説明

積層構造及びその製造方法

本発明は、表面を有する第1の保持層と、第1の保持層によって支持される導電性の第1の活性面と、第1の保持層によって支持される導電性の第2の活性面とを有する積層構造であって、第1の活性面が、第1の保持層の表面に沿って第2の活性面から第1の距離だけ離され、積層構造は、活性面同士の間に上記距離を跨いで延びる電気的に脆弱化可能な接着剤を受け入れるようになっている、積層構造に関する。本発明はさらに、このような積層構造の製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面を有する第1の保持層と、第1の保持層によって支持される導電性の第1の活性面と、第1の保持層によって支持される導電性の第2の活性面と、を有する積層構造に関する。
【0002】
本発明はさらに、そのような積層構造の製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
製品を大きい配送パッケージで配送し、その後製品を、消費者によって購入された量だけ、店舗カウンタの後方で紙袋などに包装し直す従来の方法は、ほぼ完全に廃れている。数十年前に、あらかじめ包装された製品が棚に収納され、消費者自身が棚から製品を取り出す大型のセルフサービスストアが広く普及し、包装産業が著しく発展した。
【0004】
現在、ほとんどすべての消費者製品は、製造または加工現場において包装され、ただ一つのパッケージで配送され、販売され、さらに消費者の家庭でも保存されることが多い。ほとんどすべての種類の製品に使用されている一つの一般的な種類のパッケージとして、紙製の箱がある。紙箱は、例えば、乾燥食品や、ねじと釘のような小さい物品に広く使用されている。内バッグを設けることによって、液体や、ココアや粉ミルクのような粉末製品に紙箱を使用することもできる。この種のパッケージは、穀物及び同様の製品にも広く使用されている。
【0005】
この種のパッケージは、まず引き裂きバンドまたはストリップを紙箱から引き剥がし、次に(はさみで)内バッグを切り開くことによって開放されるようになっていることが多い。引き裂きバンドは、上面全体を側縁部から側縁部まで横切って延び、容器の前側に連結された前部フラップをパッケージの後側に連結された後部フラップから分離することが多い。前部及び後部フラップは、パッケージの側面から前部及び後部フラップの下方に折り畳まれた側部フラップに点接着されることが多い。消費者がこのようなパッケージを開放する際には、引き裂きバンドが破れることが少なくなく、引き剥がし動作を再開する必要が生じる。さらに、引き裂きバンドは、意図されたようにフラップから分離されないことが多く、従って、パッケージの開放がより困難になり、フラップやスリットなどの再閉止手段が損傷することが多い。
【0006】
消費者パッケージとしてしばしば使用される他の種類のパッケージは、プラスチックまたは金属で形成されたスクリューキャップまたはスナップ式の蓋を備えた、プラスチックまたはガラスで形成されたボトルまたは瓶である。この種のパッケージは、十分に低い初期開放力を実現することと、十分に良好な密閉を可能にすることと、の兼ね合せに関する固有の問題を有する。この種のパッケージのほとんどのキャップまたは蓋は、ねじまたは差し込み取り付け部(bayonet mount)によって固定されている。必要な密閉圧力を実現するために、キャップまたは蓋は十分なトルクで締め付けなければならない。包装産業内には、パッケージを密閉するための高いトルクの付加を不要とすることに関し、多数の変形例が存在する。しかし、後述のように、これらの変形例は、消費者がパッケージを開放する際、特にパッケージの初期開放時に様々な不都合を生じさせる。
【0007】
ジャム、キュウリのピクルスなどに使用されることが多い1つの種類のパッケージとして、金属製の蓋を有するガラス瓶がある。このようなパッケージは、瓶の内側に負圧を生じさせるために高温充填などによって充填されることが多い。この負圧は、蓋を瓶の口部に押し付け、それによって蓋と瓶との間の密封の質を向上させる。しかし、良好なシールを形成するこの方法は、このような瓶を開放するのが非常に困難になるという欠点を有し、蓋を回転させようとすると、負圧によって、意図された開放作用を妨げる高い摩擦力が生じる。この種のパッケージでは、開放作用に伴う力に耐えることができるように、瓶及び蓋を比較的剛性の高い構成部材で形成する必要もある。
【0008】
インスタントコーヒーなどの乾燥製品に使用されることが多い1つの種類のパッケージとして、簡素なプラスチック製の蓋を有するガラス瓶がある。十分な密閉を実現するために、瓶は、蓋の下方に密封フィルムまたは密封膜を備えている。このような密封膜は、ケチャップ、マスタードなどのプラスチック製ボトル、及びテーブルマーガリンなどの箱に設けられることも少なくないが、蓋は、密封作用を実現するように使用するのが困難なスナップ機能その他の機能を有している。このフィルムまたは膜は、パッケージの口部に接着または溶着されることが多い。しかし、この種のパッケージは、ユーザが膜を好ましくは一体的に引き剥がせる程度に必要な引き剥がし力を弱くしなければならないところ、膜を口部に密封固定する必要もあり、かつコスト及び環境の面から膜をできるだけ薄くする必要があるという欠点を有している。この結果、消費者は、膜を完全に引き剥がしたり、膜を一体的に引き剥がしたりすることが困難になることが多い。膜は部分的にしか引き剥がれず、つかみ片などがすでに引き剥がされているため、残りの部分を除去するのが困難である場合が多い。
【0009】
従って、公知のパッケージはすべて、パッケージの開放という点で様々な欠点を有している。
【0010】
すべての種類の消費者パッケージに共通することであるが、パッケージは、消費者に見合った容積または量の、対象となる製品を含んでいる。このため、各々の消費者パッケージの量は、各店舗で販売される総量と比べて比較的少なく、同じ配送エリア内のいくつかの店舗に配送される総量と比べてずっと少ない。店員または配送担当者が消費者パッケージを1つずつ取り扱うのは実際的ではない。これは、いくつかの消費者パッケージを収納した配送パッケージが広く使用されている1つの主要な理由である。
【0011】
一般に使用されている1つの配送パッケージとして、消費者パッケージを収容する段ボール箱がある。段ボールは通常、一方が開放した箱を形成するように折り畳まれ、消費者パッケージが充填され、2つ以上のフラップを互いに接着することによって密閉される。自動プロセスでは、いくつかの消費者パッケージを隣り合わせて並べ、次に消費者パッケージの周りを段ボールでほぼ覆うことで段ボール箱を形成し、最後に1つ以上のフラップを互いに接着することで段ボールを密閉することも一般的である。段ボール箱は通常、ナイフを使用して切断するか、互いに接着されたフラップを手で破り開けるか、または段ボールをミシン目に沿って手で破ることによって開放される。ナイフを使用すると、担当者が怪我をしたり、消費者パッケージが損傷を受けたりする恐れがある。消費者パッケージを1つずつ取り扱うことを避けるために、配送パッケージの一部を底部トレイなどとして維持できるようにし、従って、いくつかの消費者パッケージをまとめて棚に載せられるようにすることが望ましい場合も多い。このようなパッケージは通常、引き剥がし動作によって開放されるように構成される。しかし、段ボール箱は、店員が互いに接着されたフラップを破り開けるかまたは段ボールをミシン目に沿って破るときに、単に破り開けられずに引き裂かれることが多い。これは、製品及び店舗に悪影響を及ぼし、品質が低い印象を与えるので好ましいことではない。必要な安定性を実現するために、トレイは通常リムを備える必要があり、すなわち、側壁の底部を残す必要があるため、消費者パッケージを損傷せずに、このような配送パッケージをナイフを用いて開放することは困難である。あるいは、相互かみ合わせ式のフラップを使用して段ボール箱を密閉することもできる。しかし、このような箱を自動的に閉じるのは困難であることが多い。さらに、箱を店舗の棚に載せるときには、引き剥がしまたは切断動作によってフラップを取り除くことが必要になることが多い。このように、この種の箱には、上述のように段ボールの引き剥がしまたは切断に関する問題も伴う。
【0012】
配送パッケージを設ける簡単でコストのかからない方法は、いくつかの消費者パッケージをプラスチックフィルムで覆う方法である。しかし、この場合、このような消費者パッケージの形状安定性を比較的高くする必要が生じることが多い。この消費者パッケージを店舗の棚に載せるとき、店員は、ナイフを使用してフィルムラッピングを切り開き、消費者パッケージを1つずつ棚に載せる。ナイフを使用すると、店員が怪我をしたり、消費者パッケージが損傷したりする恐れがある。さらに店員は、それでもなお消費者パッケージを1つずつ扱う必要がある。消費者パッケージをトレイに載せ、次にトレイを消費者パッケージと一体でフィルムで覆うことによって、このように1つずつ取り扱うことを避けることができる。この種の配送パッケージは、トレイ上に起立させて配送される金属缶、プラスチックボトル、及びプラスチックチューブに使用されることが多い。しかし、この場合もフィルムラッピングを切り開く必要がある。
【0013】
