説明

神経変性障害治療用オキサゾール化合物

本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、R、R、R、RおよびZ、ならびにR、R、R、RおよびZの1つまたは複数に基づいて列挙する他の可変記号は定義の通りである。式(I)の化合物は、Aβペプチドの産生を阻害する活性を有する。本発明はまた、式(I)の化合物を含む、哺乳動物における疾患、例えば、アルツハイマー病などの神経変性疾患を治療する医薬組成物および方法に関する。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒトを含む哺乳動物におけるアルツハイマー病ならびに他の神経変性障害および/または神経障害の治療に関する。本発明はまた、ヒトを含む哺乳動物において、アミロイドタンパク質の神経沈着物の形成に寄与し得るAβペプチドの産生を阻害することに関する。より詳細には、本発明は、Aβペプチド産生に関連するアルツハイマー病およびダウン症候群などの神経変性障害および/または神経障害の治療に有用なオキサゾール化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
痴呆は様々な特有の病理過程の帰結として生じる。痴呆を引き起こす最も一般的な病理過程は、アルツハイマー病(AD)、脳アミロイド血管障害(CAA)およびプリオン介在性疾患である(例えば、Haan et al.、Clin.NeuroL Neurosurg.1990、92(4):305〜310;Glenner et al.、J Neurol.Sci.1989、94:1〜28を参照)。米国の人口中でその比率が最も急速に増大している、85歳を超える人々全体の約半数がADを発症している。したがって、米国のAD患者数は、約400万人から来世紀の中頃までに約1400万人にまで増加すると予測される。
【0003】
AD治療は通常、付き添いの家族により提供される支援のことである。定期的な記憶刺激訓練は、記憶の減少を遅らせはするが、それを停止させることはないことがわかっている。いくつかの薬物、例えばAricept(商標)がAD治療を提供する。
【0004】
ADの特徴は、アミロイドプラークと呼ばれる細胞外不溶性沈着物が脳に蓄積すること、および神経原線維変化と呼ばれる神経細胞内の異常病変である。プラーク形成の増大は、ADリスクの増大と関連している。実際、アミロイドプラークの存在は、神経原線維変化と共に、ADの最終的病理診断の基準である。
【0005】
アミロイドプラークの主要成分は、Aβペプチドとも呼ばれるアミロイドAβペプチドであり、これは各々Aβ1−40、Aβ1−42およびAβ1−43ペプチドと命名された、40、42または43アミノ酸を有する3種のタンパク質からなる。Aβペプチドは、in vitroおよびin vivoで神経細胞に対し毒性を有するため、神経細胞の一部の破壊を引き起こすと考えられる。
【0006】
Aβペプチドは、より大きなアミロイド前駆体タンパク質(APPタンパク質)に由来する。このタンパク質は、各々APP695、APP714、APP751およびAPP771と命名された、695、714、751または771アミノ酸を含む4種のタンパク質からなる。プロテアーゼは、各種APPタンパク質内にある特定のアミノ酸配列を切断することでAβペプチドを産生すると思われる。プロテアーゼは「セクレターゼ」と名付けられるが、これは、それらが産生するAβペプチドが細胞により分泌されて細胞外環境に出されるためである。これらのセクレターゼは、Aβペプチドを産生するためにそれらが形成する切断に従って各々名付けられる。Aβペプチドのアミノ末端を形成するセクレターゼをβ−セクレターゼと呼ぶ。Aβペプチドのカルボキシル末端を形成するセクレターゼをγ−セクレターゼと呼ぶ(Haass,C.and Selkoe,D.J.1993 Cell 75:1039〜1042)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、Aβペプチド産生を阻害する新規化合物、そのような化合物を含む医薬組成物、ならびにそのような化合物を使用して神経変性障害および/または神経障害を治療する方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、下記式の化合物およびその化合物の薬学的に許容できる塩に関する。
【0009】
【化1】

【0010】
[式中、Zは−C(=O)CHR、−C(=S)CHR、−(C=NR)CHR、−C(=O)C(=O)Rおよび−S(O)−Rから選択され、
は−C〜C20アルキル、−C〜C20アルケニル、−C〜C20アルキニル、−C〜C20アルコキシ、−C〜C20アルケノキシ、−C〜C20アルキノキシ、−C〜C20シクロアルキル、−C〜C20シクロアルケニル、(C10〜C20)ビまたはトリシクロアルキル、(C10〜C20)ビまたはトリシクロアルケニル、(4〜20員)ヘテロシクロアルキル、−C〜C20アリールおよび(5〜20員)ヘテロアリールから選択され、
は1〜6個のフッ素原子またはグループR1aから独立に選択される1〜3個の置換基で独立に置換されていてもよく、
1aは−OH、−C〜C12アルキル、−C〜C12アルケニル、−C〜C12アルキニル、−C〜Cアルコキシ、−C〜Cアルケノキシ、−C〜Cアルキノキシ、−F、−Cl、−Br、−I、−CN、
−NO、−NR10、−C(=O)NR10、−S(O)−NR10、−C(=O)R11、−S(O)−R11、−C(=O)OR12、−C〜C15シクロアルキル、−C〜C15シクロアルケニル、−(C〜C11)ビまたはトリシクロアルキル、−(C〜C11)ビまたはトリシクロアルケニル、−(4〜20員)ヘテロシクロアルキル、−C〜C15アリール、−(5〜15員)ヘテロアリール、−C〜C15アリールオキシおよび−(5〜15員)ヘテロアリールオキシからいずれの場合でも独立に選択され、前記シクロアルキル、シクロアルケニル、ビまたはトリシクロアルキル、ビまたはトリシクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールオキシおよびヘテロアリールオキシは、グループR1bから独立に選択される1〜3個の置換基で各々独立に置換されていてもよく、
1bは−OH、−C〜Cアルキル、−C〜Cアルケニル、−C〜Cアルキニル、−C〜Cアルコキシ、−C〜Cアルケノキシ、−C〜Cアルキノキシ、−C〜Cヒドロキシアルキル、−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−NO、−NR10、−C(=O)NR10、−C(=O)R11、−S(O)NR10、−S(O)−R11、−C〜C15アリールオキシおよび−(5〜15員)ヘテロアリールオキシからいずれの場合でも独立に選択され、前記アルキル、アルケニルおよびアルキニルは、1〜6個のフッ素原子、−C〜Cアルコキシから独立に選択される1〜2個の置換基、または1個の水酸基で各々独立に置換されていてもよく、
およびR10は−H、−C〜C12アルキル、−C〜C12アルケニル、−C〜C12アルキニル、−CF、−C(=O)R11、−S(O)−R11、−C(=O)OR12、−C(=O)NR1112、−S(O)−NR1112、−(C〜Cアルキレン)−(C〜C20シクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cシクロアルケニル)、−(C〜Cアルキレン)−((C〜C11)ビまたはトリシクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−((C〜C11)ビまたはトリシクロアルケニル)、−(C〜Cアルキレン)−((5〜10員)ヘテロシクロアルキル)、(C〜Cアルキレン)−(C〜C10アリール)および−(C〜Cアルキレン)−((5〜10員)ヘテロアリール)からいずれの場合でも各々独立に選択され、前記アルキル、アルケニルおよびアルキニルは、1〜6個のフッ素原子、−C〜Cアルコキシから独立に選択される1〜2個の置換基、または1個の水酸基で各々独立に置換されていてもよく、前記シクロアルキル、シクロアルケニル、ビまたはトリシクロアルキル、ビまたはトリシクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールは、−OH、−C〜C12アルキル、−C〜C12アルケニル、−C〜C12アルキニル、−C〜Cアルコキシ、−C〜Cアルケノキシ、−C〜Cアルキノキシ、−C〜Cヒドロキシアルキル、−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−NO、−CF、−NH、−C(=O)NH、−S(O)−NH、−C(=O)Hおよび−C(=O)OHから独立に選択される1〜3個の置換基で各々独立に置換されていてもよく、前記アルキル、アルケニルおよびアルキニル置換基は、1〜6個のフッ素原子、−C〜Cアルコキシから独立に選択される1〜2個の置換基、または1個の水酸基でさらに各々独立に置換されていてもよく、
あるいは、NR10は4〜10環員からなるヘテロシクロアルキル部分をいずれの場合でも独立に形成してもよく、前記ヘテロシクロアルキル部分はN、OおよびSから独立に選択される1〜2個のさらなるヘテロ原子を含んでいてもよく、1〜3個の二重結合を含んでいてもよく、NR10のヘテロシクロアルキル部分の炭素原子は、−OH、−C〜C12アルキル、−C〜C12アルケニル、−C〜C12アルキニル、−C〜Cアルコキシ、−C〜Cアルケノキシ、−C〜Cアルキノキシ、−F、−Cl、−Br、−I、−CF、−NH、−C(=O)NH、−S(O)−NH、−C(=O)R11、−S(O)−R11、(C〜Cアルキレン)−(C〜C10アリール)、(C〜Cアルキレン)−((5〜10員ヘテロアリール)、(C〜Cアルキレン)−(C〜C10シクロアルキル)および(C〜Cアルキレン)−((5〜10員)ヘテロシクロアルキルから独立に選択される1〜3個の置換基で独立に置換されていてもよく、(C〜Cアルキレン)−((5〜10員)ヘテロシクロアルキル)置換基、およびNR10の前記ヘテロシクロアルキル部分の窒素原子は、−C〜C12アルキル、−C〜C12アルケニル、−C〜C12アルキニル、−C(=O)NH、−S(O)−NH、C(=O)R11、−S(O)−R11、(C〜Cアルキレン)−(C〜C10アリール)、(C〜Cアルキレン)−((5〜10員)ヘテロアリール)、(C〜Cアルキレン)−(C〜C10シクロアルキル)および(C〜Cアルキレン)−((5〜10員)ヘテロシクロアルキル)から独立に選択される1個の置換基で各々独立に置換されていてもよく、前記アルキル、アルケニルおよびアルキニル置換基は、1〜6個のフッ素原子、−C〜Cアルコキシから独立に選択される1〜2個の置換基、または1個の水酸基でさらに各々独立に置換されていてもよく、
11およびR12は−C〜C15アルキル(分岐鎖または直鎖)、−C〜Cアルケニル、−C〜Cアルキニル、−(C〜Cアルキレン)−(C〜C15シクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cシクロアルケニル)、−(C〜Cアルキレン)−((C〜C11)ビまたはトリシクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−((C〜C11)ビまたはトリシクロアルケニル)、−(C〜Cアルキレン)−(C〜C15アリール)、−(C〜Cアルキレン)−((5〜15員)ヘテロシクロアルキル)および−(C〜Cアルキレン)−((5〜15員)ヘテロアリール)からいずれの場合でも各々独立に選択され、
11およびR12は1〜6個のフッ素原子またはグループR1bから独立に選択される1〜3個の置換基で各々独立に置換されていてもよく、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ビまたはトリシクロアルキル、ビまたはトリシクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールは、−OH、−C〜C12アルキル、−C〜C12アルケニル、−C〜C12アルキニル、−C〜Cアルコキシ、−C〜Cアルケノキシ、−C〜Cアルキノキシ、−C〜Cヒドロキシアルキル、−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−NO、−CF、−NH、−NH(C〜Cアルキル)、−N(C〜Cアルキル)、−C(=O)NH、−C(=O)NH(C〜Cアルキル)、−C(=O)N(C〜Cアルキル)、−NR10、−C(=O)NR10、−C(=O)R11、−S(O)NR10、−S(O)−R11、−C〜C15アリールオキシ、−(5〜15員)ヘテロアリールオキシ、−SONH、−SONH(C〜Cアルキル)、−SON(C〜Cアルキル)、−C(=O)H、−C(=O)OHおよび−C(=O)O(C〜Cアルキル)から独立に選択される1〜3個の置換基で各々独立に置換されていてもよく、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキニル置換基は、1〜6個のフッ素原子、−C〜Cアルコキシから独立に選択される1〜2個の置換基、または水酸基でさらに各々独立に置換されていてもよく、
NR1112は4〜10環員からなるヘテロシクロアルキル部分をいずれの場合でも独立に形成してもよく、前記ヘテロシクロアルキル部分はN、OおよびSから独立に選択される1〜2個のさらなるヘテロ原子を含んでいてもよく、1〜3個の二重結合を含んでいてもよく、NR10の前記ヘテロシクロアルキル部分の炭素原子は、−OH、−C〜C12アルキル、−C〜C12アルケニル、−C〜C12アルキニル、−C〜Cアルコキシ、−C〜Cアルケノキシ、−C〜Cアルキノキシ、−C〜Cヒドロキシアルキル、−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−NO、−CF、−NH、−NH(C〜Cアルキル)、−N(C〜Cアルキル)、−C(=O)NH、−C(=O)NH(C〜Cアルキル)、−C(=O)N(C〜Cアルキル)、−SONH、−SONH(C〜Cアルキル)、−SON(C〜Cアルキル)、−C(=O)H、−C(=O)OHおよび−C(=O)O(C〜Cアルキル)から独立に選択される1〜3個の置換基で独立に置換されていてもよく、前記アルキル、アルケニルおよびアルキニル置換基は、1〜6個のフッ素原子、−C〜Cアルコキシから独立に選択される1〜2個の置換基、または水酸基で各々独立に置換されていてもよく、
は−H、−OH、−NH、−CHOH、−OC(=O)CH、−C(CHOH、−C(CH)(CHCH)(OH)、−C(OH)(C〜Cアルキル)(C〜Cアルキル)、−OC(=O)Rおよび−OC(=O)ORから選択され、前記−OC(=O)Rおよび−OC(=O)ORはRの対応するOHのプロドラッグであってもよく、
は−C〜Cアルキル、−CH(OH)(C〜Cアルキル)、−CH(OH)(C〜Cアリール)、−CH(OH)((5〜6員)ヘテロアリール)、−CH(OH)(C〜Cシクロアルキル)、−CH(OH)((5−6員)ヘテロシクロアルキル)から選択され、
は−C〜Cアルキル、−C〜Cアルケニル、−C〜Cアルキニルおよび−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cシクロアルキル)から選択され、Rがアルキル、アルケニル、アリルまたはアルキニルである場合、Rは−C〜Cアルコキシ、−OHおよび−S(C〜Cアルキル)から独立に選択される置換基で独立に置換されていてもよく、
