説明

積層体、非水電解質二次電池及び積層体の製造方法

【課題】特に非水電解質二次電池において、活物質層の構成を必要最小限にとどめつつ、集電基材と活物質層の密着強度に優れた電極を提供する。
【解決手段】活物質層110が集電基材120上に積層された積層体であって、前記活物質層110は、少なくとも活物質111と、導電剤112と、結着剤113と、増粘剤114を含み、当該活物質層の嵩密度を1.2g/cm以上とする。また、少なくとも活物質111と、導電剤112と、結着材113と、増粘剤114と、溶媒を含む活物質層形成用組成物を前記集電基材上に塗工し、活物質塗膜を形成する工程と、前記活物質塗膜を100℃以上150℃以下の温度で乾燥する工程と、前記活物質塗膜を65℃以上115℃以下の温度で再度加熱する工程と、前記活物質塗膜に単位面積あたり320kgf/cm以上の圧力を加える工程からなる積層体の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基材上に粒子を含む層を積層した積層体及びその製造方法に関するものであり、特に、銅箔等を集電基材とし、その上にリチウムイオンを吸蔵することのできる負極活物質粒子を含む層を備えた非水電解質二次電池用途の積層体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のデジタルカメラやノートパソコン等のポータブル機器の目覚ましい普及により、その電源として、非水電解質二次電池の一種であるリチウムイオン二次電池の需要は高まっている。
リチウムイオン二次電池はリチウムイオンが小さいことからエネルギー密度が高く、非水系の電解質を用いるため高い電圧を得ることができるという特徴があることから、ノートパソコンなどの携帯型電子機器に用いられ、また電気自転車、電気自動車などの次世代電気産業製品への応用に向けた研究・開発が進められている。また、金属リチウム二次電池に比較してメモリー効果が小さいことから継ぎ足し充電を行う携帯電話等の機器にも適している。
【0003】
このようなリチウムイオン二次電池として、角型や円筒型であり、金属缶に封入されるタイプのものと、フレキシブルなフィルムにパッケージされるラミネート型(積層型)を挙げることができる。角型及び円筒型のリチウムイオン二次電池では、正極電極層とセパレーター層、負極電極層を扁平形状あるいは円筒状に巻いた巻回型となる。また、ラミネート型は正極電極層と負極電極層とをセパレーター層を介して交互に積層した形状となる。
いずれのタイプのリチウムイオン二次電池も、正極及び負極電極層は、シート状の集電体(集電基材)上に、リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な活物質と呼ばれる粒子を含む層(活物質層)が積層された積層体である。正極電極層及び負極電極層にはそれぞれの活物質における電位差を電流として取り出すための端子が設けられる。正極電極層と負極電極層の間にはリチウムイオンが透過可能なセパレーターが配置され、全体に有機電解液が介装される。
【0004】
しかし、リチウムイオン二次電池の活物質層は、リチウムイオンを最大限吸蔵するために活物質の割合が非常に多い。また、リチウムイオンの吸蔵/放出を繰り返すことで、活物質が膨張と収縮を繰り返す。従って、集電基材から活物質がはがれてしまうという問題が発生しており、この問題は特に負極活物質層と負極集電基材との間で顕著である。
【0005】
従来は、活物質に加えてバインダー(結着剤)、分散媒、増粘を含む活物質層形成用スラリーを調整し、これを集電体(集電基材)に塗工して電極を製造していた(特許文献1参照)。しかし、スラリー中に含まれる結着剤が塗工膜上層へ偏在し、塗工膜下層の結着剤量が少なくなるマイグレーションと呼ばれる現象が起こることから、塗工膜(活物質層)と集電基材との密着強度が著しく弱くなるという問題があった。
【0006】
このような問題を解決するために、集電基材と塗工膜(活物質層)との密着強度低下を解決するために、スラリー(負極合剤)中に第1のポリマーに加えて、第2のポリマーを添加する方法(特許文献2参照、図2(a))や、結着剤を含む負極活物質層と負極集電基材との間に双方の密着性を高めるための密着層を設ける方法(特許文献3参照、図2(b))が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平4−51459号公報
【特許文献2】特開2003−242967号公報
【特許文献3】特開2004−200011号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、スラリーに新たなポリマーを添加する方法では、活物質層として必要ではない材料の添加は好ましくなく、コスト的にも不利である。また、密着層を設ける方法では、密着層を設ける工程が1工程増えるため、製造に時間がかかり、生産性が低下してしまう。いずれにしても、活物質層の構成が複雑になるのは好ましくない。
