説明

空物品特にびん及び缶を回収する方法及び運搬装置

本発明は、大量投入により空物品特にびん及び缶を回収する方法であって、大量投入の際空物品(10)が、投入空間(8)から出て、運搬装置(1)によりその縦軸線の周りに回転しながら検出装置(14)のそばを通って導かれるものに関し、またこの方法を実施するため運搬方向に対して直角に設けられて互いに間隔を置く複数の連行体を持つ運搬装置に関する。このような方法及びこのような運搬装置において、高い処理能力が得られるようにする。これは、空物品(10)が運搬装置(1)により投入空間(8)から出て平行にされ、範囲配置の検出装置(14)へ供給されることによって、また連行体(4)が、少なくとも2個の空物品(10)を横に並んで受入れることができる幅に構成され、空物品(10)が少なくとも検出装置(14)の検出領域(15)で回転衝撃を受けることによって達せられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1及び2に記載の空物品特にびん及び缶を回収する方法及び運搬装置に関する。
【0002】
このような方法及び運搬装置は、自動空物品回収装置において使用される。この自動装置により、びん及び缶の形の使い捨て容器及び何回も使える容器を回収することができる。その際個別引込みシステムと大量引込みシステムとが区別される。
【背景技術】
【0003】
個別引込みシステムを持つ自動空物品回収装置は、国際公開第02/12095号に開示されている。このような自動装置では、容器が手により連続して順次投入され、それから運搬装置により連続して即ち列をなして検出装置のそばを通され、検出装置により形状、状態、無傷、バーコード又は特別符号を検査される。
【0004】
大量引込みシステムを持つ自動空物品回収装置は、ドイツ連邦共和国の特許出願公開第102005025965号明細書、第102004010133号明細書及び第10335188号明細書に記載されている。この自動装置では、回収すべき空物品は、個々に即ち1個ずつ投入されるのではなく、大量に即ちいわばばら荷として投入される。投入は投入空間へ行われ、投入空間から空物品が運搬装置により搬出される。従来技術による自動装置では、投入空間から出て、空物品が連続的にばらばらにされ、それからこの配置で個別引込みシステムにおけるのと同じように、運搬装置により検出装置のそばを通され、この検出装置により空物品が順番に個々に検出される。
【0005】
上述した大量引込みシステムは、自動装置への空物品の投入が利用者のために急速に問題なく行われる、という利点を持っている。しかしその欠点は、連続的にばらばらにするため、自動装置による処理は、空物品の部分的に高い個別運搬速度にもかかわらず、多くの時間を要するので、顧客は比較的長時間保証受領の表出を待たねばならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って本発明の課題は、空物品特にびん及び缶の回収のための方法及び運搬装置を、高い処理能力で利用可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、本発明によれば請求項1に記載の方法及び2に記載の運搬装置によって解決される。
【0008】
本発明によれば、投入空間からの空物品の搬出は平行にされて行われ、それにより空物品は範囲配置で検出装置へ供給される。範囲配置とは、運搬装置にある空物品が搬送方向に見て順番に上下に又は前後に配置されているだけでなく、同時に横に並んで配置されていることも意味する。この方法を実現するため、運搬装置の連行体が、少なくとも2個の空物品を横に並んで受入れることができる幅に構成され、空物品が少なくとも検出装置の検出領域で回転衝撃を受けるので、空物品は同時に並進搬送されながらその縦軸線の周りに回転する。縦軸線の周りの回転運動は、個別引込みシステムにおけるように、空物品の周面に存在する標識等を検出装置により検出できるようにするために必要である。この手段により、自動回収装置による空物品の処理能力が著しく高められる。
【0009】
本発明の第1の有利な実施形態では、運搬装置が空物品用の当接面を持っている。この当接面の周りに線状辺特に鎖辺が循環し、互いに間隔をおいて設けられるローラがこの鎖辺に回転可能に支持されて、空物品用連行体として機能する。ローラ上にある空物品の回転駆動は、当接面を持ちかつこの当接面に対して並進運動せしめられるローラの摩擦係合により簡単に行うことができ、それによりローラが回転し、回転衝撃を空物品へ伝達する。基礎が両側にラック状範囲を持ち、ローラにかみ合う歯車がこれらのラック状範囲にかみ合うことによって、ローラと基礎とのはまり合いによりローラを回転駆動することも考えられる。
【0010】
本発明の別の実施形態では、ローラが当接面から両側へ突出し、これらの突出範囲で回転駆動のため、当接面に関し駆動鎖の互いに反対の側に設けられているレールに、摩擦係合又ははまり合いで当接している。それによりローラの回転方向従って空物品の回転方向も、前述した構成に対して逆にされ、その結果検出装置の検出領域の高さが有利に減少する。この実施形態では、検出装置の検出領域の高さのそれ以上の減少は、両方の突出範囲におけるローラ(はまり合いの場合歯車)の直径が、ローラの連行体範囲おけるより小さいことによって実現され、ここで連行体範囲とは、空物品が載っているローラの範囲を意味する。この手段により、空物品の周速が高められる。
【0011】