は−H、−C〜Cアルキル、−C〜Cアルケニル、−C〜Cアルキニル、−C(=O)(C〜Cアルキル)、−C〜C10アリール、−(5〜20員)ヘテロアリール、−S(O)−(C〜C10アリール)、−S(O)−((5〜20員)ヘテロアリール)、−S(O)−CH−(C〜C20アリール)および−S(O)−CH−((5〜20員)ヘテロアリール)から選択され、
は−H、−C〜Cアルキル、−C〜Cアルケニル、−C〜Cアルキニル、−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−CF、−C(=O)NR10、−S(O)−NR10、−C(=O)R11、−S(O)−R11、−C(=O)OR12、−(C〜Cアルキレン)−C(=O)OR12、−C〜C20シクロアルキル、−C〜C20シクロアルケニルおよび−C〜C10アリールから選択され、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニルおよびアリールは、グループR1bから独立に選択される1〜3個の置換基で各々独立に置換されていてもよく、
は−H、−C〜C20アルキル、−C〜C20アルケニル、−C〜C20アルキニル、−C〜C20アルコキシ、−C〜C20アルケノキシ、−C〜C20アルキノキシ、F、−Cl、−Br、−I、−CN、−NO、−OH、−CF、−NR10、−C(=O)NR10、−C(=O)R11、−C(=O)OR12、−C〜C15シクロアルキル、−(C〜Cアルキレン)(C〜C20シクロアルキル)、−(3〜15員)ヘテロシクロアルキル、−C〜C15アリール、−(5〜15員)ヘテロアリール、−CHO、−(C〜Cアルキレン)−(C〜C20シクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−(C〜C20シクロアルケニル)、−(C〜Cアルキレン)−((C10〜C20)ビまたはトリシクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−((C10〜C20)ビまたはトリシクロアルケニル)、−(C〜Cアルキレン)−((3〜20員)ヘテロシクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−(C〜C15アリール)および−(C〜Cアルキレン)−((5〜15員)ヘテロアリール)、−C(=O)(C〜C15アルキル)、−C(=O)((5〜15員)ヘテロシクロアルキル)、−C(=O)((5〜15員)ヘテロアリール)、−C(=O)(C〜C15シクロアルキル)、−C(=O)O(C〜Cアルキル)、−C(=O)N(C〜C10アルキル)(C〜C10アルキル)、C(=O)N(C〜C10アルキル)(C〜C10アリール)、−C(=O)N(C〜C10アルキル)((5〜10員)ヘテロアリール)、−C(=O)N(C〜C10アルキル)((5〜10員)ヘテロシクロアルキル)、−C(=O)N(C〜C10アルキル)(C〜C10シクロアルキル)、−S(O)−R11、−S(O)−(C〜Cアルキル)、−S(O)−(C〜Cシクロアルキル)、−S(O)−アルキル、−S(O)−シクロアルキル、−S(O)−(6〜14員)アリール、−S(O)−(5〜14員)ヘテロアリール、−(C〜Cアルキレン)(4〜15員)ヘテロシクロアルキルから選択され、前記ヘテロシクロアルキルは1〜4個の二重または三重結合を含んでいてもよく、Rは1〜6個のフッ素原子またはグループR1aから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
あるいは、Rは−H、−C〜C12アルキル、−C〜C12アルケニル、−C〜C12アルキニル、−C〜C20アルコキシ、−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−NO、−C〜C15シクロアルキル、−(C〜Cアルキレン)(C〜C15シクロアルキル)、−(3〜15員)ヘテロシクロアルキル、−C〜C15アリール、−(5〜15員)ヘテロアリール、−CHO、−C(=O)(C〜C15アルキル)、−C(=O)((5〜15員)ヘテロシクロアルキル)、−C(=O)((5〜15員)ヘテロアリール)、−C(=O)(C〜C15シクロアルキル)、−C(=O)O(C〜Cアルキル)、−C(=O)N(C〜C10アルキル)(C〜C10アルキル)、C(=O)N(C〜C10アルキル)(C〜C10アリール)、−C(=O)N(C〜C10アルキル)((5〜10員)ヘテロアリール)、−C(=O)N(C〜C10アルキル)((5〜10員)ヘテロシクロアルキル)、−C(=O)N(C〜C10アルキル)(C〜C10シクロアルキル)、−S(O)−(C〜Cアルキル)、−S(O)−(C〜Cシクロアルキル)、−S(O)−アルキル、−S(O)−シクロアルキル、−S(O)−(6〜14員)アリール、−S(O)−(5〜14員)ヘテロアリール、−(C〜Cアルキレン)(4〜15員)ヘテロシクロアルキルから選択され、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールは、−F、−Cl、−Br、−I、−OH、−C〜C10アルキル、−C〜C10アルケニル、−C〜C10アルコキシ、−C〜C10アルケノキシ、−C〜C10アルキノキシ、−NR10、(C〜C11アルキル)−NR10、−C(=O)R11、−S(O)−R11、−C(=O)OR12、−C(=O)NR10、−S(O)−NR10 −C〜C15シクロアルキル、−(4〜15員)ヘテロシクロアルキル、−C〜C15アリール、−(5〜15員)ヘテロアリール、(5〜15員)ヘテロシクロアルコキシ、−C〜C12アリールオキシおよび(6〜12員)ヘテロアリールオキシから独立に選択される1〜3個の置換基で各々独立に置換されていてもよく、
あるいは、RおよびRはそれらが各々結合している炭素原子と共に、式Iの化合物のオキサゾール環と縮合した5〜14員シクロアルキル環、5〜14員ヘテロシクロアルキル環、10〜14員ビシクロアルキル環または10〜14員ビシクロヘテロアルキル環を形成してもよく、前記ヘテロシクロアルキル環または前記ビシクロヘテロアルキル環の1〜3員はN、OおよびSから選択され、前記シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ビシクロアルキルまたはビシクロヘテロアルキル環は1〜3個の二重結合を含んでいてもよく、
は−Hおよび−C〜Cアルキルから選択され、
あるいは、Zが−C(=NR)CHRである場合、RおよびRはそれらが各々結合している窒素および炭素原子と共に5〜14員ヘテロアリール環または5〜8員ヘテロシクロアルキル環を形成してもよく、前記ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキル環はN、OおよびSから選択される1〜2個のさらなるヘテロ原子を含んでいてもよく、前記ヘテロシクロアルキル環は1〜3個の二重結合を含んでいてもよく、前記ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキル環はグループR1bから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
nはいずれの場合でも0、1および2から独立に選択される整数である]
【0011】
式Iの化合物は、光学中心を有していてもよく、したがって異なるエナンチオマー配置、ジアステレオマー配置、およびメソ配置の状態で存在してもよい。本発明は、そのような式Iの化合物のすべてのエナンチオマー、ジアステレオマーおよび他の立体異性体、ならびにそのラセミ混合物および他の混合物を含む。本発明はまた、式Iのすべての互変異性体も含む。本発明の式Iの化合物が1個の光学中心を含む場合は、「S」エナンチオマーが好ましい。
【0012】
本発明の式Iの化合物が塩基性基を含む場合、各種の無機および有機酸と共に酸付加塩を形成することができる。本発明はまた、式Iの化合物の薬学的に許容できる酸付加塩にも関する。そのような塩は動物への投与において薬学的に許容できるはずであるが、実際には、薬学的に許容できない塩である反応混合物から塩基化合物を最初に単離し、次いでアルカリ試薬を使った処理によって遊離塩基化合物に単純に変換し、その後、遊離塩基を薬学的に許容できる酸付加塩に変換することが多くの場合望ましい。本発明の塩基化合物の酸付加塩は、水性溶媒またはメタノールもしくはエタノールなどの適切な有機溶媒中で、塩基化合物を、実質的に等量の選択された鉱酸または有機酸で処理することで容易に調製される。溶媒を注意深く蒸発させると、所望の固形塩が容易に得られる。本発明の上記の塩基化合物の薬学的に許容できる酸付加塩の調製に用いられる酸は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、トリフルオロ酢酸酸、硝酸塩、硫酸塩または硫酸水素塩、リン酸塩または酸性リン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、クエン酸塩または酸性クエン酸塩、酒石酸塩または酒石酸水素塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、サッカリン酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、およびパモ酸塩(すなわち、1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸塩))などの、無毒の酸付加塩、すなわち薬学的に許容できるアニオンを含む塩を形成する酸である。本発明の化合物の他の薬学的に許容できる塩の他の例は、サリチル酸、シュウ酸、ジ−p−トルオイル酒石酸、マンデル酸、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムおよびリチウムの塩である。
【0013】
本発明はまた、1個または複数の原子が、自然界に通常みられる原子質量数または質量数とは異なる原子質量数または質量数を有する原子で置換されているという事実を除けば、式Iに記載の化合物と同一である、同位体標識化合物も含む。本発明の化合物に導入することができる同位体としては、H、H、13C、11C、14C、15N、18O、17O、18F、123Iおよび125Iなどの、それぞれ水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、塩素およびヨウ素の同位体が挙げられる。本発明の式Iの化合物、そのプロドラッグ、そのような化合物またはそのようなプロドラッグの薬学的に許容できる塩、ならびに上記の同位体および/または他の同位体を含む、化合物およびそのような化合物の誘導体は、本発明の範囲内である。そのような化合物は、代謝薬物動態研究および結合アッセイにおける研究および診断ツールとして有用となり得る。本発明の式Iのある種の同位体標識化合物、例えば、Hおよび14Cなどの放射性同位体が組み込まれている同位体標識化合物は、薬物および/または基質組織分布アッセイに有用である。トリチウム、すなわちH同位体、および炭素14、すなわち14C同位体が、調製が容易であり、検出可能であるため特に好ましい。さらに、重水素、すなわちHなどのより重い同位体での置換は、より大きい代謝安定性に起因するある種の治療上の利点、例えばin vivo半減期の増大または必要用量の減少をもたらすことができるため、ある状況では好ましいと思われる。本発明の式Iの同位体標識化合物ならびにそのプロドラッグおよび誘導体は、前記化合物の調製において非同位体標識試薬の代わりに容易に入手可能な同位体標識試薬を用いることで、本明細書に記載されたスキームおよびスキームに関する考察ならびに/または実施例および調製例に開示されている手順を実行することにより一般に調製することができる。
【0014】
特記なき場合、本明細書で用いる「ハロゲン」および「ハロ」という用語はF、Cl、BrおよびIを含む。
【0015】
特記なき場合、本明細書で用いる「アルキル」という用語は、直鎖または分岐鎖部分を有する1価の飽和炭化水素基を含む。アルキル基としては例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、シクロプロピルメチレン(−CH−シクロプロピル)、およびt−ブチルが挙げられるが、それだけに限定されない。
【0016】
特記なき場合、本明細書で用いる「アルケニル」という用語は、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有し、アルキルが上記定義の通りであるアルキル部分を含む。アルケニルとしては例えば、エテニルおよびプロペニルが挙げられるが、それだけに限定されない。
【0017】
特記なき場合、本明細書で用いる「アルキニル」という用語は、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有し、アルキルが上記定義の通りであるアルキル部分を含む。アルキニル基としては例えば、エチニルおよび2−プロピニルが挙げられるが、それだけに限定されない。
【0018】
特記なき場合、本明細書で用いる「アルコキシ」という用語は、「アルキル」が上記定義の通りである「アルキル−O−」を意味する。「アルコキシ」基としては例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシおよびアリロキシが挙げられるが、それだけに限定されない。
【0019】
特記なき場合、本明細書で用いる「アルケノキシ」という用語は、「アルケニル」が上記定義の通りである「アルケニル−O−」を意味する。
【0020】
特記なき場合、本明細書で用いる「アルキノキシ」という用語は、「アルキニル」が上記定義の通りである「アルキニル−O−」を意味する。
【0021】
上記「C〜Cアルキル」、「C〜Cアルケニル」、「C〜Cアルキニル」、「C〜Cアルコキシ」、「C〜Cアルケノキシ」、および「C〜Cアルキノキシ」の各基のいずれにおいても、xが2を超える整数である場合、そのような「C〜Cアルキル」、「C〜Cアルケニル」、「C〜Cアルキニル」、「C〜Cアルコキシ」、「C〜Cアルケノキシ」、および「C〜Cアルキノキシ」の各基は、1個の「ポリフルオロC〜Cアルキル」、「ポリフルオロC〜Cアルケニル」、「ポリフルオロC〜Cアルキニル」、「ポリフルオロC〜Cアルコキシ」、「ポリフルオロC〜Cアルケノキシ」または「ポリフルオロC〜Cアルキノキシ」基で置換(replace)されていてもよい。本明細書で用いる「ポリフルオロC〜Cアルキル」という表現は、少なくとも1個の−CFおよび/またはCF基を含む上記定義のアルキル基を意味する。
【0022】