本発明は、活物質層の構成を必要最小限にとどめつつ、集電基材と活物質層の密着強度を保つことを課題とする。より具体的には、結着剤が活物質層内で偏在する(マイグレーション)のを防ぎ、活物質層の性能を低下させることなく密着強度を保つことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための第1の発明は、活物質層が集電基材上に積層された積層体であって、前記活物質層は、少なくとも活物質と、導電剤と、結着剤と、増粘剤を含み、当該活物質層の嵩密度は1.2g/cm以上であることを特徴とする積層体である。
さらに、前記活物質は負極活物質であり、前記集電基材は銅箔であることを特徴とする積層体である。
さらに、前記積層体を非水電解質二次電池の負極電極層として用いたことを特徴とする非水電解質二次電池である。
【0010】
上記課題を解決するための第2の発明は、活物質層が集電基材上に積層された積層体の製造方法であって、前記活物質層は、1.少なくとも活物質と、導電剤と、結着剤と、増粘剤と、溶媒を含む活物質層形成用組成物を前記集電基材上に塗工し、活物質塗膜を形成する工程、2.前記活物質塗膜を100℃以上150℃以下の温度で乾燥する工程、3.前記活物質塗膜を65℃以上115℃以下の温度で再度加熱する工程、4.前記活物質塗膜に単位面積あたり320kgf/cm以上の圧力を加える工程、を1から4の順で行うことを特徴とする積層体の製造方法である。
さらに、前記工程2と前記工程3との間に、前記活物質塗膜を室温まで冷ます工程を備え、前記工程2は10分以上15分以下、前記工程3は60分以上行われることを特徴とする積層体の製造方法である。
さらに、前記工程4は、前記工程3において加えた熱を前記結着剤の融点以上に保ちながら行うことを特徴とする積層体の製造方法である。
【発明の効果】
【0011】
第1の発明によれば、活物質層と集電基材との密着強度の優れた積層体とすることができる。また、活物質同士が近接するため、単位体積あたりの活物質の放電容量を増加させ、かつサイクル特性を向上させる効果がある。従って、非水電解質二次電池の負極電極層として好適に用いることができる。
【0012】
第2の発明によれば、新たなポリマーの添加や層の形成をすることなく、活物質層の構成を変えずに、該活物質層と集電基材との密着性を高めることができた。
乾燥工程で溶剤を除き、その後再加熱工程を行うことで、活物質塗膜内の上下層での結着剤の偏在を解消し、負極活物質の分布を均一にすることができると考えられる。そして、単位面積あたり320kgf/cm以上の圧力で活物質塗膜をプレスをすることで、活物質塗膜内に存在する空隙に、結着剤を押し込むことができる。
【0013】
特に、再加熱工程に十分な時間をかけ、その後、結着剤の融点より高い温度でプレスを行うことで、活物質塗膜の温度が一定となり、当該結着剤を活物質塗膜と集電基材との界面に存在する空隙を効率よく充填することができ、活物質層と集電基材との密着性を向上させ、活物質層の嵩密度の増加を図ることができる。
本発明によれば、結着剤の偏在がなく、空隙が少なく、嵩密度の高い(負極)活物質層を備えた積層体を得ることができるので、特に、非水電解質二次電池の負極電極層として用いる際に、負極活物質からの電気容量の取り出しにおいて、前記結着剤が電気化学反応を妨げる影響を低減させる働きが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の製造方法を構成する工程4の前後における積層体を模式的に示した断面図である。
【図2】従来の技術による負極電極層と本発明による負極電極層を模式的に示す断面図である。
【図3】空気圧平板プレス機により積層体をプレスする工程を示す説明図である。
【図4】手動ピール試験の概要を示す説明図である。
【図5】本発明の製造方法を構成する工程4の前後における積層体の断面写真である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明を実施例に基づいて説明する。
<積層体の構成>
本発明の積層体は、活物質層が集電基材上に積層された積層体であって、前記活物質層は、少なくとも活物質と、導電剤と、結着剤と、増粘剤を含み、当該活物質層の嵩密度は1.2g/cm以上であることを特徴とする。以下、積層体の構成について説明する。
【0016】
<集電基材>
集電基材には、高電流の電流を流すという観点から、導電性の物質が好ましい。その中でも、銅、ニッケル、ステンレス、鉄、アルミニウム等が挙げられ、その中でも、コスト面で比較的に安価で、また、金属のイオン化傾向の観点から正極集電基材にはアルミニウム、負極集電基材には銅が好ましい。
