説明

真空成膜装置

【課題】大気開放状態における真空容器の内部の環境を改善することができる真空成膜装置を提供する。
【解決手段】真空成膜装置は、成膜処理ユニット3を収容し、密閉可能な真空容器1と、真空容器1内を真空にする真空排気系5と、前記真空容器1から気体を送出して、大気開放状態における真空容器1の内部を換気する排気ファン43と、排気ファン43および真空容器1の間を連通する第2配管41を開閉するバルブ45とを備えている。基板11に膜を形成する際は、バルブ45を閉止させることで、真空排気系5は真空容器1内を真空にすることができる。また、真空容器1が大気開放状態にあるときは、バルブ45を開放させるとともに、排気ファン43は真空容器1から気体を送出することで、真空容器1内を換気することができる。これにより、大気開放状態における真空容器1の内部の環境を改善することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、真空中で所望の膜材料を基板上に成膜する真空成膜装置に係り、特に、真空成膜装置が備える真空容器内の環境を改善する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
真空中で所望の物質を基板上に成膜する方法としては、蒸着法、スパッタリング法、CVD法等種々の方法があり、それぞれ広く利用されている。例えば、従来の真空成膜装置は、膜材料を保持する坩堝と、膜材料を気化させるヒータと、坩堝と対向する位置で基板を保持する基板保持部材と、これら坩堝とヒータと基板保持部とを収容する真空容器と、真空容器内を真空にする真空排気系とを備えている。この装置において、真空排気系により真空容器内を真空とした状態で、ヒータにより坩堝内の膜材料を気化させる。気化された膜材料が基板に被着することで、基板上に成膜される。
【0003】
膜材料を気化させる際、真空容器の内壁や坩堝など基板以外の部分へも膜材料が被着する。このような被着物は真空成膜装置を汚し、一部剥離して基板に付着して不良を出してしまうという問題を生じさせるため、被着物を定期的に除去する必要がある。この除去作業において、被着物が有害物質であるときは、被着物を除去する際に被着物が飛散しないように留意する必要がある。特に、真空容器の内容積が1m以上の大型装置の場合は、作業者が真空容器の内部に入って被着物を除去するため、作業者は高濃度の有害物質環境下にさらされる。なお、作業者が有害物質環境下にさらされることは、被着物の除去作業に限らず、真空容器内の各部の調整等、メンテナンス作業全般にわたって生じ得る。このようなメンテナンス作業時には、真空成膜装置が設置される部屋全体を換気する換気ファンまたは送気ポンプ等を使用するとともに、吸気マスクや防護衣等を着用する(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開昭63−241918号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来の装置では、メンテナンス作業の際に送気ポンプ等によって真空成膜装置が設置される部屋の環境は改善されるが、大気開放状態にある真空容器内は依然として被着物が存在する有害物質環境にあるという不都合がある。このため、上述した防護衣等、作業者に対して厳重な安全配慮をしなければならないという不都合がある。
【0005】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、大気開放状態における真空容器の内部の環境を改善することができる真空成膜装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、真空状態で基板に膜を形成する真空成膜装置において、基板に膜を形成する成膜処理ユニットと、前記成膜処理ユニットを収容し、密閉可能な真空容器と、前記真空容器から気体を排出して、真空容器内を真空にする真空排気系と、前記真空容器から気体を送出して、大気開放状態における真空容器の内部を換気する排気機構と、前記排気機構および前記真空容器の間を連通する管路を開閉するバルブと、を備えていることを特徴とするものである。
【0007】
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、基板に膜を形成する際は、バルブを閉止させることで、真空排気系は真空容器内を真空にすることができる。また、真空容器が大気開放状態にあるときは、バルブを開放させるとともに、排気機構は真空容器から気体を送出することで、真空容器内を換気することができる。これにより、大気開放状態における真空容器の内部の環境を改善することができる。したがって、真空容器内のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
