説明

磁気センサおよび電流センサ

【課題】 構造が単純で製造が容易な磁気センサおよび電流センサを提供する。
【解決手段】 互いに対向する対向面を有する同一形状の磁性体コア4a,4bと、磁性体コア4a,4bの対向面の間に挟まれているとともに、互いに隣り合うように配置された第1および第2のコイルからなる励磁コイル7と、磁性体コア4a,4bの少なくとも一部を取り巻くように配置された検出用コイル6とを備え、励磁コイル7は、電流が流されたときに、第1および第2のコイル内に対向面に垂直で互いに逆向きの成分を有する磁界を発生させるものであり、検出用コイル6は、電流が流された場合に、コイル内に第1および第2のコイルが配列された方向と同じ方向の成分を有する磁界を発生させるように巻かれている磁気センサとする。構造が単純で製造が容易な磁気センサが得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造が単純で製造が容易な磁気センサおよび電流センサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
2つの離隔した環状磁路およびそれらを接続する2つの接続磁路からなる磁気回路と、接続磁路に巻回された励磁コイルと、2つの環状磁路を一体的に取り巻くように巻き付けられた検出用コイルとを備えた電流センサが提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4310373号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1にて提案された電流センサは、構造が複雑であり製造が難しいという問題があった。
【0005】
本発明はこのような従来の技術における問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、構造が単純で製造が容易な磁気センサおよび電流センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の磁気センサは、互いに対向する対向面を有する同一形状の1対の磁性体コアと、該1対の磁性体コアの1対の前記対向面の間に挟まれているとともに、互いに隣り合うように配置された第1および第2のコイルからなる励磁コイルと、前記1対の磁性体コアの少なくとも一部を取り巻くように配置された検出用コイルとを備え、前記励磁コイルは、電流が流されたときに、前記第1および第2のコイル内に前記対向面に垂直で互いに逆向きの成分を有する磁界を発生させるものであり、前記検出用コイルは、電流が流された場合に、前記検出用コイル内に前記第1および第2のコイルが配列された方向と同じ方向の成分を有する磁界を発生させるように巻かれていることを特徴とするものである。
【0007】
本発明の第2の磁気センサは、前記第1の磁気センサが備える構成において、前記1対の磁性体コアが環状に形成されているとともに、該1対の磁性体コアの環の円周方向に沿って前記第1および第2のコイルが交互に複数配列されていることを特徴とするものである。
【0008】
本発明の第1の電流センサは、前記第1の磁気センサと、前記第1および第2のコイルが配列された方向に垂直な方向の成分を有する電流を流すための導電路とを備えることを特徴とするものである。
【0009】
本発明の第2の電流センサは、前記第2の磁気センサと、前記1対の磁性体コアの環の内側を通過するように配置された導電路とを備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の第1の磁気センサによれば、磁性体コアの構造が非常に単純化できるため、構
造が単純で製造が容易な磁気センサを得ることができる。
【0011】
本発明の第2の磁気センサによれば、磁性体コアの環の内側の任意の位置に、環の内側を通過するように導電路を配置することによって、導電路を流れる電流を検出する電流センサとして機能させることができるので、設置時の自由度が高い電流センサとして用いることが可能な磁気センサを得ることができる。
【0012】
本発明の第1の電流センサによれば、磁気センサの構造を単純化することができるので、構造が単純で製造が容易な電流センサを得ることができる。
【0013】
本発明の第2の電流センサによれば、磁性体コアの環の内側の任意の位置に導電路を配置することができるので、磁性体コアと導電路との位置関係の自由度が高い電流センサを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態の第1の例の磁気センサを模式的に示す外観斜視図である。