負極集電基材としては、銅の中でも圧延銅箔が好ましい。これは、圧延銅箔中の銅結晶が圧延方向に並んでいるため、これを用いた負極電極層は、応力を加えたときにも割れにくいため、積層体を形成する場合に、成形性に富むといった利点があるからである。
そのため、本発明においても圧延銅箔を使用した。しかし、圧延銅箔には、その製造方法から長さの制約もあるので、作製工程で長さに制約が無いといった利点からは電解銅箔の使用も好ましい。正極集電基材には、圧延銅箔と同様の理由によりに圧延アルミ箔が好ましい。これも、アルミ結晶が圧延方向に並んでいるため、これを用いた正極電極層は、応力を加えたときにも割れにくい。従って、積層体を形成する場合に、成形性に富むといった利点があるからである。
【0017】
<活物質>
活物質には、リチウムイオンを吸蔵・放出可能なものであれば使用可能である。詳しくは、正極活物質としては、すでに公知であるLiMn、LiFePO、LiCoO、LiMnO、LiMnO、LiFeSiO、LiFeVO等のリチウム含有金属酸化物、V、MoO等の遷移金属酸化物、TiS、非晶質MoS等の遷移金属硫化物が挙げられる。
また、負極活物質としては、アモルファスカーボン、グラファイト、天然黒鉛、メゾカーボンマイクロビーズ(MCMB)等の炭素系材料、LiTiO、SiO等の酸化物系材料、リチウム金属合金、リチウム金属等が挙げられる。
この中でも、人造黒鉛や天然黒鉛は、現在工業的に広く用いられ、コストが安価で扱いやすいといった利点から負極活物質に好ましい。本発明においても人造黒鉛及び天然黒鉛を好ましく使用できる。
【0018】
<結着剤>
結着剤としては、後述する分散溶媒に対して化学的に安定な高分子が好ましい。例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PTFE)、芳香族ポリアミド等の樹脂系高分子、スチレン・ブタジエンラバー(SBR)、エチレン・プロピレンラバー等のゴム系高分子、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系高分子等が挙げられる。
その中でも、正極電極層には集電基材と正極活物質の密着性及び正極活物質間の密着性の向上という観点から、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系高分子が好ましい。
また、負極電極層にはポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系高分子やスチレン・ブタジエンラバー(SBR)、エチレン・プロピレンラバー等のゴム系高分子が好ましい。特に、SBRは、低融点(115℃)であり再加熱工程及びプレス工程での熱量を抑えられる、また、水系の溶媒を用いることが可能であり、工業的に用いる場合、環境負荷の低減、溶剤回収が不必要でありコストの低減が図れるといった観点から、本発明の実施例においてSBRを負極結着剤として使用した。
【0019】
<導電剤>
導電剤には、電極材料(集電基材)の導電性を確保でき、かつ、充放電反応において化学反応を起こさない物質が好まれる。一般的には、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック等の炭素系材料、金属繊維、導電性ポリマー、フッ化カーボン、金属粉末等が用いられる。この中でもアセチレンブラック、ケッチェンブラックが特に好ましい。
【0020】
<増粘剤>
本発明の非水電解質二次電池は活物質が溶媒に分散した活物質層形成用組成物を集電基材上に塗工し、活物質塗膜を形成するが、このとき活物質層形成用組成物の粘度を調整するために増粘剤を加えても良い。増粘剤には、カルボキシメチルセルロース(CMC)やポリエチレングリコール等の高分子材料が好ましい。
【0021】
<溶媒>
本発明の非水電解質二次電池の活物質層の形成には、活物質層形成用組成物を集電基材上に塗工する。活物質層形成用組成物は活物質と、導電剤と、結着剤と、増粘剤と溶媒とを含み、スラリー状に調整されたものである。活物質層形成用組成物の調整に用いることのできる溶媒としては、水や、水にエタノール、N−メチルピロリドン(NMP)等を混合した水系溶媒、NMP等の環状アミド系、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の直鎖上アミド系、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等を挙げることができる。
【0022】
<非水電解質二次電池の構造>
本発明の非水電解質二次電池は例えばリチウムイオン二次電池であり、金属缶に封入されるタイプのものと、フレキシブルなフィルムにパッケージされるラミネート型(積層型)を挙げることができる。角型及び円筒型のリチウムイオン二次電池では、正極電極層とセパレーター層、負極電極層を扁平形状あるいは円筒状に巻いた巻回型となる。また、ラミネート型は正極電極層と負極電極層をセパレーター層を介して交互に積層した形状となる。