特記なき場合、本明細書で用いる「シクロアルキル」という用語は、アルキルが上記定義の通りである非芳香族飽和環状アルキル部分を含む。シクロアルキル基としては例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルが挙げられるが、それだけに限定されない。「ビシクロアルキル」および「トリシクロアルキル」基は、それぞれ2または3個の環からなり、前記環が少なくとも1個の炭素原子を共有する非芳香族飽和環状アルキル部分である。本発明の目的に関し、特記なき限り、ビシクロアルキル基はスピロ基および縮合環基を含む。ビシクロアルキル基としては例えば、ビシクロ−[3.1.0]−ヘキシル、ビシクロ−[2.2.1]−ヘプト−1−イル、ノルボルニル、スピロ[4.5]デシル、スピロ[4.4]ノニル、スピロ[4.3]オクチルおよびスピロ[4.2]ヘプチルが挙げられるが、それだけに限定されない。トリシクロアルキル基の一例はアダマンタニルである。他のシクロアルキル、ビシクロアルキルおよびトリシクロアルキル基は当技術分野で公知であり、そのような基は本明細書の「シクロアルキル」、「ビシクロアルキル」および「トリシクロアルキル」という定義に包含される。「シクロアルケニル」、「ビシクロアルケニル」および「トリシクロアルケニル」は、炭素環員を結合させる1個または複数の炭素−炭素二重結合(「環内」二重結合)、および/または炭素環員とそれに隣接する非環炭素を結合させる1個または複数の炭素−炭素二重結合(「環外」二重結合)を各々含むことを除けば上記に定義した通りの、非芳香族シクロアルキル部分、ビシクロアルキル部分およびトリシクロアルキル部分を各々意味する。シクロアルケニル基としては例えば、シクロペンテニル、シクロブテニルおよびシクロヘキセニルが挙げられるが、それだけに限定されない。ビシクロアルケニル基の非限定的な一例はノルボルネニルである。シクロアルキル、シクロアルケニル、ビシクロアルキルおよびビシクロアルケニル基はまた、1つまたは複数のオキソ部分で置換されている基も含む。オキソ部分を有するそのような基としては例えば、オキソシクロペンチル、オキソシクロブチル、オキソシクロペンテニルおよびノルカンフォリルが挙げられる。他のシクロアルケニル、ビシクロアルケニルおよびトリシクロアルケニル基は当技術分野で公知であり、そのような基は本明細書の「シクロアルケニル」、「ビシクロアルケニル」および「トリシクロアルケニル」という定義に含まれる。
【0023】
特記なき場合、本明細書で用いる「アリール」という用語は、フェニル(Ph)、ナフチル、インデニル、インダニルおよびフルオレニルなど、芳香族炭化水素から1個の水素を除去することで誘導される有機基を含む。「アリール」は、少なくとも1個の環が芳香族である縮合環基を包含する。
【0024】
特記なき場合、本明細書で用いる「複素環」および「ヘテロシクロアルキル」という用語は、O、SおよびNから各々独立に選択される、1個または複数のヘテロ原子、好ましくは1〜4個のヘテロ原子を含む非芳香族環式基を意味する。「ヘテロビシクロアルキル」基は、2個の環を有する非芳香族環式基であって、前記環が1または2個の原子を共有し、環のうち少なくとも1個がヘテロ原子(O、SまたはN)を含む環式基である。特記なき限り、本発明の目的において、ヘテロビシクロアルキル基はスピロ基および縮合環基を含む。一実施形態では、ヘテロビシクロアルキル基の各環は最大4個のヘテロ原子(すなわち、0〜4個のヘテロ原子、但し少なくとも1個の環が少なくとも1個のヘテロ原子を含む)を含む。本発明の複素環基はまた、1つまたは複数のオキソ部分で置換されている環構造を含むこともできる。非芳香族複素環基としては例えば、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、アゼピニル、ピペラジニル、1,2,3,6−テトラヒドロピリジニル、オキシラニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、モルホリノ、チオモルホリノ、チオキサニル、ピロリニル、インドリニル、2H−ピラニル、4H−ピラニル、ジオキサニル、1,3−ジオキソラニル、ピラゾリニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチエニル、ジヒドロフラニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタニル、キノリジニル、キヌクリジニル、1,4−ジオキサスピロ[4.5]デシル、1,4−ジオキサスピロ[4.4]ノニル、1,4−ジオキサスピロ[4.3]オクチルおよび1,4−ジオキサスピロ[4.2]ヘプチルが挙げられる。
【0025】
特記なき場合、本明細書で用いる「ヘテロアリール」は、O、SおよびNから選択される1個または複数のヘテロ原子、好ましくは1〜4個のヘテロ原子を含む芳香族基を意味する。1個または複数のヘテロ原子を含む多環式基であって、基の少なくとも1個の環が芳香族である多環式基が「ヘテロアリール」基である。本発明のヘテロアリール基はまた、1つまたは複数のオキソ部分で置換されている環構造を含むこともできる。ヘテロアリール基としては例えば、ピリジニル、ピリダジニル、イミダゾリル、ピリミジニル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピラジニル、キノリル、イソキノリル、1,2,3,4−テトラヒドロキノリル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソキサゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、シノリニル、インダゾリル、インドリジニル、フタラジニル、トリアジニル、1,2,4−トリアジニル、1,3,5−トリアジニル、イソインドリル、1−オキソイソインドリル、プリニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、フラザニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、ジヒドロキノリル、テトラヒドロキノリル、ジヒドロイソキノリル、テトラヒドロイソキノリル、ベンゾフリル、フロピリジニル、ピロロピリミジニルおよびアザインドリルが挙げられる。
【0026】
特記なき場合、本明細書で用いる「シクロアルコキシ」という用語は、「シクロアルキル」が上記定義の通りである「シクロアルキル−O−」を意味する。
【0027】
特記なき場合、本明細書で用いる「アリールオキシ」という用語は、「アリール」が上記定義の通りである「アリール−O−」を意味する。
【0028】
特記なき場合、本明細書で用いる「ヘテロシクロアルコキシ」という用語は、「ヘテロシクロアルキル」が上記定義の通りである「ヘテロシクロアルキル−O−」を意味する。
【0029】
特記なき場合、本明細書で用いる「ヘテロアリールオキシ」という用語は、「ヘテロアリール」が上記定義の通りである「ヘテロアリール−O−」を意味する。
【0030】
上記で列挙した化合物に由来する上記した基は、可能であればC結合またはN結合していてもよい。例えば、ピロールに由来する基はピロール−1−イル(N結合)であってもピロール−3−イル(C結合)であってもよい。これらの基に関する用語はまた、すべての可能な互変異性体も包含する。
【0031】
一態様では、本発明は、R置換基の立体配置が下記式I−Aに示す通りである式Iの化合物に関する。
【0032】
【化2】

【0033】
他の一態様では、本発明は、Zが−C(=O)CHRであり、Rが−H、−OHまたはOC(=O)CHである、式IおよびIAの化合物に関する。
【0034】
他の一態様では、本発明は、Zが−C(=O)C(=O)Rである、式IおよびIAの化合物に関する。
【0035】
他の一態様では、本発明は、Zが−SOである、式IおよびIAの化合物に関する。
【0036】
他の一実施形態では、Rが−C〜C20アルキル、−C〜C20アルケニル、−C〜C20アルキニル、−C〜C20シクロアルキル、(4〜20員)ヘテロシクロアルキル、−C〜C20アリールおよび(5〜20員)ヘテロアリールから選択される、式Iの化合物に関する。
【0037】
他の一態様では、Rは−C〜C10アルキル、−C〜C10アルケニル、−C〜C10シクロアルキル、フェニル、チエニルおよびピリジルから選択され、Rは−C〜Cアルキル、−CF、−C〜Cアルコキシ、−F、−Cl、−Br、フェニルおよびフェオキシから独立に選択される1〜2個の置換基で独立に置換されていてもよく、Rは1個または2個の二重または三重結合を含んでいてもよい。
【0038】
他の一態様では、Rは−C〜Cシクロアルキル、例えば[2.2.1]−ヘプタニルである。
【0039】
他の一態様では、Rはフェニルおよびピリジルから選択され、Rは−F、−Clおよび−CFから独立に選択される1〜2個の置換基で独立に置換されていてもよい。
【0040】
他の一態様では、本発明は、Rが−H、−OH、−NHおよび−OC(=O)CHから選択される式Iの化合物に関する。
【0041】
他の一態様では、Rは−Hおよび−OHから選択される。
【0042】
他の一態様では、Rは−OC(=O)CHから選択される。
【0043】
他の一態様では、本発明は、Rが−C〜Cアルキル、アリルおよび−CHCHSCHから選択される式Iの化合物に関する。
【0044】
他の一態様では、本発明は、RがHである式Iの化合物に関する。
【0045】
他の一態様では、本発明は、Rが−H、CH、−F、−Cl、−Br −CFおよび−C(=O)R11から選択される式Iの化合物に関する。
【0046】
他の一態様では、Rは−Hである。
【0047】
他の一態様では、Rは−CHである。
【0048】
他の一態様では、Rは−Fである。
【0049】
他の一態様では、Rは−CFである。
【0050】
他の一態様では、Rは−H、−C〜C20アルキル、−C〜C20アルケニル、−C−C20アルキニル、−C〜C20アルコキシ、−C〜C20アルケノキシ、−C〜C20アルキノキシ、−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−NO、−OH、−CF、−NR10、−C(=O)NR10、−C(=O)R11、−CHO、−S(O)−R11、−C(=O)OR12、−(C〜Cアルキレン)−(C〜C20シクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−(C〜C20シクロアルケニル)、−(C〜Cアルキレン)−((C10〜C20)ビまたはトリシクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−((C10〜C20)ビまたはトリシクロアルケニル)、−(C〜Cアルキレン)−((3〜20員)ヘテロシクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−(C〜C15アリール)および−(C〜Cアルキレン)−((5〜15員)ヘテロアリール)から選択され、前記ヘテロシクロアルキルは1〜4個の二重または三重結合を含んでいてもよく、Rは1〜6個のフッ素原子またはグループR1aから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい。
【0051】
本発明の特定の実施形態は、以下の式Iの化合物、すべての薬学的に許容できるその塩、その錯体、および投与時に薬学的に活性な化合物に転換されるその誘導体を含む。
2−{2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ブチリルアミノ}−4−トリフルオロメチル−オキサゾール−5−カルボン酸エチルエステル、
2−[2−(3−フェノキシ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸(5−ベンゾイル−オキサゾール−2−イル)−アミド、
2−[2−(3−フェノキシ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸(5−アセチル−オキサゾール−2−イル)−アミド、
2−[2−(3−フェノキシ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸(5−フェニル−オキサゾール−2−イル)−アミド、
2−[2−(3−フェノキシ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸(4,5−ジメチル−オキサゾール−2−イル)−アミド、
2−[2−(3−フェノキシ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸[5−(チオフェン−2−カルボニル)−オキサゾール−2−イル]−アミド、
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸[5−(ヒドロキシ−フェニル−メチル)−4−メチル−オキサゾール−2−イル]−アミド、
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸(5−アセチル−オキサゾール−2−イル)−アミド、
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−オキサゾール−2−イル]−アミド、
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸[5−(3−ブロモ−ベンゾイル)−オキサゾール−2−イル]−アミド、
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸{5−[1−(3−メチル−ブチルアミノ)−エチル]−オキサゾール−2−イル}−アミド、
2−(2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−ブチリルアミノ)−ペンタン酸(5−アセチル−オキサゾール−2−イル)−アミド、
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸(5−アセチル−オキサゾール−2−イル)−アミド、
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸[5−(1−ヒドロキシ−エチル)−オキサゾール−2−イル]−アミド、
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸{5−[1−(3,3−ジメチル−ブチルアミノ)−エチル]−オキサゾール−2−イル}−アミド、
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸{5−[1−(2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ)−エチル]−オキサゾール−2−イル}−アミド、
2−(2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−ブチリルアミノ)−ペンタン酸{5−[1−(3,3−ジメチル−ブチルアミノ)−エチル]−オキサゾール−2−イル}−アミド、
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸{5−[1−(3−メチル−ブチルアミノ)−エチル]−オキサゾール−2−イル}−アミド、
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸[5−(1−イソブチルアミノ−エチル)−オキサゾール−2−イル]−アミド、
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸(5−ヒドロキシメチル−4−トリフルオロメチル−オキサゾール−2−イル)−アミド、
2−{2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタノイルアミノ}−4−トリフルオロメチル−オキサゾール−5−カルボン酸メチルエステル、
