説明

眼の画像の評価をサポートする方法及び装置

患者の眼の画像の評価をサポートする方法及びシステムにおいて、画像はスクリーン上に表示される。糖尿病に関連する多数の診断の中から選択された予備的診断に基づき、多数の画像処理アルゴリズムの中から1つの画像処理アルゴリズムが選択される。多数の画像処理アルゴリズムのうち各アルゴリズムは、多数の診断のうちの1つの診断に関連があり、それぞれの診断に特有のパターンをサーチするように設計されている。その後、選択された画像処理アルゴリズムがその画像に適用され、スクリーン上の画像の選択された画像処理アルゴリズムにより検出されたパターンにマークが付される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼の画像の評価をサポートする方法及びシステムに係る。
【0002】
英国国立判別検査委員会(NSC)のウェブサイト(http://www.diabetic-retinopathy.screening.nhs.uk)によると、英国国民のほぼ2%は糖尿病を患っており、そのうちの20万人は1型糖尿病、100万人以上が2型糖尿病であることが知られている。この数は増加すると予想される。英国の2型糖尿病の罹患率は1997年と2010年の間に倍以上になると予想されている。
【0003】
糖尿病合併症の1つは網膜血管に影響を与える糖尿病性網膜症である。増殖性網膜症として知られる新しい欠陥の成長は、出血及び瘢痕による失明につながる恐れがある。血管の喪失及び網膜への漏洩を生ぜしめる網膜血管の劣化は黄斑症として知られており、視覚機能障害につながり、進行すると失明に至る。
【0004】
糖尿病性網膜症は、英国の働き盛りの年齢の国民の間で登録順位1位の失明原因である。有意に多い数の者が視覚機能障害を患い、糖尿病性網膜症になる結果、障害者となる。失明は働き盛りの年齢の者の所得獲得能力を奪うことにもなりかねず、必要とされる福祉コストがかなりのものとなって、予防及び治療コストを凌駕する可能性がある。糖尿病性網膜症は、例えば、血糖値及び血圧を厳しく制限することにより治療することができる。これら両方の治療により、1型及び2型糖尿病患者の糖尿病性網膜症の発病が減少し、進行が遅くなる。糖尿病性網膜症は、治療するにはできるだけ早急な診断が必要である。
【0005】
かくして、糖尿病性網膜症の判別検査の必要性は議論の余地がない。判別検査を行うには、糖尿病と診断された患者グループの眼の画像を撮って、評価する。これらの画像は、眼科医、一般開業医または医学的バックグラウンドをほとんど又は全く持たない者のような判別者により評価される。判別者は、糖尿病による特定の合併症に関連する典型的なパターンをサーチすることにより眼の画像を評価する。
【0006】
本発明の目的は、患者の眼の画像の評価をサポートする方法を提供することにある。
【0007】
本発明の別の目的は、患者の眼の画像の評価をサポートするシステムを提供することにある。
【0008】
第1の目的は、患者の眼の画像をスクリーン上に表示し、画像内の一連の興味ある領域を特定した後、画像内の興味ある各領域にマークを付すステップを含む、眼の画像の評価をサポートする本発明の方法において達成される。興味ある一連の領域は、画像内の一連の領域を評価する評価者グループの中から選択された評価者に合わせてある。
【0009】
本発明の方法によると、患者の眼の画像が評価される。画像は、糖尿病と診断された複数の患者の判別検査時に撮像される。画像は特に患者の網膜から撮像される。糖尿病患者は、いわゆる病変と呼ばれるある特定の眼の異常、または失明に至ることがある疾患に罹りやすい。このような眼の病変または疾患は、微細動脈瘤、バックグラウンド/非増殖性(軽い)網膜症、治療後無症候、黄斑症、臨床有意性黄斑オエデマ(CSMO)、増殖前網膜症、増殖性網膜症及び進行性糖尿病性眼病が含まれる。眼病及び糖尿病関連の眼病のうちの少なくとも1つにかかった患者を診断するには、医師、または評価者と呼ばれる医学的バックグラウンドをほとんどまたは全く持たない熟練者は、患者の眼の画像を評価し、関連の眼病に特有のパターンをサーチする。例えば、患者がバックグラウンド/非増殖性網膜症を患っている場合、患者の眼には、いわゆる綿毛斑、出血及び/または硬性白斑プラス眼の側頭弧に関連するそれらの場所(HE)がある。診断のために、一部の評価者または医師は、引き続いて、いわゆる興味ある領域である眼のある特定の領域を検査する。かくして、本発明の方法によると、興味ある一連の領域が画像を評価する者に合わされる。