【図2】図1に示す磁気センサを模式的に示す検出用コイルを省略した分解斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態の第2の例の電流センサを模式的に示す外観斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態の第3の例の磁気センサおよび電流センサを模式的に示す外観斜視図である。
【図5】図4に示す磁気センサおよび電流センサを模式的に示す検出用コイルを省略した分解斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態の第4の例の電流センサを模式的に示す分解斜視図である。
【図7】図6に示す電流センサを模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の磁気センサおよび電流センサを添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0016】
(実施の形態の第1の例)
図1は、本発明の実施の形態の第1の例の磁気センサを模式的に示す外観斜視図である。図2は、図1に示す磁気センサを模式的に示す分解斜視図である。なお、図2においては、見やすくするために検出用コイル6の図示を省略している。
【0017】
本例の磁気センサは、図1および図2に示すように、入力端子3a,3bと、出力端子2a,2bと、1対の磁性体コア4a,4bと、絶縁板5と、検出用コイル6と、励磁コイル7とを備えている。磁性体コア4a,4bは、同一形状であり、互いに対向する対向面を有している。励磁コイル7は、互いに隣り合うように配置された第1のコイル7aおよび第2のコイル7bからなり、磁性体コア4a,4bの1対の対向面の間に挟まれた絶縁板5の表面に形成されて、絶縁板5とともに磁性体コア4a,4bの1対の対向面の間に挟まれている。そして、励磁コイル7は、電流が流されたときに、第1のコイル7aおよび第2のコイル7bに対向面(図のx−y平面)に垂直(図のz軸方向)で互いに逆向きの成分を有する磁界を発生させる。検出用コイル6は、1対の磁性体コア4a,4bの一部を取り巻くように配置されており、1対の磁性体コア4a,4bの少なくとも一部がコイルの内側に位置するように、1対の磁性体コア4a,4bの一部に巻き付けられている。そして、検出用コイル6は、電流が流された場合に、検出用コイル6内に第1および
第2のコイルが配列された方向(図のx軸方向)と同じ方向の成分を有する磁界を発生させるように巻かれている。また、励磁コイル7の両端には入力端子3a,3bが電気的に接続されており、検出用コイル6の両端には出力端子2a,2bが電気的に接続されている。
【0018】
このような構成を備える本例の磁気センサ10においては、例えば、入力端子3aから入って入力端子3bから出る向きに電流が流れると、第1のコイル7aには図の−z方向に向かう磁界が発生し、第2のコイル7bには図のz方向に向かう磁界が発生する。これにより、磁性体コア4aにおいては、第2のコイル7bから第1のコイル7aに向かうように、図の−x方向の成分を有する磁束が発生し、磁性体コア4bにおいては、第1のコイル7aから第2のコイル7bに向かうように、図のx方向の成分を有する磁束が発生する。よって、図1にHで示した、図のx方向に向かう外部磁界が存在すると、磁性体コア4aにおいては、励磁コイル7に流れる電流によって発生する磁束と外部磁界Hによる磁束とが打ち消し合い、磁性体コア4bにおいては、励磁コイル7に流れる電流によって発生する磁束と外部磁界Hによる磁束とが強め合うことになるが、この強め合う程度と弱め合う程度とが等しくないことから、これを利用して外部磁界Hの大きさを検出することができる。
【0019】
すなわち、検出用コイル6は、電流が流された場合に、コイル内に第1および第2のコイルが配列された方向(図のx方向)と同じ方向の成分を有する磁界を発生させるように巻かれている。このため、コイル内に第1および第2のコイルが配列された方向(図のx軸方向)の磁束の変化があると、検出用コイル6に誘導起電力が発生する。外部磁界Hが0の場合には、励磁コイル7の両端に交流を流しても、磁性体コア4a内の磁束と磁性体コア4b内の磁束とが打ち消し合うため検出用コイル6に誘導起電力は発生しない。ところが、外部磁界の変化にともなう磁性体の透磁率の変化が線形でないことにより、外部磁界Hが0でない場合には、励磁コイル7の両端に交流を流したときに発生する磁性体コア4a,4b内の磁束が外部磁界Hによって増加する量と減少する量とが等しくならないため、外部磁界Hの大きさに対応した誘導起電力が検出用コイル6に発生する。よって、出力端子2a,2b間の電圧を測定することにより、磁気センサ10を貫く外部磁界Hを検出することができる。
