説明

磁力計の場における干渉を抑制するための方法及びシステム

【課題】電磁干渉の影響を低減する磁力計システム及びこれに関連する方法、および本システムないし方法を応用した人体の厚さ計測システム及びこれに関連する方法を提供する。
【解決手段】磁力計システムは、経時的にその特性が変更される外磁場を発生するのに適した第1磁力計と、当該磁場を受信して当該磁場の変化を表す磁力計信号を少なくとも一つ生成するのに適した第2磁力計とを備える。一実施形態においては、磁場の特性は、発生させた当該磁場の周波数を含む。別の実施形態においては、磁場の特性は、当該磁場の周波数周期を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願への相互参照>
本非仮出願は、2009年9月1日出願の米国仮出願第61/275,576号に基づく優先権を主張するものであり、当該出願全体を本明細書に参照により援用する。
【0002】
本発明は、概ね、被験者の解剖学的及び生理学的パラメータをモニター(monitor)するための、磁力計を用いたシステムに関し、特に、磁力計の場(magnetometer field)における電磁干渉と、これに起因する、磁力計の場の変化を反映する信号の質の低下とを抑制するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
被験者を医学的に診断・処置する際、当該被験者に関する一以上の生理学的ないし能力的な特性・徴候を測定するのが望ましい場合が多い。運動能力及びその上達度合は、多くの場合、生理学的及び/又は能力的特性の変化を調べることで評価される。運動能力を評価するのに役立ちうるのが、呼吸気量等の呼吸系の特性(respiratory characteristics)であり、例えば、生理学的状態及び/又は能力特性の変化の検出を助けることで役立ちうる。主な呼吸系特性の一つとしては、呼吸気量(又は1回呼吸気量)があり、1回呼吸気量を測定(ないし決定)する目的で、従来、種々の方法及びシステムが使用されてきた。
【0004】
1回呼吸気量を決定するための従来のシステム(及び関連する方法)として、患者ないし被験者に、流量測定装置に接続されたマウスピースに息を吹き込ませるものがある。別のシステムとしては、例えば1974年8月27日発行の米国特許第3,831,586号及び1977年7月5日発行の米国特許第4,033,332号に開示されているような、従来式の呼吸モニターを備えるものがある。これら各文献の全体を本明細書に参照により援用する。
【0005】
1回呼吸気量を決定するための別の手段としては、胸郭と腹部の寸法変化(又は変位)を測定することが挙げられるが、これは、周知のように、肺の容積がこれら両パラメータと相関関係にあるからである。胸郭及び腹部の寸法変化(即ち、周囲長の増分(Δ))の測定には、水銀封入式ラバーストレインゲージ、ニューモベルト、呼吸プレチスモグラフ(respiratory inductive plethysmograph(RIP))ベルト、磁力計等、数多くのシステムや装置が用いられてきた。ディー.エル.ウェード(D.L. Wade)著、「呼吸時における胸郭及び横隔膜の動き(Movements of the Thoracic Cage and Diaphragm in Respiration)」、ジャーナル オブ フィジオロジー(J. Physiol.)、1954年、p.124〜193や、ミードほか(Mead, et al.)著、「体表動作から測定される肺換気量(Pulmonary Ventilation Measured from Body Surface Movements)」、サイエンス(Science)、1967年、p.196及び1383〜1384を参照されたい。
【0006】
本技術分野で周知のように、呼吸系磁力計システムは、通常、同調された空芯磁力計又は電磁コイルを一対以上備える。両磁力計間の距離変化を感知しうる他の種類の磁力計を用いてもよい。一方の磁力計は、特定の高周波の交流磁場を送信するのに適しており、他方の磁力計は、当該磁場を受信するのに適している。当該磁力計対は、両者間の距離の変化に応答可能であり、当該距離の変化は、磁場の強度変化に反映される。
【0007】
一般的な呼吸系磁力計システムは、一対の磁力計を備える。例えば、2008年9月5日に出願した同時係属中の米国出願第12/231,692号、2009年9月1日出願の米国仮出願第61/275,574号及び2009年9月1日出願の米国仮出願第61/275,575号に開示された磁力計システムを挙げることができる。これら各文献の全体を本明細書に参照により援用する。
【0008】
胸郭の前後方向の直径の変化(ないし変位)を測定するには、通常、第1の磁力計を第4肋間の高さで胸骨上に設置し、第2の磁力計を同じ高さで背骨上に設置する。更に追加の磁力計を用いることで、磁力計システムの精度を高めることができる。例えば、腹部の前後方向の直径の変化を測定するのに、第3の磁力計を臍の高さで腹部上に設置し、第4の磁力計を同じ高さで背骨上に設置してもよい。
【0009】
磁力計にて使用する信号処理技術としては、例えばプロダクト検波器、振幅検出器、狭帯域フィルタ等のような、固定周波数の電磁源と従来式の信号検出装置(及び関連する方法)を通常用いる。しかし、これらの電磁源や装置は、磁場の周波数と同期しているかこれの低調波となる周波数を有する周囲の周期性電磁源(例えば電力線)からの電磁干渉の影響を受けやすい。