いずれのタイプのリチウムイオン二次電池も、正極及び負極電極層は、シート状の集電基材上に、リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な活物質と呼ばれる粒子を含む層(活物質層)が積層された積層体である。正極電極層及び負極電極層にはそれぞれの活物質における電位差を電流として取り出すための端子が設けられる。正極電極層と負極電極層の間にはリチウムイオンが透過可能なセパレーターが配置され、全体に有機電解液が介装される。
【0023】
<セパレーター>
セパレーターとしては、リチウムイオンを透過し、有機電解液によって変質しない多孔性のシート状ポリマーが好ましい。例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのオレフィン系のシート状ポリマー、ポリイミド、ポリアラミド等のシート状ポリマーが好まれる。これらのシート状ポリマーは非水電解質二次電池の用途によっても異なるが、自動車などの大型産業用であれば40〜60μmの厚みが好ましい。また、これらのシート状ポリマーは、細孔径が1μm以下であることが好ましく、空隙率は20〜80%であることが好ましい。
セパレーターとしては不織布も用いることができる。セパレーターとして用いることのできる不織布としては、綿、レーヨン、アセテート、ナイロン、ポリエステル、ポリオレフィン系樹脂、ポリイミド、アラミド、などの従来公知のものが挙げられる。これら不織布は、1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
不織布の嵩密度は特に限定されない。不織布の空隙率は30〜90%が好ましい。また、不織布の厚みは、電解液が保持される層と同じ程度であればよく、5〜200μmが好ましい。不織布の厚みが5μm以下であれば、電解液の保持がより良好になる。不織布の厚みが200μm以下であれば、内部抵抗がより小さくなる。
【0024】
<有機電解液>
本発明の非水電解質二次電池に用いることのできる有機電解液としては、公知の有機電解液が使用できる。
このような有機電解液の溶媒としては、ジエチルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル等のエーテル系、ホルムアミド、N−エチルホルムアミド等のアミド系、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の含有硫化物系、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系、γ−ブチロラクトン、NMP等の有機溶媒を用いることができる。さらに好ましくは、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系を使用するのが好ましい。これらの溶媒は、1種類でもよく、2種類以上を混合して使用することも出来る。
これらの有機電解液に含まれる電解質にはリチウム塩が使用され、リチウム塩には、LiClO、LiPF、LiCl、LiBF、LiAlCl、LiSbF,LiSCN、LiCFSO、LiCFCO等が用いられる。この中でも特に耐電圧特性がよいことからLiPFが好ましい。
【0025】
<正極電極層>
本発明の積層体は非水電解質二次電池の負極電極層として特に好ましく用いることができる。このとき、正極電極層としても本発明の積層体を用いることができるが、そのほかとしては、例えば正極活物質としてLiMn、LiFePO、LiCoO、LiFeVO、LiFeSiO、LiMnOを用いた積層体を好ましく用いることができる。
【0026】
<積層体の製造方法>
次に本発明の積層体の製造方法を説明する。
【0027】
<塗工工程>
<塗工液の調整>
活物質層を集電基材上に積層して本発明の積層体を製造する。活物質層の形成には、まず活物質、導電剤、結着剤を溶媒に分散させ、混練し、スラリー状として活物質層形成用組成物(塗工液)を調整する。
活物質層形成用組成物に添加する導電剤は、活物質100質量部に対し、0.5質量部以上20質量部以下、好ましくは1質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
また、結着剤に関しては、活物質100質量部に対し、5質量部以上20質量部以下、好ましくは1質量部以上10質量部以下であることが好ましい。これは、結着剤が上記の上限以上では、活物質の割合が減り、電池容量の低下を招いてしまうからであり、下限以下では活物質同士や活物質と集電基材の密着性の劣化につながってしまうからである。
また、活物質層形成用組成物における活物質の濃度は、30質量%以上、70質量%以下が好ましく、さらに好ましい条件としては40質量%以上、55質量%以下である。これは、上限以上では活物質の凝集が起こってしまい、下限以下では活物質の沈降が起こってしまうからである。