【0010】
興味ある一連の領域を特定するには、これら一連の領域を本発明の実施例に従って学習モード時に特定する。
【0011】
本発明の方法のさらに別の実施例では、興味ある一連の領域のうちの少なくとも1つの領域をフレームで取り囲む。
【0012】
本発明の好ましい実施例によると、興味ある少なくとも1つの関連領域の特定は、複数の画像処理アルゴリズムの中から1つの画像処理アルゴリズムを選択し、選択した画像処理アルゴリズムを画像に適用し、検出したパターンを関連の興味ある領域としてマークすることにより行う。選択された画像処理アルゴリズムは、少なくとも1つの興味ある領域に関連するパターンを検出するように設計されている。
【0013】
検出されたパターンは、本発明の1つの実施例に従って強調表示してもよい。
【0014】
第1の目的はまた、眼の画像の評価をサポートする方法であって、患者の眼の画像をスクリーン上に表示し、糖尿病に関連する複数の診断の中から選択された予備的診断に基づき複数の画像処理アルゴリズムの中から1つの画像処理アルゴリズムを選択し、選択された画像処理アルゴリズムを画像に適用し、選択された画像処理アルゴリズムにより検出されたスクリーン上のパターンにマークを付すステップより成る眼の画像の評価をサポートする本発明の方法により達成される。多数の画像処理アルゴリズムのうちの各画像処理アルゴリズムは、多数の診断のうちの1つに関連があり、関連の診断に特有のパターンをサーチするように設計されている。
【0015】
一部の医師または評価者は、最初に予備的診断を行った後、画像内において関連する病変をサーチすることにより予備的診断を検証するのを好む場合がある。各病変は特定のパターンを有する。かくして、医師または評価者が関連の病変に関係するパターンを発見した場合、予備的診断を検証する。予備的診断が、例えばバックグラウンド/非増殖性網膜症である場合、画像は綿毛斑、出血及び/または硬性白斑プラス眼の側頭弧に関連するそれらの場所(HE)を含む。
【0016】
予備的診断が、例えばバックグラウンド/非増殖性網膜症である場合、選択される画像処理アルゴリズムは、綿毛斑、出血及び/または硬性白斑プラス眼の側頭弧に関連するそれらの場所(HE)にとって典型的なパターンを検出するように設計されている。適当な画像処理アルゴリズムは、例えば、G. Zahlmann, et al., “Hybrid Fuzzy Image Processing For Situation Assessment”, IEEE Engineering In Medicine And Biology, January/February 2000, pp. 76-83に記載されている。
【0017】
検出されたパターンは、本発明の好ましい実施例に従って強調表示するかまたはフレームで取り囲むことができる。
【0018】
第2の目的は、データベース、スクリーン及びスクリーンとデータベースに作動的に結合されたデータ処理ユニットを有する本発明のシステムにより達成される。データベースは、糖尿病と診断された多数の患者の眼の多数の画像を含む。データ処理ユニットは、データベースの多数の画像の中から選択される画像を検索し、検索された画像をスクリーン上に表示した後、画像内の一連の興味ある領域にそれぞれマークを付すように構成されている。一連の興味ある領域は多数の画像を評価する評価者クループの中から選択される評価者に合わされる。
【0019】
第2の目的はまた、データベース、スクリーン、及び表示スクリーンとデータベースに作動的に結合されたデータ処理ユニットを有する本発明のシステムにより達成される。データベースは、糖尿病と診断された多数の患者の眼の多数の画像を含む。データ処理ユニットは、データベースの多数の画像の中から選択される画像を検索し、スクリーン上に検索された画像を表示し、多数の画像処理アルゴリズムの中から1つの画像処理アルゴリズムを選択し、選択された画像処理アルゴリズムを画像に適用し、検索画像の検出されたパターンにマークを付すように構成されている。選択された画像処理アルゴリズムは、多数の診断のうちの1つの予備的診断に関連するパターンを検出するように設計されている。
【0020】
図1は本発明のシステムの一例を示す。このシステムは、コンピュータ1乃至3が情報ネットワーク5を介してデータベース4に作動的に接続されたものより成る。データベース4は、一群の患者10の眼(網膜)を撮像した画像9を含む。一群の患者10はそれぞれ糖尿病と診断されている。
【0021】
