説明

硬化性樹脂組成物

【課題】ハロゲン化ホウ素系化合物を硬化促進剤として使用した場合でも、製造直後から優れた硬化性を示し、経時による硬化速度のブレが少ない硬化性樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】分子内に3級アミノ基を含有せず、かつ分子内に架橋性シリル基を有する硬化性樹脂(A)100質量部に対して、未処理の重質炭酸カルシウム粉(B)10〜500質量部、表面処理された沈降炭酸カルシウム粉(C)10〜500質量部、ハロゲン化ホウ素系化合物(D)0.01〜10質量部、塩基性化合物(E)0.5〜30質量部を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室温大気下で硬化可能である、架橋性シリル基を含有する硬化性樹脂組成物に関し、より詳しくは、環境負荷の低減が可能であるとともに、安全性を確保しつつ、十分な硬化速度を有する硬化性樹脂組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
主鎖が有機重合体であり、その分子内に分子間架橋可能な架橋性シリル基を有する硬化性樹脂は、アルコキシシリル基等の架橋性シリル基が大気中の水分で加水分解し架橋する、いわゆる湿気硬化型ポリマーであり、シーリング材、接着剤、粘着剤、塗料等のベースポリマーとして幅広く利用されている(特許文献1〜4)。このような湿気硬化型ポリマーは、シーリング材、接着剤、塗料等に使用する場合、一般的に有機錫化合物などが、該湿気硬化型ポリマーの硬化を促進させるために配合される(特許文献5、6)。
しかしながら、有機錫化合物は、その硬化促進活性は非常に高いが、近年その毒性が問題となっているものがあるため、有機錫化合物に代わる硬化促進剤が求められていた。ところが、その代替の硬化促進剤に例えばアミン化合物等を利用すると、有機錫化合物と比較して硬化促進活性が低いため硬化性が不十分であるという問題があった。また、カルボン酸等の酸性化合物を利用すると、シーリング材や接着剤等に応用する際に、接着性が不十分になる場合があるという問題があった。
そこで、そのような問題を解決するために、三フッ化ホウ素等に代表されるハロゲン化ホウ素化合物やフルオロシラン化合物等のハロゲン化合物が、該湿気硬化型ポリマーの硬化促進剤として使用できることが提案されている(特許文献7〜9)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭52−73998号公報
【特許文献2】特許第3030020号公報
【特許文献3】特許第3343604号公報
【特許文献4】特表2005−514504号公報
【特許文献5】特開平8−283366号公報
【特許文献6】特許第3062625号公報
【特許文献7】特開2005−054174号公報
【特許文献8】WO2006/051799号公報
【特許文献9】WO2007/123167号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなハロゲン化合物を硬化促進剤として使用した場合、非常に高い硬化促進効果が得られる。しかしながら、これらの硬化促進剤系においては、組成物の成分の組み合わせによっては硬化性の発現のために一定の促進期間が必要であり、製造直後の硬化性が不十分である場合があった。そのため、経時による硬化速度のブレ(変化)が発生するという問題があった。
【0005】
すなわち、本発明が解決しようとする課題は、このようなハロゲン化合物、特に、ハロゲン化ホウ素系化合物を硬化促進剤として使用した場合でも、製造直後から優れた硬化性を示し、経時による硬化速度のブレが少ない硬化性樹脂組成物を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、上述のような問題を解決するために、本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、ハロゲン化ホウ素系化合物を硬化促進剤として使用した場合でも、特定の硬化性樹脂組成物、特定の重質炭酸カルシウム粉、特定の沈降炭酸カルシウム粉、及び特定の塩基性化合物を用いることで、製造直後から優れた硬化性を示し、経時による硬化速度のブレが少ない硬化性樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち、第1の発明は、分子内に3級アミノ基を含有せず、かつ分子内に架橋性シリル基を有する硬化性樹脂(A)100質量部に対して、
未処理の重質炭酸カルシウム粉(B)10〜500質量部、
表面処理された沈降炭酸カルシウム粉(C)10〜500質量部、
ハロゲン化ホウ素系化合物(D)0.01〜10質量部、
塩基性化合物(E)0.5〜30質量部
を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物に関するものである。
分子内に3級アミノ基を含有せず、かつ分子内に架橋性シリル基を有する硬化性樹脂を用いることで、製造直後から優れた硬化性を示すという効果が得られる。
【0008】
第2の発明は、硬化性樹脂(A)が、分子内に下記一般式(1)で表される架橋性シリル基を有することを特徴とする第1の発明に係る硬化性樹脂組成物に関するものである。
−SiR3−a(OR ・・・式(1)
(但し、Rは炭素数1〜20の炭化水素基を、Rは分子量300以下の有機基を、aは1、2又は3を、それぞれ示す)
硬化性樹脂(A)が特定構造のアルコキシシリル基を有すると、硬化性や入手性に優れ、有用である。
【0009】
第3の発明は、硬化性樹脂(A)が、架橋性シリル基がジアルコキシシリル基(一般式(1)においてa=2)である硬化性樹脂(A1)と、架橋性シリル基がトリアルコキシシリル基(一般式(1)においてa=3)である硬化性樹脂(A2)を併用し、かつ硬化性樹脂(A1):硬化性樹脂(A2)=10:90〜90:10であることを特徴とする、第2の発明に係る硬化性樹脂組成物に関するものである。
架橋性シリル基がジアルコキシシリル基である硬化性樹脂と、トリアルコキシシリル基である硬化性樹脂を併用することで、硬化物物性と硬化性のバランスを取りやすいという効果が得られる。
【0010】
第4の発明は、硬化性樹脂(A)の主鎖が、オキシアルキレン重合体であることを特徴とする、第1〜第3のいずれかの発明に係る硬化性樹脂組成物に関するものである。
硬化性樹脂(A)の主鎖がオキシアルキレン重合体であると、比較的低粘度に調製できるという効果が得られる。
【0011】
第5の発明は、ハロゲン化ホウ素系化合物(D)が、三フッ化ホウ素系化合物であることを特徴とする、第1〜第4のいずれかの発明に係る硬化性樹脂組成物に関するものである。
ハロゲン化ホウ素系化合物(D)が、三フッ化ホウ素系化合物であると、ハロゲン化ホウ素系化合物の硬化促進効果が一層発揮されやすく、硬化性樹脂組成物の硬化性が高められるという効果が得られる。
【0012】
第6の発明は、塩基性化合物(E)が、下記一般式(2)で表されるアミノシラン化合物であることを特徴とする、第1〜第5のいずれかの発明に係る硬化性樹脂組成物に関するものである。
N−R−SiR3―b(OR ・・・式(2)
