磁気共鳴用の二重共振高磁場無線周波数表面コイル
無線周波数コイルが、環状導体又は平行な環状導体22、22c、22dを有し、この環状導体が、(i)上記環状導体の平面から外へ向けられる第1の磁気共鳴周波数の第1のB1場B1,uniformを生成する一様な電流分布と、(ii)上記環状導体の平面と平行に向けられる第2の磁気共鳴周波数の第2のB1場B1,sineを生成するシヌソイド電流分布とをサポートするよう構成される。静磁場B0を生成する磁石10と、選択された傾斜磁場を上記静磁場上に重畳するよう構成される傾斜磁場システム14と、上記環状導体又は平行な環状導体22、22c、22dを含む上記無線周波数コイルとを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下は、磁気共鳴分野に関する。本願は、高磁場(例えば、約3テスラ又はそれ以上)での磁気共鳴イメージングにおいて特定の用途を見出し、それを特に参照して説明される。しかしながら、本願は、実質的に任意の磁場で実行される磁気共鳴イメージング、磁気共鳴分光法等においてより一般的な用途を見出す。
【背景技術】
【0002】
表面コイルは、対象物の局所化された領域において磁気共鳴を励起又は検出するのに磁気共鳴分野において使用されることが知られている。表面コイルは通常、対象物の関心領域の近くに配置される単一の環状導電ループ又は平面導電ループのアレイを含む。単一の環状導電ループ又は複数ループ構成を通り駆動される電流は、B0場とコイルループ平面とに対して横方向に指向されるB1場を生成する。逆にいえば、B0場とコイルループ平面とに対して横方向に指向されるB1場が、読出しモードにおいて、磁気共鳴を検出するのに使用されることができるコイルループ内の電流を誘導する。蝶型又は八の字型表面コイルも知られている。このコイルは、B0場に対して横方向であり、表面コイルの平面に対して平行に指向されるB1場を生成する。適用される場面では、1つ又は複数の斯かる表面コイルが、患者若しくは他の対象物の近くに、又はそれらの上に配置される。その結果、表面コイルに近いことが、無線周波数結合及び磁気共鳴信号強度を強化する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
既存の表面コイルにはこうした利点があるにもかかわらず、いくつかの問題が残る。1つの問題点は、所与の研究において使用される表面コイルの数が、問題となるほど多い可能性があることである。各表面コイルは単一の磁気共鳴周波数で動作する。従って、多核の研究は、注目する異なる核種の磁気共振周波数にチューニングされる複数の表面コイルの使用を必要とする。コイルは患者の近くにあるか、又は患者に接触若しくは寄りかかるので、表面コイルの数が多いと患者に不快感を与え、患者を圧迫する可能性がある。所与の時間に取り付けられる表面コイルの数は、必要に応じて表面コイルを出し入れして交換することにより減らされることができる。しかしながら、これは、イメージングセッション持続時間の増加及び表面コイルの配置における位置決め誤差の増加を代償にして行われる。
【0004】
既存のループ表面コイルに伴う別の問題点は、それらが、B1場がコイル平面に対して横方向に指向される一様な共振モードで作動するということである。B0及びB1場の間の角度を最大化するために、静磁場B0が表面コイルの平面にあるよう指向されるとき、斯かるループコイルが最も効果的である。対照的に、鳥かご及びTEMコイルは、鳥かご又はTEMコイルにより取り囲まれる内側領域に結合し、B0場と一般に揃えられるそれらの軸の向きに指向される一般に円筒状のボリュームコイルである。従って、これらのコイルは、表面コイルとしての使用には適していない。
【0005】
本願は、上述した問題及びその他を克服する新規な及び改善された装置及び方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの側面によれば、一般に平面の表面コイルが開示され、この一般に平面の表面コイルが、上記一般に平面の無線周波数コイルのコイル平面に一般に平行であるよう構成される1つ又は2つの環状導体を有し、上記1つ又は2つの環状導体が、(i)上記コイル平面から外へ向けられる第1の磁気共鳴周波数の第1のB1場を生成する一様な電流分布と、(ii)上記コイル平面と平行に向けられる第2の磁気共鳴周波数の第2のB1場を生成するシヌソイド電流分布とをサポートするよう構成される。
【0007】
別の側面によれば、環状導体を有する無線周波数コイルであって、上記環状導体が、(i)該環状導体の平面から外へ向けられる第1の磁気共鳴周波数の第1のB1場を生成する一様な電流分布と、(ii)上記環状導体の平面と平行に向けられる第2の磁気共鳴周波数の第2のB1場を生成するシヌソイド電流分布とをサポートするよう構成される、無線周波数コイルが開示される。
【0008】
別の側面によれば、磁気共鳴スキャナが開示され、この磁気共鳴スキャナは、静磁場を生成する磁石と、選択された傾斜磁場を上記静磁場上に重畳するよう構成される傾斜磁場システムと、上記環状導体の平面と平行に向けられる磁気共鳴周波数のB1場により生成又は誘導されるシヌソイド電流分布をサポートするよう構成される環状導体とを有する。
【0009】
1つ利点は、単一の表面コイルから2つの共鳴を得る点にある。
【0010】
別の利点は、磁気共鳴データ取得の間、より少ない表面コイルの使用を容易にする点にある。
【0011】
別の利点は、直角位相表面コイルを提供する点にある。
【0012】
別の利点は、多核磁気共鳴データ取得に関して二重チューニングされた表面コイルを提供する点にある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】同じ又は異なる磁気共振周波数の一様な及びシヌソイド共鳴をサポートするよう構成される表面コイルを含む磁気共鳴スキャナを図式的に示す図である。
【図2】介在容量又はインダクタンス要素のない連続的なシールドなし円形環状導体に関するシヌソイド共鳴周波数を、円形環状導体の半径の関数としてプロットする図である。
【図3】図1の表面コイルの環状導体の一様な共振モードを図式的に示す図である。
【図4】図1の表面コイルの環状導体のシヌソイド共振モードを図式的に示す図である。
【図5】図1の表面コイルの1つの実施形態の側面断面図を図式的に示す図である。
【図6】連続的な閉ループマイクロストリップ伝送線の環状導体を含む図1の表面コイルの実施形態の平面表示を図式的に示す図である。
【図7】別々の容量要素を規定するギャップを持つ分割型閉回路マイクロストリップ伝送線の環状導体を含む図1の表面コイルの実施形態の平面表示を図式的に示す図である。
【図8】容量要素を規定するギャップを持つ分割型閉回路マイクロストリップ伝送線の環状導体を含み、直列インダクタ要素を更に含む図1の表面コイルの実施形態の平面表示を図式的に示す図である。
【図9】それぞれが容量要素を規定するギャップを持ち、一方が直列インダクタ要素を更に含む2つの平行な分割型閉回路マイクロストリップ伝送線の環状導体を含む一般に平面の無線周波数コイルの平面表示を図式的に示す図である。
【図10】平面無線周波数シールド及び横方向環状シールド部分の両方によりシールドされる環状導体を含む図1の表面コイルの実施形態の側面断面表示を図式的に示す図である。
【図11】平面無線周波数シールド及び横方向環状シールド部分の両方によりシールドされる環状導体を含む図1の表面コイルの実施形態の透視表示を図式的に示す図である。
【図12】(i)シールド無しの環状導体(「リングのみ」)に関して、(ii)平面無線周波数シールドによりシールドされる環状導体(「リング+平面シールド」)に関して、及び(iii)平面無線周波数シールド及び横方向環状シールド部分の両方によりシールドされる環状導体(「リング+平面シールド+横方向環状シールド部分」)に関して、半径15センチメートルの円形環状導体の上の10センチメートルの場所での周波数に対する計算された横方向場B1をプロットする図である。
【図13】(7テスラの静磁場B0における31Pに対応する)120.7MHzの磁気共鳴周波数の一様な電流密度をサポートするようチューニングされ、及び(7テスラ静磁場B0における1Hに対応する)298MHzの磁気共鳴周波数のシヌソイド電流密度をサポートするようチューニングされる誘導要素と直列に8つの容量要素を持つ、直径が14センチメートルで幅が1センチメートルの図8に類似する円形環状導体と厚さが1.5センチメートルで誘電率εr=2.1の誘電体基板とに対する、一様な及びシヌソイド共振モードそれぞれに関して計算されたパラメータをプロットする図であって、より詳細には一様な共振モードに関して、環状導体に沿って計算される電流分布プロットした図である。
【図14】(7テスラの静磁場B0における31Pに対応する)120.7MHzの磁気共鳴周波数の一様な電流密度をサポートするようチューニングされ、及び(7テスラ静磁場B0における1Hに対応する)298MHzの磁気共鳴周波数のシヌソイド電流密度をサポートするようチューニングされる誘導要素と直列に8つの容量要素を持つ、直径が14センチメートルで幅が1センチメートルの図8に類似する円形環状導体と厚さが1.5センチメートルで誘電率εr=2.1の誘電体基板とに対する、一様な及びシヌソイド共振モードそれぞれに関して計算されたパラメータをプロットする図であって、より詳細にはシヌソイド共振モードに関して、環状導体に沿って計算される電流分布プロットした図である。
【図15】(7テスラの静磁場B0における31Pに対応する)120.7MHzの磁気共鳴周波数の一様な電流密度をサポートするようチューニングされ、及び(7テスラ静磁場B0における1Hに対応する)298MHzの磁気共鳴周波数のシヌソイド電流密度をサポートするようチューニングされる誘導要素と直列に8つの容量要素を持つ、直径が14センチメートルで幅が1センチメートルの図8に類似する円形環状導体と厚さが1.5センチメートルで誘電率εr=2.1の誘電体基板とに対する、一様な及びシヌソイド共振モードそれぞれに関して計算されたパラメータをプロットする図であって、より詳細には計算されたS11対周波数をプロットした図である。
