説明

移動体通信システム、移動体通信方法、通信処理装置及びその制御方法と制御プログラム

【課題】小型BTSのセル範囲の内外を移動する際の位置登録頻度を抑制することにより、移動体端末、基地局及びネットワークにおける位置登録負荷を軽減すること。
【解決手段】サイズの異なる複数のセルが重畳する移動体通信システムであって、複数のセルの各々に在圏する移動局を制御する複数の基地局と、複数のセル間を移動する移動局と、移動局の在圏位置を登録する位置登録サーバと、を備える。移動局は、第1サイズの第1セルから、第1セルに包含された前記第1サイズより小さな第2サイズの第2セルに移動した場合、位置登録サーバに通知し、第2セルから第1セルに移動した場合、セル間の移動を位置登録サーバに通知する前に所定時間の遅延を行ない、所定時間の遅延の間に移動局が前記第2セルに戻ればセル間の移動を位置登録サーバに通知しないよう制御する位置登録制御部を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体通信システムにおける移動局の位置登録技術に関する。
【背景技術】
【0002】
上記技術分野において、特許文献1には、階層的に位置登録エリアが重複する構成(狭いエリアとそれを含む広いエリア)において、電車やバスが位置登録エリアの境界を移動した際に広いエリアでの位置登録を遅延させる技術が開示されている。この技術により、一度に大量の位置登録が発生して負荷が集中することを防止している。そして、特許文献1では複数の階層に重複して位置登録しているので、位置登録を遅延させても位置確認が可能である。一方、特許文献2は、小無線基地局の小無線ゾーン外においても移動端末が着信できるように小無線基地局の小無線ゾーンをカバーする中無線基地局の中無線ゾーンを設定する技術が開示されている。特許文献2では、いずれかの無線ゾーンに位置登録され複数の階層に重複して位置登録がされることはない。そして、移動端末を呼び出す場合、まず小無線ゾーンで呼出し、応答がなければ順に大きな無線ゾーンを呼び出すことにより、ユーザの移動端末が小無線ゾーンから外にでた場合には中無線ゾーンにて位置登録を実施することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-128897号公報
【特許文献2】特許第2786485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術には、各携帯無線エリア(いわゆる、セル)の無線基地局(以下、BTS: Base Transceiver Station)による位置登録処理そのものを低減させることについての発想なない。例えば、特許文献1においては大きな位置登録エリアでの位置登録を一旦は遅延させるが、位置登録の集中を避ける目的であるので遅延後には位置登録を行なうことになる。一方、特許文献2においては、特許文献1とは異なり複数の階層に重複して位置登録する処理は発生しないものの、継続して位置確認を可能とするには位置登録エリアが変われば必ず新しい位置登録エリアへの位置登録が行なわれる。
【0005】
今後、特定の少数ユーザのみを収容する小型BTSが普及した場合には、以下のような問題が起こってくる。特許文献2の技術では、移動体端末(以下、UE:User Equipment)が小型BTSの構成するセル範囲の内外を移動する度に、ネットワークに対して位置登録を実施する必要が生じる。そのため、移動体端末、基地局、及びネットワークに対する位置登録負荷が増大してしまう。一方、特許文献1の技術では、UEの呼出し時において、複数階層となった、位置登録エリア内の不特定多数のユーザを収容するマクロBTSが構成するセルに対する呼出しに加え、小型BTSBが構成するセルに対する呼出しも必要となる。そのため、ネットワークに対するページ(Page)信号処理(以下、ページング:Paging)の負荷が増大する。
【0006】
本発明の目的は、上述の課題を解決する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係るシステムは、
サイズの異なる複数のセルが重畳する移動体通信システムであって、
前記複数のセルの各々に在圏する移動局を制御する複数の基地局と、
前記複数のセル間を移動する移動局と、
前記移動局の在圏位置を登録する位置登録サーバと、を備え、
前記移動局は、第1サイズの第1セルから、前記第1セルに包含された前記第1サイズより小さな第2サイズの第2セルに移動した場合、前記位置登録サーバに通知し、前記第2セルから前記第1セルに移動した場合、セル間の移動を前記位置登録サーバに通知する前に所定時間の遅延を行ない、前記所定時間の遅延の間に前記移動局が前記第2セルに戻ればセル間の移動を前記位置登録サーバに通知しないよう制御する位置登録制御手段を有することを特徴とする。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る方法は、
サイズの異なる複数のセルが重畳する移動体通信システムにおける移動体通信方法であって、
移動局が、第1サイズの第1セルから、前記第1セルに包含された前記第1サイズより小さな第2サイズの第2セルに移動した場合、セル間の移動を前記移動局の在圏位置を登録する位置登録サーバに通知し、前記第2セルから前記第1セルに移動した場合、セル間の移動を前記位置登録サーバに通知する前に所定時間の遅延を行ない、前記所定時間の遅延の間に前記移動局が前記第2セルに戻ればセル間の移動を前記位置登録サーバに通知しないよう制御するステップと、
前記位置登録サーバが、前記移動局の在圏位置を登録するステップと、
前記位置登録サーバが、前記第1セルと、前記第1セルに包含される第2セルと、前記第2セルに収容される移動局とを対応付けて登録するステップと、
前記位置登録サーバが、対象移動局へのページングの指示に応答して、前記対象移動局の在圏が登録された前記第2セルと、前記第2セルを包含する前記第1セルの全体または一部とに対してページングするステップと、
を含むことを特徴とする。
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る装置は、
サイズの異なる複数のセルが重畳する移動体通信システムにおいて前記複数のセル間を移動する通信処理装置であって、
第1サイズの第1セルから、前記第1セルに包含された前記第1サイズより小さな第2サイズの第2セルに移動した場合、セル間の移動を前記通信処理装置の在圏位置を登録する位置登録サーバに通知する通知手段と、
前記第2セルから前記第1セルに移動した場合、前記通知手段によりセル間の移動を前記位置登録サーバに通知する前に所定時間の遅延を行なう遅延手段と、
前記所定時間の遅延の間に前記通信処理装置が前記第2セルに戻れば、セル間の移動を前記位置登録サーバに通知しないよう制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係る方法は、
サイズの異なる複数のセルが重畳する移動体通信システムにおいて前記複数のセル間を移動する通信処理装置の制御方法であって、
第1サイズの第1セルから、前記第1セルに包含された前記第1サイズより小さな第2サイズの第2セルに移動した場合、セル間の移動を前記通信処理装置の在圏位置を登録する位置登録サーバに通知する通知ステップと、
前記第2セルから前記第1セルに移動した場合、前記通知ステップによりセル間の移動を前記位置登録サーバに通知する前に所定時間の遅延を行なう遅延ステップと、
前記所定時間の遅延の間に前記通信処理装置が前記第2セルに戻れば、セル間の移動を前記位置登録サーバに通知しないよう制御する制御ステップと、
を含むことを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明に係るプログラムは、
サイズの異なる複数のセルが重畳する移動体通信システムにおいて前記複数のセル間を移動する通信処理装置の制御プログラムであって、
第1サイズの第1セルから、前記第1セルに包含された前記第1サイズより小さな第2サイズの第2セルに移動した場合、セル間の移動を前記通信処理装置の在圏位置を登録する位置登録サーバに通知する通知ステップと、
前記第2セルから前記第1セルに移動した場合、前記通知ステップによりセル間の移動を前記位置登録サーバに通知する前に所定時間の遅延を行なう遅延ステップと、
前記所定時間の遅延の間に前記通信処理装置が前記第2セルに戻れば、セル間の移動を前記位置登録サーバに通知しないよう制御する制御ステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0012】
