説明

真空包装用の自動式のプリフォーム装着

【課題】プリフォームを自動的に基板に装着するシステム及び方法であり、リードレスチップキャリアにプリフォームを仮止めを行う際に、確実に且つ平坦であること、および、最小の応力を有することの双方が保証される。
【解決手段】プリフォームの載置場所34と、基板を載置場所内に配置する第一の構成要素32と、プリフォームを載置場所内にて基板の上に配置する第二の構成要素24と、プリフォームを基板に仮止めする仮止め装置と、構成要素及び仮止め装置の作動状態を感知する複数のセンサと、感知された作動状況に基づいて構成要素及び仮止め装置の作動を自動的に制御するコントローラとを含む。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[0001] 現在では、リードレスチップキャリア(LCC’s)は、各々が24の部品を保持するアルミニウムトレー内に装填されている。プリフォームが手操作にてシールリング上に置かれ且つ位置決めされる。トレーは、200−350℃に加熱されたステージ上に配置され、プリフォームは再位置決めされる。該ステージは、250−350℃に加熱されたハンダ付け鉄先端部の下方に移動せしめられ、該先端部はプリフォームの上方に位置決めされる。オペレータは、足踏みペダルを使用して、先端部をプリフォームに接触するように持っていき、453.59g−907.18g(1−2ポンド)の力を加えて適所においてプリフォームに対する仮止めを行う。現在では、プリフォームの各々に対し約12から14の仮止めが行われる。プリフォームが確実に固定され且つ平坦であること、および、最小の応力を有することの双方が保証されることが重要である。プリフォームとシールリングとの間に少しの空隙でもあれば、真空密封(真空包装)する間、シールリングに非濡れ領域を生じる可能性があり、この非濡れ領域は、真空の漏洩(真空の不全)又はボイドの原因となる。これまでの過程は、かなりの時間を必要とし、製品の品質を保証するのが難しい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
[0002] このため、プリフォームの装着の精度を向上させ且つ製造時間、従ってコストを減少させる、改良された過程及びシステムが必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0003】
[0003] 本発明は、プリフォームを自動的に基板に装着するシステム及び方法を提供する。一例としてのシステムは、載置場所と、基板を載置場所内に配置する第一の構成要素と、プリフォームを載置場所内の基板の上に配置し、該プリフォームを必ずしも固定する必要はないが整合させる第二の構成要素と、プリフォームを基板に仮止めする仮止め装置と、第一および第二の構成要素と仮止め装置との作動状況を感知するための複数のセンサと、感知された作動状況に基づいて第一および第二の構成要素と仮止め装置との作動を自動的に制御するコントローラと、を含む。
[0004] 本発明の1つの形態において、第一の構成要素は、基板を搬送するコンベア構成要素と、1つ又はより多くの基板の1つをコンベア構成要素から取ってきて、その取ってきた基板を載置場所内に配置する機械的アームと、を含む。
[0005] 本発明の別の形態において、コンベア構成要素は、機械的アームによって取ってこられる前の基板の幾つかを加熱する加熱装置を含む。
[0006] 本発明の更に別の形態において、機械的アームは、プリフォームが仮止めされた基板をコンベア構成要素に戻すように構成されている。
[0007] 本発明の更に別の形態において、載置場所は、載置された基板を加熱する形態とされた加熱装置を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0004】
[0008] 本発明の好ましい実施の形態及び代替的な実施の形態は、添付図面に関して以下に説明する。
[0012] 図1は、本発明の1つの実施の形態に従ってプリフォームをリードレスチップキャリア(LCC’s)に自動的に装着する一例としてのシステム18のブロック図であり、また、図2−5は、システムの斜視図である。一例としてのプリフォームは、プレス加工した金属構成要素(例えば、金−スズ)である。システム18は、プロセッサのような、コントローラ21によって制御される液圧および/または空圧駆動の、部品を取ってきて装着するシステム20を含む。システム20は、プリフォーム装填部分24と、LCC装填領域32と、装着部分34とを含む。LCC62が、装填領域32から自動的に取ってこられ、装着部分34内に配置される。プリフォームは、プリフォームステージ部分24から取ってこられ、装着部分34内のLCC上に装填される。次に、取ってこられたプリフォームは、装着部分34内のLCC62上の適所に対して仮止めされ、次に、荷降しのため、装填領域32へと戻される。