【図16】(7テスラの静磁場B0における31Pに対応する)120.7MHzの磁気共鳴周波数の一様な電流密度をサポートするようチューニングされ、及び(7テスラ静磁場B0における1Hに対応する)298MHzの磁気共鳴周波数のシヌソイド電流密度をサポートするようチューニングされる誘導要素と直列に8つの容量要素を持つ、直径が14センチメートルで幅が1センチメートルの図8に類似する円形環状導体と厚さが1.5センチメートルで誘電率εr=2.1の誘電体基板とに対する、一様な及びシヌソイド共振モードそれぞれに関して計算されたパラメータをプロットする図であって、より詳細には平均的な脳組織におけるコイル軸方向に沿った位置に対する、|B1+|(x=1センチメートル)の値へと正規化される計算された|B1+|(x)をプロットした図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の更に追加的な利点は、以下の詳細な説明を読み及び理解することにより当業者に理解されるだろう。
【0015】
図1を参照すると、説明的なボアタイプ磁気共鳴スキャナ8が、スキャナ8のボア開口部12と平行して指向される静磁場B0を生成する磁石10を含む。磁石10は、超伝導又は抵抗磁石とすることができる。図示される水平なボアジオメトリ以外のジオメトリが実現されることができる。磁気共鳴スキャナ8は、選択された傾斜磁場を静磁場B0上に重畳するよう構成される傾斜磁場システム14を更に含む。いくつかの実施形態において、傾斜磁場システム14は、例えば直交するx方向、y方向及びz方向に沿って3つの直交する傾斜磁場を選択的に生成するための巻線を含む。通常は、図示される傾斜磁場システム14が図示される磁石10の内側に配置されるので、傾斜磁場システムは、磁石の内側に配置される。しかしながら、他の構成も想定される。例えば、Overwegによる国際公開第2005/124381号によれば、傾斜コイル巻線が、磁石の外側に配置され、生成された傾斜磁場が、強磁性の継鉄によってボア開口部へと結合される構成が開示される。図1では、ボア開口部12の内部を明らかにするため、磁石10及び傾斜磁場システム14は透過的態様で図式的に示される。
【0016】
動作中、スキャナ8に一体化される図示される鳥かごタイプの全身コイル18、横方向電磁(TEM)コイル(図示省略)、又は表面コイル20等といった1つ又は複数の無線周波数コイルが、例えば1H、13C、31P、23Na、19F又は他の核種といった1つ又は複数の核種において磁気共鳴を励起するため、1つ又は複数の磁気共振周波数で適切な無線周波数信号によりエネルギーを与えられる。1つ又は複数の傾斜磁場は通常、励起磁気共鳴を空間的に限定及び/又はエンコードするため、傾斜磁場システム14により適用される。励起磁気共鳴は、無線周波数コイル18、20の1つ又は複数により読み出される。読出し又は受信コイルは、励起のために使用される無線周波数コイルと同じであっても良いし、又は異なるものとすることもできる。
【0017】
表面コイル20は、(i)環状導体22の平面から外に向けられる第1の磁気共鳴周波数の第1のB1,uniform場を生成する一様な電流分布と、(ii)環状導体22の平面と平行に向けられる第2の磁気共鳴周波数の第2のB1,sine磁場を生成するシヌソイド電流分布とをサポートするよう構成される環状導体22を含む。第1及び第2の磁気共鳴周波数が異なる場合、このデュアルモード構成は、有利なことに、表面コイル20が二重チューニングされた表面コイルとして使用されることを可能にする。斯かる二重チューニングされた表面コイルの用途の例は、多核磁気共鳴イメージング又は分光法である。この場合、第1及び第2の磁気共鳴周波数は、所与の静磁場B0における異なる核種の適切な磁気共鳴周波数である。
【0018】
図1は、環状導体20に類似するが、静磁場B0に平行な環状導体22'の軸に指向される環状導体22'も図式的に示す。言い換えると、B0場の方向は、環状導体22'の平面に対して横方向である。この構成において、環状導体22'は、同じ磁気共鳴周波数で90°分位相シフトされる2つのシヌソイドモードを用いてそれを励起することにより、直角位相送信/受信コイルとして使用されることができる。例えば、図示された環状導体22'は、B1,sine及びB1,cos場を適切にサポートする。このデュアルモード構成は有利なことに、表面コイル20が直角位相表面コイルとして使用されることを可能にする。
【0019】
図2を参照すると、これまでは、連続的なシールドなしの環状導体のシヌソイドモードは、磁気共鳴イメージング又は分光法に関して価値あるものとは考えられていなかった。なぜなら、共鳴周波数があまりに高いとみなされ、生成されるB1場はあまりにも不均一であるとみなされたためである。しかしながら、本発明者らは、高磁場の磁気共鳴に関して及び十分に大きな半径の環状導体に関して、注目する特定の磁気共鳴周波数にマッチする有益な周波数範囲で、シヌソイドモードが振動することを認識した。例えば、1Hの磁気共鳴周波数は、7テスラの静磁場B0において298MHzである。図2に示すように、約32センチメートル(c/298MHz/π)の合理的な直径を持つ円形環状導体のシヌソイド共鳴は、この1Hの磁気共鳴周波数にかなりマッチする。更に、本発明者らは、より高い磁場において、空間均一性が、コイルを載せている患者又は他の対象物の誘電性及び導電性特性により主に決定されることを認識した。従って、3テスラより大きい静磁場B0値において、B1、sine場の比較的大きな未搭載状態での不均一性が許容可能である。
【0020】
図3を参照すると、図1の表面コイル20の環状導体22の一様な振動モードが説明される。一様なモードにおいて、電流分布は、環状導体22周辺で一様である。このモードは、円形環を必要とせず、通常は導体における容量要素を用いてチューニングされる。電流により生成されるB1場は、ループに対する位置に依存する。図3において、基準方向は、反時計回りである。しかしながら、一様な電流分布は、一様な振動の第1の磁気共鳴周波数において、時計回りと反時計回りとの間で時間的に振動する。一様な電流分布は、環状導体22の平面に対して又はその平面から外に向かい横方向に向けられるB1,uniform場を生成する。図3において説明される時間点において、図示されるB1,uniform場は、一様な電流分布の反時計回りの基準方向に対応する紙のページから外に向けられる。
【0021】
図4は、図1の表面コイル20の環状導体22のシヌソイド振動モードを示す。円形環状導体22周辺の電流分布は、環状導体22の円周に等しい空間的周期を持つシヌソイドである。従って、電流分布波長がリング円周に一致する共鳴周波数で、2つの電流分布ヌルが存在する。1つは、最大のポジティブ電流振幅点であり、1つは、最大のネガティブ電流振幅点である。図4において説明される時間瞬間において、2つの電流分布ヌルは0°及び180°として指定される点に配置される。最大のポジティブ電流振幅(+Imax)点は、90°であり、最大のネガティブ電流振幅点(−Imax)は、270°である。結果として生じるB1,sine場は、環状導体22の平面と平行に向けられる。
【0022】
表面コイル20の環状導体22の構成は、例えば一様な及びシヌソイド振動電流モード及びそれらに関連する磁場を同時にサポートするためのものである。こうして、同じ表面コイル20が、第1及び第2の磁気共鳴周波数のB1場を同時に生成又は検出するために使用されることができる。第1及び第2の磁気共鳴周波数が異なる場合、表面コイル20が、多核磁気共鳴を同時に励起する又は得るために使用されることができる。
【0023】
図5は、表面コイル20の1つの適切な実現を示す。ここでは、環状導体22が、一般に平面の誘電体基板24上の環状マイクロストリップ伝送線として構成される。接地面26又は他の平面無線周波数シールドは、環状導体22の反対側で誘電体基板24の側に配置される環状導体22と平行に構成される。シールド26の存在は、有利なことにコイルのQ係数を増加させる。これらの実施形態において、環状導体22及び接地面26は、適切にリソグラフ処理される、又は他の態様でパターン化される、又は選択的に沈殿される導電性フィルムである。
【0024】
図5の図示された構成において、接地面26は環状接地面である。しかしながら、ディスク形又は他のより大面積の接地面又は無線周波数シールドが、代わりに使用されることができる。例えば、誘電体基板24の背面をカバーするが、傾斜誘導される渦電流を減らすために適切に分割され、それでも容量接続を介して無線周波数で連続的に見える接地面が、使用されることができる。図5は、例えば環状導体直径D、誘電体基板24の厚みH及び環状導体22の幅Wといった、コイルのチューニングに影響を及ぼす特定の幾何的パラメータも示す。環状導体22に関する直径Dの指定は、環状導体に関して円形構成を仮定する。いくつかの実施形態において、環状導体は、完全な円形からいくぶん逸脱すると想定され、例えばいくらか楕円等とすることができる。しかしながら、B1,sine場の均一性に悪影響を与える可能性があるという点で、円形から大きく外れることは一般に不利である。図5においても示されるように、直径Dは、半径の2倍、即ち2Rに一致する点に留意されたい。
【0025】
図6〜8を参照すると、環状導体22は、チューニングに関する異なる自由度を用いて、さまざまな構成を取ることができる。図6〜8は、それぞれが図5の断面構成を使用している、さまざまな表面コイルの実施形態の平面図を示す。図6〜8の平面図において、誘電体基板24は図示省略される。その結果、環状導体が接地面26のトップに表示される。実際の場合、誘電体基板24は、不透明、透過的、又は半透明とすることができる。
