説明

移動体位置追跡システムおよびプログラム

【課題】ネットワーク上での移動体の位置情報の分散管理および位置情報のトラヒックの抑制を実現することができる移動体位置追跡システムを提供する。
【解決手段】移動体位置追跡システム10は、上位サーバ20および下位サーバ40からなる階層型ネットワークを構成している。無線ICタグが装着された移動体は、特定の下位サーバ40Aに従属し、任意の下位サーバ40A〜40Dの所管領域内に設置された無線ICタグリーダ60と通信できる。上位サーバ20Aは、自身の領域に移動した他の上位サーバ20Bの下の下位サーバ40C,40Dに従属する移動体の位置情報を管理し、他の上位サーバ20Bおよび自身の下位サーバ40A,40Bとの送受信を行う。下位サーバ40Aは、所管領域内で移動する移動体の位置情報を管理し、自身の上位サーバ20Aおよびその下の他の下位サーバ40Bとの送受信を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体の位置を追跡する処理を実行するコンピュータにより構成された移動体位置追跡システムおよびプログラムに係り、階層化されたサーバをネットワークで接続し、大規模施設や地域内を移動する人や物等の移動体の現在位置情報や移動履歴情報に関する位置情報をネットワーク内で分散管理する場合等に利用できる。
【背景技術】
【0002】
現在、無線ICタグや無線LAN(Local Area Network)機能付きの携帯端末装置を人や物等の移動体に取り付け、若しくは携帯させ、移動体の現在位置を追跡する技術として、特許文献1、特許文献2、特許文献3および非特許文献1に記載の技術が知られている。
【0003】
特許文献1に記載の技術は、携帯電話網のための位置情報管理技術の拡張であり、中央センタに設置される中央データベースHLR(Home Location Register)と基地局の近くに設置される地域データベースLLR(Local Location Register)とからなる階層構成になっている。HLRは、すべての移動体の滞在するLLRの情報を管理し、LLRは、管理下の基地局に接続する移動体の情報を管理するものである。
【0004】
特許文献2に記載の技術は、PDA(Personal Digital Assistant)などの無線LAN機能付き通信端末を備えている移動体がアクセスポイントの電波伝搬エリア内に進入すると、移動体の接続するアクセスポイントの位置情報や移動体の識別情報などを中央管理センタに送信し、中央管理センタで集中管理するものである。
【0005】
特許文献3に記載の技術は、無線ICタグを装着された移動体が、タグリーダの散在されている地域を移動するとき、タグリーダがタグ読み取り可能な所定の距離範囲内にあるタグと接続し、移動体の位置情報などを中央監視センタに送信し、中央監視センタで集中管理するものである。
【0006】
また、非特許文献1に記載の技術は、ネットワークを1以上の領域に分割して各領域を1台のサーバで管理させ、PDAを携帯するか、または無線ICタグを装着した移動体を特定のサーバに従属するようにし、各サーバが所管領域内で移動する移動体の位置情報を管理し、また、外部の領域に移動した従属移動体の位置情報を移動先サーバから直接に取得し、管理するものである。
【0007】
【特許文献1】特開2003−319436号公報
【特許文献2】特開2004−312079号公報
【特許文献3】特開2005−83781号公報
【非特許文献1】井上文暁、張勇兵、“無線LANおよびRFIDを統合した位置検知システム”、情報処理学会マルチメディア,分散,協調とモバイルシンポジウム論文集、2007年7月
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載の技術は、階層化されたHLRおよびLLRにより異なる精度の位置情報が分散管理されるが、HLRがすべての移動体の情報を集中管理する必要があり、移動体の数が増大すればHLRの管理負荷が増大し、また、LLR間の移動体の移動が増えればLLRからHLRに送信される位置情報のトラヒックが増大する。
【0009】
特許文献2と特許文献3に記載の技術は、中央管理センタ若しくは中央監視センタにすべての移動体の詳細位置情報を転送し、移動体の位置情報を中央センタで集中管理する必要があり、移動体の数が増大すれば移動体の位置情報の管理負荷が増大し、位置情報のトラヒックが増大する。
【0010】
非特許文献1に記載の技術は、各領域内で移動する移動体の位置情報が当該領域のサーバにより分散管理されるが、領域間の移動体の移動が増えれば移動体の従属サーバに送信される位置情報のトラヒックが増大する。
【0011】
本発明の目的は、ネットワーク上での移動体の位置情報の分散管理および位置情報のトラヒックの抑制を実現することができる移動体位置追跡システムおよびプログラムを提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、ネットワークで相互に接続された1以上の上位サーバと、各上位サーバの下にネットワークで相互に接続された1以上の下位サーバと、特定の1つの上位サーバおよび特定の1つの下位サーバに従属する追跡対象となる移動体に装着された非接触型の無線ICタグ、または移動体が携帯する無線LAN機能付きの携帯端末装置と、下位サーバの所管領域内に1以上設置されてこの所管領域内を移動する移動体に装着された無線ICタグと無線で接続可能な無線ICタグリーダ、または移動体が携帯する携帯端末装置と無線で接続可能なアクセスポイントとを備え、無線ICタグまたは携帯端末装置は、無線ICタグを識別するタグ識別子を含むタグ識別情報を記憶するタグ識別情報記憶手段、または携帯端末装置を識別する携帯端末装置識別子を含む携帯端末装置識別情報を記憶する携帯端末装置識別情報記憶手段を備え、下位サーバは、下位サーバ自身の所管領域内に進入した下位サーバ自身に従属する移動体の位置情報、下位サーバ自身の所管領域内に進入した他の下位サーバに従属する移動体の位置情報、および、他の下位サーバの所管領域内に進入した下位サーバ自身に従属する移動体の位置情報を、タグ識別情報若しくは携帯端末装置識別情報またはこれらと関連付けられている移動体識別情報と対応させて記憶する移動体位置情報データベースと、無線ICタグとの接続が行われた無線ICタグリーダまたは携帯端末装置との接続が行われたアクセスポイントから送信されてくる位置識別情報およびタグ識別情報若しくは携帯端末装置識別情報を受信する処理を実行する接続監視処理手段と、下位サーバ自身に従属する移動体または他の下位サーバに従属する移動体が下位サーバ自身の所管領域内に進入した場合およびこの所管領域内で移動する場合に、接続監視処理手段により受信した位置識別情報から得られた移動体の位置情報を、タグ識別情報若しくは携帯端末装置識別情報または移動体識別情報と対応させて移動体位置情報データベースに記憶させる処理、下位サーバ自身に従属する移動体が下位サーバ自身の上位サーバの下の他の下位サーバの所管領域内に進入した場合に、移動先の他の下位サーバから直接に転送されてきた移動体の位置情報を、タグ識別情報若しくは携帯端末装置識別情報または移動体識別情報と対応させて移動体位置情報データベースに記憶させる処理、並びに、下位サーバ自身に従属する移動体が下位サーバ自身の上位サーバ以外の上位サーバの下のいずれかの下位サーバの所管領域内に進入した場合に、移動先の下位サーバから移動先の上位サーバおよび前記下位サーバ自身の上位サーバを介して転送されてきた移動体の位置情報を、タグ識別情報若しくは携帯端末装置識別情報または移動体識別情報と対応させて移動体位置情報データベースに記憶させる処理を実行する移動体位置情報登録処理手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0013】
ここで、「無線LAN機能付きの携帯端末装置」とは、例えば、PDAや携帯電話機等である。
【0014】
また、「携帯端末装置を識別する携帯端末装置識別子」とは、例えば、移動体が携帯する携帯端末装置(PDA等)のMAC(Medium Access Control)アドレス等である。
【0015】
さらに、「位置識別情報」とは、例えば、無線ICタグリーダを識別するタグリーダ識別子、あるいはアクセスポイントのBSSID(Basic Service Set Identifier)等である。
【0016】
このような本発明の移動体位置追跡システムにおいては、各下位サーバの移動体位置情報データベースには、下位サーバ自身の所管領域内に進入した下位サーバ自身に従属する移動体の位置情報、下位サーバ自身の所管領域内に進入した他の下位サーバに従属する移動体の位置情報、および、他の下位サーバの所管領域内に進入した下位サーバ自身に従属する移動体の位置情報が記憶され、他の下位サーバの所管領域内に進入した他の下位サーバに従属する移動体の位置情報は記憶されない。すなわち、他の下位サーバの所管領域内に進入した他の下位サーバに従属する移動体の位置情報は、自分以外の下位サーバに記憶される。このため、移動体の位置情報の分散管理を実現することが可能となり、各サーバの位置情報の管理負荷を軽減することが可能となるうえ、移動体の位置情報の検索速度向上を図ることが可能となる。
【0017】
また、移動体がこの移動体の従属する下位サーバの所管領域内で移動する際には、移動体が従属する下位サーバは、下位サーバ自身の管轄する無線ICタグリーダまたはアクセスポイントから送信されてくる位置識別情報より得られた移動体の位置情報を移動体位置情報データベースに格納し、移動体がこの移動体の従属する上位サーバの下の他の下位サーバの所管領域に移動した際には、移動体が従属する下位サーバは、移動先の他の下位サーバから移動体の位置情報を直接に取得して移動体位置情報データベースに格納し、移動体がこの移動体の従属する上位サーバ以外の上位サーバの下のいずれかの下位サーバの所管領域に移動した際には、移動体が従属する下位サーバは、移動先の下位サーバから移動先の上位サーバおよび移動体が従属する上位サーバを介して移動体の位置情報を取得して移動体位置情報データベースに格納する。従って、移動体が従属する下位サーバと、この移動体の従属する上位サーバの下の他の下位サーバとの間では、移動体の位置情報の伝送が直接に行われるが、移動体が従属する下位サーバと、この移動体の従属する上位サーバ以外の上位サーバの下の下位サーバとの間では、移動体の位置情報の伝送が直接に行われることはなく、双方の上位サーバを経由して伝送が行われることになる。このため、移動体の位置情報の伝送の多くが、同一の上位サーバ下での伝送となり、すなわち上位サーバとその下の下位サーバとの間および同一の上位サーバの下の下位サーバ同士の間での伝送となり、ネットワーク全体を流れる位置情報のトラヒックを抑えることが可能となり、これらにより前記目的が達成される。
【0018】
また、前述した移動体位置追跡システムにおいて、タグ識別情報または携帯端末装置識別情報には、タグ識別子または携帯端末装置識別子の他に、移動体が従属する特定の1つの上位サーバの識別子、およびこの上位サーバの下の移動体が従属する特定の1つの下位サーバの識別子が含まれ、下位サーバは、接続監視処理手段により受信したタグ識別情報または携帯端末装置識別情報を用いて、下位サーバ自身の所管領域内に進入した移動体が、下位サーバ自身に従属するのか、下位サーバ自身の上位サーバの下の他の下位サーバに従属するのか、または下位サーバ自身の上位サーバ以外の上位サーバに従属するのかを判断し、移動体が下位サーバ自身の上位サーバの下の他の下位サーバに従属する場合には、移動体の位置情報としての下位サーバ自身の識別情報を、移動体が従属する下位サーバへネットワークを介して直接に転送し、移動体が下位サーバ自身の上位サーバ以外の上位サーバに従属する場合には、移動体の位置情報としての下位サーバ自身の識別情報を、下位サーバ自身の上位サーバへネットワークを介して転送する処理を実行する移動体位置情報転送処理手段を備え、上位サーバは、上位サーバ自身の下位サーバから転送されてきた移動体の位置情報としての下位サーバの識別情報を、タグ識別情報若しくは携帯端末装置識別情報または移動体識別情報と対応させて記憶する移動体位置情報データベースと、上位サーバ自身の下位サーバから転送されてきた移動体の位置情報としての下位サーバの識別情報を、タグ識別情報若しくは携帯端末装置識別情報または移動体識別情報と対応させて上位サーバの移動体位置情報データベースに記憶させる処理を実行する移動体位置情報登録処理手段と、上位サーバ自身の下位サーバから転送されてきた移動体の位置情報としての下位サーバの識別情報を受信したときに、上位サーバ自身の識別情報を、移動体の位置情報として移動体が従属する上位サーバへネットワークを介して転送する処理、および他の上位サーバから転送されてきた移動体の位置情報としての他の上位サーバの識別情報を、上位サーバ自身の下の移動体が従属する下位サーバへ転送する処理を実行する移動体位置情報転送処理手段とを備えた構成とすることが望ましい。
【0019】
ここで、「移動体の位置情報としての下位サーバ自身の識別情報」および「上位サーバ自身の下位サーバから転送されてきた移動体の位置情報としての下位サーバの識別情報」とは、例えば、下位サーバについての名前やIP(Internet Protocol)アドレス等である。
【0020】
また、「上位サーバ自身の識別情報」および「移動体の位置情報としての他の上位サーバの識別情報」とは、上位サーバについての名前やIPアドレス等である。
【0021】
このような構成とした場合には、移動体が従属する下位サーバの移動体位置情報データベースには、移動体がこの移動体の従属する下位サーバの所管領域に移動した際およびこの所管領域内で移動する際には、移動体の位置情報として、無線ICタグリーダまたはアクセスポイントの位置まで記憶させることが可能であり、移動体がこの移動体の従属する下位サーバの上位サーバの下の他の下位サーバの所管領域に移動した際には、移動体の位置情報として、移動先の下位サーバの識別情報が記憶され、移動体がこの移動体の従属する上位サーバ以外の上位サーバの所管領域に移動した際には、移動体の位置情報として、移動先の上位サーバの識別情報が記憶される。このため、移動体が従属する下位サーバの移動体位置情報データベースに記憶される移動体の位置情報は、移動体が遠方へ移動する程、概略的な位置情報(広範囲を示す位置情報)になり、効率的な情報管理を実現することが可能となる。また、上位サーバの移動体位置情報データベースには、上位サーバ自身の所管領域に移動してきた外部からの移動体(上位サーバ自身に従属しない移動体)の位置情報が記憶され、上位サーバ自身に従属する移動体の位置情報は記憶されないため、効率的な情報管理を実現することが可能となる。
【0022】
さらに、前述した移動体位置追跡システムにおいて、下位サーバの移動体位置情報データベースは、移動体の位置情報に対応させて、下位サーバ自身の所管領域内に設置された各無線ICタグリーダまたは各アクセスポイントへの接続開始時刻および接続時間も記憶する構成とされ、下位サーバの移動体位置情報登録処理手段は、下位サーバ自身に従属する移動体または他の下位サーバに従属する移動体が下位サーバ自身の所管領域内に設置された各無線ICタグリーダまたは各アクセスポイントのカバー範囲内に進入した場合に、接続監視処理手段により受信した位置識別情報から得られた移動体の位置情報に対応させて、無線ICタグリーダまたはアクセスポイントへの接続開始時刻を、下位サーバの移動体位置情報データベースに記憶させる処理を実行する構成とされ、下位サーバは、下位サーバ自身の所管領域内に設置された各無線ICタグリーダまたは各アクセスポイントへの接続時間を計測し、下位サーバ自身に従属する移動体または他の下位サーバに従属する移動体が下位サーバ自身の所管領域内に設置された各無線ICタグリーダまたは各アクセスポイントのカバー範囲から退出する場合に、計測した接続時間を、移動体の位置情報および接続開始時刻に対応させて下位サーバの移動体位置情報データベースに記憶させる処理を実行する接続時間計測処理手段を備えた構成とすることが望ましい。
【0023】
このような構成とした場合には、移動体が同一の下位サーバの所管領域内で移動する限り、接続開始時刻および接続時間が、この下位サーバにより管理されるので、ネットワークにおいて、この下位サーバの外部には、接続開始時刻および接続時間のトラヒックは生じない。
【0024】
そして、前述した移動体位置追跡システムにおいて、下位サーバの移動体位置情報データベースは、移動体の位置情報に対応させて、下位サーバ自身の上位サーバの下の他の下位サーバの所管領域への進入時刻および滞在時間も記憶する構成とされ、下位サーバの移動体位置情報登録処理手段は、下位サーバ自身に従属する移動体が下位サーバ自身の上位サーバの下の他の下位サーバの所管領域内に進入した場合に、移動先の他の下位サーバから直接に移動体の位置情報とともに転送されてきた移動先の他の下位サーバの所管領域への進入時刻を、移動体の位置情報に対応させて下位サーバ自身の移動体位置情報データベースに記憶させる処理を実行する構成とされ、下位サーバは、下位サーバ自身の上位サーバの下の他の下位サーバに従属する移動体についての下位サーバ自身の所管領域への滞在時間を計測し、移動体が下位サーバ自身の所管領域から退出した場合に、計測した滞在時間を、移動体が従属する他の下位サーバへネットワークを介して直接に送信する処理を実行する下位サーバ滞在時間計測処理手段と、移動体の従属する下位サーバ自身の上位サーバの下の他の下位サーバから転送されてきた滞在時間を、移動体の位置情報および進入時刻に対応させて下位サーバ自身の移動体位置情報データベースに記憶させる処理を実行する下位サーバ滞在時間登録処理手段とを備えた構成とすることが望ましい。
【0025】
このような構成とした場合には、移動体がこの移動体の従属する下位サーバの上位サーバの下の他の下位サーバの所管領域内に進入した際、およびこの所管領域から退出した際に限り、移動先の他の下位サーバと移動体が従属する下位サーバとの間に、進入時刻または滞在時間のトラヒックが生じるが、進入時刻や滞在時間の伝送は、移動体が従属する上位サーバの下の下位サーバ同士の間に限定される。
【0026】
また、前述した移動体位置追跡システムにおいて、下位サーバは、下位サーバ自身の上位サーバ以外の上位サーバに従属する移動体についての下位サーバ自身の所管領域への滞在時間を計測し、移動体が下位サーバ自身の所管領域から退出した場合に、計測した滞在時間を、下位サーバ自身の上位サーバへネットワークを介して送信する処理を実行する下位サーバ滞在時間計測処理手段を備え、上位サーバは、上位サーバ自身の下の下位サーバから送信されてきた下位サーバの所管領域への滞在時間を受信し、受信した滞在時間を、移動体の位置情報および下位サーバの所管領域への進入時刻と対応させて上位サーバ自身の移動体位置情報データベースに記憶させる処理を実行する下位サーバ滞在時間登録処理手段を備えた構成とすることが望ましい。
【0027】
このような構成とした場合には、移動体がこの移動体の従属する上位サーバ以外の上位サーバの下の下位サーバの所管領域内に進入した際、およびこの所管領域から退出した際に限り、移動先の下位サーバと移動先の上位サーバとの間に、トラヒックが生じるが、移動体が移動先の下位サーバの所管領域内で移動しても、進入時刻または滞在時間のトラヒックが生じることはなく、また、移動体がこの移動体の従属する上位サーバ以外の上位サーバの所管領域内に外部から進入しなければ、トラヒックは生じない。
