説明

真空用ゲートバルブ

【課題】 超高速での開閉を可能としてチャンバ内での処理効率を高めつつ、衝突や永年劣化による寿命の低下を防止して耐用年数を向上させる。
【解決手段】 真空用ゲートバルブ10は、開口を有するケーシング12と、ケーシング12内を揺動して開口を開閉するバルブプレート14と、バルブプレート14を駆動するモーター16を備え、モーター16の回転軸16Aの動力は、ギアを介さずに同軸上で、回転軸16Aと共に回転するフランジ20と、フランジ20及びバルブプレート14に連結される回転体22を介してバルブプレート14に直接伝達される。回転体22は、本体部22Aと、本体部22Aから延びるシャフト部22Bを有し、本体部22Aは、横方向においてはローラーベアリング28を介して、上下方向においては本体部22Aの上下に配置された2つのスラストベアリング30A、30Bを介して保持されることによりカバー26内に回転自在に設置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、半導体装置の処理チャンバに使用されて各種処理チャンバ内を真空にするための真空用ゲートバルブの改良に関し、特に、バルブプレートを高速で開閉して処理速度を高めつつ、永年劣化を低減して耐用年数を向上させることに関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造工程においては、エッチング装置やCVD(化学気相蒸着)による薄膜処理、PVD等の処理を行う各種処理チャンバ内を真空状態とするために、処理チャンバと吸引ポンプとの間にゲートバルブが使用される。この真空用ゲートバルブとしては、近年、スペース的に有利で、比較的簡易に製造することができることから、ケーシング内においてバルブプレートを横方向に揺動させる横旋回式のゲートバルブが多く採用されている。
【0003】
この横旋回式の真空用ゲートバルブにおいては、その揺動の駆動源として、伸縮式のアクチュエータが使用されることが多かった(例えば、特許文献1、2参照)。しかし、伸縮式のアクチュエータでは、バルブプレートを開閉させる速度に限界があるため、チャンバ内での処理効率も充分に向上させることができず、大量生産の要求に必ずしも充分に対応することができなかった。また、アクチュエータを使用すると、いきおい真空用ゲートバルブが大型化する問題もあった。
【0004】
このため、駆動源として、アクチュエータではなく、モーターを使用して、その駆動力をバルブプレートに伝達することも考えられる。この場合、バルブプレートが、大型化、重量化した近年においては、充分な駆動力を確保するために、モーターの回転軸をギアを介してバルブプレートに連結することが一般的であるといえる。しかし、動力の伝達のための要素が増えれば増えるほど、やはり処理速度が低下すると共に、ギアの噛み合い等の際の部材同士の衝突により摩耗が生じ寿命が短くなる上に、その交換等に手間を要する問題が生ずる。
【0005】
更には、バルブプレートの高速での揺動を実現した場合でも、特に、大型化、重量化された近年のバルブプレートにおいては、このモーターの駆動により、バルブプレートの揺動に伴って振動が生じ、この振動が処理チャンバへ伝達されると、処理チャンバ内でパーティクルが飛散して、製造される半導体装置の性能に影響を与えたり、圧力センサー等の各種計測機器が損傷して、不具合が生じることがある。また、この振動により、高速で開閉するバルブプレートがケーシング等と接触した場合には、バルブプレートが破損するおそれも生じる。従って、特に、ゲートバルブを高速で開閉させる場合には、振動による影響には最大限の注意を払う必要が高まっている。
【0006】
加えて、バルブプレートは、大気圧と真空という圧力差が激しい空間の境界に設置されて負荷がかかるため、特に、処理チャンバの密閉時から開口のための初動時において変位しやすく、その際にケーシング等と接触して損傷したり、また、大面積で圧力を受けるため、バルブプレートが大きく反って変形や破損等するおそれもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−281034号公報
【特許文献2】特開2003−42310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、上記の問題点に鑑み、超高速での開閉を可能としてチャンバ内での処理効率を高めつつ、衝突や永年劣化による寿命の低下を防止して耐用年数を向上させることができる真空用ゲートバルブを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するための第1の手段として、開口を有するケーシングと、ケーシング内を揺動して開口を開閉するバルブプレートと、バルブプレートを駆動するモーターとを備えた真空用ゲートバルブにおいて、モーターの回転軸の動力をギアを介さずに同軸上でバルブプレートに直接伝達する動力伝達手段を更に有する真空用ゲートバルブであって、この動力伝達手段は、モーターの回転軸に連結されて回転軸と共に回転するフランジと、このフランジ及びバルブプレートに連結されてフランジと共に回転する回転体と有し、この回転体22は、本体部と、この本体部から延びバルブプレートに連結されるシャフト部を有し、ケーシングに固定されたカバー内に設置されて、カバーにより横方向及び上下方向を覆われ、回転体の本体部は、カバーに対して、横方向においてはローラーベアリングを介して、上下方向においては本体部の上下に配置された2つのスラストベアリングを介して保持されることにより、カバー内に回転自在に設置されていることを特徴とする真空用ゲートバルブを提供するものである。