【0026】
図6の構成において、環状導体は、連続的なクローズ型の環状導体22aである。この構成において、第1の一様なモードは存在せず、第2のシヌソイドモードだけが使用可能である。シヌソイドモードのチューニングは、パラメータD、W及びHを介して行われる。これは、シヌソイドモードを微調整することを困難にする。しかしながら、いくつかの場合では、適切なジオメトリが、特定の選択された磁気共鳴周波数値を実現するために得られることができる。本願明細書では環状導体22aがクローズ型の環状導体として参照されるが、クローズ型の環状導体22aが、例えば容量結合される源といった適切に結合される源をコイルに供給するため、環状導体においてギャップ(図示省略)を含むことができる点を理解されたい。
【0027】
図7の構成において、環状導体は、(図示された例において)8つのギャップ30を持つ切れ目のある(broken)環状導体22bである。ギャップ30は、シヌソイドモードの第2の磁気共鳴周波数より大きな一様なモードの第1の磁気共鳴周波数に影響を及ぼす容量要素を規定する。従って、この構成において、シヌソイドモードに対応する第2の磁気共鳴周波数は、パラメータD、W、誘電率εr及び厚みHをデザインすることにより適切に選択され、容量要素30は、一様なモードに対応する第1の磁気共鳴周波数を調整するように選択される。マイクロストリップ伝送線導体22bにおけるギャップ30が、図7の実施形態における容量要素の容量値を規定するが、他の実施形態においては、別々のコンデンサが使用されることができる。従って、この構成において、形状デザインパラメータD、W、εr及びHは、一様なモードの第1の磁気共鳴周波数及びシヌソイドモードの第2の磁気共鳴周波数に影響を及ぼす。所望の第1及び第2の磁気共鳴周波数が実現されるまで、容量値とパラメータD、W、εr及びHの1つ又は複数とを反復的に調整することにより、電磁シミュレータと連動してチューニングデザインが適切に実行される。
【0028】
図8の構成において、環状導体は再び切れ目のある環状導体22cである。これは、(図示された例において)シヌソイドモードの第2の磁気共鳴周波数以上の一様なモードの第1の磁気共鳴周波数に影響を及ぼす容量要素を規定する8つのギャップ30を持つ。更に、例えば別々のインダクタといった直列誘導要素32が含まれる。誘導要素32は、一様なモードの第1の磁気共鳴周波数以上のシヌソイドモードの第2の磁気共鳴周波数に影響を及ぼす。従って、この構成において、形状デザインパラメータD、W、εr及びHは、搭載対象物に対して最適であるようまず決定されることができる。その後、所望の第1及び第2の磁気共鳴周波数が実現されるまで、インダクタンス及び容量値を反復的に調整することにより、電磁シミュレータと連動してチューニングデザインが適切に実行される。
【0029】
図9を参照すると、図8において示されるのと類似する表面コイルが記載される。図9の表面コイルは、環状導体22cを含み、追加的な同心及び同一平面上の環状導体22dも含む。図9において、環状導体22dの半径は、環状導体22cの半径よりわずかに小さい。環状導体22c、22dは、各環状導体において8つのギャップを含む類似するトポロジを持ち、接地面26は、両方の環状導体22c、22dの両方に対するシールドを提供する。容量要素は、一様なモードの第1の磁気共鳴周波数へと1つの環状導体をチューニングするために使用される。例えば別々のインダクタといった直列誘導要素が、シヌソイドモードの第2の磁気共鳴周波数へと他の環状導体をチューニングするために使用される。図9の表面コイルの多核イメージング又は分光法用途において、一様なモードは、より低い多核周波数でのループの1つに関して使用され、シヌソイドモードは、例えば1Hの周波数といったより高い周波数での他のループに関して使用される。他の想定された用途において、図9の表面コイルは、同じ周波数で共振する環状導体22c、22dの両方と直角位相で駆動される。適切な手法では、外側の環状導体が、90°の位相シフトを持つポートP2を介して駆動され、内側環状導体22dは、ポートP1を介して駆動される。
【0030】
2つの図示された環状導体22c、22dは、同一平面上にあり(このことは、それらを対象物から等距離にする)、同心状に構成される。しかしながら、例えば直角位相又は多核共振モードといった開示された動作モードは、間隔を置いて配置される平行平面に構成される環状導体を用いて、非同心状に構成される環状導体を用いて、又は、間隔を置いて配置される平行平面において非同心状に構成される環状導体を用いて実現可能とされることもできる。1つの想定される実施形態において、一般に平面の無線周波数コイルは、一様な及びシヌソイド電流分布をそれぞれサポートする2つの環状導体を含む。斯かる無線周波数コイルにおいて、2つの環状導体が同じ半径を持つが、間隔を置いて配置される平行平面に構成されることが想定される。斯かる環状導体は、同心又は非同心のいずれかとすることができる。
【0031】
図10及び11を参照すると、より多くの囲い型誘電体基板34により多くの囲い型(enclosing)無線周波数シールド36を支持させることにより、更なる改善された共鳴品質(即ち、より高い共鳴Q)が得られることができる。この無線周波数シールド36は、(図示されるような)ディスク形状又は(接地面26に類似して)環状である、接地面26に似た平面無線周波数シールド36aを含み、更に、平面無線周波数シールド36aに対して横方向に延在し、少なくとも環状導体22の外側の周辺部を取り囲む横方向環状(短シリンダ)無線周波数シールド部分36bを含む。シールド36bが環状導体22の上部平面又はその先に更に延在するとき、Qにおける改良がより大きい。導電ループ部分22は、裏地ディスク36aではなく短シリンダ36bに取り付けられることもできる。代替的に、囲い型の誘電体基板34が省略されることができ、自立の環状シールド部分が使用されることができる。
【0032】
図12を参照すると、共鳴品質Qに関して計算されるシールド増加効果が説明される。図12は、(i)シールド無しの環状導体(「リングのみ」)に関して、(ii)平面無線周波数シールドによりシールドされる環状導体(「リング+平面シールド」)に関して、及び(iii)平面無線周波数シールド及び横方向環状又は短シリンダシールド部分の両方によりシールドされる環状導体(「リング+平面シールド+横方向環状シールド部分」)に関して、半径15センチメートルの円形環状導体の上の10センチメートルの場所での周波数に対する計算された横方向場B1をプロットした図である。共振ピークの実質的な狭小化は、シールドにおける増加ごとに得られる。即ち、シールドなしの環状導体と接地面を備える環状導体との間で、及び接地面を備える環状導体と追加された横方向環状シールド部分と間で得られる。シミュレーションは、追加された横方向シールド部分が環状導体22の高さに等しい又はわずかに大きい距離で延在するとき、ほとんどの改良が横方向環状シールド部分の追加部分を介して得られることを示す。
【0033】
記載される二重共振単一のループ表面コイルは、電磁モデリングソフトウェアを用いてモデル化される。モデル化された表面コイルは、図8に類似し、図5に示される断面を持つ円形環状導体を含む。モデル化されたコイルは、直径がD=28センチメートル(半径R=14センチメートル)で幅がW=1センチメートルの環状導体と、厚さがH=1.5センチメートル(寸法定義に関して図5を参照)、誘電率がεr=2.1である誘電体基板とを持つ。モデル化されたコイルは、(7テスラの静磁場B0における31Pに対応する)120.7MHzの第1の磁気共鳴周波数の一様な電流密度をサポートするようチューニングされ、及び(7テスラ静磁場B0における1Hに対応する)298MHzの第2の磁気共鳴周波数のシヌソイド電流密度をサポートするようチューニングされる誘導要素32と直列に8つの容量要素30を持つ。
【0034】
図13及び14は、一様なモード(図13)に関する、及びシヌソイドモード(図14)に関する電流分布の大きさをプロットする。図13及び14において、より高い電流密度の大きさは、より白い領域により示される。一様なモードは、予想通りに一様な環状電流分布を示す。シヌソイドモードは、再度予想通りに、予想された2つの電流分布ヌルと、+Imax及び−Imaxに対応する2つの電流分布最大とを示す。
【0035】
図15は、計算されたS11(即ち、反射されたパワー)対周波数をプロットする。一様な及びシヌソイドモードは、それぞれ120.7MHz及び298MHzでのS11プロットにおける鋭いネガティブ谷としてはっきり見てとれる。
【0036】
図16は、環状導体の上1センチメートルに配置される平均的な脳組織(σ=0.55S/m、εr=52)におけるループ軸方向に沿った位置に対する、|B1+|(x=1センチメートル)の値へと正規化される計算された|B1+|(x)をプロットした図である。図16において、シヌソイドモードに関するプロットに対応する充填された円は、単にインジケータを区別するものであり、個別の計算された点を示すものではない点に留意されたい。図16のプロットは、|B1+|場が深さと共に減少するような典型的なリング|B1+|場プロファイルを示す。この二重チューニングされたコイルは、近接表面多核イメージング及び分光法に適している。
【0037】
従来の一様な電流の多核表面コイルは、異なる周波数で共振する2つ又はこれ以上の個別のループを結合することにより構築される。斯かる構成においては、結合を減らすよう適切に分離され及び/又は幾何学的に構成されない限り、2つの個別のループが互いに結合することができる。本願明細書に開示される二重チューニングされた単一のループコイルの利点は、一様な及びシヌソイドモードが同じ環状導体により支持されるので、コイル―コイル結合が問題にならないことにある。実際、一様な及びシヌソイドモードは、独立して動作可能である。