(但し、R、Rは分子量500以下の有機基又は水素原子を、Rは分子量500以下の有機基を、Rは炭素数1〜20の炭化水素基を、Rは分子量300以下の有機基を、bは1、2又は3を、それぞれ示す)
塩基性化合物(E)が特定構造のアミノシラン化合物であると、十分な硬化性が得られ、さらに接着剤やシーリング材等に応用した際に十分な接着性が発現しやすいという効果が得られる。
【0013】
第7の発明は、硬化性樹脂(A)100質量部に対して、さらにエポキシシラン化合物(F)0.1〜30質量部を含有することを特徴とする、第1〜第6のいずれかの発明に係る硬化性樹脂組成物に関するものである。
エポキシシラン化合物を用いることで、接着剤やシーリング材等に応用した際に十分な接着性が発現しやすいという効果が得られる。
【0014】
第8の発明は、第1〜第7のいずれかの発明に係る硬化性樹脂組成物を含有することを特徴とする接着性組成物に関するものである。
本発明に係る硬化性樹脂組成物を硬化性成分として用いることにより、製造直後から十分な硬化性を有する上に、経時による硬化速度のブレが少ない、接着性組成物を調製することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る硬化性樹脂組成物は、ハロゲン化ホウ素系化合物を硬化促進剤として使用した場合でも、製造直後から優れた硬化性を示し、経時による硬化速度のブレが少ない硬化性樹脂組成物が得られるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態を、詳細に説明する。なお、本発明はこれらの例示にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加え得ることは勿論である。
【0017】
[硬化性樹脂(A)について]
本発明における硬化性樹脂(A)は、分子内に3級アミノ基を含有せず、かつ分子内に架橋性シリル基を有する硬化性樹脂である。分子内に3級アミノ基を含有しないことで、ハロゲン化ホウ素系化合物を用いた場合にも、製造直後から優れた硬化性を示し、経時による硬化速度のブレが少ない。このような効果が発現する理由は定かではないが、分子内に3級アミノ基を有すると、3級アミノ基とハロゲン化ホウ素系化合物との相互作用により、配合直後に触媒能が十分発揮されないのではないかと考えられる。本発明で使用される硬化性樹脂(A)は、作業性などの面から、室温で液状であることが好ましい。
【0018】
上記架橋性シリル基は、珪素原子に加水分解性基が1〜3個結合すると共に、炭化水素基が2〜0個結合しているものである。そして、この珪素原子には、主鎖が結合している。加水分解性基の数としては、硬化速度を高めたい場合は3個が好ましく、硬化物に柔軟性を付与したい場合は2個又は1個が好ましい。これらは各々の硬化性樹脂組成物に求められる性能によって、適宜比率を調整すればよい。ここで、加水分解性基としては、ヒドロキシ基や、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、2−(ブトキシ)エトキシ基、フェノキシ基等のアルコキシ基が、一般的に用いられる。その他、ハロゲン基やメルカプト基等の従来公知の加水分解性基も用いることができる。
【0019】
上記架橋性シリル基は、下記一般式(1)で表されるような架橋性シリル基であるのが好ましい。
−SiR3−a(OR ・・・式(1)
(但し、Rは炭素数1〜20の炭化水素基を、Rは分子量300以下の有機基を、aは1、2又は3を、それぞれ示す)
上記架橋性シリル基の炭化水素基(R1)としては、メチル基やエチル基等のアルキル基が一般的に用いられる。また、アルキル基等の炭化水素基には、クロロアルキル基等の置換基を有していてもよい。
上記架橋性シリル基の加水分解性基(OR)としては、取り扱いの容易さ、入手の容易さ等の観点から、アルコキシ基である(すなわち、Rがアルキル基である)ことが好ましく、炭素数1〜4のアルコキシ基であることがより好ましい。
【0020】
硬化性樹脂(A)は、架橋性シリル基がジアルコキシシリル基(上記一般式(1)においてa=2)である硬化性樹脂(A1)と、架橋性シリル基がトリアルコキシシリル基(上記一般式(1)においてa=3)である硬化性樹脂(A2)を併用すると、硬化物物性と硬化性のバランスを取りやすいという効果が得られるので好ましい。また、その配合比率は、硬化性樹脂(A1):硬化性樹脂(A2)=10:90〜90:10であることが好ましい。さらに、硬化性と接着強さのバランスを取りやすいことから、硬化性樹脂(A1):硬化性樹脂(A2)=20:80〜80:20が好ましく、30:70〜70:30がより好ましく、40:60〜60:40が特に好ましい。
【0021】
硬化性樹脂(A)の主鎖骨格としては、従来公知の有機重合体の主鎖骨格を用いることができる。例えば、オキシアルキレン重合体、ビニル重合体(例えば、ポリアクリレート、ポリメタクリレート等)、飽和炭化水素重合体、不飽和炭化水素重合体、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリジメチルシロキサン等のシリコーン樹脂及び変成シリコーン樹脂に一般的に用いられている主鎖骨格から選ばれる1種以上の骨格が採用できる。また、硬化性樹脂(A)の中に該構造が単独で含まれていてもよいし、2種以上含まれていてもよい。これらのなかでは、本質的にオキシアルキレン重合体あるいはビニル重合体であることが、入手の容易さ、合成の容易さの点からより好ましく、オキシアルキレン重合体であることが比較的低粘度に調製できることから特に好ましい。また、オキシアルキレン重合体を骨格とする硬化性樹脂とビニル重合体を骨格とする硬化性樹脂を併用すると、接着性や皮膜物性のバランスが向上するため、好ましい。また、オキシアルキレン重合体としては、エチレンオキサイド重合体、プロピレンオキサイド重合体、ブチレンオキサイド重合体、ポリテトラメチレングリコール、及び、それらの共重合体等が好適に用いられる。なかでも、エチレンオキサイド重合体、プロピレンオキサイド重合体、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体であると、作業性に優れた低粘度な硬化性樹脂組成物が得られやすいため好ましい。
【0022】
硬化性樹脂(A)の市販品としては、シリコーン樹脂又は変成シリコーン樹脂として多数販売されている。例えば、カネカ社製のサイリルシリーズ、カネカMSポリマーシリーズ、MAシリーズ、EPシリーズ、SAシリーズ、ORシリーズ、旭硝子社製のエクセスターシリーズ、デグサジャパン社製のシラン変性ポリアルファオレフィン、信越化学工業社製のKCシリーズ、KRシリーズ、X−40シリーズ、東亞合成社製のXPRシリーズ、綜研化学社製のアクトフローシリーズ等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
【0023】
