説明

磁気ギャップ方式の垂直振動運動器

本発明は、電磁石を利用した磁気回路の磁気ギャップに振動板に連結されているボビンコイルを配置することにより、十分な垂直運動力を提供することができ、低周波帯域でも正確な垂直運動及び垂直運動の回数の制御が可能であり、人体の関節に負担をかけることがなく、騒音及び部品摩耗の少ない有酸素運動用垂直振動運動器に関するものである。
本発明は、センターポールの上端の周辺に磁気回路の磁気ギャップを形成する電磁石と、前記磁気ギャップに誘導可能に挿入され、正弦波駆動信号が印加される駆動コイルと、前記駆動コイルが巻回されているボビンがその下側に付着されて上下に振動する振動板と、前記振動板の上下振動時に垂直運動が行われるように案内するための垂直運動ガイド手段とで構成されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気ギャップ方式の垂直振動運動器に関し、特に、強い磁力を発生することができる電磁石を利用した磁気回路の磁気ギャップに振動板に連結されているボビンコイルを配置した構造を採用することにより、十分な垂直運動力を提供することができる磁気ギャップ方式の垂直振動運動器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現代社会は、食べ物に不自由せず、高カロリーの飲食が溢れるようになり、我々は、気を付けないと肥満という疾病になりやすい環境に囲まれている。肥満は、心臓病・高血圧・糖尿病などの成人病の発病に関連していることが知られており、整形外科の領域では、特に、骨関節炎の発病にも関連していると考えられ、該当分野の医者の関心も高まっている。
【0003】
過度な体重増加は、関節の動きに負担をかけて関節が損傷してしまう可能性がある。近年、このような肥満を治療するための様々な治療法が開発、施行されている。
【0004】
最も良い肥満の治療法は、食事の調節と適当な運動であり、食餌療法で適切な栄養素及びカロリーを摂取し、血管内の脂肪を燃やす有酸素運動と筋力強化運動を行い、体脂肪を減らすことが好ましい。
【0005】
短い期間に急激に体重低下を計ると、多くの副作用をもたらし、かえって健康を損ねるおそれもある。
【0006】
いわゆる「ヨーヨー現象」を引き起こすことなく、安全に肥満を治療するためには、食餌療法、運動療法、薬物治療などを通して総合的、かつ持続的な治療を行う必要がある。
【0007】
特に、高度肥満の場合には、ワオーキングやジョギングなどが膝の関節に悪い影響を与える場合が多い。このような理由から使用者に好まれない傾向にあり、その場合の治療として、有酸素運動として衝撃の少ない運動である腹部振動ベルトを利用したり、ランニングマシンなどを低速にして利用したりしている。
【0008】
このような有酸素運動を手助けするとともに、膝の関節、靭帯、血脈に負担をかけない運動機器として垂直振動運動器が提案されている。垂直振動運動器から発生する垂直運動は、使用者が規則的に上下に動くようにし、これによって筋肉の収縮と弛緩が繰り返される。その結果、靭帯の大きな筋肉内に含まれている極めて小さい大きさの筋肉などに緊張を与え、普通の運動に比べてより大きなカロリーを消費することになる。このように、垂直振動運動器は、筋肉強化及びダイエット、特に、高度肥満や腹部肥満に有効的な運動機器として使用することができる。
【0009】
従来の垂直振動運動器としては、バイブレーターとして回転モーターを利用した方式が知られている。このような回転式垂直振動運動器は、周波数の適正な設定に応じて腹部にのみ振動が加えられ、簡便に有酸素運動をすることができ、特に、腹部肥満の患者に対して医学的な治療法として使用されていた。しかし、このような従来の垂直振動運動器は、回転モーターの回転軸に偏心ウェートが備えられ、ウェートが回転して支持プレートを上下に振動させる方式で作動する。そのため、偏心によるベアリングの偏摩耗の発生がひどく、耐久性が劣り、大きな騒音が発生するという構造的な問題点がある。
【0010】
また、前記回転式の垂直振動運動器は、低い周波数、例えば20Hz以下では振動強度が弱すぎて振動効果を得ることができない。また、この回転式の垂直振動運動器は、左右に振動が発生したり、正確な垂直運動が行われずに偏向した垂直運動が行われることから、人体の関節に負担がかかるという問題点がある。
【0011】