【0028】
また、前述した移動体位置追跡システムにおいて、下位サーバの移動体位置情報データベースは、移動体の位置情報に対応させて、下位サーバ自身の上位サーバ以外の上位サーバの所管領域への進入時刻および滞在時間も記憶する構成とされ、下位サーバの移動体位置情報登録処理手段は、下位サーバ自身に従属する移動体が移動体の従属する上位サーバ以外の上位サーバの下のいずれかの下位サーバの所管領域に進入した場合に、移動先の下位サーバから移動先の上位サーバおよび移動体の従属する上位サーバを介して移動体の位置情報とともに転送されてきた移動先の上位サーバの所管領域への進入時刻を、移動体の位置情報に対応させて下位サーバ自身の移動体位置情報データベースに記憶させる処理も実行する構成とされ、上位サーバは、他の上位サーバに従属する移動体についての上位サーバ自身の所管領域への滞在時間を計測し、移動体が上位サーバ自身の所管領域から退出した場合に、計測した滞在時間を、移動体が従属する他の上位サーバへネットワークを介して送信する処理を実行する上位サーバ滞在時間計測処理手段と、移動体が従属する上位サーバ自身以外の上位サーバから送信されてきた滞在時間を受信し、受信した滞在時間を、上位サーバ自身の下の移動体が従属する下位サーバへ転送する処理を実行する上位サーバ滞在時間転送処理手段とを備え、下位サーバは、下位サーバ自身の上位サーバから転送されてきた滞在時間を、移動体の位置情報および進入時刻に対応させて下位サーバ自身の移動体位置情報データベースに記憶させる処理を実行する上位サーバ滞在時間登録処理手段を備えた構成とすることが望ましい。
【0029】
このような構成とした場合には、移動体がこの移動体の従属する下位サーバの上位サーバ以外の上位サーバの所管領域内に進入した際、およびこの所管領域から退出した際に限り、移動先の下位サーバと移動先の上位サーバとの間、移動先の上位サーバと移動体が従属する上位サーバとの間、および移動体が従属する上位サーバと移動体が従属する下位サーバとの間に、進入時刻または滞在時間のトラヒックが生じるが、移動体が移動先の上位サーバの所管領域内で移動しても、進入時刻または滞在時間のトラヒックが生じることはなく、また、移動体がこの移動体の従属する上位サーバ以外の上位サーバの所管領域内に外部から進入しなければ、トラヒックは生じない。
【0030】
さらに、前述した移動体位置追跡システムにおいて、下位サーバは、利用者端末装置からの移動体の現在位置情報および/または移動履歴情報に関する位置情報の検索要求信号として、利用者端末装置で入力されたタグ識別情報若しくは携帯端末装置識別情報または移動体識別情報を受信し、タグ識別情報若しくは携帯端末装置識別情報または移動体識別情報を用いて移動体位置情報データベースを検索し、検索して得られた移動体の位置情報を、ネットワークを介して利用者端末装置へ送信する処理を実行する閲覧処理手段を備えた構成とすることが望ましい。
【0031】
このように閲覧処理手段を備えた構成とした場合には、各下位サーバの移動体位置情報データベースで分散管理されている移動体の位置情報を用いて、位置情報の効果的な検索処理を行うことができるようになる。
【0032】
そして、上述したように下位サーバに閲覧処理手段を設けた構成とした場合において、下位サーバの前記閲覧処理手段は、利用者端末装置からの前記下位サーバ自身に従属する前記移動体の位置情報の検索要求信号として、無線ICタグリーダまたはアクセスポイントのカバー範囲までの位置情報の表示を要求するタグリーダレベルまたはアクセスポイントレベルの精度指定と、下位サーバの所管領域までの位置情報の表示を要求する下位サーバレベルの精度指定と、上位サーバの所管領域までの位置情報の表示を要求する上位サーバレベルの精度指定との少なくとも3種類の精度指定を受け付け、タグリーダレベルまたはアクセスポイントレベルの精度指定を受け付けた場合には、下位サーバ自身の所管領域内の位置情報については、タグ識別情報若しくは携帯端末装置識別情報または移動体識別情報を用いて下位サーバ自身の移動体位置情報データベースを検索して該当する移動体の位置情報を取得して利用者端末装置への表示処理を行い、下位サーバ自身の上位サーバの下の他の下位サーバの所管領域内の位置情報については、他の下位サーバに問合せ信号を送信し、他の下位サーバから返信されてきた該当する移動体の位置情報を受信して利用者端末装置への表示処理を行い、下位サーバ自身の上位サーバ以外の上位サーバの所管領域内の位置情報については、下位サーバ自身の上位サーバ以外の上位サーバに問合せ信号を送信し、下位サーバ自身の上位サーバ以外の上位サーバから返信されてきた該当する移動体の位置情報を受信して前記利用者端末装置への表示処理を実行し、下位サーバレベルの精度指定を受け付けた場合には、下位サーバ自身の所管領域内の位置情報および下位サーバ自身の上位サーバの下の他の下位サーバの所管領域内の位置情報については、タグ識別情報若しくは携帯端末装置識別情報または移動体識別情報を用いて下位サーバ自身の移動体位置情報データベースを検索して該当する移動体の位置情報を取得して利用者端末装置への表示処理を行い、下位サーバ自身の上位サーバ以外の上位サーバの所管領域内の位置情報については、下位サーバ自身の上位サーバ以外の上位サーバに問合せ信号を送信し、下位サーバ自身の上位サーバ以外の上位サーバから返信されてきた該当する移動体の位置情報を受信して利用者端末装置への表示処理を実行し、上位サーバレベルの精度指定を受け付けた場合には、下位サーバ自身の所管領域内の位置情報、下位サーバ自身の上位サーバの下の他の下位サーバの所管領域内の位置情報、および下位サーバ自身の上位サーバ以外の上位サーバの所管領域内の位置情報のいずれについても、タグ識別情報若しくは携帯端末装置識別情報または移動体識別情報を用いて下位サーバ自身の移動体位置情報データベースを検索して該当する移動体の位置情報を取得して利用者端末装置への表示処理を実行するとともに、下位サーバ自身の上位サーバからの問合せ信号をタグリーダレベルまたはアクセスポイントレベルの精度指定を示す情報とともに受信した場合には、タグ識別情報若しくは携帯端末装置識別情報または移動体識別情報を用いて下位サーバ自身の移動体位置情報データベースを検索して該当する移動体の位置情報を取得して問合せ元の上位サーバへ返信する処理を実行し、下位サーバ自身の上位サーバの下の他の下位サーバからの問合せ信号をタグリーダレベルまたはアクセスポイントレベルの精度指定を示す情報とともに受信した場合には、タグ識別情報若しくは携帯端末装置識別情報または移動体識別情報を用いて下位サーバ自身の移動体位置情報データベースを検索して該当する移動体の位置情報を取得して問合せ元の他の下位サーバへ返信する処理を実行する構成とされ、上位サーバは、他の上位サーバの下の下位サーバからの問合せ信号をタグリーダレベルまたはアクセスポイントレベルの精度指定を示す情報とともに受信した場合には、上位サーバ自身の下の下位サーバに問合せ信号を送信し、上位サーバ自身の下の下位サーバから返信されてきた該当する移動体の位置情報を受信して問合せ元の他の上位サーバの下の下位サーバへ返信する処理を実行し、他の上位サーバの下の下位サーバからの問合せ信号を下位サーバレベルの精度指定を示す情報とともに受信した場合には、タグ識別情報若しくは携帯端末装置識別情報または移動体識別情報を用いて上位サーバ自身の移動体位置情報データベースを検索して該当する移動体の位置情報を取得して問合せ元の他の上位サーバの下の下位サーバへ返信する処理を実行する閲覧処理手段を備えた構成とすることが望ましい。
【0033】
このように少なくとも3種類の精度指定を受け付けて移動体の位置情報を検索し、利用者端末装置に表示する構成とした場合には、位置情報利用者の多様な要求を満足させることができ、また、移動体の詳細な位置情報が必要なときに限り、移動先の上位サーバおよび/または移動先の下位サーバに問い合わせればよいので、位置情報のトラヒックを最小限に抑えることが可能となる。
【0034】
また、本発明のプログラムは、以上に述べた移動体位置追跡システムとして、コンピュータを機能させるためのものである。
【0035】
なお、上記のプログラムまたはその一部は、例えば、光磁気ディスク(MO)、コンパクトディスク(CD)を利用した読出し専用メモリ(CD−ROM)、CDレコーダブル(CD−R)、CDリライタブル(CD−RW)、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)を利用した読出し専用メモリ(DVD−ROM)、DVDを利用したランダム・アクセス・メモリ(DVD−RAM)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去および書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)等の記録媒体に記録して保存や流通等させることが可能であるとともに、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット等の有線ネットワーク、あるいは無線通信ネットワーク、さらにはこれらの組合せ等の伝送媒体を用いて伝送することが可能であり、また、搬送波に載せて搬送することも可能である。さらに、上記のプログラムは、他のプログラムの一部分であってもよく、あるいは別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。
【発明の効果】
【0036】
以上に述べたように本発明によれば、各下位サーバの所管領域内で移動する移動体の位置情報を当該下位サーバで分散管理するとともに、ネットワーク上でのサーバの階層化構成を利用してサーバ間の位置情報トラヒックを制限することにより、システム全体の位置情報管理負荷を分散させることができ、また、ネットワークを流れる位置情報のトラヒックを減少させることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下に本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1には、本実施形態の移動体位置追跡システム10の全体構成が示されている。図2には、移動体位置追跡システム10の主要な構成要素の詳細構成が示されている。図3には、上位サーバ20の移動体位置情報データベース30のレコード構成が示され、図4には、上位サーバ20のサーバ情報テーブル記憶手段31の構成が示され、図5には、下位サーバ40の移動体位置情報データベース50のレコード構成が示され、図6には、タグリーダ情報テーブル記憶手段51の構成が示され、図7には、下位サーバ40のサーバ情報テーブル記憶手段52の構成が示され、図8には、タグリーダ情報記憶手段63の構成が示され、図9には、タグ識別情報記憶手段72の構成が示されている。また、図10には、移動体位置追跡システム10の上位サーバ20の所管領域と下位サーバ40の所管領域との関係が示されている。さらに、図11は、移動体1の移動に伴う位置情報の登録および送受信処理の流れの例を示すシーケンス図であり、図12は、図11のシーケンスによる移動体位置情報データベース30,50への位置情報の登録例を示す図であり、図13は、位置情報利用者が指定した位置情報の精度に従い、移動体1の位置情報を提供する例を示すシーケンス図である。
【0038】
<移動体位置追跡システム10の全体構成>
【0039】
図1において、移動体位置追跡システム10は、同一機能を有する1つまたは複数の上位サーバ20と、各上位サーバ20のそれぞれの下に設けられた同一機能を有する1つまたは複数の下位サーバ40とが、ネットワーク2で接続された構成を備えている。本実施形態では、一例として、2つの上位サーバ20A,20Bが設けられ、上位サーバ20Aの下には、2つの下位サーバ40A,40Bが設けられ、上位サーバ20Bの下には、2つの下位サーバ40C,40Dが設けられた構成とするが、これは説明の便宜上のものであり、この構成に限定されるものではなく、上位サーバ20の個数および下位サーバ40の個数は任意である。
【0040】
また、各下位サーバ40のそれぞれには、1つまたは複数の無線ICタグリーダ60がネットワーク2を介して接続されている。この無線ICタグリーダ60は、図1および図10に示すように、移動体1に取り付けられた非接触型の無線ICタグ70と無線通信を行うために設けられ、下位サーバ40の所管領域は、その下位サーバ40自身に接続されたすべての無線ICタグリーダ60のカバー範囲を合わせた領域からなり、また、上位サーバ20の所管領域は、その上位サーバ20自身の下に接続されたすべての下位サーバ40の所管領域を合わせた領域からなる。本実施形態では、一例として、下位サーバ40Aには、2つの無線ICタグリーダ60A,60Bが接続され、下位サーバ40Bには、2つの無線ICタグリーダ60C,60Dが接続され、下位サーバ40Cには、2つの無線ICタグリーダ60E,60Fが接続され、下位サーバ40Dには、2つの無線ICタグリーダ60G,60Hが接続された構成とするが、この構成に限定されるものではなく、1つの下位サーバ40に接続する無線ICタグリーダ60の個数は任意である。
【0041】
本実施形態の移動体位置追跡システム10は、例えば、市町村全域をカバーする通学児童の位置追跡や複数倉庫からなる大型保管施設における物の位置追跡などの大規模システムを対象とし、追跡対象の人や物等の移動体に無線ICタグ70を取り付け、若しくは携帯させた移動体位置追跡システムである。例えば、各建物若しくは各学区を1領域として1つの下位サーバ40(但し、1つの下位サーバ40は、複数のコンピュータにより構成されていてもよい。)で管理し、また、複数の近隣建物群若しくは複数の近隣学区からなる複数の領域をまとめて1つの上位サーバ20(但し、1つの上位サーバ20は、複数のコンピュータにより構成されていてもよい。)で管理することができる。保護者や倉庫管理者などの位置情報の利用者は、特定の学区を通学する児童、若しくは特定の建物に所属する物だけに興味を持ち、当該移動体(通学児童や建物所属物等)が従属する下位サーバ40に対して検索要求を提出することにより、追跡対象となる移動体(通学児童や建物所属物等)の位置情報を取得することができる。
【0042】
ネットワーク2は、本実施形態では、一例として、インターネット3と、このインターネット3とルータ4A,4Bを介して接続された上位LAN5A,5Bと、これらの上位LAN5A,5Bとルータ6A,6B,6C,6Dを介して接続された下位LAN7A,7B,7C,7Dとにより構成されている。ここでは、説明の便宜上、例えば、上位LAN5Aは、A大学内に設置されたLANであり、A大学の上位サーバ20Aが接続され、下位LAN7Aは、A大学のX学科内に設置されたLANであり、A大学のX学科の下位サーバ40Aおよび無線ICタグリーダ60A,60Bが接続され、下位LAN7Bは、A大学のY学科内に設置されたLANであり、A大学のY学科の下位サーバ40Bおよび無線ICタグリーダ60C,60Dが接続されているものとする。また、例えば、上位LAN5Bは、B大学内に設置されたLANであり、B大学の上位サーバ20Bが接続され、下位LAN7Cは、B大学のZ学科内に設置されたLANであり、B大学のZ学科の下位サーバ40Cおよび無線ICタグリーダ60E,60Fが接続され、下位LAN7Dは、B大学のW学科内に設置されたLANであり、B大学のW学科の下位サーバ40Dおよび無線ICタグリーダ60G,60Hが接続されているものとする。
【0043】
なお、ネットワーク2は、図1に示した例のように、管理対象となる領域の地理的な要因およびネットワーク環境構築の容易さを考慮し、上位サーバ20同士を接続するネットワークは、インターネット3等により構成し、上位サーバ20の下のネットワーク(上位サーバ20とその下の下位サーバ40との間、および同一の上位サーバ20の下の下位サーバ40同士の間を接続するネットワーク)は、LAN(Local Area Network)やイントラネット等により構成することが好ましいが、図1に示した例に限定されるものではない。例えば、ネットワーク2は、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット、あるいはこれらの組合せ等、様々な形態のものが含まれ、有線であるか無線であるか、さらには有線および無線の混在型であるかは問わず、要するに、複数地点(距離の長短は問わない。)間で、ある程度の速度をもって情報を伝送することができるものであればよい。
【0044】
さらに、ネットワーク2の各所に、利用者端末装置80が設置されている。この利用者端末装置80は、ネットワーク2のいずれの箇所に設置してもよく、例えば、インターネット3、上位LAN5A,5B、下位LAN7A〜7Dのいずれに設置してもよい。
【0045】
そして、上位サーバ20の役目は、その上位サーバ20自身の所管領域に移動してきた外部からの移動体(その上位サーバ20自身に従属しない移動体)の位置情報を管理し、他の上位サーバ20およびその上位サーバ20自身の下の下位サーバ40と位置情報の送受信を行うことである。また、下位サーバ40の役目は、その下位サーバ40自身の所管領域および他の下位サーバ40の所管領域で移動するその下位サーバ40自身に従属する移動体の位置情報、およびその下位サーバ40自身の所管領域に移動してきた外部からの移動体(その下位サーバ40自身に従属しない移動体)の位置情報を管理し、その下位サーバ40自身の上位サーバ20およびその下位サーバ40自身の上位サーバ20の下の他の下位サーバ20と位置情報の送受信を行うことである。具体的には、以下のようになる。
【0046】
<上位サーバ20の構成>
【0047】
図2において、各上位サーバ20(20A,20B)は、それぞれ1台または複数台のコンピュータにより構成され、移動体の位置情報の管理処理を実行する処理手段21と、この処理手段21に接続された移動体位置情報データベース30およびサーバ情報テーブル記憶手段31とを備えている。そして、処理手段21は、移動体位置情報登録処理手段22と、移動体位置情報転送処理手段23と、上位サーバ滞在時間計測処理手段24と、上位サーバ滞在時間転送処理手段25と、下位サーバ滞在時間登録処理手段26と、閲覧処理手段27とを含んで構成されている。
【0048】
移動体位置情報登録処理手段22は、上位サーバ20自身の下位サーバ40から転送されてきたタグ識別情報β(図9参照)、移動体の位置情報としての下位サーバ40についての名前およびIPアドレス、並びに下位サーバ40の所管領域への進入時刻を受信し、上位サーバ20のサーバ情報テーブル記憶手段31(図4参照)に記憶されたサーバ情報テーブルを用いて、上位サーバ20自身についての名前およびIPアドレスを取得し、移動体の位置情報(上位サーバ20自身についての名前およびIPアドレス、並びに下位サーバ40についての名前およびIPアドレス)および下位サーバ40の所管領域への進入時刻を、受信したタグ識別情報βと対応させて上位サーバ20の移動体位置情報データベース30(図3参照)に記憶させる処理を実行するものである。この処理は、図11のステップS6,S10に相当する処理である(図12参照)。
【0049】