【0010】
このスプリアスな(spurious、所要波と異なる周波数の)干渉によって、磁力計の場の測定が不正確になる可能性があり、また多くの場合、不正確になる。したがって、不正確な磁場測定から求められた解剖学的変位(例えば、解剖学的変位を反映する信号)、ひいては、求められた当該解剖学的変位から導かれた呼吸系特性は、誤っている可能性がある。
【0011】
このようなことから、磁場測定に対する電磁干渉の影響を低減すべく、従来、種々のシステムや関連する技術が使用されている。そのようなシステム・技術としては、例えば2007年11月13日発行の米国特許第7,295,928号に開示されているような、複数のフィルタ(例えば、統計的ローパスフィルタと、周波数特性に基づくフィルタ)を備え、データ依存性の周波数関数で信号を畳み込む従来のフィルタリングシステムや、2004年11月18日に出願した同時係属中の米国特許出願第10/991,877号に開示されているような、時間/周波数領域及びフーリエ変換に関する種々の技術がある。
【0012】
上記従来のシステムや技術は、ノイズが少ないか中程度の環境では干渉を上手く抑制することができる。しかしながら、上記システムや技術を用いた磁力計は、依然として、当該磁場の周波数に近い信号周波数やその高調波による干渉の影響を受けやすくなっている。
【0013】
フラックスゲート磁力計に関しては、電磁干渉の緩和のために更に幾つかのシステムや関連する技術が用いられてきた。そのようなシステムや技術としては、差動回路や、駆動信号をトラッキングする電磁干渉が起こる可能性を最小限に抑えるべく駆動信号を変形させることが挙げられる。
【0014】
差動回路技術では、磁場内で互いに対向するように配置された二つの磁力計ないしセンサを用いて、一方のセンサにて、他方のセンサに対して反転させた第2高調波信号を発し、二つの信号を減算することで干渉ないしノイズを緩和するか打ち消す。
【0015】
2001年7月31日発行の米国特許第6,268,725号には、フラックスゲート磁力計の駆動信号を変形させることで電磁干渉の影響を低減するためのシステム及び関連する方法が開示されている。当該発明では、駆動信号の特性が経時的に変更されるため、電磁干渉が駆動信号をトラッキングないし模する、即ち、電磁干渉が駆動信号の第2高調波信号と一致する可能性は極めて低い。
【0016】
上記システムや技術は、駆動信号における干渉を上手く抑制することができるが、これらのシステム・技術は、フラックスゲート磁力計に限定されるものである。本技術分野で周知のように、フラックスゲート磁力計では、駆動受信器(driving receiver)しか使用されていないし、また、残留磁界しか測定されない。
【0017】
よって、上記システムや技術は、受信した磁場における電磁干渉、ひいては、磁場の透過率測定に対して当該干渉が与える影響を低減するのには有効でない。
【0018】
したがって、磁力計の場における干渉及び/又は磁場測定に対する干渉の影響を抑制するための改良された方法及びこれに関連するシステムであって、磁力計の干渉を抑制する従来の方法やシステムが孕む欠点や短所を実質的に低減ないし解消する方法及びシステムを提供するのが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、運動能力のモニター及び医学的評価の分野で特に有用である、被験者の呼吸系の特性をより上手くモニターするための装置及び方法を提供するものである。本発明の一実施形態によれば、磁力計の場における干渉を抑制するための方法は、概ね、対を成す第1及び第2磁力計であって、外磁場を発生するのに適した第1磁力計と、当該磁場を受信してモニターするのに適しているとともに、当該磁場の変化を表す磁力計信号を少なくとも一つ生成するのに適した第2磁力計とを有する磁力計システムを用意することと、経時的にその特性が変更される上記磁場を送信することとを備える。
【0020】
本発明の一実施形態においては、上記磁場の特性は、該磁場の周波数を含む。
【0021】
一実施形態においては、上記周波数は、経時的且つランダムに変更される。
【0022】
一実施形態においては、上記周波数は、約8000〜9999Hzの間でランダムに変更される。
【0023】
一実施形態においては、上記磁場の特性は、該磁場の周波数周期(frequency period)を含む。
【0024】
一実施形態においては、上記周波数周期は、擬似ランダム的に変更される。
【0025】
一実施形態においては、上記周期は、約1/8000〜1/9999秒の間で擬似ランダム的に変更される。
【0026】
一実施形態においては、本方法は、上記磁力計信号を変換して、上記磁場の変化を表す所望の信号成分を提供するステップを備える。
【0027】
本発明の別の実施形態によれば、経時的にその特性が変更される外磁場を発生するのに適した第1磁力計と、当該磁場を受信してモニターするのに適しているとともに、当該磁場の変化を表す磁力計信号を少なくとも一つ生成するのに適した第2磁力計とを備える磁力計システムが提供される。
【0028】
本発明の一実施形態においては、上記磁場の特性は、該磁場の周波数を含む。
【0029】
一実施形態においては、上記周波数は、経時的且つランダムに変更される。
【0030】
一実施形態においては、上記周波数は、約8000〜9999Hzの間でランダムに変更される。
【0031】
一実施形態においては、上記磁場の特性は、該磁場の周波数周期を含む。
