積層セラミック電子部品及びその製造方法
【課題】内部電極と誘電体がインクジェット方式によって同時に印刷される積層セラミック電子部品及びその製造方法が提供される。
【解決手段】本発明によれば、積層セラミック電子部品製造方法は、誘電体フィルムを形成する段階、誘電体フィルム上に複数のインクジェットプリンターヘッドを利用して内部電極用インクと誘電体用インクを噴射することによって、内部電極及び内部電極と同一平面上に形成された電極間誘電体が、同時に印刷された誘電体シートを形成する段階を含む。本発明によれば、積層セラミックコンデンサは、誘電体と内部電極を同時に印刷することで段差問題を解決することができる。
【解決手段】本発明によれば、積層セラミック電子部品製造方法は、誘電体フィルムを形成する段階、誘電体フィルム上に複数のインクジェットプリンターヘッドを利用して内部電極用インクと誘電体用インクを噴射することによって、内部電極及び内部電極と同一平面上に形成された電極間誘電体が、同時に印刷された誘電体シートを形成する段階を含む。本発明によれば、積層セラミックコンデンサは、誘電体と内部電極を同時に印刷することで段差問題を解決することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、電子部品に関するもので、例えば、積層セラミックコンデンサ及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
積層セラミックコンデンサ（MLCC:Multi-Layer Ceramic Capacitor)は、コンデンサを多層に積層して形成した電子部品であって、DC信号遮断、バイパッシング（bypassing)、周波数共振など多様な役目を果たす。電子製品の個人化による携帯用端末機の市場が漸次拡がるによって、積層セラミックコンデンサは、小型化、軽量化になっている。従来技術によれば、積層セラミックコンデンサは、グリーンシート（green sheet)に電極ペースト（paste)を印刷した後、多層に積層して切断（cutting)し、高温で焼結した後、外部電極を塗布、焼結してメッキする工程から製造される。
【０００３】
ここで、印刷された誘電体シート上に内部電極が印刷されるので、誘電体シートが多層に積層される場合、内部電極の厚さによって段差が形成される。図１を参照すれば、内部電極１１０及び誘電体１２０が示されていて、誘電体間に内部電極の厚さによって段差（a)が形成される。このような段差問題を解決するため、内部電極の厚さを減らす方法が提示されることもあるが、内部電極の厚さを減らすことには限界がある。
【０００４】
図２は、従来技術による積層セラミックコンデンサにおける内部電極によって発生した段差を取り除くために提示された方法を示す図面である。図２を参照すれば、誘電体フィルム１２０に内部電極１１０を印刷した後、内部電極の間に誘電体懸濁液（slurry)１３０を満たす方式が示される。
【０００５】
しかし、このような方式はさまざまな問題点を持っている。その第一は、誘電体懸濁液１３０の溶液組成に係わる問題である。既存の印刷/乾燥された所に新しい物質を印刷するために誘電体懸濁液は、既存の形成された誘電体フィルム１２０及び内部電極１１０とは違う溶媒を使わなければならない。すなわち、相互溶かさない溶媒を選択するためには、誘電体懸濁液１３０のバインダー（binder)組成が誘電体フィルム１２０のバインダー組成と違わなければならない。したがって、誘電体懸濁液１３０を使う場合、バインダー選択及び溶媒選定が難しいという問題がある。第二は、誘電体懸濁液１３０に使われるバインダー組成が誘電体フィルム１２０のバインダー組成と違う場合、相互間接着力の小さくなる問題点が発生する。すなわち、相互違うバインダー組成による接着力は、相互同じバインダー組成による接着力より小さいので、積層時、誘電体懸濁液１３０と誘電体フィルム１２０間の接着力が小さくなる。したがって、研磨や焼成時、部品が壊れるとか層別に割れる問題が発生する可能性がある。第三は、内部電極の間を満たすため別の印刷機を具備しなければならない問題点がある。このような別の印刷機は内部電極印刷のため使われたマスクと正確に反対の模様を持つし、正確なパターンを形成するためパターン認識プログラムが追加に要求される問題点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
本発明は、誘電体と内部電極を同時に印刷することによって段差問題を解決することができる積層セラミック電子部品及びその製造方法を提供する。
【０００７】
また、本発明は、積層時誘電体シート間接着力を進めることができる積層セラミック電子部品及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
本発明の一側面によれば、誘電体フィルムを形成する段階、誘電体フィルム上に複数のインクジェットプリンターヘッドを利用して内部電極用インクと誘電体用インクを噴射することによって、内部電極及び内部電極と同一平面上に形成された電極間誘電体が、同時に印刷された誘電体シートを形成する段階を含む積層セラミック電子部品製造方法を提供することができる。
【０００９】
ここで、本発明による積層セラミック電子部品製造方法は、誘電体シートを積層及び圧搾する段階、誘電体シートをあらかじめ設定されたパターンによって切断する段階、誘電体シートを焼成する段階をともに含むことができる。
【００１０】
ここで、誘電体シートを切断する切断線は、内部電極と平行であって、電極間誘電体を両分することができる。
【００１１】
本発明のまた別の側面によれば、内部電極用インクを噴射する内部電極用インクジェットプリンターヘッド、誘電体用インクを噴射する誘電体用インクジェットプリンターヘッドを含むが、内部電極用インクジェットプリンターヘッドと誘電体用インクジェットプリンターヘッドは、それぞれ内部電極と誘電体を同時に印刷する積層セラミック電子部品製造装置を提供することができる。
【００１２】
本発明のまた別の側面によれば、誘電体懸濁液を利用して誘電体フィルムを形成する段階、誘電体フィルム上に複数のインクジェットプリンターヘッドを利用して内部電極用インクと誘電体用インクを噴射することによって、内部電極及び内部電極と同一平面上に形成された電極間誘電体を同時に印刷する段階を含む積層セラミックコンデンサ製造方法を提供することができる。
【００１３】
本発明のまた別の側面によれば、インクジェットプリンターヘッドを利用して誘電体用インクを噴射することによって誘電体フィルムを形成する段階、誘電体フィルム上に複数のインクジェットプリンターヘッドを利用して内部電極用インクと誘電体用インクを噴射することによって、内部電極及び内部電極と同一平面上に形成された電極間誘電体を同時に印刷する段階を含む積層セラミックコンデンサ製造方法を提供することができる。