移動体位置情報転送処理手段23は、上位サーバ20自身(例えば、上位サーバ20B)の下位サーバ40(例えば、下位サーバ40C)から転送されてきたタグ識別情報β、移動体の位置情報としての下位サーバ40(例えば、下位サーバ40C)についての名前およびIPアドレス、並びに下位サーバ40(例えば、下位サーバ40C)の所管領域への進入時刻を受信したときに、受信したタグ識別情報βについての移動体の位置情報等のデータが、上位サーバ20の移動体位置情報データベース30(図3参照)に記憶されていない場合、すなわちタグ識別情報βについてのデータを初めて受信した場合(例えば、図11のステップS6の場合)には、上位サーバ20のサーバ情報テーブル記憶手段31(図4参照)に記憶されたサーバ情報テーブルを用いて、上位サーバ20自身(例えば、上位サーバ20B)についての名前およびIPアドレスを取得し、タグ識別情報β、移動体の位置情報としての上位サーバ20自身(例えば、上位サーバ20B)についての名前およびIPアドレス、並びに上位サーバ20自身(例えば、上位サーバ20B)の所管領域への進入時刻を、移動体が従属する上位サーバ20(例えば、上位サーバ20A)へネットワーク2(インターネット3)を介して転送する処理を実行するものである。この処理は、図11のステップS7に相当する処理である。なお、移動体位置情報転送処理手段23は、受信したタグ識別情報βについてのデータが、上位サーバ20の移動体位置情報データベース30(図3参照)に既に記憶されている場合、すなわちタグ識別情報βについてのデータを受信したのが初めてではない場合(例えば、図11のステップS10の場合)には、移動体が従属する上位サーバ20(例えば、上位サーバ20A)への転送処理は行わない。
【0050】
また、移動体位置情報転送処理手段23は、他の上位サーバ(例えば、上位サーバ20B)から転送されてきたタグ識別情報β、移動体の位置情報としての他の上位サーバ20(例えば、上位サーバ20B)についての名前およびIPアドレス、並びに他の上位サーバ20(例えば、上位サーバ20B)の所管領域への進入時刻を受信し、これらを上位サーバ20自身(例えば、上位サーバ20A)の下の移動体が従属する下位サーバ40(例えば、下位サーバ40A)へネットワーク2(上位LAN5Aおよび下位LAN7A)を介して転送する処理を実行する。この処理は、図11のステップS8に相当する処理である(図12参照)。
【0051】
上位サーバ滞在時間計測処理手段24は、他の上位サーバ20(例えば、上位サーバ20A)に従属する移動体についての上位サーバ20自身(例えば、上位サーバ20B)の所管領域への滞在時間を、当該所管領域への進入時刻(上位サーバ20自身の下の各下位サーバ40の所管領域のうち最初に進入された下位サーバ40の所管領域への進入時刻)からカウントして計測し、移動体が上位サーバ20自身(例えば、上位サーバ20B)の所管領域から退出した際に、計測した滞在時間を、タグ識別情報βとともに、移動体が従属する他の上位サーバ(例えば、上位サーバ20A)へネットワーク2(インターネット3)を介して送信する処理を実行するものである。この際、上位サーバ20自身(例えば、上位サーバ20B)の所管領域への滞在時間は、当該所管領域への進入時刻から退出時刻までの時間であるが、退出時刻は、移動体(正確には、移動体に装着された無線ICタグ70)が上位サーバ20自身(例えば、上位サーバ20B)の下のいずれの下位サーバ40の所管領域にも滞在していないと判断されたときの時刻、すなわち上位サーバ20自身の下の各下位サーバ40の所管領域のうち最後に滞在していた下位サーバ40の所管領域からの退出時刻(最後に滞在していた下位サーバ40の所管領域への進入時刻に、その下位サーバ40の所管領域への滞在時間を加えて得られる時刻)から予め定められた時間が経過しても上位サーバ20自身の下の他の下位サーバ40への進入がないと判断されたときの時刻である。
【0052】
上位サーバ滞在時間転送処理手段25は、移動体が従属する上位サーバ20自身(例えば、上位サーバ20A)以外の上位サーバ20(例えば、上位サーバ20B)から送信されてきた滞在時間およびタグ識別情報βを受信し、受信した滞在時間およびタグ識別情報βを、上位サーバ20自身(例えば、上位サーバ20A)の下の移動体が従属する下位サーバ40(例えば、下位サーバ40A)へネットワーク2(上位LAN5Aおよび下位LAN7A)を介して転送する処理を実行するものである。
【0053】
下位サーバ滞在時間登録処理手段26は、上位サーバ20自身(例えば、上位サーバ20B)の下の下位サーバ40(例えば、下位サーバ40C)から送信されてきた下位サーバ40(例えば、下位サーバ40C)の所管領域への滞在時間およびタグ識別情報βを受信し、受信した滞在時間を、タグ識別情報β、移動体の位置情報(移動先の上位サーバ20についての名前およびIPアドレス、並びに、移動先の下位サーバ40についての名前およびIPアドレス)、および下位サーバ40(例えば、下位サーバ40C)の所管領域への進入時刻と対応させて上位サーバ20自身(例えば、上位サーバ20B)の移動体位置情報データベース30(図3参照)に記憶させる処理を実行するものである。
【0054】
閲覧処理手段27は、下位サーバ40の閲覧処理手段49と連携し、下位サーバ40からネットワーク2を介して送信されてくる問合せ信号に対し、該当する移動体の位置情報等を、ネットワーク2を介して下位サーバ40へ返信する処理を実行するものである。なお、閲覧処理手段27による処理は、Webサーバを設置し、上位サーバ20のその他の機能を実現する部分を担当するコンピュータと独立したコンピュータにより実現してもよい。
【0055】
具体的には、閲覧処理手段27は、他の上位サーバ20(例えば、上位サーバ20A)の下の下位サーバ40(例えば、下位サーバ40A)からの問合せ信号をタグリーダレベルの精度指定を示す情報とともに受信した場合には、上位サーバ20自身(例えば、上位サーバ20B)の下の下位サーバ40(例えば、下位サーバ40C,40D)に問合せ信号を送信し、上位サーバ20自身(例えば、上位サーバ20B)の下の下位サーバ40(例えば、下位サーバ40C,40D)から返信されてきた該当する移動体の位置情報(上位サーバ20についての名前およびIPアドレス、下位サーバ40についての名前およびIPアドレス、並びに、無線ICタグリーダ60についての名前および設置位置情報)、並びに接続開始時刻および接続時間を受信し、受信した移動体の位置情報等を、ネットワーク2を介して問合せ元の他の上位サーバ20(例えば、上位サーバ20A)の下の下位サーバ40(例えば、下位サーバ40A)へ返信する処理を実行する。この処理は、図13のステップS22〜S27に相当する処理である。
【0056】
また、閲覧処理手段27は、他の上位サーバ20(例えば、上位サーバ20A)の下の下位サーバ40(例えば、下位サーバ40A)からの問合せ信号を下位サーバレベルの精度指定を示す情報とともに受信した場合には、タグ識別情報βを用いて上位サーバ20自身の移動体位置情報データベース30(図3、図12参照)を検索して該当する移動体の位置情報(上位サーバ20についての名前およびIPアドレス、並びに、下位サーバ40についての名前およびIPアドレス)、並びに進入時刻および滞在時間を取得し、取得した移動体の位置情報等を、ネットワーク2を介して問合せ元の他の上位サーバ20(例えば、上位サーバ20A)の下の下位サーバ40(例えば、下位サーバ40A)へ返信する処理を実行する。この処理は、図13のステップS16,S17に相当する処理である。
【0057】
移動体位置情報データベース30は、上位サーバ20自身の下位サーバ40から転送されてきた移動体の位置情報等を記憶するものである。すなわち、移動体位置情報データベース30は、図3に示すように、上位サーバ20自身の所管領域に移動してきた外部からの移動体(上位サーバ20自身に従属しない移動体)について、タグ識別情報β(図9参照)と、移動体の位置情報(移動体が滞在する上位サーバ20自身についての名前およびIPアドレス、並びに、移動体が滞在する下位サーバ40についての名前およびIPアドレス)と、下位サーバ40の所管領域への進入時刻および滞在時間とを、対応させて記憶するものである。なお、移動体位置情報データベース30には、無線ICタグリーダ60についての名前および設置位置名称は記憶されない。また、移動体位置情報データベース30には、上位サーバ20自身に従属する移動体の位置情報は記憶されない。
【0058】
サーバ情報テーブル記憶手段31は、図4に示すように、上位サーバ20自身についての識別子、名前、およびIPアドレスと、上位サーバ20自身の下の下位サーバ40についての識別子、名前、およびIPアドレスと、他の上位サーバ20についての識別子、名前、およびIPアドレスとにより構成されるサーバ情報テーブルを記憶するものである。なお、上位サーバ20に付された名前は、移動体位置追跡システム10の全体で唯一な名前であり、上位サーバ20の識別には、この名前とIPアドレスが使用される。また、下位サーバ40に付された名前は、この下位サーバ40の上位サーバ20下で唯一な名前(但し、システム10の全体で唯一な名前としてもよい。)であり、下位サーバ40の識別には、この名前とIPアドレスが使用される。
【0059】
<下位サーバ40の構成>
【0060】
図2において、各下位サーバ40(40A〜40D)は、それぞれ1台または複数台のコンピュータにより構成され、移動体の位置情報の管理処理を実行する処理手段41と、この処理手段41に接続された移動体位置情報データベース50、タグリーダ情報テーブル記憶手段51、およびサーバ情報テーブル記憶手段52とを備えている。そして、処理手段41は、接続監視処理手段42と、移動体位置情報登録処理手段43と、移動体位置情報転送処理手段44と、接続時間計測処理手段45と、下位サーバ滞在時間計測処理手段46と、下位サーバ滞在時間登録処理手段47と、上位サーバ滞在時間登録処理手段48と、閲覧処理手段49とを含んで構成されている。
【0061】
接続監視処理手段42は、移動体に取り付けられた無線ICタグ70との接続が行われた無線ICタグリーダ60から送信されてくる位置識別情報であるタグリーダ識別子α(図8参照)およびタグ識別情報β(図9参照)を受信する処理を実行するものである。本実施形態では、無線ICタグリーダ60から、例えば毎秒等の所定時間間隔で、タグリーダ識別子αおよびタグ識別情報βが送信されてくるが、接続監視処理手段42が、自身の定めるタイミングで、無線ICタグリーダ60に対して送信要求を行う構成としてもよい。この接続監視処理手段42による処理は、タグ監視サーバを設置し、下位サーバ40のその他の機能を実現する部分を担当するコンピュータと独立したコンピュータにより実現してもよい。
【0062】
移動体位置情報登録処理手段43は、移動体の位置情報およびこれに付帯する接続開始時刻若しくは進入時刻を、タグ識別情報に対応させて下位サーバ40の移動体位置情報データベース50(図5参照)に記憶させる処理を実行するものである。
【0063】
具体的には、移動体位置情報登録処理手段43は、下位サーバ40自身に従属する移動体または他の下位サーバ40に従属する移動体が下位サーバ40自身の所管領域内に進入した場合およびこの所管領域内で移動する場合に、接続監視処理手段42により受信したタグリーダ識別子αから、タグリーダ情報テーブル記憶手段51(図6参照)に記憶されたタグリーダ情報テーブルを用いて、接続が行われた無線ICタグリーダ60についての名前および設置位置名称を取得するとともに、下位サーバ40のサーバ情報テーブル記憶手段52(図7参照)に記憶されたサーバ情報テーブルを用いて、下位サーバ40自身の上位サーバ20についての名前およびIPアドレス、並びに下位サーバ40自身についての名前およびIPアドレスを取得し、取得した移動体の位置情報(下位サーバ40自身の上位サーバ20についての名前およびIPアドレス、下位サーバ40自身についての名前およびIPアドレス、並びに無線ICタグリーダ60についての名前および設置位置名称)および接続開始時刻を、受信したタグ識別情報βと対応させて下位サーバ40の移動体位置情報データベース50(図5参照)に記憶させる処理を実行する。この処理は、図11のステップS1,S2,S3,S5,S9に相当する処理である(図12参照)。
【0064】
また、移動体位置情報登録処理手段43は、下位サーバ40自身(例えば、下位サーバ40A)に従属する移動体が下位サーバ40自身の上位サーバ20(例えば、上位サーバ20A)の下の他の下位サーバ40(例えば、下位サーバ40B)の所管領域内に進入した場合に、移動先の他の下位サーバ40(例えば、下位サーバ40B)から直接に転送されてきたタグ識別情報β、移動先の他の下位サーバ40(例えば、下位サーバ40B)についての名前およびIPアドレス、並びに移動先の他の下位サーバ40(例えば、下位サーバ40B)の所管領域への進入時刻を受信し、下位サーバ40のサーバ情報テーブル記憶手段52(図7参照)に記憶されたサーバ情報テーブルを用いて、移動先の他の下位サーバ40(例えば、下位サーバ40B)の上位サーバ20、すなわち下位サーバ40自身(例えば、下位サーバ40A)の上位サーバ20(例えば、上位サーバ20A)についての名前およびIPアドレスを取得し、移動体の位置情報(移動先の他の下位サーバ40の上位サーバ20についての名前およびIPアドレス、並びに移動先の他の下位サーバ40についての名前およびIPアドレス)および進入時刻を、受信したタグ識別情報βと対応させて下位サーバ40の移動体位置情報データベース50(図5参照)に記憶させる処理を実行する。この処理は、図11のステップS4に相当する処理である(図12参照)。
【0065】
さらに、移動体位置情報登録処理手段43は、下位サーバ40自身(例えば、下位サーバ40A)に従属する移動体が下位サーバ40自身の上位サーバ20以外の上位サーバ20(例えば、上位サーバ20B)の下のいずれかの下位サーバ40(例えば、下位サーバ40C,40Dのいずれか)の所管領域内に進入した場合に、移動先の下位サーバ40(例えば、下位サーバ40C,40Dのいずれか)から移動先の上位サーバ20(例えば、上位サーバ20B)および下位サーバ40自身の上位サーバ20(例えば、上位サーバ20A)を介して転送されてきたタグ識別情報β、移動先の上位サーバ20(例えば、上位サーバ20B)についての名前およびIPアドレス、並びに移動先の上位サーバ20の所管領域への進入時刻を受信し、移動体の位置情報(移動先の上位サーバ20についての名前およびIPアドレス)および進入時刻を、受信したタグ識別情報βと対応させて下位サーバ40の移動体位置情報データベース50(図5参照)に記憶させる処理を実行する。この処理は、図11のステップS8に相当する処理である(図12参照)。
【0066】
移動体位置情報転送処理手段44は、移動体の位置情報およびこれに付帯する進入時刻を、ネットワーク2を介して下位サーバ40自身の上位サーバ20の下の移動体が従属する下位サーバ40へ直接に転送する処理、およびネットワーク2を介して下位サーバ40自身の上位サーバ20へ転送する処理を実行するものである。
【0067】
具体的には、移動体位置情報転送処理手段44は、接続監視処理手段42により受信したタグ識別情報β(図9参照)に含まれる、接続された無線ICタグ70を取り付けた移動体の従属する上位サーバの識別子β1および下位サーバの識別子β2と、下位サーバ40のサーバ情報テーブル記憶手段52(図7参照)に記憶されたサーバ情報テーブルにおける各サーバの識別子とを用いて、比較処理を行い、下位サーバ40自身の所管領域内に進入した移動体が、下位サーバ40自身に従属するのか、下位サーバ40自身の上位サーバ20の下の他の下位サーバ40に従属するのか、または下位サーバ40自身の上位サーバ20以外のいずれかの上位サーバ20に従属するのかを判断する処理を実行する。
【0068】
そして、移動体位置情報転送処理手段44は、下位サーバ40自身(例えば、下位サーバ40B)の所管領域内に進入した移動体が、下位サーバ40自身(例えば、下位サーバ40B)の上位サーバ20の下の他の下位サーバ40(例えば、下位サーバ40A)に従属する場合には、タグ識別情報β、移動体の位置情報としての下位サーバ40自身(例えば、下位サーバ40B)についての名前およびIPアドレス、並びに下位サーバ40自身(例えば、下位サーバ40B)の所管領域への進入時刻(下位サーバ40自身の所管領域内に設置された各無線ICタグリーダ60のうち最初に接続された無線ICタグリーダ60への接続開始時刻)を、移動体が従属する下位サーバ40(例えば、下位サーバ40A)へネットワーク2(上位LAN5Aおよび下位LAN7A,7B)を介して直接に転送する処理を実行する。この処理は、図11のステップS4に相当する処理である(図12参照)。
【0069】
また、移動体位置情報転送処理手段44は、下位サーバ40自身(例えば、下位サーバ40C)の所管領域内に進入した移動体が、下位サーバ40自身(例えば、下位サーバ40C)の上位サーバ20以外のいずれかの上位サーバ20に従属する場合には、タグ識別情報β、移動体の位置情報としての下位サーバ40自身(例えば、下位サーバ40C)についての名前およびIPアドレス、並びに下位サーバ40自身(例えば、下位サーバ40C)の所管領域への進入時刻(下位サーバ40自身の所管領域内に設置された各無線ICタグリーダ60のうち最初に接続された無線ICタグリーダ60への接続開始時刻)を、下位サーバ40自身(例えば、下位サーバ40C)の上位サーバ20(例えば、上位サーバ20B)へネットワーク2(上位LAN5Bおよび下位LAN7C)を介して転送する処理を実行する。この処理は、図11のステップS6,S10に相当する処理である(図12参照)。なお、移動体位置情報転送処理手段44による判断処理では、タグ識別情報βからでは、下位サーバ40自身(例えば、下位サーバ40C)の所管領域内に進入した移動体が、下位サーバ40自身(例えば、下位サーバ40C)の上位サーバ20(例えば、上位サーバ20B)以外のいずれかの上位サーバ20に従属するということは判断できるものの、移動体が従属する上位サーバ20についての名前やIPアドレスを特定することはできないため、上記のように、下位サーバ40自身の上位サーバ20への転送処理を行うようになっている。
【0070】
なお、移動体位置情報転送処理手段44は、下位サーバ40自身の所管領域内に進入した移動体が、下位サーバ40自身に従属する場合には、転送処理は行わない。
【0071】
接続時間計測処理手段45は、接続監視処理手段42から接続の有無を示す情報を受け取り、下位サーバ40自身の所管領域内に設置された各無線ICタグリーダ60への接続時間を、接続開始時刻からカウントして計測し、下位サーバ40自身に従属する移動体または他の下位サーバ40に従属する移動体が下位サーバ40自身の所管領域内に設置された各無線ICタグリーダ60のカバー範囲から退出した際に、計測した接続時間(接続開始時刻から退出時刻までの時間)を、タグ識別情報β、移動体の位置情報(下位サーバ40自身の上位サーバ20についての名前およびIPアドレス、下位サーバ40自身についての名前およびIPアドレス、並びに無線ICタグリーダ60についての名前および設置位置名称)、および接続開始時刻と対応させて下位サーバ40の移動体位置情報データベース50(図5参照)に記憶させる処理を実行するものである。この際、接続時間は、接続開始時刻から退出時刻までの時間であるが、退出時刻は、接続監視処理手段42によりその無線ICタグリーダ60からのタグ識別情報β等のデータの受信が最初に得られなくなった時刻としてもよく、あるいは最初に得られなくなった時刻から予め定められた時間間隔(無線ICタグリーダ60からのデータ送信の時間間隔)が経過してもその無線ICタグリーダ60との接続を確認することができなかった場合におけるその経過時刻としてもよい。
