説明

空気調和機

【課題】、極力使用者の手を煩わすことなく、効率的な衣類乾燥を行うことができる空気調和機を提供する。
【解決手段】空気調和機の室内機1は、室内空気を循環させる送風機12と、送風機12が循環させる空気との間で熱交換を行う熱交換器11と、熱交換器11を通過した空気の吹き出し方向を変更可能な上下ルーバー18と、室内湿度を測定する湿度センサー19を備える。制御部21は、衣類乾燥モードでの運転開始時、使用者による上下ルーバー18の角度変更を確認するステップと、送風運転するステップと、室内湿度が第1所定湿度に達したとき、空気の吹出方向を上方に偏らせるように上下ルーバー18の角度を変更し、除湿運転に切り替えるステップと、室内湿度が第2所定湿度まで下がった後、第1所定時間が経過するまで除湿運転を継続し、その後運転を終了するステップを実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
家屋用の空気調和機の中には、室内に干された衣類を乾燥させる衣類乾燥モードを備えたものがある。その例を特許文献1、2に見ることができる。
【0003】
特許文献1に記載された空気調和機では、冷房運転モードまたは送風運転モードで室内に干した衣類の乾燥を行う。冷房運転モードでは、吹出温度が低く相対湿度が高いため、風を直接衣類に当てても除湿効果を期待できないことから、風向をほぼ水平にする。送風運転モードでは、風向を斜め下向きの所定範囲においてスイング制御する。
【0004】
特許文献2に記載された空気調和機は、衣類の配置を検知する衣類配置検知センサーと、風向を左右または上下に可変する風向可変部を備えている。衣類配置検知センサーにより検知した衣類の左右端または上下端の範囲に風向可変部を揺動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−279027号公報
【特許文献2】特開2009−287813号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
衣類乾燥モードを備えた空気調和機で衣類乾燥を行う場合、衣類に風が当たるように、ルーバーを下向き加減にすることが望ましい。風向調整ボタン付きのリモートコントローラー(本明細書では以下「リモコン」と略称する)が付属しているときは、使用者自身がリモコンを操作してルーバーの向きを調整することとされている場合が多い。
【0007】
衣類乾燥モードを選択した場合、衣類乾燥モードの運転が一定時間継続される。乾燥すべき衣類の量が多ければ初期設定では時間不足、乾燥すべき衣類の量が少なければ初期設定では時間過剰ということになるので、使用者が時間を調整しなければならない。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、極力使用者の手を煩わすことなく、効率的な衣類乾燥を行うことができる空気調和機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る空気調和機は、室内空気を循環させる送風機と、前記送風機が循環させる空気との間で熱交換を行う熱交換器と、前記熱交換器を通過した空気の吹き出し方向を変更可能なルーバーと、室内の湿度を測定する湿度センサーを備え、除湿運転及び衣類乾燥モードでの運転が可能であり、制御部が以下のステップを実行する:
(a)衣類乾燥モードでの運転開始時、使用者による前記ルーバーの角度変更を確認するステップ
(b)送風運転するステップ
(c)室内湿度が第1所定湿度に達したことを湿度センサーが検知したかどうかを調べるステップ
(d)室内湿度が前記第1所定湿度に達したとき、空気の吹出方向を上方に偏らせるように前記ルーバーの角度を変更し、除湿運転に切り替えるステップ
(e)室内湿度が第2所定湿度まで下がったことを前記湿度センサーが検知したかどうかを調べるステップ
(f)室内湿度が前記第2所定湿度まで下がった後、第1所定時間が経過するまで除湿運転を継続し、その後運転を終了するステップ。
【0010】
上記構成の空気調和機において、前記制御部は、前記ステップ(a)で使用者による前記ルーバーの角度変更を確認できなかったときは、前記(b)のステップに続いて以下のステップを実行し、その後前記(c)のステップに進むことが好ましい:
(g)衣類乾燥モードでの運転開始後、第2所定時間内に、室内湿度が前記第1所定湿度より低い第3所定湿度に達したことを前記湿度センサーが検知したかどうか調べるステップ
(h)前記第2所定時間内に室内湿度が前記第3所定湿度に達しなかったとき、空気の吹出方向を下方に偏らせるように前記ルーバーの角度を変更するステップ。
【0011】