消費者パッケージ及び配送パッケージは、数十年にわたってほぼあらゆる業種で広く使われているが、上述のように、様々な種類の配送パッケージのすべてに、それぞれ異なる問題が伴っている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、上述の問題を解消するかまたは少なくとも軽減するように使用できる積層構造を提供することである。本発明の積層構造は、上述され詳細な説明で説明される用途以外の用途で使用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の目的は、表面を有する第1の保持層と、第1の保持層によって支持される導電性の第1の活性面と、第1の保持層によって支持される導電性の第2の活性面と、を有する積層構造であって、第1の活性面は、第1の保持層の表面に沿って第2の活性面から第1の距離だけ離され、積層構造は、活性面同士の間を前記距離を跨いで延びる電気的に脆弱化可能な接着剤を受け入れるようになっている、積層構造によって実現された。
【0016】
これによって、保持層上に活性面を有する構造の各部分を事前に製造することが可能となる。積層構造をパッケージまたは連結部材に取り付ける際にいくつかの利点が実現される。
【0017】
「支持される」とは、活性面が第1の保持層に直接接触している必要があることを必ずしも意味しないことに留意されたい。一実施態様では、第1の活性面は直接第1の保持層上に積層され、一方、第2の活性面の大部分は、第1の活性面上に積層された絶縁層上に積層される。その場合でも、この積層構造は第1の保持層に支持されている。
【0018】
上述のように、互いに接着された段ボールパッケージは現在、引き裂きストリップを備えていることが多い。本発明の積層構造を使用することによって、パッケージの新しい構成を導入することが可能となり、このような引き裂きストリップはもはや必要なくなる。パッケージは、パッケージに製品を詰めるときに、電気的に脆弱化可能な接着剤を使用して接着される。消費者がパッケージを開放したいときは、電気的に脆弱化可能な接着剤に電圧が印加され、接着剤はその接着力を失う。パッケージはその後、不適切に破り開けられる恐れなく、かつ再密閉タブ/スロットなどを損傷する恐れなく、容易に開放される。本発明の積層構造と電気的に脆弱化可能な接着剤とを有するパッケージは、現在では不可能な方法で設計または構成することもできる。従来のパッケージを設計する場合、設計者は、容器の組み立て及び閉止に関する設計要求と、容器の開放に関する設計要求との釣り合いを取らなければならない。このため、容器の閉止が必要以上に複雑になり、しかも容器を意図されたように開放することが困難になることが多い。この問題は、本発明の積層構造を使用したパッケージによって解消されるか、または少なくとも大幅に軽減される。例えば、連結が望まれる部位に単に接着連結部を使用することによって、容器の組み立て及び密閉が簡単になるように容器を設計することができる。ユーザがパッケージを開放したいときは、電気的に脆弱化可能な接着剤に電圧が印加され、所望の連結部が容易に分離される。これによって、パッケージの開放を容易にする方策に関して影響範囲の広い妥協をする必要なく、パッケージをできるだけ強固に設計することも可能になる。パッケージは、いずれの場合も、電気的に脆弱化可能な接着剤に電圧を印加することによって簡単に開放することができる。
【0019】
同様に、本体及びキャップを有するパッケージの場合、本発明の積層構造を導入することによって、配送時にしっかりと密閉され、しかも容易に開放されるパッケージを提供することができる。電気的に脆弱化可能な接着剤を有する積層構造は例えば、ネジ付きキャップを意図に反してボトルから外れないように固定し、しかも、パッケージを開放する際に、電圧の印加後にキャップをボトルから容易に分離するのに使用することができる。積層構造は、箔で覆われた開口部に使用することもできる。箔は、電気的に脆弱化可能な接着剤を有する本発明の積層構造の一部を形成することによって、ボトルまたは瓶の口部にしっかりと固定される。パッケージを開放する際には、電圧が印加され、箔は容易に除去される。それによって、電圧を印加せずに箔を引き剥がすことが不可能になるほどしっかりと箔を固定することが可能になる。いずれの場合も、現在より強く箔を固定し、しかも現在よりずっと容易に箔を取り外すことができる。この固定力の違いのために、非常に薄い箔を設計することが可能になる。なぜなら、箔は、電圧が印加された後は、現在のように、引き剥がし時に、配送中に箔をパッケージに固定された状態に維持するのに十分高くなるように設計された初期引き剥がし抵抗に耐える必要はなく、残存する引き剥がし抵抗に耐えるだけでよいからである。
【0020】
電気的に脆弱化可能な接着剤を有する本発明の積層構造を使用すると、パッケージの初期密閉部と一体的に形成された不正防止機能を実現することも可能になる。電気的に脆弱化可能な接着剤は、反応するともはや同じ高い接着強度には戻らず、それによって不正防止機能を実現する。
【0021】
印加される電圧は、電気的に脆弱化可能な接着剤を脆弱化する所望の方法に応じて、交流であっても、直流であってもよい。電圧は、例えば、電池などの外部電圧源によって印加してもよいし、電磁波によって印加してもよいし、電極電位が互いに異なる別々の材料の活性面を含むパッケージを設計し、それによって内部電池を形成することで印加してもよい。
【0022】
本発明の積層構造は、電気的に脆弱化可能な接着剤を有する接着領域を備えた連結部材に使用することもできる。この連結部材によって、新しい種類の配送手段を提供することができる。連結部材を使用してパッケージまたは他の種類の製品及び物品を一体で保持することができる。
【0023】
連結部材は例えば、パッケージのパレットの下方または上方に配置された板状部材として形成することができる。パッケージを連結部材に保持することによって、パッケージと連結部材のセットは、取り扱い性の改善された配送ユニットを形成する。店員が配送ユニットを陳列棚上の所定の位置に配置すると、パッケージは、電気的に脆弱化可能な接着剤に電圧を印加することによって容易に分離される。配送パッケージを破るかまたは切断する必要がないため、製品またはパッケージと周囲の陳列棚との間に追加の空間は不要である。一実施態様によれば、店員は単に、パレットリフタ上に積み重ねられた製品から、下敷きと天板とによって一体で保持された8つのパッケージのセットを陳列棚まで滑らせる。その後、店員は、内部電池を作動させ、電気的に脆弱化可能な接着剤を含む接着領域に電圧を印加し、それによってパッケージから天板を分離する。店員は、陳列棚から天板を引き出し、下敷きの内部電池を作動させ、それによりパッケージを下敷きからも分離することによって棚への積載を完了する。消費者が棚からパッケージを取り出すとき、パッケージは、すでに下敷きから分離されているため、棚及び下敷きから容易に取り出される。場合によっては、パッケージを配送時に使用される連結部材から分離し、次に1つずつ陳列棚に置くことも考えられる。
【0024】
本発明の積層構造は、パッケージが一時的に1つまたは2つ以上の他のパッケージに連結されるようにするための第1の接着領域を有し、接着領域が電気的に脆弱化可能な接着剤を有するパッケージに使用することもできる。パッケージのセットは、配送時に、電気的に脆弱化可能な接着剤を備えた1つまたは2つ以上のパッケージによって一体で保持される。パッケージをいつ分離すべきかに関して多数の変形実施態様が考えられる。店員は、パッケージのセットを陳列棚まで持ち上げ、次にパッケージを分離し、互いに分離はされているが一緒に配置されるままにしておく。このようにして、店員がこの配送手段を利用することができる一方、消費者は、現在の手段との違いを認識しない。各パッケージを分離し、次に棚に1つずつ載せることも考えられる。これは、パッケージが数組のパッケージ単位で取り扱うには重いかまたはかさばる場合に適している。消費者が、パッケージを棚から持ち上げるときに、隣接するパッケージから分離することも考えられる。これによって、このパッケージが事前に分離されたものではないという情報が消費者に与えられる。これは例えば、冷蔵または冷凍食品に有用であり、製品を分離する必要がある場合に、その製品をショッピングカートに入れて店内を歩き回り、次に気が変わって製品を冷蔵庫に戻した他の消費者はいないことが分かる。さらに、各パッケージが一体で束ねられて販売され、消費者が製品を自宅でキャビネットに入れるか、または場合によっては消費者がまさにパッケージを開けようとするときにのみ分離されることも考えられる。これは例えば、パスタとパスタソースのような一次製品と1つまたは2つ以上の関連する製品とを一括パッケージとして販売する場合に使用することができる。
【0025】
本発明の積層構造は、取り扱い部材を形成する物品であって、少なくとも1つの二次物品を一時的に取り扱い部材に保持させるようになっている第1の接着領域と、取り扱い部材とそれに連結された二次物品とを取り扱うようにするための係合領域と、を有し、接着領域が電気的に脆弱化可能な接着剤を有する物品に使用することもできる。このような構成は例えば、ラック上で消費者物品を取り扱いかつ陳列する場合に有用である。このような構成は例えば、今日では紙板上のプラスチックカバーの裏側に置かれている鉛筆や同様の製品を陳列するのに使用することができる。電気的に脆弱化可能な接着剤を使用して物品を直接紙板に連結することができる。
