説明

積層シート及び積層シート製造方法

【課題】ポリマー組成物によって形成された発泡シートとポリマーフィルムとが接着されて発泡層とフィルム層とが形成されていながらも簡便に製造されうる積層シートと、このような積層シートを簡便に製造するための積層シート製造方法とを提供することを課題としている。
【解決手段】積層シートに係る本発明は、ポリマー組成物によって形成された発泡シートとポリマーフィルムとが接着されて発泡層とフィルム層とが形成されている積層シートであって、前記発泡シートと前記ポリマーフィルムとが重ね合わされた状態で、前記発泡シート及び前記ポリマーフィルムの少なくとも一方の背面側からレーザー光が照射されて発泡シートとポリマーフィルムとの界面が加熱されることにより発泡シートとポリマーフィルムとが溶着されて接着されていることを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマー組成物によって形成された発泡シートとポリマーフィルムとが接着されて発泡層とフィルム層とが形成されている積層シートと、ポリマー組成物によって形成された発泡シートとポリマーフィルムとを接着して、発泡層とフィルム層とを有する積層シートを作製する積層シート製造方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、樹脂やゴムなどのポリマーを主たる成分とするポリマー組成物によって形成された発泡シートが、そのクッション性を利用すべく包装材をはじめとして種々の用途に用いられており、例えば、発泡シートを所定の形状に打ち抜いたクッションシートが電子機器内における緩衝材として用いられている。
携帯電話機などといった近年の小型電子機器などの緩衝材にも、厚みの薄い発泡シートが使用されているが厚みが薄い発泡シートによって形成された緩衝材は、そのままでは形状を保持することが困難であり、キャリアテープなどの担持体で形状保持させて用いられることが求められている。
【0003】
しかし、通常、発泡シートの表面には薄い気泡膜しか形成されていないことから厚み方向への力に対して弱く、例えば、表面に粘着性を有するキャリアテープを貼り付け、後にキャリアテープを剥離しようとすると界面で剥離せずに発泡シート自体が凝集破壊してしまうおそれがある。
【0004】
ところで、緩衝材等の用途においては、発泡シートがそのままの状態で用いられる場合の他に、発泡シートの表面に粘着剤を介してポリマーフィルムが接着された積層シートが用いられたりしている。
この積層シートは、発泡シートによって形成された発泡層を有することから優れたクッション性を有し、ポリマーフィルムによって形成されたフィルム層を備えていることからこのフィルム層側をキャリアテープ等に対する接着面として利用することで凝集破壊を防止できるというメリットを有する。
なお、このようなポリマーフィルムを粘着剤で接着する方法に代えて、有機溶媒に樹脂組成物を分散させた溶液を発泡シートの表面に塗工、乾燥して発泡シートの表面に、非発泡のソリッド層を形成させることも行われている(例えば、下記特許文献1、〔0022〕、〔0033〕等参照)。
【0005】
このように、フィルム層やソリッド層などの非発泡な層を発泡層とともに有する積層シートの製造においては、従来、粘着剤や有機溶媒を用いる方法が採用されており、製造工程において低分子成分を揮発させやすく、一般的に揮発性有機化合物(VOC)の発生を伴うことが多い。
そのため、環境負荷の観点からも問題点を有しているばかりではなく、製造時に局所排気や防爆などへの配慮が必要で、要する手間が煩雑となる傾向にある。
【0006】
【特許文献1】特開2006−312308号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、ポリマー組成物によって形成された発泡シートとポリマーフィルムとが接着されて発泡層とフィルム層とが形成されていながらも簡便に製造されうる積層シートと、このような積層シートを簡便に製造するための積層シート製造方法とを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するための、積層シートに係る本発明は、ポリマー組成物によって形成された発泡シートとポリマーフィルムとが接着されて発泡層とフィルム層とが形成されている積層シートであって、前記発泡シートと前記ポリマーフィルムとが重ね合わされた状態で、前記発泡シート及び前記ポリマーフィルムの少なくとも一方の背面側からレーザー光が照射されて発泡シートとポリマーフィルムとの界面が加熱されることにより発泡シートとポリマーフィルムとが溶着されて接着されていることを特徴としている。
【0009】