【0032】
一実施形態においては、上記周波数周期は、擬似ランダム的に変更される。
【0033】
一実施形態においては、上記周期は、約1/8000〜1/9999秒の間で擬似ランダム的に変更される。
【0034】
一実施形態においては、上記システムは、上記磁力計信号を変換して、上記磁場の変化を表す所望の信号成分を提供するための変換手段を備える。
【0035】
更なる特徴や利点は、添付の図面に示す、本発明に関する以下の詳細な説明により明らかにされる。各図において、同一の部品ないし要素は概ね同じ参照符号で示してある。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】図1は、本発明の一実施形態による生理機能モニタリングシステムの概略図である。
【図2】図2は、従来の磁力計対の組み合わせを示す概略図である。
【図3】図3は、被験者の側面図であり、図2における磁力計対の組み合わせの従来の配置を示す。
【図4】図4は、被験者の斜視図であり、図2及び図3における磁力計対の組み合わせに従って被験者に磁力計を位置決めした様子を示す。
【図5】図5は、被験者の背中の平面図であり、図2及び図3における磁力計対の組み合わせに従って被験者に磁力計を位置決めした様子を示す。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明を詳細に説明する前に理解されたいのが、本発明が、特に例示した―当然変更される可能性のある―方法、装置、システム又は回路に限定されるものではないということである。したがって、本発明の実施にあたっては、本明細書に記載した方法やシステムと類似ないし均等の数多くの方法やシステムを使用することが可能ではあるが、本明細書では、好適な方法、装置及びシステムについて記載する。
【0038】
また、本明細書で使用する用語については、本発明の特定の実施形態を説明するためにのみ用いられているのであって、本発明を限定する意図はないことも理解されたい。
【0039】
特段の定義のない限り、本明細書で使用する技術的・科学的な用語は、いずれも、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が通常理解するであろう意味を有する。
【0040】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される、冠詞「a」、「an」及び「the」で示す単数形の対象には、文脈上明らかに単数である場合を除いて、複数の指示対象が含まれる。よって、例えば、「磁場の特性(a magnetic field characteristic)」と単数形で記載した場合、一以上の当該特性を含み、「磁力計信号(a magnetometer signal)」と単数形で記載した場合、一以上の当該信号を含む。
【0041】
また、本明細書に引用するあらゆる刊行物、特許及び特許出願は、これ以前に引用したものも、これ以降引用するものも、その全体を参照により援用する。
【0042】
本明細書で言及する刊行物は、ただ単に、本願の出願日前に開示されたものであるため、ここに記載したまでである。本明細書の如何なる記載についても、先発明の規定に基づき、本発明がこれら刊行物よりも早い日付を得る権利を有しないことを自認するものであると解釈してはならない。また、ここに記載した公開日・公表日は、実際の公開日・公表日と異なる場合があるので、個別に確認する必要があると思われる。
【0043】
<定義>
本明細書で用いる「磁力計(magnetometer)」との文言は、磁場を発生するか、磁場(又はこれに関連する特性)を測定するのに適した装置を意味しこれを含むものとする。上述したように、磁力計は、通常、対で使用され、一方の磁力計が磁場の発生源として機能し、他方の磁力計が、当該発生された磁場―例えば当該磁場に関連する特性―を受信して測定するのに適している。しかしながら、本明細書に記載する磁力計は、一対一の対を成す必要はない。例えば、単一の磁力計が、複数の磁力計からの送信を受信するように構成されていてもよいし、単一の磁力計が、複数の磁力計へ送信を行なうように構成されていてもよい。更に、単一の磁力計で、信号の送受信の両方を行なってもよい。
【0044】
本技術分野で周知のように、対を成す磁力計(例えば送信器と受信器)は、両者間の距離の変化に応答可能である。また、周知のように、対を成す磁力計間の距離の変化は、通常、受信される磁場の変化として反映される。
【0045】
本明細書で用いる「磁力計信号(magnetometer signal)」との文言は、受信した磁場に関連する、測定された特性―例えば、発生磁場の強度及び/又はその変化―を表す信号を意味しこれを含むものとする。したがって、本発明の幾つかの実施形態においては、上記信号は、受信用の磁力計(即ち、受信器)で測定した電圧を含む。本技術分野で周知のように、受信器の電圧は、通常、受信した磁場の強度に比例する。
【0046】
本明細書で用いる「所望の信号(desired signal)」との文言は、測定中の変数と直接対応する信号又はその一部を意味しこれを含むものとする。したがって、例えば、本発明の幾つかの実施形態においては、所望の磁力計信号は、受信した磁場の変化と直接対応する信号又はその一部を含む。
【0047】