【0072】
下位サーバ滞在時間計測処理手段46は、下位サーバ40自身(例えば、下位サーバ40B)の上位サーバ20の下の他の下位サーバ40(例えば、下位サーバ40A)に従属する移動体についての下位サーバ40自身(例えば、下位サーバ40B)の所管領域への滞在時間を、当該所管領域への進入時刻(当該所管領域内に設置された各無線ICタグリーダ60のうち最初に接続した無線ICタグリーダ60との接続開始時刻)からカウントして計測し、移動体が下位サーバ40自身(例えば、下位サーバ40B)の所管領域から退出した際に、計測した滞在時間(進入時刻から退出時刻までの時間)を、タグ識別情報βとともに、移動体が従属する他の下位サーバ40(例えば、下位サーバ40A)へネットワーク2(上位LAN5Aおよび下位LAN7A,7B)を介して直接に送信する処理を実行するものである。この際、滞在時間は、進入時刻から退出時刻までの時間であるが、退出時刻は、接続監視処理手段42によりいずれの無線ICタグリーダ60からのタグ識別情報β等のデータの受信も得られなくなった最初の時刻としてもよく、あるいは最初の時刻から予め定められた時間間隔(無線ICタグリーダ60からのデータ送信の時間間隔)が経過してもいずれの無線ICタグリーダ60との接続も確認することができなかった場合におけるその経過時刻としてもよい。
【0073】
また、下位サーバ滞在時間計測処理手段46は、下位サーバ40自身(例えば、下位サーバ40C)の上位サーバ20以外の上位サーバ20(例えば、上位サーバ20A)に従属する移動体についての下位サーバ40自身(例えば、下位サーバ40C)の所管領域への滞在時間を、当該所管領域への進入時刻(当該所管領域内に設置された各無線ICタグリーダ60のうち最初に接続した無線ICタグリーダ60との接続開始時刻)からカウントして計測し、移動体が下位サーバ40自身(例えば、下位サーバ40C)の所管領域から退出した際に、計測した滞在時間を、タグ識別情報βとともに、下位サーバ40自身(例えば、下位サーバ40C)の上位サーバ20(例えば、上位サーバ20B)へネットワーク2(上位LAN5Bおよび下位LAN7C)を介して送信する処理を実行する。
【0074】
下位サーバ滞在時間登録処理手段47は、移動体の従属する下位サーバ40自身(例えば、下位サーバ40A)の上位サーバ20の下の他の下位サーバ40(例えば、下位サーバ40B)から転送されてきた滞在時間およびタグ識別情報βを受信し、受信した滞在時間を、タグ識別情報β、移動体の位置情報(移動先の下位サーバ40の上位サーバ20についての名前およびIPアドレス、並びに移動先の下位サーバ40についての名前およびIPアドレス)、および移動先の下位サーバ40の所管領域への進入時刻に対応させて下位サーバ40自身(例えば、下位サーバ40A)の移動体位置情報データベース50(図5参照)に記憶させる処理を実行するものである。
【0075】
上位サーバ滞在時間登録処理手段48は、下位サーバ40自身(例えば、下位サーバ40A)の上位サーバ20(例えば、上位サーバ20A)から転送されてきた移動先の上位サーバ20(例えば、上位サーバ20B)の所管領域への滞在時間およびタグ識別情報βを受信し、受信した滞在時間を、タグ識別情報β、移動体の位置情報としての移動先の上位サーバ20(例えば、上位サーバ20B)についての名前およびIPアドレス、並びに移動先の上位サーバ20(例えば、上位サーバ20B)の所管領域への進入時刻に対応させて下位サーバ40自身(例えば、下位サーバ40A)の移動体位置情報データベース50(図5参照)に記憶させる処理を実行するものである。
【0076】
閲覧処理手段49は、利用者端末装置80からの移動体の現在位置情報および/または移動履歴情報に関する位置情報の検索要求信号として、利用者端末装置80で入力されたタグ識別情報βまたは移動体識別情報を受信し、移動体識別情報を受信した場合には、図示されない変換テーブル記憶手段に記憶された変換テーブル(タグ識別情報βと移動体識別情報との対応関係を定めるテーブル)を用いて、移動体識別情報をタグ識別情報βに変換し、受信したタグ識別情報βまたは変換して得られたタグ識別情報βを用いて、下位サーバ40の移動体位置情報データベース50(図5参照)を検索し、さらに、必要な場合には、上位サーバ20の閲覧処理手段27に対して上位サーバ20の移動体位置情報データベース30(図3参照)の検索要求を行い、検索して得られた移動体の位置情報等のデータを、ネットワーク2を介して利用者端末装置80へ送信する処理を実行するものである。この際、利用者端末装置80からの移動体の位置情報の検索要求信号は、追跡対象となる移動体が従属する下位サーバ40に対して送信される。また、移動履歴情報の検索では、利用者端末装置80で入力された移動履歴情報の期間の指定も受け付け、その期間内の位置情報等のデータを移動体位置情報データベース30,50(図3、図5参照)から抽出するようにしてもよい。なお、閲覧処理手段49による処理は、Webサーバを設置し、下位サーバ40のその他の機能を実現する部分を担当するコンピュータと独立したコンピュータにより実現してもよい。また、閲覧処理手段49による処理は、メールサーバを設置し、移動体の位置情報を電子メールで利用者端末装置80へ送信することにより実現してもよい。
【0077】
ここで、移動体識別情報としては、例えば、移動体が学生や社員であれば、学生や社員の名前、電話番号、学籍番号や社員コード等を採用することができ、移動体が物であれば、移動体名称、製造番号等を採用することができる。なお、移動体識別情報は、タグ識別情報βと同じものとしてもよく、この場合には、変換テーブルによる変換処理を行う必要はない。
【0078】
具体的には、閲覧処理手段49は、利用者端末装置80からの下位サーバ40自身に従属する移動体の位置情報の検索要求信号として、無線ICタグリーダ60のカバー範囲までの位置情報の表示を要求するタグリーダレベルの精度指定と、下位サーバ40の所管領域までの位置情報の表示を要求する下位サーバレベルの精度指定と、上位サーバ20の所管領域までの位置情報の表示を要求する上位サーバレベルの精度指定との3種類の精度指定、並びに精度指定なしの4つ選択肢の中からの位置情報利用者による選択情報を、ネットワーク2を介して受信する処理を実行する。
【0079】
そして、閲覧処理手段49は、タグリーダレベルの精度指定を受け付けた場合において、下位サーバ40自身の所管領域内の位置情報については、タグ識別情報βを用いて下位サーバ40自身の移動体位置情報データベース50(図5、図12参照)を検索して該当する移動体の位置情報(上位サーバ20についての名前およびIPアドレス、下位サーバ40についての名前およびIPアドレス、並びに、無線ICタグリーダ60についての名前および設置位置情報)、並びに接続開始時刻および接続時間を取得し、取得した移動体の位置情報等を、ネットワーク2を介して利用者端末装置80へ送信する処理を実行する。この処理は、図13のステップS19,S28に相当する処理である。
【0080】
また、閲覧処理手段49は、タグリーダレベルの精度指定を受け付けた場合において、下位サーバ40自身(例えば、下位サーバ40A)の上位サーバ20の下の他の下位サーバ40(例えば、下位サーバ40B)の所管領域内の位置情報については、他の下位サーバ40(例えば、下位サーバ40B)に問合せ信号を送信し、他の下位サーバ40(例えば、下位サーバ40B)から返信されてきた該当する移動体の位置情報(上位サーバ20についての名前およびIPアドレス、下位サーバ40についての名前およびIPアドレス、並びに、無線ICタグリーダ60についての名前および設置位置情報)、並びに接続開始時刻および接続時間を受信し、受信した移動体の位置情報等を、ネットワーク2を介して利用者端末装置80へ送信する処理を実行する。この際の問合せ処理は、図13のステップS20,S21に相当する処理である。
【0081】
さらに、閲覧処理手段49は、タグリーダレベルの精度指定を受け付けた場合において、下位サーバ40自身(例えば、下位サーバ40A)の上位サーバ20以外の上位サーバ20(例えば、上位サーバ20B)の所管領域内の位置情報については、下位サーバ40自身の上位サーバ20以外の上位サーバ20(例えば、上位サーバ20B)に問合せ信号を送信し、下位サーバ40自身の上位サーバ20以外の上位サーバ20(例えば、上位サーバ20B)から返信されてきた該当する移動体の位置情報(上位サーバ20についての名前およびIPアドレス、下位サーバ40についての名前およびIPアドレス、並びに、無線ICタグリーダ60についての名前および設置位置情報)、並びに接続開始時刻および接続時間を受信し、受信した移動体の位置情報等を、ネットワーク2を介して利用者端末装置80へ送信する処理を実行する。この際の問合せ処理は、図13のステップS22,S27に相当する処理である。
【0082】
そして、閲覧処理手段49は、下位サーバレベルの精度指定を受け付けた場合において、下位サーバ40自身(例えば、下位サーバ40A)の所管領域内の位置情報および下位サーバ40自身の上位サーバ20の下の他の下位サーバ40(例えば、下位サーバ40B)の所管領域内の位置情報については、タグ識別情報βを用いて下位サーバ40自身(例えば、下位サーバ40A)の移動体位置情報データベース50(図5、図12参照)を検索して該当する移動体の位置情報(上位サーバ20についての名前およびIPアドレス、並びに、下位サーバ40についての名前およびIPアドレス)を取得し、取得した移動体の位置情報を、ネットワーク2を介して利用者端末装置80へ送信する処理を実行する。この処理は、図13のステップS15,S18に相当する処理である。なお、下位サーバ40自身(例えば、下位サーバ40A)の移動体位置情報データベース50(図5、図12参照)には、下位サーバレベルの位置情報までであれば、下位サーバ40自身の上位サーバ20の下の他の下位サーバ40(例えば、下位サーバ40B)の所管領域内の位置情報についても記憶されているので、下位サーバ40自身の上位サーバ20の下の他の下位サーバ40(例えば、下位サーバ40B)への問合せ処理を行う必要はない。
【0083】
また、閲覧処理手段49は、下位サーバレベルの精度指定を受け付けた場合において、下位サーバ40自身(例えば、下位サーバ40A)の上位サーバ20以外の上位サーバ20(例えば、上位サーバ20B)の所管領域内の位置情報については、下位サーバ40自身の上位サーバ20以外の上位サーバ20(例えば、上位サーバ20B)に問合せ信号を送信し、下位サーバ40自身の上位サーバ20以外の上位サーバ20(例えば、上位サーバ20B)から返信されてきた該当する移動体の位置情報(上位サーバ20についての名前およびIPアドレス、並びに、下位サーバ40についての名前およびIPアドレス)を受信し、受信した移動体の位置情報を、ネットワーク2を介して利用者端末装置80へ送信する処理を実行する。この際の問合せ処理は、図13のステップS16,S17に相当する処理である。
【0084】
そして、閲覧処理手段49は、上位サーバレベルの精度指定を受け付けた場合において、下位サーバ40自身の所管領域内の位置情報、下位サーバ40自身の上位サーバ20の下の他の下位サーバ40の所管領域内の位置情報、および下位サーバ40自身の上位サーバ20以外の上位サーバ20の所管領域内の位置情報のいずれについても、タグ識別情報βを用いて下位サーバ40自身(例えば、下位サーバ40A)の移動体位置情報データベース50(図5、図12参照)を検索して該当する移動体の位置情報(上位サーバ20についての名前およびIPアドレス)を取得し、取得した移動体の位置情報を、ネットワーク2を介して利用者端末装置80へ送信する処理を実行する。この処理は、図13のステップS13,S14に相当する処理である。なお、下位サーバ40自身(例えば、下位サーバ40A)の移動体位置情報データベース50(図5、図12参照)には、上位サーバレベルの位置情報までであれば、いずれの所管領域内の位置情報も記憶されているので、他のサーバへの問合せ処理を行う必要はない。
【0085】
また、閲覧処理手段49は、精度指定なしの選択情報を受け付けた場合には、タグ識別情報βを用いて下位サーバ40自身(例えば、下位サーバ40A)の移動体位置情報データベース50(図5、図12参照)を検索して該当する移動体の位置情報等のデータをそのまま取得し(記憶されているデータを、位置の精度に関係なく、そのまま取得し)、取得した移動体の位置情報等のデータを、ネットワーク2を介して利用者端末装置80へ送信する処理を実行する。この処理は、図13のステップS11,S12に相当する処理である。従って、閲覧対象の移動体が従属する下位サーバ40自身の所管領域内の位置情報については、移動体の位置情報(移動体が滞在する上位サーバ20についての名前およびIPアドレス、移動体が滞在する下位サーバ40についての名前およびIPアドレス、並びに、接続された無線ICタグリーダ60についての名前および設置位置名称)と、無線ICタグリーダ60への接続開始時刻および接続時間とが、利用者端末装置80に表示される。また、閲覧対象の移動体が従属する下位サーバ40自身の上位サーバ20の下の他の下位サーバ40の所管領域内の位置情報については、移動体の位置情報(移動体が滞在する上位サーバ20についての名前およびIPアドレス、並びに、移動体が滞在する下位サーバ40についての名前およびIPアドレス)と、移動先の下位サーバ40の所管領域への進入時刻および滞在時間とが、利用者端末装置80に表示される。さらに、閲覧対象の移動体が従属する下位サーバ40自身の上位サーバ20以外の上位サーバ20の所管領域内の位置情報については、移動体の位置情報(移動体が滞在する上位サーバ20についての名前およびIPアドレス)と、移動先の上位サーバ20の所管領域への進入時刻および滞在時間とが、利用者端末装置80に表示される。
【0086】
さらに、閲覧処理手段49は、下位サーバ40自身(例えば、下位サーバ40Cまたは下位サーバ40D)の上位サーバ20(例えば、上位サーバ20B)からの問合せ信号をタグリーダレベルの精度指定を示す情報とともに受信した場合には、タグ識別情報βを用いて下位サーバ40自身(例えば、下位サーバ40Cまたは下位サーバ40D)の移動体位置情報データベース50(図5、図12参照)を検索して該当する移動体の位置情報(上位サーバ20についての名前およびIPアドレス、下位サーバ40についての名前およびIPアドレス、並びに、無線ICタグリーダ60についての名前および設置位置情報)、並びに接続開始時刻および接続時間を取得し、取得した移動体の位置情報等を、ネットワーク2を介して問合せ元の上位サーバ20(例えば、上位サーバ20B)へ返信する処理を実行する。この処理は、図13のステップS23〜S26に相当する処理である。
【0087】
また、閲覧処理手段49は、下位サーバ40自身(例えば、下位サーバ40B)の上位サーバ20の下の他の下位サーバ40(例えば、下位サーバ40A)からの問合せ信号をタグリーダレベルの精度指定を示す情報とともに受信した場合には、タグ識別情報βを用いて下位サーバ40自身(例えば、下位サーバ40B)の移動体位置情報データベース50(図5、図12参照)を検索して該当する移動体の位置情報(上位サーバ20についての名前およびIPアドレス、下位サーバ40についての名前およびIPアドレス、並びに、無線ICタグリーダ60についての名前および設置位置情報)、並びに接続開始時刻および接続時間を取得し、取得した移動体の位置情報等を、ネットワーク2を介して問合せ元の他の下位サーバ40(例えば、下位サーバ40A)へ返信する処理を実行する。この処理は、図13のステップS20,S21に相当する処理である。
【0088】
移動体位置情報データベース50は、図5に示すように、下位サーバ40自身の所管領域内に進入した下位サーバ40自身に従属する移動体、下位サーバ40自身の所管領域内に進入した他の下位サーバ40に従属する移動体、および、他の下位サーバ40の所管領域内に進入した下位サーバ40自身に従属する移動体について、タグ識別情報β(図9参照)と、移動体の位置情報(移動体が滞在する上位サーバ20についての名前およびIPアドレス、移動体が滞在する下位サーバ40についての名前およびIPアドレス、並びに、接続された無線ICタグリーダ60についての名前および設置位置名称)と、無線ICタグリーダ60への接続開始時刻および接続時間、または上位サーバ20若しくは下位サーバ40の所管領域への進入時刻および滞在時間とを、対応させて記憶するものである。
【0089】
より具体的には、移動体位置情報データベース50は、移動体がこの移動体の従属する下位サーバ40の所管領域に移動した場合およびこの所管領域内で移動する場合には、タグ識別情報β(図9参照)と、移動体の位置情報(移動体が滞在する上位サーバ20についての名前およびIPアドレス、移動体が滞在する下位サーバ40についての名前およびIPアドレス、並びに、接続された無線ICタグリーダ60についての名前および設置位置名称)と、無線ICタグリーダ60への接続開始時刻および接続時間とを記憶する。また、移動体位置情報データベース50は、移動体がこの移動体の従属する下位サーバ40の上位サーバ20の下の他の下位サーバ40の所管領域に移動した場合には、タグ識別情報β(図9参照)と、移動体の位置情報(移動体が滞在する上位サーバ20についての名前およびIPアドレス、並びに、移動体が滞在する下位サーバ40についての名前およびIPアドレス)と、移動先の下位サーバ40の所管領域への進入時刻および滞在時間とを記憶する。さらに、移動体位置情報データベース50は、移動体がこの移動体の従属する上位サーバ20以外の上位サーバ20の所管領域に移動した場合には、タグ識別情報β(図9参照)と、移動体の位置情報(移動体が滞在する上位サーバ20についての名前およびIPアドレス)と、移動先の上位サーバ20の所管領域への進入時刻および滞在時間とを記憶する。
【0090】
タグリーダ情報テーブル記憶手段51は、図6に示すように、下位サーバ40自身の所管領域内に設置された各無線ICタグリーダ60について、無線ICタグリーダ60を識別するタグリーダ識別子αと、無線ICタグリーダ60についての名前および設置位置名称との対応関係を定めたタグリーダ情報テーブルを記憶するものである。なお、無線ICタグリーダ60の名前は、下位サーバ40の上位サーバ20下で唯一な名前であればよいが、移動体位置追跡システム10の全体で唯一の名前としてもよい。
【0091】
サーバ情報テーブル記憶手段52は、図7に示すように、下位サーバ40自身についての識別子、名前、およびIPアドレスと、下位サーバ40自身の上位サーバ20についての識別子、名前、およびIPアドレスと、下位サーバ40自身の上位サーバ20の下の他の下位サーバ40についての識別子、名前、およびIPアドレスとにより構成されるサーバ情報テーブルを記憶するものである。