【００１４】
ここで、複数のインクジェットプリンターヘッドは、内部電極用インクを噴射する内部電極用インクジェットプリンターヘッド、誘電体用インクを噴射する誘電体用インクジェットプリンターヘッドを含むことができる。
【００１５】
ここで、内部電極用インクジェットプリンターヘッドと誘電体用インクジェットプリンターヘッドは、一体に動きながらインクを噴射するか、相互違う動作制御信号に応じて個別的に動きながらインクを噴射することができる。
【００１６】
本発明のまた別の側面によれば、上述した積層セラミック電子部品製造方法によって製造される積層セラミック電子部品を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１７】
以下、本発明による積層セラミックコンデンサ及びその製造方法の望ましい実施例に対して添付図面を参照して詳しく説明する事にするが、添付図面を参照して説明するにおいて、図面符号に構わず同一であるとか対応する構成要素は同じ参照番号を付与してこれに対する重複される説明は略する事にする。
【００１８】
また、本発明は、一般的に積層されたセラミックを利用する積層セラミック電子部品に対して適用可能であり、以下では積層セラミックコンデンサを中心に説明することにするが、本発明の望ましい実施例を詳しく説明することの前、積層セラミックコンデンサの一般的な原理に対して先に説明する事にする。
【００１９】
積層セラミックコンデンサは、誘電体、内部電極及び外部電極を含む。誘電体は積層セラミックコンデンサの外部体部分であり、その材質がセラミック材料になっているので一般的にセラミック体と称する。誘電体として一般的にBaTiO３（Barium Titanate、BT系）が使われるが、これは常温で高誘電率を有する。誘電体であるBT粉末の焼結温度は１２５０℃位である。
【００２０】
内部電極は、誘電体の中に位している伝導性物質である。内部電極の材料としては一般的に、パラジウム（Pd）、ニッケル（Ni）、銅（Cu）などが使われる。内部電極の材料であるパラジウム（Pd）、ニッケル（Ni）、銅（Cu）の融点はそれぞれ１５５５℃、１４５２℃、１０８３℃である。
【００２１】
外部電極は、積層セラミックコンデンサを外部電源と連結させてくれる伝導性物質である。積層セラミックコンデンサは、基板の表面実装用に設計された素子であるから外部電極は、単純に外部電圧と連結する役目だけではなく基板に実装される時半田がよく附着されるようにする役目まで果たす。
【００２２】
図３は、本発明の望ましい実施例によるインクジェットプリンターヘッドを利用してインクジェット方式によって誘電体と内部電極を同時に印刷する方法を示した図面である。図３を参照すれば、内部電極用インクジェットプリンターヘッド３４０と誘電体用インクジェットプリンターヘッド３５０は、あらかじめ設定されたパターンによってそれぞれ内部電極３３０と誘電体３２０をキャリア（carrier）フィルム３１０に形成する。
【００２３】
内部電極用インクジェットプリンターヘッド３４０と誘電体用インクジェットプリンターヘッド３５０は、それぞれ内部電極用インクと誘電体用インクを噴射する。内部電極用インクは、パラジウム（Pd）、ニッケル（Ni）、銅（Cu）、タングステン（W）、モリブデン（Mo）のような金属粉末、バインダー（binder）及び溶媒を含むことができるし、誘電体用インクは、BT粉末、バインダー（binder）及び溶媒を含むことができる。ここで、内部電極用インクと誘電体用インクを同時に印刷する場合、相互まじないようにするため相互間まじない溶媒が使われることができる。
【００２４】
ここで、インクジェット方式によって誘電体と内部電極を同時に印刷することは、同じ時間帯に誘電体用インクと内部電極用インクを噴射することを意味するだけでなく、複数のインクジェットプリンターヘッドを利用してあらかじめ設定されたプログラム及びパターンによって、誘電体と内部電極を印刷することを意味する。したがって、誘電体と内部電極は一緒に印刷されるかまたは、同じパス（pass）から印刷されることができる。例えば、図３を参照すれば、内部電極用インクジェットプリンターヘッド３４０と誘電体用インクジェットプリンターヘッド３５０はキャリアフィルム３１０に対向して一体に移動しながら内部電極と誘電体を同時に印刷する。ここで、誘電体のみを印刷する部分では、内部電極用インクジェットプリンターヘッド３４０は作動を止めて、誘電体用インクジェットプリンターヘッド３５０だけが誘電体用インクを噴射する。
【００２５】
このような内部電極用インクジェットプリンターヘッド３４０と誘電体用インクジェットプリンターヘッド３５０は、インクを噴射するためのインクジェットプリント装置のヘッドになることができる。例えば、インクジェットプリント装置は、その装置を支えているものと、あらかじめ設定されたパターンによってキャリアフィルム３１０上にインクを噴射して内部電極と誘電体を印刷するインクジェットプリンターヘッドと、インクジェットプリンターヘッドをキャリアフィルム３１０上で移動させる移動装置と、インクジェットプリンターヘッドがあらかじめ設定されたパターンによってインクを噴射するように制御するプログラムを行う回路部などを含むことができる。
【００２６】
ここで、内部電極用インクジェットプリンターヘッド３４０と誘電体用インクジェットプリンターヘッド３５０は一体に動きながらインクを噴射することができる。すなわち、あらかじめ設定されたパターンによって同じ経路上で一緒に動きながら内部電極と誘電体を印刷することができる。ヘッドが一緒に動く場合には、それぞれのヘッドから噴射されるインクの噴射時点、噴射される量などを調節することであらかじめ設定されたパターンによって内部電極と誘電体を印刷することができる。別の実施例によれば、内部電極用インクジェットプリンターヘッド３４０と誘電体用インクジェットプリンターヘッド３５０は相互違う動作制御信号に応じて個別的に動きながらインクを噴射することができる。すなわち、それぞれのヘッドは一つの装置または別個の装置に具備されて、それぞれ異なるプログラムによって相互違う動作制御信号を受信してこれに応じる動作を遂行することができる。
【００２７】
また、本発明によれば、インクジェット方式によってキャリアフィルムに誘電体シートを形成した後、形成された誘電体シートを積層する方法または、インクジェット方式によって誘電体シートを形成し、形成された誘電体シート上にインクジェット方式によって、繰り返して誘電体シートを形成する方法（ビルドアップ方式）など多様な方法が具現されることができる。
【００２８】