また、硬化性樹脂(A)のなかでも、分子内に特定の極性基を有する硬化性樹脂を好適に用いることができる。特定の極性基の具体例としては、(チオ)ウレタン基,アロファネート基,その他のN−置換ウレタン基,N−置換アロファネート基等の(チオ)ウレタン基由来の結合基、(チオ)ウレア基,ビウレット基,それ以外のN−置換ウレア基,N,N’−置換ウレア基、N−置換ビウレット基,N,N’−置換ビウレット基等の(チオ)ウレア基由来の結合基、アミド基、N−置換アミド基等のアミド基由来の結合基、イミノ基由来の結合基に代表される含窒素特性基や、(チオ)エステル基、(チオ)エーテル基等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。なお、本発明における置換とは、結合基の少なくとも1個以上の活性水素が有機基で置換されていることを意味する。これらのなかでは、硬化性の高さから含窒素特性基が好ましく、合成の容易さから、(チオ)ウレタン基由来の結合基、(チオ)ウレア由来の結合基がより好ましい。また、該含窒素特性基は、上記硬化性樹脂(A)中に1個だけ含まれていてもよく、さらに1種又は2種以上の含窒素特性基が複数含まれていてもよい。
【0024】
硬化性樹脂(A)中に上記含窒素特性基等の極性基が含まれると、硬化物の強靱性が向上するうえ、硬化性が高まる。特に、上記架橋性シリル基が含窒素特性基等の極性基を介して主鎖に連結されている場合、より硬化性が高まる。その理由としては、該含窒素特性基の極性基同士が、水素結合等の相互作用により強く引き合うことが挙げられる。該含窒素特性基の極性基同士が強く引き合うことにより、硬化性樹脂の分子同士も強く結びつく(ドメイン形成する)ことで硬化物に強靱性が発現すると考えられるのである。また、上記架橋性シリル基が含窒素特性基等の極性基を介して主鎖に連結されている場合、該含窒素特性基同士ドメイン形成に際し、それに伴って該架橋性シリル基同士も近接することによって、該架橋性シリル基同士の接触確率も向上し、さらに、該含窒素特性基中の極性基による硬化促進効果によって該架橋性シリル基同士の縮合反応性が向上することが考えられる。
【0025】
このような、分子内に3級アミノ基を含有せず、分子内に架橋性シリル基を有し、かつ、分子内に上記極性基を有する硬化性樹脂は、従来公知の方法で合成することができる。例えば、イソシアネート基末端ポリマーにアミノ基含有アルコキシシラン化合物を反応させる方法や、水酸基末端ポリオールにイソシアネート基含有アルコキシシラン化合物を反応させる方法等が知られている。これらのなかでは、イソシアネート基末端ポリマーにアミノ基含有アルコキシシラン化合物を反応させる方法が、原料選択の幅が広いため好ましい。また、アミノ基含有アルコキシシラン化合物は、そのアミノ基が第2級アミノ基である第2級アミノシラン化合物であることが、低粘度の硬化性樹脂(A)が調製できるため好ましい。該第2級アミノシラン化合物は、分子内に第1級アミノ基を有するアルコキシシラン化合物(第1級アミノシラン化合物)から誘導することができる。例えば、アクリル酸エステル,メタクリル酸エステル,マレイン酸エステル化合物等のα,β−不飽和カルボニル化合物や、アクリロニトリル等に、該第1級アミノシラン化合物を共役付加させる方法などが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。より具体的には、特許第3030020号公報、特許第3343604号公報、特開2005−54174公報、特開2005−139452号公報、特表2005−501146号公報等に記載の方法で容易に合成することができる。
【0026】
[未処理の重質炭酸カルシウム粉(B)について]
本発明における未処理の重質炭酸カルシウム粉(B)は、CaCOを主成分とする石灰石、貝殻、白亜などを機械的に粉砕したものであり、硬化性樹脂(A)に対する充填材として利用するものである。上記未処理の重質炭酸カルシウム粉(B)を配合することにより、硬化物に強靭性を与えたり、硬化物の物性を調整して接着強さを向上させたりすることができる。求められる性能に応じて、下記に例示される炭酸カルシウム粉を一種もしくは複数種組み合わせて用いればよい。
【0027】
上記未処理の重質炭酸カルシウム粉(B)の具体例としては、従来公知の重質炭酸カルシウム粉が挙げられる。この中では、配合物の粘度を低くしたい場合は、粒子径が比較的大きいものが好ましい。また、配合物の粘度を上げてより揺変性を付与したい場合は、粒子径が比較的小さいものが好ましい。それらは用途に応じて使い分ければよい。
【0028】
上記未処理の重質炭酸カルシウム粉(B)は市販されており、本発明ではそれらを用いることができる。市販品としては、08重炭、R重炭、スーパーS、スーパー#1500、スーパー#2300、ナノックス#25、ナノックス#30(以上、丸尾カルシウム社製商品名)や、ソフトン3200、ソフトン1000、BF−100、BF−300(以上、白石カルシウム社製商品名)、NN#500、NS#100、NS#400、NITREX23P、NCC−P、TSS#400(以上、日東粉化工業社製商品名)等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
【0029】
上記未処理の重質炭酸カルシウム粉(B)の平均粒子径は、100nm以上であることが好ましく、200nm以上であることがより好ましく、500nm以上であることが特に好ましい。100nm未満であると粒子の擬凝集が起こる場合がある。なお、粒子径は大きいほどよいが、意匠性、硬化物の物性、接着性等にも影響を及ぼすため、平均粒子径100nm以上の未処理の重質炭酸カルシウム粉の中から、その都度求められる性能に応じたものを選択すればよい。
【0030】
上記未処理の重質炭酸カルシウム粉(B)の配合量としては、100質量部の硬化性樹脂(A)に対して、10〜500質量部が好ましく、20〜300質量部がより好ましく、30〜200質量部が特に好ましい。10質量部を下回ると、充填材に求められる補強効果が十分ではない場合があり、500質量部を上回ると、硬化物が脆くなったり粘度が上がりすぎたりする場合がある。
【0031】
[表面処理された沈降炭酸カルシウム粉(C)について]
本発明における表面処理された沈降炭酸カルシウム粉(C)は、石灰石などから化学的に製造され、硬化性樹脂(A)に対する充填材として利用するものである。上記表面処理された沈降炭酸カルシウム粉(C)を配合することにより、硬化物に強靭性を与えたり、硬化性樹脂組成物の作業性を向上させたりすることができる。求められる性能に応じて、下記に例示される炭酸カルシウム粉を一種もしくは複数種組み合わせて用いればよい。また、未処理の重質炭酸カルシウム粉(B)と併用することにより、より優れた強靭性付与効果及びより高い作業性が発現される。
【0032】
上記表面処理された沈降炭酸カルシウム粉(C)の具体例としては、従来公知の沈降炭酸カルシウム粉に表面処理した炭酸カルシウム粉等が挙げられる。この中では、配合物の粘度を低くしたい場合は、粒子径が比較的大きいものが好ましい。また、配合物の粘度を上げてより揺変性を付与したい場合は、粒子径が比較的小さいものが好ましい。それらは用途に応じて使い分ければよい。
【0033】