【0026】
ほとんどの利点は、第1及び第2の保持層と電気的に脆弱化可能な接着剤とを有する完全な製品について説明されたことに留意されたい。最初に述べたように、本発明の積層構造の一つの利点は、積層構造は様々なステップで及び様々な位置で事前に製造可能である、ということである。保持層を例えば第1の位置で製造し、その後活性面を設けることができる。活性面は、保持層に導電性のインクを塗布する印刷技術を用いて設けることができる。活性面は、箔または溶融材料として保持層に積層される導電性の箔で形成することもできる。このような積層構造は次に、ユニットとして保管され、または配送することができる。積層構造は、パッケージまたは何らかの他の最終製品の一部を形成することもできる。この場合、意図された製品同士または製品の部分同士を互いに連結するときに、電気的に脆弱化可能な接着剤を、別のステップとして積層構造に設けることができる。保持層から完全な積層構造までの様々なレベルで積層構造を事前に製造するのを可能にする他の変形実施態様は、好ましい実施形態の説明から明らかになろう。
【0027】
本発明の好ましい実施形態は従属請求項から明らかになろう。
【0028】
第1の保持層は非導電性の材料で形成することができる。これによって、導体は単に、非導電性の材料に印刷または積層された導体として設けることができる。絶縁層などを有するより複雑な積層構造が直ちに必要となることはない。
【0029】
第1の保持層は紙板で形成することができる。この材料が好ましいのは、連結部材またはパッケージを紙板に設けるのが容易だからである。また、第1の保持層は通常非導電性であり、例えば、印刷技術または積層技術を利用して第1の保持層に電気回路を設けることが容易となる。
【0030】
積層構造は、閉じられた電気回路において電気的に脆弱化可能な接着剤に電圧を印加するように作動させられるようにされ、または活性面に連結されるようになっている内部電源を有していてもよい。これによって、パッケージまたは連結部材は、どこでも、あるいは誰でも分離することができる。このことは、消費者がパッケージを棚から取り出すときにパッケージが消費者によって分離される際の手段、及び一括販売のパッケージが購入後に分離される際の手段として特に有用である。
【0031】
第1の活性面は、第1の電極電位を有する第1の材料からなり、第2の活性面は第2の電極電位を有する第2の材料からなり、第1の電極電位は第2の電極電位とは異なっていてもよい。こうして、このような活性面は内部電源として働き、電気的に脆弱化可能な接着剤の外側で電気回路を介して互いに接続されたときに、電気的に脆弱化可能な接着剤の両端間に電位差を与える閉じた電気回路を形成する。
【0032】
積層構造は、少なくとも1つの、印刷され及び/または積層された電池をさらに有していてもよい。これは、内部電源を設ける好都合な方法である。
【0033】
この少なくとも1つの印刷され及び/または積層された電池を第1の保持層上に印刷することができる。これは、内部電源を形成する電池を設ける好都合な方法である。以下に指摘するように、第1の保持層を使用して1つまたは2つ以上の活性面を保持することもできる。それによって、電池と第1の保持層上の1つまたは2つ以上の活性面とを連結するのが容易になる。
【0034】
少なくとも1つの活性面の一部を露出させ、接着剤によって覆われるようにすることができる。これによって、電気的に脆弱化可能な接着剤自体が、この活性面に導電性のブリッジを構成する。
【0035】
第1の活性面の少なくとも一部と、第2の活性面の少なくとも一部と、を露出させ、接着剤で覆われるようにすることができる。これによって、電気的に脆弱化可能な接着剤自体が、両方の活性面に導電性のブリッジを構成する。
【0036】
活性面は、第1の保持層の表面上の第1の活性面の突状部が第1の保持層の表面上の第2の活性面の突状部を囲むように形成することができる。これによって、電気的に脆弱化可能な接着剤が破壊されまたは脆弱化される領域は、活性面の大きさと比べて比較的大きくなる。これによって、活性面における抵抗によるエネルギー損失は最小限に抑えられる。さらに、この領域は、接着剤を比較的集中して脆弱化することができ、パッケージの開放を容易にする。
【0037】
第1の保持層の表面上の第1の活性面の突状部と、第1の保持層の表面上の第2の活性面の突状部と、は少なくとも部分的に互いに重なり合い、積層構造は第1の活性面と第2の活性面との間の、少なくとも重なり合った部分に設けられた絶縁層をさらに有していてもよい。互いに重なり合い部分を持つ活性面と、活性面の間の絶縁層とを設けることによって、電気的に脆弱化可能な接着剤の形状を、保持層の面内分離によって制約される必要無くして、最適化することが可能である。
【0038】
第1の活性面は、第1の保持層の表面上の第1の活性面の突状部が第1の保持層の表面上の第2の活性面の突状部を囲む閉ループとして形成し、第2の活性面は、第1の活性面の閉ループから延びる連結部を有し、電気的絶縁層は、第2の活性面の連結部を第1の活性面から分離するようにしてもよい。これによって、電位は、電気的に脆弱化可能な接着剤によって、第2の活性面を周って第1の活性面につなげられる。これによって、第2の活性面の大きさと比べて比較的大きい、脆弱化される領域が得られる。
【0039】
積層構造は、第1の活性面と第2の活性面との間の距離を跨いで延び、活性面と第2の保持層との間に配置されるようになっている電気的に脆弱化可能な接着剤をさらに有していてもよい。例えば、活性面を備えているが電気的に脆弱化可能な接着剤を備えていない積層構造を、完全な製品またはパッケージの製造業者に販売できることに留意されたい。この場合、電気的に脆弱化可能な接着剤を有する積層構造を使用して、パッケージの密閉時またはある物品を他の物品に連結するときに、電気的に脆弱化可能な接着剤を塗布することができる。
【0040】
積層構造は、電気的に脆弱化可能な接着剤と第2の保持層との間に配置されるようになっている層として構成された、電気的に脆弱化しない接着剤をさらに有していてもよい。これによって、活性面と電気的に脆弱化可能な接着剤とを有する構造を事前に製造し、次に、例えばパッケージを初めて密封するときにこの構造上に従来の接着剤を塗布することができる。パッケージを開放する際には、電気的に脆弱化可能な接着剤が脆弱化され、従来の接着剤は、活性面を保持しない部分またはパッケージの部材とともに分離される。電気的に脆弱化可能な接着剤の2つの層を設け、事前製造ステップで一方の層を設け、例えばパッケージを密閉するときに第2の層を設けることも考えられる。
【0041】
積層構造は、電気的に脆弱化可能な接着剤または電気的に脆弱化しない接着剤によって第1の保持層と活性面とに接着された第2の保持層をさらに有していてもよい。
【0042】
第1の保持層は、パッケージの第1の部分を形成し、第2の保持層はパッケージの第2の部分を形成し、パッケージの第1及び第2の部分は互いに連結され、それによってパッケージを閉止された状態に維持するようにすることができる。
【0043】
第1の保持層は第1のパッケージ部材の一部を形成し、第2の保持層は第2のパッケージ部材の一部を形成し、第1及び第2のパッケージ部材は互いに協働し、それによって閉止されたパッケージを形成するようにしてもよい。
【0044】
電気的に脆弱化可能な接着剤は密封層を形成することができる。このようにして、例えば、しっかりと密封されしかも容易に開放できるパッケージを形成することができる。
【0045】
積層構造は連結部材を構成し、第1の保持層は、複数の物品を一時的に一体で保持するようになっているこの連結部材の一部を形成し、連結部材は、第1の接着領域と第2の接着領域を備えたベース部材を有し、第1の接着領域はベース部材に第1の二次物品を保持させるようになっており、第2の接着領域はベース部材に第2の二次物品を保持させるようになっており、接着層領域は、本発明の積層構造を有するようにしていてもよい。この連結部材によって、新しい種類の配送手段を提供することができる。この連結部材を使用して、パッケージや、他の種類の製品及び物品を一体で保持することができる。このような連結部材の利点及び様々な実施態様については、本発明の積層構造を利用する様々な方法に関連して、すでに詳しく述べた。
【0046】
上記に開示された積層構造を使用して、少なくとも1つの二次従来物品を取り扱い部材に一時的に保持させるようになっている第1の接着領域と、取り扱い部材とそれに連結された二次物品とを取り扱えるようにするための係合領域と、を有する取り扱い部材であって、接着領域が電気的に脆弱化可能な接着剤を有する取り扱い部材を形成する物品を提供することもできる。このような構成は例えば、ラック上で消費者物品を取り扱い、陳列する場合に有用である。例えば、この構成を使用して、今日では紙板上のプラスチックカバーの裏側に置かれている鉛筆または同様の製品を陳列するのに使用することができる。電気的に脆弱化可能な接着剤を使用して、物品を直接紙板に連結することができる。
【0047】