また、積層シート製造方法に係る本発明は、ポリマー組成物によって形成された発泡シートとポリマーフィルムとを接着して、発泡層とフィルム層とを有する積層シートを作製する積層シート製造方法であって、前記発泡シートと前記ポリマーフィルムとを重ね合わせた状態で、前記発泡シート及び前記ポリマーフィルムの少なくとも一方の背面側からレーザー光を照射して発泡シートとポリマーフィルムとの界面を加熱し、該加熱によって発泡シートとポリマーフィルムとを溶着させて接着することを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明においては、レーザー光を用いて発泡シートとポリマーフィルムの界面を加熱して溶着を実施することから、有機溶剤や粘着剤の使用を抑制しつつも発泡層とフィルム層とが強固に接着された積層シートを作製することができる。
すなわち、発泡シートとポリマーフィルムとが接着されて発泡層とフィルム層とが形成されている積層シートを簡便に作製しうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明の好ましい実施の形態について、図を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る積層シートの断面図であり、図2は、本実施形態に係る積層シート製造方法に用いる設備の構成を示す斜視図である。
まず、この図1を参照しつつ、積層シートについて説明する。
【0012】
本実施形態の積層シート1は、発泡層10とフィルム層20とが備えられており、該発泡層10とフィルム20層との間には非発泡なソリッド層30が備えられている。
すなわち、本実施形態の積層シート1は、順に発泡層10、ソリッド層30、フィルム層20の3層構造を有している。
【0013】
この積層シート1は、発泡シートとポリマーフィルムとが重ね合わされた状態で前記ポリマーフィルムの背面側からレーザー光が照射されて発泡シートとポリマーフィルムとの界面が加熱されることにより形成されたものであり、前記発泡層10と前記ソリッド層30とは、発泡シートによって形成されたものである。
また、前記フィルム層20は、ポリマーフィルムが用いられて形成されたものである。
そして、このソリッド層30は、発泡シートを構成するポリマー組成物がレーザー光の照射によって加熱溶融されることにより、ポリマーフィルムとの界面側で発泡シートの気泡が破泡して非発泡な状態となって形成されたものである。
【0014】
したがって、本実施形態においては、発泡層10は、ソリッド層30側に向かうにしたがってその発泡倍率を低下させており、発泡層10とソリッド層30との界面は、傾斜的な状態変化(発泡倍率の変化)が観測される状態となっている。
また、ソリッド層30とフィルム層20との界面は、発泡シートとポリマーフィルムとの相互のポリマー組成物が相溶した状態となっており、このソリッド層30とフィルム層20との界面も傾斜的な状態変化(成分変化)が観測される状態となっている。
【0015】
前記発泡層10、ソリッド層30、及びフィルム層20の厚みなどについては、特に限定されるものではないが、通常、ソリッド層30は、発泡層10より厚く形成させることは困難であり、1μm〜1mm程度の厚みとされる。
発泡層10は、通常、100μm〜10mmの厚みとされ、フィルム層20は、通常、2μm〜1mm程度の厚みとされる。
【0016】
この発泡層10とソリッド層30との形成に用いられる発泡シートとしては、ポリマー組成物が用いられてレーザー光による溶着が可能なものであれば特に限定されるものではなく、その形成に用いられる材質としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂などに代表される熱可塑性樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂などに代表される熱硬化性樹脂などをベースとした樹脂組成物などを挙げることができる。
なお、この発泡層10とソリッド層30との形成に用いる発泡シートの厚みとしては、0.2mm〜10mmのいずれかの厚みであることが好ましい。
また、発泡シートの発泡倍率としては、10〜50倍、好ましくは、15〜30倍であることが望ましい。
【0017】
この発泡シートの好ましい厚みの下限値が、0.2mmとされているのは、この厚み未満の発泡シートを用いた場合には、レーザー光による加熱によって発泡シート全体が溶融されやすく発泡層を形成させることが困難になるためである。
一方で上限値が10mmとされているのは、10mmを超える厚みでは、積層シートの厚みが厚くなって生産性を低下させるおそれがあるためである。例えば、ロールトゥロール搬送においては、送出しロールや巻取りロールへの巻取り量によって1バッチの生産長さが決定されることになるが、積層シートの厚みが厚いと1バッチで生産することが可能な長さが短くなってしまい生産性を低下させるおそれがある。
【0018】
なお、一般的には、発泡シートは、非発泡なポリマーフィルムに比べて、内部を通過する光を散乱させやすく、本実施形態において、ポリマーフィルムの背面側からのレーザー光の照射によって発泡シートとポリマーフィルムとの溶着が実施されているのは、照射したレーザー光を発泡シートとポリマーフィルムの界面の加熱に、より有効に活用するためである。
したがって、この場合の発泡シートは、レーザー光に対する光吸収率に優れたものであることが好ましい。
例えば、レーザー光に対する光吸収率が30%以上の発泡シートを用いることでレーザー光による溶着をより容易なものとさせ得る。
なお、発泡シートやポリマーフィルムの光吸収率については、通常、レーザー光のピーク波長に対する光吸収率をもってその値を定めることができる。
【0019】
前記ポリマーフィルムとしては、熱可塑性樹脂組成物が用いられてなり、レーザー光に対する光透過性に優れたフィルムが好適に用いられ得る。
このポリマーフィルムの形成に用いられる樹脂としては、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリエチレン樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂などが挙げられる。
なかでも、ガラス転移点(Tg)が低い樹脂が好適であり、Tgが200℃以下の熱可塑性樹脂が好ましい。より好ましくはTgが150℃以下の熱可塑性樹脂であり、Tgが100℃以下の熱可塑性樹脂が最も好ましい。
【0020】
ポリマーフィルムに用いられる樹脂のガラス転移点が上記のような温度であるのが好ましいのは、例えば、200℃を超える高いTgを有する樹脂が用いられて形成されたポリマーフィルムを用いると、該ポリマーフィルムによって形成されるフィルム層20と前記ソリッド層30との界面における相溶状態を形成させることが困難となって、優れた密着性を得ることが難しくなるためである。
【0021】
このポリマーフィルムの厚み等については、特に限定されるものではなく、通常、2μm〜1mm程度の厚みとされる。
なお、2μm未満のポリマーフィルムは、市販品としての入手が困難であるばかりでなく、慎重な取り扱いを必要とし、しかも、硬度の高い樹脂を用いてもポリマーフィルムとしてのコシが十分なものとならないおそれが有り、発泡シートとの溶着において表面にシワや縮みが生じて積層シートを良好なる外観とすることができなくなるおそれがある。
【0022】
一方で、ポリマーフィルムが1mmを超える厚みとされると、積層シート1に形成されるフィルム層20も同様に1mmを超える状態となることから、このフィルム層20によって積層シート1のコシが強くなりすぎ、積層シート1のフレキシビリティを低下させるとともに、積層シート1を曲げた時などにおいて、ソリッド層30との界面や、発泡層10とソリッド層30との界面にその応力を集中させやすく、これらの界面における剥離を発生させてしまうおそれがある。
したがって、ポリマー層20の形成に用いられるポリマーフィルムは、その形成に用いられるポリマー組成物の種類などにもよるが、2μm〜1mmのいずれかの厚みであることが好適である。
【0023】
なお、要すれば、レーザー光によって、ポリマーフィルムと発泡シートとの界面の加熱をより確実なものとすべく、レーザー光を吸収する光吸収剤を用いることも可能である。
この光吸収剤としては、用いるレーザー光の波長にもよるが、通常、カーボンブラック、ポルフィリン系有機顔料、無機顔料、染料などを用いることができる。
なかでも、カーボンブラックは、安価でありながらレーザー光の波長によらず一定レベル以上の光吸収性を示す点において汎用性が高く、好適である。
【0024】
次いで、このような部材を用いて積層シートを作製するための積層シート製造方法を、用いる設備の概略斜視図である図2を参照しつつ説明する。
この図2に示すように、本実施形態の積層シート製造方法においては、発泡シートとポリマーフィルムとが重ね合わされた状態でレーザー光が照射されて溶着が行われるレーザー溶着装置100を用いる。
この積層シート製造方法においては、ロールトゥロールによる効率の良い製造を実施すべく、前記レーザー溶着装置100によって溶着する発泡シートとポリマーフィルムを収容する材料供給部200には、帯状の発泡シート10sがロール状に巻き取られてなる発泡シートロール10rと帯状のポリマーフィルム20sがロール状に巻き取られてなるフィルムロール20rが備えられており、該材料供給部200から前記レーザー溶着装置100に発泡シートとポリマーフィルムとを連続的に供給し得るように形成された製造設備が用いられている。
【0025】
また、前記レーザー溶着装置100によって溶着された積層シートを収容する製品収容部300は、帯状の積層シート1sがロール状に巻き取られてなる積層シートロール1rを収容すべく構成されている。
すなわち、本実施形態においては、レーザー溶着装置100を挟んで材料供給部200と製品収容部300とを横一列に配置して、材料供給部200から発泡シート10sとポリマーフィルム20sとを前記レーザー溶着装置100に連続的に供給しつつレーザー溶着装置100による溶着を実施し、得られた帯状の積層シート1sを積層シートロール1rに連続的に巻き取る設備を用いた製造方法が採用されている。
【0026】
より具体的には、前記材料供給部200においては、中心軸方向を略水平とした状態で発泡シートロール10rとフィルムロール20rとが収容されており、それぞれの回転軸が上下に離間した状態で平行するように備えられている。
そして、それぞれ、図中のD1、D2で示す回転方向に回転されることにより、発泡シートロール10rとフィルムロール20rの外側の巻き終り部からそれぞれ発泡シート10sとポリマーフィルム20sとがレーザー溶着装置100に供給されるようになっている。
しかも、下段側に発泡シートロール10rが備えられ、上段側にフィルムロール20rが備えられることにより、前記レーザー溶着装置100には、発泡シート10sの上にポリマーフィルム20sが重ねあわされた状態で供給されるようになっている。
【0027】
本実施形態における前記レーザー溶着装置100は、前記材料供給部200から供給された発泡シート10sとポリマーフィルム20sとを重ね合わせた状態でポリマーフィルム20sの背面側からレーザー光を照射し得るように、上方側から下方に向けてレーザー光Rを照射するレーザー光源101が備えられている。
なお、レーザー光源101の下方側には、ステージ102が設けられており、発泡シート10sとポリマーフィルム20sとは、このステージの上側を通過する際に前記レーザー光源101によるレーザー光Rの照射を受けて溶着されるようになっている。
しかも、前記レーザー光源101からは、発泡シート10sやポリマーフィルム20sの通過方向と交差するラインビームの状態でレーザー光Rが照射されるようになっており、該ラインビームの長さは、発泡シート10sやポリマーフィルム20sの幅を超えた長さとなっている。
したがって、発泡シート10sやポリマーフィルム20sは、このレーザー光源101の下方側を通過する際にその全域においてレーザー光Rが照射され溶着されることとなる。
【0028】
また、本実施形態におけるレーザー溶着装置100には、発泡シート10sとポリマーフィルム20sとを重ね合わせた状態で、その上方から加圧するための押さえ部材103が備えられている。
本実施形態における押さえ部材103は、前記ステージ102との間に発泡シート10sとポリマーフィルム20sとを挟んで加圧を行うように配されており、しかも、押さえ部材103には、透明なガラス製ローラが用いられており、前記レーザー光源101から照射されたレーザー光Rが、このガラス製ローラの上側から入射され、内部を通過して、その最下点箇所(回転の下死点となる箇所)からポリマーフィルム20s側に透過するように配されている。
すなわち、本実施形態における積層シート製造方法では、押さえ部材103による加圧箇所においてレーザー光による界面の加熱溶着が行われることから、より確実な接合が実施されることとなる。
【0029】
また、前記製品収容部300は、レーザー溶着装置100でレーザー光Rによって発泡シート10sとポリマーフィルム20sとが溶着されて作製された積層シート1sをロール状に巻き取る巻取り機(図示せず)が備えられている。
【0030】
このようなロールトゥロール方式の設備を用いて、帯状の積層シート1sを作製するには、まず、前記材料供給部200のフィルムロール20rから帯状のポリマーフィルム20sを繰り出すとともに、発泡シートロール10rから帯状の発泡シート10sを繰り出して、この発泡シート10sの上に、先のポリマーフィルム20sを重ねた状態にしてレーザー溶着装置100に供給する。
このとき、重ねあわされたポリマーフィルム20sと発泡シート10sとの内、ポリマーフィルム20sの上面に前記押さえ部材103のガラス製ローラを当接させ所定の圧力で加圧を行う。
そして、その状態でレーザー光源101からレーザー光Rを照射し、ガラス製ローラによって加圧されている箇所において溶着を実施し、得られた積層シート1sを製品収容部300における巻取り機によって一定速度で巻き取ることにより、発泡シート10sとポリマーフィルム20sとを一定速度で連続的にレーザー溶着装置100に供給させて積層シート1sの連続製造(ロールトゥロール方式での製造)を実施させる。
【0031】
このときレーザー光Rは、一旦ガラス製ローラ内を通過した後に、ポリマーフィルム20sの背面側を押圧しているガラス製ローラの最下点箇所(回転の下死点となる箇所)から放出され、この加圧箇所のポリマーフィルム20sと発泡シート10sとの界面においてその光エネルギーが吸収され熱エネルギーへと変換される。
そして、このときのレーザー光Rの出力については、積層シートの形成に用いる発泡シートやポリマーフィルムの材質や、積層シートの生産規模(単位時間当たりに加熱処理する領域の広さ)などに応じて適宜選択すればよく、通常、0.1W/cm2以上10.0W/cm2未満のいずれかのエネルギー密度で発泡シートとポリマーフィルムの界面を加熱可能となるようにレーザー光を照射可能な出力を選択すればよい。
【0032】
この界面での“光エネルギー”から“熱エネルギー”への変換効率を高めるためには、先述のように、ポリマーフィルム20sに吸収され難く且つ発泡シートに吸収されやすい波長のレーザー光を用いることが好ましい。
言い換えると、ポリマーフィルム20sと発泡シート10sとの形成材料を選択すれば効率の良い溶着を実施することができる。
例えば、用いるレーザー光に対する光吸収率が30%以上であり、且つ前記ポリマーフィルムよりも光吸収率が高い発泡シート10sを用いることで効率の良い溶着を実施することができる。
【0033】
通常、ポリマーフィルム20sの光透過率(100−光吸収率(%))が30%以上で、且つ発泡シート10sの光吸収率が30%以上となるようにレーザー光の波長や、ポリマーフィルム20sと発泡シート10sとの材料の選択を行うことが好ましい。
ポリマーフィルム20sの光透過率が50%以上で、且つ発泡シート10sの光吸収率が40%以上となるようにレーザー光の波長や、ポリマーフィルム20sと発泡シート10sとの材料の選択を行うことがより好ましく、ポリマーフィルム20sの光透過率が70%以上で、且つ発泡シート10sの光吸収率が50%以上となるようにレーザー光の波長や、ポリマーフィルム20sと発泡シート10sとの材料の選択を行うことがさらに好ましい。
【0034】
ただし、用いるレーザー光が、フェムト秒レーザーやピコ秒レーザーによるプロセスのような多光子吸収過程を経由する場合においては、先のような、レーザー波長に対する発泡シートやポリマーフィルムの光吸収率に関係なく、レーザーの焦点位置や投入エネルギーを最適化することにより、界面の溶融状態(加熱状態)を制御することができる。
【0035】
また、レーザー光の波長や、ポリマーフィルム20sと発泡シート10sとの材料選択による界面での光/熱のエネルギー変換が困難な場合には、カーボンブラックなどの光吸収剤をこの界面に配した状態でレーザー光の照射を実施すればよい。
【0036】
このようにして、界面を加熱することで発泡シート10sの界面側に加熱溶融による破泡を生じさせて気泡を含まない溶融ポリマー層を所定の厚みで形成させ、この溶融ポリマーによってポリマーフィルム20sとの溶着を実施させるとともにレーザー光照射後の自然放冷によってこの溶融ポリマーを冷却固化させてソリッド層30を形成させる。
なお、界面側とは逆側においては、発泡シート10sの発泡状態がそのまま維持された状態で積層シート1sの発泡層10を構成することとなる。
また、溶融ポリマーによって形成されたソリッド層30の内側部分は、一部の気泡が破泡されて消失したり、あるいは、その大きさが小さくなったりすることで発泡倍率を低下させた状態となる。
したがって、積層シート1sにおいては、発泡層10からソリッド層30にかけて発泡倍率が低下して、やがては非発泡な状態となるような傾斜的な発泡倍率の変化が観察される状態となる。
【0037】
また、ソリッド層30を形成させるべく発泡シート10sを構成するポリマー組成物を溶融状態にさせるための熱によってポリマーフィルム20sもその界面側の一部を加熱溶融させることができる。
このことによって発泡シート10sの溶融ポリマーとポリマーフィルム20sの溶融ポリマーとを相溶化させることができ、このポリマーフィルム20sによって形成されるフィルム層20とソリッド層30との間に明確な界面ができることを防止することができ、傾斜的な変化を有する状態とさせることができる。
【0038】
このようにして、フィルム層20とソリッド層30とが傾斜的に変化して、その界面が消失された状態となるように溶着が実施されることにより、優れた接合強度で発泡シート10sとポリマーフィルム20sとが接合されることとなる。
また、発泡層10からソリッド層30への発泡倍率の傾斜的な変化は、例えば、積層シート1sに対して加えられた応力を発泡層10とソリッド層30、あるいは、ソリッド層30とフィルム層20との界面に集中させることを防止することができ、積層シート1sの機械的強度の向上に有効に作用することとなる。
【0039】
なお、本実施形態においては、ラインビームを照射するとともにガラス製ローラが用いられてなる押さえ部材を用いる場合を例に積層シート製造方法を例示しているが、例えば、前記レーザー溶着装置100における、レーザー光Rの照射形式等は、特にラインビームに限定されるものではなく、例えば、スポットビーム、あるいは、集光レーザーなど、種々の照射形式のものを用いることができる。
また、レーザー光を集光させる場合は、その手段も、特に限定されず、シリンドリカルレンズや回折光学素子(DOE)レンズを用いる従来公知の手段を採用することができる。
さらには、マスクイメージング法やコンタクトマスク法によって、発泡シートとポリマーフィルムの界面全体ではなく、部分的にレーザー光Rを照射させる溶着方法も採用が可能である。
すなわち、局所的に溶着がされた積層シートも本発明の意図する範囲である。
【0040】
また、照射されるレーザー光についても特に限定されるものではなく、半導体レーザー、YAGレーザー、ファイバーレーザーなど種々の発振手段によって得られるものを採用することができる。
なかでも、安価で且つ面内均一なレーザー光が容易に得られる点においては、半導体レーザーやファイバーレーザーが好適である。
【0041】
また、その発振方法も限定されるものではなく、連続的にレーザー光が照射される、いわゆる、CWレーザー(Continuous Wave Laser)と呼ばれるものや、フェムト秒レーザーやピコ秒レーザーなどのパルスレーザーを採用することができる。
【0042】
なお、このレーザー光の照射においてポリマーフィルムを押圧する押さえ部材についてもガラス製ローラに限定されるものではなく、ガラス板やガラス製ボールなどを押さえ部材として用いることができる。
また、レーザー光の照射方向にアシストガスを吹き付けるなどしてポリマーフィルムを発泡シート側に押圧するようしてもよい。
例えば、圧縮状態の空気、ヘリウムガス、ネオンガス、あるいは窒素ガスなどをアシストガスとして用いることができ、これらがポリマーフィルムに対して作用する圧力が低いと、レーザー光による溶着を加勢する効果が低く、一方で、勢い良く吹き付け過ぎるとポリマーフィルムや発泡シートを振動させて溶着の精度を低下させるおそれがある。
このような点において、上記のようなアシストガスは、0.01MPa〜5MPaのいずれかの圧力がポリマーフィルムと発泡シートとの界面に対して作用するように吹き付けられることが好ましい。
【0043】
なお、本発明においては、前記ガラス製ローラや、このアシストガスのようなポリマーフィルムの押圧手段を必須とするものではない。
例えば、図3は、帯状の発泡シート10sの上に、同じく帯状のポリマーフィルム20sを重ね合わせた状態でレーザー光源101からレーザー光Rを照射して積層シート1sを作製する様子を示した側面図であるが、この図3に示すように、ポリマーフィルム20sに加えた張力が、レーザー光Rの照射位置においてポリマーフィルム20sと発泡シート10sとの界面に作用するようにして溶着を行うことによっても高い接着力を示す溶着を実施することができる。
すなわち、押圧手段は、ポリマーフィルム20sの背面側から加圧する押さえ部材や加圧ガスに限らず、ポリマーフィルム20sの張力をポリマーフィルム20sと発泡シート10sとの界面における圧力として転化させる機構であっても良い。
なお、ポリマーフィルム20sと発泡シート10sとの界面を押圧することなく、溶着を行う場合も本発明の意図する範囲である。
【0044】
さらには、本発明に係る積層シート製造方法は、レーザー光の照射方向をポリマーフィルムの背面側からに限定するものでもなく発泡シートの背面側からであってもよく、要すれば、ポリマーフィルムの背面側と発泡シートの背面側との両方からレーザー光を照射するようにしてもよい。
また、本実施形態においては、片面にのみフィルム層の設けられた積層シートを例示しているが、例えば、両面にポリマーフィルムが用いられてなるフィルム層が設けられており、厚み方向中間部に発泡シートが用いられてなる発泡層を有するサンドイッチ構造のような積層シートも本発明の意図する範囲である。
【0045】
このようなフィルム層と発泡層とを有する積層シートは、優れた強度を有することから、慎重な取り扱いを必要とせずハンドリング性が良好であることから単に有機溶剤や粘着剤の使用を抑制して局所排気などの手間の削減を図り得るばかりでなくこのハンドリング性の向上によって製造に要する手間の削減を図ることができる。
【0046】
また、本実施形態の積層シートには、発泡層とフィルム層との優れた接合強度が付与されていることから、当該積層シートを用いたクッションシートなどの作製においてもその工程の簡略化を図り得る。
例えば、その外形加工などに際して、フィルム層側をキャリアテープなどの粘着面に貼り付けた状態でハーフカットする方法などを採用した場合においても、不要な部分をキャリアテープから容易に引き剥がして除去することができるとともに、得られた製品もキャリアテープから容易に剥離することができる。
したがって、例えば、薄手の積層シートで複雑な形状の緩衝材(クッションシート)を作製した場合でも、この緩衝材の形状を損なうことなく使用直前までキャリアテープで保持させることができるとともに、キャリアテープからの引き剥がしも良好となることから、発泡層の凝集破壊による不良品の発生頻度が低減され、緩衝材としての歩留まりも向上されうる。
【0047】
なお、ここでは詳述しないが、本発明の効果が著しく損なわれない範囲においては、積層シートや積層シート製造方法において従来公知の技術事項を本発明の積層シートや積層シート製造方法にも採用することができる。