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸{5−[1−(3−メチル−ブチルアミノ)−エチル]−オキサゾール−2−イル}−アミド塩酸塩、
2−[2−(5−フェノキシ−3−ピリジル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸(5−ベンゾイル−オキサゾール−2−イル)−アミド、
2−[2−(5−フェノキシ−3−ピリジル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸(5−アセチル−オキサゾール−2−イル)−アミド、
2−[2−(5−フェノキシ−3−ピリジル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸(5−フェニル−オキサゾール−2−イル)−アミド、
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−プロパン酸[4−(フェニル)−5−(エチル)−オキサゾール−2−イル]−アミド、
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸[5−カルボン酸エチルエステル−オキサゾール−2−イル]−アミド、
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸[5−(2−ヒドロキシプロピル)−オキサゾール−2−イル]−アミド、
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸{5−(カルボキシ)−オキサゾール−2−イル}−アミド、
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸{5−(フェニル)−オキサゾール−2−イル}−アミドおよび
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸[(5−カルボン酸エチルエステル−5−トリフルオロメチル)オキサゾール−2−イル]−アミド。
【0052】
本発明の式Iの化合物およびその薬学的に許容できる塩は、有用な薬学および医薬特性を有する。式Iの化合物およびその薬学的に許容できる塩は、ヒトを含む哺乳動物におけるAβペプチドの産生(すなわち、γ−セクレターゼ活性)を阻害する。したがって、式Iの化合物およびその薬学的に許容できる塩は、ヒトを含む罹患した哺乳動物の神経変性疾患および/または神経疾患ならびに下記に列挙する疾患、例えばアルツハイマー病の治療における治療薬として機能することができる。
【0053】
本発明はまた、ヒトを含む哺乳動物におけるAβペプチド産生を阻害または調節するための医薬組成物であって、Aβ産生の阻害に有効な、任意の量の式Iの化合物またはその薬学的に許容できる塩、および薬学的に許容できる担体を含む医薬組成物にも関する。
【0054】
本発明はまた、ヒトを含む哺乳動物におけるアルツハイマー病、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血、脳アミロイド血管障害、プリオン介在性疾患、封入体筋炎、脳卒中、多発性硬化症およびダウン症候群からなる群から選択される疾患または状態を治療するための医薬組成物であって、Aβペプチド産生の阻害に有効な、任意の量の式Iの化合物またはその薬学的に許容できる塩、および薬学的に許容できる担体を含む医薬組成物にも関する。
【0055】
本発明はまた、ヒトを含む哺乳動物におけるアルツハイマー病およびダウン症候群からなる群から選択される疾患または状態を治療するための医薬組成物であって、Aβペプチド産生の阻害に有効な、任意の量の式Iの化合物またはその薬学的に許容できる塩、および薬学的に許容できる担体を含む医薬組成物にも関する。
【0056】
本発明はまた、ヒトを含む哺乳動物におけるアルツハイマー病、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血、脳アミロイド血管障害、プリオン介在性疾患、封入体筋炎、脳卒中、多発性硬化症およびダウン症候群からなる群から選択される疾患または状態を治療するための医薬組成物であって、そのような疾患または状態の治療に有効な、任意の量の式Iの化合物またはその薬学的に許容できる塩、および薬学的に許容できる担体を含む医薬組成物にも関する。
【0057】
本発明はまた、ヒトを含む哺乳動物におけるアルツハイマー病およびダウン症候群からなる群から選択される疾患または状態を治療するための医薬組成物であって、そのような疾患または状態の治療に有効な、任意の量の式Iの化合物またはその薬学的に許容できる塩、および薬学的に許容できる担体を含む医薬組成物にも関する。
【0058】
本発明はまた、ヒトを含む哺乳動物におけるAβペプチド産生を阻害する方法であって、Aβ産生の阻害に有効な、任意の量の式Iの化合物またはその薬学的に許容できる塩を前記哺乳動物に投与することを含む方法にも関する。
【0059】
本発明はまた、ヒトを含む哺乳動物におけるアルツハイマー病、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血、脳アミロイド血管障害、プリオン介在性疾患、封入体筋炎、脳卒中、多発性硬化症およびダウン症候群から選択される疾患または状態を治療する方法であって、Aβ産生の阻害に有効な、任意の量の式Iの化合物またはその薬学的に許容できる塩を前記哺乳動物に投与することを含む方法にも関する。
【0060】
本発明はまた、ヒトを含む哺乳動物におけるアルツハイマー病およびダウン症候群から選択される疾患または状態を治療する方法であって、Aβ産生の阻害に有効な、任意の量の式Iの化合物またはその薬学的に許容できる塩を前記哺乳動物に投与することを含む方法に関する。
【0061】
本発明はまた、ヒトを含む哺乳動物におけるアルツハイマー病、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血、脳アミロイド血管障害、プリオン介在性疾患、封入体筋炎、脳卒中、多発性硬化症およびダウン症候群から選択される疾患または状態を治療する方法であって、そのような状態の治療に有効な、任意の量の式Iの化合物またはその薬学的に許容できる塩を前記哺乳動物に投与することを含む方法に関する。
【0062】
本発明はまた、ヒトを含む哺乳動物におけるアルツハイマー病およびダウン症候群から選択される疾患または状態を治療する方法であって、そのような状態の治療に有効な、任意の量の式Iの化合物またはその薬学的に許容できる塩を前記哺乳動物に投与することを含む方法に関する。
【0063】
本発明はまた、ヒトを含む哺乳動物におけるAβペプチド産生に関連する疾患または状態を治療するための医薬組成物であって、(a)式Iの化合物またはその薬学的に許容できる塩、(b)記憶増強剤、抗うつ薬、抗不安薬、抗精神病薬、睡眠障害剤、抗炎症薬、抗酸化薬、コレステロール調節剤または降圧薬、および(c)薬学的に許容できる担体を含み、上記有効物質「a」および「b」は組成物がそのような疾患または状態の治療において有効である量で存在する医薬組成物に関する。
【0064】
本発明はまた、ヒトを含む哺乳動物におけるアルツハイマー病、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血、脳アミロイド血管障害、プリオン介在性疾患、封入体筋炎、脳卒中、多発性硬化症およびダウン症候群からなる群から選択される疾患または状態を治療するための医薬組成物であって、(a)式Iの化合物またはその薬学的に許容できる塩、(b)記憶増強剤、抗うつ薬、抗不安薬、抗精神病薬、睡眠障害剤、抗炎症薬、抗酸化薬、コレステロール調節剤または降圧薬、および(c)薬学的に許容できる担体を含み、上記有効物質「a」および「b」は組成物がそのような疾患または状態の治療において有効である量で存在する医薬組成物に関する。
【0065】
本発明はまた、ヒトを含む哺乳動物におけるアルツハイマー病およびダウン症候群からなる群から選択される疾患または状態を治療するための医薬組成物であって、(a)式Iの化合物またはその薬学的に許容できる塩、(b)記憶増強剤、抗うつ薬、抗不安薬、抗精神病薬、睡眠障害剤、抗炎症薬、抗酸化薬、コレステロール調節剤または降圧薬、および(c)薬学的に許容できる担体を含み、上記有効物質「a」および「b」は組成物がそのような疾患または状態の治療において有効である量で存在する医薬組成物に関する。
【0066】
本発明はまた、ヒトを含む哺乳動物におけるAβペプチド産生に関連する疾患または状態を治療する方法であって、(a)式Iの化合物またはその薬学的に許容できる塩、および(b)記憶増強剤、抗うつ薬、抗不安薬、抗精神病薬、睡眠障害剤、抗炎症薬、抗酸化薬、コレステロール調節剤または降圧薬を前記哺乳動物に投与することを含み、有効物質「a」および「b」は組成物がそのような疾患または状態の治療において有効である量で存在する方法に関する。
【0067】
本発明はまた、ヒトを含む哺乳動物におけるアルツハイマー病、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血、脳アミロイド血管障害、プリオン介在性疾患、封入体筋炎、脳卒中、多発性硬化症およびダウン症候群からなる群から選択される疾患または状態を治療する方法であって、(a)式Iの化合物またはその薬学的に許容できる塩、および(b)記憶増強剤、抗うつ薬、抗不安薬、抗精神病薬、睡眠障害剤、抗炎症薬、抗酸化薬、コレステロール調節剤または降圧薬を前記哺乳動物に投与することを含み、上記有効物質「a」および「b」は組成物がそのような疾患または状態の治療において有効である量で存在する医薬組成物に関する。
【0068】
本発明はまた、ヒトを含む哺乳動物におけるアルツハイマー病およびダウン症候群からなる群から選択される疾患または状態を治療する方法であって、(a)式Iの化合物またはその薬学的に許容できる塩、および(b)記憶増強剤、抗うつ薬、抗不安薬、抗精神病薬、睡眠障害剤、抗炎症薬、抗酸化薬、コレステロール調節剤または降圧薬を前記哺乳動物に投与することを含み、有効物質「a」および「b」は組成物がそのような疾患または状態の治療において有効である量で存在する方法に関する。
【0069】
式Iの化合物は、単独で、あるいはAricept(商標)などの任意の記憶増強剤、Zoloft(商標)などの抗うつ薬、抗不安薬、Geodon(商標)などの抗精神病薬、睡眠障害剤、Celebrex(商標)、Bextra(商標)などの抗炎症薬、抗酸化薬、Lipitor(商標)などのコレステロール調節剤(例えば、LDLを低下させ、HDLを増加させる薬剤)または降圧薬を含むが、それだけに限定されない任意の他の薬物と組み合わせて使用することができる。したがって、本発明はまた、有効量の式Iの化合物および有効量の他の薬物、例えば、Aricept(商標)などの記憶増強剤、Zoloft(商標)などの抗うつ薬、抗不安薬、Geodon(商標)などの抗精神病薬、睡眠障害剤、Celebrex(商標)、Bextra(商標)などの抗炎症薬、抗酸化薬、Lipitor(商標)などのコレステロール調節剤(例えば、LDLを低下させ、HDLを増加させる薬剤)または降圧薬、ならびに薬学的に許容できる担体を含む、そのような治療が必要であるヒトを含む哺乳動物を治療するための医薬組成物も提供する。本発明はまた、ヒトを含む哺乳動物における痴呆、例えばアルツハイマー病を治療する方法であって、有効量の式Iの化合物および有効量の他の薬物、例えば、Aricept(商標)などの記憶増強剤、Zoloft(商標)などの抗うつ薬、抗不安薬、Geodon(商標)などの抗精神病薬、睡眠障害剤、Celebrex(商標)、Bextra(商標)などの抗炎症薬、抗酸化薬、Lipitor(商標)などのコレステロール調節剤(例えば、LDLを低下させ、HDLを増加させる薬剤)または降圧薬を哺乳動物に投与することを含む方法も提供する。
【0070】
式Iの化合物、または直前の段落で述べた組み合わせのいずれかは、ベラパミルなど公知のP−糖タンパク質阻害剤と組み合わせて用いてもよい。
【0071】
本明細書において、「Aβペプチド産生に関連する」疾患および状態に言及する場合、少なくとも部分的にはAβペプチドおよび/またはその産生が原因である疾患または状態に関している。したがって、Aβペプチドは、「Aβペプチド産生に関連する疾患または状態」への要因であるが、必ずしも唯一の要因ではない。
【0072】
本明細書で用いる「治療すること」(treating)という用語は、そのような用語が当てはまる、疾患、障害または状態あるいはそのような疾患、障害または状態の1種または複数の症状の進行の改善、緩和または阻害を意味する。本明細書で用いる「治療すること」は、哺乳動物において疾患、障害または状態を発症する確率または発病率を、治療されていない対照集団と比べて、または治療前の当該哺乳動物と比べて減少させることを意味することもある。例えば、本明細書で用いる「治療すること」は、疾患、障害または状態の予防を意味することがあり、疾患、障害または状態の発症の遅延または予防、あるいは疾患、障害または状態に関連する症状の遅延または予防を含むことがある。本明細書で用いる「治療すること」は、疾患、障害または状態、あるいは哺乳動物の疾患、障害または状態に罹患に先立つそのような疾患、障害または状態に関連する症状の重症度を、低減することも意味することがある。このように罹患の前に疾患、障害または状態を予防し、あるいはその重症度を軽減することは、本明細書に記載の本発明の組成物を、投与時には疾患、障害または状態に罹患していない対象に投与することに関する。本明細書で用いる「治療すること」は、疾患、障害または状態あるいはそのような疾患、障害または状態に関連する1種または複数の症状の再発予防を意味することがある。本明細書で用いる「治療」(treatment)および「治療的」(therapeutically)という用語は、「治療すること」を上記で定義したように、治療行為を意味する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0073】
式Iの化合物およびその薬学的に許容できる塩は、下記の反応スキームおよび考察に記載されているように調製することができる。特記なき場合、以下の反応スキームおよび考察で言及するR、R1a、R1b、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12およびZは上記定義の通りである。
【0074】
式Iの化合物は不斉炭素原子を有していてもよく、したがってラセミ混合物、ジアステレオマー、幾何異性体または単一の光学異性体として存在していてもよい。
【0075】
式Iの化合物の異性体の混合物は、当技術分野で公知の従来法により単独の異性体に分離することができる。
【0076】
式Iの化合物は、有機化学分野で公知の合成法または当業者に公知の改変および誘導体化と共に、下記の方法により調製することができる。好ましい方法としては、下記に記載の方法が挙げられるが、それだけに限定されない。
【0077】
下記に記載の反応は、使用する試薬および物質に対して適切であり、前記した反応における使用に適した溶媒中で行われる。また、当然のことながら、下記に記載の合成法に関する説明においては、実際のものであれ提案のものであれ、溶媒、反応温度、反応継続時間、反応圧力および(無水条件、アルゴン下、窒素下などの)他の反応条件の選択、ならびに後処理手順を含むすべての反応条件は、当業者に容易に理解されるであろうその反応に標準的な条件である。代替法を用いてもよい。