【0092】
<無線ICタグリーダ60の構成>
【0093】
図2において、各無線ICタグリーダ60(60A〜60H)は、例えば、管理施設や大学構内の建物等の屋内および廊下や、道路の路肩および電柱などに配置されるものであり、接続された無線ICタグ70から無線通信により送信されてくるタグ識別情報β(図9参照)を受信する処理を実行するタグ識別情報受信処理手段61と、このタグ識別情報受信処理手段61により受信したタグ識別情報β(図9参照)およびタグリーダ識別子α(図8参照)を、自身を管轄する下位サーバ40へネットワーク2(下位LAN7A〜7Dのいずれか)を介して送信する処理を実行する接続情報送信処理手段62と、タグリーダ情報(位置識別情報として機能する無線ICタグリーダ60を識別するタグリーダ識別子α、およびその無線ICタグリーダ60自身を管轄する下位サーバ40のIPアドレス)を記憶するタグリーダ情報記憶手段63(図8参照)とを備えて構成されている。
【0094】
接続情報送信処理手段62は、例えば毎秒等の所定時間間隔で、タグリーダ情報記憶手段63(図8参照)に記憶されたタグリーダ識別子αおよび無線ICタグ70から受信したタグ識別情報β(図9参照)を、タグリーダ情報記憶手段63(図8参照)にIPアドレスが記憶されている下位サーバ40へ送信する。なお、下位サーバ40への送信は、無線ICタグ70と接続されているときだけ行ってもよく、無線ICタグ70と接続されていないときには非接続状態を示すデータを送信して常に送信を行うようにしてもよい。また、下位サーバ40からの送信要求に応じ、送信するようにしてもよい。
【0095】
<無線ICタグ70の構成>
【0096】
図2において、無線ICタグ70は、移動体に取り付けられるものであり、無線ICタグリーダ60に接近したときに、その無線ICタグリーダ60に対し、無線通信によりタグ識別情報β(図9参照)を送信する処理を実行するタグ識別情報送信処理手段71と、タグ識別情報βを記憶するタグ識別情報記憶手段72とを備えて構成されている。
【0097】
タグ識別情報βは、図9に示すように、無線ICタグ70を取り付けた移動体が従属する特定の1つの上位サーバ20の識別子β1と、この上位サーバ20の下の移動体が従属する特定の1つの下位サーバ40の識別子β2と、無線ICタグ70を識別するタグ識別子β3とにより構成されている。なお、無線ICタグ70は、自らの電源を持たず、無線ICタグリーダ60からの発信を受け、そのエネルギでタグ識別情報βを無線ICタグリーダ60に返信するものであるが、無線ICタグ70を電源を有するものとし、無線ICタグリーダ60へのタグ識別情報βの送信を自ら行うものとしてもよい。
【0098】
<利用者端末装置80の構成>
利用者端末装置80は、位置情報の利用者の操作する端末装置であり、コンピュータにより構成され、例えばマウスやキーボード等の入力手段と、例えば液晶ディスプレイやCRTディスプレイ等の表示手段と、印刷手段とを備えている。この利用者端末装置80には、閲覧用プログラム(Webブラウザ等)が搭載されている。
【0099】
以上において、上位サーバ20の処理手段21に含まれる各処理手段22〜27、および下位サーバ40の処理手段41に含まれる各処理手段42〜49は、上位サーバ20および下位サーバ40を構成する各コンピュータ本体の内部に設けられた中央演算処理装置(CPU)、およびこのCPUの動作手順を規定する1つまたは複数のプログラムにより実現される。
【0100】
また、上位サーバ20の移動体位置情報データベース30およびサーバ情報テーブル記憶手段31、並びに、下位サーバ40の移動体位置情報データベース50、タグリーダ情報テーブル記憶手段51、およびサーバ情報テーブル記憶手段52としては、例えば、ハードディスク、ROM、EEPROM、フラッシュ・メモリ、RAM、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、FD、磁気テープ、あるいはこれらの組合せ等を採用することができる。
【0101】
さらに、上位サーバ20および下位サーバ40は、1台のコンピュータあるいは1つのCPUにより実現されるものに限定されず、複数のコンピュータあるいは複数のCPUで分散処理を行うことにより実現されるものであってもよい。
【0102】
このような本実施形態においては、以下のようにして移動体位置追跡システム10により移動体の位置情報の管理処理および閲覧・検索処理が実現される。
【0103】
図10に示すように、無線ICタグ70を取り付けた移動体1が、A大学の上位サーバ20Aの所管領域内およびB大学の上位サーバ20Bの所管領域内を移動する場合について説明する。なお、移動体1は、A大学の上位サーバ20AおよびA大学のX学科の下位サーバ40Aに従属するものとする。
【0104】
図11において、先ず、移動体1がこの移動体1の従属する下位サーバ40Aの所管領域内に移動し、移動体1に取り付けられた無線ICタグ70が、下位サーバ40Aの所管領域内に設置された無線ICタグリーダ60Aに接続したとする。このとき、無線ICタグ70から無線ICタグリーダ60Aへ、タグ識別情報β(図9参照)が無線で送信され、無線ICタグリーダ60Aから下位サーバ40Aへ、タグリーダ識別子α(図8参照)およびタグ識別情報βが、ネットワーク2(下位LAN7A)を介して送信される。下位サーバ40Aでは、接続監視処理手段42により、無線ICタグリーダ60Aから送信されてくるタグリーダ識別子αおよびタグ識別情報βを受信する。
【0105】
続いて、下位サーバ40Aでは、移動体位置情報登録処理手段43により、接続監視処理手段42から受け取ったタグリーダ識別子αから、タグリーダ情報テーブル記憶手段51(図6参照)に記憶されたタグリーダ情報テーブルを用いて、接続が行われた無線ICタグリーダ60Aについての名前および設置位置名称を取得するとともに、下位サーバ40Aのサーバ情報テーブル記憶手段52(図7参照)に記憶されたサーバ情報テーブルを用いて、下位サーバ40Aの上位サーバ20Aについての名前およびIPアドレス、並びに下位サーバ40Aについての名前およびIPアドレスを取得し、取得した移動体の位置情報(上位サーバ20Aについての名前およびIPアドレス、下位サーバ40Aについての名前およびIPアドレス、並びに無線ICタグリーダ60Aについての名前および設置位置名称)および無線ICタグリーダ60Aとの接続開始時刻を、接続監視処理手段42から受け取ったタグ識別情報βと対応させて下位サーバ40Aの移動体位置情報データベース50(図5、図12参照)に記憶させる(ステップS1)。
【0106】
その後、図10に示すように、移動体1がこの移動体1の従属する下位サーバ40Aの所管領域内で移動し、移動体1に取り付けられた無線ICタグ70が、下位サーバ40Aの所管領域内に設置された別の無線ICタグリーダ60Bに接続したとする。このときも、前述した無線ICタグリーダ60Aと接続した場合と同様に、下位サーバ40Aでは、接続監視処理手段42により、無線ICタグリーダ60Bから送信されてくるタグリーダ識別子αおよびタグ識別情報βを受信する。
【0107】
続いて、下位サーバ40Aでは、前述した無線ICタグリーダ60Aと接続した場合と同様にして、移動体位置情報登録処理手段43により、接続が行われた無線ICタグリーダ60Bについての名前および設置位置名称を取得し、取得した移動体の位置情報(上位サーバ20Aについての名前およびIPアドレス、下位サーバ40Aについての名前およびIPアドレス、並びに無線ICタグリーダ60Bについての名前および設置位置名称)および無線ICタグリーダ60Bとの接続開始時刻を、タグ識別情報βと対応させて下位サーバ40Aの移動体位置情報データベース50(図5、図12参照)に記憶させる(図11のステップS2)。
【0108】
また、接続時間計測処理手段45により、接続監視処理手段42から接続の有無を示す情報を受け取り、下位サーバ40Aの所管領域内に設置された各無線ICタグリーダ60A,60Bとの接続時間をそれぞれ計測し、移動体1が各無線ICタグリーダ60A,60Bのそれぞれのカバー範囲から退出した際に、計測した接続時間を、タグ識別情報β、移動体の位置情報(上位サーバ20Aについての名前およびIPアドレス、下位サーバ40Aについての名前およびIPアドレス、並びに無線ICタグリーダ60A,60Bについての名前および設置位置名称)、および無線ICタグリーダ60A,60Bとの接続開始時刻と対応させて、下位サーバ40Aの移動体位置情報データベース50(図5参照)に記憶させる。
【0109】
その後、図10に示すように、移動体1が下位サーバ40Bの所管領域へ移動し、移動体1に取り付けられた無線ICタグ70が、下位サーバ40Bの所管領域内に設置された無線ICタグリーダ60Dに接続したとする。このときも、前述した無線ICタグリーダ60A,60Bと接続した場合と同様に、下位サーバ40Bでは、接続監視処理手段42により、無線ICタグリーダ60Dから送信されてくるタグリーダ識別子αおよびタグ識別情報βを受信する。
【0110】
続いて、下位サーバ40Bでは、前述した無線ICタグリーダ60A,60Bと接続した場合と同様にして、移動体位置情報登録処理手段43により、接続が行われた無線ICタグリーダ60Dについての名前および設置位置名称を取得し、取得した移動体の位置情報(上位サーバ20Aについての名前およびIPアドレス、下位サーバ40Bについての名前およびIPアドレス、並びに無線ICタグリーダ60Dについての名前および設置位置名称)および無線ICタグリーダ60Dとの接続開始時刻を、タグ識別情報βと対応させて下位サーバ40Bの移動体位置情報データベース50(図5、図12参照)に記憶させる(図11のステップS3)。
【0111】
それから、下位サーバ40Bでは、移動体位置情報転送処理手段44により、接続監視処理手段42により受信したタグ識別情報β(図9参照)に含まれる移動体1の従属する上位サーバ20Aの識別子β1および下位サーバ40Aの識別子β2と、下位サーバ40Bのサーバ情報テーブル記憶手段52(図7参照)に記憶されたサーバ情報テーブルにおける各サーバの識別子とを用いて、比較処理を行い、下位サーバ40Bの所管領域内に進入した移動体1が、下位サーバ40B自身に従属するのか、下位サーバ40B自身の上位サーバ20Aの下の他の下位サーバ40Aに従属するのか、または下位サーバ40B自身の上位サーバ20A以外のいずれかの上位サーバ20に従属するのかを判断する。ここでは、移動体1は、下位サーバ40B自身の上位サーバ20Aの下の他の下位サーバ40Aに従属すると判断される。なお、このような判断処理は、前述したステップS1,S2の位置情報の登録処理後にも行っているが、移動体1が自身に従属するという判断がなされた結果、転送処理は行われていない。
【0112】
そして、移動体位置情報転送処理手段44により、移動体1が下位サーバ40B自身の上位サーバ20Aの下の他の下位サーバ40Aに従属すると判断した場合には、タグ識別情報β、移動体の位置情報としての下位サーバ40B自身についての名前およびIPアドレス、並びに下位サーバ40B自身の所管領域への進入時刻(無線ICタグリーダ60Dとの接続開始時刻)を、移動体1が従属する下位サーバ40Aへネットワーク2(上位LAN5Aおよび下位LAN7A,7B)を介して直接に転送する(ステップS4)。
【0113】
また、下位サーバ40Bでは、下位サーバ滞在時間計測処理手段46により、移動体1についての下位サーバ40B自身の所管領域への滞在時間を計測し、移動体1が下位サーバ40B自身の所管領域から退出した際に、計測した滞在時間を、移動体1が従属する下位サーバ40Aへネットワーク2(上位LAN5Aおよび下位LAN7A,7B)を介して直接に送信する。
【0114】
続いて、移動体1が従属する下位サーバ40Aでは、移動体位置情報登録処理手段43により、移動先の下位サーバ40Bから直接に転送されてきたタグ識別情報β、移動先の下位サーバ40Bについての名前およびIPアドレス、並びに移動先の下位サーバ40Bの所管領域への進入時刻を受信し、下位サーバ40Aのサーバ情報テーブル記憶手段52(図7参照)に記憶されたサーバ情報テーブルを用いて、移動先の下位サーバ40Bの上位サーバ20A、すなわち下位サーバ40A自身の上位サーバ20Aについての名前およびIPアドレスを取得し、移動体の位置情報(上位サーバ20Aについての名前およびIPアドレス、並びに、下位サーバ40Bについての名前およびIPアドレス)および下位サーバ40Bの所管領域への進入時刻を、受信したタグ識別情報βと対応させて、下位サーバ40Aの移動体位置情報データベース50(図5、図12参照)に記憶させる(図11のステップS4)。
【0115】
また、移動体1が従属する下位サーバ40Aでは、下位サーバ滞在時間登録処理手段47により、下位サーバ40Bから転送されてきた下位サーバ40Bの所管領域への滞在時間を受信し、受信した滞在時間を、タグ識別情報β、移動体の位置情報(上位サーバ20Aについての名前およびIPアドレス、並びに、下位サーバ40Bについての名前およびIPアドレス)、および下位サーバ40Bの所管領域への進入時刻に対応させて、下位サーバ40A自身の移動体位置情報データベース50(図5、図12参照)に記憶させる。
【0116】
その後、図10に示すように、移動体1が上位サーバ20Bの下の下位サーバ40Cの所管領域へ移動し、移動体1に取り付けられた無線ICタグ70が、下位サーバ40Cの所管領域内に設置された無線ICタグリーダ60Fに接続したとする。このときも、前述した無線ICタグリーダ60A,60B,60Dと接続した場合と同様に、下位サーバ40Cでは、接続監視処理手段42により、無線ICタグリーダ60Fから送信されてくるタグリーダ識別子αおよびタグ識別情報βを受信する。
【0117】
続いて、下位サーバ40Cでは、前述した無線ICタグリーダ60A,60B,60Dと接続した場合と同様にして、移動体位置情報登録処理手段43により、接続が行われた無線ICタグリーダ60Fについての名前および設置位置名称を取得するとともに、下位サーバ40Cのサーバ情報テーブル記憶手段52(図7参照)に記憶されたサーバ情報テーブルを用いて、下位サーバ40Cの上位サーバ20Bについての名前およびIPアドレス、並びに下位サーバ40Cについての名前およびIPアドレスを取得し、取得した移動体の位置情報(上位サーバ20Bについての名前およびIPアドレス、下位サーバ40Cについての名前およびIPアドレス、並びに無線ICタグリーダ60Fについての名前および設置位置名称)および無線ICタグリーダ60Fとの接続開始時刻を、タグ識別情報βと対応させて、下位サーバ40Cの移動体位置情報データベース50(図5、図12参照)に記憶させる(図11のステップS5)。
【0118】
それから、下位サーバ40Cでは、移動体位置情報転送処理手段44により、接続監視処理手段42により受信したタグ識別情報β(図9参照)に含まれる移動体1の従属する上位サーバ20Aの識別子β1および下位サーバ40Aの識別子β2と、下位サーバ40Cのサーバ情報テーブル記憶手段52(図7参照)に記憶されたサーバ情報テーブルにおける各サーバの識別子とを用いて、比較処理を行い、下位サーバ40Cの所管領域内に進入した移動体1が、下位サーバ40C自身に従属するのか、下位サーバ40C自身の上位サーバ20Bの下の他の下位サーバ40Dに従属するのか、または下位サーバ40C自身の上位サーバ20B以外のいずれかの上位サーバ20に従属するのかを判断する。ここでは、移動体1は、下位サーバ40C自身の上位サーバ20B以外のいずれかの上位サーバ20に従属すると判断される。なお、タグ位置情報βからでは、移動体1が上位サーバ20B以外のいずれかの上位サーバ20に従属するということは判断できるものの、移動体1が従属する上位サーバ20についての名前やIPアドレスを特定することはできないので、次のように、下位サーバ40C自身の上位サーバ20Bへの転送処理を行う。
【0119】
そして、移動体位置情報転送処理手段44により、移動体1が下位サーバ40C自身の上位サーバ20B以外のいずれかの上位サーバ20に従属すると判断した場合には、タグ識別情報β、移動体の位置情報としての下位サーバ40C自身についての名前およびIPアドレス、並びに下位サーバ40C自身の所管領域への進入時刻(無線ICタグリーダ60Fとの接続開始時刻)を、下位サーバ40C自身の上位サーバ20Bへネットワーク2(上位LAN5Bおよび下位LAN7C)を介して転送する(図11のステップS6)。
【0120】
続いて、上位サーバ20Bでは、移動体位置情報登録処理手段22により、上位サーバ20B自身の下位サーバ40Cから転送されてきたタグ識別情報β、移動体の位置情報としての下位サーバ40Cについての名前およびIPアドレス、並びに下位サーバ40Cの所管領域への進入時刻(無線ICタグリーダ60Fとの接続開始時刻)を受信し、上位サーバ20Bのサーバ情報テーブル記憶手段31(図4参照)に記憶されたサーバ情報テーブルを用いて、上位サーバ20B自身についての名前およびIPアドレスを取得し、移動体の位置情報(上位サーバ20Bについての名前およびIPアドレス、並びに下位サーバ40Cについての名前およびIPアドレス)および下位サーバ40Cの所管領域への進入時刻を、受信したタグ識別情報β(図9参照)と対応させて、上位サーバ20Bの移動体位置情報データベース30(図3、図12参照)に記憶させる(図11のステップS6)。
【0121】
さらに、上位サーバ20Bでは、移動体位置情報転送処理手段23により、上位サーバ20B自身の下位サーバ40Cから転送されてきたタグ識別情報β、移動体の位置情報としての下位サーバ40Cについての名前およびIPアドレス、並びに下位サーバ40Cの所管領域への進入時刻を受信したときに、受信したタグ識別情報βについての移動体の位置情報等のデータが、上位サーバ20Bの移動体位置情報データベース30(図3参照)に記憶されていない場合(すなわちタグ識別情報βについてのデータを初めて受信した場合)、または、タグ識別情報βについてのデータが既に記憶されているが、記憶されているデータのうちの直近のデータについての退出時刻(進入時刻に滞在時間を加えて得られる時刻)から予め定められた時間が経過している場合(すなわち以前に上位サーバ20Bの所管領域に進入したことがあるが、一旦退出しているので、上位サーバ20Bの所管領域への新たな進入と捉えることができる場合)には、上位サーバ20Bのサーバ情報テーブル記憶手段31(図4参照)に記憶されたサーバ情報テーブルを用いて、上位サーバ20B自身についての名前およびIPアドレスを取得するとともに、受信したタグ識別情報βから、サーバ情報テーブル(図4参照)を用いて移動体1が従属する上位サーバ20AについてのIPアドレス(すなわち、送信先アドレス)を取得し、タグ識別情報β、移動体の位置情報としての上位サーバ20B自身についての名前およびIPアドレス、並びに上位サーバ20B自身の所管領域への進入時刻(上位サーバ20Bの下の下位サーバ40Cの所管領域への進入時刻)を、移動体1が従属する上位サーバ20Aへネットワーク2(インターネット3)を介して転送する(図11のステップS7)。
【0122】