本明細書で用いる「望ましくない信号(undesired signal)」との文言は、測定中の変数の正確な測定を阻害するあらゆる信号又はその一部を意味しこれを含むものとする。したがって、例えば、本発明の幾つかの実施形態においては、「望ましくない信号」は、磁力計の磁場の変化の正確な測定を阻害する信号又はその一部を含み、例えば電磁干渉が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0048】
肺換気量、1回呼吸気量、呼吸速度や、その他の関連する呼吸系の特性は、生体内における酸素と二酸化炭素の遷移(transpiration)について実用的で信頼性のある測定基準となりうる。呼吸系の特性は、運動の成果、生理学的ストレスや、その他の生理学的特性と直結している。1回呼吸気量を外部から求める一つの方法は、胸部の容積変化を測定することである。胸部の容積変化は、肺の拡張・収縮に起因する。圧力範囲の最大値及び最小値での肺の気圧は雰囲気圧と平衡であるため、肺の容積と、吸い込んだ空気の体積との間には非常に緊密で単調な関係がある。
【0049】
胸部の容積変化を正確に測定するには、胸郭における胸部の直径の変化を測定する必要がある。さらに、胸部の直径の変化を胸郭の下方でも測定することで、より正確に測定することができる。胸郭下方で胸部の直径の変化をモニターすることで、横隔膜によってもたらされる呼吸(diaphragm delivered breathing)を明らかにすることができる。横隔膜による呼吸は、横隔膜筋の収縮・弛緩によって腹部の器官が下方及び外方に押されて、有効肺容積が増加するというものである。
【0050】
呼吸系の特性をモニター・分析することは、運動競技での用途に特に役立ちうる。なぜなら、運動能力と、運動競技者による酸素及び二酸化炭素の処理の仕方との間には直接的な関係があるからである。例えば、多くの運動トレーニングの場面では、運動競技者の身体が有酸素運動と無酸素運動との間で切り替わる時点―運動競技者の換気性作業閾値(ventilatory threshold)とも呼ばれる―を知ることが有益である。換気性作業閾値を超えることは、即ち、スポーツ活動の最中における懸案となる運動能力の限界を示すこととなる。例えば、運動競技者にとって、限られた時間、無酸素状態でトレーニングすることは有益である場合がある。しかし、多くのスポーツの場合、適正なトレーニングに必要なのは、限られた時間の無酸素運動と、その間に差し挟まれるより強度の低い有酸素運動だけである。ところが、運動競技者にとって、呼吸系特性等の生理学的特性を参照することなく、自分が無酸素状態・有酸素状態のどちらの状態にあるのかを知ることは困難である。したがって、呼吸をモニターしてデータ処理を行なうことで、運動競技者の運動状態を正確且つ略瞬時に測定することが可能となり、それにより、運動競技のトレーニングにおいて実質的なメリットを提供することができる。運動競技者の経時的な換気性作業閾値の変化や、運動後の回復期間中の1回呼吸気量のパターンは、あるトレーニング・プログラム中に運動競技者のフィットネス・レベルがどの程度改善したかを測る上で有用となりうる。また、呼吸をモニターすることで、被験者の静止時代謝率の変化をモニター・分析することが可能となる。
【0051】
そして、身体に対する負荷が、現在の肺換気量ではもはや十分に生命を維持することができないレベルに達する時点が、第2の換気性作業閾値である。この状態が長く続き過ぎると、虚脱を引き起こすことになるので、この地点を決定することは、医学的な用途、特にファースト・リスポンダー(first responder、現場に最初に駆けつける医学的訓練を受けた人)やその他の救急隊員にとって有益となりうる。
【0052】
本発明は、磁力計の場における干渉と、磁場測定に対する干渉の影響とを抑制するための改良された方法及び関連するシステムを含む。この改良された方法及び関連するシステムによれば、従来技術にかかる、磁力計の場における干渉を抑制するための方法やシステムが孕む欠点が実質的に低減ないし解消される。以下詳細に説明するように、本発明の幾つかの実施形態においては、送信用の磁力計(即ち、送信器)が、経時的且つランダムにその特性が変更される磁場を発生するのに適している。また、本発明の幾つかの実施形態においては、送信用の磁力計が、経時的且つ擬似ランダム的にその特性が変更される磁場を発生するのに適している。
【0053】
本技術分野における通常の知識を有する者であれば容易に理解するであろうが、本発明の方法及びシステムには、磁力計への干渉を抑制する従来の方法及びシステムと比較して、多くの顕著な利点がある。それら利点のうち幾つか挙げれば、(i)測定される磁場における電磁干渉が更に低減される点、(ii)測定した磁場変化、ひいては測定した磁場変化を表す信号の正確さが向上する点、(iii)ノイズの多い環境下で、非常に弱い磁場やその変化を検出できる点がある。
【0054】
更なる顕著な利点としては、測定した磁場変化を反映する「正確な」磁力計信号に基づいて、解剖学的・生理学的特性(例えば、解剖学的変位、呼吸系の特性等)を正確に決定することができる点がある。
【0055】
以下、本発明の方法及びシステムの幾つかの実施形態を詳細に説明するが、本明細書中のシステム及び方法の実施形態に本発明が限定されるものではないことを理解されたい。本技術分野における通常の知識を有する者であれば容易に理解するであろうが、ここに記載したシステム及び方法と類似ないし均等のシステム及び関連する方法も、本発明の範囲内において用いることができる。
【0056】