さらに、従来の回転式垂直振動運動器は、回転モーターを用いた方式であるため、振動板の振動数を正確に制御することが難しく、十分な振動力を提供することが難しいという問題点もある。
【0012】
一方、従来、永久磁石を用いたスピーカーの磁気回路を使用してオーディオ信号に対応する振動を発生させるための振動器も提案された。しかし、このような技術は、オーディオ信号に対応して使用者が手や体で立体的に振動を感じるのには適している。しかし、有酸素運動のための振動板を駆動するには磁気力が不足であったり、適当な伝送力及び支持構造を有していない。
【0013】
一方、物理治療用補助機器、固体と液体を分離するための固液分離器、選別器、穀物洗浄器など場合には、低周波の強い垂直運動力を発生するバイブレータが要求される。しかし、従来の回転式垂直振動運動器は、騒音が大きく、編摩耗がひどいという問題点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
そこで、本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、強い磁力を発生することができる電磁石を利用した磁気回路の磁気ギャップに振動板に連結されているボビンコイルを配置した構造を採用することにより、十分な垂直運動力を提供することができる磁気ギャップ方式の垂直振動運動器を提供することにある。
【0015】
本発明の他の目的は、ボビンコイルに印加される駆動信号の周波数とパワーを制御することにより、低周波の帯域でも垂直運動の回数を精細に制御可能であり、十分な振動効果を提供することができる磁気ギャップ方式の垂直振動運動器を提供することにある。
【0016】
本発明のまた他の目的は、垂直運動が行われる振動板を複数のガイド軸とそれに結合された直線ベアリングを利用して正確な垂直運動が行われるように支持することにより、有酸素運動機器、特に、高度腹部肥満の治療に適用する場合、人体の関節に負担をかけることがなく、騒音が少なく、編摩耗などの部品摩耗の少ない磁気ギャップ方式の垂直振動運動器または産業用振動発生器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するためになされた本発明によれば、ベースプレートの中央に配置されている円形のベースと、ベースの中央から上側に突出している棒状のセンターポールと、ベースの端部から上側にセンターポールの高さの分だけ延長された円筒形状の外側の延長部と、外側の延長部から内側に2段折曲延長されセンターポールの上端との間に磁気ギャップを形成する磁気ギャップ形成部で構成されているヨークと、前記センターポールに巻回され、直流電源が印加される電磁石用コイルを備えている電磁石と、前記磁気ギャップに流動可能に挿入され、正弦波駆動信号が印加される駆動コイルと、前記駆動コイルが巻回されているボビンがその下側に付着されて上下に振動する振動板と、前記振動板の上下振動時に、垂直運動が行われるように案内するための垂直運動ガイド手段とから構成されていることを特徴とする垂直振動運動器を提供する。
【0018】
前記垂直振動運動器は、振動板が垂直方向に運動をするとき、振動板の運動範囲を制限すると同時に、振動板が下降するときに衝撃力を吸収するための振動吸収手段をさらに含むことができる。前記振動吸収手段は、高さ調節機能を有する少なくとも3つ以上の複数の受け台と、前記受け台と振動板との間に挿入されて連結されている少なくとも3つ以上の複数の弾性部材とで構成されている。
【0019】
また、前記垂直振動運動器は、正弦波信号を発生する正弦波信号発生器と、前記正弦波信号を電圧増幅するための電圧増幅器と、前記電圧増幅された正弦波信号を電力増幅し、前記駆動コイルに印加するための電力増幅器とをさらに含む。
【0020】
この場合、前記正弦波駆動信号は1〜60Hz範囲の周波数を有している。
【0021】
本発明の特徴によれば、本発明の垂直振動運動器は、センターポールと、前記センターポールの周辺に空間を形成し、センターポールの下部から4段折曲されて延長され、延長された端部がセンターポールの上部と対向して磁気ギャップを形成するヨークと、前記センターポールに巻線されて直流電源が印加されるとき電磁石を形成する電磁石用コイルを含む電磁石と、ボビンに巻回されて前記磁気ギャップに流動可能に挿入され、正弦波信号が印加されるときフレミングの左手の法則によって上下に振動する駆動コイルと、前記駆動コイルに正弦波信号を供給するための正弦波供給手段と、前記ボビンがその下側に付着されて上下に振動する振動板と、前記振動板の上下振動時に垂直運動が行われるように案内するための垂直運動ガイド手段と、前記振動板が垂直方向運動をするとき、振動板の運動範囲を制限すると同時に、振動板が下降するとき、衝撃力を吸収するための振動吸収手段とで構成されていることを特徴とする。