上述したことによれば、内部電極３３０と誘電体３２０がインクジェット方式によって同時に印刷されるので内部電極３３０間には段差が発生しない。
【００２９】
以上では、積層セラミック電子部品及びその製造方法を一般的に示す図面を説明したが、以下では添付図面を参照して、本発明による積層セラミック電子部品及びその製造方法を、具体的な実施例を基準にして説明する事にする。本発明による実施例は大きく二つに区分されるが、その第一は、あらかじめ成形された誘電体フィルム上に、インクジェット方式を利用して内部電極及び同一平面上で内部電極の周辺に電極間誘電体を形成する方法、第二は、インクジェット方式を利用して形成された誘電体フィルム上にインクジェット方式を利用して内部電極及び同一平面上で内部電極の周辺に電極間誘電体を形成する方法に分けられる。以下、順次に説明する。
【００３０】
図４は、本発明の望ましい第１実施例によってあらかじめ成形された誘電体フィルム上に、インクジェット方式を利用して同時に形成された内部電極と電極間誘電体を示したものである。図４を参照すれば、誘電体粉末、分散剤及びバインダー（binder）を含む懸濁液（slurry）を利用して形成された誘電体フィルム４１０が示されている。次の工程で、内部電極用インクジェットプリンターヘッド３４０と誘電体用インクジェットプリンターヘッド３５０によって誘電体フィルム４１０上に内部電極４２０と電極間誘電体４３０が形成される。
【００３１】
誘電体フィルム４１０は、従来技術によるバッチ（batch）工程と成形（casting）工程によって形成される。また、内部電極４２０と電極間誘電体４３０は、インクジェットプリンターヘッドがあらかじめ設定されたパターンによって噴射する内部電極用インクと誘電体用インクによって形成される。ここで、電極間誘電体４３０に使われた誘電体用インクは、誘電体フィルム４１０に使われた懸濁液と同一であるかまたは、別のバインダー及び溶媒を含むことができる。
【００３２】
ここで、それぞれの積層セラミックコンデンサを製造する方法は、多様に具現することができる。例えば、内部電極４２０と電極間誘電体４３０が、あらかじめ設定されたパターンによって同時に印刷された誘電体シートを積層、圧搾、切断することで積層セラミックコンデンサを形成することができる。別の実施例によれば、チップ（chip）単位に内部電極４２０と電極間誘電体４３０を印刷し、その上部に誘電体フィルムを形成して、以後その上部に続いて内部電極４２０と電極間誘電体４３０を印刷する工程を繰り返すことで積層セラミックコンデンサを形成することもできる。
【００３３】
図５は、本発明の望ましい第１実施例によるあらかじめ成形された誘電体フィルム上にインクジェット方式を利用して内部電極と電極間誘電体を同時に印刷する方法を示したフローチャートである。
【００３４】
段階Ｓ５０５で、誘電体粉末を分散剤及びバインダー（binder）を含む溶液に分散させた懸濁液（slurry）を準備して、段階Ｓ５１０で、キャリアフィルム（carrier film）を利用して懸濁液をフィルム形態に成形する。
【００３５】
段階Ｓ５１５で、内部電極用インクジェットプリンターヘッド３４０と誘電体用インクジェットプリンターヘッド３５０を利用して成形された誘電体フィルム上に、あらかじめ設定されたパターンによって内部電極３３０と誘電体３２０を印刷する。
【００３６】
段階Ｓ５２０で、内部電極の印刷された誘電体フィルムをあらかじめ設定された枚数積層して、段階Ｓ５２５で、圧搾した後、段階Ｓ５３０で、チップ（chip)単位に切断する。以後段階Ｓ５３５で、形成されたチップを焼成して、段階Ｓ５４０で、外部電極を内部電極と電気的に結合されるように塗布して、段階Ｓ５４５で、外部電極を焼成する。
【００３７】
ここで、外部電極は、内部電極用金属粉末を焼成する前に塗布されて誘電体粉末、内部電極用金属粉末とともに焼成されることもできる。段階Ｓ５５０で、メッキ工程によってチップ（chip)単位に積層セラミックコンデンサを完成する。
【００３８】
図６は、本発明の望ましい第２実施例によるインクジェット方式によって同時に印刷された誘電体と内部電極を示した図面である。図６を参照すれば、内部電極用インクジェットプリンターヘッド３４０と誘電体用インクジェットプリンターヘッド３５０によって形成された誘電体フィルム６１０、内部電極６２０及び電極間誘電体６３０が示されている。
【００３９】
誘電体フィルム６１０が従来技術による成形工程によらないで、インクジェット方式によって形成される。例えば、全体工程の中、一番目の段階ではインクジェット方式によって誘電体フィルム６１０を形成して、二番目の段階でインクジェット方式によって、誘電体フィルム６１０上に内部電極６２０と電極間誘電体６３０を同時に形成することができる。ここで、誘電体フィルム６１０は、上述したように誘電体用インクジェットプリンターヘッド３５０によって形成されることもできるし、別途の誘電体フィルム用インクジェットプリンターヘッドによって形成されることもできる。また、別の実施例によれば、全体工程の中、一番目の段階では誘電体懸濁液を利用して誘電体フィルム６１０を形成して、二番目の段階で、誘電体フィルムが半乾燥された状態でインクジェット方式によって誘電体フィルム６１０上に内部電極６２０と電極間誘電体６３０を同時に形成することもできる。
【００４０】
図７は、本発明の望ましい第２実施例によるインクジェット方式によって誘電体と内部電極を同時に印刷する方法を示したフローチャートである。上述した第１実施例との差異を主として説明する。
【００４１】
段階Ｓ７０５で、誘電体フィルム６１０、内部電極６２０及び電極間誘電体６３０が形成されるキャリアフィルムを準備して、段階Ｓ７１０で、誘電体用インクジェットプリンターヘッド３５０を利用して誘電体フィルム６１０を印刷し、内部電極用インクジェットプリンターヘッド３４０と誘電体用インクジェットプリンターヘッド３５０を利用して内部電極６２０及び電極間誘電体６３０を印刷する。誘電体フィルム６１０は、内部電極６２０及び電極間誘電体６３０と別途の段階を経って形成されることもできるし、または同一の段階内で形成されることもできる。以下で遂行される工程は第１実施例で上述したことと同じである。
【００４２】
本発明は、上記実施例に限定されないし、本発明の思想内で当分野の通常の知識を持った者によって多くの変形が可能であることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【００４３】
上述したように、本発明による積層セラミック電子部品及びその製造方法は、誘電体と内部電極を同時に印刷することによって段差の問題を解決することができるという效果がある。
【００４４】