まず、図1に、(i)胸郭及び腹部それぞれの前後方向の直径の変化(ないし変位)と、胸壁の軸方向の変位とをモニター・検出するとともに、(ii)上記解剖学的変位を反映する磁力計信号との相関関係において、モニター中の被験者に関する解剖学的・生理学的情報を求めるのに適した、生理機能モニタリングシステムの一例の概略図を示す。
【0057】
図1に示すように、この生理機能モニタリングシステム10は、データ収集サブシステム20と、制御データ処理サブシステム40と、データ送信サブシステム50と、データモニタリングサブシステム60と、バッテリー等の電源70とを備える。
【0058】
図2及び図3に示すように、データ収集サブシステム20は、被験者100上に位置決めされ、胸郭及び腹部それぞれの前後方向の直径の変化(ないし変位)と、胸壁の軸方向の変位とをモニター・検出するのに適した、対を成す磁力計を備える。図2に示すように、これら磁力計は、第1送信用磁力計22aと、第1受信用磁力計22bと、第2送信用磁力計24aと、第2受信用磁力計24bとを含む。図2において、「T」の文字は送信用磁力計を表し、「R」の文字は受信用磁力計を表すが、各磁力計は、これら表記に限定されるものではない。本発明の実施形態に係る磁力計は、「受信用」ないし「送信用」と記載されているが、各受信用コイルは、代わりに且つ独立して、送信用コイルであってもよいし、各送信用コイルは、代わりに且つ独立して、送信用コイルであってもよい。各コイルは、送信・受信の両機能を行うものであってもよい。
【0059】
制御データ処理サブシステム40は、データ収集サブシステム20ひいては磁力計対、データ送信サブシステム50及びデータモニタリングサブシステム60を制御するためのプログラム、指令や、関連するアルゴリズムを備える。
【0060】
制御データ処理サブシステム40は、更に、磁力計の場の変化を反映する磁力計信号を取り込んで処理するようにプログラムされ構成されるとともに、少なくとも一つの呼吸系の特性(より好ましくは複数の呼吸系の特性)を含む、モニター中の被験者に関する解剖学的・生理学的情報を(磁力計信号との相関関係において)求めるようにプログラムされ構成されている。
【0061】
データモニタリングサブシステム60は、制御データ処理サブシステム40によって生成され送信された生理学的特性やパラメータを表示するように設計され構成されている。なお、制御データ処理サブシステム40は、本明細書中、「プロセッサ・サブシステム」、「処理サブシステム」、「データ処理サブシステム」とも呼ぶ。これら「制御データ処理サブシステム」、「プロセッサ・サブシステム」、「処理サブシステム」及び「データ処理サブシステム」の各用語は、本願中、互いに置き換え可能なものとして用いられている。
【0062】
データ送信サブシステム50は、通信リンク、ひいては、データ収集サブシステム20、制御データ処理サブシステム40及びデータモニタリングサブシステム60による各サブシステム間の送信をモニターし制御するようにプログラムされ構成されている。
【0063】
上記生理機能モニタリングシステムに関する更なる詳細については、2009年9月1日出願の米国仮出願第61/275,576号、本願と同時に出願した同時係属中の米国出願第12/869,592号、2009年9月1日出願の米国仮出願第61/275,575号及び本願と同時に出願した同時係属中の米国出願第12/869,582号に記載されている。これら各文献の全体を本明細書に参照により援用する。
【0064】
本技術分野における通常の知識を有する者であれば容易に理解するであろうが、対を成す磁力計は、各磁力計間の距離の変化(ないし変位)をモニター・測定すべく、被験者上の、解剖学的に適切な様々な位置に配置することができる。ここで、図3〜図5を参照する。これらの図は、本発明の一実施形態により、被験者ないし患者100上に各磁力計22a、22b、24a、24bを位置決めした様子を示す。
【0065】
図3〜図5に示すように、第1送信用磁力計(即ち、第1送信器)22aは、好ましくは、被験者100の前側101であって被験者100の臍の近くに位置決めされ、第1受信用磁力計(即ち、第1受信器)22bは、好ましくは、軸方向に関しては上記と同じ位置の近くに、被験者100の後ろ側102に位置決めされる。第2受信用磁力計(即ち、第2受信器)24bは、好ましくは、被験者100の前側101であって胸骨の底部の近くに位置決めされ、第2送信用磁力計(即ち、第2送信器)24aは、軸方向に関しては上記と同じ位置の近くに、被験者100の後ろ側102に位置決めされる。
【0066】
同時係属中の米国特許出願第12/231,692号に記載のように、送信用磁力計22a、24aと、受信用磁力計22b、24bの位置は逆であってもよい。(即ち、送信用磁力計22a及び受信用磁力計24bを被験者100の後ろ側102に配置し、送信用磁力計24a及び受信用磁力計22bを被験者100の前側101に配置してもよい。)あるいは、両方の送信用磁力計22a、24aを被験者100の前側101又は後ろ側102に配置し、両方の受信用磁力計22b、24bをその反対側に配置してもよい。
【0067】
被験者ないし患者100が呼吸をすると、磁力計対22a、22b及び対24a、24b間で測定された磁場変化から、胸郭及び腹部それぞれの変位(即ち、図3においてそれぞれ矢印29及び矢印25で示す、磁力計対22a、22b及び対24a、24bの間の距離の変化)が求められる。また、磁力計22a、24b間で測定された磁場変化から、矢印23で示す胸壁の軸方向の変位(例えば、臍からの距離(xiphi-umbilical distance(Xi)))も求められる。ここで、磁力計24bは、デュアル機能電磁コイルであり、「デュアル機能コイル」とは、複数の異なる送信用コイルからの送信を受信することのできるコイルを意味する。(したがって、磁力計24bは、磁力計22a及び24aからの磁場送信を受信するのに適している。)