【0022】
この場合、前記ヨークは、ベースプレートの中央に位置している円形のベースと、前記ベースの中央から上側に突出され、電磁石用コイルが巻回されている棒状のセンターポールと、前記ベースの端部から上側にセンターポールの高さの分だけ延長された円筒形状の外側の延長部と、前記外側の延長部から内側に2段折曲延長されてセンターポールの上端との間に磁気ギャップを形成する磁気ギャップ形成部とで構成されている。
【0023】
前記垂直運動ガイド手段は、前記振動板に形成された少なくとも3つ以上の上下貫通孔と、前記各貫通孔の下側に対応して固定された少なくとも3つ以上のガイドベアリングと、前記各ガイドベアリングがその外周に結合され、振動板が上下に振動するとき、左右に偏心せずに、垂直方向の直線運動が発生するように案内する、少なくとも3つ以上のガイド軸とで構成されることが好ましい。
【0024】
本発明の目的を達成するために本発明の垂直振動運動器は、環状の磁気ギャップを形成し、前記磁気ギャップに直流磁場を形成する少なくとも一つの磁気回路と、ボビンを巻回しており前記磁気ギャップに挿入される少なくとも一つの駆動コイルと、前記駆動コイルは、直流磁場を形成するように正弦波信号がオンになると上下に振動し、駆動コイルに1〜60Hz範囲の周波数を有する正弦波信号を発生する正弦波信号発生器と、前記ボビンの下端に付着されて上下に振動する振動板と、前記振動板が上下に振動するときに垂直運動が行われるようにする振動板を案内する垂直運動ガイド手段と、前記振動板が垂直方向運動をするとき、振動板の運動範囲を制限すると同時に、振動板に加えられる衝撃を吸収する運動範囲制限及び振動吸収手段とを含むことを特徴とする。
【0025】
本発明の前記及びその他の目的及び効果は、添付図面を参照する以後の詳細な説明からより明らかに理解できるであろう。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、強い磁力を発生することができる電磁石を利用した磁気回路により、ボビンコイルに連結されている振動板を上下に駆動させることによって十分な垂直運動力を提供することができ、低周波帯域でも垂直運動の回数を精細に制御することが可能であり、正確な垂直運動が行われるように支持することによって、人体の関節に負担をかけることがなく、騒音及び部品摩耗の少ない有酸素運動用垂直振動運動器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の垂直振動運動器について好ましい実施形態を添付した図面を参照して詳細に説明する。
【0028】
図1を参照すれば、本発明の好ましい一実施形態に係る磁気ギャップ方式の垂直振動運動器は、電磁石1を利用した磁気回路に形成された磁気ギャップGに、振動板2を上下に駆動させるための駆動コイル3が巻回されているボビン4が挿入されている構造を有している。
【0029】
前記電磁石1は、金属で形成されたベースプレート30の中央に図示されていない絶縁材を介してその上に搭載されたヨーク11に直流電源DCが印加されるコイル12が巻回され、磁気回路内に強力かつ持続的な直流磁束を供給することにより、駆動コイル3は、フレミングの左手の法則によって上下の動きを誘導する役割をする。
【0030】
磁気回路の通路を形成するヨーク11は、ベースプレート30の中央に配置された円形のベース11aと、ベース11aの中央から上側に突出して電磁石用コイル12が巻回されている棒状のセンターポール11bと、ベース11aの端部から上側にセンターポール11bの高さの分だけ延長された円筒形状の外側の延長部11cと、外側の延長部11cから内側に2段折曲延長され、センターポール11bの上端との間に磁気ギャップGを形成する磁気ギャップ形成部11dとで構成されている。
【0031】
このようなヨーク構造は、センターポール11bと外側の延長部11cとの間に十分な量の電磁石用コイル12が巻回されることができる空間構造となっており、強力な電磁石を構成することが可能になる。この場合、磁気ギャップGに挿入されて上下に振動する駆動コイル3に效率よく磁場力を与えるために、ヨーク11の磁気ギャップ形成部11dは、駆動コイル3が振動する範囲を充分カバーできるように長く形成されている。
【0032】
この場合、磁気ギャップ形成部11d は、上記のように、2回折れ曲がって外側の延長部11cの方向に拡張され、磁気力は、磁気ギャップ形成部11dに集中しており、効率よく磁気力を与えるようにすることができる。
【0033】
ヨーク11のセンターポール11bに巻回される電磁石用コイル12は、センターポール11bの上端部がN極となり、磁気ギャップ形成部11dがS極となるように、コイルの巻線方向と電流の流れ方向を設定する。
【0034】
従って、駆動コイル3に極性が周期的に変化する正弦波駆動信号が印加されると、駆動コイル3の交流性回転磁場と磁気ギャップGの内に直流磁場が相互作用し、フレミングの左手の法則によってボビン4に巻線された駆動コイル3は、磁気ギャップG内で上下に振動するようになり、その結果、振動板2が上下に振動する。
【0035】
この場合、振動板2には、少なくとも3つ以上の上下貫通孔2a、2bが形成されており、この貫通孔2a、2bの下側には、貫通孔2a、2bに対応するガイドベアリング34a、34bが固定されている。また、このガイドベアリング34a、34bは、ヨーク11の外側に一定の距離を置いてベースプレート30に下端部が固定された少なくとも3つ以上のガイド軸33a、33bに挿入され、振動板2が上下に振動するとき、左右に偏心せずに、垂直方向の直線運動が発生するように案内する役割をする。
【0036】
また、振動板2が垂直方向運動をするとき、振動板2の運動範囲を制限すると同時に、振動板が下降するとき、所定の衝撃力を吸収するように、少なくとも3つ以上の振動吸収部材32a、32bが、一端は振動板に連結され、他端はそれぞれの受け台31a、31bに設置されている。前記受け台31a、31bは、高さ調節構造を有することが好ましい。
【0037】
前記振動吸収部材32a、32bは、圧縮スプリングからなることが好ましい。また、前記振動吸収部材32a、32bとしては、その他の振動吸収部材として知られているショックアブソーバーまたは弾性ゴムなどを使用することができる。
【0038】
なお、振動吸収部材32a、32bは、前記振動板2の上昇位置(上部不動中心)と、下降位置(下部不動中心)を決定するための役割をすることができるように適切な弾性係数を有している。上記のように、振動板2の振動範囲は、前記振動吸収部材32a、32bの弾性係数(湿度)をあらかじめ定めることによって決定され、前記振動板2の瞬間振動の範囲は、受け台31a、31bの高さ調節機能を使用して調節することができる。
【0039】
前記振動板2の作動時、それに対する衝撃吸収及び垂直運動のための直線ガイドに必要な振動吸収部材32a、32bとガイド軸33a、33bは、振動板上に使用者が立っているとき、中心に位置しなかった場合でも、全体的に重心が不安定になることを可能なかぎり抑制し、バランスを取ることができるように、3つ以上の複数個で支持構造を形成することが好ましい。
【0040】
一方、垂直振動運動器は、駆動コイル3に極性が周期的に変化する正弦波駆動信号を印加するために、周波数設定用可変抵抗22を備え、周波数設定用可変抵抗22の抵抗値の設定に応じて1〜60Hz範囲の周波数を有する正弦波信号を発生する正弦波信号発生器21と、前記正弦波信号発生器21の正弦波信号を電圧増幅するための電圧増幅器23と、前記電圧増幅された正弦波信号を電力増幅するための電力増幅器24と、前記電圧増幅器23と電力増幅器24との間に挿入され、電力増幅器24に印加される電圧値を調整することによって駆動コイル3に印加される駆動信号のパワーを選択することができるようにするパワー調節用可変抵抗25を含む。
【0041】
上記のような構成を有する本発明の垂直振動運動器の作用について以下に説明する。
【0042】
まず、電磁石用コイル12にDC電源が印加され、コイル12が刺激を受けると、それによってヨーク11は、電磁石を形成するようになり、その結果、センターポール11bの上端部がN極となり、これに対応する磁気ギャップ形成部11dがS極となる。これにより、電磁石1のヨーク11によって形成された磁気回路のうちセンターポール11bの上端と磁気ギャップ形成部11dとの間に磁気ギャップGが形成される。
【0043】
このとき、使用者が周波数設定用可変抵抗22を調整し、所望の抵抗値(つまり周波数値)を設定すると、それに応じて1〜60Hz範囲、特に、有酸素運動の場合には10〜20Hz範囲のいずれか一つの周波数を有する正弦波信号が正弦波信号発生器21から発生され、電圧増幅器23に印加される。
【0044】
前記電圧増幅器23においては、後端の電力増幅器24で十分な電力増幅が行われるように、あらかじめ電圧増幅を行うようにしている。
【0045】
その後、電圧増幅された正弦波信号は、使用者のパワー調節用可変抵抗25の設定値に応じて選択された値で正弦波信号の電力増幅が行われ、非磁性体のボビン4に巻回された駆動コイル3に印加される。
【0046】
従って、駆動巻線3に極性が周期的に変化する正弦波駆動信号が印加されると、駆動コイル3の交流性回転磁場と磁気ギャップG内に直流磁場が相互作用し、フレミングの左手の法則によってボビン4に巻線された駆動コイル3は、正弦波駆動信号の極性が周期的に反転するので、これに伴って磁気ギャップG内で上下に振動するようになり、その結果、振動板2は上下に垂直運動をするようになる。
【0047】
本発明による垂直振動運動器は、正弦波駆動信号の極性反転に伴い、これに対応して振動板がガイド軸33a、33bに沿って上下に垂直運動を行う方式であり、使用者は、正弦波駆動信号の周波数設定に対応して正確な垂直運動の回数の制御が可能であり、垂直運動時に振動板のガイドベアリング34a、34bがガイド軸33a、33bに沿って上下にスライディングするので騒音の発生が少なくなる。
【0048】
従来の回転モーター方式では、偏心ウェートを回転作動させており、20Hz以下の低周波数では振動の強度が弱く、正確な垂直運動を行うことができず、膝の関節などに負担がかかっていたが、本発明では、使用者が設定した周波数に応じて正確にそれに対応する垂直運動が発生し、20Hz以下の周波数でも、駆動コイル3が強い磁力を発生することができる電磁石1を利用した磁気回路の磁気ギャップに挿入されており、十分な垂直運動力を提供する。
【0049】
本発明の垂直振動運動器は、垂直運動が行われる振動板を複数のガイド軸とこれに結合されたガイドベアリングを利用して正確な垂直運動が行われるように支持している。このように本発明は、有酸素運動機器、特に高度腹部肥満の治療に適用する場合、正確な垂直運動が行われるようになり、人体の関節に負担がかからない。
【0050】
また、本発明の垂直振動運動器は、摩擦や衝撃部分が存在せず、騒音が少なく、偏摩耗などの部品摩耗が少なく、耐久性が極めて高い。
【0051】
以上のように、本発明では、磁気部を利用した磁気回路によって駆動される振動板について開示されている。ところが、永久磁石を用いた磁気回路を利用した振動板により本発明を構成することも可能である。有酸素運動機器用の垂直振動運動器では、例えば最小50kgから最大300kgの体重の人が振動板に立っても、1から60Hzの周波数の範囲内で上下に20mmの振動を発生することが要求される。
【0052】
このような場合、永久磁石を用いると、例えば円形の磁気ギャップを有する内部磁場形態の磁気回路が磁気流動密度が最も高いと知られているネオジウム(Nd)マグネットを用いて駆動され、このとき、普通の電磁気部を利用した磁気回路に比べて高価ではあるが、上記のように、有酸素運動機器用の垂直振動運動器を駆動することができる約4000ガウス(Gauss)のDC電磁場を形成することが可能となる。
【0053】
また、正弦波信号発生器21から発生し、周期的に極点が変わる正弦波駆動信号が駆動コイル3に適用されると、交流磁気が駆動コイル3に流れるようになる。しかし、交流磁場を生成するために、正弦波駆動信号の代わりに駆動コイル3に方形波駆動信号を適用することもできる。すなわち、正弦波信号発生器の代わりに方形波信号発生器を用いることが可能である。
【0054】
また、電磁石1と、駆動コイル3を巻回しているボビン4は、振動板2を駆動するために使用することができる。しかし、2つ以上の磁気回路と駆動コイルは、振動板2に充分な垂直運動力を提供するために使用されてもよく、その場合、各ボビン4は、振動板2に連結されるようになる。
【0055】
上記のように、本発明によれば、強い磁力を発生することができる電磁石を利用した磁気回路により、ボビンコイルに連結されている振動板を上下に駆動させることによって十分な垂直運動力を提供することができ、低周波帯域でも垂直運動の回数を精細に制御することが可能であり、正確な垂直運動が行われるように支持することによって、人体の関節に負担をかけることがなく、騒音及び部品摩耗の少ない有酸素運動用垂直振動運動器を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明による垂直振動運動器は、有酸素運動機器としてだけでなく、1分当り振動数の正確な設定が可能であり、強力な電磁石を利用して十分な振動強度を提供することができ、例えば、物理治療用補助機器、固体と液体を分離するための固液分離器、選別器、穀物洗浄器など、様々な産業用振動発生器にも適用可能である。
【0057】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の多様な変形及び改良形態も本発明の権利範囲に属するものである。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の好ましい一実施形態に係る垂直振動運動器の全体構成を示す構成図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースプレートと、
前記ベースプレートの中央に配置されている円形のベースと、ベースの中央から上側に突出している棒状のセンターポールと、
ベースの端部から上側にセンターポールの高さの分だけ延長された円筒形状の外側の延長部と、外側の延長部から内側に2段折曲延長され、センターポールの上端との間に磁気ギャップを形成する磁気ギャップ形成部で構成されているヨークと、前記センターポールに巻回され、直流電源が印加される電磁石用コイルを備えている電磁石と、
前記磁気ギャップに流動可能に挿入され、正弦波駆動信号が印加されるとき、フレミングの左手の法則によって上下に運動する駆動コイルと、
前記駆動コイルが巻回されているボビンがその下側に付着されて上下に運動する振動板と、
前記振動板の上下振動時、垂直運動が行われるように案内するために前記振動板に形成された少なくとも3つ以上の上下貫通孔と、前記各貫通孔の下側に対応して固定された少なくとも3つ以上のガイドベアリングと、前記各ガイドベアリングがその外周に結合され、振動板が上下に運動するとき、左右に偏心せずに、垂直方向の直線運動が発生するように案内する、少なくとも3つ以上のガイド軸を含む垂直運動ガイド手段と、
前記振動板が垂直方向運動をするとき、振動板の運動範囲を制限すると同時に、振動板が下降するとき、衝撃力を吸収するための運動範囲制限及び振動吸収手段とで構成されていることを特徴とする垂直振動運動器。
【請求項2】
前記運動範囲制限及び振動吸収手段は、高さ調節機能を有する少なくとも3つ以上の複数の受け台と、前記受け台と振動板との間に挿入されて連結されている少なくとも3つ以上の複数の弾性部材とで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の垂直振動運動器。
【請求項3】
駆動コイルに供給される交流駆動信号が方形信号であることを特徴とする請求項1に記載の垂直振動運動器。
【請求項4】
正弦波信号を発生する正弦波信号発生器と、
前記正弦波信号を電圧増幅するための電圧増幅器と、
前記電圧増幅された正弦波信号を電力増幅して前記駆動コイルに印加するための電力増幅器をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の垂直振動運動器。
【請求項5】
前記正弦波駆動信号は、1〜60Hz範囲の周波数を有することを特徴とする請求項4に記載の垂直振動運動器。
【請求項6】
センターポールと前記センターポールの周辺に空間を形成し、センターポールの下部から4段折曲されて延長され、延長された端部がセンターポールの上部と対向して磁気ギャップを形成するヨークと、前記センターポールに巻線されて直流電源が印加されるとき電磁石を形成する電磁石用コイルを含む電磁石と、
ボビンに巻回されて前記磁気ギャップに流動可能に挿入され、正弦波信号が印加されるときフレミングの左手の法則によって上下に運動する駆動コイルと、
前記駆動コイルに正弦波信号を供給するための正弦波供給手段と、
前記ボビンがその下側に付着されて上下に振動する振動板と、