【0008】
なお、本明細書において「送出する」は排出すると同義である。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、真空状態で基板に膜を形成する真空成膜装置において、基板に膜を形成する成膜処理ユニットと、前記成膜処理ユニットを取り囲むように配置され、加熱機構を内蔵した防着板と、前記成膜処理ユニットと前記防着板とを収容し、密閉可能な真空容器と、前記真空容器から気体を排出して、真空容器内を真空にする真空排気系と、前記真空容器から気体を送出して、大気開放状態における真空容器の内部を換気する排気機構と、前記排気機構および前記真空容器の間を連通する管路を開閉するバルブと、を備えていることを特徴とするものである。
【0010】
[作用・効果]請求項2に記載の発明によれば、基板に膜を形成する際は、バルブを閉止させることで、真空排気系は真空容器内を真空にすることができる。また、真空容器が大気開放状態にあるときは、バルブを開放させるとともに、排気機構は真空容器から気体を送出することで、真空容器内を換気することができる。これにより、大気開放状態における真空容器の内部の環境を改善することができる。したがって、真空容器内のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
【0011】
また、加熱機構を内蔵した防着板を備えていることで、防着板に被着した被着物を軟化させることができるので、防着板に被着した被着物を容易に除去することができる。
【0012】
上述した発明において、前記排気機構は、前記真空容器の下部から気体を送出することが好ましい(請求項3)。排出機構が真空容器内を換気する際、真空容器内の気体は下方向に流れて真空容器外に送出される。これにより、被着物等が舞い上がることを効果的に防止することができる。
【0013】
上述した発明において、前記成膜処理ユニットは、膜材料を保持する膜材料保持機構と、前記膜材料を気化させる膜材料気化機構と、気化された膜材料が被着する基板を保持する基板保持機構と、を備えていることが好ましい(請求項4)。成膜処理ユニットを好適に実現することができる。
【0014】
なお、本明細書は、次のような成膜処理装置に係る発明も開示している。
【0015】
(1)請求項1から請求項4のいずれかに記載の真空成膜装置において、前記真空容器の内容積は1m以上であることを特徴とする真空成膜装置。
【0016】
作業者が真空容器1内に入って除去作業を行うことがある場合には、真空容器内の環境改善のメリットが大きい。
【発明の効果】
【0017】
この発明に係る真空成膜装置によれば、基板に膜を形成する際は、バルブを閉止させることで、真空排気系は真空容器内を真空にすることができる。また、真空容器が大気開放状態にあるときは、バルブを開放させるとともに、排気機構は真空容器から気体を送出することで、真空容器内を換気することができる。これにより、大気開放状態における真空容器の内部の環境を改善することができる。したがって、真空容器内のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
【実施例1】
【0018】
以下、図面を参照してこの発明の実施例1を説明する。
図1は、実施例1に係る真空成膜装置の概略構成を示す断面図であり、図2は、真空容器の平面図である。
【0019】
実施例1に係る真空成膜装置は、ヒータ加熱気化法による真空蒸着法を行うものを示している。この真空成膜装置は、真空容器1と成膜処理ユニット3と真空排気系5と換気系7とに大きく分けられる。
【0020】
真空容器1は直方体の外形状を呈する。真空容器1の大きさは、適宜選択される事項であるが、本実施例では内容積が1m程度の大きさである。図2に示すように、真空容器1は、その1側面に開口Aを有する真空容器本体1aと、その一端側で回動自在に真空容器本体1aに取り付けられて、開口Aを開閉可能な蓋部材1bを有している。蓋部材1bが開口Aを閉塞することで真空容器1は密閉される(図2において一点鎖線で示す位置)。また、図示していない通気ノズルから空気または窒素等のガスを導入して真空容器1内を大気圧と等圧にした後、蓋部材1bが開口Aを開放することで真空容器1は大気開放状態となる(図2において実線で示す位置)。
【0021】