また、本発明による積層セラミック電子部品及びその製造方法は、積層時、誘電体シート間接着力を進めることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【００４５】
【図１】従来技術による積層セラミックコンデンサにおける内部電極によって発生した段差を示す図面である。
【図２】従来技術による積層セラミックコンデンサにおける内部電極によって発生した段差を取り除くために提示された方法を示す図面である。
【図３】本発明の望ましい実施例によるインクジェット方式によって誘電体と内部電極を同時に印刷する方法を示す図面である。
【図４】本発明の望ましい第１実施例によるインクジェット方式によって同時に印刷された誘電体と内部電極を示す図面である。
【図５】本発明の望ましい第１実施例によるインクジェット方式によって誘電体と内部電極を同時に印刷する方法を示すフローチャートである。
【図６】本発明の望ましい第２実施例によるインクジェット方式によって同時に印刷された誘電体と内部電極を示す図面である。
【図７】本発明の望ましい第２実施例によるインクジェット方式によって誘電体と内部電極を同時に印刷する方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【００４６】
３２０ 誘電体
３３０ 内部電極
３４０ 内部電極用インクジェットプリンターヘッド
３５０ 誘電体用インクジェットプリンターヘッド
【技術分野】
【０００１】
本発明は、電子部品に関するもので、例えば、積層セラミックコンデンサ及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
積層セラミックコンデンサ（MLCC:Multi-Layer Ceramic Capacitor)は、コンデンサを多層に積層して形成した電子部品であって、DC信号遮断、バイパッシング（bypassing)、周波数共振など多様な役目を果たす。電子製品の個人化による携帯用端末機の市場が漸次拡がるによって、積層セラミックコンデンサは、小型化、軽量化になっている。従来技術によれば、積層セラミックコンデンサは、グリーンシート（green sheet)に電極ペースト（paste)を印刷した後、多層に積層して切断（cutting)し、高温で焼結した後、外部電極を塗布、焼結してメッキする工程から製造される。
【０００３】
ここで、印刷された誘電体シート上に内部電極が印刷されるので、誘電体シートが多層に積層される場合、内部電極の厚さによって段差が形成される。図１を参照すれば、内部電極１１０及び誘電体１２０が示されていて、誘電体間に内部電極の厚さによって段差（a)が形成される。このような段差問題を解決するため、内部電極の厚さを減らす方法が提示されることもあるが、内部電極の厚さを減らすことには限界がある。
【０００４】
図２は、従来技術による積層セラミックコンデンサにおける内部電極によって発生した段差を取り除くために提示された方法を示す図面である。図２を参照すれば、誘電体フィルム１２０に内部電極１１０を印刷した後、内部電極の間に誘電体懸濁液（slurry)１３０を満たす方式が示される。
【０００５】
しかし、このような方式はさまざまな問題点を持っている。その第一は、誘電体懸濁液１３０の溶液組成に係わる問題である。既存の印刷/乾燥された所に新しい物質を印刷するために誘電体懸濁液は、既存の形成された誘電体フィルム１２０及び内部電極１１０とは違う溶媒を使わなければならない。すなわち、相互溶かさない溶媒を選択するためには、誘電体懸濁液１３０のバインダー（binder)組成が誘電体フィルム１２０のバインダー組成と違わなければならない。したがって、誘電体懸濁液１３０を使う場合、バインダー選択及び溶媒選定が難しいという問題がある。第二は、誘電体懸濁液１３０に使われるバインダー組成が誘電体フィルム１２０のバインダー組成と違う場合、相互間接着力の小さくなる問題点が発生する。すなわち、相互違うバインダー組成による接着力は、相互同じバインダー組成による接着力より小さいので、積層時、誘電体懸濁液１３０と誘電体フィルム１２０間の接着力が小さくなる。したがって、研磨や焼成時、部品が壊れるとか層別に割れる問題が発生する可能性がある。第三は、内部電極の間を満たすため別の印刷機を具備しなければならない問題点がある。このような別の印刷機は内部電極印刷のため使われたマスクと正確に反対の模様を持つし、正確なパターンを形成するためパターン認識プログラムが追加に要求される問題点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
本発明は、誘電体と内部電極を同時に印刷することによって段差問題を解決することができる積層セラミック電子部品及びその製造方法を提供する。
【０００７】
また、本発明は、積層時誘電体シート間接着力を進めることができる積層セラミック電子部品及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
本発明の一側面によれば、誘電体フィルムを形成する段階、誘電体フィルム上に複数のインクジェットプリンターヘッドを利用して内部電極用インクと誘電体用インクを噴射することによって、内部電極及び内部電極と同一平面上に形成された電極間誘電体が、同時に印刷された誘電体シートを形成する段階を含む積層セラミック電子部品製造方法を提供することができる。
【０００９】
ここで、本発明による積層セラミック電子部品製造方法は、誘電体シートを積層及び圧搾する段階、誘電体シートをあらかじめ設定されたパターンによって切断する段階、誘電体シートを焼成する段階をともに含むことができる。
【００１０】
ここで、誘電体シートを切断する切断線は、内部電極と平行であって、電極間誘電体を両分することができる。
【００１１】
本発明のまた別の側面によれば、内部電極用インクを噴射する内部電極用インクジェットプリンターヘッド、誘電体用インクを噴射する誘電体用インクジェットプリンターヘッドを含むが、内部電極用インクジェットプリンターヘッドと誘電体用インクジェットプリンターヘッドは、それぞれ内部電極と誘電体を同時に印刷する積層セラミック電子部品製造装置を提供することができる。
【００１２】
本発明のまた別の側面によれば、誘電体懸濁液を利用して誘電体フィルムを形成する段階、誘電体フィルム上に複数のインクジェットプリンターヘッドを利用して内部電極用インクと誘電体用インクを噴射することによって、内部電極及び内部電極と同一平面上に形成された電極間誘電体を同時に印刷する段階を含む積層セラミックコンデンサ製造方法を提供することができる。
【００１３】