【0038】
更に、個別の共振ループを持つデュアルコイルより、単一の二重チューニングされた環状導体の方が、構築がより容易であり、部品が少なくて済む。更に別の利点は、シヌソイドモードが、1Hイメージングに関する送信及び受信効率を増加させるために直角位相において供給される一方、31P又は他の核種に対して使用される一様な電流モードが、線形に駆動される点にある。シヌソイド直角位相駆動の有用性は、B0場に対するコイルの方向に依存するだろう。
【0039】
図1に戻って参照すると、B1場は、励起又は検出された磁気共鳴を最大化するために、静磁場B0に対して一般に横方向であるべきである。従って、図1に示されるように、B1,uniformが静磁場B0に対して一般に横方向であるよう、環状導体22が配置されるべきである。静磁場B0が環状導体22の平面と一般に平行であるよう表面コイル20を配置することにより、これは適切に実現される。シヌソイドB1,sine場は、B0場と揃えられるz軸を含む平面に実質的に存在することになる。B1,uniform及びB1,sineの各々は、回転磁界直角位相コイルとしてではなく、核磁気共鳴(NMR)のための線形コイルとして機能するだろう。代替的に、図9を参照して記載されるように、直角位相動作は2つの同一平面上のループを使用することにより実現されることができる。記載される別の手法では、図1の環状ループ22'の場合のように、ループ平面が、一般にz軸に直交する向きに指向される。この方向付けは、シヌソイドB1,sine場が静磁場B0に対して一般に横方向であることも確実にする。この方向付けでは、ループB1,uniformモードは、NMRには役に立たない。種々のループ方向及びモードの組合せが使用されることができることが想定される。
【0040】
例えば2つの同一平面上のループを用いることで第1及び第2の磁気共鳴周波数が同じである場合、B1,sine及び、B1,uniform場のベクトル和から生じる全体の横方向場B1が生成される。この横方向場は、有利なことに、一様なモードにおいてのみ動作する従来の表面コイルの横方向B1場が持つより少ない配向依存性を持つ。
【0041】
本書では表面コイルが記載されるが、開示された一般に平面の無線周波数コイルは、例えばSENSEコイルアレイ若しくはフェーズドコイルアレイのコイル要素、又はボアに固定される局部コイル等の他の用途において使用されることもできる。コイルアレイ構成において、各コイル要素は、例えば図示された環状導体22、22a、22b、22c、22dといった一般に平面の環状導体とすることができる。しかし、複数の斯かる一般に平面の環状導体要素から成り立つコイルアレイが、例えば体にフィットする形状、円筒状形状等の非平面形状を持つこともできる。更に、本書で用いられる「一般に平面である」という用語は、例えば斯かる一般に平面の環状導体要素のアレイが所望の胴にフィットする形状、円筒状又は他の非平面的形状で構成されることを容易にするため、何らかの弓そり形状又は曲率を持つ一般に平面の環状導体を含むものとして意図される。
【0042】
本発明が、好ましい実施形態を参照して説明されてきた。上記の詳細な説明を読み及び理解すると、第三者は、修正及び変更を思いつくことができる。それらの修正及び変更が添付の特許請求の範囲又はその均等物の範囲内にある限り、本発明は、すべての斯かる修正及び変更を含むものとして構築されることが意図される。
【技術分野】
【0001】
以下は、磁気共鳴分野に関する。本願は、高磁場(例えば、約3テスラ又はそれ以上)での磁気共鳴イメージングにおいて特定の用途を見出し、それを特に参照して説明される。しかしながら、本願は、実質的に任意の磁場で実行される磁気共鳴イメージング、磁気共鳴分光法等においてより一般的な用途を見出す。
【背景技術】
【0002】
表面コイルは、対象物の局所化された領域において磁気共鳴を励起又は検出するのに磁気共鳴分野において使用されることが知られている。表面コイルは通常、対象物の関心領域の近くに配置される単一の環状導電ループ又は平面導電ループのアレイを含む。単一の環状導電ループ又は複数ループ構成を通り駆動される電流は、B0場とコイルループ平面とに対して横方向に指向されるB1場を生成する。逆にいえば、B0場とコイルループ平面とに対して横方向に指向されるB1場が、読出しモードにおいて、磁気共鳴を検出するのに使用されることができるコイルループ内の電流を誘導する。蝶型又は八の字型表面コイルも知られている。このコイルは、B0場に対して横方向であり、表面コイルの平面に対して平行に指向されるB1場を生成する。適用される場面では、1つ又は複数の斯かる表面コイルが、患者若しくは他の対象物の近くに、又はそれらの上に配置される。その結果、表面コイルに近いことが、無線周波数結合及び磁気共鳴信号強度を強化する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
既存の表面コイルにはこうした利点があるにもかかわらず、いくつかの問題が残る。1つの問題点は、所与の研究において使用される表面コイルの数が、問題となるほど多い可能性があることである。各表面コイルは単一の磁気共鳴周波数で動作する。従って、多核の研究は、注目する異なる核種の磁気共振周波数にチューニングされる複数の表面コイルの使用を必要とする。コイルは患者の近くにあるか、又は患者に接触若しくは寄りかかるので、表面コイルの数が多いと患者に不快感を与え、患者を圧迫する可能性がある。所与の時間に取り付けられる表面コイルの数は、必要に応じて表面コイルを出し入れして交換することにより減らされることができる。しかしながら、これは、イメージングセッション持続時間の増加及び表面コイルの配置における位置決め誤差の増加を代償にして行われる。
【0004】
既存のループ表面コイルに伴う別の問題点は、それらが、B1場がコイル平面に対して横方向に指向される一様な共振モードで作動するということである。B0及びB1場の間の角度を最大化するために、静磁場B0が表面コイルの平面にあるよう指向されるとき、斯かるループコイルが最も効果的である。対照的に、鳥かご及びTEMコイルは、鳥かご又はTEMコイルにより取り囲まれる内側領域に結合し、B0場と一般に揃えられるそれらの軸の向きに指向される一般に円筒状のボリュームコイルである。従って、これらのコイルは、表面コイルとしての使用には適していない。
【0005】
本願は、上述した問題及びその他を克服する新規な及び改善された装置及び方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの側面によれば、一般に平面の表面コイルが開示され、この一般に平面の表面コイルが、上記一般に平面の無線周波数コイルのコイル平面に一般に平行であるよう構成される1つ又は2つの環状導体を有し、上記1つ又は2つの環状導体が、(i)上記コイル平面から外へ向けられる第1の磁気共鳴周波数の第1のB1場を生成する一様な電流分布と、(ii)上記コイル平面と平行に向けられる第2の磁気共鳴周波数の第2のB1場を生成するシヌソイド電流分布とをサポートするよう構成される。
【0007】
別の側面によれば、環状導体を有する無線周波数コイルであって、上記環状導体が、(i)該環状導体の平面から外へ向けられる第1の磁気共鳴周波数の第1のB1場を生成する一様な電流分布と、(ii)上記環状導体の平面と平行に向けられる第2の磁気共鳴周波数の第2のB1場を生成するシヌソイド電流分布とをサポートするよう構成される、無線周波数コイルが開示される。
【0008】
別の側面によれば、磁気共鳴スキャナが開示され、この磁気共鳴スキャナは、静磁場を生成する磁石と、選択された傾斜磁場を上記静磁場上に重畳するよう構成される傾斜磁場システムと、上記環状導体の平面と平行に向けられる磁気共鳴周波数のB1場により生成又は誘導されるシヌソイド電流分布をサポートするよう構成される環状導体とを有する。
【0009】
1つ利点は、単一の表面コイルから2つの共鳴を得る点にある。
【0010】
別の利点は、磁気共鳴データ取得の間、より少ない表面コイルの使用を容易にする点にある。
【0011】
別の利点は、直角位相表面コイルを提供する点にある。
【0012】
別の利点は、多核磁気共鳴データ取得に関して二重チューニングされた表面コイルを提供する点にある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】同じ又は異なる磁気共振周波数の一様な及びシヌソイド共鳴をサポートするよう構成される表面コイルを含む磁気共鳴スキャナを図式的に示す図である。
【図2】介在容量又はインダクタンス要素のない連続的なシールドなし円形環状導体に関するシヌソイド共鳴周波数を、円形環状導体の半径の関数としてプロットする図である。
【図3】図1の表面コイルの環状導体の一様な共振モードを図式的に示す図である。
【図4】図1の表面コイルの環状導体のシヌソイド共振モードを図式的に示す図である。
【図5】図1の表面コイルの1つの実施形態の側面断面図を図式的に示す図である。
【図6】連続的な閉ループマイクロストリップ伝送線の環状導体を含む図1の表面コイルの実施形態の平面表示を図式的に示す図である。
【図7】別々の容量要素を規定するギャップを持つ分割型閉回路マイクロストリップ伝送線の環状導体を含む図1の表面コイルの実施形態の平面表示を図式的に示す図である。
【図8】容量要素を規定するギャップを持つ分割型閉回路マイクロストリップ伝送線の環状導体を含み、直列インダクタ要素を更に含む図1の表面コイルの実施形態の平面表示を図式的に示す図である。
【図9】それぞれが容量要素を規定するギャップを持ち、一方が直列インダクタ要素を更に含む2つの平行な分割型閉回路マイクロストリップ伝送線の環状導体を含む一般に平面の無線周波数コイルの平面表示を図式的に示す図である。
【図10】平面無線周波数シールド及び横方向環状シールド部分の両方によりシールドされる環状導体を含む図1の表面コイルの実施形態の側面断面表示を図式的に示す図である。