【0078】
【化3】

【0079】
スキームIは、式Iの化合物10の調製方法を意味する。従来のカップリング試薬および手順を用いて、アミノオキサゾールと窒素で保護されたアミノ酸2a〜cとを結合させる。窒素保護基は、ジ−t−ブチルジカーボネート(Aldrich Chemical Company、ミルウォーキー、ウィスコンシン州)またはクロロギ酸ベンジル(Aldrich)を用いて、無機または有機塩基(例えば炭酸ナトリウムまたはトリエチルアミン)の存在下、0〜30℃で、有機溶媒(例えば塩化メチレン)または水と有機溶媒(例えば酢酸エチル)の混合物中で調製された、ブトキシカルボニル(「BOC」、Y=t−ブチル)またはベンジルオキシカルボニル(「CBZ」、Y=ベンジル)などのカルバメート型となり得る(スキームII)(Muller、Methoden Der Organischen Chemie、“Vierte Auglage−Synthesis von Peptiden I”−Houben Weyl−Georg−Thieme Verlag Stuttgart、1974、XV/1を参照)。
【0080】
アミノオキサゾール出発試薬は、文献で公知の手順に従って調整することができる(参考文献:Bioorg.Med.Chem.Lett.;12;10;2002;1379〜1382;Yakugaku zasshi;91;1971、425、429、430、485、487;Chem.Abstr.75;35848、48692、1971;Chem.Abstr.、79;146503;Tetrahedron Lett.、25;28;1984;2957〜2960;Justus Liebigs Ann.Chem.;596;1955;1、117;J.Chem.Soc.、1934、1186、1190;Chem.Ber.、99、1966、2110、2117;Zh.Obshch.Khim.、29;1959、2330、2336;engl.Ausg.S.2294、2299;J.Org.Chem.USSR(Engl.Transl.)、19、1983、818〜820;J.Amer.Chem.Soc.、75;1953、2770;J.Chem.Soc.Perkin Trans.1、1978;249〜252;Arch.Pharm.(Weinheim Ger.)、286、1953、494、499;J.Org.Chem.、49、3 1984、566〜570)。例えば、式Iの化合物は、Lが臭素、塩素またはヨウ素などの脱離基である式VIIの化合物と尿素を、C〜Cアルコール、THF、1,4−ジオキサン、トルエン、水、塩化メチレンまたはクロロホルムなどの適切な溶媒または溶媒混合物中、約0℃〜約還流温度などの適切な温度で反応させて得ることができる。
【0081】
【化4】

【0082】
当技術分野で公知の多数の試薬を用いて、有機化学分野で公知の標準的ペプチドカップリング法(2a)またはトリメチルアルミニウムカップリング法(2b)あるいは脱離基(ハロゲンまたは混合無水物)により2a〜cを結合させてを形成することができる。ハロゲン化オキサリル、塩化チオニル、カルボジイミダゾールまたはギ酸クロロ−(C〜C)アルキルを用いて、適切な塩基(例えばトリアルキルアミン、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、炭酸ナトリウムなど)の存在下、N−ヒドロキシスクシンイミド、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールなどの公知の添加剤を使用して、または使用せずにカルボン酸2aを活性化して、結合を促進することができる。標準的なカップリング剤としては、HATU(O−(7−アザベンゾトリアゾール−1イル)−1,1,3,3,−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート)、PyBOP(ベンゾトリアゾール−1−イル)−オキシ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート)またはHBTU(O−ベンゾトリアゾール−1イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート)/トリアルキルアミン、あるいは1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)/1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDAC)/トリアルキルアミン(NEt3)を、試薬と十分に混合して透明溶液を形成する塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロフラン(THF)、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド(DMF)などの適切な溶媒または2種の溶媒の混合物に溶解させた溶液が挙げられる。ポリスチレンビーズに結合するFmoc(フルオレニルメチルカルボニル)で保護されたヒドロキシルアミンなどの固相合成用ペプチドカップリング剤または樹脂は、一般的であり、文献において公知である。Fmoc基の脱保護は、標準条件下、DMF中20%ピペリジンを用いて行う。参考文献:O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(「HBTU」、Aldrich Chemical Company)およびO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(「HATU」、Aldrich)(Fieser、Reagents for Organic Synthesis、1986、Wiley Interscience、New York、Vol.12、p.44;Hruby、Biorganic Chemistry:Peptides and Proteins)」、1998、Oxford University press、New York、pp.27〜64;Muller、Methoden Der Organischen Chemie、Vierte Auflage−Synthese von Peptiden II−Houben Weyl、George−Thieme Verlag Stuttgart、1974、BandXV/2を参照)。光学活性試薬を用いる場合、温度、時間、および塩基の選択などの反応条件を注意深く制御してラセミ化を回避しなければならない。保護されたアミノ基またはカルボン酸基は、Organic chemistry Journalに記載のようなアミノ酸保護基に関する文献、T.W.GreenのProtective Groups in Organic Synthesisなどの教科書において公知の方法によって調製することができる。あるいは、適当な溶媒、例えばTHF、ジオキサン、トルエンまたはTHF/トルエンの混合物中でトリアルキルアルミニウムの存在下、開口管または密封管中、0℃〜120℃の温度で、をエステル2bと反応させて所望の生成物(スキームIの3)に完全に転換することでカップリングを行うことができる。好ましい温度は室温〜80℃である。
【0083】
t−ブトキシカルボニルの場合は強酸を用いた処理を行うことで、またはカルボベンジルオキシカルボニルの場合は水素化分解を行うことでスキームIの中間体を脱保護してアミノアミドを得る。具体的には、t−BOC−は、有機溶媒(例えばジオキサン、THFまたは塩化メチレン)中の塩酸またはトリフルオロ酢酸で、室温〜30℃で約1時間〜約19時間処理すると、対応する塩を与える。あるいは、水素(約1〜約10気圧)、重金属触媒(例えば炭素担持パラジウムまたは炭素担持水酸化パラジウム、触媒担持率1〜10%で、基質の約0.01〜約0.50倍で存在)および溶媒(例えばメタノール、エタノールまたは酢酸エチル)の存在下、20〜50℃で約1時間〜約19時間、接触水素化分解を行うことでCBZ−を脱保護することもできる。
【0084】
式Iの化合物10は、Lが脱離基(例えばハロゲン化物、メシレートまたはトリフレート)であり、Zが上記定義の通りであるを反応させて調製することができる。反応は、0〜30℃で、有機溶媒(例えば塩化メチレン、酢酸エチルまたはDMF)中、有機塩基(例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンまたはN−メチルモルホリン)の存在下で約1分〜約24時間行う。
【0085】
あるいは、式Iの化合物10は、スキームIについて説明した一般的条件を用いて、スキームII(Z−Lがカルボン酸、またはLが脱離基)の手順に従って調整することもできる。スキームIIでは、Rをアルキルまたはベンジルとすることができる。スキームIIにおける11は、約0〜30℃の温度で、有機溶媒(例えば塩化メチレン、ジクロロエタン、酢酸エチルまたはDMF)中、塩基(例えばトリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミン)の存在下でカップリングさせることができる。Rがアルキルの場合、酸性または塩基性加水分解を用いて1213に転換することができる。Rがベンジルの場合、接触水素化分解を用いて13を調製することもできる。
【0086】
【化5】

【0087】
上記のアミド結合形成は、トリアルキルアルミニウム(例えばAlMe3)の存在下、THF、トルエン、THF/トルエンの混合物または同様な溶媒などの適当な溶媒中で、開口管または密封管中、約0℃〜110℃の温度でエステル(スキームIIの12)とを結合させて、所望の生成物(スキームIIの10)に完全に転換させることにより行うことができる。好ましくは、温度は約室温〜約80℃である。
【0088】
のエステル基は、アミド結合形成用の同様の方法を用いて、好ましくは適当な溶媒またはTHF/トルエンなどの溶媒混合物中でトリメチルアルミニウムを用いて、対応するアミドに転換することができる。
【0089】
のケト基は、酸触媒またはルイス酸触媒(Ti(iPrO)、ZnCl、NiCl)/酢酸ナトリウム/(活性化モレキュラーシーブ4A、無水NaSOもしくはMgSOなどの)乾燥剤、およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム、Zn(BH、Bu3SnH、Bu2SnClH、Bu2SnIH、デカボラン、シリカゲル−Zn(BH4)2、Et3SiH−トリフルオロ酢酸、ピリジン−BH3、フェニルシラン−二塩化ジブチルスズもしくは対応するポリマー結合NaBH、ポリマー結合NaBHCN、ポリマー結合NaB(OAc)Hなどの還元剤、またはイミン結合を対応するアミンに還元するための文献において公知である任意の還元剤(例えば水素化、Pd(OAc)/ギ酸カリウム、Pd/C/H)を使用して、または使用せずに、ジクロロエタン、クロロホルム、2−メトキシエチルエーテル、ジクロロエタン、DMF、THF、MeOH、エタノール、約イソ−プロパノール、t−ブタノールまたはトルエンなどの適当な溶媒中、室温〜還流温度、好ましくは約室温〜約65℃の温度でケトンを適当なアミンと反応させることで、定評のある還元アミノ化法を用いて対応するアミンに転換することができる。
【0090】
のハロ基は、RがHである出発原料を、NBS、NCSまたはSOCl、Iと、塩化メチレンまたはクロロホルムなどの適当な溶媒中で反応させて生成することができる。ハロ基は、ハロゲン−金属交換の後に求電子試薬でクエンチするか、あるいは、THF、DME、エタノールなどの適切な溶媒中で塩基として炭酸ナトリウムを用いた、テトラキス(トリフェニルホスフィン)−パラジウムのようなパラジウム錯体などの触媒およびボロン酸を使用する典型的な鈴木カップリング条件を用いる等の有機化学分野で公知の方法を用いて、他の基で置換することができる。
【0091】
上記スキームの手順で用いるが、その合成法を上記に示していない出発原料は、市販されているか、当技術分野で公知であるか、公知の化合物から当業者に自明な方法を用いて容易に得ることができる。
【0092】
上記に記載の化合物では、Rに結合した炭素がS配置にあることが好ましい。この形態は、R置換基に結合した炭素がS配置にある出発原料から調製される。この立体配置はL−アミノ酸を利用することで得られる。合成中にはこの不斉炭素で置換が起こらないため、最終生成物への合成中、立体配置は保持される。
【0093】
式Iの化合物および上記反応スキームに示した中間体は、再結晶、または、酢酸エチル/ヘキサン溶離グラジエント、塩化メチレン/メタノール溶離グラジエントもしくはクロロホルム/メタノール溶離グラジエントを用いる、シリカゲル上などでのクロマトグラフィー分離などの従来の手順により単離および精製することができる。あるいは、逆相分取HPLCまたはキラルHPLC分離技術を用いてもよい。
【0094】
上記で考察または例示した反応のいずれにおいても、特記なき場合、圧力は決定的に重要なものではない。約0.1気圧〜約5気圧の圧力が一般に許容でき、周囲圧力、すなわち約1気圧が便宜上好ましい。
【0095】
式Iの化合物の薬学的に許容できる塩は、対応する遊離塩基または酸の溶液または懸濁液を1化学当量の薬学的に許容できる酸または塩基で処理することで、従来の方法により調製できる。従来の濃縮または結晶化技術を用いて塩を単離することができる。適切な酸としては、酢酸、乳酸、コハク酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、安息香酸、桂皮酸、フマル酸、硫酸、リン酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、スルファミン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などのスルホン酸、および関連する酸が挙げられるが、それだけに限定されない。適切な塩基としては、ナトリウム、カリウムおよびカルシウムが挙げられるが、それだけに限定されない。
【0096】
本発明の式Iの化合物は、経口、(皮下、静脈内、筋肉内、胸骨間および注入技術などの)非経口、直腸、鼻腔内、局所、または経皮(例えばパッチの使用による)の各経路を経由して、哺乳動物に投与することができる。一般に、これらの化合物は、1日約0.1mg〜約500mgの範囲の用量で、単一または複数用量(すなわち、1日1〜4用量)で投与することが最も望ましいが、治療される対象の種、重量、年齢および状態、ならびに選択される特定の投与経路に応じて必然的に変動する。しかし、体重1kg当たり1日約0.1mg〜約5mg、好ましくは体重1kg当たり1日約0.1mg〜約100mgの範囲の用量レベルが最も望ましく用いられる。それでも、治療される動物の種および前記薬物に対するその個体の応答、ならびに選択される医薬製剤の種類およびそのような投与が行われる期間および時間間隔に応じて変動が生じ得る。ある場合では、前述した範囲の下限を下回る用量レベルでも十分なこともある。一方、別の場合では、さらに多い用量を、そのような高い用量レベルを最初にいくつかの小さい用量に分けて1日分の投与に使うという条件で、いかなる副作用も引き起こさずに用いることができる。
【0097】