それから、上位サーバ20Aでは、移動体位置情報転送処理手段23により、他の上位サーバ20Bから転送されてきたタグ識別情報β、移動体の位置情報としての上位サーバ20Bについての名前およびIPアドレス、並びに上位サーバ20Bの所管領域への進入時刻を受信し、受信したタグ識別情報βから、サーバ情報テーブル(図4参照)を用いて移動体1が従属する下位サーバ40AについてのIPアドレス(すなわち、送信先アドレス)を取得し、タグ識別情報β、移動体の位置情報としての上位サーバ20Bについての名前およびIPアドレス、並びに上位サーバ20Bの所管領域への進入時刻を、上位サーバ20A自身の下の移動体1が従属する下位サーバ40Aへネットワーク2(上位LAN5Aおよび下位LAN7A)を介して転送する(図11のステップS8)。
【0123】
続いて、移動体1が従属する下位サーバ40Aでは、移動体位置情報登録処理手段43により、移動先の下位サーバ40Cから移動先の上位サーバ20Bおよび下位サーバ40A自身の上位サーバ20Aを介して転送されてきた位置情報、すなわち、下位サーバ40A自身の上位サーバ20Aから転送されてきたタグ識別情報β、移動先の上位サーバ20Bについての名前およびIPアドレス、並びに移動先の上位サーバ20Bの所管領域への進入時刻を受信し、移動体の位置情報(上位サーバ20Bについての名前およびIPアドレス)および進入時刻を、受信したタグ識別情報βと対応させて、下位サーバ40Aの移動体位置情報データベース50(図5、図12参照)に記憶させる(図11のステップS8)。
【0124】
また、下位サーバ40Cでは、下位サーバ滞在時間計測処理手段46により、移動体1についての下位サーバ40C自身の所管領域への滞在時間を計測し、移動体1が下位サーバ40C自身の所管領域から退出した際に、計測した滞在時間を、タグ識別情報βとともに、下位サーバ40C自身の上位サーバ20Bへネットワーク2(上位LAN5Bおよび下位LAN7C)を介して送信する。
【0125】
続いて、上位サーバ20Bでは、下位サーバ滞在時間登録処理手段26により、上位サーバ20B自身の下の下位サーバ40Cから送信されてきた下位サーバ40Cの所管領域への滞在時間およびタグ識別情報βを受信し、受信した滞在時間を、タグ識別情報β、移動体の位置情報(上位サーバ20Bについての名前およびIPアドレス、並びに、下位サーバ40Cについての名前およびIPアドレス)、および下位サーバ40Cの所管領域への進入時刻と対応させて、上位サーバ20B自身の移動体位置情報データベース30(図3、図12参照)に記憶させる。
【0126】
その後、図10に示すように、移動体1が上位サーバ20Bの下の下位サーバ40Dの所管領域へ移動し、移動体1に取り付けられた無線ICタグ70が、下位サーバ40Dの所管領域内に設置された無線ICタグリーダ60Hに接続したとする。このときも、前述した無線ICタグリーダ60A,60B,60D,60Fと接続した場合と同様に、下位サーバ40Dでは、接続監視処理手段42により、無線ICタグリーダ60Hから送信されてくるタグリーダ識別子αおよびタグ識別情報βを受信する。
【0127】
続いて、下位サーバ40Dでは、前述した無線ICタグリーダ60A,60B,60D,60Fと接続した場合と同様にして、移動体位置情報登録処理手段43により、接続が行われた無線ICタグリーダ60Hについての名前および設置位置名称を取得するとともに、下位サーバ40Dのサーバ情報テーブル記憶手段52(図7参照)に記憶されたサーバ情報テーブルを用いて、下位サーバ40Dの上位サーバ20Bについての名前およびIPアドレス、並びに下位サーバ40Dについての名前およびIPアドレスを取得し、取得した移動体の位置情報(上位サーバ20Bについての名前およびIPアドレス、下位サーバ40Dについての名前およびIPアドレス、並びに無線ICタグリーダ60Hについての名前および設置位置名称)および無線ICタグリーダ60Hとの接続開始時刻を、タグ識別情報βと対応させて、下位サーバ40Dの移動体位置情報データベース50(図5、図12参照)に記憶させる(図11のステップS9)。
【0128】
それから、下位サーバ40Dでは、移動体位置情報転送処理手段44により、接続監視処理手段42により受信したタグ識別情報β(図9参照)に含まれる移動体1の従属する上位サーバ20Aの識別子β1および下位サーバ40Aの識別子β2と、下位サーバ40Dのサーバ情報テーブル記憶手段52(図7参照)に記憶されたサーバ情報テーブルにおける各サーバの識別子とを用いて、比較処理を行い、下位サーバ40Dの所管領域内に進入した移動体1が、下位サーバ40D自身に従属するのか、下位サーバ40D自身の上位サーバ20Bの下の他の下位サーバ40Cに従属するのか、または下位サーバ40D自身の上位サーバ20B以外のいずれかの上位サーバ20に従属するのかを判断する。ここでは、移動体1は、下位サーバ40D自身の上位サーバ20B以外のいずれかの上位サーバ20に従属すると判断される。なお、タグ位置情報βからでは、移動体1が上位サーバ20B以外のいずれかの上位サーバ20に従属するということは判断できるものの、移動体1が従属する上位サーバ20についての名前やIPアドレスを特定することはできないので、次のように、下位サーバ40D自身の上位サーバ20Bへの転送処理を行う。
【0129】
そして、移動体位置情報転送処理手段44により、移動体1が下位サーバ40D自身の上位サーバ20B以外のいずれかの上位サーバ20に従属すると判断した場合には、タグ識別情報β、移動体の位置情報としての下位サーバ40D自身についての名前およびIPアドレス、並びに下位サーバ40D自身の所管領域への進入時刻(無線ICタグリーダ60Hとの接続開始時刻)を、下位サーバ40D自身の上位サーバ20Bへネットワーク2(上位LAN5Bおよび下位LAN7D)を介して転送する(図11のステップS10)。
【0130】
続いて、上位サーバ20Bでは、移動体位置情報登録処理手段22により、上位サーバ20B自身の下位サーバ40Dから転送されてきたタグ識別情報β、移動体の位置情報としての下位サーバ40Dについての名前およびIPアドレス、並びに下位サーバ40Dの所管領域への進入時刻(無線ICタグリーダ60Hとの接続開始時刻)を受信し、上位サーバ20Bのサーバ情報テーブル記憶手段31(図4参照)に記憶されたサーバ情報テーブルを用いて、上位サーバ20B自身についての名前およびIPアドレスを取得し、移動体の位置情報(上位サーバ20Bについての名前およびIPアドレス、並びに下位サーバ40Dについての名前およびIPアドレス)および下位サーバ40Dの所管領域への進入時刻を、受信したタグ識別情報β(図9参照)と対応させて、上位サーバ20Bの移動体位置情報データベース30(図3、図12参照)に記憶させる(図11のステップS10)。
【0131】
なお、上位サーバ20Bでは、上位サーバ20B自身の下位サーバ40Dから転送されてきたタグ識別情報β、移動体の位置情報としての下位サーバ40Dについての名前およびIPアドレス、並びに下位サーバ40Dの所管領域への進入時刻を受信したときに、移動体位置情報転送処理手段23により、上位サーバ20Bの移動体位置情報データベース30(図3、図12参照)を参照し、受信したデータが、移動体(受信したタグ識別情報βを有する無線ICタグ70を装着した移動体)が上位サーバ20Bの所管領域へ初めて進入したときのデータであるのか、上位サーバ20Bの所管領域から一旦退出した後に再進入したときのデータ(つまり、以前に上位サーバ20Bの所管領域に滞在したことはあるが、一旦退出しているので、上位サーバ20Bの所管領域への新たな進入と捉えることができるときのデータ)であるのか、あるいは上位サーバ20Bの所管領域内において、他の下位サーバ40(ここでは下位サーバ40Cとなる。)の所管領域から下位サーバ40Dの所管領域への移動を行ったに過ぎないときのデータであるのかを判断する。そして、受信したデータが、移動体が上位サーバ20Bの所管領域内において、他の下位サーバ40(ここでは下位サーバ40Cとなる。)の所管領域から下位サーバ40Dの所管領域への移動を行ったに過ぎないときのデータである場合には、移動体1が従属する上位サーバ20Aへの位置情報等のデータの送信は行わない。一方、受信したデータが、移動体が上位サーバ20Bの所管領域へ初めて進入したときのデータである場合、または上位サーバ20Bの所管領域から一旦退出した後に再進入したときのデータである場合には、移動体1が従属する上位サーバ20Aへの位置情報等のデータの送信を行う。具体的には、移動体位置情報転送処理手段23により、タグ識別情報βについての移動体の位置情報等のデータが、受信したデータを除き、上位サーバ20Bの移動体位置情報データベース30に既に記憶されているか否かを判断し、既に記憶されている場合には、記憶されているデータのうちの直近のデータに係る下位サーバ40の所管領域からの退出時刻(進入時刻に滞在時間を加えて得られる時刻)から、予め定められた時間が経過しているか否かを判断し、経過していない場合には、移動体が、直近のデータに係る下位サーバ40の所管領域を退出後、予め決められた時間間隔内に下位サーバ40Dの所管領域に進入したということであるから、受信したデータは、上位サーバ20Bの所管領域内において、他の下位サーバ40(ここでは下位サーバ40Cとなる。)の所管領域から下位サーバ40Dの所管領域への移動を行ったに過ぎないときのデータであると判断することができるので、移動体1が従属する上位サーバ20Aへの位置情報等のデータの送信は行わない。図10に示した移動の例では、移動体1は、上位サーバ20Bの外部へ一旦退出することなく、下位サーバ40Cの所管領域から下位サーバ40Dの所管領域へ直接に移動しているので、下位サーバ40Dの所管領域への進入時には、移動体1が従属する上位サーバ20Aへの位置情報等のデータの送信は行わない。一方、タグ識別情報βについての移動体の位置情報等のデータが、受信したデータを除けば、上位サーバ20Bの移動体位置情報データベース30に記憶されていない場合には、受信したデータは、移動体が上位サーバ20Bの所管領域へ初めて進入したときのデータであると判断することができるので、移動体1が従属する上位サーバ20Aへの位置情報等のデータの送信を行う(図11のステップS7参照)。また、タグ識別情報βについての移動体の位置情報等のデータが、受信したデータ以外に、上位サーバ20Bの移動体位置情報データベース30に既に記憶されているものの、記憶されているデータのうちの直近のデータに係る下位サーバ40の所管領域からの退出時刻(進入時刻に滞在時間を加えて得られる時刻)から、予め定められた時間が経過している場合には、受信したデータは、移動体が上位サーバ20Bの所管領域から一旦退出した後に再進入したときのデータであると判断することができるので、移動体1が従属する上位サーバ20Aへの位置情報等のデータの送信を行う(図11のステップS7参照)。
【0132】
また、上位サーバ20Bでは、上位サーバ滞在時間計測処理手段24により、移動体1についての上位サーバ20B自身の所管領域への滞在時間を計測し、その後に、移動体1が上位サーバ20B自身の所管領域から退出した際には、計測した滞在時間を、タグ識別情報βとともに、移動体1が従属する上位サーバ20Aへネットワーク2(インターネット3)を介して送信する。
【0133】
続いて、移動体1が従属する上位サーバ20Aでは、上位サーバ滞在時間転送処理手段25により、上位サーバ20Bから送信されてきた滞在時間およびタグ識別情報βを受信し、受信した滞在時間およびタグ識別情報βを、上位サーバ20A自身の下の移動体1が従属する下位サーバ40Aへネットワーク2(上位LAN5Aおよび下位LAN7A)を介して転送する。
【0134】
それから、移動体1が従属する下位サーバ40Aでは、上位サーバ滞在時間登録処理手段48により、下位サーバ40A自身の上位サーバ20Aから転送されてきた移動先の上位サーバ20Bの所管領域への滞在時間およびタグ識別情報βを受信し、受信した滞在時間を、タグ識別情報β、移動体の位置情報としての移動先の上位サーバ20Bについての名前およびIPアドレス、並びに移動先の上位サーバ20Bの所管領域への進入時刻に対応させて、下位サーバ40A自身の移動体位置情報データベース50(図5、図12参照)に記憶させる。
【0135】
図13において、移動体の位置情報を閲覧したい利用者は、利用者端末装置80を操作し、閲覧対象の移動体が従属する下位サーバ40に対し、移動体の現在位置情報および/または移動履歴情報に関する位置情報の検索要求信号を、ネットワーク2を介して送信する(ステップS11)。この際、利用者は、利用者端末装置80で、移動体の名前や学籍番号等の移動体識別情報と、3種類の位置情報の精度指定または精度指定なしの4つ選択肢の中からの選択情報と、検索期間とを入力する。そして、これらの移動体識別情報、精度指定に関する選択情報、および検索期間は、検索要求信号とともに、利用者端末装置80からネットワーク2を介して移動体が従属する下位サーバ40へ送信される。ここでは、利用者は、移動体1の位置情報を検索するために、移動体1が従属する下位サーバ40Aにアクセスするものとする。
【0136】
続いて、移動体1が従属する下位サーバ40Aでは、閲覧処理手段49により、利用者端末装置80からの移動体識別情報、精度指定に関する選択情報、および検索期間を受信し、図示されない変換テーブル記憶手段に記憶された変換テーブルを用いて、受信した移動体識別情報をタグ識別情報βに変換し、得られたタグ識別情報βを用いて、次のような検索処理を行う。なお、利用者が、移動体識別情報として、タグ識別情報βを入力する構成としてもよい。
【0137】
先ず、下位サーバ40Aでは、閲覧処理手段49により、精度指定なしの選択情報を受け付けた場合(ステップS11)には、タグ識別情報βを用いて、下位サーバ40Aの移動体位置情報データベース50(図5、図12参照)を検索することにより、該当する移動体の位置情報等のデータをそのまま取得し(記憶されているデータを、位置の精度に関係なく、そのまま取得し)、取得した移動体の位置情報等のデータを、ネットワーク2を介して利用者端末装置80へ送信する(ステップS12)。
【0138】
すると、利用者端末装置80の画面上には、閲覧対象の移動体1が従属する下位サーバ40A自身の所管領域内の位置情報については、移動体1の位置情報(移動体1が滞在する上位サーバ20Aについての名前およびIPアドレス、移動体1が滞在する下位サーバ40Aについての名前およびIPアドレス、並びに、接続された無線ICタグリーダ60についての名前および設置位置名称)と、無線ICタグリーダ60への接続開始時刻および接続時間とが表示される(図12参照)。また、閲覧対象の移動体1が従属する下位サーバ40A自身の上位サーバ20Aの下の他の下位サーバ40Bの所管領域内の位置情報については、移動体1の位置情報(移動体1が滞在する上位サーバ20Aについての名前およびIPアドレス、並びに、移動体1が滞在する下位サーバ40Bについての名前およびIPアドレス)と、移動先の下位サーバ40Bの所管領域への進入時刻および滞在時間とが表示される(図12参照)。さらに、閲覧対象の移動体1が従属する下位サーバ40A自身の上位サーバ20A以外の上位サーバ20Bの所管領域内の位置情報については、移動体1の位置情報(移動体が滞在する上位サーバ20Bについての名前およびIPアドレス)と、移動先の上位サーバ20Bの所管領域への進入時刻および滞在時間とが表示される(図12参照)。
【0139】
また、下位サーバ40Aでは、閲覧処理手段49により、上位サーバレベルの精度指定を受け付けた場合(ステップS13)には、下位サーバ40A自身の所管領域内の位置情報、下位サーバ40A自身の上位サーバ20Aの下の他の下位サーバ40Bの所管領域内の位置情報、および下位サーバ40A自身の上位サーバ20A以外の上位サーバ20Bの所管領域内の位置情報のいずれについても、タグ識別情報βを用いて、下位サーバ40A自身の移動体位置情報データベース50(図5、図12参照)を検索することにより、該当する移動体1の位置情報(上位サーバ20についての名前およびIPアドレス)、並びに接続開始時刻および接続時間、または進入時刻および滞在時間を取得し、取得した移動体1の位置情報等を、ネットワーク2を介して利用者端末装置80へ送信する(ステップS14)。なお、下位サーバ40A自身の移動体位置情報データベース50(図5、図12参照)には、上位サーバレベルの位置情報までであれば、いずれの所管領域内の位置情報も記憶されているので、他のサーバへの問合せ処理を行う必要はない。
【0140】
次に、下位サーバ40Aでは、閲覧処理手段49により、下位サーバレベルの精度指定を受け付けた場合(ステップS15)には、下位サーバ40A自身の所管領域内の位置情報および下位サーバ40A自身の上位サーバ20Aの下の他の下位サーバ40Bの所管領域内の位置情報については、タグ識別情報βを用いて、下位サーバ40A自身の移動体位置情報データベース50(図5、図12参照)を検索することにより、該当する移動体1の位置情報(上位サーバ20についての名前およびIPアドレス、並びに、下位サーバ40についての名前およびIPアドレス)、並びに接続開始時刻および接続時間、または進入時刻および滞在時間を取得する。なお、下位サーバ40A自身の移動体位置情報データベース50(図5、図12参照)には、下位サーバレベルの位置情報までであれば、下位サーバ40A自身の上位サーバ20Aの下の他の下位サーバ40Bの所管領域内の位置情報についても記憶されているので、下位サーバ40Bへの問合せ処理を行う必要はない。
【0141】
続いて、下位サーバ40Aでは、閲覧処理手段49により、下位サーバ40A自身の上位サーバ20A以外の上位サーバ20Bの所管領域内の位置情報については、ネットワーク2を介して上位サーバ20Bへ問合せ信号を送信する(ステップS16)。この問合せ信号には、タグ識別情報β、精度指定に関する選択情報(下位サーバレベルの精度指定を示す情報)、および検索期間が含まれる。
【0142】
それから、上位サーバ20Bでは、閲覧処理手段27により、他の上位サーバ20Aの下の下位サーバ40Aからの問合せ信号を、タグ識別情報β、下位サーバレベルの精度指定を示す情報、および検索期間とともに受信した場合(ステップS16)には、タグ識別情報βを用いて、上位サーバ20B自身の移動体位置情報データベース30(図3、図12参照)を検索することにより、該当する移動体1の位置情報(上位サーバ20についての名前およびIPアドレス、並びに、下位サーバ40についての名前およびIPアドレス)、並びに進入時刻および滞在時間を取得し、取得した移動体1の位置情報等を、ネットワーク2を介して問合せ元の下位サーバ40Aへ返信する(ステップS17)。
【0143】
その後、下位サーバ40Aでは、閲覧処理手段49により、下位サーバ40A自身の上位サーバ20A以外の上位サーバ20Bから返信されてきた該当する移動体1の位置情報(上位サーバ20についての名前およびIPアドレス、並びに、下位サーバ40についての名前およびIPアドレス)、並びに進入時刻および滞在時間を受信し、受信した移動体1の位置情報、並びに進入時刻および滞在時間と、前述した下位サーバ40A自身の移動体位置情報データベース50(図5、図12参照)の検索により取得した移動体1の位置情報(上位サーバ20についての名前およびIPアドレス、並びに、下位サーバ40についての名前およびIPアドレス)、並びに進入時刻および滞在時間とを合わせて、ネットワーク2を介して利用者端末装置80へ送信する(ステップS18)。なお、下位サーバ40Aが下位サーバ40A自身の上位サーバ20A以外の上位サーバ20Bから取得した移動体1の位置情報を、下位サーバ40Aの移動体位置情報データベース50に記憶させ、今後の同様な移動体1に対する問合せに備えることも可能である。