上記表面処理された沈降炭酸カルシウム粉(C)を製造するための表面処理剤としては、パルミチン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等に代表される脂肪酸や不飽和脂肪酸、及び、ロジン酸系化合物等のカルボン酸及びそのエステル、ヘキサメチルジシラザン、クロロシラン、アミノシラン等のシラン化合物、パラフィン系化合物などが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。中でも、表面処理剤がカルボン酸であると、硬化性樹脂組成物とした場合に、経時による硬化速度のブレが小さい上に作業性を向上させることができることから好ましい。さらに、カルボン酸のなかでも飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸が、経時による硬化速度のブレが小さい上に作業性を向上させることができることから、特に好ましい。
【0034】
上記表面処理された沈降炭酸カルシウム粉(C)は市販されており、本発明ではそれらを用いることができる。市販品としては、カルファイン200、カルファイン200M、カルファインN−350、カルファイン500、カルファインN−40、シーレッツ200、MS−100M、ナノコートS−25、ナノコートS−30、MCコートS−10、MCコートP−10(以上、丸尾カルシウム社製商品名)や、VIGOT−10、VIGOT−15、白艶華CC、白艶華CC−R、白艶華CCR−B、白艶華CCR−S、白艶華CCR−S10、ビスコエクセル30、ビスコエクセル30−K、ホモカルD、ACTIFORT−700、SL−101(以上、白石カルシウム社製商品名)等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
【0035】
上記表面処理された沈降炭酸カルシウム粉(C)は、平均粒子径1.0μm以上の軽質炭酸カルシウム、0.1μm〜1.0μmの半膠質(セミコロイド)炭酸カルシウム、0.1μm以下の膠質(コロイド)炭酸カルシウムに分類され、作業性向上の観点では膠質(コロイド)炭酸カルシウムが好ましい。表面処理された沈降炭酸カルシウム粉(C)の平均粒子径は、10nm〜10μmであることが好ましく、20nm〜1μmであることがより好ましく、40nm〜0.1μmであることが特に好ましい。
【0036】
上記表面処理された沈降炭酸カルシウム粉(C)の配合量としては、100質量部の硬化性樹脂(A)に対して、10〜500質量部が好ましく、20〜300質量部がより好ましく、30〜200質量部が特に好ましい。10質量部を下回ると、充填材に求められる補強効果が十分ではない場合があり、500質量部を上回ると、硬化物が脆くなったり粘度が上がりすぎたりする場合がある。
【0037】
[ハロゲン化ホウ素系化合物(D)について]
本発明におけるハロゲン化ホウ素系化合物(D)は、ホウ素にハロゲンが結合した構造を有する、硬化性樹脂(A)の硬化を促進させる化合物である。代表例としては、三塩化ホウ素及びそのルイス塩基との錯体、及び、三フッ化ホウ素及びそのルイス塩基との錯体等が挙げられ、具体的には、三塩化ホウ素のアミン錯体、三フッ化ホウ素のアミン錯体、アルコール錯体、エーテル錯体、チオール錯体、スルフィド錯体、カルボン酸錯体、水錯体等が例示される。これらの中では、入手の容易さ及び配合のしやすさから、三フッ化ホウ素のアルコール錯体又はアミン錯体が好ましく、安定性と触媒活性を兼ね備えていることから、三フッ化ホウ素のアミン錯体が最も好ましい。
【0038】
上記三フッ化ホウ素アミン錯体に用いられるアミン化合物としては、アンモニア、モノエチルアミン、トリエチルアミン、ピペリジン、アニリン、モルホリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、グアニジン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、N−メチル−3,3′−イミノビス(プロピルアミン)、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンジアミン、ペンタエチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,2−ジアミノブタン、1,4−ジアミノブタン、1,9−ジアミノノナン、ATU(3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン)、CTUグアナミン、ドデカン酸ジヒドラジド、ヘキサメチレンジアミン、m−キシリレンジアミン、ジアニシジン、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジエチルジフェニルメタン、ジアミノジフェニルエーテル、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、トリジンベース、m−トルイレンジアミン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、メラミン、1,3−ジフェニルグアニジン、ジ−o−トリルグアニジン、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、N−(3−アミノプロピル)−1,3−プロパンジアミン、ビス(3−アミノプロピル)エーテル、ハンツマン社製ジェファーミン等の複数の第一級アミノ基を有する化合物、ピペラジン、シス−2,6−ジメチルピペラジン、シス−2,5−ジメチルピペラジン、2−メチルピペラジン、N,N′−ジ−t−ブチルエチレンジアミン、2−アミノメチルピペリジン、4−アミノメチルピペリジン、1,3−ジ−(4−ピペリジル)−プロパン、4−アミノプロピルアニリン、ホモピペラジン、N,N′−ジフェニルチオ尿素、N,N′−ジエチルチオ尿素、N−メチル−1,3−プロパンジアミン等の複数の第二級アミノ基を有する化合物、更に、メチルアミノプロピルアミン、エチルアミノプロピルアミン、エチルアミノエチルアミン、ラウリルアミノプロピルアミン、2−ヒドロキシエチルアミノプロピルアミン、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−アミノプロピルピペラジン、3−アミノピロリジン、1−o−トリルビグアニド、2−アミノメチルピペラジン、N−アミノプロピルアニリン、エチルアミンエチルアミン、2−ヒドロキシエチルアミノプロピルアミン、ラウリルアミノプロピルアミン、2−アミノメチルピペリジン、4−アミノメチルピペリジン、式 HN(CNH)H(n≒5)で表わされる化合物(商品名:ポリエイト、東ソー社製)、N−アルキルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ピリジン、N−アルキルピペリジン、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン等の複環状第三級アミン化合物等の他、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、4−アミノ−3−ジメチルブチルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−3−[アミノ(ジプロピレンオキシ)]アミノプロピルトリエトキシシラン、(アミノエチルアミノメチル)フェネチルトリエトキシシラン、N−(6−アミノヘキシル)アミノメチルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−11−アミノウンデシルトリエトキシシラン等のアミノシラン化合物が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。上記三フッ化ホウ素アミン錯体は市販されており、本発明ではそれらを用いることができる。市販品としては、エアプロダクツジャパン株式会社製のアンカー1040、アンカー1115、アンカー1170、アンカー1222、BAK1171等が挙げられる。