上記目的を達成するため、本発明に係る装置は、
サイズの異なる複数のセルが重畳する移動体通信システムにおいて前記複数のセル間を移動する移動局の在圏位置を登録する通信処理装置であって、
前記移動局の在圏位置を登録する位置登録手段と、
第1セルと、前記第1セルに包含される第2セルと、前記第2セルに収容される移動局とを対応付けて登録するセル登録手段と、
対象移動局へのページングの指示に応答して、前記対象移動局の在圏が登録された前記第2セルと、前記第2セルを包含する前記第1セルの全体または一部とに対してページングするページング手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、小型BTSのセル範囲の内外を移動する際の位置登録頻度を抑制することにより、移動体端末、基地局及びネットワークにおける位置登録負荷を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態に係る移動体通信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係る移動体通信システムの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る移動体通信システムの位置登録動作を示すシーケンス図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る移動体通信システムの大型セル在圏時のページング応答動作を示すシーケンス図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る移動体通信システムの小型セル在圏時のページング応答動作を示すシーケンス図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る移動体通信システムの小型セルからマクロセルに出た時のページング応答動作を示すシーケンス図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る位置登録サーバの構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る小型BTS収容情報記憶部の構成を示す図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る位置登録エリア記憶部の構成を示す図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係る位置登録サーバの処理手順を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第2実施形態に係る呼出し信号送信処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第2実施形態に係る呼出し応答受信処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第2実施形態に係る呼出し応答待ちタイマタイムアウト処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図14】本発明の第2実施形態に係る小型BTSの構成を示すブロック図である。
【図15】本発明の第2実施形態に係る小型BTS収容情報記憶部の構成を示す図である。
【図16】本発明の第2実施形態に係る小型BTSの処理手順を示すフローチャートである。
【図17】本発明の第2実施形態に係るUEの構成を示すブロック図である。
【図18】本発明の第2実施形態に係る位置登録アルゴリズムを示す図である。
【図19】本発明の第2実施形態に係るUEの処理手順を示すフローチャートである。
【図20】本発明の第2実施形態に係る位置登録処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図21】本発明の第3実施形態に係る移動体通信システムの構成を示すブロック図である。
【図22】本発明の第3実施形態に係る位置登録サーバの小型BTS収容情報記憶部の構成を示す図である。
【図23】本発明の第3実施形態に係る呼出し応答待ちタイマタイムアウト処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図24】本発明の第4実施形態に係る呼出し応答待ちタイマタイムアウト処理の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態について例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施の形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の技術範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0016】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態としての移動体通信システム100について、図1を用いて説明する。移動体通信システム100は、サイズの異なる複数のセル111,121が重畳するシステムである。
【0017】
図1に示すように、移動体通信システム100は、複数のセル111,121の各々に在圏する移動局を制御する複数の基地局110,120と、複数のセル111,121間を移動する移動局130−1〜130−4と、移動局の在圏位置を登録する位置登録サーバ140と、を備える。
【0018】
移動局130−1〜130−4は位置登録制御部130aを有する。位置登録制御部130aは、第1サイズの第1セル111から、第1セル111に包含された第1サイズより小さな第2サイズの第2セル121に移動した場合(130−1→130−2)、セル間の移動を位置登録サーバ140に通知する。一方、第2セル121から第1セル111に移動した場合(130−2→130−3)、セル間の移動を位置登録サーバ140に通知する前に所定時間の遅延t0を行なう。そして、所定時間の遅延t0の間に移動局130−3が第2セル121に戻ればセル間の移動を位置登録サーバ140に通知しないよう制御する。
【0019】
本実施形態によれば、小さな第2セル範囲の内外を移動する際の位置登録頻度を抑制することにより、移動体端末、基地局及びネットワークにおける位置登録負荷を軽減することができる。
【0020】
[第2実施形態]
第2実施形態は、基本的に固定された複数のマクロ無線基地局(以下、マクロBTS)により制御する複数のマクロセルからなる位置登録エリア(以下、大型セルとも言う)と、移動可能な1つの小型無線基地局(以下、小型BTS)により制御する小型セルと、からなる移動体通信システムである。そして、多くの小型セルが大型セル内に設定されている。小型セル内に在圏する移動体端末(以下、UE)は対応する小型BTSのみによって制御され、UEのマクロBTSと小型BTSとの通信は排他的に実施される。かかる移動体通信システムにおいて、UEが小型セルからマクロセルによる大型セルに頻繁に出入りする場合に、小型セルから位置登録エリアへの移動時に位置登録を遅延させる。また、ページ(Page)信号によるUEの呼出し(以下、ページング:Pagingとも言う)時に、まず現在位置登録しているセルを呼出し、応答がなければ隣接するセルを呼び出すように処理する。本実施形態によれば、小型セル範囲の内外を移動する際の位置登録頻度を抑制すると共に、ページングの失敗による再呼出しを減少させることにより、移動体端末、基地局及びネットワークにおける位置登録負荷を軽減することができる。
【0021】
《本実施形態の移動体通信システムの構成》
図2は、本実施形態に係る移動体通信システム200の構成を示すブロック図である。 図2において、移動体通信システム200は、UE230と、マクロBTS210と、小型BTS220と、BTS制御装置250と、コアネットワーク(CN:Core Network)260と、位置登録サーバ240とにより構成される。UE230は、ユーザが移動体通信を行うための無線端末である。マクロBTS210及び小型BTS220は、UE230との間で無線にて送受するデータとネットワーク側との間で有線にて送受するデータの変換を行う無線基地局である。BTS制御装置250は、マクロBTS210及び小型BTS220を制御するための装置である。位置登録サーバ240は、各UE230の位置情報を記憶する。そして、UE230呼出し時に、UE230が存在する位置登録エリアに対して呼出し(Paging)を実施するための装置である。なお、移動体通信システム200を構成する各装置は通信処理装置として総称できる。
【0022】
図2の移動体通信システム200において、211は、マクロBTS210の制御範囲を示すマクロセルである。複数のマクロBTS210による複数のマクロセル211により大型セルである位置登録エリアA(212)が形成される。一方、221は、小型BTS220の各々の制御範囲を示す小型セルに対応する小型セルである位置登録エリアB〜Fである。マクロBTS210及び小型BTS220の各BTSは、位置登録エリア毎にユニークな報知情報をセル内のUE230に対して送信している。UE230は、各BTSから送信された報知情報によりUE230自身が存在する位置登録エリアを把握している。そして、位置登録エリアの変化を検出すると、UE230は対応するBTSに対して位置登録要求を送信し、BTS及びBTS制御装置250を経由して位置登録サーバ240に転送する。これにより、位置登録サーバ240は各UE230が存在する位置登録エリアを常時把握している。
【0023】
《本実施形態に係る移動体通信システムのシーケンス》
以下、図2の移動体通信システム200における、本実施形態の各構成要素の動作シーケンスを説明する。
【0024】
(位置登録動作のシーケンス)
図3は、位置登録動作を示すシーケンス図である。図3には、UE230がこのUE230を収容する小型BTS220の小型セル221に入った場合のUE230の位置登録処理と、UE230が小型BTS220の小型セル221から出た場合のUE230の位置登録処理とが図示されている。
【0025】
まず、本実施形態の位置登録処理を実現するため、ステップS301において、小型BTS220を移動体通信システム200に接続する。この時に、ステップS303において、小型BTS220から位置登録サーバ240に小型BTS220に収容されるUE230を登録した小型BTS収容情報が送信される。位置登録サーバ240は、ステップS305において、受信した小型BTS収容情報で位置登録サーバ240内に保持されている小型BTS収容情報を更新する。かかる小型BTS収容情報の更新は、新たな小型BTS220が移動体通信システム200に接続された時、あるいは移動体通信システム200から切り離された時、あるいは小型BTS220に登録された小型BTS収容情報が変更された時に実行される。
【0026】
図3のステップS307において、UE230が位置登録エリアA(212)を構成するマクロセル211の1つから、UE230を収容する(メンバーである)小型セル221の1つに移動する。小型BTS220からの報知情報を受信したUE230は、ステップS309において、発信元の小型BTS220とBTS制御装置250とを介して位置登録サーバ240に位置登録を通知する。位置登録サーバ240は位置登録通知を受信して、ステップS311において、位置登録サーバ240に登録されたUE230の位置情報を発信元の小型BTS220に更新する。
【0027】
ここで、UE230が小型セル221を出て位置登録エリアA(212)を構成するマクロセル211の1つに移動したとすると、UE230は、ステップS313において、マクロBTS210からの報知情報の受信により検出する。そして、ステップS315において、UE230はタイマを起動する。ステップS317においては、受信する報知情報からUE230はタイムアウトの前に元の小型セル221に戻ったか否かを判断する。元の小型セル221にタイムアウト前に戻れば、位置登録の更新は行なわれずに位置登録サーバ240は元の小型セル221の位置情報を維持する。一方、タイムアウトすれば、ステップS319において、受信している報知情報の発信元のマクロBTS210及びBTS制御装置250を介して、位置登録サーバ240に位置登録を通知する。位置登録サーバ240は位置登録通知を受信して、ステップS321において、位置登録サーバ240に登録されたUE230の位置情報を発信元のマクロBTS210に更新する。
【0028】
(大型セル在圏時のページング応答動作のシーケンス)
図4は、大型セル212在圏時のページング応答動作を示すシーケンス図である。本ページング応答動作は、図3において、UE230が小型セル221に入る前の状態や、小型セル221から出てタイムアウトになり、UE230の位置登録エリアがマクロBTS210による大型セル212に更新された状態での動作である。
【0029】
ステップS401において対象移動局であるUE230への呼出し(Paging)が発生すると、位置登録サーバ240は、ステップS403において、登録されている対象UE230の位置登録エリアを読み込む。大型セル212在圏時には、大型セル212を構成する複数のマクロBTS210へのページングが指示される。ステップS405において、BTS制御装置250と複数のマクロBTS210を介してページングを実行する。そして、ステップS407において、ページングに対する応答のタイムアウトを判定するために、応答待ちタイマを起動する。
【0030】
ページ信号を受信したUE230は、ステップS409において、ページ信号に対して在圏確認のために応答する。ステップS411において、UE230は、UE230が受信したページ信号の発信元であるマクロBTS210とBTS制御装置250とを介して、応答信号を位置登録サーバ240に返す。
【0031】
位置登録サーバ240は、応答信号を受信するとステップS413において応答待ちタイマを停止し、UE230が登録されている位置登録エリアに在圏することを確認する。そして、マクロBTS210とBTS制御装置250とを経由する通信パスが確認できたので、ステップS415において、かかる通信パスにより呼接続処理が継続される。
【0032】
(小型セル在圏時のページング応答動作のシーケンス)
図5は、小型セル在圏時のページング応答動作を示すシーケンス図である。本ページング応答動作は、図3において、UE230が小型セル221に入った後の状態や、小型セル221から出てもタイムアウト前に元の小型セル221に帰った状態での動作である。
【0033】
ステップS501においてUE230への呼出し(Paging)が発生すると、位置登録サーバ240は、ステップS503において、登録されている対象UE230の位置登録エリアを読み込む。小型セル221在圏時には、在圏する小型セル221に対応する小型BTS220へのページングが指示される。ステップS505において、BTS制御装置250と小型BTS220を介してページングを実行する。そして、ステップS507において、ページングに対する応答のタイムアウトを判定するために、応答待ちタイマを起動する。
【0034】
ページ信号を受信したUE230は、ステップS509において、ページ信号に対して在圏確認のために応答する。ステップS511において、UE230は、UE230が受信したページ信号の発信元である小型BTS220とBTS制御装置250とを介して、応答信号を位置登録サーバ240に返す。
【0035】
位置登録サーバ240は、応答信号を受信するとステップS513において応答待ちタイマを停止し、UE230が登録されている位置登録エリアに在圏することを確認する。そして、小型BTS220とBTS制御装置250とを経由する通信パスが確認できたので、ステップS515において、かかる通信パスにより呼接続処理が継続される。
【0036】
(小型セルから大型セルに出た時のページング応答動作のシーケンス)
図6は、小型セル221から大型セル212に出た時のページング応答動作を示すシーケンス図である。本ページング応答動作は、図3において、UE230が小型セル221に入って位置登録した後、小型セル221から出た時の状態での動作である。
【0037】
ステップS601においてUE230への呼出し(Paging)が発生すると、位置登録サーバ240は、ステップS603において、登録されている対象UE230の位置登録エリアを読み込む。小型セル221在圏時には、在圏する小型セル221に対応する小型BTS220へのページングが指示される。ステップS605において、BTS制御装置250と小型BTS220を介してページングを実行する。そして、ステップS607において、ページングに対する応答のタイムアウトを判定するために、応答待ちタイマを起動する。
【0038】
UE230は小型セル221の外に出たのでページ信号を受信できないので、応答できない。そのままUE230が小型セル221の外にいれば、ステップS609において、応答待ちタイマがタイムアウトとなる。タイムアウトになると、位置登録サーバ240は、ステップS611において、大型セルと、大型セルに含まれる小型セルと、各小型セルに収容されるUEとを関連付けて登録している小型BTS収容情報(図8参照)を読み込む。そして、タイムアウトとなった小型セルに隣接する大型セル(あるいはマクロセル)をページング先に設定する。ステップS613において、BTS制御装置250と複数のマクロBTS210を介してページングを実行する。そして、ステップS615において、ページングに対する応答のタイムアウトを判定するために、応答待ちタイマを起動する。
【0039】
ページ信号を受信したUE230は、ステップS617において、ページ信号に対して在圏確認のために応答する。ステップS619において、UE230は、UE230が受信したページ信号の発信元であるマクロBTS210とBTS制御装置250とを介して、応答信号を位置登録サーバ240に返す。
【0040】
位置登録サーバ240は、応答信号を受信するとステップS621において応答待ちタイマを停止し、UE230が登録されている位置登録エリアに在圏することを確認する。そして、マクロBTS210とBTS制御装置250とを経由する通信パスが確認できたので、ステップS623において、かかる通信パスにより呼接続処理が継続される。
【0041】
《位置登録サーバの構成》
図7は、本実施形態に係る位置登録サーバ240の構成を示すブロック図である。
【0042】
図7の位置登録サーバ240は、UE230の位置登録とUE230へのページングとを処理する位置登録・呼出し処理部710を備える。また、位置登録サーバ240がコアネットワーク260やBTS制御装置250、マクロBTS210、小型BTS220を介してUE230と通信するための信号送受信インタフェース720を備える。信号送受信インタフェース720は、外部から受信した信号を各処理部へ分配する機能・各処理部から受信した信号を外部へ送信する機能を有する。
【0043】
位置登録・呼出し処理部710は、UE230から呼出し信号を受信し、呼出し信号送信部712による呼出し信号送信処理を起動する呼出し信号受信部711を有する。また、各UE230の在圏する位置登録エリアを管理するための位置登録エリア記憶部713を有する。また、各位置登録エリア内に存在(隣接)する小型BTSと各小型BTSが収容するUE識別子との対応関係を管理するための小型セル登録部でもある小型BTS収容情報記憶部714を有する。また、UE230の在圏する位置登録エリアの情報と小型BTS収容情報とから、呼出し信号送信先セルを決定し、呼出し信号の送信、応答待ちタイマ起動を行う呼出し信号送信部712を有する。また、UE230からの呼出し信号応答を受信し、呼出し応答待ちタイマ部715のタイマの停止を行う呼出し応答受信部716を有する。また、小型BTS220からの収容情報を受信し小型BTS収容情報の更新を行う小型BTS収容情報受信部717を有する。また、UE230からの位置登録信号を受信し、該当UE230の位置登録情報の更新を行う位置登録信号受信部718を有する。また、呼出し信号応答待ちの応答待ち時間715aを有し、タイムアウトが発生した時、大型セルを構成するマクロBTSに対する呼出し信号送信処理の起動を行う呼出し応答待ちタイマ部715を有する。
【0044】
なお、かかる位置登録サーバ240の各機能構成部は、ハードウェアにより実現される部分も、あるいはCPUがプログラムを実行してソフトワエにより実現される部分も含んでいる。また、図7に図示した機能構成部は本実施形態に必須の要素であり、位置登録サーバ240が有する他の機能に対応する構成部の図示は行なってない。
【0045】
(小型BTS収容情報記憶部の構成)
図8は、小型BTS収容情報記憶部714の構成を示す図である。
【0046】
図8において、801には、本例では複数のマクロBTS210により構成される位置登録エリアである大型セルが記憶される。この大型セルに対応付けて、大型セルに含まれる小型BTSの位置登録エリアである小型セル802と、各小型セルに収容される移動体端末情報803とが登録されている。かかる各小型セルに収容される移動体端末情報803は、小型セルを移動体通信システム200に接続した時に各小型セルから通知され、その小型セルが含まれる大型セルに対応付けて記憶される。
【0047】
(位置登録エリア記憶部の構成)
図9は、位置登録エリア記憶部713の構成を示す図である。
【0048】
図9において、901には、位置登録サーバ240が管理すべきエリア内の全てのUEの識別子が記憶される。各UEの識別子901に対応付けてUEが通知した位置登録エリア903が登録されている。図9の“B”、“A”、“E”は図2のセルに対応している。
【0049】
《位置登録サーバの処理手順》
図10は、本実施形態に係る位置登録サーバ240の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートは、位置登録サーバ240を制御するCPUがRAMを一時記憶として使用しながら実行されることで、図7の各機能構成部の処理を実現する。
【0050】
まず、ステップS1010において、小型BTSから収容するUEを示す収容情報を受信したかが判定される。収容情報の受信であればステップS1012に進んで、受信した収容情報を小型BTS収容情報記憶部714に記憶する(図8参照)。
【0051】
また、ステップS1020において、マクロBTSあるいは小型BTSを介してUEからの位置登録情報を受信したかが判定される。位置登録情報であればステップS1022に進んで、受信した位置登録情報を位置登録エリア記憶部713に記憶する(図9参照)。
【0052】
また、ステップS1030において、UEの呼出し(Paging)である否かが判断される。ページング処理であればステップS1032に進んで、呼出し信号の送信処理を行なう(図11参照)。その後、ステップS1034とS2038において、UEからのページングに対する応答信号を受信したか、応答待ちタイマがタイムアウトになったかを判断する。応答信号を受信した場合ハステップS1036に進んで、呼出し応答受信処理を行なう(図12参照)。一方、タイムアウトすればステップS1040に進んで、呼出し応答待ちタイマのタイムアウト処理を行なう(図13参照)。そして、ステップS1042において、小型BTSあるいはマクロBTSのページングした時にセットされるPage応答待ちフラグがONであるか否かが判断される。Page応答待ちフラグがONであれば、ステップS1034に戻って、再度応答受信かタイムアウトかを判断する。Page応答待ちフラグがOFFであれば、処理を終了する。
【0053】
(呼出し信号送信処理の処理手順)
図11は、呼出し信号送信処理(S1032)の処理手順を示すフローチャートである。
【0054】
呼出しイベントの発生時は、まずステップS1101において、位置登録エリア記憶部713にアクセスし、呼出し対象のUEが存在する位置登録エリアの確認を行う。次に、ステップS1103において、小型BTS収容情報記憶部714にアクセスし、呼出し対象のUEを収容する小型BTSが構成する位置登録エリアの確認を行う。ステップS1105において、両者が一致するか否かを判定する。
【0055】
両者が一致する場合はステップS1107に進んで、該当小型BTSのみに対してPage信号送信を実施する。そして、ステップS1109において、小型BTS向けPage応答待ちフラグをONとし、ステップS1111において、応答待ちタイマを起動してリターンする。一方、両者が一致しない場合はステップS1113に進んで、該当位置登録エリア内の全マクロBTSに対してPage信号送信を実施する。そして、ステップS1115において、マクロBTS向けPage応答待ちフラグをONとし、ステップS1117において、応答待ちタイマを起動してリターンする。
【0056】
(呼出し応答受信処理の処理手順)
図12は、呼出し応答受信処理(S1036)の処理手順を示すフローチャートである。
【0057】
UEからの呼出し応答受信時は、ステップS1201において、Page応答待ちフラグをOFFとする。そして、ステップS1203において端末存在セルを確認した後、ステップS1205において呼接続処理を継続してリターンする。
【0058】
(呼出し応答待ちタイマタイムアウト処理の処理手順)
図13は、呼出し応答待ちタイマタイムアウト処理(S1040)の処理手順を示すフローチャートである。
【0059】
呼出し応答待ちタイムアウト発生時は、ステップS1301においてタイムアウトが発生したBTS種別を判定する(すなわち、Page応答待ちフラグがマクロBTS向けか/小型BTS向けかを判定する)。判定結果によるタイムアウトが発生したBTS種別に応じて、次の通り動作する。
【0060】
マクロBTS向けPage応答待ちタイムアウトの場合は、ステップS1303に進んで、マクロBTS向けPage応答待ちフラグをOFFとした後、ステップS1305において呼出し処理失敗判断してリターンする。一方、小型BTS向けpage応答待ちタイムアウトの場合は、ステップS1307に進んで、まず小型BTS向けPage応答待ちフラグをOFFとする。その後、ステップS1309において、小型BTSの位置登録エリアに隣接する位置登録エリア内の全マクロBTS向けにPage信号を送信して、ステップS1311において、マクロBTS向けPage応答待ちフラグをONにする。そして、ステップS1313において、マクロBTS向けPage応答待ちタイマを起動してリターンする。
【0061】
《小型BTSの構成》
図14は、本実施形態に係る小型BTS220の構成を示すブロック図である。
【0062】
図14の小型BTS220は、UE230の位置登録を処理する位置登録処理部1410を備える。また、小型BTS220がUE230との無線通信を行なうための無線信号送受信部1420と、小型BTS220が位置登録サーバ240との通信を行なうための信号送受信インタフェース1430とを備える。信号送受信インタフェース1430は、外部から受信した信号を各処理部へ分配する機能・各処理部から受信した信号を外部へ送信する機能を有する。
【0063】
位置登録処理部1410は、UE230に報知情報を送信する報知情報送信部1411を有する。また、本小型BTS220の小型BTS収容情報を記憶する小型BTS収容情報記憶部1412を有する。また、本小型BTS220に収容されているUEの情報である小型BTS収容情報を位置登録サーバ240に送信する小型BTS収容情報送信部1413を有する。また、UE230からの位置登録を受信する位置登録受信部1414を有する。また、位置登録受信部1414による位置登録の受信によって起動されて、位置登録サーバ240に位置登録を送信する位置登録送信部1415を有する。
【0064】
また、位置登録サーバ240からのページ信号を受信するページ信号受信部1416を有する。また、受信したページ信号により起動されてページ信号を対象UEにユニキャストするページ信号送信部1417を有する。また、ページ信号の受信に応答する応答信号をUEから受信する呼出し応答受信部1418を有する。また、呼出し応答受信部1418に起動されて受信した応答信号を位置登録サーバ240に送信する呼出し応答送信部1419を有する。
【0065】
なお、かかる小型BTS220の各機能構成部は、ハードウェアにより実現される部分も、あるいはCPUがプログラムを実行してソフトワエにより実現される部分も含んでいる。また、図14に図示した機能構成部は本実施形態に必須の要素であり、小型BTS220が有する他の機能に対応する構成部の図示は行なってない。
【0066】
(小型BTS収容情報記憶部の構成)
図15は、小型BTS収容情報記憶部1412の構成を示す図である。
【0067】
図15において、1501には、小型BTS220に収容される全てのUEの識別子が記憶される。各UEの識別子1501に対応付けて当該UEが小型BTS220の小型セル内に在圏するか否かの在圏情報が登録されている。なお、小型BTS収容情報送信部1413によって送信されるのは収容される全てのUEの識別子1501であり、位置登録送信部1415によって送信されるのは在圏情報1502が在圏となった場合に相当する。
【0068】
《小型BTSの処理手順》
図16は、本実施形態に係る小型BTSの処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートは、小型BTS220を制御するCPUがRAMを一時記憶として使用しながら実行されることで、図14の各機能構成部の処理を実現する。
【0069】
まず、ステップS1610において、小型BTS220を移動体通信システム200に接続した時(あるいは小型BTS220の電源投入時)の初期設定であるかを判定する。初期設定であればステップS1612に進んで、小型BTS収容情報として本小型BTSに収容されたUEについて情報を、小型BTS収容情報記憶部1412から読み込む。ステップS1614において、信号送受信インタフェース1430を介して小型BTS収容情報を位置登録サーバ240に送信する。
【0070】
ステップS1620においては、報知情報の送信であるかを判定する。報知情報の送信であればステップS1622に進んで、無線信号送受信部1420を介して、本小型BTS220を識別可能な報知情報を小型セル221の範囲にブロードキャストする。また、ステップS1630においては、UEからの位置登録の受信であるかを判定する。位置登録の受信であればステップS1632に進んで、信号送受信インタフェース1430を介して位置登録を位置登録サーバ240に送信する。
【0071】
ステップS1640においては、ページングのためのページ信号の位置登録サーバ240からの受信であるかを判定する。ページ信号の受信であればステップS1642に進んで、ページ信号を対象UEにユニキャストする。また、ステップS1650において、ページ信号を受信したUEからの呼出し応答の受信であるかを判定する。UEからの呼出し応答の受信であればステップS1652に進んで、呼出し応答信号を位置登録サーバ240に送信する。
【0072】
《UEの構成》
図17は、本実施形態に係るUE230の構成を示すブロック図である。
【0073】
図17のUE230は、位置登録サーバ240への位置登録を処理する位置登録処理部1710を備える。また、UE230がマクロBTS210または小型BTS220との無線通信を行なうための無線信号送受信部1420と、小型BTS220が位置登録サーバ240との通信を行なうための信号送受信インタフェース1430とを備える。
【0074】
位置登録処理部1710は、マクロBTS210または小型BTS220から報知情報を受信し、位置登録送信部を起動する報知情報受信部1711を有する。また、位置登録サーバ240に最後に通知した位置登録情報を記憶する位置情報記憶部1713を有する。また、位置登録送信遅延時間1714aを保持し、小型BTS配下の位置登録エリアからマクロBTS配下の位置登録エリアに移動後の経過時間を監視し、一定時間経過後に位置登録送信部1712を起動する位置登録送信タイマ部1714を有する。また、報知情報受信部1711または位置登録送信タイマ部1714から起動され、位置登録の送信と位置情報記憶部1713で管理される位置情報の更新を行う位置登録送信部1712を有する。位置登録送信部1712は、本実施形態における位置登録を制御するための位置登録アルゴリズム1712aを保持している。
【0075】
なお、かかるUE230の各機能構成部は、ハードウェアにより実現される部分も、あるいはCPUがプログラムを実行してソフトワエにより実現される部分も含んでいる。また、図17に図示した機能構成部は本実施形態に必須の要素であり、UE230が有する他の機能に対応する構成部の図示は行なってない。
【0076】
(位置登録アルゴリズム)
図18は、位置登録アルゴリズム1712aを示す図である。図18において、それぞれの列において、まず右列が、位置情報記憶部1713に記憶された本UEが最後に位置登録した情報1801の列である。次の中列が、報知情報受信部1711から通知された本UEが受信した報知情報1802の列である。右列には、本UEが最後に位置登録した情報1801と本UEが受信した報知情報1802とから、本実施形態のUEの位置登録送信部1712が取る動作1803を示している。
【0077】
最初の行1810は、最後の位置登録がマクロBTS配下で、受信した報知情報もマクロBTSからである場合、すなわちマクロBTS配下に引き続き居た場合の動作であり、「位置登録送信等の処理は実施せずに処理を終了する。このとき、位置登録送信タイマが起動中の場合はタイマの停止を行なう」。2番目の行1820は、最後の位置登録が小型BTS配下で、受信した報知情報も小型BTSからである場合、すなわち小型BTS配下に引き続き居た場合の動作であり、「位置登録送信等の処理は実施せずに処理を終了する」。3番目の行1830は、最後の位置登録がマクロBTS配下で、受信した報知情報が小型BTSからである場合、すなわちマクロBTS配下から小型BTS内に移動した場合の動作であり、「位置登録の送信と、送信した位置登録への位置情報記憶部の更新を行なう」。最後の行1840は、最後の位置登録が小型BTS配下で、受信した報知情報はマクロBTSからである場合、すなわち一旦小型BTS配下に入ったがマクロBTS配下に出て来た場合の動作であり、「位置登録の即時送信は行なわず、位置登録送信タイマの起動を行なう。そして、位置登録送信タイマが満了すると、位置登録送信タイマ部からの起動で位置登録の送信と、送信した位置登録への位置情報記憶部の更新を行なう」。なお、位置登録送信タイマが満了する前に、受信した報知情報が小型BTSからである場合は、2番目の行1820に条件が変わるので位置登録は行なわない。
【0078】
《UEの処理手順》
図19は、本実施形態に係るUEの処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートは、UE230を制御するCPUがRAMを一時記憶として使用しながら実行されることで、図17の各機能構成部の処理を実現する。
【0079】
ます、ステップS1910において、マクロBTSあるいは小型BTSからの報知情報の受信であるかを判定する。報知情報であればステップS1912に進んで、図18に示した位置登録アルゴリズムに従って位置登録処理を実行する(図20参照)。ステップS1920においては、マクロBTSあるいは小型BTSからページ信号を受信したかを判定する。ページ信号を受信するとステップS1922に進んで、応答処理を行なう。
【0080】
(位置登録処理の処理手順)
図20は、位置登録処理(S1912)の処理手順を示すフローチャートである。図20は、図18の位置登録アルゴリズムを実行するフローチャートである。
【0081】
まず、ステップS2001において、図19のステップS1910で受信した報知情報が小型BTSからか/マクロBTSからかを判断する。小型BTSからと判明するとステップS2003に進んで、位置情報記憶部1713に記憶された最終位置登録が小型BTSに対して送信されたか/マクロBTSに対して送信されたかを判断する。もし小型BTSが最終位置登録であれば、図18の2番目の行1820のように、何もしないでリターンする。もしマクロBTSが最終位置登録であればステップS2005に進んで、図18の3番目の行1830のように、マクロBTS配下から小型BTS配下に移動したので小型セルの位置情報を位置登録の更新のため位置登録サーバ240に送信する。
【0082】
ステップS2007においては、受信した報知情報がマクロBTSからの場合の、位置情報記憶部1713に記憶された最終位置登録が小型BTSに対して送信されたか/マクロBTSに対して送信されたかを判断する。もしマクロBTSが最終位置登録であればステップS2017に進んで、図18の最初の行1810のようにマクロBTS配下に引き続き居たと判断して、位置登録はせずに位置登録送信タイマをリセットする。もし小型BTSが最終位置登録であれば、図18の最後の行1840の処理を行なう。まずステップSにおいて、位置登録送信タイマをスタートする。ステップS2011においては、小型BTSからの報知情報があったかを判定し、もし小型BTSからの報知情報があれば小型セルの外に一旦出たがまた戻ったとして位置登録は行なわない。
【0083】
ステップS2013においては、位置登録送信タイマのタイムアウトを監視し、小型BTSからの報知情報を受信せずにタイムアウトするとステップS2015に進んで、複数のマクロBTSが作る大型セルマの位置情報を位置登録サーバ240に送信する。
【0084】
[第3実施形態]
第2実施形態では、UEが小型セルを出た場合には複数のマクロBTSが形成する大型セルを1つとして扱い、大型の位置登録エリア全体に対しマクロBTSによるページングを行なっていた。従って、小型BTSからマクロBTSへの移動直後に呼出しが実施されて小型BTSへの呼出しに失敗した後には、隣接する位置登録エリア配下の全マクロBTSに対して呼出しを実施する動作となる。しかし、小型BTS配下からマクロBTS配下への移動後、マクロBTS配下から位置登録を実施するまでの時間は一定時間内に限られる。そのため、小型BTS周辺のマクロBTS配下に存在すると推測でき、リソースの無駄な浪費になると共に、遠いマクロBTSにとっては不必要な負荷がかかることになる。本実施形態では、大型セルの中により小さなマクロセルのグループからなる予備位置登録エリアを設定する。本実施形態によれば、第2実施形態の効果に加えて、リソースの無駄な浪費を無くすと共に、遠いマクロBTSにとっては不必要な負荷が軽減できる。
【0085】
《本実施形態に係る移動体通信システムの構成》
図21は、本実施形態に係る移動体通信システム2100の構成を示すブロック図である。
【0086】
図21の構成の図2との相違は、新たにより小さな予備位置登録エリアA−1及びA−2(2112)を作成したことと、それを制御するために位置登録サーバ2140を変更したこととである。なお、位置登録サーバ2140の図7の位置登録サーバ240との相違は、小型BTS収容情報記憶部における大型セルである位置登録エリアがより小さく分割されたものである。他の構成要素は第2実施形態の図2と同様でるので、説明を省く。
【0087】
《位置登録サーバの小型BTS収容情報記憶部の構成》
図22は、本実施形態に係る位置登録サーバ2140の小型BTS収容情報記憶部2214の構成を示す図である。
【0088】
図22において、2201には、本例では複数のマクロBTS210により構成される大型セル内の一部である予備位置登録エリアA−1,A−2が記憶される。この予備位置登録エリアA−1,A−2に対応付けて、各予備位置登録エリアA−1,A−2に含まれる小型BTSの位置登録エリアである小型セル2202と、各小型セルに収容される移動体端末情報2203とが登録されている。かかる各小型セルに収容される移動体端末情報2203は、小型セルを移動体通信システム2100に接続した時に各小型セルから通知され、その小型セルが含まれる大型セルに対応付けて記憶される。
【0089】
《本実施形態に係る呼出し応答待ちタイマタイムアウト処理の処理手順》
図23は、本実施形態に係る呼出し応答待ちタイマタイムアウト処理(S1040)の処理手順を示すフローチャートである。なお、本実施形態の処理を実現するためには、図23のフローチャートが図13に代替して実行されればよい。図23において図13と同じ参照番号のステップは、図13の処理と同様である。
【0090】
図23では、ステップS2309において、図13のステップS1309と異なり、Page信号の送信を指示するマクロBTSは予備位置登録エリアを制御するマクロBTSに限定されることになる。図22からも明らかなように、どの予備位置登録エリアでPage信号を送信するかは今までUEが在圏していた小型BTSに隣接する条件により選ばれることになる。
【0091】
[第4実施形態]
第2及び第3実施形態においては、ページングの処理において小型BTS配下からマクロBTS配下への移動時にのみ着目していた。従って、小型BTSへの呼出し失敗時のみマクロBTSへの呼出しを実施している。しかしながら、マクロBTS配下から小型BTS配下への移動と呼出しが同タイミングで競合した場合においては、マクロBTSへの呼出しに失敗するケースも想定されうる。そこで、本実施形態においては、小型BTSに隣接する位置登録エリアへの呼出しに失敗した場合に、再度小型BTSへの呼出しを実施する。本実施形態によれば、マクロBTS配下から小型BTS配下への移動と呼出しが同タイミングで競合した場合においても、ページングの失敗及び失敗による処理負荷の増減をなくすことができる。なお、本実施形態のシステム構成や装置構成などは第2及び第3実施形態から想定可能であるので説明は省略する。
【0092】
《本実施形態に係る呼出し応答待ちタイマタイムアウト処理の処理手順》
図24は、本実施形態に係る呼出し応答待ちタイマタイムアウト処理(S1040)の処理手順を示すフローチャートである。なお、本実施形態の処理を実現するためには、図23のフローチャートが図13に代替して実行されればよい。図23において図13と同じ参照番号のステップは、図13の処理と同様である。
【0093】
図24では、ステップS1305においてマクロBTSによるページングが失敗した場合にそれでページング処理を終了しない。次に、ステップS2401において、該当小型BTSのみに対してPage信号送信を実施する。そして、ステップS2403において、小型BTS向けPage応答待ちフラグをONとし、ステップS2405において、応答待ちタイマを起動してリターンする。
【0094】
かかる処理を追加することにより、マクロBTS配下から小型BTS配下への移動と呼出しが同タイミングで競合した場合においても、ページング失敗を減らしBTS及びネットワークへの負荷を低減する。
【0095】
なお、本実施形態による位置登録負荷の軽減は、UEが位置登録エリア間を移動する頻度とマクロBTS移動後に位置登録送信を抑止する時間設定に依存する。抑止時間(位置登録送信遅延時間1714aに相当)を長くするほど、位置登録処理の抑止効果は高まるしかし、その分、マクロBTSへの移動を認識するのに時間を要するため、UEの存在しない小型BTSに対して呼出しを実施してしまう可能性が高くなる。抑止時間は、小型BTSのカバーエリアの特性から、一時的に小型BTSのカバーエリア外に移動した場合に、小型BTSのカバーエリアに戻るまでの時間として想定されうる時間を推測して設定する。これにより、効果を高めることができる。
【0096】
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について詳述したが、それぞれの実施形態に含まれる別々の特徴を如何様に組み合わせたシステム又は装置も、本発明の範疇に含まれる。
【0097】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用されても良いし、単体の装置に適用されても良い。さらに、本発明は、実施形態の機能を実現する制御プログラムが、システム或いは装置に直接或いは遠隔から供給される場合にも適用可能である。したがって、本発明の機能をコンピュータで実現するために、コンピュータにインストールされる制御プログラム、或いはその制御プログラムを格納した媒体、その制御プログラムをダウンロードさせるWWW(World Wide Web)サーバも、本発明の範疇に含まれる。
【0098】
[実施形態の他の表現]
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0099】
(付記1)
サイズの異なる複数のセルが重畳する移動体通信システムであって、
前記複数のセルの各々に在圏する移動局を制御する複数の基地局と、
前記複数のセル間を移動する移動局と、
前記移動局の在圏位置を登録する位置登録サーバと、を備え、
前記移動局は、第1サイズの第1セルから、前記第1セルに包含された前記第1サイズより小さな第2サイズの第2セルに移動した場合、前記位置登録サーバに通知し、前記第2セルから前記第1セルに移動した場合、セル間の移動を前記位置登録サーバに通知する前に所定時間の遅延を行ない、前記所定時間の遅延の間に前記移動局が前記第2セルに戻ればセル間の移動を前記位置登録サーバに通知しないよう制御する位置登録制御手段を有することを特徴とする移動体通信システム。
(付記2)
前記位置登録サーバは、
前記移動局の在圏位置を登録する位置登録手段と、
前記第1セルと、前記第1セルに包含される第2セルと、前記第2セルに収容される移動局とを対応付けて登録するセル登録手段と、
対象移動局へのページングの指示に応答して、前記対象移動局の在圏が登録された前記第2セルと、前記第2セルを包含する前記第1セルの全体または一部とに対してページングするページング手段と、
を有することを特徴とする付記1に記載の移動体通信システム。
(付記3)
前記ページング手段は、前記対象移動局の在圏が登録されている前記第2セルに対してページングした後、所定時間の間に前記対象移動局からの応答が無い場合に、前記第2セルを包含する前記第1セルの全体に対してページングすることを特徴とする付記2に記載の移動体通信システム。
(付記4)
前記第1セルは複数のマクロ無線基地局により制御される複数のマクロセルからなり、
前記ページング手段は、前記対象移動局の在圏が登録されている前記第2セルに対してページングした後、所定時間の間に前記対象移動局からの応答が無い場合に、前記第1セルの一部であり、前記対象移動局の在圏が登録されている前記第2セルに隣接するマクロセルのグループに対してページングすることを特徴とする付記2に記載の移動体通信システム。
(付記5)
前記ページング手段は、前記第2セルを包含する前記第1セルの全体または一部に対してページングした後、所定時間の間に前記対象移動局からの応答が無い場合に、再度、前記対象移動局の在圏が登録されている前記第2セルに対してページングすることを特徴とする付記2乃至4のいずれか1項に記載の移動体通信システム。
(付記6)
サイズの異なる複数のセルが重畳する移動体通信システムにおける移動体通信方法であって、
移動局が、第1サイズの第1セルから、前記第1セルに包含された前記第1サイズより小さな第2サイズの第2セルに移動した場合、セル間の移動を前記移動局の在圏位置を登録する位置登録サーバに通知し、前記第2セルから前記第1セルに移動した場合、セル間の移動を前記位置登録サーバに通知する前に所定時間の遅延を行ない、前記所定時間の遅延の間に前記移動局が前記第2セルに戻ればセル間の移動を前記位置登録サーバに通知しないよう制御するステップと、
前記位置登録サーバが、前記移動局の在圏位置を登録するステップと、
前記位置登録サーバが、前記第1セルと、前記第1セルに包含される第2セルと、前記第2セルに収容される移動局とを対応付けて登録するステップと、
前記位置登録サーバが、対象移動局へのページングの指示に応答して、前記対象移動局の在圏が登録された前記第2セルと、前記第2セルを包含する前記第1セルの全体または一部とに対してページングするステップと、
を含むことを特徴とする移動体通信方法。
(付記7)
サイズの異なる複数のセルが重畳する移動体通信システムにおいて前記複数のセル間を移動する通信処理装置であって、
第1サイズの第1セルから、前記第1セルに包含された前記第1サイズより小さな第2サイズの第2セルに移動した場合、セル間の移動を前記通信処理装置の在圏位置を登録する位置登録サーバに通知する通知手段と、
前記第2セルから前記第1セルに移動した場合、前記通知手段によりセル間の移動を前記位置登録サーバに通知する前に所定時間の遅延を行なう遅延手段と、
前記所定時間の遅延の間に前記通信処理装置が前記第2セルに戻れば、セル間の移動を前記位置登録サーバに通知しないよう制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする通信処理装置。
(付記8)
サイズの異なる複数のセルが重畳する移動体通信システムにおいて前記複数のセル間を移動する通信処理装置の制御方法であって、
第1サイズの第1セルから、前記第1セルに包含された前記第1サイズより小さな第2サイズの第2セルに移動した場合、セル間の移動を前記通信処理装置の在圏位置を登録する位置登録サーバに通知する通知ステップと、
前記第2セルから前記第1セルに移動した場合、前記通知ステップによりセル間の移動を前記位置登録サーバに通知する前に所定時間の遅延を行なう遅延ステップと、
前記所定時間の遅延の間に前記通信処理装置が前記第2セルに戻れば、セル間の移動を前記位置登録サーバに通知しないよう制御する制御ステップと、
を含むことを特徴とする通信処理装置の制御方法。
(付記9)
サイズの異なる複数のセルが重畳する移動体通信システムにおいて前記複数のセル間を移動する通信処理装置の制御プログラムであって、
第1サイズの第1セルから、前記第1セルに包含された前記第1サイズより小さな第2サイズの第2セルに移動した場合、セル間の移動を前記通信処理装置の在圏位置を登録する位置登録サーバに通知する通知ステップと、
前記第2セルから前記第1セルに移動した場合、前記通知ステップによりセル間の移動を前記位置登録サーバに通知する前に所定時間の遅延を行なう遅延ステップと、
前記所定時間の遅延の間に前記通信処理装置が前記第2セルに戻れば、セル間の移動を前記位置登録サーバに通知しないよう制御する制御ステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする制御プログラム。
(付記10)
サイズの異なる複数のセルが重畳する移動体通信システムにおいて前記複数のセル間を移動する移動局の在圏位置を登録する通信処理装置であって、
前記移動局の在圏位置を登録する位置登録手段と、
第1セルと、前記第1セルに包含される第2セルと、前記第2セルに収容される移動局とを対応付けて登録するセル登録手段と、
対象移動局へのページングの指示に応答して、前記対象移動局の在圏が登録された前記第2セルと、前記第2セルを包含する前記第1セルの全体または一部とに対してページングするページング手段と、
を備えることを特徴とする通信処理装置。
(付記11)
サイズの異なる複数のセルが重畳する移動体通信システムにおいて前記複数のセル間を移動する移動局の在圏位置を登録する通信処理装置の制御方法であって、
前記移動局の在圏位置を登録する位置登録ステップと、
第1セルと、前記第1セルに包含される第2セルと、前記第2セルに収容される移動局とを対応付けて登録するセル登録ステップと、
対象移動局へのページングの指示に応答して、前記対象移動局の在圏が登録された前記第2セルと、前記第2セルを包含する前記第1セルの全体または一部とに対してページングするページングステップと、
を含むことを特徴とする通信処理装置の制御方法。
(付記12)
サイズの異なる複数のセルが重畳する移動体通信システムにおいて前記複数のセル間を移動する移動局の在圏位置を登録する通信処理装置の制御プログラムであって、
前記移動局の在圏位置を登録する位置登録ステップと、
第1セルと、前記第1セルに包含される第2セルと、前記第2セルに収容される移動局とを対応付けて登録するセル登録ステップと、
対象移動局へのページングの指示に応答して、前記対象移動局の在圏が登録された前記第2セルと、前記第2セルを包含する前記第1セルの全体または一部とに対してページングするページングステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする制御プログラム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サイズの異なる複数のセルが重畳する移動体通信システムであって、
前記複数のセルの各々に在圏する移動局を制御する複数の基地局と、
前記複数のセル間を移動する移動局と、
前記移動局の在圏位置を登録する位置登録サーバと、を備え、
前記移動局は、第1サイズの第1セルから、前記第1セルに包含された前記第1サイズより小さな第2サイズの第2セルに移動した場合、前記位置登録サーバに通知し、前記第2セルから前記第1セルに移動した場合、セル間の移動を前記位置登録サーバに通知する前に所定時間の遅延を行ない、前記所定時間の遅延の間に前記移動局が前記第2セルに戻ればセル間の移動を前記位置登録サーバに通知しないよう制御する位置登録制御手段を有することを特徴とする移動体通信システム。
【請求項2】
前記位置登録サーバは、
前記移動局の在圏位置を登録する位置登録手段と、
前記第1セルと、前記第1セルに包含される第2セルと、前記第2セルに収容される移動局とを対応付けて登録するセル登録手段と、
対象移動局へのページングの指示に応答して、前記対象移動局の在圏が登録された前記第2セルと、前記第2セルを包含する前記第1セルの全体または一部とに対してページングするページング手段と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の移動体通信システム。
【請求項3】
前記ページング手段は、前記対象移動局の在圏が登録されている前記第2セルに対してページングした後、所定時間の間に前記対象移動局からの応答が無い場合に、前記第2セルを包含する前記第1セルの全体に対してページングすることを特徴とする請求項2に記載の移動体通信システム。
【請求項4】
前記第1セルは複数のマクロ無線基地局により制御される複数のマクロセルからなり、
前記ページング手段は、前記対象移動局の在圏が登録されている前記第2セルに対してページングした後、所定時間の間に前記対象移動局からの応答が無い場合に、前記第1セルの一部であり、前記対象移動局の在圏が登録されている前記第2セルに隣接するマクロセルのグループに対してページングすることを特徴とする請求項2に記載の移動体通信システム。
【請求項5】
前記ページング手段は、前記第2セルを包含する前記第1セルの全体または一部に対してページングした後、所定時間の間に前記対象移動局からの応答が無い場合に、再度、前記対象移動局の在圏が登録されている前記第2セルに対してページングすることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の移動体通信システム。
【請求項6】
サイズの異なる複数のセルが重畳する移動体通信システムにおける移動体通信方法であって、
移動局が、第1サイズの第1セルから、前記第1セルに包含された前記第1サイズより小さな第2サイズの第2セルに移動した場合、セル間の移動を前記移動局の在圏位置を登録する位置登録サーバに通知し、前記第2セルから前記第1セルに移動した場合、セル間の移動を前記位置登録サーバに通知する前に所定時間の遅延を行ない、前記所定時間の遅延の間に前記移動局が前記第2セルに戻ればセル間の移動を前記位置登録サーバに通知しないよう制御するステップと、
前記位置登録サーバが、前記移動局の在圏位置を登録するステップと、
前記位置登録サーバが、前記第1セルと、前記第1セルに包含される第2セルと、前記第2セルに収容される移動局とを対応付けて登録するステップと、
前記位置登録サーバが、対象移動局へのページングの指示に応答して、前記対象移動局の在圏が登録された前記第2セルと、前記第2セルを包含する前記第1セルの全体または一部とに対してページングするステップと、
を含むことを特徴とする移動体通信方法。
【請求項7】
サイズの異なる複数のセルが重畳する移動体通信システムにおいて前記複数のセル間を移動する通信処理装置であって、
第1サイズの第1セルから、前記第1セルに包含された前記第1サイズより小さな第2サイズの第2セルに移動した場合、セル間の移動を前記通信処理装置の在圏位置を登録する位置登録サーバに通知する通知手段と、
前記第2セルから前記第1セルに移動した場合、前記通知手段によりセル間の移動を前記位置登録サーバに通知する前に所定時間の遅延を行なう遅延手段と、
前記所定時間の遅延の間に前記通信処理装置が前記第2セルに戻れば、セル間の移動を前記位置登録サーバに通知しないよう制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする通信処理装置。
【請求項8】
サイズの異なる複数のセルが重畳する移動体通信システムにおいて前記複数のセル間を移動する通信処理装置の制御方法であって、
第1サイズの第1セルから、前記第1セルに包含された前記第1サイズより小さな第2サイズの第2セルに移動した場合、セル間の移動を前記通信処理装置の在圏位置を登録する位置登録サーバに通知する通知ステップと、
前記第2セルから前記第1セルに移動した場合、前記通知ステップによりセル間の移動を前記位置登録サーバに通知する前に所定時間の遅延を行なう遅延ステップと、
前記所定時間の遅延の間に前記通信処理装置が前記第2セルに戻れば、セル間の移動を前記位置登録サーバに通知しないよう制御する制御ステップと、
を含むことを特徴とする通信処理装置の制御方法。
【請求項9】
サイズの異なる複数のセルが重畳する移動体通信システムにおいて前記複数のセル間を移動する通信処理装置の制御プログラムであって、
第1サイズの第1セルから、前記第1セルに包含された前記第1サイズより小さな第2サイズの第2セルに移動した場合、セル間の移動を前記通信処理装置の在圏位置を登録する位置登録サーバに通知する通知ステップと、
前記第2セルから前記第1セルに移動した場合、前記通知ステップによりセル間の移動を前記位置登録サーバに通知する前に所定時間の遅延を行なう遅延ステップと、
前記所定時間の遅延の間に前記通信処理装置が前記第2セルに戻れば、セル間の移動を前記位置登録サーバに通知しないよう制御する制御ステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする制御プログラム。
【請求項10】
サイズの異なる複数のセルが重畳する移動体通信システムにおいて前記複数のセル間を移動する移動局の在圏位置を登録する通信処理装置であって、
前記移動局の在圏位置を登録する位置登録手段と、
第1セルと、前記第1セルに包含される第2セルと、前記第2セルに収容される移動局とを対応付けて登録するセル登録手段と、
対象移動局へのページングの指示に応答して、前記対象移動局の在圏が登録された前記第2セルと、前記第2セルを包含する前記第1セルの全体または一部とに対してページングするページング手段と、
を備えることを特徴とする通信処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2012−170037(P2012−170037A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−31638(P2011−31638)
【出願日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】