上記構成の空気調和機において、前記制御部は、前記ステップ(c)で室内湿度が前記第1所定湿度に達しなかったとき、前記(d)のステップに代えて以下のステップを実行し、その後前記(e)のステップに進むことが好ましい:
(i)送風運転を第3所定時間継続するステップ
(j)空気の吹出方向を上方に偏らせるように前記ルーバーの角度を変更し、除湿運転に切り替えるステップ。
【0012】
上記構成の空気調和機において、前記制御部は、前記(e)のステップで室内湿度が前記第2所定湿度まで下がったことを前記湿度センサーが検知しなかったときは、前記(f)のステップに代え、以下のステップを実行することが好ましい:
(k)除湿運転開始以来の除湿運転累計時間が第4所定時間に達するまで除湿運転を継続し、その後運転を終了するステップ。
【0013】
上記構成の空気調和機において、衣類乾燥モードにおける送風運転は、前記送風機の回転数を高めて行われることが好ましい。
【0014】
上記構成の空気調和機において、吹き出す空気中に荷電粒子を放出する荷電粒子発生装置が搭載されていることが好ましい。
【0015】
上記構成の空気調和機において、前記制御部は、前記荷電粒子発生装置が荷電粒子を発生している時、空気の吹出方向を上方に偏らせる設定となっているときは、時々前記ルーバーの角度を変えて空気の吹出方向を下方に偏らせる制御を行うことが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
空気調和機の制御部は、衣類乾燥モードでの運転時、使用者によるルーバーの角度変更を確認して送風運転を行うから、より確実に風が衣類に当たる状態で衣類乾燥を行うことができる。そして送風運転の結果室内湿度が第1所定湿度に達したときは、湿度の高い風を衣類に当て続けても乾燥の進展を期待できないことから、空気の吹出方向を上方に偏らせるようにルーバーの角度を変更し、除湿運転に切り替えるものであり、最適なタイミングで送風運転から除湿運転に移行できる。さらに、除湿運転により室内湿度が第2所定湿度まで下がったことを湿度センサーで検知した後、第1所定時間が経過するまで除湿運転を継続するから、衣類をより確実に乾燥させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】空気調和機の室内機の構成を示す概略断面図である。
【図2】室内に干した衣類を空気調和機で乾燥させる状況の説明図である。
【図3】空気調和機のリモコンの正面図である。
【図4】図3のリモコンにおいて、操作部の蓋を開き、隠れていた操作ボタンを露出させた状態の正面図である。
【図5】衣類乾燥モードで運転を行う場合のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1に示すのはセパレート型空気調和機の室内機である。室内機1は、合成樹脂製の筐体10の内部に、熱交換器11と送風機12を収容している。送風機12は室内空気を循環させ、熱交換器11は送風機12が循環させる空気との間で熱交換を行う。
【0019】
送風機12は、水平に配置されたクロスフローファンと、これを回転させる電動機により構成される。熱交換器11には室外機に収容された圧縮機(図示せず)より冷媒が送り込まれる。熱交換器11は3個の熱交換器を組み合わせて構成され、送風機12のクロスフローファンを屋根のように覆っている。
【0020】
筐体10の前面上部から天面にかけて、多数のスリットからなる吸込口13が形成されている。筐体10の前面下部には吹出口14が形成される。送風機12と吹出口14の間には通風路15が形成される。
【0021】
熱交換器11の風上側にはフィルター16が配置される。フィルター16は熱交換器11の前面から上面にかけての領域を覆い、吸い込まれる室内空気に含まれる塵埃を捕集する。
【0022】
吹出口14には左右の吹出方向を調整する左右ルーバー17と、上下の吹出方向を調整する上下ルーバー18が配置される。左右ルーバー17と上下ルーバー18はいずれも電動式であって、後述するリモコンで向きの調整がなされる。
【0023】
筐体10の内部には、熱交換器11の風上側の位置に湿度センサー19が配置される。通風路15には、吹出口14から吹き出される空気中に荷電粒子を放出する荷電粒子発生装置が配置される。本実施形態では、荷電粒子発生装置の一種であるイオン発生装置20が配置されている。所定の電圧を印加することにより、イオン発生装置20はプラズマ放電でイオンを発生する。イオン発生装置20は正イオンH(HO)(mは任意の自然数)と負イオンO-(HO)(nは任意の自然数)を同時に生成することができる。
【0024】
荷電粒子発生装置としては、イオンでなく、荷電した微細水滴を発生させるものを用いることもできる。