【0039】
上記ハロゲン化ホウ素系化合物(D)は、所望の硬化速度等を得るために適宜選択すればよい。また、上記ハロゲン化ホウ素系化合物(D)は1種単独で使用してもよいし2種以上併用してもよい。上記ハロゲン化ホウ素系化合物(D)の配合量としては、硬化性樹脂(A)100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましく、0.05〜5.0質量部がより好ましく、0.1〜2.0質量部が特に好ましい。0.01質量部を下回ると硬化促進効果が十分ではない場合があり、10質量部を上回ると貯蔵安定性が悪くなるなどの問題が起こる場合がある。
【0040】
[塩基性化合物(E)について]
本発明における塩基性化合物(E)は、硬化性樹脂(A)の硬化を促進する化合物である。塩基性化合物(E)としては、アミン化合物やホスファゼン化合物が好適に用いられる。該アミン化合物は、分子内に少なくとも第一級アミノ基、第二級アミノ基、又は第三級アミノ基を有する化合物である。塩基性化合物(E)は、所望の性能を得るために適宜選択すればよく、さらに1種単独又は2種以上合わせて使用してもよい。
【0041】
該アミン化合物の具体例としては、ヘキシルアミン、ドデシルアミン、ステアリルアミン等の第一級アミン化合物、ジn−ブチルアミン、ジオクチルアミン、ジラウリルアミン、ピペリジン等の第二級アミン化合物、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミン等の第三級アミン化合物、グアニジン、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン、N,N′−ジフェニルグアニジン、1−フェニルグアニジン、フェニルビグアニド、1−(o−トリル)ビグアニド等のグアニジン化合物、ピリジン、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン等の環状アミン化合物、HN(CNH)H(n≧1)で表わされる化合物、ハンツマン社製商品名ジェファーミンシリーズ等の分子末端に第1級アミノ基を有するオキシアルキレン重合体、日本触媒株式会社製商品名エポミンシリーズ等のポリエチレンイミン、日本触媒株式会社製商品名ポリメントシリーズ等のアミノエチル化アクリルポリマー等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。また、上記のアミン化合物における第一級アミノ基含有化合物とケトン類との反応生成物であるケチミン化合物、第一級アミノ基含有化合物とアルデヒド類との反応生成物であるアルジミン化合物、β−アミノアルコール化合物とケトン類との反応生成物であるオキサゾリジン化合物も使用することができる。
これらの化合物の中では、助触媒的な効果が高い1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン等の環状アミン化合物が好ましく、さらに液状であることから1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エンがより好ましい。
【0042】
また、本発明における塩基性化合物(E)として、分子内に1個以上のアミノ基と1個以上の架橋性シリル基を有するアミノシラン化合物を利用することができる。
N−R−SiR3―b(OR ・・・式(2)
(但し、R、Rは分子量500以下の有機基又は水素原子を、Rは分子量500以下の有機基を、Rは炭素数1〜20の炭化水素基を、Rは分子量300以下の有機基を、bは1、2又は3を、それぞれ示す)
該アミノシラン化合物の具体例としては、上記一般式(2)で表される化合物が含まれ、より具体的には、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(6−アミノヘキシル)アミノメチルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、4−アミノ−3−ジメチルブチルトリメトキシシラン、4−アミノ−3−ジメチルブチルメチルジメトキシシラン、[2−アミノエチル−(2′−アミノエチル)]−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等の第1級アミノ基含有アミノシラン化合物、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニルアミノプロピルトリエトキシシラン、N−ブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−エチルアミノイソブチルトリメトキシシラン、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン等の第2級アミノ基含有アミノシラン化合物、分子内にイミダゾール基及び架橋性シリル基を有するイミダゾールシラン化合物等の第3級アミノ基を有するアミノシラン、水と反応して第1級アミノ基を生成する官能基を有するケチミンシラン化合物(3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン等)あるいはアルジミンシラン化合物、MS3301(チッソ株式会社製商品名)、MS3302(チッソ株式会社製商品名)、X−40−2651(信越化学工業株式会社製商品名)、DYNASYLAN1146(エボニックデグサ社製商品名)等のアミノシランのシリル基を単独あるいはその他のアルコキシシラン化合物と一部縮合させた化合物等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。一般的にアミノシラン化合物は、金属材料に対する接着性付与剤として機能するため、本発明にかかる上記アミノシラン化合物は、硬化促進剤兼接着性付与剤として活用することができる。
【0043】
塩基性化合物(E)の配合量は、硬化性樹脂(A)の硬化が促進される量であれば特に限定されないのではあるが、硬化性樹脂(A)100質量部に対して、0.5〜30質量部が好ましく、0.8〜20質量部がより好ましく、1.0〜10質量部が特に好ましい。0.5質量部を下回ると、硬化促進効果が十分でない場合があり、30質量部を上回ると、最終硬化物の皮膜のバランスが悪くなる場合がある。
【0044】
[エポキシシラン化合物(F)について]