【0010】
本発明は、上記の課題を解決するための第2の手段として、上記第1の解決手段において、動力伝達手段は、回転体に連結されたバルブプレートがケーシングの開口から離反する方向に回転体を付勢するスプリングを更に有し、このスプリングは、バルブプレートの上下方向における変位を吸収することを特徴とする真空用ゲートバルブを提供するものである。
【0011】
本発明は、上記の課題を解決するための第3の手段として、上記第1又は第2のいずれかの解決手段において、動力伝達手段は、スプリングの付勢力により、バルブプレートをケーシングとの間にギャップを保持させて揺動させることを特徴とする真空用ゲートバルブを提供するものである。
【0012】
本発明は、上記の課題を解決するための第4の手段として、上記第2又は第3のいずれかの解決手段において、スプリングは、リング状の皿バネから成り、バルブプレートの横方向の全方位における傾きを修正することを特徴とする真空用ゲートバルブを提供するものである。
【0013】
本発明は、上記の課題を解決するための第5の手段として、上記第1乃至第4のいずれかの解決手段において、バルブプレートは、閉位置にあるときに前記開口に位置する部分が他の部分よりも薄く形成されていることを特徴とする真空用ゲートバルブを提供するものである。
【0014】
本発明は、上記の課題を解決するための第6の手段として、上記第1乃至第5のいずれかの解決手段において、モーター及び動力伝達手段は、バルブプレートに着脱自在に連結されていることを特徴とする真空用ゲートバルブを提供するものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、上記のように、モーターの回転軸の動力をギアを介さずに同軸上でバルブプレートに直接伝達する動力伝達手段を備えているため、モーターの駆動力をダイレクトにバルブプレートに伝達することができ、0.3秒程度の超高速でバルブプレートを開閉させることができる一方、部品点数が低減すると共に噛み合い等の際に生ずる衝突による劣化を抑制することができるため、耐用年数を飛躍的に向上させることができる実益がある。また、同軸上での回転であるため、回転時に生ずる振動を低減することができる実益もあり、更に、ギアを用いた場合に比べて動力伝達手段をコンパクトにすることができ、小型化、省スペース化にもなる実益がある上に、特に、回転体は、摩擦係数が小さいベアリングにより回転自在に保持されるため、ギア等を用いた場合と異なり、永年劣化が少なく、充分な駆動力を確保しつつ耐用年数を向上させることができると共に、回転体を芯振れなく回転させることができる実益がある。
【0016】
本発明によれば、上記のように、フランジによりモーターの回転軸の回転力をバルブプレートに伝達しつつ、バルブプレートに連結された回転体を付勢するスプリングによりバルブプレートの上下方向への変位を吸収しているため、高速で揺動して振動が生じたり、バルブプレートの表裏で気圧差が激しくても、変位や反りを打ち消してバルブプレートを設定した所定の位置や形状に調整して、バルブプレートの破損を抑制することができると共に、バルブプレートを適正に揺動させることができる。
【0017】
本発明によれば、上記のように、スプリングの付勢力により、バルブプレートをケーシングとの間にギャップを保持させて揺動させるため、高速で開閉しても、バルブプレートがケーシングに衝突や接触等することがなく、円滑な開閉を実現することができると共に、バルブプレートの損傷を防止して耐用年数を向上させることができる実益がある。
【0018】
本発明によれば、上記のように、スプリングは、リング状の皿バネから成るため、バルブプレートの横方向(周方向)のいずれの位置において傾きが生じても、その傾きを修正してバルブプレートを適正な位置に調整することができるので、円滑な開閉の確保及びバルブプレートの損傷の抑制を実現することができる実益がある。
【0019】
本発明によれば、上記のように、バルブプレートは、閉位置にあるときに前記開口部に位置する部分が、例えば、表裏両面を切削する等して、他の部分よりも薄く形成されているため、バルブプレートの軽量化を図ることができ、高速での開閉を適切に達成することができる実益がある。
【0020】