【実施例】
【0048】
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0049】
(実施例1)
ポリプロピレン樹脂製発泡シート(厚み1mm、500mm幅の帯状、発泡倍率20倍)の上にポリプロピレン樹脂フィルム(厚み0.05mm、500mm幅)を重ね合わせ、透明なガラス板を押さえ部材として用い、ポリプロピレン樹脂フィルムの上面側から1kg/cm2の圧力で加圧を行いつつこのガラス板を通してポリプロピレン樹脂製発泡シートとポリプロピレン樹脂フィルムとの溶着を実施した。
より具体的には、レーザー光(波長940nm、出力16W、スポット径13mmφ)を照射し、このレーザー光の照射位置を100mm/sの速度で走査させてポリプロピレン樹脂製発泡シートとポリプロピレン樹脂フィルムとの溶着を実施し前記ポリプロピレン樹脂フィルムによるフィルム層が形成され、ポリプロピレン樹脂製発泡シートによる発泡層が形成された積層シートを作製した。
【0050】
このとき得られた積層シートのフィルム層は、発泡層側の界面が消失されており、ポリプロピレン樹脂製発泡シートとポリプロピレン樹脂フィルムとのそれぞれの樹脂どうしがレーザー照射によって相溶状態となったことが確認された。
また、得られた積層シート自体の引張り強度と積層界面でのピール強度との測定を行ったところ、積層界面における接合強度が高いことから界面で剥離することができずに発泡層での破断が起こり、発泡層(ポリプロピレン樹脂製発泡シート)の破断強度を上回る接合強度を有していることがわかった。
【0051】
なお、このピール強度の測定方法は、以下のように実施した。
(ピール強度測定方法)
30mm×120mmの大きさの積層シートを、23±2℃、50±5RH%の雰囲気にて、24時間以上保管した後(前処理条件:JIS Z 0237に準じる)、この積層シートのフィルム層の表面と支持板(厚さ2mmのベークライト板)とを強粘着力用両面粘着テープ(商品名「No.500」日東電工社製)で接着し、発泡層を剥離させる際に要する力を、温度:23±2℃、湿度:50±5RH%、剥離角度:180度にて、引張速度:10m/min(高速剥離)、0.3m/min(低速剥離)の各条件で測定し、ピール強度(N/20mm幅)を求めるとともに、剥離させた際の剥離状態を目視で確認した。
【0052】
(実施例2)
ポリプロピレン樹脂製発泡シート(厚み1mm、500mm幅の帯状、発泡倍率20倍)の上にポリエチレン樹脂フィルム(厚み0.05mm、500mm幅)を重ね合わせ、図3に示すような方法でポリエチレン樹脂フィルムとポリプロピレン樹脂製発泡シートとの界面に圧力を発生させてレーザー光による溶着を実施した。
なお、ポリエチレン樹脂フィルムに10Nのテンションをかけることによって、この界面の加圧を行った。
また、200mm長さ×0.2cm幅のラインビームが照射されるレーザー光源(波長940nm、出力20W)を3台並べて600mm長さのラインビームが形成されるようにし、このラインビームを照射しつつポリエチレン樹脂フィルムとポリプロピレン樹脂製発泡シートとを重ね合わせたものを5mm/sの通過速度で通過させて溶着を行った。
【0053】
このとき得られた実施例2の積層シートは、そのフィルム層の発泡層側の界面が消失されており、ポリプロピレン樹脂製発泡シートとポリエチレン樹脂フィルムとのそれぞれの樹脂どうしがレーザー照射によって相溶状態となったことが確認された。
また、得られた積層シート自体の引張り強度と積層界面でのピール強度との測定を行ったところ、発泡層での破断が起こり、発泡層(ポリプロピレン樹脂製発泡シート)の破断強度を上回る接合強度を有していることがわかった。
【0054】
(比較例1、2)
実施例1、実施例2の積層シートにおいて用いられたポリプロピレン樹脂製発泡シートを20mm×120mmに切断し、23±2℃、50±5RH%の雰囲気にて、24時間以上保管した後(前処理条件:JIS Z 0237に準じる)、同雰囲気にて、30mm×120mmのキャリアテープ(商品名「ECT−755」日東電工社製)の上にポリプロピレン樹脂製発泡シートを載せ2kgのローラで1往復させる方法で圧着して比較例1の積層シートを作製した。
また、キャリアテープ(商品名「ECT−755 」日東電工社製)に代えて、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム基材粘着テープ(商品名「AM−500」日東電工社製)を用いることによって比較例2の積層シートを作製した。
この積層シートを、約30分放置してピール強度評価用サンプルとした。
【0055】