本発明におけるエポキシシラン化合物(F)は、分子内にエポキシ基と架橋性シリル基とを有する化合物であり、硬化性樹脂組成物の接着性をより向上させる。エポキシシラン化合物(F)としては、従来公知のエポキシシラン化合物が利用できる。
【0045】
上記エポキシシラン化合物(F)には、下記一般式(3)で示されるエポキシシラン化合物、エポキシシラン化合物単独の縮合反応生成物、又はエポキシシランのシリル基を単独あるいはその他のアルコキシシラン化合物と一部縮合させた化合物等が含まれる。これらの中では、貯蔵中の粘度安定性等の観点から、下記一般式(3)で示されるエポキシシラン化合物が好ましい。
【0046】
−R−SiR103−c(OR11 ・・・式(3)
(但し、Rはグリシドキシ基もしくはエポキシシクロヘキシル基を、Rは分子量100以下の2価の有機基を、R10は炭素数1〜10個の炭化水素基を、R11は分子量300以下の有機基から選ばれる一種以上の基を、cは1、2又は3を、それぞれ示す。)
【0047】
上記エポキシシラン化合物(F)に含まれる架橋性シリル基としては、アルキルジアルコキシシリル基(c=2)又はトリアルコキシシリル基(c=3)であることが入手が容易である点、及び、硬化物のモジュラス調整が容易である点から好ましい。上記エポキシシラン化合物(F)に含まれる架橋性シリル基は、1個であってもよく2個以上であってもよい。
【0048】
上記エポキシシラン化合物(F)の具体例としては、3−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシ
プロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキ
シシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキ
シル)エチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチ
ルジエトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
【0049】
上記エポキシシラン化合物(F)の添加量は、硬化性樹脂(A)100質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましく、0.5〜20質量部がより好ましく、1.0〜10質量部が特に好ましい。0.1質量部を下回ると、接着性付与効果が十分発現されない場合があり、30質量部を上回ると希釈効果が大きくなりすぎて硬化性樹脂(A)の機能が十分発揮されなくなることがある。
【0050】
上記エポキシシラン化合物(F)は、所望の接着性を得るために適宜選択すればよく、1種単独又は2種以上併用してもよい。上記エポキシシラン化合物(F)のなかでは、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、及び、それらから誘導される縮合反応生成物が、入手が容易であるため好ましい。
【0051】
[その他の成分について]
本発明に係る硬化性樹脂組成物中には、本発明にかかる効果を阻害しない範囲で、その他の成分として従来公知の任意の化合物乃至物質を配合することができる。例えば、本発明で用いる硬化性樹脂組成物以外の各種硬化性樹脂(例えば、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、オキセタン系樹脂、環状カーボネート系樹脂)及び非硬化性の樹脂(アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂等)、各種硬化促進剤、ビニルトリメトキシシラン,メルカプトシラン等のシランカップリング剤、クレイ粉体、親水性又は疎水性シリカ粉体、酸化チタン粉体、カーボンブラック粉体等の無機系フィラー、ポリアクリル粉体、ポリスチレン粉体、ポリウレタン粉体等の有機系フィラー、フェノール樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、石油系樹脂、ロジン系樹脂等の粘着付与剤、アマイドワックス等の揺変剤、酸化カルシウム等の脱水剤、希釈剤、可塑剤、難燃剤、各種液状機能性オリゴマー、老化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、チタンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、ジルコニウムカップリング剤、乾性油等を配合することができる。
【0052】
本発明に係る硬化性樹脂組成物は、1液性としても2液以上の多液性としても使用することができるが、どの場合においても、水分の存在下で、架橋性シリル基同士が縮重合することによって硬化するものである。したがって、1液性の組成物として使用する場合、保管乃至搬送中は、空気(空気中の水分)と接触しないよう、気密に密封した状態で取り扱われる。そして、使用時には開封して任意の箇所に適用すれば、空気中の水分と接触して硬化性樹脂が硬化するのである。
【0053】
本発明に係る硬化性樹脂組成物は、従来の硬化性樹脂が適用されていた全ての用途に用いることができる。たとえば、接着剤、シーリング材、粘着剤、塗料、コーティング材、目止め材、注型材、被覆材等として用いることができる。特に、接着性が求められているようなシーリング材または接着剤などの接着性組成物としての用途に好適に用いることができる。
【0054】
また、粘着剤前駆体組成物として使用する場合には、上記の硬化性樹脂組成物に対して、さらに、必要であれば、粘着付与樹脂を配合し均一に混合して粘着剤前駆体組成物を得ることもできる。なお、硬化性樹脂組成物と粘着付与樹脂とを均一に混合する場合、たとえば両者の相溶性が不十分な場合や、より高い塗工性が必要な場合などにおいては、有機溶剤を使用してもよい。有機溶剤としては、エタノール等のアルコール類、酢酸エチル、トルエン、メチルシクロヘキサン等が用いられる。また、硬化性樹脂組成物と粘着付与樹脂の相溶性が良好な場合や、有機溶媒が好まれない用途などには、有機溶剤を使用しなくてもよい。また、弱粘着性が求められる用途には、粘着付与樹脂を用いず粘着剤前駆体組成物を得ることもできる。このようにして得られた粘着剤前駆体組成物を、従来公知のテープ基材又はシート基材の表面(片面又は両面)に塗布し、これを硬化させることで粘着剤層を形成することができ、粘着テープ又は粘着シートが得られる。
【実施例】
【0055】
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0056】
[硬化性樹脂(A)の準備]
硬化性樹脂(A)として、カネカMSポリマーS203(株式会社カネカ製商品名、分子内にメチルジメトキシシリル基を有するオキシアルキレン重合体)、サイリルMA440(株式会社カネカ製商品名、分子内にメチルジメトキシシリル基を有するオキシアルキレン重合体と分子内にアルコキシシリル基を有するアクリル重合体の混合物)、SAX580(株式会社カネカ製商品名、分子内にトリメトキシシリル基を有するオキシアルキレン重合体)、SAX510(株式会社カネカ製商品名、分子内にトリメトキシシリル基を有するオキシアルキレン重合体)、3440ST(旭硝子株式会社製商品名、分子内にトリメトキシシリル基を有するオキシアルキレン重合体)、GENIOSIL STP−E10(Wacker Chemie AG製商品名、メトキシ基当量から換算した分子量約10,000、粘度約10,000mPa・s/25℃(カタログ値))を準備した。