【図11】平面無線周波数シールド及び横方向環状シールド部分の両方によりシールドされる環状導体を含む図1の表面コイルの実施形態の透視表示を図式的に示す図である。
【図12】(i)シールド無しの環状導体(「リングのみ」)に関して、(ii)平面無線周波数シールドによりシールドされる環状導体(「リング+平面シールド」)に関して、及び(iii)平面無線周波数シールド及び横方向環状シールド部分の両方によりシールドされる環状導体(「リング+平面シールド+横方向環状シールド部分」)に関して、半径15センチメートルの円形環状導体の上の10センチメートルの場所での周波数に対する計算された横方向場B1をプロットする図である。
【図13】(7テスラの静磁場B0における31Pに対応する)120.7MHzの磁気共鳴周波数の一様な電流密度をサポートするようチューニングされ、及び(7テスラ静磁場B0における1Hに対応する)298MHzの磁気共鳴周波数のシヌソイド電流密度をサポートするようチューニングされる誘導要素と直列に8つの容量要素を持つ、直径が14センチメートルで幅が1センチメートルの図8に類似する円形環状導体と厚さが1.5センチメートルで誘電率εr=2.1の誘電体基板とに対する、一様な及びシヌソイド共振モードそれぞれに関して計算されたパラメータをプロットする図であって、より詳細には一様な共振モードに関して、環状導体に沿って計算される電流分布プロットした図である。
【図14】(7テスラの静磁場B0における31Pに対応する)120.7MHzの磁気共鳴周波数の一様な電流密度をサポートするようチューニングされ、及び(7テスラ静磁場B0における1Hに対応する)298MHzの磁気共鳴周波数のシヌソイド電流密度をサポートするようチューニングされる誘導要素と直列に8つの容量要素を持つ、直径が14センチメートルで幅が1センチメートルの図8に類似する円形環状導体と厚さが1.5センチメートルで誘電率εr=2.1の誘電体基板とに対する、一様な及びシヌソイド共振モードそれぞれに関して計算されたパラメータをプロットする図であって、より詳細にはシヌソイド共振モードに関して、環状導体に沿って計算される電流分布プロットした図である。
【図15】(7テスラの静磁場B0における31Pに対応する)120.7MHzの磁気共鳴周波数の一様な電流密度をサポートするようチューニングされ、及び(7テスラ静磁場B0における1Hに対応する)298MHzの磁気共鳴周波数のシヌソイド電流密度をサポートするようチューニングされる誘導要素と直列に8つの容量要素を持つ、直径が14センチメートルで幅が1センチメートルの図8に類似する円形環状導体と厚さが1.5センチメートルで誘電率εr=2.1の誘電体基板とに対する、一様な及びシヌソイド共振モードそれぞれに関して計算されたパラメータをプロットする図であって、より詳細には計算されたS11対周波数をプロットした図である。
【図16】(7テスラの静磁場B0における31Pに対応する)120.7MHzの磁気共鳴周波数の一様な電流密度をサポートするようチューニングされ、及び(7テスラ静磁場B0における1Hに対応する)298MHzの磁気共鳴周波数のシヌソイド電流密度をサポートするようチューニングされる誘導要素と直列に8つの容量要素を持つ、直径が14センチメートルで幅が1センチメートルの図8に類似する円形環状導体と厚さが1.5センチメートルで誘電率εr=2.1の誘電体基板とに対する、一様な及びシヌソイド共振モードそれぞれに関して計算されたパラメータをプロットする図であって、より詳細には平均的な脳組織におけるコイル軸方向に沿った位置に対する、|B1+|(x=1センチメートル)の値へと正規化される計算された|B1+|(x)をプロットした図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の更に追加的な利点は、以下の詳細な説明を読み及び理解することにより当業者に理解されるだろう。
【0015】
図1を参照すると、説明的なボアタイプ磁気共鳴スキャナ8が、スキャナ8のボア開口部12と平行して指向される静磁場B0を生成する磁石10を含む。磁石10は、超伝導又は抵抗磁石とすることができる。図示される水平なボアジオメトリ以外のジオメトリが実現されることができる。磁気共鳴スキャナ8は、選択された傾斜磁場を静磁場B0上に重畳するよう構成される傾斜磁場システム14を更に含む。いくつかの実施形態において、傾斜磁場システム14は、例えば直交するx方向、y方向及びz方向に沿って3つの直交する傾斜磁場を選択的に生成するための巻線を含む。通常は、図示される傾斜磁場システム14が図示される磁石10の内側に配置されるので、傾斜磁場システムは、磁石の内側に配置される。しかしながら、他の構成も想定される。例えば、Overwegによる国際公開第2005/124381号によれば、傾斜コイル巻線が、磁石の外側に配置され、生成された傾斜磁場が、強磁性の継鉄によってボア開口部へと結合される構成が開示される。図1では、ボア開口部12の内部を明らかにするため、磁石10及び傾斜磁場システム14は透過的態様で図式的に示される。
【0016】
動作中、スキャナ8に一体化される図示される鳥かごタイプの全身コイル18、横方向電磁(TEM)コイル(図示省略)、又は表面コイル20等といった1つ又は複数の無線周波数コイルが、例えば1H、13C、31P、23Na、19F又は他の核種といった1つ又は複数の核種において磁気共鳴を励起するため、1つ又は複数の磁気共振周波数で適切な無線周波数信号によりエネルギーを与えられる。1つ又は複数の傾斜磁場は通常、励起磁気共鳴を空間的に限定及び/又はエンコードするため、傾斜磁場システム14により適用される。励起磁気共鳴は、無線周波数コイル18、20の1つ又は複数により読み出される。読出し又は受信コイルは、励起のために使用される無線周波数コイルと同じであっても良いし、又は異なるものとすることもできる。
【0017】
表面コイル20は、(i)環状導体22の平面から外に向けられる第1の磁気共鳴周波数の第1のB1,uniform場を生成する一様な電流分布と、(ii)環状導体22の平面と平行に向けられる第2の磁気共鳴周波数の第2のB1,sine磁場を生成するシヌソイド電流分布とをサポートするよう構成される環状導体22を含む。第1及び第2の磁気共鳴周波数が異なる場合、このデュアルモード構成は、有利なことに、表面コイル20が二重チューニングされた表面コイルとして使用されることを可能にする。斯かる二重チューニングされた表面コイルの用途の例は、多核磁気共鳴イメージング又は分光法である。この場合、第1及び第2の磁気共鳴周波数は、所与の静磁場B0における異なる核種の適切な磁気共鳴周波数である。
【0018】
図1は、環状導体20に類似するが、静磁場B0に平行な環状導体22'の軸に指向される環状導体22'も図式的に示す。言い換えると、B0場の方向は、環状導体22'の平面に対して横方向である。この構成において、環状導体22'は、同じ磁気共鳴周波数で90°分位相シフトされる2つのシヌソイドモードを用いてそれを励起することにより、直角位相送信/受信コイルとして使用されることができる。例えば、図示された環状導体22'は、B1,sine及びB1,cos場を適切にサポートする。このデュアルモード構成は有利なことに、表面コイル20が直角位相表面コイルとして使用されることを可能にする。
【0019】
図2を参照すると、これまでは、連続的なシールドなしの環状導体のシヌソイドモードは、磁気共鳴イメージング又は分光法に関して価値あるものとは考えられていなかった。なぜなら、共鳴周波数があまりに高いとみなされ、生成されるB1場はあまりにも不均一であるとみなされたためである。しかしながら、本発明者らは、高磁場の磁気共鳴に関して及び十分に大きな半径の環状導体に関して、注目する特定の磁気共鳴周波数にマッチする有益な周波数範囲で、シヌソイドモードが振動することを認識した。例えば、1Hの磁気共鳴周波数は、7テスラの静磁場B0において298MHzである。図2に示すように、約32センチメートル(c/298MHz/π)の合理的な直径を持つ円形環状導体のシヌソイド共鳴は、この1Hの磁気共鳴周波数にかなりマッチする。更に、本発明者らは、より高い磁場において、空間均一性が、コイルを載せている患者又は他の対象物の誘電性及び導電性特性により主に決定されることを認識した。従って、3テスラより大きい静磁場B0値において、B1、sine場の比較的大きな未搭載状態での不均一性が許容可能である。
【0020】
図3を参照すると、図1の表面コイル20の環状導体22の一様な振動モードが説明される。一様なモードにおいて、電流分布は、環状導体22周辺で一様である。このモードは、円形環を必要とせず、通常は導体における容量要素を用いてチューニングされる。電流により生成されるB1場は、ループに対する位置に依存する。図3において、基準方向は、反時計回りである。しかしながら、一様な電流分布は、一様な振動の第1の磁気共鳴周波数において、時計回りと反時計回りとの間で時間的に振動する。一様な電流分布は、環状導体22の平面に対して又はその平面から外に向かい横方向に向けられるB1,uniform場を生成する。図3において説明される時間点において、図示されるB1,uniform場は、一様な電流分布の反時計回りの基準方向に対応する紙のページから外に向けられる。
【0021】
図4は、図1の表面コイル20の環状導体22のシヌソイド振動モードを示す。円形環状導体22周辺の電流分布は、環状導体22の円周に等しい空間的周期を持つシヌソイドである。従って、電流分布波長がリング円周に一致する共鳴周波数で、2つの電流分布ヌルが存在する。1つは、最大のポジティブ電流振幅点であり、1つは、最大のネガティブ電流振幅点である。図4において説明される時間瞬間において、2つの電流分布ヌルは0°及び180°として指定される点に配置される。最大のポジティブ電流振幅(+Imax)点は、90°であり、最大のネガティブ電流振幅点(−Imax)は、270°である。結果として生じるB1,sine場は、環状導体22の平面と平行に向けられる。