【0068】
上述したように、測定した変位は、少なくとも一以上の呼吸系の特性を含む、測定中の被験者に関する解剖学的・生理学的情報を求めるのに通常用いられる。2009年9月1日出願の米国仮出願第61/275,575号及び本願と同時に出願した同時係属中の米国出願第12/869,582号に記載されているように、更に追加の磁力計対を使用してもよく、測定した複数の変位は、更に追加の解剖学的・生理学的特徴―例えば、胸壁の動作と、呼吸活動や会話、くしゃみ、笑うこと、咳等の呼吸に関連する事象との関係性の決定・特徴づけ―を評価するのに用いることができる。
【0069】
また上述したように、各磁力計(例えば磁力計22a、22b、24a、24b)は、当該磁場の周波数と同期しているかこれの低調波となる周波数を有する周囲の発生源(例えば、電力線、蛍光灯、電動機等)からの干渉の影響を受けやすい。
【0070】
このスプリアスな(spurious、所要波と異なる周波数の)干渉によって、磁力計の場の測定が不正確になる可能性があり、また多くの場合、不正確になる。したがって、不正確な磁場測定から求められた解剖学的変位(例えば、解剖学的変位を反映する磁力計信号)、ひいては、当該解剖学的変位から導かれた呼吸系特性も、不正確になる可能性が高い。
【0071】
しかしながら、本出願人は、経時的且つランダムに又は擬似ランダム的にその特性が変更される磁場を提供する磁力計を設けることで、磁場測定に対する、同期性の及び/又は低調波によるスプリアスな干渉の影響が実質的に低減され、また多くの場合、解消されることを知見した。本発明の幾つかの実施形態においては、磁場の特性は、磁場の周波数を含む。また、幾つかの実施形態では、磁場の特性は、磁場の周波数周期(frequency period)を含む。
【0072】
本発明の幾つかの実施形態においては、磁場の周波数を経時的且つランダムに変更する。しかし、本発明においては、ランダムに変更される周波数は、10,000Hzを超えることはない。
【0073】
よって、当該実施形態においては、対を成す磁力計の一方(即ち、送信器)が、経時的且つランダムにその周波数が変更される磁場を発生するのに適しており、他方の磁力計(即ち、受信器)が、当該発生された磁場を受信して測定するのに適している。
【0074】
本発明の一実施形態においては、磁場の周波数が、約8000〜9999Hzの間でランダムに変更される。別の実施形態においては、磁場の周波数が、約8900〜9100Hzの間でランダムに変更される。
【0075】
幾つかの実施形態においては、磁場の周波数周期を擬似ランダム的に変更する。よって、当該実施形態においては、対を成す磁力計の一方(即ち、送信器)が、擬似ランダム的にその周波数周期が変更される磁場を発生するのに適しており、他方の磁力計(即ち、受信器)が、当該発生された磁場を受信して測定するのに適している。
【0076】
本発明の一実施形態においては、磁場の周期が、約1/8000〜1/9999秒の間で擬似ランダム的に変更される。別の実施形態においては、磁場の周期が、約1/8900〜1/9100秒の間で擬似ランダム的に変更される。
【0077】
本発明によれば、磁場の周波数を約8000〜9999Hzの間で擬似ランダム的に変更してもよい。また、周波数周期を約1/8000〜1/9999秒の間でランダムに変更してもよい。
【0078】
また、対を成す磁力計の一方(即ち、送信器)が、経時的且つランダムに変更される少なくとも一つの特性と、経時的且つ擬似ランダム的に変更される少なくとも一つの特性とを有する磁場を発生するのに適していてもよく、他方の磁力計(即ち、受信器)が、当該発生された磁場を受信するのに適していてもよい。
【0079】
本発明によれば、ランダムないし擬似ランダム的に変更された磁場を提供するのに、種々の従来の手段を用いることができる。そのような手段としては、例えば、従来の乱数発生器や擬似乱数発生器等の発生器、選択された回路及び初期値(シード)を備えたシフトレジスタ、ノイズダイオード等の適宜な電子デバイスに存在する熱雑音に基づくランダムノイズ発生器や、適宜にプログラミングされたマイクロプロセッサ等が挙げられる。
【0080】
本発明の好適な実施形態においては、ランダムないし擬似ランダム的に変更された磁場は、経時的に磁場を変更する磁場発生器により提供される。例えば、磁力計22a等の送信用磁力計に対して乱数又は擬似乱数発生器を動作可能に接続することで、磁力計が、経時的且つランダムに(又は擬似ランダム的に)その周波数又は周波数周期が変更される磁場を発生するようになる。
【0081】
本発明の幾つかの実施形態においては、従来のスペクトラム拡散技術を用いて、測定信号と相関のない周期的な干渉(ないしノイズ)又はランダム・擬似ランダムなノイズから、所望の信号及び/又は当該信号中の一以上の成分を抽出する。
【0082】
幾つかの実施形態においては、磁場ひいてはその変化を表す所望の信号を提供するのに、変換回路を用いる。
【実施例】
【0083】