上述した実施形態に対し、次のようにすることによっても検出装置の検出領域を短くすることができる。即ちローラが当接面から両側へ突出し、これらの突出範囲で回転駆動のため、駆動鎖に関し当接面の側に設けられているレールに、摩擦係合又ははまり合いで当接し、突出範囲におけるローラ(はまり合いの場合歯車)の直径が、ローラの連行体範囲おけるより小さい。この構成では、空物品は第1の実施形態におけるのと同じ回転方向を持つが、もっと大きい周速を持っている。
【0012】
ローラが交互に小さい直径の部分及び大きい直径の部分から成り、空物品が大きい直径の部分に載っていると、有利なことがわかった。その場合空物品の連行は障害なく行われ、特にローラのこの構成では、空物品がローラと当接面との間に食い込むことがない。
【0013】
本発明の別の実施形態では、空物品用当接面に、連行体上にある空物品の回転駆動用駆動ローラ又は駆動ベルトがはめられていることによって、空物品の回転駆動を行うことができる。この場合連行体は例えば桟片として構成することができる。
【0014】
本発明の別の構成では、運搬装置が、特に60°〜85°の傾斜角を持つ急傾斜コンベアとして構成されている。それにより自動回収装置の全体深さが小さくされる。他方この急傾斜範囲では、連行体上に複数個の空物品が重なって運搬されるのを防止されることがわかった。なぜならば、余分な個数の空物品は投入空間へ戻るからである。
【0015】
本発明が実施例により以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】 本発明による運搬装置の第1実施例の正面図を示す。
【図2】 図1の装置の側面図を示す。
【図3】 図2の細部Aの拡大図を示す。
【図4】 検出装置に属するカメラの検出領域を記入された運搬装置の斜視図を示す。
【図5】 本発明の第2実施例を図3による表示で示す。
【図6】 図5による第2実施例の平面図を示す。
【図7】 本発明の第3実施例を図3による表示で示す。
【図8】 図7による第3実施例の平面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
概略的な図面は、他の部分を示してない自動空物品回収装置の急傾斜コンベア1を示す。この実施例では、急傾斜コンベア1の傾斜角αは60°〜85°の範囲にある。急傾斜コンベア1は、その両方の縦辺に循環する駆動鎖2,3を持ち搬送方向に対して直角に設けられるローラ4がこれらの駆動鎖に回転可能に支持されている。ローラ4は、等間隔で周囲に分布して駆動鎖2及び3に支持され、交互の部分5及び6は小さい直径及び大きい直径を持っている。ローラ4は、少なくとも駆動鎖2及び3の上辺で、剛性の定置当接面7上を移動し、それにより摩擦係合により回転駆動される。
【0018】
急傾斜コンベアの傾斜角αは最大90°であってもよい。この場合ローラ4は、搬送すべき空物品10の最大直径より大きい直径を持たねばならない。
【0019】
急傾斜コンベア1の下端に、上方へ開くホッパ状投入空間8が設けられている。投入空間8の底9は、急傾斜コンベア1の方へ下方へ傾斜している。投入空間8へ、缶及びびんの形の空物品10が、ぶちあげにより例えばポケットからばら荷として投入される。底9の傾斜のため駆動力が存在して、空物品10を急傾斜コンベア1の方へ転がらせるか又は滑らせる。急傾斜コンベア1のローラ4は投入空間8を通過し、それによる空物品10が、ローラ4の直径の大きい方の部分6上に載って連行される。ローラ4は、図1からわかるように、少なくとも2個の空物品10がローラ4上に載ることができるような幅である。
【0020】
急傾斜コンベア1は空物品10を投入空間8から上方へ搬送する。搬送方向は図2及び3に矢印11で示されている。ローラ4が当接面7上で転がるので、ローラ4は図3に矢印12で示すように反時計方向に回転駆動される。それによりローラ4にある空物品10は、図3に矢印13で示すように時計方向に駆動される。この回転方向のため、空物品10は当接面7へ押付けられるので、それがローラ4から滑り落ちることはない。急傾斜コンベア1の上端で空物品10は、自動回収装置の図示してない次の装置へ引渡される。
【0021】
急傾斜コンベア1は、投入空間8及びローラ4を除いて図4に示されるように、検出装置に属するカメラ14にそばを通って空物品を導く。カメラ14は広がった検出領域15を持っている。この検出領域15は急傾斜コンベア1の全幅を持ち、検出領域15の高さHは、それが最大直径を持つ空物品10の少なくとも転がる周面に等しいように選ばれている。それにより1個の空物品10の周面にあるすべての標識、バーコード又はその他の特徴を確実に検出することがえきる。カメラは、適当な機能照明付きで特定の角をなして急傾斜コンベアの上方に特定の間隔をおいて設けられ、それにより回転する空物品10の上方運搬中に、その周囲にある標識等を光電的に実時間で検出することができる。更にカメラ装置によって、全装置を監視し、その撮影を適切なサービス手段のために利用することができる。
【0022】
図5及び6には本発明の第2実施例が示されている。これらの図において、同じ部材に対して第1実施例の符号が引継がれる。急傾斜コンベア1は、その原理的構造において第1実施例のそれに一致している。従って急傾斜コンベアは、空物品10用の装置剛性当接面7、投入空間8及び連行体として機能するローラ4を持ち、これらのローラ4は当接面7の周りに循環する駆動鎖2,3に回転可能に支持されている。第1実施例におけるようにローラ4は当接面上を転がらず、両側へ当接面7から突出し、それにより形成される突

