説明

省電力制御装置、省電力制御方法および省電力制御プログラム

【課題】 既存の発光素子のうち省電力モード時に使用しない発光素子を用い、更に深い省電力モードへの移行残期間の表示を可能にする。
【解決手段】 表示部21は、当該装置における機能受付け可能状態を発光素子d1〜d4で表示する。モード切換部7は装置を通常モードから省電力モードに切換える。モード切換部7は、省電力モードとしての第1の省電力モードから所定の基準タイミングで第2の省電力モードにその装置を切換制御する。表示切換部11は、第1の省電力モードの状態の下で、低電力モードで動作を受け付けない機能に該当する発光素子でd1〜d4を停止制御するとともに、停止制御されたその発光素子d1〜d4を、第1に省電力モードから第2の省電力モードへの切換え残期間に応じて再発光制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は省電力制御装置、省電力制御方法および省電力制御プログラムに係り、例えば複写機、ファクシミリ機又はこれらの複合機(MFP:Multi Function Peripheral)等において省電力機能を実施する省電力制御装置、省電力制御方法および省電力制御プログラムの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、省エネルギー要請の観点から、複写機等の画像形成装置においては電力消費量を抑えるための省電力モードを搭載し、長時間使用されない場合に省電力モードへ移行するようになっている。
【0003】
省電力モードには、通常状態(定常状態)から短い移行期間(待機期間)で省電力モードに移行するものの通常状態への復帰期間も短い低電力モード(プレヒートモード)や、長い移行期間で省電力モードに移行するとともに通常状態への復帰時間も長く、電力消費をより低く抑えたスリープモード等がある。
【0004】
ところが、低電力モードにおいて、ユーザが印刷準備作業等に手間取ったり、一時的に他の作業をしている間にスリープモードに移行してしまうと、印刷作業を継続しようとしても、複写機等が通常状態へ戻る復帰時間が長くなり、使い勝手が悪くなる。
【0005】
そこで、例えば特開2002−225396号公報(特許文献1)に示す画像形成装置が提案されている。
【0006】
この構成は、規定時間を経過した場合、通常待機モードから電力軽減モードに移行し、電力低減モードへ移行するまでの残り時間表示情報を、LCDおよびLED等に表示し、ブザー等の音声情報により電力低減モードへ移行するまでの残り時間表示情報をユーザに通知する構成を有し、電力低減モードへの移行残時間をユーザに視覚的聴覚的に明示し、省電力化の効果を維持しながら不用意な電力低減モードへの移行を防止したものである。
【0007】
なお、他の提案として特開平8−327971号公報(特許文献2)、特開2001−136334号公報(特許文献3)および特開2002−261582号公報(特許文献4)等がある。
【特許文献1】特開2002−225396号公報
【特許文献2】特開平8−327971号公報
【特許文献3】特開2001−136334号公報
【特許文献4】特開2002−261582号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1では、電力低減モードへの移行残時間をユーザに視覚的に明示するために、新たにLEDで構成された表示装置を必要とするから、画像形成装置を改造する必要があったり、コストアップが避けられない難点がある。
【0009】
また、上述した特許文献2〜4では、現在の動作モードをLED等で知らせる構成を提供するのみで、次の省電力モードに移行するまでの時間は表示せず、解決にはならない。
【0010】
そこで、本発明者は、種々の画像形成装置の構成を注意深く観察検討した結果、通常モードから省電力モードへ移行した状態で、消灯される発光素子が存在する点に着目し、本発明を完成させた。
【0011】
本発明はそのような課題を解決するためになされたもので、既存の発光素子のうち省電力モード時に使用しない発光素子を、更に深い省電力モードへの移行残期間の表示に使用可能な省電力制御装置、省電力制御方法および省電力制御プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
そのような課題を解決するために本発明に係る省電力制御装置は、当該装置における機能受付け可能状態を発光素子で表示する表示部と、その装置を通常モードから省電力モードに切換えるモード切換部であって、その省電力モードとしての第1の省電力モードから所定の基準タイミングで更に深い第2の省電力モードにその装置を切換制御するモード切換部と、その第1の省電力モードにおいて、その第1の省電力モードで動作を受け付けない機能に該当する発光素子を停止制御するとともに、その第1の省電力モードから第2の省電力モードへの切換え残期間に応じ、停止制御されたその発光素子を発光制御する表示切換部とを具備している。