【0057】
[硬化性樹脂A−1の調製]
反応容器内で、PMLS4012(旭硝子株式会社製商品名、ポリオキシプロピレンポリオール、平均分子量10,000、100質量部)、Y−5187(日本ユニカー株式会社製商品名、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、5.10質量部)及びジオクチルスズジバーサテート(PMLS4012に対して50ppm)を仕込み、窒素雰囲気下にて撹拌混合しながら、80℃で10時間反応させることで、主鎖がオキシアルキレン重合体でありその分子内にウレタン結合及びトリメトキシシリル基を有する硬化性樹脂A−1を得た。反応終了後、IR測定を行ったところイソシアネート基に帰属される特性吸収(2265cm−1)は観測されなかった。
【0058】
[硬化性樹脂A−2の調製]
反応容器内で、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(179.3質量部)を窒素雰囲気下室温で撹拌しながら、アクリル酸メチル(86.1質量部、3−アミノプロピルトリメトキシシランに対して1モル当量)を1時間かけて滴下し、さらに40℃で3日間反応させることで、分子内にトリメトキシシリル基及び第二級アミノ基を有するシラン化合物SE−2を得た。
別の反応容器内で、PMLS4012(旭硝子株式会社製商品名、ポリオキシプロピレンポリオール、平均分子量10,000、100質量部)、イソホロンジイソシアネート(4.83質量部)及び17%オクトープジルコニウム(ホープ製薬工業株式会社製商品名、オクチル酸ジルコニル、Zr含有率=約17質量%、PMLS4012に対してZr金属換算で20ppm)を仕込み、窒素雰囲気下にて撹拌混合しながら、80℃で3時間反応させることで、主鎖がオキシアルキレン重合体でありその分子内にイソシアネート基を有するウレタン系樹脂U−2を得た。
さらに、上記シラン化合物SE−2(6.74質量部)を添加し、窒素雰囲気下にて撹拌混合しながら、上記ウレタン系樹脂U−2中のイソシアネート基と上記シラン化合物SE−2中の第二級アミノ基とを80℃で1時間反応させることで、主鎖がオキシアルキレン重合体でありその分子内にウレタン結合、活性水素が1個置換されたウレア結合、及び、トリメトキシシリル基を有する硬化性樹脂A−2を得た。反応終了後、IR測定を行ったところイソシアネート基に帰属される特性吸収(2265cm−1)は観測されなかった。
【0059】
[硬化性樹脂A−3の調製]
反応容器内で、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン(206.4質量部)を窒素雰囲気下室温で撹拌しながら、アクリル酸メチル(172.2質量部、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランに対して2モル当量)を1時間かけて滴下し、さらに50℃で7日間反応させることで、分子内にメチルジメトキシシリル基及び第二級アミノ基を有するシラン化合物SE−3を得た。
別の反応容器内で、PMLS4012(旭硝子株式会社製商品名、ポリオキシプロピレンポリオール、平均分子量10,000、90質量部)、アデカポリエーテルPR−3007(株式会社ADEKA製商品名、プロピレンオキサイド−エチレンオキサイドコポリオール、平均分子量3000、10質量部)、イソホロンジイソシアネート(5.85質量部)及びニッカオクチックスZr12%(T)(日本化学産業社製商品名、オクチル酸ジルコニル、Zr含有率=約12質量%、PMLS4012およびPR3007の総和に対してZr金属換算で40ppm)を仕込み、窒素雰囲気下にて撹拌混合しながら、80℃で3時間反応させることで、主鎖がオキシアルキレン重合体でありその分子内にイソシアネート基を有するウレタン系樹脂U−3を得た。
さらに、上記シラン化合物SE−3(10.54質量部)を添加し、窒素雰囲気下にて撹拌混合しながら、上記ウレタン系樹脂U−3中のイソシアネート基と上記シラン化合物SE−3中の第二級アミノ基とを80℃で1時間反応させることで、主鎖がオキシアルキレン重合体でありその分子内にウレタン結合、活性水素が1個置換されたウレア結合、及び、メチルジメトキシシリル基を有する硬化性樹脂A−3を得た。反応終了後、IR測定を行ったところイソシアネート基に帰属される特性吸収(2265cm−1)は観測されなかった。
【0060】
[硬化性樹脂A−4の調製]
反応容器内で、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(222.4質量部)を窒素雰囲気下室温で撹拌しながら、アクリル酸メチル(172.2質量部、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランに対して2モル当量)を1時間かけて滴下し、さらに50℃で7日間反応させることで、分子内にトリメトキシシリル基及び第二級アミノ基を有するシラン化合物SE−4を得た。
別の反応容器内で、PMLS4012(旭硝子株式会社製商品名、ポリオキシプロピレンポリオール、平均分子量10,000、100質量部)、イソホロンジイソシアネート(4.83質量部)及びジオクチルスズジバーサテート(PMLS4012に対して50ppm)を仕込み、窒素雰囲気下にて撹拌混合しながら、80℃で3時間反応させることで、主鎖がオキシアルキレン重合体でありその分子内にイソシアネート基を有するウレタン系樹脂U−4を得た。
さらに、上記シラン化合物SE−4(8.90質量部)を添加し、窒素雰囲気下にて撹拌混合しながら、上記ウレタン系樹脂U−4中のイソシアネート基と上記シラン化合物SE−4中の第二級アミノ基とを80℃で1時間反応させることで、主鎖がオキシアルキレン重合体でありその分子内にウレタン結合、活性水素が1個置換されたウレア結合、及び、トリメトキシシリル基を有する硬化性樹脂A−4を得た。反応終了後、IR測定を行ったところイソシアネート基に帰属される特性吸収(2265cm−1)は観測されなかった。
【0061】
[未処理の重質炭酸カルシウム粉(B)の準備]
未処理の重質炭酸カルシウム粉(B)として、スーパーS(丸尾カルシウム株式会社製商品名、重質炭酸カルシウム系粉体、平均粒子径(注1):2.7μm、表面処理なし)を準備した。
【0062】
[表面処理された沈降炭酸カルシウム粉(C)の準備]
表面処理された沈降炭酸カルシウム粉(C)として、白艶華CCR−B(白石カルシウム株式会社製商品名、表面処理膠質炭酸カルシウム系粉体、一次粒子径(注2):80nm、表面処理:脂肪酸処理)を準備した。
(注1):比表面積からの計算による
(注2):電子顕微鏡観察による
【0063】
[ハロゲン化ホウ素系化合物(D)の準備]
ハロゲン化ホウ素系化合物(D)として、三フッ化ホウ素モノエチルアミン錯体(BF−MEAと略す場合がある)を準備した。