【0022】
表面コイル20の環状導体22の構成は、例えば一様な及びシヌソイド振動電流モード及びそれらに関連する磁場を同時にサポートするためのものである。こうして、同じ表面コイル20が、第1及び第2の磁気共鳴周波数のB1場を同時に生成又は検出するために使用されることができる。第1及び第2の磁気共鳴周波数が異なる場合、表面コイル20が、多核磁気共鳴を同時に励起する又は得るために使用されることができる。
【0023】
図5は、表面コイル20の1つの適切な実現を示す。ここでは、環状導体22が、一般に平面の誘電体基板24上の環状マイクロストリップ伝送線として構成される。接地面26又は他の平面無線周波数シールドは、環状導体22の反対側で誘電体基板24の側に配置される環状導体22と平行に構成される。シールド26の存在は、有利なことにコイルのQ係数を増加させる。これらの実施形態において、環状導体22及び接地面26は、適切にリソグラフ処理される、又は他の態様でパターン化される、又は選択的に沈殿される導電性フィルムである。
【0024】
図5の図示された構成において、接地面26は環状接地面である。しかしながら、ディスク形又は他のより大面積の接地面又は無線周波数シールドが、代わりに使用されることができる。例えば、誘電体基板24の背面をカバーするが、傾斜誘導される渦電流を減らすために適切に分割され、それでも容量接続を介して無線周波数で連続的に見える接地面が、使用されることができる。図5は、例えば環状導体直径D、誘電体基板24の厚みH及び環状導体22の幅Wといった、コイルのチューニングに影響を及ぼす特定の幾何的パラメータも示す。環状導体22に関する直径Dの指定は、環状導体に関して円形構成を仮定する。いくつかの実施形態において、環状導体は、完全な円形からいくぶん逸脱すると想定され、例えばいくらか楕円等とすることができる。しかしながら、B1,sine場の均一性に悪影響を与える可能性があるという点で、円形から大きく外れることは一般に不利である。図5においても示されるように、直径Dは、半径の2倍、即ち2Rに一致する点に留意されたい。
【0025】
図6〜8を参照すると、環状導体22は、チューニングに関する異なる自由度を用いて、さまざまな構成を取ることができる。図6〜8は、それぞれが図5の断面構成を使用している、さまざまな表面コイルの実施形態の平面図を示す。図6〜8の平面図において、誘電体基板24は図示省略される。その結果、環状導体が接地面26のトップに表示される。実際の場合、誘電体基板24は、不透明、透過的、又は半透明とすることができる。
【0026】
図6の構成において、環状導体は、連続的なクローズ型の環状導体22aである。この構成において、第1の一様なモードは存在せず、第2のシヌソイドモードだけが使用可能である。シヌソイドモードのチューニングは、パラメータD、W及びHを介して行われる。これは、シヌソイドモードを微調整することを困難にする。しかしながら、いくつかの場合では、適切なジオメトリが、特定の選択された磁気共鳴周波数値を実現するために得られることができる。本願明細書では環状導体22aがクローズ型の環状導体として参照されるが、クローズ型の環状導体22aが、例えば容量結合される源といった適切に結合される源をコイルに供給するため、環状導体においてギャップ(図示省略)を含むことができる点を理解されたい。
【0027】
図7の構成において、環状導体は、(図示された例において)8つのギャップ30を持つ切れ目のある(broken)環状導体22bである。ギャップ30は、シヌソイドモードの第2の磁気共鳴周波数より大きな一様なモードの第1の磁気共鳴周波数に影響を及ぼす容量要素を規定する。従って、この構成において、シヌソイドモードに対応する第2の磁気共鳴周波数は、パラメータD、W、誘電率εr及び厚みHをデザインすることにより適切に選択され、容量要素30は、一様なモードに対応する第1の磁気共鳴周波数を調整するように選択される。マイクロストリップ伝送線導体22bにおけるギャップ30が、図7の実施形態における容量要素の容量値を規定するが、他の実施形態においては、別々のコンデンサが使用されることができる。従って、この構成において、形状デザインパラメータD、W、εr及びHは、一様なモードの第1の磁気共鳴周波数及びシヌソイドモードの第2の磁気共鳴周波数に影響を及ぼす。所望の第1及び第2の磁気共鳴周波数が実現されるまで、容量値とパラメータD、W、εr及びHの1つ又は複数とを反復的に調整することにより、電磁シミュレータと連動してチューニングデザインが適切に実行される。
【0028】
図8の構成において、環状導体は再び切れ目のある環状導体22cである。これは、(図示された例において)シヌソイドモードの第2の磁気共鳴周波数以上の一様なモードの第1の磁気共鳴周波数に影響を及ぼす容量要素を規定する8つのギャップ30を持つ。更に、例えば別々のインダクタといった直列誘導要素32が含まれる。誘導要素32は、一様なモードの第1の磁気共鳴周波数以上のシヌソイドモードの第2の磁気共鳴周波数に影響を及ぼす。従って、この構成において、形状デザインパラメータD、W、εr及びHは、搭載対象物に対して最適であるようまず決定されることができる。その後、所望の第1及び第2の磁気共鳴周波数が実現されるまで、インダクタンス及び容量値を反復的に調整することにより、電磁シミュレータと連動してチューニングデザインが適切に実行される。
【0029】
図9を参照すると、図8において示されるのと類似する表面コイルが記載される。図9の表面コイルは、環状導体22cを含み、追加的な同心及び同一平面上の環状導体22dも含む。図9において、環状導体22dの半径は、環状導体22cの半径よりわずかに小さい。環状導体22c、22dは、各環状導体において8つのギャップを含む類似するトポロジを持ち、接地面26は、両方の環状導体22c、22dの両方に対するシールドを提供する。容量要素は、一様なモードの第1の磁気共鳴周波数へと1つの環状導体をチューニングするために使用される。例えば別々のインダクタといった直列誘導要素が、シヌソイドモードの第2の磁気共鳴周波数へと他の環状導体をチューニングするために使用される。図9の表面コイルの多核イメージング又は分光法用途において、一様なモードは、より低い多核周波数でのループの1つに関して使用され、シヌソイドモードは、例えば1Hの周波数といったより高い周波数での他のループに関して使用される。他の想定された用途において、図9の表面コイルは、同じ周波数で共振する環状導体22c、22dの両方と直角位相で駆動される。適切な手法では、外側の環状導体が、90°の位相シフトを持つポートP2を介して駆動され、内側環状導体22dは、ポートP1を介して駆動される。
【0030】
2つの図示された環状導体22c、22dは、同一平面上にあり(このことは、それらを対象物から等距離にする)、同心状に構成される。しかしながら、例えば直角位相又は多核共振モードといった開示された動作モードは、間隔を置いて配置される平行平面に構成される環状導体を用いて、非同心状に構成される環状導体を用いて、又は、間隔を置いて配置される平行平面において非同心状に構成される環状導体を用いて実現可能とされることもできる。1つの想定される実施形態において、一般に平面の無線周波数コイルは、一様な及びシヌソイド電流分布をそれぞれサポートする2つの環状導体を含む。斯かる無線周波数コイルにおいて、2つの環状導体が同じ半径を持つが、間隔を置いて配置される平行平面に構成されることが想定される。斯かる環状導体は、同心又は非同心のいずれかとすることができる。
【0031】
図10及び11を参照すると、より多くの囲い型誘電体基板34により多くの囲い型(enclosing)無線周波数シールド36を支持させることにより、更なる改善された共鳴品質(即ち、より高い共鳴Q)が得られることができる。この無線周波数シールド36は、(図示されるような)ディスク形状又は(接地面26に類似して)環状である、接地面26に似た平面無線周波数シールド36aを含み、更に、平面無線周波数シールド36aに対して横方向に延在し、少なくとも環状導体22の外側の周辺部を取り囲む横方向環状(短シリンダ)無線周波数シールド部分36bを含む。シールド36bが環状導体22の上部平面又はその先に更に延在するとき、Qにおける改良がより大きい。導電ループ部分22は、裏地ディスク36aではなく短シリンダ36bに取り付けられることもできる。代替的に、囲い型の誘電体基板34が省略されることができ、自立の環状シールド部分が使用されることができる。
【0032】
図12を参照すると、共鳴品質Qに関して計算されるシールド増加効果が説明される。図12は、(i)シールド無しの環状導体(「リングのみ」)に関して、(ii)平面無線周波数シールドによりシールドされる環状導体(「リング+平面シールド」)に関して、及び(iii)平面無線周波数シールド及び横方向環状又は短シリンダシールド部分の両方によりシールドされる環状導体(「リング+平面シールド+横方向環状シールド部分」)に関して、半径15センチメートルの円形環状導体の上の10センチメートルの場所での周波数に対する計算された横方向場B1をプロットした図である。共振ピークの実質的な狭小化は、シールドにおける増加ごとに得られる。即ち、シールドなしの環状導体と接地面を備える環状導体との間で、及び接地面を備える環状導体と追加された横方向環状シールド部分と間で得られる。シミュレーションは、追加された横方向シールド部分が環状導体22の高さに等しい又はわずかに大きい距離で延在するとき、ほとんどの改良が横方向環状シールド部分の追加部分を介して得られることを示す。
【0033】