本発明のまた別の側面によれば、インクジェットプリンターヘッドを利用して誘電体用インクを噴射することによって誘電体フィルムを形成する段階、誘電体フィルム上に複数のインクジェットプリンターヘッドを利用して内部電極用インクと誘電体用インクを噴射することによって、内部電極及び内部電極と同一平面上に形成された電極間誘電体を同時に印刷する段階を含む積層セラミックコンデンサ製造方法を提供することができる。
【００１４】
ここで、複数のインクジェットプリンターヘッドは、内部電極用インクを噴射する内部電極用インクジェットプリンターヘッド、誘電体用インクを噴射する誘電体用インクジェットプリンターヘッドを含むことができる。
【００１５】
ここで、内部電極用インクジェットプリンターヘッドと誘電体用インクジェットプリンターヘッドは、一体に動きながらインクを噴射するか、相互違う動作制御信号に応じて個別的に動きながらインクを噴射することができる。
【００１６】
本発明のまた別の側面によれば、上述した積層セラミック電子部品製造方法によって製造される積層セラミック電子部品を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１７】
以下、本発明による積層セラミックコンデンサ及びその製造方法の望ましい実施例に対して添付図面を参照して詳しく説明する事にするが、添付図面を参照して説明するにおいて、図面符号に構わず同一であるとか対応する構成要素は同じ参照番号を付与してこれに対する重複される説明は略する事にする。
【００１８】
また、本発明は、一般的に積層されたセラミックを利用する積層セラミック電子部品に対して適用可能であり、以下では積層セラミックコンデンサを中心に説明することにするが、本発明の望ましい実施例を詳しく説明することの前、積層セラミックコンデンサの一般的な原理に対して先に説明する事にする。
【００１９】
積層セラミックコンデンサは、誘電体、内部電極及び外部電極を含む。誘電体は積層セラミックコンデンサの外部体部分であり、その材質がセラミック材料になっているので一般的にセラミック体と称する。誘電体として一般的にBaTiO３（Barium Titanate、BT系）が使われるが、これは常温で高誘電率を有する。誘電体であるBT粉末の焼結温度は１２５０℃位である。
【００２０】
内部電極は、誘電体の中に位している伝導性物質である。内部電極の材料としては一般的に、パラジウム（Pd）、ニッケル（Ni）、銅（Cu）などが使われる。内部電極の材料であるパラジウム（Pd）、ニッケル（Ni）、銅（Cu）の融点はそれぞれ１５５５℃、１４５２℃、１０８３℃である。
【００２１】
外部電極は、積層セラミックコンデンサを外部電源と連結させてくれる伝導性物質である。積層セラミックコンデンサは、基板の表面実装用に設計された素子であるから外部電極は、単純に外部電圧と連結する役目だけではなく基板に実装される時半田がよく附着されるようにする役目まで果たす。
【００２２】
図３は、本発明の望ましい実施例によるインクジェットプリンターヘッドを利用してインクジェット方式によって誘電体と内部電極を同時に印刷する方法を示した図面である。図３を参照すれば、内部電極用インクジェットプリンターヘッド３４０と誘電体用インクジェットプリンターヘッド３５０は、あらかじめ設定されたパターンによってそれぞれ内部電極３３０と誘電体３２０をキャリア（carrier）フィルム３１０に形成する。
【００２３】
内部電極用インクジェットプリンターヘッド３４０と誘電体用インクジェットプリンターヘッド３５０は、それぞれ内部電極用インクと誘電体用インクを噴射する。内部電極用インクは、パラジウム（Pd）、ニッケル（Ni）、銅（Cu）、タングステン（W）、モリブデン（Mo）のような金属粉末、バインダー（binder）及び溶媒を含むことができるし、誘電体用インクは、BT粉末、バインダー（binder）及び溶媒を含むことができる。ここで、内部電極用インクと誘電体用インクを同時に印刷する場合、相互まじないようにするため相互間まじない溶媒が使われることができる。
【００２４】
ここで、インクジェット方式によって誘電体と内部電極を同時に印刷することは、同じ時間帯に誘電体用インクと内部電極用インクを噴射することを意味するだけでなく、複数のインクジェットプリンターヘッドを利用してあらかじめ設定されたプログラム及びパターンによって、誘電体と内部電極を印刷することを意味する。したがって、誘電体と内部電極は一緒に印刷されるかまたは、同じパス（pass）から印刷されることができる。例えば、図３を参照すれば、内部電極用インクジェットプリンターヘッド３４０と誘電体用インクジェットプリンターヘッド３５０はキャリアフィルム３１０に対向して一体に移動しながら内部電極と誘電体を同時に印刷する。ここで、誘電体のみを印刷する部分では、内部電極用インクジェットプリンターヘッド３４０は作動を止めて、誘電体用インクジェットプリンターヘッド３５０だけが誘電体用インクを噴射する。
【００２５】
このような内部電極用インクジェットプリンターヘッド３４０と誘電体用インクジェットプリンターヘッド３５０は、インクを噴射するためのインクジェットプリント装置のヘッドになることができる。例えば、インクジェットプリント装置は、その装置を支えているものと、あらかじめ設定されたパターンによってキャリアフィルム３１０上にインクを噴射して内部電極と誘電体を印刷するインクジェットプリンターヘッドと、インクジェットプリンターヘッドをキャリアフィルム３１０上で移動させる移動装置と、インクジェットプリンターヘッドがあらかじめ設定されたパターンによってインクを噴射するように制御するプログラムを行う回路部などを含むことができる。
【００２６】
ここで、内部電極用インクジェットプリンターヘッド３４０と誘電体用インクジェットプリンターヘッド３５０は一体に動きながらインクを噴射することができる。すなわち、あらかじめ設定されたパターンによって同じ経路上で一緒に動きながら内部電極と誘電体を印刷することができる。ヘッドが一緒に動く場合には、それぞれのヘッドから噴射されるインクの噴射時点、噴射される量などを調節することであらかじめ設定されたパターンによって内部電極と誘電体を印刷することができる。別の実施例によれば、内部電極用インクジェットプリンターヘッド３４０と誘電体用インクジェットプリンターヘッド３５０は相互違う動作制御信号に応じて個別的に動きながらインクを噴射することができる。すなわち、それぞれのヘッドは一つの装置または別個の装置に具備されて、それぞれ異なるプログラムによって相互違う動作制御信号を受信してこれに応じる動作を遂行することができる。
【００２７】
また、本発明によれば、インクジェット方式によってキャリアフィルムに誘電体シートを形成した後、形成された誘電体シートを積層する方法または、インクジェット方式によって誘電体シートを形成し、形成された誘電体シート上にインクジェット方式によって、繰り返して誘電体シートを形成する方法（ビルドアップ方式）など多様な方法が具現されることができる。