[0013] プリフォーム装填部分24は、荷降し傾斜路50、52が装着された装填ボウル供給装置30を含む。ボウル供給装置30は、ボウル供給装置30の内壁に装着されたスパイラル水平突起80を含む。機械的振動装置(図示せず)が、ボウルを振動させ、ボウル内に貯蔵されたプリフォームを、プリフォームがボウル供給装置30内の出口箇所に達するまで、スパイラル水平突起80に沿って上がってくるように振動させる。突起80は、ボウル供給装置30の中心に近い方の側部に近づくほど、Z方向高さが高くなるようになされている。プリフォームがボウル供給装置30の出口箇所に達すると、これらのプリフォームは、第一の傾斜路50に沿って下方に移動する。傾斜路50の終端部にて又は直線状の傾斜路52の開始部にて、プリフォームは、光センサのようなセンサ53により感知される。プリフォームが直線状の傾斜路52内に進んだと、センサ53が感知したとき、振動装置を停止させるよう命令する信号がコントローラ21に送られる。直線状の傾斜路52は、傾斜路52内のプリフォームがプリフォームの載置場所92まで移動するようにする振動機構(図示せず)を含む。突起80は、設計標準に適合しないプリフォームを排除する形態とされている。
[0014] LCC装填領域32は、1つ又はより多くのモータ駆動軸66により駆動されるベルト64を含む第一のコンベアベルト36を備えている。LCC62は、コンベアボート60内にて着座している。ボート60は、コンベア36のベルト64の上面に配置されている。コントローラ21は、コンベア36の作動を制御し、コンベア36をしてボート60をLCCの真空ピックアップアーム110に向けて動かすよう命令する。コンベア36は、光センサのようなセンサ68を含む。センサ68は、コントローラ21に対し信号を送る。コントローラ21は、センサ68からの信号に基づいて、ボート60がコンベア36に沿って進行する際にLCC62がボート60内に配置されているかどうかを決定する。ボート60がアーム110の下方を通ると、ボート60は、停止ゲート102にて停止する。コントローラ21に対し位置情報を提供するため、システム20の全体にわたって複数のセンサが使用される。
[0015] ボート60が位置センサにより感知されて、アーム110の下方にて停止したとき、予加熱レール100が、ボート60の下方へと機械的に移動し、ボート60上に配置されたLCC62の5つ(これらが存在する場合)と接触する。予加熱レール100は、LCC62を180℃以上の温度まで加熱する。所定の期間が経過した後、アーム110は、真空システム(ホースにより部分的に図示)により発生された吸引力を使用して、予加熱されたLCC62の1つを取り上げる。アーム110は、取ってきたLCCを、装着部分34の第一のサブ部分34a内に配置されたLCC載置場所120まで移動させる。次に、プリフォームのためのアーム90が、プリフォーム載置場所92上に載せたプリフォームを取ってきて、そのプリフォームを約45°回転させて載置場所120まで持っていき、該プリフォームをLCC62上に配置する。プリフォームは、結合ステップまでは、LCC62に固定されない。別の実施の形態において、ハンダ付け/結合ステップにより恒久的に装着される前に、クランプ(挟持)装置122がプリフォームをLCC62に固定する。
[0016] プリフォームがプリフォーム載置場所92から引き出されると、例えば、光センサのようなセンサ(図示せず)が、「載置場所92上にプリフォームが存在しない」と決定した信号をコントローラ21に送る。次に、コントローラ21は、ボウル振動装置に対し、新たなプリフォームがセンサ53を通過するまでボウルを振動させるよう命令する。