【0028】
本発明で用いる活物質層形成用組成物の調整は、材料の混合方法及び混合順序には特に限定されない。混錬にボールミル、ビーズミル、サンドミル、ディスパー、超音波分散機、ホモジナイザー、プラネタリーミキサー等の混合機を用い、高度に分散されたスラリーを得ることができる。
また、必要な粘度に応じて、増粘剤を添加することも可能である。
【0029】
<塗工方法>
作製した活物質層形成用組成物の塗工方法に関しては、一般的なウェット材料の塗工方法が採用され、スラリー状となった活物質層形成用組成物の粘度等の物性に合わせて塗工が可能である。例えば、グラビアコート、マイクログラビアコート、ダイコート、デップコート、スリットコート、コンマコート、リップコート、ダイレクトコート法が挙げられる。一般的には、活物質塗膜の厚みが0.01mm以上1mm以下になることが好ましく、さらに好ましくは0.03mm以上0.2mm以下になることが良い。
【0030】
<乾燥工程>
乾燥工程は、活物質層に溶剤が残留しない状態とできれば、特に制限はなく、例えば、小型乾燥オーブンなどでの温風乾燥、熱風乾燥、真空乾燥、遠赤外乾燥、紫外線乾燥、電子線乾燥、恒温高湿乾燥が好ましい。これら乾燥方法は、1種類を単独で行ってもよく、2種類以上を組み合わせて行っても良い。
熱風乾燥においては、風量、風あたり角度、吹き出し口からの距離などが乾燥効率に影響するため、これらの条件を適宜選択する。
さらに、ロール・トゥ・ロール方式により塗工と乾燥を連続に行う場合には、ロールサポート、フローティングなどにより乾燥を行ってもよく、これらを組み合わせても良い。
乾燥工程後の活物質塗膜に占める残留溶剤はできるだけ少ないほうがよく、1質量%以下、さらに好ましい条件としては、0.5質量%以下である。
【0031】
<再加熱工程>
<乾燥工程後の冷却>
前記加熱工程後、活物質塗膜を室温まで徐冷する。その工程としては、室温で放冷することが好ましく、例えば温度20℃以上30℃未満の恒温高湿室等に2時間以上置き徐冷することが好ましい。
この工程を経ることによって、プレス工程時の活物質塗膜温度が全体で均一となり、ムラのない嵩密度の活物質層を形成することができる。
【0032】
<再加熱>
再加熱工程で行うことのできる加熱方法としては、小型の乾燥オーブンなどでの温風加熱、熱風加熱、密閉容器内での真空加熱、遠赤外線加熱、紫外線照射加熱、電子線加熱、恒温高湿加熱が好ましくこれら加熱方法は、1種類を単独で行ってもよく、2種類以上を組み合わせて行っても良い。再加熱工程においては、活物質塗膜の温度を結着剤の融点付近まで均一に上げたいため、温度一定となるオーブンやホットプレートによる加熱法が好ましい。
熱風乾燥においては、風量、風あたり角度、吹き出し口からの距離などが乾燥効率に影響するため、これらの条件を適宜選択する。
再加熱時間としては30分以上が好ましく、さらに好ましい条件としては1時間以上である。再加熱温度は、活物質塗膜に含まれる結着剤によって融点が異なるため適切な温度は異なるが、結着剤を再加熱により軟化させ活物質などの空隙に押し込むといった観点から、65℃以上115℃以下、より好ましくは結着剤の融点以上が好ましい。
【0033】
<プレス工程>
単位面積当たりのエネルギー密度の向上のために、再加熱後、あるいは再加熱しながら前記活物質塗膜のプレスを行う。プレスには、金属ロールプレス法、ゴムロールプレス法、平板プレス法が挙げられる。
プレス後の活物質塗膜、すなわち活物質層の嵩密度は、積層体が正極電極層である場合は1.0g/cm以上3.8g/cm以下の範囲であることが好ましく、負極電極層である場合は1.0g/cm以上2.5g/cm以下であることが好ましい。嵩密度がこの範囲以上であると、活物質層に空隙がほとんど存在しなくなり、有機電解液が活物質層に浸透できず、電池性能の低下を招くからであり、この範囲以下であると、結着剤が集電基材付近にほとんど存在できないため、活物質層と集電基材との密着不良の原因となってしまうからである。
プレス工程は、活物質塗膜の温度が当該活物質塗膜に含まれる結着剤の融点以上に保たれた状態で行うことが好ましい。再加熱工程後、活物質塗膜の温度が下がる前にプレスを行うこともできるが、再加熱工程で所定の時間の加熱後に加熱を行いながらプレスを行うことが最も好ましい。再加熱工程の加熱を行いながらプレスを行うことで、結着剤が融点で均一に溶けた状態でプレスすることができるので、空隙に結着剤が効率よく潜り込むことができるためである。
【0034】
<二次電池の作成方法>
上記のように作製した正極電極層、負極電極層をセパレーターと組み合わせて正極電極層/セパレーター/負極電極層に正極電極層と負極電極層が触れないように積層、または巻回し、コイン型、角型、円筒型、ラミネート型等の容器の中に有機電解液とともに封入する。これにより非水電解質二次電池を作製する。作製時には、低露点(−50℃以下)の雰囲気であるドライルームや、アルゴンガスが容積の95質量部以上100質量部以下を占めるグローブボックス等で作業を行い、水分が非水電解質二次電池に封入されないようにすることが必須である。