本発明の式Iの化合物は、単独で、または薬学的に許容できる担体または希釈剤と組み合わせて、前述した経路のいずれかにより投与することができ、そのような投与は単一または複数用量で行うことができる。適切な医薬担体としては、固体希釈剤または充填剤、滅菌水性媒体、各種無毒の有機溶媒などが挙げられる。式Iの化合物またはその薬学的に許容できる塩を薬学的に許容できる不活性担体と組み合わせて形成される医薬組成物は、錠剤、カプセル剤、舐剤、トローチ剤、ハードキャンディー剤、散剤、噴霧剤、クリーム剤、軟膏剤、坐剤、ゼリー剤、ゲル剤、パスタ剤、ローション剤、軟膏剤、水性懸濁液剤、注射液剤、エリキシル剤、シロップ剤などの各種投与形態で容易に投与することができる。さらに、経口医薬組成物には甘味料および/または香料を適切に加えることができる。
【0098】
経口投与には、微結晶セルロース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸二カルシウムおよびグリシンなどの各種賦形剤を、デンプン(好ましくはトウモロコシ、ジャガイモまたはタピオカデンプン)、メチルセルロース、アルギン酸およびある種の複合ケイ酸塩などの各種崩壊剤や、ポリビニルピロリドン、スクロース、ゼラチンおよびアラビアゴムなどの造粒結合剤と共に含む錠剤を用いることができる。さらに、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよびタルクなどの潤滑剤が、錠剤製造には有用であることが多い。同種の固形組成物をゼラチン錠剤中の充填剤として用いてもよい。これについて好ましい材料としては、ラクトースまたは乳糖および高分子量ポリエチレングリコールが挙げられる。水性懸濁液剤および/またはエリキシル剤が経口投与に望ましい場合、有効成分と、各種甘味料または香料、着色料または染料、ならびに望ましければ乳化剤および/または懸濁化剤を、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリンおよびそれらの各種同様の組み合わせなどの希釈剤と共に組み合わせることができる。
【0099】
非経口投与には、本発明の式Iの化合物をゴマ油もしくはピーナッツ油中、または水性プロピレングリコール中に含む溶液を使用することができる。水溶液は必要であれば適切に緩衝液で処理すべきであり(好ましくは8を超えるpHに)、希釈液は十分量の生理食塩水またはグルコースで最初に等張にすべきである。これらの水溶液は静脈内注射用に適している。油溶液は関節内、筋肉内および皮下注射用に適している。これらすべての溶液の滅菌条件下での調製は、当業者に公知の標準的製薬技術により容易に行われる。
【0100】
本発明の式Iの化合物は哺乳動物におけるAβペプチド産生(したがってγ−セクレターゼ活性)の阻害に有用であるため、罹患した哺乳動物の前述した障害および疾患の治療における治療薬として機能し得る。
【0101】
本発明の式Iの化合物およびその薬学的に許容できる塩の、Aβペプチド産生(したがってγ−セクレターゼ活性)を阻害する能力は、当業者に公知の生物アッセイ、例えば下記に記載のアッセイを用いて測定することができる。
【0102】
本発明の式Iの化合物のγ−セクレターゼ活性を阻害する活性は、McLendon et al.、γ−セクレターゼ活性に関する無細胞アッセイCell−free assays for γ−secretase activity、The FASEB Journal(Vol.14、December 2000 pp.2383〜2386)にある記述に一般に従って可溶化膜調製物中で測定された。本発明の組成物をこのようなアッセイにより測定したところ、γ−セクレターゼを阻害するためのIC50活性は約100マイクロモル未満であった。
【0103】
以下の実施例により本発明を説明する。しかし、本明細書に十分に記載され、特許請求の範囲に記載されている本発明は、以下の実施例の詳細による制限を受けることを意図しないことを理解されたい。
【実施例】
【0104】
(実施例1)
2−{2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ブチリルアミノ−4−トリフルオロメチル−オキサゾール}−5−カルボン酸エチルエステル
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−酪酸(54mg、0.2mmol)、2−アミノ−4−トリフルオロメチル−オキサゾール−5−カルボン酸エチルエステル(45mg、0.2mmol)、HBOT(32mg、0.24mmol)、EDC.HCl(58mg、0.3mmol)およびトリメチルアミン(0.11ml、0.8mmol)の塩化メチレン中混合物を室温で出発原料が消失するまで撹拌した。混合物を水でクエンチし、塩化メチレンで抽出した。有機層を希HCl、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下除去して標記化合物を得た。1H NMR(CDOD)6.9(m,2H),6.8(m,1H),4.4(m,1H),4.4(q,2H),3.6(s,2H),1.9(m,1H),1.8(m,1H),1.35(t,3H),1.0(t,3H)ppm.M+1=463.36.
【0105】
(実施例2)
2−[2−(3−フェノキシ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸(5−ベンゾイル−オキサゾール−2−イル)−アミド
2−[2−(3−フェノキシ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸(65mg、0.2mmol)、(2−アミノ−オキサゾール−5−イル)−フェニル−メタノン(38mg、0.2mmol)、HBOT(32mg、0.24mmol)、EDC.HCl(58mg、0.3mmol)およびトリメチルアミン(0.11ml、0.8mmol)の塩化メチレン中混合物を室温で出発原料が消失するまで撹拌した。混合物を水でクエンチし、塩化メチレンで抽出した。有機層を希HCl、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下除去して標記化合物を得た。LC−MS M+1=498.5.
【0106】
以下の実施例化合物は、適当な酸および適当な2−アミノ−オキサゾールを出発原料にして、実施例1または2と類似した方法で調製した。
【0107】
(実施例3)
2−[2−(3−フェノキシ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸(5−アセチル−オキサゾール−2−イル)−アミド
M+1=436.5.
【0108】
(実施例4)
2−[2−(3−フェノキシ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸(5−フェニル−オキサゾール−2−イル)−アミド
M+1=470.5.
【0109】
(実施例5)
2−[2−(3−フェノキシ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸(4,5−ジメチル−オキサゾール−2−イル)−アミド
M+1=422.5.
【0110】
(実施例6)
2−[2−(3−フェノキシ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸[5−(チオフェン−2−カルボニル)−オキサゾール−2−イル]−アミド
M+1=504.4.
【0111】
(実施例7)
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸[5−(ヒドロキシ−フェニル−メチル)−4−メチル−オキサゾール−2−イル]−アミド
M+1=458.6.
【0112】
(実施例8)
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸(5−アセチル−オキサゾール−2−イル)−アミド
M+1=380.2.
【0113】
(実施例9)
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−オキサゾール−2−イル]−アミド
M+1=460.1.
【0114】
(実施例10)
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸[5−(3−ブロモ−ベンゾイル)−オキサゾール−2−イル]−アミド
M+1=521.9.
【0115】
(実施例11)
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸(5−アセチル−オキサゾール−2−イル)−アミド
【0116】
(実施例12)
2−{2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタノイルアミノ}−4−トリフルオロメチル−オキサゾール−5−カルボン酸メチルエステル
M+1=464.1
【0117】
(実施例13)
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸(5−ヒドロキシメチル−4−トリフルオロメチル−オキサゾール−2−イル)−アミド
2−{2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタノイルアミノ}−4−トリフルオロメチル−オキサゾール−5−カルボン酸エチルエステル(150mg、0.31mmol)および水素化ホウ素ナトリウム(150mg、3.947mmol)のメタノール3ml中混合物を室温で10分間撹拌した。混合物を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離、乾燥および濃縮し、残渣を分取HPLCで精製して標記化合物を白色固体として得た。APCI M+1=436.1.
【0118】
(実施例14)
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸[5−(1−ヒドロキシ−エチル)−オキサゾール−2−イル]−アミド
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸(5−アセチル−オキサゾール−2−イル)−アミド(130mg、0.34mmol)のMeOH(5ml)およびTHF(5mL)の混合物中溶液にNaBH4(130mg、3.9mmol)を室温で加えた。10分撹拌後、混合物を濃縮して小体積にし、水でクエンチし、塩化メチレンで抽出した。有機層を分離、乾燥および濃縮して標記化合物131mgを無色油状物として得た。LC−MS,RT=1.7分,M+1=382.2,M−1=380.2.
【0119】
(実施例15)
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸{5−[1−(3−メチル−ブチルアミノ)−エチル]−オキサゾール−2−イル}−アミド塩酸塩
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸(5−アセチル−オキサゾール−2−イル)−アミド(100mg、0.26mmol)、イソアミルアミン(0.2ml)、NaOAc、Na2SO4、AcOH(0.1ml)の塩化メチレン中混合物を室温で2時間撹拌した。NaBH3CN(80mg、3.4mmol)を加えた。混合物を40〜45℃ですべての出発原料が消失するまで加熱し、生成物を形成した。混合物を希NaOHでクエンチし、塩化メチレンで抽出後、酢酸エチルで抽出した。混合有機層をNaSO(無水)で乾燥、濾過および濃縮して標記化合物120mgを得た。溶離液として1%〜5%MeOHの塩化メチレン溶液を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで粗原料を精製して所望の生成物を得た。これを、ジオキサン中HClで対応するHCl塩に調製した。その塩をヘキサンで滴定して標記化合物を白色固体として得た。LC−MS,RT=1.3分,M−1=449.2.
【0120】
以下の実施例化合物は、適当なケトンおよび適当なアミンを出発原料にして、実施例15に記載の方法と類似した方法で調製した。
【0121】
(実施例16)
2−(2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−ブチリルアミノ)−ペンタン酸(5−アセチル−オキサゾール−2−イル)−アミド
M+1=340.4,M−1=338.4.
【0122】
(実施例17)
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸{5−[1−(3,3−ジメチル−ブチルアミノ)−エチル]−オキサゾール−2−イル}−アミド
M+1=465.5、M−1=463.5.
【0123】
(実施例18)
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸{5−[1−(2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ)−エチル]−オキサゾール−2−イル}−アミド
M+1=463.4,M−1=461.4.
【0124】
(実施例19)
2−(2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−ブチリルアミノ)−ペンタン酸{5−[1−(3,3−ジメチル−ブチルアミノ)−エチル]−オキサゾール−2−イル}−アミド
M+1=425.6,M−1=423.5.
【0125】
(実施例20)
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸{5−[1−(3−メチル−ブチルアミノ)−エチル]−オキサゾール−2−イル}−アミド
M+1=451.5,M−1=449.5.
【0126】
(実施例21)
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸[5−(1−イソブチルアミノ−エチル)−オキサゾール−2−イル]−アミド
M−1=435.5.
【0127】
中間体2−[2−(3−フェノキシ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸の調製
(3−フェノキシ−フェニル)−酢酸(10.00g、0.0438mol)、2−アミノペンタン酸メチルエステル(7.34g、0.0438mol)、HBOT(6.20g、0.046mol)、EDC.HCl(12.59g、0.067mol)およびトリメチルアミン(30.45ml、0.22mol)の塩化メチレン(150ml)中混合物を室温で終夜撹拌した。混合物を水でクエンチし、塩化メチレンで抽出した。有機層を1N HCl、次いで食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下除去して(3−フェノキシ−フェニル)−酢酸メチルエステル13.99gを高粘度油状物として得た。LC−MS M+1=342.
【0128】
(3−フェノキシ−フェニル)−酢酸メチルエステル(7g、0.0205mol)および1N NaOH(61.5ml、0.0651mol)のメタノール120ml中混合物を室温で終夜撹拌した。混合物を濃縮して小体積にし、残渣をHClで希釈してpHを約3.4にし、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を分離し、MgSO4で乾燥し、濾過した。濾液を濃縮乾固して2−[2−(3−フェノキシ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸5.86gを白色固体として得た。LC−MS M+1=328.