以下の実施例は、当業者が本発明をより明確に理解し実施することができるように例示したものである。これらの実施例は、本発明の範囲を限定するものとして解されるべきではなく、単に本発明を例示・代表するものとして解されるべきである。
【0084】
<実施例1>
図1に例示したような生理機能モニタリングシステムを用意する。上記図3〜図5に示すように、磁力計対22a、22b及び対24a、24bを被験者に位置決めする。
【0085】
一方の磁力計対(例えば、磁力計22a、22b)の間の磁場の定常状態の周波数は約9000Hzである。他方の磁力計対(例えば、磁力計24a、24b)の間の磁場の定常状態の周波数は約8760Hzである。
【0086】
モニター中の被験者の近くに、8800〜9000Hzの範囲の周波数を有する信号を発生する蛍光灯を設置する。当該蛍光灯信号に起因する干渉が、磁力計22a、22b間の磁場、ひいては当該測定された磁場の変化を表す信号に検出される。
【0087】
次に、乱数発生器により、磁力計対22a、22b間及び対24a、24b間の磁場の周波数を、それぞれ、8900〜9100Hz及び8660〜8860Hzの間でランダムに変更する。これにより、干渉の影響が実質的に最小限に抑えられる(即ち、当初の影響の約1/200に抑制される)。
【0088】
<実施例2>
実施例2でも、上記と同じ生理機能モニタリングシステムを用い、同様の条件を用いるが、実施例2では、磁力計対22a、22b間及び対24a、24b間の磁場の周波数周期を、それぞれ、1/8900〜1/9100秒及び1/8660〜1/8860秒の間で擬似ランダム的に変更する。これにより、同様に、蛍光灯信号による干渉の影響を最小限に抑えることができる。
【0089】
よって、上述した本発明の方法及びシステムには、磁力計への干渉を抑制する従来の方法及びシステムと比較して、多くの顕著な利点がある。それら利点のうち幾つか挙げれば、(i)測定される磁場における電磁干渉が更に低減される点、(ii)測定した磁場変化、ひいては当該変化を表す信号の正確さが向上する点、(iii)ノイズの多い環境下で、非常に弱い磁場やその変化を検出できる点がある。
【0090】
更なる顕著な利点としては、測定した磁場変化を反映する「正確な」磁力計信号に基づいて、解剖学的・生理学的特性(例えば、解剖学的変位、呼吸系の特性等)を正確に決定することができる点がある。
【0091】
本発明の更なる利点や用途は、本願と同時に出願した米国特許出願第12/869,578号、本願と同時に出願した米国特許出願第12/869,582号、本願と同時に出願した米国特許出願第12/869,585号、本願と同時に出願した米国特許出願第12/869,592号、本願と同時に出願した米国特許出願第12/869,627号、本願と同時に出願した米国特許出願第12/869,625号、及び本願と同時に出願した米国特許出願第12/869,586号に開示されたシステム及び方法を参照すれば明らかである。これら各文献の全体を本明細書に参照により援用する。
【0092】
当業者であれば、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本発明を種々の用途や条件に適合させるために本発明を種々変更・修正することができる。よって、そのような変更・修正も、適正且つ衡平に、下記特許請求の範囲の均等の全範囲の内に包含されることを意図するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁場を発生する際に使用するための装置であって、
外磁場を送信するように構成された第1の送信用磁力計と、
前記外磁場の特性を経時的に変更するように構成された発生器と
を備える装置。
【請求項2】
前記特性は、前記磁場の周波数を含むことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記発生器は、約8000〜9999Hzの間で前記周波数を変更するように構成されることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記発生器は、前記周波数をランダムに変更するように構成されることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記発生器は、乱数発生器を含むことを特徴とする、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記発生器は、ランダムノイズ発生器を含むことを特徴とする、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記発生器は、前記周波数を擬似ランダム的に変更するように構成されることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項8】
前記発生器は、擬似乱数発生器を含むことを特徴とする、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記発生器は、擬似ランダムノイズ発生器を含むことを特徴とする、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記発生器は、約8900〜9100Hzの間で前記周波数を変更するように構成されることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項11】