【0144】
また、下位サーバ40Aでは、閲覧処理手段49により、タグリーダレベルの精度指定を受け付けた場合(ステップS19)には、下位サーバ40A自身の所管領域内の位置情報については、タグ識別情報βを用いて、下位サーバ40A自身の移動体位置情報データベース50(図5、図12参照)を検索することにより、該当する移動体1の位置情報(上位サーバ20についての名前およびIPアドレス、下位サーバ40についての名前およびIPアドレス、並びに、無線ICタグリーダ60についての名前および設置位置情報)、並びに接続開始時刻および接続時間を取得する。
【0145】
続いて、下位サーバ40Aでは、閲覧処理手段49により、下位サーバ40A自身の上位サーバ20Aの下の他の下位サーバ40Bの所管領域内の位置情報については、ネットワーク2を介して下位サーバ40Bへ問合せ信号を送信する(ステップS20)。この問合せ信号には、タグ識別情報β、精度指定に関する選択情報(タグリーダレベルの精度指定を示す情報)、および検索期間が含まれる。
【0146】
それから、下位サーバ40Bでは、閲覧処理手段49により、下位サーバ40B自身の上位サーバ20Aの下の他の下位サーバ40Aからの問合せ信号を、タグ識別情報β、タグリーダレベルの精度指定を示す情報、および検索期間とともに受信した場合(ステップS20)には、タグ識別情報βを用いて、下位サーバ40B自身の移動体位置情報データベース50(図5、図12参照)を検索することにより、該当する移動体1の位置情報(上位サーバ20についての名前およびIPアドレス、下位サーバ40についての名前およびIPアドレス、並びに、無線ICタグリーダ60についての名前および設置位置情報)、並びに接続開始時刻および接続時間を取得し、取得した移動体1の位置情報等を、ネットワーク2を介して問合せ元の下位サーバ40Aへ返信する(ステップS21)。
【0147】
そして、下位サーバ40Aでは、閲覧処理手段49により、下位サーバ40Bから返信されてきた該当する移動体1の位置情報(上位サーバ20についての名前およびIPアドレス、下位サーバ40についての名前およびIPアドレス、並びに、無線ICタグリーダ60についての名前および設置位置情報)、並びに接続開始時刻および接続時間を受信する。なお、下位サーバ40Aが下位サーバ40A自身の上位サーバ20Aの下の他の下位サーバ40Bから取得した移動体1の位置情報を、下位サーバ40Aの移動体位置情報データベース50に記憶させ、今後の同様な移動体1に対する問合せに備えることも可能である。
【0148】
続いて、下位サーバ40Aでは、閲覧処理手段49により、下位サーバ40A自身の上位サーバ20A以外の上位サーバ20Bの所管領域内の位置情報については、ネットワーク2を介して上位サーバ20Bへ問合せ信号を送信する(ステップS22)。この問合せ信号には、タグ識別情報β、精度指定に関する選択情報(タグリーダレベルの精度指定を示す情報)、および検索期間が含まれる。
【0149】
それから、上位サーバ20Bでは、閲覧処理手段27により、他の上位サーバ20Aの下の下位サーバ40Aからの問合せ信号を、タグ識別情報β、精度指定に関する選択情報(タグリーダレベルの精度指定を示す情報)、および検索期間とともに受信した場合(ステップS22)には、ネットワーク2を介して上位サーバ20B自身の下の下位サーバ40C,40Dへ問合せ信号を送信する(ステップS23,S25)。この問合せ信号には、タグ識別情報β、精度指定に関する選択情報(タグリーダレベルの精度指定を示す情報)、および検索期間が含まれる。
【0150】
そして、下位サーバ40C,40Dでは、閲覧処理手段49により、下位サーバ40C,40Dの上位サーバ20Bからの問合せ信号を、タグ識別情報β、精度指定に関する選択情報(タグリーダレベルの精度指定を示す情報)、および検索期間とともに受信した場合(ステップS23,S25)には、タグ識別情報βを用いて、下位サーバ40C,40D自身の移動体位置情報データベース50(図5、図12参照)を検索することにより、該当する移動体1の位置情報(上位サーバ20についての名前およびIPアドレス、下位サーバ40についての名前およびIPアドレス、並びに、無線ICタグリーダ60についての名前および設置位置情報)、並びに接続開始時刻および接続時間を取得し、取得した移動体1の位置情報等を、ネットワーク2を介して問合せ元の上位サーバ20Bへ返信する(ステップS24,S26)。
【0151】
続いて、上位サーバ20Bでは、閲覧処理手段27により、上位サーバ20B自身の下の下位サーバ40C,40Dから返信されてきた該当する移動体1の位置情報(上位サーバ20についての名前およびIPアドレス、下位サーバ40についての名前およびIPアドレス、並びに、無線ICタグリーダ60についての名前および設置位置情報)、並びに接続開始時刻および接続時間を受信し、受信した移動体の位置情報等を、ネットワーク2を介して問合せ元の下位サーバ40Aへ返信する(ステップS27)。
【0152】
その後、下位サーバ40Aでは、閲覧処理手段49により、下位サーバ40A自身の上位サーバ20A以外の上位サーバ20Bから返信されてきた移動体1の位置情報(上位サーバ20についての名前およびIPアドレス、下位サーバ40についての名前およびIPアドレス、並びに、無線ICタグリーダ60についての名前および設置位置情報)、並びに接続開始時刻および接続時間を受信し、受信した移動体1の位置情報、並びに接続開始時刻および接続時間と、前述した下位サーバ40A自身の移動体位置情報データベース50(図5、図12参照)の検索により取得した移動体1の位置情報(上位サーバ20についての名前およびIPアドレス、下位サーバ40についての名前およびIPアドレス、並びに、無線ICタグリーダ60についての名前および設置位置情報)、並びに接続開始時刻および接続時間と、前述したステップS21で下位サーバ40Bから返信されてきた移動体1の位置情報(上位サーバ20についての名前およびIPアドレス、下位サーバ40についての名前およびIPアドレス、並びに、無線ICタグリーダ60についての名前および設置位置情報)、並びに接続開始時刻および接続時間とを合わせて、ネットワーク2を介して利用者端末装置80へ送信する(ステップS28)。なお、下位サーバ40Aが下位サーバ40A自身の上位サーバ20A以外の上位サーバ20Bから取得した移動体1の位置情報を、下位サーバ40Aの移動体位置情報データベース50に記憶させ、今後の同様な移動体1に対する問合せに備えることも可能である。
【0153】
このような本実施形態によれば、次のような効果がある。すなわち、移動体位置追跡システム10では、各下位サーバ40の移動体位置情報データベース50(図5、図12参照)には、下位サーバ40自身の所管領域内に進入した下位サーバ40自身に従属する移動体の位置情報、下位サーバ40自身の所管領域内に進入した他の下位サーバ40に従属する移動体の位置情報、および、他の下位サーバ40の所管領域内に進入した下位サーバ40自身に従属する移動体の位置情報が記憶され、他の下位サーバ40の所管領域内に進入した他の下位サーバ40に従属する移動体の位置情報は記憶されないので、他の下位サーバ40の所管領域内に進入した他の下位サーバ40に従属する移動体の位置情報は、自分以外の下位サーバ40に記憶させることができる。このため、移動体の位置情報の分散管理を実現することができ、各下位サーバ40の位置情報の管理負荷を軽減することができるうえ、移動体の位置情報の検索速度向上を図ることができる。
【0154】
また、移動体がこの移動体の従属する下位サーバ40の所管領域内で移動する際には、移動体が従属する下位サーバ40は、自身の所管領域内に設置された無線ICタグリーダ60からのデータにより得られた移動体の位置情報を移動体位置情報データベース50に格納し、移動体がこの移動体の従属する上位サーバ20の下の他の下位サーバ40の所管領域に移動した際には、移動体が従属する下位サーバ40は、移動先の他の下位サーバ40から移動体の位置情報を直接に取得して移動体位置情報データベース50に格納し、移動体がこの移動体の従属する上位サーバ20以外の上位サーバ20の下のいずれかの下位サーバ40の所管領域に移動した際には、移動体が従属する下位サーバ40は、移動先の下位サーバ40から移動先の上位サーバ20および移動体が従属する上位サーバ20を介して移動体の位置情報を取得して移動体位置情報データベース50に格納する。従って、移動体が従属する下位サーバ40と、この移動体の従属する上位サーバ20の下の他の下位サーバ40との間では、移動体の位置情報の伝送が直接に行われるが、移動体が従属する下位サーバ40と、この移動体の従属する上位サーバ20以外の上位サーバ20の下の下位サーバ40との間では、移動体の位置情報の伝送が直接に行われることはなく、双方の上位サーバ20を経由して伝送が行われることになる。このため、移動体の位置情報の伝送の多くが、同一の上位サーバ20下での伝送となり、すなわち上位サーバ20とその下の下位サーバ40との間および同一の上位サーバ20の下の下位サーバ40同士の間での伝送となり、ネットワーク全体を流れる位置情報のトラヒックを抑えることができる。
【0155】
さらに、移動体位置追跡システム10では、移動体が従属する下位サーバ40の移動体位置情報データベース50(図5、図12参照)には、移動体がこの移動体の従属する下位サーバ40の所管領域に移動した際およびこの所管領域内で移動する際には、移動体の位置情報として、無線ICタグリーダ60の位置のレベルまでを記憶させることができ、移動体がこの移動体の従属する下位サーバ40の上位サーバ20の下の他の下位サーバ40の所管領域に移動した際には、移動体の位置情報として、移動先の下位サーバ40の位置のレベルまでを記憶させることができ、移動体がこの移動体の従属する上位サーバ20以外の上位サーバ20の所管領域に移動した際には、移動体の位置情報として、移動先の上位サーバ20の位置のレベルまでを記憶させることができる。このため、移動体が従属する下位サーバ40の移動体位置情報データベース50に記憶される移動体の位置情報は、移動体が遠方へ移動する程、概略的な位置情報(広範囲を示す位置情報)になるので、効率的な情報管理を実現することができる。
【0156】
また、上位サーバ20の移動体位置情報データベース30(図3、図12参照)には、上位サーバ20自身の所管領域に移動してきた外部からの移動体(上位サーバ20自身に従属しない移動体)の位置情報が記憶され、上位サーバ20自身に従属する移動体の位置情報は記憶されないので、効率的な情報管理を実現することができる。
【0157】
さらに、移動体位置追跡システム10では、下位サーバ40の移動体位置情報登録処理手段43、接続時間計測処理手段45、および移動体位置情報データベース50は、移動体が同一の下位サーバ40の所管領域内で移動する限り、接続開始時刻および接続時間を、この下位サーバ40のみにより管理することができる構成とされているので、ネットワークにおいて、この下位サーバ40の外部に、接続開始時刻および接続時間のトラヒックを生じないようにすることができる。
【0158】
そして、移動体位置追跡システム10では、下位サーバ40の移動体位置情報登録処理手段43、下位サーバ滞在時間計測処理手段46、下位サーバ滞在時間登録処理手段47、および移動体位置情報データベース50は、移動体がこの移動体の従属する下位サーバ40の上位サーバ20の下の他の下位サーバ40の所管領域内に進入した際、およびこの所管領域から退出した際に限り、移動先の他の下位サーバ40と移動体が従属する下位サーバ40との間での進入時刻や滞在時間の伝送が必要となる構成とされているので、進入時刻または滞在時間のトラヒックを抑制することができる。
【0159】
また、移動体位置追跡システム10では、下位サーバ40の下位サーバ滞在時間計測処理手段46、並びに上位サーバ20の下位サーバ滞在時間登録処理手段26および移動体位置情報データベース30は、移動体がこの移動体の従属する上位サーバ20以外の上位サーバ20の下の下位サーバ40の所管領域内に進入した際、およびこの所管領域から退出した際に限り、移動先の下位サーバ40と移動先の上位サーバ20との間での伝送が必要となる構成とされているので、トラヒックを抑制することができる。すなわち、移動体が移動先の下位サーバ40の所管領域内で移動しても、進入時刻または滞在時間のトラヒックが生じることはなく、また、移動体がこの移動体の従属する上位サーバ20以外の上位サーバ20の所管領域内に外部から進入しなければ、トラヒックは生じない。
【0160】
さらに、移動体位置追跡システム10では、下位サーバ40の移動体位置情報登録処理手段43、上位サーバ滞在時間登録処理手段48、および移動体位置情報データベース50、並びに上位サーバ20の上位サーバ滞在時間計測処理手段24および上位サーバ滞在時間転送処理手段25は、移動体がこの移動体の従属する下位サーバ40の上位サーバ20以外の上位サーバ20の所管領域内に進入した際、およびこの所管領域から退出した際に限り、移動先の下位サーバ40と移動先の上位サーバ20との間、移動先の上位サーバ20と移動体が従属する上位サーバ20との間、および移動体が従属する上位サーバ20と移動体が従属する下位サーバ40との間での進入時刻や滞在時間の伝送が必要となる構成とされているので、トラヒックを抑制することができる。すなわち、移動体が移動先の上位サーバ20の所管領域内で移動しても、進入時刻または滞在時間のトラヒックが生じることはなく、また、移動体がこの移動体の従属する上位サーバ20以外の上位サーバ20の所管領域内に外部から進入しなければ、トラヒックは生じない。
【0161】
そして、移動体位置追跡システム10は、下位サーバ40の閲覧処理手段49および上位サーバ20の閲覧処理手段27を備えているので、各下位サーバ40の移動体位置情報データベース50(図5、図12参照)で分散管理されている移動体の位置情報を用いて、位置情報の効果的な検索処理を行うことができる。
【0162】
また、閲覧処理手段49は、3種類の精度指定を受け付けて移動体の位置情報を検索することができるので、位置情報の利用者の多様な要求を満足させることができる。さらに、閲覧処理手段49は、移動体の詳細な位置情報が必要なときに限り、移動先の上位サーバ20および/または移動先の下位サーバ40に問合せ信号を送信する構成とされているので、位置情報のトラヒックを最小限に抑えることができる。
【0163】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内での変形等は本発明に含まれるものである。
【0164】
例えば、前記実施形態では、移動体の位置の追跡は、移動体に取り付けられた無線ICタグ70と、各所に設置された無線ICタグリーダ60との無線通信による接続で実現されていたが、これに限定されるものではなく、無線ICタグ70の代わりに、移動体が携帯するPDAや携帯電話機等の無線LAN機能付きの携帯端末装置を用い、無線ICタグリーダ60の代わりに、各所に設置されたアクセスポイントを用いることにより、移動体の位置の追跡を実現してもよい。この場合には、移動体が携帯するPDAや携帯電話機等の携帯端末装置の識別は、例えば、MACアドレス等により行い、位置の識別は、例えば、アクセスポイントのBSSID等により行うことができる。
【0165】
また、前記実施形態では、無線ICタグ70は、同一種類のものを用いることを前提とした説明がなされていたが、複数種類のタグが混在するネットワーク環境において、異なる種類のタグから得られる移動体の位置情報を、下位サーバ40で統一された表現形式に変換する構成としてもよい。
【0166】
さらに、前記実施形態では、詳しい説明を省略したが、各無線ICタグリーダ60のカバー範囲は、互いに重なっている場合があり、あるいは、互いに少しだけ離れている場合(予め決められた時間間隔内に、隣接配置された無線ICタグリーダ60のカバー範囲間の移動を行うことができる場合)があり得る。そして、無線ICタグリーダ60のカバー範囲が重なっている場合には、複数の無線ICタグリーダ60が、同一の無線ICタグ70からの信号を受信することができる。従って、同一の下位サーバ40に繋がっている複数の無線ICタグリーダ60のカバー範囲が重なっていれば、タグリーダの設置位置レベルでの位置情報の特定に工夫が必要となり、同一の上位サーバ20の下の異なる下位サーバ40に繋がっている無線ICタグリーダ60のカバー範囲が重なっていれば、下位サーバ40のレベルでの位置情報の特定に工夫が必要となり、異なる上位サーバ20の下の下位サーバ40に繋がっている無線ICタグリーダ60のカバー範囲が重なっていれば、上位サーバ20のレベルでの位置情報の特定に工夫が必要となる。
【0167】
このような場合、位置情報利用者からの閲覧要求があったとき、何ら特別な処理を行うことなく、重なりのあるままの状態で、位置情報利用者に対し、位置情報を提供してもよいが、複数の無線ICタグリーダ60が受信した移動体(無線ICタグ70)の電波強度により移動体の位置を推測する測位アルゴリズムを利用することにより、移動体(無線ICタグ70)のより正確な位置情報を推測することができ、位置情報利用者に対し、より正確な位置情報を提供することができる。このため、前記実施形態と測位アルゴリズムとを組み合わせれば、より正確な位置情報を推測することが可能となる。なお、前記実施形態では、1つの移動体(1つの無線ICタグ70)が、複数の無線ICタグリーダ60と接続しているとき、下位サーバ40の移動体位置情報データベース50には、それぞれの無線ICタグリーダ60が受信した無線ICタグ70の情報が記録されるため、1つの移動体(1つの無線ICタグ70)が、複数の下位サーバ40の所管領域、または複数の上位サーバ20の所管領域で移動することがあり得る。
【産業上の利用可能性】
【0168】
以上のように、本発明の移動体位置追跡システムおよびプログラムは、例えば、階層化されたサーバをネットワークで接続し、大規模施設や地域内を移動する人や物等の移動体の現在位置情報や移動履歴情報に関する位置情報をネットワーク内で分散管理する場合等に用いるのに適している。
【図面の簡単な説明】
【0169】
【図1】本発明の一実施形態の移動体位置追跡システムの全体構成図。
【図2】前記実施形態の移動体位置追跡システムの主要な構成要素の詳細構成図。
【図3】前記実施形態の上位サーバの移動体位置情報データベースのレコード構成図。
【図4】前記実施形態の上位サーバのサーバ情報テーブル記憶手段の構成図。
【図5】前記実施形態の下位サーバの移動体位置情報データベースのレコード構成図。
【図6】前記実施形態のタグリーダ情報テーブル記憶手段の構成図。
【図7】前記実施形態の下位サーバのサーバ情報テーブル記憶手段の構成図。
【図8】前記実施形態のタグリーダ情報記憶手段の構成図。
【図9】前記実施形態のタグ識別情報記憶手段の構成図。
【図10】前記実施形態の移動体位置追跡システムの上位サーバの所管領域と下位サーバの所管領域との関係図。
【図11】前記実施形態における移動体の移動に伴う位置情報の登録および送受信処理の流れの例を示すシーケンス図。