【0020】
このような構成を備える本例の磁気センサ10によれば、磁性体コア4a,4bの構造を非常に単純化できるため、構造が単純で製造が容易な磁気センサ10を得ることができる。
【0021】
また、本例の磁気センサ10によれば、励磁コイル7は、磁性体コア4a,4bに巻き付ける必要がなく、平面状のコイルでよいため、絶縁板5に形成した導体パターンで励磁コイル7を構成することができるので、さらに構造が単純で製造が容易な磁気センサ10を得ることができる。
【0022】
本例の磁気センサ10において、磁性体コア4a,4bは、例えば、鉄,ニッケル,コバルト等の強磁性体を使用して形成することができる。また、特許文献1に記載されたように、内部に磁性流体が封入された構造体を使用しても構わない。この場合には、磁性流体が封入された空間が磁性体コア4a,4bとして機能する。磁性体コア4a,4bの形状としては、励磁コイル7および絶縁板5を挟持する対向面を有していればよく、矩形でも半円柱状でも構わない。
【0023】
絶縁板5は、磁化しない材料を用いて形成するのが望ましく、それにより、磁性体コア4a,4bを、微少間隔で安定して対向配置することができる。また、励磁コイル7を導体パターンで形成する場合には、絶縁体や誘電体であることが望ましい。よって、例えば、合成樹脂や誘電体セラミック等を用いて形成することができる。
【0024】
(実施の形態の第2の例)
図3は、本発明の実施の形態の第2の例の電流センサを模式的に示す外観斜視図である。なお、本例においては、上述した実施の形態の例と異なる部分について説明し、同一の構成要素には同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0025】
本例の電流センサは、図3に示すように、図1および図2に示した実施の形態の第1の例の第1の磁気センサ10と、第1および第2のコイルが配列された方向(図のx軸方向)に垂直な方向(図の−z方向)の成分を有する電流iが流れる導電路8とを備えている。
【0026】
このような構成を備える本例の電流センサによれば、導電路8を流れる電流iの大きさに対応して、磁気センサ10の検出用コイル6内に図のx軸方向の成分を有する磁界が発生する。よって、磁気センサ10と導電路8との距離を予め測定しておくとともに、磁気センサ10の入力端子3a,3bに交流電圧を加えて出力端子2a,2b間の電圧を測定することにより、導電路8を流れる電流iの大きさを測定することが可能な電流センサを得ることができる。
【0027】
本例の電流センサによれば、構造が単純な磁気センサ10を用いていることから、特許文献1に記載された電流センサと同様に直流電流を測定可能であるとともに、構造が単純で製造が容易な電流センサを得ることができる。
【0028】
なお、本例の電流センサにおいては、図のz軸方向に電流が流れるように導電路8が配置された例を示したが、第1および第2のコイルが配列された方向(図のx軸方向)に垂直な方向(図のyz平面内の任意の方向)に電流が流れるように導電路8が配置されていれば、同様の感度で電流を検出することができる。さらに、検出感度は低下するものの、電流が図のyz平面内の任意の方向の成分を有していれば、原理的には電流の検出は可能である。
【0029】
(実施の形態の第3の例)
図4は、本発明の実施の形態の第3の例の磁気センサおよびそれを用いた電流センサを模式的に示す外観斜視図である。図5は、図4に示す磁気センサおよび電流センサを模式的に示す分解斜視図である。なお、図5においては、見やすくするために検出用コイル6の図示を省略している。また、本例においては、上述した実施の形態の例と異なる部分について説明し、同一の構成要素には同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0030】
本例の電流センサは、図4,図5に示すように、磁気センサ10と、導電路8とを備えている。
【0031】
本例の磁気センサ10は、1対の磁性体コア4a,4bが環状に形成されているとともに、1対の磁性体コア4a,4bの環の円周方向に沿って第1のコイル7aおよび第2のコイル7bが交互に複数配列されている。導電路8は、1対の磁性体コア4a,4bの環の中央を垂直(図のz軸方向)に貫通するように配置されている。
【0032】
本例の磁気センサ10によれば、磁性体コア4a,4bが環状に形成されていることから、磁性体コア4a,4bの環の内側の任意の位置に、環の内側を通過するように導電路8を配置することによって、導電路8を流れる電流を検出する電流センサとして機能させることができるので、設置時の自由度が高い電流センサとして機能することが可能な磁気センサを得ることができる。