れるレール16に摩擦係合して移動する。この配置のため、ローラ4は時計方向に回転し、ローラ上にある空物品10はそれに応じて反時計方向に回転する。この回転方向は、空物品10の並進搬送及びそれに伴うカメラの視角に関連して、次の利点を持っている。即ち空物品10の周面にあるバーコード及び/又はその他の標識の完全な検出のために、空物品10はもはや完全に回転する必要がなく、即ちカメラ14の検出領域の高さHは、第1実施例による解決策と比較して有利に減少している。
【0023】
図7及び8には本発明の別の実施例が示されている。前述した第2実施例とは異なり、ここではレール16が、駆動鎖2及び3に関して、当接面7の側に設けられている。ロー

径を持つほぞ状の延長部17を持っている。これらの延長部17によりローラ4は、空物品用当接面7から持ち上げられて、レール16に摩擦係合して移動する。ここではローラ4は第1実施例におけるのと同じ回転方向を持つが、“変速比”のためもっと高い周速を持っている。その結果検出領域15の高さHが減少する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
大量投入により空物品特にびん及び缶を回収する方法であって、大量投入の際空物品(10)が、投入空間(8)から出て、運搬装置(1)によりその縦軸線の周りに回転しながら検出装置(14)のそばを通って導かれるものにおいて、空物品(10)が運搬装置(1)により投入空間(8)から出て平行にされ、範囲配置で検出装置(14)へ供給されることを特徴とする方法。
【請求項2】
運搬方向に対して直角に設けられて互いに間隔を置く複数の連行体を持つ、請求項1に記載の方法を実施するための運搬装置において、各連行体(4)が、少なくとも2個の空物品(10)を横に並んで受入れることができる幅に構成され、空物品(10)が少なくとも検出装置(14)の検出領域(15)で回転衝撃を受けることを特徴とする、運搬装置。
【請求項3】
運搬装置(1)が空物品(10)用の当接面(7)を持ち、連行体(4)が当接面(7)の周りを循環する駆動鎖(2,3)に両側で支持されていることを特徴とする、請求項2に記載の運搬装置。
【請求項4】
連行体が、両側で駆動鎖(2,3)に回転可能に支持されているローラ(4)から形成されていることを特徴とする、請求項3に記載の運搬装置。
【請求項5】
ローラ(4)の回転駆動が当接面(7)との摩擦係合又ははまり合いにより行われることを特徴とする、請求項4に記載の運搬装置。
【請求項6】

め、当接面(7)に関し駆動鎖(2,3)の互いに反対の側に設けられているレール(16)に、摩擦係合又ははまり合いで当接していることを特徴とする、請求項4に記載の運搬装置。
【請求項7】

けるより小さいことを特徴とする、請求項6に記載の運搬装置。
【請求項8】

め、駆動鎖(2,3)に関し当接面(7)の側に設けられているレール(16)に、摩擦

の連行体範囲(M)おけるより小さいことを特徴とする、請求項4に記載の運搬装置。
【請求項9】
ローラ(4)が自己駆動装置を持っていることを特徴とする、請求項4に記載の運搬装置。
【請求項10】
ローラ(4)が交互に小さい直径の部分(5)及び大きい直径の部分(6)から成り、空物品(10)が大きい直径の部分(6)に載っていることを特徴とする、請求項4〜9の1つに記載の運搬装置。
【請求項11】
空物品(10)用当接面(7)に、連行体(4)上にある空物品(10)の回転駆動用駆動ローラ又は駆動ベルトがはめられていることを特徴とする、請求項3に記載の運搬装置。
【請求項12】
運搬装置が、特に60°〜85°の傾斜角を持つ急傾斜コンベアとして構成されていることを特徴とする、請求項2〜11の1つに記載の運搬装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5−8】
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【公表番号】特表2012−505809(P2012−505809A)
【公表日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−535025(P2011−535025)
【出願日】平成21年10月20日(2009.10.20)
【国際出願番号】PCT/EP2009/007507
【国際公開番号】WO2010/046085
【国際公開日】平成22年4月29日(2010.4.29)
【出願人】(511114313)
【Fターム(参考)】