記載される二重共振単一のループ表面コイルは、電磁モデリングソフトウェアを用いてモデル化される。モデル化された表面コイルは、図8に類似し、図5に示される断面を持つ円形環状導体を含む。モデル化されたコイルは、直径がD=28センチメートル(半径R=14センチメートル)で幅がW=1センチメートルの環状導体と、厚さがH=1.5センチメートル(寸法定義に関して図5を参照)、誘電率がεr=2.1である誘電体基板とを持つ。モデル化されたコイルは、(7テスラの静磁場B0における31Pに対応する)120.7MHzの第1の磁気共鳴周波数の一様な電流密度をサポートするようチューニングされ、及び(7テスラ静磁場B0における1Hに対応する)298MHzの第2の磁気共鳴周波数のシヌソイド電流密度をサポートするようチューニングされる誘導要素32と直列に8つの容量要素30を持つ。
【0034】
図13及び14は、一様なモード(図13)に関する、及びシヌソイドモード(図14)に関する電流分布の大きさをプロットする。図13及び14において、より高い電流密度の大きさは、より白い領域により示される。一様なモードは、予想通りに一様な環状電流分布を示す。シヌソイドモードは、再度予想通りに、予想された2つの電流分布ヌルと、+Imax及び−Imaxに対応する2つの電流分布最大とを示す。
【0035】
図15は、計算されたS11(即ち、反射されたパワー)対周波数をプロットする。一様な及びシヌソイドモードは、それぞれ120.7MHz及び298MHzでのS11プロットにおける鋭いネガティブ谷としてはっきり見てとれる。
【0036】
図16は、環状導体の上1センチメートルに配置される平均的な脳組織(σ=0.55S/m、εr=52)におけるループ軸方向に沿った位置に対する、|B1+|(x=1センチメートル)の値へと正規化される計算された|B1+|(x)をプロットした図である。図16において、シヌソイドモードに関するプロットに対応する充填された円は、単にインジケータを区別するものであり、個別の計算された点を示すものではない点に留意されたい。図16のプロットは、|B1+|場が深さと共に減少するような典型的なリング|B1+|場プロファイルを示す。この二重チューニングされたコイルは、近接表面多核イメージング及び分光法に適している。
【0037】
従来の一様な電流の多核表面コイルは、異なる周波数で共振する2つ又はこれ以上の個別のループを結合することにより構築される。斯かる構成においては、結合を減らすよう適切に分離され及び/又は幾何学的に構成されない限り、2つの個別のループが互いに結合することができる。本願明細書に開示される二重チューニングされた単一のループコイルの利点は、一様な及びシヌソイドモードが同じ環状導体により支持されるので、コイル―コイル結合が問題にならないことにある。実際、一様な及びシヌソイドモードは、独立して動作可能である。
【0038】
更に、個別の共振ループを持つデュアルコイルより、単一の二重チューニングされた環状導体の方が、構築がより容易であり、部品が少なくて済む。更に別の利点は、シヌソイドモードが、1Hイメージングに関する送信及び受信効率を増加させるために直角位相において供給される一方、31P又は他の核種に対して使用される一様な電流モードが、線形に駆動される点にある。シヌソイド直角位相駆動の有用性は、B0場に対するコイルの方向に依存するだろう。
【0039】
図1に戻って参照すると、B1場は、励起又は検出された磁気共鳴を最大化するために、静磁場B0に対して一般に横方向であるべきである。従って、図1に示されるように、B1,uniformが静磁場B0に対して一般に横方向であるよう、環状導体22が配置されるべきである。静磁場B0が環状導体22の平面と一般に平行であるよう表面コイル20を配置することにより、これは適切に実現される。シヌソイドB1,sine場は、B0場と揃えられるz軸を含む平面に実質的に存在することになる。B1,uniform及びB1,sineの各々は、回転磁界直角位相コイルとしてではなく、核磁気共鳴(NMR)のための線形コイルとして機能するだろう。代替的に、図9を参照して記載されるように、直角位相動作は2つの同一平面上のループを使用することにより実現されることができる。記載される別の手法では、図1の環状ループ22'の場合のように、ループ平面が、一般にz軸に直交する向きに指向される。この方向付けは、シヌソイドB1,sine場が静磁場B0に対して一般に横方向であることも確実にする。この方向付けでは、ループB1,uniformモードは、NMRには役に立たない。種々のループ方向及びモードの組合せが使用されることができることが想定される。
【0040】
例えば2つの同一平面上のループを用いることで第1及び第2の磁気共鳴周波数が同じである場合、B1,sine及び、B1,uniform場のベクトル和から生じる全体の横方向場B1が生成される。この横方向場は、有利なことに、一様なモードにおいてのみ動作する従来の表面コイルの横方向B1場が持つより少ない配向依存性を持つ。
【0041】
本書では表面コイルが記載されるが、開示された一般に平面の無線周波数コイルは、例えばSENSEコイルアレイ若しくはフェーズドコイルアレイのコイル要素、又はボアに固定される局部コイル等の他の用途において使用されることもできる。コイルアレイ構成において、各コイル要素は、例えば図示された環状導体22、22a、22b、22c、22dといった一般に平面の環状導体とすることができる。しかし、複数の斯かる一般に平面の環状導体要素から成り立つコイルアレイが、例えば体にフィットする形状、円筒状形状等の非平面形状を持つこともできる。更に、本書で用いられる「一般に平面である」という用語は、例えば斯かる一般に平面の環状導体要素のアレイが所望の胴にフィットする形状、円筒状又は他の非平面的形状で構成されることを容易にするため、何らかの弓そり形状又は曲率を持つ一般に平面の環状導体を含むものとして意図される。
【0042】
本発明が、好ましい実施形態を参照して説明されてきた。上記の詳細な説明を読み及び理解すると、第三者は、修正及び変更を思いつくことができる。それらの修正及び変更が添付の特許請求の範囲又はその均等物の範囲内にある限り、本発明は、すべての斯かる修正及び変更を含むものとして構築されることが意図される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般に平面の無線周波数コイルであって、
前記一般に平面の無線周波数コイルのコイル平面に一般に平行であるよう構成される1つ又は2つの環状導体を有し、前記1つ又は2つの環状導体が、(i)前記コイル平面から外へ向けられる第1の磁気共鳴周波数の第1のB1場を生成する一様な電流分布と、(ii)前記コイル平面と平行に向けられる第2の磁気共鳴周波数の第2のB1場を生成するシヌソイド電流分布とをサポートするよう構成される、一般に平面の無線周波数コイル。
【請求項2】
前記1つ又は2つの環状導体が、前記一様な電流分布及び前記シヌソイド電流分布の両方をサポートするよう構成される単一の環状導体を有し、前記第2の磁気共鳴周波数は、前記第1の磁気共鳴周波数より高い、請求項1に記載の無線周波数コイル。
【請求項3】
前記1つ又は2つの環状導体が、2つの環状導体を含み、前記環状導体の1つは、前記一様な電流分布をサポートするよう構成され、前記環状導体の他の1つが、前記シヌソイド電流分布をサポートするよう構成される、請求項1に記載の無線周波数コイル。
【請求項4】
前記第2の磁気共鳴周波数が、前記第1の磁気共鳴周波数より高い、請求項3に記載の無線周波数コイル。
【請求項5】
前記第1の磁気共鳴周波数及び前記第2の磁気共鳴周波数が、同じであり、前記2つ環状導体は、直角位相表面コイルを規定する、請求項3に記載の無線周波数コイル。
【請求項6】
前記2つの環状導体が、同心状であり、かつ同一平面上にある、請求項3に記載の無線周波数コイル。
【請求項7】
前記1つ又は2つの環状導体と平行に配置される一般に平面の無線周波数シールドを更に含む、請求項1に記載の無線周波数コイル。
【請求項8】
前記一般に平面の無線周波数シールドが、ディスク形及び環状のいずれかである、請求項7に記載の無線周波数コイル。
【請求項9】
前記一般に平面の無線周波数シールドに対して横方向に延在し、少なくとも前記1つ又は2つの環状導体の外側の周辺部を囲む横方向環状無線周波数シールド部分を更に含む、請求項7に記載の無線周波数コイル。
【請求項10】
請求項1に記載される一般に平面の無線周波数コイルを少なくとも1つ組み込む磁気共鳴スキャナ。
【請求項11】
環状導体を有する無線周波数コイルであって、
前記環状導体が、(i)該環状導体の平面から外へ向けられる第1の磁気共鳴周波数の第1のB1場を生成する一様な電流分布と、(ii)前記環状導体の平面と平行に向けられる第2の磁気共鳴周波数の第2のB1場を生成するシヌソイド電流分布とをサポートするよう構成される、無線周波数コイル。
【請求項12】
前記第2の磁気共鳴周波数が、前記第1の磁気共鳴周波数より高い、請求項11に記載の無線周波数コイル。
【請求項13】
前記第1の磁気共鳴周波数が、選択された静磁場における第1の核種の磁気共鳴に対応し、前記第2の磁気共鳴周波数は、前記選択された静磁場における第2の核種の磁気共鳴に対応する、請求項12に記載の無線周波数コイル。
【請求項14】
前記第2の磁気共鳴周波数が、前記選択された静磁場における1Hの磁気共鳴に対応する、請求項13に記載の無線周波数コイル。
【請求項15】
前記第1の磁気共鳴周波数が、前記選択された静磁場における19F、13C、23Na及び31Pからなるグループから選択される核種の磁気共鳴に対応する、請求項14に記載の無線周波数コイル。
【請求項16】
前記選択された静磁場が、3テスラより大きい、請求項13に記載の無線周波数コイル。
【請求項17】
前記環状導体が、
前記環状導体の平面から外に向けられる前記第1の磁気共鳴周波数の第1のB1場を生成する一様な電流分布をサポートするよう、前記環状導体をチューニングするのに有効な容量を持つ1つ又は複数の要素と、