【0033】
本例の電流センサによれば、磁性体コア4a,4bの環の内側の任意の位置に導電路8
を配置することができるので、磁性体コア4a,4bと導電路8との位置関係の自由度が高い電流センサを得ることができる。
【0034】
なお、導電路8は、1対の磁性体コア4a,4bの環を垂直(図のz軸方向)に貫通するときが最も電流の検出感度が高くなるが、導電路8を流れる電流が、磁性体コア4a,4bの環が位置する平面(図のxy平面)に垂直な方向(図のz軸方向)の成分を有していれば、電流の検出は可能である。
【0035】
(実施の形態の第4の例)
図6は、本発明の実施の形態の第4の例の電流センサを模式的に示す分解斜視図である。図7は、図6に示す電流センサを模式的に示す上面図である。なお、図6においては、見やすくするために励磁コイル7の詳細な図示を省略するとともに、検出用コイル6を構成する第2の貫通導体61については、その一部のみを記載している。また、図7においては、励磁コイル7の記載を省略している。なお、本例においては、上述した実施の形態の第3の例の電流センサと異なる部分について説明し、同一の構成要素には同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0036】
本例の電流センサは、図6および図7に示すように、複数の誘電体層21a〜21eが積層されてなる誘電体基板21中に形成されている。
【0037】
磁性体コア4a,4bは、誘電体基板21中に、誘電体基板21の厚み方向に間隔を開けて配置されている。すなわち、磁性体コア4aは誘電体層21b上に配置されており、磁性体コア4bは誘電体層21d上に配置されている。
【0038】
励磁コイル7は、誘電体基板21中の1対の磁性体コア4a,4bの間の位置に配置されている。詳細には、誘電体層21bと誘電体層21dとの間に位置する誘電体層21c上に配置された導体パターンによって形成されている。励磁コイル7の詳細の図示は省略されているが、励磁コイル7の両端には、誘電体層21c上に配置された入力端子3a,3bが接続されており、図示せぬ外部回路から励磁用の電流が供給される。
【0039】
検出用コイル6は、誘電体基板21の一部を厚み方向に貫通する複数の第2の貫通導体61a〜61mと、誘電体基板21の内部または表面に配置された複数の第2の導体パターン62a〜62nとが接続されて構成されている。詳細には、第2の貫通導体61a〜61mおよび第2の導体パターン62a〜62nが、62a,61a,62b,61b,62c,61c,62d,61d,62e,61e,62f,61f,62g,61g,62h,61h,62i,61i,62j,61j,62k,61k,62l,61l,62m,61m,62nの順番で接続されて構成されている。また、検出用コイル6の両端は、誘電体基板21の上面に配置された出力端子2a,2bに接続されており、出力端子2a,2bから出力される信号によって、導電路8を流れる電流を検出する。なお、図6においては、複数の第2の貫通導体61a〜61mのうち、4本の第2の貫通導体61a,61b,61g,61hのみが図示されており、残りの第2の貫通導体61c,61d,61e,61f,61i,61j,61k,61lおよび61mの図示は省略している。
【0040】
導電路8は、誘電体基板21の一部を厚み方向に貫通する第1の貫通導体81と、誘電体基板21の内部または表面に配置された複数の第1の導体パターン82a,82bとが接続されて構成されている。詳細には、第1の貫通導体81および第1の導体パターン82a,82bが、82a,81,82bの順番に接続されて構成されている。また、導電路8の両端は、誘電体基板21の上面に配置された端子9aおよび誘電体層21e上に配置された端子9bに接続されており、図示せぬ外部回路から端子9a,9bを介して被測定電流が流される。
【0041】
このような構成を備える本例の電流センサによれば、誘電体基板21中に電流センサを形
成することができるので、小型で製造が容易な電流センサを得ることができる。また、磁性体コア4a,4b,励磁コイル7,検出用コイル6および導電路8の相互の位置関係を固定することができるので、高精度の電流センサを得ることができる。
【0042】
なお、本例の電流センサにおいて、磁性体コア4a,4bは、誘電体層21c上に配置された、強磁性体パターンで構成されている。強磁性体としては、例えば、鉄,ニッケル,コバルト,フェライト等を用いることができる。また、誘電体層21c中に強磁性体からなる領域を形成して磁性体コア4a,4bとしても構わない。
【0043】
(変形例)