前記特性は、前記磁場の周波数周期を含むことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記発生器は、約1/8000〜1/9999秒の間で前記周波数を変更するように構成されることを特徴とする、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記発生器は、前記周波数周期をランダムに変更するように構成されることを特徴とする、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記発生器は、乱数発生器を含むことを特徴とする、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記発生器は、ランダムノイズ発生器を含むことを特徴とする、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記発生器は、前記周波数周期を擬似ランダム的に変更するように構成されることを特徴とする、請求項12に記載の装置。
【請求項17】
前記発生器は、擬似乱数発生器を含むことを特徴とする、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記発生器は、擬似ランダムノイズ発生器を含むことを特徴とする、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記発生器は、約1/8900〜1/9100秒の間で前記周波数周期を変更するように構成されることを特徴とする、請求項12に記載の装置。
【請求項20】
磁力計システムであって、
経時的に変更される特性を有する外磁場を発生するように構成された第1磁力計と、
前記磁場を受信してモニターするように構成されるとともに、前記磁場の変化を表す磁力計信号を少なくとも一つ生成するように構成された第2磁力計と
を備える磁力計システム。
【請求項21】
前記磁場の特性は、該磁場の周波数を含むことを特徴とする、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記第1磁力計は、前記磁場の周波数を変更するように構成されることを特徴とする、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記周波数は、約8000〜9999Hzの間でランダムに変更されることを特徴とする、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記磁場の特性は、該磁場の周波数周期を含むことを特徴とする、請求項20に記載のシステム。
【請求項25】
前記第1磁力計は、前記磁場の周波数周期を変更するように構成されることを特徴とする、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記周波数周期は、約1/8000〜1/9999秒の間で擬似ランダム的に変更されることを特徴とする、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記磁力計信号を変換して、前記磁場の変化を表す信号成分を提供するように構成された変換回路を更に備えることを特徴とする、請求項20に記載のシステム。
【請求項28】
測定した磁場の変化を表す信号に対する磁場干渉の影響を抑制するための方法であって、
第1及び第2磁力計を有する磁力計システムを用意するステップと、
前記第1磁力計にて外磁場を発生させるステップと、
前記第2磁力計にて前記磁場を受信してモニターするステップと、
前記第2磁力計にて、前記磁場の変化を表す磁力計信号を生成するステップと、
前記磁場の特性を経時的に変更するステップと
を有する方法。
【請求項29】
前記磁場の特性は、該磁場の周波数を含むことを特徴とする、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記周波数は、経時的且つランダムに変更されることを特徴とする、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記周波数は、約8000〜9999Hzの間でランダムに変更されることを特徴とする、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記磁場の特性は、該磁場の周波数周期を含むことを特徴とする、請求項28に記載の方法。
【請求項33】
前記周波数周期は、経時的且つ擬似ランダム的に変更されることを特徴とする、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記周期は、約1/8000〜1/9999秒の間で擬似ランダム的に変更されることを特徴とする、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記磁力計信号を変換して、前記磁場の変化を表す所望の信号成分を提供することを更に備えることを特徴とする、請求項28に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−107126(P2011−107126A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−196121(P2010−196121)
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【出願人】(510204998)アディダス アーゲー (30)
【Fターム(参考)】