることを特徴とする請求項17に記載の相変化物質層の形成方法。
【請求項19】
前記少なくとも一つの相変化物質層はスパッタリング工程を用いて形成されることを特徴とする請求項18に記載の相変化物質層の形成方法。
【請求項20】
前記少なくとも一つの相変化物質層を形成する段階は、前記相変化物質にドーパントを添加する段階をさらに含むことを特徴とする請求項17に記載の相変化物質層の形成方法。
【請求項21】
前記少なくとも一つの相変化物質層を形成する以前に、前記対象体、前記HARSの側壁、及び前記絶縁構造物上に濡れ層及びシード膜のうち少なくとも一つを形成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項17に記載の相変化物質層の形成方法。
【請求項22】
前記少なくとも一つの相変化物質層を形成する段階は、
前記HARSを部分的に満たす第1相変化物質層を形成する段階、
前記第1相変化物質層上に前記HARSの残りを満たす第2相変化物質層を形成する段階と、をさらに含むことを特徴とする請求項17に記載の相変化物質層の形成方法。
【請求項23】
前記第1相変化物質層は第1温度で第1相変化物質を蒸着して形成され、前記第2相変化物質層は前記第1温度より高い第2温度で第2相変化物質を蒸着して形成されることを特徴とする請求項22に記載の相変化物質層の形成方法。
【請求項24】
前記第1相変化物質層は前記第1相変化物質の融点温度の60%以下の温度で形成され、前記第2相変化物質層は前記第2相変化物質の融点温度の60%以上の温度で形成されることを特徴とする請求項22に記載の相変化物質層の形成方法。
【請求項25】
前記第1相変化物質層は第1物理気相蒸着工程を用いて形成され、前記第2相変化物質層は第2物理気相蒸着工程を用いて形成されることを特徴とする請求項24に記載の相変化物質層の形成方法。
【請求項26】
前記第1及び第2相変化物質層はそれぞれスパッタリング工程を用いて形成されることを特徴とする請求項24に記載の相変化物質層の形成方法。
【請求項27】
前記第1相変化物質層と前記第2相変化物質層はインサイチュ(in−situ)で遂行されるスパッタリング工程を用いて形成されることを特徴とする請求項22に記載の相変化物質層の形成方法。
【請求項28】
前記第1及び第2相変化物質層は同一の組成を有するソースターゲットを用いて形成されることを特徴とする請求項27に記載の相変化物質層の形成方法。

【請求項29】
コンタクト領域を有する基板、
前記基板上に配置され、前記コンタクト領域を露出させる開口を含む絶縁層、
前記開口内に配置される下部電極、
前記絶縁層上に配置されて前記下部電極を露出させるHARSを含む絶縁構造物、
前記HARSを部分的に満たし、第1相変化物質を含む第1相変化物質層パターン、
前記HARSの残りを満たし、前記第1相変化物質と相異なる組成を有する第2相変化物質を含む第2相変化物質層パターン、
前記第2相変化物質層パターン上に配置される上部電極と、を含む相変化メモリ装置。
【請求項30】
前記コンタクト領域と前記下部電極との間に配置されるスイッチング素子をさらに含むことを特徴とする請求項29に記載の相変化メモリ装置。
【請求項31】
前記スイッチング素子はダイオード及びトランジスタの一方、又は双方を含むことを特徴とする請求項30に記載の相変化メモリ装置。
【請求項32】
前記下部電極は前記開口を部分的に満たすシリンダの形状を有し、前記開口内の前記下部電極上に配置される充填部材をさらに含むことを特徴とする請求項29に記載の相変化メモリ装置。
【請求項33】
前記第1相変化物質と前記第2相変化物質が少なくとも1つの構成成分を共有し、前記第2相変化物質における前記共有構成成分の含量が、前記第1相変化物質における前記共有構成成分の含量より実質的に大きいことを特徴とする請求項29に記載の相変化メモリ装置。
【請求項34】
前記第1相変化物質層パターンは前記下部電極から印加される電流に反応して相転移を起こし、前記第2相変化物質層パターンは前記電流に対して相転移を起こさないことを特徴とする請求項29に記載の相変化メモリ装置。
【請求項35】
前記第1相変化物質層パターンの、前記第2相変化物質層パターンに対する厚さの比は、1.3乃至3.0であることを特徴とする請求項34に記載の相変化メモリ装置。

【請求項36】
コンタクト領域を有する基板上に前記コンタクト領域を露出させる開口を含む絶縁層を形成する段階、
前記開口内に下部電極を形成する段階、
前記絶縁層上に前記下部電極を露出させるHARSを含む絶縁構造物を形成する段階、
温度を摂氏温度で規定して、
前記HARSを満たすように、前記絶縁構造物上に相変化物質を前記相変化物質の融点温度の60%以上の温度で蒸着して、少なくとも一つの相変化物質層を形成する段階、
前記少なくとも一つの相変化物質層を部分的に除去して前記HARS内に少なくとも一つの相変化物質層パターンを形成する段階、
前記少なくとも一つの相変化物質層パターン上に上部電極を形成する段階と、を含むことを特徴とする相変化メモリ装置の製造方法。
【請求項37】
前記下部電極を形成する以前に前記開口内にスイッチング素子を形成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項36に記載の相変化メモリ装置の製造方法。
【請求項38】
前記少なくとも一つの相変化物質層を形成する前に、前記HARSの側壁と前記下部電極上に濡れ層及びシード膜のうち少なくとも一つを形成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項36に記載の相変化メモリ装置の製造方法。
【請求項39】
前記少なくとも一つの相変化物質層を形成する段階は、
第1温度で第1相変化物質を蒸着して、前記HARSを部分的に満たす第1相変化物質層を形成する段階、
前記第1温度より高い第2温度で第2相変化物質を蒸着して、前記第1相変化物質層上に前記HARSの残りを満たす第2相変化物質層を形成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項36に記載の相変化メモリ装置の製造方法。
【請求項40】
前記第1相変化物質層は前記第1相変化物質の融点温度の60%以下の温度で形成され、前記第2相変化物質層は前記第2相変化物質の融点温度の60%以上の温度で形成されることを特徴とする請求項39に記載の相変化メモリ装置の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−139070(P2011−139070A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−293210(P2010−293210)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】