本発明は上述した実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更,改良が可能である。
【0044】
例えば、上述した実施の形態の例においては、隣り合う第1のコイル7aおよび第2のコイル7bは、互いに逆方向に巻かれているとともに、電気的に直列に接続されている例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、同一方向に巻かれているとともに、逆向きに電流が流れるように電気的に並列に接続されていても構わない。
【0045】
また、上述した実施の形態の第1および第2の例においては、第1のコイル7aおよび第2のコイル7bを1つずつ有する例を示し、第3の例においては、第1のコイル7aおよび第2のコイル7bを2つずつ有する例を示したが、これに限定されるものではなく、さらに多数の第1のコイル7aおよび第2のコイル7bを形成しても構わない。但し、漏れ磁界を少なくするためには、第1のコイル7aで発生する磁界と第2のコイル7bで発生する磁界が等しいことが望ましいため、第1のコイル7aと第2のコイル7bとは、同一の形状および個数であることが望ましい。
【0046】
さらに、上述した実施の形態の例においては、励磁コイル7が絶縁板5の表面に形成された導体パターンで構成された例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、絶縁板5の内部に形成された導体パターンで構成するようにしても構わない。また、励磁コイル7は、磁性体コア4a,4bの間に配置された空芯コイルであっても構わない。
【0047】
またさらに、上述した実施の形態の第2の例においては、磁性体コア4a,4bが直方体状である例を示し、実施の形態の第3の例においては、磁性体コア4a,4bが真円の環状である例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、6角形や8角形等の多角形の環状の磁性体コア4a,4bであっても構わない。
【符号の説明】
【0048】
4a,4b:磁性体コア
6:検出用コイル
7:励磁コイル
8:導電路
10:磁気センサ
21:誘電体基板
61a〜61m:第2の貫通導体
62a〜62n:第2の導体パターン
81:第1の貫通導体
82a,82b:第1の導体パターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する対向面を有する同一形状の1対の磁性体コアと、
該1対の磁性体コアの1対の前記対向面の間に挟まれているとともに、互いに隣り合うように配置された第1および第2のコイルからなる励磁コイルと、
前記1対の磁性体コアの少なくとも一部を取り巻くように配置された検出用コイルとを備え、
前記励磁コイルは、電流が流されたときに、前記第1および第2のコイル内に前記対向面に垂直で互いに逆向きの成分を有する磁界を発生させるものであり、
前記検出用コイルは、電流が流された場合に、前記検出用コイル内に前記第1および第2のコイルが配列された方向と同じ方向の成分を有する磁界を発生させるように巻かれていることを特徴とする磁気センサ。
【請求項2】
前記1対の磁性体コアが環状に形成されているとともに、該1対の磁性体コアの環の円周方向に沿って前記第1および第2のコイルが交互に複数配列されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気センサ。
【請求項3】
請求項1に記載の磁気センサと、前記第1および第2のコイルが配列された方向に垂直な方向の成分を有する電流を流すための導電路とを備えることを特徴とする電流センサ。
【請求項4】
請求項2に記載の磁気センサと、前記1対の磁性体コアの環の内側を通過するように配置された導電路とを備えることを特徴とする電流センサ。
【請求項5】
前記1対の磁性体コアが、誘電体基板中に、該誘電体基板の厚み方向に間隔を開けて配置されており、
前記励磁コイルが、前記誘電体基板中の前記1対の磁性体コアの間の位置に配置されており、
前記導電路が、前記誘電体基板の少なくとも一部を厚み方向に貫通する第1の貫通導体と、前記誘電体基板の内部または表面に配置された複数の第1の導体パターンとが接続されて構成されており、
前記検出用コイルが、前記誘電体基板の少なくとも一部を厚み方向に貫通する複数の第2の貫通導体と、前記誘電体基板の内部または表面に配置された複数の第2の導体パターンとが接続されて構成されていることを特徴とする請求項4に記載の電流センサ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate