説明

積層シート及び光記録媒体

【課題】
製膜性及び厚み精度が良好であり、フィルム状に加工させても、脆く壊れやすい、腰がなく取り回し辛い等の問題が生ずることがなく、2次加工性に優れ、被着体への汚染性・溶剤クラック等が低減された積層シート及び該積層シートを積層して得られる光記録媒体を提供すること。
【解決手段】
少なくとも基材層の片面にハードコート層を積層してなる構成を備えた積層シートとし、各層を活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物で形成させ、80℃、30分間の加熱条件下で揮発する積層シートの残留溶剤量を100ppm/g未満とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
近年ディスプレイ等光学製品、電子機器、情報記録部材等において光学的に歪みの小さいプラスチックフィルムが多く用いられ、かつ応用されている。このようなフィルムへの要求性能として光学的に歪みの少ない性質だけでなく、耐湿熱変形性、被着体への接着力、及び非汚染性などが挙げられる。特に高精密部品や光ディスクなどの先端技術の分野においては高温高湿等、厳しい環境条件下における信頼性が求められる場合が殆どであるが、必ずしも満足できるものはなかった。
【0002】
例えば、特許文献1には、光学的に歪みの少ないフィルムとして、有機溶剤にて溶融キャストしたポリカーボネート樹脂フィルムが提案されている。
【0003】
また、特許文献2には、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の加工方法としてコーティング法、特にスピンコーター法の優位性が示されている。
【0004】
また、特許文献3には、UV硬化性のアクリル樹脂を用いた感圧接着剤付きのシートが示されている。
【0005】
さらに、特許文献4には、プリンターにより出力される写真等の画像紙や、ディスプレイ等の表面に優れた耐擦傷性、耐水性や耐薬品性を付与でき、また歪が少なく、画像の鮮明性を向上させることができ、さらに厚みを薄くすることができる、ウレタンアクリレートを硬化させたハードコート付粘着シートが記載されている。
【0006】
【特許文献1】特開2002−309015号公報
【特許文献2】特開2003−231725号公報
【特許文献3】特開2006−330714号公報
【特許文献4】国際公開公報第2004/083330号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ディスプレイ等光学製品、電子機器、情報記録部材等の先端技術の分野においては被着体が酸化・腐食性を持つものが多く、従来の光学的に歪みの小さいプラスチックフィルムでは、有機材料中の低分子量成分や残留溶剤等が被着体へ移行して部材の腐食などを起こしたり、該フィルムや被着体に溶剤クラックを引き起こす原因となる場合がある。
【0008】
特許文献1記載の発明においては、製膜時に塩化メチレン溶剤を使用しており、環境負荷が大きく、フィルム中の残留溶剤が懸念されるばかりか、上記フィルムは別工程にてハードコート層を設ける必要があり工程が煩雑で実用的とは言い難い。
【0009】
また特許文献2記載の発明では、厚さ50〜100μm程度のフィルムを得る場合、これらの方法では、厚さ精度が十分でないばかりでなく、使用される活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の飛散等によるロスも大きく、実用的とは言い難い。
【0010】
特許文献3記載の感圧接着剤付きのシートは、実施形態において表面の硬度や耐汚染性を考慮した設計になっておらず、実用的とは言い難い。
【0011】
さらに特許文献4記載のハードコート付粘着シートは、実施形態において各層の組成物を有機溶剤にて希釈している為、乾燥工程が必要となり工程の煩雑さ及び環境への負荷が無視できないばかりか、該シートの総厚みが50μm以下と薄く、自立性に欠ける為両面にプロテクトフィルムを設ける必要があり、生産性が良いとは言えず実用的とは言い難いものであった。
【0012】
そこで本発明は、製膜性及び厚み精度が良好であり、フィルム状に加工させても、脆く壊れやすい、腰がなく取り回し辛い等の問題が生ずることがなく、2次加工性に優れ、被着体への汚染性・溶剤クラック等が低減された積層シート及び該積層シートを積層して得られる光記録媒体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を使用して、80℃、30分間の加熱条件下にて揮発する残留溶剤量が100ppm/g未満であり、該活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる基材層及びハードコート層を備え、被着体への溶剤クラック等の防止を可能とする積層シートを提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。また、前記基材層を形成する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の25℃における粘度を1000〜10000mPa・sとし、かつハードコート層を形成する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の25℃における粘度を300mPa・s以下に調整することによって、積層シートを良好な厚み精度で製膜でき、フィルム状に加工させても、脆く壊れやすい、腰がなく取り回し辛い等の問題が生ずることがなく、2次加工性に優れ、シートとしての自立性及び柔軟性を両立できこと、さらには、基材層及びハードコート層の粘度を上記の範囲とすることで、各層を逐次的に積層する場合や一括積層させる場合でも、各層が他の層と必要以上に混合することがなく、汚染されないため、積層シートを構成するハードコート層及び基材層の各機能を効果的に分離できることを見出した。
【0014】
すなわち、本発明は、(1)活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる積層シートであって、少なくとも基材層の片面にハードコート層を積層してなる構成を備え、80℃、30分間の加熱条件下で揮発する残留溶剤量が100ppm/g未満であることを特徴とする積層シートや、(2)前記基材層を形成する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は25℃における粘度が1000〜10000mPa・sであり、かつ前記ハードコート層を形成する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は25℃における粘度が300mPa・s以下であることを特徴とする前記(1)記載の積層シートや、(3)前記基材層を形成する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、重量平均分子量1000以上のウレタンアクリレートを含有することを特徴とする前記(1)又は(2)記載の積層シートや、(4)前記(1)〜(3)のいずれか記載の積層シートからなる光ディスク用保護フィルムや、(5)前記(1)〜(3)のいずれか記載の積層シートを少なくとも1層積層してなる光記録媒体に関する。
【0015】
また、本発明は、(6)工程用離型フィルム・ベルト・ロール上に、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物からなる基材層及びハードコート層を逐次的に又は一括で塗工して、フィルム状に賦型し、該活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させて、各層を形成する積層シートの製造方法であって、前記基材層を形成する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は25℃における粘度が1000〜10000mPa・sであり、かつ前記ハードコート層を形成する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は25℃における粘度が300mPa・sであって、80℃、30分間の加熱条件下で揮発する残留溶剤量が100ppm/g未満である積層シートの製造方法に関する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、製膜性及び厚み精度が良好であり、フィルム状に加工させても、脆く壊れやすい、腰がなく取り回し辛い等の問題が生ずることがなく、2次加工性に優れ、製膜時の乾燥工程が不要となり、環境への負荷が小さく、生産性に優れるだけでなく、該フィルムを被着体へ積層した際の被汚染性や溶剤クラックに関する懸念を低減することが可能な積層シートを提供することができ、該積層シートを積層して得られる光記録媒体は、積層の簡便性、厚さ精度に優れ、さらに、被着体への耐腐食性に優れることから、特に高精密部品や光ディスクなどの先端技術の分野において効果を発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の積層シートとしては、少なくとも基材層の片面にハードコート層を積層してなる構成を備え、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物からなり、80℃、30分間の加熱条件下で揮発する残留溶剤量が100ppm未満であれば、特に制限されるものでなく、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物から構成される積層シートは、製膜時の乾燥工程が不要となり、環境への負荷が小さく、積層シートを被着体へ積層した際の被汚染性や溶剤クラックに関する懸念を低減することが可能となる。なお、残留溶剤量は、実施例中にも記載されているように、80℃、30分間の加熱条件下で捕集された積層シート1g当たりの揮発性成分量をGC−MS((株)島津製作所製QP−5050A)にて測定した値である。
【0018】
本発明の積層シートは、80℃、30分間の加熱条件下で揮発する残留溶剤量が100ppm未満であることを必要とするが、中でも80ppm未満であることが好ましく、さらには60ppm未満であることがより好ましい。このような範囲にすることにより、被着体への溶剤クラックの発生を効果的に抑制することができる。
【0019】
上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物としては、特に制限されるものではなく、例えば、活性エネルギー線で硬化する、ウレタン(メタ)アクリレート系、エポキシ(メタ)アクリレート系、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリブタジエン(メタ)アクリレート系、ポリオールポリ(メタ)アクリレート系などのモノマー型やオリゴマー型活性エネルギー線硬化性樹脂を主成分とし、その他光重合性モノマーや、光重合開始剤を含有する組成物が挙げられる。具体的には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、ヒドロキシエチルアクリレート、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルアクリレート、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルアクリレート、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、ヒドロキシエチルメタクリレート、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルメタクリレート等の単官能基型モノマー、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等の多官能型モノマー、アジピン酸/1,6ヘキサンジオール型オリゴマージアクリレート、無水フタル酸/プロピレンオキシド型オリゴマージアクリレート、トリメリット酸ジエチレングリコール型オリゴマートリアクリレート、アジピン酸/1,6ヘキサンジオール型オリゴマージメタクリレート、無水フタル酸/プロピレンオキシド型オリゴマージメタクリレート、トリメリット酸ジエチレングリコール型オリゴマートリメタクリレート等の多官能ポリエステルアクリレート系オリゴマー、ビスフェノールA/エピクロルヒドリン型オリゴマーアクリレート、フェノールノボラック/エピクロルヒドリン型オリゴマーアクリレート、環状脂肪族エポキシドとアクリル酸の付加型、ビスフェノールA/エピクロルヒドリン型オリゴマーメタクリレート、フェノールノボラック/エピクロルヒドリン型オリゴマーメタクリレート、環状脂肪族エポキシドとメタクリル酸の付加型等の多官能エポキシアクリレート、トリレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、メチレンジフェニルジイソシアナート、キシリレンジイソシアナート、イソフォロンジイソシアナート等のジイソシアナートと多官能アルコールの反応したウレタンオリゴマーより誘導されるウレタン(メタ)アクリレートリレート等のアクリル酸誘導体が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いることができる。これらの活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を不揮発性成分濃度95%以上となるように調整して使用することが好ましく、中でも、実質100質量%、すなわち、組成物処方上溶剤や揮発成分を使用しないか、もしくは所定の条件で除去した内容で溶剤残留や光開始剤残さが、実性能上への弊害の低さから無視できる程度、とすることがより好ましい。
【0020】
前記基材層を形成する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、25℃における粘度が1000〜10000mPa・sであり、かつ前記ハードコート層を形成する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は25℃における粘度が300mPa・s以下であることが好ましい。基材層を形成する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の25℃における粘度を1000〜10000mPa・sとし、かつハードコート層を形成する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は25℃における粘度を300mPa・s以下に調整することによって、組成物の無溶剤化による粘度の上昇に伴うコーティング加工性への影響を受けることなく、積層シートを製膜性よく、良好な厚み精度で製膜することが可能となる。
【0021】
基材層を形成する25℃における粘度が1000〜10000mPa・sの活性エネルギー線硬化性樹脂組成物としては、特に制限されるものではなく、例えば、ウレタン(メタ)アクリレートを主剤とし、(メタ)アクリレートモノマー等の反応性希釈剤を含有させ、粘度を上記範囲内となるように調整してなる組成物を挙げることができる。基材層を形成する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の25℃における粘度の上限を10000mPa・s以下とすることで、吐出ムラ、ダイ筋等の塗工ムラが出にくく、フィルムの平滑性が良好となり、しいてはフィルムの面状態が良好となる。また、基材層を形成する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の25℃における粘度の下限を1000mPa・s以上とすることにより、製膜した硬化前樹脂組成物が流れることを防ぎ厚膜塗工が可能となる。さらに、上記ウレタン(メタ)アクリレートの中でも、重量平均分子量1000以上、より好ましくは、重量平均分子量1000〜4000のウレタンアクリレートを用いることが好ましい。このように、比較的分子量の高いウレタンアクリレートを含有させることで、基材層に靱性を付与させることができる。また、中でも分子内にウレタン結合が4〜20程度存在している構造の末端に4−ヒドロキシブチルアクリレートを反応させて得た下記式1で表される構造が最も好ましい。組成物の粘度を上記の範囲に調整すれば、不揮発性成分濃度95%以上の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を効果的に使用することができ、残留溶剤の発生を低減することが可能となる。なお、ここでの粘度は、JIS K7117−1(回転粘度計法)に準拠して測定された値である。
【0022】
【化1】

(但し、式中mは1〜4の整数を表わし、nは1〜10の整数を表わす。)
【0023】
(メタ)アクリレートモノマー等の反応性希釈剤としては、特に制限されるものではなく、各種希釈剤を適宜組み合わせて、上記粘度の範囲内とすることができる。これら希釈剤を含めた組み合わせとしては、例えば、(1)ウレタン(メタ)アクリレート、(2)アルキレンオキサイド基及び少なくとも2つの(メタ)アクリロイル基を有するモノマー、(3)分子内に1つの(メタ)アクリロイル基及び芳香族環構造を有するモノマー、(4)分子内に1つの(メタ)アクリロイル基及び脂環構造を有するモノマー、(5)エポキシアクリレートオリゴマー、(6)光重合開始剤を含有してなる組成物を挙げることができる。
【0024】
上記基材層の厚みは、必ずしも制限されるものではないが、積層シートの自立性等を考慮した場合においては、70〜200μmとすることが好ましく、また、75〜100μmとすることがより好ましい。
【0025】
ハードコート層を形成する25℃における粘度が300mPa・s以下である活性エネルギー線硬化性樹脂組成物としては、特に制限されるもではなく、例えば、各種活性エネルギー線硬化性のシリコーン系添加剤やフッ素系添加剤に(メタ)アクリレートモノマー等の反応性希釈剤を含有させ、粘度を上記範囲内となるように調整してなる組成物を挙げることができる。ハードコート層を形成する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の25℃における粘度の上限を300mPa・s以下とすることで、薄膜塗工が可能となるので、積層シート全体として硬くなりすぎて脆くなったり、ハートコート剤が有効に表面に傾斜しにくくなったりする懸念が生じない。組成物の粘度を上記の範囲に調整すれば、不揮発性成分濃度95%以上の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を効果的に使用することができ、残留溶剤の発生を低減することが可能となる。
【0026】
(メタ)アクリレートモノマー等の反応性希釈剤としては、特に制限されるものではなく、各種希釈剤を適宜組み合わせて、上記粘度の範囲内とすることができる。これら希釈剤を含めた組み合わせとしては、例えば、(1)側鎖に少なくとも1つの(メタ)アクリロイルオキシ基及び下記式2で表わされる構造を含む重合体、(2)分子内に少なくとも1つの(メタ)アクリロイルオキシ基と、フルオロアルキレンオキサイド基とを有する重合体、(3)分子内に少なくとも3つの(メタ)アクリロイル基を含有するモノマー、(4)分子内に1つの(メタ)アクリロイル基及び環構造を有するモノマー、(5)光重合開始剤をそれぞれ所定の割合で含有してなる組成物を挙げることができる。
【0027】
【化2】

(但し、nは5〜100の整数を表す。)
【0028】
上記ハードコート層の厚みは、必ずしも制限されるものではないが、積層シートを製膜後表面に傾斜して存在する各種ハードコート剤を有効に表面に傾斜させる場合においては、0.5〜10μmとすることが好ましく、また、1〜5μmとすることがより好ましい。
【0029】
上記光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェン、メチルオルトベンゾイルベンゾエイト、4−フェニルベンゾフェノン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2-ヒロドキシ-1-[4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]フェニル]-2-メチル-プロパン-1-オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2−メチル−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、メチルベンゾイルホルメート等を例示することができる。これらは1種を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。これらの中でもラジカル発生後の分解物が揮発性成分とならないアセトフェノン誘導体、具体的には2-ヒロドキシ-1-[4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]フェニル]-2-メチル-プロパン-1-オン等や、ラジカル発生後も分解物を発生しないベンゾフェノン誘導体等が透明性、耐久性の面で好適である。光開始剤の量は、組成物の硬化性等に応じて適宜調整されるが、典型的には本発明の活性エネルギー線硬化性組成物100重量部に対して、1〜10重量部である。
【0030】
本発明の積層シートの構成としては、基材層の少なくとも片面に、ハードコート層を積層してなる構成を備えるものであれば、特に制限されず、例えば、ハードコート層の反対面に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物からなる粘着材層を積層させることもできる。
【0031】
上記粘着材層としては、特に制限されるものではなく、(メタ)アクリレート系モノマー、オリゴマー、ポリマー又はそれらの混合物を含む活性エネルギー線硬化性樹脂組成物からなり、紫外線、電子線等の活性エネルギー線により硬化して形成されるものである。
【0032】
各層を構成する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物として上記以外の成分としては、他の光硬化性のオリゴマー・モノマーや、増感剤、架橋剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、充填材、熱可塑性樹脂・染料・顔料等の着色剤等が硬化や透明性、耐熱性等の物性に効果的かつ支障とならない範囲で添加できる。
【0033】
本発明の積層シートの製造方法としては、必ずしも制限されるものではないが、例えば、連続して定速駆動する工程用離型フィルム・ベルト・ロール上に十分混合分散した活性エネルギー線硬化性樹脂組成物よりなる基材層成分を定量供給して表面張力や加熱、加圧効果によりフィルム状に賦形し、活性エネルギー線を照射して硬化させ、基材層を形成し、その上に続けて、ハードコート層を同様にして順に製膜し、積層する方法や、基材層及びハードコート層を一括塗工し、活性エネルギー線を照射して硬化させ、基材層及びハードコートを積層する方法挙げることができる。中でも以下のA又はBの製造方法が好ましく、このような製造方法によれば、基材層とハードコート層との粘度が特定の範囲とされているので、各層を逐次的に形成する場合はもちろん一括積層させる場合でも、各層が他の層と必要以上に混合することがなく、汚染されないため、積層シートを構成するハードコート層と基材層との機能を効果的に分離することができる。なお、他の層、例えば、粘着材層をさらに積層する場合においては、離型フィルム上に粘着材層を形成し、該粘着材層に上記の方法によって、基材層及びハードコート層を積層すれば良い。
(製造方法A:各層逐次塗工)
25℃における粘度が1000〜10000mPa・sである活性エネルギー線硬化性樹脂組成物1からなる基材層を塗工して、フィルム状に賦型し、該組成物1を硬化させて、基材層を形成し、前記基材層上に、25℃における粘度が300mPa・sである活性エネルギー線硬化性樹脂組成物2からなるハードコート層を塗工して、フィルム状に賦型し、該組成物2を硬化させて、ハードコート層を形成する工程を備えた積層シートの製造方法。
(製造方法B:2層一括塗工)
25℃における粘度が1000〜10000mPa・sである活性エネルギー線硬化性樹脂組成物1からなる基材層、及び25℃における粘度が300mPa・sである活性エネルギー線硬化性樹脂組成物2からなるハードコート層を一括塗工して、フィルム状に賦型し、該組成物1及び組成物2を硬化させて、基材層及びハードコート層を形成する工程を備えた積層シートの製造方法。
【0034】
本発明の各層を構成する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の定量供給にあたっては、グラビアコーティング、ロールコーティング、ロッドコーティング、ナイフコーティング、ブレードコーティング、スクリーンコーティング、ダイコーティング、カーテンフローコーティング等を用いることができる。これらの中から本発明の組成物をシート化する際の該シートの厚さなどに応じて適当な方式を選択すればよい。例えば、厚さ70〜200μmの積層シートを得る場合、これらの厚さはコーティング加工で得るシートの厚さとしては厚い領域にあり、厚さ精度、加工の手間、外観などを考慮すると、特にダイコーティング方式で、組成物を硬化成分が実質100%の無溶剤系とした組み合わせが好ましい。
【0035】
工程用離型フィルムとしてはポリエチレンフィルム、2軸延伸ポリプロピレンフィルム、ポリ4メチルペンテン−1フィルム、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、2軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム、フッ素樹脂フィルム等の離型性、寸法安定性、平滑性に優れたフィルムが利用でき、好ましくは光学用の平滑性に優れた2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムで、より好ましくはさらにシリコーンコーティングで離型処理された光学用の平滑性に優れた2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムである。離型性の程度は組成物を硬化させた後の離型性の他、コーティングした時のフィルム形態のぬれ安定性、密着性とのバランスで調整される。また離型フィルムの厚さとしては主に本発明の組成物をコーティングする時の安定性、硬化後の硬化収縮による反り抑制、硬化に関わる活性エネルギー線透過性、離型フィルムコストのバランスで調整され、実用的には50〜250μmである。
【0036】
工程用離型ベルトはステンレスや表面メッキ加工鋼など平滑性、寸法安定性に優れたシート材をシームレスに継いで2本以上のロールに掛けてロールの駆動により連続定速加工に利用する。表面をさらにフッ素樹脂やセラミック等でコーティングして高離型化することもできる。工程用離型ロールは表面メッキ加工鋼にさらにフッ素樹脂やセラミック等でコーティングして離型化される。これらはシート化にあたり片面のみ接触した状態で組成物を賦形してもう片面は大気接触状態で加工することもできるし、種々の組み合わせで両面工程用離型材を接触させて加工することもできる。ただし、活性エネルギー線として紫外線を応用した場合には、その低透過性の制約により片面は少なくとも大気もしくは(透明プラスチック)フィルムが必須であり、エネルギー照射は、大気もしくは(透明プラスチック)フィルム側に限定される。
【0037】
工程用離型フィルムを用いない場合は単独の積層シートが得られるので、そのままロール状に巻き取り断裁して枚葉化するなどの形態で、光学機能調整用フィルム化等具体的な用途に供することになる。一方、工程用離型フィルムを用いた場合にはそれと積層シートとの離型フィルム付積層シートとして得られるので、硬化後に工程用離型フィルムを剥離して首記同様の対応ができるほか、剥離せずにそのまま積層された形態で具体的な用途に供し工程用離型フィルムを保護フィルムないし具体的な用途での工程用離型フィルムとした内容も本主旨の範囲である。
【0038】
各化合物原料の混合物に照射して硬化させるための活性エネルギー線としては、特に制約なく、工業的に利用できるものが応用でき、紫外線、電子線、γ線、X線等が挙げられるが、透過厚さ、エネルギー、設備コスト、光開始剤や増感剤等添加剤のコスト・品質への負荷等総合的に判断すると特に紫外線が利用しやすい。紫外線源としては低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、キセノンランプ等の紫外線ランプをはじめ、各種発光特性のものが特に制限なく利用でき、フィルム厚さや硬化状況等に応じて適宜調整ができる。また、エネルギーに関しても同様に調整することができ、照度として概ね0.1〜5J/cm2である。さらに照射効率を向上するために照射雰囲気を窒素等の不活性ガスとしたり、成形した組成物を加温したりしながら照射することも可能である。
【0039】
本発明の光記録媒体は、例えば、表面にピット、グルーブ等の凹凸パターンが形成されて信号記録面とされているディスク基板上に保護膜を兼ねた光透過層を設け、この光透過層側からレーザー光を照射して情報の記録、再生を行うようにした光ディスクであって、該光透過層として上記の本発明の積層シートが用いられる。ディスク基板上に光透過層を形成するには、例えば、ディスク基板上に形成された記録膜(信号記録面)の表面に、本発明の積層シートに粘着材層等を積層させて、該粘着材層面を貼着した後、該積層シートに対して活性エネルギー線を照射し、硬化させればよい。
【0040】
この場合、光信号の劣化を防止するには積層シートの光透過率は高ければ高いほどよく、380〜800nmの範囲の波長域の光の透過率は88%以上であり、特に400〜410nmの範囲の波長域の光の透過率は90%以上であることが好ましい。本発明の光記録媒体に対して適用される光信号の波長は特に限定されないが、一般に光ディスクの読み取りや書き込みに使用されている波長380〜800nmの範囲のレーザー光であってよく、特に光ディスクの記録容量を高密度にできる400nm前後の青紫色レーザー光であれば、上記のようにこの波長域の透過率が90%以上もあることから、極めて好ましい。
【実施例】
【0041】
<製造例1>
(ハードコート層成分の合成)
[側鎖にシリコーン及びメタクリロイル基を含有するポリマーAの合成]
攪拌機、温度計、コンデンサー、及び窒素ガス導入口を備えた反応器に、トルエン500質量部、エチルアクリレート300質量部及び2−ヒドロキシエチルアクリレート300質量部を入れて、窒素雰囲気下にて80℃まで昇温させた。そこへ、片末端にメタクリロイル基を含有するシリコーンオイル(X−22−174DX:信越シリコーン製)180質量部と重合触媒のアゾビスイソブチロニトリル10質量部の混合物を30分かけて滴下した。前記熱媒で過熱を防止しつつ2時間重合処理した後、イソシアネートアクリレート(カレンズMOI:昭和電工製)220質量部及び重合触媒のジブチル錫ジラウレート1質量部の混合物を滴下しつつ2時間重合処理し、重量平均分子量2万(ゲルパーミェーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算)のシリコーン構造及びメタクリロイル基を側鎖にもつアクリル共重合体を得た。
【0042】
(ハードコート層の硬化性樹脂組成物の調製)
製造例1で得たアクリル共重合体8質量%に対してにペンタエリスリトールテトラアクリレート50質量%、エトキシフェニルアクリレート20質量%、テトラヒドロフルフリルアクリレート20質量%となるように混合したのち減圧濃縮して揮発性成分が5%以下になるよう脱溶剤した後ビスアシルフォスフィンオキサイド2質量%を混合溶解し、ハードコート層の硬化性樹脂組成物を得た。温度を25℃に保った状態で、東機産業製B型粘度計(TVB−10)にH2形ローターを取り付け、回転数100rpmの条件で、組成物の粘度を測定したところ250mPa・sであった。
【0043】
(基材層の硬化性樹脂組成物の調製)
ウレタン(メタ)アクリレートリレートとして、下記式1に示したウレタン(メタ)アクリレートリレート(イソホロンジイソシアネートとテトラメチレングリコールをウレタン縮合させた末端に4−ヒドロキシブチルアクリレートを付加して得たウレタン(メタ)アクリレートリレート(重量平均分子;1000〜4000)40質量%、エチレンオキサイド(4モル)変性ビスフェノールAジアクリレート30質量%、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート20質量%、イソボニルアクリレート8質量%、及び2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン2質量%を、混合溶解し、基材層の硬化性樹脂組成物を得た。温度を25℃に保った状態で、東機産業製B型粘度計(TVB−10)にH3形ローターを取り付け、回転数20rpmの条件で、組成物の粘度を測定したところ2500mPa・sであった。
【化3】

【0044】
<実施例1>
離型性を有した厚さ100μmの平滑なポリエチレンテレフタレートフィルムにダイコータにて基材層の硬化性樹脂組成物を厚さ78μmにて製膜した後、高圧水銀ランプにて照射強度200mW/cm、積算光量600mJとなるように活性エネルギー線を照射した後、ハードコート層を基材層の上にグラビアコータにて塗工厚みが2μmになるよう塗工して、メタルハライドランプにて活性エネルギー線を照射強度200mW/cm、積算照射量400mJ/cmとなるように照射し、積層シート1を得た。
【0045】
<実施例2>
離型性を有した厚さ100μmの平滑なポリエチレンテレフタレートフィルム上に2層ダイにて基材層の硬化性樹脂組成物/ハードコート層の2層を、厚み77μm/3μmにてハードコート層が上になるように塗工し、高圧水銀ランプにて積算光量800mJ/cmとなるように活性エネルギー線を照射して積層シート2を得た。
【0046】
<比較例1>
離型性を有した厚さ100μmの平滑なポリエチレンテレフタレートフィルムにダイコータにて基材層の硬化性樹脂組成物を乾燥後の厚さ78μmになるよう塗布し、高圧水銀ランプにて照射強度200mW/cm、積算光量600mJとなるように活性エネルギー線を照射した。上記製膜した基材層上にハードコート層組成物とエタノールとの混合物(固形分濃度40%)を基材層の上にダイコータにて乾燥後の厚みが2μmになるよう塗工して60℃3分乾燥させた後に高圧水銀ランプにて活性エネルギー線を照射強度200mW/cm、積算照射量400mJ/cmとなるように照射し、積層シート3を得た。
【0047】
<比較例2>
離型性を有した厚さ100μmの平滑なポリエチレンテレフタレートフィルムにダイコータにて基材層の硬化性樹脂組成物を厚さ80μmにて製膜した後、高圧水銀ランプにて照射強度200mW/cm、積算光量600mJとなるように活性エネルギー線を照射して積層シート4を得た。
【0048】
<厚み精度>
得られた積層シート1〜4から工程用離型フィルムを剥離除去し、フィルム250mm幅方向に均等幅でJIS K7130A−1法に準じて20点マイクロメータにより測定し次の判定を行った。
○:測定値の範囲が0.005mm未満かつ標準偏差が0.0020mm未満
△:測定値の範囲が0.005mm未満もしくは標準偏差が0.0020mm未満
×:測定値の範囲が0.005mm以上で標準偏差が0.0020mm以上
【0049】
<2次加工性>
得られた積層シート1〜4のままフィルム面を移動刃側としてトムソン刃による断裁加工を20℃下で10枚行い、フィルムの切断面の状況に応じて次の判定を行った。
○:全てきれいに問題なく切断された
×:切断面に細かい亀裂が入るものが見られた
【0050】
<アウトガス発生量評価>
得られた積層シート1〜4から工程用離型フィルムを剥離除去した後、80℃環境下に30分該フィルムおいた際捕集された揮発性成分量をGC−MS((株)島津製作所製QP−5050A)にて測定し、積層シート1g当たりに発生するアウトガス量(残留溶剤量)が100ppm未満を○、100ppm以上を×と判定した。
【0051】
<硬化物層を有する光ディスクの作製及び評価>
ディスク状に成形された1.1mm厚のポリカーボネート上にAg反射膜、ZnS−SiO 誘電体層、Sb・Te系相変化記録膜、ZnS−SiO誘電体層の順に無機層が積層された基板上に、上記積層シート1〜8の100μm行程用離型フィルムを剥離して総厚みが100μmになるようアクリル系粘着シートを貼り合わせて基板の無機層積層側に貼り合わせ、ディスクサンプル1〜4を作製し、以下の評価を行った。
【0052】
<表面性能評価>
(鉛筆硬度)
得られたディスクサンプルについて積層シート側表面の鉛筆硬度を測定し、HB以上を○、B以下を×と判定した。
(耐擦傷性)
得られたディスクサンプル状に#0000のスチールウールを加重250gにて10往復させ、傷付かないものを○、傷のついたものを×と判定した。
【0053】
<耐久性評価>
(湿熱耐久性試験)
上記ディスクサンプルを温度80℃、湿度85%RHの恒温恒湿槽にて500時間静置
した後、ディスクサンプルの外観を目視で判断し、以下の判定を行った。
○:蒸着層の腐食、保護膜の剥離、割れ等はみられなかった。
×:蒸着層の腐食もしくは保護膜の剥離、割れが見られた。
【0054】
(反り耐久性試験)
得られた光ディスクを80℃85%相対湿度下で500時間置いた後の反りについて次
の判定を行った。
○:初期反り角と80℃85%相対湿度下で500時間後の反り角の差が0.4°未満。
×:初期反り角と80℃85%相対湿度下で500時間後の反り角の差が0.4°以上。
【0055】
(ヒートショック試験)
得られた光ディスクを25℃から55℃の温度環境下に急変させた時の反り変化量につ
いて次の判定を行った。
○:25℃温度環境下における反り角と55℃に環境急変させたときの反り角の差が0.6°未満
×:25℃温度環境下における反り角と55℃に環境急変させたときの反り角の差が0.6°以上
【表1】

【0056】
上記の通り、実施例1及び2においては、製膜性及び厚み精度が良好であり、フィルム状に加工させても、脆く壊れやすい、腰がなく取り回し辛い等の問題が生ずることがなく、さらにアウトガス発生量が極めて少ないため、揮発成分による被着体の腐食や、被着体への溶剤クラック等が防止された積層シートを得ることができた。一方、比較例1のように、溶剤を使用してフィルム状に加工された積層シートでは、アウトガス発生量が多く、湿熱耐久性評価において、揮発成分により溶剤クラックが発生し、積層シートが割れる問題が生じた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる積層シートであって、
少なくとも基材層の片面にハードコート層を積層してなる構成を備え、80℃、30分間の加熱条件下で揮発する残留溶剤量が100ppm/g未満であることを特徴とする積層シート。
【請求項2】
前記基材層を形成する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は25℃における粘度が1000〜10000mPa・sであり、かつ前記ハードコート層を形成する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は25℃における粘度が300mPa・s以下であることを特徴とする請求項1記載の積層シート。
【請求項3】
前記基材層を形成する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、重量平均分子量1000以上のウレタンアクリレートを含有することを特徴とする請求項1又は2記載の積層シート。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか記載の積層シートからなる光ディスク用保護フィルム。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか記載の積層シートを少なくとも1層積層してなる光記録媒体。
【請求項6】
工程用離型フィルム・ベルト・ロール上に、
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物からなる基材層及びハードコート層を逐次的に又は一括で塗工して、フィルム状に賦型し、該活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させて、各層を形成する積層シートの製造方法であって、
前記基材層を形成する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は25℃における粘度が1000〜10000mPa・sであり、かつ前記ハードコート層を形成する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は25℃における粘度が300mPa・sであって、80℃、30分間の加熱条件下で揮発する残留溶剤量が100ppm/g未満である積層シートの製造方法。

【公開番号】特開2009−154372(P2009−154372A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−334371(P2007−334371)
【出願日】平成19年12月26日(2007.12.26)
【出願人】(000006172)三菱樹脂株式会社 (1,977)
【Fターム(参考)】