この実施例において、評価者6乃至8はコンピュータ1乃至3を用いて画像9を評価する。評価者6乃至8のうちの1人が画像9のうちの1つを評価したい場合、彼はコンピュータ1乃至3のうちの1つにログオンして、そのコンピュータによりデータベース4から1つの画像9を検索する。関連の画像は、検索されると、関連のコンピュータに接続されたスクリーン上に表示される。データベース4から画像を検索するためには、データベース4及びコンピュータ1乃至3をそのように構成する。かかる構成は当該技術分野でよく知られており、このためさらなる説明は不要である。
【0022】
図2は、データベース4から検索した後、スクリーン1a乃至3aのうちの1つに表示させた画像の一例である。表示画像は基準符号24を有する。表示画像の評価を文書化するために、この例では、関連のスクリーン上に、画像24に加えて幾つかのプルダウンメニュー20a乃至20nより成るリスト20と、幾つかのラジオボタン21a乃至21lより成るリスト21とが表示される。リスト20の各プルダウンメニューは眼に現れる病変に関連がある。この実施例では、関連の評価者は、プログラムダウンメニュー20aにより微細動脈瘤(MA)を、また、プルダウンメニュー20bにより出血(HAEM)を、さらに、プルダウンメニュー20cにより硬性白斑(HE)を、プルダウンメニュー20dにより綿毛斑(CWS)を、プルダウンメニュー20eにより網膜微細血管異常(IRMA)を、またプルダウンメニュー20fにより静脈異常を、プルダウンメニュー20gにより視神経円板上の血管新生を、プルダウンメニュー20hにより他所の血管新生(NVE)を、プルダウンメニュー20iにより視神経円板上の繊維組織(FTD)を、プルダウンメニュー20jにより他所の繊維組織(FTD)を、プルダウンメニュー20kにより網膜前方出血(PRH)を、プルダウンメニュー20lによりガラス体出血(PRH)を、プルダウンメニュー20jにより網膜牽引を、そしてプルダウンメニュー20nにより網膜剥離を文書化する。
【0023】
一部の評価者のなかには、予備的診断に従って画像を評価するのを好むものがある。関連の評価者は、表示画像を一瞥して予備的診断を行うか、予備的診断を関連の画像を検索する前に誰か他の者に行わせることがある。評価者は、評価する間に関連画像中の関連の病変をサーチすることにより予備的診断を検証しようとする。これらの評価者をサポートするために、この例ではリスト21が表示される。ラジオボタン21a乃至21jを用いて、評価者は一群の予備的診断から選択される1つの予備的診断を下すことができる。あるいは、予備的診断は、データベース4から関連画像を検索する前に既に選択されている場合がある。予備的診断は、ラジオボタン21a及びラジオボタン21c乃至21のうちの1つを作動することにより選択できる。この例において、一群の予備的診断には、微細動脈瘤(MA)、バックグラウンド/非増殖性(軽い)網膜症(BR)、治療後無症候(PQ)、黄斑症(MC)、臨床有意性黄斑オエデマ(CSMO)、増殖前網膜症(PRE)、増殖性網膜症(PRO)及び進行性糖尿病性眼病(AED)が含まれる。その結果、予備的診断としての微細動脈瘤(MA)はラジオボタン21cを作動することにより選択され、予備的診断としてのバックグラウンド/非増殖性(軽い)網膜症(BR)はラジオボタン21dを作動することにより選択され、予備的診断としての治療後無症候(PQ)はラジオボタン21eを作動することにより選択され、予備的診断としての黄斑症(MC)はラジオボタン21fを作動することにより選択され、予備的診断としての臨床有意性黄斑オエデマ(CSMO)はラジオボタン21gを作動することにより選択され、予備的診断としての増殖前網膜症(PRE)はラジオボタン21hを作動することにより選択され、予備的診断としての増殖性網膜症(PRO)はラジオボタン21iを作動することにより選択され、予備的診断としての進行性糖尿病性眼病(AED)はラジオボタン21jを作動することにより選択される。評価者が予備的診断に基づき画像を評価したくない場合、ラジオボタン21bを作動することによりリスト21を非作動状態にすることができる。ラジオボタンは、コンピュータ1に接続されたマウス1b、コンピュータ2に接続されたマウス2b及びコンピュータ3に接続されたマウス3bにより作動することができる。
【0024】
評価者の中には、その後、眼の種々の病変をサーチすることにより表示画像を評価したい者がある。例えば、一部の評価者は斑紋を最初に評価した後、眼の円板の周囲部を評価するのを欲する。関連の評価者は、例えば、関連のコンピュータに接続されたマウスを用いてその周囲をなぞった後、マークが付された領域をズームインすることにより、表示された眼の関連領域にマークを付すことができる。