【0013】
本発明の省電力制御装置では、上記表示部が複数のその発光素子を有し、その表示切換部が複数の発光素子の発光組み合わせによって上記第2の省電力モードへの切換え残期間を表示する構成も可能である。
【0014】
本発明の省電力制御装置では、上記表示切換部がその第2の省電力モードへの切換え残期間に応じて、複数の発光素子の発光個数を可変表示する構成も可能である。
【0015】
本発明の省電力制御装置では、上記表示切換部が、その第2の省電力モードへの切換え残期間に応じて、その発光素子の発光点滅タイミングを可変する構成も可能である。
【0016】
本発明の省電力制御装置では、上記表示部が、当該装置における機能の選択キーに設けられた構成も可能である。
【0017】
本発明に係る省電力制御方法は、当該装置における機能受付け可能状態を表示部の発光素子で発光表示する表示処理と、その装置を省電力モードとしての第1の省電力モードから所定の基準タイミングで更に深い第2の省電力モードにその装置を切換えるモード切換処理と、このモード切換処理がその装置を第1の省電力モードに切換えたとき、その第1の省電力モードで動作を受け付けない機能に該当するその発光素子を停止制御するとともに、その第1の省電力モードから第2の省電力モードへの切換え残期間に応じ、停止制御されたその発光素子を発光制御する表示切換処理と、を具備している。
【0018】
本発明の省電力制御方法では、上記表示処理は複数の発光素子で行い、その表示切換処理は複数のそれら発光素子の発光組み合わせによって第2の省電力モードへの切換え残期間を表示する構成も可能である。
【0019】
本発明の省電力制御方法では、上記表示切換処理は、その第2の省電力モードへの切換え残期間に応じて、複数のそれら発光素子の発光個数を可変表示する構成も可能である。
【0020】
本発明の省電力制御方法では、上記表示切換処理は、その第2の省電力モードへの切換え残期間に応じて、その発光素子の発光点滅タイミングを可変する構成も可能である。
【0021】
本発明に係る省電力制御プログラムは、当該装置を通常モードから省電力モードに移行制御する制御用コンピュータに、当該装置における機能受付け可能状態を表示部の発光素子で発光表示する表示処理と、その装置を省電力モードとしての第1の省電力モードから所定の基準タイミングで更に深い第2の省電力モードに装置を切り換えるモード切換処理と、このモード切換処理がその装置を前記第1の省電力モードに切換えたとき、その第1の省電力モードで動作を受け付けない機能に該当する発光素子を停止制御するとともに、その第1の省電力モードから第2の省電力モードへの切換え残期間に応じ、停止制御された発光素子を発光制御する表示切換処理と、を実行させるものである。
【発明の効果】
【0022】
このような本発明に係る省電力制御装置および省電力制御方法では、当該装置が第1の省電力モードに切換えられたとき、その第1の省電力モードで動作を受け付けない機能に該当する発光素子を停止制御し、停止制御されたその発光素子を、第1の省電力モードから第2の省電力モードへの切換え残期間に応じて発光制御するから、既存の発光素子のうち、省電力モード時に使用しない発光素子を用いて第2の省電力モードへの移行残期間の表示が可能となり、装置の改造も不要で、安価でもある。
【0023】
本発明において、複数の発光素子を有する上記表示部にて、第2の省電力モードへの移行残期間をそれら複数の発光素子の発光組み合わせによって表示する構成では、第2の省電力モードへの移行残期間の表示が分かり易くなる。
【0024】
本発明において、その第2の省電力モードへの切換え残期間に応じて、複数のそれら発光素子の発光個数を可変表示する構成では、第2の省電力モードへの移行残期間の表示がより分かり易くなる。
【0025】
本発明において、その第2の省電力モードへの切換え残期間に応じて、その発光素子の発光点滅タイミングを可変する構成では、発光素子の個数にかかわらず、第2の省電力モードへの移行残期間の表示が可能である。
【0026】
本発明において、上記表示部が当該装置における機能の選択キーに設けられた構成では、操作キーに設けられた従来の発光素子を流用するから、同様に、第2の省電力モードへの移行残期間の表示がより分かり易く、装置の改造が不要で、安価である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0028】
図1は本発明に係る省電力制御装置を画像形成装置に搭載した実施の一形態を示すブロック図である。なお、本発明に係る省電力制御方法および省電力制御プログラムは、その省電力制御装置を説明する過程で説明する。
【0029】
図1において、本発明に係る省電力制御装置を搭載した画像形成装置は、画像読取部1、記憶部3、印刷部5、モード切換部7、操作表示部9、表示切換部11、通信部13および制御部15がバス接続されてなり、例えば複合機Aを構成している。
【0030】
ここで、本発明の画像形成装置を構成する構成要素を説明する前に省電力モードについて簡単に説明しておく。なお、直ちに印刷可能な動作モードは通常モードである。
【0031】
省電力モードには、待機時の消費電力の大きさによって、例えば低電力モード(スタンバイモード)およびスリープモード等があり、これより更に細分化する場合もある。
【0032】
低電力モードは、早く印刷動作(画像形成出力)に入れる温度になるように印刷部5中の定着ヒータをオン/オフ制御するモードであり、短い待機期間で省電力モードに移行するが、通常モードへの復帰時間も短いモードである。本発明では第1の省電力モードに該当する。
【0033】
スリープモードは、低電力モードの時よりも一段階低い温度を目標値として、定着ヒータの温度を制御する省電力モードをいい、印刷部5、制御部15等への電力供給をオフし、比較的長い待機期間を経て省電力モードに移行し、通常モードへの復帰時間も比較的長く、電力消費を低く抑えるモードである。本発明では第1の省電力モードより更に深い第2の省電力モードに該当する。
【0034】
スリープモードは、これより更に深い省電力モードが設定されていれば、更に深い省電力モードとの関係で第1の省電力モードとなりうる。
画像読取部1は、制御部15の制御の下、例えば印刷された複数頁の原稿から画像データを光学的に読み込み、フィルタ処理および階調処理等をして電子的画像データを生成する公知のスキャナ等のデータ入力部であり、生成した画像データが原稿の頁毎に記憶部3に順次記憶されるようになっている。画像データは、後述するように通信部13からも入力可能である。
【0035】
記憶部3は、制御部15の制御の下、画像読取部1や通信部13からの画像データ、後述する基準タイミング(t1、t2)、管理テーブルの他、制御部15の動作プログラム等を読み書き可能に格納する例えばハードディスク(HDD)である。
【0036】
印刷部5は、後述する操作表示部9から印刷指示を受け、制御部15の制御の下、記憶部3に記憶された画像データを画像形成処理して印刷用紙に転写定着する公知のモノクロ又はカラー印刷エンジンである。
【0037】
印刷部5は、印刷用紙を給紙段から搬送する搬送部、搬送された印刷用紙に画像データを転写する転写部、転写された印刷用紙の転写画像を加熱定着する定着部(何れも図示せず。)等を有して形成されており、モード切換部7からの後述するモード切換情報に応じて動作停止制御される一方、何らかの操作によって復帰制御されているが、本発明の要部ではないから詳細な説明および図示を省略する。
【0038】
モード切換部7は、制御部15の制御の下、印刷部5における画像データ毎の印刷動作が終了した都度、例えば印刷動作処理が何もなされずに例えば5分間経過したとき、この期間を第1の基準タイミング期間(t1)として省電力モード例えば低電力モードに印刷部5を切換え制御するとともに低電力モード切換情報s1を出力する他、所定の操作、例えば後述するスタートキー19cによる印刷指示があったとき、印刷部5を通常モードに復帰制御する機能を有している。
【0039】
モード切換部7は、低電力モード状態において、何も操作されずに例えば10分間経過したとき、この期間を第2の基準タイミング期間(t2)として更に深い省電力モード例えばスリープモードに印刷部5を切換え制御するとともに、スリープモード切換情報s2を出力する他、スタートキー19cによる印刷指示があったとき、通常モードに復帰制御する機能を有している。
【0040】
操作表示部9は、図2に示すように、複合機Aの本体ケース(図示せず。)に配置された表示パネル部17と操作部19を兼ねたものである。
【0041】
すなわち、表示パネル部17は、例えば液晶表示パネルスイッチからなり、複合機Aの動作状態や操作入力状態を表示するものである。
【0042】
操作部19は、複合機Aの主要機能である印刷機能を指示する「コピー」、外部のコンピュータ等からの印刷データの印刷機能を指示する「プリンタ」、原稿を光学的に読み取る読取機能を指示する「スキャナ」、およびファクシミリ送受信を指示する「ファックス」を選択する選択キー19a、符号キーとしてのテンキー19b、スタートキー19c等を有する入力部として機能している。
【0043】
操作表示部9は、それらのキー19a〜19c等のタッチや押下により、複合機Aに対して機能の選択指示入力、文字等の符号入力、更に、印刷等の操作スタート、操作ストップ/リセット等の当該装置の操作指示入力を受け、入力された情報が制御部15に出力されるようになっている。
【0044】
操作部19の選択キー19aにおける各キー(ボタン)には、発光ダイオード(LED:light emitting diode)d1、d2、d3、d4が外部に向け配置されて表示部21を形成しており、複合機Aに対して「コピー」、「プリンタ」、「スキャナ」又は「ファックス」機能の機能受付け可能状態であるとき、発光素子でd1〜d4が発光され、表示切換部11によって点灯制御される。
【0045】
すなわち、発光ダイオードd1〜d4が点灯している「コピー」、「プリンタ」、「スキャナ」又は「ファックス」の選択キー19aは、機能受付け可能状態になっており、消灯した発光ダイオードd1〜d4の配置された「コピー」、「プリンタ」、「スキャナ」又は「ファックス」の選択キー19aは機能受付けされないようになっている。
【0046】
図1の表示切換部11は、モード切換部7が、低電力モードを検出して低電力モード切換情報s1を出力したとき、低電力モードでは動作を受け付けない機能に該当する発光素子d1〜d4の発光を停止制御し、低電力モード切換情報s1の入力時点から、スリープモードへの第2の基準タイミング期間(t2:10分)をカウントダウン開始し、このカウント値を後述する管理テーブルに当てはめ、管理テーブル中のカウント値に対した表示態様に基づき、発光素子d1〜d4の再発光を制御する機能を有している。
【0047】
管理テーブルは、例えば図3に示すように、スリープモード移行への残期間(「10分以上」、「10分未満〜5分以上」、「5分未満〜1分以上」および「1分未満」)に対応して、「コピー」、「プリンタ」、「スキャナ」および「ファックス」の選択キー19aにある発光ダイオードd1〜d4の点灯組み合わせ個数を一覧にしたものである。
【0048】
すなわち、表示切換部11は、図3に示すように、例えばスリープモード移行への残期間が「10分以上」であれば「コピー」、「プリンタ」、「スキャナ」および「ファックス」の選択キー19aの発光ダイオードd1〜d4の4個を全て点灯制御し、スリープモード移行への残期間が「10分未満〜5分以上」であれば「コピー」、「プリンタ」および「スキャナ」の選択キー19aの発光ダイオードd1〜d3の3個を点灯制御する。
【0049】
スリープモード移行への残期間が「5分未満〜1分以上」であれば「コピー」および「プリンタ」の選択キー19aの発光ダイオードd1、d2の2個を点灯制御し、スリープモード移行への残期間が「1分未満」であれば「コピー」の選択キー19aの発光ダイオードd1の1個のみを点灯制御する。
【0050】
図1の通信部13は、制御部15の制御の下、公知のネットワーク23を介して画像データをファクシミリ送受信や電子メール送受信するインターフェース部であり、例えばLANボード等のNIC(network interface card)である。
【0051】
制御部15は、CPUを主体とし画像形成装置全体、すなわち画像読取部1、記憶部3、印刷部5、モード切換部7、操作表示部9および通信部13を制御する他、それらの一部を担うものである。
【0052】
次に、本発明に係る省電力制御装置の動作を図4のフローチャートを参照して簡単に説明する。なお、このフローチャートは画像形成装置の動作の一部である。
【0053】
ステップS1でモード切換部7が印刷部5を低電力モードへ移行すると、ステップS2にて低電力モードで機能しない選択キー19aの発光素子d1〜d4を表示切換部11が消灯制御するとともに、スリープモードへの第2の基準タイミング期間(t2:10分)をカウントダウン開始し、ステップS3に移る。
【0054】
ステップS3では、表示切換部11がこのカウント値が上述した管理テーブル中のどの表示形態に該当するか判別するとともに、カウント値に応じた表示態様に基づきステップS4、S5、S6、S7に移り、ステップS4〜S6にて表示切換部11が対応する形態に従って発光素子d1〜d4を点灯制御し、ステップS8に移る。
【0055】
ステップS8ではモード切換部7が復帰操作の有無を判別し、復帰操作がなくてステップS8がNOであればステップS9に移り、ステップS9にて表示切換部11がカウント値のカウントアップを判別する。
【0056】
カウントアップせずにステップS9がNOであればステップS2に戻り、ステップS2〜S9を繰り返す。
【0057】
カウントアップしてステップS9がYESであればステップS10に移り、ステップS10にてモード切換部7が印刷部5を低電力モードからスリープモードへ移行処理し、図示しないステップを経て終了する。
【0058】
復帰操作があってステップS8がYESであればステップS11に移り、ステップS11ではモード切換部7が印刷部5を通常モードへ移行処理し、図示しないステップを経て終了する。
【0059】