上記の目的は、第1の保持層を設けることと、第1の保持層によって支持される導電性の第1の活性面を設けることと、第1の保持層によって支持され、第1の保持層の表面に沿って第1の活性面から第1の距離だけ離された導電性の第2の活性面を設けることと、第1の活性面と第2の活性面との間を上記距離の少なくとも一部を跨いで延びる電気的に脆弱化可能な接着剤の層を設けることと、を含む、積層構造の製造方法によっても実現された。
【0048】
ほとんどの利点は、第1及び第2の保持層と電気的に脆弱化可能な接着剤とを有する完全な製品に関連して述べられたことに留意されたい。最初に述べたように、本発明の積層構造の利点の一つは、様々なステップ及び様々な位置でこの積層構造を事前に製造することができる、ということである。このことは、本発明の方法によって開示される。
【0049】
保持層を例えば第1の位置で製造し、その後活性面を設けることができる。活性面は、保持層に導電性のインクを塗布する印刷技術を用いて設けることができる。活性面は、箔または溶融材料として保持層に積層される導電性の箔で形成することもできる。このような積層構造は次に、ユニットとして保管または配送することができる。積層構造は、パッケージまたは何らかの他の最終製品の一部を形成することもできる。この場合、意図された製品同士または製品の部位同士を互いに連結するときに、電気的に脆弱化可能な接着剤を別個のステップで積層構造に設けることができる。保持層から完全な積層構造に至るまでの様々なレベルで積層構造を事前に製造することを可能にする他の変形実施態様は、好ましい実施形態の説明から明らかになろう。
【0050】
本発明の好ましい実施形態は従属請求項から明らかになろう。
【0051】
本方法は、電気的に脆弱化可能な接着剤を、活性面同士の間を、上記距離を跨いで延びるように積層構造上に設けることをさらに含んでいてもよい。この場合、上述のように、意図された製品同士または製品の部位同士を互いに連結するときに、電気的に脆弱化可能な接着剤を別個のステップで積層構造に設けることができる。
【0052】
従属請求項の各特徴の利点については、積層構造に関する従属請求項の対応する特徴に関連して詳しく述べており、この方法の好ましい実施態様に関しては繰り返さない。上記の詳細な説明を参照されたい。
【0053】
少なくとも1つの活性面の一部を露出させ、接着剤をこの部分を覆うように積層構造上に設けることができる。
【0054】
第1の活性面の少なくとも一部及び第2の活性面の少なくとも一部を露出させ、この部分を覆うように接着剤を積層構造上に設けてもよい。
【0055】
活性面同士は、開閉のためのスイッチ部材を有する電気回路を介して互いに連結可能であってもよい。これは、電気的に脆弱化可能な接着剤に制御可能に電圧を印加する方法を実現する簡単な方法である。
【0056】
活性面は、第1の保持層の表面上の第1の活性面の突状部が、第1の保持層の表面上の第2の活性面の突状部をほぼ囲むように設けることができる。
【0057】
活性面は、第1の保持層の表面上の第1の活性面の突状部と、第1の保持層の表面上の第2の活性面の突状部と、が少なくとも部分的に互いに重なり合うように設けることができ、この方法は、第1の活性面と第2の活性面との間の、少なくとも上記の重なり合った部分に絶縁層を設けることをさらに含んでいてもよい。
【0058】
第1の活性面を、第1の保持層の表面上の第1の活性面の突状部が第1の保持層の表面上の第2の活性面の突状部を囲む閉ループを形成するように設け、第2の活性面が、第1の活性面の閉ループから延びる連結部を備え、電気絶縁層が、第2の活性面の連結部を第1の活性面から分離するようにすることができる。
【0059】
本方法は、電気的に脆弱化可能な接着剤と第2の保持層との間の層として、電気的に脆弱化しない接着剤を設けることをさらに含んでいてもよい。
【0060】
本方法は、電気的に脆弱化可能な接着剤または電気的に脆弱化しない接着剤によって第1の保持層と活性面とに接着された第2の保持層を設けるステップをさらに含んでいてもよい。
【0061】
本方法は、第1の保持層をパッケージの第1の部分の一部として設けることと、第2の保持層をパッケージの第2の部分の一部として設けることと、をさらに含み、パッケージの第1及び第2の部分は互いに連結され、それによってパッケージを閉止された状態に維持するようにしてもよい。
【0062】
本方法は、第1の保持層を第1のパッケージ部材の一部として設けることと、第2の保持層を第2のパッケージ部材の一部として設けることと、をさらに含み、第1及び第2のパッケージ部材は互いに協働し、それによって閉止されたパッケージを形成するようにしてもよい。
【0063】
電気的に脆弱化可能な接着剤は密封層を形成することができる。
【0064】
本方法は、複数の物品を一時的に一体で保持するようになっている連結部材であって、第1の接着領域と第2の接着領域を備えたベース部材を有し、第1の接着領域はベース部材に第1の二次物品を保持させるようになっており、第2の接着領域はベース部材に第2の二次物品を保持させるようになっている連結部材の一部として、第1の保持層を設けることをさらに含んでよく、接着領域は、上記に詳しく開示された本発明の積層構造を有していてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0065】
本発明を、現時点において本発明の好ましい実施形態を示す添付の概略図を参照して、例示によって詳しく説明する。
【0066】
基本構造は、第1の保持層1と、第2の保持層2と、を有している。第1の活性層3は第1の保持層1上に積層されている。第2の活性層4は第2の保持層2上に積層されている。活性層同士は、電気的に脆弱化可能な接着剤を含む接着層5によって互いに接着されている。
【0067】
電気的に脆弱化可能な接着剤は、活性層間の離隔距離の全長をつないでいてもよいが、必要な電気的及び/または機械的な接続を行うことのできる他の材料からなる追加的な層を備えていてもよい。このような材料は、従来の非導電性の接着剤、ポリマー、ニスなどであってもよく、またはこれらの材料の導電性を有するものであってもよい。
【0068】
図1〜4は、活性層が第1の保持層上の同じ側に配置された実施形態を示している。図1,2,4では、別々の層が、図を明確にするために互いに離れて示されている。しかし、明らかな通り、実際には各層は積層構造を形成している。以下の説明から、開示された別々の層が互いに直接接触する必要があるのはどのような場合かということと、1つまたは2つ以上の開示されていない追加的な層が開示された層の間に存在し得るのはどのようなときかということが明らかになろう。直接的な接触が状況に応じて、機械的接触または電気的接触を意味することにも留意されたい。
【0069】
図6〜8は、接着層の接合を破壊しまたは脆弱化するためにどのように電気エネルギーを印加するかに関し、3つの異なる実施形態を有する連結部材を示している。
【0070】
図6及び図1〜4では、活性層3,4間の電位差は、電気エネルギーの外部供給源6(+及び−符号によって示されている。)によって与えられるようになっている。この外部供給源は例えば、手持ち装置に設けられた電池や、パッケージに取り付けられるかまたは活性層3,4に接続可能な電池であってよい。1つまたはいくつかの電池を例えば、一方の保持層上に印刷して、活性層に接続することができる。この構成では、2つの活性層3,4は、必須ではないものの、同じ材料で形成することができる。活性面3,4間に電圧が印加されると、接着層5を介して活性面3,4間に電流が流れる。これによって、接着層5内の接合、または接着層5と活性面3,4の一方または両方との間の接合が破壊され、または脆弱化する。印加される電流は、直流電流の形態であっても、交流電流の形態であってもよい。接着層5内の接合、または活性面3,4の一方と接着層5との間の接合を破壊または脆弱化するときは、直流電流を使用することが好ましい。接着層5内の接合、または両方の活性面3,4と接着層5との間の接合を破壊または脆弱化するときは、交流電流を使用することが好ましい。
【0071】
図7では、互いに異なる電極電位を有する別々の材料で活性層3,4を作ることによって、活性層3,4間に電位差が与えられるようになっている。例えば、スイッチ7を2つの層3,4を連結する位置に動かすことによって2つの活性層3,4を連結すると、閉回路が形成され、接着層5を通って電流が流れ、それによって接着部が破壊され、または脆弱化される。別々の電位を有する活性層3,4として、例えば銅及び黒鉛を使用することができる。この構成は、接着層5を介して活性層3,4間に直流電流の流れを生じさせる。
【0072】
図8では、パッケージに電磁波、例えば電波を供給することによって、活性層3,4間に電位差が与えられる。活性層3,4または活性層3,4に連結された別個の部材8が電磁波を受けるようにして、この電磁波を活性層3,4間の電位差に変換するようにすることができる。電磁波によって生成されたAC電圧は、直接使用するか、または活性面に接続された整流器、例えば半波整流器や全波整流器によってDC電圧に変換することができる。
【0073】
この部材8は例えば、アンテナやコイルであってよい。この構成では、必須ではないが、2つの活性層3,4を同じ材料で形成することができる。
【0074】
電位差または電圧を供給する様々な方法に関する説明を図6〜8を参照して行ったが、この教示は、積層構造の他の適切と考えられる適用例に対して用いることができる。
【0075】