【００２８】
上述したことによれば、内部電極３３０と誘電体３２０がインクジェット方式によって同時に印刷されるので内部電極３３０間には段差が発生しない。
【００２９】
以上では、積層セラミック電子部品及びその製造方法を一般的に示す図面を説明したが、以下では添付図面を参照して、本発明による積層セラミック電子部品及びその製造方法を、具体的な実施例を基準にして説明する事にする。本発明による実施例は大きく二つに区分されるが、その第一は、あらかじめ成形された誘電体フィルム上に、インクジェット方式を利用して内部電極及び同一平面上で内部電極の周辺に電極間誘電体を形成する方法、第二は、インクジェット方式を利用して形成された誘電体フィルム上にインクジェット方式を利用して内部電極及び同一平面上で内部電極の周辺に電極間誘電体を形成する方法に分けられる。以下、順次に説明する。
【００３０】
図４は、本発明の望ましい第１実施例によってあらかじめ成形された誘電体フィルム上に、インクジェット方式を利用して同時に形成された内部電極と電極間誘電体を示したものである。図４を参照すれば、誘電体粉末、分散剤及びバインダー（binder）を含む懸濁液（slurry）を利用して形成された誘電体フィルム４１０が示されている。次の工程で、内部電極用インクジェットプリンターヘッド３４０と誘電体用インクジェットプリンターヘッド３５０によって誘電体フィルム４１０上に内部電極４２０と電極間誘電体４３０が形成される。
【００３１】
誘電体フィルム４１０は、従来技術によるバッチ（batch）工程と成形（casting）工程によって形成される。また、内部電極４２０と電極間誘電体４３０は、インクジェットプリンターヘッドがあらかじめ設定されたパターンによって噴射する内部電極用インクと誘電体用インクによって形成される。ここで、電極間誘電体４３０に使われた誘電体用インクは、誘電体フィルム４１０に使われた懸濁液と同一であるかまたは、別のバインダー及び溶媒を含むことができる。
【００３２】
ここで、それぞれの積層セラミックコンデンサを製造する方法は、多様に具現することができる。例えば、内部電極４２０と電極間誘電体４３０が、あらかじめ設定されたパターンによって同時に印刷された誘電体シートを積層、圧搾、切断することで積層セラミックコンデンサを形成することができる。別の実施例によれば、チップ（chip）単位に内部電極４２０と電極間誘電体４３０を印刷し、その上部に誘電体フィルムを形成して、以後その上部に続いて内部電極４２０と電極間誘電体４３０を印刷する工程を繰り返すことで積層セラミックコンデンサを形成することもできる。
【００３３】
図５は、本発明の望ましい第１実施例によるあらかじめ成形された誘電体フィルム上にインクジェット方式を利用して内部電極と電極間誘電体を同時に印刷する方法を示したフローチャートである。
【００３４】
段階Ｓ５０５で、誘電体粉末を分散剤及びバインダー（binder）を含む溶液に分散させた懸濁液（slurry）を準備して、段階Ｓ５１０で、キャリアフィルム（carrier film）を利用して懸濁液をフィルム形態に成形する。
【００３５】
段階Ｓ５１５で、内部電極用インクジェットプリンターヘッド３４０と誘電体用インクジェットプリンターヘッド３５０を利用して成形された誘電体フィルム上に、あらかじめ設定されたパターンによって内部電極３３０と誘電体３２０を印刷する。
【００３６】
段階Ｓ５２０で、内部電極の印刷された誘電体フィルムをあらかじめ設定された枚数積層して、段階Ｓ５２５で、圧搾した後、段階Ｓ５３０で、チップ（chip)単位に切断する。以後段階Ｓ５３５で、形成されたチップを焼成して、段階Ｓ５４０で、外部電極を内部電極と電気的に結合されるように塗布して、段階Ｓ５４５で、外部電極を焼成する。
【００３７】
ここで、外部電極は、内部電極用金属粉末を焼成する前に塗布されて誘電体粉末、内部電極用金属粉末とともに焼成されることもできる。段階Ｓ５５０で、メッキ工程によってチップ（chip)単位に積層セラミックコンデンサを完成する。
【００３８】
図６は、本発明の望ましい第２実施例によるインクジェット方式によって同時に印刷された誘電体と内部電極を示した図面である。図６を参照すれば、内部電極用インクジェットプリンターヘッド３４０と誘電体用インクジェットプリンターヘッド３５０によって形成された誘電体フィルム６１０、内部電極６２０及び電極間誘電体６３０が示されている。
【００３９】
誘電体フィルム６１０が従来技術による成形工程によらないで、インクジェット方式によって形成される。例えば、全体工程の中、一番目の段階ではインクジェット方式によって誘電体フィルム６１０を形成して、二番目の段階でインクジェット方式によって、誘電体フィルム６１０上に内部電極６２０と電極間誘電体６３０を同時に形成することができる。ここで、誘電体フィルム６１０は、上述したように誘電体用インクジェットプリンターヘッド３５０によって形成されることもできるし、別途の誘電体フィルム用インクジェットプリンターヘッドによって形成されることもできる。また、別の実施例によれば、全体工程の中、一番目の段階では誘電体懸濁液を利用して誘電体フィルム６１０を形成して、二番目の段階で、誘電体フィルムが半乾燥された状態でインクジェット方式によって誘電体フィルム６１０上に内部電極６２０と電極間誘電体６３０を同時に形成することもできる。
【００４０】
図７は、本発明の望ましい第２実施例によるインクジェット方式によって誘電体と内部電極を同時に印刷する方法を示したフローチャートである。上述した第１実施例との差異を主として説明する。
【００４１】
段階Ｓ７０５で、誘電体フィルム６１０、内部電極６２０及び電極間誘電体６３０が形成されるキャリアフィルムを準備して、段階Ｓ７１０で、誘電体用インクジェットプリンターヘッド３５０を利用して誘電体フィルム６１０を印刷し、内部電極用インクジェットプリンターヘッド３４０と誘電体用インクジェットプリンターヘッド３５０を利用して内部電極６２０及び電極間誘電体６３０を印刷する。誘電体フィルム６１０は、内部電極６２０及び電極間誘電体６３０と別途の段階を経って形成されることもできるし、または同一の段階内で形成されることもできる。以下で遂行される工程は第１実施例で上述したことと同じである。
【００４２】
本発明は、上記実施例に限定されないし、本発明の思想内で当分野の通常の知識を持った者によって多くの変形が可能であることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【００４３】
上述したように、本発明による積層セラミック電子部品及びその製造方法は、誘電体と内部電極を同時に印刷することによって段差の問題を解決することができるという效果がある。