比較例1、2の積層シートは、実施例と同様にして、フィルム層の表面を強粘着力用両面粘着テープ(商品名「No.500」日東電工社製)を介して支持板(厚さ2mmのベークライト板)に貼り付け、発泡層(ポリプロピレン樹脂製発泡シート)を剥離させる際に要する力を、温度:23±2℃、湿度:50±5RH%、剥離角度:180度にて、引張速度:10m/min(高速剥離)、0.3m/min(低速剥離)の各条件で測定し、ピール強度(N/20mm)を求めるとともに、剥離させた際の剥離状態を目視で確認した。
なお、高速剥離(引張速度:10m/min)での粘着力(接着力)の評価は、高速剥離試験機(テスター産業社製)を用い、また、低速剥離(0.3m/min)での粘着力(接着力)の評価は、万能引張圧縮試験機(商品名「TCM−1kN B」ミネベア社製)を用いた。
【0056】
その結果、比較例1では、発泡層の凝集破壊による剥離が生じ、比較例2では、PETフィルム基材粘着テープとポリプロピレン樹脂製発泡シートとの間に“浮き”(部分的な非接着状態)が観測された。
【0057】
このことからも本発明によれば、薄肉でありながら強度に優れた積層シートを、粘着剤などを使用することなく簡便な方法で作製し得ることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】一実施形態の積層シート断面図。
【図2】一実施形態の積層シート製造方法に用いる設備構成を示す概略斜視図。
【図3】他実施形態の積層シート製造方法を示す側面図。
【符号の説明】
【0059】
1:積層シート、10:発泡層、10s:発泡シート、20:フィルム層、20s:ポリマーフィルム、30:ソリッド層、100:レーザー溶着装置、R:レーザー光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマー組成物によって形成された発泡シートとポリマーフィルムとが接着されて発泡層とフィルム層とが形成されている積層シートであって、
前記発泡シートと前記ポリマーフィルムとが重ね合わされた状態で、前記発泡シート及び前記ポリマーフィルムの少なくとも一方の背面側からレーザー光が照射されて発泡シートとポリマーフィルムとの界面が加熱されることにより発泡シートとポリマーフィルムとが溶着されて接着されていることを特徴とする積層シート。
【請求項2】
前記界面の加熱によって界面側における発泡シートの気泡が破泡され、発泡シートを形成するポリマー組成物によって非発泡状態に形成されたソリッド層が発泡層とフィルム層との間に形成されている請求項1記載の積層シート。
【請求項3】
発泡シートとポリマーフィルムとが相溶化されて前記ソリッド層とフィルム層との界面が消失された状態で前記溶着がなされている請求項2記載の積層シート。
【請求項4】
熱可塑性樹脂組成物によって形成されているポリマーフィルムが用いられている請求項1乃至3のいずれか1項に記載の積層シート。
【請求項5】
ポリマー組成物によって形成された発泡シートとポリマーフィルムとを接着して、発泡層とフィルム層とを有する積層シートを作製する積層シート製造方法であって、
前記発泡シートと前記ポリマーフィルムとを重ね合わせた状態で、前記発泡シート及び前記ポリマーフィルムの少なくとも一方の背面側からレーザー光を照射して発泡シートとポリマーフィルムとの界面を加熱し、該加熱によって発泡シートとポリマーフィルムとを溶着させて接着することを特徴とする積層シート製造方法。
【請求項6】
前記界面の加熱によって界面側における発泡シートの気泡を破泡させ、発泡シートを形成するポリマー組成物によって非発泡状態に形成されたソリッド層を発泡層とフィルム層との間に形成する請求項5記載の積層シート製造方法。
【請求項7】
前記界面の加熱によって発泡シートとポリマーフィルムとを相溶化させてソリッド層とフィルム層との界面を消失させる請求項6記載の積層シート製造方法。
【請求項8】
発泡シートとポリマーフィルムとが重ね合わされた状態でレーザー光が照射されて溶着が行われるレーザー溶着装置に、帯状の発泡シートがロール状に巻き取られてなる発泡シートロールと帯状のポリマーフィルムがロール状に巻き取られてなるフィルムロールから発泡シートとポリマーフィルムとを連続的に供給しつつ前記レーザー溶着装置による溶着を実施することにより、帯状の積層シートを作製する請求項5乃至7のいずれか1項記載の積層シート製造方法。
【請求項9】
用いるレーザー光に対する光吸収率が30%以上であり、且つ前記ポリマーフィルムよりも光吸収率が高い発泡シートを用いる請求項5乃至8のいずれか1項記載の積層シート製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−137368(P2010−137368A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−313175(P2008−313175)
【出願日】平成20年12月9日(2008.12.9)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】