輸送時または取り扱い時の製品の集合化、及びその後の製品の分離時に制御された剥離材料を用いることで、余分な材料を用いる必要性が低下し、製品の配送が容易になる。
【0076】
以下に説明する連結部材及びパッケージは、電気的に脆弱化可能な接着剤を利用している。本発明の連結部材及びパッケージは2つの活性面を備えており、この2つの活性面は導電性を有し、電子及び/またはイオンのエミッタ及びレシーバとして働き、電気的に脆弱化可能な接着剤によって形成された接着層に連結されている。接着層は、接着性及び導電性を有している。活性面同士の間に電圧が印加され、接着層を通って電流が流れると、接着層内の接合、または接着層と少なくとも一方の活性面との間に形成された接合が破壊され、または脆弱化される。従って、接着層は電気的に脆弱化可能な接着剤を形成する。
【0077】
まず、電気的に脆弱化可能な接着剤と、活性面の様々な基本構成と、について、様々な用途の特定の構成とは切り離して、詳細に述べる。その後、様々な用途について詳しく述べる。場合によっては、パッケージの構成について特定の種類の基本構成と組み合わせて述べる。しかし、これは例示のためであり、様々な基本構成をパッケージの様々な構成と組み合わせ可能であることに留意されたい。
【0078】
一実施形態によれば、接着層は、マトリックス機能と電解質機能の両方を有する組成で構成されている。マトリックス及び電解質機能は、単一の相または別々の相によって形成することができる。
【0079】
マトリックス機能は、表面同士を機械的または化学的に互いに結合するのに必要な接着性能を与える。マトリックス機能は、接着性能を有するポリマー、ポリマー樹脂または繊維によって与えることができる。
【0080】
電解質機能は、ファラデー反応、すなわち、材料が酸化または還元される電気化学的反応か、あるいは他の何らかの化学的/物理的反応を保持するのに必要なイオン伝導性を与える。材料は、一方または両方の活性面と接着層との間の界面で反応が生じるように選択し構成することが好ましい。あるいは、反応が接着層内で生じるように接着層を構成することができる。これは例えば、電解質機能を有する材料をマトリックス材料内に島状に設けることによって実現することができる。電解質機能は、材料に塩を付加するか、またはイオン配位半部を含むようにポリマーを修正することによって与えることができる。
【0081】
本発明のパッケージで使用される電気的に脆弱化可能な接着剤は、電気化学的に接着解除可能な組成物であるElectRelease(登録商標)を用いることができる。この組成物はEIC研究所から供給され、米国特許第6620308号明細書により詳しく開示されている
図1は、活性面3,4が電気的に脆弱化可能な接着剤を含む接着層の同じ側に配置された実施形態を示している。この構造は、互いに剥離される2つの保持層1,2を有している。保持層1,2は例えば、紙、紙板、またはプラスチックで作ることができるが、他の材料も考えられる。活性面3,4は、接着層5の一方の側に配置され、保持層1の表面5aに沿って距離dだけ互いに分離されている。
【0082】
活性面3,4は、従来の任意の方法を使用して第1の保持層に塗布することができ、例えば、保持層1上に印刷または積層することができる。活性面3,4は、任意の導電性の材料、例えば金属インキや金属箔で作ることができる。接着層5は、各活性面3,4と第2の保持層2との間に設けられ、それによって活性面3,4を第2の保持層1,2に接着し、それによって2つの保持層1,2を互いに接着している。接着層5は通常、活性面3,4間の隙間または距離dによって形成される、第1の保持層1に到達可能な小領域内で第1の保持層1に達している。図2に示されているように、活性面3の一方は、他方の活性面4を部分的に囲む開いた半円状に形成された分布領域を有している。この、他方の活性面4は、円形に形成された分布領域を有している。2つの活性面3,4は、リングの一部、この場合は円形リングの一部として形成された、上述の距離dによって規定される幅を有する隙間を形成している。方形などの他の形状も考えられる。
【0083】
活性面3,4は、外部電源6とスイッチ7とを有する回路9を介して、互いに接続されているか、または接続可能である。
【0084】
例えば、スイッチ7を閉じることによって活性面3,4間に電圧が印加されると、接着層5を介して活性面3,4間に電流が流れる。これによって、接着層5内の接合、または接着層5と活性面3,4の一方または両方との間の接合が破壊され、または脆弱化される。活性面3,4間の保持層1の到達可能な領域を小さくすることで、たとえ接着層5が第1の保持層1に達しても、この到達可能な領域と接着層5との間の接合を破壊するのに要する力を無視できる程度にすることができる。電源6は例えば、保持層1上に印刷または積層され、活性面3,4に接続された少なくとも1つの電池とすることができる。このように、電池6及び活性面3,4は、同一のプロセスステップで保持層上に印刷または積層することができる。電力供給を増やすために、いくつかの電池を保持層1上に印刷し、活性面に接続することができる。これによって、すべての電池及び活性面を同一のプロセスステップで保持層上に印刷することができ、この構造の製造が容易になる。
【0085】
図1に示されている実施形態の代替実施形態では、活性面3,4は電位の互いに異なる別々の材料で形成される。このような実施形態では、外部電源6を無くすことができる。スイッチ7によって回路9を閉じると、接着層5を介して活性面3,4間に電流が流れ、接着層5内の接合、または接着層5と活性面3,4の一方または両方との間の接合が破壊され、または脆弱化される。
【0086】
図2及び3は、図2に示されている実施形態と類似した種類の、別の実施形態を示している。図3及び3の実施形態では、活性面3,4は絶縁層10によって面外で分離されているが、この場合も、第2の保持層2に対して接着層5の同じ側に位置している。第1の活性面3は、図2の実施形態では第1の活性面3の一部を形成していたコネクタ3aに電気的に接続されている。
【0087】
絶縁層10は、これらの導電部材同士を分離し、断裂や摩耗から保護している。コネクタ3aは第1の活性面3と接触しているが、コネクタ3aと第2の活性面4との間に直接的な接続はない。
【0088】
第2の活性面4は、図1の実施形態と同様に保持層1上に設けられている。絶縁層10はこの構造上に設けられている。絶縁層10の上方に、第1の活性面3が配置されており、最後にこの上に接着層5が配置されている。第1及び第2の活性面3,4は面外で分離されているため、第1の活性面3は、第2の活性面4の円形端部を完全に囲む円形部材として形成することができる。活性面3,4及び絶縁層10は、接着層5によって埋められるようになっている隙間を活性面3,4間に形成する。接着層5は、第2の保持層2から第1の保持層1まで延び、それによって第1の保持層1と第2の保持層3とを直接接着することができる。
【0089】
活性面3,4はやはり、外部電源6とスイッチ7とを有する回路9を介して、互いに接続されているか、または接続可能である。
【0090】
例えば、スイッチ7を閉じることによって活性面3,4間に電圧が印加されると、接着層5を介して活性面3,4間に電流が流れる。これによって、接着層5内の接合、または接着層5と活性面3,4の一方または両方との間の接合が破壊され、または脆弱化される。活性面3,4間の保持層1の接近可能な領域を小さくすることで、たとえ接着層5が第1の保持層1に達しても、この接近可能領域と接着層5との間の接合を破壊するのに要する力を無視できる程度にすることができる。
【0091】
図2及び3に示されている実施形態の代替実施形態では、活性面3,4は電位の互いに異なる別々の材料で形成されている。このような実施形態では、外部電源6を無くすことができる。スイッチ7によって回路9を閉じると、接着層5を介して活性面3,4間に電流が流れ、接着層5内の接合、または接着層5と活性面3,4の一方または両方との間の接合が破壊され、または脆弱化される。
【0092】
図4は、図2及び3に示されている実施形態の代替実施形態を示しており、接着層5が第2の接着層11を保持するようになっている。この第2の接着層11は、導電性である必要も電気的に脆弱化可能である必要もない接着剤で形成することができる。この第2の接着層を設けることによって、活性面3,4と接着層5とを備えた第1の保持層1を事前に製造し、そして最後に、第2の保持層2が第1の保持層1に固定されるときに、電気的に脆弱化可能な接着層5上に第2の接着層11を塗布することが可能である。この追加的な接着層11は、図2に開示されている構成で使用することもできる。
【0093】
当業者には、上記に開示された実施形態の、いくつかの代替実施形態及び組み合わせが存在することが認識されよう。これらのいくつかの代替実施形態について以下に簡単に述べる。
【0094】
各活性面/各層は、それぞれの保持層上に直接配置するか、または積層された層などを介して、それぞれの保持層上に間接的に配置することができる。活性層自体が活性面と保持層の両方を形成してもよい。
【0095】
上述のように、活性面同士は面内及び/または面外で分離することができる。活性面同士を面外で分離するには、例えばニスなどの絶縁層を使用することができる。保持層が導電性である場合は、絶縁層を使用して、活性面などの導電部材を保持層から分離することもできる。例えば接着層と第2の保持層との間に追加的な導体を配置して、構造体の面内導電率を高めることができる。