【0025】
各評価者6乃至8の個人的嗜好に合わせるために、コンピュータ1乃至3は評価者がそれぞれ評価するのを個別にサポートするように構成されている。この例において、コンピュータ1乃至3は学習モード時に評価者1乃至3の個人的習癖を学習するように構成されている。
【0026】
この実施例において、評価者6は予備的診断に基づき表示画像を評価するのを好む。従って、学習モード時にコンピュータ1乃至3のうちの1つにログオンして、データベース4からログオンしたコンピュータにより画像9のうちの1つを検索する場合、リスト21のラジオボタン21aを作動し、予備的診断のうちの1つを選択する。評価者6は一群の予備的診断のリスト21を通常は作動するため、コンピュータ1乃至3は学習モード時にこの習癖を学習する。その結果、予備的診断のリスト21は、評価者6が学習モード時にデータベース4から画像を検索すると既に作動状態にある。
【0027】
この実施例において、評価者7は、予備的診断のリスト21を非作動状態にし、最初に斑紋を評価した後、表示画像の円板の周囲部を評価することにより検索画像を評価するのを好む。従って、学習モード時に、予備的診断のリスト21をその後非作動状態にし、関連の領域をフレームで取り囲み、マークを付した領域をズームインし、その斑紋を評価し、マークを付した領域からズームアウトし、表示された眼の円板の周囲部にマークを付す。コンピュータ1乃至3は、学習モード時にこの習癖を学習する。作動モード時、評価者7がデータベース4から画像9のうちの1つを検索すると、関連のコンピュータは、予備的診断のリスト21を自動的に非作動状態にし、表示された眼の斑紋にマークを付し、マークを付した斑紋をズームインする。評価者7がマークを付した斑紋からズームアウトすると、関連のコンピュータは表示された眼の円板の周囲部にマークを付す。
【0028】
この実施例において、評価者8は予備的診断に基づき画像を評価した後、眼の種々の領域の病変をサーチするのを好む。コンピュータ1乃至3は学習モード時に評価者8の習癖を学習する。作動モード時に、評価者がデータベース4から画像を検索するやいなや、関連のコンピュータは、一群の予備的診断のリスト21を自動的に作動させ、評価者8の嗜好に従って表示された眼の領域にマークを付す。
【0029】
この例では、評価者6は作動モード時にコンピュータ1にログオンする。データベース4から画像24を検索する場合、図3に示すように、画像24がスクリーン1a上に表示され、一群の予備的診断のリスト21のラジオボタン21aが自動的に作動される。その後、評価者6はバックグラウンド/非増殖性(軽い)網膜症(BR)の予備的診断を行い、ラジオボタン21bを作動する。
【0030】
選択された予備的診断「バックグラウンド/非増殖性(軽い)網膜症(BR)」を検証するには、表示画像24の眼に、病変出血(HAEM)、硬性白斑(HE)及び綿毛斑(CWS)のうちの少なくとも1つが含まれなければならない。評価者6乃至8をさらにサポートするために、コンピュータ1乃至3はそれぞれこの例の一群の画像処理アルゴリズムを搭載するように構成されている。各画像処理アルゴリズムは、眼に現れる病変に関連するパターンを検出するように設計されている。かかるパターンの例として、綿毛斑(CWS)を示す眼のふわふわした白斑や、出血を示す浅網膜内出血を示す黒班を含む黒線がある。適当な画像処理アルゴリズムとして、当該技術分野でよく知られたパターン認識アルゴリズムがある。かかる画像処理アルゴリズムの一例は、G. Zahlmann, et al., “Hybrid Fuzzy Image Processing For Situation Assessment”, IEEE Engineering In Medicine And Biology, January/February 2000, pp. 76-83に記載されている。
【0031】
本発明の実施例において、コンピュータ1は、出血(HAEM)、硬性白斑(HE)及び綿毛斑(CWS)に特有のパターンを検出するように設計された画像処理アルゴリズムを自動的に作動させ、評価者6がラジオボタン21bを作動することにより予備的診断としてのバックグラウンド/非増殖性(軽い)網膜症(BR)を選択した後、画像処理アルゴリズムを表示画像24に適用する。この例において、画像処理アルゴリズムは、画像24中にふわふわした白斑、及び黒斑を含む黒線を検出する。この実施例では、ふわふわした白斑は矩形31が自動的に取り囲み、黒斑を含む黒線は矢印32が自動的に付される。検出されたパターンは、例えばカラー化してもよい。