前記環状導体の平面と平行に向けられる前記第2の磁気共鳴周波数の第2のB1場を生成するシヌソイド電流分布をサポートするよう、前記環状導体をチューニングするのに有効なインダクタンスを持つ1つ又は複数の要素とを含む、請求項11に記載の無線周波数コイル。
【請求項18】
前記環状導体が、幅及び環状直径を持ち、誘電幅及び誘電率を持つ誘電層により接地面から間隔を空けて配置され、並びに1つ又は複数の容量要素を更に含み、前記幅、環状直径、誘電幅、誘電率及び容量要素は、選択された個別の第1及び第2の磁気共鳴周波数の前記一様な及びシヌソイド電流分布をサポートするよう前記環状導体をチューニングするのに有効である、請求項11に記載の無線周波数コイル。
【請求項19】
前記環状導体が、環状マイクロストリップ伝送線を含む、請求項11に記載の無線周波数コイル。
【請求項20】
前記マイクロストリップ環状マイクロストリップ伝送線が、前記環状導体の平面から外へ向けられる前記第1の磁気共鳴周波数の第1のB1場を生成する一様な電流分布をサポートするよう前記環状導体をチューニングするのに有効な容量を規定する1つ又は複数のギャップを含む、請求項19に記載の無線周波数コイル。
【請求項21】
前記環状導体が配置される誘電体基板と、前記環状導体の反対側の前記誘電体基板の側に配置される接地面とを更に含む、請求項11に記載の無線周波数コイル。
【請求項22】
請求項11に記載の無線周波数コイルを組み込む磁気共鳴スキャナ。
【請求項23】
静磁場を生成する磁石と、
選択された傾斜磁場を前記静磁場上に重畳するよう構成される傾斜磁場システムと、
前記環状導体の平面と平行に向けられる磁気共鳴周波数のB1場により生成又は誘導されるシヌソイド電流分布をサポートするよう構成される環状導体とを有する、磁気共鳴スキャナ。
【請求項24】
前記環状導体が、前記環状導体の平面から外へ向けられる磁気共鳴周波数のB1場により生成又は誘導される一様な電流分布をサポートするよう更に構成される、請求項23に記載の磁気共鳴スキャナ。
【請求項25】
前記環状導体の平面が、一般に前記静磁場と平行に配置される、請求項24に記載の磁気共鳴スキャナ。
【請求項26】
前記環状導体が、2つの平行な環状導体を含み、前記環状導体の1つは、前記2つの平行な平面の環状導体と平行に向けられる前記シヌソイド電流分布をサポートするよう構成され、前記環状導体の他の1つが、前記2つの平行な平面の環状導体に対して横向きに向けられる磁気共鳴周波数のB1場により生成又は誘導される一様な電流分布をサポートするよう構成される、請求項23に記載の磁気共鳴スキャナ。
【請求項1】
一般に平面の無線周波数コイルであって、
前記一般に平面の無線周波数コイルのコイル平面に一般に平行であるよう構成される1つ又は2つの環状導体を有し、前記1つ又は2つの環状導体が、(i)前記コイル平面から外へ向けられる第1の磁気共鳴周波数の第1のB1場を生成する一様な電流分布と、(ii)前記コイル平面と平行に向けられる第2の磁気共鳴周波数の第2のB1場を生成するシヌソイド電流分布とをサポートするよう構成される、一般に平面の無線周波数コイル。
【請求項2】
前記1つ又は2つの環状導体が、前記一様な電流分布及び前記シヌソイド電流分布の両方をサポートするよう構成される単一の環状導体を有し、前記第2の磁気共鳴周波数は、前記第1の磁気共鳴周波数より高い、請求項1に記載の無線周波数コイル。
【請求項3】
前記1つ又は2つの環状導体が、2つの環状導体を含み、前記環状導体の1つは、前記一様な電流分布をサポートするよう構成され、前記環状導体の他の1つが、前記シヌソイド電流分布をサポートするよう構成される、請求項1に記載の無線周波数コイル。
【請求項4】
前記第2の磁気共鳴周波数が、前記第1の磁気共鳴周波数より高い、請求項3に記載の無線周波数コイル。
【請求項5】
前記第1の磁気共鳴周波数及び前記第2の磁気共鳴周波数が、同じであり、前記2つ環状導体は、直角位相表面コイルを規定する、請求項3に記載の無線周波数コイル。
【請求項6】
前記2つの環状導体が、同心状であり、かつ同一平面上にある、請求項3に記載の無線周波数コイル。
【請求項7】
前記1つ又は2つの環状導体と平行に配置される一般に平面の無線周波数シールドを更に含む、請求項1に記載の無線周波数コイル。
【請求項8】
前記一般に平面の無線周波数シールドが、ディスク形及び環状のいずれかである、請求項7に記載の無線周波数コイル。
【請求項9】
前記一般に平面の無線周波数シールドに対して横方向に延在し、少なくとも前記1つ又は2つの環状導体の外側の周辺部を囲む横方向環状無線周波数シールド部分を更に含む、請求項7に記載の無線周波数コイル。
【請求項10】
請求項1に記載される一般に平面の無線周波数コイルを少なくとも1つ組み込む磁気共鳴スキャナ。
【請求項11】
環状導体を有する無線周波数コイルであって、
前記環状導体が、(i)該環状導体の平面から外へ向けられる第1の磁気共鳴周波数の第1のB1場を生成する一様な電流分布と、(ii)前記環状導体の平面と平行に向けられる第2の磁気共鳴周波数の第2のB1場を生成するシヌソイド電流分布とをサポートするよう構成される、無線周波数コイル。
【請求項12】
前記第2の磁気共鳴周波数が、前記第1の磁気共鳴周波数より高い、請求項11に記載の無線周波数コイル。
【請求項13】
前記第1の磁気共鳴周波数が、選択された静磁場における第1の核種の磁気共鳴に対応し、前記第2の磁気共鳴周波数は、前記選択された静磁場における第2の核種の磁気共鳴に対応する、請求項12に記載の無線周波数コイル。
【請求項14】
前記第2の磁気共鳴周波数が、前記選択された静磁場における1Hの磁気共鳴に対応する、請求項13に記載の無線周波数コイル。
【請求項15】
前記第1の磁気共鳴周波数が、前記選択された静磁場における19F、13C、23Na及び31Pからなるグループから選択される核種の磁気共鳴に対応する、請求項14に記載の無線周波数コイル。
【請求項16】
前記選択された静磁場が、3テスラより大きい、請求項13に記載の無線周波数コイル。
【請求項17】
前記環状導体が、
前記環状導体の平面から外に向けられる前記第1の磁気共鳴周波数の第1のB1場を生成する一様な電流分布をサポートするよう、前記環状導体をチューニングするのに有効な容量を持つ1つ又は複数の要素と、
前記環状導体の平面と平行に向けられる前記第2の磁気共鳴周波数の第2のB1場を生成するシヌソイド電流分布をサポートするよう、前記環状導体をチューニングするのに有効なインダクタンスを持つ1つ又は複数の要素とを含む、請求項11に記載の無線周波数コイル。
【請求項18】
前記環状導体が、幅及び環状直径を持ち、誘電幅及び誘電率を持つ誘電層により接地面から間隔を空けて配置され、並びに1つ又は複数の容量要素を更に含み、前記幅、環状直径、誘電幅、誘電率及び容量要素は、選択された個別の第1及び第2の磁気共鳴周波数の前記一様な及びシヌソイド電流分布をサポートするよう前記環状導体をチューニングするのに有効である、請求項11に記載の無線周波数コイル。
【請求項19】
前記環状導体が、環状マイクロストリップ伝送線を含む、請求項11に記載の無線周波数コイル。
【請求項20】
前記マイクロストリップ環状マイクロストリップ伝送線が、前記環状導体の平面から外へ向けられる前記第1の磁気共鳴周波数の第1のB1場を生成する一様な電流分布をサポートするよう前記環状導体をチューニングするのに有効な容量を規定する1つ又は複数のギャップを含む、請求項19に記載の無線周波数コイル。
【請求項21】
前記環状導体が配置される誘電体基板と、前記環状導体の反対側の前記誘電体基板の側に配置される接地面とを更に含む、請求項11に記載の無線周波数コイル。
【請求項22】
請求項11に記載の無線周波数コイルを組み込む磁気共鳴スキャナ。
【請求項23】
静磁場を生成する磁石と、
選択された傾斜磁場を前記静磁場上に重畳するよう構成される傾斜磁場システムと、
前記環状導体の平面と平行に向けられる磁気共鳴周波数のB1場により生成又は誘導されるシヌソイド電流分布をサポートするよう構成される環状導体とを有する、磁気共鳴スキャナ。
【請求項24】
前記環状導体が、前記環状導体の平面から外へ向けられる磁気共鳴周波数のB1場により生成又は誘導される一様な電流分布をサポートするよう更に構成される、請求項23に記載の磁気共鳴スキャナ。
【請求項25】
前記環状導体の平面が、一般に前記静磁場と平行に配置される、請求項24に記載の磁気共鳴スキャナ。
【請求項26】
前記環状導体が、2つの平行な環状導体を含み、前記環状導体の1つは、前記2つの平行な平面の環状導体と平行に向けられる前記シヌソイド電流分布をサポートするよう構成され、前記環状導体の他の1つが、前記2つの平行な平面の環状導体に対して横向きに向けられる磁気共鳴周波数のB1場により生成又は誘導される一様な電流分布をサポートするよう構成される、請求項23に記載の磁気共鳴スキャナ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公表番号】特表2010−518936(P2010−518936A)
【公表日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−550346(P2009−550346)
【出願日】平成20年1月30日(2008.1.30)
【国際出願番号】PCT/IB2008/050328
【国際公開番号】WO2008/104895
【国際公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月30日(2008.1.30)
【国際出願番号】PCT/IB2008/050328
【国際公開番号】WO2008/104895
【国際公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
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