本発明によれば、記のように、モーター及び動力伝達手段は、バルブプレートに着脱可能に連結されているため、保守や修理等のメンテナンスや交換等を簡易に行うことができる実益がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の真空用ゲートバルブの開位置における概略断面図である。
【図2】本発明に用いられる動力伝達手段の分解斜視図である。
【図3】本発明に用いられるバルブプレートが開位置にあるときの動力伝達手段の断面図である。
【図4】本発明に用いられるバルブプレートが閉位置にあるときの動力伝達手段の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明を実施するための形態を図面を参照しながら詳細に説明すると、図1は本発明の真空用ゲートバルブ10を示し、この真空用ゲートバルブ10は、例えば、図示しない半導体装置の製造工程で使用される処理チャンバと、この処理チャンバ内を真空とするための図示しない吸引ポンプとの間に設置され、処理チャンバ内を密閉して真空に保持するために使用される。
【0023】
この本発明の真空用ゲートバルブ10は、図2に示すように、開口12Aを有するケーシング12と、このケーシング12内を揺動して開口12Aを開閉するバルブプレート14と、このバルブプレート14を駆動するモーター16と、このモーター16の回転軸16Aの動力をバルブプレート14に伝達する動力伝達手段18とを備えている。
【0024】
(1.動力伝達手段)
本発明においては、この動力伝達手段18は、図1乃至図4に示すように、モーター16の回転軸16Aの動力を、ギアを介さずに、同軸上でバルブプレート14に直接伝達する。従って、モーター16の駆動力をダイレクトにバルブプレート14に伝達することができ、0.3秒程度の超高速でバルブプレート14を開閉させることができる。同時に、ギア等を介さないため部品点数が低減すると共に噛み合い等の際に生ずる衝突による劣化を抑制することができるため、耐用年数を飛躍的に向上させることができる。
【0025】
具体的には、この動力伝達手段18は、図1乃至図4に示すように、モーター16の回転軸16Aに連結されてこの回転軸16Aと共に回転するフランジ20と、このフランジ20及びバルブプレート14に連結されてフランジ20と共に回転する回転体22と、この回転体22に連結されたバルブプレート14がケーシング12の開口12Aから離反する方向に回転体22を付勢するスプリング24とを有している。
【0026】
フランジ20は、特に図2乃至図4に示すように、モーター16の回転軸16Aに直結される結合フランジ部20Aと、この結合フランジ部20Aに連結されるシャフトフランジ部20Bと、結合フランジ部20Aとシャフトフランジ部20Bとの間に挟持される凹凸状の結合板バネ20Cとから成っている。このフランジ20により、モーター16の回転軸16Aの回転力を、ギアを介さずに同軸上でバルブプレート14に伝達することができ、バルブプレート14の高速での揺動を実現することができる。なお、結合板バネ20Cは、結合フランジ部20Aとシャフトフランジ部20Bとの間の駆動時における緩衝作用を担うものである。
【0027】
回転体22は、特に図2乃至図4に示すように、本体部22Aと、この本体部22Aから延びバルブプレート14に連結されるシャフト部22Bを有する略駒状の形状を有する。この回転体22は、図2乃至図4に示すように、ケーシング12に固定されたカバー26内に設置されて、このカバー26により横方向及び上下方向を覆われる。回転体22の本体部22Aは、このカバー26に対して、特に図2乃至図4に示すように、横方向においてはローラーベアリング28を介して、また、上下方向においては本体部22Aの上下に配置されたワッシャ30a付きの2つのスラストベアリング30A、30Bを介して保持されることにより、カバー26内に回転自在に設置される。このように、回転体22は、摩擦係数が小さいベアリング28、30A、30Bにより回転自在に保持されるため、ギア等を用いた場合と異なり、永年劣化が少なく、充分な駆動力を確保しつつ耐用年数を向上させることができると共に、回転体22を芯振れなく回転させることができる。
【0028】
なお、このカバー26内には、図2及び図3に示すように、フランジ20のシャフトフランジ部20Bの一部(先端)が挿入され、回転体22は、このカバー26内において、フランジ20に連結されると共に、フランジ20の回転によりフランジ20と共に回転することができる。この場合、スラストベアリング30A、30Bは、図2乃至図4に示すように、フランジ20のシャフトフランジ部20Bの周囲や回転体22の本体部22Aの上面部及び底面部を覆うようにリング状に配置される。一方、ローラーベアリング28は、図2乃至図4に示すように、回転体22の本体部22Aの周囲に配置されるリング状のフレーム28Aと、このフレーム28A内に隣り合って配置された複数の棒状ローラー28から成っている。また、回転体22のシャフト部22Bは、図2及び図3に示すように、Oリングのケーシング32を介してケーシング12内に保持される。
【0029】
また、スプリング24は、図2乃至図4に示すように、回転体22のフランジ20側において、回転体22の本体部22Aとスラストベアリング30Aとの間に設置されている。このスプリング24としては、図2乃至図4に示すように、フランジ20のシャフトフランジ部20Bの周囲に配置されたリング状の皿バネを使用することが好適である。
【0030】
このスプリング24は、自由状態においては、この回転体22に連結されたバルブプレート14がケーシング12の開口12Aから離反する方向に(図1及び図3においては回転体22を上方へ押し上げるように)回転体22を付勢している。従って、バルブプレート14に密閉時のための機械的な負荷が係らない開位置においては、回転体22は、図3に示すように、バルブプレート14側のスラストベアリング30Aとの間にギャップが生じない状態で押しつけられ、図1に示すように、バルブプレート14を持ち上げてケーシング12から離反するように付勢している。
【0031】
このため、例えば、バルブプレート14に大気圧や振動等によって、ケーシング12方向(図1及び図3における下方向)への力が作用した場合、本発明と異なりバルブプレート14がスプリング24を介さずに固定的に動力伝達手段18に連結されている場合には、バルブプレート14の根元部分は固定(挟持)されたまま先端に行くに連れて次第に反ってしまうままとなってしまうのに対し、本発明では、スプリング24が、バルブプレート14の根元部分を含めて上下方向への変位を受け止めて吸収すると共に、その付勢力によりバルブプレート14を本来の位置に復元しようとするため、バルブプレート14を所定の位置に調整することができる。このため、バルブプレート14が高速で揺動して振動が生じたり、バルブプレート14の表裏で気圧差が激しい場合であっても、バルブプレート14を設定した所定の位置に調整して適正に揺動させることができる。同時に、バルブプレート14に不自然に負荷された圧力により、バルブプレート14の破損や変形を抑制することができる。
【0032】
一方、チャンバ内の密閉のために図1に示すアイソレーション手段36により、バルブプレート14が、スプリング24の付勢力に抗して、ケーシング12に機械的に密着させられている状態(密閉時)においては、回転体22は、図3に示すように、スプリング24を緩衝部材としてケーシング12側(図1及び図4における下方向)への変位が許容され、回転体22とスラストベアリング30Aとの間にギャップが生じ、密閉状態を保持することができる。この密閉時においても、バルブプレート14は大気圧側から広範囲にわたって圧力を受け、例えば、図1において下側に膨らむように反りが生じうるが、その場合も、バルブプレート14の根元部分もスプリング24により変位できるため、反りによる剪断力を低減して不自然に応力がかかるのを抑制することができ、バルブプレート14の損傷を防止することができる。
【0033】
また、バルブプレートの開閉時(揺動時)においては、このスプリング24の付勢力により、動力伝達手段18は、図1及び図3に示すように、バルブプレート14をケーシング12との間にギャップを保持させたまま揺動させることができる。従って、バルブプレート14を高速で開閉しても、バルブプレート14がケーシング12に衝突や接触等することがなく、円滑な開閉を実現することができると共に、バルブプレート14の損傷を防止して耐用年数を向上させることができる。
【0034】
更に、このスプリング24は、リング状の皿バネから成っているため、バルブプレート14の横方向(周方向)の全方位における傾きを修正することができる。即ち、例えば、バルブプレート14の根元部分と先端を結んだ方向(図1及び図2における左右方向)において生じた傾きや、これに直行する方向(図1及び図2における奥行方向)において生じた傾きのいずれであっても、傾斜の上端側に位置するバネ部分が圧縮され、傾斜の下端側に位置するバネ部分が伸張することによりバルブプレート14の傾きを受け止める一方、その復元力によりバルブプレート14を元の水平位置に戻してバルブプレート14を適正な位置に調整することができ、バルブプレート14の円滑な開閉を確保することができると共に、不自然に応力が集中してバルブプレート14が損傷するのを抑制することができる。
【0035】
(2.バルブプレート)
また、本発明においては、バルブプレート14は、図1に示すように、閉位置にあるときに開口12Aに位置する部分が他の部分よりも薄く形成されている。これにより、バルブプレート14の軽量化を図ることができ、高速での開閉により適したバルブプレート14とすることができる。この場合、図1に示すように、真空となるチャンバ側の表面のみを切削等することもできるし、バルブプレート14の表裏両面を切削等して薄く形成することもできる。
【0036】
また、この軽量化のために、バルブプレート14はアルミニウムから形成することが望ましい。このように、薄肉化や軽量化を図っても、本発明においては、動力伝達手段18のスプリング24により、バルブプレート24の変位や変形を吸収しているため、充分な耐用性を確保することができる。
【0037】
(3.着脱)
更に、本発明においては、モーター16及び動力伝達手段18は、バルブプレート14に着脱自在に連結されている。具体的には、バルブプレートと回転体22は、図1に示すように、スクリュー34により連結され、この連結ピンによる固定を解除することにより、動力伝達手段18及びモーター16、並びに、Oリングのケーシング32を、バルブプレート14やケーシング12から簡易に取り外すことができる。このため、保守や修理等のメンテナンスや交換等を簡易に行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、特に、半導体装置におけるエッチング装置やCVDによる薄膜処理、PVD、更には、フラットパネルディスプレイの製造等に使用される処理チャンバ等に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0039】
10 真空用ゲートバルブ
12 ケーシング
12A 開口
14 バルブプレート
16 モーター
16A 回転軸
18 動力伝達手段
20 フランジ
20A 結合フランジ部
20B シャフトフランジ部
20C 結合板バネ
22 回転体
22A 本体部
22B シャフト部
24 スプリング
26 カバー
28 ローラーベアリング
28A フレーム28A
28B 棒状ローラー
30A、30B スラストベアリング
30a ワッシャ
32 Oリングのケーシング
34 スクリュー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有するケーシングと、前記ケーシング内を揺動して前記開口を開閉するバルブプレートと、前記バルブプレートを駆動するモーターとを備えた真空用ゲートバルブにおいて、前記モーターの回転軸の動力をギアを介さずに同軸上で前記バルブプレートに直接伝達する動力伝達手段を更に有する真空用ゲートバルブであって、前記動力伝達手段は、前記モーターの回転軸に連結されて前記回転軸と共に回転するフランジと、前記フランジ及び前記バルブプレートに連結されて前記フランジと共に回転する回転体と有し、前記回転体は、本体部と、前記本体部から延び前記バルブプレートに連結されるシャフト部を有し、前記ケーシングに固定されたカバー内に設置されて、前記カバーにより横方向及び上下方向を覆われ、前記回転体の本体部は、前記カバーに対して、横方向においてはローラーベアリングを介して、上下方向においては本体部の上下に配置された2つのスラストベアリングを介して保持されることにより、前記カバー内に回転自在に設置されていることを特徴とする真空用ゲートバルブ。
【請求項2】
請求項1に記載された真空用ゲートバルブであって、前記動力伝達手段は、前記回転体に連結された前記バルブプレートが前記ケーシングの開口から離反する方向に前記回転体を付勢するスプリングを更に有し、前記スプリングは、前記バルブプレートの上下方向における変位を吸収することを特徴とする真空用ゲートバルブ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2のいずれかに記載された真空用ゲートバルブであって、前記動力伝達手段は、前記スプリングの付勢力により、前記バルブプレートを前記ケーシングとの間にギャップを保持させて揺動させることを特徴とする真空用ゲートバルブ。
【請求項4】
請求項2又は請求項3のいずれかに記載された真空用ゲートバルブであって、前記スプリングは、リング状の皿バネから成り、前記バルブプレートの横方向の全方位における傾きを修正することを特徴とする真空用ゲートバルブ。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載された真空用ゲートバルブであって、前記バルブプレートは、閉位置にあるときに前記開口に位置する部分が他の部分よりも薄く形成されていることを特徴とする真空用ゲートバルブ。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載された真空用ゲートバルブであって、前記モーター及び動力伝達手段は、前記バルブプレートに着脱可能に連結されていることを特徴とする真空用ゲートバルブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−117592(P2011−117592A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−179187(P2010−179187)
【出願日】平成22年8月10日(2010.8.10)
【分割の表示】特願2009−273432(P2009−273432)の分割
【原出願日】平成21年12月1日(2009.12.1)
【特許番号】特許第4654370号(P4654370)
【特許公報発行日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【出願人】(507307008)プログレッシオ合同会社 (6)
【Fターム(参考)】