【0025】
筐体10は制御部21を収容する。制御部21は、室内機1のみならず、図示しない室外機を含めた空気調和機全体を制御する。
【0026】
空気調和機の操作は、図3及び図4に示すリモコン30によって行う。リモコン30は手で握れる細長い筐体31を有する。以下の説明では、図3及び図4で上になっている側を「上」、下になっている側を「下」、左になっている側を「左」、右になっている側を「右」と方位を割り当てるものとする。
【0027】
筐体31の表面は、上部が表示部32、下部が操作部33と区分されている。表示部32は上下に長い矩形を呈しており、液晶パネルなどの表示要素と、それを覆う保護レンズにより構成される。
【0028】
操作部33には、蓋34で覆われる部分と、蓋34で覆われない部分がある。蓋34はヒンジ部35で筐体31に連結され、ヒンジ部35を支点として開閉する。操作部33には、蓋34より上の部分、蓋34の表面、及び蓋34によって覆われる部分の3箇所に、各種操作ボタンやインジケーターランプが分散して配置される。蓋34より上の部分と蓋34の表面には日常多用する操作ボタンが並び、蓋34によって覆われる部分には使用頻度の低い操作ボタンが並ぶ。以下、どの箇所に何が配置されているかにつき、概要を説明する。
【0029】
蓋34より上の部分には、表示部32の下の箇所に、「自動」「冷房」「暖房」「除湿」という4通りの運転態様を選択するための4個の操作ボタンと、運転を停止させる停止ボタンが配置されている。
【0030】
蓋34の表面には、湿度上下ボタンと温度上下ボタンが左右横並びで配置されている。湿度上下ボタンも温度上下ボタンもシーソーボタンであり、上部(表面に上向きの山形記号が付されている箇所)または下部(表面に下向きの山形記号が付されている箇所)を押すことにより、設定湿度または設定温度を変えることができる。上部を押せば設定湿度または設定温度が上昇し、下部を押せば設定湿度または設定温度が下降する。
【0031】
蓋34の表面には、湿度上下ボタンと温度上下ボタンの他、イオン発生装置20を稼働させたり停止させたりするための操作ボタンと、「お知らせ」「換気」「人集中」などの操作ボタンが配置されている。
【0032】
蓋34で覆われる箇所には、図4に示す通り、「風量」「上下風向」「左右風向」「警告」「生活除湿」「内部清浄」「入タイマー」「切タイマー」「すすむ」「もどる」「予約」「リセット」「表示」「感度」「時計」の操作ボタンが配置されている。
【0033】
リモコン30の操作ボタンを押すことにより、室内機1を各種態様で運転することができる。リモコン30は室内機1から情報を受信して表示部32に表示する。
【0034】
図2には、部屋40の中の物干しスタンド41に衣類42が吊り下げられ、その衣類42を室内機1で乾燥させる状況が描かれている。以下、衣類乾燥がどのように進められるかを、図4及び図5を参照しつつ説明する。
【0035】
まず、衣類乾燥モードを選択する必要がある。操作部33の蓋34を開き、「生活除湿」ボタン36を何回か押すと、表示部32に「衣類乾燥モード」の表示が現れ、衣類乾燥モードでの運転が開始される。
【0036】
使用者は、風が衣類42に当たるように、吹出口14からの空気吹出方向を下方に偏らせる必要がある。「上下風向」ボタン37により、上下ルーバー18を斜め下向きの適切な角度にする操作を行う。
【0037】
本明細書において、「空気吹出方向を下方に偏らせる」とは、上下ルーバー18をそのスイング可能範囲の中で下寄りの位置に置き、吹出口14から吹き出される空気が斜め下方向に誘導されるようにすることを言う。「空気吹出方向を上方に偏らせる」とは、上下ルーバー18をそのスイング可能範囲の中で上寄りの位置に置き、吹出口14から吹き出される空気がより水平に近い角度へと誘導されるようにすることを言う。空気吹出方向を下方に偏らせる場合でも上方に偏らせる場合でも、上下ルーバー18は一定の角度で静止していてもよく、狭い角度範囲でスイングしていてもよい。
【0038】
空気調和機を衣類乾燥モードで運転するとき、制御部21がどのように制御を行うかを図5のフローチャートに基づき説明する。なお、以下の説明に登場する湿度や時間などの具体的な数値は単なる例示であり、発明を限定するものではない。
【0039】
制御部21は、ステップ#101で、上下ルーバー18の動作があったかどうか、すなわち使用者が上下ルーバー18の角度を斜め下向きに変えたかどうかを確認する。確認は上下ルーバー18の操作履歴をチェックすることにより簡単に行える。判定がNOであればステップ#102に進み、判定がYESであればステップ#112に進む。
【0040】