【００４４】
また、本発明による積層セラミック電子部品及びその製造方法は、積層時、誘電体シート間接着力を進めることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【００４５】
【図１】従来技術による積層セラミックコンデンサにおける内部電極によって発生した段差を示す図面である。
【図２】従来技術による積層セラミックコンデンサにおける内部電極によって発生した段差を取り除くために提示された方法を示す図面である。
【図３】本発明の望ましい実施例によるインクジェット方式によって誘電体と内部電極を同時に印刷する方法を示す図面である。
【図４】本発明の望ましい第１実施例によるインクジェット方式によって同時に印刷された誘電体と内部電極を示す図面である。
【図５】本発明の望ましい第１実施例によるインクジェット方式によって誘電体と内部電極を同時に印刷する方法を示すフローチャートである。
【図６】本発明の望ましい第２実施例によるインクジェット方式によって同時に印刷された誘電体と内部電極を示す図面である。
【図７】本発明の望ましい第２実施例によるインクジェット方式によって誘電体と内部電極を同時に印刷する方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【００４６】
３２０ 誘電体
３３０ 内部電極
３４０ 内部電極用インクジェットプリンターヘッド
３５０ 誘電体用インクジェットプリンターヘッド
【特許請求の範囲】
【請求項１】
誘電体フィルムを形成する段階、及び
上記誘電体フィルム上に、複数のインクジェットプリンターヘッドを利用して内部電極用インクと誘電体用インクを噴射することによって、内部電極及び上記内部電極と同一平面上に形成される電極間誘電体が、同時に印刷された誘電体シートを形成する段階
を含む積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項２】
上記誘電体シートを積層及び圧搾する段階、
上記誘電体シートを上記あらかじめ設定されたパターンによって切断する段階、及び
上記誘電体シートを焼成する段階をともに含む請求項１に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項３】
上記誘電体シートを切断する切断線は、上記内部電極と平行であり、上記電極間誘電体を両分する請求項２に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項４】
上記複数のインクジェットプリンターヘッドは
上記内部電極用インクを噴射する内部電極用インクジェットプリンターヘッド、及び
上記誘電体用インクを噴射する誘電体用インクジェットプリンターヘッドを含む請求項１に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項５】
上記内部電極用インクジェットプリンターヘッドと上記誘電体用インクジェットプリンターヘッドは、一体に動きながらインクを噴射する請求項４に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項６】
上記内部電極用インクジェットプリンターヘッドと上記誘電体用インクジェットプリンターヘッドは、相互違う動作制御信号に応じて個別的に動きながらインクを噴射する請求項４に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項７】
請求項１ないし請求項６の中のある一つの項による上記積層セラミック電子部品製造方法によって製造される積層セラミック電子部品。
【請求項８】
内部電極用インクを噴射する内部電極用インクジェットプリンターヘッド、及び
誘電体用インクを噴射する誘電体用インクジェットプリンターヘッドを含むが、
上記内部電極用インクジェットプリンターヘッドと上記誘電体用インクジェットプリンターヘッドは、それぞれ上記内部電極と上記誘電体を同時に印刷する積層セラミック電子部品製造装置。
【請求項９】
上記内部電極用インクジェットプリンターヘッドと上記誘電体用インクジェットプリンターヘッドは、一体に動きながらインクを噴射する請求項８に記載の積層セラミック電子部品製造装置。
【請求項１０】
上記内部電極用インクジェットプリンターヘッドと上記誘電体用インクジェットプリンターヘッドは、相互違う動作制御信号に応じて個別的に動きながらインクを噴射する請求項８に記載の積層セラミック電子部品製造装置。
【請求項１１】
誘電体懸濁液を利用して誘電体フィルムを形成する段階、及び
上記誘電体フィルム上に、複数のインクジェットプリンターヘッドを利用して内部電極用インクと誘電体用インクを噴射することによって、内部電極及び上記内部電極と同一平面上に形成される電極間誘電体を同時に印刷する段階を含む積層セラミックコンデンサ製造方法。
【請求項１２】
上記複数のインクジェットプリンターヘッドは
内部電極用インクを噴射する内部電極用インクジェットプリンターヘッド、及び
誘電体用インクを噴射する誘電体用インクジェットプリンターヘッドを含む請求項１１に記載の積層セラミックコンデンサ製造方法。
【請求項１３】
上記内部電極用インクジェットプリンターヘッドと上記誘電体用インクジェットプリンターヘッドは、一体に動きながらインクを噴射する請求項１２に記載の積層セラミックコンデンサ製造方法。
【請求項１４】
上記内部電極用インクジェットプリンターヘッドと上記誘電体用インクジェットプリンターヘッドは、相互違う動作制御信号に応じて個別的に動きながらインクを噴射する請求項１２に記載の積層セラミックコンデンサ製造方法。
【請求項１５】
インクジェットプリンターヘッドを利用して誘電体用インクを噴射することによって誘電体フィルムを形成する段階、及び
上記誘電体フィルム上に、複数のインクジェットプリンターヘッドを利用して内部電極用インクと誘電体用インクを噴射することによって、内部電極及び上記内部電極と同一平面上に形成される電極間誘電体を同時に印刷する段階を含む積層セラミックコンデンサ製造方法。
【請求項１６】
上記複数のインクジェットプリンターヘッドは
内部電極用インクを噴射する内部電極用インクジェットプリンターヘッド、及び
誘電体用インクを噴射する誘電体用インクジェットプリンターヘッドを含む請求項１５に記載の積層セラミックコンデンサ製造方法。
【請求項１７】
上記内部電極用インクジェットプリンターヘッドと上記誘電体用インクジェットプリンターヘッドは、一体に動きながらインクを噴射する請求項１６に記載の積層セラミックコンデンサ製造方法。
【請求項１８】