【実施例】
【0035】
(実施例1)
<負極活物質層形成用組成物の調整>
以下の材料を活物質:導電剤:結着剤:増粘剤=85:15:1.5:1.5の割合で混錬し、固形物が55質量%となるように溶媒で希釈し、負極活物質層形成用組成物とした。
結着剤:SBR(スチレンブタジエンゴム)(融点115℃、BM−400B:日本ゼオン製)
増粘剤:CMC(カルボキシメチルセルロース)(CMCダイセル<アンモニウム>ダイセル化学製)
導電剤:アセチレンブラック
負極活物質:カーボン(M1−001、日本KMFC黒鉛化品、JFEケミカル製)
溶媒:水
<負極活物質層の形成>
負極集電基材として銅箔(厚み10μm)を幅15cm、長さ50cmに切り取り、当該銅箔の中央部に、スリットクリアランス300μmのYA−Cアプリケーターで先に調整した負極活物質層形成用組成物を幅10cm、長さ40cmに渡って塗工し、負極活物質塗膜を形成した(塗工工程)。
負極活物質塗膜を銅箔ごとオーブンに入れ、100℃で15分間乾燥した(乾燥工程)。
乾燥後、膜内の温度が室温になるまで放冷し、負極活物質塗膜が形成されている部分を銅箔ごと幅5cmm、長さ5cmとなるように切り取った。膜内の温度は温度センサーで測定した。
切り取った試験片を再びオーブンに入れて、115℃で60分間加熱した(図1(a))(再加熱工程)。
オーブンから取り出した試験片をすぐにステンレス板で挟みこみ、空気圧式平板プレス機で320kgf/cmの圧力を10分間保持した(図1(b)及び図3参照)(プレス工程)。プレス工程直後の膜内の温度は115℃であった。こうして、負極活物質層が銅箔上に積層された実施例1の積層体を得た。
【0036】
(実施例2)
実施例1で調整したものと同じ負極活物質形成用組成物を用い、乾燥工程を150℃で10分、再加熱工程を65℃で60分行った以外は実施例1と同様にして、実施例2の積層体を得た。プレス工程直後の膜内の温度は65℃であった。
【0037】
(比較例1)
実施例1で調整したものと同じ負極活物質形成用組成物を用い、実施例1と同様に塗工工程を行い、実施例1と同様に乾燥工程を100℃で15分行った。
乾燥後、膜内の温度が室温になるまで放冷し、負極活物質塗膜が形成されている部分を銅箔ごと幅5cmm、長さ5cmとなるように切り取ったものを比較例1の積層体とした。
【0038】
(比較例2)
実施例1で調整したものと同じ負極活物質形成用組成物を用い、実施例1と同様に塗工工程を行い、実施例2と同様に乾燥工程を150℃で10分行った。
乾燥後、膜内の温度が室温になるまで放冷し、負極活物質塗膜が形成されている部分を銅箔ごと幅5cmm、長さ5cmとなるように切り取ったものを比較例2の積層体とした。
【0039】
(比較例3)
実施例1で調整したものと同じ負極活物質形成用組成物を用い、実施例1と同様に塗工工程を行い、実施例1と同様に乾燥工程を100℃で15分行った。
乾燥後、膜内の温度が室温になるまで放冷し、負極活物質塗膜が形成されている部分を銅箔ごと幅5cmm、長さ5cmとなるように切り取った。
切り取った試験片を再びオーブンに入れて、実施例1と同様に115℃で60分間加熱したものを比較例3の積層体とした。
【0040】
(比較例4)
実施例1で調整したものと同じ負極活物質形成用組成物を用い、実施例1と同様に塗工工程を行い、実施例2と同様に乾燥工程を150℃で10分行った。
乾燥後、膜内の温度が室温になるまで放冷し、負極活物質塗膜が形成されている部分を銅箔ごと幅5cmm、長さ5cmとなるように切り取った。
切り取った試験片を再びオーブンに入れて、実施例2と同様に65℃で60分間加熱したものを比較例4の積層体とした。
【0041】
(比較例5)
実施例1で調整したものと同じ負極活物質形成用組成物を用い、実施例1と同様に塗工工程を行い、実施例1と同様に乾燥工程を100℃で15分行った。
乾燥後、膜内の温度が室温になるまで放冷し、負極活物質塗膜が形成されている部分を銅箔ごと幅5cmm、長さ5cmとなるように切り取った。
この試験片をステンレス板で挟みこみ、空気圧式平板プレス機で320kgf/cmの圧力を10分間保持した。プレス工程直後の膜内の温度は25℃であった。こうして、負極活物質層が銅箔上に積層された比較例5の積層体を得た。
【0042】
(比較例6)
実施例1で調整したものと同じ負極活物質形成用組成物を用い、実施例1と同様に塗工工程を行い、実施例1と同様に乾燥工程を100℃で15分行った。
乾燥後、膜内の温度が室温になるまで放冷し、負極活物質塗膜が形成されている部分を銅箔ごと幅5cmm、長さ5cmとなるように切り取った。
切り取った試験片を再びオーブンに入れて、実施例1と同様に115℃で60分間加熱した。