[0017] プリフォームが載置場所120内にてLCC62の頂部(上面)に配置されたのち、載置場所120は回転せしめられ、装着部分34の部分34b内の適所の位置となる。部分34b内にて、仮止め装置132は、加熱された先端部130(例えば、ハンダ付け先端部)を用いて複数の仮止めを行う。加熱された先端部130は、X、Y、Z方向動作制御装置により、適所に移動せしめられる。仮止め装置132は、熱圧縮結合を行うため、先端部130とプリフォームおよびLCC62との間に圧力を加える。先端部130は、200℃以上まで加熱される。載置場所120は加熱要素を含む。加熱要素は、LCC62を200℃以上まで加熱し、これにより、LCC62をプリフォーム装着のための最適な温度付近に維持する。低温度にて溶融/ハンダ付けするその他の材料を使用する場合、先端部130及びその他の構成要素は、LCC62を200℃以下の温度にする。
[0018] プリフォームが部分34bにてLCC62に仮止めされた後、載置場所120は、部分34a内にて識別される位置まで回転して戻る。アーム110は、クランプ装置122がLCC62上の圧力を解放した後、プリフォームが仮止めされたLCC62を載置場所120から取ってくるよう、コントローラ21により命令を受ける。アーム110は、プリフォームが仮止めされたLCCを、そのときには空であるボート60上の位置まで回転させて戻す。次に、ボート60は、第二のコンベア38まで継続して移動し、上記のプロセスが反復される。
[0019] コントローラ21は、1つ以上のプログラム順序に基づいてシステム20の作動を制御する。選ばれるプログラム順序は、位置センサから受け取った情報に基づいて選択され又は変更される。
[0020] 図6には、一例としての先端部130の断面図が示されている。先端部130は、ニッケル206によりめっきされた銅コアを有する基部分200を含む。炭化タングステン先端部208は、銅コア/基部分200の第一の端部内のキャビティ内に圧力嵌めされている。銅コア/基部分200の他端は、コントローラ21により制御される加熱回路と接続される加熱要素210を受ける。基部分200の側部のキャビティ212は、温度信号をコントローラ21に送る熱カプラー/センサを受ける。基部分200は、仮止め装置132内にて対向する支持機構(例えば、止めねじ)により受けられる環状のリッジ216を含む。基部分200が仮止め装置132内に適正に配置されたとき、加熱要素210は、仮止め装置132により回路リード(図示せず)と適正に接続される。
[0021] 図7には、仮止め装置132及び先端部130がLCC62の上方に配置され、プリフォームが載置場所120内に着座しているところの、部分34bの状態が示されている。クランプ装置122は、LCC62を適所に保持する。酸素排出システム300が、2つのクランプ装置122の軸線に対して直交する1つの軸線上に配置される。酸素排出システム300は、気体供給装置(図示せず)と接続された気体供給管306を含む。気体供給管306は、載置場所120の外面に装着された管クランプ具304によって、載置場所120の方へ向けられている。気体供給管306は、窒素又はアルゴンのような不酸化性気体を、載置場所120内に装着すべき部品に供給する。
[0022] プロセスの汚染を少なくするため、システム20の全て又はその一部分は、真空室又は空気量制御室内に含めることができる。
[0023] 上述したように、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明の精神及び範囲から逸脱せずに、多くの変更を為すことができる。例えば、プリフォームを送り出し且つ装着する標準は、サーフェスマウント装置製造業者協会(SMEMA)技術に適合する。また、ボウル供給装置に代えて、テープ及びリール供給装置を使用することができる。従って、本発明の範囲は、好ましい実施の形態の開示により限定されるものではない。その代わり、本発明は、請求項を参照することにより完全に判断されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】プリフォームを基板に装着する自動式システムのブロック図である。
【図2】本発明の1つの実施の形態に従って形成された一例としてのシステムの斜視図である。
【図3】本発明の1つの実施の形態に従って形成された一例としてのシステムの斜視図である。
【図4】本発明の1つの実施の形態に従って形成された一例としてのシステムの斜視図である。
【図5】本発明の1つの実施の形態に従って形成された一例としてのシステムの斜視図である。
【図6】本発明の1つの実施の形態に従って形成された、ハンダ付け先端部の断面図である。
【図7】本発明の1つの実施の形態に従って形成された一例としてのシステムの斜視図である。