上記内部電極用インクジェットプリンターヘッドと上記誘電体用インクジェットプリンターヘッドは、相互違う動作制御信号に応じて個別的に動きながらインクを噴射する請求項１６に記載の積層セラミックコンデンサ製造方法。
【請求項１】
誘電体フィルムを形成する段階、及び
上記誘電体フィルム上に、複数のインクジェットプリンターヘッドを利用して内部電極用インクと誘電体用インクを噴射することによって、内部電極及び上記内部電極と同一平面上に形成される電極間誘電体が、同時に印刷された誘電体シートを形成する段階
を含む積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項２】
上記誘電体シートを積層及び圧搾する段階、
上記誘電体シートを上記あらかじめ設定されたパターンによって切断する段階、及び
上記誘電体シートを焼成する段階をともに含む請求項１に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項３】
上記誘電体シートを切断する切断線は、上記内部電極と平行であり、上記電極間誘電体を両分する請求項２に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項４】
上記複数のインクジェットプリンターヘッドは
上記内部電極用インクを噴射する内部電極用インクジェットプリンターヘッド、及び
上記誘電体用インクを噴射する誘電体用インクジェットプリンターヘッドを含む請求項１に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項５】
上記内部電極用インクジェットプリンターヘッドと上記誘電体用インクジェットプリンターヘッドは、一体に動きながらインクを噴射する請求項４に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項６】
上記内部電極用インクジェットプリンターヘッドと上記誘電体用インクジェットプリンターヘッドは、相互違う動作制御信号に応じて個別的に動きながらインクを噴射する請求項４に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項７】
請求項１ないし請求項６の中のある一つの項による上記積層セラミック電子部品製造方法によって製造される積層セラミック電子部品。
【請求項８】
内部電極用インクを噴射する内部電極用インクジェットプリンターヘッド、及び
誘電体用インクを噴射する誘電体用インクジェットプリンターヘッドを含むが、
上記内部電極用インクジェットプリンターヘッドと上記誘電体用インクジェットプリンターヘッドは、それぞれ上記内部電極と上記誘電体を同時に印刷する積層セラミック電子部品製造装置。
【請求項９】
上記内部電極用インクジェットプリンターヘッドと上記誘電体用インクジェットプリンターヘッドは、一体に動きながらインクを噴射する請求項８に記載の積層セラミック電子部品製造装置。
【請求項１０】
上記内部電極用インクジェットプリンターヘッドと上記誘電体用インクジェットプリンターヘッドは、相互違う動作制御信号に応じて個別的に動きながらインクを噴射する請求項８に記載の積層セラミック電子部品製造装置。
【請求項１１】
誘電体懸濁液を利用して誘電体フィルムを形成する段階、及び
上記誘電体フィルム上に、複数のインクジェットプリンターヘッドを利用して内部電極用インクと誘電体用インクを噴射することによって、内部電極及び上記内部電極と同一平面上に形成される電極間誘電体を同時に印刷する段階を含む積層セラミックコンデンサ製造方法。
【請求項１２】
上記複数のインクジェットプリンターヘッドは
内部電極用インクを噴射する内部電極用インクジェットプリンターヘッド、及び
誘電体用インクを噴射する誘電体用インクジェットプリンターヘッドを含む請求項１１に記載の積層セラミックコンデンサ製造方法。
【請求項１３】
上記内部電極用インクジェットプリンターヘッドと上記誘電体用インクジェットプリンターヘッドは、一体に動きながらインクを噴射する請求項１２に記載の積層セラミックコンデンサ製造方法。
【請求項１４】
上記内部電極用インクジェットプリンターヘッドと上記誘電体用インクジェットプリンターヘッドは、相互違う動作制御信号に応じて個別的に動きながらインクを噴射する請求項１２に記載の積層セラミックコンデンサ製造方法。
【請求項１５】
インクジェットプリンターヘッドを利用して誘電体用インクを噴射することによって誘電体フィルムを形成する段階、及び
上記誘電体フィルム上に、複数のインクジェットプリンターヘッドを利用して内部電極用インクと誘電体用インクを噴射することによって、内部電極及び上記内部電極と同一平面上に形成される電極間誘電体を同時に印刷する段階を含む積層セラミックコンデンサ製造方法。
【請求項１６】
上記複数のインクジェットプリンターヘッドは
内部電極用インクを噴射する内部電極用インクジェットプリンターヘッド、及び
誘電体用インクを噴射する誘電体用インクジェットプリンターヘッドを含む請求項１５に記載の積層セラミックコンデンサ製造方法。
【請求項１７】
上記内部電極用インクジェットプリンターヘッドと上記誘電体用インクジェットプリンターヘッドは、一体に動きながらインクを噴射する請求項１６に記載の積層セラミックコンデンサ製造方法。
【請求項１８】
上記内部電極用インクジェットプリンターヘッドと上記誘電体用インクジェットプリンターヘッドは、相互違う動作制御信号に応じて個別的に動きながらインクを噴射する請求項１６に記載の積層セラミックコンデンサ製造方法。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【公開番号】特開２００６−２７００４８（Ｐ２００６−２７００４８Ａ）
【公開日】平成１８年１０月５日（２００６．１０．５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００５−３７６０８７（Ｐ２００５−３７６０８７）
【出願日】平成１７年１２月２７日（２００５．１２．２７）
【出願人】（５９４０２３７２２）サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド． (1,585)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１８年１０月５日（２００６．１０．５）
【国際特許分類】
【出願日】平成１７年１２月２７日（２００５．１２．２７）
【出願人】（５９４０２３７２２）サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド． (1,585)
【Ｆターム（参考）】
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