【図12】図11のシーケンスによる移動体位置情報データベースへの位置情報の登録例を示す図。
【図13】前記実施形態において位置情報利用者が指定した位置情報の精度に従い、移動体の位置情報を提供する例を示すシーケンス図。
【符号の説明】
【0170】
1 移動体
2 ネットワーク
10 移動体位置追跡システム
20,20A,20B 上位サーバ
22 上位サーバの移動体位置情報登録処理手段
23 上位サーバの移動体位置情報転送処理手段
24 上位サーバ滞在時間計測処理手段
25 上位サーバ滞在時間転送処理手段
26 下位サーバ滞在時間登録処理手段
27 上位サーバの閲覧処理手段
30 上位サーバの移動体位置情報データベース
40,40A,40B,40C,40D 下位サーバ
42 接続監視処理手段
43 下位サーバの移動体位置情報登録処理手段
44 下位サーバの移動体位置情報転送処理手段
45 接続時間計測処理手段
46 下位サーバ滞在時間計測処理手段
47 下位サーバ滞在時間登録処理手段
48 上位サーバ滞在時間登録処理手段
49 下位サーバの閲覧処理手段
50 下位サーバの移動体位置情報データベース
60,60A,60B,60C,60D,60E,60F,60G,60H 無線ICタグリーダ
70 無線ICタグ
80 利用者端末装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークで相互に接続された1以上の上位サーバと、
前記各上位サーバの下に前記ネットワークで相互に接続された1以上の下位サーバと、
特定の1つの上位サーバおよび特定の1つの下位サーバに従属する追跡対象となる移動体に装着された非接触型の無線ICタグ、または前記移動体が携帯する無線LAN機能付きの携帯端末装置と、
前記下位サーバの所管領域内に1以上設置されてこの所管領域内を移動する前記移動体に装着された前記無線ICタグと無線で接続可能な無線ICタグリーダ、または前記移動体が携帯する前記携帯端末装置と無線で接続可能なアクセスポイントとを備え、
前記無線ICタグまたは前記携帯端末装置は、
前記無線ICタグを識別するタグ識別子を含むタグ識別情報を記憶するタグ識別情報記憶手段、または前記携帯端末装置を識別する携帯端末装置識別子を含む携帯端末装置識別情報を記憶する携帯端末装置識別情報記憶手段を備え、
前記下位サーバは、
前記下位サーバ自身の所管領域内に進入した前記下位サーバ自身に従属する前記移動体の位置情報、前記下位サーバ自身の所管領域内に進入した他の下位サーバに従属する前記移動体の位置情報、および、他の下位サーバの所管領域内に進入した前記下位サーバ自身に従属する前記移動体の位置情報を、前記タグ識別情報若しくは前記携帯端末装置識別情報またはこれらと関連付けられている移動体識別情報と対応させて記憶する移動体位置情報データベースと、
前記無線ICタグとの接続が行われた前記無線ICタグリーダまたは前記携帯端末装置との接続が行われた前記アクセスポイントから送信されてくる位置識別情報および前記タグ識別情報若しくは前記携帯端末装置識別情報を受信する処理を実行する接続監視処理手段と、
前記下位サーバ自身に従属する前記移動体または他の下位サーバに従属する前記移動体が前記下位サーバ自身の所管領域内に進入した場合およびこの所管領域内で移動する場合に、前記接続監視処理手段により受信した前記位置識別情報から得られた前記移動体の位置情報を、前記タグ識別情報若しくは前記携帯端末装置識別情報または前記移動体識別情報と対応させて前記移動体位置情報データベースに記憶させる処理、
前記下位サーバ自身に従属する前記移動体が前記下位サーバ自身の上位サーバの下の他の下位サーバの所管領域内に進入した場合に、移動先の他の下位サーバから直接に転送されてきた前記移動体の位置情報を、前記タグ識別情報若しくは前記携帯端末装置識別情報または前記移動体識別情報と対応させて前記移動体位置情報データベースに記憶させる処理、
並びに、前記下位サーバ自身に従属する前記移動体が前記下位サーバ自身の上位サーバ以外の上位サーバの下のいずれかの下位サーバの所管領域内に進入した場合に、移動先の下位サーバから移動先の上位サーバおよび前記下位サーバ自身の上位サーバを介して転送されてきた前記移動体の位置情報を、前記タグ識別情報若しくは前記携帯端末装置識別情報または前記移動体識別情報と対応させて前記移動体位置情報データベースに記憶させる処理を実行する移動体位置情報登録処理手段とを備えた
ことを特徴とする移動体位置追跡システム。
【請求項2】
前記タグ識別情報または前記携帯端末装置識別情報には、
前記タグ識別子または前記携帯端末装置識別子の他に、前記移動体が従属する特定の1つの上位サーバの識別子、およびこの上位サーバの下の前記移動体が従属する特定の1つの下位サーバの識別子が含まれ、
前記下位サーバは、
前記接続監視処理手段により受信した前記タグ識別情報または前記携帯端末装置識別情報を用いて、前記下位サーバ自身の所管領域内に進入した前記移動体が、前記下位サーバ自身に従属するのか、前記下位サーバ自身の上位サーバの下の他の下位サーバに従属するのか、または前記下位サーバ自身の上位サーバ以外の上位サーバに従属するのかを判断し、前記移動体が前記下位サーバ自身の上位サーバの下の他の下位サーバに従属する場合には、前記移動体の位置情報としての前記下位サーバ自身の識別情報を、前記移動体が従属する下位サーバへ前記ネットワークを介して直接に転送し、前記移動体が前記下位サーバ自身の上位サーバ以外の上位サーバに従属する場合には、前記移動体の位置情報としての前記下位サーバ自身の識別情報を、前記下位サーバ自身の上位サーバへ前記ネットワークを介して転送する処理を実行する移動体位置情報転送処理手段を備え、
前記上位サーバは、
前記上位サーバ自身の下位サーバから転送されてきた前記移動体の位置情報としての前記下位サーバの識別情報を、前記タグ識別情報若しくは前記携帯端末装置識別情報または前記移動体識別情報と対応させて記憶する移動体位置情報データベースと、
前記上位サーバ自身の下位サーバから転送されてきた前記移動体の位置情報としての前記下位サーバの識別情報を、前記タグ識別情報若しくは前記携帯端末装置識別情報または前記移動体識別情報と対応させて前記上位サーバの前記移動体位置情報データベースに記憶させる処理を実行する移動体位置情報登録処理手段と、
前記上位サーバ自身の下位サーバから転送されてきた前記移動体の位置情報としての前記下位サーバの識別情報を受信したときに、前記上位サーバ自身の識別情報を、前記移動体の位置情報として前記移動体が従属する上位サーバへ前記ネットワークを介して転送する処理、および他の上位サーバから転送されてきた前記移動体の位置情報としての前記他の上位サーバの識別情報を、前記上位サーバ自身の下の前記移動体が従属する下位サーバへ転送する処理を実行する移動体位置情報転送処理手段とを備えた
ことを特徴とする請求項1に記載の移動体位置追跡システム。
【請求項3】
前記下位サーバの前記移動体位置情報データベースは、
前記移動体の位置情報に対応させて、前記下位サーバ自身の所管領域内に設置された前記各無線ICタグリーダまたは前記各アクセスポイントへの接続開始時刻および接続時間も記憶する構成とされ、
前記下位サーバの前記移動体位置情報登録処理手段は、
前記下位サーバ自身に従属する前記移動体または他の下位サーバに従属する前記移動体が前記下位サーバ自身の所管領域内に設置された前記各無線ICタグリーダまたは前記各アクセスポイントのカバー範囲内に進入した場合に、前記接続監視処理手段により受信した前記位置識別情報から得られた前記移動体の位置情報に対応させて、前記無線ICタグリーダまたは前記アクセスポイントへの接続開始時刻を、前記下位サーバの前記移動体位置情報データベースに記憶させる処理を実行する構成とされ、
前記下位サーバは、
前記下位サーバ自身の所管領域内に設置された前記各無線ICタグリーダまたは前記各アクセスポイントへの接続時間を計測し、前記下位サーバ自身に従属する前記移動体または他の下位サーバに従属する前記移動体が前記下位サーバ自身の所管領域内に設置された前記各無線ICタグリーダまたは前記各アクセスポイントのカバー範囲から退出する場合に、計測した前記接続時間を、前記移動体の位置情報および前記接続開始時刻に対応させて前記下位サーバの前記移動体位置情報データベースに記憶させる処理を実行する接続時間計測処理手段を備えた
ことを特徴とする請求項1または2に記載の移動体位置追跡システム。
【請求項4】
前記下位サーバの前記移動体位置情報データベースは、
前記移動体の位置情報に対応させて、前記下位サーバ自身の上位サーバの下の他の下位サーバの所管領域への進入時刻および滞在時間も記憶する構成とされ、
前記下位サーバの前記移動体位置情報登録処理手段は、
前記下位サーバ自身に従属する前記移動体が前記下位サーバ自身の上位サーバの下の他の下位サーバの所管領域内に進入した場合に、移動先の他の下位サーバから直接に前記移動体の位置情報とともに転送されてきた前記移動先の他の下位サーバの所管領域への進入時刻を、前記移動体の位置情報に対応させて前記下位サーバ自身の前記移動体位置情報データベースに記憶させる処理を実行する構成とされ、
前記下位サーバは、
前記下位サーバ自身の上位サーバの下の他の下位サーバに従属する前記移動体についての前記下位サーバ自身の所管領域への滞在時間を計測し、前記移動体が前記下位サーバ自身の所管領域から退出した場合に、計測した前記滞在時間を、前記移動体が従属する前記他の下位サーバへ前記ネットワークを介して直接に送信する処理を実行する下位サーバ滞在時間計測処理手段と、
前記移動体の従属する前記下位サーバ自身の上位サーバの下の他の下位サーバから転送されてきた前記滞在時間を、前記移動体の位置情報および前記進入時刻に対応させて前記下位サーバ自身の前記移動体位置情報データベースに記憶させる処理を実行する下位サーバ滞在時間登録処理手段とを備えた
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の移動体位置追跡システム。
【請求項5】
前記下位サーバは、
前記下位サーバ自身の上位サーバ以外の上位サーバに従属する前記移動体についての前記下位サーバ自身の所管領域への滞在時間を計測し、前記移動体が前記下位サーバ自身の所管領域から退出した場合に、計測した前記滞在時間を、前記下位サーバ自身の上位サーバへ前記ネットワークを介して送信する処理を実行する下位サーバ滞在時間計測処理手段を備え、
前記上位サーバは、
前記上位サーバ自身の下の下位サーバから送信されてきた前記下位サーバの所管領域への滞在時間を受信し、受信した前記滞在時間を、前記移動体の位置情報および前記下位サーバの所管領域への進入時刻と対応させて前記上位サーバ自身の移動体位置情報データベースに記憶させる処理を実行する下位サーバ滞在時間登録処理手段を備えた
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の移動体位置追跡システム。
【請求項6】
前記下位サーバの前記移動体位置情報データベースは、
前記移動体の位置情報に対応させて、前記下位サーバ自身の上位サーバ以外の上位サーバの所管領域への進入時刻および滞在時間も記憶する構成とされ、
前記下位サーバの前記移動体位置情報登録処理手段は、
前記下位サーバ自身に従属する前記移動体が前記移動体の従属する上位サーバ以外の上位サーバの下のいずれかの下位サーバの所管領域に進入した場合に、移動先の下位サーバから移動先の上位サーバおよび前記移動体の従属する上位サーバを介して前記移動体の位置情報とともに転送されてきた前記移動先の上位サーバの所管領域への進入時刻を、前記移動体の位置情報に対応させて前記下位サーバ自身の前記移動体位置情報データベースに記憶させる処理も実行する構成とされ、
前記上位サーバは、
他の上位サーバに従属する前記移動体についての前記上位サーバ自身の所管領域への滞在時間を計測し、前記移動体が前記上位サーバ自身の所管領域から退出した場合に、計測した前記滞在時間を、前記移動体が従属する前記他の上位サーバへ前記ネットワークを介して送信する処理を実行する上位サーバ滞在時間計測処理手段と、
前記移動体が従属する前記上位サーバ自身以外の上位サーバから送信されてきた前記滞在時間を受信し、受信した前記滞在時間を、前記上位サーバ自身の下の前記移動体が従属する下位サーバへ転送する処理を実行する上位サーバ滞在時間転送処理手段とを備え、
前記下位サーバは、
前記下位サーバ自身の上位サーバから転送されてきた前記滞在時間を、前記移動体の位置情報および前記進入時刻に対応させて前記下位サーバ自身の前記移動体位置情報データベースに記憶させる処理を実行する上位サーバ滞在時間登録処理手段を備えた
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の移動体位置追跡システム。
【請求項7】
前記下位サーバは、
利用者端末装置からの前記移動体の現在位置情報および/または移動履歴情報に関する位置情報の検索要求信号として、前記利用者端末装置で入力された前記タグ識別情報若しくは前記携帯端末装置識別情報または前記移動体識別情報を受信し、前記タグ識別情報若しくは前記携帯端末装置識別情報または前記移動体識別情報を用いて前記移動体位置情報データベースを検索し、検索して得られた前記移動体の位置情報を、前記ネットワークを介して前記利用者端末装置へ送信する処理を実行する閲覧処理手段を備えた
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の移動体位置追跡システム。
【請求項8】
前記下位サーバの前記閲覧処理手段は、
前記利用者端末装置からの前記下位サーバ自身に従属する前記移動体の位置情報の検索要求信号として、前記無線ICタグリーダまたは前記アクセスポイントのカバー範囲までの位置情報の表示を要求するタグリーダレベルまたはアクセスポイントレベルの精度指定と、下位サーバの所管領域までの位置情報の表示を要求する下位サーバレベルの精度指定と、上位サーバの所管領域までの位置情報の表示を要求する上位サーバレベルの精度指定との少なくとも3種類の精度指定を受け付け、
前記タグリーダレベルまたはアクセスポイントレベルの精度指定を受け付けた場合には、前記下位サーバ自身の所管領域内の位置情報については、前記タグ識別情報若しくは前記携帯端末装置識別情報または前記移動体識別情報を用いて前記下位サーバ自身の前記移動体位置情報データベースを検索して該当する前記移動体の位置情報を取得して前記利用者端末装置への表示処理を行い、前記下位サーバ自身の上位サーバの下の他の下位サーバの所管領域内の位置情報については、前記他の下位サーバに問合せ信号を送信し、前記他の下位サーバから返信されてきた該当する前記移動体の位置情報を受信して前記利用者端末装置への表示処理を行い、前記下位サーバ自身の上位サーバ以外の上位サーバの所管領域内の位置情報については、前記下位サーバ自身の上位サーバ以外の上位サーバに問合せ信号を送信し、前記下位サーバ自身の上位サーバ以外の上位サーバから返信されてきた該当する前記移動体の位置情報を受信して前記利用者端末装置への表示処理を実行し、
前記下位サーバレベルの精度指定を受け付けた場合には、前記下位サーバ自身の所管領域内の位置情報および前記下位サーバ自身の上位サーバの下の他の下位サーバの所管領域内の位置情報については、前記タグ識別情報若しくは前記携帯端末装置識別情報または前記移動体識別情報を用いて前記下位サーバ自身の前記移動体位置情報データベースを検索して該当する前記移動体の位置情報を取得して前記利用者端末装置への表示処理を行い、前記下位サーバ自身の上位サーバ以外の上位サーバの所管領域内の位置情報については、前記下位サーバ自身の上位サーバ以外の上位サーバに問合せ信号を送信し、前記下位サーバ自身の上位サーバ以外の上位サーバから返信されてきた該当する前記移動体の位置情報を受信して前記利用者端末装置への表示処理を実行し、
前記上位サーバレベルの精度指定を受け付けた場合には、前記下位サーバ自身の所管領域内の位置情報、前記下位サーバ自身の上位サーバの下の他の下位サーバの所管領域内の位置情報、および前記下位サーバ自身の上位サーバ以外の上位サーバの所管領域内の位置情報のいずれについても、前記タグ識別情報若しくは前記携帯端末装置識別情報または前記移動体識別情報を用いて前記下位サーバ自身の前記移動体位置情報データベースを検索して該当する前記移動体の位置情報を取得して前記利用者端末装置への表示処理を実行するとともに、
前記下位サーバ自身の上位サーバからの問合せ信号を前記タグリーダレベルまたはアクセスポイントレベルの精度指定を示す情報とともに受信した場合には、前記タグ識別情報若しくは前記携帯端末装置識別情報または前記移動体識別情報を用いて前記下位サーバ自身の前記移動体位置情報データベースを検索して該当する前記移動体の位置情報を取得して問合せ元の前記上位サーバへ返信する処理を実行し、
前記下位サーバ自身の上位サーバの下の他の下位サーバからの問合せ信号を前記タグリーダレベルまたはアクセスポイントレベルの精度指定を示す情報とともに受信した場合には、前記タグ識別情報若しくは前記携帯端末装置識別情報または前記移動体識別情報を用いて前記下位サーバ自身の前記移動体位置情報データベースを検索して該当する前記移動体の位置情報を取得して問合せ元の前記他の下位サーバへ返信する処理を実行する構成とされ、
前記上位サーバは、
他の上位サーバの下の下位サーバからの問合せ信号を前記タグリーダレベルまたはアクセスポイントレベルの精度指定を示す情報とともに受信した場合には、前記上位サーバ自身の下の下位サーバに問合せ信号を送信し、前記上位サーバ自身の下の下位サーバから返信されてきた該当する前記移動体の位置情報を受信して問合せ元の前記他の上位サーバの下の下位サーバへ返信する処理を実行し、
他の上位サーバの下の下位サーバからの問合せ信号を前記下位サーバレベルの精度指定を示す情報とともに受信した場合には、前記タグ識別情報若しくは前記携帯端末装置識別情報または前記移動体識別情報を用いて前記上位サーバ自身の移動体位置情報データベースを検索して該当する前記移動体の位置情報を取得して問合せ元の前記他の上位サーバの下の下位サーバへ返信する処理を実行する閲覧処理手段を備えた
ことを特徴とする請求項7に記載の移動体位置追跡システム。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の移動体位置追跡システムとして、コンピュータを機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−130165(P2010−130165A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−300921(P2008−300921)
【出願日】平成20年11月26日(2008.11.26)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成19年度地域イノベーション創出総合支援事業「研究成果実用化検討(FS)に関わる「Web技術に基づくWi−Fiタグを用いた大規模位置検知システムの開発」に関する委託研究、産業技術力強化法19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(504171134)国立大学法人 筑波大学 (510)
【Fターム(参考)】