成膜処理ユニット3は、基板11に膜を形成する。この成膜処理ユニット3は、膜材料13を保持する坩堝15と、膜材料13を気化させるヒータ17と、基板11を保持する基板保持機構19とを備えている。
【0022】
膜材料13としては、アモルファスセレン(a−Se)等が例示される。坩堝15の材質としては、アルミナやグラファイトなどが例示される。ヒータ17は、坩堝15の周囲に配置され、坩堝15を加熱する。これら坩堝15とヒータ17は、真空容器1の下面に取り付けられている支持台21に支持されている。基板保持機構19は腕部23によって支持されて、坩堝15の上方に配置されている。そして、基板11の一方面が坩堝15と対抗するように基板11を保持する。ここで、坩堝15とヒータ17は、それぞれこの発明における膜材料保持機構と膜材料気化機構に相当する。
【0023】
真空排気系5は、真空容器1と一端側で連通する第1配管31と、この第1配管31の他端側に連通接続されて、真空容器1内の気体を排出する真空ポンプ33と、第1配管31に設けられ、排気流路を開閉する開閉弁35とを備えている。このように構成される真空排気系5は、密閉状態における真空容器1の内部を真空にする。
【0024】
換気系7は、真空容器1と一端側で連通する第2配管41と、この第2配管41の他端側に連通接続されて、真空容器1内の気体を送出する排気ファン43と、第2配管41に設けられ、排気流路を開閉するバルブ45とを備えている。第2配管41は真空容器1の側面の下段に接続されている。このように構成される換気系7は、大気開放状態における真空容器1の内部を換気する。排気ファン43は、この発明における排気機構に相当する。また、第2配管41は、この発明における管路に相当する。
【0025】
次に、実施例1に係る真空成膜装置の動作について、基板11に膜を形成する際(以下、単に成膜処理時という)の動作と、真空容器1内の被着物を除去する際(以下、単に除去作業時という)の動作に分けて説明する。
【0026】
<成膜処理時の動作>
蓋部材1bを回動させて開口Aを閉塞して、真空容器1を密閉する。バルブ45を閉止するとともに、開閉弁35を開放して真空ポンプ33を駆動する。これにより、真空容器1内の気体は、第1配管31を通じて外部へ排出され、真空容器1内は真空となる。
【0027】
続いて、ヒータ17により坩堝15を加熱させて、坩堝15内の膜材料13は気化する。気化した膜材料13は、基板支持機構19に保持されている基板11の下面に被着する。これにより、基板11に膜が形成される。このとき、気化した膜材料13の一部は、真空容器1の内壁など基板11以外の部位にも被着し、あるいは、真空容器1内を浮遊する。以下では、気化したものの基板11に被着しなかった膜材料13を、特に「被着物」と記載することで、気化して基板11に被着した膜材料13と区別する。
【0028】
<除去作業時の動作>
図示していない通気ノズルから空気または窒素等のガスを導入して真空容器1内を大気圧と等圧にした後、蓋部材1bを回動させて開口Aを開放させて、真空容器1を大気開放状態にする。この状態で、バルブ45を開放して排気ファン43を駆動する。これにより、真空容器1内の気体は第2配管41を通じて外部へ送出されるとともに、開口Aを通じて真空容器1内に外気が流入する。これにより、真空容器1内の気体は外気によって入れ換えられる。この状態で、吸気マスクや防護衣等を着用した作業者が被着物の除去作業を行う。なお、真空容器1は内容積が1m程度の大きさであるので、除去作業の際は作業者が適宜真空容器1内に入ることがある。
【0029】
このように、実施例1に係る真空成膜装置によれば、真空排気系5とは別個に排気ファン43を備えていることで、大気開放状態における真空容器1の内部を換気することができる。これにより、大気開放状態における真空容器1内の被着物が飛散することを抑えることができるとともに、真空容器1内の被着物濃度を低減させることができる。このように真空容器1内の環境を改善することができるので、被着物の除去作業を容易に行うことができる。また、被着物の除去作業に限らず、真空容器内の各部の調整等、メンテナンス作業全般を容易に行うことができる。
【0030】
特に、被着物が有害物質の場合、被着物が粉塵となって浮遊しやすい場合、あるいは、作業者が真空容器1内に入って除去作業を行うことがある場合には、作業者の安全を確保したり、作業者の被爆リスクを低減することができる等、真空容器1内の環境改善によるメリットが大きい。
【0031】
また、第2配管41が真空容器1の側面の下側に接続されているので、真空容器1内を換気する際に真空容器1内の気体は下方向に流れて送出される。これにより、被着物が舞い上がることを効果的に防止することができる。これにより、大気開放状態における真空容器1の内部環境をさらに改善することができる。
【0032】
また、バルブ45を備えていることで、基板11に膜を形成する際はバルブ45を閉止して、真空容器1内を真空にし、また、真空状態を保つことができる。
【実施例2】
【0033】
以下、図面を参照してこの発明の実施例2を説明する。図3は、実施例2に係る真空成膜装置の概略構成を示す断面図である。なお、実施例1と同じ構成については同符号を付すことで詳細な説明を省略する。
【0034】
実施例2に係る真空成膜装置も、ヒータ加熱気化法による真空蒸着法を行うものを示している。この真空成膜装置は、真空容器1と成膜処理ユニット3と真空排気系5と換気系7に加えて、防着板9を備えている。
【0035】
防着板9は、成膜処理ユニット3を取り囲むように配置されて、気化したものの基板11に付着しなかった膜材料13をその表面に付着させる。本実施例では、真空容器1内の上面と4側面を覆うように配置されている。防着板9の材質としては、膜材料13と反応しない材質のものが好ましい。具体的には、ステンレス,アルミニウムなどの金属が例示される。
【0036】
防着板9は、加熱機構51を内蔵し、防着板9の表面全体を所定の温度に昇温可能に構成されている。所定の温度としては、少なくとも被着物が軟化し始める温度以上であり、被着物に応じて適宜に設定させる。たとえば、膜材料13がアモルファスセレンの場合では、その被着物も約90度で軟化し始めるので、少なくとも90度以上の温度に昇温可能に設定されている。なお、さらに除去作業の手間等を考慮して所定の温度を設定してもよい。加熱機構51としては、例えば、シースヒータ、ラバーヒータなどが例示される。
【0037】
次に、実施例2に係る真空成膜装置の動作について、成膜処理時と除去作業時とに分けて説明する。なお、実施例1と同じ動作については簡略に説明する。
【0038】
<成膜処理時の動作>
成膜処理時においては、防着板9の表面は、加熱機構51によって昇温させることなく、基板11に膜を形成する。このとき、気化したものの基板11に被着しなかった膜材料13は、主として防着板9の表面に被着する。なお、防着板9の表面に被着した膜材料13も、被着物である。
【0039】
<除去作業時の動作>
除去作業時においては、加熱機構51によって防着板9の表面を昇温させて、大気開放状態における真空容器1の内部を換気する。この状態で、作業者が被着物の除去作業を行う。
【0040】
このように、実施例2に係る成膜処理装置によっても、真空排気系5とは別個に排気ファン43を備えていることで、大気開放状態における真空容器1の内部を換気することができる。これにより、大気開放状態における真空容器1内の被着物が飛散することを抑えることができるとともに、真空容器1内の被着物濃度を低減させることができる。このように真空容器1内の環境を改善することができるので、被着物の除去作業を容易に行うことができる。
【0041】
また、バルブ45を備えていることで、基板11に膜を形成する際はバルブ45を閉止して、真空容器1内を真空にし、また、真空状態を保つことができる。
【0042】
さらに、実施例2に係る成膜処理装置によれば、加熱機構51を内蔵した防着板9を備えているので、防着板9の表面に被着した被着物を軟化させることができる。これにより、防着板9の表面の被着物は防着板9の表面から剥離し易くなり、被着物の除去作業を容易に行うことができる。
【0043】
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0044】
(1)上述した各実施例では、真空容器1内を換気する排気ファン43を備えていたが、これに限られない。たとえば、真空容器1から気体を送出することができれば、排気ファン43に換えて排気ポンプ等の排気機構に適宜に変更してもよい。
【0045】
(2)上述した各実施例では、第2配管41は真空容器1の側面の下段において接続されていたが、これに限られない。たとえば、第2配管41を真空容器1の下面に連通接続させるように変更してもよい。あるいは、真空容器1の下部(真空容器1の側面の下段や真空容器1の下面など)以外の部位、たとえば、真空容器1の側面上段などに連通接続するように、第2配管41を設けてもよい。
【0046】
(3)上述した実施例2では、防着板9の配置は、真空容器1内の下面を除く5面に配置したが、これに限られない。たとえば、真空容器1内の全面に防着板9を配置するように変更してもよい。