【符号の説明】
【0006】
18 システム
20 取ってきて装着するシステム
21 コントローラ
24 プリフォームの装填部分/プリフォームステージ部分
30 ボウル供給装置
32 LCCの装填領域
34 装着部分
34a 第一のサブ部分
34b 装着部分34の部分
36 コンベア
38 第二のコンベア
50 荷降し傾斜路/第一の傾斜路
52 荷降し傾斜路
53 センサ
60 コンベアボート
62 LCC
64 ベルト
66 モータ駆動軸
68 センサ
80 スパイラル水平突起
90 アーム
92 載置場所
100 レール
102 停止ゲート
110 アーム
120 載置場所
122 クランプ装置
130 先端部
132 仮止め装置
200 基部分
206 ニッケル
208 炭化タングステン
210 加熱要素
216 環状のリッジ
300 酸素排出システム
304 管クランプ具
306 気体供給管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリフォームを自動的に基板に装着する方法において、
a)基板を載置場所内に配置するステップと、
b)前記載置場所内にて前記基板を加熱するステップと、
c)プリフォームを前記載置場所内の前記基板の上に配置するステップと、
d)前記プリフォームを前記基板に仮止めするステップと、
e)前記ステップa)ないしc)の工程を感知するステップと、
f)感知された工程に基づいて、前記ステップa)ないしc)を自動的に制御するステップと、を備え、
前記ステップa)は、前記基板をコンベア構成要素から自動的に取ってくるステップを含んでおり、
前記プリフォームが仮止めされた前記基板を前記コンベア構成要素まで自動的に戻すステップをさらに備え、
前記ステップb)は、前記プリフォームをボウル供給装置ならびにテープおよびリール供給装置の少なくとも一方を含む供給装置から自動的に取ってくるステップを含む、
プリフォームを自動的に基板に装着する方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記基板を前記コンベア構成要素から取ってくる前に、前記基板を加熱するステップをさらに備え、
前記ステップc)は、ニッケルにてめっきされた銅基部内に部分的に収容された炭化タングステン先端部を使用して仮止めするステップを含み、
プリフォームおよび仮止めする前の基板の近くの酸素を排出するステップをさらに備える、方法。
【請求項3】
プリフォームを自動的に基板に装着するシステムにおいて、
載置場所と、
基板を前記載置場所内に配置するように構成された第一の構成要素と、
プリフォームを前記載置場所内にて前記基板の上に配置するように構成された第二の構成要素と、
前記プリフォームを前記基板に仮止めするように構成された仮止め装置と、
前記第一および第二の構成要素と前記仮止め装置との作動状況を感知するための複数のセンサと、
感知された作動状況に基づいて、前記第一および第二の構成要素と前記仮止め装置との作動を自動的に制御するように構成されたコントローラと、
を備え
前記第一の構成要素は、1つ又はより多くの基板を搬送するように構成されたコンベア構成要素と、1つ又はより多くの前記基板の1つをコンベア構成要素から取ってきて、且つ、その取ってきた基板を前記載置場所内に配置するように構成された機械的アームと、を備え、
前記コンベア構成要素は、機械的アームによって取ってこられる前の1つ又はより多くの前記基板を加熱するように構成された加熱装置を備え、
前記機械的アームは、前記プリフォームが仮止めされた前記基板を前記コンベア構成要素まで戻すような構成とされ、
前記載置場所は、載置された前記基板を加熱するように構成された加熱装置を含み、
前記第二の構成要素は供給装置を含み、
前記仮止め装置は、ニッケルにてめっきされた銅基部内に部分的に収容された炭化タングステンを含み、
前記プリフォームおよび仮止めする前の前記基板の近くの酸素を排出するように構成された排気構成要素をさらに備える、システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−65126(P2009−65126A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−180327(P2008−180327)
【出願日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】