【0096】
活性面は、導電面すなわち導体であり、好ましくは、少なくとも1つの保持層上にコーティングされ、印刷され、または積層される。しかし、保持層が導電性を有する場合、余分な活性面は不要である。活性面は、任意の導電性の材料、例えば銅や、アルミニウムや、黒鉛で構成することができる。活性面は例えば金属インキの形態とすることができる。
【0097】
保持層は、電気力によって剥離される表面であり、任意の導電性または非導電性の材料、例えば紙、紙板、ガラス、金属、木材、成形繊維、プラスチック等から形成することができる。パッケージの開口部の互いに向かい合う2つの側は例えば、第1及び第2の保持層とすることができる。このことについて以下に詳しく述べる。
【0098】
一実施形態によれば、保持層はカートン用板紙で形成されており、活性層は酸化物を含んだアルミニウム箔で形成されている。活性面は、塩溶液で湿らされ、ポリウレタンを含んだ組成物を使用して互いに接着されている。積層構造に電位差が印加されると、正に荷電された箔上の酸化アルミニウムが溶解し、それによって積層体が破壊される。
【0099】
例えばパッケージ構造において、シールの強度を低減する必要があるときはいつでも、上述の剥離材料構成を使用することができる。上述のような材料構造を設けることにより、電圧を印加することによってパッケージを開放することができる。この材料構造は、缶、瓶、ボトル、カートン、ブリスター包装のようなすべての種類のパッケージで使用することができる。この材料構造は、紙、紙板、ガラス、金属、木材、成形繊維、プラスチックのようなすべての種類の材料に使用することができる。パッケージの開口部の互いに向かい合う2つの側は、第1及び第2の保持層とすることができ、上述の剥離材料をこれらの保持層の間に配置することができる。
【0100】
さらに、輸送、取り扱い時の製品の集合化、及びその後の製品の分離、互いに接着されたパッケージの分離、及び商品への不正防止のために、この制御された剥離材料を使用することができる。盗難防止のために、制御された剥離材料を使用して、製品が購入される前に製品の特性を制限し、または変更することもできる。製品の集合化、製品への不正防止、または製品の盗難防止は、制御された剥離部材を使用して、製品の既存の部品または部材同士を接着するか、あるいは製品に追加的な部材を接着することによって行うことができる。
【0101】
各パッケージを一体で保持する実施形態では、連結部材が複数のパッケージを一時的に一体で保持するようになっている。連結部材は、第1のパッケージをその本体に保持するようにされた第1の接着領域と、第2のパッケージをその本体に保持するようにされた第2の接着領域と、を有している。接着領域は、電気的に脆弱化可能な接着剤、すなわち接着層をさらに有している。連結部材は、接着層に電流を流すようにされた一組の活性層を備えている。
【0102】
図5は、パッケージ50a〜50gの完全なパレットが、制御された剥離材料を用いた連結部材51を使用して連結された用途を示している。完全なパレットとして連結することで、配送時のパッケージの損傷あるいは歪曲が防止される。個々のパッケージ50a〜50gは、連結部材51、例えばカートン用板紙51を取り付けることによって集合化される。カートン用板紙51のパッケージに面する面またはその面の一部に活性層53,54が印刷されていると共に、接着性と導電性とを有する接着層が、活性層53,54と、連結されるパッケージ50と、の間に塗布されている。店舗で活性層53,54の両端間に電圧を印加し、それによって接着層に電流が流れ、接着層内あるいは接着層と活性層53,54の一方または両方との間の界面で接合分離反応が生じることによって、パッケージ50同士を分離し、パレット上に陳列することができる。
【0103】
図6〜8は、活性層53,54のカートン用板紙51への配置方式の例を示している。
【0104】
図6は、カートン用板紙51に第1の回路9aが印刷されている例を示している。第2の回路9bは、カートン用板紙上の、第1の回路9aから離れた位置に印刷されている。この第1の回路9aに接続して、第1のセットの活性面53が、カートン用板紙上に互いに短い間隔を置いて配置されている。第2のセットの活性面54は、第2の回路9bに接続して配置されている。第2の活性面54はそれぞれ、対応する第1の活性面53からわずかな距離を置いて配置されている。このことは、図1〜4を参照して詳しく開示されている。
【0105】
各活性面53,54は、互いにわずかな距離を置いて配置され、一対の活性面53,54を形成している。活性面53,54とパッケージ50a〜50gとの間には接着層が塗布されている。接着層は、各スポットがそれぞれの一対の活性面53,54を覆うように、スポット状に塗布されている。一対の活性面53,54と電気的に脆弱化可能な接着剤は、電気的に脆弱化可能な接着領域を形成している。図6〜9に示されているように、このような複数対の活性面53,54とこれに伴う電気的に脆弱化可能な接着剤は、連結部材51の外周に沿って配置されている。図6の連結部材は、電気エネルギーの外部供給源6(+及び−符号によって示されている。)に接続されるようになっている。連結部材51が外部供給源6に接続されると、活性面53,54の各対及び電気的に脆弱化可能な導電性の接着剤を介して、第1及び第2の回路9a,9bに電流が流れる。
【0106】
図7に示されている実施形態では、活性面53,54は、互いに電位が異なる別々の材料からなっている。回路9a,9bも、互いに電位が異なるそれぞれの材料からなっていることが好ましい。回路9a,9bはスイッチ7によって接続することができる。スイッチが開かれているときは、接着層55を通って流れる電流は無い。スイッチが閉じられると、活性面53,53間の接着層に電流が流れ、それによって、接着層内の接合、または接着層と53,54の一方または両方との間の接合が破壊され、または脆弱化される。
【0107】
他の代替実施形態では、電磁波を印加することによって電気エネルギーを発生させることができる。図8は、無線周波数などの電磁波が、回路9a,9b間に配置されたアンテナ8に電流を発生させる実施形態の例を示している。
【0108】
各パッケージを一体で保持する代替実施形態では、制御された剥離材料を直接使用して各パッケージを一体で保持することができる。この実施形態の一例では、複数のパックが一体で保持され、購入後に分離される。このような構成が図9及び図10a〜10bに示されている。
【0109】
図9は、制御された剥離材料を使用して3つのパッケージが一体で保持される例を示す概略図である。
【0110】
この原理を、すべての構成部材が見えるように2つのパッケージがわずかに分離されている図10a〜10bを参照してより詳しく述べる。
【0111】
図9及び10a〜10bでは、左側のパッケージ60aは、二重コネクタ回路9a,9b(図7〜9に詳しく示されている。)と、パッケージ60aの接近可能な側面60a’に配置されたスイッチ7と、を備えている。回路9a,9bは、隣接するパッケージ60bに面する面61aまで延びている。回路9a,9bは、ほぼ、隣接するパッケージ60bに面する面61aの周縁に沿って延びており、図11bに詳しく示されているように、活性面63,64と、電気的に脆弱化可能な接着層65と、を備えている。
【0112】
このように、この例では、パッケージ60aの側面61aは、第1の保持層を形成している。活性面63,64及び回路9a,9bは、パッケージ60aの面61a上に、図1〜4を参照して上述したのと同様のパターンで配置することができる。接着層のスポットは、活性面の各対と、第1のパッケージ60aに面する他方のパッケージ60bの側面62bと、の間に塗布することができ、それによってパッケージ同士が接着される。回路9a,9bが開かれているときは、接着層65を通って流れる電流は無く、パッケージ60a、60bは接着されたままである。回路9a,9bが閉じられると、電流が接着層65を通って流れ、接着層65内の接合、あるいは接着層65と保持層61a,62bの一方または両方との間の接合が破壊され、または脆弱化され、各パッケージを容易に分離することができる。一例として、回路9a,9bは、パッケージの外側に配置されたボタンをユーザが押し、スイッチ7を閉じることによって閉じることができる。接合を破壊し、または脆弱化するのに必要な電流は、上述の方法のいずれかによって印加することができる。従って、活性面63,64は、互いに電位が異なる別々の材料からなっていることができる。あるいは、電気エネルギーは外部電源によって印加するか、または電磁波によって発生させてもよい。パッケージの2つの連結された表面間に他の層を塗布することができ、このような層は絶縁層、他の導電層、または上述のような従来の接着剤の層であってよい。
【0113】
以下に述べるパッケージは、電気的に脆弱化可能な接着材料を利用している。図11〜15は、様々な種類のパッケージにおける使用及び用途の例を開示している。
【0114】
図11a〜11bは、上述の電気的に脆弱化可能な積層構造を使用して開放されるようになっている密閉部を備えたパッケージを断面図で示している。
【0115】