【0047】
(4)上述した実施例2では、防着板9の材質として、ステンレス,アルミニウム等を例示したが、これに限られることなく、セラミック,耐熱性樹脂などを適宜に選択することができる。
【0048】
(5)上述した各実施例では、真空容器1の外形が直方体であったが、これに限られることなく、円筒形やドーム形など、その他の形状に適宜にしてもよい。また、これに伴い、防着板9の配置も、適宜に変更することができる。
【0049】
(6)上述した各実施例では、真空容器1の大きさを内容積1m程度としたが、これに限られることなく、1m以下、あるいは、1m以上に適宜に設計変更してもよい。
【0050】
(7)上述した各実施例では、蓋部材1bが回動自在に真空容器本体1aに取り付けられていたが、これに限られず、真空容器1を大気開放状態にすることができれば、適宜に変更することができる。たとえば、真空容器本体1aに対してスライド移動可能に設けられる蓋部材を備えてもよい。
【0051】
(8)上述した各実施例では、成膜処理ユニット3はヒータ加熱気化法による蒸着法により基板11に膜を形成するものであったが、これに限られない。たとえば、ヒータ加熱気化法に換えて電子ビームやプラズマによる加熱気化法を採用してもよい。また、蒸着法に換えてスパッタリング法やCVD法に変更してもよい。また、これらの変更に伴い、適宜、成膜処理ユニット3の構成を変えてもよい。
【0052】
(9)上述した各実施例では、膜材料13としてアモルファスセレンを例示したが、これに限られることなく、その他の物質を膜材料13として適宜に選択してもよい。
【0053】
(10)上述した各実施例では、真空排気系5として第1配管31と真空ポンプ33の組み合わせを例示したが、荒引き(低真空動作用)ポンプと本引き(高真空動作用)ポンプの多段構成等、通例の範囲の真空排気系を省略して記したものである。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】実施例1に係る真空成膜装置の概略構成を示す断面図である。
【図2】真空容器の平面図である。
【図3】実施例2に係る真空成膜装置の概略構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0055】
1 …真空容器
3 …成膜処理ユニット
5 …真空排気系
9 …防着板
11 …基板
13 …膜材料
15 …坩堝
17 …ヒータ
19 …基板保持機構
41 …第2配管
43 …排気ファン
45 …バルブ
51 …加熱機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空状態で基板に膜を形成する真空成膜装置において、基板に膜を形成する成膜処理ユニットと、前記成膜処理ユニットを収容し、密閉可能な真空容器と、前記真空容器から気体を排出して、真空容器内を真空にする真空排気系と、前記真空容器から気体を送出して、大気開放状態における真空容器の内部を換気する排気機構と、前記排気機構および前記真空容器の間を連通する管路を開閉するバルブと、を備えていることを特徴とする真空成膜装置。
【請求項2】
真空状態で基板に膜を形成する真空成膜装置において、基板に膜を形成する成膜処理ユニットと、前記成膜処理ユニットを取り囲むように配置され、加熱機構を内蔵した防着板と、前記成膜処理ユニットと前記防着板とを収容し、密閉可能な真空容器と、前記真空容器から気体を排出して、真空容器内を真空にする真空排気系と、前記真空容器から気体を送出して、大気開放状態における真空容器の内部を換気する排気機構と、前記排気機構および前記真空容器の間を連通する管路を開閉するバルブと、を備えていることを特徴とする真空成膜装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の真空成膜装置において、前記排気機構は、前記真空容器の下部から気体を送出することを特徴とする真空成膜装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の真空成膜装置において、前記成膜処理ユニットは、膜材料を保持する膜材料保持機構と、前記膜材料を気化させる膜材料気化機構と、気化された膜材料が被着する基板を保持する基板保持機構と、を備えていることを特徴とする真空成膜装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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