オーブンから取り出した試験片をすぐにステンレス板で挟みこみ、空気圧式平板プレス機で80kgf/cmの圧力を10分間保持した。プレス工程直後の膜内の温度は115℃であった。こうして、負極活物質層が銅箔上に積層された比較例6の積層体を得た。
【0043】
(実施例3)
実施例1で調整したものと同じ負極活物質形成用組成物を用い、実施例1と同様に塗工工程を行い、実施例1と同様に乾燥工程を100℃で15分行った。
乾燥後、膜内の温度が室温になるまで放冷し、負極活物質塗膜が形成されている部分を銅箔ごと幅5cmm、長さ5cmとなるように切り取った。
切り取った試験片を再びオーブンに入れて、115℃で5分間加熱した。
オーブンから取り出した試験片をすぐにステンレス板で挟みこみ、空気圧式平板プレス機で320kgf/cmの圧力を10分間保持した。プレス工程直後の膜内の温度は115℃であった。こうして、負極活物質層が銅箔上に積層された実施例3の積層体を得た。
【0044】
(密着性評価1)
実施例1〜3及び比較例1〜6にて作成した積層体を、平坦なステンレス板に粘着テープで貼り付けて4隅を固定した。負極活物質層に粘着テープ(住友スリーエム株式会社製Scotchメンディングテープ230−3−12、12mm幅)を貼り付け、手で180℃の方向に当該テープを剥離した(図4参照)。引き剥がされた粘着テープと負極活物質層の外観を観察することで、負極活物質層と銅箔との密着性を以下の基準により評価した。結果を表1(密着性評価1)欄に示す。
【0045】
○:手で粘着テープの180°剥離を行ったときに、粘着テープの粘着面に負極活物質層の表面のみが付着し、積層体においては銅箔が露出しない状態。
×:手で粘着テープの180°剥離を行ったときに、粘着テープの粘着面に負極活物質層が付着し、積層体においては銅箔の露出が少しでも観察された状態。
【0046】
乾燥工程に加えて再加熱工程を経てプレス工程を行った実施例1と実施例2の積層体は、(密着性評価1)の結果、銅箔が露出することなく、負極活物質層と銅箔との密着強度が高いことが確認できた。
【0047】
(密着性評価2)
実施例1〜3及び比較例1〜6にて作成した積層体を、クロスカットガイド(コーテック株式会社製、1mm幅)を使用し、剃刀で、銅箔を傷つけないように1mm×1mmの100個の升目となるように負極活物質層に切り込みを入れ、平坦なステンレス板に粘着テープで貼り付け、4隅を固定した。
切り込みの入った負極活物質層に粘着テープ(住友スリーエム株式会社製Scotchメンディングテープ230−3−12、12mm幅)を貼り付け、手で180℃の方向(水平方向)に当該テープを剥離した。このとき、銅箔から引き剥がされた負極活物質層の升目の個数を調査し密着性評価を数値化した。結果を表1(密着性評価2)欄に示す。表1に記載された(密着性評価2)個数は同じ条件で作成された4枚のサンプルについての平均値である。
【0048】
乾燥工程に加えて再加熱工程を経てプレス工程を行った実施例1から実施例3の積層体は、(密着性評価2)の結果、剥がれた升目の個数が非常に少なく、負極活物質層と銅箔との密着強度が高いことが確認でき、(密着性評価1)の結果を裏付けることとなった。
これら(密着性評価1)及び(密着性評価2)の結果から、乾燥工程後一旦放冷し、再加熱工程を経て、プレス工程直後の膜内の温度を65℃以上に保った状態で320kgf/cmでのプレス工程を行うことで、負極活物質層と銅箔との密着強度が高い積層体が得られたことがわかる。
特に、再加熱工程時間に60分をかけた実施例1及び実施例2については、非常に良好な密着性を示していることが示された。
【0049】
(嵩密度測定)
実施例1〜3及び比較例1〜6にて作成した積層体の負極活物質層について、JIS R1628に従って嵩密度測定を行った。結果を表1に示す。表1に記載された嵩密度は同じ条件で作成された4枚のサンプルについての平均値である。
【0050】
(プレス温度測定)
実施例1〜3及び比較例1〜6にて作成した積層体のプレス工程直後の膜内の温度を温度センサーによって確認した。結果を表1に示す。
【0051】
【表1】

【0052】
実施例1〜3の負極活物質層の嵩密度は、再加熱工程後に320kgf/cmでのプレス工程を経ることにより、再加熱もプレスも行っていない比較例1及び2、再加熱工程は行ったがプレス工程を行っていない比較例3及び4の負極活物質層と比較して嵩密度が約1.5倍となり、大幅に上がっていることがわかる。
また、再加熱工程を経ないでプレスのみを行った比較例5は、比較例1及び2に比べると嵩密度が高いものの、十分とはいえず、再加熱工程を経ているがプレス工程での加圧圧力が少ない比較例6の嵩密度も低いことがわかる。
再加熱工程及びプレス工程は経たものの、再加熱時間が短い実施例3は、十分な再加熱時間を経た実施例1及び2と比較するとやや嵩密度が低い。