このパッケージは、頂部パネル20と、底部パネル21と、前部パネル22と、後部パネル23と、2枚の側部パネル(図6a〜6bの断面の前方及び後方。)と、を有している。閉止フラップ24が、頂部パネル20に連結されるか、または頂部パネル20と一体的に形成されている。閉止フラップ24は、頂部パネル20に対して折り畳まれ、前部パネル22の一部に沿って延び、上述の電気的に脆弱化可能な積層構造を利用して前部パネル22に固定されている。
【0116】
2つの活性面3,4は、頂部パネル20によって閉じられた開口部の一方の側に並べて配置されているが、直接接触してはいない。活性面3,4は、閉止フラップ24に面する前部パネル22の外側に配置されている。接着層5は活性面3,4と閉止フラップ24との間に塗布され、それによって活性面3,4を閉止フラップ24に接着している。電気回路9が、活性面3,4を電気的に接続するように設けられている。回路は、スイッチ7及び電圧供給部6を含むように概略的に描かれている。これについては、図1〜4の基本的な積層構造及び図6〜9の連結部材を参照して詳しく述べた。
【0117】
図11aでは、スイッチ7は開いており、接着層5を通って流れる電流は無く、閉止フラップ24は活性面3,4、従って前部パネル22に接着されたままである。図6bでは、スイッチ7が閉じられており、閉回路が形成され、接着層5を通って電流が流れる。それによって接着層5内の接合、あるいは接着層5と活性面3,4の一方または両方との間の接合が破壊され、または脆弱化され、従って、パッケージを容易に開放することができる。
【0118】
図11は、この原理を示す概略図である。図11には示されていないが、回路9及びスイッチ7は、パッケージを開放したいユーザがパッケージの外側に配置されたボタンを押し、それによってスイッチが閉じ、接着層内の接合が破壊され、または脆弱化されるように構成することができる。さらに、図1〜4を参照して上述したように、面外で活性面3,4を分離するように絶縁層を配置することができ、接着層5と閉止フラップ24との間に従来の非導電性の接着剤を配置することができる。前部パネル22が第1の保持層1を構成し閉止フラップ24が第2の保持層2を構成する図6とは異なり、閉止フラップ24が第1の保持層1を構成し、パッケージの前部パネル22が第2の保持層2を構成してもよいことに留意されたい。
【0119】
図12は、電気力を印加することで開放されるように構成されたパッケージの他の実施形態を示している。このパッケージは、2つの部品、すなわち、製品を受け入れるようになっている容器30と、キャップ31と、を有している。パッケージは例えばボトルであってよいが、任意の種類のパッケージが可能である。活性面3,4は、キャップ31の容器30に面する表面上に互いに距離を置いて配置されている。接着層5は、活性面3,4と、容器のキャップ31に面する表面と、の間に塗布されている。接着層5はキャップ31を容器30に接着している。活性層3,4は、スイッチ7と電圧供給部6とを有する回路9によって連結されている。スイッチ7が開いているときは、活性層3,4間を流れる電流、あるいは接着層5を通って流れる電流は無く、キャップは容器30に接着されたままである。スイッチ7が閉じられ、電流が接着層5を通って流れると、接着層5内の接合、あるいは接着層5と活性層3,4の一方または両方との間の接合が破壊され、または脆弱化され、容器30を容易に開放することができる。
【0120】
さらに、図2〜5を参照して上述したように、面外で活性面3,4を分離するように絶縁層を配置することができ、接着層5と容器30または接着層5とキャップ31との間に、従来の非導電性の接着剤を配置することができる。キャップ31が第1の保持層1を構成し容器30が第2の保持層2を構成する図7とは異なり、容器30が第1の保持層1を構成し、キャップ31が第2の保持層2を構成してもよいことに留意されたい。
【0121】
キャップ31の内側包囲面及び容器30の首部の外側包囲面にねじ山を設けることができ、それによってキャップは容器にねじ止めされる。ねじ山は、首部の全周にわたって延びていてもよいし、ガラス瓶や金属製の蓋に使用されることの多い差し込み取り付け部のように外周の一部だけを延びていてもよい。このような実施形態では、制御された剥離材料は、不正防止部材または容易に破壊可能な密封層として働くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】本発明に係る基本構造の、活性面が接着層の同じ側に配置された、第1の実施形態の分解図である。
【図2】図1の基本構造の、第2の実施形態の分解図である。
【図3】図2の構造の断面図である。
【図4】図1の基本構造の、第3の実施形態の分解図である。
【図5】12個のパッケージが2枚のパネルによって一体で保持される実施形態を示す図である。
【図6】接着剤を脆弱化するための電気エネルギーの印加方法を示す実施形態であって、図5に示されているパネルの第1の実施形態を示す図である。
【図7】接着剤を脆弱化するための電気エネルギーの印加方法を示す実施形態であって、図5に示されているパネルの第2の実施形態を示す図である。
【図8】接着剤を脆弱化するための電気エネルギーの印加方法を示す実施形態であって、図5に示されているパネルの第3の実施形態を示す図である。
【図9】配送ユニットを形成するように一体で保持された3つのパッケージを示す図である。
【図10a】図9に示されている種類の2つのパッケージの、互いに分離された後の状態を示す図である。
【図10b】図10aのパッケージの部分拡大図である。
【図11a】パッケージの断面図である。
【図11b】図11aのパッケージの、開放時の断面図である。
【図12】ネジ付きキャップを備えたボトル首部の部分図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面を有する第1の保持層と、前記第1の保持層によって支持される導電性の第1の活性面と、前記第1の保持層によって支持される導電性の第2の活性面と、を有する積層構造であって、前記第1の活性面は、前記第1の保持層の表面に沿って前記第2の活性面から第1の距離だけ離され、前記積層構造は、前記活性面同士の間を前記距離を跨いで延びる電気的に脆弱化可能な接着剤を受け入れるようになっている、積層構造。
【請求項2】
前記第1の保持層は非導電性の材料で形成されている、請求項1に記載の積層構造。
【請求項3】
前記第1の保持層は紙板で形成されている、請求項1または2に記載の積層構造。
【請求項4】
閉じられた電気回路において前記電気的に脆弱化可能な接着剤に電圧を印加するように作動させられるようにされ、または前記活性面に連結されるようにされた内部電源を有している、請求項1から3のいずれか1項に記載の積層構造。
【請求項5】
前記第1の活性面は、第1の電極電位を有する第1の材料からなり、前記第2の活性面は第2の電極電位を有する第2の材料からなり、前記第1の電極電位は前記第2の電極電位とは異なっている、請求項4に記載の積層構造。
【請求項6】
少なくとも1つの、印刷され及び/または積層された電池をさらに有している、請求項4または5に記載の積層構造。
【請求項7】
前記少なくとも1つの印刷され及び/または積層された電池は第1の保持層上に印刷されている、請求項6に記載の積層構造。
【請求項8】
少なくとも1つの前記活性面の一部が、露出しており、前記接着剤によって覆われるようになっている、請求項1から7のいずれか1項に記載の積層構造。
【請求項9】
前記第1の活性面の少なくとも一部と、前記第2の活性面の少なくとも一部と、が露出しており、前記接着剤で覆われるようになっている、請求項1から7のいずれか1項に記載の積層構造。
【請求項10】
前記活性面同士は、開閉のためのスイッチ部材を有する電気回路を介して互いに連結可能である、請求項1から9のいずれか1項に記載の積層構造。
【請求項11】
前記活性面は、前記第1の保持層の前記表面上の前記第1の活性面の突状部が、前記第1の保持層の前記表面上の前記第2の活性面の突状部をほぼ囲むように形成されている、請求項1から10のいずれか1項に記載の積層構造。
【請求項12】
前記第1の保持層の前記表面上の前記第1の活性面の突状部と、前記第1の保持層の前記表面上の前記第2の活性面の突状部と、は少なくとも部分的に互いに重なり合い、前記積層構造は、前記第1の活性面と前記第2の活性面との間の、少なくとも前記の重なり合った部分に設けられた絶縁層をさらに有している、請求項1から11のいずれか1項に記載の積層構造。
【請求項13】
前記第1の活性面は、前記第1の保持層の前記表面上の前記第1の活性面の前記突状部が前記第1の保持層の前記表面上の前記第2の活性面の前記突状部を囲む閉ループとして形成され、前記第2の活性面は、前記第1の活性面の前記閉ループから延びる連結部を有し、前記電気的絶縁層は、前記第2の活性面の前記連結部を前記第1の活性面から分離している、請求項12に記載の積層構造。
【請求項14】
前記第1の活性面と前記第2の活性面との間を前記距離を跨いで延び、前記活性面と第2の保持層との間に配置されるようになっている電気的に脆弱化可能な接着剤をさらに有している、請求項1から13のいずれか1項に記載の積層構造。
【請求項15】