【0064】
[塩基性化合物(E)の準備]
塩基性化合物(E)として、KBM−603(信越化学工業株式会社製商品名、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン)を準備した。
【0065】
[エポキシシラン化合物(F)の準備]
エポキシシラン化合物(F)として、KBM−403(信越化学工業株式会社製商品名、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)を準備した。
【0066】
[揺変剤の準備]
揺変剤として、ディスパロン#6500(楠本化成株式会社製商品名、アマイドワックス)を準備した。
【0067】
[希釈剤の準備]
希釈剤として、ウンデカンを準備した。
【0068】
[シランカップリング剤の準備]
シランカップリング剤として、KBM−1003(信越化学工業株式会社製商品名、ビニルトリメトキシシラン)を準備した。
【0069】
(実施例1〜12/比較例1〜4)
[硬化性樹脂組成物の調製]
表1及び2に示す配合割合(質量部)で、硬化性樹脂(A)、未処理の重質炭酸カルシウム粉(B)、表面処理された沈降炭酸カルシウム粉(C)及び揺変剤を撹拌機付きの密閉式容器に投入し、常温常圧で10分間混練りした。その後、60mmHg以下の減圧下、100〜120℃で加熱しながら、1時間撹拌混合した。得られたペースト状スラリーを60℃以下まで冷却し、表1及び2に示す配合割合(質量部)で、希釈剤、塩基性化合物(E)、エポキシシラン化合物(F)、シランカップリング剤及びハロゲン化ホウ素系化合物(D)を添加し、湿気を遮断した密閉条件下で混練りすることで、硬化性樹脂組成物を得た。得られた硬化性樹脂組成物は、湿気を遮断する密閉容器に充填した。
なお、本検討では、製造直後〜翌日までの硬化性樹脂組成物を「初期」、得られた硬化性樹脂組成物を湿気遮断の密閉式容器に充填した状態で50℃1週間暴露したものを「貯蔵後」とする。
【0070】
【表1】

【0071】
【表2】

【0072】
[タックフリー時間測定]
各硬化性樹脂組成物の硬化性を比較した。硬化性の比較はタックフリー時間を用いて行った。タックフリー時間は、各硬化性樹脂組成物を23±2℃相対湿度50±5%の雰囲気に暴露した直後を開始時間とし、表面に硬化皮膜が形成されるまでの時間とした。硬化皮膜が形成された時間は、指触により暴露された各硬化性樹脂組成物の表面を触って指に各硬化性樹脂組成物がつかなくなる時間とした。なお、表中のタックフリー時間の表記は、たとえば「15〜16」であれば、タックフリー時間が15分から16分の間であったことを示す。各硬化性樹脂組成物の初期と貯蔵後の皮張り時間を表1及び2に示す。
【0073】
表1及び2に示される通り、本発明に係る硬化性樹脂組成物は、いずれも製造直後から十分な硬化性を有する上に、経時による硬化速度のブレが少ないことが分かる。
【0074】
また、一例として、実施例1、2及び3に係る硬化性樹脂組成物に関して、JIS K6850に準じて引張せん断接着強さ(アサダ材/アサダ材)を測定した。養生は23±2℃相対湿度50±5%で1日、さらに50℃95%で3日行った。各測定結果を表3に示す。
【0075】
【表3】

【0076】
表3に示す通り、本発明にかかる硬化性樹脂組成物は、接着剤として十分利用可能な性
能を有していることが分かる。
【0077】
以上をまとめると、表1及び表2の対比から明らかなように、ハロゲン化ホウ素系化合物を硬化促進剤として使用した際、本発明に係る硬化性樹脂組成物ではない場合(比較例1〜4)、硬化性の発現のために一定の促進期間が必要であり、経時による硬化速度のブレが発生する。一方、本発明に係る硬化性樹脂組成物(実施例1〜12)は、いずれも製造直後から十分な硬化性を有する上に、経時による硬化速度のブレが少ない。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明にかかる硬化性樹脂組成物は、従来の硬化性樹脂が適用されていた全ての用途に
用いることができる。たとえば、接着剤、シーリング材、粘着剤、塗料、コーティング材、目止め材、注型材、被覆材等として用いることができる


【特許請求の範囲】
【請求項1】
分子内に3級アミノ基を含有せず、かつ分子内に架橋性シリル基を有する硬化性樹脂(A)100質量部に対して、
未処理の重質炭酸カルシウム粉(B)10〜500質量部、
表面処理された沈降炭酸カルシウム粉(C)10〜500質量部、
ハロゲン化ホウ素系化合物(D)0.01〜10質量部、
塩基性化合物(E)0.5〜30質量部
を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。
【請求項2】
硬化性樹脂(A)が、分子内に下記一般式(1)で表される架橋性シリル基を有することを特徴とする請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
−SiR3−a(OR ・・・式(1)
(但し、Rは炭素数1〜20の炭化水素基を、Rは分子量300以下の有機基を、aは1、2又は3を、それぞれ示す)
【請求項3】
硬化性樹脂(A)が、架橋性シリル基がジアルコキシシリル基(一般式(1)においてa=2)である硬化性樹脂(A1)と、架橋性シリル基がトリアルコキシシリル基(一般式(1)においてa=3)である硬化性樹脂(A2)を併用し、
かつ硬化性樹脂(A1):硬化性樹脂(A2)=10:90〜90:10であることを特徴とする、請求項2に記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項4】
硬化性樹脂(A)の主鎖が、オキシアルキレン重合体であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項5】
ハロゲン化ホウ素系化合物(D)が、三フッ化ホウ素系化合物であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項6】
塩基性化合物(E)が、下記一般式(2)で表されるアミノシラン化合物であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
N−R−SiR3―b(OR ・・・式(2)
(但し、R、Rは分子量500以下の有機基又は水素原子を、Rは分子量500以下の有機基を、Rは炭素数1〜20の炭化水素基を、Rは分子量300以下の有機基を、bは1、2又は3を、それぞれ示す)
【請求項7】
硬化性樹脂(A)100質量部に対して、さらにエポキシシラン化合物(F)0.1〜30質量部を含有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物を含有することを特徴とする接着性組成物。


【公開番号】特開2011−195741(P2011−195741A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−65422(P2010−65422)
【出願日】平成22年3月23日(2010.3.23)
【出願人】(000105648)コニシ株式会社 (217)
【Fターム(参考)】