そして、十分な再加熱時間を経た実施例1と実施例2とを比較すると、再加熱温度が低く、プレス時に結着剤の融点より低い温度となっていた実施例2は、実施例1に比べてやや嵩密度が低いことがわかる。
【0053】
以上のことから、結着剤の融点以上の温度を1時間という長時間保ったまま320kgf/cmでのプレス工程を一定時間行うことで、負極活物質塗膜(負極活物質層)中に存在した空隙に結着剤が充填されたことによると考えられる。嵩密度が大きくなることによって負極活物質同士が負極活物質層でより近接した状態となっているため、このような積層体を非水電解質二次電池の負極電極層として用いた場合、放電容量の増加や、サイクル特性の向上など、好ましい結果をもたらすことになる。
【0054】
(断面観察)
実施例1〜3及び比較例1〜6にて作成した積層体について、その負極活物質層の断面をSEMにて観察し、以下の基準により評価した。結果を表1に示す。
【0055】
○:空隙が観察されない(負極活物質層内の空隙に結着剤が充填され、負極活物質同士が近接している状態)
×:空隙が観察される(負極活物質同士の間隔が比較的離れている)
【0056】
図5(a)は実施例1の積層体の断面のSEM画像である。実施例1〜3の負極活物質層の断面は空隙が観察されなかった。320kgf/cmでのプレス工程を経ることにより、負極活物質層に存在した空隙に結着剤が充填されることが裏付けられた。
図5(b)は比較例3の積層体のSEM画像である。比較例1から4、6の負極活物質層の断面は図5(b)の画像のように空隙が観察された。そのため、嵩密度が低く、また負極活物質同士または負極活物質と銅箔とが十分に結着剤で接続されていないので密着性が低い。
【0057】
以上、本発明の積層体の製造方法によれば、結着剤の融点付近の温度を保ったまま320kgf/cmでのプレス工程を一定時間行うことで、負極活物質塗膜(負極活物質層)中に存在した空隙に結着剤が充填され、負極活物質層の嵩密度が増大するとともに、負極活物質層と集電基材との密着性が向上することが示された。
また、嵩密度が1.2g/cm以上であり、このような積層体を非水電解質二次電池の負極電極層として用いることで、放電容量が大きく、サイクル特性の良い非水電解質二次電池を得ることができる。
【符号の説明】
【0058】
100 積層体
110 活物質層
111 活物質
112 導電剤
113 結着剤
114 増粘剤
115 空隙
116 活物質の集合
120 集電基材
200 負極電極層
210 負極活物質層
211 負極活物質
213 結着剤
216 密着層
217 第2ポリマー
220 銅箔
300 空気圧平板プレス機
301 下板
302 上板
303 支柱
304 圧縮空気送気管
305 圧力計
306 ステンレス板
307 プレス機の稼働方向
308 加圧方向
401 粘着テープ
402 剥離方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活物質層が集電基材上に積層された積層体であって、
前記活物質層は、少なくとも活物質と、導電剤と、結着剤と、増粘剤を含み、
当該活物質層の嵩密度は1.2g/cm以上であることを特徴とする積層体。
【請求項2】
前記活物質は負極活物質であり、前記集電基材は銅箔であることを特徴とする請求項1記載の積層体。
【請求項3】
請求項1または2記載の積層体を非水電解質二次電池の負極電極層として用いたことを特徴とする非水電解質二次電池。
【請求項4】
活物質層が集電基材上に積層された積層体の製造方法であって、
前記活物質層は、
1.少なくとも活物質と、導電剤と、結着材と、増粘剤と、溶媒を含む活物質層形成用組成物を前記集電基材上に塗工し、活物質塗膜を形成する工程、
2.前記活物質塗膜を100℃以上150℃以下の温度で乾燥する工程、
3.前記活物質塗膜を65℃以上115℃以下の温度で再度加熱する工程、
4.前記活物質塗膜に単位面積あたり320kgf/cm以上の圧力を加える工程、
を1から4の順で行うことを特徴とする積層体の製造方法。
【請求項5】
前記工程2と前記工程3との間に、前記活物質塗膜を室温まで冷ます工程を備え、前記工程2は10分以上15分以下、前記工程3は60分以上行われることを特徴とする請求項4記載の積層体の製造方法。
【請求項6】
前記工程4は、前記工程3において加えた熱を前記結着剤の融点以上に保ちながら行うことを特徴とする請求項4記載の積層体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−238476(P2011−238476A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−109214(P2010−109214)
【出願日】平成22年5月11日(2010.5.11)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】