前記振動板の上下振動時に垂直運動が行われるように案内するために前記振動板に形成された少なくとも3つ以上の上下貫通孔と、前記各貫通孔の下側に対応して固定された少なくとも3つ以上のガイドベアリングと、前記各ガイドベアリングがその外周に結合され、振動板が上下に振動するとき、左右に偏心せずに、垂直方向の直線運動が発生するように案内する、少なくとも3つ以上のガイド軸を含む垂直運動ガイド手段と、
前記振動板が垂直方向運動をするとき、振動板の運動範囲を制限すると同時に、振動板が下降するとき、衝撃力を吸収するための運動範囲制限及び振動吸収手段とで構成されていることを特徴とする垂直振動運動器。
【請求項7】
前記ヨークは、
円形のベースと、
前記ベースの中央から上側に突出され、電磁石用コイルが巻回されている棒状のセンターポールと、
前記ベースの端部から上側にセンターポールの高さの分だけ延長された円筒形状の外側の延長部と、
前記外側の延長部から内側に2段折曲延長されてセンターポールの上端との間に磁気ギャップを形成する磁気ギャップ形成部とで構成されていることを特徴とする請求項6に記載の垂直振動運動器。
【請求項8】
環状の磁気ギャップが形成され、前記磁気ギャップには直流磁場が形成される電磁石と、
ボビンに巻回されて前記磁気ギャップに流動可能に挿入され、正弦波信号が印加されるとき、フレミングの左手の法則によって上下に運動する駆動コイルと、
前記駆動コイルに正弦波信号を供給するための正弦波供給手段と、
前記振動板の上下振動時に垂直運動が行われるように案内するために前記振動板に形成された少なくとも3つ以上の上下貫通孔と、前記各貫通孔の下側に対応して固定された少なくとも3つ以上のガイドベアリングと、前記各ガイドベアリングがその外周に結合され、振動板が上下に運動をするとき、左右に偏心せずに、垂直方向の直線運動が発生するように案内する、少なくとも3つ以上のガイド軸を含む垂直運動ガイド手段と、
前記振動板が垂直方向運動をするとき、振動板の運動範囲を制限すると同時に、振動板が下降するとき、衝撃力を吸収するための運動範囲制限及び振動吸収手段とで構成されていることを特徴とする垂直振動運動器。
【請求項9】
環状の磁気ギャップを形成し、前記磁気ギャップ内に直流磁場が形成される磁気回路と、
ボビンに巻回されて前記磁気ギャップに流動可能に挿入され、交流性回転磁場を発生させるための駆動信号が印加されるとき、フレミングの左手の法則によって上下に運動する駆動コイルと、
前記駆動コイルに1〜60Hz範囲の周波数を有する駆動信号を供給するための駆動信号供給手段と、
前記ボビンがその下側に付着され、上下運動をする振動板と、
前記振動板の上下振動時に垂直運動が行われるように案内するために、前記振動板に形成された少なくとも3つ以上の上下貫通孔と、前記各貫通孔の下側に対応して固定された少なくとも3つ以上のガイドベアリングと、前記各ガイドベアリングがその外周に結合され、振動板が上下に運動をするとき、左右に偏心せずに、垂直方向の直線運動が発生するように案内する、少なくとも3つ以上のガイド軸を含む垂直運動ガイド手段と、
前記振動板が垂直方向運動をするとき、振動板の運動範囲を制限すると同時に、振動板が下降するとき、衝撃力を吸収するための運動範囲制限及び振動吸収手段とで構成されていることを特徴とする垂直振動運動器。
【請求項10】
前記垂直運動ガイド手段は、
振動板に形成された少なくとも3つ以上の上下貫通孔と、
前記各貫通孔の下側に対応して固定された少なくとも3つ以上のガイドベアリングと、
前記各ガイドベアリングがその外周に結合され、振動板が上下に運動をするとき、左右に偏心せずに、垂直方向の直線運動が発生するように案内する、少なくとも3つ以上のガイド軸とで構成されていることを特徴とする請求項9に記載の垂直振動運動器。

【図1】
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【公表番号】特表2008−504126(P2008−504126A)
【公表日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−519117(P2007−519117)
【出願日】平成17年6月24日(2005.6.24)
【国際出願番号】PCT/KR2005/001973
【国際公開番号】WO2006/001656
【国際公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【出願人】(507000224)
【Fターム(参考)】