【0032】
この例において、評価者7は作動モード時にコンピュータ2にログオンする。データベース4から画像24が検索されると、図4に示すように、この画像24がスクリーン2a上に表示され、一群の予備的診断のリスト21のうちのラジオボタン21bが自動的に作動されてリスト21を非作動状態にする。評価者7が表示された眼の斑紋を最初に評価するのを好むため、コンピュータ2はコンピュータ1乃至3のそれぞれに蓄積されたさらに別の画像処理アルゴリズムを始動させる。この画像処理アルゴリズムは、表示された斑紋に特有のパターンをサーチすることにより表示された眼の斑紋を検出するように設計されている。画像処理アルゴリズムが表示画像24の斑紋を検出すると、コンピュータ2は画像24において関連の領域を矩形41により取り囲み、マークを付した領域をズームインする。評価者7が斑紋を評価し、リスト20のプルダウンメニュー20a乃至20nを用いてその評価を文書化した後、斑紋のマークを付した領域が自動的にズームアウトされ、画像24から除去される。その後、コンピュータ2は眼の視神経円板に関連するパターンをサーチする別の画像処理アルゴリズムを始動させる。そのパターンを検出した後、コンピュータ2は対応する領域40に自動的にマークを付す。
【0033】
この例において、学習者8は作動モード時にコンピュータ3にログオンする。データベース4から画像24が検索されると、図5に示すように、その画像24はスクリーン3a上に表示され、一群の予備的診断のリスト21のうちのラジオボタン21aが自動的に作動される。その後、評価者8はバックグラウンド/非増殖性(軽い)網膜症(BR)として予備的診断を行い、ラジオボタン21dを作動する。
【0034】
評価者8は表示された眼の斑紋を最初に評価するのを好むため、コンピュータ3は表示された眼の斑紋を検出する画像処理アルゴリズムを始動させる。画像処理アルゴリズムが表示画像24に斑紋を検出すると、コンピュータ3は画像24中の関連の領域を矩形51により自動的に取り囲み、マークを付した領域をズームインする。その後、コンピュータ3は、出血(HAEM)、硬性白斑(HE)及び綿毛斑(CWS)に特有のパターンを検出するように設計された画像処理アルゴリズムを自動的に作動させ、画像処理アルゴリズムを表示画像24のズームイン領域に適用する。この例において、画像処理アルゴリズムは出血(MAEM)を示す黒斑を検出する。検出されたパターンはこの例ではカラー化されている。
【0035】
斑紋を評価した後、この斑紋を含む領域がズームアウトされ、画像24から除去される。その後、出血(HAEM)、硬性白斑(HE)及び綿毛斑(CWS)に特有のパターンを検出するように設計されたアルゴリズムが残りの画像24に適用され、検出されたパターンが強調表示される。
【0036】
当業者により変形例及び設計変更が示唆されることがあろうが、本願の発明者の意図は、本願において保証される特許の範囲内において当該技術への貢献の範囲内で合理的且つ適当に含まれるであろう全ての変形例及び設計変更を実現することである。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明を説明するためのシナリオを示す。
【図2】患者の眼の画像を示す。
【図3】表示を評価者に合わせた画像を示す。
【図4】表示を評価者に合わせた画像を示す。
【図5】表示を評価者に合わせた画像を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼の画像の評価をサポートする方法であって、
患者の眼の画像を表示スクリーン上に表示し、
画像を評価する複数の者から選択される者に合わせた一連の興味ある領域を前記画像内で特定し、
その後、画像の前記一連の興味ある領域のそれぞれにスクリーン上でマークを付すステップより成る眼の画像の評価をサポートする方法。
【請求項2】
一連の興味ある領域を特定するためにコンピュータにより学習モードを実行するステップを含む請求項1の方法。
【請求項3】
一連の興味ある領域のうち少なくとも1つの領域をフレームで取り囲むステップより成る請求項1または2の方法。
【請求項4】
一連の興味ある領域のうち少なくとも1つの領域を特定するために、
少なくとも1つの興味ある領域に関連するパターンを画像内で検出するように設計された画像処理アルゴリズムを複数の画像処理アルゴリズムの中から選択し、
選択された画像処理アルゴリズムを画像に適用し、
スクリーン上の検出されたパターンに、少なくとも1つの興味ある領域としてマークを付すステップより成る請求項1乃至3のうちの1項の方法。
【請求項5】
スクリーン上の検出されたパターンを強調表示するステップより成る請求項4の方法。
【請求項6】
眼の画像の評価をサポートする方法であって、
患者の眼の画像をスクリーン上に表示し、
糖尿病に関連する複数の診断の中から選択された予備的診断に基づき、複数の画像処理アルゴリズムの中から、各々が複数の診断のうちの1つに関連し、その診断に特有のパターンをサーチするように設計された1つの画像処理アルゴリズムを選択し、
選択された画像処理アルゴリズムを画像に適用し、
選択された画像処理アルゴリズムにより検出されたスクリーン上のパターンにマークを付すステップより成る眼の画像の評価をサポートする方法。
【請求項7】
スクリーン上の検出されたパターンを強調表示するステップを含む請求項6の方法。
【請求項8】
検出されたパターンをスクリーン上のフレームにより取り囲むステップより成る請求項6または7の方法。
【請求項9】
複数の糖尿病患者の眼の複数の画像を含むデータベースと、
表示スクリーンと、
表示スクリーン及びデータベースに作動的に結合されたデータ処理ユニットとより成り、データ処理ユニットは、データベースの複数の画像の中から選択される画像を検索し、スクリーン上に検索された画像を表示し、検索された画像内の一連の興味ある領域を特定するように構成され、一連の興味ある領域は複数の画像の中の画像を評価する複数の評価者の中から選択された評価者に合わされ、その後、スクリーン上の画像の一連の興味ある領域にそれぞれマークを付すように構成されているシステム。
【請求項10】
データベースユニットは、コンピュータによる学習モード時に一連の興味ある領域を特定する請求項9のシステム。
【請求項11】
データ処理ユニットは、スクリーン上において一連の興味ある領域のうちの少なくとも1つの領域をフレームにより取り囲む請求項9または10のシステム。
【請求項12】
データ処理ユニットはさらに、複数の画像処理アルゴリズムの中から1つの画像処理アルゴリズムを選択し、選択された画像処理アルゴリズムは一連の興味ある領域のうちの少なくとも1つの領域に関連するパターンを検出し、選択された画像処理アルゴリズムを前記画像に適用し、スクリーン上の検出されたパターンに少なくとも1つの興味ある領域としてマークを付すように設計されている請求項9乃至11のうちの1項のシステム。
【請求項13】
データ処理ユニットはスクリーン上の検出されたパターンを強調表示する請求項12のシステム。
【請求項14】
複数の糖尿病患者の眼の複数の画像を含むデータベースと、
表示スクリーンと、
表示スクリーン及びデータベースに作動的に結合されたデータ処理ユニットとより成り、データ処理ユニットは、データベースの複数の画像の中から選択される画像を検索し、スクリーン上に検索された画像を表示し、複数の画像処理アルゴリズムの中から各々が複数の診断のうちの1つに関連し、その診断に特有のパターンをサーチするように設計された1つの画像処理アルゴリズムを選択し、 選択された画像処理アルゴリズムを画像に適用し、スクリーン上の検索画像の検出されたパターンにマークを付すように構成されているシステム。
【請求項15】
データ処理ユニットは検出されたパターンを強調表示する請求項14のシステム。
【請求項16】
データ処理ユニットは、スクリーン上において検出されたパターンをフレームにより取り囲む請求項14または15のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2006−507068(P2006−507068A)
【公表日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−554319(P2004−554319)
【出願日】平成15年10月30日(2003.10.30)
【国際出願番号】PCT/EP2003/012336
【国際公開番号】WO2004/049185
【国際公開日】平成16年6月10日(2004.6.10)
【出願人】(591209109)シーメンス アクチェンゲゼルシャフト (29)
【氏名又は名称原語表記】SIEMENS AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】