このように、本発明は、複合機Aにおける動作受付け可能状態を表示部21の発光素子d1〜d4で発光する表示処理と、当該複合機Aを低電力モードから所定の基準タイミングt2で更に深いスリープモードに複合機Aを切り換えるモード切換処理と、低電力モードに切換えたとき、操作表示部9にあって低電力モードで動作を受け付けない機能に該当する発光素子d1〜d4を停止制御するとともに、停止制御された発光素子d1〜d4を、低電力モードからスリープモードへの切換え残期間に応じて発光制御する表示切換処理と、を具備する省電力制御方法でもある。
そして、上述した処理手順が本発明に係る画像形成プログラムで実行される。
【0060】
このように本発明に係る省電力制御装置では、印刷部5における機能受付け可能状態を発光素子d1〜d4で表示する表示部21と、その印刷部5を通常モードから省電力モードに切換えるモード切換部7であって、低電力モードから所定の基準タイミングt2で更に深いスリープモードにその印刷部5を切換制御するモード切換部7と、このモード切換部7が、その低電力モードの下において低電力モードで動作を受け付けない機能に該当する発光素子でd1〜d4を停止制御するとともに、停止制御されたその発光素子d1〜d4をその低電力モードからスリープモードへの切換え残期間に応じて再発光制御する表示切換部11とを具備している。
【0061】
そのため、既存の発光素子d1〜d4のうち、省電力モード時に使用しない発光素子d1〜d4を用い、更に深いスリープモードへの移行残期間の表示が、その発光個数の可変表示によってなされるから、例えば、上述した図3の管理テーブルの如き一覧表を、図2の操作表示部9(表示部21)の近傍に配置しておけば、スリープモードへの移行残期間の表示が具体的に分かり易く、不用意にスリープモードに移るのを防止可能で、複合機Aの操作性が向上する。
【0062】
しかも、既存の発光素子d1〜d4を用いてスリープモードへの移行残期間の表示がなされるから、複合機Aの改造が不要であり、装置の動作プログラムの変更によって動作可能であるから、安価でもある。
【0063】
しかも、当該複合機Aにおける機能の操作選択キー19aに発光素子d1〜d4を設けるから、従来の選択キー19aに設けられた発光素子d1〜d4を流用し、スリープモードへの移行残期間の表示が分かり易くなる。
【0064】
ところで、上述した省電力制御装置では、低電力モードからスリープモードへの切換え残期間に応じ、発光する発光素子d1〜d4の個数を可変する構成を説明したが、本発明はこれに限定されず、スリープモードへの切換え残期間に応じて、発光素子d1〜d4の何れかの発光点滅タイミングを可変する構成も可能である。
【0065】
例えば、管理テーブルとして、図5に示すように、スリープモード移行への残期間(「10分以上」、「10分未満〜5分以上」、「5分未満〜1分以上」および「1分未満」)に対応し、「コピー」、「プリンタ」、「スキャナ」又は「ファックス」の選択キー19aの発光ダイオードd1〜d4の内の何れか単数又は複数において、「3秒」、「1秒」、「0.1秒」の点滅間隔又は「全点灯」を対応させた一覧にすることも可能である。
【0066】
このような管理テーブルを用いた構成では、表示切換部11が、スリープモードへの切換え残期間に応じて、発光素子d1〜d4の何れかの発光点滅タイミングを3秒毎、1秒毎、0.1秒毎を繰り返すよう可変制御するよう形成されている。
【0067】
このような構成では、発光素子d1〜d4が複数又は単数であっても個数にかかわらず、第2の省電力モードへの移行残期間の表示が可能である。
【0068】
そして、本発明の省電力制御装置においては、発光素子d1〜d4として発光ダイオード以外にも種々の発光素子を用いて実施可能である。もっとも、スリープモードへの切換え残期間の判別の容易さからして、表示部21の発光素子d1〜d4は、横又は縦方向に所定の隣接間隔で1列状態で配列された機能選択キーのものが好ましい。
【0069】
しかも、発光ダイオードd1〜d4についても、その点灯個数の組み合わせが任意であるし、発光点滅タイミング周期も任意に設定可能である。
【0070】
また、本発明において、モード切換部7が通常モードから省電力モードに切換える対象は、印刷部5に限らず、印刷部5を含む画像形成装置であってよく、更に装置自体と考えることも可能である。
【0071】
さらに、本発明の省電力制御装置において、通常モードから低電力モードへ移行する第1の基準タイミング期間t1、低電力モードからスリープモードへ移行する第2の基準タイミング期間t2も任意に設定可能である。
【0072】