ステップ#102において、制御部21は空気調和機に送風運転を行わせる。この時は「強風」で送風機12を駆動するのがよい。通常の「強風」よりもさらに高い回転数で送風機12を運転することとしてもよい。また制御部21は室内湿度を監視する。
【0041】
水分を含む衣類42に風が当たると、通常の場合、部屋40の内部の湿度が上昇する。ステップ#103では、制御部21は湿度センサー19の出力信号をチェックし、送風運転開始後所定時間(特許請求の範囲の「第2所定時間」であるT2。例えば1時間)内に、室内湿度が所定湿度(特許請求の範囲の「第3所定湿度」であるW3)に達したことを湿度センサー19が検知したか、どうかを調べる。調べた結果、判定がYESであれば、上下ルーバーの角度が最初から下向きであったと判定してステップ#104に進む。判定がNOであれば、上下ルーバー18の角度が上向きであると判定し、ステップ#107に進む。
【0042】
ステップ#103における所定湿度に限らず、所定湿度は、湿度の絶対値を設定することもできるし、送風運転開始時などの基準時の湿度の値から何%上昇あるいは下降したかという、湿度の差分として設定することもできる。前記W3は、例えば+5%などと設定できる。
【0043】
ステップ#107に進んだ場合は、制御部21は、使用者の操作を待つことなく上下ルーバー18を制御し、角度を斜め下向きに変更する。これにより、吹出口14からの空気吹出方向を下方に偏らせる。この時の上下ルーバー18の角度は、例えば水平から30°下向きなどと初期設定しておくことができる。初期設定の数値は任意であり、使用者が数値を設定するようにすることもできる。上下ルーバー18の角度を変えた後、ステップ#104に進む。
【0044】
ステップ#104に進んだ場合は、制御部21は湿度センサー19の出力をチェックし、室内湿度がステップ#103の所定湿度よりも高い所定湿度(特許請求の範囲の「第1所定湿度」であるW1。例えば95%)に達したことを湿度センサー19が検知したか、どうかを調べる。調べた結果、判定がYESであればステップ#108に進み、判定がNOであればステップ#105に進む。
【0045】
ステップ#108に進んだ場合は、制御部21は、部屋40が密閉状態にあるものと判断する。そしてステップ#109に進む。
【0046】
ステップ#109に進んだ場合は、制御部21は上下ルーバー18の角度を変更し、吹出口14からの空気吹出方向を上方に偏らせる。これにより、吹き出した空気が衣類42に直接当たらないようにする。そして送風運転を除湿運転に切り替える。このようにするのは、室内湿度が高くなった場合、風を衣類42に当て続けても衣類42からの水分の蒸発量が抑えられてしまうからである。送風が「強風」あるいはそれを上回る「超強風」であってもこの事情は変わらない。
【0047】
ステップ#109で除湿運転に移行した後は、通常の除湿運転と同様に、送風機12の回転数を抑制する。空気吹出方向を上方に偏らせておくのは、風が当たりすぎることにより衣類42が冷えてしまい、乾燥率が落ちるのを避けるためである。
【0048】
ステップ#109からステップ#110に進む。ステップ#110では、制御部21は湿度センサー19の出力信号をチェックし、室内湿度が所定湿度(特許請求の範囲の「第2所定湿度」であるW2。例えば45%)まで下がったことを湿度センサー19が検知したか、どうかを調べる。調べた結果、判定がYESであればステップ#111に進む。
【0049】
ステップ#111で制御部21は、室内湿度がW2以下になった後も、所定時間(特許請求の範囲の「第1所定時間」であるT1。例えば40分間)除湿運転を継続させる。T1が経過したら衣類乾燥モードでの運転を終了する。
【0050】
ステップ#104からステップ#105に進み、所定時間(例えば1時間)以内に室内湿度がW1まで上昇しなかったときは、ステップ#106に進む。
【0051】
所定時間以内に室内湿度がW1まで上昇しないという状況は、部屋40が閉め切られていない、すなわち開放状態にある、と推察される。熱帯地域や亜熱帯地域では、部屋を仕切るドアがなかったり、屋根と壁の間に隙間が空いていたりする建造物が多く、密閉状態にできないことがしばしばある。制御部21は部屋40が開放状態にあるとの判断を下し、ステップ#118に進む。
【0052】
ステップ#118では、制御部21は、ステップ#102での送風運転を所定時間(特許請求の範囲の「第3所定時間」であるT3。例えば30分間)継続させる。その後ステップ#119に進む。
【0053】
ステップ#119に進んだ場合は、ステップ#109と同様、制御部21は上下ルーバー18の角度を変更し、吹出口14からの空気吹出方向を上方に偏らせる。そして送風運転を除湿運転に切り替える。
【0054】