【0129】
(実施例22)
2−[2−(5−フェノキシ−3−ピリジル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸(5−ベンゾイル−オキサゾール−2−イル)−アミド
【0130】
(実施例23)
2−[2−(5−フェノキシ−3−ピリジル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸(5−アセチル−オキサゾール−2−イル)−アミド
【0131】
(実施例23)
2−[2−(5−フェノキシ−3−ピリジル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸(5−フェニル−オキサゾール−2−イル)−アミド
【0132】
(実施例24)
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−プロパン酸[4−(フェニル)−5−(エチル)−オキサゾール−2−イル]−アミド
【0133】
(実施例25)
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸[5−カルボン酸エチルエステル−オキサゾール−2−イル]−アミド
【0134】
(実施例26)
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸[5−(2−ヒドロキシプロピル)−オキサゾール−2−イル]−アミド
【0135】
(実施例27)
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸{5−(カルボキシ)−オキサゾール−2−イル}−アミド
【0136】
(実施例28)
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸{5−(フェニル)−オキサゾール−2−イル}−アミド
【0137】
(実施例29)
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸[(5−カルボン酸エチルエステル−5−トリフルオロメチル)オキサゾール−2−イル]−アミド
【0138】
実施例1、5、6、7、8、9、10、11、12、13、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28および29に記載の化合物のγ−セクレターゼ活性を阻害する活性は、McLendon et al.、γ−セクレターゼ活性に関する無細胞アッセイCell−free assays for γ−secretase activity、The FASEB Journal(Vol.14、December 12、pp.2383〜2386)にある記述に一般に従って可溶化膜調製物中で測定された。少なくとも65%が1000nM未満のIC50値を示した。これら化合物の一部分群は300nM未満という好ましいIC50値を示した。これら化合物の他の部分群は100nM未満というより好ましいIC50値を示した。これら化合物のさらに他の部分群は20nM未満という最も好ましいIC50値を示した。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式の化合物およびその化合物の薬学的に許容できる塩。
【化1】

[式中、Zは−C(=O)CHR、−C(=S)CHR、−(C=NR)CHR、−C(=O)C(=O)Rおよび−S(O)−Rから選択され、
は−C〜C20アルキル、−C〜C20アルケニル、−C〜C20アルキニル、−C〜C20アルコキシ、−C〜C20アルケノキシ、−C〜C20アルキノキシ、−C〜C20シクロアルキル、−C〜C20シクロアルケニル、(C10〜C20)ビまたはトリシクロアルキル、(C10〜C20)ビまたはトリシクロアルケニル、(4〜20員)ヘテロシクロアルキル、−C〜C20アリールおよび(5〜20員)ヘテロアリールから選択され、
ここで、Rは1〜6個のフッ素原子またはグループR1aから独立に選択される1〜3個の置換基で独立に置換されていてもよく、
1aは−OH、−C〜C12アルキル、−C〜C12アルケニル、−C〜C12アルキニル、−C〜Cアルコキシ、−C〜Cアルケノキシ、−C〜Cアルキノキシ、−F、−Cl、−Br、−I、−CN、
−NO、−NR10、−C(=O)NR10、−S(O)−NR10、−C(=O)R11、−S(O)−R11、−C(=O)OR12、−C〜C15シクロアルキル、−C〜C15シクロアルケニル、−(C〜C11)ビまたはトリシクロアルキル、−(C〜C11)ビまたはトリシクロアルケニル、−(4〜20員)ヘテロシクロアルキル、−C〜C15アリール、−(5〜15員)ヘテロアリール、−C〜C15アリールオキシおよび−(5〜15員)ヘテロアリールオキシからいずれの場合でも独立に選択され、前記シクロアルキル、シクロアルケニル、ビまたはトリシクロアルキル、ビまたはトリシクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールオキシおよびヘテロアリールオキシは、グループR1bから独立に選択される1〜3個の置換基で各々独立に置換されていてもよく、
1bは−OH、−C〜Cアルキル、−C〜Cアルケニル、−C〜Cアルキニル、−C〜Cアルコキシ、−C〜Cアルケノキシ、−C〜Cアルキノキシ、−C〜Cヒドロキシアルキル、−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−NO、−NR10、−C(=O)NR10、−C(=O)R11、−S(O)NR10、−S(O)−R11、−C〜C15アリールオキシおよび−(5〜15員)ヘテロアリールオキシからいずれの場合でも独立に選択され、前記アルキル、アルケニルおよびアルキニルは、1〜6個のフッ素原子、−C〜Cアルコキシから独立に選択される1〜2個の置換基、または1個の水酸基で各々独立に置換されていてもよく、
およびR10は−H、−C〜C12アルキル、−C〜C12アルケニル、−C〜C12アルキニル、−CF、−C(=O)R11、−S(O)−R11、−C(=O)OR12、−C(=O)NR1112、−S(O)−NR1112、−(C〜Cアルキレン)−(C〜C20シクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cシクロアルケニル)、−(C〜Cアルキレン)−((C〜C11)ビまたはトリシクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−((C〜C11)ビまたはトリシクロアルケニル)、−(C〜Cアルキレン)−((5〜10員)ヘテロシクロアルキル)、(C〜Cアルキレン)−(C〜C10アリール)および−(C〜Cアルキレン)−((5〜10員)ヘテロアリール)からいずれの場合でも各々独立に選択され、前記アルキル、アルケニルおよびアルキニルは、1〜6個のフッ素原子、−C〜Cアルコキシから独立に選択される1〜2個の置換基、または1個の水酸基で各々独立に置換されていてもよく、前記シクロアルキル、シクロアルケニル、ビまたはトリシクロアルキル、ビまたはトリシクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールは、−OH、−C〜C12アルキル、−C〜C12アルケニル、−C〜C12アルキニル、−C〜Cアルコキシ、−C〜Cアルケノキシ、−C〜Cアルキノキシ、−C〜Cヒドロキシアルキル、−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−NO、−CF、−NH、−C(=O)NH、−S(O)−NH、−C(=O)Hおよび−C(=O)OHから独立に選択される1〜3個の置換基で各々独立に置換されていてもよく、前記アルキル、アルケニルおよびアルキニル置換基は、1〜6個のフッ素原子、−C〜Cアルコキシから独立に選択される1〜2個の置換基、または1個の水酸基でさらに各々独立に置換されていてもよく、
あるいは、NR10は4〜10環員からなるヘテロシクロアルキル部分をいずれの場合でも独立に形成してもよく、前記ヘテロシクロアルキル部分はN、OおよびSから独立に選択される1〜2個のさらなるヘテロ原子を含んでいてもよく、1〜3個の二重結合を含んでいてもよく、NR10のヘテロシクロアルキル部分の炭素原子は、−OH、−C〜C12アルキル、−C〜C12アルケニル、−C〜C12アルキニル、−C〜Cアルコキシ、−C〜Cアルケノキシ、−C〜Cアルキノキシ、−F、−Cl、−Br、−I、−CF、−NH、−C(=O)NH、−S(O)−NH、−C(=O)R11、−S(O)−R11、(C〜Cアルキレン)−(C〜C10アリール)、(C〜Cアルキレン)−((5〜10員ヘテロアリール)、(C〜Cアルキレン)−(C〜C10シクロアルキル)および(C〜Cアルキレン)−((5〜10員)ヘテロシクロアルキルから独立に選択される1〜3個の置換基で独立に置換されていてもよく、(C〜Cアルキレン)−((5〜10員)ヘテロシクロアルキル)置換基、およびNR10の前記ヘテロシクロアルキル部分の窒素原子は、−C〜C12アルキル、−C〜C12アルケニル、−C〜C12アルキニル、−C(=O)NH、−S(O)−NH、C(=O)R11、−S(O)−R11、(C〜Cアルキレン)−(C〜C10アリール)、(C〜Cアルキレン)−((5〜10員)ヘテロアリール)、(C〜Cアルキレン)−(C〜C10シクロアルキル)および(C〜Cアルキレン)−((5〜10員)ヘテロシクロアルキル)から独立に選択される1個の置換基で各々独立に置換されていてもよく、前記アルキル、アルケニルおよびアルキニル置換基は、1〜6個のフッ素原子、−C〜Cアルコキシから独立に選択される1〜2個の置換基、または1個の水酸基でさらに各々独立に置換されていてもよく、
11およびR12は−C〜C15アルキル(分岐鎖または直鎖)、−C〜Cアルケニル、−C〜Cアルキニル、−(C〜Cアルキレン)−(C〜C15シクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cシクロアルケニル)、−(C〜Cアルキレン)−((C〜C11)ビまたはトリシクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−((C〜C11)ビまたはトリシクロアルケニル)、−(C〜Cアルキレン)−(C〜C15アリール)、−(C〜Cアルキレン)−((5〜15員)ヘテロシクロアルキル)および−(C〜Cアルキレン)−((5〜15員)ヘテロアリール)からいずれの場合でも各々独立に選択され、
11およびR12は1〜6個のフッ素原子またはグループR1bから独立に選択される1〜3個の置換基で各々独立に置換されていてもよく、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ビまたはトリシクロアルキル、ビまたはトリシクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールは、−OH、−C〜C12アルキル、−C〜C12アルケニル、−C〜C12アルキニル、−C〜Cアルコキシ、−C〜Cアルケノキシ、−C〜Cアルキノキシ、−C〜Cヒドロキシアルキル、−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−NO、−CF、−NH、−NH(C〜Cアルキル)、−N(C〜Cアルキル)、−C(=O)NH、−C(=O)NH(C〜Cアルキル)、−C(=O)N(C〜Cアルキル)、−NR10、−C(=O)NR10、−C(=O)R11、−S(O)NR10、−S(O)−R11、−C〜C15アリールオキシ、−(5〜15員)ヘテロアリールオキシ、−SONH、−SONH(C〜Cアルキル)、−SON(C〜Cアルキル)、−C(=O)H、−C(=O)OHおよび−C(=O)O(C〜Cアルキル)から独立に選択される1〜3個の置換基で各々独立に置換されていてもよく、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキニル置換基は、1〜6個のフッ素原子、−C〜Cアルコキシから独立に選択される1〜2個の置換基、または1個の水酸基でさらに各々独立に置換されていてもよく、
NR1112は4〜10環員からなるヘテロシクロアルキル部分をいずれの場合でも独立に形成してもよく、前記ヘテロシクロアルキル部分はN、OおよびSから独立に選択される1〜2個のさらなるヘテロ原子を含んでいてもよく、1〜3個の二重結合を含んでいてもよく、NR10の前記ヘテロシクロアルキル部分の炭素原子は、−OH、−C〜C12アルキル、−C〜C12アルケニル、−C〜C12アルキニル、−C〜Cアルコキシ、−C〜Cアルケノキシ、−C〜Cアルキノキシ、−C〜Cヒドロキシアルキル、−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−NO、−CF、−NH、−NH(C〜Cアルキル)、−N(C〜Cアルキル)、−C(=O)NH、−C(=O)NH(C〜Cアルキル)、−C(=O)N(C〜Cアルキル)、−SONH、−SONH(C〜Cアルキル)、−SON(C〜Cアルキル)、−C(=O)H、−C(=O)OHおよび−C(=O)O(C〜Cアルキル)から独立に選択される1〜3個の置換基で独立に置換されていてもよく、前記アルキル、アルケニルおよびアルキニル置換基は、1〜6個のフッ素原子、−C〜Cアルコキシから独立に選択される1〜2個の置換基、または1個の水酸基で各々独立に置換されていてもよく、
は−H、−OH、−NH、−CHOH、−OC(=O)CH、−C(CHOH、−C(CH)(CHCH)(OH)、−C(OH)(C〜Cアルキル)(C〜Cアルキル)、−OC(=O)Rおよび−OC(=O)ORから選択され、前記−OC(=O)Rおよび−OC(=O)ORはRの対応するOHのプロドラッグであってもよく、
は−C〜Cアルキル、−CH(OH)(C〜Cアルキル)、−CH(OH)(C〜Cアリール)、−CH(OH)((5〜6員)ヘテロアリール)、−CH(OH)(C〜C員シクロアルキル)、−CH(OH)((5〜6員)ヘテロシクロアルキル)から選択され、
は−C〜Cアルキル、−C〜Cアルケニル、−C〜Cアルキニルおよび−(C〜Cアルキレン)−(C〜Cシクロアルキル)から選択され、Rがアルキル、アルケニル、アリルまたはアルキニルである場合、Rは−C〜Cアルコキシ、−OHおよび−S(C〜Cアルキル)から独立に選択される置換基で独立に置換されていてもよく、
は−H、−C〜Cアルキル、−C〜Cアルケニル、−C〜Cアルキニル、−C(=O)(C〜Cアルキル)、−C〜C10アリール、−(5〜20員)ヘテロアリール、−S(O)−(C〜C10アリール)、−S(O)−((5〜20員)ヘテロアリール)、−S(O)−CH−(C〜C20アリール)および−S(O)−CH−((5〜20員)ヘテロアリール)から選択され、
は−H、−C〜Cアルキル、−C〜Cアルケニル、−C〜Cアルキニル、−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−CF、−C(=O)NR10、−S(O)−NR10、−C(=O)R11、−S(O)−R11、−C(=O)OR12、−(C〜Cアルキレン)−C(=O)OR12、−C〜C20シクロアルキル、−C〜C20シクロアルケニルおよび−C〜C10アリールから選択され、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニルおよびアリールは、グループR1bから独立に選択される1〜3個の置換基で各々独立に置換されていてもよく、
は−H、−C〜C20アルキル、−C〜C20アルケニル、−C〜C20アルキニル、−C〜C20アルコキシ、−C〜C20アルケノキシ、−C〜C20アルキノキシ、−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−NO、−OH、−CF、−NR10、−C(=O)NR10、−C(=O)R11、−C(=O)OR12、−C〜C15シクロアルキル、−(C〜Cアルキレン)(C〜C20シクロアルキル)、−(3〜15員)ヘテロシクロアルキル、−C〜C15アリール、−(5〜15員)ヘテロアリール、−CHO、−(C〜Cアルキレン)−(C〜C20シクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−(C〜C20シクロアルケニル)、−(C〜Cアルキレン)−((C10〜C20)ビまたはトリシクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−((C10〜C20)ビまたはトリシクロアルケニル)、−(C〜Cアルキレン)−((3〜20員)ヘテロシクロアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−(C〜C15アリール)および−(C〜Cアルキレン)−((5〜15員)ヘテロアリール)、−C(=O)(C〜C15アルキル)、−C(=O)((5〜15員)ヘテロシクロアルキル)、−C(=O)((5〜15員)ヘテロアリール)、−C(=O)(C〜C15シクロアルキル)、−C(=O)O(C〜Cアルキル)、−C(=O)N(C〜C10アルキル)(C〜C10アルキル)、C(=O)N(C〜C10アルキル)(C〜C10アリール)、−C(=O)N(C〜C10アルキル)((5〜10員)ヘテロアリール)、−C(=O)N(C〜C10アルキル)((5〜10員)ヘテロシクロアルキル)、−C(=O)N(C〜C10アルキル)(C〜C10シクロアルキル)、−S(O)−R11、−S(O)−(C〜Cアルキル)、−S(O)−(C〜Cシクロアルキル)、−S(O)−アルキル、−S(O)−シクロアルキル、−S(O)−(6〜14員)アリール、−S(O)−(5〜14員)ヘテロアリール、−(C〜Cアルキレン)(4〜15員)ヘテロシクロアルキルから選択され、前記ヘテロシクロアルキルは1〜4個の二重または三重結合を含んでいてもよく、Rは1〜6個のフッ素原子またはグループR1aから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