なお、本発明に係る画像形成プログラムでも、省電力制御装置と同様な効果を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明に係る省電力制御装置の実施の一形態を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る省電力制御装置の操作表示部を説明する図である。
【図3】本発明に係る省電力制御装置の管理テーブルの例を説明する図である。
【図4】本発明に係る省電力制御装置の動作を説明するフローチャートである。
【図5】本発明に係る省電力制御装置の他の管理テーブルの例を説明する図である。
【符号の説明】
【0074】
1 画像読取部
3 記憶部
5 印刷部
7 モード切換部
9 操作表示部
11 表示切換部
13 通信部
15 制御部
17 表示パネル部
19 操作部
19a 選択キー
19b テンキー
19c スタートキー
21 表示部
23 ネットワーク
A 複合機(画像形成装置)
d1、d2、d3、d4 発光素子(表示部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
当該装置における機能受付け可能状態を発光素子で表示する表示部と、
前記装置を通常モードから省電力モードに切換えるモード切換部であって、前記省電力モードとしての第1の省電力モードから所定の基準タイミングで更に深い第2の省電力モードに前記装置を切換制御するモード切換部と、
前記第1の省電力モードにおいて、前記第1の省電力モードで動作を受け付けない前記機能に該当する前記発光素子を停止制御するとともに、前記第1の省電力モードから前記第2の省電力モードへの切換え残期間に応じ、停止制御された前記発光素子を発光制御する表示切換部と、
を具備することを特徴とする省電力制御装置。
【請求項2】
前記表示部は複数の前記発光素子を有し、前記表示切換部は複数の前記発光素子の発光組み合わせによって前記第2の省電力モードへの切換え残期間を表示する請求項1記載の省電力制御装置。
【請求項3】
前記表示切換部は、前記第2の省電力モードへの切換え残期間に応じて、複数の前記発光素子の発光個数を可変表示する請求項2記載の省電力制御装置。
【請求項4】
前記表示切換部は、前記第2の省電力モードへの切換え残期間に応じて、前記発光素子の発光点滅タイミングを可変する請求項1〜3いずれか1記載の省電力制御装置。
【請求項5】
前記表示部は、当該装置における前記機能の選択キーに設けられた請求項1〜4いずれか1記載の省電力制御装置。
【請求項6】
当該装置における機能受付け可能状態を表示部の発光素子で発光表示する表示処理と、
前記装置を省電力モードとしての第1の省電力モードから所定の基準タイミングで更に深い第2の省電力モードに前記装置を切換えるモード切換処理と、
このモード切換処理が前記装置を前記第1の省電力モードに切換えたとき、前記第1の省電力モードで動作を受け付けない前記機能に該当する前記発光素子を停止制御するとともに、前記第1の省電力モードから前記第2の省電力モードへの切換え残期間に応じ、停止制御された前記発光素子を発光制御する表示切換処理と、
を具備することを特徴とする省電力制御方法。
【請求項7】
前記表示処理は複数の前記発光素子で行い、前記表示切換処理は複数の前記発光素子の発光組み合わせによって前記第2の省電力モードへの切換え残期間を表示する請求項6記載の省電力制御方法。
【請求項8】
前記表示切換処理は、前記第2の省電力モードへの切換え残期間に応じて、複数の前記発光素子の発光個数を可変表示する請求項7記載の省電力制御方法。
【請求項9】
前記表示切換処理は、前記第2の省電力モードへの切換え残期間に応じて、前記発光素子の発光点滅タイミングを可変する請求項6〜8いずれか1記載の省電力制御方法。
【請求項10】
当該装置を通常モードから省電力モードに移行制御する制御用コンピュータに、
当該装置における機能受付け可能状態を表示部の発光素子で発光表示する表示処理と、
前記装置を省電力モードとしての第1の省電力モードから所定の基準タイミングで更に深い第2の省電力モードに前記装置を切り換えるモード切換処理と、
このモード切換処理が前記装置を前記第1の省電力モードに切換えたとき、前記第1の省電力モードで動作を受け付けない前記機能に該当する前記発光素子を停止制御するとともに、前記第1の省電力モードから前記第2の省電力モードへの切換え残期間に応じ、停止制御された前記発光素子を発光制御する表示切換処理と、
を実行させることを特徴とする省電力制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−202425(P2009−202425A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−47221(P2008−47221)
【出願日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】