ステップ#119からステップ#120に進む。ステップ#120では、制御部21は湿度センサー19の出力信号をチェックし、室内湿度が所定湿度(特許請求の範囲の「第2所定湿度」であるW2。例えば45%)まで下がったことを湿度センサー19が検知したか、どうかを調べる。調べた結果、判定がYESであればステップ#115に進む。判定がNOであればステップ121に進む。
【0055】
ステップ#115で制御部21は、室内湿度がW2以下になった後も、所定時間(特許請求の範囲の「第1所定時間」であるT1。例えば40分間)除湿運転を継続させる。T1が経過したら衣類乾燥モードでの運転を終了する。
【0056】
ステップ#121に進んだ場合は、今回の衣類乾燥モード運転における除湿運転開始以来の除湿運転累計時間が所定時間(特許請求の範囲の「第4所定時間」であるT4。例えば5時間)に達するまで除湿運転を継続し、その後衣類乾燥モードでの運転を終了する。
【0057】
ステップ#101からステップ112に進んだ場合は、ステップ#102と同様、制御部21は空気調和機に「強風」で送風運転を行わせ、また室内湿度を監視する。そしてステップ#113に進む。
【0058】
ステップ#113に進んだ場合は、制御部21は湿度センサー19の出力をチェックし、室内湿度が所定湿度(特許請求の範囲の「第1所定湿度」であるW1。例えば95%)に達したことを湿度センサー19が検知したか、どうかを調べる。調べた結果、判定がYESであればステップ#114に進み、判定がNOであればステップ#116に進む。
【0059】
ステップ#114に進んだ場合は、制御部21は、部屋40が密閉状態にあるものと判断する。そしてステップ#109に進む。
【0060】
ステップ#109からステップ#110に進む。ステップ#110では、制御部21は湿度センサー19の出力信号をチェックし、室内湿度が所定湿度(特許請求の範囲の「第2所定湿度」であるW2。例えば45%)まで下がったことを湿度センサー19が検知したか、どうかを調べる。調べた結果、判定がYESであればステップ#111に進む。
【0061】
ステップ#111で制御部21は、室内湿度がW2以下になった後も、所定時間(特許請求の範囲の「第1所定時間」であるT1。例えば40分間)除湿運転を継続させる。T1が経過したら衣類乾燥モードでの運転を終了する。
【0062】
ステップ#116に進んだ場合は、所定時間(例えば1時間)以内に室内湿度がW1まで上昇しなかったときは、ステップ#117に進む。
【0063】
ステップ#117では、制御部21は部屋40が開放状態にあるとの判断を下し、ステップ#118に進む。
【0064】
ステップ#118では、制御部21は、ステップ#102での送風運転を所定時間(特許請求の範囲の「第3所定時間」であるT3。例えば30分間)継続させる。その後ステップ#119に進む。
【0065】
ステップ#119に進んだ場合は、ステップ#109と同様、制御部21は上下ルーバー18の角度を変更し、吹出口14からの空気吹出方向を上方に偏らせる。そして送風運転を除湿運転に切り替える。
【0066】
ステップ#119からステップ#120に進む。ステップ#120では、制御部21は湿度センサー19の出力信号をチェックし、室内湿度が所定湿度(特許請求の範囲の「第2所定湿度」であるW2。例えば45%)まで下がったことを湿度センサー19が検知したか、どうかを調べる。調べた結果、判定がYESであればステップ#115に進む。判定がNOであればステップ121に進む。
【0067】
ステップ#115で制御部21は、室内湿度がW2以下になった後も、所定時間(特許請求の範囲の「第1所定時間」であるT1。例えば40分間)除湿運転を継続させる。T1が経過したら衣類乾燥モードでの運転を終了する。
【0068】
ステップ#121に進んだ場合は、今回の衣類乾燥モード運転における除湿運転開始以来の除湿運転累計時間が所定時間(特許請求の範囲の「第4所定時間」であるT4。例えば5時間)に達するまで除湿運転を継続し、その後衣類乾燥モードでの運転を終了する。
【0069】
ステップ#106とステップ#117において、部屋40が開放状態にあるとの判断を制御部21が下した場合、ステップ#118でなくステップ#121に進むこととしてもよい。
【0070】
リモコン30の蓋34の表面にはイオン発生装置20の操作ボタン38が配置されている。操作ボタン38を押すと、制御部21はイオン発生装置20を稼働させ、イオン発生装置20は通風路15を流れる気流中に正イオンH(HO)(mは任意の自然数)と負イオンO-(HO)(nは任意の自然数)を放出する。空気と共に吹出口14から吹き出された正イオンと負イオンは、それが衣類42にかかった場合、衣類42の除菌や消臭などの効果を生じる。
【0071】