あるいは、Rは−H、−C〜C12アルキル、−C〜C12アルケニル、−C〜C12アルキニル、−C〜C20アルコキシ、−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−NO、−C〜C15シクロアルキル、−(C〜Cアルキレン)(C〜C15シクロアルキル)、−(3〜15員)ヘテロシクロアルキル、−C〜C15アリール、−(5〜15員)ヘテロアリール、−CHO、−C(=O)(C〜C15アルキル)、−C(=O)((5〜15員)ヘテロシクロアルキル)、−C(=O)((5〜15員)ヘテロアリール)、−C(=O)(C〜C15シクロアルキル)、−C(=O)O(C〜Cアルキル)、−C(=O)N(C〜C10アルキル)(C〜C10アルキル)、C(=O)N(C〜C10アルキル)(C〜C10アリール)、−C(=O)N(C〜C10アルキル)((5〜10員)ヘテロアリール)、−C(=O)N(C〜C10アルキル)((5〜10員)ヘテロシクロアルキル)、−C(=O)N(C〜C10アルキル)(C〜C10シクロアルキル)、−S(O)−(C〜Cアルキル)、−S(O)−(C〜Cシクロアルキル)、−S(O)−アルキル、−S(O)−シクロアルキル、−S(O)−(6〜14員)アリール、−S(O)−(5〜14員)ヘテロアリール、−(C〜Cアルキレン)(4〜15員)ヘテロシクロアルキルから選択され、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールは、−F、−Cl、−Br、−I、−OH、−C〜C10アルキル、−C〜C10アルケニル、−C〜C10アルコキシ、−C〜C10アルケノキシ、−C〜C10アルキノキシ、−NR10、(C〜C11アルキル)−NR10、−C(=O)R11、−S(O)−R11、−C(=O)OR12、−C(=O)NR10、−S(O)−NR10、−C〜C15シクロアルキル、−(4〜15員)ヘテロシクロアルキル、−C〜C15アリール、−(5〜15員)ヘテロアリール、(5〜15員)ヘテロシクロアルコキシ、−C〜C12アリールオキシおよび(6〜12員)ヘテロアリールオキシから独立に選択される1〜3個の置換基で各々独立に置換されていてもよく、
あるいは、RおよびRはそれらが各々結合している炭素原子と共に、式Iの化合物のオキサゾール環と縮合した5〜14員シクロアルキル環、5〜14員ヘテロシクロアルキル環、10〜14員ビシクロアルキル環または10〜14員ビシクロヘテロアルキル環を形成してもよく、前記ヘテロシクロアルキル環または前記ビシクロヘテロアルキル環の1〜3員はN、OおよびSから選択され、前記シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ビシクロアルキルまたはビシクロヘテロアルキル環は1〜3個の二重結合を含んでいてもよく、
は−Hおよび−C〜Cアルキルから選択され、
あるいは、Zが−C(=NR)CHRである場合、RおよびRはそれらが各々結合している窒素および炭素原子と共に5〜14員ヘテロアリール環または5〜8員ヘテロシクロアルキル環を形成してもよく、前記ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキル環はN、OおよびSから選択される1〜2個のさらなるヘテロ原子を含んでいてもよく、前記ヘテロシクロアルキル環は1〜3個の二重結合を含んでいてもよく、前記ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキル環はグループR1bから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
nはいずれの場合でも0、1および2から独立に選択される整数である]
【請求項2】
置換基の立体配置が下記式I−Aに示す通りである、請求項1に記載の化合物。
【化2】

【請求項3】
Zが−C(=O)CHRであり、Rが−H、−OHまたはOC(=O)CHである、前記請求項のいずれかに記載の化合物。
【請求項4】
Zが−C(=O)C(=O)Rである、請求項1および2に記載の化合物。
【請求項5】
が−C〜C10アルキル、−C〜C10アルケニル、−C〜C10シクロアルキル、フェニル、チエニル、ピリジルおよび−C〜Cシクロアルキルからなる群から選択され、Rが−C〜C10アルキル、−C〜C10アルケニル、−C〜C10シクロアルキル、フェニル、チエニル、ピリジルからなる群から選択される場合、Rは−C〜Cアルキル、−CF、−C〜Cアルコキシ、−F、−Cl、−Br、フェニルおよびフェノキシから独立に選択される1〜2個の置換基で独立に置換されていてもよく、Rが1個または2個の二重または三重結合を含んでいてもよく、Rがフェニルおよびピリジルからなる群から選択される場合、Rは−Fおよび−Clから独立に選択される1〜2個の置換基でさらに独立に置換されていてもよい、前記請求項のいずれかに記載の化合物。
【請求項6】
が−H、−OHおよび−OC(=O)CHからなる群から選択される、前記請求項のいずれかに記載の化合物。
【請求項7】
が−C〜Cアルキル、アリルおよび−CHCHSCHから選択される、前記請求項のいずれかに記載の化合物。RがHである、前記請求項のいずれかに記載の化合物。
【請求項8】
が−H、−CH、−F、−Cl、−Br、CFおよび−C(=O)R11からなる群から選択され、Rが−C〜C12アルキル、−C〜C12アルケニル、−C〜C12アルキニル、−(C〜Cアルキレン)(C〜C15シクロアルキル)および−(C〜Cアルキレン)(4〜15員)ヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、前記アルキル、アルケニル、シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキルは、−OH、−C〜Cアルコキシ、−C〜Cアルケノキシ、−C〜Cアルキノキシおよび−NR10から選択される置換基で各々独立に置換されていてもよい、前記請求項のいずれかに記載の化合物。
【請求項9】
2−{2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ブチリルアミノ}−4−トリフルオロメチル−オキサゾール−5−カルボン酸エチルエステル、
2−[2−(3−フェノキシ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸(5−ベンゾイル−オキサゾール−2−イル)−アミド、
2−[2−(3−フェノキシ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸(5−アセチル−オキサゾール−2−イル)−アミド、
2−[2−(3−フェノキシ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸(5−フェニル−オキサゾール−2−イル)−アミド、
2−[2−(3−フェノキシ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸(4,5−ジメチル−オキサゾール−2−イル)−アミド、
2−[2−(3−フェノキシ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸[5−(チオフェン−2−カルボニル)−オキサゾール−2−イル]−アミド、
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸[5−(ヒドロキシ−フェニル−メチル)−4−メチル−オキサゾール−2−イル]−アミド、
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸(5−アセチル−オキサゾール−2−イル)−アミド、
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−オキサゾール−2−イル]−アミド、
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸[5−(3−ブロモ−ベンゾイル)−オキサゾール−2−イル]−アミド、
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸{5−[1−(3−メチル−ブチルアミノ)−エチル]−オキサゾール−2−イル}−アミド、
2−(2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−ブチリルアミノ)−ペンタン酸(5−アセチル−オキサゾール−2−イル)−アミド、
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸(5−アセチル−オキサゾール−2−イル)−アミド、
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸[5−(1−ヒドロキシ−エチル)−オキサゾール−2−イル]−アミド、
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸{5−[1−(3,3−ジメチル−ブチルアミノ)−エチル]−オキサゾール−2−イル}−アミド、
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸{5−[1−(2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ)−エチル]−オキサゾール−2−イル}−アミド、
2−(2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−ブチリルアミノ)−ペンタン酸{5−[1−(3,3−ジメチル−ブチルアミノ)−エチル]−オキサゾール−2−イル}−アミド、
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸{5−[1−(3−メチル−ブチルアミノ)−エチル]−オキサゾール−2−イル}−アミド、
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸[5−(1−イソブチルアミノ−エチル)−オキサゾール−2−イル]−アミド、
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸(5−ヒドロキシメチル−4−トリフルオロメチル−オキサゾール−2−イル)−アミド、
2−{2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタノイルアミノ}−4−トリフルオロメチル−オキサゾール−5−カルボン酸メチルエステル、
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸{5−[1−(3−メチル−ブチルアミノ)−エチル]−オキサゾール−2−イル}−アミド塩酸塩、
2−[2−(5−フェノキシ−3−ピリジル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸(5−ベンゾイル−オキサゾール−2−イル)−アミド、
2−[2−(5−フェノキシ−3−ピリジル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸(5−アセチル−オキサゾール−2−イル)−アミド、
2−[2−(5−フェノキシ−3−ピリジル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸(5−フェニル−オキサゾール−2−イル)−アミド、
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−プロパン酸[4−(フェニル)−5−(エチル)−オキサゾール−2−イル]−アミド、
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸[5−カルボン酸エチルエステル−オキサゾール−2−イル]−アミド、
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸[5−(2−ヒドロキシプロピル)−オキサゾール−2−イル]−アミド、
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸{5−(カルボキシ)−オキサゾール−2−イル}−アミド、
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸{5−(フェニル)−オキサゾール−2−イル}−アミドおよび
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ペンタン酸[(5−カルボン酸エチルエステル−5−トリフルオロメチル)オキサゾール−2−イル]−アミドからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
哺乳動物におけるAβペプチド産生を阻害するための、あるいは哺乳動物におけるアルツハイマー病、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血、脳アミロイド血管障害、プリオン介在性疾患、封入体筋炎、脳卒中、多発性硬化症およびダウン症候群からなる群から選択される疾患または状態を治療するための医薬組成物であって、Aβ産生の阻害に有効な、任意の量の請求項1から9に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩、および薬学的に許容できる担体を含む医薬組成物。
【請求項11】
哺乳動物におけるアルツハイマー病、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血、脳アミロイド血管障害、プリオン介在性疾患、封入体筋炎、脳卒中、多発性硬化症およびダウン症候群からなる群から選択される疾患または状態を治療するための医薬組成物であって、そのような疾患または状態の治療に有効な、任意の量の請求項1から9に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩、および薬学的に許容できる担体を含む医薬組成物。
【請求項12】
哺乳動物におけるAβペプチド産生を阻害する、あるいは哺乳動物におけるアルツハイマー病、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血、脳アミロイド血管障害、プリオン介在性疾患、封入体筋炎、脳卒中、多発性硬化症およびダウン症候群からなる群から選択される疾患または状態を治療する方法であって、Aβ産生の阻害に有効な、任意の量の請求項1から9に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩を前記哺乳動物に投与することを含む方法。
【請求項13】
哺乳動物におけるアルツハイマー病、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血、脳アミロイド血管障害、プリオン介在性疾患、封入体筋炎、脳卒中、多発性硬化症およびダウン症候群からなる群から選択される疾患または状態を治療する方法であって、そのような状態の治療に有効な、任意の量の請求項1から9に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩を前記哺乳動物に投与することを含む方法。
【請求項14】
哺乳動物におけるAβペプチド産生に関連する疾患または状態を治療するための、あるいは哺乳動物におけるアルツハイマー病、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血、脳アミロイド血管障害、プリオン介在性疾患、封入体筋炎、脳卒中、多発性硬化症およびダウン症候群からなる群から選択される疾患または状態を治療するための医薬組成物であって、(a)請求項1から9に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩、(b)記憶増強剤、抗うつ薬、抗不安薬、抗精神病薬、睡眠障害剤、抗炎症薬、抗酸化薬、コレステロール調節剤および降圧薬からなる群から選択される有効物質、ならびに(c)薬学的に許容できる担体を含み、(a)および(b)が組成物をそのような疾患または状態の治療において有効にする量で存在する医薬組成物。
【請求項15】
哺乳動物におけるAβペプチド産生に関連する疾患または状態を治療する、あるいは哺乳動物におけるアルツハイマー病、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血、脳アミロイド血管障害、プリオン介在性疾患、封入体筋炎、脳卒中、多発性硬化症およびダウン症候群からなる群から選択される疾患または状態を治療する方法であって、(a)請求項1から9に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩、ならびに(b)記憶増強剤、抗うつ薬、抗不安薬、抗精神病薬、睡眠障害剤、抗炎症薬、抗酸化薬、コレステロール調節剤および降圧薬からなる群から選択される有効物質を前記哺乳動物に投与することを含み、(a)および(b)が組成物をそのような疾患または状態の治療において有効にする量で存在する方法。

【公表番号】特表2007−501244(P2007−501244A)
【公表日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−522669(P2006−522669)
【出願日】平成16年8月4日(2004.8.4)
【国際出願番号】PCT/US2004/025023
【国際公開番号】WO2005/016267
【国際公開日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(397067152)ファイザー・プロダクツ・インク (504)
【Fターム(参考)】