前記電気的に脆弱化可能な接着剤と第2の保持層との間に配置されるようになっている層として構成された電気的に脆弱化しない接着剤をさらに有している、請求項14に記載の積層構造。
【請求項16】
前記電気的に脆弱化可能な接着剤または前記電気的に脆弱化しない接着剤によって前記第1の保持層と前記活性面とに接着された第2の保持層をさらに有している、請求項14または15に記載の積層構造。
【請求項17】
前記第1の保持層は、パッケージの第1の部分の一部を形成し、前記第2の保持層は、パッケージの第2の部分の一部を形成し、前記パッケージの前記第1及び第2の部分は互いに連結され、それによって前記パッケージを閉止された状態に維持している、請求項16に記載の積層構造。
【請求項18】
前記第1の保持層は第1のパッケージ部材の一部を形成し、前記第2の保持層は第2のパッケージ部材の一部を形成し、前記第1及び第2のパッケージ部材は互いに協働し、それによって閉止されたパッケージを形成するようになっている、請求項16に記載の積層構造。
【請求項19】
前記電気的に脆弱化可能な接着剤は密封層を形成している、請求項17または18に記載の積層構造。
【請求項20】
前記第1の保持層は、複数の物品を一時的に一体で保持するようになっている連結部材の一部を形成し、前記連結部材は、第1の接着領域と第2の接着領域を備えたベース部材を有し、前記第1の接着領域は前記ベース部材に第1の二次物品を保持させるようになっており、前記第2の接着領域は前記ベース部材に第2の二次物品を保持させるようになっており、前記接着領域は、請求項1から16のいずれか1項による積層構造を有している、請求項1から16のいずれか1項に記載の積層構造。
【請求項21】
積層構造の製造方法であって、
第1の保持層を設けることと、
前記第1の保持層によって支持される導電性の第1の活性面を設けることと、
前記第1の保持層によって支持され、前記第1の保持層の表面に沿って前記第1の活性面から第1の距離だけ離された導電性の第2の活性面を設けることと、
前記第1の活性面と前記第2の活性面との間を前記距離の少なくとも一部を跨いで延びる電気的に脆弱化可能な接着剤の層を設けることと、
を含む方法。
【請求項22】
前記第1の保持層は非導電性の材料で形成される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第1の保持層は紙板で形成される、請求項21または22に記載の方法。
【請求項24】
閉じられた電気回路において前記電気的に脆弱化可能な接着剤に電圧を印加するように作動させられるようにされ、または前記活性面に連結されるようにされた内部電源を設けることをさらに含んでいる、請求項21から23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記第1の活性面は、第1の電極電位を有する第1の材料からなり、前記第2の活性面は第2の電極電位を有する第2の材料からなり、前記第1の電極電位は前記第2の電極電位とは異なっている、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記積層構造は、少なくとも1つの印刷され及び/または積層された電池をさらに有する、請求項24または25に記載の方法。
【請求項27】
前記少なくとも1つの印刷され及び/または積層された電池は第1の保持層上に印刷される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
電気的に脆弱化可能な接着剤を、前記活性面同士の間を、前記距離を跨いで延びるように前記積層構造上に設けることをさらに含んでいる、請求項21から27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
少なくとも1つの前記活性面の一部が露出しており、前記接着剤は、前記一部を覆うように前記積層構造上に設けられる、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記第1の活性面の少なくとも一部及び前記第2の活性面の少なくとも一部が露出しており、前記接着剤は、前記一部を覆うように前記積層構造上に設けられる、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記活性面同士は、開閉のためのスイッチ部材を有する電気回路を介して互いに連結可能である、請求項21から30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
前記活性面は、前記第1の保持層の前記表面上の前記第1の活性面の突状部が、前記第1の保持層の前記表面上の前記第2の活性面の突状部をほぼ囲むように設けられる、請求項21から31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記活性面は、前記第1の保持層の前記表面上の前記第1の活性面の突状部と、前記第1の保持層の前記表面上の前記第2の活性面の突状部と、が少なくとも部分的に互いに重なり合うように設けられ、
前記方法は、前記第1の活性面と前記第2の活性面との間の、少なくとも前記の重なり合った部分に絶縁層を設けることをさらに含んでいる、請求項21から31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
前記第1の活性面は、前記第1の保持層の前記表面上の前記第1の活性面の前記突状部が前記第1の保持層の前記表面上の前記第2の活性面の前記突状部を囲む閉ループを形成するように設けられ、
前記第2の活性面は、前記第1の活性面の前記閉ループから延びる連結部を備え、
前記電気的絶縁層は、前記第2の活性面の前記連結部を前記第1の活性面から分離する、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記電気的に脆弱化可能な接着剤と第2の保持層との間の層として、電気的に脆弱化しない接着剤を設けることをさらに含んでいる、請求項21から35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
前記電気的に脆弱化可能な接着剤または前記電気的に脆弱化しない接着剤によって前記第1の保持層と前記活性面とに接着された第2の保持層を設けることをさらに含んでいる、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記第1の保持層をパッケージの第1の部分の一部として設けることと、前記第2の保持層をパッケージの第2の部分の一部として設けることと、をさらに含み、前記パッケージの前記第1及び第2の部分は互いに連結され、それによって前記パッケージを閉止された状態に維持するようになっている、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記第1の保持層を第1のパッケージ部材の一部として設けることと、前記第2の保持層を第2のパッケージ部材の一部として設けることと、をさらに含み、前記第1及び第2のパッケージ部材は互いに協働し、それによって閉止されたパッケージを形成するようになっている、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記電気的に脆弱化可能な接着剤は密封層を形成している、請求項37または38に記載の方法。
【請求項40】
複数の物品を一時的に一体で保持するようになっている連結部材であって、第1の接着領域と第2の接着領域を備えたベース部材を有し、前記第1の接着領域は前記ベース部材に第1の二次物品を保持させるようになっており、前記第2の接着領域は前記ベース部材に第2の二次物品を保持させるようになっている連結部材の一部として、前記第1の保持層を設けることをさらに含み、前記接着領域は、請求項1から9のいずれか1項に記載の積層構造を有している、請求項21から36のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10a】
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【図10b】
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【図11a】
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【図11b】
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【図12】
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【公表番号】特表2009−525897(P2009−525897A)
【公表日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−554181(P2008−554181)
【出願日】平成18年7月18日(2006.7.18)
【国際出願番号】PCT/SE2006/050263
【国際公開番号】WO2007/091937
【国際公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【出願人】(304014693)ストゥラ エンソ アクチボラグ (11)
【Fターム(参考)】