除湿運転時、空気の吹出方向は上方に偏っている。その時イオン発生装置20にイオンを発生させる場合は、一定のタイミングで上下ルーバー18の角度が変わり、空気の吹出方向が下方に偏ることとなるように制御部21の制御プログラムを構成しておくのがよい。このようにすることにより、除湿運転中でも正イオンと負イオンを直接衣類42に吹き付けることができる。
【0072】
前述した荷電粒子の一種である、荷電した微細水滴も、除菌効果や消臭効果を有する。荷電した微細水滴を直接衣類に吹き付けるか、あるいは衣類の周囲に漂わせることにより、衣類の除菌や消臭を行うことができる。
【0073】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は空気調和機に広く利用可能である。
【符号の説明】
【0075】
1 室内機
11 熱交換器
12 送風機
17 左右ルーバー
18 上下ルーバー
19 湿度センサー
20 イオン発生装置
21 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内空気を循環させる送風機と、前記送風機が循環させる空気との間で熱交換を行う熱交換器と、前記熱交換器を通過した空気の吹き出し方向を変更可能なルーバーと、室内の湿度を測定する湿度センサーを備え、除湿運転及び衣類乾燥モードでの運転が可能な空気調和機において、
制御部が以下のステップを実行することを特徴とする空気調和機:
(a)衣類乾燥モードでの運転開始時、使用者による前記ルーバーの角度変更を確認するステップ
(b)送風運転するステップ
(c)室内湿度が第1所定湿度に達したことを湿度センサーが検知したかどうかを調べるステップ
(d)室内湿度が前記第1所定湿度に達したとき、空気の吹出方向を上方に偏らせるように前記ルーバーの角度を変更し、除湿運転に切り替えるステップ
(e)室内湿度が第2所定湿度まで下がったことを前記湿度センサーが検知したかどうかを調べるステップ
(f)室内湿度が前記第2所定湿度まで下がった後、第1所定時間が経過するまで除湿運転を継続し、その後運転を終了するステップ。
【請求項2】
前記制御部は、前記ステップ(a)で使用者による前記ルーバーの角度変更を確認できなかったときは、前記(b)のステップに続いて以下のステップを実行し、その後前記(c)のステップに進むことを特徴とする請求項1に記載の空気調和機:
(g)衣類乾燥モードでの運転開始後、第2所定時間内に、室内湿度が前記第1所定湿度より低い第3所定湿度に達したことを前記湿度センサーが検知したかどうか調べるステップ
(h)前記第2所定時間内に室内湿度が前記第3所定湿度に達しなかったとき、空気の吹出方向を下方に偏らせるように前記ルーバーの角度を変更するステップ。
【請求項3】
前記制御部は、前記ステップ(c)で室内湿度が前記第1所定湿度に達しなかったとき、前記(d)のステップに代えて以下のステップを実行し、その後前記(e)のステップに進むことを特徴とする請求項1または2に記載の空気調和機:
(i)送風運転を第3所定時間継続するステップ
(j)空気の吹出方向を上方に偏らせるように前記ルーバーの角度を変更し、除湿運転に切り替えるステップ。
【請求項4】
前記制御部は、前記(e)のステップで室内湿度が前記第2所定湿度まで下がったことを前記湿度センサーが検知しなかったときは、前記(f)のステップに代え、以下のステップを実行することを特徴とする請求項3に記載の空気調和機:
(k)除湿運転開始以来の除湿運転累計時間が第4所定時間に達するまで除湿運転を継続し、その後運転を終了するステップ。
【請求項5】
衣類乾燥モードにおける送風運転は、前記送風機の回転数を高めて行われることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項6】
吹き出す空気中に荷電粒子を放出する荷電粒子発生装置が搭載されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項7】
前記制御部は、前記荷電粒子発生装置が荷電粒子を発生している時、空気の吹出方向を上方に偏らせる設定となっているときは、時々前記ルーバーの角度を変えて空気の吹出方向を下方に偏らせる制御を行うことを特徴とする請求項6に記載の空気調和機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−7513(P2013−7513A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−139590(P2011−139590)
【出願日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】